説明

通信経路確認方法及び伝送装置

【課題】伝送装置において、経路冗長がとられた通信ネットワークの通信経路を確認できることを目的とする。
【解決手段】通信ネットワークを構成する伝送装置であって、受信した第一のリンクトレースフレームを目標の伝送装置に転送する転送対象ポートが経路冗長構成であるとき、前記第一のリンクトレースフレームを冗長構成の運用系経路ポートから転送し、前記第一のリンクトレースフレームと区別可能な第二のリンクトレースフレームを冗長構成の予備系経路に対応するポートから転送するリンクトレースフレーム転送部と、前記第一のリンクトレースフレームを受信したとき、前記第一のリンクトレースフレームに対するリンクトレース応答フレームと区別可能な第二のリンクトレース応答フレームを前記起点の伝送装置に送信するリンクトレース応答フレーム送信部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークの通信経路確認方法及び伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イーサネット(登録商標)網の保守や管理を行う機能として、EtherOAM(operation, administration, management)という規格が、ITU−TではY.1731として、IEEEでは802.1agとして規定されている。このEtherOAMには、ネットワークの障害管理に用いる機能の一つとしてリンクトレース(link trace)機能がある。
【0003】
リンクトレース機能では、通信ネットワーク上に存在する通信伝送装置間でトレース要求フレームであるLTM(Link Trace Message)フレームと、リンクトレース応答フレームであるLTR(Link Trace Reply)フレームをやりとりすることで通信伝送装置間での通信経路確認及び障害時の故障箇所切り分けを可能としている。
【0004】
図1に示す通信ネットワークで、伝送装置30,伝送装置40,伝送装置50−1,伝送装置50−2,伝送装置50−3,伝送装置70,伝送装置80のルートで主信号疎通状態であり、伝送装置40はポート3、伝送装置50−1,50−2,50−3はポート2、伝送装置70はポート1で伝送装置80のMACアドレスを学習済であることを前提条件とする。
【0005】
図1において、伝送装置30から伝送装置80へリンクトレースを実施した場合、LTMフレームを送信する伝送装置30はターゲットとなる伝送装置80のMACアドレスを指定してLTMフレームを送信する。中間の伝送装置はターゲット伝送装置80のMACアドレスを学習している場合には学習しているポートに対してのみLTMフレームを転送すると共に、送信元伝送装置30に対してLTRフレームを返信し、ターゲット伝送装置80のMACアドレスを学習していない場合には送信元伝送装置30へのLTRフレーム返信を行わず、フラッディング対象となる全ポートに対してLTMフレームを転送する。
【0006】
上記の動作をターゲットとなる伝送装置80まで繰り返すことで伝送装置30は伝送装置40,50−1,50−2,50−3,E,FからのLTRフレームを順に受信し、伝送装置80までの通信経路を確認することが可能となる。
【0007】
次に、図2に示すように、伝送装置50−2,伝送装置50−3間で障害が発生し、伝送装置30,伝送装置40,伝送装置50−1,伝送装置50−2間のルートと、伝送装置50−3,伝送装置70,伝送装置80間のルートでのみ主信号疎通状態であり、伝送装置40はポート3、伝送装置50−1,50−2,50−3はポート2、伝送装置70はポート1で伝送装置80のMACを学習済であることを前提条件とする。
【0008】
図2において、伝送装置30から伝送装置80へリンクトレースを実施した場合、伝送装置30は伝送装置40,50−1,50−2からしかLTRフレームを受信できないことから伝送装置50−2以降の経路で障害が発生していることを特定することができる。さらに伝送装置80から伝送装置30にリンクトレースを実施することで伝送装置80は伝送装置50−3以降の経路で障害が発生していることを特定することができ、先の伝送装置30から伝送装置80へのリンクトレース実施結果と合わせて伝送装置50−2,伝送装置50−3間で障害が発生していることを特定することができる。
【0009】
なお、リンクトレース機能を用いて、障害により削除されたMAC学習テーブルを保存したテーブルのポートに従いリンクトレース信号を送受信することにより、障害箇所を特定可能する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−172292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
通信ネットワークでは図3に示すように障害発生に備え、経路冗長構成をとる場合が多い。図3では伝送装置40,伝送装置70間でEtherOAM CC(Continuity Check)機能等を用いてエンド・ツー・エンド間での経路冗長構成がとられている。障害発生状況により、第1経路(伝送装置30,伝送装置40,伝送装置50−1,伝送装置50−2,伝送装置50−3,伝送装置70,伝送装置80)と、第2経路(伝送装置30,伝送装置40,伝送装置60−1,伝送装置60−2,伝送装置60−3,伝送装置70,伝送装置80)の2通りの通信経路を切り替えることができるネットワークとする(以降、実際に運用している経路を運用系経路、運用系経路の障害発生時に切り替わる経路を予備系経路と表現する)。
【0012】
このような経路冗長がとられた通信ネットワーク上でもリンクトレースを実施することで図4に示すように運用系経路の確認が可能である。しかしながら、経路冗長がとられたネットワークで図5のように障害発生により運用系経路から予備系経路への経路切替えが行われた場合、経路冗長機能を実現しているエンド伝送装置(伝送装置40、伝送装置70)における切替Trapや、LOC(Loss of Continuity)検出Trap等で伝送装置40,伝送装置50−1,伝送装置50−2,伝送装置50−3,伝送装置70間のどこかで障害が発生したことは確認できるが、実際の故障区間は不明となる。
