説明

通信品質推定システム、プログラム、および推定品質推定方法

【課題】基地局および無線端末を備え、基地局および無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、基地局および無線端末の他方が複数のアンテナを有し、一方の少なくとも1つのアンテナと、他方の複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおいて通信品質を十分に評価可能な通信品質推定システムを提供する。
【解決手段】第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定システムは、通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定部と、推定された通信品質と推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信品質推定システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2には、無線通信システムにおける基地局などの設置位置を決定することを支援するための電波伝搬特性を推定するシステムが開示されている。特許文献3には、レイトレーシング法により、送信源から観測点の各々に到来する電波のマルチパス成分毎に受信電力、電波到来方向、電波到来時間を取得するシステムが開示されている。非特許文献4には、各地点における伝搬損失特性、電波遅延特性、電波到来角度特性を推定するシステムが開示されている。
特許文献1 特開2004−304400号公報
特許文献2 特開2007−309709号公報
特許文献3 国際公開2005−088868号公報
非特許文献4 太田、表、藤井著「次世代移動体通信方式における時空間伝搬推定システム」、2007年8月29日、電子情報通信学会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線LANにおいては、より高速な伝送速度を実現するIEEE802.11n規格の標準化が進められている。IEEE802.11nでは、高速化を実現する技術の一つとして、MIMO伝送技術の採用が決まっている。MIMOなどの多対多あるいは1対多のアンテナ同士でデータの送受信を行うシステムでは、例えば、無線端末の移動速度などによってスループット、誤り率またはブロックエラーレートなどが変化してしまうことがある。よって、上記のような受信電力、電波到来方向、電波到来時間などを推定するシステムでは、十分に通信品質を評価することができないことがある。そこで、MIMOなどの多対多あるいは1対多のアンテナ同士でデータの送受信を行うことが可能なシステムにおいて通信品質を十分に評価することができるシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る通信品質推定システムは、基地局および無線端末を備え、基地局および無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、前記基地局および前記無線端末の他方が複数のアンテナを有し、一方の少なくとも1つのアンテナと、他方の複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定システムであって、通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定部と、推定された通信品質と推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を備える。
【0005】
本発明に係る通信品質推定システムの1つの態様では、推定部は、推定地点における都市構造パラメータを含む伝搬損失特定の推定式、推定地点における都市構造パラメータを含む伝搬遅延特性の推定式、および推定地点における都市構造パラメータを含む電波到来角度特性の推定式に基づいて通信品質を推定してもよい。
【0006】
本発明に係る通信品質推定システムの1つの態様では、推定部は、推定地点における無線端末の予め定められた移動速度毎に推定地点毎における通信品質をそれぞれ推定し、出力制御部は、移動速度毎に通信品質と推定地点とをそれぞれ対応付けて出力してもよい。
【0007】
本発明に係る通信品質推定システムの1つの態様では、表示部をさらに備え、出力制御部は、推定地点毎に対応するそれぞれの位置に第1無線通信システムにおける通信品質を示す通信品質画像を重ねた第1地図画像を表示部に出力し、表示部は、第1地図画像を表示してもよい。
【0008】
本発明に係る通信品質推定システムの1つの態様では、推定部は、第1無線通信システムと通信方式が異なる第2無線通信システムにおける通信品質を推定地点毎に推定し、出力制御部は、第1地図画像と、推定地点毎に対応するそれぞれの位置に第2無線通信システムにおける通信品質を示す通信品質画像を重ねた第2地図画像とを出力し、表示部は、第1地図画像と第2地図画像とを表示してもよい。
【0009】
