説明

通信装置、通信システム及びコンピュータプログラム

【課題】 サーバとそのサーバに通信可能に接続されている複数のプリンタの間のネットワークの通信負荷を低減させることができる技術を提供すること。
【解決手段】 サーバ12は、各プリンタ13からエラーに関する情報を取得する。サーバ12は、各プリンタ13からの情報を解析する。サーバ12は、エラーがあるプリンタ13からエラーに関する詳細情報を取得する。サーバ12は、エラーがないプリンタ13からエラーに関する詳細情報を取得しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、別体に構成されている複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信可能に接続されている外部端末から、その外部端末に関する情報(例えば、エラーに関する情報等)を取得する通信装置が存在する(例えば下記の特許文献1)。特許文献1の通信装置(サーバ)は、複数の外部端末と通信可能に接続されている。特許文献1の通信装置は、複数の外部端末のそれぞれから稼動情報やエラーに関する情報を取得する。この通信装置は、各外部端末を監視するために必要な全ての情報を一括して取得する。
【0003】
【特許文献1】特開2003−316545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信装置が情報を取得する外部端末の台数が多くなると、通信装置と各外部端末の間で通信される情報量が増加する。この場合、通信装置と各外部端末の間のネットワークの通信負荷が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような知見に鑑みて創作されたものであり、通信装置と各外部端末の間のネットワークの通信負荷を低減させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される1つの技術は、複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置である。この通信装置は、第1取得手段と解析手段と第2取得手段を備えている。第1取得手段は、複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する。解析手段は、外部端末毎に、第1取得手段によって取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する。第2取得手段は、解析手段の解析結果に基づいて、上記の所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する。
【0007】
上記した技術では、外部端末から取得する情報が少なくとも2階層に分けられている。即ち、第1情報と、第1情報の詳細情報である第2情報に分けられている。上記の通信装置は、第1情報の内容を解析することによって、第2情報を取得するのか否かを判断する。即ち、通信装置は、第1情報よりも詳細な情報が必要でないと判断した場合は、第2情報を取得しない。一方において、通信装置は、詳細な情報が必要であると判断した場合は、第2情報を取得する。この通信装置によれば、情報量の多い第2情報を全ての外部端末から必ず取得するのではなく、第2情報を取得する必要がある外部端末のみから第2情報を取得する。このために、通信装置と各外部端末の間で通信される情報量を抑えることができる。この結果、通信装置と各外部端末の間のネットワークの通信負荷を低減させることができる。
【0008】
上記の第1情報や第2情報の内容は特に限定されない。上位階層の情報とそれの詳細情報である下位階層の情報とに分けることができる情報であれば、どのような種類の情報について上記の技術が採用されてもよい。
例えば、解析手段は、外部端末毎に、当該外部端末にエラーがある旨の情報が第1情報に含まれるのか否かを解析してもよい。この場合、第2取得手段は、エラーがある旨の情報が第1情報に含まれることが解析手段によって解析されたことを条件として、当該第1情報を有する外部端末から当該エラーの詳細情報である第2情報を取得してもよい。
この通信装置は、エラーがある外部端末のみからそのエラーに関する詳細な情報を取得することができる。
【0009】
上記の解析手段は、第1情報にエラーがある旨の情報が含まれることが解析された場合に、当該第1情報を有する外部端末の種類と当該エラーの内容とに基づいて、当該エラーの詳細情報を特定可能であるのか否かさらに解析してもよい。この場合、第2取得手段は、第1情報にエラーがある旨の情報が含まれること、及び、当該エラーの詳細情報を特定不可能であることが解析手段によって解析されたことを条件として、当該第1情報を有する外部端末から当該エラーの詳細情報である第2情報を取得してもよい。
例えば、外部端末の種類がモノクロレーザプリンタであり、その外部端末の第1情報にトナーがないことを示す情報が含まれていたものとする。この場合、通信装置(解析手段)は、この第1情報のみから黒色のトナーがないことを特定することができる。即ち、通信装置は、トナーがないというエラーに関する詳細情報である第2情報を取得しなくても、黒色のトナーがないことを特定することができる。一方において、外部端末の種類がカラーレーザプリンタである場合、その外部端末の第1情報にトナーがないことを示す情報が含まれていても、どの色のトナーがないのかを特定することができない。
上記の通信装置によると、エラーがある旨の情報が第1情報に含まれていても、そのエラーの詳細情報を外部端末の種類から特定可能である場合には、第2情報を取得しない。例えば、通信装置は、上記のモノクロレーザプリンタの第1情報にトナーがないことを示す情報が含まれていても、何色のトナーがないのかを示す第2情報を取得しない。黒色のトナーがないことを特定することができるからである。この構成によると、通信装置と各外部端末の間で通信される情報量をより低減させることができる。このために、ネットワークの通信負荷をより低減させることができる。
【0010】
上記した通信装置を実現するためのコンピュータプログラムも有用である。このコンピュータプログラムは、複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置に以下の各処理を実行させる。