【0013】
また、この状態で図6に示すように、伝送装置30,伝送装置80間でリンクトレースを実施したとしても、切替後の通信経路でMAC再学習が行われているため、予備系経路(伝送装置30,伝送装置40,伝送装置60−1,伝送装置60−2,伝送装置60−3,伝送装置70,伝送装置80)の経路情報しか取得できず、故障区間(伝送装置50−2,伝送装置50−3間)の特定はできない。このように標準化のリンクトレース機能だけでは、経路冗長により通信が復旧した場合はMAC学習情報が変わってしまい故障区間の特定ができないという問題があった。
【0014】
開示の伝送装置は、経路冗長がとられた通信ネットワークの通信経路を確認できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
開示の一実施形態による伝送装置は、通信ネットワークを構成する伝送装置であって、
受信した第一のリンクトレースフレームを目標の伝送装置に転送する転送対象ポートが経路冗長構成であるとき、前記第一のリンクトレースフレームを冗長構成の運用系経路ポートから転送し、前記第一のリンクトレースフレームと区別可能な第二のリンクトレースフレームを冗長構成の予備系経路に対応するポートから転送するリンクトレースフレーム転送部と、
前記第一のリンクトレースフレームを受信したとき、前記第一のリンクトレースフレームに対するリンクトレース応答フレームと区別可能な第二のリンクトレース応答フレームを前記起点の伝送装置に送信するリンクトレース応答フレーム送信部と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本実施形態によれば、経路冗長がとられた通信ネットワークの通信経路を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】通信ネットワークの一例の構成図である。
【図2】障害発生時の通信ネットワークの一例の構成図である。
【図3】通信ネットワークの一実施形態の構成図である。
【図4】通信ネットワークのリンクトレースを説明するための図である。
【図5】通信ネットワークの経路切替えを説明するための図である。
【図6】通信ネットワークの経路切替え後のリンクトレースを説明するための図である。
【図7】伝送装置の一実施形態の構成図である。
【図8】第2LTMフレームフォーマットである。
【図9】第2LTRフレームフォーマットである。
【図10】第2LTM送信機能の活性又は非活性処理のフローチャートである。
【図11】LTM送信処理のフローチャートである。
【図12】LTM受信処理のフローチャートである。
【図13】LTM受信処理のフローチャートである。
【図14】通信ネットワークの経路切替え後のリンクトレースを説明するための図である。
【図15】障害回復後の通信ネットワークのリンクトレースを説明するための図である。
【図16】N経路冗長構成の通信ネットワークのリンクトレースを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0019】
<伝送装置の構成>
図7は伝送装置の一実施形態の構成図を示す。図7において、伝送装置はファームウェア部10と、ハードウェア部20を有している。ファームウェア部10内の外部コマンド受付部11はLANやRS232C等によりユーザからの外部コマンドを受信して外部コマンド処理部12に供給する。また、外部コマンド受付部11は外部コマンド処理部12から供給される通常及び第2LTR受信結果をユーザに通知する。この通常及び第2LTR受信結果は、通常LTRと第2LTRとを区別してユーザに通知する。
【0020】
外部コマンド処理部12は、ユーザからの外部コマンドを適切な機能ブロックに振り分ける。すなわち、外部コマンド処理部12は冗長構成構築依頼を冗長切替制御部13に供給し、LTM送信依頼をEtherOAM制御部14に供給すると共に、第2LTM送信機能活性又は非活性依頼をEtherOAM制御部14に供給する。また、外部コマンド処理部12はEtherOAM制御部14から通常及び第2LTR受信結果を供給される。
【0021】
冗長切替制御部13は冗長構成情報格納部13aを有しており、冗長切替え全般を制御する。すなわち、冗長切替制御部13は外部コマンド処理部12から冗長構成構築依頼を供給され、EtherOAM制御部14から冗長構成情報の読み出しを行われ、警報監視部15から警報発生又は回復通知を供給される。また、冗長切替制御部13はハードウェア部20に対し冗長構成構築指示を供給する。
【0022】
EtherOAM制御部14は第2LTM活性状態情報格納部14aを有しており、EtherOAM処理全般を制御する。すなわち、EtherOAM制御部14はハードウェア部20に対しLTM送信指示,LTR送信指示,第2LTM送信指示,第2LTR送信指示を行い、MAC学習情報読み出しを行う。EtherOAM制御部14はハードウェア部20からOAMフレーム受信通知を供給される。
【0023】
警報監視部15は伝送装置内の警報全般を監視制御する。すなわち、警報監視部15はハードウェア部20から警報発生又は回復通知を供給され、この警報発生又は回復通知を冗長切替制御部13に供給する。
【0024】
ハードウェア部20は複数のポートを有し、各ポートには伝送路が接続されている。また、ハードウェア部20はMAC学習情報テーブル20aを有している。
【0025】
上記伝送装置は予備系経路にも通常のLTMフレームと区別可能な特殊な第2LTMフレームを送信し、第2LTMフレームを受信した伝送装置は通常LTMフレーム受信時動作とは異なり、ターゲット伝送装置のMAC学習状態によらずLTM送信元伝送装置に通常のLTRフレームと区別可能な第2LTRフレームを返信する。
