説明

通信モジュール

【課題】基板検査をさらに容易に実行できるシステムを提供する。
【解決手段】チップモジュール21aと通信モジュール21bとを有し、基板20に実装されるチップセット(デバイス)を提供する。通信モジュール21bは、チップモジュール21aに対し、検査用のデータを有線により送受信するための第1のインターフェイス31と、ホストの通信ユニット2に対し、検査用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイス32と、同一基板20に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールと共通する部分を含むデバイスIDをセットするための設定部33と、デバイスIDに基づき通信されるデータを選択する通信制御ユニット35とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装される非接触型の通信モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、非接触プローブにより検出された信号レベルを用いて基板の良否判定を行うことが記載されている。非接触プローブは、絶縁膜で覆われた電極を用いて構成され、この非接触プローブを検査対象となる基板の配線パターンと密着して対向するように配置し、非接触プローブと配線パターンとを静電結合させるようにしたものである。検査対象パターンの一端部に接触させたプローブから電圧のような電気パラメータが時間的に変化する検査用電気信号を注入し、その検査対象パターンの他端部に静電結合された非接触プローブを用いてその検査用信号を検出し、その検出された信号のレベルに応じてその検査対象パターンの良否を判定する。
【0003】
特許文献2には、検査治具やフィクスチャーへのケーブル接続が不要で、更にはパッチプログラムの移植も容易に行うことができる、非接触式プリント基板検査システムが開示されている。この基板検査システムは、CPUを搭載したプリント基板に、通信用外部端子を設けたRFIDタグを実装し、CPUの通信ポートにRFIDタグの通信インターフェース回路の信号線を接続する。また、CPUのプログラムメモリに検査実行プログラム及びパッチ移植プログラムを内蔵し、組立・検査ラインに設置されたリーダー/ライターとRFIDタグ間で無線通信を行い、プリント基板単体時においては検査プログラムの受信及び不揮発性メモリへの書込みと、筐体へのプリント基板組込み時においては検査コマンドの受信及び当該検査コマンドに対応した検査プログラムの実行と、パッチ移植コマンドの受信時においてパッチプログラムの移植を実行する機能を持たせる。
【特許文献1】特開2005−9986
【特許文献2】特開2006−242736
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板および基板に搭載されたデバイスに外部からアクセスする場合、通常は電気的な接触によって行われる。したがって、開発時のデバッグ、製造時のプログラムの書き込み、基板製造時の合否検査なども、何らかの手段で電気的な接触をする必要がある。特許文献1に記載された非接触プローブは、直接的な電気的接触は省略できる。しかしながら、電気的な接触でアクセスするのと同様に、基板の配線パターンに対応したコネクタやプローブを用意する必要がある。このため、検査のための装置をコンパクトにすることは容易ではない。また、非接触プローブと回路パターンとを物理的に対峙させるために、位置合わせなどのプロセスを省略できず検査時間を短縮することも容易ではない。プローブはデバイスの形状、基板の形状に依存するので、それぞれ専用に用意する必要があり、多品種少量生産には向かないという問題もある。
【0005】
通信用外部端子を設けたRFIDタグを実装し、CPUの通信ポートにRFIDタグの通信インターフェース回路の信号線を接続する、特許文献2に記載された方法は、組立・検査ラインに設置されたリーダー/ライターとRFIDタグ間で無線通信を行うので、コネクタやプローブは不要である。しかしながら、基板に搭載されたデバイス毎の信号をプローブと同様に検出したい、CPUを除いた回路の状態を確認したい、といった要望に沿った検査を実施できない。このため、従来の基板検査とは異なり、検査手法を新たに確立したり、その検査に適したデバイスを設計したりする必要が生ずる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、基板に実装されるチップモジュールに関連付けされるように基板に実装される通信モジュールである。この通信モジュールは、チップモジュールに対し補助プロセス用のデータを有線により送受信するための第1のインターフェイスと、外部機器に対し、補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部と、第2のインターフェイスおよび第1のインターフェイスを介して外部機器およびチップモジュールの間で通信されるデータを識別情報に基づき選択する通信制御部とを有する。
【0007】
この通信モジュールは、チップモジュールの検査、初期設定といった補助プロセス用のデータを通信するためのものであり、チップモジュールの主プロセス、たとえば、数値演算、論理演算などのデータ処理プロセス用のデータは、基板に設けられる回路を介して入出力される。この通信モジュールは、第1のインターフェイスを介してチップモジュールの補助プロセス用のデータを通信し、その補助プロセス用のデータを第2のインターフェイスを介して無線、典型的には光(赤外線)通信により外部の検査システムなどと通信する。そして、外部機器とは、同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報(以降では基板単位の識別情報)に基づき通信する。したがって、同一基板内では、それぞれの通信モジュールに関連付けられたチップモジュール(の補助プロセスのデータ)を区別(識別)でき、基板間では、同一の環境で実装されているチップモジュール(の補助プロセスのデータ)を同一または共通に取り扱いできる。
【0008】
このため、この通信モジュールを基板に搭載することにより、物理的に各チップモジュールの補助プロセスのデータ端子にプローブを接触してデータを入出力するのに相当する条件で、光通信などのデータ端子の配置に依存しない無線通信を用いた非接触なシステムにより、検査、初期設定といった補助プロセスを実行できる。
