説明

通気層を備える外壁、その施工方法、及び通気工法用防水シート

【課題】建築物の外壁の防水層としても寄与する通気工法用防水シートを用いることにより、従来の施工法に比べて安定してモルタル塗りをすることができ、かつ十分な通気層の厚みを確保することができ、さらには資材点数及び工程数を少なくすることができる通気層を備える外壁、その施工方法(通気工法)、及び通気工法用防水シートを提供する。
【解決手段】本発明の通気層5を備える外壁は、下地3上に、テーパ面を備える複数の突起部2を有する樹脂製防水シート1が取り付けられて、その突起部2内に充填されるようにモルタル6又はコンクリートが付着され、前記突起部2内に充填されたモルタル6又はコンクリートが通気層5を保持する脚となっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の外壁の防水層としても寄与する通気工法用防水シートを用いることにより、従来の施工法に比べて安定してモルタル塗りをすることができ、かつ十分な通気層の厚みを確保することができ、さらには資材点数及び工程数を少なくすることができる通気層を備える外壁、その施工方法(通気工法)、及び通気工法用防水シートに関する。
【背景技術】
【0002】
外壁の通気層としては、下地との間に12mm以上の空気層を確保することによって通気層として認められる。
前記の通気層を備える外壁を施工する場合には、一般的に図5(a)〜(c)に示すような支柱(胴縁)をスペーサとして用いる通気構造が採用されている。
まず、図5(a)の壁式構造では、支柱8を適宜の間隔で立設し、この支柱8に合板のような下地板3が釘などによって打ち付けられている。次に、この下地板3の外側に防水紙9が貼られ、この防水紙9の上に通気層を形成するための支柱10が釘やアンカーピンなどによって打ち付けられている。さらに、この支柱10の上にフェルト11が貼り付けられ、そしてフェルト11の上にラス網12がステープルなどによって固定され、ラス網12を介してフェルト11上に粘状のモルタル6が塗布されている。ラス網12は、樹脂製のものと、金属製のものとがあるが、何れにしてもラス網12によって、モルタル6がフェルト11上に固定されやすくなり、またモルタル6にヒビが入りにくいようにすることができる。また、下地板3は木製のものと発泡樹脂製のものがあり、後者は厚みを付けることによって断熱性能を付加することができる。
また、図5(b)の軸組構造では、通気層を形成するための支柱10を適宜の間隔で立設してある軸12の上に設置し、この支柱10にフェルト11が貼り付けられ、そしてフェルト11の上にラス網12がステープルなどによって固定され、ラス網12を介してフェルト11上に粘状のモルタル6が塗布されている。ラス網12は、樹脂製のものと、金属製のものとがあるが、何れにしてもラス網12によって、モルタル6がフェルト11上に固定されやすくなり、またモルタル6にヒビが入りにくいようにすることができる。
さらに、図5(c)の軸組外断熱構造では、断熱材14を軸13上に適宜に立設し、その上に通気層を形成するための支柱10を設置する。さらに、この支柱10にフェルト11が貼り付けられ、そしてフェルト11の上にラス網12がステープルなどによって固定され、ラス網12を介してフェルト11上に粘状のモルタル6が塗布されている。ラス網12は、樹脂製のものと、金属製のものとがあるが、何れにしてもラス網12によって、モルタル6がフェルト11上に固定されやすくなり、またモルタル6にヒビが入りにくいようにすることができる。
【0003】
また近年、透湿防水シートや透湿性をもたない防水シートの表面に複数の微小な凸部が設けられたシートも市販されている。
これらの防水シートを下地上に配設することにより、表面の凸部の高さに相当する空気層が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の図5に示す通気構造は、サイディングに使用される工法をラスモルタル工法で使用できるように流用したものであるため、通気層のスパンが長く、留め付けたラスがたわみやすいため、作業性が落ち、モルタルの塗厚を一定にすることが難しかった。また、支柱8とモルタル6との間に、下地板3、防水紙9、通気層を形成するための支柱10、フェルト11が積層され、さらにラス網12が積層されているが、各部材をそれぞれ固定する作業、並びに多数の部材の資材管理も面倒であり、さらには建築物の壁を施工する工期も長期化させるものであった。
