説明

通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するための方法及びデバイス並びにコンピュータプログラム

【課題】3つ以上の基地局と通信し、一つが主基地局、他が補助基地局としての役割を果たすシステムでのハンドオーバー手順を実現する。
【解決手段】各移動端末が少なくとも第1の基地局及び第2の基地局を含む基地局のセットと通信し、第1の基地局は、通信ネットワークのアクセスゲートウエイから、第1の移動端末に送信されるダウンリンクシーケンス番号を有するダウンリンクデータを受信し、第2の基地局に、求められたダウンリンクシーケンス番号と、基地局のセットに関連する情報とを含むハンドオーバ要求メッセージHRQを送信し、アクセスゲートウエイから第1の移動端末に送信されることになるデータを受信するように要求する。第1の移動端末に送信されるデータパケットが求められたダウンリンクシーケンス番号以上であるシーケンス番号を有する場合には、アクセスゲートウエイから受信されるデータから当該データパケットを構成するのを停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末のための移動通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するための方法に関する。また、本発明は、当該ハンドオーバ方法を実行するために提供される移動通信ネットワークの基地局に関する。また、本発明は、当該方法を実施するためのコンピュータプログラムに関する。
【0002】
一般的に、通信ネットワークでは、移動端末は1つの基地局とだけ通信している。しかしながら、種々の理由から、第1の基地局よりも第2の基地局が効率的になることもある。そのような場合には、ソース基地局と呼ばれる、その移動端末にサービスしている第1の基地局から、ターゲット基地局と呼ばれる第2の基地局に切り替えることに本質が存するハンドオーバ過程が実現される。
【0003】
たとえば、従来のセルラシステム(たとえば、LTE)では、ハンドオーバするには、移動端末とターゲット基地局との間で新たな無線チャネルを設定すること、及び移動端末とソース基地局との間の古い無線チャネルを解放することが必要とされる。
【0004】
また、たとえば、ソフトハンドオーバを特徴とする3Gセルラ通信ネットワークでは、RNC内でRRCシグナリングが常に確立されており、ハンドオーバは一連のアクティブセット更新(ASU)手順と見なすことができ、その手順において、移動端末の無線リンクの数は、連続的に拡大及び縮小することによって時間と共に変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/130325号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第1059823号明細書
【0006】
本発明は通信ネットワークにおけるハンドオーバ手順を提案し、この通信ネットワークでは、移動端末は一般的に3つ以上の基地局と通信し、1つの基地局が主基地局としての役割を果たし、それゆえ、通信ネットワークのアクセスゲートウエイにリンクされるのに対して、他の基地局は補助基地局としての役割を果たし、それゆえ、主基地局にリンクされる。そのような通信ネットワークでは、ハンドオーバ手順は、上記の現行の技術水準のハンドオーバ手順ほど簡単ではない。
【0007】
ここで、そのような通信ネットワークの一例が、図1との関連で説明される。
【0008】
図1は、単一の移動端末10との通信に関連する、移動通信ネットワークの複数の構成要素を示す。これらの構成要素は、基地局20(後に明らかになるように、ここではネットワーク内の主基地局としての役割を果たす)と、N個の基地局301〜30N(ここでは、N=3)(後に明らかになるように、補助基地局としての役割を果たす)と、ゲートウエイ40である。Nは、予め決めることができるか、又は移動端末10と主基地局20又は補助基地局30iとの間のチャネル上の伝送条件に依拠することができる。
【0009】
移動端末10に関して、この移動端末は、スプリッタ/コンバイナ11、主無線周波数送受信機12、及びN個の補助無線周波数送受信機131〜13Nを備える。
【0010】
主基地局20は、移動端末10の主RF送受信機12と通信するために設けられる無線周波数送受信機21と、スプリッタ/コンバイナ22と、N個の基地局間トンネルインターフェース231〜23Nと、ゲートウエイトンネルインターフェース24とを備える。
【0011】
各補助基地局30iは、RF送受信機32iにリンクされる基地局間トンネルインターフェース31iを備える。各トンネルインターフェース31iは、それぞれ1つのトンネルを形成するために、主基地局20内のトンネルインターフェース23iとリンクされるように設けられる。そのトンネルは、X2タイプから成ってもよい。各RF送受信機32iは、移動端末10内の補助RF送受信機13iと通信するために設けられる。
【0012】
ゲートウエイ40はトンネルインターフェース41を備える。トンネルインターフェース41は、主基地局20のトンネルインターフェース24にリンクされるために、且つ別の端末(図示せず)との間でデータフローを受信/送信するために設けられる。トンネルインターフェース24及び41の結果として主基地局20とゲートウエイ40との間に形成されるトンネルは、S1タイプから成ってもよい。
【0013】
ダウンリンクでは、他方の端末(図示せず)がデータ源としての役割を果たし、ゲートウエイ40に対して、詳細にはゲートウエイ40のインターフェース41に対して供給を行う(feed)。データフローは、主基地局20のインターフェース24に送信され、その後、スプリッタ/コンバイナ22に送信されて、そこで、主データサブフロー(RF送受信機21によって移動端末10に送信されるように意図されるもの)と、N個の補助データサブフロー(主基地局20のトンネルインターフェース231〜23Nを介して、及び補助基地局301〜30Nのトンネルインターフェース311〜31Nを介して、補助基地局301〜30Nに送信されるように意図されるもの)とに分割される。その後、各補助データサブフローは、補助基地局30iのRF送受信機32iを介して移動端末10に送信され、移動端末10のRF送受信機13iによって受信される。
【0014】
各データサブフローはデータパケットから構成され、各データパケットはスプリッタ22によって割り当てられるシーケンス番号SN_DLを有することに留意されたい。スプリッタ22が、データパケットを主データサブフロー内に分岐する(fork)か、又は補助データサブロー内に分岐するかは、たとえば、品質推定値報告(移動端末10によって主基地局20に直接送信されるか、若しくは補助基地局30を介して送信される)に依存してもよく、且つ/又は補助基地局30によって送信される品質推定値報告に依存してもよい。
【0015】
移動端末10のコンバイナ11は、主送受信機12及び補助送受信機131〜13Nによって受信される全てのデータサブフローを合成し、再合成されたデータフローを移動端末10の出力に供給する。
【0016】
アップリンクでは、移動端末10がデータ源としての役割を果たし、移動端末10のスプリッタ/コンバイナ11に対して供給を行う。ここでは、スプリッタ11は、データフローを、主データサブフロー(RF送受信機12に送信され、当該RF送受信機において主基地局20に送信されるように意図されるもの)と、N個の補助データサブフロー(RF送受信機131〜13Nに送信され、当該RF送受信機においてそれぞれの補助基地局301〜30Nに送信されるように意図されるもの)とに分割する。各補助基地局30iにおいて、受信された補助データサブフローは、補助基地局30iのトンネルインターフェース31iと、主基地局20のトンネルインターフェース23iとの間に形成されるトンネルを介して、主基地局20に送信される。
【0017】
RF送受信機21によって受信される主データサブフロー、及びそれぞれのトンネルインターフェース23iによって受信される補助データサブフローは、主基地局20のスプリッタ/コンバイナ22において合成され、結果として生成されたデータフローは、主基地局20のトンネルインターフェース24及びゲートウエイ40のトンネルインターフェース41によって、ゲートウエイ40に供給され、その後、他方の端末(図示せず)に供給される。
【0018】
スプリッタ10は、移動端末10によって送信されるデータパケットのそれぞれに、SN_ULシーケンス番号(データフローの1つのデータパケットがスプリッタ10に到着する度にインクリメントされる)を付けることに留意されたい。その後、コンバイナ22によって受信される連続した順不同のデータパケットは、主基地局20によって再合成され、順序どおりに連続しているデータパケットから成る、スプリッタ10に最初に供給された初期のデータフローが再構成される。
【0019】
たとえば、スプリッタ/コンバイナの出力において、分割されたデータサブフローのそれぞれは、サブフロー毎に異なっており、各データサブフローは、他のデータサブフローが対応するデータフローの他の部分とは異なるデータフローの部分に対応するようになる。スプリッタ/コンバイナが、データのいずれの部分を送受信機に送信するかを決定するために、スプリッタ/コンバイナは、全ての送受信機から、送信インジケータ情報を受信することがある。すなわち、スプリッタ/コンバイナは、RF送受信機のFIFOのステータスについての情報(フル、拡大中、定常、縮小中、空)、2つのRF送受信機間の物理インターフェースの推定される無線リンク品質についての情報、達成可能なデータレートについての情報、又はこの物理インターフェース上の負荷指標についての情報等を受信することがある。
【0020】
基地局20及び301〜30Nは全て、移動通信ネットワークの同一の基地局であることに留意されたい。同じ移動端末10と通信している全ての基地局について考えるときに、そのうちの1つだけが主基地局20としての役割を果たし、それゆえ、上記の手段21〜24を実行するのに対して、他の基地局は補助基地局30iとしての役割を果たし、それゆえ、上記の手段31i及び32iを実行する。いずれの基地局が主基地局としての役割を果たし、いずれの基地局が補助基地局としての役割を果たすかは、種々のパラメータ及び条件、たとえば、無線周波数通信条件によるが、それは本説明にとって重要ではない。
【0021】
ここで、主基地局としての役割を果たす基地局20だけがゲートウエイ40にリンクされ、他の基地局は、主基地局としての役割を果たす基地局にリンクされることにも留意されたい。
【0022】
また、移動通信ネットワークは2つ以上の移動端末を含むことにも留意されたい。また、ある移動端末のための主基地局としての役割を果たす1つの基地局20は、同時に、別の移動端末のための補助基地局としての役割を果たすことができることにも留意されたい。
【0023】
そのような通信ネットワークでは、無線リンクのうちの少なくとも1つにおける送信条件が変化することもある。たとえば、その結果として、送受信機のFIFOのステータス、推定される無線リンク品質、又はデータレート等が変化することがある。送信条件が変化した後に、同じ移動端末との伝送に関与する基地局のセットは、変更されなければならない。この変更は、たとえば、新たな補助基地局を追加することによって、又は既存の補助基地局を除去することによってなされる。基地局のセットを変更する結果として、それまで主基地局としての役割を果たしてきた基地局が、補助基地局としての役割を果たさなければならなくなり、それゆえ、上記の手段31及び32を実行することとなり、一方、同じ移動端末との伝送に関与し、それまで補助基地局としての役割を果たしてきた基地局のうちの1つが、主基地局としての役割を果たさなければならなくなり、それゆえ、上記の手段21〜24を実行することとなる場合もある。この場合、以下において、古い主基地局は、「ソース基地局」と呼ばれ、一方、主基地局となるべき補助基地局は、「ターゲット基地局」と呼ばれる。基地局のセットの全ての変更は、ハンドオーバ手順と呼ばれる手順中に達成される。
