説明

通信装置の機能評価方法及び通信装置の機能評価システム

【課題】相手先装置との間で行われる同期的な通信を含む複数の機能の評価を効率よく進めることができる通信装置の機能評価方法を提供する。
【解決手段】第1情報処理装置PC1は、評価リストL1から順次評価項目Cを抽出する抽出ステップS101と、抽出評価項目に基づいて機能評価を行う評価実行ステップS113、S122、S133と、抽出評価項目が通信評価項目であるかを判断する第1判断ステップS103と、PC2〜4に対してMFP2〜4が相手先装置となり得るかを問う問い合わせステップS104と、PC2〜4からの応答に基づいてMFP2〜4のいずれかを相手先装置として通信評価項目を実行するために、評価順序情報Nや評価タイミング情報Tを調整する調整ステップS106、S107、S109、S125とを備える。評価順序情報N等が調整されると、抽出ステップS101は、調整後の評価リストL1を抽出対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置の機能評価方法及び通信装置の機能評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複写機の機能調整方法の一例が開示されている。この機能調整方法は、複写機の組み立てライン等において、複写機能に関わるコピー調整、プリント調整、アナログゲイン調整等の複数個の調整項目毎にシミュレーションを実行して、複写機の機能調整を実施するものである。
【0003】
上記機能調整方法では、調整項目毎に、その調整に必要な複数の調整作業をそれぞれ何番目に実行するかという順序情報(シミュレーションの順序情報)を予め設定して記憶部に記憶させている。そして、作業者の入力によって任意の調整項目が指定されると、記憶部において、その指定されている調整項目に対応付けて記憶されたシミュレーションの順序情報を参照し、その順序情報に従って、調整作業を順次実行するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−127574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、装置の備える機能が正しく動作するかを評価することが、装置の開発過程で行なわれている。このような評価においても、上記のようなシミュレーションの手法が取り入れられ、予め評価する項目の順序を決めておき、その順序情報に従って評価を行なうことが可能である。ここで、評価する装置が、相手先装置との間で行われる同期的な通信機能(例えば、ファクシミリ機能)を含む複数の機能を備える通信装置である場合、その通信装置の各機能の評価を順序情報に従って実施しようとすると、下記のような不具合が生じ得る。
【0006】
すなわち、評価項目の中には、自装置内で完結できるものと、相手先装置との通信を行なわなければ評価できないものとが存在する。そのため、ある通信装置において、記憶部に記憶されている順序情報に従って各機能の評価を実施すると、相手先装置との間で行われる同期的な通信機能を評価するタイミングが来る。この時、たまたま相手先装置となる通信装置が作動していない状況であったり、相手先装置となる通信装置が作動しているが他の機能の評価を実施中であるため、相手先装置となり得ない状況であったりする可能性がある。その場合、通信装置の機能の評価を順序情報通りに継続できなくなったり、待機状態が長く続いたりすることになる。その結果、機能の評価中において、相手先装置を必要なときに確保できずに時間を浪費するという不具合が生じることとなり、各機能の評価を効率よく進めることが難しくなる。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、相手先装置との間で行われる同期的な通信を含む複数の機能の評価を効率よく進めることができる通信装置の機能評価方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信装置の機能評価方法は、相手先装置との間で行われる同期的な通信である二者間通信を含む複数の機能を備える第1通信装置と接続され、前記第1通信装置の前記機能の評価を実行可能な第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置とネットワークを介して接続され、前記二者間通信を含む複数の前記機能を備える第2通信装置と接続され、前記第2通信装置の前記機能の評価を実行可能な第2情報処理装置とを備えた通信システムで実行される通信装置の機能評価方法であって、
前記第1情報処理装置は、前記機能に対応する複数個の評価項目に対し、評価順序情報及び/又は評価タイミング情報を設定した評価リストから順次前記評価項目を抽出して抽出評価項目とする抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記抽出評価項目に基づいて、前記機能の評価を実行する評価実行ステップと、を備え、
さらに、前記抽出ステップにより抽出された前記抽出評価項目が前記二者間通信に関する前記評価項目である通信評価項目であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記抽出評価項目が前記通信評価項目であると第1判断ステップにおいて判断された場合、前記第2情報処理装置に対して、前記第2通信装置が前記二者間通信の前記相手先装置となり得るか否かの問い合わせを行う問い合わせステップと、
前記問い合わせステップによる問い合わせに対して、前記第2情報処理装置から返信される応答情報に基づいて、前記第2通信装置を前記相手先装置として前記通信評価項目を実行するために、前記評価リストにおける前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報を調整する調整ステップとを備え、
