説明

通信装置および通信装置の制御方法

【課題】デモンストレーション動作の実行時には、電波の混信を防止し、消費電力量を低減させつつ、必要に応じて無線による他の通信装置との通信状況を確認することができる通信装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る親機1は、公衆回線網と接続可能であるとともに、子機2と無線通信可能である。コードレステレフォンのデモ動作の実行を指示するとともに、デモ動作の実行に応じて子機との無線通信を停止させるモード設定指示部51と、デモ動作中に、フック検出回路18から入力されたオフフックまたはオンフックの検出結果を受付けたか否かを判定するモード変更監視部52と、モード変更監視部52がデモ動作中に、オフフックおよびオンフックの検出結果を受付けたと判定した場合、モード設定指示部51は、子機2との無線通信を、所定の期間だけ再開させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各用途に応じた様々な通信機器が開発されている。このような通信機器の一例としては、携帯電話機が挙げられる。携帯電話機は、その販売競争が激化しており、そのため、各携帯電話機製造メーカは、携帯電話機の機能を向上させたり、多種多様な機能を付加して多機能化させたりするなど、他の携帯電話機と差別化を図っている。
【0003】
このように機能の差別化が図られるようになると、従来のように店頭に、外観を同一にした見本品を陳列するだけでは、各機能の特徴を顧客に対して十分にアピールすることができない。そこで、実際の携帯電話機を店頭に陳列して顧客に各製品の特徴をアピールするようになっている。
【0004】
しかしながら、ただ単に、実際の携帯電話機を店頭に陳列するだけでは、新製品の携帯電話機の取り扱いを十分に熟知していない利用者は、この携帯電話機が有する機能を試すことは困難である。また、この携帯電話機がどのような機能を有しているのか、すべて把握することもできない。
【0005】
そこで、特許文献1では、各携帯電話機が有する機能の特徴を、ユーザに対してよりアピールできるように、実用動作とは別に各種機能の動作特徴を示すデモンストレーション動作を実行する携帯電話機が開示されている。このデモンストレーション動作により、ユーザは携帯電話機が有する機能の特徴を把握したり、実際に各種機能を実行させ体感したりすることができる。
【0006】
ところで、デモンストレーション動作中に、常時、携帯電話機を利用して他の携帯電話機と通信を確立できるように構成されている場合、この通信を実行する通信処理部を常時起動させておく必要がある。しかしながら、常時、通信処理部を起動させる構成の場合、電力の消費量が大きくなるため、デモンストレーション動作中は、上記通信処理部を起動させずに停止させておく必要がある(例えば、特許文献1)。
【0007】
また、通信機器が携帯電話機ではなく、親機と子機とからなるコードレステレフォンの場合では、親機と子機との通信で利用される電波と、店員が利用するトランシーバの電波とが互いに干渉しあうというさらなる問題が生じる。このため、店頭に陳列する通信機器が上記コードレステレフォンの場合は、親機と子機との間の通信が確立できないように、親機と子機との間における通信の確立を制御する通信処理部を停止させておく必要がある。
【特許文献1】特開2002−118636(2002年4月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、無線による通信状態を、顧客が店内で確認することができないという問題が生じる。
【0009】
より具体的には、上記特許文献1に示す構成では、携帯電話機がデモンストレーション動作を行うデモンストレーションモードに設定されている場合、無線通信できないように制御されるため、他の通信装置との間で確立させた無線通信の通信状況、例えば、受信感度や、通話時の音声品質等の情報をユーザが知りえないこととなる。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、デモンストレーション動作の実行時には、電波の混信を防止し、消費電力量を低減させつつ、必要に応じて無線による他の通信装置との通信状況を確認することができる通信装置、通信装置の制御方法、通信装置の制御プログラム、および通信装置の制御プログラムを記録した記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る通信装置は、上記した課題を解決するために、公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置であって、当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示するように動作するデモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線通信を停止させる実行指示手段と、上記デモンストレーション動作の実行中に、所定の入力を受付けたか否かを判定する入力判定手段と、上記入力判定手段が上記デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示手段は、停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させることを特徴とする。
【0012】
上記した構成によると、上記実行指示手段を備えているため、上記デモンストレーション動作を実行させ当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示することができる。また、上記各種機能の特徴を顧客に提示している間は、他の通信装置との無線通信を停止させている。このため、例えば、店頭にこの通信装置が配置され、かつ店舗内で店員がトランシーバを利用している状況において、トランシーバから出力する電波と、無線通信時に当該通信装置から出力する電波とが混信してしまうことを防ぐことができる。さらにまた、各種機能の特徴を顧客に提示している間、他の通信装置との無線通信を停止させているため、この通信装置の消費電力量を低減させることができる。
【0013】