【0009】
チップモジュールは、個々にチップIDを備えていてもよく、通信モジュールも個々に無線通信用のIDを備えていてもよい。チップIDは、個々のチップモジュールを一義的に識別するものであり、通信用のIDも個々の通信モジュールを一義的に識別するものである。一方、基板に実装されたチップは、基板に形成された回路により物理的に識別され、回路を介してデータが入出力されることにより主プロセスが実施される。このため、基板間では、回路の所定の箇所に実装されるチップは、主プロセスの実行上は同一(共通)であり、補助プロセスの実行上も同一(共通)である。したがって、基板単位の識別情報を備えたデータは、物理的に回路に接続されているのに対応する識別力を備えたデータとなる。このため、同一基板上に搭載された複数の通信モジュールおよびそれらに関連付けられたチップモジュールを無線により接続することにより、それらのチップモジュールを仮想的な回路あるいはプローブにより接続した環境を提供できる。
【0010】
典型的な基板単位の識別情報は、基板に設けられる回路パターンに基づき設定できる。したがって、設定部は、基板に設けられた回路パターンに接続されることにより識別情報をセットするためのインターフェイス(端子)を含むことが望ましい。
【0011】
本発明の他の態様の1つは、上記の通信モジュールを複数有する基板である。この基板は、複数のチップモジュールを有し、複数のチップモジュールの少なくとも一部のチップモジュールは通信モジュールのいずれかと当該基板に設けられた回路により接続されている。典型的なチップモジュールは、JTAGなどの検査用の入出力端子を含み、検査用の入出力端子は、複数の通信モジュールのいずれかの第1のインターフェイスの入出力端子と当該基板に設けられた回路により接続されている。他の典型的なチップモジュールは、FPGAあるいは動的再構成チップであり、再構成可能な回路領域と、その回路領域を再構成するためのコンフィグレーションデータを格納するメモリ領域とを含む。メモリ領域の入出力端子は、第1のインターフェイスの入出力端子と当該基板に設けられた回路により接続されている。
【0012】
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、上記の通信モジュールと、その通信モジュールに関連付けられる少なくとも1つのチップモジュールとを有するチップセットである。通信モジュールおよび少なくとも1つのチップモジュールはパッケージに内蔵され、一体化されていてもよい。このチップセットは、回路要素の一部として基板に搭載される。
【0013】
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、主プロセスおよび補助プロセスを実行する機能を含むコアモジュールと、コアモジュールまたはその補助プロセスを行う機能に対し補助プロセスを行うためのデータを入出力するための第1のインターフェイスを含む通信モジュールとを有する集積回路装置である。通信モジュールは、外部機器に対し、補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、同一基板に実装される他の集積回路装置とは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の集積回路装置とは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部と、2のインターフェイスおよび第1のインターフェイスを介して外部機器およびコアモジュールの間で通信されるデータを識別情報に基づき選択する通信制御部とを含む。この集積回路装置は、回路要素の一部として基板に搭載される。
【0014】
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、基板の検査および/または初期設定を含む補助プロセスを行う制御装置を含むシステムである。基板には、複数の通信モジュールおよびそれらに関連づけられたチップモジュールの組み合わせ、および/または複数の通信モジュールのいずれかを含む集積回路装置が搭載されている。当該システムは、複数の通信モジュールと無線通信するための通信ユニットを有し、制御装置は、識別情報と補助プロセス用のデータとを含む通信用データセットを送受信する第1の機能(手段)を含む。
【0015】
制御装置は、第1の識別情報を含む第1の通信用データセットに含まれる第1のデータおよび/または第1のデータを処理した第2のデータと、第2の識別情報とを含む第2の通信用データセットとして送信する第2の機能を含むことが望ましい。複数のチップモジュールあるいはコアモジュールを無線モジュールを介して仮想的な回路に接続できる。
【0016】
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、基板の検査および/または初期設定を含む補助プロセスを行うことを含む基板の製造方法である。補助プロセスを行うことは、識別情報と、補助プロセス用のデータとを含む通信用データセットを複数の通信モジュールのいずれかと無線により送受信することを含む。
【0017】
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、基板の検査および/または初期設定を含む補助プロセスを行うことを含むシステムの制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。システムは、制御装置と複数の通信モジュールとの間で無線通信するための通信ユニットを有し、制御装置は、識別情報と、補助プロセス用のデータとを含む通信用データセットを生成することを含む。このプログラム(プログラム製品)は、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供できる。また、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に、基板に搭載されたデバイスに非接触でアクセスすることができるシステムの概要を示している。このシステム1は、赤外線通信ユニット2を介して基板20に搭載されたデバイス21〜25にアクセスし、それらにプログラムを書き込んだり、デバッグしたりするための検査システムである。この検査システム1は、赤外線通信ユニット2と、赤外線通信ユニット2を介して送受信するデータを生成および/解析する機能を備えた制御装置10とを含む。制御装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)19を用いて実現されている。PC19は、PC19を制御装置10として機能するためのプログラム18がインストールされている。典型的な赤外線通信ユニット2は、IrDA(Infrared Data Association)規格にしたがってデータを交換するものである。
