説明

通信管理装置

【課題】無線通信ゲートウェイ群に設置された局舎において、全ての電源がダウンしてしまう状況を想定した冗長構成技術を提供する。
【解決手段】EMS8から無線通信ゲートウェイ(14,16)とBS7へ定期的にヘルスチェックを行うステップと、取得した情報から局舎内の全ての無線通信ゲートウェイ(14,16)が異常のため局舎電源ダウンと判断するステップ、異常となった無線通信ゲートウェイに集約されていたBS7に正常な無線通信ゲートウェイ(14,16)を宛先として登録するステップとを実行することで、無線通信ゲートウェイ(14,16)が設置された局舎が電源ダウンという事態が発生した場合でも、適正に通信システム100を維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信管理装置に係り、通信基地局と、その通信基地局を集約して建物内に設置されたゲートウェイとして機能するゲートウェイ装置を管理する通信管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信システムにおいて、多種の無線通信方式や有線通信方式によるインターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークが急速に普及しており、それらネットワークを用いた様々なデータ送受信の技術が開発されている。そして現状、無線通信ゲートウェイ群に設置された局舎においてはUPS(Uninterruptible Power Systems:無停電電源装置)等のバックアップ電源、耐震性強化、防火性強化がなされ、無線通信システムがダウンしないように冗長化がなされている。
【0003】
その様な冗長化の技術には様々なものが提案されているが、例えば、複数のゲートウェイ装置からの応答パケットを選択的にユーザ端末に転送する機能を備えた冗長化技術がある(例えば、特許文献1参照)。この技術では、ユーザ端末に通信制御用の特殊なソフトウェアを実装することなく、アクセス網をインターネット中継網に接続するゲートウェイ装置の冗長化を可能としている。また、この技術で提案されているパケット転送装置は、プロトコル処理部に、通信プロトコルの識別機能を備えることによって、同一のレイヤのアクセス網に、例えば、PPPoE端末とIEEE802.1xにおけるEAPOL端末のように、通信プロトコルの異なる複数種類のユーザ端末の混在を可能としている。
【特許文献1】特開2007−335945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術においては、無線通信ゲートウェイ群に設置された局舎においてはUPS等のバックアップ電源、耐震性強化を行っているが、局舎内の全ての電源がダウンしてしまうことは想定されていない。例えば、直下型地震等などの不測の事態が想定されていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、上記課題を解決して、通信ゲートウェイが設置された局舎において、全ての電源がダウンしてしまう状況を想定した冗長構成技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る装置は、無線端末と通信する複数の無線基地局及び当該無線基地局のゲートウェイとして機能する複数のゲートウェイ装置を監視する通信管理装置であって、前記無線基地局及び前記ゲートウェイ装置のヘルスチェックを実行するヘルスチェック処理手段と、前記ヘルスチェックの結果、前記ゲートウェイ装置に異常が発生したと推定されるときに、前記ゲートウェイ装置に集約されている前記無線基地局のヘルスチェックを実行して、前記無線基地局からの応答があった場合に、前記ゲートウェイ装置に異常が発生していると判断する異常判断手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
以上、本発明によると、通信ゲートウェイが設置された局舎において、全ての電源がダウンしてしまう状況を想定した冗長構成技術を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。以下に説明する実施形態では、EMS(Element Management System;要素管理システム)から無線通信ゲートウェイと無線通信基地局へ定期的にヘルスチェックを行うステップと、取得した情報から局舎内の全ての無線通信ゲートウェイが異常のため局舎電源ダウンと判断するステップ、正常な無線通信ゲートウェイ群へ無線通信基地局群を宛先登録するステップと、により無線通信ゲートウェイが設置された局舎が電源ダウンという事態において冗長構成方法を提供する。これによって、EMSは無線通信ゲートウェイ群が設置されている局舎が電源ダウンしてゲートウェイ障害が発生した場合や無線通信基地局の設置工事及び増設工事があった場合に、管理下の無線通信ゲートウェイ装置群の中からいくつかの条件に照らして自動で無線通信基地局に対し正常な無線通信ゲートウェイ装置のアドレスを割り振っていく処理手段を設けることでシステムコストアップなく冗長構成ができるようになる。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る通信システム100の構成例を示す図である。通信システム100は、複数の無線通信基地局7(以下、「BS7」と称する)と、EMS8と、複数の無線通信ゲートウェイ10とを備え、広域イーサネット(登録商標)網6に接続されている。
