説明

通信端末装置及びコンピュータプログラム

【課題】所定の単位時間当たりの着信回数が増えるほど送信元が考えている緊急の度合いが高くなるとみなして緊急度を柔軟に決定でき、連絡漏れを防止することができる通信端末装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】通信端末装置は、外部からの呼信号を受信するか(S101)、又は電子メールを受信したとき(S102)、送信元毎に所定の単位時間当たりの受信回数を計数し、計数した受信回数に対応する緊急の度合いを決定する処理を実行する(S107)。そして、通信端末装置は、決定した緊急の度合いに応じて出力頻度を決定し(S110)、決定した出力頻度に従い、送信元へ返信するように促す情報である着信通知を出力する(S111)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話回線を介して音声のデータ及び電子メールによるデータを送受信できる通信端末装置及びコンピュータプログラムに関し、特に、データの受信頻度に応じて返信を促す情報の出力態様を決定することができる通信端末装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話回線を介して音声のデータを送受信できる電話機、電子メールによるデータを送受信できる電子メール通信端末装置、及びこれらの組み合わせた通信端末装置は、着信履歴を保存できるため、受信者は、別件のため着信時に応答できない場合、保存する着信履歴を参照して送信者へ返信することができた。
【0003】
しかし、受信者は、多数の着信があった場合、会社の同僚又は友人からの着信より会社の上司又は家族からの着信の方が緊急の度合いが高いと考え、これらの着信に対して優先的に返信できるよう要望していた。
【0004】
そこで、従来、優先度を送信者に対応して予め設定しておき、最も優先度の高い送信者へ優先的に返信するようにした通信端末装置が提案された(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−260183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された通信端末装置にあっては、受信者が考える緊急の度合いに従って優先度が設定されているので、例えば、優先度を高く設定した送信者からデータを受信したにもかかわらず送信者本人が急を要しないと考えるか、又は優先度を低く設定した送信者からデータを受信したにもかかわらず送信者本人が緊急を要すると考える場合など、緊急性を柔軟に判断できず、連絡漏れを生じさせるという問題を有していた。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元毎に所定の単位時間当たりの受信回数を計数し、計数した受信回数に対応する緊急の度合いを決定する。そして、決定した緊急の度合いに応じて出力頻度を決定し、決定した出力頻度に従い、送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることにより、所定の単位時間当たりの着信回数が増えるほど送信元が考えている緊急の度合いが高くなるとみなして緊急度を柔軟に決定し、連絡漏れを防止することができる通信端末装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信端末装置は、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信できる通信手段と、該通信手段で外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定する宛先決定手段と、該宛先決定手段で決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信回数を計数する受信計数手段と、該受信計数手段で計数した受信回数に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定する緊急度決定手段と、該緊急度決定手段で決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定する頻度決定手段と、該頻度決定手段で決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力する情報出力手段とを備えることを要件とする。
【0008】
また本発明に係る通信端末装置は、各宛先情報が示す送信元へ返信したとき、該宛先情報に対応付けて決定された評価値を初期化する初期化手段を更に備えることを要件とする。
【0009】
また本発明に係る通信端末装置は、前記情報出力手段は、受信回数の最も多い宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることを要件とする。
【0010】
また本発明に係る通信端末装置は、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信できる通信手段と、該通信手段で外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定する宛先決定手段と、該宛先決定手段で決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信間隔を計測する受信計測手段と、該受信計測手段で計測した受信間隔に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定する緊急度決定手段と、該緊急度決定手段で決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定する頻度決定手段と、該頻度決定手段で決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力する情報出力手段とを備えることを要件とする。
【0011】
また本発明に係る通信端末装置は、各宛先情報が示す送信元へ返信したとき、該宛先情報に対応付けて決定された評価値を初期化する初期化手段を更に備えることを要件とする。
【0012】
また本発明に係る通信端末装置は、前記情報出力手段は、受信間隔の最も短い宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることを要件とする。
【0013】
また本発明に係る通信端末装置は、受信した電子メールのメール本文に含まれているメッセージを解析する解析手段と、該メッセージが送信元から伝言を取り次いだ旨の伝言メッセージであると前記解析手段で判断した場合、前記メール本文に含まれている宛先情報を抽出する宛先抽出手段とを備え、前記宛先決定手段は、抽出した宛先情報を送信元の宛先情報として決定するようにしてあることを要件とする。