(1)複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する第1取得処理。
(2)外部端末毎に、第1取得処理で取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する解析処理。
(3)解析処理の解析結果に基づいて、上記の所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第2取得処理。
このコンピュータプログラムを利用すると、ネットワークの通信負荷を低減させることができる通信装置を実現することができる。
【0011】
通信装置が情報を取得する外部端末の台数が多いほど、ネットワークの通信負荷は大きくなる。言い換えれば、通信装置が情報を取得する外部端末の台数が少ない場合は、全ての外部端末から詳細な情報を取得しても、ネットワークの通信負荷がそれほど大きくならない。従って、通信装置は、外部端末の台数が少ない場合は、全ての外部端末から詳細な情報を取得してもよい。この通信装置は、以下のように表現することができる。
即ち、この通信装置は、台数判断手段と第1取得手段と解析手段と第2取得手段と第3取得手段を備えている。台数判断手段は、上記の複数の外部端末が所定台数以上であるか否かを判断する。第1取得手段は、台数判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する。解析手段は、外部端末毎に、第1取得手段によって取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する。第2取得手段は、解析手段の解析結果に基づいて、上記の所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する。第3取得手段は、台数判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、複数の外部端末のそれぞれから少なくとも第2情報を取得する。
【0012】
上記した通信装置を実現するためのコンピュータプログラムも有用である。このコンピュータプログラムは、複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置に以下の各処理を実行させる。
(1)上記の複数の外部端末が所定台数以上であるか否かを判断する台数判断処理。
(2)台数判断処理で肯定的に判断されたことを条件として、複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する第1取得処理。
(3)外部端末毎に、第1取得処理で取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する解析処理。
(4)解析処理の解析結果に基づいて、上記の所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第2取得処理。
(5)台数判断処理で否定的に判断されたことを条件として、複数の外部端末のそれぞれから少なくとも第2情報を取得する第3取得処理。
【0013】
本明細書では、複数のネットワークと通信装置とを備える通信システムをも開示する。各ネットワークは、複数のメンバ端末と、各メンバ端末から第1情報を取得するリーダ端末とを有する。各リーダ端末は、リーダ端末側解析手段と送信手段を有する。リーダ端末側解析手段は、自身と同じネットワークを構成するメンバ端末毎に、第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する。送信手段は、上記の所定の条件を満たす第1情報を有するメンバ端末の端末特定情報を通信装置に送信する。通信装置は、受信手段と第1取得手段を有する。受信手段は、各リーダ端末から送信された端末特定情報を受信する。第1取得手段は、受信手段によって受信された端末特定情報から特定されるメンバ端末から第1情報の詳細情報である第2情報を取得する。
この構成では、各メンバ端末の詳細情報(第2情報)を取得する必要があるのか否かをリーダ端末が判断する。リーダ端末は、詳細情報を取得する必要があるメンバ端末の端末特定情報を通信装置に送信する。通信装置は、リーダ端末から送信された端末特定情報から特定されるメンバ端末のみから第2情報を取得する。即ち、通信装置は、詳細情報を取得する必要がないメンバ端末から第2情報を取得しない。この構成によっても、通信装置と外部端末(上記のネットワーク)の間で通信される情報量を低減させることができる。
【0014】
上記の通信装置は、通信判断手段と第2取得手段と通信装置側解析手段と第3取得手段とをさらに有していてもよい。通信判断手段は、リーダ端末毎に、当該リーダ端末と通信可能か否かを判断する。第2取得手段は、通信判断手段によって通信不可能と判断されたリーダ端末が存在する場合に、当該リーダ端末と同じネットワークを構成する各メンバ端末から、当該リーダ端末を介さずに、第1情報を取得する。通信装置側解析手段は、メンバ端末毎に、第2取得手段によって取得された第1情報が上記の所定の条件を満たすのか否かを解析する。第3取得手段は、通信装置側解析手段の解析結果に基づいて、上記の所定の条件を満たす第1情報を有するメンバ端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する。
この構成によると、通信装置は、リーダ端末から情報(メンバ端末の端末特定情報)を取得することができない場合であっても、そのリーダ端末と同じネットワークを構成する各メンバ端末から第1情報を取得することができる。さらに、通信装置は、その第1情報に基づいて第1情報を取得する必要があるのか否かを判断し、必要であれば第2情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の特徴の一部を列挙する。
(形態1)通信装置は、通信可能に接続される外部端末のID情報が記録される端末リストを記憶するリスト記憶手段を備えている。
(形態2)リスト記憶手段は、外部端末から情報を取得した場合、当該外部端末のID情報に対応付けて当該情報を記憶することができる。
(形態3)通信装置は、表示手段を備えている。表示手段は、外部端末から取得した情報を外部端末のID情報に対応付けて表示することができる。
【実施例】
【0016】
(第1実施例)
