説明

通信ユニットの検針データ送信制御方法およびプログラム、通信ユニット、検針データ通信制御方法

【課題】センサからの検針データを通信ユニットから送信し、収集サーバにて復元するための、通信ユニットの検針データ送信制御方法に関し、センサからの検針データを収集するネットワークにおける輻輳の発生やサーバ負荷の増大を防ぐ。
【解決手段】前回通知した検針値の変化量と、前回の検針値と今回の検針値より計算した検針値の変化量との差分を計算し(S509〜S513)、計算した差分が所定の閾値を超えた場合に検針値に対応する検針データを送信バッファに格納して送信処理させる(S513→S514、S515)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサからの検針データを通信ユニットから送信し、収集サーバにて復元するための、通信ユニットの検針データ送信制御方法およびプログラム、通信ユニット、検針データ通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ユニットを備えたセンサを広く配置し、センサからの検針データを通信ユニットから送信し、サーバにて収集する技術が知られている。そのような技術は例えば、家庭や工場などの電力需要をきめ細かく制御するための「スマートグリッド」技術において用いられる。「スマートグリッド」技術では、家庭や工場などの電力消費地と電力会社間が光ファイバーなどのネットワークで結ばれる。そして、通信ユニットが電力消費地に設置されている電気使用量表示の検針器から所定時間(例えば30分)ごとに検針計量値を取得し、電力会社のサーバに送信することが考えられている。これにより、ムダが多かった需要ピークを基準とした電力量設定から、季節、時間帯により電力使用量が異なる場合においても、電力供給の合理化・最適化が可能となる。
【0003】
ここで、上述のようなセンサは、例えば一般家庭世帯や工場の検針器のように、広い範囲に渡って多数配置されるのが通常である。このため、ネットワークに存在する全ての通信ユニットから検針データが定期的に一斉にネットワークに流れることにより、ネットワークが輻輳状態になり得る。 このような事態を防止するために従来、通信ユニットからサーバへの伝送容量を削減するための技術が知られている。例えば、子局で計測した計測情報を親局にHDLC(High-level Data Link Control procedure)で伝送する遠方監視制御装置において、親局は、運用開始時点に各計測値毎に設定する変動分しきい値を各子局に伝送し、各子局は、変動分しきい値を受信したときに1回だけ全計測値を親局に伝送し、次回からは前回の計測値との変動分が該変動分しきい値を越えた計測値のみを親局に伝送する。これにより、電圧や積算電力値などの変動の少ない計測値は、常時伝送せず、変動時のみ伝送することにより常時伝送容量を削減し、その削減分だけ伝送周期を速めるか、計測容量を増やせるようにする技術である(例えば特許文献1に記載の技術)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−195988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の従来技術を用いても、例えば2000万世帯から所定時間(例えば30分)毎に各通信ユニットから検針計量値のパケットが送信されるような場合には、依然としてネットワークが輻輳してしまうという問題点を有していた。また、それらのデータを処理するサーバの負荷も多大なものとなってしまうという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、センサからの検針データを収集するネットワークにおける輻輳の発生やサーバ負荷の増大を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
態様の一例では、検針データを通信ユニットから検針データの収集側に通知する方法であって、前回通知した検針値の変化量と、前回の検針値と今回の検針値より計算した検針値の変化量との差分を計算し、前記計算した差分が所定の閾値を超えた場合に、前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータとを送信する。
【発明の効果】
【0008】
センサからの検針データを収集するネットワークにおける輻輳の発生やサーバ負荷の増大を防ぐことが可能となる。
また、サーバ側では通信データを受信しなかった時間帯の電力量の変化を精度よく復元することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】検針システムのネットワーク構成図である。
【図2】電力量、電力変化量、復元グラフの例を示す図である。
【図3】通信ユニットの構成図である。
【図4】収集サーバの構成図である。
【図5】通信ユニットのフローチャートである。
【図6】収集サーバのフローチャートである。
【図7】実施形態における電力量の復元動作の説明図である。
【図8】最初に予測した傾きに対して、多く電力を使用した期間と少なく使用した期間が同じの場合の説明図である。
【図9】最初に予測した傾きに対して、多く電力を使用した期間が、少なく電力を使用した期間より長い場合の説明図である。
【図10】最初に予測した傾きに対して、少なく電力を使用した期間が、多く電力を使用した期間より長い場合の説明図である。
【図11】最初に予測した傾きに対して、ずっと多く電力を使用した場合の説明図である。
【図12】最初に予測した傾きに対して、ずっと少なく電力を使用した場合の説明図である。
【図13】本実施形態の場合と変化量を送らない場合の更に詳細な比較説明図である。
【図14】本実施形態のシステムを実現可能なハードウェアシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される検針システムのネットワーク構成図である。一般家庭や工場などの例えば電気メータの検針計量器に接続される通信ユニット101が、相互に例えば無線(有線でもよい)によるアドホックネットワークによって接続される。アドホックネットワークは、障害発生時にも相互の通信ユニット101が接続できる隣接する通信ユニット101を探しながら相互に接続を維持するように動作する、自立分散型のネットワークである。これらの通信ユニット101のうち所定のユニットは、ゲートウェイ(GW)102として動作する。このGW102は、アドホックネットワーク外のLAN(ローカルエリアネットワーク)またはWAN(ワイドエリアネットワーク)などの外部ネットワークと接続されている。そして、GW102は、外部ネットワークに例えば有線で接続されるサーバ103と各通信ユニット101との間のデータ通信を中継する。このとき、GW102は、外部ネットワークの通信プロトコル、例えばIP(インターネットプロトコル)と、アドホックネットワークの通信プロトコルとの間で、パケットデータの通信フォーマットの変換も行う。
【0011】
本実施形態では、従来手法の課題であるネットワークの輻輳、サーバ負荷の増大及び必要サーバ台数の増加を回避するため、次のような方式をとる。従来、電力消費地各点から定期的に検針値情報を送信していた方式に代え、電力消費地各点において個別に電力消費量の変化量の増減を監視し、それがある一定の閾値内に収まっていれば、検針値情報の送信を行わない方式である。また、各通信ユニットは、ネットワークの輻輳を回避するために送信するデータを例えば1日分蓄積しておき、予め各ユニット毎に決められた次の送信タイミングにてまとめて送信する。
【0012】
具体的には、通信ユニットにおいて、検針器から電力量(kWh)を取得し、その電力量と30分前に取得した電力量から単位時間あたりの電力量変化量(傾き)(kW)を算出する。そして、通信ユニットは、その電力量変化量と前回通知した電力量変化量の差分が、あらかじめ決められている閾値範囲内であれば、検針値情報を送信しない。さらに通信ユニットが検針値情報を送信する際には、従来の電力量と検針時刻に加えてそのときの電力量変化量を一緒に送ることにより、サーバ側で誤差の少ない電力量の復元が可能となる。
【0013】