また、上記入力判定手段を備えているため、デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたか否か判定することができる。そして、デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、他の通信装置との無線による通信を所定の期間だけ再開させることができる。つまり、デモンストレーション動作を実行している最中であっても、必要に応じて他の通信装置との無線通信を確立させることができる。このため、デモンストレーション動作の実行時には他の通信装置との無線通信が停止される場合であっても、必要に応じてこの他の通信装置との無線による通信状況を顧客は確認することができる。
【0014】
よって本発明に係る通信装置は、上記デモンストレーション動作の実行時には、電波の混信を防止し、消費電力量を低減させつつ、必要に応じて無線による他の通信装置との通信状況を確認することができるという効果を奏する。
【0015】
本発明に係る通信装置は、上記した構成において、停止していた他の通信装置との無線通信を再開している間に、上記入力判定手段がさらに上記所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示手段は、他の通信装置との無線通信を再開させる期間を延長するように構成されていてもよい。
【0016】
上記した構成によると、停止していた他の通信装置との無線通信を再開している間に、さらに上記所定の入力を受付けたと上記入力判定手段が判定した場合、無線通信を再開させる期間を延長することができる。このため、デモンストレーション動作中に、無線通信を再開させ、他の通信装置との通信状態を確認している最中に無線通信が停止され通信ができなくなってしまうといった状態が生じることを防ぐことができる。
【0017】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、当該通信装置において電源のオンを指示する指示情報を受付ける電源指示受付け部と、上記公衆回線網との接続を検知する回線検知手段とを備え、上記電源指示受付け部が上記指示情報を受付けてから所定期間経過するまでの間に上記回線検知手段が公衆回線網との接続を検知しなかった場合、上記実行指示部は、デモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線による通信を停止させるように構成されていてもよい。
【0018】
上記した構成によると、上記電源指示受付け部と回線検知手段とを備えるため、通信装置において電源のオンが指示されてから所定期間経過するまでの間に公衆回線網と接続されたかどうか判断することができる。
【0019】
ここで、通信装置を店頭に配置し、顧客に提示する場合は、電源がオンされても公衆回線網との接続を行わない。一方、通信装置を購入して使用する場合は、電源オンして、公衆回線網と接続させる。このため、電源がオンされても通信装置が公衆回線網に接続されない場合、顧客が通信装置を購入し使用しようとしているのではなく、店頭に配置されているものと想定できる。
【0020】
したがって、本発明に係る通信装置は、通信装置が店頭販売用に電源が入れられたか否か適切に推定することができ、店頭販売用に電源が入れられたと推定された場合、デモンストレーション動作の実行を指示することができる。
【0021】
本発明に係る通信装置は、上記した構成において、外部からの入力指示を受付けるための受付け部を備え、上記所定の入力とは、上記受付け部により受付けた上記入力指示を示す情報である入力指示情報であってもよい。
【0022】
上記した構成によると受付け部を備えるため、顧客が、停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させるように指示する入力指示情報を入力することで、デモンストレーション動作中に無線通信を再開させることがきる。すなわち、顧客の意思を反映させて、停止されている無線通信を再開させることができる。
【0023】
なお、上記入力指示情報とは、上記無線通信を再開させるように、通信装置に対して直接指示する情報であってもよいし、他の通信装置との無線通信の実行を指示する情報であってもよい。上記入力指示情報が前者の場合、直接的に無線通信の再開を指示することができる。一方、上記入力指示情報が後者の場合、他の通信装置との無線通信を所望することで、間接的に無線通信の再開を指示することができる。
【0024】
また、上記入力指示情報の入力は、例えば、情報を入力するための操作部を、顧客が直接操作することで実行されてもよいし、赤外線等を介して、さらに別の通信経路を通じて送出された信号を受信することにより実行されてもよい。
【0025】
本発明に係る通信装置は、上記した構成において、他の通信装置との無線通信を確立させるための無線通信制御部を備え、上記実行指示手段は、上記入力判定手段が、上記デモンストレーション動作の実行中に上記所定の入力を受付けたと判定した場合、所定期間、上記無線通信制御部を起動させ、他の通信装置に対して電波を出力させるように構成されていてもよい。
【0026】
上記した構成によると、上記入力判定手段が、上記デモンストレーション動作の実行中に上記所定の入力を受付けたと判定した場合、所定期間、上記無線通信制御部を起動させる。このため、逆にこの所定期間以外では、無線通信制御部の起動を停止させておくことができる。したがって、本発明に係る通信装置は、デモンストレーション動作の実行中は、無線通信制御部の起動に伴う消費電力量を低減させることができる。
【0027】
本発明に係る通信装置の制御方法は、上記した課題を解決するために、公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置の制御方法であって、当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示するように動作するデモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線通信を停止させる実行指示ステップと、上記デモンストレーション動作の実行中に、所定の入力を受付けたか否かを判定する入力判定ステップと、上記入力判定ステップにおいて、上記デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示ステップで停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させる再開指示ステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