前記調整ステップにより、前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報が調整された場合、前記抽出ステップは、その調整後の前記評価リストを抽出対象とすることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の通信装置の機能評価方法によれば、相手先装置を必要とする通信評価項目が評価リストにある場合、第1情報処理装置は、第2情報処理装置に対して、第2通信装置が相手先装置となり得るかの問い合わせを行う。そして、第1情報処理装置は、第2情報処理装置からの応答情報に基づいて、第2通信装置を相手先装置として通信評価項目の評価を実行できるように評価順序情報及び/又は評価タイミング情報を調整する。このため、相手先装置を必要とする通信評価項目を実行する際に、相手先装置を確保できずに時間を浪費するというような不具合が生じ難い。したがって、相手先装置との間で行われる同期的な通信を含む複数の機能の評価を効率よく進めることができる。
【0010】
ここで、第1、2情報処理装置は入れ替えて考えられ得る。また、第1情報処理装置は、複数台の第2情報処理装置とネットワークを介して接続され得る。
【0011】
本発明の通信装置の機能評価方法において、応答情報には、第2情報処理装置で実行されている機能の評価についての評価リストに係る通信評価項目に対応する評価順序情報及び/又は評価タイミング情報が含まれており、調整ステップは、応答情報に含まれる評価順序情報及び/又は評価タイミング情報に基づいて、第1情報処理装置の評価リストにおける通信評価項目の評価順序情報及び/又は評価タイミング情報を調整することが望ましい(請求項2)。
【0012】
この場合、調整ステップは、相手先装置となる第2通信装置(第2情報処理装置)における通信評価項目の実施予定タイミングに基づいて、第1情報処理装置で実行する通信評価項目の順序変更やタイミングの変更を行う。例えば、相手先装置の通信評価項目の実施予定タイミングが第1通信装置よりも遅い場合、それに合わせて第1情報処理装置の第1通信装置で実行する通信評価項目の実施予定タイミングを遅らせたり、待ち時間中に他の評価項目を評価したりすることができる。このため、第1通信装置と第2通信装置との間で、通信評価項目の評価を効率よく進めることができる。
【0013】
上記の構成において、第1情報処理装置は、複数台の第2情報処理装置と接続されており、問い合わせステップでは、各第2情報処理装置に対して問い合わせを行い、調整ステップは、各第2情報処理装置から返信される応答情報に含まれる評価タイミング情報を比較して、第1情報処理装置に係る通信評価項目を最も早く実施できるように、複数台の第2情報処理装置のうちの1台を選定する選定ステップを含むことが望ましい(請求項3)。
【0014】
この場合、分散処理的に通信装置の評価を行う各情報処理装置間での評価リストの評価項目の調整を適切に実施して、通信評価項目の評価を効率よく進めることができるとともに、通信システム全体としても各機能の評価を効率よく進めることができる。
【0015】
本発明の通信装置の機能評価方法において、第2情報処理装置は、第1情報処理装置から、第2通信装置が二者間通信の相手先装置となり得るか否かの問い合わせを受けたことを検出する第1検出ステップと、第1検出ステップにおいて問い合わせを受けたことが検出された場合、第2情報処理装置で実行されている機能の評価についての評価リストに、問い合わせに係る相手先装置となり得る通信評価項目が含まれるか否かを判断する第2判断ステップと、第2判断ステップにおいて、評価リストに相手先装置となり得る通信評価項目が含まれていないと判断された場合、評価リストに相手先装置となり得る通信評価項目を新たに追加した上で、第1情報処理装置に対して、相手先装置となり得る旨の応答情報を返信する返信ステップとを備えることが望ましい(請求項4)。
【0016】
この場合、第2情報処理装置は、第1通信装置に係る評価リストの通信評価項目に対応するように、第2通信装置に係る評価リストに通信評価項目を新たに追加した上で、第1情報処理装置に対して応答情報を返信する。このため、第1通信装置と第2通信装置との間で、通信評価項目の評価を一層効率よく進めることができ、通信システム全体としても各機能の評価を効率よく進めることができる。
【0017】
上記の構成では、返信ステップにおいて、第1情報処理装置に対して相手先装置となり得る旨の応答情報を返信した後、第1情報処理装置から送信される通信評価項目の開始コマンド又は中止コマンドを検出する第2検出ステップを備え、第2検出ステップにおいて、開始コマンド又は中止コマンドが検出されるまで、通信評価項目の評価を待機することが望ましい(請求項5)。
【0018】
この場合、第2情報処理装置は、第1情報処理装置から開始コマンドが送信されたタイミングで、直ちに、通信評価項目の評価を開始することができる。すなわち、第1情報処理装置に対して応答情報を返信した後は、他の評価項目の評価を行うことなく、待機中となっている。したがって、第1情報処理装置からの開始コマンドを検出した場合には、直ちに通信評価項目の評価に移行することができ、第1通信装置と第2通信装置との間で、通信評価項目の評価をより一層効率よく進めることができる。
【0019】
また、第1情報処理装置における通信評価項目の評価開始時間を開始コマンドに付加して、第2情報処理装置がその評価開始時間に基づいて、通信評価項目の評価を開始することもできる。
【0020】
本発明の通信装置の機能評価システムは、相手先装置との間で行われる同期的な通信である二者間通信を含む複数の機能を備える第1通信装置と接続され、前記第1通信装置の前記機能の評価を実行可能な第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置とネットワークを介して接続され、前記二者間通信を含む複数の前記機能を備える第2通信装置と接続され、前記第2通信装置の前記機能の評価を実行可能な第2情報処理装置とを備えた通信システムが有する通信装置の機能評価システムであって、
前記第1情報処理装置は、前記機能に対応する複数個の評価項目に対し、評価順序情報及び/又は評価タイミング情報を設定した評価リストから順次前記評価項目を抽出して抽出評価項目とする抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記抽出評価項目に基づいて、前記機能の評価を実行する評価実行手段と、を備え、