図2は、ある家庭での消費電力量のグラフ、それを通信ユニットで取得し電力量変化量を算出したグラフ、および検針値情報を受信し電力量を復元したグラフ(サーバ側)の例を示す図である。
【0014】
以下、図2に沿って、ある一般家庭の一日の使用電力量を例に、本実施形態の方式を説明する。図2において、(a)は検針器が示す電力量グラフ、(b)は電力変化量グラフ、(c)は電力量復元グラフである。図2(a)の「×」印の時間タイミングが、サーバ通知対象とならないタイミング、図2(a)の「○」印の時間タイミングが、サーバ通知対象のタイミングである。図2(b)に示される各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。図2(c)に示される点線が、復元された電力量のグラフである。
【0015】
以下、図2に沿って、ある一般家庭の一日の使用電力量を例に、本実施形態の方式を説(1)03:00
通信ユニットは、検針器から検針値を取得する。(検針値=500kWhとする)
通信ユニットは、検針値500kWhと検針時刻をサーバ通知対象と判断する。
最初の検針は、無条件に通知が確定する。
【0016】
(2)03:30
通信ユニットは、検針器から検針値を取得する。(検針値=510kWhとする)
通信ユニットは、前回検針値との検針値変化量を算出し、その値と検針値510kWhと検針時刻を、サーバ通知対象と判断する。
検針値変化量(傾き)=(510−500)[kWh]/0.5[h]=20[kW]
【0017】
(3)04:00
通信ユニットは、検針器から検針値を取得する。(検針値=520kWhとする)
通信ユニットは前回検針値との検針値変化量を算出する。
検針値変化量=(520−510)[kWh]/0.5[h]=20[kW]
【0018】
前回通知した検針値変化量との差分(この場合は0)が閾値内なので、サーバ通知非対象と判断し、検針値情報は送信しない。
ただし、情報自体は通信ユニットに蓄積し、サーバからの時刻指定での検針値情報取得要求用に準備する。
この例では、閾値は±30kWとする。
【0019】
(4)04:30〜06:00
この期間(Aの期間)の検針値変化量は、図2(b)の電力量変化量グラフのとおり、閾値内に収まっているので、検針値情報はサーバ通知対象とはならず、送信しない。
【0020】
(5)06:30
通信ユニットは、検針器から検針値を取得する。(検針値=590kWhとする)
通信ユニットは、前回検針値(560kWh)との検針値変化量を算出する。
検針値変化量=(590−560)[kWh]/0.5[h]=60[kW]
【0021】
前回通知した検針値変化量(20kW)との差分は40(kW)となり、閾値(±30kW)を超えるため、通信ユニットはサーバに検針値(590kWh)と変化量(60kW)と検針時刻を、サーバ通知対象と判断する。
【0022】
この際、各通信ユニットは、ネットワークの輻輳を回避するために、送信するデータを1日分蓄積しておき、予め各ユニット毎に決められた次の送信タイミングにて、蓄積したデータをまとめて送信する。今例えば、通信ユニットが1000台ある場合、送信タイミングは24時間を1000台で分割した86.4秒間(24×60×60/1000台)を1ユニットの送信可能時間として、各通信ユニットの識別ID毎にどの送信可能期間に送るのかを定めておく。より具体的には例えば、毎日午前2時を起点として、「午前2時+86.4秒×IDに対応するシリアル番号」として、各通信ユニットの送信開始時刻が決定される。
【0023】
サーバは新たに受信した検針値情報(検針値と検針値変化量と検針時刻)と前回通知された検針値情報から、図2(c)に示されるような電力量グラフを復元する。
このように、通信ユニットは、検針時刻毎に検針器から電力量を取得し、これと前回の電力量から電力量変化量を求める。そして、通信ユニットは、その電力量変化量と前回通知した電力量変化量の差分が閾値内に収まっていれば、検針値情報を送信しない。サーバ側では、通知される検針値情報のみから電力量グラフを復元することができる。
【0024】
従来は、リアルタイムに検針値情報をサーバ通知する方式となっているが、本実施形態の方式では、1日分のサーバ通知対象の検針値情報を次の日の送信タイミング内で分散させて送信する方式となっている。電力網(スマートネットワーク)におけるサーバでの消費電力量復元グラフの利用は、今後の発電電力量決定のために統計的に電力網全体の電力需要を把握するためであり、リアルタイム性は必要ではない。
【0025】
また、本実施形態では、通信ユニットは、検針器から取得した今回の検針値と今回の検針時刻だけではなく、今回の検針値と前回検針値との検針値変化量もサーバに送信する。今回の検針値は、前回の検針値から大きく変化したものである。従って、サーバは、受信した検針値と、その前に受信している検針値とに基づいて、未通知の範囲の検針値を補間して復元しようとした場合に、その大きな変化を含んで補間してしまう。このため、復元した検針値の誤差が大きくなってしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、通信ユニットは、大きく変化した部分の今回の検針値と前回検針値との検針値変化量を送信する。そして、サーバは、受信した今回の検針値から受信した検針値変化量を減算することにより、大きく変化する直前の前回の検針値をまず復元する。そして、その復元した前回の検針値と、その前に受信している検針値とに基づいて、未通知の範囲の検針値を補間して復元することにより、復元誤差を小さくすることができる。
【0026】
さらに、本実施形態では、消費電力量復元グラフの復元誤差の範囲についても正確に把握することが可能であり、その最大誤差が上述の利用目的に影響を及ぼすほど大きければ、各通信ユニットに設定されている閾値をサーバからの要求で変更することもできる。更に誤差部分を確定させたい場合には、各通信ユニットにおいては検針値情報をサーバ通知対象非対象の判定に係わらず蓄積しているため、サーバからの時刻指定での要求で検針値情報を取得することもできる。
【0027】
図3は、本実施形態における通信ユニットの構成図である。
図3における通信ユニット301は、図1の通信ユニット101に対応する。
通信ユニット301は、個別の検針計量器310に接続され、検針管理機能部302、検針計量器インタフェース308、および無線送受信制御部309を備える。検針計量器インタフェース308は、検針計量器310が検出する検針計量値を、検針管理機能部302に入力する。無線送受信制御部309は、隣接する通信ユニット301をバケツリレー式に経由しながら、後述する図4の収集サーバ401(図1のサーバ103に対応する)との間で送信または受信される通信データを、検針管理機能部302に対して出力または入力させる。
【0028】
検針管理機能部302は、差分計算部として機能する検針値レジスタ部303、変化量レジスタ部304、閾値判定/レジスタ部305を備える。また、検針管理機能部302は、送信制御部として機能するデータ蓄積・検針値/変化量送信部307を備える。さらに、検針管理機能部302は、検針時刻監視・送信時刻監視部306を備える。
【0029】
検針値レジスタ部303は、検針計量器310から検針計量器インタフェース308を介して所定時間(例えば30分)ごとの検針時刻で入力される検針計量値を入力する。そして、いままで内部のレジスタに保持していた今回検針値を内部のレジスタに前回検針値としてセットし、新たに入力した検針計量値を今回検針値として内部のレジスタにセットする。
【0030】
変化量レジスタ部304は、上記検針時刻ごとに、いままで内部のレジスタに保持していた今回変化量を内部のレジスタに前回変化量としてセットする。そして、検針値レジスタ部303において新たにセットされた今回検針値と前回検針値との変化量を算出し、今回変化量として新たに内部のレジスタにセットする。
【0031】