本発明に係る通信品質推定システムの1つの態様では、推定部は、第2無線通信システムの基地局の設置位置に第1無線通信システムの基地局を設置した場合における推定地点毎の通信品質を推定し、出力制御部は、第2無線通信システムの基地局の設置位置に第1無線通信システムの基地局を設置した場合における推定地点毎の通信品質を示す通信品質画像を重ねた第1地図画像と、第2地図画像とを出力してもよい。
【0010】
本発明に係るプログラムは、基地局および無線端末を備え、基地局および無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、基地局および無線端末の他方が複数のアンテナを有し、一方の少なくとも1つのアンテナと、他方の複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定部および、推定された通信品質と推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御部、としてコンピュータを機能させる。
【0011】
本発明に係る通信品質推定方法は、基地局および無線端末を備え、基地局および無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、基地局および無線端末の他方が複数のアンテナを有し、一方の前記少なくとも1つのアンテナと、他方の前記複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定方法であって、通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定段階と、推定された通信品質と推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御段階と、を含む。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る通信品質推定システムの機能ブロックを示す図である。
【図2】表示部に表示される第1地図画像の表示例を示す図である。
【図3】表示部に第1地図画像と第2地図画像と並べて表示した場合の表示例を示す図である。
【図4】新たな基地局を設置した場合の第1地図画像および第2地図画像を並べて表示部に表示した場合の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、基地局および無線端末を備える第1無線通信システムの通信品質を推定する通信品質推定システムの機能ブロックを示す。本実施形態において、第1無線通信システムは、基地局および無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有する。さらに、基地局および無線端末の他方が複数のアンテナを有する。このような第1無線通信システムにおいて、一方の少なくとも1つのアンテナと、他方の複数のアンテナとの間で無線通信が行われる。第1無線通信システムは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)無線通信方式を利用したシステムでもよい。
【0016】
本実施形態における通信品質推定システムは、通信品質として、推定対象地域内の各推定地点における伝搬損失、電波遅延、電波到来角度に基づいて、スループット、誤り率またはブロックエラーレートを推定する。
【0017】
基本パラメータ格納部102は、各推定地点の通信品質を推定する際に必要な基本パラメータを格納する。より具体的には、基本パラメータ格納部102は、基地局のアンテナの基準点からの高さh、基地局から推定地点までの距離d、基地局の送信周波数fを格納する。さらに、基本パラメータ格納部102は、送信側アンテナ素子数、つまり基地局が備えるアンテナ素子数N、受信側アンテナ素子数、つまり無線端末が備えるアンテナ素子数Nを格納する。加えて、基本パラメータ格納部102は、伝送帯域幅B、時間分解能1/Bにより正規化した遅延時間を示すパス番号iを格納する。
【0018】
都市構造パラメータ格納部104は、各推定地点の通信品質をより精度よく推定する際に必要な各推定地点の都市構造に関する都市構造パラメータを格納する。本実施形態では、都市構造パラメータ格納部104は、都市構造パラメータとして、各推定地点における平均建物高さ<H>、道路幅W、道路際平均ビル高さhを格納する。なお、都市構造パラメータ格納部104は、少なくとも一つの推定地点を含む推定領域毎に都市構造パラメータを格納してもよい。
【0019】
ここで、基本パラメータ格納部102および都市構造パラメータ格納部104に格納される各パラメータは、キーボート等の入力部を介して予めユーザにより入力されてもよい。
【0020】
推定式格納部106は、各パラメータを利用して通信品質を推定するための推定式を格納する。推定式は、実測値に基づいて定義された式でもよい。本実施形態では、推定式として、推定地点における都市構造パラメータを含む伝搬損失特定の推定式、推定地点における都市構造パラメータを含む伝搬遅延特性の推定式、および推定地点における都市構造パラメータを含む電波到来角度特性の推定式が格納される。
【0021】
次式に、伝搬損失特性の推定式の一例を示す。
【数1】