【0014】
また本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信させるコンピュータプログラムにおいて、外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定させるステップと、決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信回数を計数させるステップと、計数した受信回数に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定させるステップと、決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定させるステップと、決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力させるステップとをコンピュータに実行させることを要件とする。
【0015】
また本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信させるコンピュータプログラムにおいて、外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定させるステップと、決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信間隔を計測させるステップと、計測した受信間隔に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定させるステップと、決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定させるステップと、決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力させるステップとをコンピュータに実行させることを要件とする。
【0016】
本発明にあっては、外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元毎に所定の単位時間当たりの受信回数を計数し、計数した受信回数に対応する緊急の度合いを決定することにより、例えば、所定の単位時間当たりの着信回数が増えるほど送信元が考えている緊急の度合いが高くなるとみなす。また、決定した緊急の度合いに応じて出力頻度を決定し、決定した出力頻度に従い、送信元へ返信するように促す情報を出力することにより、緊急の度合いが高いと考えている送信元への返信を促す情報を優先的に出力する。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、例えば、所定の単位時間当たりの着信回数が増えるほど送信元が考えている緊急の度合いが高くなるとみなして緊急度を柔軟に決定でき、連絡漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る通信端末装置及びコンピュータプログラムについて、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る通信端末装置を用いる通信システムの全体構成を示す図である。
【0019】
通信システムは、本発明に係る通信端末装置である通信端末装置2と、通信端末装置2と異なる通信端末装置1とを備える。尚、本発明では、通信端末装置2が通信端末装置1から受け付けたという意味合いを有する語として「着信」及び「受信」を区別することなく使用する。
【0020】
通信端末装置1は、通信端末装置2のユーザへの連絡を希望する連絡希望者(例えば、ユーザの会社の上司又は同僚)、又は不在のユーザに代わり連絡希望者の伝言を取り次ぐ伝言者(例えば、家族)により操作される。通信端末装置1は、例えば、電子メール通信機能を有する携帯電話機又は通信機能を有するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)が該当し、連絡希望者に操作されて呼信号P1又は電子メールP2を通信端末装置2へ送信する。また、通信端末装置1は、伝言者に操作されて伝言メールP3を通信端末装置2へ送信する。尚、本発明で用いる「送信元」は、連絡希望者を示す。
【0021】
通信端末装置2は、例えば、電子メール通信機能を有する携帯電話機又は通信機能を有するPCが該当し、連絡希望者の通信端末装置1から呼信号P1を受信した場合、着信音を出力してユーザに電話の着信を知らせ、ユーザから応答要求を受け付けたときに通信端末装置1との電話回線を確立し、連絡希望者との通話を許可する。
【0022】
また、通信端末装置2は、連絡希望者の通信端末装置1から電子メールP2を受信した場合、着信音を出力してユーザにメール着信を知らせ、ユーザによる応答の電子メールP2を受け付けたとき、電子メールP2を通信端末装置1へ送信し、連絡希望者とユーザとの連絡を達成させる。
【0023】
また、通信端末装置2は、伝言者の通信端末装置1から伝言メールP3を受信した場合、着信音を出力してユーザにメール着信を知らせ、メール本文に記された宛先への呼信号P1を受け付けたときに宛先との電話回線を確立し、連絡希望者との通話を許可する。
【0024】
更にまた、通信端末装置2は、伝言者の通信端末装置1から伝言メールP3を受信した場合、着信音を出力してユーザにメール着信を知らせ、メール本文に記された宛先への電子メールP2を受け付けたとき、電子メールP2を通信端末装置2へ送信し、連絡希望者とユーザとの連絡を達成させる。
【0025】
一方、通信端末装置2は、呼信号P1、電子メールP2又は伝言メールP3を受信したにもかかわらず、ユーザから応答要求を受けることなく連絡希望者との通話が実現されないか、又はユーザによる電子メールP2を受けることなく連絡希望者とユーザとの連絡が未だ達成しない場合、受信頻度に応じて緊急の度合いを示す評価値、即ち緊急度を決定し、緊急度に応じた出力頻度に従い、連絡希望者へ返信するように促す着信通知を出力する。
【0026】
例えば、通信端末装置2が電子メール通信機能を有する携帯電話機である場合、通信端末装置2は、各種処理を実行する情報処理部20と、電話回線網を介して音声データの授受を行うための音声通信部21と、通信網を介して電子メールP2によるデータの授受を行うための電子メール通信部22と、プログラムなどを記憶するための記憶部23と、受信した音声データを出力する受話部24と、ユーザの音声データを入力する送話部25と、操作を入力する操作部26と、情報を出力する情報出力部27と、所定時間を計測する計時部28とを備え、各ハードウェアは、バス29を介して相互に接続されている。