閾値判定/レジスタ部305は、上記検針時刻ごとに、変化量レジスタ部304に新たにセットされた今回変化量と前回変化量の差分を算出する。そして、その差分が内部のレジスタに保持されている閾値の上限値(差分が正の値の場合)と下限値(差分が負の値の場合)の範囲内に収まっているか否かを判定する。閾値判定/レジスタ部305は、上記差分が閾値の範囲内に収まっていない場合のみ、データ蓄積・検針値/変化量送信部307内の送信バッファに、上記検針時刻と検針値レジスタ部303内の今回検針値、および変化量レジスタ部304内の今回変化量を書き込む。閾値判定/レジスタ部305は、上記差分が、閾値の範囲内に収まっている場合には、送信バッファへのデータの書込みは行わない。しかし、閾値判定/レジスタ部305は、データ蓄積・検針値/変化量送信部307内の別のデータバッファに、今回の検針時刻と検針値レジスタ部303が保持する今回検針値を書き込む。閾値は、後述する図4の収集サーバ401から無線送受信制御部309を介して受信され、閾値判定/レジスタ部305の内部のレジスタにセットされる。
【0032】
データ蓄積・検針値/変化量送信部307は、所定の送信時刻(例えば毎日2時)ごとに、送信バッファに蓄積されている検針時刻、検針値、変化量の組を一括して、無線送受信制御部309を介して後述する図4の収集サーバ401に向けて送信する。これらのデータは、1つ以上のパケットデータに組み立てられて送信される。送信バッファにデータが蓄積されていない場合には、上記送信時刻での送信は実施されない。また、データ蓄積・検針値/変化量送信部307は、後述する図4の収集サーバ401からの、検針時刻を指定した検針値の要求に応じて、データバッファ内の該当する検針時刻と検針値の組を、収集サーバ401に向けて送信することができる。
【0033】
検針時刻監視・送信時刻監視部306は、上述の所定時間(例えば30分)ごとの検針時刻タイマ割込みを監視し、検針時刻タイマ割込みの発生を検針値レジスタ部303に通知する。また、検針時刻監視・送信時刻監視部306は、上記所定の送信時刻(例えば毎日2時)の検針値送信待ちタイマ割込みを監視し、検針値送信待ちタイマ割込みの発生をデータ蓄積・検針値/変化量送信部307に通知する。
【0034】
図4は、本実施形態における収集サーバの構成図である。
図4における収集サーバ401は、図1のサーバ103に対応する。
収集サーバ401は、電力量変動監視機能部402、有線送受信制御部408、および電力量グラフ生成/補正部409を備える。有線送受信制御部408は、接続される有線ネットワークに対して受信または送信されるアドホックネットワーク内の各通信ユニット301(図3)との間の通信データを、電力量変動監視機能部402に対して入力または出力させる。
【0035】
電力量変動監視機能部402は、検針データ受信蓄積部として機能するデータ受信ユニット判別部403および検針値/変化量データ蓄積部404を備える。また、電力量変動監視機能部402は、検針値演算復元部として機能する電力変化量演算部405および電力量復元・予測傾き補正部406を備える。さらに、電力量変動監視機能部402は、閾値変更指示部407を備える。
【0036】
データ受信ユニット判別部403は、有線送受信制御部408にて受信されたデータを送信したアドホックネットワーク内の通信ユニット301(図3)を判別する。
検針値/変化量データ蓄積部404は、データ受信ユニット判別部403が判別した通信ユニット301ごとに、有線送受信制御部408にて受信された検針時刻、検針値、変化量の組を、検針値/変化量データ蓄積部404に蓄積する。
【0037】
電力変化量演算部405は、所定の電力量補正タイミング(例えば1000台の全ての通信ユニット301からのそれぞれ1回のデータ受信が完了する1日の所定時刻)ごとに起動される。そして、電力変化量演算部405は、通信ユニット301ごとに、検針値/変化量データ蓄積部404にデータが蓄積されている場合に、通信ユニット301ごとに以下の処理を実行する。まず、電力変化量演算部405は、内部のレジスタに保持されている今回検針時刻、今回検針値、および今回変化量を、同じく内部のレジスタに前回検針時刻、前回検針値、および前回変化量としてセットする。次に、電力変化量演算部405は、検針値/変化量データ蓄積部404から検針時刻、検針値、変化量の組を検針時刻の古い順に読み出し、それぞれ今回検針時刻、今回検針値、及び今回変化量として、内部のレジスタにセットする。
【0038】
続いて、電力量復元・予測傾き補正部406は、電力変化量演算部405が演算した上記各レジスタ値に基づいて、今回検針時刻の1つ前(例えば30分前)の検針時刻の検針値を復元する。続いて、電力量復元・予測傾き補正部406は、上記各レジスタ値に基づいて、前回検針時刻から今回検針時刻の1つ前の検針時刻までの検知値の傾きを補正する。さらに、電力量復元・予測傾き補正部406は、前回検針時刻と今回検針時刻の1つ前の検針時刻の間の未通知の(30分ごとの)各検針時刻の検針値を算出する。電力量復元・予測傾き補正部406は、上述のようにして復元した前回検針時刻から今回検針時刻までの各検針値を、それぞれに対応する検針時刻と共に、電力量グラフ生成/補正部409に出力する。
【0039】
以上の電力変化量演算部405と電力量復元・予測傾き補正部406の処理は、1回の電力量補正タイミングにおいて、通信ユニット301ごとに、検針値/変化量データ蓄積部404にデータが存在する限り、繰り返し実行される。この結果、電力量グラフ生成/補正部409には、通信ユニット301ごとに、1回の電力量補正タイミングに対応する例えば1日分の検針時刻および検針値の組が復元される。
【0040】
電力量グラフ生成/補正部409は、通信ユニット301ごとに、1回の電力量補正タイミングに対応して得られた例えば1日分の検針時刻および検針値の組に基づいて、通信ユニット301ごとの電力量グラフを生成する。
【0041】
閾値変更指示部407は、収集サーバ401側での検針値の統計値において誤差が大きいと判断したような場合に、一部または全ての通信ユニット301に対して閾値のデータを送信する。図3の通信ユニット301では、収集サーバ401からの閾値データを閾値判定/レジスタ部305が受信し、内部のレジスタにセットする。
【0042】
次に、図5は、図3の構成を有する通信ユニット301の検針管理機能部302が実行する通信ユニット検針管理処理の制御動作を示すフローチャートである。
まず、通信ユニット301内の特には図示しない検針値送信待ちタイマがセットされる(ステップS501)。
【0043】
次に、図3の検針時刻監視・送信時刻監視部306から、検針時刻タイマ割込みまたは検針値送信待ちタイマ割込みの何れかのイベントが発生したか否かが判定される(ステップS502)。
【0044】
ステップS502で、その通信ユニット301が動作を開始して以来初回の検針時刻タイマ割込みが発生したと判定された場合には、次の処理が実行される。
まず、図3の検針値レジスタ部303で、検針計量器310から検針計量器インタフェース308を介して入力している検針計量値が、今回検針値として内部のレジスタにセットされる(ステップS503)。
【0045】
次に、図3の閾値判定/レジスタ部305で、今回の検針時刻(現在の時刻)と、ステップS503で得られた今回検針値の組が、図3のデータ蓄積・検針値/変化量送信部307内の送信バッファに書き込まれる(ステップS504)。この送信バッファへの書込み動作によって、初回の検針時刻タイマ割込み時の検針値は、必ず収集サーバ401(図4)に送信されることになる。
【0046】
その後、ステップS502のイベント判定処理に戻る。
ステップS502で、その通信ユニット301が動作を開始して以来2回目の検針時刻タイマ割込みが発生したと判定された場合には、次の処理が実行される。
【0047】
まず、図3の検針値レジスタ部303で、いままで内部のレジスタに保持されていた今回検針値が内部のレジスタに前回検針値としてセットされる(ステップS505)。
次に、検針値レジスタ部303で、新たに入力した検針計量値が今回検針値として内部のレジスタにセットされる(ステップS506)。
【0048】
次に、図3の変化量レジスタ部304で、検針値レジスタ部303において新たにセットされた今回検針値と前回検針値との変化量が算出され、今回変化量として新たに内部のレジスタにセットされる(ステップS507)。より具体的には、次の(1)式に基づく計算が実行される。
今回変化量=(今回検針値−前回検針値)/(検針時間間隔) ・・・(1)
