説明

通信端末、通信システム、通信端末の情報表示プログラムおよび情報表示方法

【課題】通信を行うときに通信端末間の距離を把握することのできる通信端末、通信システム、通信端末の情報表示プログラムおよび情報表示方法を得ること。
【解決手段】通信ネットワーク100は、ネットワーク101に接続された発信者端末1021と受信者端末1022と、これらの端末間の距離かそれぞれの位置情報をこれらに通知するための位置情報サーバ103によって構成されている。発信者端末1021と受信者端末1022はそれぞれの位置が通知されたときには端末間の距離を算出して、呼出音の種類を段階的に選択する等の五感に訴える方法で距離を表示する。位置情報サーバ103から距離を示す距離情報が送られてきた場合には、これを表示することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機のように通話やデータの通信を行うことのできる通信端末、通信システム、通信端末の情報表示プログラムおよび情報表示方法に係わり、特に通話あるいは通信に伴う付加的なサービスを実施することのできる通信端末、これを使用した通信システム、通信端末の情報表示プログラムおよび情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタル回線を使用した固定電話機やファクシミリ装置等のような設置場所を固定された通信端末だけでなく、無線技術を使用した携帯電話機等の移動型の各種の通信端末が幅広く使用されている。
【0003】
このうち、固定電話機等の固定位置に配置される通信端末では、そのアドレスとなる電話番号をそれぞれの地域に依存した番号体系にしておけば、通話あるいは通信(以下単に通信という。)相手の電話番号を見るだけで、その配置された地域が分かる。たとえば「03」から始まる電話番号であればその通信端末が東京に存在するということが分かる。更に、「03」から始まる電話番号であっても、それに続く数桁の番号を見ることで、東京のどの地区にその通信端末が存在するかも簡単に推測することができる。これは、電話番号がそれぞれの場所の交換機と対応付けられているからである。
【0004】
したがって、固定位置に配置された通信端末同士の通信では、発信者側あるいは発呼側の通信端末(以下、発信者端末と略称する。)と、受信者側あるいは被呼側の通信端末(以下、受信者端末と略称する。)の電話番号を比較することで、これらの距離の大まかな値を把握することが可能である。たとえば、「03」から始まる電話番号同士であれば東京都内の2点を結ぶ距離で発信者端末と受信者端末が通信を行っている。「03」から始まる電話番号と「09」から始まる電話番号同士であれば東京都内と九州を結ぶ距離で発信者端末と受信者端末が通信を行っている。
【0005】
一方、無線技術を使用した通信端末同士の通信では、それぞれの地域に固定的に配置された交換機を経由して通信を行う必要がない。ネットワーク上に主要な設備が備えられるようになっているからである。最近の固定電話機についても、各加入者宅と直結するメタル回線部分を除いては同様の傾向がある。このように、発信者端末や受信者端末の電話番号が地域に依存しなくなると、通信端末同士の電話番号を比較しても、両端末の距離を判別することができなくなる。したがって、通話を行っているもの同士がすぐ近くの場所にいるかどうかも分からない。また、距離に応じて課金される通信システムの場合には通信料金がどれだけ掛かるかも分からない。
【0006】
そこで、距離データ取得部を用意して、両通信端末の距離を算出することが提案されている(たとえば特許文献1参照)。図36は従来提案された通信システムの要部を示すものである。この提案では、発信者端末601と受信者端末602がそれぞれ対応する基地局603、604を介して対応する交換機605、606に接続されている。一方の交換機605は位置管理装置607に接続され、他方の交換機606はホームロケーションレジスタ(HLR:Home Location Register)608に接続されている。双方の交換機605、606は、移動通信サービス決定装置609に接続されている。移動通信サービス決定装置609は、距離データ取得部611と料金算出部612およびサービス決定部613を備えている。
【0007】
この提案の通信システム614では、距離データ取得部611が位置管理装置607またはホームロケーションレジスタ608が記憶した位置情報に基づいて各端末間の距離を算出する。料金算出部612は、距離に対する料金データを用いて料金を算出する。これを基に、サービス決定部613は料金が最も安価な移動通信サービスを決定して発呼側のユーザの発信者端末601に通知する。これにより、ユーザは料金の最も安いサービス体系を選択して通話を行うことができる。
【特許文献1】特開2002−330221号公報(第0024〜第0029段落、第0040段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような通信システム614では、通信料金に関して複数のサービス体系が存在するとき、両通信端末の距離との関係で最も安い料金体系を自動的に採用することができる。しかしながら、発信者端末601や受信者端末602には、料金の通知が行われることはあっても、両通信端末の距離の通知が行われることはない。したがって、これらのユーザは自分たちがどの程度の距離だけ離れて通信を行っているかを知ることはできない。また、日本国内全域等の所定の広域に距離に関係しない均一な料金体系を採用する通信システムでは、料金徴収の観点からの距離の概念は必要なくなってきている。
【0009】
しかしながら、人間同士がコミュニケーションを交わすときには距離が重要な意味を持っている。通信機器を介して通話等の通信が可能になっても、すぐ会える距離にいるとか、気候が大きく異なるほど距離が離れているといったような両通信端末の間の距離の概念を自然と知覚できる環境が確保されることが好ましい。
【0010】
そこで本発明の目的は、通信を行うときに通信端末間の距離を把握することのできる通信端末、通信システム、通信端末の情報表示プログラムおよび情報表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明では、(イ)互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信する通信端末特定情報送信手段と、(ロ)この通信端末特定情報送信手段の送信した通信端末特定情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報がネットワークから送られてきたときこれを受信する距離情報受信手段と、(ハ)この距離情報受信手段の受信した距離情報を表示する距離情報表示手段とを通信端末に具備させる。
【0012】
すなわち本発明では、通信端末が互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信する通信端末特定情報送信手段を備えており、たとえば自端末のダイヤル情報と、自端末が電話を掛ける通信端末のダイヤル情報をネットワークに送出する。そして、ネットワークから前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報が送られてきたらこれを受信してこの距離情報を表示する。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0013】
請求項2記載の発明では、(イ)互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信する通信端末特定情報送信手段と、(ロ)この通信端末特定情報送信手段の送信した通信端末特定情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する位置情報受信手段と、(ハ)この位置情報受信手段の受信した位置情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出する距離情報算出手段と、(ニ)この距離情報算出手段で算出した距離情報を表示する距離情報表示手段とを通信端末に具備させる。
【0014】
すなわち本発明では、通信端末が互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信する通信端末特定情報送信手段を備えており、たとえば自端末のダイヤル情報と、自端末が電話を掛ける通信端末のダイヤル情報をネットワークに送出する。そして、ネットワークから自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が送られてきたら、これを基にして両端末の間の距離を算出してこの距離情報を表示する。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0015】
距離情報の表示に際しては、複数のしきい値を設定しておき、算出されたしきい値をこれと比較して距離情報を段階的に表示するようにしてもよい。また、段階的な表示は自端末と他の通信端末の接続のために音声で出力される呼出音の楽曲を距離に応じて切り替えるものであってもよいし、同一または異なる楽曲のテンポを距離に応じて切り替えるものであってもよい。
【0016】
請求項6記載の発明では、(イ)通信のためのネットワークと、(ロ)このネットワークに接続され、このネットワークを介して互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報を受信して、これらの通信端末間の距離を算出する距離算出手段と、この距離算出手段の算出結果を距離情報として前記した1組の通信端末のそれぞれに送信する距離算出結果送信手段とを備えた位置情報サーバと、(ハ)請求項1記載の通信端末とを通信システムに具備させる。
【0017】
すなわち本発明では、位置情報サーバがネットワークに接続されており、通信端末の通信端末特定情報送信手段が互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信すると、これを基にして距離情報が返送されてくる。そこで、通信端末は自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を受信して、受信した距離情報を表示するようにしている。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0018】
請求項7記載の発明では、(イ)通信のためのネットワークと、(ロ)このネットワークに接続され、このネットワークを介して互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報を受信して、これらの通信端末の位置をそれぞれ検索する位置検索手段と、この位置検索手段の検索した結果をそれぞれの通信端末の位置情報として前記した1組の通信端末のそれぞれに送信する位置検索結果送信手段とを備えた位置情報サーバと、(ハ)請求項2記載の通信端末とを通信システムに具備させる。
【0019】
すなわち本発明では、位置情報サーバがネットワークに接続されており、通信端末の通信端末特定情報送信手段が互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信すると、これを基にしてこれらの通信端末の位置情報が返送されてくる。そこで、通信端末は自端末と他の通信端末間の位置を示す位置情報を受信して、距離を算出し、算出結果の距離情報を表示するようにしている。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0020】
請求項8記載の発明では、通信端末のコンピュータに、通信端末の情報表示プログラムとして(イ)互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信処理と、(ロ)この通信端末特定情報送信処理で送信した通信端末特定情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報が前記したネットワークから送られてきたときこれを受信する距離情報受信処理と、(ハ)この距離情報受信処理で受信した距離情報を表示する距離情報表示処理とを実行させることを特徴としている。
