説明

通信ネットワーク

複数のサービスエリアの間をローミングできるユーザターミナルへの接続を確立するための通信ネットワーク。このネットワークは、サービスエリアごとにそのサービスエリアによりカバーされる位置へ接続をルーティングできるコントローラを備えている。ユーザターミナルにサービスするコントローラに欠陥がある場合には、他のコントローラの複数の認識を記憶するホームデータベースが、有効である他のコントローラの少なくとも1つを選択することにより、ユーザターミナルへ接続をルーティングすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザターミナルへの接続を確立するための通信ネットワークに係り、より詳細には、ワイヤレス通信ネットワークにおいて複数のサービスエリアの間をローミングすることのできるユーザターミナルに係るが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークの運転寿命中のある時点で、少なくとも1つの要素がおそらく欠陥状態となってネットワークの望ましからぬ停止時間を招くことがありがちである。それ故、ネットワーク設計者及びテレコミュニケーションエンジニアは、任意の欠陥に対してネットワークをより弾力性のあるものにするメカニズムを見出すよう常に努力している。一般的に述べると、ワイヤレス通信ネットワークの要素は、例えば、図1に示すように、無線アクセスノード(RAN)又はコアノード(CN)におおよそグループ分けされる。実際に、コアノードは、例えば、MSC(移動交換センター)である。
【0003】
実際に、RANノードは、UMTS(ユニバーサル移動テレコミュニケーションシステム)ネットワークの場合にはRNC(無線ネットワークコントローラ)、又はGSM等についてはBSC(ベースステーションコントローラ)のいずれかの形態をとることができる。
【0004】
図1に示す既知のネットワーク構成は、仕様番号3GPP TS 23.236を有し且つ「Intra Domain Connection of RAN Nodes to Multiple CN Nodes」と題する第3世代規格に説明されている。
【0005】
図1に示すように、RAN要素は、RANサービスエリア21、22、23、24、25、26、27、28と、プールエリア6、8、11、12とに分割される。RANノードサービスエリアは、LA(ロケーションエリア)としても知られているもので、RANノード、即ち通常、RNC又はBSCにより制御されるカバレージエリアである。他方、各々のプールエリアは、その中でサービスCNノードを変更する必要なく移動ターミナル(MT)がローミングしてもよいエリアである。プールエリアは、1つ以上のCNノードにより並列にサービスされる。従って、図1の構成は、RANノードの接続を1つのCNノードのみに制限する厳密なハイアラーキーを克服する。即ち、図1は、RANノード22を、多数のCNノード、例えば、MSC1及びMSC4への接続を有するものとして示している。
【0006】
3GPP TS 23.236規格は、単一のRANノードを二次CNに接続できるという点で冗長性の改善を与えるが、これは、移動機発信(MO)動作しか回復しない。移動機発信接続とは、コールが通信ネットワークの移動ステーション(MS)により開始された後にそれが設定されるというものである。これに対して、いわゆる移動機着信(MT)コールとは、通信ネットワークのMS(移動ステーション)又はユーザターミナルへと設定されるが、通信ネットワークにより開始された接続である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1に示す構成を使用するMO接続の場合に、RANノードを二次MSCに接続できるのは、一次MSCが利用できない場合である。しかしながら、MT接続については、状況が全く異なる。この場合に、MSが欠陥MSCにアタッチされていれば、MSには到達し得ない。このような状況では、MSへのコールが失敗となる。更に、欠陥MSCのアドレスがネットワークのホーム位置レジスタ(HLR)に保持されるので、その後のMTコールも失敗となる。現在のところ、この問題については、解決策がない。加入者がMO動作又は位置更新を行うまで、全てのMTコールが失敗となる。
【0008】