ここで、検針時間間隔は、検針時刻タイマ割込みの時間間隔(例えば30分)である。
【0049】
次に、図3の閾値判定/レジスタ部305で、今回の検針時刻と、ステップS506で得た今回検針値と、ステップS507で得た今回変化量の組が、図3のデータ蓄積・検針値/変化量送信部307内の送信バッファに書き込まれる(ステップS508)。この送信バッファへの書込み動作によって、2回目の検針時刻タイマ割込時の検針値と変化量についても、必ず収集サーバ401(図4)に送信されることになる。
【0050】
その後、ステップS502のイベント判定処理に戻る。
ステップS502で、その通信ユニット301が動作を開始して以来3回目以降の検針時刻タイマ割込みが発生したと判定された場合には、次の処理が実行される。
【0051】
まず、図3の検針値レジスタ部303で、いままで内部のレジスタに保持されていた今回検針値が内部のレジスタに前回検針値としてセットされる(ステップS509)。
次に、検針値レジスタ部303で、新たに入力した検針計量値が今回検針値として内部のレジスタにセットされる(ステップS510)。
【0052】
次に、図3の変化量レジスタ部304で、いままで内部のレジスタに保持されていた今回変化量が内部のレジスタに前回変化量としてセットされる(ステップS511)。
次に、変化量レジスタ部304で、検針値レジスタ部303において新たにセットされた今回検針値と前回検針値との変化量が算出され、今回変化量として新たに内部のレジスタにセットされる(ステップS512)。より具体的には、ステップS507の場合と同様の前述の(1)式に基づく計算が実行される。
【0053】
次に、図3の閾値判定/レジスタ部305で、閾値判定が行われる(ステップS513)。より具体的には、変化量レジスタ部304に新たにセットされた今回変化量と前回変化量の差分が算出される。そして、その差分が正値の場合には、次に(2)式により、内部のレジスタに保持されている閾値の上限値(=正値である閾値自身)より大きいか否かが判定される。
(閾値上限値)<{(今回変化量)−(前回変化量)} ・・・(2)
一方、上記差分が負値の場合には、次に(3)式により、内部のレジスタに保持されている閾値の下限値(=正値である閾値に負符号を付けた値)より小さいか否かが判定される。
{(今回変化量)−(前回変化量)}<(閾値下限値) ・・・(3)
【0054】
閾値判定/レジスタ部305で、上記(2)式または(3)式の判定がYESと判定された場合には、今回の検針時刻と、ステップS510で得られた今回検針値と、ステップS512で得られた今回変化量の組が、図3のデータ蓄積・検針値/変化量送信部307内の送信バッファに書き込まれる(ステップS513→ステップS514)。この送信バッファへの書込み動作によって、今回変化量と前回変化量の差分が閾値の範囲を超えたときにのみ、今回の検針時刻の検針値と変化量が収集サーバ401(図4)に送信されることになる。その後、ステップS502のイベント判定処理に戻る。
【0055】
閾値判定/レジスタ部305で、上記(2)式または(3)式の判定がNOと判定された場合には、送信バッファへのデータの書込みは行わず、ステップS502のイベント判定処理に戻る。このようにして、今回変化量と前回変化量の差分が閾値の範囲内に収まっているときには、今回の検針値と変化量は収集サーバ401には送信されない。なお、図5には示していないが、前述したように、閾値判定/レジスタ部305は、データ蓄積・検針値/変化量送信部307内の別のデータバッファに、今回の検針時刻と検針値レジスタ部303が保持する今回検針値を書き込む。その後、ステップS502のイベント判定処理に戻る。
【0056】
以上のようして、送信すべき検針情報を用意する処理が繰り返される中で、ステップS502で、検針値送信待ちタイマ割込みが発生したと判定された場合には、次の処理が実行される。
【0057】
まず、図3のデータ蓄積・検針値/変化量送信部307で、内部の送信バッファに蓄積されているデータ組が、まとめて無線送受信制御部309を介して収集サーバ401(図4)に向けて送信される(ステップS515)。
そして、通信ユニット301内の特には図示しない検針値送信待ちタイマがリセットされる(ステップS516)。その後、ステップS502のイベント判定処理に戻る。
【0058】
以上のようにして、各通信ユニット301(図3)から収集サーバ401(図4)へは、各検針時刻(例えば30分)ごとに検出される検針値と変化量のうち、今回変化量と前回変化量の差分が閾値の範囲を超えた検針時刻の検針値と変化量のみが送信される。電力網(スマートネットワーク)における各通信ユニット301での検針動作においては、検針値の変化量の差分、すなわち、検針値の2次微分値が一日中変化し続けるということはほとんどない。このため、今回変化量と前回変化量の差分が閾値の範囲を超えた検針時刻の検針値と変化量のみを送信することにより、各通信ユニット301から収集サーバ401への通信料を大幅に削減することが可能となる。
【0059】
図6は、図4の構成を有する収集サーバ401の電力量変動監視機能部402が実行する収集サーバ電力量変動監視処理の制御動作を示すフローチャートである。
まず、収集サーバ401内の特には図示しない電力量補正タイマがセットされる(ステップS601)。
【0060】
次に、検針データ受信割込みまたは電力量補正タイマ割込みの何れかのイベントが発生したか否かが判定される(ステップS602)。
ステップS602で、図4の有線送受信制御部408から検針データ受信の割込みの発生が判定されると、次の処理が実行される。
【0061】
まず、図4のデータ受信ユニット判別部403で、有線送受信制御部408にて受信されたデータを送信したアドホックネットワーク内の通信ユニット301(図3)が判別される(ステップS603)。
【0062】
そして、図4の検針値/変化量データ蓄積部404で、データ受信ユニット判別部403が判別した通信ユニット301に対応する内部のバッファキューに、有線送受信制御部408にて受信された検針時刻、検針値、変化量の組が格納される(ステップS604)。
【0063】
その後、ステップS602のイベント判定処理に戻る。
上述の処理の繰返しにより、例えば1000台の全ての通信ユニット301からのそれぞれ1回のデータ受信が完了する1日の所定時刻の頃に、ステップS602で、電力量補正タイマ割込みの発生が判定されると、次の一連の処理が実行される。
【0064】
まず、図4の電力変化量演算部405で、通信ユニット301ごとに、検針値/変化量データ蓄積部404内のバッファキューにデータが蓄積されているか否かが判定される(ステップS605)。
【0065】
ステップS605の判定がYESなら、電力変化量演算部405で、内部のレジスタに保持されている今回検針時刻、今回検針値、および今回変化量が、同じく内部のレジスタに前回検針時刻、前回検針値、および前回変化量として退避される(ステップS606)。
【0066】
次に、電力変化量演算部405で、検針値/変化量データ蓄積部404内のバッファキューから検針時刻、検針値、変化量の組が検針時刻の古い順に読み出され、それぞれ今回検針時刻、今回検針値、及び今回変化量として、内部のレジスタにセットされる(ステップS607)。
【0067】
続いて、図4の電力量復元・予測傾き補正部406で、電力変化量演算部405で演算され上記各レジスタ値に基づいて、今回検針時刻の1つ前(例えば30分前)の検針時刻の検針値が復元される(ステップS608)。より具体的には、次の(4)式の計算が実行される。
(今回検針時刻から30分前の検針値)=(今回検針値)−(今回変化量)
・・・(4)
【0068】
続いて、電力量復元・予測傾き補正部406で、上記各レジスタ値に基づいて、前回検針時刻から今回検針時刻の1つ前の検針時刻までの検知値の傾きが補正される(ステップS609)。より具体的には、次の(5)式の計算が実行される。
(補正後の傾き)=
{(今回検針時刻から30分前の検針値)−(前回検針値)}
/{(今回検針時刻から30分前の検針時刻)−(前回検針時刻)}
・・・(5)
【0069】
さらに、電力量復元・予測傾き補正部406で、前回検針時刻と今回検針時刻の1つ前の検針時刻の間の未通知の(30分ごとの)各検針時刻の検針値が算出される(ステップS610)。より具体的には、次の(6)式の計算が実行される。