【0021】
すなわち本発明では、通信端末のコンピュータが請求項1記載の発明を実現する制御プログラムを実行することにしている。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0022】
請求項9記載の発明では、通信端末のコンピュータに、通信端末の情報表示プログラムとして(イ)互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信処理と、(ロ)この通信端末特定情報送信処理で送信した通信端末特定情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が前記したネットワークから送られてきたときこれを受信する位置情報受信処理と、(ハ)この位置情報受信処理で受信した位置情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出する距離情報算出処理と、(ニ)この距離情報算出処理で算出した距離情報を表示する距離情報表示処理とを実行させることを特徴としている。
【0023】
すなわち本発明では、通信端末のコンピュータが請求項2記載の発明を実現する制御プログラムを実行することにしている。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0024】
請求項10記載の発明では、(イ)互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信ステップと、(ロ)この通信端末特定情報送信ステップで送信した通信端末特定情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報が前記したネットワークから送られてきたときこれを受信する距離情報受信ステップと、(ハ)この距離情報受信ステップで受信した距離情報を表示する距離情報表示ステップとを情報表示方法に具備させる。
【0025】
すなわち本発明では、ネットワークを介して自端末と通信を行う1組の通信端末の間の距離情報を取得して、これを表示するようにしている。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【0026】
請求項11記載の発明では、(イ)互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信ステップと、(ロ)この通信端末特定情報送信ステップで送信した通信端末特定情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が前記したネットワークから送られてきたときこれを受信する位置情報受信ステップと、(ハ)この位置情報受信ステップで受信した位置情報を基にして前記した1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出する距離情報算出ステップと、(ニ)この距離情報算出ステップで算出した距離情報を表示する距離情報表示ステップとを情報表示方法に具備させる。
【0027】
すなわち本発明では、ネットワークを介して自端末と通信を行う1組の通信端末のそれぞれの位置情報を取得して、これを基にしてこれら自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出し、これを表示するようにしている。これにより通信を行うときに通信端末間の距離を把握することが可能になる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、他の通信端末と通信を行うそれぞれの通信端末が取得した距離情報あるいは取得した位置情報に基づいて算出した距離情報を音、光等の五感を刺激する手法のいずれかで表示するようにした。このためこれらの通信端末のユーザは、通信端末の間の距離を判別したり距離の時間的な変化を判別することができる。したがって、待ち合わせのときに互いが相手の居場所を探しあうような用途や、迷子を捜すといった各種の用途に発明を活用することができる。このため、本発明を新たなビジネスとして活用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の第1の実施例における通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の通信システム100は、携帯電話網やインターネット等のネットワーク101と、これに接続された発信側の第1の通信端末(以下、発信者端末と称する。)1021と、受信者側の第2の通信端末(以下、受信者端末と称する。)1022と、位置情報の管理を行う位置情報サーバ103によって構成されている。
【0031】
発信者端末1021と受信者端末1022は、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)あるいは同様に通信機能を備えた携帯型のパーソナルコンピュータ等の通信機器で構成されている。
【0032】
図2は、発信者端末の基本的な構成を表わしたものである。本実施例で使用される受信者端末1022(図1)は発信者端末1021と同一の構成となっているので、その図示および説明は省略する。
【0033】
発信者端末1021は、CPU(Central Processing Unit)111とこのCPU111が実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体からなるメモリ112を備えた主制御部113を有している。主制御部113は、次に説明するように発信者端末1021内の各部と接続されており、これらの制御を行うようになっている。ただし、これらの各部の少なくとも一部はCPU111が制御プログラムを実行することによってソフトウェア的に実現されるものであってもよい。
【0034】
通信制御部114はアンテナ115を備えており、図示しない無線基地局を介して図1に示したネットワーク101と接続されるようになっている。通信制御部114は、通信相手に対して呼出中であるときその通知を受ける機能を有している。また、他の通信端末から呼び出しが行われたときには呼び出しを受信したことの通知を受ける機能を有している。
【0035】
操作入力部116はユーザが発信等の各種の操作を入力するデバイスである。ディスプレイ117は視覚的な表示を行うデバイスである。ディスプレイ117は文字や記号によって視覚的に必要な通知を行うことができる。通知出力部118は、ディスプレイ117のこのような通知以外に、音、振動あるいはフラッシュランプや発光ダイオード(共に図示せず)の点灯といったような人間の五感のいずれかを刺激する手法で通知を行うようになっている。本明細書では、このように人間の五感のいずれかを刺激する手法で通知を行うことを広義に「表示」と表現することにしている。
【0036】
距離情報格納部119は位置情報サーバ103(図1)から送られてきた自端末と相手となる端末(この場合、受信者端末1022)との間の距離情報を格納するようになっている。距離比較判定部121は、距離情報を予め設定した設定値(しきい値)と比較するようになっている。呼出中通知作成部122は、通相手に対する呼出中通知としての通知音を作成するようになっている。この呼出中通知作成部122には、後に説明する呼出音設定テーブル123が格納されている。位置情報取得部124は自装置としての受信者端末1022の位置情報を取得するようになっている。位置情報の取得は、受信者端末1022がGPS(Global Positioning System)を利用できる場合には、これを用いて位置情報を確定させる。これ以外に通信制御部114が現在通信中の無線基地局との関係で位置情報を取得することも可能である。
【0037】
図3は、位置情報サーバの構成の概要を表わしたものである。位置情報サーバ103は、CPU131とこのCPU131が実行する制御プログラムを格納したハードディスク等の記憶媒体からなるメモリ132を備えた主制御部133を有している。主制御部133は、次に説明するように位置情報サーバ103内の各部と接続されており、これらの制御を行うようになっている。ただし、これらの各部の少なくとも一部は、CPU131が制御プログラムを実行することによってソフトウェア的に実現されるものであってもよい。
【0038】
通信制御部134は図1に示したネットワーク101と常時接続されており、発信者端末1021や受信者端末1022等の各種の通信端末と通信を行うようになっている。位置情報検索部135は発信者端末1021からアクセスがあったとき、受信者端末1022の位置を検索するようになっている。距離算出部136は、発信者端末1021と受信者端末1022の距離を算出するようになっている。距離登録部137は、距離算出部136で算出した発信者端末1021と受信者端末1022の距離を登録するようになっている。距離通知部138は、距離登録部137に登録した距離を発信者端末1021と受信者端末1022に通知するようになっている。
【0039】
ところで図1に示した本実施例の通信システム100では、発信者端末1021が受信者端末1022を発呼すると、その呼出音の種類あるいは呼出音のテンポ(以下、適宜、呼出音の種類と称する。)が両者の距離によって数段階に異なるように設定することができるようになっている。受信者端末1022が着呼する際の呼出音についても同様である。そこで、発信者端末1021および受信者端末1022のユーザは、図2に示した呼出音設定テーブル123に呼出音可変モードの可否と共に、距離範囲と呼出音の種類を設定することができる。
【0040】
図4は、呼出音設定テーブルの一例を表わしたものである。呼出音設定テーブル123には、呼出音可変モードの可否を示すフラグ設定欄141と、発信者端末1021と受信者端末1022の距離範囲142、各距離範囲に設定される楽曲143および楽曲のテンポ144が設定されるようになっている。フラグ設定欄141では、呼出音可変モードの実行を「可」に指定した場合には信号「1」が設定され、「否」に指定した場合には信号「0」が設定されるようになっている。
【0041】
距離範囲142には初期的にデフォルト値が設定されているが、ユーザの用途によってこれを変更することができる。もちろん、判定誤差の範囲の細かな距離の設定は無意味である。楽曲143についてもデフォルト値として「AA」……「DD」が設定されているが、ユーザがインターネット等の楽曲購入先からこれらを購入したり、自分で作成してこれらの楽曲を距離範囲142の対応する箇所に設定することができる。楽曲143は音楽やメロディである必要はなく、たとえば「近い」とか「20Km(キロメートル)以上です」というような距離範囲を想像させるメッセージであってもよい。
【0042】
テンポ144は楽曲143の再生スピードである。たとえば、鐘の音を標準のテンポ144で1秒間隔で繰り返すメロディを楽曲143としてすべての距離範囲で選択し、個々の距離範囲でこれらの繰り返し周期を変えることで、ユーザに現在の距離範囲を認識させることもできる。一例を挙げると、鐘の音が2秒間隔を「20Km以上」とし、1秒間隔を標準の「5Km〜20Km」とし、0.5秒間隔を「数十m〜5Km」として、最も近い「数十m以内」を0.25秒間隔とするようにする。このように楽曲143として同一の曲やメロディを設定してテンポ144を変えて、ユーザに距離感を感じさせることもできる。
【0043】
図5は、本実施例で発信者端末側が行う呼出音可変モードでの各種処理の様子を表わしたものである。図1に示した発信者端末1021のユーザは、図示しないメニュー画面から呼出音可変モードに処理を移してこの設定処理を実行する。なお、図1に示した受信者端末1022でも同様の処理を行うので、これについての説明は省略する。
【0044】