図面を参照して実施例を説明する。図1は、第1実施例の通信システム10の構成を簡単に示す。通信システム10は、サーバ12と、複数のプリンタ(外部端末)13を備える。サーバ12と各プリンタ13は、それぞれ別体に構成されている。サーバ12と各プリンタ13は、LANケーブルや無線ケーブル等のネットワークケーブル20を介して通信可能に接続されている。
【0017】
(サーバの構成)
図2は、サーバ12の構成を示す。サーバ12は、モニタ22と操作装置24と制御装置26とハードディスク28とネットワークインターフェイス30を有する。モニタ22は、様々な情報を表示することができる。操作装置24は、ユーザによって操作されるキーボードとマウスを有する。ユーザは、操作装置24を操作することによって、様々な情報や指示をサーバ12に入力することができる。制御装置26は、予め設定されているプログラムに従って様々な処理を実行し、サーバ12の動作を統括的に制御する。制御装置26が実行する処理の内容は、後で詳しく説明する。ハードディスク28は、様々な情報を記憶することができる。ハードディスク28は、制御装置26がサーバ12の動作を制御するためのプログラムを記憶している。また、ハードディスク28は、プリンタリスト(図示省略)を記憶している。プリンタリストには、各プリンタ13のID情報(IPアドレス等)が記憶されている。また、プリンタリストには、各プリンタ13のエラーに関する情報を記録することができる。また、制御装置26は、プリンタリストの内容をモニタ22に表示させることができる。ネットワークインターフェイス30には、ネットワークケーブル20が接続されている。サーバ12は、ネットワークインターフェイス30を介してプリンタ13と通信可能である。
【0018】
(プリンタの構成)
本実施例のプリンタ13は、多機能機14,16,18である。即ち、プリンタ13は、プリント機能のみならず、他の機能(例えばスキャン機能やファクシミリ通信機能)も実行することができる。図3は、多機能機14の構成を示す。多機能機14は、表示装置42と操作装置44と印刷装置46と記憶装置48と制御装置50とネットワークインターフェイス52を有する。表示装置42は、様々な情報を表示することができる。操作装置44は、ユーザによって操作される複数のキー(テンキー、スタートキー、キャンセルキー、検索ボタン等)を有する。ユーザは、操作装置44を操作することによって、様々な情報や指示を多機能機14に入力することができる。印刷装置46は、印刷データに基づいて印刷媒体に印刷することができる。印刷データは、多機能機14の外部(例えば、PC)から送られてくるものであってもよい。また、印刷データは、多機能機14が備えている図示省略のスキャナによって生成されたものであってもよい。記憶装置48は、様々な情報を記憶することができる。記憶装置48は、サーバ12と通信するために利用する通信ポートを記憶している。制御装置50は、予め設定されているプログラムに従って様々な処理を実行し、多機能機14の動作を統括的に制御する。
ネットワークインターフェイス52には、ネットワークケーブル20が接続されている。多機能機14は、ネットワークインターフェイス52を介してサーバ12と通信可能である。また、ネットワークケーブル20は、HUBやルータ等を介して図示省略したPCと接続されている。多機能機14は、ネットワークインターフェイス52を介してPCと通信することが可能である。
【0019】
多機能機16,18は、多機能機14と同様の構成を有している。このために、多機能機16,18についての詳細な説明を省略する。多機能機16,18は、多機能機14と同様、サーバ12と通信可能に接続されている。なお、サーバ12に接続されるプリンタ13の数には制限はない。また、サーバ12に接続されるプリンタ13は、多機能機に限らず、プリント機能のみを有するプリンタ等であってもよい。本実施例では、説明を簡略化するため、サーバ12に接続される外部端末を多機能機14,16,18の3台のみとしている。
【0020】
(サーバの処理)
図4は、サーバ12がプリンタ13からエラーに関する情報を取得する場合の制御装置26の処理手順を示すフローチャートである。ユーザが、サーバ12の操作装置24から管理対象となるすべてのプリンタ13の情報をモニタ22に一覧表示するための指示を行うと、本処理は開始する。制御装置26は、ハードディスク28のプリンタリストの最初にリストアップされているプリンタ13のID情報を特定する(S12)。ID情報に対応するプリンタ13にエラーに関する情報を問い合わせる(S14)。図5は、S14で問い合わせるエラーに関する情報の内容と、後述するS28で問い合わせるエラー情報の内容とを示す。制御装置26がS14でプリンタ13に問い合わせるエラーに関する情報は、列62に示す「障害」、「注意」、「通常」の3つの状態に分類される。制御装置26は、前記したいずれかの情報をプリンタ13から取得する(S16)。また、制御装置26は、「障害」を示す情報を取得する場合には、列64に示す「用紙なし」、「インク/トナーなし」、「給紙ミス」のいずれかの情報も一緒に取得する。即ち、制御装置26は、「障害」を示す情報と列64に示す情報との組合せの情報を取得する。また、制御装置26は、「注意」を示す情報を取得する場合には、列64に示す「用紙残量少」、「インク/トナー残量少」のいずれかの情報も一緒に取得する。即ち、制御装置26は、「注意」を示す情報と列64に示す情報との組合せの情報を取得する。制御装置26は、S14において、図5に示す列62,64の情報を取得するように、プリンタ13に問い合わせする。
【0021】
プリンタ13から情報を取得すると、制御装置26は、その情報にエラー(「障害」又は「注意」)が含まれるのか否かを特定する(S18)。受信された情報が「通常」を示す場合、即ち、受信された情報にエラー(「障害」又は「注意」)が含まれない場合(S18でNO)は、S32に進む。この場合、制御装置26は、プリンタリストのID情報(S14で問い合わせをしたID情報)に対応付けて、「通常」を示す情報を記憶させる(S32)。
【0022】