【0005】
また、前記透湿防水シートや透湿性をもたない防水シートの表面に複数の微小な凸部が設けられたシートを用いて形成される極薄の空気層では、極めて厚みが薄いため、十分な通気作用が得られず(実際には半分程度の通気作用しか得られない)、露結水を流下させたり室外側から侵入してきた水分を流下させたりすることができなかった。しかも、空気層を厚くするために内面側にスペーサを取り付けようとしても、支持強度が低いために、スペーサを取り付けることができなかった。
さらに、同様の既存の汎用製品として、多数の独立した空気室を備えて割れ物梱包等に幅広く使用されているシートを下地板の上に張って用いた場合、それ自体の凹凸は少ないため、通気層が薄いもの(3mm程度)しか作れないため、十分な通気を得ることはできなかった。しかも、空気層を厚くするために、各空気室が大きいシートを作成する場合、特注品であってシートも大きくする必要があるため、前述の支柱(胴縁)を使用して通気層を作製するよりもコストが高くなるものであった。
【0006】
そこで、本発明は、建築物の外壁の防水層としても寄与する通気工法用防水シートを用いることにより、従来の施工法に比べて安定してモルタル塗りをすることができ、かつ十分な通気層の厚みを確保することができ、さらには、資材点数及び工程数を少なくすることができる通気層を備える外壁、その施工方法(通気工法)、及び通気工法用防水シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、下地上に、テーパ面を備える複数の突起部を有する樹脂製防水シートが取り付けられ、その突起部内に充填されるようにモルタル又はコンクリートが付着され、前記突起部に充填されたモルタル又はコンクリートが通気層を保持する脚となっていることを特徴とする通気層を備える外壁に関するものである。
なお、テーパ面は、例えば断面半円状でも断面三角状でも断面段付き状でもよい(図7参照)。
【0008】
また、本発明は、前記外壁において、樹脂製防水シートの外面側に網材が固定されていることを特徴とする記載の通気層を備える外壁をも提案する。
【0009】
さらに、本発明は、前記外壁施工用シートを下地上に取り付ける第1の工程と、その突起部内に充填されるようにモルタル又はコンクリートを塗り付ける第2の工程と、を行うことを特徴とする通気層を備える外壁の施工方法(通気工法)も提案する。
【0010】
また、本発明は、前記通気工法において、第1の工程を行った後に、外面側に網材を固定する工程を行い、その後に第3の工程を行うことを特徴とする通気層を備える外壁の施工方法をも提案する。
【0011】
また、本発明は、前記通気工法において、突起部の頂部又は側面には、空気抜き用の穴が形成されていることを特徴とする通気層を備える外壁の施工方法をも提案する。
【0012】
また、本発明は、前記通気工法において、第1の工程において、突起部の頂部を下地に固定する際に補強材を共に固定具で固定することを特徴とする通気層を備える外壁の施工方法をも提案する。
【0013】
また、本発明は、前記通気工法において、突起部は、突起高さが13〜18mmであることを特徴とする通気層を備える外壁の施工方法をも提案する。
【0014】
さらに、本発明は、前記通気工法に用いられるテーパ面を備える複数の突起部を有する樹脂製防水シートであることを特徴とする通気工法用防水シートをも提案する。
【0015】
また、本発明は、前記防水シートにおいて、突起部の頂部又は側面には、空気抜き用の穴が形成されていることを特徴とする通気工法用防水シートをも提案する。
【0016】
また、本発明は、前記防水シートにおいて、突起部の頂部の室内側に予め止水材を塗布していることを特徴とする通気工法用防水シートをも提案する。
【0017】
また、本発明は、前記防水シートにおいて、質量200〜800g/m2であることを特徴とする通気工法用防水シートをも提案する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の通気層を備える外壁では、樹脂製防水シートを取り付け、その表面にモルタル又はコンクリートが付着されていることにより、複数の突起部内に充填されたモルタル又はコンクリートが、通気層を保持する脚として作用することにより、樹脂製防水シートが長期暴露で劣化した場合でも通気層を保持することができる。