【0019】
基板20はプリント基板(プリント配線板)であり、表面に予め所定の配線パターン29が導電体、たとえば銅により設けられている。配線パターン29には、複数の表面実装デバイスを含む回路要素が搭載され、リフローなどの方法により電気的に接続される。図1に示した基板20には、5つの表面実装デバイス21〜25が示されているが、基板20には、その他のデバイスおよびその他の回路要素は搭載されていてもよい。デバイス21は、チップモジュール21aと、通信モジュール21bとを含むチップセットであり、配線パターン29によりチップモジュール21aと通信モジュール21bとが接続されている。デバイス22は、チップモジュール22aと、通信モジュール22bとを含むチップセットであり、モールド樹脂(パッケージ)22cにより一体化されており、パッケージ内部の配線によりチップモジュール22aと通信モジュール22bとが接続されている。
【0020】
デバイス23は、チップモジュール23aと、通信モジュール23bとを含むチップセットであり、配線パターン29によりチップモジュール23aと通信モジュール23bとが接続されている。デバイス24は、チップモジュール24aと、通信モジュール24bとを含むチップセットであり、モールド樹脂(パッケージ)24cにより一体化されており、内部配線によりチップモジュール24aと通信モジュール24bとが接続されている。デバイス25は、コアモジュール25aと、通信モジュール25bとを含む半導体集積回路装置(IC、LSI、ASIC)であり、内部バスによりコアモジュール25aと通信モジュール25bとが接続されている。
【0021】
図2に、チップセット21の概要を示している。チップセット21に含まれるチップモジュール21aは、JTAG(Joint Test Action Group)対応のデバイス(チップ、半導体集積回路デバイス)である。通信モジュール21bは、チップモジュール21aのJTAG端子群(TDI、TDO、TCK、TMS)21tを介して通信するための端子群21xを備えた第1のインターフェイス31と、第2のインターフェイスである赤外線通信ユニット32と、デバイス識別情報(デバイスID)をセットするための設定部33と、第1のインターフェイス31および第2のインターフェイス32を介して通信されるデータをデバイス識別情報に基づき選択する機能を備えた通信制御ユニット(通信制御部)35とを含む。
【0022】
JTAG端子群21tおよび通信端子群21xは配線パターン29により接続されている。チップモジュール21aと通信モジュール21bとは、JTAG端子群21tおよび通信端子群21xを介してチップモジュール21aに実装されているテストロジック用のデータ(補助プロセス用のデータ)Daを送受信できる。第1のインターフェイス31は、JTAGを用いたテストモードであれば、通信端子群21xのTDI端子より、JTAG端子群21tのTDI端子へテストロジックへのデータを送信する。第1のインターフェイス31は、通信端子群21xのTDO端子により、JTAG端子群21tのTDO端子からテストロジックのデータを受信する。第1のインターフェイス31は、通信端子群21xのTCK端子より、JTAG端子群21tのTCK端子へテストロジックのクロックを供給する。第1のインターフェイス31は、通信端子群21xのTMS端子より、JTAG端子群21tのTMS端子へテストロジックの制御信号を供給する。
【0023】
設定部33は、デバイスIDをセットするための端子群34(ID0、ID1、ID2)を含む。基板20に設けられた配線パターン(回路パターン)29は、端子群34に接続されるID設定用のパターン28を含む。ID設定用のパターン28により、端子群34のID0〜ID2端子をそれぞれ高電位または低電位にセットすることにより3ビットのデバイスIDを設定できる。3ビットのデバイスIDにより8つの異なるデバイスIDを基板単位で設定できる。デバイスIDのビット数は3に限定されず、4ビット以上であってもよく、2ビット以下であってもよい。
【0024】
第2のインターフェイスである赤外線通信ユニット32は赤外線を通信媒体とする無線通信ユニットである。赤外線通信ユニット32は、基板20に対して外部装置である検査システム1の赤外線通信ユニット2との間で、テストロジック用のデータDaと、デバイスIDとを含むデータセットDrを送受信する。通信制御ユニット35は、赤外線を通信媒体として送受信されるデータセットDrに含まれるデバイスIDに基づき、第1のインターフェイス31を介して通信するデータDaを選択する。
【0025】
検査システム1の制御装置10は、赤外線通信ユニット2を介して、デバイスIDと、テストロジック用のデータDaとを含む通信用データセットDrを送受信する個別接続機能(第1の機能)11を含む。デバイスIDは、同一基板20に実装される通信モジュールの間では異なるので、デバイスIDを参照することにより通信モジュールおよびそれを含むデバイスを識別できる。一方、他の基板に同じ環境で実装される通信モジュールの間ではデバイスIDは共通するので、基板毎(基板が異なれば)同じプロセスで所望のデバイスにアクセスできる。制御装置10は、さらに、第1のデバイスIDを含む第1の通信用データセットDr1を受信したときに、その通信用データセットDr1に含まれる第1のデータDa1を抽出し、その第1のデータDa1と第2のデバイスIDとを含む第2の通信用データセットDr2を送信する仮想配線接続機能(第2の機能)12を含む。制御装置10は、仮想配線接続機能12によりデータを転送する仮想配線パターン15が格納されたライブラリ13を含む。
【0026】
