説明

通信装置および系切り替え方法

【課題】冗長化されているC−Planeの運用系サーバに障害が発生し、待機系サーバに冗長切り替えを行った場合、待機系サーバでは運用系サーバから転送された呼データをもとに呼情報の再構成を行う必要がある。この再構成に多大な時間を要していた。
【解決手段】シグナリングデータを処理するマルチコアCPUを用いた装置とユーザデータを処理する装置が分離されており、シグナリングデータを処理する装置が冗長構成をとっている場合、運用系サーバに障害などが発生し、運用系サーバから待機系サーバへの系切り替えが必要となったときは、待機系サーバは運用系サーバから転送された呼データをもとに呼情報の再構成を行う際、再構成処理を並列化することで、サービス断時間を縮小させ、信頼性の高い装置を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および系切り替え方法に係り、特にシグナリング処理部を運用系から待機系にすばやく切り替える通信装置および系切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置が扱うデータは、大きく2種類が存在する。ユーザとの通信路を確立するためのシグナリングデータおよびユーザが他ノードとの通信を行うユーザデータである。通信装置は、両データを処理するが、これらの処理を別装置において行なうモデルがある。この場合、通信装置は、シグナリングデータ処理を行う装置(C−Plane)とユーザデータ処理を行う装置(U−Plane)から構成される。これは、ネットワークの広帯域化によりユーザデータの転送速度向上が必要となったためである。C−PlaneおよびU−Planeに分割することにより、U−Planeは、ユーザデータ転送に専念することが可能である。
【0003】
現在ではさらなるユーザデータ転送速度向上のため、U−Planeを複数とする場合もある。これに対して、C−Planeは、U−Planeほど転送速度を意識する必要がないため、1装置とすることが可能である。つまり、C−Planeが1台に対して、U−Planeが複数台存在する装置構成となる。
【0004】
なお、各U−Planeは、データを処理するために呼制御情報を保持する。その呼制御情報は、C−Planeにより管理されている。ここで、呼制御情報とは、呼ごとに管理される情報であり、それぞれの呼を制御するための情報である。主なものとしては、MACアドレスやIPアドレス、呼状態、タイマ値、課金情報、QoS(Quality of Service)情報がある。
【0005】
また、これらサービスの停止が許されない通信系サービスにおいては、信頼性確保のためにサービス提供サーバを冗長化して運用を行っている。冗長運用では、サービス提供サーバに障害が発生し、サービス提供の継続が不可能な状態となると、別に用意されていた予備サーバに切り替えてサービスの提供を継続する。これは特許文献1により述べられている。
【0006】
さらに、CPUを効率的に使用するために、処理を並行させて行う技術が特許文献2に述べられている。これは並列処理可能なものをマルチスレッドとして実行させることにより実現する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−171370号公報
【特許文献2】特開2006−185303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
C−Plane1装置に対してU−Plane複数装置で構成され、さらにC−Planeが1:1の冗長構成となっている通信装置の場合、C−Planeは複数台分のU−Planeに収容される呼制御情報を収容しなければならない。最近ではメモリ容量の拡大およびハード資源の価格低下などからC−PlaneにU−Plane複数台分の呼制御情報を収容することが可能となった。
【0009】
冗長化されているC−Planeの運用系サーバに障害が発生し、待機系サーバに冗長切り替えを行った場合、待機系サーバでは運用系サーバから転送された呼データをもとに呼制御情報の再構成を行う必要がある。呼データとは呼制御情報を構成するために最低限必要となる情報である。これは、上記のような冗長切り替えを実現するにあたり、冗長切り替えの際には運用系サーバと待機系サーバとが同じ呼制御情報を保持している必要がある。すなわち、運用系サーバの呼制御情報を待機系サーバへ転送する必要がある。しかし、呼制御情報をそのまま転送することは回線帯域を圧迫することになる。このため、待機系サーバで呼制御情報を再構成することが可能な最低限必要なデータを転送する。
【0010】
また、再構成処理とは、待機系サーバが運用系に移行する際に行われる処理である。具体的には、再構成処理は、呼データに含まれる各情報から実際に呼制御を行うにあたり効率よく実施できる状態を構成するものである。また、タイマの再起動なども実施する。これらの処理を収容可能な全U−Plane個数分行なう必要があるため、最大収容可能数が多くなるほど、多くの時間を要する。
【0011】
