説明

通信端末装置及びその通信方法

【課題】移動局の環境や伝送速度に影響されずに、移動局に対する基地局送信電力を適切に制御すること。
【解決手段】通信端末装置において受信品質を測定し、その測定結果を基地局装置に報告し、基地局装置において受信品質の報告結果に基づいて伝送レートを切り替える。これにより、通信端末装置の受信品質が悪くなった時点を起点として、伝送レート切り替えを行う。また、通信端末装置と基地局装置の通信路状態に応じて、他への干渉量を許容できる範囲内となるように伝送レートを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送レートを可変とする通信端末装置及びその通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信装置について、文献“DS−CDMA下りチャネルにおける瞬時値変動追従型送信電力制御法の検討(電子情報通信学会 信学技報 AP96-148、EMCJ96-83、RCS96-162、MW96-188(1997-02)”を用いて説明する。この文献には、CDMAでの送信電力制御方法が記載されている。以下、この記載について説明する。
【0003】
送信電力制御において、受信品質を示すSIR測定及び送信電力の増減は、1スロット周期(0.625ms)で行われる。この場合、測定されたSIRと目標とするSIRとを比較し、測定値が大きい場合は送信電力を下げる命令を基地局(送信側)に送り、測定値が小さい場合は送信電力を上げる命令を基地局に送る。基地局はこれに従って送信電力を増減する。
【0004】
また、基地局は、移動局の環境によって所要品質(FER:Frame Error Rate)を得るための目標SIRが異なることを考慮し、アウタ・ループの制御を行う。具体的には、まず、復号後のデータよりFERを測定する。これと目標FERを数フレームおきに比較し、測定値が大きい場合は目標SIRを上げ、測定値が小さい場合は目標SIRを下げる。
【0005】
従来の技術では、移動局で測定されたSIRに基づいて送信側に送信電力制御命令を送るとともに、アウタ・ループ制御により目標SIRを変更して送信電力制御を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術には以下の課題がある。すなわち、移動局の環境及び伝送速度によっては目標SIRが高くなり、しかもフェージングなどにより受信SIRが低くなる場合がある。その際、移動局では、目標SIRに受信SIRを近づけるために基地局に送信電力を上げるように指示するので、移動局に対する基地局の送信電力が非常に大きくなり、他の移動局に対する干渉量が許容できないほど増加する可能性がある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、移動局の環境や伝送速度に影響されずに、移動局に対する基地局送信電力を適切に制御することができる通信端末装置及びその通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の骨子は、回線状態が良好なときに伝送レートを上げて多くのデータを伝送し、回線状態が悪いときに伝送レートを下げてデータ伝送量を抑えることである。すなわち、本発明は、通信相手からの受信品質情報に基づいて送信電力制御を行い、送信電力の平均値に応じて送信信号の伝送レートを制御することである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば基地局において、移動局が測定した受信品質に基づいて送信電力制御を行い、送信電力の平均値に基づいて基地局の伝送レートを切り替えることができる。これにより、移動局の環境や伝送速度に影響されずに、基地局装置の移動局に対する送信電力、伝送レートをより適切に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。この基地局装置では、アンテナ101で信号した信号は、送信と受信で同一のアンテナを用いるためのアンテナ共用器102を通じて受信RF回路103に送られる。受信RF回路103では、受信信号が増幅され、中間周波数又はベースバンド周波数に周波数変換される。
【0012】
周波数変換された信号は、復調回路104で復調される。復調結果は、分離回路105に送られ、分離回路105で受信データと伝送レート切り替え制御のための信号とに分離される。
【0013】
伝送レート切替制御回路106では、受信した制御信号に基づいて伝送レートの切り替え信号を送信フレーム作成回路107に送る。伝送レート切り替え制御回路の動作については後で説明する。
【0014】
送信については、送信データを変調回路108で変調して送信RF回路109に送る。送信RF回路109では、送信データを周波数変換し、更に増幅する。この送信信号は、アンテナ共用器102を通じてアンテナ101から送信される。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置と無線通信を行う通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
アンテナ201で受信された信号は、送信と受信で同一のアンテナを用いるためのアンテナ共用器202を通じて受信RF回路203に送られ、そこで増幅され、更に中間周波数又はベースバンド周波数へ周波数変換される。周波数変換された信号は、復調回路204で復調される。同時に、受信RF回路の出力信号はSIR(受信品質)測定回路205に送られ、そこで受信品質が測定される。
【0017】
この受信品質としては、例えば、受信電界強度、所望波受信電力、受信信号対干渉電力比(SIR)、受信信号電力対干渉電力+雑音電力比(Signal-to-Interference pulse Noise Ratio、以下SINRと省略する)がある。受信電界強度は、受信RFの電力を測定することにより求められる。受信電界強度を用いることにより、回路構成が最も簡単となる。また、干渉波が存在しないような環境で用いることができる。
【0018】
所望波受信電力は、受信信号に対して既知信号を乗算して測定する。この場合、干渉波が存在する時は、受信電界強度だけでは、所望波と干渉波の受信電力を報告してしまうことになるので、必ずしも端末が必要とする所望信号の受信電力を報告したことにはならない恐れがある。このため、端末が必要とする所望信号の受信電力を測定して報告するために、誤り率特性を決定する指標として最も確実な情報であるSINRを受信品質として用いることが好ましい。