【0027】
情報処理部20は、記憶部23に記憶してあるプログラムに従って各ハードウェアを制御する共に、自らも各種処理を実行することにより、通信端末装置2に所定の着信通知処理を実行させる。着信通知処理の手順は、後述にて説明する。
【0028】
音声通信部21は、アンテナ(図示せず。以下同じ。)を有し、アンテナを介して交換局(図示せず。以下同じ。)との無線通信を行う。音声通信部21は、通信端末装置1からの呼信号P1を受信したとき、着信信号を情報処理部20を介して情報出力部27へ出力する。音声通信部21は、操作部26から情報処理部20を介して応答要求を受け付けたとき、交換局を介して通信端末装置1との電話回線を確立し、通信端末装置1から受信した連絡希望者の音声データを受話部24へ出力し、送話部25から受け付けたユーザの音声データを通信端末装置1へ送信する。また、音声通信部21は、操作部26から呼要求を受け付けたとき、呼信号P1を通信端末装置1へ送信する。
【0029】
電子メール通信部22は、アンテナを有し、アンテナを介してメールサーバ(図示せず。以下同じ。)との無線通信を行う。電子メール通信部22は、通信端末装置1からの電子メールP2又は伝言メールP3を受信したとき、電子メールP2又は伝言メールP3のデータを情報出力部27へ出力する。電子メール通信部22は、操作部26から電子メールP2のデータを受け付けたとき、電子メールP2を通信端末装置1のメールサーバへ送信する。
【0030】
記憶部23は、例えば、複数の情報を記憶し、記憶順、記憶位置などに関係なく読み書きが可能な半導体記憶装置であり、宛先情報を格納するアドレス帳D1、通信端末装置1からの着信履歴を格納する着信履歴テーブルD2、着信通知の出力頻度を決定するための情報を格納する緊急度管理マスタD3、通信端末装置1からの受信頻度に応じて緊急度を変更するための情報を格納する緊急度変更マスタD4、着信通知の出力を管理するための通知管理テーブルD5、所定の着信通知処理を実行させるためのプログラム及びその他のデータを記憶する。尚、アドレス帳D1などの内容については、後述で説明する。
【0031】
受話部24は、スピーカが該当し、音声通信部21から受け付けた連絡希望者の音声データを音声に変換して出力する。
【0032】
送話部25は、マイクロフォンが該当し、ユーザから集音した音声を音声データに変換して音声通信部21へ出力する。
【0033】
操作部26は、複数の操作キー(図示せず。以下同じ。)を備え、ユーザにより各操作キーが押下されたときにこの操作キーに対応する要求又は指示を出力する。
【0034】
情報出力部27は、液晶ディスプレー(図示せず。以下同じ。)を備え、受信した呼信号P1の送信元を示す宛先情報を表示する画面、宛先情報の選択画面、受信した電子メールP2又は伝言メールP3を表示する画面、送信する電子メールP2の作成画面、着信通知を表示する画面などを画面出力する。また、情報出力部27は、スピーカ(図示せず。以下同じ。)を備え、呼信号P1を受信したか、又は電子メールP2若しくは伝言メールP3を受信したことを示す着信音、及び着信通知を音出力する。更にまた、情報出力部27は、振動器(図示せず。以下同じ。)を備え、スピーカの音出力に連動して通信端末装置2の筐体を振動させる。
【0035】
計時部28は、タイマ(図示せず。以下同じ。)を備え、呼信号P1、電子メールP2又は伝言メールP3の着信間隔、呼信号P1、電子メールP2又は伝言メールP3の着信経過時間、受信頻度を測定するための単位時間、及び着信通知の間隔などを計測し、夫々設定されている時間に達したときに到達信号を出力する。
【0036】
通信端末装置2は、連絡希望者の通信端末装置1から呼信号P1又は電子メールP2を受信する場合と、伝言者の通信端末装置1から伝言メールP3を受信する場合とがあり、受信内容に応じて異なる手順の着信通知処理を行う。そこで、通信端末装置2が連絡希望者の通信端末装置1から受信する場合を実施の形態1とし、伝言者の通信端末装置1から受信する場合を実施の形態2として以下説明する。
【0037】
実施の形態1.
図2はアドレス帳D1の格納例を示す図、図3は着信履歴テーブルD2の格納例を示す図、図4は緊急度管理マスタD3の格納例を示す図である。
実施の形態1における通信端末装置2の記憶部23で記憶されているアドレス帳D1は、連絡希望者又は伝言者となる人物を識別する氏名、これらの人物により操作される通信端末装置1の宛先情報である電話番号及び電子メールアドレス、これらの人物への連絡に対する優先度、これらの人物を種別するためのカテゴリ、これらの人物が伝言者となり得るか否かを示す発言権についてのデータを人物毎に分けて格納する。
【0038】
優先度は、ユーザが考えている着信通知の優先順位であり、後述する重みが付加(優先度+重み)されることにより、受信頻度に応じた緊急の度合いを示す評価値、即ち緊急度として扱われる。優先度は、ユーザの任意により設定されるため、後日、急を要するほどでないと再考したユーザによりその値を再設定されてもよい。
【0039】
また、優先度は、単に零とされ、後述する重みが付加(0+重み)されることにより、緊急度が決定されてもよい。即ち、重みの値のみで緊急度を決定してもよい。
【0040】
発言権は、伝言メールP3を信用できるか否かを判断するための要素である。例えば、発言権の無い伝言メールP3をスパムメールと扱うことにより、インターネット上での犯罪を回避できる。発言権は、人物毎に対応付けて設定されるのみならず、例えば、家族に属する人物には発言権を与えるなど、関連するカテゴリが設定されたときに自動的に設定されるようにしてもよい。
【0041】
記憶部23で記憶されている着信履歴テーブルD2には、通信端末装置2が呼信号P1又は電子メールP2を受信する都度、送信元である通信端末装置1の宛先情報、着信日時、連絡希望者との通話又は連絡希望者への電子メールP2による応答の有無を示す返信、連絡希望者による伝言の有無を示す留守電についてのデータを含むレコードが追加される。
【0042】
レコードは、連絡希望者との通話又は連絡希望者への電子メールP2による応答がない場合、未返信レコードとして着信履歴テーブルD2に追加され、通話又は応答がある場合、返信済レコードとして着信履歴テーブルD2に追加される。また、未返信レコードは、後日、連絡希望者との通話又は連絡希望者への電子メールP2による返信が達成したときに返信済レコードに更新される。
【0043】
レコード内の宛先情報は、通信端末装置2が呼信号P1を受信した場合、電話番号が該当し、通信端末装置2が電子メールP2を受信した場合、電子メールアドレスが該当する。
【0044】