【0024】
本発明の目的は、図1との関連で先に説明されたように、移動通信ネットワークの基地局間で同じ移動端末に対してハンドオーバを実行するための方法を提案することである。
【0025】
このために、本発明は、通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するための方法であって、
各移動端末が、少なくとも第1の基地局及び第2の基地局を含む基地局のセットと通信しており、
前記第1の基地局は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイから、第1の移動端末に、ダウンリンクシーケンス番号を有するデータパケット内で送信されることになるダウンリンクデータを受信する
方法に関する。
前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
ダウンリンクシーケンス番号を求めるステップと、
前記第2の基地局にハンドオーバ要求メッセージを送信するステップであって、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記求められたダウンリンクシーケンス番号と、前記基地局のセットに関連する情報とを含み、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記第2の基地局に、前記アクセスゲートウエイから、前記第1の移動端末に送信されることになるデータを受信するように要求する、送信するステップと、
前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットが、前記求められたダウンリンクシーケンス番号以上であるシーケンス番号を有する場合には、前記アクセスゲートウエイから受信されるデータから前記データパケットを構成するのを停止するステップと、
その後、前記アクセスゲートウエイから受信された前記データを前記第2の基地局に送信するステップと、
前記第2の基地局から、前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットを受信するステップと、
前記第2の基地局から受信された、前記第1の移動端末に送信されることになる前記データパケットを、前記第1の移動端末に直接送信するステップと、
前記アクセスゲートウエイから、後続のデータがこれより、前記第2の基地局に送信されることになることを示す特定のデータを受信するステップと、
その後、前記第1の基地局と前記アクセスゲートウエイとの間の前記専用リンクを解放するステップと
を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明の別の態様によれば、各移動端末は、前記基地局のセットに含まれる前記基地局にアップリンクシーケンス番号を有するデータパケットを送信し、
第1の基地局はシグナリングメッセージを管理し、シグナリングメッセージは、第1の移動端末および基地局のセットに含まれる他の基地局のものであり、他の基地局は、第1の移動端末から受信したデータパケットを第1の基地局に中継し、
前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
アップリンクシーケンス番号を求め、これを前記第2の基地局に送信するステップと、
前記第1の移動端末から直接に、又は他の基地局から、データパケットを受信するステップと、
前記受信されたデータパケットが、前記求められたアップリンクシーケンス番号よりも小さなシーケンス番号を有する場合には、前記受信されたデータパケットからデータを構成すると共に、前記構成されたデータを前記アクセスゲートウエイに転送するステップと、
前記受信されたデータパケットが前記求められたアップリンクシーケンス番号より大きいシーケンス番号を有する場合には、前記受信されたデータパケットを前記第2の基地局に転送するステップと
を含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記ハンドオーバが完了した後に、ハンドオーバ要求肯定応答メッセージを受信するステップであって、前記ハンドオーバ要求肯定応答メッセージは、前記第1の移動端末との通信に関与する前記基地局を含む基地局の最終セットに関連する情報を含む、ステップと、
現在の基地局のセットに含まれる基地局であって前記基地局の最終セットに属しない基地局との間で確立されているすべての前記専用リンクを解放するステップと
を含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記第1の移動端末にハンドオーバ命令メッセージを直接送信するステップであって、前記ハンドオーバ命令メッセージは、これより前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するように前記第1の移動端末に要求するものである、ステップと、
前記第1の移動端末から受信されたシグナリングメッセージを管理するのを停止するステップと
を含むことを特徴とする。
【0029】
本発明の別の態様によれば、前記送信されたハンドオーバ命令メッセージは、前記基地局の最終セットに含まれる前記基地局に関連する情報を含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
第3の基地局からハンドオーバ要求メッセージを受信するステップであって、
前記第3の基地局は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイから、第2の移動端末に、ダウンリンクシーケンス番号を有するデータパケット内で送信されることになるデータを受信し、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記アクセスゲートウエイから前記第2の移動端末に送信されることになるデータを受信するように、前記第1の基地局に要求し、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、ダウンリンクシーケンス番号及びアップリンクシーケンス番号と、前記第2の移動端末が現在通信している前記基地局のセットに関連する情報とを含む、ステップと、
前記ハンドオーバが完了した後に、前記第2の移動端末との通信に関与する前記基地局を含む基地局の最終セットを決定するステップと、
ハンドオーバ通知メッセージを前記基地局の最終セットに含まれる各基地局に送信するステップであって、
前記ハンドオーバ通知メッセージは、前記ダウンリンクシーケンス番号及びアップリンクシーケンス番号を含み、
前記ハンドオーバ通知メッセージは、前記アクセスゲートウエイから前記第2の移動端末に送信されることになるデータを、前記第1の基地局が現在受信していることを、前記基地局のセットに含まれる各基地局に通知するものである、ステップと、
前記第1の基地局と前記基地局の最終セットに含まれる各基地局との間に、専用リンクを確立するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の別の態様によれば、前記基地局の最終セットは、前記第1の基地局との間に確立されたネットワークインターフェースを有する基地局を含むことを特徴とし、かつ、
前記方法は、前記第1の基地局によって実行されるステップであって、前記ステップは、前記第3の基地局にハンドオーバ要求応答メッセージを送信する、ステップをさらに含み、前記ハンドオーバ要求応答メッセージは、前記基地局の最終セットに含まれる前記基地局に関連する情報を含むものであることを特徴とする。
【0032】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記第3の基地局を介して前記アクセスゲートウエイからデータを受信するステップと、
前記第2の移動端末に送信されることになるデータパケットを、前記受信されたデータから構成することを開始するステップであって、最初のデータパケットは、前記受信されたハンドオーバ要求メッセージに含まれる前記ダウンリンクシーケンス番号に等しいダウンリンクシーケンス番号を有するものである、ステップと、
前記第2の移動端末に送信されることになる、構成されたデータパケットを、直接に、又は、前記基地局のセットに含まれる1つの基地局との間に確立される1つの専用リンクを介して、送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記アクセスゲートウエイとの間で専用リンクを確立するステップと、
前記確立された専用リンクを介して、前記アクセスゲートウエイからデータを受信するステップと、
前記第3の基地局から、最終パケットマーキング指標を有するデータを受信するステップと、
前記第3の基地局から受信されるデータからデータパケットを構成するステップと、
前記アクセスゲートウエイから受信されるデータからデータパケットの構成を開始するステップと、
前記第2の移動端末に送信されることになる、構成されたデータパケットを、直接に、又は、前記基地局のセットに含まれる1つの基地局との間に確立される1つの専用リンクを介して、送信するステップであって、前記基地局のセットは、前記受信されたハンドオーバ要求メッセージにその情報が含まれるものである、ステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記受信されたハンドオーバ要求メッセージに含まれる前記アップリンクシーケンス番号よりも高いアップリンクシーケンス番号を有するデータパケットを、前記第2の移動端末から直接受信するステップと、
前記基地局のセットに含まれる各基地局との間に確立される任意の専用リンクを介してデータパケットを受信するステップであって、前記基地局のセットは、前記受信されたハンドオーバ要求メッセージにその情報が含まれるものである、ステップと、
このように受信された前記データパケットからデータを構成するステップと、
前記アクセスゲートウエイとの間に確立される前記専用リンクを介して、前記構成されたデータを前記アクセスゲートウエイに転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0035】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行されるステップとして、前記第2の移動端末から受信されるシグナリングメッセージを管理するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0036】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行されるステップとして、前記第2の移動端末にシグナリングメッセージを直接送信するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0037】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
第4の基地局から、ハンドオーバ通知メッセージを受信するステップであって、
前記ハンドオーバ通知メッセージは、ダウンリンクシーケンス番号及びアップリンクシーケンス番号を含み、
前記ハンドオーバ通知メッセージは、前記第4の基地局が第3の移動端末に送信されることになるデータをアクセスゲートウエイから受信することになることを、前記第1の基地局に通知するものである、ステップと、
前記第1の基地局と前記第4の基地局との間に専用リンクを確立するステップと、
前記第3の移動端末に送信されることになるデータパケットを、前記第4の基地局から、前記第1の基地局と前記第4の基地局との間に確立される前記専用リンクを介して受信するステップと、
前記第3の移動端末に送信されることになる前記受信されたデータパケットを、前記第3の移動端末に直接送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0038】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記受信されたハンドオーバ通知メッセージに含まれる前記アップリンクシーケンス番号よりも高いアップリンクシーケンス番号を有するデータパケットを、前記移動端末から直接受信するステップと、