【0010】
BS7は、無線による伝送路11によって無線通信端末(以下、「MS9」と称する)と接続される。MS9は、BS7及びBS7が集約されている後述のゲートウェイ(14,16)を介して、広域イーサネット網6に接続される外部ネットワーク6b(インターネット等)にアクセスする。
【0011】
無線通信ゲートウェイ10は、スイッチカード1、CPUカード2、管理カード3、電源4及びファン5を装備して、後述する無線通信ゲートウェイ装置(14、16)に相当する。この無線通信ゲートウェイ10は、一般的な構成で実現できるので、詳細な説明は省略する。無線通信ゲートウェイ10、EMS8及びBS7は広域イーサネット網6により接続されており、インターネットの伝送路12で接続されている。
【0012】
図2は、図1の通信システム100を、EMS8の機能ブロックと、第1のエリアAのBS7群のゲートウェイとして機能する第1無線通信ゲートウェイ群13と、第2のエリアBのBS7群のゲートウェイとして機能する第2無線通信ゲートウェイ群15に着目して示した図である。図示のように、第1無線通信ゲートウェイ群13は、複数の第1無線通信ゲートウェイ装置14により構成されており、同様に、第2無線通信ゲートウェイ群15は複数の第2無線通信ゲートウェイ装置16から構成されている。第1無線通信ゲートウェイ装置14及び第2無線通信ゲートウェイ装置16は、図1の無線通信ゲートウェイ10で示した要素により構成されて同様の機能を実現している。第1無線通信ゲートウェイ装置14や第2無線通信ゲートウェイ装置16は、所定数のBS7を集約して無線リソース管理やMS9がBS7の通信カバーエリアを越えて別のBS7の通信カバーエリアに入るためのハンドオーバ機能をサポートするためのセッション管理などを行い、所定の局舎に収容されている。
【0013】
EMS8は、BS7及び無線通信ゲートウェイ(第1無線通信ゲートウェイ装置14や第2無線通信ゲートウェイ装置16)を管理する。そのため、EMS8は、一般的なEMSとしての機能を実行するとともに、本実施形態に特徴的な機能として、第1無線通信ゲートウェイ装置14や第2無線通信ゲートウェイ装置16が収容されている局舎において局舎全体の電源ダウンなどの異常発生を検知して、BS7とMS9の通信を確保する冗長システム機能を実行する。
【0014】
そこで、EMS8は、GWヘルスチェック部81と、BSヘルスチェック部82と、異常判断部83と、宛先設定部84と、再起動指示部85と、迂回経路提示部86と、通信中断通知部87とを備える。GWヘルスチェック部81は、第1無線通信ゲートウェイ装置14や第2無線通信ゲートウェイ装置16に対してポーリングによりヘルスチェックを行う。BSヘルスチェック部82は、BS7に対してポーリングによりヘルスチェックを行う。一般に、ネットワークに接続される各機器には、PING(Packet INternet Groper)と呼ばれるネットワーク診断機能がデフォルトで備わるので、その様な機能を使用することでヘルスチェックは実現できる。
【0015】
異常判断部83は、GWヘルスチェック部81及びBSヘルスチェック部82のヘルスチェックの結果をもとに、第1無線通信ゲートウェイ装置14、第2無線通信ゲートウェイ装置16及びそれらをゲートウェイに設定しているBS7に異常があるか無いかを判断する。宛先設定部84は、BS7のゲートウェイ(14,16)に異常が発生している場合に、異常が発したゲートウェイ(14,16)に集約されていたBS7に対して、正常な別のゲートウェイ(14,16)を新たな宛先として設定するように指示する。再起動指示部85は、BS7に対してBS7が別のゲートウェイを新たな宛先と設定したら再起動するように指示する。迂回経路提示部86は、ゲートウェイ(14,16)に異常が発生した場合に、所定の表示パネルに対して、ゲートウェイ(14,16)を正常または異常を判別可能に表示すると共に、新たなゲートウェイのとして設定すべき宛先の候補を表示する。通信中断通知部87は、宛先であるゲートウェイを変更するBS7を経由してデータ送信中のMS9に通信中断を通知する。
【0016】
つづいて、第2無線通信ゲートウェイ群15に異常が発生していると判断した場合の通信システム100の処理についてフローチャートをもとに説明する。図3は、第2無線通信ゲートウェイ群15に異常が発生したときにBS7のゲートウェイを変更する処理に関するフローチャートである。なお、以下の図3、4、6のフローチャートでは、ゲートウェイ装置を「GW」と表記している。
【0017】