さらに、前記抽出手段により抽出された前記抽出評価項目が前記二者間通信に関する前記評価項目である通信評価項目であるか否かを判断する第1判断手段と、
前記抽出評価項目が前記通信評価項目であると第1判断手段において判断された場合、前記第2情報処理装置に対して、前記第2通信装置が前記二者間通信の前記相手先装置となり得るか否かの問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせに対して、前記第2情報処理装置から返信される応答情報に基づいて、前記第2通信装置を前記相手先装置として前記通信評価項目を実行するために、前記評価リストにおける前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報を調整する調整手段とを備え、
前記調整手段により、前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報が調整された場合、前記抽出手段は、その調整後の前記評価リストを抽出対象とすることを特徴とする(請求項6)。
【0021】
このような構成である本発明の通信装置の機能評価システムによれば、上記と同様に、相手先装置との間で行われる同期的な通信を含む複数の機能の評価を効率よく進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施例)
本実施例の通信装置の機能評価方法は、図1に示す通信システム100において実施される。通信システム100は、第1、2情報処理装置の具体的態様であるパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」と呼ぶ。)がネットワーク接続されたものである。本実施例では、LAN(Local Area Network)等のネットワーク5に、4台のPC1、PC2、PC3、PC4が接続されているものとして、以下の説明を行う。
【0024】
各PC1〜4は、CPUやRAM等を有する情報処理部と、HDD(Hard Disk Drive)と、ディスプレイと、入力部と、ネットワーク接続に用いられるLANアダプタ等のNIC(Network Interface Card)と、CD−ROMに記憶されたデータを読み出すCD−ROMドライブとを備え、これらの各構成要素が内部バスを介して相互に通信可能に接続された周知の構成のものである。
【0025】
各PC1〜4のそれぞれには、シリアルケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して、多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す。)MFP1、MFP2、MFP3、MFP4が接続されている。
【0026】
各MFP1〜4は、プリンタ機能、スキャン機能、コピー機能、FAX送受信機能、電話機能等の複数の機能を備えており、本発明の第1、2通信装置に相当するものである。FAX送受信機能及び電話機能は、同じ機能を備える他の通信装置(以下、「相手先装置」と呼ぶ。)との間で行われる同期的な通信である二者間通信の機能である。一方、プリンタ機能、スキャン機能及びコピー機能は、相手先装置を必要としない単独で実行可能な機能である。
【0027】
PC1は、以下に詳述する通り、図2〜図4に示す「機能評価」ルーチン(S101〜S136)及び図5に示す評価リストL1により、MFP1の各機能の評価を実行するものである。PC1及びMFP1は、1つのテスト環境を構成している。PC2〜4のそれぞれも、図2〜図4に示す「機能評価」ルーチン(S101〜S136)及び評価リスト(図5に示す評価リストL1と類似のものであるが、評価項目C、評価順序情報N又は評価タイミング情報が相違し得る)により、MFP2〜4の各機能の評価を実行するものである。PC2及びMFP2、PC3及びMFP3並びにPC4及びMFP4も、PC1及びMFP1と同様に、それぞれが1つのテスト環境を構成している。すなわち、本実施例の通信システム100では、分散処理により、PC1〜PC4のそれぞれがMFP1〜4の機能の評価を実行するようになっている。そして、MFP1〜4のいずれか1台について、二者間通信の機能の評価を実行する際には、MFP1〜4の他の1台が相手先装置とされる。
【0028】
以下、図2〜図4に示す「機能評価」ルーチン及び図5に示す評価リストL1を参照しつつ、MFP1〜4の機能の評価方法について詳述する。図2〜図4に示す「機能評価」ルーチンのプログラム及び図5に示す評価リストL1は、PC1〜4のHDD内のプログラムファイルやレジストリに格納される。そして、PC1〜4のそれぞれがMFP1〜4の各機能の評価を開始すると、情報処理部のCPUが評価リストを読み出して、「機能評価」ルーチン(S101〜S136)を順次実行する。以下、PC1を主体に説明する。
【0029】
図5に示すように、評価リストL1は、MFP1のプリンタ機能、スキャン機能、コピー機能、FAX送受信機能及び電話機能等の複数の機能に対応する複数個の評価項目Cに対し、評価順序情報N及び評価タイミング情報Tを設定したものである。図5は、説明を簡略化するための一例であり、実際の評価リストL1は、より多数の評価項目とそれに対応するより詳細な評価順序情報及び評価タイミング情報を有し得る。
【0030】
図5の例において、評価項目Cとしての「FAX送信機能の評価」及び「FAX受信機能の評価」は、MFP1と相手先装置(MFP2〜4のいずれか1台)との間で行われる同期的な通信である二者間通信の機能を評価するものである。すなわち、PC1がMFP1について「FAX送信機能の評価」を実行する際には、同期的に、PC2〜PC4のいずれか1台が、MFP2〜4のいずれか1台に対する「FAX受信機能の評価」を実行する必要がある。また、PC1がMFP1について「FAX受信機能の評価」を実行する際には、同期的に、PC2〜PC4のいずれか1台が、MFP2〜4のいずれか1台に対する「FAX送信機能の評価」を実行する必要がある。一方、評価項目Cとしての「FAX番号登録機能の評価」、「通信レポート印刷機能の評価」及び「FAX番号登録機能の評価」は、相手先装置を必要としない単独で実行可能な機能を評価するものである。すなわち、PC2〜PC4及びMFP2〜4の状況に関係なく、それらの評価を実行できる。
