通信ネットワークにおけるオーバーロード制御
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィック量を制御するための適応オーバーロードシステムが、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成されたネットワークアクセスコントローラについて説明される。各ネットワークアクセスポイントは、トラフィックに通信ネットワークに対するアクセスを提供し、システムは、ネットワークアクセスコントローラにおいて、オーバーロード状態が存在するかどうかを判断することと、存在する場合には、ネットワークアクセスポイントが前記トラフィックを通信ネットワークへ受け入れるレートを制限するための、少なくとも1つの全体的制約を生成することを備える。コントローラは、次に前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、少なくとも1つの全体的トラフィック制約をマルチキャストする。全体的制約を受け取る各ネットワークアクセスポイントは、次に複数の局所制約条件を決定するために該全体的トラフィック制約を処理する。受信側ネットワークアクセスポイントは、前記局所制約条件を決定するために、前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定するステップと、以後の局所的な所定のギャップ間隔とは異なる初期ギャップ間隔を決定するステップであって、該初期ギャップ間隔が前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれの間で異なるステップと、を実行する。初期ギャップ間隔は、それ以外の場合高い呼レートシナリオで発生するであろう、ネットワークアクセスコントローラでの同期影響が排除されることを保証するために、無作為に又は擬似乱数的にのいずれかで決定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおけるオーバーロード制御に関し、特に、提供される呼がVoIPネットワーク内のメディアゲートウェイ(MG)からメディアゲートウェイコントローラ(MGC)によって受信されるレートを制限するためのMGC用の外部オーバーロード制御システムに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
(電話番号が、ユーザが自分の票を登録するために電話をかけるために一斉送信される)電話投票(tele−voting)及び類似した大量発呼方式(mass calling scheme)は多くの場合、突然発現し、比較的短い持続時間継続する、非常に高い通信レートを生じさせる。トラフィックのこのような抗しがたい急増に対処するために十分なネットワーク容量を提供し、緊急事態及び他のコアサービスをサポートできるようにするために、通信ネットワーク内でオーバーロード制御が実現されることを必要とすることは経済的ではない。しかしながら、ある特定のネットワークアドレスに対して送られる呼の数の突然の増加に対処する従来の方法は、通信ネットワーク自体が進化するので満足のいくものではない。
【0003】
通信ネットワーク内でオーバーロード制御を提供する従来の方法は、かけられる呼の数を制限しようとする呼空所化(call gapping)技法を含む。このような呼空所化技法は当業者にとって周知であり、ギャップの発現をトリガする第1の呼に続く所定の時間間隔(ギャップ)内で受信される呼を除外する又は阻止することを含む。呼空所化技法の例は、例えば、その内容が参照して本説明に組み込まれるとみなされる「電気通信オーバーロードトラフィックを制御するためのシステム」と題される米国特許第6,259,776号に説明されている。
【0004】
しかしながら、従来の電気通信ネットワークはさらに多くの機能性を提供するため、及び従来の公衆交換電話網(PSTN)によって提供されるものと異なるメディアをサポートするために進化している。例えば、PSTNの呼集信装置は、インターネットプロトコル(IP)メディアトランスポートへのアクセスを提供するために従来の銅線を変換するアクセスメディアゲートウェイ(MG)で置換できる。このような通信ネットワークでは、MGは、従来のPSTNで実現されるローカル交換プロセッサと同様に、呼のルーティングを決定するためにダイヤルされた数字を分析することによってトラフィック分析を実行するメディアゲートウェイコントローラ(MGC)によって、制御されている。MGとMGCに関するさらに多くの詳細は、インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)標準化団体(url http://www.ietf.org/html.charters/megaco−charter.html)から入手可能なメディアゲートウェイコントロール(MEGACO)設立趣意書標準文書に記載されている。
【0005】
宛先の電話番号が全国的に広告され、相当数のカスタマが該電話番号に電話をかけようと試みると必ず、該宛先のメイン切替え装置及び/又は該宛先のローカル交換局への着信トランクを使用しようとする呼の集中オーバーロードが、通常のサービストラフィックの切替え阻止を生じさせることがある。例えば米国特許第6,259,776号が提案するように、従来のPSTN内でのこのような問題に対処するために複数の技法が提案されてきた。米国特許第6,259,776号は、このような宛先へのトラフィックが所定のレベルを超えるとオーバーロード制御装置が所定の宛先に対する呼の接続を制限する、オーバーロード制御装置を含む電気通信ネットワークを説明している。該装置は、それぞれが該ネットワークの複数のノードの内の1つでそれぞれ動作し、それぞれが各ノードで知覚されるオーバーロードレベルから決定されるそれぞれの空所化(gapping)期間を有する、複数の同一のオーバーロード制御機能を備え、オーバーロード制御機能はそれらのそれぞれの空所化期間を定めるデータを交換し、それぞれのノードから任意の1つの所定の宛先へのそれぞれの空所化期間の間のかなりの差異が回避されるように、平均空所化期間に対する調整を実行する。
【0006】
米国特許第6,259,776号に説明されているオーバーロード制御システムは、従来の電気通信SS7型ネットワークで有効な解決策を提供するが、それは、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、又は添付図面の図1が示すような多数のネットワークアクセスポイント(A1...AN)が単一のネットワークアクセスコントローラX1の制御下にある類似するタイプのネットワークにとっては、あまり有効ではない。このような状況では、ネットワークの重大なオーバーロード状態は、ネットワークに入る権利を求める呼を処理するために使用できる有限量のリソースしか有さないコントローラX1の最大呼処理能力に関連する。該ネットワークに入ることが許される呼の数に対するこの制限は、添付図面の図2に概略的に示されている。
【0007】
図2に示されているグラフでは、x軸は該ネットワークアクセスポイントによって該ネットワークアクセスコントローラに提供される呼のレートを表し、y軸は該ネットワークに対して該ネットワークアクセスコントローラによって入ることが許される呼の数を表す。集められた提供レートの関数としてコントローラX1によって通信ネットワークに実際に入ることが許される、アクセスポイントA1...ANの全てによって提供される集められた呼の総数は、実線のプロットによって示されている(したがって、これがネットワークに入ることが許される呼のレートを示す)。提供されたレートが相対的に低い場合には、入る率は提供される呼の数に一致するように上昇できる。しかしながら、コントローラは有限のリソースしかなく、そのリソースの使用が増加するにつれて、最終的にコントローラは過負荷となる。これは図2のAと記された点で発生し、この点でコントローラは、応答時間を相対的に低いままにするために受信される、オフフック信号の特定の割合を拒絶する必要がある。
【0008】
毎秒あたり提供される新しい呼の数、つまり提供される呼レートが点Aを超えて上昇するにつれ、入る率は急激に上昇できなくなり、最後に呼がネットワークに入る率は提供された呼の既定レートLMの最大に達する。この点を超えると、コントローラのリソースは、呼を受け入れるのと対照的に、提供される呼を拒絶することにますます関与するようになる。最終的に、提供される呼の数がレートLCに達すると、コントローラのリソースは呼を拒絶するのに占有され、新しい呼は受け入れられなくなる。
【0009】
ネットワークアクセスコントローラの内部制御機構は、図2に示されている図に反映される。アクセスコントローラの内部制御は、提供される負荷の一部又は全てを拒絶する能力を提供し、提供される負荷に対する(空所化のような)任意の外的な制限を調整する能力を提供しない。
【0010】
図2の破線の曲線は、ネットワークアクセスコントローラの、その制御領域の中でネットワークアクセスポイントから受信する信号(例えばオフフック信号)に対する応答時間を示す。当初、オーバーロードポイントに到達する前には、コントローラは、それが着実により多くの提供される呼を処理するので、ゆっくりと上昇する応答時間を有するであろう。アクセスコントローラが提供される呼を拒絶する能力は、アクセスコントローラがこれの応答時間を調整しなければならない場合には、効果的な外部制限と結合される必要がある。ネットワークアクセスポイントに提供されるトラフィックがLMを超えるたびに、アクセスコントローラに提供されるレートが、アクセスコントローラのスループットを最大限にするために相対的にLMの近くに保持されることを確実にするために、何らかの形式の適応外部制限制御を実現することが必要である。
【0011】
当業者に公知の適応外部制御の1つの形式は、呼空所化オーバーロードシステムによって提供されるものである。呼空所化プロセスは、アクセスコントローラの応答時間が相対的に一定のままとなることができるようにするほぼLMに、ネットワークアクセスポイントによってアクセスコントローラに提供される負荷がとどまることができるようにする。しかしながら、外的制御が実現されない場合、あるいは外部制御が提供される呼のレートをLMの近傍に制限するには十分ではない場合には、提供されるレートが、それがLCに近づくまで上昇するのであれば、オーバーロードコントローラによって実現される内部オーバーロード制御プロセスが効果的にアクセスコントローラのスループットをゼロに削減し、提供されるトラフィックのどれもがネットワークに受け入れられないようにするであろう。
【0012】
従来の呼空所化プロセスは他の制限も有する。例えば、プロセスが、多数のネットワークアクセスコントロールポイントが(当業者にとっては非常に高い「ファンイン」として公知でもある)単一のアクセスコントローラによって制御されるシステム内で適用される場合、トラフィックが外部制限によって受け入れられる(つまりネットワークアクセスポイントによって適用される)レートは、制御ポイントからのコマンドにゆっくり応答しすぎて、受け入れられるレートを変更する(つまり空所化プロセスが外部制限を実現するために使用される場合、空所間隔を変更する)ことができない。ネットワークアクセスポイントによるこの低速応答の結果、オーバーロード制御サーボループは低速且つ場合によっては不安定となる。
【0013】
この低速応答の問題の一因となる遅延の他の原因は、
送信される必要のある多数の制御メッセージのために、アクセスコントローラからネットワークアクセスポイントに制御メッセージを送出する際の遅延と、
呼制限が最初に課されているときに、従来の呼空所化プロセスにおいて外部制限によって常に受け入れられ、その結果、ネットワークアクセスポイントの全てが呼のギャップを課すアクティブな間隔タイマを同時に実行させる場合に同期影響を生じさせる、第1の提供呼と、
すでに空所化されているアクセスポイントにギャップ間隔更新が適用される場合に、更新されたギャップが受け入れられるレートに対して影響を及ぼす前に、既存のギャップ間隔タイマが期限切れになるのを待機する遅延と、
を含む。
【0014】
このようにして従来の呼空所化により課される技法は、数多くのアクセスポイント、さらに好ましくは例えば数千等の非常に多数を制御するアクセスコントローラで、重大なオーバーロード状態が発生する状況では、もはや効果的ではない。
【発明の開示】
【0015】
本発明の1つの目的は、アクセスコントローラが通信ネットワークへのトラフィックを受け入れるように構成された複数のネットワークアクセスポイントを制御する通信ネットワークに、適応的な外部オーバーロード制御方式を提供することである。特に本発明の1つの目的は、メディアゲートウェイコントローラ(MGC)等のアクセスコントローラが、アクセスコントローラに集中する呼のオーバーロードを防ぐオーバーロード制御システムをネットワークに提供することによって、オーバーロード状態を検出するときに発生する可能性がある問題を、軽減する、及び/又は未然に防ぐことである。特に、オーバーロード制御システムは、同期した繰り返し集中オーバーロードがネットワーク内で発生するのを妨げる。ここでは、用語「集中オーバーロード」は、(ある特定のアドレス又はネットワーク内のアドレスの一部に呼の大半が向けられる場合に)その集中宛先でのオーバーロードを制御することと対照的に、そのネットワークへの受け入れのための処理が特定のアクセスコントローラに集中するトラフィックを指す。トラフィック自体は、音声トラフィック及び/又はデータトラフィック(例えば、スモールメッセージサービス(SMS)又は電子メール型トラフィック)を備えてよい。
【0016】
本発明の別の目的は、アクセスコントローラが、アクセスコントローラに呼を提供するように構成された多くのネットワークアクセスポイントに、アクセスコントローラによって決定されるスケラブルな呼ギャップ間隔をマルチキャストすることによって、その提供呼レートを外的に調整する、オーバーロード制御システムを提供することである。次に各ネットワークアクセスポイントは、その個々の特性に従ってスケラブルな呼ギャップを修正できる。ネットワークアクセスポイントの個々の特性の例は、例えばアクセスポイントがネットワークへの受け入れを求めるトラフィックを受信する回線数等を含む。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、トラフィックが各ネットワークアクセスポイントによって受け入れられると、トラフィックの特定のネットワーク宛先アドレスに従ってトラフィックを調整することである。
【0018】
本発明の態様及び好ましい特徴は、添付の特許請求の範囲に示されるとおりである。
【0019】
有利なことに、本発明は、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成されたネットワークアクセスコントローラによって処理される、トラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムを提供しようとする。各ネットワークアクセスポイントは、トラフィックに通信ネットワークへのアクセスを提供し、システムは、オーバーロード状態が存在するかどうかをネットワークアクセスコントローラで判断することと、存在する場合に、ネットワークアクセスポイントが通信ネットワークに前記トラフィックを受け入れるレートを制限するための、少なくとも1つの全体的制約を生成することを備える。全体的制約の例は、アクセスポイントによって管理されるアクセス回線あたりの要求レートを備える。このようにして全体的制約は、トラフィックが処理のためにアクセスコントローラに提供されているレートが、所定のカットオフを超えたかどうかを判断するアクセスコントローラによって、ネットワークアクセスポイントの全てについて決定される。該コントローラによって生じる全体的制約は、特に、宛先が特定のアドレスを備えるトラフィック用であってよい。代わりに、ネットワークアクセスコントローラによって生成される全体的制約は、代わりに、トラフィックの宛先アドレスと無関係にトラフィックに適用されるデフォルトの全体的制約を備えてよい。次に、コントローラは前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、該少なくとも1つの全体的トラフィック制約を通信する。それは、利用される通信技法がマルチキャスト(又はブロードキャスト)タイプの技法である場合に好ましい。
【0020】
全体的制約を受ける各ネットワークアクセスポイントは、次に複数の局所制約条件を決定するために全体的トラフィック制約を処理する。受信側のネットワークアクセスポイントは前記局所的制約条件を決定するために、以下のステップを実行する。前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定することと、以後の局所的な所定のギャップ間隔と異なる初期ギャップ間隔を決定することであって、該初期ギャップ間隔が前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれの間で異なること、である。初期ギャップ間隔は、それ以外の場合高い呼レートシナリオで発生するであろう、ネットワークアクセスコントローラでの同期影響が取り除かれることを確実にするために、無作為に又は擬似乱数的にのいずれかで決定される。
【0021】
初期ギャップ間隔は、到達する呼によってトリガされる必要なく直ちに適用される。ゼロ初期ギャップ間隔が適用される場合には、メディアゲートウェイによって受信される次の呼は標準ギャップ間隔の強制をトリガする。
【0022】
本発明の残りの態様は添付の独立請求項によって提供され、好ましい特徴はその従属請求項によって列挙される。好ましい特徴は、適切な組み合わせが当業者に明らかである本発明の態様のいずれかと適切に組み合わされてよい。
【0023】
したがって本発明は、通信ネットワークへのアクセスを求めるトラフィックが、アクセスコントローラによって処理されるレートを制御する方法を提供し、さらに詳細には、メディアゲートウェイコントローラで提供呼レートを制御する方法を提供する。有利なことに、アクセスコントローラの制御の領域内での各アクセスポイントでの受け入れのレートは、アクセスコントローラによって要求される制限に応えて動的に且つほぼ瞬時に変更できる。
【0024】
本発明は、例証としてのみである添付図面を参照して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
現在、本発明者(複数の場合がある)によって意図されているような本発明の最良の形態が、添付図面を参照してここに説明される。当業者は、以下に詳細に説明される実施形態が例示的にすぎないこと、及び代わりにテキスト中に説明されるものに明らかに同等な特徴及びステップが存在する場合、これらの同等物が説明中このような特徴に対する代替策として暗示的に含まれると見なされることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されなければならない。特に、「呼」に参照がなされる場合、この用語は単に音声呼を含むだけではなく、通信の形式が、ネットワークによってサポートされ、ネットワーク内のネットワークアクセスポイント及び/又はアクセスコントローラによって、従来の呼が処理されるであろう方法と同等な方法で処理できる形式に変換できるとして当業者に公知である、いかなる他の形式の通信(例えば、短いテキストのメッセージングサービス呼及び/又は瞬間メッセージング呼、及び/又は電子メール呼)も含むと解釈されなければならない。同様に、用語「トラフィック」はVoIPネットワーク内の音声トラフィック、あるいは前述されたようなスモールメッセージングサービス(sms)テキストメッセージトラフィック、電子メールトラフィック、瞬間メッセージングトラフィック等の他の形式の通信トラフィックを備えてよい、「呼」を含む。したがって、前述されたように、本発明はおもに音声呼に関して説明されるが、当業者は、用語「呼」が、多数の「発呼者」が1つ以上のアドレスと通信しようとするときにネットワーク内で集中的な急増を生じさせることがある、電子メール又はsmsテキストメッセージ等の他のメディアを備えるトラフィックをカバーすることを意図することを、理解するであろう。
【0026】