まず、EMS8のGWヘルスチェック部81は定期的にヘルスチェックを行い(S21)、第2無線通信ゲートウェイ群15の全ての第2無線通信ゲートウェイ装置16から応答があるか無いかを判断する(S22)。第2無線通信ゲートウェイ群15のいずれかの第2無線通信ゲートウェイ装置16から応答があれば(S22のN)、異常判断部83は第2無線通信ゲートウェイ群15を収容する局舎には異常が無いと判断し(S23)、第2無線通信ゲートウェイ群15を収容する局舎異常を判断するためのヘルスチェックは終了する。
【0018】
S22のステップで、第2無線通信ゲートウェイ群15の全ての第2無線通信ゲートウェイ装置16から応答が無い場合(S22のY)、EMS8の異常判断部83は、第2無線通信ゲートウェイ群15を収容する局舎に異常の発生の可能性があると判断して、その判断を受けてBSヘルスチェック部82は、第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16をゲートウェイとしている第2のエリアBのBS7に対してヘルスチェックを行う(S24)。
【0019】
第2のエリアBのBS7から応答があった場合(S25のY)、異常判断部83は第2無線通信ゲートウェイ群15を収容する局舎に電源ダウンなどの異常が発生していると判断する(S26)。S26のステップで電源ダウンなどの異常が発生していると判断した場合には、迂回経路提示部86は、EMS8のオペレータに対して第2のエリアBのBS7が集約されるゲートウェイを所定の表示パネルに正常または異常を判別可能に表示すると共に、新たなゲートウェイのとして設定すべき宛先の候補をオペレータからの指定により取得する(S27)。具体的には、迂回経路提示部86は、表示パネルに迂回経路と、その迂回路に対して「承認する」、「承認しない」、「変更する」のいずれを選択可能に提示する。オペレータが提示された迂回路を承認する場合、次の処理に進む。オペレータが「承認しない」場合は、迂回経路提示部86は、新たな経路(図示せず)をオペレータに対して提示する。オペレータが「変更する」を選択した場合、迂回経路提示部86は、迂回ルートの提示画面に対するオペレータからの手作業でルート変更を取得する。
【0020】
なお、迂回経路提示部86は、オペレータに提示することなく、または、オペレータから所定期間の指示が無いい場合は、あらかじめ設定されている迂回経路設定プロセスによって自動的に、第2のエリアBのBS7の迂回路を設定してもよい。本実施形態では、第2のエリアBから第1のエリアAへの冗長構成について説明するが、各エリアのゲートウェイの処理状況(CPU使用率など)に応じて、他のエリアのゲートウェイ装置に宛先変更することもでき、その様な冗長構成については第2の実施形態で後述する。
【0021】
そして、EMS8の宛先設定部84は、BS7に対して第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16の代わりに、第1無線通信ゲートウェイ群13の第1無線通信ゲートウェイ装置14に宛先であるゲートウェイを設定するように指示し、つづいて、再起動指示部85がBS7に対して再起動を指示する(S28)。同時に、通信中断通知部87は、宛先であるゲートウェイを変更する第2のエリアのBS7を経由してデータ送信中のMS9に対して通信中断を通知する(S29)。なお、S25のステップで、第2のエリアBのBS7から応答が無い場合(S25のN)、EMS8の異常判断部83は、第2のエリアBのBS7が稼働していないことをEMS8の管理者に通知する(S30)。
【0022】
第2のエリアBのBS7は、再起動後、第1無線通信ゲートウェイ群13の第1無線通信ゲートウェイ装置14と通信を開始する。これによって、第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16に集約されていたBS7は、第1無線通信ゲートウェイ群13の第1無線通信ゲートウェイ装置14に集約されるため、第2のエリアBのBS7は、MS9の通信を正常に中継することができる。
【0023】
次に、第2のエリアBのゲートウェイ障害(局舎電源ダウン)から復旧するときの処理について説明する。図4は、第2無線通信ゲートウェイ群15の異常が回復した場合の処理に関するフローチャートである。
【0024】
EMS8のGWヘルスチェック部81は、上述同様に定期的に第1無線通信ゲートウェイ群13の第1無線通信ゲートウェイ装置14や、第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16に対してヘルスチェックを行う(S41)。
【0025】
GWヘルスチェック部81は、第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16からヘルスチェックに対する応答の有無を監視する(S42)。応答が無い場合は(S42のN)、局舎異常(ゲートウェイ障害)が継続中であると判断し、第2のエリアBのBS7のゲートウェイを第1無線通信ゲートウェイ装置14に変更した状態を維持する(S43)。
【0026】