着信履歴テーブルD2のレコードは、宛先情報を昇順又は降順に従って並べ替えられて管理されている。
【0045】
記憶部23で記憶されている緊急度管理マスタD3は、着信通知の通知間隔、通知回数、出力する音の類型、出力する音量、出力する振動の類型、及び画面表示の類型についてのデータを予め設定された緊急度に対応付けて格納する。これらのデータは、ユーザにより任意に設定されるため、後日、出力頻度が少ないと再考したユーザにより再設定されてもよい。
【0046】
実施の形態1における通信端末装置2は、後述する緊急度決定処理を選択実行できる。緊急度決定処理として、例えば、通信端末装置1からの着信回数に基づいて緊急度を決定する手順(以下、実施例1とする。)、通信端末装置1からの着信間隔に基づいて緊急度を決定する手順(以下、実施例2とする。)、通信端末装置1からの着信経過時間に基づいて緊急度を決定する手順(以下、実施例3とする。)、又は通信端末装置1からの着信回数と留守電の有無とに基づいて緊急度を決定する手順(以下、実施例4とする。)がある。通信端末装置2は、緊急度決定処理を選択実行するとき、各手順に対応する緊急度変更マスタD4を参照する。また、通信端末装置2は、操作部26を介して受け付けたユーザの指示に応じて複数の手順を選択実行する。
【0047】
図5は実施例1における緊急度変更マスタD4の格納例を示す図である。実施例1における緊急度変更マスタD4は、通信端末装置1からの着信回数に対応付けて設定された重みを格納する。
【0048】
図6は実施例2における緊急度変更マスタD4の格納例を示す図である。実施例2における緊急度変更マスタD4は、通信端末装置1からの着信間隔に対応付けて設定された重みを格納する。
【0049】
図7は実施例3における緊急度変更マスタD4の格納例を示す図である。実施例3における緊急度変更マスタD4は、通信端末装置1からの着信経過時間に対応付けて設定された重みを格納する。
【0050】
実施例4における緊急度変更マスタD4は、実施例1におけるマスタと同様であるので、その格納例の説明を省略する。
【0051】
重みは、連絡希望者が考えている緊急度をリアルタイムにくみ取るように設定された値であり、ユーザにより任意に設定された優先度を修正するための要素となる。
【0052】
図8は通知管理テーブルD5の格納例を示す図である。通信端末装置2の記憶部23で記憶されている通知管理テーブルD5は、送信元である通信端末装置1の宛先情報、送信元へ返信するように促す着信通知の前回通知時間及び次回通知時間についてのデータを緊急度に対応付けて格納する。
【0053】
宛先情報は、通信端末装置2が呼信号P1を受信した場合、電話番号として格納され、通信端末装置2が電子メールP2を受信した場合、電子メールアドレスとして格納される。
【0054】
前回通知時間は、計時部28で計時した着信通知の時間が格納される。次回通知時間は、前回着信時間に緊急度管理マスタD3の通知間隔を付加した時間が格納される。
【0055】
実施の形態1における通信端末装置2は、アドレス帳D1、着信履歴テーブルD2、緊急度管理マスタD3、緊急度変更マスタD4及び通知管理テーブルD5を参照することにより、所定の着信通知処理を実行する。図9は実施の形態1における着信通知処理の手順を示すフローチャートである。
【0056】
通信端末装置2の情報処理部20は、通信端末装置1から受信したとき、呼信号P1を受信したか否かを判断し(S101)、呼信号P1を受信していない判断した場合(S101でNO)、電子メールP2をメール受信したとみなし(S102)、受信した電子メールP2に応答して新たな電子メールP2を返信したか否かを判断する(S103)。情報処理部20は、新たな電子メールP2を返信したと判断した場合(S103でYES)、処理を終了する。
【0057】
一方、情報処理部20は、新たな電子メールP2を返信していないと判断した場合(S103でNO)、受信した電子メールP2のヘッダから電子メールアドレスを抽出する(S104)。情報処理部20は、抽出した電子メールアドレス及び計時部28で計時した着信日時を含む未返信レコードを生成し、着信履歴テーブルD2に未返信レコードを追加し(S105)、ステップS106へ進む。
【0058】
一方、情報処理部20は、ステップS101において、呼信号P1を受信したと判断した場合(S101でYES)、呼信号P1により電話回線を確立して連絡希望者と通話したか否か、即ち、返信したか否かを判断する(S103)。情報処理部20は、返信したと判断した場合(S103でYES)、処理を終了する。
【0059】
一方、情報処理部20は、返信していないと判断した場合(S103でNO)、受信した呼信号P1から電話番号を抽出する(S104)。情報処理部20は、抽出した電話番号及び計時部28で計時した着信日時を含む未返信レコードを生成し、着信履歴テーブルD2に未返信レコードを追加し(S105)、ステップS106へ進む。
【0060】
情報処理部20は、通信端末装置1からの受信が初回の場合、計時部28で計時を開始する(S106)。尚、情報処理部20は、後述するステップS108から処理を繰り返し、通信端末装置1からの受信が2回目以降と判断した場合、ステップS106を行わずにステップS107へ進む。
【0061】
情報処理部20は、アドレス帳D1、着信履歴テーブルD2及び緊急度変更マスタD4を参照して緊急度決定処理を実行する(S107)。緊急度決定処理の手順については、後述する。情報処理部20は、計時部28での計時が所定の単位時間に達するか否かを判断し(S108)、計時部28での計時が所定の単位時間に達していないと判断した場合(S108でNO)、ステップS101へ戻り、処理を繰り返す。
【0062】
一方、情報処理部20は、計時部28での計時が所定の単位時間に達すると判断した場合(S108でYES)、計時部28での計時を終了する(S109)。情報処理部20は、通知管理テーブルD5のレコードのうち、次回通知時間に達するレコードを抽出し、抽出したレコードに含まれる緊急度をキーとして緊急度管理マスタD3から着信通知の通知間隔などのデータを抽出し、抽出したデータに基づいて、着信通知の出力頻度を決定する(S110)。情報処理部20は、決定した出力頻度に従い、情報出力部27で着信通知を出力し(S111)、着信通知が出力頻度を満たしたとき、該当するレコードを通知管理テーブルD5から削除し、決定した緊急度を初期化する。
【0063】
その結果、情報処理部20は、送信元への返信があったと判断したとき、返信された宛先情報を含む未返信レコードを返信済レコードへ更新し(S112)、処理を終了する。
【0064】
次に上述した情報処理部20がステップS107で実行する緊急度決定処理の手順を実施例1乃至実施例4に分けて説明する。
【0065】
実施例1.