そこで、本発明の実施形態の目的は、移動機着信接続に対する通信ネットワークの弾力性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様によれば、複数のサービスエリアの間をローミングできるユーザターミナルへの接続を確立するための通信ネットワークにおいて、サービスエリアごとにそのサービスエリアによりカバーされる位置へ接続をルーティングできるコントローラと、ユーザターミナルへ接続をルーティングするために通常選択されるコントローラの認識を記憶すると共に、サービスエリアがユーザターミナルの位置もカバーする他のコントローラの認識を記憶するためのホームデータベースと、通常選択されるコントローラが無効であると決定された場合に、認識がホームデータベースに記憶された他のコントローラから、有効な少なくとも1つの新たなコントローラを選択して、その新たなコントローラを経てユーザターミナルへ接続を確立するための手段と、を備えた通信ネットワークが提供される。
【0010】
本発明の更に別の態様によれば、通信ネットワークの複数のサービスエリアの間をローミングできるユーザターミナルへの接続を確立するための方法であって、各々のサービスエリアが、そのサービスエリアによりカバーされる位置へ接続をルーティングできるコントローラを有している方法において、ユーザターミナルへ接続をルーティングする既存のコントローラの認識、及びサービスエリアがユーザターミナルの位置もカバーする他のコントローラの認識をホームデータベースに記憶するステップと、その既存のコントローラが無効であることを決定するステップと、認識がホームデータベースに記憶された他のコントローラから、有効な少なくとも1つの他のコントローラを選択するステップと、その選択されたコントローラを経てユーザターミナルへ接続を確立するステップとを備えた方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を良く理解すると共に、本発明をいかに実施するか示すために、添付図面を参照して本発明の実施形態を以下に詳細に説明する。
【0012】
図1は、RANノードを1つのCNノードにしか接続しないという従来の制約を克服するマルチポイントワイヤレス通信ネットワークのアーキテクチャーを示す。この制約は、PS(パケット交換)ドメインで送信されるべき情報とCS(回線交換)ドメインで送信されるべき情報との間は区別するが、各ドメイン内の多数のCNノード間を区別しないRANノードのルーティングメカニズムから生じる。しかしながら、図1の構成は、RANノードを多数のCNノードに接続し、CS又はPSドメインの異なるCNノードへ情報を各々ルーティングするのことを可能とする。
【0013】
図1には、種々の異なるプールエリアが示され、例えば、図1には、4つの異なるプールエリア6、8、11、12が示され、各プールエリアは、1つ以上のRANノードサービスエリア21−25の集合体を備えている。更に、各プールエリアは、多数のCNノードにより並列にサービスされ、これは、プールエリアにおいて互いにトラフィックを共有することを可能とする。図1において、CNノードは、MSC1−MSC7である。
【0014】
換言すれば、プールエリアは、重畳してもよいが、MSC(CN)サービスエリアでは不可能である。図1は、第1の回線交換(CS)プールエリア6を示しており、これは、MSC1、2及び3によりサービスされるRANノードサービスエリア21、22、25及び26を備えている。第2のCSプールエリア8は、MSC4、5及び6によりサービスされるRANノード22、23、26及び27を含むものとして示されている。第1のパケット交換(PS)プールエリア11は、SGSN1、2によりサービスされるRANノード21及び25を含むものとして示されている。又、第2のPSプールエリア12は、SGSN3、4及び5によりサービスされるRANノード22、23、26及び27を含むものとして示されている。これは、単に、プールエリアの構成の一例に過ぎず、異なる組合せも予想できることが明らかであろう。
【0015】
図2は、移動機着信コール、即ち通信ネットワークのMSへ確立されるべきコールから呼び出すことのできる種々のネットワーク要素を例示する。ワイヤレスネットワークのMS電話番号は、携帯電話の現在位置を明らかにするものではなく、むしろ、ゲートウェイMSC(GMSC)として知られたワイヤレスネットワーク内のある移動交換センターへコールをルーティングするのに使用される。
【0016】
図2は、MTコールの一例を特に示すもので、開始側加入者MS−Aが、異なるワイヤレス通信ネットワークにいてもいなくてもよい受信側加入者MS−Bへコールを開始しようと試みる。即ち、MS−Aは、サービングMSC44の制御のもとにあるサービスエリア内にいる。MS−Aは、例えば、MS−Bの移動ステーション番号を入力する。それに応答して、サービングMSC44は、その番号を使用して、例えば、SS7(シグナリングシステムNo.7)シグナリングネットワーク38を経てMS−AのゲートウェイMSC36へ接続する。特に、コールの試みが到着すると、GMSC36は、MSの加入者に関連したHLR(ホーム位置レジスタ)40とのコール確立段階中にシグナリングを遂行し、これは、例えば、SS7シグナリングネットワーク34を経てHLR40へSRI(送信ルーティング情報)メッセージを送信することにより行われ、これは、本発明の範囲外のことで、当業者に良く知られている。