第2無線通信ゲートウェイ装置16から応答があると(S42のY)、異常判断部83は、第2のエリアBのBS7を集約すべき第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16が収容されている局舎の電源ダウンなどの異常が復旧したと判断する(S44)。そして、迂回経路提示部86は、オペレータに第2無線通信ゲートウェイ装置16が復旧した旨を通知し、さらに、第1無線通信ゲートウェイ装置14から第2無線通信ゲートウェイ装置16への変更ルートを提示し、オペレータからの指示を取得する(S45)。具体的には、上述のS27のステップと同様の処理がなされ、迂回経路提示部86は、表示パネルに復帰経路と、その復帰経路に対して「承認する」、「承認しない」、「変更する」のいずれを選択可能に提示する。オペレータが提示された迂回路を承認する場合、次の処理に進む。オペレータが「承認しない」場合は、迂回経路提示部86は、新たな経路をオペレータに対して提示する。オペレータが「変更する」を選択した場合、迂回経路提示部86は、復帰ルートの提示画面に対するオペレータからの手作業でルート変更を取得する。なお、第1無線通信ゲートウェイ装置14から第2無線通信ゲートウェイ装置16への変更として、段階的に復帰を行う変更ルートが提示されてもよい。つまり、第2のエリアBの全てのBS7に対して同時に復帰指示を行うのではなく、所定期間をおいて順次復帰指示がなされてもよい。
【0027】
そして、EMS8の宛先設定部84は、第2のエリアBのBS7に対して第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16に宛先設定を戻すように指示し、つづいて、再起動指示部85がBS7に対して再起動を指示する(S46)。同時に、通信中断通知部87は、宛先であるゲートウェイを変更する第2のエリアのBS7を経由してデータ送信中のMS9に対して通信中断を通知する(S47)。このようにして、局舎の電源ダウンなどのゲートウェイ障害から復旧したときに、ゲートウェイ障害前の正常な状態に円滑に移行することができる。
【0028】
<第2の実施形態>
図5は、本実施形態に係る通信システム200の概略構成を示す図である。この通信システム200は、第1の実施形態で示した通信システム100の変形例であり、第3のエリアCのBS7を集約する第3無線通信ゲートウェイ群17を備え、第3無線通信ゲートウェイ群17には複数の第3無線通信ゲートウェイ装置18が備わる。第3無線通信ゲートウェイ装置18の構成及び機能は、第1の実施形態で示した無線通信ゲートウェイ10と同様であり、EMS8やBS7も第1の実施形態と同様であり構成及び機能については説明を省略し、ゲートウェイ障害発生時の処理について説明する。
【0029】
図6は、第2無線通信ゲートウェイ群15に異常が発生したときにBS7のゲートウェイを変更する処理に関するフローチャートである。第1の実施形態と異なる処理は、異常判断部83は第2無線通信ゲートウェイ群15を収容する局舎に電源ダウンなどの異常が発生していると判断する(S26)以降の処理である。よって、ここでは以降の処理について説明する。S26のステップで異常が発生していると判断されると、迂回経路提示部86は、正常に稼働中の第1無線通信ゲートウェイ装置14及び第3無線通信ゲートウェイ装置18のCPU稼働率を取得し(S31)、CPU稼働率の最も低いゲートウェイを迂回経路として提示する(S32)。この迂回経路の提示は、第1の実施形態と同様に、「承認する」、「承認しない」、「変更する」のいずれを選択可能に提示し、最終的にオペレータから指示された経路を取得する(S33)。ここでは、第3無線通信ゲートウェイ装置18が迂回経路として指示されたものとする。
【0030】
つづいて、EMS8の宛先設定部84は、BS7に対して第2無線通信ゲートウェイ群15の第2無線通信ゲートウェイ装置16の代わりに、第3無線通信ゲートウェイ群17の第3無線通信ゲートウェイ装置18に対して宛先であるゲートウェイを設定するように指示し、つづいて、再起動指示部85がBS7に対して再起動を指示する(S34)。同時に、通信中断通知部87は、宛先であるゲートウェイを変更する第2のエリアのBS7を経由してデータ送信中のMS9に対して通信中断を通知する(S35)。
【0031】
このように、ゲートウェイが増えた場合であっても、局舎の電源ダウンなどの異常に効果的に対応することができる。なお、復旧時の処理については、第1の実施形態と同様の処理で実現できるので説明は省略する。また、S32のステップにおいて、取得したCPU稼働率のいずれもが所定の稼働率を超えている場合に、さらに、ゲートウェイを構成している無線通信ゲートウェイ10のCPUカード2ごとにCPU稼働率を取得し、稼働率の低いCPUカード2に迂回経路として機能させてもよい。
【0032】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。第2のエリアBの配下のBS7を、二つのグループに分割し、分割したBS7を第1のエリアAの第1無線通信ゲートウェイ14と、第3のエリアCの第3無線通信ゲートウェイ18に分けて切り替えてもよい。
【0033】
そして、上述の実施形態の特徴を簡単にまとめると以下の通りである。