前記受信されたハンドオーバ通知メッセージに含まれる前記アップリンクシーケンス番号よりも高いアップリンクシーケンス番号を有する前記受信されたデータパケットを、前記確立された専用リンクを介して、前記第4の基地局に送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0039】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の移動端末によって実行される複数のステップとして、
前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するように前記第1の移動端末に要求するハンドオーバ命令メッセージを、前記第1の基地局から受信するステップと、
前記第1の基地局にシグナリングメッセージを送信するのを停止するステップと、
前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するのを開始するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0040】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1の移動端末によって実行される複数のステップとして、
前記基地局のセットに含まれる前記基地局のうち前記基地局の最終セットには含まれない前記基地局から、データパケットを受信するのを停止するステップであって、前記基地局の最終セットは、前記受信されたハンドオーバ命令メッセージにその情報が含まれるものである、ステップと、
前記基地局のセットに含まれる前記基地局のうち前記基地局の最終セットには含まれない前記基地局に、データパケットを送信するのを停止するステップであって、前記基地局の最終セットは、前記受信されたハンドオーバ命令メッセージにその情報が含まれるものである、ステップと、
情報が前記受信されたハンドオーバ命令メッセージに含まれる前記基地局の最終セットを、前記第1の移動端末が通信している前記基地局のセットと特定するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【0041】
また、本発明は、通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するためのデバイスであって、
各移動端末が、少なくとも第1の基地局及び第2の基地局を含む基地局のセットと通信しており、
前記第1の基地局は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイから第1の移動端末に、シーケンス番号を有するデータパケット内で送信されることになるデータを受信する
デバイスにおいて、
前記デバイスは、前記第1の基地局に含まれ、
前記デバイスは、
ダウンリンクシーケンス番号を求める手段と、
前記第2の基地局に、ハンドオーバ要求メッセージを送信する手段であって、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記求められたダウンリンクシーケンス番号と、前記基地局のセットに関連する情報とを含み、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記アクセスゲートウエイから前記第1の移動端末に送信されることになるデータを受信するように、前記第2の基地局に要求する、手段と、
前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットが前記求められたダウンリンクシーケンス番号以上であるシーケンス番号を有する場合には、前記アクセスゲートウエイから受信されるデータから前記データパケットを構成するのを停止する手段と、
前記アクセスゲートウエイから受信された前記データを、前記第2の基地局に送信する手段と、
前記第2の基地局から、前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットを受信する手段と、
前記第2の基地局から受信された、前記第1の移動端末に送信されることになる前記データパケットを、前記第1の移動端末に直接送信する手段と、
後続のデータがこれより、前記第2の基地局に送信されることになることを示す特定のデータを、前記アクセスゲートウエイから受信する手段と、
前記第1の基地局と前記アクセスゲートウエイとの間の前記専用リンクを解放する手段と
を備えることを特徴とする、デバイスにも関する。
【0042】
また、本発明は、通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するための、別のデバイスであって、
前記移動端末は、少なくとも第1の基地局及び第2の基地局を含む基地局のセットと通信しており、
前記第1の基地局は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイから第1の移動端末に送信されることになるデータを受信する
デバイスにおいて、
前記デバイスは前記移動端末に含まれ、
前記デバイスは、
前記第1の移動端末に前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するように要求するハンドオーバ命令メッセージを、前記第1の基地局から受信する手段と、
前記第1の基地局にシグナリングメッセージを送信するのを停止する手段と、
前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するのを開始する手段と
を備えることを特徴とする、デバイスにも関する。
【0043】
本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、上述したステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラムにさらに関する。
【0044】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明確になろう。当該説明は、添付図面に関して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】移動端末が複数の基地局及びアクセスゲートウエイと通信しているときの、本発明による通信ネットワークに含まれる構成要素を示す図である。
【図2】本発明によるハンドオーバ方法の原理を示す図である。
【図3】本発明によるハンドオーバ方法において実行されるステップを示す図である。
【図4a】通信ネットワークに含まれる基地局及びアクセスゲートウエイを示し、また、ハンドオーバ手順が実行されているときに、それらがどのように互いにリンクされるかを示す図である。
【図4b】通信ネットワークに含まれる基地局及びアクセスゲートウエイを示し、また、ハンドオーバ手順が実行されているときに、それらがどのように互いにリンクされるかを示す図である。
【図4c】通信ネットワークに含まれる基地局及びアクセスゲートウエイを示し、また、ハンドオーバ手順が実行されているときに、それらがどのように互いにリンクされるかを示す図である。
【図4d】通信ネットワークに含まれる基地局及びアクセスゲートウエイを示し、また、ハンドオーバ手順が実行されているときに、それらがどのように互いにリンクされるかを示す図である。
【図4e】通信ネットワークに含まれる基地局及びアクセスゲートウエイを示し、また、ハンドオーバ手順が実行されているときに、それらがどのように互いにリンクされるかを示す図である。
【図4f】通信ネットワークに含まれる基地局及びアクセスゲートウエイを示し、また、ハンドオーバ手順が実行されているときに、それらがどのように互いにリンクされるかを示す図である。
【図5】本発明によるハンドオーバ手順中に、通信ネットワークに関与する基地局及びアクセスゲートウエイ、並びに移動端末の間の信号の交換を、各構成要素において実行されるステップと共に示す図である。
【図6】本発明による基地局を示す図である。
【図7】本発明による移動端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明によれば、ハンドオーバ手順の全体は、初期状態において、移動端末と通信している移動通信ネットワークの全ての基地局で開始され(当該基地局は基地局の初期セットを形成する)、最終状態において、初期の基地局およびネットワークの他の基地局のうちのいくつかとで終了する(その時点で、それらの基地局は基地局の最終セットと呼ばれるものを形成している)。
【0047】
説明の前置き及び特許請求の範囲において、第1の基地局を考慮するが、当該基地局は連続的に以下の役割を果たす。
‐ソース基地局の役割を果たす。それに対して、ターゲット基地局は第2の基地局と呼ばれ、その際、移動端末は第1の移動端末と呼ばれる。
‐ターゲット基地局の役割を果たす。それに対して、第3の基地局がソース基地局としての役割を果たし、その際、移動端末は第2の移動端末と呼ばれる。
‐補助基地局の役割を果たす。ターゲット基地局は別として、この場合には第4の基地局と呼ばれ、その際、移動端末は第3の移動端末と呼ばれる。
【0048】
しかしながら、以下の説明においては、明確にするために、概してソース基地局50と呼ばれるソース基地局と、概してターゲット基地局60と呼ばれるターゲット基地局と、概して補助基地局70と呼ばれる補助基地局と、概して移動端末10と呼ばれる固有の移動端末とを考慮する。しかし、所与の移動端末との通信における考慮すべき時点に応じて、又は移動端末との考慮すべき通信に応じて、同じ基地局が、ソース基地局として、又はターゲット基地局として、又は補助基地局としての役割を果たすことができることは理解されたい。
【0049】
図2aに示されるように、1つの移動端末10が基地局の1つのセットと通信している初期状態では(これらの基地局によってカバーされるエリアはハッチングを付けられた六角形として表されており、主基地局50によってカバーされるエリアはハッチングが細かくなっている)、ゲートウエイ40に(たとえばS1トンネルのような専用リンクによって)リンクされるソース基地局50は、N個の補助基地局70にも(たとえばX2トンネルによって)リンクされる。ソース基地局50は、主にサービスを提供する基地局(main serving base station)としての役割を果たし、移動端末10との間に確立される主無線チャネルを有する。各補助基地局70は、移動端末10との間に確立される補助無線チャネルを有する。
【0050】
一変形形態では、ビデオストリーミング、音声又は無線シグナリングフローのような、遅延の影響を受けやすいデータフローのデータパケットは、主無線チャネルだけを介して、移動端末10とアクセスゲートウエイ40との間で交換される。一方、他のフローのデータパケットは、補助無線チャネルも介して、移動端末10とアクセスゲートウエイ40との間で交換される。
【0051】
図2のdに示されるようなハンドオーバ手順の完了後に、新たな専用リンク(たとえばS1トンネル)によってゲートウエイ40にその時点でリンクされる新たな基地局60は、その時点で、新たな専用リンク(たとえばX2トンネル)によって、N’個の補助基地局70ともリンクされる。ここで、一般的には、図2の描写とは異なり、N’は数Nとは異なることに留意されたい。主無線チャネルは、移動端末10とターゲット基地局60との間に確立される無線チャネルであり、一方、移動端末10とソース基地局50との間の無線チャネルは、補助無線チャネルになっている。
【0052】
ここで、本発明によるハンドオーバ手順が、図3との関連で、図2a〜図2dを参照しながらさらに詳細に説明される。後に理解されるように、図3では、参照符号S10、S12、S14、S16及びS18はソース基地局50によって実行されるのに対して、参照符号S20、S22及びS24はターゲット基地局60によって実行される。