【0026】
図8(A)にITU−TのY.1731で規定された標準LTMフレームフォーマットを示し、図8(B)に本実施形態で使用する特殊な第2LTMフレームフォーマットの一実施形態を示す。図8(A)では、送信先アドレス(DA)、送信元アドレス(SA)、VLANヘッダ、イーサタイプ(EtherOAM)、MEL(Maintenance Entity group Level)、バージョン、オペレーションコード(LTM=0x05)、フラグス(=0x00)、TVLオフセット(=0x11)、トランザクションID、TTL、オリジンMACアドレス(リンクトレースの起点の伝送装置アドレス)、ターゲットオリジナルMACアドレス(リンクトレースの目標の伝送装置アドレス)、エンドTLV(=0x00)の後は、PAD(全0x00)とされている。
【0027】
図8(B)ではエンドTLV(=0x00)の後の45オクテット目に、第2LTMフレームを識別するため1オクテット長の予備系LTM識別子を用意し、0x00の場合は通常のLTMフレーム、0xFFの場合は第2LTMフレームと判断する。また、1:N経路冗長ネットワークのように予備系経路が複数経路存在するネットワークで各々の予備系経路を識別するため、46オクテット目に1オクテット長の予備系経路識別子を用意し予備系経路毎に異なる値を付与することで各々の予備系経路を識別する。これはあくまで一例であり、通常のLTMフレームと第2LTMフレームの識別方法、及び予備系経路が複数存在するネットワークでの予備経路識別方法を限定するものではない。
【0028】
図9(A)にITU−TのY.1731で規定された標準LTRフレームフォーマットを示し、図9(B)に本実施形態で使用する特殊な第2LTRフレームフォーマットの一実施形態を示す。図9(A)では、送信先アドレス(DA)、送信元アドレス(SA)、VLANヘッダ、イーサタイプ(EtherOAM)、MEL(Maintenance Entity group Level)、バージョン、オペレーションコード(LTM=0x04)、フラグス(=0x00)、TVLオフセット(=0x06)、トランザクションID、TTL、リレーアクション、エンドTLV(=0x00)の後は、PAD(全0x00)とされている。
【0029】
図9(B)ではエンドTLV(=0x00)の後の30オクテット目に、第2LTRフレームを識別するため1オクテット長の予備系LTR識別子を用意し、0x00の場合は通常のLTRフレーム、0xFFの場合は第2LTRフレームと判断する。また、1:N経路冗長ネットワークのように予備系経路が複数経路存在するネットワークで各々の予備系経路を識別するため、31オクテット目に1オクテット長の予備系経路識別子を用意し予備系経路毎に異なる値を付与することで各々の予備系経路を識別する。これはあくまで一例であり、通常のLTMフレームと第2LTMフレームの識別方法、及び予備系経路が複数存在するネットワークでの予備経路識別方法を限定するものではない。
【0030】
伝送装置は特殊な第2LTMフレームと第2LTRフレームを送信するために、以下の機能を有する。
【0031】
第1の機能:LTMフレームのPAD領域等を使用し通常のLTMフレームと区別が可能な特殊な第2LTMフレームをサポートする機能。
【0032】
第2の機能:LTMフレーム受信後、後段にLTMフレームを転送する際に転送対象ポートが経路冗長構成をとっているポートの場合、通常動作通り対象ポートに対しLTMフレームを転送した後、予備系経路に対応するポートに対し、通常のLTMフレームと区別が可能な第2LTMフレームを転送する機能。なお、1対N冗長で予備系経路が複数存在する場合は、フレーム内のPAD領域等にそれぞれの予備系経路を区別できる識別子を挿入する機能。
【0033】
第3の機能:第2の機能の活性/非活性を外部コマンドで制御できる機能。
【0034】
第4の機能:LTRフレームのPAD領域等を使用し通常のLTRフレームと区別が可能な第2LTRフレームをサポートする機能。
【0035】
第5の機能:第2LTMフレーム受信時にはターゲットMACアドレスの学習状態によらず第4の機能で定義した通常のLTRフレームと区別が可能な第2LTRフレームをLTM送信元の伝送装置に返信する機能。
【0036】
第6の機能:第2LTMフレーム受信時には第5の機能で記述した予備経路用LTRフレーム返信後、受信ポートが経路冗長構成をとっているポートの場合、受信したLTMフレームを廃棄する機能。
【0037】
第7の機能:第2LTMフレームと第2LTRフレームは冗長構成種別によらず予備系経路に対応するポートでもハードウェア的に送受信を可能とする機能。つまり、冗長構成の予備経路側ポートで受信したフレームを廃棄することでフレームの冗長受信を防ぐ冗長構成、又は予備経路側ポートで送信フレームを廃棄することでフレームの冗長受信を防ぐ冗長構成であっても第2LTMフレームと第2LTRフレームは対象外とし、送受信を可能とする機能。
【0038】
第8の機能:LTMフレームの送信基点の伝送装置は通常のLTRフレームと予備経路用LTRフレームを区別して受信順にLTR受信結果表示を行うことで運用系、予備系両経路の通信経路をユーザに通知することができる機能。
【0039】
なお、第2LTMフレーム、第2LTRフレームの受信動作は上記以外の通常のLTMフレーム又はLTRフレーム受信動作と同様とする。
【0040】
<伝送装置が実行する各種処理のフローチャート>
図10は、伝送装置が実行する第2LTM送信機能の活性又は非活性処理のフローチャートを示す。図10において、ステップS1でユーザは外部コマンド受付部11に対して第2LTM送信機能活性又は非活性依頼を実施する。ステップS2で外部コマンド受付部11は外部コマンド処理部12に対して第2LTM送信機能活性又は非活性依頼を送信する。
【0041】