添付の図面の図1に戻ると、多くのネットワークアクセスポイントA1...AN、B1...BM、C1...CLによるアクセスが実現される、通信ネットワーク1が示されている。アクセスポイントA1...AN、B1...BM、C1...CLを介した通信ネットワーク1に対するアクセスは、例えばアクセスコントローラX1、X2、X3等の1以上のアクセスコントローラによって制御される。図1に示されているように、A1...ANを介したネットワークアクセスはX1によって制御され、B1...BMを介したネットワークアクセスはX2によって制御される等である。通常、個々のアクセスコントローラによって制御されるアクセスポイントの数は相対的に多く、例えば数百アクセスポイント(以上)が単一のアクセスコントローラによって制御されてよい。図1に図示されていないのは、各アクセスポイントが異なる数の入信回線に接続されてよく、したがってアクセスポイントA1は1本の回線だけに接続されてよいが、アクセスポイントA2は25本の回線等に接続されてよいという事実である。したがってX1のような単一アクセスコントローラは、これの制御の領域内で、それらがネットワークに対するアクセスを提供する回線の数だけではなく、それ以外の場合にはその容量等の異なるネットワークアクセスポイントを制御するために、多くの異なるタイプのアクセスポイントを有してよい。
【0027】
本発明の一実施形態では、通信ネットワークはインターネットプロトコルネットワークを備え、ネットワークアクセスポイントは、IPトラフィックへの音声トラフィックの変換をサポートすることができ、ひいてはボイスオーバーIP(VoIP)サービスをサポートできるようにする、メディアゲートウェイ(MG)を備える。トラフィック(同等に呼)がIP通信ネットワークに受け入れられるレートは、1台以上のネットワークアクセスコントローラによって調整される。この実施形態では、各ネットワークアクセスコントローラはメディアゲートウェイコントローラ(MGC)を備える。
【0028】
さらに一般的には、用語「ネットワークアクセスポイント」は、別のネットワークから通信ネットワークへのアクセスを提供するために機能する、通信ネットワークの領域内の点を指し、用語「ネットワークアクセスコントローラ」は、ネットワークアクセスポイントに制御機能を提供する通信ネットワーク領域内の点を指す。
【0029】
メディアゲートウェイ制御プロトコルアーキテクチャ及び要件標準文書RFC2805、(現在はRFC3015によって廃止された)MEGACOプロトコルRFC2885、(現在はRFC3015によって廃止された)MegacoErrataRFC2886、RFC3525によって現在は廃止された(errataエラッタが織り込まれている)MegacoプロトコルRFC3015、Megaco IP電話メディアゲートウェイアプリケーションプロファイル(RFC3054)及びゲートウェイ制御プロトコルバージョン1(RFC3525)が、メディアゲートウェイ制御の実現に関するMEGACO標準文献のいくつかを集合的に形成し、用語メディアゲートウェイコントローラとメディアゲートウェイの正式の定義を記述する。前述された標準文書は、IETF規格フォーラムウェブサイト(url:www.ietf.org)からアクセス可能なMEGACO仕様を介して、全て入手可能である。メディアゲートウェイ制御プロトコルをサポートする同等な規格は、国際電気通信連合ITU−T H.248.1によって提案される。
【0030】
これらの規格は、潜在的に異なるネットワーク間でメディアマッピング及び/又はトランスコーディング機能を提供するとしてメディアゲートウェイ(MG)機能を定義し、その内の1つは、パケット、フレーム又はセルネットワークであると仮定される。例として、MGは交換回線網(SCN)ファシリティ(トランク、ループ)を終了し、メディアストリーム(すでにパケット化されていない場合)をパケット化し、パケットネットワークにパケット化されたトラフィックを送達する可能性がある。MGは、2回線ワイヤアナログ銅電話伝送回線に、又は「ループエミュレーション」によってアクセス回線のマルチプレックスを搬送する(ATM等の)別のパケットネットワークにも、(VoIP等の)パケットネットワークを接続するように構成されてよい。MGは、パケットネットワークからSCNに流れるメディアストリームについて逆の順序でこれらの機能を実行する。MGは、SCNパケット/フレーム/セル機能に限られない。つまり、全パケットインタフェースを有するコンファレンスブリッジは(IVR)対話型音声認識装置、音声リソース機能、又はセルインタフェースを有する音声認識システムだけではなく、MGもあり得る。メディアゲートウェイコントローラ(MGC)は、MGに制御機能を提供するとして定義される。
【0031】
添付図面の図3では、ネットワークアクセスポイントで適用される固定されたギャップ間隔がネットワークアクセスコントローラに提供される呼の数に対して有する可能性がある影響を立証するために、固定ギャップ間隔呼空所化技法が概略的に示されている。この種の空所化が、通信ネットワークに入るトラフィックを調整するために図1に示されるアクセスコントローラに適用される場合、例えば通常のクローフォード(Crawford)アルゴリズムを使用してネットワークアクセスポイントのそれぞれによって実現されるプロセス等の、固定ギャップ間隔呼空所化プロセスにより、アクセスコントローラが繰り返される呼の急増を経験することを招く可能性がある。これらの繰り返される急増は同期して発生し、その基本的な形式であらゆるMGからの第1の呼を受け入れ、次にはギャップ間隔中どのMGからの呼も受け入れない、クローフォードアルゴリズムから生じる。呼の到着の無作為性によって同期が使用不能になる(washed out)ように十分な時間が経過するまで、MGがMGCにより要求されるレートを配信できないため、同期はオーバーロード制御サーボシステムの動作に悪影響を及ぼす。これが、(MGCに提供される呼の)呼間到着時間がギャップ間隔よりはるかに少ない場合、安定した制御のために受け入れがたいほど長い時間である場合がある。同期の影響は、呼のレートが十分に高く、ギャップ間隔が十分に長い場合に、オーバーロード応答で発生するにすぎない。同期は、各MGが到着する呼に課すギャップ間隔に対する、MGに提供される呼の呼間到着時間の割合に、及び個々のMGでの回線数の分散に依存している。全てのMGが同じ数の回線を有する場合には、同期の影響はより顕著であるが、各MGに取り付けられている回線数で幅広い連続的な分散がある場合は、MGCでの到着レートのギャップ間隔の変化に対する反応は依然として影響を及ぼされるが、同期影響はあまり重大ではない可能性がある。
【0032】
さらに詳細に図3を参照すると、図面の上部は、当業者に周知であるようなクローフォードアルゴリズムを実現することにより、規則正しいギャップ間隔を適用するアクセスポイントの数Nを概略的に示す。図面の下部では、一定のギャップ間隔が課される時間の関数としてネットワークアクセスコントローラ(例えばMGC)によって受信される呼の数の概略プロットが示されている。
【0033】
当業者に周知であるように、クローフォードアルゴリズムにより各ネットワークアクセスポイントはその呼に、第1の呼を受け入れることを可能にするが、次に所定の期間(ギャップ間隔)gの間全ての以後の呼を阻止する(このような阻止された呼は、図3の陰影の付けられた領域内の矢印によって示されている−阻止されていない呼は陰影が付いていない領域で矢印によって示されている)ギャップ間隔を適用できるようにする。第1のギャップ間隔gの満了後、次の呼要求ネットワークアクセスが受け入れられるが、次に以後の呼ギャップ間隔が適用される。
【0034】
図3が示すように、当初、高い呼レートの結果、アクセスコントローラによって処理される呼の総数がほぼゼロに低下することになる高い程度まで重ね合うアクセスポイントのそれぞれによって呼ギャップが課される。(例えば図3にMG#1...Nとして示されている)各ネットワークアクセスポイントは、初期の阻止されていない呼を、(ここではまた該ネットワークアクセスコントローラとも呼ばれる)ネットワークアクセスコントローラに送信する。次に、既定のギャップ間隔g=Δtの場合、ネットワークアクセスコントローラ(例えばMGC)は、受信される呼の総数の急激な減少を経験する。しかしながら、ギャップ間隔gの持続時間にほぼ同等な時間尺度では、全てのアクセスポイントによりネットワークアクセスコントローラに提供される呼の数は再び急激に上昇する。時間がすすむにつれ、アクセスコントローラに提供される呼の最大数は下降し、ギャップ間隔があまり相互に関連しなくなり、より重複が少なくなるにつれ、さらに幅広い間隔に広がるにすぎない。これは、以後のギャップ間隔の間のさらに幅広いオフセットにより、図3に示されている。この呼パターンの「同期」は、ギャップが長期間適所にとどまる場合には最終的に消えてしまう。
【0035】
この動作は、通常のクローフォード空所化アルゴリズムが、25回線MGと単一線MGの両方を備える最大数のアクセスポイントに空所化プロセスを課すために使用されている、図4に示されるシミュレーションされた例でより明確に分かる。図4では、ネットワークアクセスポイントが受信する各呼の後に、ネットワークアクセスポイントのタイプに応じてローカルギャップ間隔が決定される。例えば、MGが25回線を超える呼を受け取る場合、他の呼が阻止される(発呼者が、例えば回線ビジー又は切断又は他のダイヤルトーン等の呼が阻止されていることを示す、何らかの信号を受信してよい)60秒の間隔が課される。しかしながら、各単一回線MGは、25回線MGによって課されるギャップ間隔の25倍のギャップ間隔を適用する。したがって、この例では、1500秒というギャップ間隔は、各単一回線MGによって適用される。MGの各タイプでは、いったんローカルギャップ間隔が満了すると、ネットワークアクセスポイントにより受信された次の呼はアクセスコントローラに転送され、次に以後のギャップ間隔が、追加の呼が終了される間に課される。
【0036】
図4では、通常のクローフォードアルゴリズムは、示されている例では、25回線アクセスポイント上に広がる125,000本の回線と、単一回線アクセスポイントでの125,000回線に関連する、250,000回線の混合された集合に適用された。アクセスポイントからアクセスコントローラに提供される呼のレートは、毎秒1600呼(cps)であり、アクセスコントローラターゲットレートは160cpsである。このような10倍のオーバーロードは、電話投票(televoting)型大量発呼(mass calling)サービスが一般的になるにつれ、通信ネットワークが経験することが予想できる集中的急増のタイプの特色を示していると考えられる。
【0037】
図4に示されている全体的な動作は、単一回線MGが漸次的にそれらの第1のギャップを適用するにつれ落下するように重ね合わされる、25回線MGからの同期受け入れプロファイルを実例説明している。該シミュレーションは、図4のプロットに示される時間尺度よりはるかに長い時間尺度でこれが発生するために、単一回線MGによって受け入れられるトラフィックの同期を示さない。
【0038】
図4に示されている受け入れられたトラフィックレートは、アクセスポイント(つまりゲートウェイ)ごとの呼ギャップ間隔にほぼ同等な時間定数で変化する。しかしながら、これは、第1に繰り返される急増自体もアクセスコントローラをオーバーロードする可能性があるため、及び第2にアクセスコントローラがせいぜいギャップ期間ごとに一度だけ(つまり60秒ごとに)制御更新決定を下すことができるために、問題を呈する。これは低速すぎて、5秒ごと等の制御更新を要求する可能性のあるオーバーロードイベントに適応できない。
【0039】
きわめて可変であり、最繁時レートの何倍にもなる(例えば20倍を超える)非常に高い通話料金に対処するためには、本発明によるアクセスコントローラは非常に急速なオーバーロード制御を実現する。特に、オーバーロード制御は、各アクセスポイントが、ネットワークに受け入れられるトラフィックのレートを制限するための局所アクセス制約を実現する外部コントローラとして機能できるようにすることによって、アクセスコントローラの外部で課される。本発明により、アクセスコントローラは、それが複数のアクセスポイント(一般的には、その領域内のアクセスポイントの全てであるが、必ずしも常に全てではない)から受信する呼の数に基づいてオーバーロード状態を決定できる。次にアクセスコントローラは、ネットワークに受け入れられるトラフィックのレートを削減するために課される(例えば、回線ごとの)全体的制約を決定する。次に各アクセスポイントは、これがトラフィックがネットワークに受け入れられるレートを調整するために使用する(例えばアクセスポイントごとの)局所制約を決定するために、全体的制約を修正する。本発明の好ましい実施形態では、アクセスコントローラは、呼空所化プロセスを課すアクセスポイントによって阻止されなければならない、呼から受信されるオフフック表示にもはや積極的に反応しない。別の好ましい実施形態では、アクセスポイントは、アクセスポイントで適用される局所制約によって受け入れられない呼のためのアクセスコントローラに、オフフックを送信する必要がない。
【0040】
有利なことに、アクセスポイントにより受信される必要がある呼をトリガしなくてもアクセスポイントにより適用される、初期の無作為化された局所ギャップ間隔を強制することにより、アクセスコントローラはより反応のよいオーバーロード制御を提供できるようになり、アクセスコントローラは頻繁に更新された全体的なトラフィックレート制約を提供できるようになる。各アクセスポイントによる全体的なトラフィックレートの修正は、アクセスポイントが異なる容量を有する(例えば、異なる数の回線に沿ってトラフィックを受信するように構成される)任意のネットワーク内で特に有利である。例えば、各アクセスポイントがメディアゲートウェイを備える、IPネットワーク内のアクセスポイントの集合は、(その内に例えば数千があってよい)単一回線MGから、はるかに高い容量(例えば、16,000回線を処理する能力)の単一MGへ、大きく構成が変化できる。このようなIPネットワークでは、課されるギャップ間隔は異なる種類のMGの全てに適切ではないため、ネットワーク全体で全体的制約を適用することはできない。
【0041】
このようにして本発明は、ネットワークアクセスコントローラにより処理されるトラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムを提供し、この場合該ネットワークアクセスコントローラは、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成され、各ネットワークアクセスポイントは受信されたトラフィックに通信ネットワークへのアクセスを提供する。
【0042】
オーバーロード制御システムを実現するために実行されるステップは、添付図面の図5で概略的に示されている。図5では、例えば、制御のその領域内でネットワークアクセスポイントの全て(又は部分集合)からそれが受信するトラフィック要求を監視し、分析する(ステップ100)ことによって、システムはオーバーロード状態が存在するかどうかを決定する(ステップ102)コントローラを備える。オーバーロード状態が発生したのか、あるいは発生する可能性があるのかどうかを、処理用にアクセスコントローラに提供されるトラフィックのレベルから判断することによって、ネットワーク全体でオーバーロード状態に一貫したより迅速な反応を提供するアクセスコントローラによって、集中オーバーロードシステムが実現できる。この集中オーバーロード反応は、アクセスコントローラに提供されるトラフィックのソースとして機能している各ネットワークアクセスポイントに、1つ以上の制御メッセージをマルチキャストする(ステップ104)ネットワークアクセスコントローラによって提供される。少なくとも1つの制御メッセージは、少なくとも1つの全体的に決定されるトラフィックレート制約状態を含む。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、番号ごとの制約が課される場合に、複数の全体的制約がネットワークアクセスコントローラによって決定される。本発明のこのような実施形態では、一般的なデフォルトの制約条件は、他のトラフィックが処理に対する要求を有するネットワークアクセスコントローラを圧倒するのを防ぐために課すことができ、1つ以上の他の全体的制約は、ある特定のアドレスに対する呼がネットワークアクセスコントローラを圧倒することを防ぐために課すことができる。
【0043】
ネットワークアクセスコントローラの制御の領域内での複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれが、少なくとも1つの全体的制約を含む前記1つ以上のマルチキャストメッセージを受信する。採用されているマルチキャスト技法のタイプに応じて、これは制御の領域内でのネットワークアクセスポイントの全て又は部分集合のいずれかであってよい。受信された全体的制約情報は、次に1つ以上の局所制約条件を決定するために該受信側ネットワークアクセスポイントによって処理される(ステップ106)。通信ネットワークへのトラフィックのソースとして機能しているアクセスポイントで課される少なくとも1つの局所制約条件の集合は、ネットワークアクセスポイントの1つ以上の特性に従って全体的制約条件を修正することにより決定される。局所制約条件は、全体的制約条件(複数の場合がある)から、少なくともi)課す第1のギャップ間隔の持続時間(ステップ108)、及びii)以後のトラフィック要求時に(つまり通信ネットワークへのアクセスを求める以後の呼で)課すための以後のギャップ間隔の持続時間(ステップ110)を決定することを含む。
【0044】
通信ネットワークがIP(又はVoIP)をサポートする本発明の実施形態では、全体的トラフィックレート制約条件は、ネットワーク内でMGの集合のためのコントローラとして機能する中心的な宛先MGCによって決定できる。MGCは、層2機構と層3機構を使用して制御メッセージをマルチキャストし、MGCコントローラが、ギャップ間隔が課されるあるいは更新される必要があるたびに、ネットワークインフラストラクチャの中にコピーされるただ1つの全体的制約メッセージをマルチキャストできるようにする。全体的制約メッセージは、実質的に遅延なしでマルチキャストグループに加入する全てのトラフィックソース(MG)によって受信され、処理側MGCでのオーバーロード状態に対する速い反応を、全体的制約メッセージを受信する全てのMGによって実現できるようにする。
【0045】
マルチキャスト全体制約メッセージを受信する各アクセスポイントは、第1に、トラフィックレートに、及びアクセスポイントがネットワークへのアクセスを求めるトラフィックを受信する回線の数に、さらに適切な間隔に、全体的に決定されたギャップ間隔を修正するために修正されたクローフォードアルゴリズムを実行することにより、受信された全体的制約情報を修正する。第2に、初期局所ギャップ間隔は、それ以外の場合、類似する局所ギャップ間隔を決定できる他のネットワークアクセスポイントとの大量発呼(mass calling)シナリオで発生するであろう、あらゆる同期の影響を取り除く長さで無作為化される。ギャップ間隔の無作為化に関するさらに多くの詳細は、ここにさらに詳しく後述される。
【0046】
任意の適切な技法が初期ギャップ間隔の持続時間を決定するために利用されてよく、アクセスポイントは、以後の(固定持続時間)時間間隔のギャップが過去の何らかの点で課されたかのように効果的に機能する。これは添付図面の図6に概略的に示されている。図6は、全て同じ間隔を有する以後のギャップが後に続く、無作為に変わる初期ギャップを実現する、全て同じタイプの多くのネットワークアクセスポイント(#1から#N)を示す。ギャップ間隔という用語は、ここでは、追加の呼は受け入れられない、呼の受け入れに続く期間を意味するために使用される。事実上、これが、アクセスコントローラによって発行されるマルチキャストに加入する全てのアクセスポイントにとって変化する量による、次の完全ギャップ間隔の発現を、単に遅延させる。第1のギャップ間隔の持続期間は、結果が(例えばMGC等で)アクセスコントローラで経験されている呼阻止の同期を取り除く限り、例えば無作為技法又は擬似乱数技法を使用する等、任意の適切な技法を使用して決定できる。
【0047】