【0017】
次いで、HLR40は、MS−Bに現在サービスしているMSC30を識別し、そしてHLRは、MS−Bの一時的なルーティング番号(MSRN)をMSC30から要求する。この情報を受信すると、GMSCは、着信側MSへのコールのこの岐路を確立することができ、そして発呼者MS−Aと被呼者MS−Bとの間にコールを確立することができる。図2は、2つの別々の実施形態を示す。即ち、第1の実施形態では、RANノードは、MSC30により制御されるノードB要素及びRNCより成る。第2の実施形態では、RANノードは、MSC30により制御されるBTS及びBSCより成る。
【0018】
この点において、ワイヤレス通信ネットワークの要素間の既知のインターフェイスを示す図3を参照するのが有用であろう。図3は、GMSC36がCインターフェイスを経てHLR40と通信できることを示す。HLRは、ワイヤレス通信ネットワークの加入者に関する永久的な情報を記憶するデータベースである。
【0019】
これに対して、MSC内に配置されて示されたVLR(ビジター位置レジスタ)30は、一時的な情報を記憶するデータベースで、サービス中のMSCにより訪問加入者にサービスするのに使用される。即ち、加入者が、新たなMSCにより制御されるサービスエリアに入ると、必要な全ての情報のコピーがHLRから関連VLRへダウンロードされる。このように、サービングMSCは、実際に異なる通信ネットワークに存在して付加的な遅延を生じさせるこの情報のためにHLRに直接アクセスする必要はない。VLRの一時的な情報は、MSがMSCのサービスエリアからローミングして出たときにクリアされる。
【0020】
GMSC36は、MTコールを被呼者へルーティングする役割を果たすスイッチング要素であり、Eインターフェイスを経てサービングMSC30と通信すると共に、必要に応じてGdインターフェイスを経てSGSN40と通信することができる。MSC30は、通常、そのサービスエリアに関連した一時的な情報を記憶するためのVLRを含む。MSC/VLR30は、Aインターフェイスを経てBSS(ベースステーションサブシステム)と通信し、Iuインターフェイスを経てUTRAN(UMTS地上無線アクセスネットワーク)と通信し、そしてGsインターフェイスを経てSGSNと通信することができる。UTRAN42は、Iuインターフェイスを経てSGSN40と通信することもできる。MSは、各々Uu及びUmインターフェイスでUTRAN42又はBSS44と通信することができる。
【0021】
一般的に述べると、MT接続を確立するために、GMSC36は、コールを確立すべきMS−Bの電話番号をMS−Aから受け取り、次いで、GMSCは、Cインターフェイスを経てHLR40にコンタクトする。HLR40は、MSに現在サービスしているMSCの認識を知っている。というのは、この認識は、パワーアップ中、又は別のMSCによりカバーされたサービスエリアへの移動中のいずれかに行われる登録プロセス中に更新されるからである。次いで、HLR40は、サービス当該MSCに、PRN(ローミング番号付与)要求メッセージ(図2)を送信することにより、MSのMSRN(移動ステーションルーティング番号)として知られた一時的ルーティング番号を尋ねる。即ち、各MSCは、移動ターミナルにMSRNを指定し、そしてMSRNからIMSI(国際移動加入者認識)として知られたMSの独特の識別子へのマッピングを記憶する。このマッピングは、サービングMSCのVLRに一時的に記憶される。
【0022】
要求された一時的番号MSRNは、次いで、各サービングMSCへのコールを設定するためにHLRからGMSCへと返送される。サービングMSCは、VLR内のマッピングテーブルを参照して、MSへの接続を確立する。
【0023】
図4は、MSへの接続を確立するために本発明の一実施形態により遂行されるシグナリングを示すフローチャートである。ステップS50において、GMSCは、MSへのMTコールの設定を試みていることを指示するSRIメッセージをHLRへ送信する。ステップS52において、HLRは、SRIメッセージを受け取り、そしてMSに現在サービスしている関連MSCのアドレスをそのデータベースから識別する。即ち、HLRは、その情報に基づいてMSに現在サービスしているMSCに一時的ローミング番号の要求を送信する。以下、図4のMSCに代わって用語MSSを使用することに注意されたい。というのは、これがMSCの特定コンポーネントに対する近代的な用語だからである。即ち、慣習的なMSCは、2つの個別のネットワーク要素、即ちi)MSCサーバー(MSS)及びii)メディアゲートウェイ(MGW)へと進化した。MSSは、コール制御及び移動管理機能の役割を果たし、それ故、他の図に示されたMSCの当該部分である。MSSは、図4では、70及び70’で示され、参照番号70は、欠陥となったMSSを表わし、そして参照番号70’は、動作し得るMSSを表わす。