呼出音可変モードに移行すると、図2に示したディスプレイ117には、モード設定を有効あるいは無効にするのか(ステップS201)、距離範囲を設定(または変更)するのか(ステップS202)、楽曲を設定(または変更)するのか(ステップS203)、テンポを設定(または変更)するのか(ステップS204)の選択を行うための選択肢が表示される。モード設定を有効あるいは無効にする選択肢を選択した場合には(ステップS201:Y)、図3に示したフラグ設定欄141のフラグを「1」または「0」にするためのモード設定オン・オフ処理が実行される(ステップS205)。
【0045】
ユーザが距離範囲を設定(または変更)する選択肢を選択した場合には(ステップS202:Y)、距離範囲を何通りにするかの数と、それぞれの距離範囲の設定が行われる(ステップS206)。工場出荷時のデフォルト値では図5に示すように距離範囲が4通りであったとすると、たとえば、これを2通りに変更したり、個々の距離を変更することができる。
【0046】
ユーザが楽曲を設定(または変更)する選択肢を選択した場合には(ステップS203:Y)、それぞれの距離範囲に対する楽曲を選択したり、すでに選択した楽曲を変更することができる(ステップS207)。また、ユーザがテンポを設定(または変更)する選択肢を選択した場合には(ステップS204:Y)、それぞれの距離範囲に対するテンポを選択したり、すでに選択したテンポを変更することができる(ステップS208)。
【0047】
個々の設定または処理が行われると(ステップS205〜ステップS208)、その内容を設定登録するかどうかの選択肢が現われ、設定登録することが選択された場合には(ステップS209:Y)、現在の設定内容が呼出音設定テーブル123に登録され(ステップS210)て処理が終了する(エンド)。ユーザは各項目を設定するごとにいちいち設定登録を行わずに(ステップS209:N)、他の項目についての設定処理に戻ることも可能である(ステップS201〜ステップS204)。この場合、すべての項目についての設定処理が終了してから設定登録を行うことになる。
【0048】
図6は、この第1の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図1および図2と共に説明する。発信者端末1021側では操作入力部116から受信者端末1022のダイヤル情報を入力して、発呼操作としてこれを図示しない交換機側に送出する(ステップS221)。次に、位置情報取得部124から現在の自端末としての発信者端末1021の位置情報と受信者端末1022のダイヤル情報を、この状態で接続状態にあるネットワーク101を介して位置情報サーバ103に送信する(ステップS222)。
【0049】
そして、図4に示した呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS223)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、距離情報が位置情報サーバ103から返送されるのを待機する(ステップS224)。これに対して、呼出音可変モードの実行を「否」に指定した信号「0」が設定されている場合には(ステップS223:N)、直ちに呼出音の出力が開始されることになる(ステップS225)。
【0050】
図7は、位置情報サーバによる距離情報の作成処理の流れを表わしたものである。図1および図3を用いて説明を行う。位置情報サーバ103では、発呼側としての発信者端末1021からその位置情報と着呼側としての受信者端末1022のダイヤル情報の受信を待機している(ステップS241)。図6のステップS222の処理によってこれらの情報が受信されると(ステップS241:Y)、位置情報検索部135は着呼側の受信者端末1022のダイヤル情報を用いて、図示しないホームロケーションレジスタ(HLR)から受信者端末1022の位置情報を取得する(ステップS242)。
【0051】
なお、この時点で交換機は着呼側の受信者端末1022のダイヤル情報を用いて着呼のために同様に位置情報を検索して取得している。したがって、受信者端末1022の位置情報は最新のものに更新されている。受信者端末1022が電波の届かない圏外にいるときもあるが、このときは位置情報についてエラーとなる。
【0052】
ステップS242で受信者端末1022の位置情報が取得されたら、距離算出部136は、得られた情報を用いて発信者端末1021と受信者端末1022の距離を算出し、その結果を距離登録部137に登録する(ステップS243)。受信者端末1022が電波の届かない圏外にいるときは計算結果がエラーとなる。
【0053】
距離登録部137に登録された発信者端末1021と受信者端末1022の距離を表わした距離情報(計算結果がエラーとなった情報も含む)は、ネットワーク101を介してこれらの端末に送信される(ステップS244)。受信者端末1022が電波の届かない圏外にいたり、その電源が切られている場合にはこれに対する送信は行われない。
【0054】
再び図6に戻って説明を続ける。発信者端末1021は位置情報サーバ103から距離情報を受信すると(ステップS224:Y)、この距離情報を図4で示した呼出音設定テーブル123と比較する(ステップS226)。そして、対応する距離範囲の楽曲とテンポを読み出して呼出音を決定する(ステップS227)。この後、呼出音の出力を開始することになる(ステップS225)。
【0055】
したがって、発信者端末1021のユーザは、この呼出音を聞いている状態で受信者端末1022が近くにいるか遠くにいるかを判別することができる。このため、距離によって通話料金が異なるような場合には、通話を手短にするといった工夫を行うことができる。なお、受信者端末1022が電波の届かない圏外にいる場合やその電源が遮断されていて距離情報がエラーとなる場合には、呼出音が出力されないので呼出音設定テーブル123による比較処理(ステップS226)は不要となる。
【0056】
図8は、この第1の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図1、図2および図4を基にして説明する。なお、図2は発信者端末1021を示しているが、これを受信者端末1022と置き換えて説明する。図4についてもを受信者端末1022の呼出音設定テーブル123と置き換えて説明する。
【0057】
受信者端末1022では位置情報サーバ103から距離情報を受信すると(ステップS261:Y)、自端末の呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS262)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、送られてきた距離情報と自端末の呼出音設定テーブル123における距離範囲142を比較する(ステップS263)。そして、対応する楽曲とテンポを読み出して決定する(ステップS264)。そして、この時点の受信者端末1022の状態が呼出音の出力を「可」としている場合には(ステップS265:Y)、ステップS264で決定された楽曲とテンポで呼出音の出力を開始することになる(ステップS266)。呼出音の出力が「否」となっている場合には(ステップS265:N)、呼出音を出力することなく処理を終了させる(エンド)。
【0058】
一方、ステップS262で呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「0」がセットされている場合、受信者端末1022のユーザは呼出音可変モードの実行を望んでいない。したがって、この場合には(N)、直ちにステップS265に処理が進むことになる。
【0059】
以上説明した第1の実施例では、位置情報サーバ103を交換機と別の装置として説明した。両者が共通する場合には、図6〜図8に示した処理をそれに応じて変更できることは当然である。位置情報サーバ103とホームロケーションレジスタが共通化している場合も同様である。
【0060】
また、この第1の実施例では位置情報取得部124が位置情報を取得して位置情報サーバ103側に通知することにしたが、位置情報サーバ103が受信者端末1022と同様にホームロケーションレジスタを用いて位置情報を取得するようにしてもよい。更に、位置情報サーバ103が交換機と共通している場合のように位置情報サーバ103と受信者端末1022が着信時にデータの交換が可能であれば、位置情報サーバ103が受信者端末1022からその位置情報を取得するようにしてもよい。
【0061】
以上説明した本発明の第1の実施例によれば、発信者端末1021と受信者端末1022のユーザは、呼出音を聞くことで両者の距離を容易に判別することができる。したがって、待ち合わせを行うような場合に、定期的に呼出音を送出するだけで受信者端末1022との距離の変化を簡単に知ることができる。
【実施例2】
【0062】
図9は、本発明の第2の実施例における通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の通信システム100Aは、携帯電話網やインターネット等のネットワーク101と、これに接続された発信側の第1の通信端末としての発信者端末1021Aと、受信者側の第2の通信端末としての受信者端末1022Aと、位置情報の管理を行う位置情報サーバ103Aによって構成されている。
【0063】
発信者端末1021Aと受信者端末1022Aは、携帯電話機、PHS、通信機能を備えたPDAあるいは同様に通信機能を備えた携帯型のパーソナルコンピュータ等の通信機器で構成されている。
【0064】
図10は、第2の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたものである。本実施例で使用される受信者端末1022A(図9)は発信者端末1021Aと同一の構成となっているので、その図示および説明は省略する。また、発信者端末1021Aで第1の実施例の発信者端末1021と基本的に同一の回路部分についてはこれと同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0065】
第2の実施例の発信者端末1021Aは、位置情報サーバ103Aから受信者端末1022Aとの間の距離情報ではなく、両端末の位置情報を受信するようになっている。したがって、発信者端末1021Aは、第1の実施例の位置情報取得部124(図2)の代わりに位置情報記憶部301を備えている。また、受信した発信者端末1021Aと受信者端末1022Aの位置情報から両端末の距離を算出する距離算出部302を備えている。
【0066】
図11は、第2の実施例の位置情報サーバの構成を表わしたものである。位置情報サーバ103Aは、発信者端末1021Aと受信者端末1022Aの位置情報を取得する位置情報検索部135Aと、これらの位置情報を両端末に通知する位置情報通知部311を備えている。
【0067】
なお、第2の実施例でも発信者端末1021Aと受信者端末1022Aは図4に示した呼出音設定テーブル123を備えており、図5に示した距離情報の設定処理を行っている。したがって、図4および図5は第2の実施例でもそのまま使用することにする。
【0068】
図12は、この第2の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図9および図10と共に説明する。また、図12で図6と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0069】
発信者端末1021A側では操作入力部116から受信者端末1022Aのダイヤル情報を入力して、発呼操作としてこれを図示しない交換機側に送出する(ステップS221)。次に、発信者端末1021Aは受信者端末1022Aとの双方のダイヤル情報を、この状態で接続状態にあるネットワーク101を介して位置情報サーバ103Aに送信する(ステップS401)。
【0070】
そして、図4に示した呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS223)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、位置情報が位置情報サーバ103Aから返送されるのを待機する(ステップS402)。これに対して、呼出音可変モードの実行を「否」に指定した信号「0」が設定されている場合には(ステップS223:N)、直ちに呼出音の出力が開始されることになる(ステップS225)。