全体的制約条件を決定するために、本発明の一実施形態では、アクセスコントローラが、マルチキャストメッセージ(複数の場合がある)を介して、各アクセスポイントに回線ごとのギャップg間隔及び回線ごとのカレントレートの推定値rを提供する。定常状態では、アクセスポイントがアクティブなギャップ間隔を有さない(定常状態の場合、及びポアゾン分布を有するトラフィックの場合)確率1/(1+r*g)がある。アクティブギャップ間隔を有するアクセスポイントの場合、初期ギャップは、0と、その特定のMGにより適用されているギャップ間隔Gとの間の時間における、前回の点に到着した標準間隔持続時間のギャップに同等である初期期間の間持続すると仮定できる(図6参照)。最初にそれがアクティブギャップ間隔を有さなければならない場合に、及び第2に(Lがゲートウェイによって管理される回線数である場合に0からG=g/Lの範囲で均一に分布される)それがギャップ間隔のどのくらい多くが実行するために残されているのかを決定するために、各アクセスポイントが乱数を使用すると仮定すると、それ以外の場合アクセスコントローラでの提供される呼レートに出現するであろう同期影響はもはや現れなくなる。これは添付図面の図7と図8で確かめることができる。
【0048】
図7及び図8では、全体的制約が5000ネットワークアクセスポイント(例えばMG)にアクセスコントローラ(例えばMGC)によって提供される。各アクセスポイントは、通信ネットワーク(例えばVoIPネットワーク)上で転送される25の回線に沿ってトラフィックを受信するように構成される。
【0049】
図8の本発明の実施形態によって図示されるように、複数のMGによってMGCに提供される呼の数が初期に毎秒約800呼であるのに対し、MGCが毎秒約100呼というターゲットレートを有する場合を考える。このような呼の量は電話投票(televoting)型シナリオでは典型的である。したがって、MGCは、外部オーバーロード制御を適用するためにその制御の領域内でMGの内のいくつかに、全体的ギャップ間隔パラメータを含む全体的呼レート制約をマルチキャストするであろう。次にMGは、局所ギャップ間隔を決定するために自身の容量に全体的制約を適応する。MGは次にそれぞれ無作為に又は擬似乱数的に、ゼロから完全局所ギャップ間隔の範囲であってよい初期ギャップ間隔を決定する。各MGは、次に、受信される呼を待機せずに(非ゼロの場合)初期ギャップ間隔を課し、事実上、これはMGがその持続期間を決定するとすぐに初期局所ギャップ間隔が課されることを意味する。これが、従来の呼空所化技法が利用されるときにこのようなシナリオで発生することが公知である同期影響を表示しない、MGによってMGCに提供される呼の数の低下を招く。図7では、MGCはt=100秒で制約を要求する、つまりt=100秒で全体的制約が生成され、MGのそれぞれに通信される。各MGを通して受け入れられるトラフィックは次に、事実上、全体的制約情報がMGCから受信されるとほぼ即座に局所制約条件に従う。
【0050】
図8は、図7に示されている領域をさらに詳細に示す。図8では、局所ギャップ条件を実現するMGに続いてMGによってMGCに転送される呼のタイプの相対的な割合が概略的に示されている。簡略には、MGに以後転送される呼は、i)ゼロという初期ギャップ間隔が過去に適用されていたため、局所ギャップ条件に従わずに転送される呼、ii)初期に短縮された局所ギャップ間隔が適用された後に転送される呼、又はiii)通常の標準的な長さの局所ギャップ間隔がMGによって適用された後に転送される呼の、いずれかであり得る。この呼の後のグループ(iii)は、明らかにグループ(i)又は(ii)内の呼よりはるかに後の多大な割合の呼を形成する。
【0051】
図8では、MGで受け入れられた転送された全ての呼の合計が、各プロットされた点を記すXのある回線によって示されて図示されている。当初、事実上初期ギャップ間隔を課さなかった(つまり初期ギャップ間隔がゼロであった)MGによって受け入れられた呼の数が、受信された呼を支配する。これは、各プロット点を記す◇のある線によって示されている。しかしながら、時間が進むにつれて、各点を記す□のある線が、初期の(短縮された)局所ギャップ間隔の満了後に受け入れられる呼の数が優勢になり始めるのを示す。最終的には各プロット点を記す△のある線が示すように、通常の(標準的な)局所ギャップ満了後に受け入れられる呼の数が、MGによりMGCに転送される呼の集合を支配することを示す。
【0052】
図9及び図10は本発明の別の実施形態を示し、MGの2つの異なる集合がその制御領域内に含まれるときに、MGCによって課される全体的制約の影響を実例説明する。図9及び図10では、さらに複雑な動作が示されている。ここでは125,000の回線が25回線ゲートウェイに接続され、125,000の回線が単一回線ゲートウェイに接続されている。単一回線ゲートウェイは(図7及び図8が示すような)25回線MGのために得られる結果に比較して、25という係数で呼の割合をスケーリングする。
【0053】
しかしながら、図7から図10が明確に示すように、それ以外の場合、(MGC等の)アクセスコントローラが反復処理要求急増を経験できるようにするであろう同期の影響は、アクセスポイント間で無作為に変わるギャップ間隔を有する初期ギャップの導入によって取り除かれる。それらの持続時間が異なることは別にして、初期ギャップはそれ以外の場合、従来のギャップ関数を実行する。間隔タイマの満了前に到達する全ての呼は拒絶されるが、呼が間隔時間の満了後に到着する場合には、呼は受け入れられ、新しいギャップタイマが開始する。
【0054】
ギャップ間隔更新がネットワークアクセスポイントによって実現されている局所的なオーバーロード制御の開始後に到達すると、制御をほとんど即座に課すことができるようにする機構を、第2の制御メッセージが受信されると前述される制約プロセスが自動的に反復されることを保証することによって、提供できる。更新を実現するための1つの考えられる方式は、アクセスコントローラが、オーバーロード状態が依然として超えられていると周期的に判断し、アクセスコントローラが、アクセスコントローラにトラフィックを提供する全てのネットワークアクセスポイントから受信している合計トラフィックレートから、1つ以上の全体的制約の更新(つまり新しいスケラブルな全体的ギャップ間隔)が必要であると判断することである。アクセスコントローラが測定した合計レートに貢献する各アクセスポイントに送信される新しい全体的なギャップ情報が、現在課されているギャップ間隔未満である局所ギャップ間隔をアクセスポイントに決定させる場合、任意の現在実行中の間隔タイマはこの変化を反映するために更新されてよく、現在実行中の間隔は相応して削減され(又はゼロに設定され)てもよい。新しい全体的ギャップ間隔により、局所ギャップ間隔がさらに長い期間に更新されると、ローカル間隔タイマは拡張されてよく、すでに課されている任意のギャップを長くする。代わりに、いずれにしても、現在実行中の間隔は停止でき、持続時間がゼロと新規ギャップ間隔持続時間の間である新しい初期ローカルギャップ間隔が決定され、事実上オーバーロード制御プロセスを反復する。
【0055】
本発明の別の利点は、(例えば、全ての関連する状態機械が、オンフック状態に戻すあらゆる変化を反映することを保証するために)阻止された呼の適切な終了を可能にするだけではなく、実現されるアクセスコントロールにより、ネットワークアクセスポイント(例えばMG)が特定の呼、例えば(999、911等の)緊急サービスに対する呼に優先順位を設定できるという点である。本発明はさらに、MGCとMGの間のメッセージフローの中の全体的制約メッセージの位置決めを適切に選択することによって、制限が課される前に被呼(called)アドレスを決定できるようにする。
【0056】
例えば、ここで添付図面の図11を参照すると、本発明の実施形態によるMGCとMGの間のメッセージフローの例が示されている。以下の実施形態では、メディアゲートウェイ(MG)の関連で関連性がある規格と、メディアゲートウェイコントローラ(MGC)とに明示的な参照がなされているが、当業者は代替の規格が、他の種類のネットワークアクセスポイントとネットワークアクセスコントローラの間の類似したメッセージフローをサポートしてよいことを理解であろう。
【0057】
ここで図11を参照すると、まず呼が開始すると、MG回線状態機械(LSM)がオフフック状態になり、次にオフフックが、MGへのメッセージを受領確認するMGCに通知される。H.248プロトコルがサポートされている場合には、オフフック状態はMGCによってMGC呼処理アプリケーション(CpApp)に直ちに通知されなければならないが、オフフック状態を通知することは必須ではなく、H.248との厳格な遵守が必要とされない場合、これは保留できる、あるいはまったく実現されない。MGC CpAppが通知されると、それは、サポートされている任意のダイヤルプランの詳細と共に使用中のダイヤルトーンのタイプを示すメッセージを、MGCを介してMGに返す。H.248の代替使用により、MGCは呼に先駆けて(例えば、必要とされるダイヤルトーンが変化するとき)、ダイヤルトーンと(特定の物理的な終端、つまり銅対への適用のための)ダイヤルプランをMGに送信できる。これにより、MGCがオフフックに応えて何かを送り返す必要はなくなり、オフフックを送信しないことが可能になる。
【0058】
呼が進行するにつれて、MG LSMは、それが受信する電話をかけられた数字を、次にダイヤルプランを実現し、MGC/MGC CpApplによって課される制御制約に従って必要なギャップ分析を実行する、MGに送信する。ギャップが課されている場合には、MGは、例えば呼発信者に装置の話中音(Equipment Engaged Tone)を生成することによって、これを通信することを希望してよい。ギャップが課されていない場合には、数字1−nがMGCに通信できる。
【0059】
本発明の代替実施形態では、MGはMGCの呼単位の処理負荷を削減するためにオフフックメッセージに対する受領確認を受信しない。代わりに、MGCは単にMGに、ダイヤルトーンタイプ(つまり、DT(n))の詳細と、ダイヤルプランが実現されなければならないかどうかの詳細とを提供する。
【0060】
ダイヤルプランは、MGに特定の数の数字が送信された後に、MGが、呼がギャップ制約を実現するためのダイヤルプランによって課される基準に合致するかどうかを判断するために、ダイヤルされる番号を分析することを意味する。デフォルトの制約は、それ以外の場合ダイヤルプランによってサポートされない特定の数について課されてよい。呼がギャップ制約から免除されると判断される場合、それはMGCに送信されるが、免除されない場合には、呼は、許される場合、つまりすでに課されていたギャップ間隔が期限切れになった場合、あるいは初期ギャップ間隔がゼロである場合にMGCに送信されるにすぎず、その結果ギャップは次の呼が受信される後まで課されてはならない。これは、3種類の異なるタイプの呼についてアクセスコントローラが通知した点を示す、添付図面の図12に概略的に示されている。
【0061】
図12では、第1の呼は0800654321にダイヤルする発呼者に関連する。この番号は、最初の3桁の後で、(MGCに対する早期の通知をトリガするであろう)優先呼出に関連するとして認識されない。しかしながら、図1に示されている他の2つの番号は、MGCへの早期通知をトリガする優先番号(112、999)に関連する。ダイヤルプランによってサポートされていない番号012345 67890等の、別の番号がダイヤルされる場合には、デフォルト(つまりワイルドカード)制約がMGによって適用できるであろう。
【0062】
アクセスコントローラでの全体的な空所化間隔を決定する一つの方法は、信号ソースによって提供されるオフフックを拒絶するレートを、コントローラが決定することである。コントローラは、各トラフィックソースが全体的なギャップサイズから局所的なギャップサイズにその容量に比例して縮小し、次にゼロから局所ギャップサイズまで初期ギャップ持続時間を無作為に課す、単一ユーザ単位の全体的なギャップをマルチキャストできる。各トラフィックソースは、次に局所ギャップを全ての非優先呼に適用し、空所化は通常の呼に提供されるサービスにだけ影響を及ぼす。
【0063】
しかしながら、本発明の別の実施形態では、コントローラは、類似する適応内部制御を実行し、それがトラフィックソースから受信されるオフフックメッセージを拒絶するレートを測定するが、コントローラは被呼者アイデンティティに従って拒絶レートの分析を実行し、どの被呼者アイデンティティが空所化を必要とするかを判断する。この関連で、呼アイデンティティはネットワークアドレス等を備えてよい。
【0064】
コントローラは、次に全体的制約と番号単位の全体的制約を決定し、各トラフィックソースにこれらの全体的制約をマルチキャストする。トラフィックソースは、次に、トラフィックソースの容量に従ってどの局所ギャップ間隔サイズが利用されなければならないのかを、コントローラによって提供される全体的なギャップ情報から決定するために、全体的制約を縮小する。無作為の初期ギャップ間隔サイズも求められる。呼がかけられると、ダイヤルされる番号は、特定のダイヤルされた番号方式について使用するための最も適切なギャップ間隔を決定するために、ネットワークトラフィックソースによって分析される。このようにして、図12では、特定の数字が優先番号に関連していると認識されると、ギャップは課されない(例えば112と999の番号)のに対し、0800 6543231の番号は通常の除外の対象となるであろう。しかしながら、本発明の他の実施形態では、ダイヤルプランは、電話投票(televote)/大量ダイヤル(mass dialling)番号だけが空所化にさらされなければならず、非優先番号にかけられる通常の呼も、アクセスコントローラがトラフィック処理のオーバーロードを経験せずにかけることができるようになるであろうことを示すことができるであろう。
【0065】
このようにして、16,666cpsという繁時容量を有するVoIPネットワークは、例えば大量ダイヤル(mass−dialling)状況において、非大量ダイヤル(non−mass−dialling)関連のトラフィックが影響を及ぼされずに、100,000cps以上がデジタル回線交換機から送信されるときに有効に対処できる。本発明のこのような実施形態では、MG−MGCの制御要件は、(通常は200ms未満である)MG応答時間にさらされる、オーバーロードされているMGCでの有効呼スループットを単に最大限にし、両方の優先呼を有効にし、電話投票タイプの呼により引き起こされる急増から、通常の(非優先呼)を任意に保護することである。
【0066】
図13及び図14は、機能の場所という点でオーバーロード制御の全体的なアーキテクチャを対比する。図13及び図14では、AはMGCの受け入れ機能であり、RはMG局所オーバーロード制約制限であり、Uは更新機能である。
【0067】
図13は、制限更新が実現されなければならないVoIPネットワーク内のMG−MGCシナリオを示す。図13及び図14では、オフフック信号がMGによってMGCに送信され、MGCは受け入れ制御を適用し、MGはMGCのオーバーロードを制限するために適切な制約を適用する。しかしながら、図13では、MGはMGCによって全く制御されずに局所的にオーバーロードを更新する。この更新は1つ以上の基準に基づいてよい。例えば、更新は、MGCに対するMGによる新しい呼の試行の明示的な拒絶に、あるいはMGCへそれがメッセージを送信することと、MGCにおける非常に大きな負荷を示すであろう応答のMGCの受領確認との間で、MGによって見られる長い遅延に基づいてよい。当業者は、MGは、MGCがオーバーロードしているかどうかを判断するために、及びその局所制約を適応させるために、呼イベントに対するMGCの応答だけを使用するため、図13のアーキテクチャが単一回線MG、又は必ずより大きなMGより低い呼のレートをMGCに送信するいくつかの回線しかないMGにとって、不適切であることを認識する。呼イベントの低いレートだけが送信される場合、MGはMGCでのオーバーロードの存在のその推定値及び重大性を基づかせる情報を制限し、制約適応は必然的にゆっくりである。しかしながら、大型ゲートウェイの場合、本発明のこの実施形態はH.248規格推奨策に対する修正を全く必要としないという利点を有する。
【0068】
図14は、対照的に、更新された状態を決定するMGCを概略的に示す。これにより、さらに反応のよいオーバーロード制御を実現できる。図14では、MGがオフフック状態を受信すると、MGはこれをMGCに送信し、MGはその全体的制約条件を更新する。MGCは、次に、新しい全体的制約が生成されなければならないのか、あるいは更新された全体的制約が生成されなければならないのかを判断し、全てのMGが受信する1つ以上の制御メッセージを提供するために、適切な通信技法(マルチキャスト)を使用して、新しい全体的制約条件(つまり新しい全体的ギャップ間隔)を選択(又は全てのMG)に通信し直す。各MGは次に、呼が拒絶されるべきか否かを判断するために、それがMGCにより提供される更新された全体的制約情報から決定する修正された局所制約を使用して呼を処理する。
【0069】
MGCは、各MGから受信する集合トラフィックフローにアクセスすることができ、したがって各MGが個別に受信するより高いトラフィックレートを受信し、(全体的に、及び特定のダイヤルされた番号への)トラフィックレートの正確な推定値を取得できるようにする。MGCにより受信されるトラフィックレートは個々のMGでのトラフィックレートより高いので、(MGCから更新された全体的制約を受信する)各MGによって実現される外部の全体的な制御条件に対するより頻繁な更新は、MGが局所トラフィックレートを決定し、(示されている図13のような)MGCとは無関係に局所制約を生成する場合よりも、起こり得る。
【0070】
この第2の制御オプションは、(MGCによってマルチキャストされる)無作為化された初期間隔を有する瞬時に有効なギャップがあるため、オーバーロードの集合を回避できるという利点がある。しかしながら、H.248規格の推奨策が、MGCからマルチキャストメッセージによって返される全体的なギャップ制約を鑑みて修正を必要とする可能性があり、本発明はMGCにより決定される集合トラフィックレートに貢献する各MGに全体的なギャップ間隔情報を通信する他の適切な技法によって実現できる。(これらはMGCによって集中的に決定されてよいが)各MGが受信する全体的制約をそれ自体の特性に合うように修正すること、及び局所ギャップ論理と適切なダイヤルトーンを実現することは、各MC次第である。
【0071】
大量発呼(mass calling)シナリオでは、各ネットワークアクセスポイントは、全てが同じターゲットアドレスを有する短期間内に多数の呼を受信するであろう(例えば同じ番号は、非常に短い、ほぼ同時の期間内に多数の呼によりダイヤルできる)。アクセスポイントの全てに対する制御は、応答時間が図2に示されていたような許容できないレベルまで上昇するのを防ぐために、相対的に迅速に本発明により実現できる。
【0072】
したがって、当業者は、アクセスコントローラが、それぞれの貢献するネットワークアクセスポイントから提供される、トラフィックの総トラフィックレートを決定することを理解するであろう。この総レートは個々のアクセスポイントにおけるレートより高く、外部オーバーロード制御がすでに実現されていたとしても、アクセスコントローラが実際の提供されたトラフィックレートから、外部オーバーロード制御が更新を必要とするかどうかをより確実に判断できるようになることを意味する。アクセスコントローラが生成した情報から引き出される(例えば、総トラフィックレート及び回線単位のトラフィックレート情報を備えてよい)局所制約(つまり局所ギャップ間隔)の、アクセスコントローラから制御メッセージを受信する各ネットワークアクセスポイントによる強制は、更新条件が単にネットワークアクセスポイント自体によって決定される場合より、さらに迅速に実現できる。各アクセスポイントが自立的に(つまり他のアクセスポイントのそれぞれにより課される初期ギャップ期間とは無関係に)判断する初期ギャップ持続時間を即座に強制することによって、アクセスポイントが互いに通信する必要はない。
【0073】
制御メッセージがネットワークアクセスコントローラによって各ネットワークアクセスポイントに通信される手段は、好ましくはネットワークコントローラでの全ての提供されたトラフィックレートの一因となるそれらのアクセスポイントに制限されるマルチキャスト技法によって実行されるが、当業者に公知の他の適切な通信手段が利用されてよい。
【0074】
通信のマルチキャスト手段がアクセスコントローラによって利用される場合、ネットワークは、アクセスコントローラが全体的なトラフィックアクセスレート制約(複数の場合がある)を通信ネットワーク上でネットワークアクセスポイントにマルチキャストできるようにする、通信マルチキャストプロセス(あるいはプロセスの同等な選択的なブロードキャスティングタイプ)をサポートする必要がある。マルチキャストは、これによりさらに迅速な制御をIPネットワーク内のMGに課すことができるようになり、MGCがさらに反応的になり、当技術分野で公知の時間尺度よりさらに短い時間尺度で呼の制約を更新できるようになるので好ましい。個々のMGに合うようにアクセスコントローラによって全体的に決定されるマルチキャスト呼制約の適応は、MGCの制御の領域内での各MGによるさらに効果的な呼の制限を可能にする。