【0053】
本発明の方法によれば、移動端末10によって送信される測定報告がソース基地局50によって受信されると、当該ソース基地局50は、ステップS10(図3を参照)において、移動端末10との通信に関与する基地局70の現在のセット(存在すれば)に含まれる基地局60のうちのいずれが、有利に主基地局としての役割を果たすことができ、それゆえ、ソース基地局50の代わりに用いることができるかを、判定する。このステップは、その移動端末10との通信の品質及び/若しくは効率を考慮に入れることによって、並びに/又は、ソース基地局50と基地局60との負荷の不均衡(たとえば、アクセスゲートウエイ40若しくは補助基地局70との専用リンクをハンドリングするのに充てられる処理資源に関するもの)を考慮に入れることによって実行される。
【0054】
その後、ソース基地局50は、ステップS12において、ハンドオーバ要求メッセージHRQを、こうして求められたターゲット基地局60に送信する。この送信は、現在の通信のために移動端末10が無線チャネルを確立している、基地局の現在のセットを記述する情報であって、図2aとの関連で上記に示した初期状態に対応する情報と共になされる。その測定報告において移動端末10によって報告された何らかの情報は、ターゲット基地局60にも送信されることがある。
【0055】
ソース基地局50からハンドオーバ要求HRQを受信すると、ターゲット基地局60は、ステップS20において、ハンドオーバ手順の完了後に移動端末10が通信のための無線チャネルを確立することになる基地局であって、ターゲット基地局60が専用リンク(たとえば、X2トンネル)を有することになる基地局の新たなセットを決定する。その基地局のセットは実際には、図2dにおいて上記に示した最終状態に対応し、その際、基地局の最終セットと呼ばれる。その後、ターゲット基地局60は、ステップS22において、この基地局の最終セットをソース基地局50に報告する。
【0056】
基地局70の現在のセットと、ターゲット基地局60によって決定されターゲット基地局60から受信される最終セットとを考慮に入れて、ソース基地局50は、ステップS14において、現在のセット及び最終セットの両方に含まれる基地局70だけを含む、基地局70の中間セットを決定する。その後、ソース基地局50は、ステップS16において、基地局70の現在のセットを縮小して中間セットにするために、移動端末10とともにセット縮小手順を実施する。この基地局の中間セットが図2bに示される。
【0057】
基地局セット縮小手順S16は、現在のソース基地局50と、補助基地局70(補助基地局70であって、基地局の現在のセットに属するが、基地局70の中間セットには属しない、そのような補助基地局70)との間に確立される専用リンク(たとえばX2トンネル)を解放することに、その本質が存する。移動端末10は、基地局のセットの内容を絶えず通知される。
【0058】
その後、ソース基地局50は、ステップS18において、ターゲット基地局60とのハンドオーバ手順を実施する。この手順中に、ターゲット基地局60は、移動端末10と通信するための主基地局になり、それゆえ、その時点で、アクセスゲートウエイ40にリンクされる唯一の基地局となるのに対して、それまで主基地局であったソース基地局50は、補助基地局になる。ステップS18の後、その状態は、図2cに示される状態である。主基地局は、移動端末70から、又はアクセスゲートウエイ40から、又は別の基地局からのシグナリング信号を管理する唯一の基地局でもあることに留意されたい。
【0059】
アクセスゲートウエイ40はもはや、ソース基地局50とのいかなる専用リンクも有せず、この時点では、ターゲット基地局60との専用リンクを有する。ソース基地局50はもはや、補助基地局70とのいかなる専用リンクも有せず、補助基地局70はこの時点では、ターゲット基地局60との専用リンクを有する。ソース基地局50とターゲット基地局60との間の専用リンクは、新たな専用リンクによって置き換えられている。
【0060】
最後に、ターゲット基地局60は、ステップS24において、基地局の現在のセットを最終セットに拡大するために、移動端末10を伴うセット拡大手順を実施する。セット拡大手順は、ターゲット基地局50と、補助基地局70(補助基地局70であって、基地局70の最終セットに属するが、基地局70の中間セットに属しない、そのような補助基地局70)との間に、移動端末10のための専用リンク(たとえばX2トンネル)を設定することに、その本質が存する。そのステップS24では、これらの補助基地局70の無線送受信機32と、移動端末10の無線送受信機13との間に無線チャネルが確立される。移動端末10は絶えず基地局のセットの内容を通知される。
【0061】
ここで、ソース基地局50のターゲット基地局60とのハンドオーバステップS18の一実施形態が、図4a〜図4fとの関連で説明される。
【0062】
ここで、3つの基地局50、60、70が、ゲートウエイ40を介して、同じ移動端末10との通信に関与する事例を検討する。図4aに示されるように、初期状態では、ゲートウエイ40は、ソース基地局と呼ばれる基地局50に、専用リンクt1(たとえばS1トンネル)によってリンクされ、ソース基地局50は、2つの補助基地局60及び70に、それぞれの専用リンクt2及びt3(たとえばX2トンネル)によってリンクされる。一方の基地局がターゲット基地局(すなわち、ハンドオーバ手順完了後に主基地局になる基地局60)である。
【0063】
第1のステップ(図4b)では、ソース基地局50とターゲット基地局60との間に、新たな専用リンクt4(たとえばX2トンネル)が確立され、ターゲット基地局60と、補助基地局70のそれぞれとの間に、新たな専用リンクt5(たとえばX2トンネル)が確立される。
【0064】
第2のステップ(図4c)では、アクセスゲートウエイ40から受信されるダウンリンクデータを分割し、ダウンリンクデータパケットの各スプリットを各補助基地局70及び60に分配する代わりに、ソース基地局50は単に、受信したダウンリンクデータを、確立された専用リンクt4を介して、ターゲット基地局60に中継する。ターゲット基地局60は、ソース基地局50から受信された受信ダウンリンクデータを分割し、ダウンリンクデータパケットの各スプリットを、各補助基地局70及び50に送信する。
【0065】
第3のステップ(図4d)では、アクセスゲートウエイ40とターゲット基地局60との間に、新たな専用リンクt6(たとえばS1トンネル)を設定した後に、アクセスゲートウエイ40は、ソース基地局50にではなく、ターゲット基地局60にダウンリンクデータを送信し始め、ターゲット基地局60は、アクセスゲートウエイ40から受信されたダウンリンクデータを分割し始めるとともに、ダウンリンクデータパケットの各スプリットを、各補助基地局70及び50に送信する。
【0066】
第4のステップ(図4e)では、移動端末10が、所定のシーケンス番号SN_UL_Lastよりも高いシーケンス番号を付けられたデータパケットを送信し始めると(この動作は後にさらに詳細に説明される)、当該アップリンクデータパケットは、各補助基地局70及び50によって、ターゲット基地局60に送信される。ターゲット基地局60は、アップリンクデータを再合成し始め、アクセスゲートウエイ40とターゲット基地局60との間に確立された専用リンクt6を介して、そのアップリンクデータをアクセスゲートウエイ40に送信する。
【0067】
最後に、第5のステップ(図4f)では、ソース基地局50と補助基地局70及び60との間に確立されていた古い専用リンクが解放され、ソース基地局50とアクセスゲートウエイ40との間に確立されていた専用リンクt1が解放される。
【0068】
図5は、ソース基地局50と、ターゲット基地局60と、全ての補助基地局70のうちの1つと、それらの基地局との通信に関与する移動端末10との間の信号の交換、並びにそれらの全てのデバイスによって行なわれる動作を示す。
【0069】
移動端末10は、移動端末10にサービスを提供している主基地局(ここでは基地局50)に、測定報告メッセージMRを定期的に送信する。
【0070】
次のステップS100では、メッセージMRを受信すると、そのメッセージを使用して、ソース基地局50が、移動端末10との通信に関与する基地局70の現在のセット(存在すれば)に含まれる基地局70のうちのいずれが、有利に主基地局としての役割を果たすことができ、それゆえ主基地局50の代わりに用いることができるかを、決定する。このステップS100は、移動端末10との通信の品質及び/若しくは効率を考慮に入れることによって実行され、並びに/又は、ソース基地局50と基地局70との負荷の不均衡(たとえば、アクセスゲートウエイ40若しくは補助基地局70との専用リンクをハンドリングするのに充てられる処理資源に関するもの)を考慮に入れることによって実行される。
【0071】
そのような基地局が存在するとき(その基地局はここで、ターゲット基地局60と呼ばれ、基地局50はここで、ソース基地局と呼ばれる)、1つの手順を、この手順が完了した後に、ターゲット基地局60が移動端末10に対する主基地局になるために、実現しなければならない。この手順は、ハンドオーバ手順と呼ばれる。
【0072】
一例として、以下のような伝送条件の変化を検出すると、ハンドオーバするための判断を行なうことができる。この伝送条件の変化は、ターゲット基地局60の方がより高い無線レベルを得ているか、又はその逆であること、及び/又は、ソース基地局50が得ている無線レベルが弱くなっていること、及び/又は、ターゲット基地局60の無線レベルが、所与のヒステリシスに関してソース基地局50の無線レベルと交差していること、等を反映するものである。
【0073】
所与の基地局の無線レベルが、移動端末10によってMRメッセージにおいて報告され、そのレベルは、所与の基地局によって送信されている信号の受信電力レベル又は信号対干渉雑音レベルとして記述されることがある。
【0074】
また、ハンドオーバするための判断は、新たな基地局が主基地局に隣接する基地局ではなく、したがって新たな基地局へのハンドオーバは不可能である場合であっても、新たな基地局の無線レベルが強くなりつつある場合に行なうことができる。しかしながら、移動端末との無線チャネルを確立した中間基地局であって、主基地局及び新たな基地局の両方に隣接している基地局のレベルのうちの最も高いレベルを有する、そのような中間基地局へのハンドオーバをトリガすることができる。その後、この中間基地局から、新たな基地局との別のハンドオーバを実現することができる。
【0075】
他の例として、ターゲット基地局がソース基地局よりも低い処理負荷を有する場合に、又は、ソース基地局50とアクセスゲートウエイ60との間のS1トンネルを支持するS1インターフェースが過負荷状態である場合に、ハンドオーバするための判断を行なうことができる。この場合、ハンドオーバは負荷を均衡させるために実現される。
【0076】
次のステップS101では、ハンドオーバの判断が行なわれると、移動端末10から直接に、又は補助基地局70を介して、ソース基地局50によって受信される最後のULデータパケットのシーケンス番号に対応するシーケンス番号SN_UL_Lastを、ソース基地局50が求める。このデータパケットは、アクセスゲートウエイ40に送信するためにソース基地局50のコンバイナ22によって再合成されることになるものである。こうして受信されたULデータパケットであってSN_UL_Lastよりも高いシーケンス番号を有するものは、ターゲット基地局60のコンバイナ22によって再合成されることになる。
【0077】
次のステップS102では、ソース基地局50がターゲット基地局60にハンドオーバ要求メッセージHRQを送信する。このメッセージは、補助基地局70に関連する情報、及び、それらの基地局70と移動端末10との間の無線チャネルに関連する情報を含む。たとえば、メッセージHRQは、補助基地局70毎に、識別子CID及びSRNTI、及び/又は、他の情報を含む。ここで、他の情報とは、たとえば、複信モード、又は、用いられている周波数帯域、又は、ソース基地局50、補助基地局70及び移動端末10の間に確立される無線チャネルを特定する任意の情報である。メッセージHRQは、ステップS101において求められたシーケンス番号SN_UL_Lastも含む。