ステップS3で外部コマンド処理部12はEtherOAM制御部14に対して第2LTM送信機能活性又は非活性依頼を送信する。ステップS4でEtherOAM制御部14は受信した第2LTM送信機能活性又は非活性依頼を基に第2LTM送信活性状態情報格納部14aの第2LTM送信活性状態情報を更新する。
【0042】
ステップS5でEtherOAM制御部14は外部コマンド処理部13に第2LTM送信活性状態情報の更新完了を通知する。ステップS6で外部コマンド処理部12は外部コマンド受付部11を経由してユーザに対し第2LTM送信機能活性又は非活性の完了をユーザに通知する。その後、この処理を終了する。
【0043】
図11は、伝送装置が実行するLTM送信処理のフローチャートを示す。図11において、ステップS11でユーザは外部コマンド受付部11に対してLTM送信依頼を実施する。ステップS12で外部コマンド受付部11は外部コマンド処理部12に対してLTM送信依頼を送信する。ステップS13で外部コマンド処理部12はEtherOAM制御部14に対してLTM送信依頼を送信する。
【0044】
ステップS14でEtherOAM制御部14はLTM送信依頼を解析し送信フレーム情報を構築する。ステップS15でEtherOAM制御部14はLTM送信指示をハードウェア部20に対して出す。ステップS16でEtherOAM制御部14は規定時間だけLTR受信待ちを実施する。
【0045】
ステップS17でEtherOAM制御部14は通常LTRフレームと第2LTRフレームを区別した上でLTR受信結果を外部コマンド処理部12に通知する。ステップS18で外部コマンド処理部12は外部コマンド受付部11を経由してユーザに対し通常LTRフレームと第2LTRフレームを区別した上でLTR受信結果をユーザに通知する。その後、この処理を終了する。
【0046】
図12及び図13は、伝送装置が実行するLTM受信処理のフローチャートを示す。図12において、ステップS21でハードウェア部20はOAMフレームを受信し、EtherOAM制御部14にOAMフレーム受信通知を送信する。ステップS22でEtherOAM制御部14はOAM受信通知内容を解析し、解析結果から受信したOAMフレームが通常のLTMフレームの受信であるか、第2LTMフレームの受信であるかをステップS23で判別し、通常のLTMフレームの受信であればステップS24に進む。
【0047】
ステップS24でEtherOAM制御部14はハードウェア部20からMAC学習情報を読み出し、受信LTMフレームの宛先MACアドレスを学習済か否かを判断し、受信LTMフレームの宛先MACアドレスを学習済であればステップS25からステップS26に進む。
【0048】
ステップS26でEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対しLTM送信元装置へのLTR送信指示を実施する。その後、ステップS27で宛先MACアドレスが自装置MACアドレスでなければ、EtherOAM制御部14はハードウェア部20に対し学習済ポートからのLTM送信指示を実施する。これにより、後段装置へのLTMフレーム転送が行われる。
【0049】
一方、ステップS25で受信LTMフレームの宛先MACアドレスを未学習であればステップS28に進む。ステップS28で宛先MACアドレスが自装置MACアドレスの場合は、EtherOAM制御部14はハードウェア部20に対しLTM送信元装置へのLTR送信指示を実施する。その後、ステップS29で宛先MACアドレスが自装置MACでなければ、EtherOAM制御部14はハードウェア部20に対し全フラッディング対象ポートからのLTM送信指示を実施する。これにより、後段装置へのLTMフレーム転送を行う。宛先MACアドレスが自装置宛の場合は、後段装置へのLTMフレーム転送を行わないために対象LTMフレームは廃棄される。
【0050】
この後、ステップS30でEtherOAM制御部14は第2LTM活性状態情報格納部14aの第2LTM活性状態情報がイネーブルかディスエーブルかを判別する。イネーブルであればステップS31でEtherOAM制御部14は冗長切替制御部13の冗長構成情報格納部13aからLTM転送先ポートの冗長構成情報の読み出しを実施する。その後、ステップS32でLTM転送先ポートが冗長構成であるか非冗長構成であるかを判別する。ここで、冗長構成であればステップS33でEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対して冗長構成の予備系経路に対応するポートからの第2LTM送信指示を実施する。この場合、予備系経路が複数ある場合は経路を区別できる識別子をフレーム中に付与する。その後、この処理を終了する。
【0051】
一方、ステップS23で第2LTMフレームの受信であれば図13のステップS41に進む。図13のステップS41ではEtherOAM制御部14は冗長切替制御部13の冗長構成情報格納部13aからLTM受信ポートの冗長構成情報の読み出しを実施する。そして、LTM受信ポートが冗長構成であるか非冗長構成であるかを判別する。
【0052】
非冗長構成であればステップS42からステップS43に進み、EtherOAM制御部14はハードウェア部20のMAC学習情報テーブル20aからMAC学習情報を読み出してLTMフレームの宛先MACを学習済か否かを判断し、LTMフレームの宛先MACを学習済であればステップS44からステップS45に進む。
【0053】
ステップS45でEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対しLTM送信元装置への第2LTR送信指示を実施する。その際、予備系経路識別子は受信LTMフレーム中の値と同値を付与する。次に、ステップS46で宛先MACが自装置MACでなければEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対し学習済ポートからの第2LTM送信指示を実施する。これにより、後段装置へのLTMフレーム転送を行う。その後、図12のステップS30に進む。