【0075】
当業者は、各ネットワークアクセスポイントに対する制約メッセージのユニキャスト伝送が、根本的な伝送ネットワークが、制約がオーバーロードの効果的な制御のために十分に迅速にアクセスポイントの大多数で配備されていることを保証するほど十分な帯域幅を有する場合に、マルチキャストの代わりに使用されてよいことを、さらに理解するであろう。トラフィック制限は(制約分散が低速である場合には)不活発であるか、(制約分散が高速である場合には)同期しているため、これによりギャップ間隔の開始時間を無作為化するための低速ユニキャスト分散に対する依存が排除される。適切な制御は、制約の高速分散及びギャップ開始時間の明示的な無作為化に依存する。
【0076】
以下の繰り返される要約書の本文は、本説明に組み込まれると見なされる。
【0077】
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィック量を制御するための適応オーバーロードシステムが、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成されるネットワークアクセスコントローラについて説明される。各ネットワークアクセスポイントは、通信ネットワークに対するアクセスをトラフィックに提供し、システムはネットワークアクセスコントローラにおいて、オーバーロード状態が存在するかどうかを判断することと、存在する場合には、ネットワークアクセスポイントが前記トラフィックを通信ネットワークへ受け入れるレートを制限するための、少なくとも1つの全体的制約を生成することを備える。コントローラは、次に前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、少なくとも1つの全体的トラフィック制約をマルチキャストする。全体的制約を受け取る各ネットワークアクセスポイントは、次に複数の局所制約条件を決定するために該全体的トラフィック制約を処理する。受信側ネットワークアクセスポイントは、前記局所制約条件を決定するために、前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定することと、以後の局所的な所定のギャップ間隔とは異なる初期ギャップ間隔を決定することであって、該初期ギャップ間隔は前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれの間で異なることと、の各ステップを実行する。初期ギャップ間隔は、それ以外の場合高い呼レートシナリオで発生するであろうネットワークアクセスコントローラでの同期影響が排除されることを保証するために、無作為に又は擬似乱数的にのいずれかで決定される。
【0078】
前記実施形態は、局所ギャップ間隔を決定するためにクローフォードアルゴリズムを修正することに関して説明されてきたが、当業者は、該コントローラに提供されるトラフィックレートを制限するためにネットワークアクセスポイントにより適用できる他の制限アルゴリズムが、本発明の他の実施形態における代替制限を実現するために適切に修正されてよいことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】通信ネットワークの概略図を示す。
【図2】通信ネットワークでアクセスコントローラをオーバーロードする結果を示す。
【図3】固定されたギャップ間隔オーバーロード制御方式を示す。
【図4】クローフォード(Crawford)アルゴリズムを実現する固定ギャップ間隔方式のための時間の関数としての、アクセスコントローラに提供される呼の数を示す。
【図5】本発明によるオーバーロード制御プロセスにおけるステップを示す。
【図6】通信ネットワーク内の異なるネットワークアクセスポイントの間で、初期ギャップ間隔が変化する本発明の一実施形態を示す。
【図7】ネットワークアクセスコントローラへの提供呼の数に本発明の一実施形態を適用した結果を示す。
【図8】図7に示されるプロットの一部の拡大図を示す。
【図9】ネットワークアクセスコントローラへの提供呼の数に、本発明の別の実施形態を適用した結果を示す。
【図10】図9に示されているプロットの一部の拡大図を示す。
【図11】本発明の一実施形態におけるメディアゲートウェイとメディアゲートウェイコントローラ間のメッセージフローを示す。
【図12】オーバーロード制御が本発明の一実施形態においてどのようにして数単位で実現できるのかを概略的に示す。
【図13】局所的に決定される制約更新プロセスを示す。
【図14】全体的に決定される制約更新プロセスを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおけるオーバーロード制御に関し、特に、提供される呼がVoIPネットワーク内のメディアゲートウェイ(MG)からメディアゲートウェイコントローラ(MGC)によって受信されるレートを制限するためのMGC用の外部オーバーロード制御システムに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
(電話番号が、ユーザが自分の票を登録するために電話をかけるために一斉送信される)電話投票(tele−voting)及び類似した大量発呼方式(mass calling scheme)は多くの場合、突然発現し、比較的短い持続時間継続する、非常に高い通信レートを生じさせる。トラフィックのこのような抗しがたい急増に対処するために十分なネットワーク容量を提供し、緊急事態及び他のコアサービスをサポートできるようにするために、通信ネットワーク内でオーバーロード制御が実現されることを必要とすることは経済的ではない。しかしながら、ある特定のネットワークアドレスに対して送られる呼の数の突然の増加に対処する従来の方法は、通信ネットワーク自体が進化するので満足のいくものではない。
【0003】
通信ネットワーク内でオーバーロード制御を提供する従来の方法は、かけられる呼の数を制限しようとする呼空所化(call gapping)技法を含む。このような呼空所化技法は当業者にとって周知であり、ギャップの発現をトリガする第1の呼に続く所定の時間間隔(ギャップ)内で受信される呼を除外する又は阻止することを含む。呼空所化技法の例は、例えば、その内容が参照して本説明に組み込まれるとみなされる「電気通信オーバーロードトラフィックを制御するためのシステム」と題される米国特許第6,259,776号に説明されている。
【0004】
しかしながら、従来の電気通信ネットワークはさらに多くの機能性を提供するため、及び従来の公衆交換電話網(PSTN)によって提供されるものと異なるメディアをサポートするために進化している。例えば、PSTNの呼集信装置は、インターネットプロトコル(IP)メディアトランスポートへのアクセスを提供するために従来の銅線を変換するアクセスメディアゲートウェイ(MG)で置換できる。このような通信ネットワークでは、MGは、従来のPSTNで実現されるローカル交換プロセッサと同様に、呼のルーティングを決定するためにダイヤルされた数字を分析することによってトラフィック分析を実行するメディアゲートウェイコントローラ(MGC)によって、制御されている。MGとMGCに関するさらに多くの詳細は、インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)標準化団体(url http://www.ietf.org/html.charters/megaco−charter.html)から入手可能なメディアゲートウェイコントロール(MEGACO)設立趣意書標準文書に記載されている。
【0005】
宛先の電話番号が全国的に広告され、相当数のカスタマが該電話番号に電話をかけようと試みると必ず、該宛先のメイン切替え装置及び/又は該宛先のローカル交換局への着信トランクを使用しようとする呼の集中オーバーロードが、通常のサービストラフィックの切替え阻止を生じさせることがある。例えば米国特許第6,259,776号が提案するように、従来のPSTN内でのこのような問題に対処するために複数の技法が提案されてきた。米国特許第6,259,776号は、このような宛先へのトラフィックが所定のレベルを超えるとオーバーロード制御装置が所定の宛先に対する呼の接続を制限する、オーバーロード制御装置を含む電気通信ネットワークを説明している。該装置は、それぞれが該ネットワークの複数のノードの内の1つでそれぞれ動作し、それぞれが各ノードで知覚されるオーバーロードレベルから決定されるそれぞれの空所化(gapping)期間を有する、複数の同一のオーバーロード制御機能を備え、オーバーロード制御機能はそれらのそれぞれの空所化期間を定めるデータを交換し、それぞれのノードから任意の1つの所定の宛先へのそれぞれの空所化期間の間のかなりの差異が回避されるように、平均空所化期間に対する調整を実行する。
【0006】
米国特許第6,259,776号に説明されているオーバーロード制御システムは、従来の電気通信SS7型ネットワークで有効な解決策を提供するが、それは、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、又は添付図面の図1が示すような多数のネットワークアクセスポイント(A1...AN)が単一のネットワークアクセスコントローラX1の制御下にある類似するタイプのネットワークにとっては、あまり有効ではない。このような状況では、ネットワークの重大なオーバーロード状態は、ネットワークに入る権利を求める呼を処理するために使用できる有限量のリソースしか有さないコントローラX1の最大呼処理能力に関連する。該ネットワークに入ることが許される呼の数に対するこの制限は、添付図面の図2に概略的に示されている。
【0007】
図2に示されているグラフでは、x軸は該ネットワークアクセスポイントによって該ネットワークアクセスコントローラに提供される呼のレートを表し、y軸は該ネットワークに対して該ネットワークアクセスコントローラによって入ることが許される呼の数を表す。集められた提供レートの関数としてコントローラX1によって通信ネットワークに実際に入ることが許される、アクセスポイントA1...ANの全てによって提供される集められた呼の総数は、実線のプロットによって示されている(したがって、これがネットワークに入ることが許される呼のレートを示す)。提供されたレートが相対的に低い場合には、入る率は提供される呼の数に一致するように上昇できる。しかしながら、コントローラは有限のリソースしかなく、そのリソースの使用が増加するにつれて、最終的にコントローラは過負荷となる。これは図2のAと記された点で発生し、この点でコントローラは、応答時間を相対的に低いままにするために受信される、オフフック信号の特定の割合を拒絶する必要がある。
【0008】
毎秒あたり提供される新しい呼の数、つまり提供される呼レートが点Aを超えて上昇するにつれ、入る率は急激に上昇できなくなり、最後に呼がネットワークに入る率は提供された呼の既定レートLMの最大に達する。この点を超えると、コントローラのリソースは、呼を受け入れるのと対照的に、提供される呼を拒絶することにますます関与するようになる。最終的に、提供される呼の数がレートLCに達すると、コントローラのリソースは呼を拒絶するのに占有され、新しい呼は受け入れられなくなる。
【0009】
ネットワークアクセスコントローラの内部制御機構は、図2に示されている図に反映される。アクセスコントローラの内部制御は、提供される負荷の一部又は全てを拒絶する能力を提供し、提供される負荷に対する(空所化のような)任意の外的な制限を調整する能力を提供しない。
【0010】
図2の破線の曲線は、ネットワークアクセスコントローラの、その制御領域の中でネットワークアクセスポイントから受信する信号(例えばオフフック信号)に対する応答時間を示す。当初、オーバーロードポイントに到達する前には、コントローラは、それが着実により多くの提供される呼を処理するので、ゆっくりと上昇する応答時間を有するであろう。アクセスコントローラが提供される呼を拒絶する能力は、アクセスコントローラがこれの応答時間を調整しなければならない場合には、効果的な外部制限と結合される必要がある。ネットワークアクセスポイントに提供されるトラフィックがLMを超えるたびに、アクセスコントローラに提供されるレートが、アクセスコントローラのスループットを最大限にするために相対的にLMの近くに保持されることを確実にするために、何らかの形式の適応外部制限制御を実現することが必要である。
【0011】
当業者に公知の適応外部制御の1つの形式は、呼空所化オーバーロードシステムによって提供されるものである。呼空所化プロセスは、アクセスコントローラの応答時間が相対的に一定のままとなることができるようにするほぼLMに、ネットワークアクセスポイントによってアクセスコントローラに提供される負荷がとどまることができるようにする。しかしながら、外的制御が実現されない場合、あるいは外部制御が提供される呼のレートをLMの近傍に制限するには十分ではない場合には、提供されるレートが、それがLCに近づくまで上昇するのであれば、オーバーロードコントローラによって実現される内部オーバーロード制御プロセスが効果的にアクセスコントローラのスループットをゼロに削減し、提供されるトラフィックのどれもがネットワークに受け入れられないようにするであろう。
【0012】
従来の呼空所化プロセスは他の制限も有する。例えば、プロセスが、多数のネットワークアクセスコントロールポイントが(当業者にとっては非常に高い「ファンイン」として公知でもある)単一のアクセスコントローラによって制御されるシステム内で適用される場合、トラフィックが外部制限によって受け入れられる(つまりネットワークアクセスポイントによって適用される)レートは、制御ポイントからのコマンドにゆっくり応答しすぎて、受け入れられるレートを変更する(つまり空所化プロセスが外部制限を実現するために使用される場合、空所間隔を変更する)ことができない。ネットワークアクセスポイントによるこの低速応答の結果、オーバーロード制御サーボループは低速且つ場合によっては不安定となる。
【0013】
この低速応答の問題の一因となる遅延の他の原因は、
送信される必要のある多数の制御メッセージのために、アクセスコントローラからネットワークアクセスポイントに制御メッセージを送出する際の遅延と、
呼制限が最初に課されているときに、従来の呼空所化プロセスにおいて外部制限によって常に受け入れられ、その結果、ネットワークアクセスポイントの全てが呼のギャップを課すアクティブな間隔タイマを同時に実行させる場合に同期影響を生じさせる、第1の提供呼と、
すでに空所化されているアクセスポイントにギャップ間隔更新が適用される場合に、更新されたギャップが受け入れられるレートに対して影響を及ぼす前に、既存のギャップ間隔タイマが期限切れになるのを待機する遅延と、
を含む。
【0014】
このようにして従来の呼空所化により課される技法は、数多くのアクセスポイント、さらに好ましくは例えば数千等の非常に多数を制御するアクセスコントローラで、重大なオーバーロード状態が発生する状況では、もはや効果的ではない。
【発明の開示】
【0015】
本発明の1つの目的は、アクセスコントローラが通信ネットワークへのトラフィックを受け入れるように構成された複数のネットワークアクセスポイントを制御する通信ネットワークに、適応的な外部オーバーロード制御方式を提供することである。特に本発明の1つの目的は、メディアゲートウェイコントローラ(MGC)等のアクセスコントローラが、アクセスコントローラに集中する呼のオーバーロードを防ぐオーバーロード制御システムをネットワークに提供することによって、オーバーロード状態を検出するときに発生する可能性がある問題を、軽減する、及び/又は未然に防ぐことである。特に、オーバーロード制御システムは、同期した繰り返し集中オーバーロードがネットワーク内で発生するのを妨げる。ここでは、用語「集中オーバーロード」は、(ある特定のアドレス又はネットワーク内のアドレスの一部に呼の大半が向けられる場合に)その集中宛先でのオーバーロードを制御することと対照的に、そのネットワークへの受け入れのための処理が特定のアクセスコントローラに集中するトラフィックを指す。トラフィック自体は、音声トラフィック及び/又はデータトラフィック(例えば、スモールメッセージサービス(SMS)又は電子メール型トラフィック)を備えてよい。
【0016】
本発明の別の目的は、アクセスコントローラが、アクセスコントローラに呼を提供するように構成された多くのネットワークアクセスポイントに、アクセスコントローラによって決定されるスケラブルな呼ギャップ間隔をマルチキャストすることによって、その提供呼レートを外的に調整する、オーバーロード制御システムを提供することである。次に各ネットワークアクセスポイントは、その個々の特性に従ってスケラブルな呼ギャップを修正できる。ネットワークアクセスポイントの個々の特性の例は、例えばアクセスポイントがネットワークへの受け入れを求めるトラフィックを受信する回線数等を含む。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、トラフィックが各ネットワークアクセスポイントによって受け入れられると、トラフィックの特定のネットワーク宛先アドレスに従ってトラフィックを調整することである。
【0018】
本発明の態様及び好ましい特徴は、添付の特許請求の範囲に示されるとおりである。
【0019】
有利なことに、本発明は、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成されたネットワークアクセスコントローラによって処理される、トラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムを提供しようとする。各ネットワークアクセスポイントは、トラフィックに通信ネットワークへのアクセスを提供し、システムは、オーバーロード状態が存在するかどうかをネットワークアクセスコントローラで判断することと、存在する場合に、ネットワークアクセスポイントが通信ネットワークに前記トラフィックを受け入れるレートを制限するための、少なくとも1つの全体的制約を生成することを備える。全体的制約の例は、アクセスポイントによって管理されるアクセス回線あたりの要求レートを備える。このようにして全体的制約は、トラフィックが処理のためにアクセスコントローラに提供されているレートが、所定のカットオフを超えたかどうかを判断するアクセスコントローラによって、ネットワークアクセスポイントの全てについて決定される。該コントローラによって生じる全体的制約は、特に、宛先が特定のアドレスを備えるトラフィック用であってよい。代わりに、ネットワークアクセスコントローラによって生成される全体的制約は、代わりに、トラフィックの宛先アドレスと無関係にトラフィックに適用されるデフォルトの全体的制約を備えてよい。次に、コントローラは前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、該少なくとも1つの全体的トラフィック制約を通信する。それは、利用される通信技法がマルチキャスト(又はブロードキャスト)タイプの技法である場合に好ましい。
【0020】
全体的制約を受ける各ネットワークアクセスポイントは、次に複数の局所制約条件を決定するために全体的トラフィック制約を処理する。受信側のネットワークアクセスポイントは前記局所的制約条件を決定するために、以下のステップを実行する。前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定することと、以後の局所的な所定のギャップ間隔と異なる初期ギャップ間隔を決定することであって、該初期ギャップ間隔が前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれの間で異なること、である。初期ギャップ間隔は、それ以外の場合高い呼レートシナリオで発生するであろう、ネットワークアクセスコントローラでの同期影響が取り除かれることを確実にするために、無作為に又は擬似乱数的にのいずれかで決定される。
【0021】
初期ギャップ間隔は、到達する呼によってトリガされる必要なく直ちに適用される。ゼロ初期ギャップ間隔が適用される場合には、メディアゲートウェイによって受信される次の呼は標準ギャップ間隔の強制をトリガする。
【0022】
本発明の残りの態様は添付の独立請求項によって提供され、好ましい特徴はその従属請求項によって列挙される。好ましい特徴は、適切な組み合わせが当業者に明らかである本発明の態様のいずれかと適切に組み合わされてよい。