一方において、受信された情報にエラーが含まれる場合(S18でYES)、制御装置26は、S12で特定されたプリンタ13の種類を特定する(S20)。プリンタ13は、様々な基準によって複数のタイプに分類される。例えば、プリンタ13は、印刷方式という基準に基づいて、レーザプリンタとインクジェットプリンタのいずれかに分類される。また、例えば、プリンタ13は、印刷カラーという基準に基づいて、カラープリンタとモノクロプリンタのいずれかに分類される。また、例えば、プリンタ13は、印刷用紙という基準に基づいて、複数種類の用紙に印刷可能なタイプと予め決められている一種類の用紙のみに印刷可能なタイプのいずれかに分類される。S20で特定されるプリンタ13の種類は、上記の様々な基準に従って分類されるタイプの組合せである。即ち、本実施例では、プリンタ13は、8種類のプリンタ(レーザプリンタ又はインクジェットプリンタ、カラープリンタ又はモノクロプリンタ、複数種類又は一種類の印刷用紙)のいずれかに分類されることになる。なお、プリンタ13の種類は、ハードディスク28のプリンタリストに予め記憶されていてもよい。即ち、プリンタリストは、プリンタ13のID情報とそのプリンタ13の種類(一種類の印刷用紙の場合は印刷用紙のサイズと材質も)を対応づけて記憶していてもよい。この場合、制御装置26は、プリンタリストを読み込むことによって、S20でプリンタの種類を特定することができる。また、プリンタ13の種類は、S16で受信される情報に含まれるようにしてもよい。即ち、各プリンタ13(多機能機14,16,18)が、自身の種類をサーバ12に送信するように構成されていてもよい。この場合、制御装置26は、S16で受信された情報を読み込むことによって、S20でプリンタの種類を特定することができる。
【0023】
制御装置26は、S16で受信された情報と、S20で特定されたプリンタ13の種類とから、その情報を解析する(S22)。例えば、S16で受信された情報に「インク/トナーなし」が含まれており、S20でモノクロレーザプリンタが特定された場合、制御装置26は、「インク/トナーなし」が黒色のトナーがないことに対応することを特定する。また、例えば、S16で受信された情報に「用紙なし」が含まれており、S20で「一種類の印刷用紙」が特定された場合、制御装置26は、「用紙なし」がどのサイズのどの材質の印刷用紙であるのかを特定する。S22の解析処理では、このような特定が行なわれる。一方において、例えば、S16で受信された情報に「インク/トナーなし」が含まれており、S20でカラーレーザプリンタが特定された場合、制御装置26は、「インク/トナーなし」がどの色のトナーを示しているのかを特定することができない。また、S16で受信された情報に「用紙なし」が含まれており、S20で「複数種類の印刷用紙」が特定された場合、制御装置26は、どのトレイのどのサイズのどの材質の印刷用紙がなくなっているのかを特定することができない。このように、S22の解析処理では、エラーの詳細情報を特定することができないことがある。
【0024】
制御装置26は、S22の解析結果から、エラーの詳細情報を取得するか否かを判断する(S24)。エラーの詳細情報を特定することが可能であるとS22で解析された場合は、エラーの詳細情報(即ち図5の列66に示す情報)をプリンタ13から取得する必要がない。この場合、制御装置26は、S24でNOと判断し、S32に進む。この場合、制御装置26は、プリンタリストのID情報(S14で問い合わせをしたID情報)に対応付けて、S22で解析されたエラーの詳細情報を記憶させる(S32)。一方において、少なくとも1つのエラーの詳細情報を特定することが不可能であるとS22で解析された場合、制御装置26は、S24でYESと判断し、S26に進む。
【0025】
S26では、制御装置26は、プリンタ13のエラー情報の詳細情報を問い合わせるためのリストを作成する。制御装置26は、S16で受信された情報に応じて問い合わせる内容を決定する。例えば、S16で受信された情報が「用紙なし」の場合、図5の列66に示すように、トレイとサイズと材質をリストアップする。問い合わせリストを作成すると、制御装置26は、プリンタ13に問い合わせリストを送信する(S28)。制御装置26は、プリンタ13からエラーに関する詳細情報を取得する(S30)。制御装置26は、受信された詳細情報をプリンタリストのID情報(S14で問い合わせをしたID情報)に対応付けて記憶させる(S32)。なお、このS32の処理では、制御装置26は、プリンタ13のID情報と詳細情報をシステム10の管理者(例えばEメールアドレス)に送信してもよい。制御装置26は、プリンタリストに存在する次のプリンタのID情報を特定する(S34)。プリンタリストに次のプリンタのID情報が存在しない場合、制御装置26は、S34でNOと判断し、S36に進む。S36では、制御装置26は、S32で記録された各プリンタの情報(「通常」を示す情報、エラーに関する詳細情報)をID情報に対応付けてモニタ22に表示させる。一方において、S34でYESの場合、制御装置26は、S14に戻って、次のID情報を有するプリンタ13にエラーに関する情報を問い合わせる。
【0026】
第1実施例の通信システム10について詳しく説明した。この通信システム10では、サーバ12は、各プリンタ13からエラーに関する情報を取得する場合に、全てのプリンタ13からエラーに関する大まかな情報(図5の列62及び列64に示す情報)を最初に取得する。次いて、サーバ12は、各プリンタ13の情報を解析し、より詳細な情報が必要であるプリンタ13のみから詳細な情報(図5の列66に示す情報)を取得する。このために、サーバ12と各プリンタ13の間のネットワーク20の通信負荷を低減させることができる。
また、サーバ12は、プリンタ13の種類とエラー情報の内容とから、詳細情報を取得するプリンタ13を判断することができる。これにより、詳細情報を取得する必要があるプリンタ13を的確に選別することができる。
【0027】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。ここでは、第1実施例と異なる点を説明する。第2実施例は、サーバ12の制御装置26の処理が異なる。図6は、本実施例のサーバ12がプリンタ13からエラーに関する情報を取得する場合の制御装置26の処理手順を示すフローチャートである。
【0028】
制御装置26は、プリンタリストに記憶されているプリンタ13のID情報に基づいて、エラーに関する情報を問い合わせるプリンタ13の台数を確認する(S52)。制御装置26は、プリンタ13の台数が予め決められた所定台数(例えば100台)以上であるのか否かを判断する(S54)。ここでYESの場合、制御装置26は、図4のS12に進み、上記したS12〜S36の処理を実行する(S56)。一方において、S54でNOの場合、S58に進む。S58では、制御装置26は、プリンタリストの最初にリストアップされているプリンタ13のID情報を特定する。制御装置28は、特定されたID情報を有するプリンタ13にエラーに関する情報を問い合わせる(S60)。S60では、制御装置26は、エラーに関する詳細な情報、即ち、図5の列66の内容も問い合わせる。