【0031】
図5の評価項目Cのそれぞれについて、評価順序情報Nとして実施順序が定められており、また、評価タイミング情報Tとして所要時間や開始予定時刻が定められている。
【0032】
PC1の情報処理部のCPUが「機能評価」ルーチンを開始すると、図2に示すように、ステップS101において、評価リストL1から全ての評価項目を抽出したか否かを判断する。
【0033】
ステップS101において「Yes」の場合、MFP1について行うべき各機能の評価が全て完了したことを意味するので、このルーチンを終了する。一方、ステップS101において「No」の場合、ステップS102に移行する。
【0034】
ステップS102では、評価順序情報Nで定められた順序に従って、評価リストL1から1つの評価項目Cを抽出して抽出評価項目とする。
【0035】
次に、ステップS103に移行して、抽出評価項目が二者間通信に関する評価項目である通信評価項目であるか否かを判断する。図5の例において、「FAX送信機能の評価」及び「FAX受信機能の評価」が通信評価項目に相当する。
【0036】
ステップS103において「No」の場合、図3に示すステップS121に移行する。一方、ステップS103において「Yes」の場合、ステップS104に移行して、PC2〜4に対して、MFP2〜4が二者間通信の相手先装置となり得るか否かの問い合わせを行う。図5の評価リストL1の例では、評価順序2の「FAX送信機能の評価」が抽出評価項目として抽出された時点で、ステップS103が「Yes」と判断される。
【0037】
ここで、図8に、PC1〜4において送受信されるコマンドの種別、及びその具体的内容を示す。上記ステップS104で使用されるコマンドは、図8中のパターン1に基づくコマンドである。パターン1のコマンドは、FAX受信(送信)機能評価の実施可否の問い合わせを示すものであり、パラメータとして、要求内容(相手先装置で実施してほしい評価項目としての送信又は受信)、要求時刻(PC1側が相手先装置に送信又は受信を実施してほしい希望時刻)等の情報が添付される。また、図9の模式図に示されるように、パターン1のコマンドは、PC1から3台のPC2〜4のそれぞれに対して送信される。
【0038】
次に、ステップS105に移行して、PC1からの問い合わせに対して、PC2〜4から応答情報が返信されたか否かを判断する。ステップS105で使用されるコマンドは、図8中のパターン2に基づくコマンドである。パターン2のコマンドは、パターン1による要求を受けた場合の回答「OK」又は「NG」を示すものであり、「OK」の場合には、パラメータとして、実行可能時刻、自装置の電話番号、及び受付番号等の情報が添付される。また、図9の模式図に示されるように、パターン2のコマンドは、3台のPC2〜4のそれぞれからPC1に対して送信される。なお、パラメータに含まれる受付番号は、どのPCからどの応答情報が送信されてきたかを識別するための番号である。
【0039】
例えば、図9の例では、MFP2、3が相手先装置となり得る場合を示している。この場合、PC2、3からの応答コマンドのパラメータは「OK」となる。また、他のパラメータとして、PC2、3で実行されているMFP2、3の各機能の評価において、PC1からの問い合わせに対応する通信評価項目の評価タイミング情報(実施可能時刻)やMFP2、3の電話番号、受付番号の情報が添付される。また、図9の例では、MFP4が相手先装置となり得ない場合を示している。この場合、PC4からの応答コマンドのパラメータは「NG」となる。なお、MFP2〜4から返信がない場合(未回答)もあり得る。
【0040】
ステップS105において「No」の場合、すなわち、応答情報が返信されない場合、ステップS106に移行して、通信評価項目である抽出評価項目を未実施として、ステップS101に戻る。この際、未実施となった抽出評価項目に係る評価順序情報Nや評価タイミング情報Tを調整して、評価リストL1の後方に移動させてもよい。
【0041】
一方、ステップS105において「Yes」の場合、ステップS107に移行して、PC2〜4からの応答情報の内容を比較する。そして、PC1における抽出評価項目(通信評価項目)を最も早く実施可能な相手をPC2〜4の中から選択する。ここでは、PC2〜4の中からPC3を選択したものとして、以下の説明を行う。
【0042】
次に、ステップS108に移行して、PC3からの応答情報に基づいて、抽出評価項目(通信評価項目)の実施予定時刻を予想した場合に、その実施予定時刻が現在のPC1における抽出評価項目の次に実施される評価項目の実施予定時刻よりも早いか否かを判断する。
【0043】
ステップS108において「Yes」の場合、ステップS111に移行する。すなわち、抽出評価項目(通信評価項目)の実施予定時刻が、次に実施される評価項目の実施予定時刻よりも早い場合、PC3との間で評価を実施することを決定し、選択しなかった応答先であるPC2、4に中止コマンドを送信して、中止の連絡を行う。ステップS111で使用されるコマンドは、図8中のパターン3に基づくコマンドである。パターン3のコマンドは、パターン2の応答コマンドを送信してきたPCに対して送信されるものであり、FAX受信(送信)機能評価の中止を示すものである。パラメータとして、応答コマンドに添付されていた受付番号が添付される。また、図9の模式図に示されるように、パターン3のコマンドは、PC2、4の2台に対してPC1から送信される。
【0044】
次に、ステップS112に移行して、選択した応答先であるPC3に実施コマンドを送信して、実施の連絡をする。そして、ステップS113に移行して、抽出評価項目(通信評価項目)について評価を実行する。ステップS113で使用されるコマンドは、図8中のパターン4に基づくコマンドである。パターン4のコマンドは、S107において選択されたPC3に対して送信されるものであり、FAX受信(送信)機能評価の実施を示すものである。パラメータとして、PC3からの応答コマンドに添付されていた受付番号、実施する要求内容(送信又は受信)、実施時刻(PC3からの応答コマンドに添付された実行可能時刻)、及びMFP1の電話番号等が添付される。また、図9の模式図に示されるように、パターン4のコマンドは、PC1からPC3に対して送信される。
