説明

通信端末器

【課題】メール機能を利用して決定後のスケジュールを相手方の通信端末に自動的に登録することにより相手方へのスケジュール入力の手間を省略することができ、よって、スケジュール機能の有効利用並びに利用率を高めることができる通信端末器を提供する。
【解決手段】電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備すると共にメール送受信機能並びにスケジュール管理機能に関する状況をディスプレイ42で表示し、制御回路36はそのスケジュール管理機能における特定日時の行動予定に関するファイルデータをメール送受信機能を利用して指定相手先に添付ファイル形式で送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気通信回線の多様化並びに電気通信回線業者の多元化に伴い、インターネット回線を利用したEメール、ショートメール或いはショットメール等と称する同一電気通信回線業者間でのみ利用可能な特定業者間メール、自身の現在位置情報をMAPデータとして添付するGPSメール等のように同一機能を具備する通信端末器でのみ利用可能な特殊メールといった様々なメール機能が出現している。
【0003】
尚、このような各種メール機能は、携帯電話装置、タブレットPC等のモバイル機器、或いはデスクトップ型やノートブック型のパーソナルコンピュータといった通信端末器の種類やインストールされたソフトウエアによって利用できる機能と利用することができない機能とがある。
【0004】
一方、これら通信端末器、特に携帯電話装置では、標準的付帯機能であるにも係わらず、利用率が低い機能としてスケジュール機能がある。
【0005】
これは、例えば、携帯電話装置の場合には、リアルタイムで直接相手と会話をするといった根本的会話方式である電話機能に対して、相手方に時間的な制約を強制しない新たな会話方式であるメール機能が普及したことが大きく、その利用概念はいずれにあっても会話である。
【0006】
従って、携帯電話装置に標準的付帯機能として具備するスケジュール機能は、利用率の高いメール機能における文字入力操作と対比すれば、スケジュール入力操作における入力文字数は比較的少ないにも係わらず、スケジュール入力操作が面倒であるといった不便さが感覚的にあることと相俟って利用率が低いものであった。
【0007】
これに対し、スケジュール機能を有効に利用するものとして、複数で共有する予定日時を調整する携帯電話装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
これは、例えば、複数の友人同士で落ち合う際のスケジュール調整や会社訪問等の相手方とのスケジュール調整を行う場合に、指定期間内(例えば、5/20〜5/24、或いは、5/21の9時〜17時)に対して、スケジュール調整対象者毎のスケジュール情報を携帯電話装置からスケジュール管理サーバーに登録し、予定の空いている日時を選択するものである。
【特許文献1】特開平8−106439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した携帯電話装置は、各スケジュール調整対象者は予め自身のスケジュールを登録していなければならないことから、スケジュール入力を余儀なくされるという問題が生じていた。
【0010】
また、複数人の所定期間の予定をスケジュール管理サーバーに登録する必要があることから、例えば、その所定期間に含まれるプライベート情報等が流出する虞があるといった問題も生じていた。
【0011】
さらに、上述したスケジュール調整には、専用のスケジュール管理サーバーが必要となり、高価なシステム構築となるといった問題も生じていた。
【0012】
また、スケジュール機能の利用者は、何月何日何時から(何時まで)何処で打ち合わせといった情報を予定として登録するのが一般的である。
【0013】
従って、複数者間で空いている時間帯をスケジュール管理サーバーが選択した場合、直前の行動時間が長引く虞のある予定(例えば、会議)や移動時間といった条件まで管理するのは困難であることから、スケジュール調整のためにはこれらの予測時間等を何らかの予定として埋めるといった余分な入力作業を必要としてしまうといった問題も生じていた。
【0014】
一方、一般的な複数者間でのスケジュール調整は、遊びや打ち合わせのように対象人数が少ない友人・知人・取引先といった相手方と電話等で予め調整して決定する場合と、会議やパーティ等のように対象人数が多いことから主催者側で一方的に決定された予定に対して自身の予定を調整(又は優先)する場合が殆どである。
【0015】
このような調整は、上述したような調整のために対象者すべてがスケジュール入力を余儀なくされ、しかも調整のための余分な入力をも必要とする場合があるといった手間を考慮すると、スケジュール調整自体は既存の人為的調整で行うことに利便性を損なうといった問題は生じないと思慮される。