【0029】
制御装置26は、エラーに関する情報を取得し(S62)、その情報をプリンタリストのID情報(S60で問い合わせたプリンタ13のID情報)に対応付けて記憶させる(S64)。なお、このS64の処理では、制御装置26は、プリンタ13のID情報と詳細情報をシステム10の管理者(例えばEメールアドレス)に送信してもよい。制御装置26は、プリンタリストに次のプリンタ13のID情報があるのか否かを確認する(S66)。ここでYESの場合、制御装置26は、S60に戻って、次のプリンタ13にエラーに関する情報を問い合わせる。一方において、S66でNOの場合、制御装置26は、S64で記録された各プリンタの情報をID情報に対応付けてモニタ22に表示させる。なお、S68では、エラー情報があるプリンタのみを表示してもよい。また、S68の表示処理はS66の後に行なわれる必要は必ずしもなく、エラー情報が取得された段階(S62)でモニタ22に表示されてもよい。
【0030】
第2実施例のサーバ12では、自身が管理するプリンタの台数に基づいて、取得すべきエラーに関する情報の内容を決定する。即ち、プリンタの台数が少ない場合、サーバ12は、エラーに関する詳細な情報(図5の列62,64,66に示す全ての情報)を全てのプリンタから取得する。プリンタの台数が少ない場合、サーバ12と各プリンタ13の間で通信される情報量が少ないために、全てのプリンタ13から詳細な情報を取得してもネットワーク20にそれほど大きな負荷がかからない。一方において、プリンタの台数が多い場合、サーバ12は、エラーに関する大まかな情報を最初に取得し、詳細な情報を取得する必要があるプリンタを特定する。これにより、ネットワーク20の通信負荷が大きくなることを防止することができる。
【0031】
(第3実施例)
続いて、第3実施例を説明する。図7は、本実施例の通信システム100の構成を示す。通信システム100は、サーバ102とネットワーク104,106,108を備えている。
(サーバの構成)
サーバ102は、上記したサーバ12と同様の構成を備えている。ここでは、サーバ12と異なる点について説明する。サーバ102のネットワークインターフェイスには、ネットワークケーブル120が接続されている。サーバ102は、ネットワークケーブル120を介して後述するリーダプリンタ114,116,118と通信可能である。また、サーバ102は、リーダプリンタ114,116,118を介さずに、後述するメンバプリンタ124,126,128と通信することもできる。ハードディスク28のプリンタリストには、ネットワークを特定するIDと、そのネットワークを構成するリーダプリンタのID情報と、そのネットワークを構成する各メンバプリンタのID情報とが対応付けて記憶されている。例えば、ネットワーク104を特定するIDと、リーダプリンタ114のID情報と、各メンバプリンタ124のID情報とが対応付けて記憶されている。制御装置26は、プリンタリストを確認することによって、各ネットワークを構成するリーダプリンタ及びメンバプリンタを特定することができる。
【0032】
(ネットワークの構成)
ネットワーク104は、リーダプリンタ114と複数のメンバプリンタ124とによって構成されている。リーダプリンタ114と各メンバプリンタ124はそれぞれ別体に構成されている。リーダプリンタ114は、各メンバプリンタ124と通信可能に接続されている。
ネットワーク106,108は、ネットワーク104と同様の構成を有する。即ち、ネット106は、リーダプリンタ116と複数のメンバプリンタ126とによって構成されている。リーダプリンタ116は、各メンバプリンタ126と通信可能に接続されている。ネットワーク108は、リーダプリンタ118と複数のメンバプリンタ128とによって構成されている。リーダプリンタ118は、各メンバプリンタ128と通信可能に接続されている。
図7では、3つのネットワーク104,106,108のそれぞれが3台のメンバプリンタを有している。しかしながら、メンバプリンタの数は限られていない。また、ネットワークの数も限られていない。
【0033】
(リーダプリンタの構成)
リーダプリンタ114は、第1実施例の多機能機14と同様の構成を備えている。ここでは、多機能機14と異なる点について説明する。リーダプリンタ114のネットワークインターフェイスには、ネットワークケーブル120,134が接続されている。リーダプリンタ114は、ネットワークケーブル120を介してサーバ102と通信可能である。リーダプリンタ114は、ネットワークケーブル134を介して各メンバプリンタ124と通信可能である。また、ネットワークケーブル134は、HUBやルータ等を介して図示省略のPCと接続されている。リーダプリンタ114は、PCと通信することも可能である。リーダプリンタ114の記憶装置には、エラーリストが記憶されている。後述するように、リーダプリンタ114は、各メンバプリンタ124からエラーに関する情報を取得することができる。エラーリストは、エラーを示す情報を有するメンバプリンタのID情報を記憶することができる。
リーダプリンタ116,118は、リーダプリンタ114と同様の構成を有している。リーダプリンタ116,118は、リーダプリンタ114と同様に、サーバ102と通信可能に接続されている。リーダプリンタ116は、ネットワークケーブル136を介して各メンバプリンタ126と通信可能に接続されている。リーダプリンタ118は、ネットワークケーブル138を介して各メンバプリンタ128と通信可能に接続されている。
【0034】
(メンバプリンタの構成)
メンバプリンタ124は、第1実施例の多機能機14と同様の構成を備えている。ここでは、多機能機14と異なる点について説明する。メンバプリンタ124のネットワークインターフェイスには、ネットワークケーブル134が接続されている。メンバプリンタ124は、ネットワークケーブル134を介してリーダプリンタ114と通信可能に接続されている。また、メンバプリンタ124は、サーバ102とも通信可能に接続されている。