従来、メモリサイズの制限などから大量の呼制御情報をC−Planeに収容することが無く、呼制御情報の再構成に多くの時間を要することは無かった。しかし、大量の呼情報を収容するC−Planeの場合、上記のとおり、呼制御情報の再構成に多くの時間を要してしまう。その結果、サービス断時間が大きくなり、信頼性の低下となる。
【0012】
本発明は、呼制御情報の再構成を複数の演算部を用いた装置上で並列処理させることで、呼制御情報の再構成に要する時間を削減し、サービス断時間を縮小させ、信頼性の高い通信装置および系切り替え方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題は、シグナリング処理をする複数のシグナリング処理部と、ユーザデータを処理する複数のユーザデータ処理部とからなり、シグナリング処理部は、複数の並列演算装置を含み、第1のシグナリング処理部は、複数のユーザデータ処理部の複数の呼制御情報を一つの呼情報テーブルに領域を区分して保持し、第1のシグナリング処理部から第2のシグナリング処理部へシグナリング処理を引き継ぐとき、第1のシグナリング処理部は、複数の呼制御情報を第1のフォーマットで、第2のシグナリング処理部に転送し、第2のシグナリング処理部は、複数の呼制御情報について、第1のフォーマットから第2のフォーマットへ、並列演算装置により並列変換する通信装置により、達成できる。
【0014】
また、シグナリング処理をする複数のシグナリング処理部と、ユーザデータを処理する複数のユーザデータ処理部とからなり、シグナリング処理部は、マルチコア演算装置と、呼情報テ−ブルとを含み、第1のシグナリング処理部は、複数のユーザデータ処理部の複数の呼制御情報を第1の呼情報テーブルに領域を区分して保持し、第1のシグナリング処理部から第2のシグナリング処理部へシグナリング処理を引き継ぐとき、第1のシグナリング処理部は、複数の呼制御情報を第1のフォーマットで、第2のシグナリング処理部に転送し、第2のシグナリング処理部は、複数の呼制御情報について、第2の呼情報テーブルに記憶し、マルチコア演算装置は、第2の呼情報テーブルを共有して、複数の呼制御情報を第1のフォーマットから第2のフォーマットへ並列変換する通信装置により、達成できる。
【0015】
さらに、複数のユーザデータ処理部の複数の呼制御情報を第1の呼情報テーブルに領域を区分して保持するステップと、複数の呼制御情報を第1のフォーマットで、第2のシグナリング処理部に転送するステップと、複数の呼制御情報について、第2の呼情報テーブルに記憶するステップと、第2の呼情報テーブルを共有して、複数の呼制御情報を第1のフォーマットから第2のフォーマットへ並列変換するステップとを含む系切り替え方法により、達成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、呼制御情報の再構成を複数の演算装置を用いた装置上で並列処理させることで、呼制御情報の再構成に要する時間を削減し、サービス断時間を縮小させる通信装置および系切り替え方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
(実施例1)
図1を参照して、C−Plane装置を冗長化した通信装置を説明する。ここで、図1は通信装置のハードウェアブロック図である。図1において、通信装置500は、スイッチングハブ300に接続された運用系C−Plane装置100−1と、待機系C−Plane装置100−2と、n+1台のU−Plane装置200とから構成される。
【0018】
C−Plane装置100は、OS107、切り替え制御部105、呼処理アプリケーション103から構成される。切り替え制御部105は、冗長切り替えの際に切り替え処理を行なう。呼処理アプリケーション103は、シグナリング処理を行なう。
【0019】
また、U−Plane装置は、OS203、呼処理アプリケーション201から構成される。呼処理アプリケーション201は、ユーザデータ処理を行なう。
【0020】
なお、C−Plane装置−運用系100−1は、周期的に呼データをホットスタンバイ状態で待機しているC−Plane装置−待機系100−2に送信する。ここで呼データとは、呼制御情報を構成するために最低限必要となる情報である。運用系サーバであるC−Plane装置100−1の呼制御情報を待機系サーバであるC−Plane装置100−2へ転送する際に、呼制御情報をそのまま転送することは、回線帯域を圧迫することになる。このため、待機系サーバで呼制御情報を再構成することが可能な最低限必要なデータを転送する。
【0021】
図2を参照して、C−Plane装置のハードウェア構成を説明する。ここで、図2はC−Plane装置のハードウェアブロック図である。図2において、C−Plane装置100は、マルチコアCPU120、キャッシュメモリ130、主記憶装置110、チップセット140、グラフィックコントローラ150、ハードディスクコントローラ160、通信インタフェースコントローラ170、メモリバス181、CPUバス182、内部バス183で構成されている。ここで、CPUバス182は、キャッシュメモリ130を介してマルチコアCPU120をチップセット140に接続する。メモリバス181は、主記憶装置110をチップセット140に接続する。内部バス183は、グラフィックコントローラ150、ハードディスクコントローラ160、通信インタフェースコントローラ170がチップセット140に接続する。マルチコアCPU120は、複数のコア125を含んでいる。