(未通知検針値)=
{(未通知検針時刻)−(前回検針時刻)}×(補正後の傾き)+(前回検針値)
・・・(6)
上記(6)式による未通知検針値の計算は、前回検針時刻と今回検針時刻の1つ前の検針時刻の間の全ての未通知検針時刻について実行される。
【0070】
以上のステップS608およびS610によって復元された前回検針時刻から今回検針時刻までの各検針値は、それぞれに対応する検針時刻と共に、図4の電力量グラフ生成/補正部409に出力される。
【0071】
以上の電力変化量演算部405と電力量復元・予測傾き補正部406の処理は、1回の電力量補正タイミングにおいて、通信ユニット301ごとに、検針値/変化量データ蓄積部404にデータが存在する限り、繰り返し実行される(ステップS610→S605)。
【0072】
ステップS605において、検針値/変化量データ蓄積部404内のバッファキューが空になったと判定されると、次の電力量補正タイミングの検出のために、電力量補正タイマが再度セットされる(ステップS611)。その後、ステップS602のイベント判定処理に戻る。
【0073】
以上の処理の結果、図4の電力量グラフ生成/補正部409には、通信ユニット301ごとに、1回の電力量補正タイミングに対応する例えば1日分の検針時刻および検針値の組が復元されることになる。
【0074】
検針時刻、検針値と一緒に検針値変化量を送信する理由について、以下に説明する。検針値変化量の差分が閾値内であるが閾値に近い場合を考察する。図7は、実施形態における電力量の復元動作の説明図であり、(a)は検針器が示す電力量グラフ、(b)は電力変化量グラフ、(c)は電力量復元グラフである。図7(a)の「×」印の時間タイミングが、サーバ通知対象とならないタイミング、図7(a)の「○」印の時間タイミングが、サーバ通知対象のタイミングである。なお、図7(a)の701aが検針器が示す電力量グラフであり、701bは図7(c)の電力量復元グラフを重ねたものである。また、図7(b)に示される各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。図7(c)に示される点線が、復元された電力量のグラフである。
【0075】
(1)図7(b)の電力変化量グラフのA期間のように、検針値変化量の差分が閾値ぎりぎりの期間が続いたとする。
(2)06:30のタイミングで検針値情報をサーバ通知対象とするが、ここで検針値変化量を通知しない場合、その通知タイミングの直前まで、サーバは、電力量は前回変化量に基づいて電力変化量グラフを予測する。この結果、実際には、前回変化量よりもかなり大きな変化量で電力が変化しているにもかかわらず、サーバは、702bとして示されるように、かなり少なめの変化を予測してしまう。そして、上記通知タイミングで大きな変化が発生したとたんに、サーバは、通知された検針値に合わせようとして、図7(c)のαの傾きを設定してしまい、実際の電力量変化量との差分が大きくなってしまう。この結果、電力変化量復元グラフは、図7(a)の701bのように、図7(a)の701aの実際の電力変化量に比べて、ずれたものとなってしまう。
【0076】
(3)これに対して、本実施形態では、06:30のタイミングで検針値変化量も通知することで、サーバは、今回検針時刻の直前の検針時刻における検針値を、(今回検針値−今回変化量)として算出することができる。この結果、前回検針時刻から今回検針時刻の直前の検針時刻までのグラフの傾きが図7(c)の702aのように補正され、実際の電力量変化量との差分を吸収することが可能となる。
【0077】
このように、本実施系では、電力量とともに電力量の傾きをサーバに通知することで、サーバ側で通信ユニット(子局)の電力量変化をほぼ正確に復元することが可能である。
【0078】
次に、閾値ぎりぎりの場合でも復元が可能かどうかを考察する。
ケース1:通知された電力に対して、多く電力を使用した期間と少なく使用した期間が同じの場合
図8は、最初に予測した傾きに対して、多く電力を使用した期間と少なく使用した期間が同じの場合の説明図である。図8(a)、(b)、(c)は、図7(b)と同様に、各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。801a、801bは、最新の通知情報で通知された電力より多く電力を使用した場合で、802a、802bは、少なく電力を使用した場合になる。図8(c)と図8(d)の803は、本実施形態により復元される電力量復元グラフである。図8(d)において、804および805は、それぞれ図8(a)および(b)のケースに対応する実際の電力量グラフである。806と807は、閾値により規定される誤差範囲(上限値と下限値)である。808は、変化量を通知しない場合に復元される電力量復元グラフである。
【0079】
まず、図8(a)は、801aとして閾値を超えない範囲で最初に電力を多く使い出した後に、802aとして少なく使い、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図8(d)の804となる。
【0080】
次に、図8(b)は、802bとして最初に電力を少なく使い出した後に、801bとして多く使い、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図8(d)の805となる。
【0081】
図8(c)および図8(d)の803は、本実施形態によるサーバ側での復元グラフを表している。電力量消費量が一定の状態では、復元電力量消費量803は、実際の電力量消費量と同じ真ん中の直線のように復元される。
【0082】
図8(d)に示されるグラフは、実際の検針時刻と電力量の検針値と電力量の傾きである変化量からサーバ側で電力量を復元した図を示したもので、測定開始から最初の2個のデータをサーバに通知する。閾値を超えない範囲で使用している間は、何もグラフに変化はない。そして、ある時間で、急に電力の使用量が増え、閾値以上の傾きになった場合は、子局の通信ユニットは、変化する前の電力量と閾値を超えた時点の電力量から傾きを計算し、検針時刻と電力量の検針値とともに電力量の傾きである変化量をサーバに通知する。これにより、サーバ側では、図8(d)の803のグラフを復元する。但し、閾値制御であるため、806と807の線の枠内が誤差範囲となる。本実施形態において、復元されたグラフ803は、実際の電力量のグラフ804または805からずれることになる。しかし、これは806または807の誤差の範囲内であり、閾値を小さくすることで誤差を減らすことが可能となる。すなわち、図4の収集サーバ401内の閾値変更指示部407が、各通信ユニット301内の閾値判定/レジスタ部305に、閾値データを送信することにより、誤差の範囲をコントロールすることが可能となる。
【0083】
なお、このようなケースにおいては、変化量を通知しない場合であっても、図8(d)の808として示されるように、本実施形態の場合とほぼ同等のグラフが得られる。
【0084】
ケース2:通知された電力に対して、多く電力を使用した期間が、少なく電力を使用した期間より長い場合
図9は、最初に予測した傾きに対して、多く電力を使用した期間が、少なく電力を使用した期間より長い場合の説明図である。図9(a)、(b)、(c)は、図7(b)と同様に、各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。901a、901b、901c、901dは、最新の通知情報で通知された電力より多く電力を使用した場合で、902a、902bは、少なく電力を使用した場合になる。図9(d)と図9(e)の903は本実施形態により復元される電力量復元グラフである。図9(e)において、904、905、および906はそれぞれ、図9(a)、(b)、および(c)のケースに対応する実際の電力量グラフである。907と908は、閾値により規定される誤差範囲(上限値と下限値)である。909は、変化量を通知しない場合に復元される電力量復元グラフである。
【0085】