上記した方法によると、上記実行指示ステップを含むため、上記デモンストレーション動作を実行させ当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示することができる。また、上記各種機能の特徴を顧客に提示している間は、他の通信装置との無線通信を停止させているため、例えば、店頭にこの通信装置が配置され、かつ店舗内で店員がトランシーバを利用している状況おいて、トランシーバから出力する電波と、無線通信時に当該通信装置から出力する電波とが混信してしまうことを防ぐことができる。さらにまた、各種機能の特徴を顧客に提示している間、他の通信装置との無線通信を停止させているため、この通信装置の消費電力量を低減させることができる。
【0029】
また、上記入力判定ステップを含むため、デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたか否か判定することができる。そして、デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、再開指示ステップで他の通信装置との無線による通信を所定の期間だけ再開させることができる。つまり、デモンストレーション動作を実行している最中であっても、必要に応じて他の通信装置との無線通信を確立させることができる。このため、デモンストレーション動作の実行時には他の通信装置との無線通信が停止される場合であっても、必要に応じてこの他の通信装置との無線による通信状況を顧客は確認することができる。
【0030】
よって本発明に係る通信装置の制御方法は、上記デモンストレーション動作の実行時には、電波の混信を防止し、消費電力量を低減させつつ、必要に応じて無線による他の通信装置との通信状況を確認することができるという効果を奏する。
【0031】
なお、上記通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信装置をコンピュータにて実現させる通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る通信装置は、以上のように、公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置であって、当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示するように動作するデモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線通信を停止させる実行指示手段と、上記デモンストレーション動作の実行中に、所定の入力を受付けたか否かを判定する入力判定手段と、上記入力判定手段が上記デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示手段は、停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させることを特徴とする。
【0033】
よって本発明に係る通信装置は、上記デモンストレーション動作の実行時には、電波の混信を防止し、消費電力量を低減させつつ、必要に応じて無線による他の通信装置との通信状況を確認することができるという効果を奏する。
【0034】
本発明に係る通信装置の制御方法は、以上のように、公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置の制御方法であって、当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示するように動作するデモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線通信を停止させる実行指示ステップと、上記デモンストレーション動作の実行中に、所定の入力を受付けたか否かを判定する入力判定ステップと、上記入力判定ステップにおいて、上記デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示ステップで停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させる再開指示ステップとを含むことを特徴とする。
【0035】
よって本発明に係る通信装置の制御方法は、上記デモンストレーション動作の実行時には、電波の混信を防止し、消費電力量を低減させつつ、必要に応じて無線による他の通信装置との通信状況を確認することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一実施形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係るコードレステレフォン100は、図2に示すように、親機1とその子機2とを備え、親機1と子機2とは無線通信により通信できるように構成されている。図2は、本発明の実施形態を示すものであり、コードレステレフォン100の概略構成を示す図である。
【0037】
ところで、このコードレステレフォン100が店頭に陳列される場合、顧客が自由に操作感を体験できるように、顧客からの操作指示に応じて特定の機能を実行したり、各種機能の特徴について顧客にアピールする情報を表示したりできる、いわゆるデモンストレーション動作(以下、デモ動作と称する)を実行するように構成されている。コードレステレフォン100は、このデモ動作によって、店頭販売促進用に製品の特徴をアピールすることができる。
【0038】
なお、明細書中では、説明の便宜上、コードレステレフォン100の操作者(店頭での顧客)を、ユーザと称することとする。
【0039】
また、コードレステレフォン100において、上記デモ動作が実行されている間は、親機1と子機2との間では無線通信ができないように設定されている。これは、店頭に陳列している間、親機1と子機2とが、無線通信を確立し、常時通信できるように構成されていると、店員が利用するトランシーバの通信を妨害したり、電力消費が大きくなったりするからである。
【0040】
ただし、後述するが、本実施の形態に係るコードレステレフォン100では、所定の入力を受付けた場合に限り、その入力をトリガにして一定期間だけ親機1と子機2との間で無線通信を確立させ通信を行うことができるように構成されている。以下において、まず子機2の構成から説明し、次いで親機1の構成を説明する。
【0041】
(子機の構成)
図2に示すように、子機2は、その外観形状において、子機側アンテナ30、子機入力操作部32、子機スピーカ34、子機マイク35、および子機表示部36を備えている。
【0042】