また、この外壁における樹脂製防水シートは、高い防水性能(遮水性)を有するので、形成される通気層は、結露水や室外側から侵入してきた水分を流下させる排水層としても作用する。
さらに、突起部はテーパ面を備えるため、このテーパ面に付着した水は、内部に貯留されることなく外側へ導かれて排水するものとなる。
これに対し、近年市販された透湿防水シートや透湿性をもたない防水シートの表面に複数の微小な凸部が設けられたシートを配設した場合では、数mm程度の極薄の空気層が形成されるものの、この極薄の空気層では到底十分な通気効果は得られなかった。また、これらの透湿防水シートや透湿性をもたない防水シートの表面に複数の微小な凸部が設けられたシートでは、例えば空気層を厚くすることを目的としてスペーサを取り付けようとしても、支持強度が低いために実質的に取り付けることができないという問題があった。
【0019】
また、樹脂製防水シートの外面側に網材が固定されている外壁の場合、モルタル又はコンクリート層の乾燥収縮を低減し、引張強さを補強(引張応力を分散)すると共にゴム弾性を付与し、その結果としてモルタルのひび割れを防止することができる。
【0020】
さらに、本発明の施工方法(通気工法)は、何れも容易に実施可能な第1、第2の工程からなるものであって、従来の通気層を形成するための支柱や胴縁を固定する作業に代えて樹脂製防水シートを下地に取り付ける第1の工程を実施すればよいので、極めて容易に実施することができ、実用的価値が極めて高いものである。また、樹脂製防水シートに関し、突起部を所望の形状や高さ、或いはその配設間隔の調整は、容易に且つ安価に実施できるため、コストがかからず所望の厚さを有する通気層を形成することができる。
また、樹脂製防水シートとしては、後述するように突起部の頂部又は側面に空気抜き用の穴が形成されていても形成されてなくてもよく、後者の場合には、遮水層としても作用するものとなる。形成される通気層は、結露水や室外側から侵入してきた水分を流下させる排水層としても作用する。
また、JIS A6916に規定する透湿防水シートを張った後樹脂製防水シートを施工する場合、先に施工した透湿防水シートに、例えば補強材の留め付けに使用したステープルにより、穴をあけることになり、万一通気層に水が浸入した場合、透湿防水シートにあいた穴から水が浸入する可能性がある。しかし、後述するように、樹脂製防水シートの突起部の頂部(室内側、防水紙と接触する部分)に止水材を予め塗布しておくことにより、通気層に浸入した水は、ゲル化し吸水した水以上の水が浸入するのを防ぐので、透湿防水シートの穴から壁の内部に浸入することを防ぐことができる。
【0021】
また、第1の工程を行った後に、外面側に網材を固定する工程を行い、その後に第3の工程を行う通気工法では、前述の優れた特性を有する網材が固定されている外壁を容易に施工することができる。
【0022】
また、突起部の頂部又は側面には、空気抜き用の穴が形成されている通気工法では、突起部内部へのモルタル又はコンクリートの充填性に優れ、モルタル又はコンクリートの塗り付け施工を一度の塗りにて完了することができる。
さらに、突起部の穴に関し、搬送の際などに突起部の一部が破断しても使用に支障がないか、また容易に補修が可能である。
なお、突起部の頂部又は側面に、空気抜き用の穴が形成されていない場合には、前述のように遮水層として作用する反面、突起部へのモルタル(又はコンクリート)の充填不良が生じたり、突起部内に空隙が発生して施工表面が盛り上がったりする場合があるため、硬化後に再度塗り付けが必要となる場合があった。
【0023】
また、第1の工程において、突起部の頂部を下地に固定する際に補強材を共に固定具で固定する通気工法は、突起部の潰れが生じ難いため、通気層を保持する脚が確実に形成されるものとなる。
さらに、補強材が、網材への取付手段を備える網材固定用部材を兼ねる場合には、前記網材を固定する工程を少数の部材によって容易に施工することができる。
【0024】
また、突起部は、突起高さが13〜18mmである通気工法は、厚さが13〜18mmの空気層が形成され、通気層として認定される。
【0025】
さらに、本発明の通気工法用防水シートは、前述の通気工法に用いられる樹脂製防水シートであって、テーパ面を備える複数の突起物を有するため、前述の優れた特性を備える外壁を施工することができる。