【0016】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、メール機能を利用して決定後のスケジュールを相手方の通信端末に自動的に登録することにより相手方へのスケジュール入力の手間を省略することができ、よって、スケジュール機能の有効利用並びに利用率を高めることができる通信端末器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の発明は、電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器において、前記スケジュール管理機能における特定日時の行動予定に関するファイルデータを前記メール送受信機能を利用して指定した相手先に添付ファイル形式で送信する制御部を備えていることを特徴とする。
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、スケジュール管理機能を利用して設定された特定日時の行動予定に関するファイルデータがメール送受信機能を介して指定相手先に添付ファイル形式で送信されることにより、その指定相手先のユーザは自身の通信端末器のスケジュール管理機能にスケジュール入力をすることなく行動予定が記憶される。
【0019】
この際、相手方の通信端末器に既に登録されたスケジュールと一部の時間帯でも重複している予定があった場合、その旨を付帯の表示部やスピーカからエラー報知することにより、新規スケジュールの上書きや新規スケジュールの上書き拒否といった操作の他、相手方との再度のスケジュール調整や遅刻の連絡等といった対応も可能となる。
【0020】
また、スケジュールの重要度を段階的に設定することにより、相手方の通信端末器に既に登録されたスケジュールの重要度と新規のスケジュールの重要度とを比較して自動的にスケジュールを選択することも可能である。
【0021】
尚、ここでのスケジュール管理機能とメール送受信機能とは周知のものを利用しており、そのスケジュール管理機能へのファイルデータの上書き時には、各通信端末器固有のスケジュール管理機能のファイル形式と合致するように、データフォーマットの先頭付近に既存のスケジュール管理機能との整合性を図るIP等が格納されている。
【0022】
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、特定日時における行動予定に同行する同行者データが前記ファイルデータの一部に含まれていた場合に、その同行者データと一致する情報が前記メール送受信機能に付帯のアドレス帳機能に登録されていた場合には、その同行者を前記指定相手先と判定することを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、共有する特定日時における行動予定の同行者に対して、その同行者を指定することなくメール送信をすることができる。
【0024】
尚、ここでの同行とは、例えば、5/20の13時からA商社でB氏・C氏と打ち合わせといった予定に対し、B氏が同じ職場の上司であるから自身の会社からA商社まで同行してC氏と打ち合わせをする場合のB氏・C氏ほか、現地でB氏・C氏と落ち合って打ち合わせをするといった場合のB氏・C氏等を含むものとする。
【0025】
また、同行者へのメール送信は、スケジュールの登録と同時に配信しても良いし、同行者と登録者との一致や必要性の有無を考慮して確認操作後に配信しても良い。
【0026】
この際、同行者が複数ある場合には、登録者と重複したもの全てに配信することが可能である。
【0027】
請求項3に記載の発明は、前記制御部は、指定された日時に特定日時における行動予定に関するファイルデータを送信することを特徴とする。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、例えば、特定日時の前日や3日前等に同行者に確認を促す場合として利用することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、特定日時を含む週単位若しくは月単位のファイルデータを送信することを特徴とする。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、例えば、職場における上司と部下或いは親子といったように、ある程度の行動管理体制の環境下にある関係者間において、まとまった期間でのスケジュールを把握することができる。また、特定日時を複数設定したうえで一度にスケジュールを配信することも可能となる。
【0031】
請求項5に記載の発明は、前記表示部は、特定日時毎の行動予定に関するファイルデータをカレンダー形式で展開表示することを特徴とする。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、日毎の予定の有無を週単位や月単位で把握したり、予定を確認する際や新たに予定を入力する際の月日の特定を容易に行うことができ、汎用性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器において、特定の相手先と前記スケジュール管理機能で管理しているスケジュールと関連付けて記憶し、前記メール送受信機能を利用して前記特定の相手先に、該特定の相手先に関連するスケジュールのみを送信する制御部を備えていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、スケジュールを送信する相手先に関係するスケジュール内容のみを送信することができる。