子機側アンテナ30は、親機1との通信を確立させるように、電波を送受信するためのものである。子機入力操作部32は、子機2に情報を入力するための入力手段である。子機入力操作部32は、例えば、通信相手のダイヤル番号を入力するためのテンキー、内線により親機1との通信の確立を指示する内線ボタン、各種機能を実行させたり、子機表示部36の表示設定を行ったりするための操作ボタン等を含む。
【0043】
子機スピーカ34は、例えば、他の電話機から着信があった場合、この着信を知らせる音声を出力させたり、親機1から送信された音声を出力させたりするものである。子機マイク35は、他の電話機との通話中に子機2を利用するユーザの音声を入力するためのものである。
【0044】
子機表示部36は、着信相手の電話番号、入力した電話番号等、他の電話機との通話に関わる情報や、各種機能の実行操作をガイドするためのメニュー画面等、ユーザが子機2を操作するにあたり必要な情報を表示するものである。
【0045】
子機2は、上述した子機側アンテナ30、子機入力操作部32、子機スピーカ34、子機マイク35、および子機表示部36に加え、図3に示すように、子機主制御部31、子機記憶装置33、および子機無線処理部37をさらに備えてなる構成である。なお、図3は、本発明の実施形態を示すものであり、子機2の要部構成を示すブロック図である。
【0046】
子機主制御部31は、子機2が備える各部に対する各種制御処理を行うものである。子機記憶装置33は、子機2における各種設定に関わる登録情報等を記憶するものであり、例えば、フラッシュメモリ等によって実現できる。
【0047】
子機無線処理部37は、子機主制御部31からの制御指示の下、所定の周波数帯の電波を利用して親機1との通信を確立させるものである。なお、子機無線処理部37は、無線チューナをその構成に含んでいる。
【0048】
(親機の構成)
次に、上記した構成を有する子機2と通信を確立する親機1の構成について再度、図2と、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施形態を示すものであり、親機1の要部構成を示すブロック図である。
【0049】
コードレステレフォン100が備える親機1は、図2に示すように、その外観形状において、親機側アンテナ10、送受話器13、入力操作部14、親機スピーカ17、および親機表示部19を備えている。
【0050】
親機側アンテナ10は、子機2との通信を確立させるように、電波を送受信するためのものである。入力操作部14は、親機1に情報を入力するための入力手段である。入力操作部14は、例えば、通信相手の電話番号を入力するためのテンキー、内線により子機2との通信の確立を指示する内線ボタン、各種機能を実行させたり、親機表示部19の表示情報の設定を行ったりするための操作ボタン等を含む。
【0051】
親機スピーカ17は、例えば、他の電話機から着信があった場合、この着信を知らせる音声を出力させるためのものである。
【0052】
親機表示部19は、着信相手の電話番号、入力した電話番号等、他の電話機との通話に関わる情報や、各種機能の実行操作をガイドするためのメニュー画面等、ユーザが親機1を操作するにあたり必要な情報を表示するものである。さらに親機表示部19は、本実施の形態に係るコードレステレフォン100がデモ動作を実行している場合、コードレステレフォン100が有する各種機能の特徴に関する情報が表示される。
【0053】
親機1は、上述した親機側アンテナ10、送受話器13、入力操作部14、親機スピーカ17、および親機表示部19に加え、図4に示すように、網制御部12、親機記憶装置15、トーン送出・検出回路16、フック検出回路18、外部通信制御部20、親機無線処理部21、親機主制御部22、および計時部23をさらに備える。
【0054】
網制御部12は、親機主制御部22からの制御指示に応じて回線の確立および切断を実行するものである。また、網制御部12は、他の通信装置からの着信を検出するものでもある。
【0055】
親機記憶装置15は、親機1における各種設定に関わる登録情報等を記憶するものであり、例えば、フラッシュメモリ等によって実現できる。また、親機記憶装置15には、デモ動作実行中に、親機表示部19に表示させる、コードレステレフォン100が有する機能の特徴を説明するための画像データ(デモ用データ)も記憶している。
【0056】
トーン送出・検出回路16は、親機1を公衆回線網に接続するために回線を自動設定する際に、親機主制御部22からの制御指示に応じてトーンを送出したり、ダイヤルトーンを検出したりする回路である。また、トーン送出・検出回路16は、ダイヤルトーンを検出すると、その検出結果を親機主制御部22に通知する。
【0057】
フック検出回路18は、送受話器13の上下、すなわちオフフックまたはオンフックを検出するための回路である。フック検出回路18は、検出結果を親機主制御部22に送信する。
【0058】
外部通信制御部20は、親機主制御部22からの制御指示の下、赤外線を利用した近距離通信により他の装置と接続を確立させるためのものである。
【0059】
親機無線処理部21は、親機主制御部22からの制御指示の下、所定の周波数帯の電波を出力して、子機2との通信を確立させるものである。なお、親機無線処理部21は、無線チューナを含んでいる。
【0060】
親機主制御部22は、親機1が備える各部に対する各種制御処理を行うものである。親機主制御部22の詳細については後述する。
【0061】
計時部23は、現在の時刻を計測したり、親機主制御部22からの指示に応じて所定時間の経過を計測したりするものである。
【0062】
(親機のソフトウェア構成について)
次に、デモ動作を行う際の親機1の動作モードであるデモンストレーションモード(以下、デモモードと称する)の設定処理に関わる構成について図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態を示すものであり、デモモード設定処理に関する親機1のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0063】
図1に示す本実施の形態に係る親機1は、デモモード設定処理を実現する機能ブロックとして、モード設定指示部51、モード変更監視部52、時間設定監視部53、および回線検出部54を備えてなる構成である。なお、これら機能ブロックは、親機主制御部22がCPUの場合、このCPUが不図示のROMに格納されたプログラムをRAM等に読出し実行することで実現できる。
【0064】