図10は実施例1における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。実施例1における通信端末装置2の情報処理部20は、着信履歴テーブルD2から未返信レコードを抽出し(S201)、同一の宛先情報を含む未返信レコード毎に仕分ける(S202)。
【0066】
情報処理部20は、仕分けられた各未返信レコードに対応する優先度をアドレス帳D1から夫々抽出し(S203)、抽出した優先度が最優先、例えば、値が0であるか否かを判断する(S204)。情報処理部20は、抽出した優先度が最優先であると判断した場合(S204でYES)、緊急度決定処理を終了する。
【0067】
一方、情報処理部20は、抽出した優先度が最優先でないと判断した場合(S204でNO)、所定の単位時間当たりの発信元からの着信回数を計数する(S205)。即ち、情報処理部20は、仕分けられた未返信レコード数をカウントすることにより着信回数を計数する。
【0068】
情報処理部20は、計数した着信回数に対応する重みを緊急度変更マスタD4から抽出し(S206)、抽出した重みをステップS203で抽出した優先度に付加(優先度+重み)することにより算出された値を緊急度として決定する(S207)。
【0069】
情報処理部20は、決定した緊急度、未返信レコードに含まれる宛先情報を含む新たなレコードを生成して追加することにより、通知管理テーブルD5を更新し(S208)、処理を終了する。
【0070】
このように実施例1における通信端末装置2は、所定の単位時間当たりの着信回数が増えるほど連絡希望者が考えている緊急の度合いが高くなるとみなして緊急度を柔軟に決定できる。
【0071】
実施例2.
図11は実施例2における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。実施例2における通信端末装置2の情報処理部20は、着信履歴テーブルD2から未返信レコードを抽出し(S301)、同一の宛先情報を含む未返信レコード毎に仕分ける(S302)。
【0072】
情報処理部20は、仕分けられた各未返信レコードに対応する優先度をアドレス帳D1から夫々抽出し(S303)、抽出した優先度が最優先であるか否かを判断する(S304)。情報処理部20は、抽出した優先度が最優先であると判断した場合(S304でYES)、緊急度決定処理を終了する。
【0073】
一方、情報処理部20は、抽出した優先度が最優先でないと判断した場合(S304でNO)、所定の単位時間当たりの発信元からの着信間隔を計測する(S305)。即ち、情報処理部20は、仕分けられた未返信レコードの着信日時の間隔を計測することにより着信間隔を計測する。
【0074】
情報処理部20は、計測した着信間隔に対応する重みを緊急度変更マスタD4から抽出し(S306)、抽出した重みをステップS303で抽出した優先度に付加(優先度+重み)することにより算出された値を緊急度として決定する(S307)。
【0075】
情報処理部20は、決定した緊急度、未返信レコードに含まれる宛先情報を含む新たなレコードを生成して追加することにより、通知管理テーブルD5を更新し(S308)、処理を終了する。
【0076】
このように実施例2における通信端末装置2は、所定の単位時間当たりの着信間隔の度合いが短いほどを連絡希望者が考えている緊急の度合いが高いとみなして緊急度を柔軟に決定できる。
【0077】
実施例3.
図12は実施例3における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。通信端末装置2の情報処理部20は、着信履歴テーブルD2から未返信レコードを抽出し(S401)、同一の宛先情報を含む未返信レコード毎に仕分ける(S402)。
【0078】
情報処理部20は、仕分けられた各未返信レコードに対応する優先度をアドレス帳D1から夫々抽出し(S403)、抽出した優先度が最優先であるか否かを判断する(S404)。情報処理部20は、抽出した優先度が最優先であると判断した場合(S404でYES)、緊急度決定処理を終了する。
【0079】
一方、情報処理部20は、抽出した優先度が最優先でないと判断した場合(S404でNO)、初回受信からの経過時間である着信経過時間を計時部28で計時する(S405)。通信端末装置2は、仕分けられた未返信レコードのうち、最古の着信日時から最新の着信日時までを計測することにより、着信経過時間を計時する。
【0080】
情報処理部20は、計測した着信経過時間に対応する重みを緊急度変更マスタD4から抽出し(S406)、抽出した重みをステップS403で抽出した優先度に付加(優先度+重み)することにより算出された値を緊急度として決定する(S407)。
【0081】
情報処理部20は、決定した緊急度、未返信レコードに含まれる宛先情報を含む新たなレコードを生成して追加することにより、通知管理テーブルD5を更新し(S408)、緊急度決定処理を終了する。
【0082】
このように実施例3における通信端末装置2は、着信経過時間が長くなるほど連絡希望者が考えている緊急の度合いが低くなるとみなして緊急度を柔軟に決定できる。
【0083】
実施例4.
図13は実施例4における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。通信端末装置2の情報処理部20は、着信履歴テーブルD2から未返信レコードを抽出し(S501)、同一の宛先情報を含む未返信レコード毎に仕分ける(S502)。
【0084】
情報処理部20は、仕分けられた各未返信レコードに対応する優先度をアドレス帳D1から夫々抽出し(S503)、抽出した優先度が最優先であるか否かを判断する(S504)。情報処理部20は、抽出した優先度が最優先であると判断した場合(S504でYES)、緊急度決定処理を終了する。
【0085】
一方、情報処理部20は、抽出した優先度が最優先でないと判断した場合(S504でNO)、所定の単位時間当たりの発信元からの着信回数を計数する(S505)。
【0086】
情報処理部20は、計数した着信回数に対応する重みを緊急度変更マスタD4から抽出し(S506)、更に仕分けられた未返信レコードに留守電有りを示すフラグがあるか否かを判断する(S507)。情報処理部20は、留守電有りを示すフラグがあると判断した場合(S507でYES)、抽出した重みに値αを付加(重み+α)し(S508)、ステップS509へ進む。尚、値αは、連絡希望者から伝言があったときの緊急度の度合いを示す要素であり、記憶部23に予め設定されて記憶される。
【0087】
一方、情報処理部20は、留守電有りを示すフラグがないと判断した場合(S507でNO)、ステップS508を実行することなく、ステップS509へ進む。
【0088】
情報処理部20は、算出した重み+α又は重みをステップS503で抽出した優先度に付加(優先度+重み+α又は優先度+重み)することにより算出された値を緊急度として決定する(S509)。
【0089】
情報処理部20は、決定した緊急度、未返信レコードに含まれる宛先情報を含む新たなレコードを生成して追加することにより、通知管理テーブルD5を更新し(S510)、緊急度決定処理を終了する。
【0090】
このように実施例4における通信端末装置2は、所定の単位時間当たりの着信回数が増えるほど連絡希望者が考えている緊急の度合いが高くなるとみなし、更に留守電が有るときは緊急の度合いを高めることにより、緊急度を柔軟に決定できる。
【0091】
実施の形態2.