【0019】
所望波受信電力の測定回路を図3に示す。この回路では、受信信号の既知パタン部分を取り出し、基地局が持つ既知パタンを複素共役回路302で複素共役演算し、受信信号の既知パタン部分と複素共役演算した既知パタンとを複素乗算回路301で複素乗算して、複素平面上の所望受信信号の位置(図5における黒丸の位置)を算出し、その算出結果から電力測定回路303で電力を測定する。
【0020】
一方、SINRの測定回路を図4に示す。この回路では、受信信号の既知パタン部分を取り出し、基地局が持つ既知パタンを複素共役回路402で複素共役演算し、受信信号の既知パタン部分と複素共役演算した既知パタンとを複素乗算回路401で複素乗算して、複素平面上の所望受信信号の位置(図5における黒丸の位置)を算出し、その算出結果から電力を測定する。更に、干渉電力+雑音電力測定回路404において、各受信信号の位置(図5における白丸の位置)と所望受信信号の位置(図5の黒丸の位置)との間のベクトルの2乗和の平均値から干渉電力+雑音電力を測定する。また、前記算出結果から所望電力測定回路403で所望電力を測定する。次いで、比算出回路405において、干渉電力+雑音電力測定回路404及び所望電力測定回路403の出力から両者の比を算出する。これにより、SINRを算出する。
【0021】
これらの方法で算出した受信品質測定結果は多重回路206へ送られる。多重回路206では、送信データと受信品質測定結果を送信スロットに割当てる。このような送信データを変調回路207で変調し、送信RF回路208で周波数変換し、増幅する。そして、この送信信号をアンテナ共用器202を通じてアンテナ201から送信する。
【0022】
ここで、通信端末装置から基地局装置への伝送レート切り替え情報の報告について説明する。この報告には、常時報告している方法と、必要に応じて報告する方法がある。前者の方法は、常時報告を行っているので、精度良く伝送レートを切り替えることができるが、通信量は多くなる。
【0023】
音声通信などの場合は、図6に示すように、音声情報(メッセージ)と制御情報を1つのスロット内に多重して送信される場合が多い。したがって、音声通信や低速データ通信においては常時報告を行うことは可能である。
【0024】
後者の方法は、必要な時だけ報告するので、通信量は少なくてすむ。この方法は、高速データ通信を実現するためのパケット通信などに使うことが望ましい。パケット通信では、バースト的に発生する情報を短時間で送る。そのために、図7(a)及び図7(b)に示すように、スロット中に制御情報を多重せず、メッセージであるか制御情報であるかを示すフラグを用いる。図7(a)はメッセージのときにフラグを立てる場合を示し、図7(b)は制御情報のときにフラグを立てる場合を示す。
【0025】
次に、伝送レート切り替えを行うタイミングについて説明する。伝送レート切り替えのタイミングには以下の4つの方法がある。
【0026】
まず、第1の方法を図8を用いて説明する。通信端末装置側で受信品質を測定していて、急激に受信品質が悪くなる時がある。移動通信環境下において、例えばシャドウイングと呼ばれる見通し通信が確保できなくなった場合では、急激に数十dBも受信電界強度が小さくなる。このような状況をモニタしていて、受信品質が急激に小さくなったタイミングで報告する。基地局装置では、この受信品質報告を契機に伝送レート切り替えを行う。基地局側からの要求により、又は定期的に、通信端末側で測定した受信品質が良くなったときには、基地局装置で伝送レートを切り替えて伝送レートを元に戻す。なお、受信品質が急激に悪くなったタイミングや受信品質が良くなったタイミングは、例えば、受信電界強度などの受信品質についてしきい値判定を行うことにより検出することができる。
【0027】
次に、第2の方法を図9を用いて説明する。基地局装置において、受信品質を測定する。受信品質が急激に悪くなった場合は、シャドウイングと呼ばれる見通し通信が確保できなくなったと考えられる。シャドウイングは、通信端末装置のアンテナと基地局装置のアンテナの位置で決まるものであり、キャリア周波数差には影響されない。したがって、このような場合は通信端末装置においても受信品質が急激に劣化すると考えられる。そこで、基地局装置から通信端末装置に向けて受信品質の報告要求を送る。通信端末装置では、受信品質を測定して基地局装置に報告する。基地局装置では受信品質報告値にしたがって伝送レート切り替え制御を行う。基地局側からの要求により、又は定期的に、通信端末側で測定した受信品質が良くなったときには、基地局装置で伝送レートを切り替えて伝送レートを元に戻す。なお、受信品質が急激に悪くなったタイミングや受信品質が良くなったタイミングは、例えば、受信電界強度などの受信品質についてしきい値判定を行うことにより検出することができる。
【0028】
次に、第3の方法を図10を用いて説明する。通信端末装置において、受信したメッセージに誤りがある場合に再送要求を行う。基地局装置において、通信端末装置から再送要求が行われたタイミングで、基地局装置から通信端末装置に向けて受信品質の報告要求を送る。通信端末装置では受信品質を測定して基地局装置に報告する。基地局装置では受信品質報告値に従って伝送レート切り替え制御を行う。例えば、通信端末装置で測定した受信品質報告値が所定の値より低い場合に伝送レートの切り替えを行う。基地局側からの要求により、又は定期的に、通信端末側で測定した受信品質が良くなったときには、基地局装置で伝送レートを切り替えて伝送レートを元に戻す。なお、受信品質が急激に悪くなったタイミングや受信品質が良くなったタイミングは、例えば、受信電界強度などの受信品質についてしきい値判定を行うことにより検出することができる。
【0029】
次に、第4の方法を図11を用いて説明する。基地局装置において、自身の送信電力をモニタしている。基地局装置は、通信端末装置から送られてくる送信電力制御信号に基づいて送信電力を制御しているが、基地局装置から通信端末装置間への伝送品質が悪くなった場合、通信端末装置は送信電力の増加を要求する。この要求が他への干渉量を考慮して過剰送信電力であると判断された場合、基地局装置で伝送レート切り替え制御を行う。過剰送信電力であるとの判断は、例えばしきい値判定などにより行うことができる。また、所定の送信電力許容量が確保できたときに、基地局装置で伝送レートを切り替えて伝送レートを元に戻す。この所定の送信電力許容量は、伝送レートの制御量に応じて適宜決定される。例えば、伝送レートを1/2に下げた場合には、最低3dBの許容量が確保できたときに伝送レートを切り替える。