【0054】
一方、LTMフレームの宛先MACを未学習であればステップS44からステップS47に進む。ステップS47でEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対しLTM送信元装置への第2LTR送信指示を実施する。その際、予備系経路識別子は受信LTMフレーム中の値と同値を付与する。次に、ステップS48で宛先MACが自装置MACでなければEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対し全フラッディング対象ポートからの第2LTM送信指示を実施する。これにより、後段装置へのLTMフレーム転送を行う。宛先MACが自装置宛の場合は、後段装置へのLTM転送フレームを行わないため対象LTMフレームを廃棄する。その後、図12のステップS30に進む。
【0055】
ところで、ステップS42で冗長構成であればステップS49に進む。ステップS49でEtherOAM制御部14はハードウェア部20に対しLTM送信元装置への第2LTR送信指示を実施する。その際、予備系経路識別子は受信LTMフレーム中の値と同値を付与する。次に、ステップS50でEtherOAM制御部14は後段装置へのLTMフレーム転送を行わないため対象LTMフレームを廃棄する。その後、図12のステップS30に進む。
【0056】
<第1実施形態>
図3に通信ネットワークの一実施形態の構成図を示す。図3において、伝送装置30,伝送装置80間で通信しており、伝送装置40,伝送装置70間はEtherOAMのCC機能等を用いてエンド・ツー・エンド間で運用系:1経路/予備系:1経路の経路冗長構成をとっており、伝送装置40,伝送装置50−1,伝送装置50−2,伝送装置50−3,伝送装置70の経路が現状の運用系経路であり、伝送装置40,伝送装置60−1,伝送装置60−2,伝送装置60−3,伝送装置70の経路が現状の予備系経路とする。
【0057】
この図3に示す状態から図6に示すように、伝送装置50−2,伝送装置50−3間で障害が発生し、運用系経路が伝送装置40,伝送装置60−1,伝送装置60−2,伝送装置60−3,伝送装置70に切り替り、伝送装置30,伝送装置80間の通信を再開した場合の第1実施形態の障害発生箇所特定手順について説明する。
【0058】
障害発生区間特定のための事前設定として、伝送装置40,Eに対し前述の第3の機能を用いて第2LTM送信機能の活性化を行う(図10の処理)。なお、この第3の機能の設定はネットワーク構築時点で経路冗長機能を設定している伝送装置に対して事前に設定しておいても良い。
【0059】
次に、伝送装置30が伝送装置80を宛先としてリンクトレースを実施した場合の各伝送装置の動作を図14と共に説明する。
【0060】
1)ユーザは伝送装置30に対し伝送装置80を宛先としてリンクトレースを実施する。
【0061】
2)伝送装置30はポート1からLTMフレームを送信する(図11の処理)。
【0062】
3)伝送装置40はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。伝送装置40は第2LTM活性状態が活性化されており、LTM転送先ポートであるポート2が冗長構成ポートであることから冗長構成の予備系経路に対応するポートであるポート3から第2LTMフレーム(図中、LTM(P)で示す)を送信する(図12のステップS31〜S33の処理)。
【0063】
次に、伝送装置50−1、伝送装置50−2、伝送装置50−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0064】
4−A)伝送装置50−1はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレーム(図中、LTR(P)で示す)を返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0065】
5−A)伝送装置50−2はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0066】
なお、伝送装置50−2のポート2から送信された第2LTMフレームは経路障害により伝送装置50−3には届かない。
【0067】
次に、伝送装置60−1、伝送装置60−2、伝送装置60−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0068】
4−B)伝送装置60−1はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0069】
5−B)伝送装置60−2はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0070】
6−B)伝送装置60−3はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0071】
次に、伝送装置70、伝送装置80、伝送装置30の動作を示す。
【0072】
7)伝送装置70はポート2からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート1で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート1にポート2から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0073】
8)伝送装置80はポート1からLTMフレームを受信し、自伝送装置宛であることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート1から受信したLTMフレームを廃棄する(図12のステップS28,S29の処理)。
【0074】