【0026】
また、突起部の頂部又は側面に、空気抜き用の穴が形成されている通気工法用防水シートは、前述のように突起部内部へのモルタル又はコンクリートの充填性に優れ、モルタル又はコンクリートの塗り付け施工を一度の塗りにて完了することができる。
【0027】
また、突起部の頂部の室内側に止水材を予め塗布した通気工法用防水シートは、前述のように通気層内の止水性に優れ、万一通気層内に水が浸入した場合でも、壁内部への水の浸入を防止することができる。
【0028】
また、質量が200〜800g/m2である通気工法用防水シートは、強度があり、しかも重すぎずに実用に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の通気工法用防水シートの一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の通気層を備える外壁の一実施例を示す斜視図である。
【図3】(a)本発明の通気層を備える外壁の施工方法に用いられる一実施例の補強材の一形状を示す平面図、(b)その断面図である。
【図4】(a)本発明の通気層を備える外壁の施工方法に用いられる別の実施例の補強材の一形状を示す平面図、(b)その断面図である。
【図5】(a)従来の空気層を有する外壁構造(壁式構造)を示す側断面図、(b)従来の空気層を有する他の外壁構造(軸組構造)を示す斜視図、(c)従来の空気層を有する他の外壁構造(軸組外断熱構造)を示す斜視図である。
【図6】(a)下端起こしの側面図及び正面図、(b)該下端起こしを通気層の下端に配設した施工状態を示す断面図である。
【図7】(a)防水シートが半円状の突起部を備え、凸加工を施した補強材(ラス網)を用いた外壁を示す断面図、(b)防水シートが略三角状の突起部を備え、凸加工を施した補強材(ラス網)を用いた外壁を示す断面図、(c)防水シートが段付き状の突起部を備え、凸加工を施した補強材(ラス網)を用いた外壁を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の通気層を備える外壁及びその施工方法に用いる樹脂製防水シートは、テーパ面を備える複数の突起部を備える構成であって、突起部が形成された側を下地側にして固定し、モルタル又はコンクリートを付着することにより、突起部に付着したモルタル又はコンクリートが通気層を保持する脚となる。すなわち、下地と樹脂製防水シートの間に通気層(空気層)を設けることができる。
【0031】
前記樹脂製防水シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、塩化ビニルなどのプラスチック類を用いて作製することができ、特に厚み等についても限定するものではないが、質量が200〜800g/m2であることが望ましい。質量が200g/m2に満たない場合には、強度が低過ぎてモルタル又はコンクリートを塗り付けた際に突起部の形状を維持できない。質量が800g/m2を超える場合には、この樹脂製防水シート自体が重過ぎて、施工上重労働になり、下地への固定に際してずり落ちの原因となる。
【0032】
この樹脂製防水シートの突起部としては、テーパ面を備えるものであればよく、またテーパ面は図7(a)に示すように断面半円状でも図7(b)に示すように断面三角状でも図7(c)に示すように断面段付き状でも特に限定するものではなく、その大きさや形状、配置、配設間隔などについても特に限定するものではないが、突起部の大きさとしては、突起高さ12〜20mmが好ましく、更に好ましくは突起高さを13〜18mm(13mm以上18mm未満)とする。突起部の形状としては、後述する図示実施例のように雨水や結露水が突起部に浸入しても放出されやすい截頭円錐形が最も好ましい。突起部の配置については、碁盤目状でも千鳥格子状でもよいが、空気の流れを考慮した場合には碁盤目状が好ましく、千鳥格子状では乱流が生ずる。また、突起部の配置間隔については、突起高さを13〜18mmとした場合には、配置間隔としては50〜150mmが好ましい。
【0033】
前述のように突起部に付着したモルタル又はコンクリートが通気間隔(通気層)を保持する脚となるため、前述の突起部を適宜位置に設けることが好ましく、突起部を過度に密集状に形成された場合には、形成される通気層の流れが悪くなり、逆に突起部が過度に少なすぎると、通気層を保持する脚が不安定になって通気層が潰れ易くなる。