【0030】
なお、上記4種類の方法のいくつかを組み合わせることによって、伝送レート切り替え制御の遅れをなくし、きめ細かな制御を行うことができる。
【0031】
このように、図1に示す基地局装置から送信された下り回線の信号の受信品質測定結果を図2の通信端末装置で測定し、上り回線で基地局に報告する。基地局においては、上り回線で受信した通信端末装置が測定した受信品質測定結果に基づいて伝送レートを切り替える。
【0032】
ここで、伝送レート切り替え制御回路の動作について詳しく説明する。図12は伝送レート切り替え制御回路のフロー図である。ST11では、基地局装置において、通信端末装置から報告された受信品質測定結果と閾値1とを比較する。ここでは、受信品質がSIRである場合について説明するが、受信品質が受信電界強度、所望波受信電力、SINRであっても同様である。この閾値1は、伝送レートに応じて設定するが、CDMA通信方式においては、拡散率あるいは多重コード数に応じて設定する。
【0033】
受信品質測定結果(SIR)が閾値1よりも大きい場合は、そのままの伝送レートを用いる。SIRが閾値1よりも小さい場合は、回線状態が悪いと判断して、伝送レートを1/2の伝送レートに切り替える(ST12)。
【0034】
また、図13に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された受信品質測定結果と閾値1とを比較し(ST21)、SIRが閾値1よりも大きい場合に、そのままの伝送レートを用い、SIRが閾値1よりも小さい場合に、SIRが閾値1よりも大きくなる伝送レートに切り替える(ST22)。CDMAにおいては、拡散率を切り替える。このため、SIRが閾値1よりも超えるようになり、変動する受信品質に対してより精度良く制御が可能である。これにより、通信相手との間の通信路状態が急激に劣化した場合でも通信相手の受信品質を改善できるとともに、目標受信品質が低くなるために送信電力が低減され、他への干渉量を低減することができる。したがって、伝送レート切り替えによる改善効果を向上させることができる。
【0035】
また、図14に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された受信品質測定結果と閾値2とを比較し(ST31)、SIRが閾値2よりも小さい場合は、そのままの伝送レートを用い、SIRが閾値2よりも大きい場合に、回線状態が良好であると判断して、伝送レートを2倍の伝送レート(1/2の拡散率)に切り替える(ST32)。なお、ここで、閾値2は、2倍の伝送レートに対応するものであり、閾値1より大きく設定する。このように、回線状態が良好であるときに、伝送レートを上げてできるだけ多くのデータを伝送する。すなわち、通信相手との間の通信路状態が良好な場合、通信相手の受信品質を保持したまま、より高速な伝送が可能となる。なお、送信電力は増加しないため、他への干渉量が増加することはない。
【0036】
また、図15に示すように、閾値nを設定し(ST41)、基地局装置において、通信端末装置から報告された受信品質測定結果と閾値nとを比較する(ST42)。SIRが閾値nより小さければ、閾値nを次に高速な伝送レートに対応する閾値n+1に変更する(ST43)。SIRが閾値nより大きければ、n番目に高速な伝送レート(拡散率)を設定する(ST44)。すなわち、SIRが2つの伝送レートに対応する2つの閾値nと閾値n+1の間となるような伝送レートに切り替える。なお、閾値nはn番目に高速な伝送レートに対応し、閾値n+1より大きい。この場合、受信品質を満足するという条件下で最も高速な伝送が可能となる。これにより、より正確に回線状況に応じた伝送レートの制御を行うことができる。
【0037】
このような方法により、通信端末装置の受信品質に基づいて基地局の伝送レートを切り替えることができる。これにより、通信相手の受信品質が悪い状態が続くことを回避するとともに、目標の受信品質が低くなるために送信電力が低減され、これにより他への干渉量を低減することができる。したがって、通信端末装置の環境や伝送速度に影響されずに、通信端末装置に対する基地局送信電力を適切に制御することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図16は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
この基地局装置においては、アンテナ101で受信した信号は、送信と受信で同一のアンテナを用いるためのアンテナ共用器102を通じて受信RF回路103に送られる。受信RF回路103では、受信信号が増幅され、中間周波数又はベースバンド周波数に周波数変換される。
【0040】
周波数変換された信号は、復調回路104で復調される。復調結果は、分離回路105に送られ、分離回路105で受信データと送信電力制御信号に分離される。
【0041】
伝送レート切替制御回路106では、送信電力制御信号に基づいて伝送レートの切り替え信号を送信フレーム作成回路107に送る。伝送レート切り替え制御回路の動作については後で説明する。
【0042】
送信については、送信データを変調回路108で変調して送信RF回路109に送る。送信RF回路109では、送信データを周波数変換する。この送信信号が、アンテナ共用器102を通じてアンテナ101から送信する。
【0043】
図17は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置と無線通信を行う通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0044】
アンテナ201で受信された信号は、送信と受信で同一のアンテナを用いるためのアンテナ共用器202を通じて受信RF回路203に送られ、そこで増幅され、更に中間周波数又はベースバンド周波数に周波数変換される。周波数変換された信号は、復調回路204で復調される。同時に、受信RF回路の出力信号は、送信電力制御値算出回路255に送られ、そこで送信電力制御信号が決定される。
【0045】
この送信電力制御信号は、例えば、受信電界強度、所望波受信電力、受信信号電力対干渉電力比(SIR)、受信信号電力対干渉電力+雑音電力比(Signal-to-Interference pulse Noise Ratio)に基づいて決定する。また、送信電力信号として送る情報量は、送信電力を大きくする/小さくする、の2情報の場合や、大きくする/そのまま保持/小さくする、の3情報の場合や、4情報以上にして前記以上に制御量を細かく設定する場合がある。