実施の形態2では、伝言者の通信端末装置1から受信する通信端末装置2の構成及び処理の手順について説明する。
【0092】
実施の形態2における通信端末装置2の記憶部23で記憶されているアドレス帳D1、着信履歴テーブルD2、緊急度管理マスタD3及び通知管理テーブルD5の格納例は、上述した実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0093】
また、実施の形態2における通信端末装置2は、実施の形態1における通信端末装置2が選択実行する実施例1乃至4で示す手順で緊急度決定処理を実行するので、その説明を省略する。
【0094】
しかし、実施の形態2における通信端末装置2は、連絡希望者から伝言を託された伝言者から伝言メールP3を受信するので、実施の形態1における通信端末装置2が実行する着信通知処理とは異なる処理を実行する。
【0095】
また、実施の形態2における通信端末装置2は、緊急度決定処理において、受信した電子メールP2に記された、「至急」、「重要」又は「急ぎ」などの所定のキーワードに基づいて緊急度を決定する手順(以下、実施例5とする。)で更に選択実行する。
【0096】
そこで、実施例5における緊急度変更マスタD4の格納例と、実施の形態2における通信端末装置2の情報出力部27で出力する、伝言者から受信した伝言メールP3の内容例と、実施の形態2における通信端末装置2が実行する着信通知処理の手順と、実施例5における緊急度決定処理の手順とを以下説明する。
【0097】
図14は実施例5における緊急度変更マスタD4の格納例を示す図である。実施例5における緊急度変更マスタD4は、伝言者の通信端末装置1から受信した伝言メールP3に記されたキーワードに対応付けて設定された重みを格納する。
【0098】
図15は受信した伝言メールP3の内容例を示す図である。実施の形態2における通信端末装置2の情報出力部27の画面Wには、伝言メールP3の着信日時、伝言者の宛先情報、タイトル及びメール本文が表示され、タイトルには、例えば、所定のキーワードである「急ぎ」の文字が表示され、メール本文には、連絡希望者の氏名及び宛先情報が表示されている。
【0099】
図16は実施の形態2における着信通知処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態2における通信端末装置2の情報処理部20は、伝言者の通信端末装置1から伝言メールP3をメール受信し(S601)、受信した伝言メールP3のヘッダから電子メールアドレスを抽出する(S602)。
【0100】
情報処理部20は、抽出した電子メールアドレスを含むレコードをアドレス帳D1から抽出し、抽出したレコードに発言権有りを示すフラグがある否かを判断する(S603)。情報処理部20は、発言権有りを示すフラグがないと判断した場合(S603でNO)、処理を終了する。
【0101】
一方、情報処理部20は、発言権有りを示すフラグがあると判断した場合(S603でYES)、伝言メールP3のメール本文を解析する(S604)。尚、メール本文の解析は、既存技術であるので、その説明を省略する。
【0102】
情報処理部20は、解析の結果、不在伝言であるか否かを判断し(S605)、不在伝言でないと判断した場合(S605でNO)、処理を終了する。不在伝言であるか否かの判断は、例えば、伝言メールP3のタイトル中に「伝言」などの所定のキーワードがあるか否かを判断するか、メール本文に「〜から電話」などの所定のキーワードがあるか否かを判断するか、メール本文に連絡希望者の宛先情報があるか否かを判断することにより行う。
【0103】
一方、情報処理部20は、不在伝言であると判断した場合(S605でYES)、伝言メールP3のメール本文中に、連絡希望者の電話番号又は電子メールアドレスがあるか否かを更に判断し(S606)、連絡希望者の電話番号又は電子メールアドレスがないと判断した場合(S606でNO)、処理を終了する。
【0104】
一方、情報処理部20は、連絡希望者の電話番号又は電子メールアドレスがあると判断した場合(S606でYES)、連絡希望者の電話番号又は電子メールアドレス、及び計時部28で計時した着信日時を含む未返信レコードを生成し、着信履歴テーブルD2に未返信レコードを追加する(S607)。即ち、情報処理部20は、伝言者から受信した伝言メールP3の受信頻度を連絡希望者から受信する電子メールP2の受信頻度とみなして連絡希望者が考えている緊急度の度合いを決定する。
【0105】
情報処理部20は、通信端末装置1からの受信が初回の場合、計時部28で計時を開始する(S608)。尚、情報処理部20は、ステップS610から処理を繰り返し、通信端末装置1からの受信が2回目以降と判断した場合、ステップS608を行わずにステップS609へ進む。
【0106】
情報処理部20は、アドレス帳D1、着信履歴テーブルD2及び緊急度変更マスタD4を参照して緊急度決定処理を実行する(S609)。情報処理部20は、計時部28での計時が所定の単位時間に達するか否かを判断し(S610)、計時部28での計時部が所定の単位時間に達していないと判断した場合(S610でNO)、ステップS601へ戻り、処理を繰り返す。
【0107】
一方、情報処理部20は、計時部28での計時が所定の単位時間に達すると判断した場合(S610でYES)、計時部28での計時を終了する(S611)。情報処理部20は、通知管理テーブルD5のレコードのうち、次回通知時間に達するレコードを抽出し、抽出したレコードに含まれる緊急度をキーとして緊急度管理マスタD3から着信通知の通知間隔などのデータを抽出し、抽出したデータに基づいて、着信通知の出力頻度を決定する(S612)。情報処理部20は、決定した出力頻度に従い、情報出力部27で着信通知を出力し(S613)、着信通知が出力頻度を満たしたとき、該当するレコードを通知管理テーブルD5から削除し、決定した緊急度を初期化する。
【0108】
その結果、情報処理部20は、送信元への返信があったと判断したとき、返信された宛先情報を含む未返信レコードを返信済レコードへ更新し(S614)、処理を終了する。
【0109】
次に上述した情報処理部20がステップS609で実行する緊急度決定処理の手順を実施例5のみ説明する。図17は実施例5における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0110】
実施例5における通信端末装置2の情報処理部20は、着信履歴テーブルD2から未返信レコードを抽出し(S701)、同一の宛先情報を含む未返信レコード毎に仕分ける(S702)。
【0111】
情報処理部20は、仕分けられた各未返信レコードに対応する優先度をアドレス帳D1から夫々抽出し(S703)、抽出した優先度が最優先であるか否かを判断する(S704)。情報処理部20は、抽出した優先度が最優先であると判断した場合(S704でYES)、緊急度決定処理を終了する。
【0112】
一方、情報処理部20は、抽出した優先度が最優先でないと判断した場合(S704でNO)、伝言メールP3のメール本文又はタイトル中に所定のキーワードがあるか否かを判断し(S705)、伝言メールP3のメール本文又はタイトル中に所定のキーワードがあると判断した場合(S705でYES)、所定のキーワードに対応する重みを緊急度変更マスタD4から抽出する(S706)。
一方、伝言メールP3のメール本文又はタイトル中に所定のキーワードがないと判断した場合(S705でNO)、所定のキーワードに対応する重みを緊急度変更マスタD4から抽出しない。
【0113】
情報処理部20は、抽出した重みをステップS703で抽出した優先度に付加(優先度+重み)することにより算出された値を緊急度として決定する(S707)。情報処理部20は、決定した緊急度、未返信レコードに含まれる宛先情報を含む新たなレコードを生成して追加することにより、通知管理テーブルD5を更新し(S708)、処理を終了する。
【0114】
このように実施例5における通信端末装置2は、所定のキーワードに基づいて連絡希望者が考えている緊急の度合いを把握して緊急度を柔軟に決定することができる。
【0115】
尚、上述した実施の形態1及び2では、通信端末装置2が緊急度決定処理を複数の手順から選択実行できる一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、何れかの手順の組み合わせ、又は何れかの一つの手順を実行する機能を備え、通信端末装置2の構成を単純化してもよい。