この例では、チップモジュール21a、22a、23a、24aおよびコアモジュール25aをシリアルに接続する仮想配線パターン15がライブラリ13に登録されている。したがって、仮想配線接続機能12は、通信モジュール21bのデバイスIDを備えた通信用データセットDr1を受信すると、そのデータセットDr1からデータDaを抽出し、通信モジュール22bのデバイスIDを備えた通信用データセットDr2を送信する。通信モジュール22bのデバイスIDを備えた通信用データセットDr2を受信すると、そのデータセットDr2からデータDaを抽出し、通信モジュール23bのデバイスIDを備えた通信用データセットDr3を送信する。仮想配線接続機能12が、通信モジュール24bおよび25bについてもこれらの処理を繰り返すことにより、それぞれの通信モジュール21b〜25bに関連付けられたチップモジュール21a〜24aおよびコアモジュール25aにデータDaをシリアルに転送することができる。したがって、仮想配線接続機能12により、これらのチップモジュール21a〜24aおよびコアモジュール25aのJTAG端末21tあるいはJTAGインターフェイスを仮想的な配線によりシリアルに接続できる。
【0027】
図3に、通信モジュール21bのさらに詳しい構成を示している。通信モジュール21bは、赤外線通信ユニット32と、JTAG処理部39とを含む。赤外線通信ユニット32は、JTAG処理部39から入力されたデータフレームDFをIrDA規格に従ったフォーマットで赤外線を介して外部の通信機器に送信する。また、赤外線通信ユニット32は、外部の通信機器から受信したデータがIrDA規格に従って解析して埋め込まれたデータフレームDFをJTAG処理部39に出力する。典型的な赤外線通信ユニット32は、発光素子41および受光素子42と、物理的な接続(物理層)を担当するIrDa−SIRユニット43と、ハードウェアを用いて相手と通信するためのプロトコルを担当するIrLAPユニット44と、上位レイヤーがIrLAP44を用いて通信するためのマネジメントプロトコルを担当するIrLMPユニット45とを含む。このような構成は赤外線通信ユニット32の一例であり、赤外線通信ユニット32は、JTAG処理部39が上位層あるいはアプリケーション層として赤外線を通信媒体として外部機器(ホスト装置、以降ではホスト)、本例では検査システム1の制御装置10をホストとして、赤外線通信ユニット2を介して情報を交換できるものであればよい。
【0028】
JTAG処理部39は、赤外線通信ユニット32から得られたデータフレームDFから補助プロセス用のデータ、本例では、テストロジック用のデータDaを生成する第1の通信制御部51と、チップモジュール21aから得られたテストロジック用のデータDaからデータフレームDFを生成する第2の通信制御部52とを含む。これらの第1の通信制御部51および第2の通信制御部52は、通信制御部35に含まれる。JTAG処理部39は、テストロジック用のデータDaを、JTAG対応の通信端子群21xを介して入出力するためのチップインターフェイス(第1のインターフィエス)31を含む。さらに、JTAG処理部39は、デバイスID端子群34(ID0、ID1、ID2)から得られる情報に基づきデバイス情報(デバイスID)を設定するための設定部33を含む。
【0029】
第1の通信制御部51は、ホスト10からデータを受信する機能を含む。そのため、フレーム解析部53と、解析されたデータを格納するためのバッファ54とを含む。バッファ54は、ホスト10から受信したデータを格納するバッファであるとともに、チップモジュール21aに対してデータを送信するためのバッファである。第1の通信制御部51は、さらに、フレーム解析のためのフラグ判定部53a、通し番号解析部53b、デバイス情報判定部53cを含む。デバイス情報判定部53cは、デバイス情報設定部33に設定されたデバイスIDに基づきデータフレームDFの有効無効を判定する。
【0030】
第2の通信制御部52は、ホスト10へデータを送信する機能を含む。そのため、フレーム構築部55と、フレームを構築するためのデータが格納されているバッファ56とを含む。バッファ56は、フレーム構築部55に対しては入力バッファであるとともに、チップモジュール21aに対してはデータを受信するためのバッファでもある。第2の通信制御部52は、さらに、フレームを構築するためにフラグ付加部55a、通し番号付加部55b、デバイス情報付加部55cを含む。デバイス情報付加部55cは、デバイス情報設定部33に設定されたデバイスIDをデータフレームDFに付加する。
【0031】
図4に、データフレームDFの一例を示している。データフレームDFは、デバイスID61と、ホストID62と、デバイスモード制御情報(DMC)63と、TAP(テストアクセスポイント)制御情報64と、データ情報65と、データ(Da)66とを含む。TAP制御情報64は、TCS(TAP制御情報)67と、TSC(TAPシフトカウンタ)68と、TCC(TAPクロック制御)69とを含む。デバイスID61は、同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報である。典型的には、デバイスID61は同一基板に実装される他の通信モジュールと異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールと共通する。ホストID62は、ホスト10の赤外線通信ユニット2を識別するための情報である。
【0032】
DMC63には、基板20に搭載された通信モジュール21b〜25bをサーチするデバイスサーチモード、デバイスプロセッシングモード、バイパスモード、データ受信モード、データ送信モード、JTAGモードなどを指示するコマンドを含めることができる。データ受信モードでは、ホスト10から受信されたデータDaが第1の通信制御部51のバッファ54に蓄積される。データ送信モードでは、第2の通信制御部52のバッファ56に蓄積されたデータDaがホスト10に転送される。
【0033】
データ受信モードにおいては、さらに、インターラクティブモードと、バッチモードとが用意されている。インターラクティブモードでは、ホスト10から通信モジュール21bに、チップモジュール21aへ転送すべき1ステート毎の情報が送信される。したがって、チップインターフェイス31は、チップモジュール21aのテストアクセスポイント(TAP)コントローラとして機能する。インターラクティブモードでは、第1の通信制御部51は、ホスト10からデータ(データフレーム)DFを受信すると、デバイスID61を検出する。データフレームDFのデバイスID61が通信モジュール21bのデバイスIDと一致している場合は、TCS67をデコードし、TCS67に含まれる処理がチップモジュール21aにおいて実行されるようなデータDaを生成してチップインターフェイス31を介して通信端子群21xから出力されるようにする。TCS67により指定可能なモードは、テストロジックリセット、テスト開始などのJTAGで一般的に使用されるモードを含む。