モード設定指示部51は、親機1の動作モードをデモモードに設定したり、動作モードをデモモードから通常の使用状態である通常モードに移行させたりするものである。より具体的には、モード設定指示部51は、入力操作部14から電源をONする旨の指示を受付けると、親機1の動作モードをデモモードに設定するように各部を制御する。つまり、モード設定指示部51は、電源ONの指示を受付けると、その時点から所定時間経過するまでの期間を計測するように時間設定監視部53に指示する。
【0065】
ここで、上記時間設定監視部53により計測されている所定時間内に、後述する回線検出部54から、親機1が公衆回線網に接続された旨の判定結果を受付けなかった場合、モード設定指示部51は、親機無線処理部21の起動を停止させる。そして、モード設定指示部51は、親機記憶装置25に記憶されたデモモード用データを読出し、親機表示部19に表示させる。
【0066】
このように動作モードをデモモードに設定すると、デモモード設定完了の通知を、モード設定指示部51は、モード変更監視部52に対して送信する。
【0067】
モード変更監視部52は、モード設定指示部51から、上記デモモード設定完了の通知を受付けると、デモモード設定中に所定の入力を受付けたか否か監視するものである。モード変更監視部52は、デモモード設定中に、所定の入力を受付けた場合、停止させている親機無線処理部21を一定期間だけ起動させ、子機2との無線による通信を実行できるようにする。
【0068】
より具体的には、デモモード設定中に、所定の入力としてフック検出回路18が、送受話器13が持ち上げられオフフックされた状態を検出すると、モード設定指示部51に指示して、親機無線処理部21を起動させ子機2対して電波を出力させる。そして、持ち上げた送受話器13が下ろされオンフックされた状態をフック検出回路18が検出すると、時間設定監視部53に指示して、送受話器13がオンフックされた時点から一定時間の経過を計測するように指示する。そして、一定時間の経過が計測されると、モード変更監視部52は、モード設定指示部51に対して、起動させた親機無線処理部21を再度、停止させるように指示する。
【0069】
時間設定監視部53は、モード設定指示部51またはモード変更監視部52から受付けた指示に応じて、所定時間の経過の計測を計時部23に対して指示するものである。
【0070】
回線検出部54は、トーン送出・検出回路16の検出結果に応じて、親機1が公衆回線網と接続されたか否か判定するものである。すなわち、回線検出部54は、トーン送出・検出回路16からダイヤルトーンを検出した旨の検出結果を受信すると、公衆回線網と接続されたと判定する。このように公衆回線網と接続されたと判定すると、回線検出部54は、網制御部12およびトーン送出・検出回路16を制御して公衆回線網を通じて他の電話機と通話を行うことができるように回線設定を行う。また、回線検出部54は、親機1が公衆回線網に接続されたと判定すると、その判定結果をモード設定指示部51に送信するものでもある。なお、この回線検出部54とトーン送出・検出回路16とによって、本発明の回線検出手段を実現する。
【0071】
(デモモード)
上記した構成を備えた親機1において設定されるデモモードについて図5から図7を参照してより詳細に説明する。図5は、本発明の実施形態を示すものであり、親機1におけるデモモードを説明する図である。図6は、本発明の実施形態を示すものであり、デモモードにおいて子機2との間で無線通信可能な状態となった場合について説明する図である。図7は、デモモードが終了し、コードレステレフォン100の通常の使用状態、すなわち通常モードへと設定モードが移行する場合を示す図である。
【0072】
本実施の形態に係るコードレステレフォン100の親機1では、上述したように、電源がONされ所定時間経過するまでの間に回線検出部54から、親機1が公衆回線網に接続された旨の判定結果を受付けなかった場合、モード設定指示部51は、親機無線処理部21の起動を停止させ、親機記憶装置25に記憶されたデモモード用データを読出し、親機表示部19に表示させデモモードに設定変更するように構成されている。
【0073】
親機1は、デモモードに設定変更されると、親機1と子機2との間の通信を確立させるための電波の出力を停止させる。そして、図5に示すようにデモ動作と回線検出動作とを1セットとし、このセットを定期的に繰返す。
【0074】
なお、回線検出動作とは、親機1が公衆回線網に接続されたか否かを調べるために回線の検出を行う動作であり、トーン送出・検出回路16の検出結果に基づき親機主制御部22の回線検出部54により回線の検出有無が判断される。
【0075】
このようにデモモードにおいて、デモ動作と回線検出動作とのセットが繰返されている状態において、ユーザが親機1の送受話器13を持ち上げると、フック検出回路18は、オフフックされた旨を検出し、検出結果を親機主制御部22に送信する。
【0076】
親機主制御部22では、フック検出回路18による検出結果をモード変更監視部52が受信し、モード設定指示部51に対して、親機無線処理部21を起動させるように指示する。この指示に応じて、親機無線処理部21は、子機2との無線通信を開始できるように電波を出力する(図6参照)。
【0077】
ユーザによって持ち上げられた送受話器13が元の位置にもどされ、フック検出回路18がオンフックされた旨を検出すると、この検出結果をモード変更監視部52に送信する。モード変更監視部52は、フック検出回路18からオンフックされた旨の検出結果を受信すると、電波を出力させる時間を一定時間(3分)に設定する。そして、オンフックされた時点から設定した3分間の経過を監視するように時間設定監視部53に指示する。
【0078】
時間設定監視部53が3分間経過したと判定すると、その旨をモード変更監視部52に通知する。モード変更監視部52は、時間設定監視部53からの通知に応じて、無線通信を停止させ、デモ動作と回線検出動作とのセットを繰返すようにモード設定指示部51に指示する。
【0079】
モード設定指示部51は、モード変更監視部52からの指示に応じて、親機無線処理部21の起動を停止させ、デモ動作と回線検出動作とを実行させる。すなわち、図5に示すように、無線通信を停止させ、デモ動作と回線検出動作とのセットを繰返す。
【0080】
以上のようにして、デモモードに設定されている場合であっても、送受話器13のオフフックおよびオンフックによって、一定期間、電波を出力し、子機2との無線通信を行うことができる。
【0081】