【0024】
ステップS54では、サービスMSS70が欠陥であることが検出される。サービングMSCの欠陥を検出する種々の異なる方法があることが明らかであろう。例えば、本発明の一実施形態では、欠陥のMSS70がHLR40のタイマーにより検出され、サービングMSCから20秒のようなある時間内に応答が受け取られない場合に、タイマーが時間切れし、サービングMSCが欠陥であると仮定される。別の実施形態では、MSCに、例えば、自己診断ソフトウェアが装備された場合に、欠陥が検出されると、例えば、SS7ネットワーク34を経てHLR40にそれを報告することができる。このようにして、HLR40は、サービングMSCが欠陥であることを反映するように直ちに更新することができ、これは、HLRが時間切れの発生を待機する必要がないので非常に速い回復を生じる。各々のサービングMSCの位置を記憶するのに加えて、本発明のここに述べる実施形態の特徴は、HLR40が、MSの位置をカバーするサービスエリアを有するMSCのような他のコアノードのプールエリアも記憶することである。従って、ステップS54において、サービスMSS70が欠陥であることがHLR40により検出されると、MSの位置をカバーするサービスエリアを有する別のMSS’70についてそのデータベースをルックアップすることができ、そしてステップS56において、ローミング番号の要求が、サービスMSSとなるこの新たなMSS70’へ送信される。ステップS58は、この新たなMSS70’が有効である(即ち、欠陥がない)ことを示しており、そして成功の応答を一時的なローミング番号と共にHLRへ返送する。ステップS60において、HLR40は、サービングMSCが新たなMSS70’であり、古いMSS70(HLRにおいて有効とされない)でないことを反映するように更新される。ステップS62において、SRI確認メッセージがGMSCへ返送される。
【0025】
SRI確認メッセージを受信すると、GMSC36は、新たなMSS70’を経てMS−Bへのコールを確立することができ、ここで、ステップS64において、MSがVLR−2において識別されない場合、又はIMSI(国際移動加入者認識)レコードが「確認されず」とマークされた既知のMSに対して、HLR40へローミング番号を与えた後に、いわゆるRESTORE DATA(データ回復)サービスがMSS70’のVLR−2により呼び出される。それ故、VLR−2は、HLR40と新たなMSS70’との間に送信されるMAP(移動アプリケーションパート)メッセージを含むRESTORE DATAを使用してHLR40から確認済み加入者データを得ることができる。ステップS66において、GMSC36と新たなMSS70’との間にコールが確立される。従って、VLRがRESTORE DATAサービスをサポートする限り、本発明のこの実施形態の更に別の効果は、VLRに対する変更が必要とされないことである。
【0026】
ステップS68は、新たなMSS70’によりサービスされる全てのLA(ロケーションエリア)をスキャニングすることにより被呼者MS−Bがサーチされることを指示する。位置エリアは、新たなMSC70’により制御される種々のRANサービスエリアである。
【0027】
図5は、サービングMSCが欠陥となった場合に異なるMSCによりコールを制御できる前記シーケンスのアーキテクチャー実施を示す。即ち、図5は、CSプールエリア2を制御するMSC4が欠陥となるが、MTコールに対するHLRはさておき、本発明の実施形態によりHLRがプールエリアセットから新たなMSC(即ちMSC5又は6)を選択できることを示している。MOコールについては、MSCが失われた場合に、RANノード、即ちRNC又はBSCのいずれかに含まれた機能が、MOコールに関連したプールエリアから新たなMSCを選択する役割を果たす。
【0028】
図6は、本発明の一実施形態によるHLR40のデータベース構造の一例を示す。即ち、HLR40は、加入者情報76と、サービングMSC70(即ちHLRに登録されるべき最後のMSC)の認識又はアドレス71と、MSの位置をカバーするサービスエリアを有する他のMSCの認識を含むMTプールエリア72とを備えるものとして示されている。
【0029】