【0023】
したがって本発明は、通信ネットワークへのアクセスを求めるトラフィックが、アクセスコントローラによって処理されるレートを制御する方法を提供し、さらに詳細には、メディアゲートウェイコントローラで提供呼レートを制御する方法を提供する。有利なことに、アクセスコントローラの制御の領域内での各アクセスポイントでの受け入れのレートは、アクセスコントローラによって要求される制限に応えて動的に且つほぼ瞬時に変更できる。
【0024】
本発明は、例証としてのみである添付図面を参照して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
現在、本発明者(複数の場合がある)によって意図されているような本発明の最良の形態が、添付図面を参照してここに説明される。当業者は、以下に詳細に説明される実施形態が例示的にすぎないこと、及び代わりにテキスト中に説明されるものに明らかに同等な特徴及びステップが存在する場合、これらの同等物が説明中このような特徴に対する代替策として暗示的に含まれると見なされることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されなければならない。特に、「呼」に参照がなされる場合、この用語は単に音声呼を含むだけではなく、通信の形式が、ネットワークによってサポートされ、ネットワーク内のネットワークアクセスポイント及び/又はアクセスコントローラによって、従来の呼が処理されるであろう方法と同等な方法で処理できる形式に変換できるとして当業者に公知である、いかなる他の形式の通信(例えば、短いテキストのメッセージングサービス呼及び/又は瞬間メッセージング呼、及び/又は電子メール呼)も含むと解釈されなければならない。同様に、用語「トラフィック」はVoIPネットワーク内の音声トラフィック、あるいは前述されたようなスモールメッセージングサービス(sms)テキストメッセージトラフィック、電子メールトラフィック、瞬間メッセージングトラフィック等の他の形式の通信トラフィックを備えてよい、「呼」を含む。したがって、前述されたように、本発明はおもに音声呼に関して説明されるが、当業者は、用語「呼」が、多数の「発呼者」が1つ以上のアドレスと通信しようとするときにネットワーク内で集中的な急増を生じさせることがある、電子メール又はsmsテキストメッセージ等の他のメディアを備えるトラフィックをカバーすることを意図することを、理解するであろう。
【0026】
添付の図面の図1に戻ると、多くのネットワークアクセスポイントA1...AN、B1...BM、C1...CLによるアクセスが実現される、通信ネットワーク1が示されている。アクセスポイントA1...AN、B1...BM、C1...CLを介した通信ネットワーク1に対するアクセスは、例えばアクセスコントローラX1、X2、X3等の1以上のアクセスコントローラによって制御される。図1に示されているように、A1...ANを介したネットワークアクセスはX1によって制御され、B1...BMを介したネットワークアクセスはX2によって制御される等である。通常、個々のアクセスコントローラによって制御されるアクセスポイントの数は相対的に多く、例えば数百アクセスポイント(以上)が単一のアクセスコントローラによって制御されてよい。図1に図示されていないのは、各アクセスポイントが異なる数の入信回線に接続されてよく、したがってアクセスポイントA1は1本の回線だけに接続されてよいが、アクセスポイントA2は25本の回線等に接続されてよいという事実である。したがってX1のような単一アクセスコントローラは、これの制御の領域内で、それらがネットワークに対するアクセスを提供する回線の数だけではなく、それ以外の場合にはその容量等の異なるネットワークアクセスポイントを制御するために、多くの異なるタイプのアクセスポイントを有してよい。
【0027】
本発明の一実施形態では、通信ネットワークはインターネットプロトコルネットワークを備え、ネットワークアクセスポイントは、IPトラフィックへの音声トラフィックの変換をサポートすることができ、ひいてはボイスオーバーIP(VoIP)サービスをサポートできるようにする、メディアゲートウェイ(MG)を備える。トラフィック(同等に呼)がIP通信ネットワークに受け入れられるレートは、1台以上のネットワークアクセスコントローラによって調整される。この実施形態では、各ネットワークアクセスコントローラはメディアゲートウェイコントローラ(MGC)を備える。
【0028】
さらに一般的には、用語「ネットワークアクセスポイント」は、別のネットワークから通信ネットワークへのアクセスを提供するために機能する、通信ネットワークの領域内の点を指し、用語「ネットワークアクセスコントローラ」は、ネットワークアクセスポイントに制御機能を提供する通信ネットワーク領域内の点を指す。
【0029】
メディアゲートウェイ制御プロトコルアーキテクチャ及び要件標準文書RFC2805、(現在はRFC3015によって廃止された)MEGACOプロトコルRFC2885、(現在はRFC3015によって廃止された)MegacoErrataRFC2886、RFC3525によって現在は廃止された(errataエラッタが織り込まれている)MegacoプロトコルRFC3015、Megaco IP電話メディアゲートウェイアプリケーションプロファイル(RFC3054)及びゲートウェイ制御プロトコルバージョン1(RFC3525)が、メディアゲートウェイ制御の実現に関するMEGACO標準文献のいくつかを集合的に形成し、用語メディアゲートウェイコントローラとメディアゲートウェイの正式の定義を記述する。前述された標準文書は、IETF規格フォーラムウェブサイト(url:www.ietf.org)からアクセス可能なMEGACO仕様を介して、全て入手可能である。メディアゲートウェイ制御プロトコルをサポートする同等な規格は、国際電気通信連合ITU−T H.248.1によって提案される。
【0030】
これらの規格は、潜在的に異なるネットワーク間でメディアマッピング及び/又はトランスコーディング機能を提供するとしてメディアゲートウェイ(MG)機能を定義し、その内の1つは、パケット、フレーム又はセルネットワークであると仮定される。例として、MGは交換回線網(SCN)ファシリティ(トランク、ループ)を終了し、メディアストリーム(すでにパケット化されていない場合)をパケット化し、パケットネットワークにパケット化されたトラフィックを送達する可能性がある。MGは、2回線ワイヤアナログ銅電話伝送回線に、又は「ループエミュレーション」によってアクセス回線のマルチプレックスを搬送する(ATM等の)別のパケットネットワークにも、(VoIP等の)パケットネットワークを接続するように構成されてよい。MGは、パケットネットワークからSCNに流れるメディアストリームについて逆の順序でこれらの機能を実行する。MGは、SCNパケット/フレーム/セル機能に限られない。つまり、全パケットインタフェースを有するコンファレンスブリッジは(IVR)対話型音声認識装置、音声リソース機能、又はセルインタフェースを有する音声認識システムだけではなく、MGもあり得る。メディアゲートウェイコントローラ(MGC)は、MGに制御機能を提供するとして定義される。
【0031】
添付図面の図3では、ネットワークアクセスポイントで適用される固定されたギャップ間隔がネットワークアクセスコントローラに提供される呼の数に対して有する可能性がある影響を立証するために、固定ギャップ間隔呼空所化技法が概略的に示されている。この種の空所化が、通信ネットワークに入るトラフィックを調整するために図1に示されるアクセスコントローラに適用される場合、例えば通常のクローフォード(Crawford)アルゴリズムを使用してネットワークアクセスポイントのそれぞれによって実現されるプロセス等の、固定ギャップ間隔呼空所化プロセスにより、アクセスコントローラが繰り返される呼の急増を経験することを招く可能性がある。これらの繰り返される急増は同期して発生し、その基本的な形式であらゆるMGからの第1の呼を受け入れ、次にはギャップ間隔中どのMGからの呼も受け入れない、クローフォードアルゴリズムから生じる。呼の到着の無作為性によって同期が使用不能になる(washed out)ように十分な時間が経過するまで、MGがMGCにより要求されるレートを配信できないため、同期はオーバーロード制御サーボシステムの動作に悪影響を及ぼす。これが、(MGCに提供される呼の)呼間到着時間がギャップ間隔よりはるかに少ない場合、安定した制御のために受け入れがたいほど長い時間である場合がある。同期の影響は、呼のレートが十分に高く、ギャップ間隔が十分に長い場合に、オーバーロード応答で発生するにすぎない。同期は、各MGが到着する呼に課すギャップ間隔に対する、MGに提供される呼の呼間到着時間の割合に、及び個々のMGでの回線数の分散に依存している。全てのMGが同じ数の回線を有する場合には、同期の影響はより顕著であるが、各MGに取り付けられている回線数で幅広い連続的な分散がある場合は、MGCでの到着レートのギャップ間隔の変化に対する反応は依然として影響を及ぼされるが、同期影響はあまり重大ではない可能性がある。
【0032】
さらに詳細に図3を参照すると、図面の上部は、当業者に周知であるようなクローフォードアルゴリズムを実現することにより、規則正しいギャップ間隔を適用するアクセスポイントの数Nを概略的に示す。図面の下部では、一定のギャップ間隔が課される時間の関数としてネットワークアクセスコントローラ(例えばMGC)によって受信される呼の数の概略プロットが示されている。
【0033】
当業者に周知であるように、クローフォードアルゴリズムにより各ネットワークアクセスポイントはその呼に、第1の呼を受け入れることを可能にするが、次に所定の期間(ギャップ間隔)gの間全ての以後の呼を阻止する(このような阻止された呼は、図3の陰影の付けられた領域内の矢印によって示されている−阻止されていない呼は陰影が付いていない領域で矢印によって示されている)ギャップ間隔を適用できるようにする。第1のギャップ間隔gの満了後、次の呼要求ネットワークアクセスが受け入れられるが、次に以後の呼ギャップ間隔が適用される。
【0034】
図3が示すように、当初、高い呼レートの結果、アクセスコントローラによって処理される呼の総数がほぼゼロに低下することになる高い程度まで重ね合うアクセスポイントのそれぞれによって呼ギャップが課される。(例えば図3にMG#1...Nとして示されている)各ネットワークアクセスポイントは、初期の阻止されていない呼を、(ここではまた該ネットワークアクセスコントローラとも呼ばれる)ネットワークアクセスコントローラに送信する。次に、既定のギャップ間隔g=Δtの場合、ネットワークアクセスコントローラ(例えばMGC)は、受信される呼の総数の急激な減少を経験する。しかしながら、ギャップ間隔gの持続時間にほぼ同等な時間尺度では、全てのアクセスポイントによりネットワークアクセスコントローラに提供される呼の数は再び急激に上昇する。時間がすすむにつれ、アクセスコントローラに提供される呼の最大数は下降し、ギャップ間隔があまり相互に関連しなくなり、より重複が少なくなるにつれ、さらに幅広い間隔に広がるにすぎない。これは、以後のギャップ間隔の間のさらに幅広いオフセットにより、図3に示されている。この呼パターンの「同期」は、ギャップが長期間適所にとどまる場合には最終的に消えてしまう。
【0035】
この動作は、通常のクローフォード空所化アルゴリズムが、25回線MGと単一線MGの両方を備える最大数のアクセスポイントに空所化プロセスを課すために使用されている、図4に示されるシミュレーションされた例でより明確に分かる。図4では、ネットワークアクセスポイントが受信する各呼の後に、ネットワークアクセスポイントのタイプに応じてローカルギャップ間隔が決定される。例えば、MGが25回線を超える呼を受け取る場合、他の呼が阻止される(発呼者が、例えば回線ビジー又は切断又は他のダイヤルトーン等の呼が阻止されていることを示す、何らかの信号を受信してよい)60秒の間隔が課される。しかしながら、各単一回線MGは、25回線MGによって課されるギャップ間隔の25倍のギャップ間隔を適用する。したがって、この例では、1500秒というギャップ間隔は、各単一回線MGによって適用される。MGの各タイプでは、いったんローカルギャップ間隔が満了すると、ネットワークアクセスポイントにより受信された次の呼はアクセスコントローラに転送され、次に以後のギャップ間隔が、追加の呼が終了される間に課される。
【0036】
図4では、通常のクローフォードアルゴリズムは、示されている例では、25回線アクセスポイント上に広がる125,000本の回線と、単一回線アクセスポイントでの125,000回線に関連する、250,000回線の混合された集合に適用された。アクセスポイントからアクセスコントローラに提供される呼のレートは、毎秒1600呼(cps)であり、アクセスコントローラターゲットレートは160cpsである。このような10倍のオーバーロードは、電話投票(televoting)型大量発呼(mass calling)サービスが一般的になるにつれ、通信ネットワークが経験することが予想できる集中的急増のタイプの特色を示していると考えられる。
【0037】
図4に示されている全体的な動作は、単一回線MGが漸次的にそれらの第1のギャップを適用するにつれ落下するように重ね合わされる、25回線MGからの同期受け入れプロファイルを実例説明している。該シミュレーションは、図4のプロットに示される時間尺度よりはるかに長い時間尺度でこれが発生するために、単一回線MGによって受け入れられるトラフィックの同期を示さない。
【0038】
図4に示されている受け入れられたトラフィックレートは、アクセスポイント(つまりゲートウェイ)ごとの呼ギャップ間隔にほぼ同等な時間定数で変化する。しかしながら、これは、第1に繰り返される急増自体もアクセスコントローラをオーバーロードする可能性があるため、及び第2にアクセスコントローラがせいぜいギャップ期間ごとに一度だけ(つまり60秒ごとに)制御更新決定を下すことができるために、問題を呈する。これは低速すぎて、5秒ごと等の制御更新を要求する可能性のあるオーバーロードイベントに適応できない。
【0039】
きわめて可変であり、最繁時レートの何倍にもなる(例えば20倍を超える)非常に高い通話料金に対処するためには、本発明によるアクセスコントローラは非常に急速なオーバーロード制御を実現する。特に、オーバーロード制御は、各アクセスポイントが、ネットワークに受け入れられるトラフィックのレートを制限するための局所アクセス制約を実現する外部コントローラとして機能できるようにすることによって、アクセスコントローラの外部で課される。本発明により、アクセスコントローラは、それが複数のアクセスポイント(一般的には、その領域内のアクセスポイントの全てであるが、必ずしも常に全てではない)から受信する呼の数に基づいてオーバーロード状態を決定できる。次にアクセスコントローラは、ネットワークに受け入れられるトラフィックのレートを削減するために課される(例えば、回線ごとの)全体的制約を決定する。次に各アクセスポイントは、これがトラフィックがネットワークに受け入れられるレートを調整するために使用する(例えばアクセスポイントごとの)局所制約を決定するために、全体的制約を修正する。本発明の好ましい実施形態では、アクセスコントローラは、呼空所化プロセスを課すアクセスポイントによって阻止されなければならない、呼から受信されるオフフック表示にもはや積極的に反応しない。別の好ましい実施形態では、アクセスポイントは、アクセスポイントで適用される局所制約によって受け入れられない呼のためのアクセスコントローラに、オフフックを送信する必要がない。
【0040】
有利なことに、アクセスポイントにより受信される必要がある呼をトリガしなくてもアクセスポイントにより適用される、初期の無作為化された局所ギャップ間隔を強制することにより、アクセスコントローラはより反応のよいオーバーロード制御を提供できるようになり、アクセスコントローラは頻繁に更新された全体的なトラフィックレート制約を提供できるようになる。各アクセスポイントによる全体的なトラフィックレートの修正は、アクセスポイントが異なる容量を有する(例えば、異なる数の回線に沿ってトラフィックを受信するように構成される)任意のネットワーク内で特に有利である。例えば、各アクセスポイントがメディアゲートウェイを備える、IPネットワーク内のアクセスポイントの集合は、(その内に例えば数千があってよい)単一回線MGから、はるかに高い容量(例えば、16,000回線を処理する能力)の単一MGへ、大きく構成が変化できる。このようなIPネットワークでは、課されるギャップ間隔は異なる種類のMGの全てに適切ではないため、ネットワーク全体で全体的制約を適用することはできない。
【0041】
このようにして本発明は、ネットワークアクセスコントローラにより処理されるトラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムを提供し、この場合該ネットワークアクセスコントローラは、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成され、各ネットワークアクセスポイントは受信されたトラフィックに通信ネットワークへのアクセスを提供する。
【0042】
オーバーロード制御システムを実現するために実行されるステップは、添付図面の図5で概略的に示されている。図5では、例えば、制御のその領域内でネットワークアクセスポイントの全て(又は部分集合)からそれが受信するトラフィック要求を監視し、分析する(ステップ100)ことによって、システムはオーバーロード状態が存在するかどうかを決定する(ステップ102)コントローラを備える。オーバーロード状態が発生したのか、あるいは発生する可能性があるのかどうかを、処理用にアクセスコントローラに提供されるトラフィックのレベルから判断することによって、ネットワーク全体でオーバーロード状態に一貫したより迅速な反応を提供するアクセスコントローラによって、集中オーバーロードシステムが実現できる。この集中オーバーロード反応は、アクセスコントローラに提供されるトラフィックのソースとして機能している各ネットワークアクセスポイントに、1つ以上の制御メッセージをマルチキャストする(ステップ104)ネットワークアクセスコントローラによって提供される。少なくとも1つの制御メッセージは、少なくとも1つの全体的に決定されるトラフィックレート制約状態を含む。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、番号ごとの制約が課される場合に、複数の全体的制約がネットワークアクセスコントローラによって決定される。本発明のこのような実施形態では、一般的なデフォルトの制約条件は、他のトラフィックが処理に対する要求を有するネットワークアクセスコントローラを圧倒するのを防ぐために課すことができ、1つ以上の他の全体的制約は、ある特定のアドレスに対する呼がネットワークアクセスコントローラを圧倒することを防ぐために課すことができる。
【0043】
ネットワークアクセスコントローラの制御の領域内での複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれが、少なくとも1つの全体的制約を含む前記1つ以上のマルチキャストメッセージを受信する。採用されているマルチキャスト技法のタイプに応じて、これは制御の領域内でのネットワークアクセスポイントの全て又は部分集合のいずれかであってよい。受信された全体的制約情報は、次に1つ以上の局所制約条件を決定するために該受信側ネットワークアクセスポイントによって処理される(ステップ106)。通信ネットワークへのトラフィックのソースとして機能しているアクセスポイントで課される少なくとも1つの局所制約条件の集合は、ネットワークアクセスポイントの1つ以上の特性に従って全体的制約条件を修正することにより決定される。局所制約条件は、全体的制約条件(複数の場合がある)から、少なくともi)課す第1のギャップ間隔の持続時間(ステップ108)、及びii)以後のトラフィック要求時に(つまり通信ネットワークへのアクセスを求める以後の呼で)課すための以後のギャップ間隔の持続時間(ステップ110)を決定することを含む。
【0044】