9)伝送装置30は通常のLTRフレームを伝送装置40、伝送装置60−1、伝送装置60−2、伝送装置60−3、伝送装置70、伝送装置80、から順に受信し、第2LTRフレームを伝送装置50−1、伝送装置50−2の順に受信する。伝送装置30は通常のLTRフレームと第2LTRフレームを区別して受信順にユーザに通知することで、ユーザは運用系通信経路及び予備系経路情報を確認し、伝送装置50−3、伝送装置70からの第2LTRフレームの返信がないことから伝送装置50−2以降が障害発生区間であることが分かる。その後、伝送装置80から伝送装置30宛にもリンクトレースを実施することで伝送装置50−2,伝送装置50−3間で障害が発生したことを認識することができる。
【0075】
以上、冗長切替え後の旧運用系障害発生区間を特定する実施形態を示したが、障害発生状態に関わらず予備系経路の通信経路確認も可能であり、その実施形態について以下に説明する。
【0076】
<第2実施形態>
図14に示す状態から図15に示すように、伝送装置50−2,伝送装置50−3間の障害が回復した場合の第2実施形態について説明する。予備系通信経路確認、障害発生区間特定のための事前設定として、伝送装置40,Eに対し前述の第3の機能を用いて第2LTM送信機能の活性化を行う(図10の処理)。
【0077】
次に、伝送装置30が伝送装置80を宛先としてリンクトレースを実施した場合の第2実施形態の各伝送装置の動作を図15と共に説明する。
【0078】
1)ユーザは伝送装置30に対し伝送装置80を宛先としてリンクトレースを実施する。
【0079】
2)伝送装置30はポート1からLTMフレームを送信する(図11の処理)。
【0080】
3)伝送装置40はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。伝送装置40は第2LTM活性状態が活性化されており、LTM転送先ポートであるポート2が冗長構成ポートであることから冗長構成の予備系経路に対応するポートであるポート3から第2LTMフレームを送信する(図12のステップS31〜S33の処理)。
【0081】
次に、伝送装置50−1、伝送装置50−2、伝送装置50−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0082】
4−A)伝送装置50−1はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0083】
5−A)伝送装置50−2はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0084】
6−A)伝送装置50−3はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0085】
次に、伝送装置60−1、伝送装置60−2、伝送装置60−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0086】
4−B)伝送装置60−1はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0087】
5−B)伝送装置60−2はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0088】
6−B)伝送装置60−3はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0089】
次に、伝送装置70、伝送装置80、伝送装置30の動作を示す。
【0090】
7)伝送装置70はポート2からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート1で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート1にポート2から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。また、伝送装置70はポート3から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、第2LTMフレーム受信ポートであるポート3が経路冗長構成ポートであることから受信LTMフレームは後段伝送装置に転送せず伝送装置70で廃棄する(図13のステップS49,S50の処理)。
【0091】
8)伝送装置80はポート1からLTMフレームを受信し、自伝送装置宛であることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート1から受信したLTMフレームを廃棄する(図12のステップS28,S29の処理)。
【0092】
9)伝送装置30は通常のLTRフレームを伝送装置40、伝送装置60−1、伝送装置60−2、伝送装置60−3、伝送装置70、伝送装置80、から順に受信し、第2LTRフレームを伝送装置50−1、伝送装置50−2、伝送装置50−3、伝送装置70の順に受信する。伝送装置30は通常のLTRフレームと第2LTRフレームを区別して受信順にユーザに通知することで、ユーザは運用系通信経路及び予備系経路情報を確認することができる。
【0093】
<第3実施形態>
第1,第2実施形態では運用系:1経路/予備系:1経路の経路冗長構成を示したが、図16に示すように、運用系:1経路/予備系:N経路の経路冗長構成である第3実施形態においても予備系通信経路の確認及び予備系通信経路上の障害区間特定が行える。
【0094】
図16において、予備系通信経路確認、障害発生区間特定のための事前設定として、伝送装置40,Eに対して第3の機能を用いて第2LTM送信機能の活性化を行う(図10の処理)。
【0095】
次に、伝送装置30が伝送装置80を宛先としてリンクトレースを実施した後の各伝送装置の動作を図16と共に説明する。
【0096】
1)ユーザは伝送装置30に対し伝送装置80を宛先としてリンクトレースを実施する。
【0097】
2)伝送装置30はポート1からLTMフレームを送信する(図11の処理)。
【0098】