【0022】
次式に、伝搬遅延特性の推定式の一例を示す。
【数2】

【0023】
次式に、基地局側の電波到来角度特性の推定式の一例を示す。
【数3】

【0024】
ただし、aおよびβは、次式で定義される。
【数4】

【数5】

【0025】
次式に、無線端末側の電波到来角度特定の推定式の一例を示す。
【数6】

【0026】
ただし、ηは、次式で定義される。
【数7】

【0027】
なお、上記の各推定式は、一例に過ぎない。また、各推定式は、例えば「Report ITU-R M.2135 「Guidelines for evaluation of radio interface technologies for IMT-Advanced」の1.4章「Extension module」に記載された内容に基づくものである。
【0028】
さて、推定部110は、基本パラメータ格納部102および都市構造パラメータ格納部104に格納された各パラメータに基づいて、推定式格納部106に格納された各推定式を利用することにより、各推定地点における伝搬損失、伝搬遅延、および電波到来角度を算出する。さらに、推定部110は、推定部110は、システムレベルシュミレーション、理論式を利用してスループット、誤り率、ブロックエラーレートをそれぞれ算出する。なお、システムレベルシュミレーションは、3GPPに準拠したシステムレベルシュミレーション、またはIMT−Advancedに準拠したシステムレベルシュミレーションでもよい。
【0029】
ここで、推定部110は、無線端末の予め定められた推定対象の移動速度毎にそれぞれの通信品質を算出してもよい。また、推定部110は、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれについて、各推定地点におけるスループット、誤り率、およびブロックエラーレートを算出してもよい。
【0030】
出力制御部120は、地図画像格納部122に格納された地図画像から推定対象の地域を含む地図画像を取得する。さらに、出力制御部120は、地図画像に対して推定地点毎に対応するそれぞれの位置に第1無線通信システムにおける通信品質を示す通信品質画像を重ねた第1地図画像を生成し、表示部130に出力する。推定部110が無線端末の移動速度毎に通信品質を算出する場合には、出力制御部120は、移動速度毎に第1地図画像を生成し、表示部130に出力してもよい。表示部130は、第1地図画像を表示する。表示部130は、例えばユーザにより指定された移動速度vに対応する第1地図画像を表示してもよい。なお、出力制御部120から出力された地図画像を表示部130に表示するのではなく、例えばプリンタに出力させ、プリンタに当該地図画像を印刷させてもよい。
【0031】
図2は、表示部130に表示される第1地図画像の表示例を示す。第1地図画像は、例えば、無線基地局B1,B2から送信される信号の各推定地点におけるスループットの分布を示す。図中、スループットが高い順に、直線、一点鎖線、破線で示している。
【0032】
以上の通り、本実施形態によれば、MIMOなどの多対多あるいは1対多のアンテナ同士でデータの送受信を行う無線通信システムにおいて、通信品質として、スループット、誤り率またはブロックエラーレートについても推定することができる。よって、従来に比べて通信品質をより広い観点から評価することができる。また、本実施形態によれば、無線端末の移動速度に応じてスループット、誤り率またはブロックエラーレートを推定することができる。よって、例えば各地点における無線端末の平均移動速度を考慮して、各地点の通信品質を評価することができる。
【0033】
ところで、既存の無線通信システムを新たな無線通信システムに移行する場合、既存の無線通信システムの基地局が設置された場所に新たな無線通信システムの基地局を設置した場合の通信品質を評価したい場合がある。また、既存の無線通信システムの通信品質と、新たな無線通信システムの通信品質とを比較して評価したい場合がある。
【0034】
そこで、通信品質推定システムは、第1無線通信システムの通信方式と異なる例えばW−CDMA方式の第2無線通信システムの通信品質を推定地点毎に推定してもよい。さらに、通信品質推定システムは、地図画像に対して推定地点毎に対応するそれぞれの位置に第2無線通信システムにおける通信品質を示す通信品質画像を重ねた第2地図画像を第1地図画像とともに表示してもよい。
【0035】
この場合、推定式格納部106は、第2無線通信システムに対する各推定式を格納する。推定部110は、各パラメータに基づいて第2無線通信システムに対する各推定式を利用して第2無線通信システムにおける推定地点毎の通信品質を推定する。なお、都市構造パラメータは、第1および第2無線通信システムにおいてそれぞれ共通の値でもよい。出力制御部120は、地図画像に対して推定地点毎に対応するそれぞれの位置に第2無線通信システムにおける通信品質を示す通信品質画像を重ねた第2地図画像を第1地図画像とともに表示部130に出力する。表示部130は、第1地図画像と第2地図画像とを例えば並べて表示する。
【0036】
図3は、表示部130に第1地図画像と第2地図画像と並べて表示した場合の表示例を示す。第1地図画像および第2地図画像は、それぞれ無線基地局B1,B2から送信される信号の各推定地点におけるスループットの分布を示す。このように表示されることで、例えば既存の無線通信システムの基地局が設置された場所に新たな無線通信システムの基地局を設置した場合の通信品質の変化を視覚的に評価することが容易になる。
【0037】
例えば、図3に示すように、例えば既存の第2無線通信システムでは、通信品質として問題なくカバーできていたエリアA1が、新たな第1無線通信システムでは、十分にカバーできていないことが視覚的に容易に評価することができる。
【0038】
さらに、本実施形態に係る通信品質推定システムは、通信品質が十分でないエリアをカバーすべく、既存の基地局の他に新たな設置場所に基地局を設置した場合の第1および第2無線通信システムのそれぞれの通信品質を第1地図画像および第2地図画像に含めて表示させてもよい。このように第1地図画像および第2地図画像のそれぞれに対して新たな場所に基地局を設定した場合のそれぞれの推定地点の通信品質を示す通信品質画像を重ねて表示させることで、新たな基地局を設置した場合の第1および第2無線通信システムの各推定地点の通信品質の変化を視覚的に確認することができる。なお、この場合、新たな基地局に対する基本パラメータをユーザが入力部を介して基本パラメータ格納部102に登録すればよい。
【0039】
図4は、第1無線通信システムにおけるエリアA1の通信品質を改善すべく、新たな場所に基地局B3を設置した場合の第1地図画像および第2地図画像を並べて表示部130に表示した場合の表示例を示す。なお、図4に示す第2地図画像は、第2無線通信システムについても上記の新たな場所に基地局B3を設定した場合の通信品質が含まれる表示例を示している。このように、第1および第2無線通信システムのそれぞれについて同一箇所に基地局を追加した場合のそれぞれの通信品質を第1地図画像および第2地図画像として並べて表示される。よって、第1および第2無線通信システムのそれぞれに新たな基地局を追加した場合の通信品質の変化を視覚的に評価することができる。