まず、図9(a)は、901aとして閾値を超えない範囲で最初に電力を多く長めに使い出した後に、902aとして少なく短めに使い、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図9(e)の904となる。
【0086】
次に、図9(b)は、902bとして最初に電力を少なく短めに使い出した後に、901bとして多く長めに使い、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図9(e)の905となる。
【0087】
次に、図9(c)は、最初の予測と同程度の電力を使用している状態から、901cとして多少多く長めに使用し、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図9(e)の906となる。
【0088】
図9(d)および図9(e)の903は、本実施形態によるサーバ側での復元グラフを表している。最初から閾値を超えない範囲で微妙に多めに使用されているというように復元される。
【0089】
図9(e)に示されるグラフは、図8(d)の場合と同様に、実際の検針時刻と電力量の検針値と電力量の傾きである変化量からサーバ側で電力量を復元した図を示したもので、測定開始から最初の2個のデータをサーバに通知する。閾値を超えない範囲で使用している間は、何もグラフに変化はない。そして、ある時間で、急に電力の使用量が増え、閾値以上の傾きになった場合は、子局の通信ユニットは、変化する前の測定値と閾値を超えた時点の電力量から傾きを計算し、検針時刻と電力量の検針値とともに電力量の傾きである変化量をサーバに通知する。これにより、サーバ側では、図9(e)の903のグラフを復元する。図8(d)の場合と同様に、本実施形態において、復元されたグラフ903は、実際の電力量のグラフ904、905、または906からずれることになる。しかし、これは907または908の誤差の範囲内であり、閾値を小さくすることで誤差を減らすことが可能となる。
【0090】
なお、このケースでは、変化量を通知しない場合には、図9(e)の909として示されるように、予測値が実際の変化を大きく下回るため、グラフは907または908の誤差の範囲を大きく逸脱してしまい、サーバからの誤差のコントロールが困難である。
【0091】
ケース3:通知された電力に対して、少なく電力を使用した期間が、多く電力を使用した期間より長い場合
図10は、最初に予測した傾きに対して、少なく電力を使用した期間が、多く電力を使用した期間より長い場合の説明図である。図10(a)、(b)、(c)は、図7(b)と同様に、各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。1001a、1001bは、最新の通知情報で通知された電力より多く電力を使用した場合で、1002a、1002b、1002c、1002dは、少なく電力を使用した場合になる。図10(d)と図10(e)の1003は本実施形態により復元される電力量復元グラフである。図10(e)において、1004、1005、および1006はそれぞれ、図10(a)、(b)、および(c)のケースに対応する実際の電力量グラフである。1007と1008は、閾値により規定される誤差範囲(上限値と下限値)である。1009は、変化量を通知しない場合に復元される電力量復元グラフである。
【0092】
まず、図10(a)は、1001aとして閾値を超えない範囲で最初に電力を多く短めに使い出した後に、1002aとして少なく長めに使い、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図10(e)の1004となる。
【0093】
次に、図10(b)は、1002bとして最初に電力を少なく長めに使い出した後に、1001bとして多く短めに使い、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図10(e)の1005となる。
【0094】
次に、図10(c)は、最初の予測と同程度の電力使用している状態から、1002cとして多少少なく長めに使用し、最後に閾値を超える電力を使用した場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図10(e)の1006となる。
【0095】
図10(d)および図10(e)の1003は、本実施形態によるサーバ側での復元グラフを表している。最初から閾値を超えない範囲で微妙に少なめに使用されているという風に復元される。
【0096】
図10(e)に示されるグラフは、図8(d)や図9(e)の場合と同様に、実際の検針時間と電力量の検針値と電力量の傾きである変化量からサーバ側で電力量を復元した図を示したもので、測定開始から最初の2個のデータをサーバに通知する。閾値を超えない範囲で使用している間は、何もグラフに変化はない。そして、ある時間で、急に電力の使用量が増え、閾値以上の傾きになった場合は、子局の通信ユニットは、変化する前の測定値と閾値を超えた時点の電力量から傾きを計算し、検針時刻と電力量の検針値とともに電力量の傾きである変化量をサーバに通知する。これにより、サーバ側では、図10(e)の1003のグラフを復元する。図8(d)の場合と同様に、本実施形態において、復元されたグラフ1003は、実際の電力量のグラフ1004、1005、または1006からずれることになる。しかし、これは1007または1008の誤差の範囲内であり、閾値を小さくすることで誤差を減らすことが可能となる。
【0097】
なお、このケースでは、変化量を通知しない場合には、図10(e)の1009として示されるように、予測値が実際の変化を大きく上回るため、グラフは1007または1008の誤差の範囲を大きく逸脱してしまい、サーバからの誤差のコントロールが困難である。
【0098】
ケース4:通知された電力に対して、ずっと多く電力を使用した場合
図11は、最初に予測した傾きに対して、ずっと多く電力を使用した場合の説明図である。図11(a)は、図7(b)と同様に、各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。1101は、最新の通知情報で通知された電力より多く電力を使用した場合にある。図11(b)の1102は本実施形態により復元される電力量復元グラフである。図11(b)において、1103は、図11(a)のケースに対応する実際の電力量グラフである。1104は、閾値により規定される誤差範囲(上限値)である。1105は、変化量を通知しない場合に復元される電力量復元グラフである。
【0099】
まず、図11(a)は、1101として閾値を超えない範囲で最初に電力を多く使い続けた場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図11(b)の1103となる。
【0100】
図11(b)に示されるグラフは、図8(d)、図9(e)、図10(e)の場合と同様に、実際の検針時刻と電力量の検針値と電力量の傾きである変化量からサーバ側で電力量を復元した図を示したもので、測定開始から最初の2個のデータをサーバに通知する。閾値を超えない範囲で多く電力を使用しても、予測に対して何もグラフに変化はない。そして、ある時間で、急に電力の使用量が増え、閾値以上の傾きになった場合は、子局の通信ユニットは、変化する前の測定値と閾値を超えた時点の電力量から傾きを計算し、検針時刻と電力量の検針値とともに電力量の傾きである変化量をサーバに通知する。これにより、サーバ側では、図11(b)の1102のグラフを復元する。ほぼ、正確に復元が行われていることがわかる。
【0101】
なお、このケースでは、変化量を通知しない場合には、図11(b)の1105として示されるように、予測値が実際の変化を大きく下回るため、グラフは1104の誤差の範囲を大きく逸脱してしまい、サーバからの誤差のコントロールが困難である。
【0102】
ケース5:通知された電力に対して、ずっと少なく電力を使用した場合