【0071】
図13は、位置情報サーバによる位置情報の作成処理の流れを表わしたものである。図9および図11を用いて説明を行う。
【0072】
位置情報サーバ103Aでは、発呼側としての発信者端末1021Aから発信者端末1021Aと受信者端末1022Aのダイヤル情報の受信を待機している(ステップS411)。図12のステップS401の処理によってこれらのダイヤル情報が受信されると(Y)、位置情報検索部135Aはこれらのダイヤル情報を用いて、図示しないホームロケーションレジスタから発信者端末1021Aと受信者端末1022Aの位置情報を取得する(ステップS412)。
【0073】
なお、この時点で交換機は着呼側の受信者端末1022Aのダイヤル情報を用いて着呼のために同様に位置情報を検索して取得している。したがって、受信者端末1022Aの位置情報は最新のものに更新されている。受信者端末1022Aが電波の届かない圏外にいるときもあるが、このときは位置情報の一方についてエラーとなる。
【0074】
ステップS412で発信者端末1021Aと受信者端末1022Aの位置情報が取得されたら、位置情報通知部311はこの位置情報(計算結果がエラーとなった情報も含む)を、ネットワーク101を介してこれらの端末に送信する(ステップS413)。受信者端末1022Aが電波の届かない圏外にいたり、その電源が切られている場合にはこれに対する送信は行われない。
【0075】
再び図12に戻って説明を続ける。発信者端末1021Aは位置情報サーバ103Aから位置情報を受信すると(ステップS402:Y)、これらの位置情報を基にして距離算出部302で発信者端末1021Aと受信者端末1022Aの距離を算出する(ステップS403)。そして得られた距離情報を図4で示した呼出音設定テーブル123で比較する(ステップS226)。そして、対応する距離範囲の楽曲とテンポを読み出して呼出音を決定する(ステップS227)。この後、呼出音の出力を開始することになる(ステップS225)。
【0076】
したがって、発信者端末1021Aのユーザは、この呼出音を聞いている状態で受信者端末1022Aが近くにいるか遠くにいるかを判別することができる。このため、距離によって通話料金が異なるような場合には、通話を手短にするといった工夫を行うことができる。なお、受信者端末1022Aが電波の届かない圏外にいる場合やその電源が遮断されていて距離情報がエラーとなる場合には、呼出音が出力されないので呼出音設定テーブル123による比較処理(ステップS226)は不要となる。
【0077】
図14は、この第2の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図9、図10および図4を基にして説明する。。また、図14で図8と同一処理の部分には同一の符号を付している。なお、図10は第1の実施例の発信者端末1021を示しているので、これを第2の実施例の受信者端末1022Aと置き換えて説明する。
【0078】
受信者端末1022Aでは位置情報サーバ103Aから位置情報を受信すると(ステップS421:Y)、自端末の呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS262)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、これを基にして発信者端末1021Aと受信者端末1022Aの距離を算出する(ステップS422)。そして、得られた距離情報と自端末の呼出音設定テーブル123における距離範囲142を比較する(ステップS263)。そして、対応する楽曲とテンポを読み出して決定する(ステップS264)。この時点で受信者端末1022Aの状態が呼出音の出力を「可」としている場合には(ステップS265:Y)、ステップS264で決定された楽曲とテンポで呼出音の出力を開始することになる(ステップS266)。呼出音の出力が「否」となっている場合には(ステップS265:N)、呼出音を出力することなく処理を終了させる(エンド)。
【0079】
一方、ステップS262で呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「0」がセットされている場合、受信者端末1022Aのユーザは呼出音可変モードの実行を望んでいない。したがって、この場合には(N)、直ちにステップS265に処理が進むことになる。
【0080】
以上説明した第2の実施例では、位置情報サーバ103Aを交換機と別の装置として説明した。両者が共通する場合には、図12〜図14に示した処理をそれに応じて変更できることは当然である。位置情報サーバ103Aとホームロケーションレジスタが共通化している場合も同様である。
【0081】
以上説明した本発明の第2の実施例によれば、発信者端末1021Aと受信者端末1022Aのユーザは、呼出音を聞くことで両者の距離を容易に判別することができる。したがって、待ち合わせを行うような場合に、定期的に呼出音を送出するだけで受信者端末1022Aとの距離の変化を簡単に知ることができる。また、第1の実施例と比較すると位置情報サーバ103Aは距離の算出を行う必要がないので、そのための負荷が不要になる。
【実施例3】
【0082】
図15は、本発明の第3の実施例における通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の通信システム100Bは、携帯電話網やインターネット等のネットワーク101と、これに接続された発信側の第1の通信端末としての発信者端末1021Bと、受信者側の第2の通信端末としての受信者端末1022Bと、位置情報の管理を行う位置情報サーバ103Bによって構成されている。
【0083】
発信者端末1021Bと受信者端末1022Bは、携帯電話機、PHS、通信機能を備えたPDAあるいは同様に通信機能を備えた携帯型のパーソナルコンピュータ等の通信機器で構成されている。
【0084】
図16は、第3の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたものである。本実施例で使用される受信者端末1022B(図15)は発信者端末1021Bと同一の構成となっているので、その図示および説明は省略する。また、発信者端末1021Bで第1の実施例の発信者端末1021と基本的に同一の回路部分についてはこれと同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0085】
第3の実施例の発信者端末1021Bは、第1の実施例と同様に位置情報サーバ103Bから受信者端末1022Bとの間の距離情報を受信するようになっている。ただし、第2の実施例と同様に発信者端末1021B自体は自端末の位置情報を取得する必要がない。したがって、第3の実施例の発信者端末1021Bには図2に示した位置情報取得部124が存在しない。
【0086】
図17は、第3の実施例の位置情報サーバの構成を表わしたものである。位置情報サーバ103Bは、発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの位置情報を取得する位置情報検索部135Aを備えている点が第1の実施例の位置情報サーバ103と異なる。発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの位置情報から両端末の距離を算出する点は第1の実施例と同一である。そこで位置情報検索部135Aが第1の実施例と相違する以外は第1の実施例の位置情報サーバ103と構成が同一である。
【0087】
なお、第3の実施例でも発信者端末1021Bと受信者端末1022Bは図4に示した呼出音設定テーブル123を備えており、図5に示した距離情報の設定処理を行っている。したがって、図4および図5は第3の実施例でもそのまま使用することにする。
【0088】
図18は、この第3の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図15および図16と共に説明する。また、図18で図6または図12と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0089】
発信者端末1021B側では操作入力部116から受信者端末1022Bのダイヤル情報を入力して、発呼操作としてこれを図示しない交換機側に送出する(ステップS221)。次に、発信者端末1021Bは受信者端末1022Aとの双方のダイヤル情報を、この状態で接続状態にあるネットワーク101を介して位置情報サーバ103Bに送信する(ステップS401)。
【0090】
そして、図4に示した呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS223)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、距離情報が位置情報サーバ103Bから返送されるのを待機する(ステップS224)。これに対して、呼出音可変モードの実行を「否」に指定した信号「0」が設定されている場合には(ステップS223:N)、直ちに呼出音の出力が開始されることになる(ステップS225)。呼出音の出力は、受信者端末1022Bのユーザが電話に出て接続が完了するまで行われる(ステップS431)。
【0091】
図19は、位置情報サーバによる距離情報の作成処理の流れを表わしたものである。図15および図17を用いて説明を行う。また、図19で図7または図13と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0092】
位置情報サーバ103Bでは、発呼側としての発信者端末1021Bから発信者端末1021Bと受信者端末1022Bのダイヤル情報の受信を待機している(ステップS411)。図18のステップS401の処理によってこれらのダイヤル情報が受信されると(Y)、位置情報検索部135Aはこれらのダイヤル情報を用いて、図示しないホームロケーションレジスタから発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの位置情報を取得する(ステップS412)。
【0093】
なお、この時点で交換機は着呼側の受信者端末1022Bのダイヤル情報を用いて着呼のために同様に位置情報を検索して取得している。したがって、受信者端末1022Bの位置情報は最新のものに更新されている。受信者端末1022Bが電波の届かない圏外にいるときもあるが、このときは位置情報の一方についてエラーとなる。
【0094】
ステップS412で発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの位置情報が取得されたら、距離算出部136は、得られた情報を用いて発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの距離を算出し、その結果を距離登録部137に登録する(ステップS243)。受信者端末1022が電波の届かない圏外にいるときは計算結果がエラーとなる。
【0095】
距離登録部137に登録された発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの距離を表わした距離情報(計算結果がエラーとなった情報も含む)は、ネットワーク101を介してこれらの端末に送信される(ステップS244)。受信者端末1022Bが電波の届かない圏外にいたり、その電源が切られている場合にはこれに対する送信は行われない。
【0096】
ステップS244の処理が行われたら、位置情報サーバ103Bは受信者端末1022Bが電話に出て両端末の接続が完了したかどうかをチェックする(ステップS441)。そして、まだ接続が完了せず呼出音の出力が継続されるべき時間のときには(N)、ステップS412に戻って再びホームロケーションレジスタから発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの位置情報を取得する。そしてこれを基にして両端末の距離を計算して(ステップS243)、距離情報をこれら両端末に送信するという処理を繰り返すことになる(ステップS441:N)。これは、受信者端末1022Bを呼び出している間に発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの距離が変化する場合があることを配慮したものである。