【0034】
バッチモードでは、ホスト10から通信モジュール21bへ大量のデータを送信することができる。たとえば、通信モジュール21bを含むあるいは対応付けされたチップモジュール21aが回路を再構成可能な領域を備えている場合は、再構成用のコンフィグレーションデータを通信モジュール21bを介してチップモジュール21aに送信し、コンフィグレーションデータをチップモジュール21aのコンフィグレーションメモリに設定できる。
【0035】
図5に、通信モジュールを備えたデバイスと通信する異なるシステムの例を示している。このシステム100では、基板20に、3つのチップ(半導体集積回路)81〜83が搭載されている。システム100に含まれるホスト70は、赤外線受発光素子71と、赤外線通信制御ユニット72と、データ制御ユニット73とを備えている。検査システム1と同様に、データ制御ユニット73は、パーソナルコンピュータにより実現することも可能である。データ制御ユニット73は、個別接続機能11と、仮想配線接続機能12と、仮想配線ライブラリ13と、コンフィグレーションデータ・ライブラリ14とを備えている。個別接続機能11は、赤外線を通信媒体として個々のチップ81〜83と通信する。仮想配線接続機能12は、仮想配線ライブラリ13に登録された接続にしたがい、赤外線を通信媒体としてチップ81〜83を仮想配線で接続する。コンフィグレーションデータ・ライブラリ14には、個々の再構成可能チップ81〜83において実現する回路のコンフィグレーションデータが格納されており、個別接続機能11により個々のチップ81〜83に随時設定できる。
【0036】
図6に、個々のチップ81〜83の構成を示している。これらのチップ81〜83は同じ構成であり、チップ81を代表に説明する。チップ81は、コアモジュール86と、通信モジュール85とを含み、これらが内部配線84により接続されている。コアモジュール86は、回路を再構成可能な領域87と、回路を再構成するためのコフィグレーションデータを格納するメモリ88と、JTAGに従ってバウンダリ・スキャン・テストを実行するためのテスト回路89とを備えている。再構成可能な領域87は、FPGAと称されるプログラマブルな回路および/またはアイピーフレックス社のDAPDNAのように動的に回路を再構成可能な回路を含んでいる。通信モジュール85は、図3に基づき説明した通信モジュール21bと同様の構成であり、ここでは説明を省略する。通信モジュール85は、テスト回路89と接続されており、上述した通信モジュール21aなどと同様に赤外線通信を介してTAPとして機能する。また、通信モジュール85は、メモリ88の入出力と接続されており、メモリ88にコンフィグレーションデータを書き込むあるいは書き換える再構成制御ユニットとして機能する。
【0037】
コアモジュール86は端子群80を介して基板20に設けられた配線パターン29に接続されており、端子群80により入出力される大量のデータを再構成可能な領域87により処理することを主な目的として設計されている。一方、通信モジュール85は、基板20の単位で、コアモジュール86のテスト、コンフィグレーションデータの設定などの補助プロセス用のデータの入出力を行うように設計されている。各チップ81〜83に内蔵された通信モジュール85は、通信モジュール21bと同様に基板20の配線パターン29に含まれる識別パターン28により同一基板内で識別できるデバイスID61が設定される。このため、ホスト70が同一の基板20にアクセスするときはそれぞれのチップ61〜63を区別できる。
【0038】
一方、デバイスID61は、他の基板20に同じ環境で実装される他のチップ(集積回路装置)とは共通する。すなわち、複数の基板20にそれぞれ搭載されているチップ81には共通のデバイスID61が設定される。このため、ホスト70は、複数の基板20を順番に検査および/または初期設定するときは、それぞれの基板20のチップ81を共通のテストロジックで検査でき、また、チップ81に共通のコンフィグレーションデータをセットすることができる。チップ82および83においても、ホスト70は基板単位で識別し、チップ82および83を区別して扱い(アクセスでき)、または異なる基板20のチップ82同士、チップ83同士は共通に扱うことができる。
【0039】
デバイスID61は、基板20の配線パターン(ID設定パターン)28で設定されるようにしている。この方法であると通信モジュールを備えたデバイスが基板20の所定の位置に実装されると自動的にデバイスID61が決まる。通信モジュールがEEPROMなどのメモリを備えている場合は、通信モジュール(デバイス)を特定できる方法、たとえば、非常に近距離あるいは接触した状態で光通信を行うなどの方法により、通信モジュール毎に所定のデバイスID61をメモリに書き込んでセットすることも可能である。
【0040】
図7に、基板90に、3つの集積回路91〜93を搭載し、配線95により接続した状態を示している。これら3つの集積回路91〜93は、再構成可能な領域97と、コンフィグレーションデータを格納するためのメモリ98と、バウンダリ・スキャン・テスト回路99を備えている。これら3つの集積回路91〜93のテスト回路99を配線95によりシリーズに接続することにより、テスト回路99に対してシリアルにテストロジック用のデータを供給することができる。そのためには、これら集積回路91〜93を接続するための配線(プリント配線)95を予め基板90に設けておく必要がある。
【0041】
図6に示した基板20においては、図7と同様の接続を仮想配線ライブラリ13に登録しておくことにより、チップ81〜83を仮想配線により接続できる。すなわち、仮想配線モードにおいて、ホスト70の仮想配線接続機能12は、通信モジュール85を介してホスト70と個々のチップ81〜83との間で送受信されるデータDrに含まれるデータを、デバイスID61および仮想配線ライブラリ13に登録されたデバイスの接続にしたがって転送する。仮想配線接続機能12により、テストデータを複数のチップ81〜83の間でシリアルに転送でき、物理的な配線によりこれらのチップ81〜83を接続したのと同じ結果が得られる。このため、テスト用のプリント配線を省略できる。また、テスト用の配線接続をいつでも自由に変更できる。