【0040】
なお、本実施形態に係る通信品質推定システムは、上述の通信品質の推定に関わる各種処理を行うプログラムをインストールし、このプログラムをコンピュータに実行させることで、構成してもよい。つまり、コンピュータに通信品質の推定に関わる各種処理を行うプログラムを実行させることにより、基本パラメータ格納部102、都市構造パラメータ格納部104、推定式格納部106、推定部110、出力制御部120、地図画像格納部122、表示部130としてコンピュータを機能させることで、通信品質推定システムを構成してもよい。
【0041】
コンピュータはCPU、ROM、RAM、EEPROM(登録商標)等の各種メモリ、通信バス及びインタフェースを有し、予めファームウェアとしてROMに格納された処理プログラムをCPUが読み出して順次実行することで、通信品質推定システムとして機能する。
【0042】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0043】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0044】
102 基本パラメータ格納部
104 都市構造パラメータ格納部
106 推定式格納部
110 推定部
120 出力制御部
122 地図画像格納部
130 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局および無線端末を備え、前記基地局および前記無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、前記基地局および前記無線端末の他方が複数のアンテナを有し、前記一方の前記少なくとも1つのアンテナと、前記他方の前記複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定システムであって、
前記通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定部と、
推定された前記通信品質と前記推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、
を備える通信品質推定システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記推定地点における都市構造パラメータを含む伝搬損失特定の推定式、前記推定地点における都市構造パラメータを含む伝搬遅延特性の推定式、および前記推定地点における都市構造パラメータを含む電波到来角度特性の推定式に基づいて前記通信品質を推定する、
請求項1に記載の通信品質推定システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記推定地点における前記無線端末の予め定められた移動速度毎に前記推定地点毎における前記通信品質をそれぞれ推定し、
前記出力制御部は、前記移動速度毎に前記通信品質と前記推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する、
請求項1または請求項2に記載の通信品質推定システム。
【請求項4】
表示部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記推定地点毎に対応するそれぞれの位置に前記第1無線通信システムにおける前記通信品質を示す通信品質画像を重ねた第1地図画像を前記表示部に出力し、
前記表示部は、前記第1地図画像を表示する、
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通信品質推定システム。
【請求項5】
前記推定部は、前記第1無線通信システムと通信方式が異なる第2無線通信システムにおける前記通信品質を前記推定地点毎に推定し、
前記出力制御部は、前記第1地図画像と、前記推定地点毎に対応するそれぞれの位置に前記第2無線通信システムにおける前記通信品質を示す通信品質画像を重ねた第2地図画像とを出力し、
前記表示部は、前記第1地図画像と前記第2地図画像とを表示する、
請求項4に記載の通信品質推定システム。
【請求項6】
前記推定部は、前記第2無線通信システムの基地局の設置位置に前記第1無線通信システムの基地局を設置した場合における前記推定地点毎の前記通信品質を推定し、
前記出力制御部は、前記第2無線通信システムの基地局の設置位置に前記第1無線通信システムの基地局を設置した場合における前記推定地点毎の前記通信品質を示す通信品質画像を重ねた前記第1地図画像と、前記第2地図画像とを出力する、
請求項5に記載の通信品質推定システム。
【請求項7】
基地局および無線端末を備え、前記基地局および前記無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、前記基地局および前記無線端末の他方が複数のアンテナを有し、前記一方の前記少なくとも1つのアンテナと、前記他方の前記複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定部および、
推定された前記通信品質と前記推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御部、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
基地局および無線端末を備え、前記基地局および前記無線端末の一方が少なくとも1つのアンテナを有し、前記基地局および前記無線端末の他方が複数のアンテナを有し、前記一方の前記少なくとも1つのアンテナと、前記他方の前記複数のアンテナとの間で無線通信を行わせる第1無線通信システムにおける通信品質を出力する通信品質推定方法であって、
前記通信品質としてのスループット、誤り率またはブロックエラーレートを予め定められた推定地点毎に推定する推定段階と、
推定された前記通信品質と前記推定地点とをそれぞれ対応付けて出力する出力制御段階と、
を含む通信品質推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−176743(P2011−176743A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40631(P2010−40631)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省「異なる大きさのセルが混在する環境下における複数基地局間協調制御技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【出願人】(307022424)ソフトバンクテレコム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】