【0097】
再び図18に戻って説明を続ける。発信者端末1021Bは位置情報サーバ103Bから距離情報を受信すると(ステップS224:Y)、この距離情報を図4で示した呼出音設定テーブル123と比較する(ステップS226)。そして、対応する距離範囲の楽曲とテンポを読み出して呼出音を決定する(ステップS227)。この後、呼出音が出力される(ステップS432)。
【0098】
この後、発信者端末1021Bは受信者端末1022Bが電話に出て接続が完了したかどうかをチェックする(ステップS404)。まだ通話のための接続が完了していない場合(N)、発信者端末1021Bは処理をステップS224に戻す。そして、距離情報を受信するたびに(Y)、その距離情報と図4に示した呼出音設定テーブル123の内容を比較して(ステップS226)、距離が変わったような場合には楽曲あるいはテンポのうちの該当するものをこれに応じて変更する(ステップS227)。そして、変更があればその変更内容で呼出音が出力されることになる(ステップS432)。接続が完了するまでこのような処理が繰り返される結果、発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの距離が呼出音の鳴っている間に変化した場合にはこれに応じて呼出音が変化することになり、ユーザは距離の変化を容易に認識することができる。
【0099】
図20は、この第3の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図15、図16図および図4を基にして説明する。なお、図16は発信者端末1021Bを示しているが、これを受信者端末1022Bと置き換えて説明する。図4についてもを受信者端末1022Bの呼出音設定テーブル123と置き換えて説明する。また、図20で図8と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0100】
受信者端末1022Bは位置情報サーバ103から距離情報を受信すると(ステップS261:Y)、自端末の呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS262)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、送られてきた距離情報と自端末の呼出音設定テーブル123における距離範囲142を比較する(ステップS263)。そして、対応する楽曲とテンポを読み出して決定する(ステップS264)。この後、ステップS264で決定された楽曲とテンポで呼出音の出力を行う(ステップS266)。
【0101】
その後、受信者端末1022Bが電話に出て接続が完了したかどうかのチェックが行われる(ステップS451)。接続が完了すれば(Y)、すべての処理が終了して呼出音の出力も終了する(エンド)。接続が完了するまでは(ステップS451:N)、ステップS261に戻って距離情報の受信の待機が行われる。そして、距離情報が位置情報サーバ103Bから送られてきている間はその距離情報と図4に示した呼出音設定テーブル123の内容が比較され(ステップS263)、距離が変わったような場合には楽曲あるいはテンポのうちの該当するものがこれに応じて変更されて(ステップS264)、その変更内容で呼出音が出力されることになる(ステップS266)。このような処理が接続が完了するまで繰り返される結果、発信者端末1021Bと受信者端末1022Bの距離が呼出音の鳴っている間に変化した場合にはこれに応じて呼出音が変化することになり、ユーザは距離の変化を容易に認識することができる。
【0102】
一方、ステップS262で呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「0」がセットされている場合、受信者端末1022Bのユーザは呼出音可変モードの実行を望んでいない。したがって、この場合には(N)、接続が完了するまで(ステップS452:N)、従来からの呼出音が出力されることになる(ステップS453)。
【0103】
なお、受信者端末1022Bが電波の届かない圏外にいる場合やその電源が遮断されていて距離情報がエラーとなる場合には、呼出音が出力されないので呼出音設定テーブル123による比較処理(ステップS226)は不要となる。
【0104】
この第3の実施例では、位置情報サーバ103Bを交換機と別の装置として説明した。両者が共通する場合には、図18〜図20に示した処理をそれに応じて変更できることは当然である。位置情報サーバ103Bとホームロケーションレジスタが共通化している場合も同様である。
【0105】
以上説明した本発明の第3の実施例によれば、発信者端末1021Bと受信者端末1022Bのユーザは、呼出音を聞くことで両者の距離を容易に判別することができる。したがって、待ち合わせを行うような場合に、定期的に呼出音を送出するだけで受信者端末1022Bとの距離の変化を簡単に知ることができる。また、第1の実施例と比較すると位置情報サーバ103Bは距離の算出を行う必要がないので、そのための負荷が不要になる。発信者端末1021Bについては位置の取得が必要ないのでその処理が不要になる。
【0106】
またこの第3の実施例では、受信者端末1022Bの呼び出しが行われている間、発信者端末1021Bとの間の距離を連続的に判定することができるようになる。
【実施例4】
【0107】
図21は、本発明の第4の実施例における通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の通信システム100Cは、携帯電話網やインターネット等のネットワーク101と、これに接続された発信側の第1の通信端末としての発信者端末1021Cと、受信者側の第2の通信端末としての受信者端末1022Cと、位置情報の管理を行う位置情報サーバ103Cによって構成されている。
【0108】
発信者端末1021Cと受信者端末1022Cは、携帯電話機、PHS、通信機能を備えたPDAあるいは同様に通信機能を備えた携帯型のパーソナルコンピュータ等の通信機器で構成されている。
【0109】
この第4の実施例の通信システム100Cでは、位置情報サーバ103Cが発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの位置情報をそれぞれ検索してその結果をこれらの端末に通知するようになっている。発信者端末1021Cと受信者端末1022Cはこのようにして得られた位置情報を基にして両端末の距離を算出する。したがって、発信者端末1021Cと受信者端末1022Cは、図10に示した第2の実施例の発信者端末1021Aと制御プログラムの一部が相違する以外は同一である。また、位置情報サーバ103Cは図11に示した第2の実施例の位置情報サーバ103Aと制御プログラムの一部が相違する以外は同一である。そこで、発信者端末1021Cと受信者端末1022Cならびに位置情報サーバ103Cの図示は省略し、これらについては図10と図11を使用して説明を行うことにする。
【0110】
図22は、この第4の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図21および図10と共に説明する。また、図22で図12あるいは図18と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0111】
発信者端末1021C側では操作入力部116から受信者端末1022Cのダイヤル情報を入力して、発呼操作としてこれを図示しない交換機側に送出する(ステップS221)。次に、発信者端末1021Cは受信者端末1022Cとの双方のダイヤル情報を、この状態で接続状態にあるネットワーク101を介して位置情報サーバ103Cに送信する(ステップS401)。
【0112】
そして、図4に示した呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS223)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、位置情報が位置情報サーバ103Cから返送されるのを待機する(ステップS402)。
【0113】
これに対して、呼出音可変モードの実行を「否」に指定した信号「0」が設定されている場合には(N)、直ちに呼出音が出力が開始されることになる(ステップS225)。呼出音の出力は、受信者端末1022Cのユーザが電話に出て接続が完了するまで行われる(ステップS431)。
【0114】
図23は、位置情報サーバによる位置情報の作成処理の流れを表わしたものである。図21および図11を用いて説明を行う。また、図23で図13または図19と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0115】
位置情報サーバ103Cでは、発呼側としての発信者端末1021Cから発信者端末1021Cと受信者端末1022Cのダイヤル情報の受信を待機している(ステップS411)。図22のステップS401の処理によってこれらのダイヤル情報が受信されると(ステップS411:Y)、位置情報検索部135Aはこれらのダイヤル情報を用いて、図示しないホームロケーションレジスタから発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの位置情報を取得する(ステップS412)。
【0116】
なお、この時点で交換機は着呼側の受信者端末1022Cのダイヤル情報を用いて着呼のために同様に位置情報を検索して取得している。したがって、受信者端末1022Cの位置情報は最新のものに更新されている。受信者端末1022Cが電波の届かない圏外にいるときもあるが、このときは位置情報の一方についてエラーとなる。
【0117】
ステップS412で発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの位置情報が取得されたら、位置情報通知部311はこの位置情報(計算結果がエラーとなった情報も含む)を、ネットワーク101を介してこれらの端末に送信する(ステップS413)。受信者端末1022Cが電波の届かない圏外にいたり、その電源が切られている場合にはこれに対する送信は行われない。
【0118】
ステップS413の処理が行われたら、位置情報サーバ103Cは受信者端末1022Cが電話に出て両端末の接続が完了したかどうかをチェックする(ステップS441)。そして、まだ接続が完了せず呼出音の出力が継続されるべき時間のときには(N)、ステップS412に戻って再びホームロケーションレジスタから発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの位置情報を取得する。そしてこれらの位置情報を発信者端末1021Cと受信者端末1022Cに送信する(ステップS413)という処理を繰り返すことになる(ステップS441:N)。これは、受信者端末1022Cを呼び出している間に発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離が変化する場合があることを配慮したものである。
【0119】
再び図22に戻って説明を続ける。発信者端末1021Cは位置情報サーバ103Cから位置情報を受信すると(ステップS402:Y)、これらの位置情報を基にして距離算出部302で発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離を算出する(ステップS403)。そして得られた距離情報を図4で示した呼出音設定テーブル123で比較する(ステップS226)。この比較結果から、対応する距離範囲の楽曲とテンポを読み出して呼出音を決定する(ステップS227)。この後、呼出音の出力を行うことになる(ステップS432)。