なお、デモモード設定中に公衆回線網と接続され回線設定がなされると図7に示すように親機1の動作モードはデモモードから通常モードに移行するようになっている。すなわち、回線検出動作において、トーン送出・検出回路16がダイヤルトーンを検知すると、回線検出部54は、親機1が公衆回線網に接続されたと判定する。そして、モード設定指示部51に、親機1の動作モードをデモモードから通常モードに変更するように指示する。
【0082】
モード設定指示部51は、回線検出部54からの指示に応じて、親機表示部19に表示させている親機1の機能の特徴を説明する表示を停止させるとともに、親機無線処理部21を起動させ子機2に対して電波を出力するように制御する。
【0083】
(デモモードの処理フロー)
上記した構成を有するコードレステレフォン100において、デモモードにおける親機1の処理の流れについて図8に示すフローチャートを参照して説明する。図8は、本発明の実施形態を示すものであり、デモモードにおける親機1の処理フローを示すフローチャートである。
【0084】
まず前提として親機1は、電源がオンされ所定時間経過したため、デモモードに設定されたものとする。デモモードに設定されると、親機1では、デモ動作を実行するため、モード設定指示部51が、親機無線処理部21に指示して電波の出力をOFFさせる(ステップS11、これ以降S11と称する)。さらにモード設定指示部51は、親機表示部19にデモ用データに基づく表示を行うように制御する。
【0085】
次いで、回線検出動作として、回線検出部54が、トーン送出・検出回路16による検出結果に基づき、ダイヤルトーンの検出があったか否か判定する。すなわち、親機1が公衆回線網に接続されるように回線設定がなされたか否か判定する(S12)。ここで、回線検出部54が、親機1が公衆回線網に接続されるように回線設定されていると判定した場合(ステップS12において「YES])、モード設定指示部51は、デモモードから通常モードへと移行させる(S19)。一方、ステップS12において「NO」の場合、モード変更監視部52は、フック検出回路18による検出結果から、送受話器13が持ち上げられオフフックされたか否かする監視する。
【0086】
モード変更監視部52が、親機1がオフフック状態に無いと判定している間(ステップS13において「NO」)は、ステップS12から処理を繰返す。
【0087】
一方、モード変更監視部52が、親機1がオフフックされたと判定すると(ステップS13において「YES」)、その判定結果をモード設定指示部51に通知する。モード設定指示部51は、モード変更監視部52からの通知に応じて、親機無線処理部21を起動させ電波をONする(S14)。
【0088】
さらに、モード変更監視部52が、フック検出回路18から受信した検出結果に基づき、オンフックされたか否か判定する(S15)。すなわち、モード変更監視部52は、親機1がオンフック状態に無いと判定している間(ステップS15において「NO」)、オンフックされるのを待ち受ける。
【0089】
ここで、モード監視部52が、オンフックされたと判定した場合(S15において「YES」)、オンフックされた時点を起点に一定時間(3分間)を設定する(S16)。そして、モード変更監視部52は、時間設定監視部53に対して、その設定した時間の経過を計測するように指示する。この指示に応じて、時間設定監視部53は、一定時間の経過を監視する。
【0090】
ここで、時間設定監視部53が、一定時間経過しと判定した場合(S17において「YES」)、ステップS11に戻って処理を繰返す。
【0091】
一方、一定時間経過していない間では、モード変更監視部52が新たにオフフックされたか、フック検出回路18から送信される検出結果を監視する(S18)。この監視は、一定時間が経過するまで継続される。
【0092】
一定時間経過するまでに、モード変更監視部52が新たにオフフックされたと判定すると、すなわち、新たなオフフックを検出すると(S18において「YES」)、ステップS15に戻り、再度、オンフックされるのを待ち受ける。そして、モード変更監視部52が、オンフックされたと判定すると(S15において「YES」)、電波をONする一定時間を再設定しなおし(S16)、ステップS17においてこの再設定された一定時間の経過を時間設定監視部53が監視する。
【0093】
この再設定される一定時間としては、例えば、最初に設定した3分間から経過時間を差引いた残時間に、新たに3分を加えた時間とする。
【0094】
以上のように、本実施の形態に係るコードレステレフォン100では、デモモードに動作モードが設定されている場合、親機無線処理部21の起動を停止させ、親機1から子機2へ出力する電波をOFFする構成である。このため、店舗内において店員が利用するトランシーバの通信を妨害したり、親機1が消費する電力が大きくなったりすることを防ぐことができる。
【0095】
また、デモモードに動作モードが設定されている場合であっても、所定の入力(オフフックおよびオンフック)が検出された場合、一定期間、すなわち3分間だけ、親機無線処理部21を起動させ、子機2と無線通信可能とすることができる。このため、ユーザは、親機1と子機2との無線による通信状態、例えば、音声品質や受信感度等を実際に確かめることができる。
【0096】
ところで、上記した親機1では、デモモード中に、親機1と子機2との間で無線通信可能とする所定の入力としてオフフックおよびオンフックの場合を例に挙げて説明した。しかしながら、この所定の入力は、これに限定されるものではなく、入力操作部14による操作指示の入力であってもよい。このように構成される場合、親機1のデモモード設定処理に関するソフトウェア構成は、図9のようになる。図9は、本発明の実施形態を示すものであり、デモモード設定処理に関する親機1の別のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0097】
すなわち、親機1のデモモード設定中に、モード変更監視部52は、オフフックおよびオンフックの検出の有無の代わりに、入力操作部14からの操作指示の入力の有無を監視する点でのみ異なる。そして、デモモード設定中に、入力操作部14から操作指示の入力を検知すると、モード変更監視部52は、モード設定指示部51に対して、停止している親機無線処理部21の起動を指示する。
【0098】
なお、上記入力操作部14から入力される操作指示としては、子機2との内線電話を指示する操作指示であることが好ましい。そして、デモモードに設定されている親機1においてユーザが子機2との内線電話を試みようと内線ボタンを押下すると、親機1と子機2との間で無線通信が可能となるように構成されていることが好適である。つまり、デモモード設定中に子機2との無線による通信を確立させるために、複雑な入力を要求する構成の場合は、ユーザに多大な負担を強いることとなり不都合である。