【0045】
次に、ステップS113に移行して、通信評価項目の評価を行う。本実施例では、PC1のMFP1とPC3のMFP3との間で評価を行う。評価を実行するタイミングは、パターン4のコマンドに添付された実施時刻に基づいて決定される。
【0046】
例えば、通信評価項目が「FAX送信機能の評価」であれば、実施コマンドに添付された実施時刻の情報に基づいて、PC1がMFP1を制御して、相手先装置となるMFP3に対して予め用意されている評価用のFAXデータを送信させる。この際、PC1は、MFP1のFAXデータの送信状況を検査して、MFP1のFAX送信機能を評価する。これに同期して、相手先装置となるMFP3は、MFP1から送信されたFAXデータを受信する。この際、PC3は、MFP3のFAXデータの受信状況を検査して、MFP3のFAX受信機能を評価する。こうして、双方で、「FAX送信機能を評価」及び「FAX受信機能を評価」を同期的に実行できる。
【0047】
次に、ステップS114に移行して、選択した応答先であるPC3との間で、検査結果を送受信する。ステップS114で使用されるコマンドは、図8中のパターン5に基づくコマンドである。パターン5のコマンドは、通信評価項目を同期して実行した装置同士(本実施例ではPC1とPC3)で送受信され、評価の完了とその結果を示すものである。パラメータとして、受付番号、評価の結果(OKあるいはNG)等の情報が送受信される。また、図9の模式図に示されるように、パターン5のコマンドは、PC1とPC3との間で送受信される。こうして、抽出評価項目(通信評価項目)についての評価が完了するとステップS101に戻って、上記処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップS108において「No」の場合、すなわち、抽出評価項目(通信評価項目)の実施予定時刻が、次に実施される評価項目の実施予定時刻よりも遅い場合、ステップS109に移行して、評価リストL1における抽出評価項目(通信評価項目)に係る評価順序情報Nや評価タイミング情報Tを調整して、評価リストL1の後方に移動させる。これは、相手先装置における通信評価項目の実施予定時刻から判断した場合に、直ちに評価を開始できなければ、他の評価項目を先に実行するというものである。具体的に、評価リストL1の評価順序を入れ替えて、MFP1では他の評価を先に実行しておくことで、時間の無駄なく評価を実施することができる。
【0049】
図6に、評価順序情報Nや評価タイミング情報Tを調整した後の評価リストL1の例を示す。調整箇所に枠を付して示すように、図5で評価順序2の「FAX送信機能の評価」と図5で評価順序3の「FAX受信機能の評価」の順序を、図6では入れ替えている。
【0050】
そして、ステップS110に移行して、全ての応答先であるPC2〜4に対して、抽出評価項目(通信評価項目)の評価を中止する旨を連絡した後、ステップS101に戻る。ここでPC2〜4に送信されるコマンドは、図8中のパターン2のコマンドである。そして、ステップS101では、調整後の評価リストL1が抽出対象となる。したがって、図6の例では、PC1は、評価順序2の「FAX送信機能の評価」を抽出評価項目として、上記と同様の処理を継続することになる。
【0051】
このように、PC1は、PC2〜P4に対して通信評価項目についての要求を行い、PC2〜4からの応答情報に基づいて適宜調整した評価リストL1に従って、MFP1の各機能の評価を効率よく実行することができる。
【0052】
なお、上記ステップS101〜S114では、PC1が第1情報処理装置に相当し、MFP1が第1通信装置に相当し、PC2〜4が第2情報処理装置に相当し、MFP2〜4が第2通信装置に相当する。また、PC2〜4も第1情報処理装置となり得るものであり、MFP2〜4も第1通信装置となり得る。
【0053】
一方、次に説明するステップS121〜S136では、PC1が第2情報処理装置に相当し、MFP1が第2通信装置に相当する場合であり、PC2〜4のいずれか1台が第1情報処理装置に相当し、MFP2〜4のいずれか1台が第1通信装置に相当する場合である。
【0054】
ステップS103から図3に示すステップS121に移行すると、PC1に対してPC2〜4のいずれか1台から、MFP1が二者間通信の相手先装置となり得るか否かの問い合わせを受けたか否かを判断する。この問い合わせは、PC2〜4のいずれか1台において実行される「機能評価」ルーチンのステップS104に対応するものである。
【0055】
ステップS121において「No」の場合、ステップS122に移行して、通信評価項目でない抽出評価項目について評価を実行した後、ステップS101に戻る。
【0056】
一方、ステップS121において「Yes」の場合、ステップS123に移行して、評価リストL1を参照し、問い合わせの対象となる通信評価項目があるかを確認し、ステップS124に移行して、問い合わせの対象となる通信評価項目があるか否かを判断する。
【0057】
ステップS124において「Yes」の場合、MFP1が二者間通信の相手先装置となり得ることを意味するので、ステップS127に移行して、問い合わせをしたPC2〜4のいずれか1台に、「OK」という応答情報を返信する。ここで、使用されるコマンドは、図8におけるパターン2のコマンドである。その後、図4に示すステップS131に移行する。
【0058】
一方、ステップS124において「No」の場合、ステップS125に移行して、問い合わせの対象となる通信評価項目を評価リストL1に追加する。例えば、図5に示す評価リストL1に基づいてPC1がMFP1の評価を実行している場合において、評価順序が2、3番目である「FAX送信機能の評価」及び「FAX受信機能の評価」という評価項目について評価が完了した後に、PC1に対してPC2〜4のいずれか1台から、MFP1が「FAX送信機能の評価」の相手先装置となり得るか否かの問い合わせがあったと仮定する。そうすると、問い合わせの対象となる通信評価項目が評価リストにない。このため、PC1は、ステップS125において、評価リストL1の最後に、「FAX受信機能の評価」という通信評価項目を追加する。図7に、「FAX受信機能の評価」という通信評価項目を追加した後の評価リストL1を示す。なお、評価スケジュールの都合上、ステップS125において、問い合わせの対象となる通信評価項目を評価リストLに追加できない場合もあり得る。