【0022】
C−Plane装置100は、マルチコアCPU120により、処理を並列に行なう。グラフィックコントローラ150は、図示しない表示出力部への表示出力を制御する。ハードディスクコントローラ160は、図示しないハードディスクを制御する。通信インタフェースコントローラ170は、図示しない通信インターフェースを制御する。チップセット140は、マルチコアCPU120と各コントローラとの処理速度差の吸収、データフォーマット変換等を実行する。主記憶装置110は、OS107、呼処理アプリケーション103、切り替え制御部105等のプログラムを記憶する。主記憶装置110は、また後述する呼情報テーブルを記憶する。呼情報テーブルは、呼情報再構成中には、キャッシュメモリ130が記憶してもよい。
【0023】
図3を参照して、U−PlaneおよびC−Planeの呼制御テーブルの配置を説明する。ここで、図3はU−PlaneおよびC−Planeの呼制御テーブルの配置を説明するブロック図である。図3において、各U−Plane装置200は、それぞれユーザデータ処理を制御するための呼情報テーブル290を保持している。C−Plane100−1は、ある呼のシグナリング処理実行中にその呼のユーザデータを処理するU−Plane200を決定する。よって、C−Plane100−1は、全U−Plane200に収容されるすべての呼情報を呼情報テーブル190として保持している。C−Plane100−1は、シグナリング処理により構成された呼制御情報のうち、ユーザデータ処理に必要な情報をU−Plane200−k(k=1〜n)へ転送し、U−Plane200−kが保持する呼制御情報へ設定する。ユーザデータ処理に必要な情報とは、ユーザデータの通過許容または拒否を行なうフィルタ情報、QoS処理を行うための情報および長時間無通信を検出するためのタイマ値などである。
【0024】
C−Plane100が保持する呼情報テーブル190は、U−Planeごとに明確に領域を分ける。これは冗長切り替え時の呼情報再構成処理を並列処理するためである。また、待機系のC−Plane100−2においても呼情報テーブル190Aを同様に保持している。ただし、C−Plane100−1の呼情報テーブル190とC−Plane100−2の呼情報テーブル190Aとは、常に同じ内容を保持している訳ではない。
【0025】
図4を参照して、冗長切り替え時の処理シーケンスを説明する。ここで、図4はC−Plane装置−運用系とC−Plane装置−待機系との間の系切り替えシーケンス図である。
【0026】
図4において、運用状態であるC−Plane100−1は、障害発生または保守者からの系切り替え指示を検知する(S405)。これを契機に、C−Plane100−1は、C−Plane100−2へ転送していない呼データをC−Plane100−2へ転送する(S407)。なお、C−Plane100−1は、運用中、適宜、待機系C−Plane100−2へ呼データを転送している。
【0027】
待機状態であるC−Plane100−2は、転送されてきた呼データを保持する(S409)。その後、C−Plane100−2は、C−Plane100−1に対し、呼情報保持成功通知を返す(S411)。通知を受けたC−Plane100−1は、C−Plane100−2に対し、系切替通知を送信する(S413)。C−Plane100−1は、待機状態移行処理を実行し(S415)、待機状態へ移行する。
【0028】
系切替通知を受信したC−Plane100−2は、呼情報再構成を行なう(S419)。ここで、呼情報再構成は、通信型で保持した呼データを、C−Plane待機系がサービス提供可能なデータ型への変換処理である。呼情報の再構成が完了するとC−Plane100−2は、運用状態移行処理を行ない(S421)、運用状態へ移行する。
【0029】
ここで、呼情報再構成をさらに説明する。運用系装置と待機系装置の間では、ネットワーク帯域の圧迫を抑えるため、最低限の情報のみを転送している。このため、待機系装置を運用状態とする場合、呼情報の再構成が必要となる。再構成処理とは、呼データに含まれる各情報を処理手順が少なく実施できるような情報形態に変換し、呼制御を行うにあたり効率よく実施できる状態を構成するものである。呼データは、最低限必要な情報であるため、呼データのみの情報では呼制御を行う処理手順が複雑となる。また、再構成処理において、タイマの再起動なども実施する。
【0030】