図12は、最初に予測した傾きに対して、ずっと少なく電力を使用した場合の説明図である。図12(a)は、図7(b)と同様に、各帯状の領域において、各領域の中央横線が前回変化量、その中央横線の上下の帯が、閾値の範囲内となる今回変化量と前回変化量の差分である。1201は、最新の通知情報で通知された電力より少なく電力を使用した場合にある。図12(b)の1202は本実施形態により復元される電力量復元グラフである。図12(b)において、1203は、図12(a)のケースに対応する実際の電力量グラフである。1204は、閾値により規定される誤差範囲(下限値)である。1205は、変化量を通知しない場合に復元される電力量復元グラフである。
【0103】
まず、図12(a)は、1201として閾値を超えない範囲で最初に電力を少なく使い続けた場合である。この場合に対応する実際の電力量グラフは、図12(b)の1203となる。
【0104】
図12(b)に示されるグラフは、図8(d)、図9(e)、図10(e)の場合と同様に、実際の検針時刻と電力量の検針値と電力量の傾きである変化量からサーバ側で電力量を復元した図を示したもので、測定開始から最初の2個のデータをサーバに通知する。閾値を超えない範囲で少なく電力を使用しても、予測に対して何もグラフに変化はない。そして、ある時間で、急に電力の使用量が増え、閾値以上の傾きになった場合は、子局の通信ユニットは、変化する前の測定値と閾値を超えた時点の電力量から傾きを計算し、検針時刻と電力量の検針値とともに電力量の傾きである変化量をサーバに通知する。これにより、サーバ側では、図12(b)の1202のグラフを復元します。このケースでも、ほぼ、正確に復元が行われていることがわかる。
【0105】
なお、このケースでは、変化量を通知しない場合には、図12(b)の1205として示されるように、予測値が実際の変化を大きく上回るため、グラフは1204の誤差の範囲を大きく逸脱してしまい、サーバからの誤差のコントロールが困難である。
【0106】
図13は、本実施形態の場合と変化量を送らない場合の更に詳細な比較説明図である。
前述した図2の20:00から23:00までの動作に対応している。
(1)20:30に検針値と変動量を受信したことにより、サーバは予測線Aで電力量の予測を開始する。
(2)21:00から22:30まではデータ受信なしなので、傾きβのまま電力量を予測する。
【0107】
(3)23:00にデータを受信することにより、
3−1)サーバは検針値を受信することで、23:00の電力量Xが確定できる
3−2)サーバは変動量を受信することで、22:30と23:00間の傾きがわかり、その傾きα/2で電力量の予測を開始することができる。
(4)このとき変動量を通知しないと、サーバは予測線Cfsで予測開始することになり、電力需要の予測が大幅に狂うことになる。
【0108】
以上により、変動量を送ることでサーバは計器が示す電力量と同等のグラフを復元することが可能となり、電力需要の予測がより正確に把握できる。
なお一般に、サーバは、各通信ユニットの生死監視をする必要がある。そのために、閾値の範囲内に収まっている場合でもヘッダのみのデータを送ることで子局の生死監視する手法が考えられる。しかし、これは子局である通信ユニットと親局であるサーバ間のネットワークに計測値以外の不用なデータが流れていることになる。これに対して、本実施形態では、例えばアドホックネットワークを対象とすることにより、HELLOパケットと呼ばれる生死監視パケットを使って子局である通信ユニット同士がお互いを監視しているため、子局である通信ユニットと親局であるサーバ間のネットワーク間で不用なデータが流れることはない。
【0109】
図14は、本実施形態による通信ユニット301の検針管理機能部302または収集サーバ401の電力量変動監視機能部402の機能をソフトウェア処理として実現できるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0110】
図14に示される通信ユニット301または収集サーバ401を構成するコンピュータは、CPU1401、メモリ1402、入力装置1403、出力装置1404、外部記憶装置1405、可搬記録媒体1409が挿入される可搬記録媒体駆動装置1406、及び通信インタフェース1407を有し、これらがバス1408によって相互に接続された構成を有する。同図に示される構成は上記システムを実現できるコンピュータの一例であり、そのようなコンピュータはこの構成に限定されるものではない。
【0111】
CPU1401は、当該コンピュータ全体の制御を行う。メモリ1402は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置1405(或いは可搬記録媒体1409)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CUP1401は、プログラムをメモリ1402に読み出して実行することにより、全体の制御を行う。
【0112】
入出力装置1403は、ユーザによるキーボードやマウス等による入力操作を検出し、その検出結果をCPU1401に通知し、CPU1401の制御によって送られてくるデータを表示装置や印刷装置に出力する。
【0113】
外部記憶装置1405は、例えばハードディスク記憶装置である。主に各種データやプログラムの保存に用いられる。
可搬記録媒体駆動装置1406は、光ディスクやSDRAM、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬記録媒体1409を収容するもので、外部記憶装置1405の補助の役割を有する。
【0114】
通信インタフェース1407は、例えばアドホックネットワーク、LAN(ローカルエリアネットワーク)、またはWAN(ワイドエリアネットワーク)の通信回線を接続するための装置である。
【0115】
本実施形態によるシステムは、図3の通信ユニット301として実現される場合には、図5の動作フローチャート等で実現される機能を搭載したプログラムをCPU1401が実行することで実現される。また、図4の収集サーバ401として実現される場合には、図6の動作フローチャート等で実現される機能を搭載したプログラムをCPU1401が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置1405や可搬記録媒体1409に記録して配布してもよく、或いはネットワーク接続装置1407によりネットワークから取得できるようにしてもよい。
【0116】
以上説明した実施形態により、変化率の緩急にかかわらず変化率が長時間変化しない特性を示す時系列関数に対しての適用は、非常に有効である。ここで、電力網に存在する電力消費地各点の大部分を占めるのは一般的な家庭である。この一般的な家庭における消費電力量の時系列関数は、増加率が長時間変化しない増加関数特性を示す時間帯が存在する(深夜や無人となる昼間など)。したがって、本実施形態の適用は電力網(スマートネットワーク)における検針データ通知制御方法に対して有効である。つまり、電力量変化量に大きな変化が無い標準的なケースにおいて、送信すべき検針値情報が大幅に削減されるため、電力ネットワークの輻輳を回避することが可能となる。前述の例においては、検針値情報通知パケット数は1日8パケットとなり、1家庭1日あたり1/6のパケット量に削減でき、ネットワーク全体での検針情報通知総量もほぼ1/6のパケット量に削減できる。
【0117】
また、本実施形態は、電力網(スマートネットワーク)に限られるものではなく、変化率の緩急にかかわらず変化率が長時間変化しない特性を示す時系列関数に対してであれば、広い範囲のネットワークに応用することが可能である。
【0118】
また、サーバでの検針情報受信パケットもほぼ1/6に削減でき、サーバ負荷の軽減化及び必要サーバ台数の削減が可能となる。
さらに、検針値情報通知回数が減少しても、それは単純に検針間隔を広げたことによる通知回数削減ではなく、冗長情報の通知削減による減少である。このため、サーバ側に通知された検針値と検針時刻と検針値変化量を元に、サーバ側で消費電力量の復元が可能であり、この復元値による需用電力の予測が可能となる。
【符号の説明】
【0119】
101、301 通信ユニット
102 ゲートウェイ(GW)
103 サーバ
302 検針管理機能部
303 検針値レジスタ部
304 変化量レジスタ部
305 閾値判定/レジスタ部
306 検針時刻監視・送信時刻監視部
307 データ蓄積・検針値/変化量送信部
308 検針計量器インタフェース