3)伝送装置40はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。伝送装置40は第2LTM活性状態が活性化されており、LTM転送先ポートであるポート2が冗長構成ポートであることから冗長構成の予備系経路に対応するポートであるポート3、ポート4から第2LTMフレームを送信する(図12のステップS31〜S33の処理)。その際にポート3、ポート4から送信する第2LTMフレームにはそれぞれ異なる予備系経路識別子を付与する。
【0099】
次に、伝送装置50−1、伝送装置50−2、伝送装置50−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0100】
4−A)伝送装置50−1はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0101】
5−A)伝送装置50−2はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0102】
6−A)伝送装置50−3はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0103】
次に、伝送装置60−1、伝送装置60−2、伝送装置60−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0104】
4−B)伝送装置60−1はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0105】
5−B)伝送装置60−2はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0106】
6−B)伝送装置60−3はポート1からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート2で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート2にポート1から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。
【0107】
次に、伝送装置90−1、伝送装置90−2、伝送装置90−3、伝送装置70側ルートの動作を示す。
【0108】
4−A)伝送装置90−1はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0109】
5−A)伝送装置90−2はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0110】
6−A)伝送装置90−3はポート1から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであることから伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、ポート2にポート1から受信した第2LTMフレームを転送する(図13のステップS45〜S48の処理)。
【0111】
次に、伝送装置70、伝送装置80、伝送装置30の動作を示す。
【0112】
7)伝送装置70はポート2からLTMフレームを受信し、伝送装置80のMACをポート1で学習していることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート1にポート2から受信したLTMフレームを転送する(図12のステップS26,S27の処理)。また、伝送装置70はポート3から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであり伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、第2LTMフレーム受信ポートであるポート3が経路冗長構成ポートであることから受信LTMフレームは後段伝送装置に転送せず伝送装置70で廃棄する(図13のステップS49,S50の処理)。また、伝送装置70はポート4から第2LTMフレームを受信し、第2LTMフレームであり伝送装置80についてのMAC学習状態によらず伝送装置30に対し第2LTRフレームを返信した後、第2LTMフレーム受信ポートであるポート4が経路冗長構成ポートであることから受信LTMフレームは後段伝送装置に転送せず伝送装置70で廃棄する(図13のステップS49,S50の処理)。
【0113】
8)伝送装置80はポート1からLTMフレームを受信し、自伝送装置宛であることからLTRフレームを伝送装置30に対し返信した後、ポート1から受信したLTMフレームを廃棄する(図12のステップS28,S29の処理)。
【0114】
9)伝送装置30は通常のLTRフレームを伝送装置40、伝送装置60−1、伝送装置60−2、伝送装置60−3、伝送装置70、伝送装置80、から順に受信する。また、伝送装置30は予備系経路識別子1が付いた第2LTRフレームを伝送装置50−1、伝送装置50−2、伝送装置50−3、伝送装置70の順に受信し、予備系経路識別子2が付いた第2LTRフレームを伝送装置90−1、伝送装置90−2、伝送装置90−3、伝送装置70の順に受信する。伝送装置30は通常のLTRフレームと予備系経路識別子毎の第2LTRフレームを区別して受信順にユーザに通知することで、ユーザは運用系通信経路及び予備系経路情報を確認することができる。
(付記1)
通信ネットワークを構成する伝送装置であって、
受信した第一のリンクトレースフレームを目標の伝送装置に転送する転送対象ポートが経路冗長構成であるとき、前記第一のリンクトレースフレームを冗長構成の運用系経路ポートから転送し、前記第一のリンクトレースフレームと区別可能な第二のリンクトレースフレームを冗長構成の予備系経路に対応するポートから転送するリンクトレースフレーム転送部と、
前記第二のリンクトレースフレームを受信したとき、前記第一のリンクトレースフレームに対するリンクトレース応答フレームと区別可能な第二のリンクトレース応答フレームを前記起点の伝送装置に送信するリンクトレース応答フレーム送信部と、