【0059】
次に、ステップS126に移行して、問い合わせの対象となる通信評価項目を評価リストL1に追加できたか否かを判断する。
【0060】
ステップS126において「Yes」の場合、ステップS127に移行する。ステップS127における処理は上述した通りである。その後、図4に示すステップS131に移行する。
【0061】
一方、ステップS126において「No」の場合、MFP1が二者間通信の相手先装置となり得ないことを意味するので、ステップS128に移行して、問い合わせをしたPC2〜4のいずれか1台に、「NG」という応答情報を返信する。ここで、使用されるコマンドは、図8におけるパターン2のコマンドである。その後、ステップS101に戻る。
【0062】
ステップS127から図4に示すステップS131に移行すると、PC1に対して問い合わせをしたPC2〜4のいずれか1台から、通信評価項目の実施コマンド又は中止コマンドが送信されてくるまで待機する。この実施コマンド又は中止コマンドは、図8におけるパターン3又は4のコマンドであり、PC2〜4のいずれか1台において実行される「機能評価」ルーチンのステップS111、S112に対応するものである。そして、ステップS132に移行して、通信評価項目の実施コマンドか来たか否かを判断する。
【0063】
ステップS132において「Yes」の場合、ステップS133に移行して、MFP1と、MFP2〜4のいずれか1台との間で、通信評価項目の評価を実行する。この処理は、PC2〜4のいずれか1台において実行される「機能評価」ルーチンのステップS113に対応するものであり、先に詳述した通りである。
【0064】
次に、ステップS133に移行して、通信評価項目の評価の要求元であるPC2〜4のいずれか1台との間で、検査結果を送受信する。この処理は、PC2〜4のいずれか1台において実行される「機能評価」ルーチンのステップS114に対応するものであり、先に詳述した通りである。その後、ステップS101に戻る。
【0065】
一方、ステップS132からステップS135に移行すると、通信評価項目の中止コマンドか来たか否かを判断する。ステップS135において「Yes」の場合、ステップS136に移行して、通信評価項目の評価を行うための待機状態を解除して、ステップS101に戻る。したがって、評価リストL1に未評価の項目があれば、それらの評価を続けて実行する。
【0066】
一方、ステップS135において「No」の場合、ステップS131に戻って、待機状態を継続する。
【0067】
このように、PC1は、PC2〜P4からの通信評価項目に関する要求に基づいて適宜調整した評価リストL1に従って、MFP1の各機能の評価を実行することができる。説明は省略したが、PC2〜4のそれぞれも、同様にして、MFP2〜4の各機能の評価を実行することができる。
【0068】
<発明特定事項との対応関係>
ステップS101が、評価リストL1から順次評価項目Cを抽出して抽出評価項目とする抽出ステップに相当する。
【0069】
ステップS113、S122、S133が、抽出ステップS101により抽出された抽出評価項目に基づいて、機能の評価を実行する評価実行ステップに相当する。
【0070】
ステップS103が、抽出ステップS101により抽出された抽出評価項目が通信評価項目であるか否かを判断する第1判断ステップに相当する。
【0071】
ステップS104が、評価項目Cが通信評価項目であると第1判断ステップS103において判断された場合、第2情報処理装置に対して、第2通信装置が二者間通信の相手先装置となり得るか否かの問い合わせを行う問い合わせステップに相当する。
【0072】
ステップS106、S107、S109、S125が、問い合わせステップS104による問い合わせに対して、第2情報処理装置から返信される応答情報に基づいて、第2通信装置を相手先装置として通信評価項目を実行するために、評価リストL1における評価順序情報N及び/又は評価タイミング情報Tを調整する調整ステップに相当する。
【0073】
ステップS107が、各第2情報処理装置から返信される応答情報に含まれる評価タイミング情報を比較して、第1情報処理装置に係る通信評価項目を最も早く実施できるように、複数台の第2情報処理装置のうちの1台を選定する選定ステップに相当する。
【0074】
ステップS121が、第1情報処理装置から、第2通信装置が二者間通信の相手先装置となり得るか否かの問い合わせを受けたことを検出する第1検出ステップに相当する。
【0075】
ステップS123が、第1検出ステップS121において問い合わせを受けたことが検出された場合、第2情報処理装置で実行されている機能の評価についての評価リストに、問い合わせに係る相手先装置となり得る通信評価項目が含まれるか否かを判断する第2判断ステップに相当する。
【0076】
ステップS125、S126、S127が、第2判断ステップS123において、評価リストに相手先装置となり得る通信評価項目が含まれていないと判断された場合、評価リストに相手先装置となり得る通信評価項目を新たに追加した上で、第1情報処理装置に対して、相手先装置となり得る旨の応答情報を返信する返信ステップに相当する。
【0077】
ステップS132、S135が、返信ステップS125、S126、S127において、第1情報処理装置に対して相手先装置となり得る旨の応答情報を返信した後、第1情報処理装置から送信される通信評価項目の開始コマンド又は中止コマンドを検出する第2検出ステップに相当する。
【0078】
<作用効果>