【0046】
まず、制御情報が2情報の場合について説明する。受信電界強度に基づく場合は、受信RFの電力を測定する。そして、測定した電力が閾値よりも大きい場合は基地局からの送信電力を小さくするように制御信号を生成し、測定した電力が閾値よりも小さい場合は基地局からの送信電力を大きくするように制御信号を生成する。このような受信電界強度に基づく方法は回路構成が最も簡単である。また、干渉波が存在しないような環境で用いることができる。
【0047】
所望波受信電力に基づく場合は、受信信号に対して既知信号を乗算して測定する。干渉波が存在する時は、受信電界強度だけでは、所望波と干渉波の受信電力を報告したことにならない恐れがある。このため、通信端末装置が必要とする所望信号の受信電力を測定して報告する必要がある。そこで、誤り率特性を決定する指標として最も確実な情報であるSINRを受信品質として用いることが好ましい。
【0048】
所望波受信電力の測定回路を図18に示す。この回路では、受信信号の既知パタン部分を取り出し、基地局が持つ既知パタンを複素共役回路302で複素共役演算し、複素乗算回路301で複素乗算を行い、複素平面上の所望受信信号の位置(図5における黒丸の位置)を算出し、この算出結果に基づいて、電力測定回路303で電力を測定する。そして、比較回路1801で測定した電力が閾値3よりも大きい場合は基地局からの送信電力を小さくするように制御信号を生成し、測定した電力が閾値3よりも小さい場合は基地局からの送信電力を大きくするように制御信号を生成する。
【0049】
一方、SINRの測定回路を図19に示す。この回路では、受信信号の既知パタン部分を取り出し、基地局が持つ既知パタンを複素共役回路402で複素共役演算し、複素乗算回路401で複素乗算を行い、複素平面上の所望受信信号の位置(図5における黒丸の位置)を算出し、この算出結果に基づいて電力を測定する。更に、干渉電力+雑音電力測定回路404において、各受信信号(図5における白丸の位置)と所望受信信号の位置(図5の黒丸の位置)とのベクトルの2乗和の平均値からで干渉電力+雑音電力を測定する。また、所望電力測定回路403で所望電力を測定する。次いで、比算出回路405において、干渉電力+雑音電力測定回路404及び所望電力測定回路403の出力から比を算出する。そして、比較回路1901で測定した電力比が閾値3よりも大きい場合は基地局からの送信電力を小さくするように制御信号を生成し、測定した電力比が閾値3よりも小さい場合は基地局からの送信電力を大きくするように制御信号を生成する。
【0050】
次に、制御情報が3情報の場合について説明する。3情報の場合は、閾値として閾値3と閾値3よりも大きい閾値4を用いる。測定した電力比が閾値3よりも小さい場合は基地局からの送信電力を大きくするような制御情報を生成する。測定した電力比が閾値3よりも大きく、かつ、閾値4よりも小さい場合は、基地局からの送信電力をそのまま保持するように制御情報を生成する。測定した電力比が閾値4よりも大きい場合は、基地局からの送信電力を小さくするように制御情報を生成する。
【0051】
更に、制御情報が4情報以上の場合は、閾値数を(制御情報数−1)に設定して、複数の閾値の大小関係に基づく閾値判定により細かく分けられた制御情報を決定する。
【0052】
これらの方法で算出した送信電力制御情報を多重回路206へ送る。多重回路206では、送信データと送信電力制御情報を送信スロットに割当てる。このような送信データを変調回路207で変調し、送信RF回路208で周波数変換し、増幅する。そしてこの送信信号をアンテナ共用器202を通じてアンテナ201から送信する。
【0053】
このように、図16に示す基地局装置から送信された下り回線の信号の受信品質に基づいた送信電力制御信号を図17に示す通信端末装置で生成し、上り回線で基地局装置に報告する。基地局装置においては、上り回線で受信した通信端末装置が測定した送信電力制御信号に基づいて伝送レートを切り替える。
【0054】
ここで、伝送レート切り替え制御回路の動作について詳しく説明する。図20は伝送レート切り替え制御を示すフロー図である。基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報を積算することにより受信品質を推定し(ST51)、閾値1と比較する(ST52)。この閾値1は、伝送レートに応じて設定するが、CDMA通信方式においては、拡散率あるいは多重コード数に応じて設定する。
【0055】
受信品質推定値(SIR推定値)が閾値1よりも大きい場合は、回線状態が良好であると判断して、そのままの伝送レートを用いる。SIR推定値が閾値1よりも小さい場合は、回線状態が悪いと判断して、伝送レートを1/2の伝送レート(2倍の拡散率)に切り替える(ST53)。
【0056】
このように、回線推定結果に基づいて伝送レートを切り替えるので、他への干渉量を低減することができる。また、回線推定に送信電力ビットを用いているので、伝送レート制御について特別な制御情報が必要なく、通信相手から送信する情報量を減らすことができる。
【0057】
また、図21に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報を積算することにより受信品質を推定し(ST61)、閾値1と比較して(ST62)、SIR推定値が閾値1よりも大きい場合は、回線状態が良好と判断して、そのままの伝送レートを用い、SIR推定値が閾値1よりも小さい場合は、回線状態が悪いと判断して、SIRを閾値1より大きくなる伝送レートに切り替えるようにしても良い(ST63)。これにより、変動する受信品質に対してより精度良く制御することが可能である。すなわち、通信相手との間の通信路状態が急激に劣化した場合でも通信相手の受信品質を改善できるとともに、目標受信品質が低くなるために送信電力が低減され、他への干渉量を低減することができる。したがって、伝送レート切り替えによる改善効果を向上させることができる。
【0058】
図22に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報を積算することにより受信品質を推定し(ST71)、閾値2と比較して(ST72)、SIR推定値が閾値2よりも小さい場合は、回線状態が悪いと判断して、そのままの伝送レートを用い、SIR推定値が閾値2よりも大きい場合は、回線状態が良好であると判断して、伝送レートを2倍の伝送レート(1/2の拡散率)に切り替えるようにしても良い(ST73)。なお、閾値2は2倍の伝送レートに対応し、閾値1よりも大きい。