【0078】
メッセージHRQを受信すると、ターゲット基地局60が、ステップS103において、ソース基地局50との専用リンクt4(このリンクは図4bのX2トンネルt4のようなユーザプレーンインターフェースである)を設定し、移動端末10のための新たに確立されたリンクt4に接続されるスプリッタ/コンバイナ22を初期化する。
【0079】
その後、次のステップS104では、ハンドオーバ手順の達成後、ターゲット基地局60が主基地局になったときに、ターゲット基地局60の補助基地局のセットにいずれの補助基地局70が属することになるかを、ターゲット基地局60が判定する。ターゲット基地局60は、たとえば、X2制御プレーンインターフェースのような確立されたネットワーク関係を、いずれの補助基地局70との間に有するかを決定することができる。そのような基地局70のセットは、図2dに示される最終的なセットに対応し、ここでは、基地局の最終セットと呼ばれる。
【0080】
次のステップS105では、ターゲット基地局60は、ハンドオーバ通知メッセージHNを、ターゲット基地局60と補助基地局70との間に確立される、X2制御プレーンインターフェースのようなネットワーク関係を介して、各補助基地局70に送信する。ハンドオーバ通知メッセージHNは、対応する無線チャネルに関連する情報(たとえばCID及びSRNTI識別子)、及び/又は、受信されたHRQメッセージに含まれるシーケンス番号SN_UL_Lastを含む。
【0081】
次のステップS106では、補助基地局70によってHNメッセージが受信されると、補助基地局70とターゲット基地局60との間に新たな専用リンクt5を確立する(このリンクは、図4bにおいてトンネルt5によって表される)。
【0082】
こうして、補助基地局70とターゲット基地局60との間に専用リンクt5が確立されるが、各補助基地局70によって受信されるULデータパケット(受信されたHNメッセージに含まれるシーケンス番号SN_UL_Last以下のシーケンス番号を有するもの)は、依然としてソース基地局50に送信される。この送信は、ソース基地局50とターゲット基地局60との間に確立される専用リンクt2を介して、又は、ソース基地局50と補助基地局70との間に(ステップS100において行なわれるハンドオーバ判断に先行して)確立される専用リンクt3を介してなされる。
【0083】
しかしながら、この時点以降、各補助基地局70によって受信されるULデータパケットのうち、受信されたHNメッセージに含まれるシーケンス番号SN_UL_Last以上のシーケンス番号を有するものは、もはやソース基地局50には送信されなくなり、ターゲット基地局60と補助基地局70との間に確立される新たな専用リンクt5(ステップS106において確立されるもの)を介して、ターゲット基地局60に送信される。その後、これらのULデータパケットは、ターゲット基地局60のコンバイナ22によって合成され、ターゲット基地局60によってアクセスゲートウエイ40に転送されるか、又は、アクセスゲートウエイ40とターゲット基地局60との間に専用リンクt6が確立された後にアクセスゲートウエイ40に転送することができるようになるまで、格納される(以下を参照)。
【0084】
図4a〜図4fにおいて、シーケンス番号SN_UL_Last以上のシーケンス番号を有する最初のULデータパケットを、図4eに示される状態の直前に、移動端末10から受信されるものと仮定することに留意されたい。また、最初のULデータパケットは、図4dにおいて形成された、専用リンクt6を介してアクセスゲートウエイ40に供給することができることに留意されたい。
【0085】
そのステップS106では、各補助基地局70は、専用リンクt3を介してソース基地局50から受信されるか、又は専用リンクt5を介してターゲット基地局60から受信されるDLデータパケットを、移動端末10に送信することができる。
【0086】
次のステップS107では、HNメッセージを受信し、ターゲット基地局60との専用リンクt5を設定した後に、各補助基地局70は、ターゲット基地局60に、ハンドオーバ通知肯定応答メッセージHNAを返送する。
【0087】
次のステップS108では、各補助基地局70からHNAメッセージを受信した後に、ターゲット基地局60は、ソース基地局50に、ハンドオーバ要求肯定応答HRAメッセージを送信する。HRAメッセージは、ステップS104において求められたような、ターゲット基地局60との確立されたネットワーク関係を有する補助基地局70の識別子を含む。
【0088】
次のステップS109では、基地局70の現在のセットと、最終セット(ステップS104においてターゲット基地局60によって決定されるものであって、HRAメッセージにおいてその基地局60から受信されるもの)とを考慮に入れて、ソース基地局50が、現在のセット及び最終セットの両方に含まれる基地局70だけを含む、基地局70の中間セットを求める。
【0089】
この時点での状態は図4bの状態である。
【0090】
次のステップS110では、メッセージHRAを受信すると、ソース基地局50は、そのスプリッタ22によって構成されることになる最後のデータパケットのシーケンス番号SN_DL_Lastを特定する。
【0091】
次のステップS111では、ステップS110においてシーケンス番号SN_DL_Lastを求めた後に、ソース基地局50は、ターゲット基地局60に、そのシーケンス番号SN_DL_Lastを含む、SN_DL_Status_TransferメッセージSNを送信する。
【0092】
次のステップS112において、メッセージSNを受信した時点で、ターゲット基地局60のスプリッタ22は、DLデータ(直接に、又はソース基地局50を介して、アクセスゲートウエイ40から受信されたもの)から、連続したDLデータパケットの構成を開始する準備ができており、構成されたDLデータパケットにシーケンス番号SN_DL_Lastを付け始める。しかしながら、このステップでは、アクセスゲートウエイ40から、直接に、又はソース基地局50を介して、データをまだ受信することができないので、ターゲット基地局60のスプリッタ22は、まだ正しいシーケンス番号を有するDLデータパケットを構成することはできない。
【0093】
次のステップS113では、ソース基地局50のスプリッタ22は、ステップS110において求められたシーケンス番号SN_DL_Lastを有するDLデータパケットを構成すると、ゲートウエイ40から受信されるDLデータからDLデータパケットを構成するのを停止する。ソース基地局50は、ソース基地局50とターゲット基地局60との間に確立される専用リンクt4を通じて、アクセスゲートウエイ40から受信されるDLデータをターゲット基地局60に転送し始める。
【0094】
次のステップS114では、ソース基地局50とターゲット基地局60との間に確立される専用リンクt4を通じて、ソース基地局50を介してアクセスゲートウエイ40からDLデータを受信すると、ターゲット基地局60のスプリッタ22は、そのメッセージSNに含まれるシーケンス番号SN_DL_Lastから開始して、連続したシーケンス番号を有するDLパケットを構成し始め、その後、構成されたDLデータパケットを分割し、そのパケットを、ターゲット基地局60の無線チャネルを介して、又は、リンクt5(一方ではターゲット基地局60と補助基地局70との間に、他方では基地局60とソース基地局50との間に確立されるもの)のうちの1つを介して、移動端末10に個別に送信する。このようにして補助基地局70によって受信されるDLデータパケットは、補助基地局70と移動端末10との間に確立される無線チャネルを介して、移動端末10に直接送信される。
【0095】
この時点での状態は図4cの状態である。
【0096】
次のステップS115では、第1の変形形態によれば、ソース基地局50は、ハンドオーバ命令メッセージHCを移動端末10に送信する。このハンドオーバ命令メッセージHCは、ターゲット基地局60が現在、移動端末10とのシグナリングメッセージの交換をハンドリングしていることを移動端末10に通知するものである。また、このHCメッセージは、受信されたHRAメッセージには含まれていなかった各補助基地局70との間に確立される無線チャネルに関連する情報についても、移動端末10に通知する。
【0097】
別の実施形態では、ソース基地局50によって送信される代わりに、HCメッセージは、全ての補助基地局70によって発行されるHNAメッセージの受信時に、ターゲット基地局60によって代替的に送信することができることに留意されたい。HCメッセージの伝送品質は、ソース基地局50との間に確立される無線チャネル上で、移動端末10によって受信される場合よりも高くすることができる。
【0098】
この時点以降、移動端末10はもはや、ソース基地局50との間に確立される無線チャネルを主無線チャネルとしてではなく、補助無線チャネルと見なす。また、ターゲット基地局60との間に確立される無線チャネルを主無線チャネルと見なし、もはや補助無線チャネルとは見なさない。結果として、遅延の影響を受けやすいデータフロー(たとえば、ビデオストリーミング、音声アプリケーション等)のデータパケットは、もはやソース基地局50を介してではなく、ターゲット基地局60を介してルーティングされる。
【0099】
このステップでは、移動端末10は、受信されたHRAメッセージに含まれない補助基地局70との間に確立される無線チャネルを解放するように通知される。
【0100】
次のステップS116では、HCメッセージを受信すると、移動端末10は、受信されたHCメッセージにおいて示されるターゲット基地局60に対して、ハンドオーバ確認メッセージHCFを送信する。この時点以降、移動端末10は、ターゲット基地局60とだけシグナリングメッセージを交換する。
【0101】
さらに別の実施形態では、移動端末10は、ソース基地局50にHCFメッセージ(もしあれば)を送信し、その後、ソース基地局50は、そのメッセージをターゲット基地局60に中継する。
【0102】
第2の変形形態によれば、HCメッセージは移動端末10には送信されず、HCFメッセージはソース基地局50にもターゲット基地局60にも送信されない。この場合、移動端末10は、各無線チャネルの品質推定値に従って、シグナリングのためにいずれの無線チャネルが使用されるべきであるかを判定する。この第2の変形形態によれば、シグナリングメッセージを受信する任意の補助基地局が、受信したシグナリングメッセージを、その補助基地局と主基地局との間に確立された専用リンクを介して、移動端末にサービスを提供する主基地局に送信する。
【0103】
いつでも、SNメッセージ及びHCFメッセージの両方を受信すると、ターゲット基地局60は、ステップS117において、ゲートウエイ40にパス切替(Path Switch)メッセージPSを送信する。
【0104】
本明細書において記述される全ての実施形態において、PSメッセージを、HRAメッセージの受信時にソース基地局50によって送信することもでき、又は、補助基地局70からの全てのHNAメッセージの受信時にターゲット基地局60によって送信することもできることに留意されたい。
【0105】
次のステップS118では、ゲートウエイ40によってPSメッセージが受信されると、ターゲット基地局60とゲートウエイ40との間に専用リンクt6を設定する。この専用リンクは、一例として、S1トンネルである。この専用リンクは、図4eのトンネルt6に対応する。このステップにおいて、ターゲット基地局60は、確立された専用リンクt6を通じて、アクセスゲートウエイ40から受信されるすべてのDLデータを格納し始める。
【0106】