本実施例の通信装置の機能評価方法は、通信システム100を構成するPC1〜4により、MFP1〜4を分散処理的に評価するものである。相手先装置を必要とする通信評価項目が評価リストLにある場合、MFP1の機能の評価を実行する第1情報処理装置としてのPC1は、第2情報処理装置としてのPC2〜4に対して、第2通信装置としてのMFP2〜4が相手先装置となり得るかの問い合わせを行う。そして、PC1は、PC2〜4からの応答情報に基づいて、MFP2〜4のいずれか1台を相手先装置として通信評価項目の評価を実行できるように評価順序情報N及び/又は評価タイミング情報Tを調整する。このため、相手先装置を必要とする通信評価項目を実行する際に、相手先装置を確保できずに時間を浪費するというような不具合が生じ難い。したがって、相手先装置との間で行われる同期的な通信を含む複数の機能の評価を効率よく進めることができる。
【0079】
また、この通信装置の機能評価方法では、相手先装置となるMFP2〜4のいずれか1台における評価リストの通信評価項目の実施予定時刻に基づいて、PC1で実行される評価リストL1の通信評価項目の順序変更やタイミングの変更を行う。このため、MFP1〜4の相互間で、通信評価項目の評価を効率よく進めることができる。
【0080】
さらに、この通信装置の機能評価方法では、選定ステップS107により、分散処理的にMFP1〜4の評価を行う各PC1〜4間の調整を適切に実施する。このため、通信評価項目の評価を効率よく進めることができるとともに、通信システム100全体としても各機能の評価を効率よく進めることができる。
【0081】
また、この通信装置の機能評価方法では、第2情報処理装置としてのPC1の評価リストL1に、第1通信装置としてのMFP2〜4のいずれか1台に係る評価リストの通信評価項目の相手先装置となり得る通信評価項目が無い場合でも、第2通信装置としてのMFP1に係る評価リストL1に通信評価項目を新たに追加した上で、第1情報処理装置としてのPC1〜4のいずれか1台に対して通信評価項目の相手先装置となり得る旨の応答情報を返信する。このため、MFP1〜4の相互間で、通信評価項目の評価を一層効率よく進めることができ、通信システム100全体としても各機能の評価を効率よく進めることができる。
【0082】
さらに、この通信装置の機能評価方法では、第2情報処理装置としてのPC1が、第1情報処理装置としてのPC1〜4のいずれか1台から開始コマンドが送信されたタイミングで、直ちに、通信評価項目の評価を開始することができる。また、開始コマンドには、開始予定時間の情報が添付されているので、状況に応じて、待機時間を確保しつつ、通信評価項目の評価を開始することもできる。このため、MFP1〜4の相互間で、通信評価項目の評価をより一層効率よく進めることができる。
【0083】
また、通信装置の機能評価システムとしての通信システム100も、相手先装置との間で行われる同期的な通信を含む複数の機能の評価を効率よく進めることができる。
【0084】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、上記実施例では、「相手先装置との間で行われる同期的な通信である二者間通信」として、ファクシミリ(FAX)送受信機能を例として説明したが、電話(音声通話)機能、スキャナで読取った画像をメールに添付して送付する機能等においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は通信装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】通信装置の機能評価方法に係り、通信システムの構成図である。
【図2】通信装置の機能評価方法に係り、「機能評価」ルーチンのフローチャートである。
【図3】通信装置の機能評価方法に係り、「機能評価」ルーチンのフローチャートである。
【図4】通信装置の機能評価方法に係り、「機能評価」ルーチンのフローチャートである。
【図5】通信装置の機能評価方法に係り、評価リストの説明図である。
【図6】通信装置の機能評価方法に係り、評価順序情報及び評価タイミング情報を調整した後の評価リストの説明図である。
【図7】通信装置の機能評価方法に係り、通信評価項目を追加した後の評価リストの説明図である。
【図8】通信装置の機能評価方法に係り、第1、2情報処理装置相互間の応答内容を説明する説明図である。
【図9】通信装置の機能評価方法に係り、第1、2情報処理装置相互間の応答を模式化した説明図である。
【符号の説明】
【0087】
MFP1、MFP2、MFP3、MFP4…第1通信装置、第2通信装置、相手先装置
PC1、PC2、PC3、PC4…第1情報処理装置、第2情報処理装置
5…ネットワーク
100…通信システム
L1…評価リスト
S101…抽出ステップ
S113、S122、S133…評価実行ステップ
S103…第1判断ステップ
S104…問い合わせステップ
S106、S107、S109、S125…調整ステップ(S107…選定ステップ)
S121…第1検出ステップ
S123…第2判断ステップ
S125、S126、S127…返信ステップ
S132、S135…第2検出ステップ
C…評価項目
N…評価順序情報
T…評価タイミング情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手先装置との間で行われる同期的な通信である二者間通信を含む複数の機能を備える第1通信装置と接続され、前記第1通信装置の前記機能の評価を実行可能な第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置とネットワークを介して接続され、前記二者間通信を含む複数の前記機能を備える第2通信装置と接続され、前記第2通信装置の前記機能の評価を実行可能な第2情報処理装置とを備えた通信システムで実行される通信装置の機能評価方法であって、
前記第1情報処理装置は、前記機能に対応する複数個の評価項目に対し、評価順序情報及び/又は評価タイミング情報を設定した評価リストから順次前記評価項目を抽出して抽出評価項目とする抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記抽出評価項目に基づいて、前記機能の評価を実行する評価実行ステップと、を備え、