請求項7に記載の発明は、電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器において、複数の相手先と前記スケジュール管理機能で管理しているスケジュールとを関連付けて記憶し、前記メール送受信機能を利用して、前記特定の相手先の内スケジュールを送信する相手先をユーザが指定することにより、指定された相手先のみに前記スケジュールを送信する制御部を備えていることを特徴とする。
【0033】
このような構成とすることにより、スケジュールを送信する相手先をユーザが指定でき、ユーザにとって所望の相手先のみにスケジュールを送信することができる。
【発明の効果】
【0034】
メール機能を利用して決定後のスケジュールを相手方の通信端末に自動的に登録することにより相手方へのスケジュール入力の手間を省略することができ、よって、スケジュール機能の有効利用並びに利用率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明の一実施形態に係る通信端末器を携帯電話装置に適用し、図面を参照して説明する。
【0036】
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。この通信部12により、携帯電話装置10は、他の通信装置(例えば、携帯電話装置など)と通信(通話)することができるとともに、電子メールの送受信が可能となり、さらにはインターネットに接続することも可能となっている。
【0037】
また、通信部12はベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0038】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0039】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0040】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0041】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0042】
また、通信部12、ベースバンド部14及び切替回路22には、制御回路(制御手段)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
【0043】
また、制御回路36は、RAM40と接続されている。このRAM40には、制御回路36の動作に必要な所定の情報や、特定人の個人情報(例えば、特定人の電子メールアドレス、特定人の電話番号、特定人に関するデジタル画像、特定人の特定業者間メールアドレス、特定人のGPSメールアドレスなど)がそれぞれ記憶されている。
【0044】
また、制御回路36には、液晶のディスプレイ42が表示部として接続されている。このディスプレイ42には、現在の時刻、電話番号、特定人に実行可能な機能の内容、特定人に関する個人情報(例えば、特定人に関するデジタル画像、電話番号、電子メールアドレス、Cメールアドレス、GPSメールアドレス)などがそれぞれ表示される。
【0045】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号や各ロックナンバ等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、電子メール機能やインターネット機能などの各種機能の設定を行う機能キー54と、特定人に対して実行する機能の内容や特定人の個人情報をディスプレイ42に表示するためのペアキー56と、を有している。
【0046】
次に、本実施形態に係る携帯電話装置10の制御方法について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
ステップ100においてユーザが待受画面中でペアキー56を1回入力すると、制御回路36によりディスプレイ42が制御されて、特定人に対して実行可能な各機能の内容(ペアメニュー、図3参照)76がRAM40に記憶されている表示内容に基づいてディスプレイ42に表示される(ステップ120)。
【0048】
具体的には、図3に示すように、このペアメニュー76では、特定人のデジタル画像60の他、電話機能を示す第1のアイコン62、電子メール機能を示す第2のアイコン64、RAM40に記憶した特定人の登録/編集機能を示す第3のアイコン66、Cメール機能を示す第4のアイコン68、GPSメール機能を示す第5のアイコン70、スケジュール機能を立ち上げる第6のアイコン72がそれぞれ一覧表示されている。これにより、ユーザは、特定人に対して実行できる各機能をディスプレイ42に瞬時に表示させることができ、実行可能な機能を瞬時にして見分けることができる。
【0049】
なお、ペアメニュー76で表示されるアイコンは、上記した各アイコン62、64、66、68、70、72に限られるものではなく、特定人に実行可能な他の機能を示したアイコンでもよい。
【0050】
次に、例えば、ユーザが特定人に電子メールを送信する場合には、ユーザはテンキー48を操作して第2のアイコン64を選択する(ステップ140)。ユーザにより第2のアイコン64が選択されると、制御回路36によりディスプレイ42が制御されて、図4に示すようにRAM40に記憶された特定人の電子メールアドレスに送信するための電子メールの作成画面74がディスプレイ42に表示される(ステップ160)。電子メールの作成画面74がディスプレイ42に表示されると、ユーザがテンキー48を操作し、送信するための電子メールの内容(例えば、文章など)が作成される(ステップ180)。電子メールの内容の作成が終了すると、ユーザが機能キー54を入力して実行することにより、電子メールが特定人の電子メールアドレスに送信される(ステップ200)。