【0034】
また、この外壁における樹脂製防水シートは、高い防水性能(遮水性)を有するので、形成される通気層は、結露水や室外側から侵入してきた水分を流下させる排水層としても作用する。すなわち、この樹脂製防水シートは、防水紙を兼ねるため、下地に施工するアスファルトフェルト等の防水紙を必要としない。
なお、この遮水性は損なわれるものの、突起部に空気抜き用の穴を形成するようにしてもよい。
【0035】
また、この樹脂製防水シートの突起部の頂部の室内側に予め塗布する止水材としては、前述のように接触(浸入)した水を吸収(吸水)してゲル化し、それ以上の水が浸入するのを防ぐ作用を果たすものであれば特に限定するものではない。例えば高吸水性樹脂の使用が望ましく、高吸水性樹脂にはでんぷん系、セルロース系、合成ポリマー系があり、特に成分を限定するものではないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのような水溶性セルロースエーテルは安価であり、入手が容易であるため使用に適している。これら止水材の使用に際しては、実験によりその塗布量、止水効果を確認するのが望ましい。
【0036】
この突起部に、突起部にモルタル又はコンクリートが充填されると、通気層を支える脚が形成されるが、十分に充填されなかった場合には、突起部内に空隙が発生し、塗り付けた施工表面に突起部の平面形状が浮き上がるように残存する場合があるため、その場合には再度コテなどで表面を均す必要があった。そのため、突起部の頂部又は側面には、空気抜き用の穴を形成してもよい。この空気抜き用の穴の形状や大きさについては、特に限定するものではないが、穴の大きさとしては直径2mm以上とする事が好ましく、側面に形成する場合には、一つに限らず複数箇所に設けてもよく、内部(=突起部の頂部)から外部へむかって穴を穿つのが好ましい。
また、この空気抜き用の穴は、円形等の所定の形状でなくてもよいため、例えば施工に際して適当な器具を用いて頂部等に穴を開けたものでもよく、また想定以上に亀裂が形成されてしまった場合には、テープなどを用いて修繕したものでもよい。
【0037】
前記樹脂製防水シートを下地上に取り付ける際には、突起部の頂部をステープル等の固定具にて取り付ければよいが、その際に、補強材を突起部の頂部及び側面の内側に沿わせて一体に取り付けるようにしてもよい。この補強材は、特に強度の低い樹脂製防水シートを用いた場合に好ましく、突起部の形状を維持してモルタル又はコンクリートの充填を助ける働きをするため、通気層を保持する脚が確実に形成されるものとなる。
この補強材を用いないで単にステープル等だけで樹脂製防水シートを固定した場合、樹脂製防水シート自体は極めて軽量であるため、この固定時点では何ら問題が生じないが、モルタル又はコンクリートを塗り付けた際にその塗り付け重量がステープルを固定した突起部に生じるため、樹脂防水シートの材質によっては突起部が変形してずり落ちる恐れがあり、通気層を保持する脚が形成されない場合もある。
また、突起部の内部形状としては、前述のように特に限定するものではなく、例えば必要に応じて後述する補強材(網材固定用部材)を一定方向にそろえて設置する場合には、図7(c)の態様のように嵌合状に設置できるように、突起部の底面や側面に十字型や多角形の溝又は隆起を形成してもよく、この溝又は隆起に補強材をはめ込むことにより、一時的に補強材を固定することも可能である。
即ち突起部内部に溝や隆起を形成することにより、補強材(網材固定用部材)を一定方向に整列させて取り付けることができる。また、この溝や隆起を利用して補強材を仮止めすることができる。
【0038】
このような補強材としては、特にその構成を限定するものではないが、前記樹脂製防水シートの突起部の内部に配置されるため、突起部+2〜10mmの高さを有する本体部を備えることが好ましく、さらに突起部内に固定した状態で網材を容易に固定できるような取付手段を備えることが望ましく、例えば後述する図示実施例のようなフック(爪)を取付手段として設けることにより、網材を容易に取付固定することができる網材固定用部材を兼ねるものでもよい。そして、前述のように本体部を、突起部+2〜10mmの高さに形成することにより、取り付け部に取り付けられる網材を、モルタル又はコンクリートの内部に設置できる。