【0116】
また、上述した実施の形態1及び2は、場合分けをして説明したが、通信端末装置2は、実施の形態1及び実施の形態2を組み合わせて実行するようにしてもよい。通信端末装置2は、着信通知処理内において、電子メールP2を受信したとき、先ずメール本文を解析し(S604参照)、不在伝言であるか否かを判断し(S605)、不在伝言であると判断した場合に実施の形態2における処理を実行し、不在伝言でないと判断した場合に実施の形態1における処理を実行する。
【0117】
また、上述した実施の形態1及び2では、通信端末装置2が受信した全ての送信元に対する着信通知を複数出力する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、着信回数の最も多い送信元、又は着信間隔の最も短い送信元を選定して着信通知を出力するようにしてもよい。例えば、仕分けられた未返信レコードのうち、最多の未返信レコードに含まれる宛先情報を選定するか、着信日時が最短の未返信レコードに含まれる宛先情報を選定する。その結果、通信端末装置2は、最も緊急度の高い送信元への返信に重きを置いて着信通知を行うことができる。
【0118】
以上の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0119】
(付記1)
外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信できる通信手段と、
該通信手段で外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定する宛先決定手段と、
該宛先決定手段で決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信回数を計数する受信計数手段と、
該受信計数手段で計数した受信回数に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定する緊急度決定手段と、
該緊急度決定手段で決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定する頻度決定手段と、
該頻度決定手段で決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力する情報出力手段と
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【0120】
(付記2)
各宛先情報が示す送信元へ返信したとき、該宛先情報に対応付けて決定された評価値を初期化する初期化手段を更に備えることを特徴とする付記1に記載の通信端末装置。
【0121】
(付記3)
前記情報出力手段は、受信回数の最も多い宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることを特徴とする付記1又は2に記載の通信端末装置。
【0122】
(付記4)
前記宛先決定手段は、受信した呼信号又は電子メールのヘッダに含まれた宛先情報に基づいて決定するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の通信端末装置。
【0123】
(付記5)
予め設定された優先度を各宛先情報に対応付けて格納してある第1テーブルと、
受信回数に対応する重みを格納してある第2テーブルと、
前記宛先決定手段で決定した宛先情報に対応する優先度を第1テーブルから抽出する優先度抽出手段と、
前記受信計数手段で計数した受信回数に対応する重みを第2テーブルから抽出する重み抽出手段と
を更に備え、
前記緊急度決定手段は、前記重み抽出手段で抽出した重みを前記優先度抽出手段で抽出した優先度に付加することにより緊急の度合いを示す評価値を決定するようにしてあることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の通信端末装置。
【0124】
(付記6)
外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信できる通信手段と、
該通信手段で外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定する宛先決定手段と、
該宛先決定手段で決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信間隔を計測する受信計測手段と、
該受信計測手段で計測した受信間隔に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定する緊急度決定手段と、
該緊急度決定手段で決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定する頻度決定手段と、
該頻度決定手段で決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力する情報出力手段と
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【0125】
(付記7)
各宛先情報が示す送信元へ返信したとき、該宛先情報に対応付けて決定された評価値を初期化する初期化手段を更に備えることを特徴とする付記6に記載の通信端末装置。
【0126】
(付記8)
前記情報出力手段は、受信間隔の最も短い宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることを特徴とする付記6又は7に記載の通信端末装置。
【0127】
(付記9)
前記宛先決定手段は、受信した呼信号又は電子メールのヘッダに含まれた宛先情報に基づいて決定するようにしてあることを特徴とする付記6乃至8の何れかに記載の通信端末装置。
【0128】
(付記10)
予め設定された優先度を各宛先情報に対応付けて格納してある第1テーブルと、
受信間隔に対応する重みを格納してある第2テーブルと、
前記宛先決定手段で決定した宛先情報に対応する優先度を第1テーブルから抽出する優先度抽出手段と、
前記受信計測手段で計測した受信間隔に対応する重みを第2テーブルから抽出する重み抽出手段と
を更に備え、
前記緊急度決定手段は、前記重み抽出手段で抽出した重みを前記優先度抽出手段で抽出した優先度に付加することにより緊急の度合いを示す評価値を決定するようにしてあることを特徴とする付記6乃至9のいずれかに記載の通信端末装置。
【0129】
(付記11)
受信した電子メールのメール本文に含まれているメッセージを解析する解析手段と、
該メッセージが送信元から伝言を取り次いだ旨の伝言メッセージであると前記解析手段で判断した場合、前記メール本文に含まれている宛先情報を抽出する宛先抽出手段と
を備え、
前記宛先決定手段は、抽出した宛先情報を送信元の宛先情報として決定するようにしてあることを特徴とする付記1乃至10のいずれかに記載の通信端末装置。
【0130】
(付記12)
コンピュータに、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信させるコンピュータプログラムにおいて、
外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定させるステップと、
決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信回数を計数させるステップと、
計数した受信回数に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定させるステップと、
決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定させるステップと、
決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力させるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0131】
(付記13)
コンピュータに、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信させるコンピュータプログラムにおいて、