【0059】
このように、回線状態が良好であるときに、伝送レートを上げてできるだけ多くのデータを伝送する。すなわち、通信相手との間の通信路状態が良好な場合、通信相手の受信品質を保持したまま、より高速な伝送が可能となる。なお、送信電力は増加しないため、他への干渉量が増加することはない。
【0060】
また、図23に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報を積算することにより受信品質を推定し(ST81)、閾値nの初期値(n=1)を設定し(ST82)、閾値nとを比較する(ST84)。SIR推定値が閾値nより小さければ、閾値nを次に高速な伝送レートである閾値n+1に変更する(ST83)。SIR推定値が閾値nより大きければ、n番目に高速な伝送レート(拡散率)を設定する(ST85)。すなわち、SIR推定値が2つの伝送レートに対応する2つの閾値nと閾値n+1の間となるような伝送レートに切り替える。なお、閾値nはn番目に高速な伝送レートに対応し、閾値n+1より大きい。この場合、受信品質を満足するという条件下で最も高速な伝送が可能となる。これにより、より正確に回線状況に応じた伝送レートの制御を行うことができる。
【0061】
また、別の伝送レート切り替え制御回路の動作について説明する。例えば、図24に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報に基づいて、要求される送信電力が決定される。この送信電力と閾値4とを比較する(ST91)。
【0062】
この閾値4は、送信機の限界値又は送信電力を大きくすることによって生じる他への干渉量にしたがって決定される。また、この閾値4は、伝送レートに応じて設定するが、CDMA通信方式においては、拡散率あるいは多重コード数に応じて設定する。すなわち、16倍拡散と256倍拡散で送信する場合は、拡散率で16倍の開きがあるので、16倍拡散時の送信電力の閾値は256倍拡散時の送信電力の閾値の16倍となる。多重コード数に対しても同様のことが言える。
【0063】
ST91において、送信電力が閾値4よりも小さい場合は、そのままの伝送レートを用いる。送信電力が閾値4よりも大きい場合は、他への干渉が大きいと判断して、伝送レートを1/2の伝送レート(2倍の拡散率)に切り替える(ST92)。これにより、他への干渉量が許容できる範囲内であるという条件下で最適な又は最も高速な伝送が可能となる。
【0064】
また、図25に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報に基づいて、要求される送信電力が決定される。この送信電力と閾値4とを比較し(ST101)、送信電力が閾値4よりも小さい場合は、そのままの伝送レートを用い、送信電力が閾値4よりも大きい場合は、他への干渉が大きいと判断して、送信電力が閾値5よりも小さくなる伝送レート(拡散率)に切り替える(ST102)。これにより、過剰な干渉量を発生することを抑制できる。
【0065】
また、図26に示すように、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報に基づいて、要求される送信電力が決定される。この送信電力と閾値5とを比較し(ST111)、送信電力が閾値5よりも大きい場合は、そのままの伝送レートを用い、送信電力が閾値5よりも小さい場合は、他への干渉が小さいと判断して、伝送レートを2倍の伝送レート(1/2の拡散率)に切り替えても良い(ST112)。なお、ここで、閾値5は、2倍の伝送レートに対応するものであり、閾値4より小さい。
【0066】
また、図27に示すように、閾値nを設定し(ST121)、基地局装置において、通信端末装置から報告された送信電力制御情報に基づく送信電力と閾値nとを比較する(ST123)。送信電力が閾値nより大きければ、閾値nを次に高速な伝送レートである閾値n+1に変更する(ST122)。送信電力が閾値nより小さければ、n番目に高速な伝送レート(拡散率)を設定する(ST124)。すなわち、送信電力が2つの伝送レートに対応する2つの閾値nと閾値n+1の間となるような伝送レートに切り替える。なお、閾値nはn番目に高速な伝送レートに対応し、閾値n+1より小さい。この場合、他への干渉量をある範囲内に抑制するという条件下で最も高速な伝送が可能となる。
【0067】
また、基地局の送信電力設定方法としては、第1に伝送レートを切り替えるたびに切り替える前の送信電力で送信する方法、第2に切り替える前の送信電力から一定の値だけ小さくして送信する方法、第3に切り替える前の送信電力から一定の値だけ大きくして送信する方法がある。
【0068】
第1の方法は、端末に対して確実に通信品質を改善させるために有効である。この実施の形態における構成では、伝送レート切替制御回路106に入力した送信電力制御信号をそのまま送信RF回路109に送るようにすれば良い。送信RF回路109においては、送信電力制御信号に基づいて送信電力を上下に制御する。
【0069】
第2の方法は、伝送レートを切り替える際に送信電力から一定の値を引いて設定する方法である。これは、端末に対して回線の改善が行われた場合に、送信電力が大きな値になっているために、他端末に大きな干渉となっていることが考えられるからである。この実施の形態における構成では、伝送レート切替制御回路106に入力した送信電力制御信号を、伝送レート切り替え時に一定値だけ送信電力を小さくするような制御信号に変更すれば良い。送信RF回路109においては、送信電力制御信号に基づいて送信電力を上下に制御する。その際に、送信電力制御量積算値も一定値分小さくする必要がある。
【0070】
第3の方法は、他への干渉量が許容できる範囲内で送信電力を上げる方法であり、通信品質を改善させるために有効である。この実施の形態における構成では、伝送レート切替制御回路106に入力した送信電力制御信号を、伝送レート切り替え時に一定値だけ送信電力を大きくするような制御信号に変更すれば良い。その際に、送信電力制御量積算値も一定値分大きくする必要がある。
【0071】
小さくする一定値については、例えばCDMA方式においては、例えば、3dB低減させて送信することにより、同様の拡散率で通信している通信端末装置を1台分だけ、増やすことができるようになる。
【0072】