また、補強材自体に取り付け手段を設けなくても、網材を配した状態でその外側からステープル等の固定具をこの補強材に打ち込むことにより、網材を固定するようにしてもよい。
【0039】
なお、本発明の外壁及びその施工方法(通気工法)においては、メタルラス等の網材を配設してもよい。
さらに、この場合に、前記樹脂製防水シートに予め網材を一体的に取り付けておいて配設してもよいし、前述のように前記網材固定用部材にて網材を取り付けるようにしてもよい。予め樹脂製防水シートに網材を一体的に取り付けておく場合には、樹脂製防水シート自体の強度は低いので、網材が樹脂製防水シートを保護する役割を果たす。
【0040】
本発明の施工方法(通気工法)は、前記樹脂製防水シートを下地上に取り付ける第1の工程と、各突起部の内側に充填されるようにモルタル又はコンクリートを塗り付ける第2の工程と、を行うことを特徴とするが、従来の通気層を形成するための支柱や胴縁を固定する作業に代えて樹脂製防水シートを取り付ける第1の工程を実施すればよく、第2の工程については、従来通りに実施すればよい。
【0041】
後述する図示実施例のように樹脂製防水シートの取り付けに際し、突起部内に位置させた補強材をステープル等の固定具にて一体的に取り付け、取り付けた補強材(網材固定用部材)に設けたフック(取付手段)に網材を取り付けるようにすると、前記網材の配設が容易に実施できるものとなる。
【0042】
また、図6(a)に示すような複数の矩形状の通気口を備える定規(下端起こし)を、図6(b)に示すように、樹脂製防水シート取り付ける前に、壁体下端に予め横向きに設置しておくことにより、複数の矩形状の通気口から通気及び雨水の流出を行うことができる。このように、壁体への通気を確保しつつ、モルタル又はコンクリートを均一な厚さで施工する事が可能であるため、優れた美観で仕上げることができる。
【0043】
前記施工方法における第2の工程については、前述のように従来通りに実施すればよいので、説明を省略するが、公知の手段や材料をどのように用いてもよく、モルタルやコンクリート等の硬化組成物を網材が埋まって平坦状となるまで塗り付ければよい。
【実施例】
【0044】
図1に示す樹脂製防水シート1は、PET樹脂で質量400g/m2(厚み0.5〜0.7mm)からなり、截頭円錐形状に形成された突起部2の突起高さ15mm、この突起部2の配置間隔は120mmであり、1m×2mの板状からなる。
【0045】
図2に示す外壁は、下地3に前記樹脂製防水シート1が、突起部2の頂部を下地3に接する状態で固定され、各突起部2の内部には、それぞれモルタル6が充填され、通気層5を保持する脚となっている状態を示す。
なお、この図2には図示していないが、樹脂製防水シート1の下地3への固定は、後述する図3に示す補強材4(ラス固定用部材)を用いて一体的に固定した。この補強材4は、予め成型した成型品であり、爪7を除く部分は、変形等を生じにくい材質(鋼材等)にて形成されている。
【0046】
図3には、ラス網(網材)12を留め付けるための補強材4(ラス固定用部材)を用いて樹脂製防水シート1を下地3に固定した状態を示す。
図示実施例の補強材4(ラス固定用部材)は、突起部2内に収容される本体部4aとフランジ状の取付部4bとからなるピース材であって、本体部4aは突起部2の高さ+2〜10mmの截頭円錐形であり、その略円形状の底部を樹脂製防水シート1の突起部2の頂部内面に沿わせた状態でステープル15にて一体的に下地3に固定している。
このラス固定用部材4には、図3(a)に示すように円環状のフランジである取付部4bが形成され、この取付部4bに、ラス網12を固定するための取付手段として爪7が4箇所に設けられ、ラス網12を設置した際にこの爪7を折り曲げることで容易に固定することができる。
【0047】
図4には、ラス網(網材)12を留め付けるための別のラス固定用部材4'を用いて樹脂製防水シート1を下地3に固定した状態を示す。
この図示実施例のラス固定用部材4'は、矩形状の板材を樹脂製防水シート1の突起部2より深く谷状に折り曲げた形状のピース材であって、本体部4a'は突起部2の高さ+2〜10mmの谷状(略U字状)部分であって、この本体部4a'の谷状の底部を樹脂製防水シート1の突起部2の頂部内面に沿わせた状態でステープル15にて一体的に下地3に固定している。