メンバプリンタ126,128は、メンバプリンタ124と同様の構成を有している。メンバプリンタ126は、ネットワークケーブル136を介してリーダプリンタ116と通信可能に接続されている。また、メンバプリンタ126は、サーバ102とも通信可能に接続されている。メンバプリンタ128は、ネットワークケーブル138を介してリーダプリンタ118と通信可能に接続されている。また、メンバプリンタ128は、サーバ102とも通信可能に接続されている。
【0035】
(サーバの処理)
図8から図10は、サーバ102がメンバプリンタ124,126,128からエラー情報を取得する場合のサーバ102の制御装置の処理手順を示すフローチャートである。図11は、リーダプリンタ114がメンバプリンタ124からエラー情報を取得する場合のリーダプリンタ114の制御装置の処理手順を示すフローチャートである。図11の処理は、リーダプリンタ116,118の制御装置でも実行される。
【0036】
図8に示すように、制御装置は、ハードディスク28に記憶されているプリンタリストの最初のリーダプリンタのID情報を特定する(S102)。制御装置は、特定されたID情報を有するリーダプリンタにエラーリストを問い合わせる(S104)。リーダプリンタは、サーバ12から問い合わせを受けると、問い合わせを受信したことを示す信号をサーバ12に返信する。制御装置は、問い合わせしたリーダプリンタから予め決められた所定時間内に返信があるのか否かを確認する(S106)。これにより、制御装置は、リーダプリンタと通信することが可能であるか否かを確認する。
【0037】
リーダプリンタからの返信がなかった場合(S106でNO)、図9のS112に進む。リーダプリンタからの返信があった場合(S106でYES)、制御装置は、プリンタリストに次のリーダプリンタのID情報があるのか否かを確認する(S108)。次のリーダプリンタのID情報がある場合(S108でYES)、制御装置は、S104に戻って、次のリーダプリンタにエラーリストを問い合わせる。次のリーダプリンタのID情報がない場合(S108でNO)、S110に進む。S110では、制御装置は、S106でYESと判断された各リーダプリンタからエラーリストが送信されてくるまで待機する。各リーダプリンタからのエラーリストを受信した場合、図10のS132に進む。
【0038】
図9に示すように、制御装置は、S106でNOと判断されたリーダプリンタと同一のネットワークを構成するメンバプリンタのうち、プリンタリストに最初に記憶されているID情報を特定する(S112)。制御装置は、特定されたID情報を有するメンバプリンタにエラーに関する情報を問い合わせる(S114)。メンバプリンタは、サーバ102からの問い合わせを受信すると、エラーがあるか否かの情報をサーバ102に送信する。制御装置は、問い合わせしたメンバプリンタからエラーに関する情報を取得する(S116)。制御装置は、エラーを示す情報であるか否かを解析する(S118)。エラーを示す情報でなければ(S118でNO)、S122に進む。エラーを示す情報であれば(S118でYES)、そのメンバプリンタをエラーリストに登録し(S120)、S122に進む。S122では、制御装置は、プリンタリストに次のメンバプリンタがあるか否かを確認する。次のメンバプリンタがあれば(S122でYES)、S114に戻る。次のメンバプリンタが無ければ(S122でNO)、図8のS108に戻る。
【0039】
図10に示すように、S132では、制御装置は、各リーダプリンタから取得したエラーリスト(S110で受信されるエラーリスト)と、自身で作成したエラーリスト(S120で作成されるエラーリスト)を1つのエラーリストに統合する。次いで、制御装置は、エラーリストにメンバプリンタのID情報が記憶されているか否かを判断する(S134)。エラーリストにID情報が記憶されていない場合(S134でNO)、S144に進む。エラーリストにID情報が記憶されている場合(S134でYES)、制御装置は、エラーリストに登録されている最初のメンバプリンタにエラーに関する詳細な情報を問い合わせる(S136)。サーバ102から問い合わせを受けたメンバプリンタは、エラーに関する詳細な情報をサーバ102に送信する。制御装置は、問い合わせをしたメンバプリンタからエラーに関する詳細な情報を取得する(S138)。制御装置は、メンバプリンタのID情報(S136で問い合わせしたメンバプリンタのID情報)に対応付けて、S138で受信された情報を記憶させる(S140)。これにより、プリンタリストに情報が書き込まれることになる。なお、このS140の処理では、制御装置は、メンバプリンタのID情報と詳細情報をシステム100の管理者(例えばEメールアドレス)に送信してもよい。制御装置は、エラーリストに次のメンバプリンタのID情報があるか否かを確認する(S142)。ID情報がある場合(S142でYES)、S136に戻る。ID情報がない場合(S142でNO)、制御装置は、プリンタリスト(S140で情報が書き込まれたプリンタリスト)をモニタ22に表示する(S144)。
【0040】
図11に示すように、リーダプリンタ114の制御装置は、ネットワーク104内の各メンバプリンタ124にエラーに関する情報を問い合わせる(S152)。ここでは、図5の「障害」、「注意」、及び「通常」のいずれであるのかを問い合わせる。即ち、図5の列64に示す情報は問い合わせない。リーダプリンタ114の制御装置は、メンバプリンタ124からエラーに関する情報を取得することを監視している(S154)。リーダプリンタ114の制御装置は、取得された情報にエラーを示す情報(「障害」又は「注意」)が含まれているか否かを解析する(S156)。なお、本実施例のS156の処理では、制御装置は、エラーを示す情報(「障害」又は「注意」)が含まれているか否かを解析する。しかしながら、この解析基準は、例えば、ユーザによって任意に決定されるものであってもよい。例えば、ユーザが解析基準を入力することができるようにサーバ102を構成してもよい。この場合、リーダプリンタ114に対してサーバ102から解析基準が指定されるようにしてもよい。例えば、S156の処理において、「障害」が含まれる情報であるのか否かを解析してもよい。この場合、「注意」が含まれる情報である場合、S156でNOと判断されることになる。
【0041】