また、送信電力制御情報と共に、実施の形態1で説明した方法で、通信端末装置から受信品質情報を報告しても良い。なお、通信端末装置から基地局装置への報告方法や、そのタイミングについては実施の形態1と同様である。
【0073】
そして、伝送レート切り替え制御は、通常は送信電力制御情報の積算値に基づいて行い、通信端末装置側の受信品質が急激に悪くなった場合は、通信端末装置側から受信品質情報を基地局装置に報告し、基地局装置において伝送レート切り替え制御を行う。また、基地局装置において通信端末装置からのARQ制御情報等の再送要求が発生したタイミングで、通信端末装置に受信品質の測定要求を送り、通信端末装置で受信品質を測定し、基地局装置に報告する。基地局装置では、報告された受信品質に基づいて伝送レート切り替え処理を行う。
【0074】
次に、上記実施の形態1及び2で説明した伝送レート制御方法のレイヤ間における制御について説明する。図28は、レイヤ間の伝送レート制御を説明するための図である。
【0075】
この制御においては、図28に示すように、レイヤ3における無線リソース制御(RRC)層で設定された許容送信電力(Pallow)をレイヤ1(物理層)に送る。レイヤ1では、許容送信電力(Pallow)に基づいて平均送信電力と比較する。そして、「許容送信電力に到達した」若しくは「許容送信電力を超えた」、あるいは「許容送信電力よりXdB低い」のようなメッセージ(MPHY−STATUS)がレイヤ1からレイヤ2の媒体アクセス制御(MAC)層に示される。なお、許容送信電力は、無線リソース制御層(レイヤ3)によりトラフィック状況などのシステムの負荷に応じて適宜設定される。
【0076】
ここで、「許容送信電力に到達した」若しくは「許容送信電力を超えた」というメッセージは、回線状態が悪いと判断して伝送レートを下げる必要があることを示す。また、「許容送信電力よりXdB低い」というメッセージは、回線状態が回復して伝送レートが上げられることを示す。
【0077】
具体的な制御について、図29を用いて説明する。ここでは、下り回線の場合について説明する。まず、無線リソース制御層で下り回線の条件を監視し、無線リソース制御層(レイヤ3)と媒体アクセス制御層(レイヤ2)のネゴシエーションにより下り回線の初期の伝送レートを決定する。その後、通信に入る。
【0078】
通信中、ST131では、レイヤ1において、少なくとも1フレームの平均送信電力(Pave)が監視される。この回線状況に応じて伝送レートが制御されることになる。
【0079】
まず、この平均送信電力(Pave)と許容送信電力(Pallow)とが比較され、両者の差(D=Pallow−Pave)が求められる。そして、ST132で、平均送信電力(Pave)が許容送信電力(Pallow)を超えるかどうかが判断される。平均送信電力(Pave)が許容送信電力(Pallow)を超えていれば、ST133において、「許容送信電力に到達した」若しくは「許容送信電力を超えた」というメッセージが示される。
【0080】
このメッセージにしたがって媒体アクセス制御層(レイヤ2)で伝送レートを下げて、レイヤ1では、総送信電力を減少させる。これにより、他の通信端末に対する干渉を小さくする。
【0081】
平均送信電力(Pave)が許容送信電力(Pallow)を超えていなければ、ST134において、その差が所定量(Pstep)以上あるかどうかを判断する。このPstepは、伝送レートを下げたときに、その変更した伝送レートと元の伝送レートとの間に対応する電力ステップである。
【0082】
平均送信電力(Pave)と許容送信電力(Pallow)との間の差(D)が所定量(Pstep)よりも小さければ、伝送レートはそのままとする。また、平均送信電力(Pave)と許容送信電力(Pallow)との間の差(D)が所定量(Pstep)よりも大きければ、ST135において、レイヤ1は「許容送信電力よりXdB低い」というメッセージを示す。そして、このメッセージにしたがって媒体アクセス制御層(レイヤ2)で伝送レートを上げ、レイヤ1では、総送信電力をXdBの範囲内で増加させる。これにより、伝送レートを下げていたために、バッファリングしていた送信信号を迅速に送信することができる。
【0083】
なお、図29においては、伝送レートを「上げる」、「そのまま」、「下げる」の判定しかしていないが、これに限定されず、伝送レートを可変にする指示を自由に設定することができる。
【0084】
次に、上述した伝送レート制御を実際に行う場合について説明する。既存の伝送レートの可変方法では、下り回線はバースト送信、上り回線は連続送信になっている。したがって、これに対応して伝送レートを変える。すなわち、下り回線では、送信電力自体は変更せず、例えばフレームの前半だけ送信し、上り回線では、送信電力を下げ、レートマッチングによりフレームに穴を開けることなく送信する。なお、伝送レートは、無線リソース制御層(レイヤ3)から指定されたレートセットの中から媒体アクセス制御層(レイヤ2)が選択する。このとき、物理層(レイヤ1)では、媒体アクセス制御層(レイヤ2)で指示された通りに現在の伝送レートを示すワードを作成して付加する。
【0085】
また、上記伝送レート制御を各基地局で別々に行う場合、ダイバーシチハンドオーバの際に、取り決めが必要となる。例えば、上位レイヤでのネゴシエーションにおいて全基地局が特定の伝送レートに切り替える方法や、ダイバーシチハンドオーバ時に伝送レート制御を行わないようにする方法などが考えられる。
【0086】
上記の説明においては、レイヤ1で監視するパラメータが送信電力である場合について説明しているが、レイヤ1で監視するパラメータとしては、FER、SIR、干渉電力などを用いることができる。
【0087】
また、上記の説明においては、下り回線で図29に示す伝送レート制御を行う場合について説明しているが、図29に示す伝送レート制御は上り回線にも適用することができる。下り回線の場合には、他への干渉を低減させる目的で使用されるが、上り回線の場合には、他への干渉を低減させる場合の他に、省電力化を図る場合やハード的制限がある場合に適用される。
【0088】
上記実施の形態1及び2においては、図1及び図16に示す装置が基地局装置であり、図2及び図17に示す装置が通信端末装置である場合について説明しているが、本発明においては、図1及び図16に示す装置が通信端末装置であり、図2及び図17に示す装置が基地局装置である場合についても適用することができる。
【0089】
また、上記実施の形態1及び2においては、伝送レートを2倍もしくは1/2倍にした場合について説明しているが、本発明においては、種々の条件により、伝送レートをそれ以外の倍率にすることも可能である。