を有することを特徴とする伝送装置。
(付記2)
付記1記載の伝送装置において、
前記第二のリンクトレースフレーム及び前記第二のリンクトレース応答フレームそれぞれは、複数の予備経路を区別する識別子を含む
ことを特徴とする伝送装置。
(付記3)
付記2記載の伝送装置において、
第二のリンクトレースフレームの受信ポートが冗長構成であるとき、受信した前記第二のリンクトレースフレームを廃棄するリンクトレースフレーム廃棄部、
を有することを特徴とする伝送装置。
(付記4)
付記3記載の伝送装置において、
前記リンクトレースフレーム転送部の活性又は非活性を制御する活性制御部、
を有することを特徴とする伝送装置。
(付記5)
経路冗長がとられた通信ネットワーク上で、起点の伝送装置から目標の伝送装置まで第一のリンクトレースフレームを運用系経路に転送し、前記第一のリンクトレースフレームを受信した伝送装置から前記起点の伝送装置にリンクトレース応答フレームを送信して通信ネットワークの通信経路を確認する通信経路確認方法であって、
前記第一のリンクトレースフレームと区別可能な第二のリンクトレースフレームを予備系経路に転送し、前記第二のリンクトレースフレームを受信した伝送装置から前記起点の伝送装置に前記リンクトレース応答フレームと区別可能な第二のリンクトレース応答フレームを送信する
ことを特徴とする通信経路確認方法。
(付記6)
付記5記載の通信経路確認方法において、
前記第二のリンクトレースフレーム及び前記第二のリンクトレース応答フレームそれぞれは、複数の予備経路を区別する識別子を含む
ことを特徴とする通信経路確認方法。
(付記7)
付記6記載の通信経路確認方法において、
受信ポートが冗長構成の伝送装置で、前記運用系経路から第一のリンクトレースフレームを受信したのち前記予備経路から前記第二のリンクトレースフレームを受信したとき、受信した前記第二のリンクトレースフレームを廃棄する
ことを特徴とする通信経路確認方法。
(付記8)
付記4記載の伝送装置において、
受信した前記リンクトレース応答フレームと前記第二のリンクトレース応答フレームとを区別してユーザに通知する応答通知部、
を有することを特徴とする伝送装置。
(付記9)
付記7記載の通信経路確認方法において、
受信した前記リンクトレース応答フレームと前記第二のリンクトレース応答フレームとを区別してユーザに通知する
ことを特徴とする通信経路確認方法。
【符号の説明】
【0115】
10 ファームウェア部
11 外部コマンド受付部
12 外部コマンド処理部
13 冗長切替制御部
13a 冗長構成情報格納部
14 EtherOAM制御部
14a 第2LTM活性状態情報格納部
15 警報監視部
20 ハードウェア部
20a MAC学習情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを構成する伝送装置であって、
受信した第一のリンクトレースフレームを目標の伝送装置に転送する転送対象ポートが経路冗長構成であるとき、前記第一のリンクトレースフレームを冗長構成の運用系経路ポートから転送し、前記第一のリンクトレースフレームと区別可能な第二のリンクトレースフレームを冗長構成の予備系経路に対応するポートから転送するリンクトレースフレーム転送部と、
前記第二のリンクトレースフレームを受信したとき、前記第一のリンクトレースフレームに対するリンクトレース応答フレームと区別可能な第二のリンクトレース応答フレームを前記起点の伝送装置に送信するリンクトレース応答フレーム送信部と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
請求項1記載の伝送装置において、
前記第二のリンクトレースフレーム及び前記第二のリンクトレース応答フレームそれぞれは、複数の予備経路を区別する識別子を含む
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項3】
請求項2記載の伝送装置において、
第二のリンクトレースフレームの受信ポートが冗長構成であるとき、受信した前記第二のリンクトレースフレームを廃棄するリンクトレースフレーム廃棄部、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
請求項3記載の伝送装置において、
前記リンクトレースフレーム転送部の活性又は非活性を制御する活性制御部、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
経路冗長がとられた通信ネットワーク上で、起点の伝送装置から目標の伝送装置まで第一のリンクトレースフレームを運用系経路に転送し、前記第一のリンクトレースフレームを受信した伝送装置から前記起点の伝送装置にリンクトレース応答フレームを送信して通信ネットワークの通信経路を確認する通信経路確認方法であって、
前記第一のリンクトレースフレームと区別可能な第二のリンクトレースフレームを予備系経路に転送し、前記第二のリンクトレースフレームを受信した伝送装置から前記起点の伝送装置に前記リンクトレース応答フレームと区別可能な第二のリンクトレース応答フレームを送信する
ことを特徴とする通信経路確認方法。
【請求項6】
請求項5記載の通信経路確認方法において、
前記第二のリンクトレースフレーム及び前記第二のリンクトレース応答フレームそれぞれは、複数の予備経路を区別する識別子を含む
ことを特徴とする通信経路確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−130191(P2011−130191A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286798(P2009−286798)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】