エラーを示す情報が含まれていない場合(S156でNO)、S160に進む。エラーを示す情報が含まれている場合(S156でYES)、エラーリストにエラーがあるメンバプリンタのID情報(S154で取得された情報を送信したメンバプリンタのID情報)を登録し(S158)、S160に進む。S160では、リーダプリンタ114の制御装置は、S152で問い合わせを実行してから予め決められた所定時間が経過したのか否かを確認する。所定時間が経過していない場合(S160でNO)、S154に戻る。所定時間が経過している場合(S160でYES)、エラーリストをサーバ102に送信する(S162)。これにより、図8のS110において、サーバ102によってエラーリストが受信されることになる。
【0042】
なお、リーダプリンタ114,116,118は、サーバ102からの問い合わせ(図8のS104)に応じて上記の処理を実行してもよい。また、リーダプリンタ114,116,118は、サーバ102からの問い合わせに関係なく、上記の処理を定期的に実行してもよい。
【0043】
第3実施例の通信システム100では、サーバ102は、ネットワーク104,106,108を構成する全てのメンバプリンタのエラー情報を監視することができる。サーバ102は、詳細情報を取得する必要があるメンバプリンタのみから詳細情報を取得することができる。サーバ102と各ネットワーク114,116,118の間で通信される情報量を抑えることができる。
【0044】
上述の第1から第3実施例によるサーバでは、管理対象となるプリンタが多数であるほどその効果を発揮する。すなわち、例えば、プリンタから詳細情報を取得するために要する時間が1秒であるとすると、10台のプリンタが管理対象であれば、すべてのプリンタから詳細情報を取得しても10秒で行える。しかしながら、500台のプリンタが管理対象であれば、すべてのプリンタから詳細情報を取得するためには、500秒必要となる。よって、サーバのモニタ上に管理対象のプリンタリストを表示するだけで、ユーザは、表示指示をしてから表示までに8分以上も待たなければならない。本実施例では、例えば、詳細情報を取得する必要のあるプリンタが500台中10台であれば、詳細情報の上位階層の情報を取得するための時間(例えば、プリンタ1台に対し0.1秒で取得するのであれば、50秒)と、その10台の詳細情報を取得するための時間(上記例であれば10秒)との合計の時間があれば、モニタに表示するために必要な情報がすべて取得可能である。
【0045】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記した実施例の変形例を以下に列挙する。
【0046】
(変形例1)上記の第1又は2実施例では、エラーに関する情報を最初に問い合わせる場合(図4のS14参照)に、図5に示す列62,64を同時に問い合わせしている。しかしながら、列62のみを問い合わせしてもよい。この場合、制御装置26は、取得された情報に「障害」と「注意」を示す情報が含まれる場合に、エラーに関する詳細情報を問い合わせてもよい。
また、エラーに関する情報のうち、管理者が必要とするエラーの場合にのみ、その詳細情報を問い合わせてもよい。例えば、管理者が消耗品の在庫を管理する者であれば、消耗品に関するエラー(例えば、「用紙なし」および「インク/トナーなし」)については、詳細情報を問い合わせ、問い合わせにより取得した詳細情報についてモニタに表示する。一方、消耗品以外に関するエラー(例えば、「通信エラー」、「メモリフル」、「カバーオープン」)などの場合は、さらなる問い合わせを行わずに、そのエラーに関する情報を取得した範囲の内容でモニタ表示する。
【0047】
(変形例2)上記の第3実施例では、各リーダプリンタは、同一のネットワークを構成するメンバプリンタにエラーがあるのか否かのみを問い合わせる(図5の列62に示す情報のみを問い合わせる)。各リーダプリンタは、エラーがあると判断されたメンバプリンタ(「障害」又は「注意」を有するメンバプリンタ)をエラーリストに記憶している。しかしながら、各リーダプリンタは、メンバプリンタに図5に示す列62,64の内容を問い合わせてもよい。各リーダプリンタは、第1実施例のサーバ12のように、エラーに関する情報を解析し、エラーの詳細情報を特定することができないメンバプリンタのみをエラーリストに登録してもよい。この場合、エラーの詳細情報を特定することができたメンバプリンタについては、その詳細情報をサーバ102に送信するようにしてもよい。
【0048】
(変形例3)上記の第3実施例では、各リーダプリンタは、エラーがあると判断されたメンバプリンタのID情報をエラーリストに記憶し、エラーリストをサーバ102に送信している。しかしながら、各リーダプリンタは、メンバプリンタからの情報を解析せずに、メンバプリンタから取得された全ての情報(ID情報及びエラー情報)をサーバ102に送信してもよい。この場合、サーバ102は、リーダプリンタから取得された各メンバプリンタの情報(エラー情報)に基づいて、エラーに関する詳細な情報を取得するか否かを判断してもよい。上記の変形例2又は3は、図8から図11のフローチャートに若干の変更を加えることによって実現することができる。
【0049】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1実施例の通信システムの概略図を示す。
【図2】サーバの構成を示す。
【図3】多機能機の構成を示す。
【図4】第1実施例のサーバがプリンタから情報を取得する処理のフローチャートを示す。
【図5】エラーに関する情報の一例を示す。
【図6】第2実施例のサーバがプリンタから情報を取得する処理のフローチャートを示す。
【図7】第3実施例の通信システムの概略図を示す。
【図8】第3実施例のサーバがプリンタから情報を取得する処理のフローチャートを示す。
【図9】図8の続きのフローチャートを示す。
【図10】図8の続きのフローチャートを示す。
【図11】第3実施例のリーダプリンタがメンバプリンタから情報を取得する処理のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0051】
10:通信システム
12:サーバ
13:プリンタ
100:通信システム
102:サーバ
104,106,108:ネットワーク
114,116,118:リーダプリンタ
124,126,128:メンバプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置であって、