【0090】
本明細書は、特願平10−107300号に基づくものである、その内容はすべてここに含めておく。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態に係る基地局装置と無線通信を行なう通信端末装置の構成を示すブロック図
【図3】上記通信端末装置における所望波受信電力測定方法を説明するためのブロック図
【図4】上記通信端末装置における所望波受信電力対干渉波受信電力+雑音電力測定方法を説明するためのブロック図
【図5】上記通信端末装置の所望波受信電力対干渉波受信電力+雑音電力比測定方法を説明するための図
【図6】本発明の基地局装置を用いた通信においてしようするデータのフレーム構成図
【図7】本発明の基地局装置を用いた通信においてしようするデータのフレーム構成図
【図8】本発明における基地局装置と通信端末装置との間のシーケンス図
【図9】本発明における基地局装置と通信端末装置との間のシーケンス図
【図10】本発明における基地局装置と通信端末装置との間のシーケンス図
【図11】本発明における基地局装置と通信端末装置との間のシーケンス図
【図12】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図13】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図14】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図15】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図16】本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図17】上記実施の形態に係る基地局装置と無線通信を行なう通信端末装置の構成を示すブロック図
【図18】上記通信端末装置における所望波受信電力測定方法を説明するためのブロック図
【図19】上記通信端末装置における所望波受信電力対干渉波受信電力+雑音電力測定方法を説明するためのブロック図
【図20】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図21】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図22】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図23】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図24】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図25】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図26】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図27】上記実施の形態に係る基地局装置における伝送レート切り替え方法を説明するためのフロー図
【図28】本発明の基地局装置におけるレイヤ間の伝送レート制御を説明するための図
【図29】本発明の基地局装置におけるレイヤ間の伝送レート制御を説明するためのフロー図
【符号の説明】
【0092】
101,201 アンテナ
102,202 アンテナ共用器
103,203 受信RF回路
104,204 復調回路
105 分離回路
106 伝送レート切り替え制御回路
107 送信フレーム作成回路
108,207 変調回路
109,208 送信RF回路
205 SIR測定回路
206 多重回路
301,401 複素乗算回路
302,402 複素共役回路
303 電力測定回路
403 所望電力測定回路
404 干渉電力+雑音電力測定回路
405 比算出回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信品質情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替えるCDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定部と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質を示す前記受信品質情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
送信電力制御情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替えるCDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定部と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質に基づいた前記送信電力制御情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項3】
受信品質情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替える伝送レート切り替え手段と、切り替えられた伝送レートで送信信号を送信する送信手段と、を具備するCDMA通信方式の基地局装置と通信する通信端末装置であって、
前記基地局装置から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定部と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質を示す前記受信品質情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】
送信電力制御情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替える伝送レート切り替え手段と、切り替えられた伝送レートで送信信号を送信する送信手段と、を具備するCDMA通信方式の基地局装置、と通信する通信端末装置であって、
前記基地局装置から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定部と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質に基づいた前記送信電力制御情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項5】
CDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定部と、
前記基地局装置において、前記受信推定部で推定された前記受信品質を示す受信品質情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて伝送レートを切り替えるために前記受信品質情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項6】
CDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定部と、
前記基地局装置において、前記受信品質推定部で推定された前記受信品質に基づいた送信電力制御情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替えるために前記送信電力制御情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項7】
前記受信部は、前記切り替えられた伝送レートで送信された前記基地局装置から送信された信号をさらに受信する、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項8】
受信品質情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替えるCDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置の通信方法であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定工程と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定工程で推定された前記受信品質を示す前記受信品質情報を送信する送信工程と、
を具備することを特徴とする通信端末装置の通信方法。
【請求項9】
送信電力制御情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替えるCDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置の通信方法であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定工程と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質に基づいた前記送信電力制御情報を送信する送信工程と、
を具備することを特徴とする通信端末装置の通信方法。
【請求項10】
受信品質情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替える伝送レート切り替え手段と、切り替えられた伝送レートで送信信号を送信する送信手段と、を具備するCDMA通信方式の基地局装置と通信する通信端末装置の通信方法であって、
前記基地局装置から送信される信号を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定工程と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定工程で推定された前記受信品質を示す前記受信品質情報を送信する送信工程と、
を具備することを特徴とする通信端末装置の通信方法。
【請求項11】
送信電力制御情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替える伝送レート切り替え手段と、切り替えられた伝送レートで送信信号を送信する送信手段と、を具備するCDMA通信方式の基地局装置、と通信する通信端末装置の通信方法であって、
前記基地局装置から送信される信号を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定工程と、
伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質に基づいた前記送信電力制御情報を送信する送信工程と、
を具備することを特徴とする通信端末装置の通信方法。
【請求項12】
CDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置の通信方法であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定工程と、
前記基地局装置において、前記受信推定工程で推定された前記受信品質を示す受信品質情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて伝送レートを制御するために前記受信品質情報を送信する送信工程と、
を具備することを特徴とする通信端末装置の通信方法。
【請求項13】
CDMA通信方式の無線通信システムで使用される通信端末装置の通信方法であって、
基地局装置から送信される信号を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信する信号の受信品質を推定する受信品質推定工程と、
前記基地局装置において、送信電力制御情報と、多重コード数にしたがって設定された閾値との比較結果に基づいて送信信号の伝送レートを切り替えるために前記受信品質推定部で推定された前記受信品質に基づいた前記送信電力制御情報を送信する送信工程と、
を具備することを特徴とする通信端末装置の通信方法。
【請求項14】
前記受信工程は、前記切り替えられた伝送レートで送信された前記基地局装置から送信された信号をさらに受信する、ことを特徴とする請求項8から請求項13のいずれかに記載の通信端末装置の通信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−5379(P2009−5379A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194038(P2008−194038)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【分割の表示】特願平11−111301の分割
【原出願日】平成11年4月19日(1999.4.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】