【0120】
この後、発信者端末1021Cは受信者端末1022Cが電話に出て接続が完了したかどうかをチェックする(ステップS404)。まだ通話のための接続が完了していない場合(N)、発信者端末1021Cは処理をステップS402に戻す。そして、位置情報を受信するたびに(Y)、発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離を算出し(ステップS403)、算出された距離情報と図4に示した呼出音設定テーブル123の内容を比較して(ステップS226)、距離が変わったような場合には楽曲あるいはテンポのうちの該当するものをこれに応じて変更する(ステップS227)。そして、変更があればその変更内容で呼出音が出力されることになる(ステップS432)。このような処理が接続が完了するまで繰り返される結果、発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離が呼出音の鳴っている間に変化した場合にはこれに応じて呼出音が変化することになり、ユーザは距離の変化を容易に認識することができる。
【0121】
図24は、この第4の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わしたものである。図21、図10図および図4を基にして説明する。なお、図10は発信者端末1021Aを示しているが、これを受信者端末1022Cと置き換えて説明する。図4についてもを受信者端末1022Cの呼出音設定テーブル123と置き換えて説明する。また、図24で図14と同一処理の部分には同一の符号を付している。
【0122】
受信者端末1022Cでは位置情報サーバ103Cから位置情報を受信すると(ステップS421:Y)、自端末の呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS262)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、これを基にして発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離を算出する(ステップS422)。そして、得られた距離情報と自端末の呼出音設定テーブル123における距離範囲142を比較する(ステップS263)。そして、対応する楽曲とテンポを読み出して決定する(ステップS264)。この後、ステップS264で決定された楽曲とテンポで呼出音の出力を行う(ステップS266)。
【0123】
次に、受信者端末1022Cが電話に出て接続が完了したかどうかのチェックが行われる(ステップS451)。接続が完了すれば(Y)、すべての処理が終了して呼出音の出力も終了する(エンド)。接続が完了するまでは(ステップS451:N)、ステップS421に戻って位置情報の受信の待機が行われる。そして、受信者端末1022Cは位置情報サーバ103Cから位置情報を受信すると(ステップS421:Y)、自端末の呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS262)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、これを基にして発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離が算出され(ステップS422)、呼出音設定テーブル123における距離範囲142と比較される(ステップS263)。そして、対応する楽曲とテンポを読み出して決定し(ステップS264)、呼出音が出力されるという処理が繰り返されることになる。この結果、発信者端末1021Cと受信者端末1022Cの距離が呼出音の鳴っている間に変化した場合にはこれに応じて呼出音が変化することになり、ユーザは距離の変化を容易に認識することができる。
【0124】
一方、ステップS262で呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「0」がセットされている場合、受信者端末1022Cのユーザは呼出音可変モードの実行を望んでいない。したがって、この場合には(N)、接続が完了するまで(ステップS452:N)、従来からの呼出音が出力されることになる(ステップS453)。
【0125】
なお、受信者端末1022Cが電波の届かない圏外にいる場合やその電源が遮断されていて距離情報がエラーとなる場合には、呼出音が出力されないので呼出音設定テーブル123による比較処理(ステップS226)は不要となる。
【0126】
この第4の実施例では、位置情報サーバ103Cを交換機と別の装置として説明した。両者が共通する場合には、図22〜図24に示した処理をそれに応じて変更できることは当然である。位置情報サーバ103Cとホームロケーションレジスタが共通化している場合も同様である。
【0127】
以上説明した本発明の第4の実施例によれば、発信者端末1021Cと受信者端末1022Cのユーザは、呼出音を聞くことで両者の距離を容易に判別することができる。したがって、待ち合わせを行うような場合に、定期的に呼出音を送出するだけで受信者端末1022Cとの距離の変化を簡単に知ることができる。また、第1の実施例と比較すると位置情報サーバ103Cは距離の算出を行う必要がないので、そのための負荷が不要になる。発信者端末1021Cについては位置の取得が必要ないのでその処理が不要になる。
【0128】
またこの第4の実施例では、受信者端末1022Cの呼び出しが行われている間、発信者端末1021Cとの間の距離を連続的に判定することができるようになる。
【実施例5】
【0129】
図25は、本発明の第5の実施例における通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の通信システム100Dは、携帯電話網やインターネット等のネットワーク101と、これに接続された発信側の第1の通信端末としての発信者端末1021Dと、受信者側の第2の通信端末としての受信者端末1022Dと、位置情報の管理を行う位置情報サーバ103Dによって構成されている。
【0130】
発信者端末1021Dと受信者端末1022Dは、携帯電話機、PHS、通信機能を備えたPDAあるいは同様に通信機能を備えた携帯型のパーソナルコンピュータ等の通信機器で構成されている。
【0131】
図26は、第5の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたものである。本実施例で使用される受信者端末1022D(図25)は発信者端末1021Dと同一の構成となっているので、その図示および説明は省略する。また、発信者端末1021Dで第1の実施例の発信者端末1021と基本的に同一の回路部分についてはこれと同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0132】
図25に示した第5の実施例の通信システム100Dでは、位置情報サーバ103D側が通信中距離通知モードというモードになっている発信者端末1021Dと受信者端末1022Dの組を検出し、これらの位置情報を取得して、距離情報を算出するようにしている。このため、発信者端末1021Dは、第1の実施例の発信者端末1021における位置情報取得部124が必要なく、代わりに通信中距離通知モードであることをネットワーク101側に知らせる通信中距離通知出力部321を備えている。
【0133】
通信中距離通知出力部321は、発信者端末1021Dと受信者端末1022Dのいずれかあるいは双方が、設定により、あるいはこれらのユーザのその都度の操作によって通信中距離通知モードに移行させたとき通信中距離通知をネットワーク101に出力するようになっている。この通信中距離通知には、通信の行われる予定あるいは通信中の端末同士のダイヤル情報が含まれている。ただし、たとえば発信者端末1021DにGPSが備わっていて自端末の位置情報を取得可能な場合には、自装置のダイヤル情報の代わりに自装置の現在の位置情報を含めるようにしてもよい。
【0134】
本実施例の場合、通信中距離通知出力部321は、たとえばユーザが通信中距離通知モードに設定している時間帯で所定の時間間隔で通信中距離通知を出力するようになっている。したがって、一例を挙げるとマラソン大会に出場した走者の一方が発信者端末1021Dを所持し、他方が受信者端末1022Dを所持していれば、通信中距離通知モードで両端末が通信を行うことで2人の距離変化を継続して把握することができる。
【0135】
図27は、位置情報サーバの構成の概要を示したものである。図27で図3に示した実施例の受信者端末1022と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。受信者端末1022Dは、通信中距離通知モードにある通信端末をネットワーク101内で検出する通信中距離通知モード検出部331を新たに備えている。
【0136】
通信中距離通知モード検出部331の通信中距離通知の検出方法には、ネットワーク101上で特定のデータを検出する各種の手法を適用することができる。たとえば、位置情報サーバ103D自身やネットワーク上の特定の共有のバッファ領域を宛先として通信中距離通知を書き込ませるよいし、各端末の同意の下で図示しない交換機から通信中距離通知を送ってもらうようにすることもできる。
【0137】
図28は、第5の実施例で発信者端末による通信中距離通知モードの処理の内容を表わしたものである。本実施例では図26に示した受信者端末1022Dも発信者端末1021Dと同様の処理を行うので、その説明は省略する。また、図28で図6と同一部分には同一の符号を付している。
【0138】
発信者端末1021Dは、通信中距離通知モードが実行されている状態で、図25に示した位置情報サーバ103Dから距離情報が送られてくるか(ステップS501)、同じく位置情報サーバ103Dから自端末の位置情報の要求があるか(ステップS502)、あるいは自端末内部で通信中距離通知の要求が発生したか(ステップS503)の監視を行っている。
【0139】
まず、位置情報サーバ103Dから距離情報が送られてきた場合には(ステップS501:Y)、図4に示した呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS223)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、距離情報を受信してこれを図4で示した呼出音設定テーブル123と比較する(ステップS504)。そして、対応する距離範囲の楽曲とテンポを読み出して呼出音を決定する(ステップS227)。この後、呼出音の出力を開始することになる(ステップS225)。もちろんこの呼出音は通信相手を呼び出している音ではなく、距離範囲を表わすための音である。
【0140】
これに対して、呼出音可変モードの実行を「否」に指定した信号「0」が設定されている場合には(ステップS223:N)、特別な処理を行うことなく終了する(エンド)。なお、発信者端末1021D側でたとえば通常の呼出音を出力中である場合にはそれに従う。また、フラグの参照は受信者端末1022Dのみが行う処理として、発信者端末1021Dはフラグのチェックを行うことなく直ちにステップS504以降の処理に進んでもよい。
【0141】
ステップS502で位置情報サーバ103Dから位置情報の要求があった場合(Y)、発信者端末1021Dは自端末の現在の正確な位置情報を把握していればこれを位置情報サーバ103Dに返答する(ステップS505)。GPSで測定した最新の位置情報があるような場合である。そのような位置情報がない場合にはその旨を位置情報サーバ103Dに返答する。この場合、位置情報サーバ103Dは後に説明するように自分で位置情報の探索を行う。
【0142】
発信者端末1021Dの内部で通信中距離通知の要求が発生した場合(ステップS503:Y)、これには1回だけのものと継続して発生するものがある。いずれの場合にも、通信中距離通知の要求が発生している間、発信者端末1021Dは継続的に自端末と相手先の端末である受信者端末1022Dのダイヤル情報を位置情報サーバ103Dに送信する(ステップS506)。発信者端末1021D自体のダイヤル情報に代えて、GPSで測定した最新の位置情報を送るようにしてもよい。