このステップでは、ターゲット基地局60が、ターゲット基地局60のコンバイナ22によって合成されたすべての格納されたULデータを、確立された専用リンクt6を通じて、アクセスゲートウエイ40に送信し始める。格納された全てのULデータがアクセスゲートウエイ40に送信されると、ターゲット基地局60は、専用リンクt6において、アクセスゲートウエイ40に、そのコンバイナ22によって合成されるULデータを送信し始め、そのコンバイナ22によって合成されるULデータを格納するのを停止する。
【0107】
次のステップS119では、新たな専用リンクt6が設定されると、アクセスゲートウエイ40は、DLデータフローを、受信されたPSメッセージにおいて指示されるターゲット基地局60に切り替えることを決定し、アクセスゲートウエイ40とソース基地局50との間に確立された専用リンクt1を介して、特定DLデータ(specific DL data)LPMを送信する。特定DLデータLPMは、アクセスゲートウエイ40とソース基地局50との間に確立された専用リンクt1を介して移動端末10に送信されることになる最後のDLパケットである。特定DLデータLPMは、次のDLデータパケットが、アクセスゲートウエイ40によって、ソース基地局50にではなくターゲット基地局60に送信されることになることを示す、最終パケットマーキング指標を含む。
【0108】
そのステップS119では、アクセスゲートウエイ40は、ステップS118において確立された専用リンクt6を通じて、ターゲット基地局60に連続したDLデータを送信し始める。この時点以降、DLデータはもはや、ゲートウエイ40によって、これまでのようにソース基地局50に送信されるのではなく、ターゲット基地局60に送信される。
【0109】
次のステップS120では、アクセスゲートウエイ40が、ターゲット基地局60に、パス切替肯定応答メッセージPSAを送信する。
【0110】
次のステップS121では、特定DLデータLPMを受信すると、ソース基地局50は、ステップS113の完了以降に受信されたすべてのDLデータの場合に行なわれたように、ターゲット基地局60に特定DLデータLPMを送信する。しかし、この時点以降、ソース基地局50は、これまでのように、ターゲット基地局60にDLデータを転送する必要はない。
【0111】
1つの変形形態では、ステップS101において求められたようなシーケンス番号SN_UL_Last以下のシーケンス番号SN_ULを有する全てのULデータパケットが基地局50によって受信され、且つ、これに対応するデータ(基地局50のコンバイナ22によって合成されたもの)が、基地局50とアクセスゲートウエイ40との間に確立された専用リンクt1を通じてアクセスゲートウエイ40に供給されると、ステップS124(以下を参照)の後にのみ、ソース基地局50は特定DLデータLPMをターゲット基地局60に送信する。
【0112】
次のステップS122では、特定DLデータLPMを受信すると、ターゲット基地局60は、受信された特定DLデータLPMに含まれる最終パケットマーキング指標を検出し、スプリッタ22は、特定DLデータLPMを、ステップS114において示されたように、番号を付されたDLデータパケットに分割し、これらに対応するDLデータパケットが、直接に、又は、ステップS106において確立された専用リンクt5を通じて1つの補助基地局70を介して、移動端末10に送信される。
【0113】
次のステップS123では、スプリッタ22は、専用リンクt4を通じてソース基地局50から受信することができる任意の連続したDLデータを分割するのを停止して、格納されたDLデータ(ステップS118において確立された専用リンクt6を介して、アクセスゲートウエイ40から直接受信されたもの)から、DLデータパケットを構成及び分割し始める。
【0114】
また、そのステップS123では、格納された全てのDLデータが分割されると、ターゲット基地局60のスプリッタ22は、DLデータ(ステップS118において確立された専用リンクt6を通じて、アクセスゲートウエイ40から受信されたもの)から、DLデータパケットを構成及び分割し始め、専用リンクt6を通じてアクセスゲートウエイ40から受信されるDLデータを格納するのを停止する。その後、ダウンリンクデータパケットから生成されたスプリットを、専用リンクt5(ステップS106において、ターゲット基地局60と、各補助基地局70及び50のうちの一方との間に確立されたもの)を介して、各補助基地局70及び50のうちの一方に個別に送信する。
【0115】
そのステップでは、各補助基地局70又は50は、移動端末10との間に確立される無線チャネルを介して、DLデータパケット(補助基地局70及び50とターゲット基地局60との間でそれぞれ確立された専用リンクt5及びt4を介して、ターゲット基地局60から受信されるもの)を送信し始める。
【0116】
1つの変形形態では、補助基地局70によってターゲット基地局60から任意のDLデータパケットが受信された後に、その補助基地局70によってソース基地局50からのDLデータパケットが受信される場合であっても、各補助基地局70は、ソース基地局50及びターゲット基地局60の両方から順不同にDLデータパケットを受信し、移動端末10との間で確立している無線チャネル上で、ソース基地局50から受信されたDLデータパケットを送信し続ける。
【0117】
この状態は、図4dに示される状態である。
【0118】
ステップS124では、移動端末10が、ステップS101において求められたシーケンス番号SN_UL_Lastよりも高いシーケンス番号を有するアップリンクデータパケットを送信し始める。
【0119】
図5では、ステップS124は、ステップS123の後に行なわれるように表されるが、実際には、ステップS101においてソース基地局50によってなされるシーケンス番号SN_UL_Lastに関する選択によっては、本発明の有効性に影響を及ぼすことなく、ステップS107とステップS123との間のいずれの時点で実行されてもよい。
【0120】
移動端末10が、求められたシーケンス番号SN_UL_Lastよりも高いシーケンス番号を有するアップリンクデータパケットを送信し始めるとすぐに、ソース基地局50は、移動端末10から直接受信したこれらのアップリンクデータパケットを、ターゲット基地局60に転送し始める。さらに、求められたシーケンス番号SN_UL_Last以下のシーケンス番号を有する全てのアップリンクデータパケットを受信すると、ソース基地局50は、そのコンバイナ22の動作を停止する。
【0121】
同時に、各補助基地局70は、求められたシーケンス番号SN_UL_Last以上のシーケンス番号で受信されるアップリンクデータパケットを、ターゲット基地局60に転送し始める。
【0122】
同時に、ターゲット基地局60は、基地局60によって直接受信されるか、又は補助基地局50又は70を介して(ターゲット基地局60と補助基地局50又は70との間に確立される専用リンクt5を通して)受信される、求められたシーケンス番号UL_SN_Lastよりも高いシーケンス番号を有するアップリンクデータパケットを合成し始める。
【0123】
次のステップS125では、結果として生成されたULデータが、アクセスゲートウエイ40に、ターゲット基地局60とアクセスゲートウエイ40との間に確立される専用リンクt6を介して送信される。ターゲット基地局60とアクセスゲートウエイ40との間の専用リンクt6の確立前にステップS125が実行される場合には、ULデータはこのリンクt6が確立されるまで格納される。
【0124】
1つの変形形態では、特定DLデータLPMがソース基地局50から受信された場合にのみ、アクセスゲートウエイ40にULデータを送信することができる。
【0125】
これら全ての動作は、移動端末10が、ステップS101において求められたようなSN_UL_Last以上のシーケンス番号を有するアップリンクデータパケットを送信し始めると、すぐに行われる。したがって、それは、ステップS101の完了後のいずれの時点でも起こることがある。上記のように、ステップS118の場合のように、ターゲット基地局60によって受信されるULデータパケットをアクセスゲートウエイ40に送信することができるようにするための専用リンクt6がまだ確立されていなかった場合には、これらのULデータパケットはターゲット基地局60に格納される。
【0126】
1つの変形形態では、アップリンクデータパケットは各基地局50、60及び70から順不同に受信され、所定のシーケンス番号SN_UL_Lastよりも低いシーケンス番号で受信されるアップリンクデータパケットは、(これらのパケットがステップS124以降に受信される場合であっても)直接又は専用リンクを介して、ソース基地局50のコンバイナ22に送信される。
【0127】
次のステップS125では、PSAメッセージと、ソース基地局50から受信される特定パケットLPMとが受信されると、移動端末10から発行されるULデータパケット(ターゲット基地局60によって直接受信されるか、又はソース基地局50を介して受信されるか、又は補助基地局70を介して受信されるもの)は、ターゲット基地局60のコンバイナ22によって合成され、ステップS118において形成された専用リンクt6を用いて、ゲートウエイ40に転送される。
【0128】
ステップS125はステップS123と同時に実行することができることに留意されたい。
【0129】
この状態は図4eの状態である。
【0130】
次のステップS126では、その後、ターゲット基地局60は、資源解放(Release Resource)メッセージRRをソース基地局50に送信する。
【0131】
次のステップS127では、ソース基地局50がRRメッセージを受信すると、ソース基地局50は、ソース基地局50とアクセスゲートウエイ40との間に確立された専用リンクの解放と、ソース基地局50と補助基地局70との間に確立された専用リンクの解放とを実行する。
【0132】
そのステップS127において、もはやいかなる主基地局とのいかなる専用リンクも有しない各補助基地局70は、移動端末10との間で確立した無線チャネルを解放する。
【0133】
この状態は図4fの状態である。
【0134】
1つの変形形態では、次のステップS128において、ターゲット基地局60は、移動端末10のために、まだリンクされていないいくつかの隣接する基地局との専用リンクを設定し、それらの隣接する基地局は移動端末10との新たな無線チャネルを設定し、ターゲット基地局60は、移動端末10に対して、隣接する基地局から得られる適切な情報(CRNTI、セルID、デュプレックスモード、周波数帯域、コード等)を伴って、確立された無線チャネルを設定するように命令する。
【0135】
図3との関連で説明されたステップS10、S12、S14、S16、S20、S22、S24、S30はそれぞれ、図5との関連で説明された方法のステップS100、S102、S109、S127、S104、S108、S128、S107に対応することに留意されたい。
【0136】
図3との関連で説明されたステップS18は、図5との関連で説明された方法のステップS115〜S126に対応する。
【0137】
図5との関連で示されたような種々のステップS100〜S128は、例示的な順序であり、それらのステップが図4aに示される状態から図4fに示される状態まで進む限り、その順序は変更することができる。たとえば、ソース基地局50によってアクセスゲートウエイ40から受信されたDLデータから構成されるダウンリンクデータパケットが、ソース基地局50によって補助基地局70及び60に依然として転送されている間に、補助基地局70及び50によってアップリンクデータパケットがターゲット基地局60に転送され、ターゲット基地局60がアップリンクデータを再合成して、それを、ターゲット基地局60とアクセスゲートウエイ40との間に新たに確立された専用リンク10上で送信することとしてもよい。その場合でも、最後の状態は図4fに示されるものである。
【0138】
図6に示されるような本発明による基地局は、たとえば、バス25によって互いに接続される構成要素と、プロセッサ26(図2a〜図2d、図3、図4a〜図4f、図5との関連で本明細書において説明された、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの部分を含むプログラムによって制御されるもの)とに基づくアーキテクチャを有する。