【0099】
また、デモモード設定中において、一定期間だけ親機1と子機2との間で無線通信を確立させ通信を行うための所定の入力を、上記操作指示とする場合における、デモモード処理の流れは、図10に示すようになる。図10は、本発明の実施形態を示すものであり、デモモードにおける親機1の別の処理フローを示すフローチャートである。
【0100】
ステップS21からS22まで、ならびにS28の処理は図8に示すフローチャートのステップS11からS12まで、ならびにS19と同様であるため、その説明は省略する。ステップS22において、回線検出部54が、トーン送出・検出回路16による検出結果に基づき、ダイヤルトーンの検出がなかったと判定した場合、すなわち、親機1が公衆回線網に接続されるように回線設定がなされなかった場合、モード変更監視部52は、入力操作部14から子機2との内線電話を指示する操作指示(キー操作)を受付けたか否か判定する(S23)。モード変更監視部52は、入力操作部14からキー操作を受付けたと判定した場合(S23において「YES」)、その判定結果をモード設定指示部51に通知する。モード設定指示部51は、モード変更監視部52からの通知に応じて、親機無線処理部21を起動させ電波をONする(S24)。一方、モード変更監視部52が、入力操作部14からのキー操作を受付けていない間(ステップS23において「NO」)は、ステップS22から処理を繰返す。
【0101】
ステップS24において電波をONすると、モード変更監視部52は、電波をONしておく期間を設定する。すなわち、電波をONする一定時間の設定を行う(S25)。そして、モード変更監視部52は、時間設定監視部53に対して、その設定した時間の経過を計測するように指示する。この指示に応じて、時間設定監視部53は、一定時間の経過を監視する。ここで、時間設定監視部53が、一定時間経過しと判定した場合(S26において「YES])、ステップS21に戻って処理を繰返す。一方、一定時間経過していない間では、モード変更監視部52が、入力操作部14から新たなキー操作が入力されたか監視する(S27)。この監視は、一定時間が経過するまで継続される。
【0102】
一定時間経過するまでに、モード変更監視部52が新たなキー操作による入力を受付けたと判定すると(S27「YES」)、電波をONする一定時間を再設定しなおし(S25)、ステップS26においてこの再設定された一定時間の経過を時間設定監視部53が監視する。
【0103】
なお、上述の説明では、デモモード設定中に、親機1と子機2との間で無線通信可能とする所定の入力として、オフフックおよびオンフックの場合、あるいは、入力操作部14のキー操作により入力された操作指示である場合について説明したが、これに限るものではない。上記所定の入力として、オフフックおよびオンフックと、入力操作部14から入力された操作指示とを組み合わせたものであってもよい。例えば、図8に示すフローチャートにおいて、ステップS12の後にキー操作の有無を判定し、入力操作部14のキー操作による入力があった場合でかつ、オフフックされた場合(S13において「YES」の場合)に電波をONとする(S14)ように構成されていてもよい。
【0104】
また、上記所定の入力は、オフフックおよびオンフック、ならびに入力操作部14のキー操作による入力に限定されるものではない。例えば、所定の入力として、外部通信制御部20が、他の通信装置から赤外線を受光した場合、親機1と子機2との間の無線通信を一定時間だけ可能とする構成としてもよい。
【0105】
また、上述した親機1では、デモモード設定中に親機無線処理部21を停止させ、子機2に対して電波を出力させない構成であったが、外部通信制御部20も停止させ、赤外線による他の装置との通信も実行できないように構成してもよい。そして、このようにデモモード設定中に外部通信制御部20を停止させる構成において、所定の入力を受付けた場合に、外部通信制御部20を一定時間起動させるように構成してもよい。
【0106】
また、上述の説明では、親機1と子機2との間における無線通信をデモモード中に停止させる例について述べたが、親機1と子機2との関係ではなく、図11に示すように両者が、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)などを利用した無線通信により接続を確立できる、通信端末200・300であってもよい。そして、一方の通信端末(図11では通信端末200)がデモモード設定中の場合、上記無線通信による接続ができないように構成され、所定の入力に応じてのみ、一定時間だけ無線通信による接続か可能となるように構成してもよい。なお、図11は、本発明の他の実施形態を示すものであり、コードレステレフォン100における親機1と子機2との代わりに、異なる通信端末200・300を備えたシステムの一例を示す図である。
【0107】
また、上述の説明では、本実施の形態に係るコードレステレフォン100の親機1は、公衆回線網との接続の有無を、トーン送出・検出回路16のダイヤルトーンの検出に応じて判定する構成であった。しかしながら、回線検出部54が、網制御部12による回線の確立および切断に関する動作を監視し公衆回線網との接続の有無を判定する構成であってもよい。
【0108】
なお、コードレステレフォン100の各ブロック、特にコードレステレフォン100が備える親機1が有するモード設定指示部51、モード変更監視部52、時間設定監視部53、および回線検出部54は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0109】
すなわち、親機1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである親機1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記親機1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0110】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明に係る通信装置は、デモンストレーション動作の実行中、停止している他の通信装置との無線通信を所定期間だけ再開できる。このため、デモンストレーション動作中に、実行が制限されている通信の制限を一時解除する用途に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、デモモード設定処理に関する親機のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、コードレステレフォンの概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、子機の要部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態を示すものであり、親機の要部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、親機におけるデモモードを説明する図である。