【0042】
また、ホスト70の個別接続機能11により、ホスト70は、個々のチップ81〜83と独立して接続することが可能であり、チップ単位でバウンダリ・スキャン・テストを実行できる。また、個別接続機能11により、個々のチップ81〜83に対してコンフィグレーションデータを設定できる。このため、通信モジュール85を内蔵したチップ(集積回路装置)81〜83においては、検査用の端子を省略することが可能である。また、メモリ88にアクセスしてコンフィグレーションデータを設定するための端子も省略することが可能である。このため、基板20の配線29から、それらの端子を接続するための配線も省略することが可能である。したがって、検査、初期設定などの補助プロセスのための配線を省略できるので、基板20の実装密度をさらに向上できる。また、補助プロセスのための接続はホストシステム70の側でいつでも自由に変更できる。このため、補助プロセスの設計および変更を基板20の設計から切り離すことができ、基板20の製造に要する時間およびコストを削減できる。
【0043】
それぞれのチップ81〜83のコアモジュール86については、通信モジュール85を介して従来と同様のテスト環境と、コンフィグレーションデータの入出力環境とが実現される。したがって、コアモジュール86の設計を全面的に変更する必要はなく、従来のIPリソースを有効に活用できる。図2に基づき説明したチップモジュールと通信モジュールとをセットにしたチップセットについても同様であり、チップモジュール21aを設計変更せずに、通信モジュール21bにより無線(本例では光通信)により、テスト環境と、コンフィグレーションデータの入出力環境とを提供できる。
【0044】
図8に、ホスト70の処理の概要を示している。ホスト70は、基板の製造過程における基板の検査および初期処理を実行する。したがって、ホスト70を含むシステム100には、デバイス81〜83を含む回路要素が搭載された基板20が、順番に供給されるようになっている。基板の検査および初期処理において、ある基板20のデバイスのいずれかにアクセスの必要が発生すると(ステップ111)、ステップ112で仮想配線接続が必要か否かを判断する。個別接続(個別通信)であれば、ステップ113で個別接続機能11が所定のデバイスID61をセットしたデータフレームDFを生成する。ステップ114で、生成されたデータフレームDFを含む通信用データセットDrを赤外線インターフェイス(赤外線受発光素子71および赤外線通信制御ユニット72)が送受信する。基板20に搭載されているデバイス81〜83の通信モジュール85は、基板20の単位で固有のデバイスID61を備えているので、ホスト70は所望のデバイスとの間で所望のデータを含むデータフレームDFを送受信できる。
【0045】
ステップ112において、仮想配線接続機能12での接続が要求されていれば、ステップ115で、仮想配線接続機能12が仮想配線の順番にしたがったデバイスID61をセットしたデータフレームDFを生成する。まず、ステップ116で、生成されたデータフレームDFを含む通信用データセットDrを赤外線インターフェイス(赤外線受発光素子71および赤外線通信制御ユニット72)が送受信する。ステップ117で、仮想配線に接続されるデバイスが残っていれば、ステップ115に戻り、次のデバイスID61をセットし、仮想配線で伝達するデータDaを含むデータフレームDFを生成する。そして、ステップ116および117を行う。典型的には、前のデバイス(通信モジュール)のデバイスID(第1の識別情報)を含む第1の通信用データセットDr1に含まれる第1のデータDa1、または第1のデータDa1を処理したデータを第2のデータDa2として、その第2のデータDa2と、次のデバイス(通信モジュール)のデバイスID(第2の識別情報)とを含む第2の通信用データセットDr2を、ホスト70の赤外線インターフェイスを介して送信する。これらの処理を含む検査および/または初期設定を行う機能(データ制御ユニット)73は、パーソナルコンピュータ19により実行可能なプログラム18として、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供できる。また、プログラム18は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介しても提供できる。
【0046】
デバイスID61は、異なる基板20では共通している。したがって、ある基板20に対して、ホスト70の検査および/または初期設定を含む補助プロセスが終了すると、次の基板20をホスト70にセットすることにより、同じ補助プロセスを繰り返して実行することができる。赤外線通信は、通信媒体である赤外線の到達範囲を限定することが容易であり、その範囲に同一仕様の基板20が存在しなければ基板20に搭載されたデバイス81〜83を確実に識別でき、それぞれに対してホスト70は通信できる。赤外線通信の代わりに、微弱電力のRF通信などの通信範囲を限定できる無線方式を採用することも可能である。
【0047】
このような無線モジュールを採用することにより、非接触でアクセス可能なデバイスを提供できる。1つの好適な例は、受発光素子とシリコンを集積することであり、最小の部品点数と実装面積で実現できる。これらのデバイスを基板に実装することにより、デバイスへの書き込みや読み出しを簡易な装置によって行うことができる。また、無線により個々にアクセスできるデバイスを採用することにより、基板実装前にデバイスにプログラムを書き込む必要や、基板製造時にプログラムを書き込む必要がなくなる。基板のテスト段階でプログラムを書き込むことが出来るようになり、テスト自体もプローブで接触する必要がなくなる。
【0048】
このため、プリント基板の設計・製造および検査の各工程を融合して、大幅なコストダウンを促進することが可能となる。従来のコネクタなどの機械的な接触によるプログラムの開発やデバッグ、量産時のデバイスへの書き込み、プリント基板製造後の通電検査を、光通信技術などの無線技術を利用した非接触で行う統合して行うシステムを提供することが可能となる。無線モジュールを用いた補助プロセスは、基板の検査、初期設定に限定されない。無線モジュールを備えたデバイスを搭載した基板は、物理的に固定された配線に比較すると通信速度は低い可能性があるが、基板に固定された配線に加えて複数のデバイス間の接続を任意に再構成可能な配線(仮想配線)により接続する資源あるいは環境を備えている。したがって、アプリケーションの実行中に、メインプロセスと異なる経路による個々のデバイスへの通信およびデバイス間の通信が可能となる。この新たに設けられた通信経路により、デバイスを再構成するための情報を任意に提供したり、デバイスの機能の割り当てを任意に変更するなどの制御が可能となる。このため、デバイスレベルに限らず、基板のレベルで回路または機能を再構成するシステムを提供することが可能となる。