一般に、プール内のコアノードの数は、10未満であり、通常、図1及び5に示すように、2又は3に過ぎない。本発明の一実施形態によれば、HLRは、HLRのアドレス部分71で識別されたサービングMSCが応答しないときの状況において、MTプールエリア72における次のMSCがPRN要求メッセージを実行できるようにする。HLRには、プールエリア72における他のMSCのどれを新たなサービングMSCとして選択すべきか選択するための選択手段を設けられることが明らかである。例えば、プール内のMSCの1つが特定の基準を満足して他のものより先に選択されるように優先順位付け手順を実施することもできるし、或いはHLRがPRN要求を実行するようにMSCの各々を単に順次にポーリングし、そしてこのように行うことのできるプールエリア72内の第1のMSCを新たなサービングMSCとして選択するようにしてもよい。いずれにせよ、HLRがプールにおいて有効なMSC(即ち、欠陥でないもの)を見つけると、HLRがHLR40のエリア71におけるサービングMSCの認識を更新する。
【0030】
本発明の実施形態の1つの効果は、コールが確立される前に、即ちGMSCがSRIメッセージを使用してHLRと通信するときのシグナリング段階中に、HLRがサービングMSCの欠陥を検出できることである。この手順は、ネットワークの発呼者MS−Aには分からない。コールが被呼者MS−Bに出され、そしてサービングMSC(その加入者に対してHLRデータベースに最初に記憶された)が何らかの理由で欠陥となっても、発呼者MS−Aには見えずに、有効MSCを経てルーティングされる。
【0031】
MSCは、洪水、火災、地震等の自然災害を含む多数の異なる理由で欠陥となり得る。本発明の実施形態は、サービングMSCが失われた場合にコールネットワークの弾力性を改善し、そしてこのようなMSCが失われた場合にMTコールをMSへ首尾良くルーティングできるようにする。
【0032】
本発明の実施形態の別の効果は、被呼加入者とで何か問題があることに発呼加入者が気付かないことである。
【0033】
本発明の実施形態の更に別の効果は、実際にコールされた加入者だけに回復アクションが集中することである。従って、本発明の実施形態は、コール設定段階中に有効なMSCを動的に選択できるので、更に別の情報を更新する必要がなく、これは、欠陥のあるMSCにアタッチされた全ての加入者を更新することに集中する他の解決策で予想できるわずらわしい負荷を減少する。
【0034】
本発明の更に別の効果は、この解決策がMSCノードそれ自体に物理的な変更を必要とせず、これがHLR内で達成されることである。
【0035】
本発明の実施形態の更に別の効果は、欠陥のあるMSCの認識がHLR内で新たなMSCと置き換えられることから得られる。これに対して、従来は、欠陥のあるMSCのアドレスがHLRに保持され、これは、その後のMTコールも失敗させる。各MSCの認識は、例えば、標準的なUMTSアドレッシングを使用してアドレスとして記憶することができ、これは、本発明の範囲外のことで、当業者に良く知られていることを理解されたい。
【0036】
MSという語は、移動ステーションを参照するために使用されたが、いかなる形態の適当なユーザターミナルが使用されてもよいことが明らかであろう。例えば、ユーザターミナルは、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)の形態をとることもできるし、或いはワイヤレスネットワークによりオファーされるテレコミュニケーションサービスを受けることのできる他の適当なハンドヘルド装置の形態をとることもできる。
【0037】
図2は、例えば、SS7ネットワーク34、38を示すが、他の適当なシグナリングシステム又はコミュニケーションフォーマットを使用できることも明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】RANノードを多数のCNノードへドメイン内接続するところを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による種々の要素を含むワイヤレス通信ネットワークハイアラーキーを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるワイヤレス通信ネットワークの要素のインターフェイスにおける論理的アーキテクチャーを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による通信ネットワークの要素間のオペレーションのシーケンスを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によりRANノードを多数のCNノードにドメイン接続するところを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるHLRデータベースのメモリ構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサービスエリアの間をローミングできるユーザターミナルへの接続を確立するための通信ネットワークにおいて、