【0051】
また、図3に示すペアメニュー76において、第1のアイコン62を選択することにより特定人に電話をかけることができ、第3のアイコン66を選択することにより特定人をRAM40に記憶(登録)したり、既にRAM40に記憶(登録)されている特定人の個人情報を編集することができ、第4のアイコン68を選択することによりCメールの本文入力画面をディスプレイ42に表示させることができ、第5のアイコン70を選択することによりユーザの現在位置を特定人に送信することができ、第6のアイコン72を選択することによりスケジュール機能を立ち上げることができる。
【0052】
なお、ステップ120において、ディスプレイ42に特定人に実行可能に各機能(ペアメニュー76)が表示されるが、このとき、各機能の内容表示と共に各機能に関連する特定人の個人情報(例えば、第1のアイコン62であれば特定人の電話番号、第2のアイコン64であれば特定人の電子メールアドレス、……、など)をディスプレイ42上に表示するようにしてもよい。
【0053】
また、上記した携帯電話装置10の制御方法については、ユーザがペアキー56を1回入力して、ディスプレイ42にペアメニュー76を表示させ、その後、各機能に移行する形態を説明したが、これに限られるものではない。
【0054】
例えば、ユーザが待受画面において所定のキーを1回だけ入力することにより、制御回路36によりディスプレイ42が制御されて、RAM40に記憶された特定人の電子メールアドレスに送信するための電子メールの作成画面(図4参照)がディスプレイ42に表示されるようにしてもよい。これにより、特定人の電子メールアドレスに電子メールを送信するときに、ユーザが所定のキーを1回だけ入力することにより、ペアメニュー76の表示を経由しないで、瞬時に電子メールの作成画面74がディスプレイ42に表示されるため、早急に送信内容を作成することができる。特に、特定人の電子メールアドレスに電子メールを頻繁に送信する場合には、非常に便利になる。
【0055】
さらに、特定人については1人であることに限られるものではなく、複数人に設定することもできる。例えば、RAM40に、複数の特定人の電子メールアドレスと、特定人の電子メールアドレスと入力されるキーとの対応関係を示すテーブルと、をそれぞれ記憶させておき、ユーザが所定のキーを1回だけ入力することにより、ユーザが入力したキーと対応する特定人の電子メールアドレスに送信するための電子メールの作成画面をディスプレイ42上に表示させるようにしてもよい。これにより、複数人に電子メールを送信する場合には、ユーザが入力するキーを使い分けることにより、それぞれの特定人の電子メールアドレスに送信するための電子メールの作成画面に瞬時に移行することができ、非常に便利になる。
【0056】
次に、本発明のスケジュール機能について図5乃至図7に基づいて説明する。
【0057】
図5において、図3に示した状態から第6のアイコン72を操作すると、ディスプレイ42に現在月日を含むカレンダーが表示されると共に、その月の予定が短冊状に複数表示される。尚、この予定表示はディスプレイ42のスペースに応じて表示されるもので、特に表示されなくても良い。
【0058】
尚、このスケジュール機能は、メインメニュー或いはサブメニュー(例えば、モードメニューやツール機能一覧メニュー等)から立ち上げる場合もあるが、ここでは特定人と共有するスケジュールを設定する場合として、その特定人表示状態である図3からスケジュール機能を立ち上げている。
【0059】
特定の月日(例えば、4/23)を指定すると、図6に示すように、ディスプレイ42にはスケジュール登録画面が表示される。
【0060】
この際、月日、時間、場所、用件、他の特定人等の用件が入力されるが、特定人及び他の特定人(=同行者)以外の用件は既存のスケジュール機能における用件及びその入力方法と同一である。
【0061】
図7に示すように、用件が入力されると、再び図3に示した状態へとディスプレイ42の表示状態が復帰すると同時にRAM40に特定日時の予定がデータ形式で記憶される。尚、上述したメインメニュー或いはサブメニュー(例えば、モードメニューやツール機能一覧メニュー等)からスケジュール機能を立ち上げた場合には、RAM40への用件登録と同時にディスプレイ42にホップアップメニューが表示され、登録内容(例えば、予定項目)等が表示される。
【0062】
この状態から、第2のアイコン64を操作すると、図4に示すように、RAM40に記憶された特定日時の行動予定に関するファイルデータが指定相手先(特定人)に添付ファイル形式で送信される。
【0063】
特定人は、この添付ファイルを受信することにより自身のスケジュール管理機能に特定日時の行動予定に関するファイルデータが格納されるため、その格納の確認などの操作や表示といった必要最小限の操作のみで、特定日時の行動予定に関する文字入力を行うことなくスケジュール管理機能を利用することができる。
【0064】