【0139】
バス25は、プロセッサ26と、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの部分を含むメモリ手段27と、移動端末10の主RF送受信機12と通信するために設けられる無線周波数送受信機21と、他の基地局及びアクセスゲートウエイ40と通信することができるようにするネットワークインターフェース23とを、互いにリンクする。
【0140】
ネットワークインターフェース23は、他の基地局との専用リンク(たとえばX2トンネル)を設定、使用及び解放する手段と、アクセスゲートウエイ40との専用リンク(たとえばS1トンネル)を設定、使用及び解放する手段とを備える。
【0141】
基地局のスプリッタ/コンバイナ22は、その基地局が主基地局20としての役割を果たすときに、ハードウエアによって実装することができるか、又は特定のプログラム(図6の実施形態の場合のように、その命令はメモリ手段27に含まれる)によって実現することができる。
【0142】
明確にするために、メモリ手段27は図6において3つのセクションで表される。第1のセクション270は、その基地局がソース基地局としての役割を果たすときに用いられる手段を含み、第2のセクション271は、その基地局がターゲット基地局としての役割を果たすときに用いられる手段を含み、第3のセクション272は、その基地局が補助基地局としての役割を果たすときに用いられる手段を含む。
【0143】
図6では、メモリ手段27内の各手段の参照符号は、文字Mと、それに続く1つの番号によって構成される。これらの手段は、図3又は図5いずれかとの関連で説明された方法のステップ(その参照符号は、文字Sと、それに続く同じ番号から形成される)を実行する。たとえば、手段M10は、本発明による方法のステップS10を実行するように意図されている。
【0144】
したがって、セクション270は、少なくとも、手段M10、M12、M14、M16及びM18を含み、これらはそれぞれ、本発明による方法のステップS10、S12、S14、S16を実行する。図5との関連で説明された方法を実施するための一実施形態は、手段M100、M101、M102、M103、M109、M110、M111、M113、M115、M121及びM127、M117(それぞれ、当該方法の対応するステップS100、S101、S102、S103、S109、S110、S111、S113、S115、S121及びS127を実行するためのものである)を備える。
【0145】
セクション271は、少なくとも、手段M20、M22及びM24を含み、これらはそれぞれ、本発明による方法のステップS20、S22、S24を実行する。図5との関連で説明された方法を実施するための一実施形態は、手段M103、M104、M105、M106、M108、M112、M114、M117、M118、M122、M123、M125、M126及びM128(それぞれ、当該方法の対応するステップS103、S104、S105、S106、S108、S112、S114、S117、S118、S122、S123、S125、S126及びS128を実行するためのものである)を備える。
【0146】
図5との関連で説明された方法を実施するためのセクション272の一実施形態は、手段M106、M107、M127、M30(それぞれ、当該方法の対応するステップS106、S107、S127及びS30を実行するためのものである)を備える。
【0147】
図7に示されるような本発明による移動端末10は、たとえば、バス14によって互いに接続される構成要素と、プロセッサ16(図2a〜図2d、図3、図4a〜図4f、図5との関連で本明細書において説明された本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの部分を含むプログラムによって制御されるもの)とに基づくアーキテクチャを有する。
【0148】
バス14は、プロセッサ16と、少なくとも本発明による方法のステップを実施するための命令又はコードの部分を含むメモリ手段17と、無線周波数送受信機11/13(移動端末10との通信に関与する基地局の各RF送受信機21/31と通信するために設けられるもの)と、及び遠隔した端末に送信されることになるデータのデータ源15とを、互いにリンクする。
【0149】
移動端末のスプリッタ/コンバイナ12は、ハードウエアによって実装することができるか、又は特定のプログラム(図6の実施形態の場合のように、その命令はメモリ手段17に格納される)によって実現することができる。
【0150】
メモリ手段17は、図5との関連で説明された方法のステップS116を実行する手段M116を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するための方法であって、
各移動端末が、少なくとも第1の基地局(50)及び第2の基地局(60)を含む基地局のセットと通信しており、
前記第1の基地局(50)は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイ(40)から、第1の移動端末(10)に、ダウンリンクシーケンス番号を有するデータパケット内で送信されることになるダウンリンクデータを受信する
方法において、
前記方法は、前記第1の基地局(50)によって実行される複数のステップとして、
ダウンリンクシーケンス番号を求めるステップ(S110)と、
前記第2の基地局(60)にハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)を送信するステップ(S102)であって、
前記ハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)は、前記求められたダウンリンクシーケンス番号と、前記基地局のセットに関連する情報とを含み、
前記ハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)は、前記アクセスゲートウエイ(40)から前記第1の移動端末(10)に送信されることになるデータを受信するように、前記第2の基地局(60)に要求するものである、送信するステップ(S102)と、
前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットが、前記求められたダウンリンクシーケンス番号以上であるシーケンス番号を有する場合には、前記アクセスゲートウエイから受信されるデータから前記データパケットを構成するのを停止するステップ(S113)と、
その後、前記アクセスゲートウエイから受信された前記データを前記第2の基地局に送信するステップ(S113)と、
前記第2の基地局から、前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットを受信するステップと、
前記第2の基地局から受信された、前記第1の移動端末に送信されることになる前記データパケットを、前記第1の移動端末に直接送信するステップと、
後続のデータがこれより、前記第2の基地局(60)に送信されることになることを示す特定のデータを、前記アクセスゲートウエイ(40)から受信するステップ(S121)と、
その後、前記第1の基地局(50)と前記アクセスゲートウエイ(40)との間の前記専用リンクを解放するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
各移動端末は、前記基地局のセットに含まれる前記基地局にアップリンクシーケンス番号を有するデータパケットを送信し、
前記第1の基地局(50)は、前記移動端末(10)から直接に、又は他の基地局(60、70)を介して、受信される前記データパケットからデータを構成し、
前記第1の基地局(50)は、前記データを前記アクセスゲートウエイ(40)に転送し、
前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
アップリンクシーケンス番号を求め(S101)、これを前記第2の基地局(60)に送信するステップと、
前記第1の移動端末(10)から直接に、又は他の基地局(70)から、データパケットを受信するステップと、
前記受信されたデータパケットが、前記求められたアップリンクシーケンス番号よりも小さなシーケンス番号を有する場合には、前記受信されたデータパケットからデータを構成すると共に、前記構成されたデータを前記アクセスゲートウエイ(40)に転送するステップと、
前記受信されたデータパケットが前記求められたアップリンクシーケンス番号以上のシーケンス番号を有する場合には、前記受信されたデータパケットを前記第2の基地局(60)に転送するステップと
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記ハンドオーバが完了した後に、ハンドオーバ要求肯定応答メッセージ(HRA)を受信するステップであって、前記ハンドオーバ要求肯定応答メッセージ(HRA)は、前記第1の移動端末(10)との通信に関与する前記基地局を含む基地局の最終セットに関連する情報を含む、ステップと、
現在の基地局のセットに含まれる基地局であって前記基地局の最終セットに属しない基地局との間で確立されているすべての前記専用リンクを解放するステップと
を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記第1の基地局によって実行される複数のステップとして、
前記第1の移動端末にハンドオーバ命令メッセージ(HC)を直接送信するステップ(S115)であって、前記ハンドオーバ命令メッセージ(HC)は、これより前記第2の基地局(60)にシグナリングメッセージを送信するように前記第1の移動端末(10)に要求するものである、ステップと、
前記第1の移動端末(10)から受信されたシグナリングメッセージを管理するのを停止するステップと
を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記送信されたハンドオーバ命令メッセージ(HC)は、前記基地局の最終セットに含まれる前記基地局に関連する情報を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行される複数のステップとして、
第3の基地局(50)からハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)を受信するステップであって、
前記第3の基地局(50)は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイ(40)から、第2の移動端末(10)に、ダウンリンクシーケンス番号を有するデータパケット内で送信されることになるデータを受信し、
前記ハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)は、前記アクセスゲートウエイ(40)から前記第2の移動端末(10)に送信されることになるデータを受信するように、前記第1の基地局(60)に要求し、
前記ハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)は、ダウンリンクシーケンス番号及びアップリンクシーケンス番号と、前記第2の移動端末(10)が現在通信している前記基地局のセットに関連する情報とを含む、ステップと、
前記ハンドオーバが完了した後に、前記第2の移動端末との通信に関与する前記基地局を含む基地局の最終セットを決定するステップ(S104)と、
ハンドオーバ通知メッセージ(HN)を前記基地局の最終セットに含まれる各基地局(70)に送信するステップ(S105)であって、
前記ハンドオーバ通知メッセージ(HN)は、前記ダウンリンクシーケンス番号及びアップリンクシーケンス番号を含み、
前記ハンドオーバ通知メッセージ(HN)は、前記アクセスゲートウエイから前記第2の移動端末に送信されることになるデータを、前記第1の基地局が現在受信していることを、前記基地局のセットに含まれる各基地局に通知するものである、ステップと、