図5を参照して、呼情報テーブルを取り扱う呼情報再構成スレッドを説明する。ここで、図5は呼情報再構成スレッドと呼情報テーブルの関係を説明する図である。図5において、C−Plane装置100−2は、呼処理アプリケーション103が動作し、また呼情報テーブル190Aを保持している。呼処理アプリケーション103は、冗長切り替え時の呼情報再構成処理を行なう呼情報再構成スレッド#0〜呼情報再構成スレッド#nと、メインスレッド1031が含まれている。また、呼情報テーブル190Aは、U−Planeごとに領域#0〜#nを明確に分けている。各呼情報再構成スレッド#0〜#nは、明確に分割されているU−Planeごとの領域#0〜#nを単位に処理を行なう。すなわち、呼情報再構成スレッド#k(k=1〜n)は、呼情報テーブル190Aの、U−Plane#k用領域のみを処理する。
【0031】
このように、各呼情報再構成スレッド#0〜#nは、それぞれ明確に分割されている呼情報テーブル190Aを共有する。このため、高速に処理できる。また、各呼情報再構成スレッド#0〜#nは、それぞれ明確に分割されている呼情報テーブル190Aの領域#0〜#nを処理する。このため、排他処理なしに並列処理が可能である。
【0032】
また、各呼情報再構成スレッド#0〜#nが処理するU−Plainごとの領域は1スレッドあたり複数であってもよい。1スレッドあたり複数の領域を処理することが可能であるため、U−Plane数が各呼情報再構成スレッド#0〜#nの数(n+1)よりも多い装置構成とすることも可能である。
【0033】
図6を参照して、C−Plane装置の呼情報再構成処理を説明する。ここで、図6はC−Plane装置の呼情報再構成処理のシーケンス図である。図6において、待機状態にあるC−Plain装置100−2のメインスレッド1031は、運用系装置100−1からの系切替通知を受信する(S513)。これを契機に、メインスレッド1031は、各呼情報再構成スレッド#0〜#nへ呼情報再構成処理通知を送信する(S515、S517、S519)。また、各呼情報再構成スレッド#0〜#nは、メインスレッド1031からの通知を契機に呼情報の再構成処理を行なう(S521、S523、S525)。ここで、これらの呼情報再構成スレッド#0〜#nは、同時に処理することが可能、つまり並列動作が可能である。
【0034】
次に、各呼情報再構成処理S521〜S525が完了した呼情報再構成スレッド#0〜#nは、それぞれメインスレッド1031に対して、呼情報再構成完了通知を送信する(S527、S529、S531)。全てのこの通知を受信したメインスレッドS503は運用状態移行処理S533を行い、運用状態S535へ移行する。
【0035】
C−Plane装置100の呼情報テーブル190の構成は、U−Planeごととなっている。このため、呼情報再構成処理(S521、S523、S525)におけるテーブルアクセスが競合することはない。したがって、上記処理は排他制御なしに効率よく並列処理することが可能である。また、マルチコアCPU装置上で動作するため、マルチスレッドによる並列処理の効果は大きい。
【0036】
本実施例によれば、呼情報再構成処理の時間短縮により冗長切り替え時間を短縮することが可能となり、結果的にサービス断時間の短い高信頼なシステムの構築が可能となる。
(実施例2)
図7を参照して、C−Plane装置のハードウェア構成を説明する。ここで、図7はC−Plane装置のハードウェアブロック図である。図7において、C−Plane装置100Aは、シングルコアCPU120A−1、シングルコアCPU120A−2、キャッシュメモリ130−1、キャッシュメモリ130−2、主記憶装置110、チップセット140、グラフィックコントローラ150、ハードディスクコントローラ160、通信インタフェースコントローラ170、メモリバス181、CPUバス182、内部バス183で構成されている。ここで、CPUバス182は、キャッシュメモリ130を介してシングルコアCPU120Aをチップセット140に接続する。メモリバス181は、主記憶装置110をチップセット140に接続する。内部バス183は、グラフィックコントローラ150、ハードディスクコントローラ160、通信インタフェースコントローラ170がチップセット140に接続する。シングルコアCPU120Aは、コア123を含んでいる。
【0037】
C−Plane装置100は、2台のシングルコアCPU120Aにより、処理を並列に行なう。グラフィックコントローラ150は、図示しない表示出力部への表示出力を制御する。ハードディスクコントローラ160は、図示しないハードディスクを制御する。通信インタフェースコントローラ170は、図示しない通信インターフェースを制御する。チップセット140は、シングルコアCPU120Aと各コントローラとの処理速度差の吸収、データフォーマット変換等を実行する。主記憶装置110は、OS107、呼処理アプリケーション103、切り替え制御部105等のプログラムを記憶する。主記憶装置110は、また後述する呼情報テーブルを記憶する。呼情報テーブルは、呼情報再構成中には、キャッシュメモリ130が記憶してもよい。
【0038】
図7に示すC−Plane装置100Aは、シングルコア123の複数のCPU120Aにより構成され、冗長切り替え時は、呼情報の再構成を2つのCPUにより並列して行なう構成である。また、CPUは2つに限定されるものではなく、それ以上複数のCPUにより構成されるハードウェア構成であってもよい。
【0039】