309 無線送受信制御部
310 検針計量器
401 収集サーバ
402 電力量変動監視機能部
403 データ受信ユニット判別部
404 検針値/変化量データ蓄積部
405 電力変化量演算部
406 電力量復元・予測傾き補正部
407 閾値変更指示部
408 有線送受信制御部
409 電力量グラフ生成/補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検針データを通信ユニットから検針データの収集側に通知する方法であって、
前回通知した検針値の変化量と、前回の検針値と今回の検針値より計算した検針値の変化量との差分を計算し、
前記計算した差分が所定の閾値を超えた場合に、前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータとを送信する、
ことを特徴とする通信ユニットの検針データ送信制御方法。
【請求項2】
前記送信する検針データに含まれる前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータは、今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記前回の検針値と前記今回の検針値により導出された検針値変化量の3つのデータを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信ユニットの検針データ送信制御方法。
【請求項3】
前記計算した差分が所定の閾値を超えた場合に前記検針値に対応する検針データを送信バッファへ格納し、
所定の他の通信ユニットと重複しない送信タイミングで、前記送信バッファに格納された一連の検針データをまとめて送信する、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の通信ユニットの検針データ送信制御方法。
【請求項4】
検針データをネットワークを介して該検針データ収集側に通知する通信ユニットであって、
前回通知した検針値の変化量と、前回の検針値と今回の検針値より計算した検針値の変化量との差分を計算する差分計算部と、
前記計算した差分が所定の閾値を超えた場合に、前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータとを送信する送信制御部と、
を有することを特徴とする通信ユニット。
【請求項5】
前回通知した検針値の変化量と、前回の検針値と今回の検針値より計算した検針値の変化量との差分を計算し、
上記前記計算した差分が所定のしきい閾値を超えた場合に、前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータとを送信する、
機能を通信ユニットに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
前回通知した検針値の変化量と、前回の検針値と今回の検針値より計算した検針値の変化量との差分を計算し、
前記計算した差分が所定の閾値を超えた場合に、前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータとを送信する、
処理を通信ユニットにて実行し、
前記通信ユニットから送信された検針データを受信し、
前記検針データに含まれる前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータに基づいて、前記通信ユニットにおける検針値を復元する、
処理を前記通信ユニット301からの検針データを収集するサーバ装置にて実行する、
ことを特徴とする検針データ通信制御方法。
【請求項7】
前記一連の検針データに含まれる前記今回の検針値と前記前回の検針値を与えるためのデータは、今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記前回の検針値と前記今回の検針値により導出された検針値変化量の3つのデータを含み、
第1の組の検針データ中の前記今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記検針値変化量とに基づいて、前記第1の組の今回の検針値から前記第1の組の検針値変化量を減算することにより前記第1の組の前記今回の検針時刻の1つ前の検針時刻における検針値を復元し、
前記復元した前記第1の組の検針時刻の1つ前の検針時刻における検針値と、前記第1の組の検針データの一組前の第2の組の検針データ中の前記今回の検針時刻および前記今回の検針値とに基づいて、前記通信ユニットから通知されない検針値を復元する、
ことを特徴とする請求項6に記載の検針データ通信制御方法。
【請求項8】
前記計算した差分が所定の閾値を超えた場合に、前記検針データを送信バッファへ格納し、
所定の送信タイミングで、前記送信バッファに格納された検針データをまとめて送信する、
処理を前記通信ユニットにて実行する、
ことを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の通信ユニットの検針データ送信制御方法。
【請求項9】
前記サーバ装置において、前記検針値の統計値において誤差が大きいと判定した場合に、一部または全ての前記通信ユニットに対して前記所定の閾値のデータを送信して使用させることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の通信ユニットの検針データ送信制御方法。
【請求項10】
通信ユニットから送信された検針データを受信し、
前記検針データは今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記前回の検針値と前記今回の検針値により導出された検針値変化量の3つのデータを含み、
第1の組の検針データ中の前記今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記検針値変化量とに基づいて、前記第1の組の今回の検針値から前記第1の組の検針値変化量を減算することにより前記第1の組の前記今回の検針時刻の1つ前の検針時刻における検針値を復元し、
前記復元した前記第1の組の検針時刻の1つ前の検針時刻における検針値と、前記第1の組の検針データの一組前の第2の組の検針データ中の前記今回の検針時刻および前記今回の検針値とに基づいて、前記通信ユニットから通知されない検針値を復元する、
ことを特徴とするサーバ装置の検針データ通信制御方法。
【請求項11】
通信ユニットから送信された検針データを受信して蓄積する検針データ受信蓄積部と、
前記検針データは今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記前回の検針値と前記今回の検針値により導出された検針値変化量の3つのデータを含み、
第1の組の検針データ中の前記今回の検針時刻、前記今回の検針値、および前記検針値変化量とに基づいて、前記第1の組の今回の検針値から前記第1の組の検針値変化量を減算することにより前記第1の組の前記今回の検針時刻の1つ前の検針時刻における検針値を復元し、
前記復元した前記第1の組の検針時刻の1つ前の検針時刻における検針値と、前記第1の組の検針データの一組前の第2の組の検針データ中の前記今回の検針時刻および前記今回の検針値とに基づいて、前記通信ユニットから通知されない検針値を復元する、
検針値演算復元部、
を有することを特徴とするサーバ装置。

【図5】
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【図6】
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【図14】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−199726(P2012−199726A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61833(P2011−61833)
【出願日】平成23年3月20日(2011.3.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】