前記第1の基地局(60)と前記基地局の最終セットに含まれる各基地局(70)との間に、専用リンクを確立するステップ(S106)と
をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基地局の最終セットは、前記第1の基地局(60)との間に確立されたネットワークインターフェースを有する基地局(70)を含むことを特徴とし、かつ、
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行されるステップ(S108)であって、前記ステップ(S108)は、前記第3の基地局(50)にハンドオーバ要求応答メッセージ(HRA)を送信する、ステップ(S108)をさらに含み、前記ハンドオーバ要求応答メッセージ(HRA)は、前記基地局の最終セットに含まれる前記基地局に関連する情報を含むものであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行される複数のステップとして、
前記第3の基地局(50)を介して前記アクセスゲートウエイからデータを受信するステップと、
前記第2の移動端末(10)に送信されることになるデータパケットを、前記受信されたデータから構成することを開始するステップ(S114)であって、最初のデータパケットは、前記受信されたハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)に含まれる前記ダウンリンクシーケンス番号に等しいダウンリンクシーケンス番号を有するものである、ステップと、
前記第2の移動端末(10)に送信されることになる、構成されたデータパケットを、直接に、又は、前記基地局のセットに含まれる1つの基地局(70)との間に確立される1つの専用リンクを介して、送信するステップ(S114)と
をさらに含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行される複数のステップとして、
前記アクセスゲートウエイ(40)との間で専用リンクを確立するステップ(S118)と、
前記確立された専用リンクを介して、前記アクセスゲートウエイ(40)からデータを受信するステップ(S123)と、
前記第3の基地局(50)から、最終パケットマーキング指標を有するデータを受信するステップ(S122)と、
前記第3の基地局から受信されるデータからデータパケットを構成するステップと、
前記アクセスゲートウエイから受信されるデータからデータパケットの構成を開始するステップと、
前記第2の移動端末に送信されることになる、構成されたデータパケットを、直接に、又は、前記基地局のセットに含まれる1つの基地局との間に確立される1つの専用リンクを介して、送信するステップ(S123)であって、前記基地局のセットは、前記受信されたハンドオーバ要求メッセージにその情報が含まれるものである、ステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行される複数のステップとして、
前記受信されたハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)に含まれる前記アップリンクシーケンス番号よりも高いアップリンクシーケンス番号を有するデータパケットを、前記第2の移動端末(10)から直接受信するステップと、
前記基地局のセットに含まれる各基地局との間に確立される任意の専用リンクを介してデータパケットを受信するステップであって、前記基地局のセットは、前記受信されたハンドオーバ要求メッセージ(HRQ)にその情報が含まれるものである、ステップと、
このように受信された前記データパケットからデータを構成するステップと、
前記アクセスゲートウエイとの間に確立される前記専用リンクを介して、前記構成されたデータを前記アクセスゲートウエイに転送するステップ(S125)と
をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行されるステップとして、前記第2の移動端末(10)から受信されるシグナリングメッセージを管理するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、前記第1の基地局(60)によって実行されるステップとして、前記第2の移動端末(10)にシグナリングメッセージを直接送信するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記第1の基地局(70)によって実行される複数のステップとして、
第4の基地局(60)から、ハンドオーバ通知メッセージ(HN)を受信するステップであって、
前記ハンドオーバ通知メッセージ(HN)は、ダウンリンクシーケンス番号及びアップリンクシーケンス番号を含み、
前記ハンドオーバ通知メッセージ(HN)は、前記第4の基地局(60)が第3の移動端末(10)に送信されることになるデータをアクセスゲートウエイ(40)から受信することになることを、前記第1の基地局(70)に通知するものである、ステップと、
前記第1の基地局(70)と前記第4の基地局(60)との間に専用リンクを確立するステップ(S106)と、
前記第3の移動端末に送信されることになるデータパケットを、前記第4の基地局(60)から、前記第1の基地局(70)と前記第4の基地局(60)との間に確立される前記専用リンクを介して受信するステップと、
前記第3の移動端末(10)に送信されることになる前記受信されたデータパケットを、前記第3の移動端末(10)に直接送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記第1の基地局(70)によって実行される複数のステップとして、
前記受信されたハンドオーバ通知メッセージ(HN)に含まれる前記アップリンクシーケンス番号よりも高いアップリンクシーケンス番号を有するデータパケットを、前記移動端末から直接受信するステップと、
前記受信されたハンドオーバ通知メッセージ(HN)に含まれる前記アップリンクシーケンス番号よりも高いアップリンクシーケンス番号を有する前記受信されたデータパケットを、前記確立された専用リンクを介して、前記第4の基地局(60)に送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記第1の移動端末(10)によって実行される複数のステップとして、
前記第2の基地局(60)にシグナリングメッセージを送信するように前記第1の移動端末(10)に要求するハンドオーバ命令メッセージ(HC)を、前記第1の基地局(50)から受信するステップと、
前記第1の基地局(50)にシグナリングメッセージを送信するのを停止するステップと、
前記第2の基地局(60)にシグナリングメッセージを送信するのを開始するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記第1の移動端末(10)によって実行される複数のステップとして、
前記基地局のセットに含まれる前記基地局(50)のうち前記基地局の最終セットには含まれない前記基地局(50)から、データパケットを受信するのを停止するステップであって、前記基地局の最終セットは、前記受信されたハンドオーバ命令メッセージ(HC)にその情報が含まれるものである、ステップと、
前記基地局のセットに含まれる前記基地局(70)のうち前記基地局の最終セットには含まれない前記基地局(70)に、データパケットを送信するのを停止するステップであって、前記基地局の最終セットは、前記受信されたハンドオーバ命令メッセージ(HC)にその情報が含まれるものである、ステップと、
情報が前記受信されたハンドオーバ命令メッセージ(HC)に含まれる前記基地局の最終セットを、前記第1の移動端末が通信している前記基地局のセットと特定するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するためのデバイス(50、60、70)であって、
各移動端末が、少なくとも第1の基地局及び第2の基地局を含む基地局のセットと通信しており、
前記第1の基地局は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイから第1の移動端末に、シーケンス番号を有するデータパケット内で送信されることになるデータを受信する
デバイスにおいて、
前記デバイスは、前記第1の基地局に含まれ、
前記デバイスは、
ダウンリンクシーケンス番号を求める手段と、
前記第2の基地局に、ハンドオーバ要求メッセージを送信する手段であって、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記求められたダウンリンクシーケンス番号と、前記基地局のセットに関連する情報とを含み、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、前記アクセスゲートウエイから前記第1の移動端末に送信されることになるデータを受信するように、前記第2の基地局に要求する、手段と、
前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットが前記求められたダウンリンクシーケンス番号以上であるシーケンス番号を有する場合には、前記アクセスゲートウエイから受信されるデータから前記データパケットを構成するのを停止する手段と、
前記アクセスゲートウエイから受信された前記データを、前記第2の基地局に送信する手段と、
前記第2の基地局から、前記第1の移動端末に送信されることになるデータパケットを受信する手段と、
前記第2の基地局から受信された、前記第1の移動端末に送信されることになる前記データパケットを、前記第1の移動端末に直接送信する手段と、
後続のデータがこれより、前記第2の基地局に送信されることになることを示す特定のデータを、前記アクセスゲートウエイから受信する手段と、
前記第1の基地局と前記アクセスゲートウエイとの間の前記専用リンクを解放する手段と
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項18】
通信ネットワークの基地局間でハンドオーバを実行するためのデバイスであって、
前記移動端末は、少なくとも第1の基地局及び第2の基地局を含む基地局のセットと通信しており、
前記第1の基地局は、前記通信ネットワークのアクセスゲートウエイから第1の移動端末に送信されることになるデータを受信する
デバイスにおいて、
前記デバイスは前記移動端末に含まれ、
前記デバイスは、
前記第1の移動端末に前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するように要求するハンドオーバ命令メッセージを、前記第1の基地局から受信する手段と、
前記第1の基地局にシグナリングメッセージを送信するのを停止する手段と、
前記第2の基地局にシグナリングメッセージを送信するのを開始する手段と
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項19】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、請求項1〜14のいずれか一項による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項20】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、請求項15又は16による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−246965(P2009−246965A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−72233(P2009−72233)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】