【図6】本発明の実施形態を示すものであり、デモモードにおいて子機との間で無線通信可能な状態となった場合について説明する図である。
【図7】本発明の実施形態を示すものであり、デモモードが終了し、コードレステレフォンの通常の使用状態、すなわち通常モードへと設定モードが移行する場合を示す図である。
【図8】本発明の実施形態を示すものであり、デモモードにおける親機の処理フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態を示すものであり、デモモード設定処理に関する親機の別のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態を示すものであり、デモモードにおける親機の別の処理フローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態を示すものであり、コードレステレフォンにおける親機と子機との代わりに、異なる通信端末を備えたシステムの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0113】
1 親機(通信装置)
2 子機(他の通信装置)
12 網制御部
13 送受話器
14 入力操作部(電源指示受付け部・受付け部)
16 トーン送出・検出回路(回線検出手段)
18 フック検出回路(受付け部)
20 外部通信制御部(受付け部)
21 親機無線処理部(無線通信制御部)
22 親機主制御部
31 子機主制御部
32 子機入力操作部
33 子機記憶装置
37 子機無線処理部
51 モード設定指示部(実行指示手段)
52 モード変更監視部(入力判定手段)
53 時間設定監視部
54 回線検出部(回線検出手段)
100 コードレステレフォン
200 通信端末
300 通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置であって、
当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示するように動作するデモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線通信を停止させる実行指示手段と、
上記デモンストレーション動作の実行中に、所定の入力を受付けたか否かを判定する入力判定手段と、
上記入力判定手段が上記デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示手段は、停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
停止していた他の通信装置との無線通信を再開している間に、上記入力判定手段がさらに上記所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示手段は、他の通信装置との無線通信を再開させる期間を延長することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
当該通信装置において電源のオンを指示する指示情報を受付ける電源指示受付け部と、
上記公衆回線網との接続を検知する回線検知手段とを備え、
上記電源指示受付け部が上記指示情報を受付けてから所定期間経過するまでの間に上記回線検知手段が公衆回線網との接続を検知しなかった場合、上記実行指示手段は、デモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線による通信を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
外部からの入力指示を受付けるための受付け部を備え、
上記所定の入力とは、上記受付け部により受付けた上記入力指示を示す情報である入力指示情報であることを特徴とする請求項1から3に記載の通信装置。
【請求項5】
他の通信装置との無線通信を確立させるための無線通信制御部を備え、
上記実行指示手段は、上記入力判定手段が、上記デモンストレーション動作の実行中に上記所定の入力を受付けたと判定した場合、所定期間、上記無線通信制御部を起動させ、他の通信装置に対して電波を出力させることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
公衆回線網と接続可能であるとともに、該公衆回線網とは異なる通信経路により他の通信装置と無線通信可能な通信装置の制御方法であって、
当該通信装置が有する各種機能の特徴を顧客に提示するように動作するデモンストレーション動作の実行を指示するとともに、該デモンストレーション動作の実行に応じて他の通信装置との無線通信を停止させる実行指示ステップと、
上記デモンストレーション動作の実行中に、所定の入力を受付けたか否かを判定する入力判定ステップと、
上記入力判定ステップにおいて、上記デモンストレーション動作の実行中に所定の入力を受付けたと判定した場合、上記実行指示ステップで停止された他の通信装置との無線通信を、所定の期間だけ再開させる再開指示ステップとを含むことを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置の各手段として機能させるための通信装置の制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の通信装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−45713(P2010−45713A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209701(P2008−209701)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】