外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定させるステップと、
決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信間隔を計測させるステップと、
計測した受信間隔に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定させるステップと、
決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定させるステップと、
決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力させるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明に係る通信端末装置を用いる通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】アドレス帳の格納例を示す図である。
【図3】着信履歴テーブルの格納例を示す図である。
【図4】緊急度管理マスタの格納例を示す図である。
【図5】実施例1における緊急度変更マスタの格納例を示す図である。
【図6】実施例2における緊急度変更マスタの格納例を示す図である。
【図7】実施例3における緊急度変更マスタの格納例を示す図である。
【図8】通知管理テーブルの格納例を示す図である。
【図9】実施の形態1における着信通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例1における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施例2における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例3における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施例4における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例5における緊急度変更マスタの格納例を示す図である。
【図15】受信した伝言メールの内容例を示す図である。
【図16】実施の形態2における着信通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】実施例5における緊急度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
2 通信端末装置
20 情報処理部
21 音声通信部
22 電子メール通信部
23 記憶部
24 受話部
25 送話部
26 操作部
27 情報出力部
28 計時部
29 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信できる通信手段と、
該通信手段で外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定する宛先決定手段と、
該宛先決定手段で決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信回数を計数する受信計数手段と、
該受信計数手段で計数した受信回数に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定する緊急度決定手段と、
該緊急度決定手段で決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定する頻度決定手段と、
該頻度決定手段で決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力する情報出力手段と
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
各宛先情報が示す送信元へ返信したとき、該宛先情報に対応付けて決定された評価値を初期化する初期化手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記情報出力手段は、受信回数の最も多い宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信できる通信手段と、
該通信手段で外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定する宛先決定手段と、
該宛先決定手段で決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信間隔を計測する受信計測手段と、
該受信計測手段で計測した受信間隔に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定する緊急度決定手段と、
該緊急度決定手段で決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定する頻度決定手段と、
該頻度決定手段で決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力する情報出力手段と
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項5】
各宛先情報が示す送信元へ返信したとき、該宛先情報に対応付けて決定された評価値を初期化する初期化手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記情報出力手段は、受信間隔の最も短い宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力するようにしてあることを特徴とする請求項4又は5に記載の通信端末装置。
【請求項7】
受信した電子メールのメール本文に含まれているメッセージを解析する解析手段と、
該メッセージが送信元から伝言を取り次いだ旨の伝言メッセージであると前記解析手段で判断した場合、前記メール本文に含まれている宛先情報を抽出する宛先抽出手段と
を備え、
前記宛先決定手段は、抽出した宛先情報を送信元の宛先情報として決定するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項8】
コンピュータに、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信させるコンピュータプログラムにおいて、
外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定させるステップと、
決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信回数を計数させるステップと、
計数した受信回数に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定させるステップと、
決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定させるステップと、
決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力させるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、外部からの呼信号に応じた音声データ又は電子メールによるデータを送受信させるコンピュータプログラムにおいて、
外部からの呼信号又は電子メールを複数受信したとき、送信元の宛先情報を夫々決定させるステップと、
決定した宛先情報毎に、所定の単位時間当たりの受信間隔を計測させるステップと、
計測した受信間隔に対応する緊急の度合いを示す評価値を各宛先情報に対応付けて決定させるステップと、
決定した評価値に応じて情報の出力頻度を決定させるステップと、
決定した出力頻度に従い、各宛先情報が示す送信元へ返信するように促す情報を出力させるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−199178(P2009−199178A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37855(P2008−37855)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】