さらに、前記抽出ステップにより抽出された前記抽出評価項目が前記二者間通信に関する前記評価項目である通信評価項目であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記抽出評価項目が前記通信評価項目であると第1判断ステップにおいて判断された場合、前記第2情報処理装置に対して、前記第2通信装置が前記二者間通信の前記相手先装置となり得るか否かの問い合わせを行う問い合わせステップと、
前記問い合わせステップによる問い合わせに対して、前記第2情報処理装置から返信される応答情報に基づいて、前記第2通信装置を前記相手先装置として前記通信評価項目を実行するために、前記評価リストにおける前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報を調整する調整ステップとを備え、
前記調整ステップにより、前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報が調整された場合、前記抽出ステップは、その調整後の前記評価リストを抽出対象とすることを特徴とする通信装置の機能評価方法。
【請求項2】
前記応答情報には、前記第2情報処理装置で実行されている前記機能の評価についての前記評価リストに係る前記通信評価項目に対応する前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報が含まれており、
前記調整ステップは、前記応答情報に含まれる前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報に基づいて、前記第1情報処理装置の前記評価リストにおける前記通信評価項目の前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報を調整する請求項1記載の通信装置の機能評価方法。
【請求項3】
前記第1情報処理装置は、複数台の前記第2情報処理装置と接続されており、
前記問い合わせステップでは、各前記第2情報処理装置に対して前記問い合わせを行い、
前記調整ステップは、各前記第2情報処理装置から返信される前記応答情報に含まれる前記評価タイミング情報を比較して、前記第1情報処理装置に係る前記通信評価項目を最も早く実施できるように、複数台の前記第2情報処理装置のうちの1台を選定する選定ステップを含む請求項2記載の通信装置の機能評価方法。
【請求項4】
前記第2情報処理装置は、前記第1情報処理装置から、前記第2通信装置が前記二者間通信の前記相手先装置となり得るか否かの問い合わせを受けたことを検出する第1検出ステップと、
前記第1検出ステップにおいて前記問い合わせを受けたことが検出された場合、前記第2情報処理装置で実行されている前記機能の評価についての前記評価リストに、前記問い合わせに係る前記相手先装置となり得る前記通信評価項目が含まれるか否かを判断する第2判断ステップと、
前記第2判断ステップにおいて、前記評価リストに前記相手先装置となり得る前記通信評価項目が含まれていないと判断された場合、前記評価リストに前記相手先装置となり得る前記通信評価項目を新たに追加した上で、前記第1情報処理装置に対して、前記相手先装置となり得る旨の応答情報を返信する返信ステップとを備える請求項1乃至3のいずれか1項記載の通信装置の機能評価方法。
【請求項5】
前記返信ステップにおいて、前記第1情報処理装置に対して前記相手先装置となり得る旨の応答情報を返信した後、前記第1情報処理装置から送信される前記通信評価項目の開始コマンド又は中止コマンドを検出する第2検出ステップを備え、
前記第2検出ステップにおいて、前記開始コマンド又は前記中止コマンドが検出されるまで、前記通信評価項目の評価を待機する請求項4記載の通信装置の機能評価方法。
【請求項6】
相手先装置との間で行われる同期的な通信である二者間通信を含む複数の機能を備える第1通信装置と接続され、前記第1通信装置の前記機能の評価を実行可能な第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置とネットワークを介して接続され、前記二者間通信を含む複数の前記機能を備える第2通信装置と接続され、前記第2通信装置の前記機能の評価を実行可能な第2情報処理装置とを備えた通信システムが有する通信装置の機能評価システムであって、
前記第1情報処理装置は、前記機能に対応する複数個の評価項目に対し、評価順序情報及び/又は評価タイミング情報を設定した評価リストから順次前記評価項目を抽出して抽出評価項目とする抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記抽出評価項目に基づいて、前記機能の評価を実行する評価実行手段と、を備え、
さらに、前記抽出手段により抽出された前記抽出評価項目が前記二者間通信に関する前記評価項目である通信評価項目であるか否かを判断する第1判断手段と、
前記抽出評価項目が前記通信評価項目であると第1判断手段において判断された場合、前記第2情報処理装置に対して、前記第2通信装置が前記二者間通信の前記相手先装置となり得るか否かの問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせに対して、前記第2情報処理装置から返信される応答情報に基づいて、前記第2通信装置を前記相手先装置として前記通信評価項目を実行するために、前記評価リストにおける前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報を調整する調整手段とを備え、
前記調整手段により、前記評価順序情報及び/又は前記評価タイミング情報が調整された場合、前記抽出手段は、その調整後の前記評価リストを抽出対象とすることを特徴とする通信装置の機能評価システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−157781(P2010−157781A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333284(P2008−333284)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】