サービスエリアごとにそのサービスエリアによりカバーされる位置へ接続をルーティングできるコントローラと、
前記ユーザターミナルへ接続をルーティングするために通常選択される前記コントローラの認識を記憶すると共に、サービスエリアが前記ユーザターミナルの位置もカバーする他のコントローラの認識を記憶するためのホームデータベースと、
前記通常選択されるコントローラが無効であると決定された場合に、認識が前記ホームデータベースに記憶された前記他のコントローラから、有効な少なくとも1つの新たなコントローラを選択して、その新たなコントローラを経て前記ユーザターミナルへの接続を確立するための手段と、
を備えた通信ネットワーク。
【請求項2】
前記接続は、前記ユーザターミナルへデータパケットを転送することのできるパケット交換接続である、請求項1に記載の通信ネットワーク。
【請求項3】
前記接続は、前記ユーザターミナルへ無線フレームを転送することのできる回線交換接続である、請求項1に記載の通信ネットワーク。
【請求項4】
前記通信ネットワークはワイヤレス通信ネットワークである、請求項1から3のいずれかに記載の通信ネットワーク。
【請求項5】
前記選択手段は、前記新たなコントローラを反映するように前記ホームデータベースも更新する、請求項1から4のいずれかに記載の通信ネットワーク。
【請求項6】
前記接続は、前記ネットワークの別のユーザが前記ネットワークを経て前記ユーザステーションへの接続の確立を開始する移動機着信接続である、請求項1から5のいずれかに記載の通信ネットワーク。
【請求項7】
各コントローラは、前記ユーザターミナルがそのサービスエリアへとローミングするときに前記ホームデータベースから受け取ったユーザデータを記憶するためのバッファを有する、請求項1から6のいずれかに記載の通信ネットワーク。
【請求項8】
各コントローラは、前記ユーザターミナルがそのコントローラのサービスエリアへとローミングするときに前記ユーザターミナルのユーザに対応するデータを記憶するためにそれ自身のデータベースを有する、請求項1から7のいずれかに記載の通信ネットワーク。
【請求項9】
前記コントローラは、移動交換センター(MSC)である、請求項1から8のいずれかに記載の通信ネットワーク。
【請求項10】
通信ネットワークの複数のサービスエリアの間をローミングできるユーザターミナルへの接続を確立するための方法であって、各々のサービスエリアが、そのサービスエリアによりカバーされる位置へ接続をルーティングできるコントローラを有するような方法において、
前記ユーザターミナルへ接続をルーティングする既存のコントローラの認識、及びサービスエリアが前記ユーザターミナルの位置もカバーする他のコントローラの認識をホームデータベースに記憶するステップと、
前記既存のコントローラが無効であることを決定するステップと、
認識が前記ホームデータベースに記憶された他のコントローラから、有効な少なくとも1つの他のコントローラを選択するステップと、
前記選択されたコントローラを経て前記ユーザターミナルへの接続を確立するステップと、
を備えた方法。
【請求項11】
複数のサービスエリアの間をローミングできるユーザターミナルとの接続を確立するために通信ネットワークに使用されるデータベースエンティティであって、各々のサービスエリアが、そのサービスエリアによりカバーされる位置へ接続をルーティングできるコントローラを有するようなデータベースエンティティにおいて、
前記ユーザターミナルへ接続をルーティングするために通常選択される前記コントローラの認識を記憶すると共に、サービスエリアが前記ユーザターミナルの位置もカバーする他のコントローラの認識を記憶するための記憶手段と、
前記通常選択されるコントローラが無効であると決定された場合に、認識が前記ホームデータベースに記憶された前記他のコントローラから、有効な少なくとも1つの新たなコントローラを選択して、その新たなコントローラを経て前記ユーザターミナルへの接続を確立するための手段と、
を備えたデータベースエンティティ。
【請求項12】
前記データベースエンティティはホーム位置レジスタである、請求項11に記載のデータベースエンティティ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−527171(P2007−527171A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500314(P2007−500314)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000481
【国際公開番号】WO2005/084054
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】