無線端末(9)と通信する複数の無線基地局(7)及び当該無線基地局(7)のゲートウェイとして機能する複数のゲートウェイ装置(14,16,18)を監視する通信管理装置(8)であって、前記無線基地局(7)及び前記ゲートウェイ装置のヘルスチェックを実行するヘルスチェック処理手段(81、82)と、前記ヘルスチェックの結果、前記ゲートウェイ装置に異常が発生したと推定されるときに、前記ゲートウェイ装置(14,16,18)に集約されている前記無線基地局(7)のヘルスチェックを実行して、前記無線基地局(7)からの応答があった場合に、前記ゲートウェイ装置(14,16,18)に異常が発生していると判断する異常判断手段(83)と、を備えている。
また、前記異常が発生した前記ゲートウェイ装置(14,16,18)に集約されていた前記無線基地局(7)のゲートウェイを、正常なゲートウェイ装置(14,16,18)に切り替えるよう、前記無線基地局(7)に指示する再設定指示手段(84〜86)を備える。
前記再設定指示手段(84〜86)は、いずれかの前記ゲートウェイ装置(14,16,18)に異常が発生したときに、正常なゲートウェイ装置(14,16,18)のCPU稼働率を取得し、前記異常が発生しているゲートウェイ装置(14,16,18)に集約されていた無線基地局(7)に対して、前記CPU稼働率が低いゲートウェイ装置(14,16,18)にゲートウェイを設定するように指示する。
また、無線端末(9)と通信する複数の無線基地局(7)及び当該無線基地局(7)のゲートウェイとして機能する複数のゲートウェイ装置(14,16,18)を監視する通信管理装置(8)とを備える通信システム(100、200)を構成している。そして、前記無線基地局(7)は複数にグループ分けされており、グループごとに前記ゲートウェイ装置(14、16、18)がゲートウェイとして設定されている。さらに、前記通信管理装置(8)は、前記無線基地局(7)及び前記ゲートウェイ装置(14、16、18)のヘルスチェックを実行するヘルスチェック処理手段(81、82)と、前記ヘルスチェックの結果、一つの前記グループ内の全ての前記ゲートウェイ装置(14、16、18)から応答が無い場合に、前記ゲートウェイ装置(14、16、18)に集約されている前記無線基地局(7)のヘルスチェックを実行して、前記無線基地局(7)からの応答があった場合に、前記ゲートウェイ装置(14、16、18)が属するグループに異常が発生していると判断する異常判断手段(83)と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態に係る、通信システムの構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る、EMSの機能ブロックに着目して示す通信システムの構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る、無線通信ゲートウェイに異常が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る、無線通信ゲートウェイの異常が回復したときの処理を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る、EMSの機能ブロックに着目して示す通信システムの構成図である。
【図6】第2の実施形態に係る、無線通信ゲートウェイに異常が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1 スイッチカード
2 CPUカード
3 管理カード
4 電源
7 BS
8 EMS
10 無線通信ゲートウェイ
13 第1無線通信ゲートウェイ群
14 第1無線通信ゲートウェイ装置
15 第2無線通信ゲートウェイ群
16 第2無線通信ゲートウェイ装置
17 第3無線通信ゲートウェイ群
18 第3無線通信ゲートウェイ装置
81 GWヘルスチェック部
82 BSヘルスチェック部
83 異常判断部
84 宛先設定部
85 再起動指示部
86 迂回経路提示部
87 通信中断通知部
100、200 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と通信する複数の無線基地局及び当該無線基地局のゲートウェイとして機能する複数のゲートウェイ装置を監視する通信管理装置であって、
前記無線基地局及び前記ゲートウェイ装置のヘルスチェックを実行するヘルスチェック処理手段と、
前記ヘルスチェックの結果、前記ゲートウェイ装置に異常が発生したと推定されるときに、前記ゲートウェイ装置に集約されている前記無線基地局のヘルスチェックを実行して、前記無線基地局からの応答があった場合に、前記ゲートウェイ装置に異常が発生していると判断する異常判断手段と、
を備えていることを特徴とする通信管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−157888(P2010−157888A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334879(P2008−334879)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】