通信ネットワークがIP(又はVoIP)をサポートする本発明の実施形態では、全体的トラフィックレート制約条件は、ネットワーク内でMGの集合のためのコントローラとして機能する中心的な宛先MGCによって決定できる。MGCは、層2機構と層3機構を使用して制御メッセージをマルチキャストし、MGCコントローラが、ギャップ間隔が課されるあるいは更新される必要があるたびに、ネットワークインフラストラクチャの中にコピーされるただ1つの全体的制約メッセージをマルチキャストできるようにする。全体的制約メッセージは、実質的に遅延なしでマルチキャストグループに加入する全てのトラフィックソース(MG)によって受信され、処理側MGCでのオーバーロード状態に対する速い反応を、全体的制約メッセージを受信する全てのMGによって実現できるようにする。
【0045】
マルチキャスト全体制約メッセージを受信する各アクセスポイントは、第1に、トラフィックレートに、及びアクセスポイントがネットワークへのアクセスを求めるトラフィックを受信する回線の数に、さらに適切な間隔に、全体的に決定されたギャップ間隔を修正するために修正されたクローフォードアルゴリズムを実行することにより、受信された全体的制約情報を修正する。第2に、初期局所ギャップ間隔は、それ以外の場合、類似する局所ギャップ間隔を決定できる他のネットワークアクセスポイントとの大量発呼(mass calling)シナリオで発生するであろう、あらゆる同期の影響を取り除く長さで無作為化される。ギャップ間隔の無作為化に関するさらに多くの詳細は、ここにさらに詳しく後述される。
【0046】
任意の適切な技法が初期ギャップ間隔の持続時間を決定するために利用されてよく、アクセスポイントは、以後の(固定持続時間)時間間隔のギャップが過去の何らかの点で課されたかのように効果的に機能する。これは添付図面の図6に概略的に示されている。図6は、全て同じ間隔を有する以後のギャップが後に続く、無作為に変わる初期ギャップを実現する、全て同じタイプの多くのネットワークアクセスポイント(#1から#N)を示す。ギャップ間隔という用語は、ここでは、追加の呼は受け入れられない、呼の受け入れに続く期間を意味するために使用される。事実上、これが、アクセスコントローラによって発行されるマルチキャストに加入する全てのアクセスポイントにとって変化する量による、次の完全ギャップ間隔の発現を、単に遅延させる。第1のギャップ間隔の持続期間は、結果が(例えばMGC等で)アクセスコントローラで経験されている呼阻止の同期を取り除く限り、例えば無作為技法又は擬似乱数技法を使用する等、任意の適切な技法を使用して決定できる。
【0047】
全体的制約条件を決定するために、本発明の一実施形態では、アクセスコントローラが、マルチキャストメッセージ(複数の場合がある)を介して、各アクセスポイントに回線ごとのギャップg間隔及び回線ごとのカレントレートの推定値rを提供する。定常状態では、アクセスポイントがアクティブなギャップ間隔を有さない(定常状態の場合、及びポアゾン分布を有するトラフィックの場合)確率1/(1+r*g)がある。アクティブギャップ間隔を有するアクセスポイントの場合、初期ギャップは、0と、その特定のMGにより適用されているギャップ間隔Gとの間の時間における、前回の点に到着した標準間隔持続時間のギャップに同等である初期期間の間持続すると仮定できる(図6参照)。最初にそれがアクティブギャップ間隔を有さなければならない場合に、及び第2に(Lがゲートウェイによって管理される回線数である場合に0からG=g/Lの範囲で均一に分布される)それがギャップ間隔のどのくらい多くが実行するために残されているのかを決定するために、各アクセスポイントが乱数を使用すると仮定すると、それ以外の場合アクセスコントローラでの提供される呼レートに出現するであろう同期影響はもはや現れなくなる。これは添付図面の図7と図8で確かめることができる。
【0048】
図7及び図8では、全体的制約が5000ネットワークアクセスポイント(例えばMG)にアクセスコントローラ(例えばMGC)によって提供される。各アクセスポイントは、通信ネットワーク(例えばVoIPネットワーク)上で転送される25の回線に沿ってトラフィックを受信するように構成される。
【0049】
図8の本発明の実施形態によって図示されるように、複数のMGによってMGCに提供される呼の数が初期に毎秒約800呼であるのに対し、MGCが毎秒約100呼というターゲットレートを有する場合を考える。このような呼の量は電話投票(televoting)型シナリオでは典型的である。したがって、MGCは、外部オーバーロード制御を適用するためにその制御の領域内でMGの内のいくつかに、全体的ギャップ間隔パラメータを含む全体的呼レート制約をマルチキャストするであろう。次にMGは、局所ギャップ間隔を決定するために自身の容量に全体的制約を適応する。MGは次にそれぞれ無作為に又は擬似乱数的に、ゼロから完全局所ギャップ間隔の範囲であってよい初期ギャップ間隔を決定する。各MGは、次に、受信される呼を待機せずに(非ゼロの場合)初期ギャップ間隔を課し、事実上、これはMGがその持続期間を決定するとすぐに初期局所ギャップ間隔が課されることを意味する。これが、従来の呼空所化技法が利用されるときにこのようなシナリオで発生することが公知である同期影響を表示しない、MGによってMGCに提供される呼の数の低下を招く。図7では、MGCはt=100秒で制約を要求する、つまりt=100秒で全体的制約が生成され、MGのそれぞれに通信される。各MGを通して受け入れられるトラフィックは次に、事実上、全体的制約情報がMGCから受信されるとほぼ即座に局所制約条件に従う。
【0050】
図8は、図7に示されている領域をさらに詳細に示す。図8では、局所ギャップ条件を実現するMGに続いてMGによってMGCに転送される呼のタイプの相対的な割合が概略的に示されている。簡略には、MGに以後転送される呼は、i)ゼロという初期ギャップ間隔が過去に適用されていたため、局所ギャップ条件に従わずに転送される呼、ii)初期に短縮された局所ギャップ間隔が適用された後に転送される呼、又はiii)通常の標準的な長さの局所ギャップ間隔がMGによって適用された後に転送される呼の、いずれかであり得る。この呼の後のグループ(iii)は、明らかにグループ(i)又は(ii)内の呼よりはるかに後の多大な割合の呼を形成する。
【0051】
図8では、MGで受け入れられた転送された全ての呼の合計が、各プロットされた点を記すXのある回線によって示されて図示されている。当初、事実上初期ギャップ間隔を課さなかった(つまり初期ギャップ間隔がゼロであった)MGによって受け入れられた呼の数が、受信された呼を支配する。これは、各プロット点を記す◇のある線によって示されている。しかしながら、時間が進むにつれて、各点を記す□のある線が、初期の(短縮された)局所ギャップ間隔の満了後に受け入れられる呼の数が優勢になり始めるのを示す。最終的には各プロット点を記す△のある線が示すように、通常の(標準的な)局所ギャップ満了後に受け入れられる呼の数が、MGによりMGCに転送される呼の集合を支配することを示す。
【0052】
図9及び図10は本発明の別の実施形態を示し、MGの2つの異なる集合がその制御領域内に含まれるときに、MGCによって課される全体的制約の影響を実例説明する。図9及び図10では、さらに複雑な動作が示されている。ここでは125,000の回線が25回線ゲートウェイに接続され、125,000の回線が単一回線ゲートウェイに接続されている。単一回線ゲートウェイは(図7及び図8が示すような)25回線MGのために得られる結果に比較して、25という係数で呼の割合をスケーリングする。
【0053】
しかしながら、図7から図10が明確に示すように、それ以外の場合、(MGC等の)アクセスコントローラが反復処理要求急増を経験できるようにするであろう同期の影響は、アクセスポイント間で無作為に変わるギャップ間隔を有する初期ギャップの導入によって取り除かれる。それらの持続時間が異なることは別にして、初期ギャップはそれ以外の場合、従来のギャップ関数を実行する。間隔タイマの満了前に到達する全ての呼は拒絶されるが、呼が間隔時間の満了後に到着する場合には、呼は受け入れられ、新しいギャップタイマが開始する。
【0054】
ギャップ間隔更新がネットワークアクセスポイントによって実現されている局所的なオーバーロード制御の開始後に到達すると、制御をほとんど即座に課すことができるようにする機構を、第2の制御メッセージが受信されると前述される制約プロセスが自動的に反復されることを保証することによって、提供できる。更新を実現するための1つの考えられる方式は、アクセスコントローラが、オーバーロード状態が依然として超えられていると周期的に判断し、アクセスコントローラが、アクセスコントローラにトラフィックを提供する全てのネットワークアクセスポイントから受信している合計トラフィックレートから、1つ以上の全体的制約の更新(つまり新しいスケラブルな全体的ギャップ間隔)が必要であると判断することである。アクセスコントローラが測定した合計レートに貢献する各アクセスポイントに送信される新しい全体的なギャップ情報が、現在課されているギャップ間隔未満である局所ギャップ間隔をアクセスポイントに決定させる場合、任意の現在実行中の間隔タイマはこの変化を反映するために更新されてよく、現在実行中の間隔は相応して削減され(又はゼロに設定され)てもよい。新しい全体的ギャップ間隔により、局所ギャップ間隔がさらに長い期間に更新されると、ローカル間隔タイマは拡張されてよく、すでに課されている任意のギャップを長くする。代わりに、いずれにしても、現在実行中の間隔は停止でき、持続時間がゼロと新規ギャップ間隔持続時間の間である新しい初期ローカルギャップ間隔が決定され、事実上オーバーロード制御プロセスを反復する。
【0055】
本発明の別の利点は、(例えば、全ての関連する状態機械が、オンフック状態に戻すあらゆる変化を反映することを保証するために)阻止された呼の適切な終了を可能にするだけではなく、実現されるアクセスコントロールにより、ネットワークアクセスポイント(例えばMG)が特定の呼、例えば(999、911等の)緊急サービスに対する呼に優先順位を設定できるという点である。本発明はさらに、MGCとMGの間のメッセージフローの中の全体的制約メッセージの位置決めを適切に選択することによって、制限が課される前に被呼(called)アドレスを決定できるようにする。
【0056】
例えば、ここで添付図面の図11を参照すると、本発明の実施形態によるMGCとMGの間のメッセージフローの例が示されている。以下の実施形態では、メディアゲートウェイ(MG)の関連で関連性がある規格と、メディアゲートウェイコントローラ(MGC)とに明示的な参照がなされているが、当業者は代替の規格が、他の種類のネットワークアクセスポイントとネットワークアクセスコントローラの間の類似したメッセージフローをサポートしてよいことを理解であろう。
【0057】
ここで図11を参照すると、まず呼が開始すると、MG回線状態機械(LSM)がオフフック状態になり、次にオフフックが、MGへのメッセージを受領確認するMGCに通知される。H.248プロトコルがサポートされている場合には、オフフック状態はMGCによってMGC呼処理アプリケーション(CpApp)に直ちに通知されなければならないが、オフフック状態を通知することは必須ではなく、H.248との厳格な遵守が必要とされない場合、これは保留できる、あるいはまったく実現されない。MGC CpAppが通知されると、それは、サポートされている任意のダイヤルプランの詳細と共に使用中のダイヤルトーンのタイプを示すメッセージを、MGCを介してMGに返す。H.248の代替使用により、MGCは呼に先駆けて(例えば、必要とされるダイヤルトーンが変化するとき)、ダイヤルトーンと(特定の物理的な終端、つまり銅対への適用のための)ダイヤルプランをMGに送信できる。これにより、MGCがオフフックに応えて何かを送り返す必要はなくなり、オフフックを送信しないことが可能になる。
【0058】
呼が進行するにつれて、MG LSMは、それが受信する電話をかけられた数字を、次にダイヤルプランを実現し、MGC/MGC CpApplによって課される制御制約に従って必要なギャップ分析を実行する、MGに送信する。ギャップが課されている場合には、MGは、例えば呼発信者に装置の話中音(Equipment Engaged Tone)を生成することによって、これを通信することを希望してよい。ギャップが課されていない場合には、数字1−nがMGCに通信できる。
【0059】
本発明の代替実施形態では、MGはMGCの呼単位の処理負荷を削減するためにオフフックメッセージに対する受領確認を受信しない。代わりに、MGCは単にMGに、ダイヤルトーンタイプ(つまり、DT(n))の詳細と、ダイヤルプランが実現されなければならないかどうかの詳細とを提供する。
【0060】
ダイヤルプランは、MGに特定の数の数字が送信された後に、MGが、呼がギャップ制約を実現するためのダイヤルプランによって課される基準に合致するかどうかを判断するために、ダイヤルされる番号を分析することを意味する。デフォルトの制約は、それ以外の場合ダイヤルプランによってサポートされない特定の数について課されてよい。呼がギャップ制約から免除されると判断される場合、それはMGCに送信されるが、免除されない場合には、呼は、許される場合、つまりすでに課されていたギャップ間隔が期限切れになった場合、あるいは初期ギャップ間隔がゼロである場合にMGCに送信されるにすぎず、その結果ギャップは次の呼が受信される後まで課されてはならない。これは、3種類の異なるタイプの呼についてアクセスコントローラが通知した点を示す、添付図面の図12に概略的に示されている。
【0061】
図12では、第1の呼は0800654321にダイヤルする発呼者に関連する。この番号は、最初の3桁の後で、(MGCに対する早期の通知をトリガするであろう)優先呼出に関連するとして認識されない。しかしながら、図1に示されている他の2つの番号は、MGCへの早期通知をトリガする優先番号(112、999)に関連する。ダイヤルプランによってサポートされていない番号012345 67890等の、別の番号がダイヤルされる場合には、デフォルト(つまりワイルドカード)制約がMGによって適用できるであろう。
【0062】
アクセスコントローラでの全体的な空所化間隔を決定する一つの方法は、信号ソースによって提供されるオフフックを拒絶するレートを、コントローラが決定することである。コントローラは、各トラフィックソースが全体的なギャップサイズから局所的なギャップサイズにその容量に比例して縮小し、次にゼロから局所ギャップサイズまで初期ギャップ持続時間を無作為に課す、単一ユーザ単位の全体的なギャップをマルチキャストできる。各トラフィックソースは、次に局所ギャップを全ての非優先呼に適用し、空所化は通常の呼に提供されるサービスにだけ影響を及ぼす。
【0063】
しかしながら、本発明の別の実施形態では、コントローラは、類似する適応内部制御を実行し、それがトラフィックソースから受信されるオフフックメッセージを拒絶するレートを測定するが、コントローラは被呼者アイデンティティに従って拒絶レートの分析を実行し、どの被呼者アイデンティティが空所化を必要とするかを判断する。この関連で、呼アイデンティティはネットワークアドレス等を備えてよい。
【0064】
コントローラは、次に全体的制約と番号単位の全体的制約を決定し、各トラフィックソースにこれらの全体的制約をマルチキャストする。トラフィックソースは、次に、トラフィックソースの容量に従ってどの局所ギャップ間隔サイズが利用されなければならないのかを、コントローラによって提供される全体的なギャップ情報から決定するために、全体的制約を縮小する。無作為の初期ギャップ間隔サイズも求められる。呼がかけられると、ダイヤルされる番号は、特定のダイヤルされた番号方式について使用するための最も適切なギャップ間隔を決定するために、ネットワークトラフィックソースによって分析される。このようにして、図12では、特定の数字が優先番号に関連していると認識されると、ギャップは課されない(例えば112と999の番号)のに対し、0800 6543231の番号は通常の除外の対象となるであろう。しかしながら、本発明の他の実施形態では、ダイヤルプランは、電話投票(televote)/大量ダイヤル(mass dialling)番号だけが空所化にさらされなければならず、非優先番号にかけられる通常の呼も、アクセスコントローラがトラフィック処理のオーバーロードを経験せずにかけることができるようになるであろうことを示すことができるであろう。
【0065】
このようにして、16,666cpsという繁時容量を有するVoIPネットワークは、例えば大量ダイヤル(mass−dialling)状況において、非大量ダイヤル(non−mass−dialling)関連のトラフィックが影響を及ぼされずに、100,000cps以上がデジタル回線交換機から送信されるときに有効に対処できる。本発明のこのような実施形態では、MG−MGCの制御要件は、(通常は200ms未満である)MG応答時間にさらされる、オーバーロードされているMGCでの有効呼スループットを単に最大限にし、両方の優先呼を有効にし、電話投票タイプの呼により引き起こされる急増から、通常の(非優先呼)を任意に保護することである。
【0066】
図13及び図14は、機能の場所という点でオーバーロード制御の全体的なアーキテクチャを対比する。図13及び図14では、AはMGCの受け入れ機能であり、RはMG局所オーバーロード制約制限であり、Uは更新機能である。
【0067】
図13は、制限更新が実現されなければならないVoIPネットワーク内のMG−MGCシナリオを示す。図13及び図14では、オフフック信号がMGによってMGCに送信され、MGCは受け入れ制御を適用し、MGはMGCのオーバーロードを制限するために適切な制約を適用する。しかしながら、図13では、MGはMGCによって全く制御されずに局所的にオーバーロードを更新する。この更新は1つ以上の基準に基づいてよい。例えば、更新は、MGCに対するMGによる新しい呼の試行の明示的な拒絶に、あるいはMGCへそれがメッセージを送信することと、MGCにおける非常に大きな負荷を示すであろう応答のMGCの受領確認との間で、MGによって見られる長い遅延に基づいてよい。当業者は、MGは、MGCがオーバーロードしているかどうかを判断するために、及びその局所制約を適応させるために、呼イベントに対するMGCの応答だけを使用するため、図13のアーキテクチャが単一回線MG、又は必ずより大きなMGより低い呼のレートをMGCに送信するいくつかの回線しかないMGにとって、不適切であることを認識する。呼イベントの低いレートだけが送信される場合、MGはMGCでのオーバーロードの存在のその推定値及び重大性を基づかせる情報を制限し、制約適応は必然的にゆっくりである。しかしながら、大型ゲートウェイの場合、本発明のこの実施形態はH.248規格推奨策に対する修正を全く必要としないという利点を有する。
【0068】
図14は、対照的に、更新された状態を決定するMGCを概略的に示す。これにより、さらに反応のよいオーバーロード制御を実現できる。図14では、MGがオフフック状態を受信すると、MGはこれをMGCに送信し、MGはその全体的制約条件を更新する。MGCは、次に、新しい全体的制約が生成されなければならないのか、あるいは更新された全体的制約が生成されなければならないのかを判断し、全てのMGが受信する1つ以上の制御メッセージを提供するために、適切な通信技法(マルチキャスト)を使用して、新しい全体的制約条件(つまり新しい全体的ギャップ間隔)を選択(又は全てのMG)に通信し直す。各MGは次に、呼が拒絶されるべきか否かを判断するために、それがMGCにより提供される更新された全体的制約情報から決定する修正された局所制約を使用して呼を処理する。
【0069】
MGCは、各MGから受信する集合トラフィックフローにアクセスすることができ、したがって各MGが個別に受信するより高いトラフィックレートを受信し、(全体的に、及び特定のダイヤルされた番号への)トラフィックレートの正確な推定値を取得できるようにする。MGCにより受信されるトラフィックレートは個々のMGでのトラフィックレートより高いので、(MGCから更新された全体的制約を受信する)各MGによって実現される外部の全体的な制御条件に対するより頻繁な更新は、MGが局所トラフィックレートを決定し、(示されている図13のような)MGCとは無関係に局所制約を生成する場合よりも、起こり得る。
【0070】
この第2の制御オプションは、(MGCによってマルチキャストされる)無作為化された初期間隔を有する瞬時に有効なギャップがあるため、オーバーロードの集合を回避できるという利点がある。しかしながら、H.248規格の推奨策が、MGCからマルチキャストメッセージによって返される全体的なギャップ制約を鑑みて修正を必要とする可能性があり、本発明はMGCにより決定される集合トラフィックレートに貢献する各MGに全体的なギャップ間隔情報を通信する他の適切な技法によって実現できる。(これらはMGCによって集中的に決定されてよいが)各MGが受信する全体的制約をそれ自体の特性に合うように修正すること、及び局所ギャップ論理と適切なダイヤルトーンを実現することは、各MC次第である。