又、他の実施形態として、一人の特定の相手先(例えば、恋人)とその相手先に関連するスケジュールを記憶しておき、その相手先に関連するスケジュールを表示した際に、ユーザが特定の操作(例えばメール送信)をすることにより、恋人のみへ、その恋人に関係するスケジュールを送信する構成としても良い。
【0065】
このような構成とすることにより、例えば、映画の公開日程やデートの約束といったスケジュールを、ユーザと密接な関係のある一人の相手先に簡単に送信することができる。
【0066】
又、複数の特定の相手先(例えば、吹奏楽のクラブメンバー)とその複数の相手先に関連するスケジュール(例えば、練習日程や公演日程)を記憶しておき、その複数の相手先に関連するスケジュールを表示した際に、ユーザが特定の操作(例えばメール送信)をすると共にスケジュールを送信する相手先を全て指定或いはその一部を指定することにより、指定された相手先にスケジュールを送信する構成としても良い。
【0067】
このような構成とすることにより、例えば、吹奏楽の練習日程や公演日程といったスケジュールを、吹奏楽メンバーに簡単に送信することができる。
【0068】
尚、スケジュール表示中に、スケジュール内容を送信する相手先をユーザが指定できるように構成しても良いし、予め登録した相手先にしか送信できない構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の作用を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の表示手段に表示されるペアメニューを示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の表示手段に表示される電子メールの作成画面を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の表示手段に表示されるカレンダー表示例の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の表示手段に表示されるスケジュール登録画面表示例の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の表示手段に表示されるスケジュール登録表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0070】
10 携帯電話装置(通信端末器)
36 制御回路(制御部)
40 RAM(記憶手段)
42 ディスプレイ(表示部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器において、
前記スケジュール管理機能における特定日時の行動予定に関するファイルデータを前記メール送受信機能を利用して指定した相手先に添付ファイル形式で送信する制御部を備えていることを特徴とする通信端末器。
【請求項2】
前記制御部は、特定日時における行動予定に同行する同行者データが前記ファイルデータの一部に含まれていた場合に、その同行者データと一致する情報が前記メール送受信機能に付帯のアドレス帳機能に登録されていた場合には、その同行者を前記指定相手先と判定することを特徴とする請求項1に記載の通信端末器。
【請求項3】
前記制御部は、指定された日時に特定日時における行動予定に関するファイルデータを送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信端末器。
【請求項4】
前記制御部は、特定日時を含む週単位若しくは月単位のファイルデータを送信することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の通信端末器。
【請求項5】
前記表示部は、特定日時毎の行動予定に関するファイルデータをカレンダー形式で展開表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の通信端末器。
【請求項6】
電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器において、
特定の相手先と前記スケジュール管理機能で管理しているスケジュールと関連付けて記憶し、前記メール送受信機能を利用して前記特定の相手先に、該特定の相手先に関連するスケジュールのみを送信する制御部を備えていることを特徴とする通信端末器。
【請求項7】
電気通信回線を通じてデータの送受信を行うメール送受信機能と特定日時における行動予定毎にファイルデータ形式で記憶するスケジュール管理機能とを具備し、前記メール送受信機能並びに前記スケジュール管理機能に関する状況を表示部で表示する通信端末器において、
複数の相手先と前記スケジュール管理機能で管理しているスケジュールとを関連付けて記憶し、前記メール送受信機能を利用して、前記特定の相手先の内スケジュールを送信する相手先をユーザが指定することにより、指定された相手先のみに前記スケジュールを送信する制御部を備えていることを特徴とする通信端末器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−48438(P2006−48438A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229646(P2004−229646)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】