【0143】
図29は、第5の実施例における位置情報サーバの距離情報作成処理の流れを表わしたものである。位置情報サーバ103Dは図27に示した通信中距離通知モード検出部331がいずれかの端末で通信中距離通知モードの起動(あるいは通信中距離通知の要求)の検出を行うと(ステップS521:Y)、ペアとなっている発信者端末1021Dの位置情報をまず検索する(ステップS522)。
【0144】
図30は、位置情報サーバによる発信者端末についての位置情報検索処理を具体的に表わしたものである。受信者端末1022Dについての位置情報検索処理も基本的に図30と同一なので、その説明は省略する。まず、位置情報サーバ103Dは発信者端末1021Dから送られてきた情報の中にその位置情報が含まれているような場合(ステップS541:Y)、独自に検索処理を行うことなくその位置情報を所定の領域に記憶して(ステップS542)、処理を終了する(エンド)。発信者端末1021Dが通信中距離通知の要求にGPSで測定した自端末の最新の位置情報を一緒に送ってきたような場合である。
【0145】
このような位置情報が含まれていなかったような場合には(ステップS541:N)、該当する端末としてここでは発信者端末1021Dに位置情報の要求を行う(ステップS543)。この要求に対して発信者端末1021Dが用意していた最新の位置情報を返答した場合には(ステップS544:Y)、これを位置情報として記憶して(ステップS542)、処理を終了する(エンド)。
【0146】
発信者端末1021Dが適当な位置情報を用意しておらず位置情報の返答を行わなかった場合には(ステップS544:N)、図7のステップS242で説明したように、位置情報検索部135A(図27)は発信者端末1021Dのダイヤル情報を用いて、図示しないホームロケーションレジスタからその位置情報を取得することになる(ステップS545)。
【0147】
図29に戻って説明を続ける。ステップS522で発信者端末1021Dの位置情報を検索して取得したら、次にこの発信者端末1021Dとペアとなった受信者端末1022Dの位置情報を検索して取得する(ステップS523)。そして、これらの位置情報を使用して発信者端末1021Dと受信者端末1022Dの距離を算出して、図27に示す距離登録部137に登録する(ステップS524)。この後、発信者端末1021Dと受信者端末1022Dにこれらの距離情報を送信することになる(ステップS525)。そして、通信中距離通知モード検出部331が通信中距離通知モードが継続していると判別した場合には(ステップS526:N)、その間はステップS522に戻ってステップS522〜ステップS525の処理を繰り返すことになる。これにより、たとえば発信者端末1021Dと受信者端末1022Dのユーザ同士が待ち合わせ場所の近くでお互いの距離の変化を把握することができる。
【0148】
以上説明した本発明の第5の実施例によれば、発信者端末1021Dと受信者端末1022Dのユーザは、通信中距離通知モードで所望の期間にわたって、あるいは要求を行うたびに両端末の距離やその変化を容易に判別することができる。しかも、位置情報サーバ103Dは距離の計算の基礎となる位置情報を複数の手法で取得することを試みることができる。したがって、距離の測定を行える確率が向上するだけでなく、高精度の結果を得る確率も高めることができる。
【0149】
また、本実施例ではダイヤルに基づく呼出音が鳴っている期間だけでなく、通信中におけるユーザの必要とするいずれの区間でも距離の算出結果を得ることができる。
【実施例6】
【0150】
図31は、本発明の第6の実施例における通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の通信システム100Eは、携帯電話網やインターネット等のネットワーク101と、これに接続された発信側の第1の通信端末としての発信者端末1021Eと、受信者側の第2の通信端末としての受信者端末1022Eと、位置情報の管理を行う位置情報サーバ103Eによって構成されている。
【0151】
発信者端末1021Eと受信者端末1022Eは、携帯電話機、PHS、通信機能を備えたPDAあるいは同様に通信機能を備えた携帯型のパーソナルコンピュータ等の通信機器で構成されている。
【0152】
図32は、第6の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたものである。本実施例で使用される受信者端末1022E(図31)は発信者端末1021Eと同一の構成となっているので、その図示および説明は省略する。また、発信者端末1021Eで第1の実施例の発信者端末1021または第2の実施例の発信者端末1021Aと基本的に同一の回路部分についてはこれと同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0153】
図31に示した第6の実施例の通信システム100Eでは、位置情報サーバ103E側が通信中距離通知モードというモードになっている発信者端末1021Eと受信者端末1022Eの組を検出し、これらの位置情報を取得してこれら両端末に通知するようにしている。このため、発信者端末1021Eは、第1の実施例の発信者端末1021における位置情報取得部124が必要なく、代わりに通信中距離通知モードであることをネットワーク101側に知らせる通信中距離通知出力部321と、位置情報記憶部301および距離算出部302を備えている。
【0154】
図33は、第6の実施例の位置情報サーバの構成を表わしたものである。位置情報サーバ103Eは、図11に示した第2の実施例における位置情報サーバ103Aと同様に図3に示した距離算出部136および距離登録部137が不要である。また、信者端末1021Eと受信者端末1022Eに位置情報を通知するようにしているので、距離通知部138(図3)は存在せず、その代わりに位置情報を両端末に通知する位置情報通知部311を備えている。また、第5の実施例の位置情報サーバ103Dと同様に、通信中距離通知モードにある通信端末をネットワーク101内で検出する通信中距離通知モード検出部331を備えている。
【0155】
図34は、第6の実施例で発信者端末による通信中距離通知モードの処理の内容を表わしたものである。本実施例では図31に示した受信者端末1022Eも発信者端末1021Eと同様の処理を行うので、その説明は省略する。また、図34で図28と同一部分には同一の符号を付している。
【0156】
発信者端末1021Eは、通信中距離通知モードが実行されている状態で、図31に示した位置情報サーバ103Eから位置情報が送られてくるか(ステップS561)、同じく位置情報サーバ103Eから自端末の位置情報の要求があるか(ステップS502)、あるいは自端末内部で通信中距離通知の要求が発生したか(ステップS503)の監視を行っている。
【0157】
まず、位置情報サーバ103Eから位置情報が送られてきた場合には(ステップS561:Y)、図4に示した呼出音設定テーブル123のフラグ設定欄141に「1」がセットされているかどうかを判別する(ステップS223)。呼出音可変モードの実行を「可」に指定した信号「1」が設定されている場合には(Y)、位置情報を受信して距離情報を算出し(ステップS562)、得られた距離情報を図4で示した呼出音設定テーブル123と比較する(ステップS226)。そして、対応する距離範囲の楽曲とテンポを読み出して呼出音を決定する(ステップS227)。この後、呼出音の出力を開始することになる(ステップS225)。
【0158】
これに対して、呼出音可変モードの実行を「否」に指定した信号「0」が設定されている場合には(ステップS223:N)、特別な処理を行うことなく終了する(エンド)。なお、発信者端末1021E側でたとえば通常の呼出音を出力中である場合にはそれに従う。また、フラグの参照は受信者端末1022Eのみが行う処理として、発信者端末1021Eはフラグのチェックを行うことなくステップS561から直ちにステップS562以降の処理に進んでもよい。
【0159】
ステップS502で位置情報サーバ103Eから位置情報の要求があった場合(Y)、発信者端末1021Eは自端末の現在の正確な位置情報を把握していればこれを位置情報サーバ103Eに返答する(ステップS505)。GPSで測定した最新の位置情報があるような場合である。そのような位置情報がない場合にはその旨を位置情報サーバ103Eに返答する。この場合、位置情報サーバ103Eは後に説明するように自分で位置情報の探索を行う。
【0160】
発信者端末1021Eの内部で通信中距離通知の要求が発生した場合(ステップS503:Y)、これには1回だけのものと継続して発生するものがある。いずれの場合にも、通信中距離通知の要求が発生している間、発信者端末1021Eは継続的に自端末と相手先の端末である受信者端末1022Eのダイヤル情報を位置情報サーバ103Eに送信する(ステップS506)。発信者端末1021E自体のダイヤル情報に代えて、GPSで測定した最新の位置情報を送るようにしてもよい。
【0161】
図35は、第6の実施例における位置情報サーバの距離情報作成処理の流れを表わしたものである。位置情報サーバ103Eは図33に示した通信中距離通知モード検出部331がいずれかの端末で通信中距離通知モードの起動(あるいは通信中距離通知の要求)の検出を行うと(ステップS521:Y)、ペアとなっている発信者端末1021Eの位置情報をまず検索する(ステップS522)。これについての詳細は第5の実施例の図30と同一である。
【0162】
ステップS522で発信者端末1021Eの位置情報を検索して取得したら、次にこの発信者端末1021Eとペアとなった受信者端末1022Eの位置情報を検索して取得する(ステップS523)。そして、これらの位置情報を発信者端末1021Eと受信者端末1022Eに送信することになる(ステップS571)。この後、通信中距離通知モード検出部331が通信中距離通知モードが継続していると判別した場合には(ステップS526:Y)、その間はステップS522に戻ってステップS522〜ステップS571の処理を繰り返すことになる。これにより、たとえば発信者端末1021Eと受信者端末1022Eのユーザ同士が待ち合わせ場所の近くでお互いの距離の変化を把握することができる。
【0163】
以上説明した本発明の第6の実施例によれば、発信者端末1021Eと受信者端末1022Eのユーザは、通信中距離通知モードで所望の期間にわたって、あるいは要求を行うたびに両端末の距離やその変化を容易に判別することができる。しかも、位置情報サーバ103Eは位置の計算の基礎となる位置情報を複数の手法で取得することを試みることができる。したがって、距離として高精度の結果を得る確率を高めることができる。
【0164】
また、本実施例ではダイヤルに基づく呼出音が鳴っている期間だけでなく、通信中におけるユーザの必要とするいずれの区間でも距離の算出結果を得ることができる。
【0165】
なお、以上説明した実施例では、たとえば図2に示した通知出力部118を用いて楽曲等の音情報によって2つの端末の距離を通知する場合を示したが、音によって距離を通知されることに限定されるものではない。たとえば、図2に示したディスプレイ117に文字や記号あるいは色を表示することによって距離を具体的にあるいは抽象的に表示し、ユーザに把握させるものであってもよい。更にたとえば発光ダイオード等の出力する光の数や強さで距離を表わすことも可能である。
【0166】
また、これら五感に訴えて距離をユーザに把握させる手法は、一種類の手法を単独で使用する場合に限られる必要はなく、視覚的な表示と聴覚的な表示を組み合わせるように五感のうちの任意のものを適宜組み合わせてもよいことは当然である。
【0167】
更に実施例では距離をいくつかの段階で表示したが、たとえばディスプレイ117に数字で具体的に表示してもよい。また、ディスプレイ117の背景の色や発信あるいは着信を示す表示ランプの色や点滅周期を距離に応じて連続的に変化させるようにしてもよい。