【0071】
大量発呼(mass calling)シナリオでは、各ネットワークアクセスポイントは、全てが同じターゲットアドレスを有する短期間内に多数の呼を受信するであろう(例えば同じ番号は、非常に短い、ほぼ同時の期間内に多数の呼によりダイヤルできる)。アクセスポイントの全てに対する制御は、応答時間が図2に示されていたような許容できないレベルまで上昇するのを防ぐために、相対的に迅速に本発明により実現できる。
【0072】
したがって、当業者は、アクセスコントローラが、それぞれの貢献するネットワークアクセスポイントから提供される、トラフィックの総トラフィックレートを決定することを理解するであろう。この総レートは個々のアクセスポイントにおけるレートより高く、外部オーバーロード制御がすでに実現されていたとしても、アクセスコントローラが実際の提供されたトラフィックレートから、外部オーバーロード制御が更新を必要とするかどうかをより確実に判断できるようになることを意味する。アクセスコントローラが生成した情報から引き出される(例えば、総トラフィックレート及び回線単位のトラフィックレート情報を備えてよい)局所制約(つまり局所ギャップ間隔)の、アクセスコントローラから制御メッセージを受信する各ネットワークアクセスポイントによる強制は、更新条件が単にネットワークアクセスポイント自体によって決定される場合より、さらに迅速に実現できる。各アクセスポイントが自立的に(つまり他のアクセスポイントのそれぞれにより課される初期ギャップ期間とは無関係に)判断する初期ギャップ持続時間を即座に強制することによって、アクセスポイントが互いに通信する必要はない。
【0073】
制御メッセージがネットワークアクセスコントローラによって各ネットワークアクセスポイントに通信される手段は、好ましくはネットワークコントローラでの全ての提供されたトラフィックレートの一因となるそれらのアクセスポイントに制限されるマルチキャスト技法によって実行されるが、当業者に公知の他の適切な通信手段が利用されてよい。
【0074】
通信のマルチキャスト手段がアクセスコントローラによって利用される場合、ネットワークは、アクセスコントローラが全体的なトラフィックアクセスレート制約(複数の場合がある)を通信ネットワーク上でネットワークアクセスポイントにマルチキャストできるようにする、通信マルチキャストプロセス(あるいはプロセスの同等な選択的なブロードキャスティングタイプ)をサポートする必要がある。マルチキャストは、これによりさらに迅速な制御をIPネットワーク内のMGに課すことができるようになり、MGCがさらに反応的になり、当技術分野で公知の時間尺度よりさらに短い時間尺度で呼の制約を更新できるようになるので好ましい。個々のMGに合うようにアクセスコントローラによって全体的に決定されるマルチキャスト呼制約の適応は、MGCの制御の領域内での各MGによるさらに効果的な呼の制限を可能にする。
【0075】
当業者は、各ネットワークアクセスポイントに対する制約メッセージのユニキャスト伝送が、根本的な伝送ネットワークが、制約がオーバーロードの効果的な制御のために十分に迅速にアクセスポイントの大多数で配備されていることを保証するほど十分な帯域幅を有する場合に、マルチキャストの代わりに使用されてよいことを、さらに理解するであろう。トラフィック制限は(制約分散が低速である場合には)不活発であるか、(制約分散が高速である場合には)同期しているため、これによりギャップ間隔の開始時間を無作為化するための低速ユニキャスト分散に対する依存が排除される。適切な制御は、制約の高速分散及びギャップ開始時間の明示的な無作為化に依存する。
【0076】
以下の繰り返される要約書の本文は、本説明に組み込まれると見なされる。
【0077】
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィック量を制御するための適応オーバーロードシステムが、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成されるネットワークアクセスコントローラについて説明される。各ネットワークアクセスポイントは、通信ネットワークに対するアクセスをトラフィックに提供し、システムはネットワークアクセスコントローラにおいて、オーバーロード状態が存在するかどうかを判断することと、存在する場合には、ネットワークアクセスポイントが前記トラフィックを通信ネットワークへ受け入れるレートを制限するための、少なくとも1つの全体的制約を生成することを備える。コントローラは、次に前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、少なくとも1つの全体的トラフィック制約をマルチキャストする。全体的制約を受け取る各ネットワークアクセスポイントは、次に複数の局所制約条件を決定するために該全体的トラフィック制約を処理する。受信側ネットワークアクセスポイントは、前記局所制約条件を決定するために、前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定することと、以後の局所的な所定のギャップ間隔とは異なる初期ギャップ間隔を決定することであって、該初期ギャップ間隔は前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれの間で異なることと、の各ステップを実行する。初期ギャップ間隔は、それ以外の場合高い呼レートシナリオで発生するであろうネットワークアクセスコントローラでの同期影響が排除されることを保証するために、無作為に又は擬似乱数的にのいずれかで決定される。
【0078】
前記実施形態は、局所ギャップ間隔を決定するためにクローフォードアルゴリズムを修正することに関して説明されてきたが、当業者は、該コントローラに提供されるトラフィックレートを制限するためにネットワークアクセスポイントにより適用できる他の制限アルゴリズムが、本発明の他の実施形態における代替制限を実現するために適切に修正されてよいことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】通信ネットワークの概略図を示す。
【図2】通信ネットワークでアクセスコントローラをオーバーロードする結果を示す。
【図3】固定されたギャップ間隔オーバーロード制御方式を示す。
【図4】クローフォード(Crawford)アルゴリズムを実現する固定ギャップ間隔方式のための時間の関数としての、アクセスコントローラに提供される呼の数を示す。
【図5】本発明によるオーバーロード制御プロセスにおけるステップを示す。
【図6】通信ネットワーク内の異なるネットワークアクセスポイントの間で、初期ギャップ間隔が変化する本発明の一実施形態を示す。
【図7】ネットワークアクセスコントローラへの提供呼の数に本発明の一実施形態を適用した結果を示す。
【図8】図7に示されるプロットの一部の拡大図を示す。
【図9】ネットワークアクセスコントローラへの提供呼の数に、本発明の別の実施形態を適用した結果を示す。
【図10】図9に示されているプロットの一部の拡大図を示す。
【図11】本発明の一実施形態におけるメディアゲートウェイとメディアゲートウェイコントローラ間のメッセージフローを示す。
【図12】オーバーロード制御が本発明の一実施形態においてどのようにして数単位で実現できるのかを概略的に示す。
【図13】局所的に決定される制約更新プロセスを示す。
【図14】全体的に決定される制約更新プロセスを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムであって、前記ネットワークアクセスコントローラは、前記トラフィックに通信ネットワークに対するアクセスを提供するように構成された複数のネットワークアクセスポイントにより提供されるトラフィックを受信するように構成され、
オーバーロード状態が前記ネットワークアクセスコントローラに存在するかどうかを、前記複数のネットワークアクセスポイントの全てによって、前記ネットワークアクセスコントローラにトラフィックが提供される総レートから判断し、存在する場合には、前記総提供トラフィックレートから引き出される少なくとも1つの制約を生成することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれに、前記少なくとも1つの制約を通信することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つにより提供される、トラフィックを制限するトラフィックに課される1つ以上の局所制約を決定するために、前記複数のネットワークアクセスポイントの内のそれぞれ1つで、受信された制約情報を処理することと、
を備える、システム。
【請求項2】
ネットワークアクセスコントローラにより処理されるトラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムであって、前記ネットワークアクセスコントローラは、通信ネットワークへのアクセスを前記トラフィックに提供するように構成された複数のネットワークアクセスポイントによって提供されるトラフィックを受信するように構成され、
前記ネットワークアクセスコントローラへの、前記複数のネットワークアクセスポイントの全てによって提供される前記トラフィックが、前記ネットワークアクセスコントローラにオーバーロード状態が存在する場合に拒絶される拒絶レートから決定し、存在する場合には、決定された前記拒絶レートから少なくとも1つの制約を引き出すことと、
前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれに、前記少なくとも1つの制約を通信することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つによって提供されるトラフィックを制限する前記トラフィックに課される1つ以上の局所制約を決定するために、受信された制約情報を、前記複数のネットワークアクセスポイントの内のそれぞれ1つで処理することと、
を備える、システム。
【請求項3】
各局所制約が、前記ネットワークアクセスポイントにより受信されるトラフィックが、前記アクセスコントローラに提供されないギャップ間隔を備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ネットワークアクセスコントローラの制御下で、前記ネットワークアクセスポイントの全てにより課される間隔の前記総分散は、各前記ネットワークアクセスポイントによって課される前記局所制約の発現時に無作為化される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記無作為化は、持続期間が無作為プロセスによって決定される初期間隔を生成する各ネットワークアクセスポイントにより個々に課される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記無作為化は、受信された前記全体的制約情報の処理の直後に前記局所制約間隔を実現する、各ネットワークアクセスポイントによって個別に課され、前記全体的制約情報を生成する前記ネットワークアクセスコントローラに続いて完了される前記全体的制約情報処理のための時間が、前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれについて変わる、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィックの量を外的に制御するように構成された適応オーバーロードシステムであって、前記ネットワークアクセスコントローラは、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成され、各ネットワークアクセスポイントが、前記トラフィックに前記通信ネットワークへのアクセスを提供し、
前記ネットワークアクセスコントローラで、オーバーロード状態が存在するかどうかを判断し、存在する場合には、ネットワークアクセスポイントが前記通信ネットワークへの前記トラフィックを受け入れるレートを制限するために、少なくとも1つの全体的制約を生成することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を通信することと、
複数の局所制約条件を決定するために受信される各全体的トラフィック制約を処理することであって、前記受信側ネットワークアクセスポイントが、前記局所制約条件を決定するために、
前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定するステップと、
以後の局所的な所定のギャップ間隔(Δt)とは異なる初期ギャップ間隔(Δt0)を決定するステップであって、各初期ギャップ間隔(Δt0)が前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれによって独立して決定されるステップと、を実行することと、
を備える、システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を、前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つ以上に通信する前記ステップにおいて、少なくとも1つの全体的トラフィック制約が前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つ以上にマルチキャストされる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記初期ギャップ間隔は、無作為技法または擬似乱数技法を使用して各ネットワークアクセスポイントで決定される、請求項7又は請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記初期ギャップ間隔(Δt0)持続時間は、ゼロから以後の局所ギャップ間隔Δtに及ぶ、請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記通信ネットワークはVoIPネットワークであり、前記トラフィックは呼に関連するトラフィックを備える、請求項7又は請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記ネットワークアクセスコントローラはメディアゲートウェイコントローラであり、前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれはメディアゲートウェイを備える、請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
全体的なトラフィックレート制約がアドレスのために前記アクセスコントローラによって決定される、請求項7ないし請求項12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
ネットワークアクセスポイントが通信ネットワーク全体で伝送のためのトラフィックを受信する回線の数、及び全ての貢献するネットワークアクセスポイントによりアクセスコントローラに提供される前記総トラフィックに基づいて前記アクセスコントローラによって決定されるスケラブルギャップ間隔が、局所的な所定のギャップ間隔を決定するために使用される、請求項7ないし請求項13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記マルチキャストするステップは、前記アクセスコントローラによって制御される前記ネットワークアクセスポイントの全てに対してのものである、請求項8ないし請求項14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記アクセスコントローラによりオフフックメッセージが拒絶されるレートを分析することにより、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を決定する、請求項7ないし請求項15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を決定するために、トラフィックが前記コントローラに提供されるレートを分析する、請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を決定するために、トラフィックが前記コントローラによって拒絶されるレートを分析する、請求項7ないし請求項17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
ダイヤルプランが、局所ギャップ制約が課されているときに前記アクセスコントローラに対するオフフック条件メッセージを送信することを不必要にするために、ネットワークアクセスポイントによって実現される、請求項1ないし請求項18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記所定の局所ギャップ間隔はほぼ1分である、請求項1ないし請求項19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
各ネットワークアクセスポイントが確率論的方法を使用して前記初期ギャップ間隔を決定する、請求項1ないし請求項20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記初期ギャップ間隔は、ゼロではない場合に、前記ネットワークアクセスポイントの初期ギャップ間隔の全てが、ゼロから、各ネットワークアクセスポイントによって決定される前記局所ギャップ間隔Δtの範囲で均一に分散されるように、各ネットワークアクセスポイントにより決定される、請求項1ないし請求項21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
通信ネットワークへの受け入れのためにメディアゲートウェイコントローラによって受信される呼の数を制御する方法であって、前記メディアゲートウェイコントローラは複数のメディアゲートウェイに接続されるように構成され、
前記メディアゲートウェイコントローラにおいて、少なくとも1つのスケラブルな呼レート制御パラメータを決定するステップと、
前記メディアゲートウェイコントローラが、前記メディアゲートウェイコントローラの制御領域内で、各メディアゲートウェイにスケラブルなレート制御パラメータをマルチキャストするステップと、
前記メディアゲートウェイでスケーリングされる呼レート制御パラメータを決定するために、各メディアゲートウェイで前記呼レート制御パラメータをスケーリングするステップであって、前記スケーリングされた呼レート制御パラメータが、前記メディアゲートウェイコントローラに向かう予定の呼に対して前記メディアゲートウェイによって課される呼ギャップ間隔を備えるステップと、
前記メディアゲートウェイが、所定の初期の呼−ギャップ間隔を課すステップと、
を備える、方法。
【請求項24】
前記初期ギャップ間隔は、前記複数のメディアゲートウェイの有限部分集合のために当初アクティブである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記初期ギャップ間隔は、無作為技法または擬似乱数技法を使用して決定される、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記スケラブルな呼レート制御パラメータの内の少なくとも1つは、所定の被呼アドレスに割り当てられる、請求項23ないし請求項25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