【0049】
昨今の電子機器は、携帯電話やデジタルカメラのような高度な機能を有する装置はもとより、テレビやエアコンや炊飯器等の家電製品にも、マイコンやPLD/FPGA等のプログラマブルなデバイスが搭載されている。プログラマブルなデバイスは、その柔軟性により開発・設計時には大きな利点となり、複雑な機能も容易に実現できる一方、量産時にはプログラムの書き込みがコスト高を招く可能性がある。また、機器の製造数とデバイスの書き込み数を一致させる必要があるなど、本来持っている柔軟性が製造時には大きなネックとなる可能性がある。この発明の一態様であるホストシステムは、プログラムの書き込みを基板実装後に実行でき、また、デバイスの内容を簡単に読み書きすることが可能である。例えばプログラムの書き込みを、製造後の検査直前に行うことも可能であり、プログラムの修正が必要となった場合も、簡単に書き換えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】検査システムの一例を示すブロックダイアグラム。
【図2】チップセットの概略を示すブロックダイアグラム。
【図3】通信モジュールの概略を示すブロックダイアグラム。
【図4】データセットの構成を示す図。
【図5】検査および初期設定を行うシステムの一例を示すブロックダイアグラム。
【図6】基板の構成を示す図。
【図7】有線によりデバイスを接続した基板の構成を示す図。
【図8】ホストの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0051】
1 検査システム、 2 赤外線インターフェイス、 10 制御装置
11 個別接続機能(第1の機能ユニット)
12 仮想配線接続機能(第2の機能ユニット)
20 プリント配線板(基板)
21、22、23、24 チップセット、 25、81、82、83 集積回路
21a、22a、23a、24a チップモジュール
25a、87 コアモジュール
21b、22b、23b、24b、25b、85 通信モジュール
31 チップインターフェイス(第1のインターフェイス)
32 赤外線インターフェイス(第2のインターフェイス)
33 デバイスID設定部、 61 デバイスID
35 通信制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装されるチップモジュールに関連付けされるように前記基板に実装される通信モジュールであって、
前記チップモジュールに対し、補助プロセス用のデータを有線により送受信するための第1のインターフェイスと、
外部機器に対し、前記補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、
同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部と、
前記第2のインターフェイスおよび前記第1のインターフェイスを介して前記外部機器および前記チップモジュールの間で通信されるデータを前記識別情報に基づき選択する通信制御部とを有する、通信モジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記設定部は、前記基板に設けられた回路パターンに接続されることにより前記識別情報をセットするためのインターフェイスを含む、通信モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信モジュールを複数有する基板であって、
さらに、複数のチップモジュールを有し、
前記複数のチップモジュールの少なくとも一部のチップモジュールは前記複数の通信モジュールのいずれかと当該基板に設けられた回路により接続されている、基板。
【請求項4】
請求項3において、
前記少なくとも一部のチップモジュールの少なくとも1つのチップモジュールは検査用の入出力端子を含み、
前記検査用の入出力端子は、前記複数の通信モジュールのいずれかの通信モジュールの前記第1のインターフェイスの入出力端子と当該基板に設けられた回路により接続されている、基板。
【請求項5】
請求項3において、
前記少なくとも一部のチップモジュールの少なくとも1つのチップモジュールは再構成可能な回路領域と、その回路領域を再構成するためのコンフィグレーションデータを格納するメモリ領域とを含み、
前記メモリ領域の入出力端子は、前記第1のインターフェイスの入出力端子と当該基板に設けられた回路により接続されている、基板。
【請求項6】
請求項1または2に記載の通信モジュールと、
その通信モジュールに関連付けられる少なくとも1つのチップモジュールとを有するチップセット。
【請求項7】
請求項6において、前記通信モジュールおよび前記少なくとも1つのチップモジュールを内蔵したパッケージを有する、チップセット。
【請求項8】
請求項6または7に記載のチップセットを含む回路要素が搭載された基板。
【請求項9】
主プロセスおよび補助プロセスを実行する機能を含むコアモジュールと、
前記コアモジュールに対し前記補助プロセスのためのデータを入出力するための第1のインターフェイスを含む通信モジュールとを有する集積回路装置であって、
前記通信モジュールは、外部機器に対し、前記補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、
同一基板に実装される他の集積回路装置とは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の集積回路装置とは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部と、