前記複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する第1取得手段と、
外部端末毎に、第1取得手段によって取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する解析手段と、
解析手段の解析結果に基づいて、前記所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第2取得手段と
を備えている通信装置。
【請求項2】
解析手段は、外部端末毎に、当該外部端末にエラーがある旨の情報が第1情報に含まれるのか否かを解析し、
第2取得手段は、エラーがある旨の情報が第1情報に含まれることが解析手段によって解析されたことを条件として、当該第1情報を有する外部端末から当該エラーの詳細情報である第2情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
解析手段は、エラーがある旨の情報が第1情報に含まれることが解析された場合に、当該第1情報を有する外部端末の種類と当該エラーの内容とに基づいて、当該エラーの詳細情報を特定可能であるのか否かさらに解析し、
第2取得手段は、エラーがある旨の情報が第1情報に含まれること、及び、当該エラーの詳細情報を特定不可能であることが解析手段によって解析されたことを条件として、当該第1情報を有する外部端末から当該エラーの詳細情報である第2情報を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置であって、
前記複数の外部端末が所定台数以上であるか否かを判断する台数判断手段と、
台数判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する第1取得手段と、
外部端末毎に、第1取得手段によって取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する解析手段と、
解析手段の解析結果に基づいて、前記所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第2取得手段と、
台数判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記複数の外部端末のそれぞれから少なくとも第2情報を取得する第3取得手段と
を備えている通信装置。
【請求項5】
複数のネットワークと通信装置とを備える通信システムであり、
各ネットワークは、複数のメンバ端末と、各メンバ端末から第1情報を取得するリーダ端末とを有し、
各リーダ端末は、
自身と同じネットワークを構成するメンバ端末毎に、第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析するリーダ端末側解析手段と、
前記所定の条件を満たす第1情報を有するメンバ端末の端末特定情報を前記通信装置に送信する送信手段とを有し、
通信装置は、
各リーダ端末から送信された端末特定情報を受信する受信手段と、
受信手段によって受信された端末特定情報から特定されるメンバ端末から第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第1取得手段とを有する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記通信装置は、
リーダ端末毎に、当該リーダ端末と通信可能か否かを判断する通信判断手段と、
通信判断手段によって通信不可能と判断されたリーダ端末が存在する場合に、当該リーダ端末と同じネットワークを構成する各メンバ端末から、当該リーダ端末を介さずに、第1情報を取得する第2取得手段と、
メンバ端末毎に、第2取得手段によって取得された第1情報が前記所定の条件を満たすのか否かを解析する通信装置側解析手段と、
通信装置側解析手段の解析結果に基づいて、前記所定の条件を満たす第1情報を有するメンバ端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第3取得手段とをさらに有する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
そのコンピュータプログラムは、通信装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
前記複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する第1取得処理と、
外部端末毎に、第1取得処理で取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する解析処理と、
解析処理の解析結果に基づいて、前記所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第2取得処理と
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項8】
複数の外部端末と通信可能に接続される通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
そのコンピュータプログラムは、通信装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
前記複数の外部端末が所定台数以上であるか否かを判断する台数判断処理と、
台数判断処理で肯定的に判断されたことを条件として、前記複数の外部端末のそれぞれから第1情報を取得する第1取得処理と、
外部端末毎に、第1取得処理で取得された第1情報が所定の条件を満たすのか否かを解析する解析処理と、
解析処理の解析結果に基づいて、前記所定の条件を満たす第1情報を有する外部端末から当該第1情報の詳細情報である第2情報を取得する第2取得処理と、
台数判断処理で否定的に判断されたことを条件として、前記複数の外部端末のそれぞれから少なくとも第2情報を取得する第3取得処理と
を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−87165(P2009−87165A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258095(P2007−258095)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】