被呼アドレスの少なくとも一部に適用される前記制御処理を決定するために、前記メディアゲートウェイ上で、前記メディアゲートウェイコントローラによってダイヤルプランが課される、請求項23ないし請求項26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記メディアゲートウェイは、前記メディアゲートウェイコントローラへ任意の呼関連表示を送信する前に前記被呼アドレスの少なくとも一部を分析する、請求項23ないし請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記メディアゲートウェイは、前記メディアゲートウェイが前記被呼アドレスの少なくとも1つの数字を分析するまで、前記メディアゲートウェイコントローラにオフフック信号を送信しない、請求項23ないし請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記メディアゲートウェイコントローラは、前記メディアゲートウェイがユーザから呼を受信する前に前記メディアゲートウェイにダイヤルプランを送信する、請求項23ないし請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記メディアゲートウェイコントローラは、前記メディアゲートウェイがどのダイヤルトーンを特定の終結のための次の呼に適用する必要があるのかを、前記メディアゲートウェイに示す、請求項23ないし請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記呼−ギャップは、前記メディアゲートウェイが前記特定の被呼アドレスを分析した後に前記メディアゲートウェイにより課される、請求項23ないし請求項31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記コントローラは、通信ネットワークへのアクセスを前記トラフィックに提供するように構成された、複数のネットワークアクセスポイントによって提供されるトラフィックを受信するように構成され、
前記ネットワークアクセスコントローラに前記複数のネットワークアクセスポイントの全てによって提供される前記トラフィックを備える、前記総提供トラフィックレートを監視するための手段と、
前記ネットワークアクセスコントローラにオーバーロード状態が存在するかどうかを、前記総トラフィックレートから判断するための処理手段と、
前記監視された総提供トラフィックレートから引き出される少なくとも1つの制約を生成するように構成された処理手段と、
前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれに、前記少なくとも1つの制約を通信するように構成された手段と、
を備える、請求項1ないし請求項22のいずれか1項に記載のシステムで使用するために構成された手段を有するネットワークアクセスコントローラ。
【請求項34】
前記ネットワークアクセスポイントは、ネットワークアクセスコントローラに提供されたトラフィックレートを提供するように構成され、
前記ネットワークアクセスコントローラから制約情報を受信するための手段と、
前記ネットワークアクセスコントローラへ前記ネットワークアクセスポイントによって提供されたトラフィックを制限する、トラフィックに課される1つ以上の局所制約を決定するために、前記受信された制約情報を処理するための手段と、
をさらに備える、請求項1ないし請求項23のいずれか1項に記載のシステムで使用するために構成されたネットワークアクセスポイント。
【請求項35】
前記コントローラはメディアゲートウェイコントローラを備える、請求項33に記載のネットワークアクセスコントローラ。
【請求項36】
メディアゲートウェイを備える、請求項35に記載のネットワークアクセスポイント。
【請求項37】
本明細書において及び添付図面を参照して実質的に説明されるように、ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィックの量を外的に制御するように構成された、適応オーバーロードシステム。
【請求項38】
本明細書において及び添付図面を参照して実質的に説明されるように、通信ネットワークへの受け入れのためにメディアゲートウェイコントローラによって受信される呼の数を制御する方法。
【請求項1】
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムであって、前記ネットワークアクセスコントローラは、前記トラフィックに通信ネットワークに対するアクセスを提供するように構成された複数のネットワークアクセスポイントにより提供されるトラフィックを受信するように構成され、
オーバーロード状態が前記ネットワークアクセスコントローラに存在するかどうかを、前記複数のネットワークアクセスポイントの全てによって、前記ネットワークアクセスコントローラにトラフィックが提供される総レートから判断し、存在する場合には、前記総提供トラフィックレートから引き出される少なくとも1つの制約を生成することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれに、前記少なくとも1つの制約を通信することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つにより提供される、トラフィックを制限するトラフィックに課される1つ以上の局所制約を決定するために、前記複数のネットワークアクセスポイントの内のそれぞれ1つで、受信された制約情報を処理することと、
を備える、システム。
【請求項2】
ネットワークアクセスコントローラにより処理されるトラフィックの量を制御するための適応オーバーロードシステムであって、前記ネットワークアクセスコントローラは、通信ネットワークへのアクセスを前記トラフィックに提供するように構成された複数のネットワークアクセスポイントによって提供されるトラフィックを受信するように構成され、
前記ネットワークアクセスコントローラへの、前記複数のネットワークアクセスポイントの全てによって提供される前記トラフィックが、前記ネットワークアクセスコントローラにオーバーロード状態が存在する場合に拒絶される拒絶レートから決定し、存在する場合には、決定された前記拒絶レートから少なくとも1つの制約を引き出すことと、
前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれに、前記少なくとも1つの制約を通信することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つによって提供されるトラフィックを制限する前記トラフィックに課される1つ以上の局所制約を決定するために、受信された制約情報を、前記複数のネットワークアクセスポイントの内のそれぞれ1つで処理することと、
を備える、システム。
【請求項3】
各局所制約が、前記ネットワークアクセスポイントにより受信されるトラフィックが、前記アクセスコントローラに提供されないギャップ間隔を備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ネットワークアクセスコントローラの制御下で、前記ネットワークアクセスポイントの全てにより課される間隔の前記総分散は、各前記ネットワークアクセスポイントによって課される前記局所制約の発現時に無作為化される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記無作為化は、持続期間が無作為プロセスによって決定される初期間隔を生成する各ネットワークアクセスポイントにより個々に課される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記無作為化は、受信された前記全体的制約情報の処理の直後に前記局所制約間隔を実現する、各ネットワークアクセスポイントによって個別に課され、前記全体的制約情報を生成する前記ネットワークアクセスコントローラに続いて完了される前記全体的制約情報処理のための時間が、前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれについて変わる、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィックの量を外的に制御するように構成された適応オーバーロードシステムであって、前記ネットワークアクセスコントローラは、複数のネットワークアクセスポイントを制御するように構成され、各ネットワークアクセスポイントが、前記トラフィックに前記通信ネットワークへのアクセスを提供し、
前記ネットワークアクセスコントローラで、オーバーロード状態が存在するかどうかを判断し、存在する場合には、ネットワークアクセスポイントが前記通信ネットワークへの前記トラフィックを受け入れるレートを制限するために、少なくとも1つの全体的制約を生成することと、
前記複数のネットワークアクセスポイントの1つ以上に、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を通信することと、
複数の局所制約条件を決定するために受信される各全体的トラフィック制約を処理することであって、前記受信側ネットワークアクセスポイントが、前記局所制約条件を決定するために、
前記トラフィックに課される局所的な所定のギャップ間隔を決定するステップと、
以後の局所的な所定のギャップ間隔(Δt)とは異なる初期ギャップ間隔(Δt0)を決定するステップであって、各初期ギャップ間隔(Δt0)が前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれによって独立して決定されるステップと、を実行することと、
を備える、システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を、前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つ以上に通信する前記ステップにおいて、少なくとも1つの全体的トラフィック制約が前記複数のネットワークアクセスポイントの内の1つ以上にマルチキャストされる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記初期ギャップ間隔は、無作為技法または擬似乱数技法を使用して各ネットワークアクセスポイントで決定される、請求項7又は請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記初期ギャップ間隔(Δt0)持続時間は、ゼロから以後の局所ギャップ間隔Δtに及ぶ、請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記通信ネットワークはVoIPネットワークであり、前記トラフィックは呼に関連するトラフィックを備える、請求項7又は請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記ネットワークアクセスコントローラはメディアゲートウェイコントローラであり、前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれはメディアゲートウェイを備える、請求項7ないし請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
全体的なトラフィックレート制約がアドレスのために前記アクセスコントローラによって決定される、請求項7ないし請求項12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
ネットワークアクセスポイントが通信ネットワーク全体で伝送のためのトラフィックを受信する回線の数、及び全ての貢献するネットワークアクセスポイントによりアクセスコントローラに提供される前記総トラフィックに基づいて前記アクセスコントローラによって決定されるスケラブルギャップ間隔が、局所的な所定のギャップ間隔を決定するために使用される、請求項7ないし請求項13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記マルチキャストするステップは、前記アクセスコントローラによって制御される前記ネットワークアクセスポイントの全てに対してのものである、請求項8ないし請求項14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記アクセスコントローラによりオフフックメッセージが拒絶されるレートを分析することにより、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を決定する、請求項7ないし請求項15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を決定するために、トラフィックが前記コントローラに提供されるレートを分析する、請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記少なくとも1つの全体的トラフィック制約を決定するために、トラフィックが前記コントローラによって拒絶されるレートを分析する、請求項7ないし請求項17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
ダイヤルプランが、局所ギャップ制約が課されているときに前記アクセスコントローラに対するオフフック条件メッセージを送信することを不必要にするために、ネットワークアクセスポイントによって実現される、請求項1ないし請求項18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記所定の局所ギャップ間隔はほぼ1分である、請求項1ないし請求項19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
各ネットワークアクセスポイントが確率論的方法を使用して前記初期ギャップ間隔を決定する、請求項1ないし請求項20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記初期ギャップ間隔は、ゼロではない場合に、前記ネットワークアクセスポイントの初期ギャップ間隔の全てが、ゼロから、各ネットワークアクセスポイントによって決定される前記局所ギャップ間隔Δtの範囲で均一に分散されるように、各ネットワークアクセスポイントにより決定される、請求項1ないし請求項21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
通信ネットワークへの受け入れのためにメディアゲートウェイコントローラによって受信される呼の数を制御する方法であって、前記メディアゲートウェイコントローラは複数のメディアゲートウェイに接続されるように構成され、
前記メディアゲートウェイコントローラにおいて、少なくとも1つのスケラブルな呼レート制御パラメータを決定するステップと、
前記メディアゲートウェイコントローラが、前記メディアゲートウェイコントローラの制御領域内で、各メディアゲートウェイにスケラブルなレート制御パラメータをマルチキャストするステップと、
前記メディアゲートウェイでスケーリングされる呼レート制御パラメータを決定するために、各メディアゲートウェイで前記呼レート制御パラメータをスケーリングするステップであって、前記スケーリングされた呼レート制御パラメータが、前記メディアゲートウェイコントローラに向かう予定の呼に対して前記メディアゲートウェイによって課される呼ギャップ間隔を備えるステップと、
前記メディアゲートウェイが、所定の初期の呼−ギャップ間隔を課すステップと、
を備える、方法。
【請求項24】
前記初期ギャップ間隔は、前記複数のメディアゲートウェイの有限部分集合のために当初アクティブである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記初期ギャップ間隔は、無作為技法または擬似乱数技法を使用して決定される、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記スケラブルな呼レート制御パラメータの内の少なくとも1つは、所定の被呼アドレスに割り当てられる、請求項23ないし請求項25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
被呼アドレスの少なくとも一部に適用される前記制御処理を決定するために、前記メディアゲートウェイ上で、前記メディアゲートウェイコントローラによってダイヤルプランが課される、請求項23ないし請求項26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記メディアゲートウェイは、前記メディアゲートウェイコントローラへ任意の呼関連表示を送信する前に前記被呼アドレスの少なくとも一部を分析する、請求項23ないし請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記メディアゲートウェイは、前記メディアゲートウェイが前記被呼アドレスの少なくとも1つの数字を分析するまで、前記メディアゲートウェイコントローラにオフフック信号を送信しない、請求項23ないし請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記メディアゲートウェイコントローラは、前記メディアゲートウェイがユーザから呼を受信する前に前記メディアゲートウェイにダイヤルプランを送信する、請求項23ないし請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記メディアゲートウェイコントローラは、前記メディアゲートウェイがどのダイヤルトーンを特定の終結のための次の呼に適用する必要があるのかを、前記メディアゲートウェイに示す、請求項23ないし請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記呼−ギャップは、前記メディアゲートウェイが前記特定の被呼アドレスを分析した後に前記メディアゲートウェイにより課される、請求項23ないし請求項31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記コントローラは、通信ネットワークへのアクセスを前記トラフィックに提供するように構成された、複数のネットワークアクセスポイントによって提供されるトラフィックを受信するように構成され、
前記ネットワークアクセスコントローラに前記複数のネットワークアクセスポイントの全てによって提供される前記トラフィックを備える、前記総提供トラフィックレートを監視するための手段と、
前記ネットワークアクセスコントローラにオーバーロード状態が存在するかどうかを、前記総トラフィックレートから判断するための処理手段と、
前記監視された総提供トラフィックレートから引き出される少なくとも1つの制約を生成するように構成された処理手段と、
前記複数のネットワークアクセスポイントのそれぞれに、前記少なくとも1つの制約を通信するように構成された手段と、
を備える、請求項1ないし請求項22のいずれか1項に記載のシステムで使用するために構成された手段を有するネットワークアクセスコントローラ。
【請求項34】
前記ネットワークアクセスポイントは、ネットワークアクセスコントローラに提供されたトラフィックレートを提供するように構成され、
前記ネットワークアクセスコントローラから制約情報を受信するための手段と、
前記ネットワークアクセスコントローラへ前記ネットワークアクセスポイントによって提供されたトラフィックを制限する、トラフィックに課される1つ以上の局所制約を決定するために、前記受信された制約情報を処理するための手段と、
をさらに備える、請求項1ないし請求項23のいずれか1項に記載のシステムで使用するために構成されたネットワークアクセスポイント。
【請求項35】
前記コントローラはメディアゲートウェイコントローラを備える、請求項33に記載のネットワークアクセスコントローラ。
【請求項36】
メディアゲートウェイを備える、請求項35に記載のネットワークアクセスポイント。
【請求項37】
本明細書において及び添付図面を参照して実質的に説明されるように、ネットワークアクセスコントローラによって処理されるトラフィックの量を外的に制御するように構成された、適応オーバーロードシステム。
【請求項38】
本明細書において及び添付図面を参照して実質的に説明されるように、通信ネットワークへの受け入れのためにメディアゲートウェイコントローラによって受信される呼の数を制御する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−524318(P2007−524318A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500280(P2007−500280)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000633
【国際公開番号】WO2005/084041
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000633
【国際公開番号】WO2005/084041
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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