C−Planeの待機系装置の待機状態は、ホットスタンバイ、コールドスタンバイどちらの待機状態であってもよい。また、待機状態がホットスタンバイであれば、運用系装置から待機系装置への呼データ転送を随時行い、冗長切り替え時の呼データ転送時間を短縮することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】通信装置のハードウェアブロック図である。
【図2】C−Plane装置のハードウェアブロック図である。
【図3】U−PlaneおよびC−Planeの呼制御テーブルの配置を説明するブロック図である。
【図4】C−Plane装置−運用系とC−Plane装置−待機系との間の系切り替えシーケンス図である。
【図5】呼情報再構成スレッドと呼情報テーブルの関係を説明する図である。
【図6】C−Plane装置の呼情報再構成処理のシーケンス図である。
【図7】C−Plane装置のハードウェアブロック図である。
【符号の説明】
【0041】
100…C−Plane装置、103…呼処理アプリケーション、105…切り替え制御部、107…オペレーティングシステム、120…CPU、125…コア、130…キャッシュメモリ、110…主記憶装置(メインメモリ)、140…チップセット、150…グラフィックコントローラ、160…ハードディスクコントローラ、170…通信インタフェースコントローラ、190…呼情報テーブル、200…U−Plane装置、201…呼処理アプリケーション、203…オペレーティングシステム、290…呼情報テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シグナリング処理をする複数のシグナリング処理部と、ユーザデータを処理する複数のユーザデータ処理部とからなる通信装置において、
前記シグナリング処理部は、複数の並列演算装置を含み、
第1のシグナリング処理部は、前記複数のユーザデータ処理部の複数の呼制御情報を一つの呼情報テーブルに領域を区分して保持し、
前記第1のシグナリング処理部から第2のシグナリング処理部へ前記シグナリング処理を引き継ぐとき、
前記第1のシグナリング処理部は、前記複数の呼制御情報を第1のフォーマットで、前記第2のシグナリング処理部に転送し、
前記第2のシグナリング処理部は、前記複数の呼制御情報について、前記第1のフォーマットから第2のフォーマットへ、前記並列演算装置により並列変換することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
シグナリング処理をする複数のシグナリング処理部と、ユーザデータを処理する複数のユーザデータ処理部とからなる通信装置において、
前記シグナリング処理部は、マルチコア演算装置と、呼情報テ−ブルとを含み、
第1のシグナリング処理部は、前記複数のユーザデータ処理部の複数の呼制御情報を第1の呼情報テーブルに領域を区分して保持し、
前記第1のシグナリング処理部から第2のシグナリング処理部へ前記シグナリング処理を引き継ぐとき、
前記第1のシグナリング処理部は、前記複数の呼制御情報を第1のフォーマットで、前記第2のシグナリング処理部に転送し、
前記第2のシグナリング処理部は、前記複数の呼制御情報について、第2の呼情報テーブルに記憶し、
前記マルチコア演算装置は、前記第2の呼情報テーブルを共有して、前記複数の呼制御情報を前記第1のフォーマットから第2のフォーマットへ並列変換することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置であって、
前記マルチコア演算装置は、複数のコアと、前記複数の呼制御情報とを1対1に対応付けて、前記第1のフォーマットから前記第2のフォーマットへ並列変換することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の通信装置であって、
前記マルチコア演算装置は、複数のスレッドで前記第2の呼情報テーブルを共有することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
シグナリング処理をする複数のシグナリング処理部と、ユーザデータを処理する複数のユーザデータ処理部とからなる通信装置における系切り替え方法において、
前記複数のユーザデータ処理部の複数の呼制御情報を第1の呼情報テーブルに領域を区分して保持するステップと、
前記複数の呼制御情報を第1のフォーマットで、第2のシグナリング処理部に転送するステップと、
前記複数の呼制御情報について、第2の呼情報テーブルに記憶するステップと、
前記第2の呼情報テーブルを共有して、前記複数の呼制御情報を前記第1のフォーマットから第2のフォーマットへ並列変換するステップとを含む系切り替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−160537(P2010−160537A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−635(P2009−635)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】