前記第2のインターフェイスおよび前記第1のインターフェイスを介して前記外部機器および前記コアモジュールの間で通信されるデータを前記識別情報に基づき選択する通信制御部とを含む、集積回路装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記コアモジュールは検査用の入出力インターフェイスを含み、前記第1のインターフェイスと接続される、集積回路装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記コアモジュールは再構成可能な回路領域と、その回路領域を再構成するためのコンフィグレーションデータを格納するメモリ領域とを含み、前記第1のインターフェイスは前記メモリ領域の入出力インターフェイスと接続される、集積回路装置。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれかに記載の集積回路装置を含む回路要素が搭載された基板。
【請求項13】
基板の検査および/または初期設定を含む補助プロセスを行う制御装置を含むシステムであって、
前記基板は、複数の通信モジュールが搭載されており、それぞれの通信モジュールは、同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部を含み、
さらに、前記基板には、前記複数の通信モジュールのいずれかに関連付けられた少なくとも1つのチップモジュールおよび/または前記複数の通信モジュールのいずれかを含む集積回路装置を搭載しており、
前記それぞれの通信モジュールは、前記集積回路装置のコアモジュールまたは前記チップモジュールに対し、前記補助プロセス用のデータを有線により送受信するための第1のインターフェイスと、
当該システムに対し、前記補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、
前記第2のインターフェイスおよび前記第1のインターフェイスを介して前記外部機器および前記コアモジュールまたは前記チップモジュールの間で通信されるデータを前記識別情報に基づき選択する通信制御部とを含み、
当該システムは、前記複数の通信モジュールと無線通信するための通信ユニットを有し、
前記制御装置は、前記識別情報と、前記補助プロセス用のデータとを含む通信用データセットを送受信する第1の機能を含む、システム。
【請求項14】
請求項13において、
前記制御装置は、第1の識別情報を含む第1の通信用データセットに含まれる第1のデータおよび/または前記第1のデータを処理した第2のデータと、第2の識別情報とを含む第2の通信用データセットとして送信する第2の機能を含む、システム。
【請求項15】
基板の検査および/または初期設定を含む補助プロセスを行うことを含む基板の製造方法であって、
前記基板は、複数の通信モジュールが搭載されており、それぞれの通信モジュールは、同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部を含み、
さらに、前記基板には、前記複数の通信モジュールのいずれかに関連付けられた少なくとも1つのチップモジュールおよび/または前記複数の通信モジュールのいずれかを含む集積回路装置を搭載しており、
前記それぞれの通信モジュールは、前記集積回路装置のコアモジュールまたは前記チップモジュールに対し、前記補助プロセス用のデータを有線により送受信するための第1のインターフェイスと、
前記補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、
前記第2のインターフェイスおよび前記第1のインターフェイスを介して前記外部機器および前記コアモジュールまたは前記チップモジュールの間で通信されるデータを前記識別情報に基づき選択する通信制御部とを含み、
前記補助プロセスを行うことは、前記識別情報と、前記補助プロセス用のデータとを含む通信用データセットを前記複数の通信モジュールのいずれかと無線により送受信することを含む、製造方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記補助プロセスを行うことは、さらに、第1の識別情報を含む第1の通信用データセットに含まれる第1のデータおよび/または前記第1のデータを処理した第2のデータと、第2の識別情報とを含む第2の通信用データセットを前記複数の通信モジュールのいずれかと無線により送信することを含む、製造方法。
【請求項17】
基板の検査および/または初期設定を含む補助プロセスを行うことを含むシステムの制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記基板は、複数の通信モジュールが搭載されており、それぞれの通信モジュールは、同一基板に実装される他の通信モジュールとは異なり、他の基板に同じ環境で実装される他の通信モジュールとは共通する部分を含む識別情報をセットするための設定部を含み、
さらに、前記基板には、前記複数の通信モジュールのいずれかに関連付けられた少なくとも1つのチップモジュールおよび/または前記複数の通信モジュールのいずれかを含む集積回路装置を搭載しており、
前記それぞれの通信モジュールは、前記集積回路装置のコアモジュールまたは前記チップモジュールに対し、前記補助プロセス用のデータを有線により送受信するための第1のインターフェイスと、
前記システムに対し、前記補助プロセス用のデータを無線により送受信するための第2のインターフェイスと、
前記第2のインターフェイスおよび前記第1のインターフェイスを介して前記外部機器および前記コアモジュールまたは前記チップモジュールの間で通信されるデータを前記識別情報に基づき選択する通信制御部とを含み、
前記システムは、前記制御装置と前記複数の通信モジュールとの間で無線通信するための通信ユニットを有し、
前記制御装置は、前記識別情報と、前記補助プロセス用のデータとを含む通信用データセットを生成することを含む、プログラム。
【請求項18】
請求項17において、
前記制御装置は、さらに、第1の識別情報を含む第1の通信用データセットに含まれる第1のデータおよび/または前記第1のデータを処理した第2のデータと、第2の識別情報とを含む第2の通信用データセットを生成することを含む、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−294043(P2009−294043A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147148(P2008−147148)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(508168114)
【Fターム(参考)】