【0168】
また、実施例では発信者端末1021と受信者端末1022のように1組の通信端末の距離を表示することにしたが、これに限るものではない。たとえば電話で会議を行うような場合には、会議に参加するユーザのそれぞれの通信端末の間の距離関係を表示するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の第1の実施例における通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図2】第1の実施例で発信者端末の基本的な構成を表わしたブロック図である。
【図3】第1の実施例で位置情報サーバの構成の概要を表わしたブロック図である。
【図4】第1の実施例における呼出音設定テーブルの一例を表わした説明図である。
【図5】第1の実施例で発信者端末側が行う呼出音可変モードでの各種処理の様子を表わした流れ図である。
【図6】第1の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図7】第1の実施例で位置情報サーバによる距離情報の作成処理の流れを表わした流れ図である。
【図8】第1の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図9】本発明の第2の実施例における通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図10】第2の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたブロック図である。
【図11】第2の実施例の位置情報サーバの構成を表わしたブロック図である。
【図12】第2の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図13】第2の実施例における位置情報サーバによる位置情報の作成処理の流れを表わした流れ図である。
【図14】第2の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図15】本発明の第3の実施例における通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図16】第3の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたブロック図である。
【図17】第3の実施例の位置情報サーバの構成を表わしたブロック図である。
【図18】第3の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図19】位置情報サーバによる距離情報の作成処理の流れを表わした流れ図である。
【図20】第3の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図21】本発明の第4の実施例における通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図22】第4の実施例における発信者端末の発呼の際の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図23】第4の実施例で位置情報サーバによる位置情報の作成処理の流れを表わした流れ図である。
【図24】第4の実施例における着呼側の受信者端末の呼出音出力処理の様子を表わした流れ図である。
【図25】本発明の第5の実施例における通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図26】第5の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたブロック図である。
【図27】第5の実施例における位置情報サーバの構成の概要を示したブロック図である。
【図28】第5の実施例で発信者端末による通信中距離通知モードの処理の内容を表わした流れ図である。
【図29】第5の実施例における位置情報サーバの距離情報作成処理を示した流れ図である。
【図30】第5の実施例で位置情報サーバによる発信者端末についての位置情報検索処理を具体的に表わした流れ図である。
【図31】本発明の第6の実施例における通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図32】第6の実施例の発信者端末の基本的な構成を表わしたブロック図である。
【図33】第6の実施例の位置情報サーバの構成を表わしたブロック図である。
【図34】第6の実施例で発信者端末による通信中距離通知モードの処理を表わした流れ図である。
【図35】第6の実施例における位置情報サーバの距離情報作成処理の流れを表わした流れ図である。
【図36】従来提案された通信システムの要部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0170】
100、100A、100B、100C、100D、100E 通信システム
101 ネットワーク
1021、1021A、1021B、1021C、1021D、1021E 発信者端末
1022、1022A、1022B、1022C、1022D、1022E 受信者端末
103、103A、103B、103C、103D、103E 位置情報サーバ
111 CPU
112 メモリ
117 ディスプレイ
118 通知出力部
119 距離情報格納部
121 距離比較判定部
122 呼出中通知作成部
123 呼出音設定テーブル
124 位置情報取得部
135、135A 位置情報検索部
136、302 距離算出部
138 距離通知部
301 位置情報記憶部
311 位置情報通知部
321 通信中距離通知出力部
331 通信中距離通知モード検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信する通信端末特定情報送信手段と、
この通信端末特定情報送信手段の送信した通信端末特定情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する距離情報受信手段と、
この距離情報受信手段の受信した距離情報を表示する距離情報表示手段
とを具備することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワーク上に送信する通信端末特定情報送信手段と、
この通信端末特定情報送信手段の送信した通信端末特定情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する位置情報受信手段と、
この位置情報受信手段の受信した位置情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出する距離情報算出手段と、
この距離情報算出手段で算出した距離情報を表示する距離情報表示手段
とを具備することを特徴とする通信端末。
【請求項3】
距離について複数のしきい値を設定する距離しきい値設定手段を備え、
前記距離情報表示手段は、前記距離情報を距離しきい値設定手段の設定したしきい値と比較して前記距離情報を段階的に表示する手段であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信端末。
【請求項4】
前記距離情報表示手段は、前記自端末と他の通信端末の接続のために音声で出力される呼出音の楽曲を距離に応じて切り替える手段であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信端末。
【請求項5】
前記距離情報表示手段は、前記自端末と他の通信端末の接続のために音声で出力される呼出音の楽曲のテンポを距離に応じて切り替える手段であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信端末。
【請求項6】
通信のためのネットワークと、
このネットワークに接続され、このネットワークを介して互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報を受信して、これらの通信端末間の距離を算出する距離算出手段と、この距離算出手段の算出結果を距離情報として前記1組の通信端末のそれぞれに送信する距離算出結果送信手段とを備えた位置情報サーバと、
請求項1記載の通信端末
とを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
通信のためのネットワークと、
このネットワークに接続され、このネットワークを介して互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報を受信して、これらの通信端末の位置をそれぞれ検索する位置検索手段と、この位置検索手段の検索した結果をそれぞれの通信端末の位置情報として前記1組の通信端末のそれぞれに送信する位置検索結果送信手段とを備えた位置情報サーバと、
請求項2記載の通信端末
とを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
通信端末のコンピュータに、
互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信処理と、
この通信端末特定情報送信処理で送信した通信端末特定情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する距離情報受信処理と、
この距離情報受信処理で受信した距離情報を表示する距離情報表示処理
とを実行させることを特徴とする通信端末の情報表示プログラム。
【請求項9】
通信端末のコンピュータに、
互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信処理と、
この通信端末特定情報送信処理で送信した通信端末特定情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する位置情報受信処理と、
この位置情報受信処理で受信した位置情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出する距離情報算出処理と、
この距離情報算出処理で算出した距離情報を表示する距離情報表示処理
とを実行させることを特徴とする通信端末の情報表示プログラム。
【請求項10】
互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信ステップと、
この通信端末特定情報送信ステップで送信した通信端末特定情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する距離情報受信ステップと、
この距離情報受信ステップで受信した距離情報を表示する距離情報表示ステップ
とを具備することを特徴とする情報表示方法。
【請求項11】
互いに通信を行う1組の通信端末のそれぞれを特定する通信端末特定情報をネットワークに送信する通信端末特定情報送信ステップと、
この通信端末特定情報送信ステップで送信した通信端末特定情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間のそれぞれの位置を示す位置情報が前記ネットワークから送られてきたときこれを受信する位置情報受信ステップと、
この位置情報受信ステップで受信した位置情報を基にして前記1組の通信端末を構成する自端末と他の通信端末間の距離を示す距離情報を算出する距離情報算出ステップと、
この距離情報算出ステップで算出した距離情報を表示する距離情報表示ステップ
とを具備することを特徴とする情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2008−205933(P2008−205933A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41035(P2007−41035)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】