このラス固定用部材4'には、図4(a)に示すように左右のフランジ状の平坦状部分である取付部4b'が形成され、この取付部4b'に、ラス網12を固定するための取付手段として爪7'が左右2箇所に設けられ、ラス網12を設置した際にこの爪7'を折り曲げることで容易に固定することができる。
【0048】
これらの本発明の実施例である図2〜図4と、前記従来の図5の比較より明らかなように、本発明の通気部を備える外壁における下地3−樹脂製防水シート1は、従来の外壁における下地材3−防水紙9−支柱10−フェルト11に相当することが明らかであり、各部材をそれぞれ固定する作業を単一部材の取り付け作業に置き換えることができ、並びにそのための工期を極めて短縮できることが明らかである。
また、第1の工程において、樹脂製防水シート1の突起部2の頂部を、網材固定用部材7にて下地3上に固定し、第2の工程において、前記網材固定用部材4に網材12を取り付ける場合には、容易に〔防水シート1−通気層5−網材12〕という構造を施工することができる。すなわち従来の通気層5を形成するための支柱10や胴縁を固定する作業では、多数の部材を要して施工が面倒であったが、前記本発明の施工方法では、少数の部材によって容易に施工することができる。
【0049】
〔充填性試験〕
次に、表1に示す条件で、空気抜き用の穴を通気用防水シートの突起部内に穿ち、ラス網を図3の補強材を介して固定し、モルタルを塗り付けた。モルタル硬化後、通気用防止シートをはがし、通気用シートの突起部へ9割以上モルタルが充填されている箇所を百分率で表した。なお、穴の数は、それぞれ一つずつである。
【0050】
【表1】

上表1より明らかなように、突起部底面にφ11mm以上の穴を設けることにより、モルタルは突起部内に完全に充填され、突起部側面にφ2〜5mmの穴1つでは、若干の空隙が生じていた。そこで、突起部側面では、穴を2箇所に増やしたり、穴の大きさを7mm以上に大きくすることにより、100%の充填を得ることができた。
【0051】
〔止水性試験〕
次に、表2に示す条件で通気用防水シートの突起部の室内側に止水材を塗布・乾燥させた後、JIS A6111に適合する透湿防水シートを張った下地板に、線形1.4mmの鋼線を介して通気用防水シートをステープル(MAX(株)製『マックスステープル719M』)で取り付けた。通気用防水シートを取り付けた下地板を角度30度に傾け、通気用防水シートとJIS A6111に適合する透湿防水シートの間に色水を流し込み、下地板に色水が付着するか観察した。
【0052】
【表2】

上表2より明らかなように、止水材を塗布する事により、漏水を防水することができることが確認された。安価なメチルセルロース水溶液でも適正量を塗布すれば十分な止水効果が得られた。特に高吸水性樹脂である逆相エマルジョン型メタクリル酸エステル系カチオンポリマーでは、僅かな塗布量で十分な止水効果が得られた。
これら止水材の使用に際しては、実験によりその種類、塗布量による止水効果を確認することが望ましい。
【0053】
〔実施試験1〕
平成22年6月24日 東京都大田区 木造軸組造189m2施工
構造用合板(厚み9.5mm)3上に図1に示した樹脂製防水シート1(質量400g/m2)を突起部2が1列ずつかさなるように重合させて敷設し、その上に図3に示したラス固定用部材4をステープル(MAX(株)製『マックスステープル719M』)15で固定し、ラス網((株)ニッケンビルド製『Wラス』)12をラス固定用部材4に沿わせて爪7を倒して固定し、その上に軽量モルタル(富士川建材工業株式会社製『ラスモル』)6を塗り付け施工した。
施工性において、コテ作業性に優れ、突起部内にモルタルが充填されたため施工表面が盛り上がる事はなかった、樹脂製防水シート1のたわみも無く、散水試験を行ったが漏水は確認されず、内部結露が生ぜず高い通気性が確認できた。また、軽量モルタル6を塗り付け施工した後の経時変化を1ヶ月観察したが、クラックも無く良好な結果であった。
なお、前記表1に示すように、突起部における9割以上モルタルが充填されている箇所を調べたところ、76%であったため、空気抜き用の穴として、突起部側面にはφ7mmの穴を一つ形成することにより、突起部における9割以上モルタルが充填されている箇所が100%になるようにした。
当然のことながら、施工作業性が良く、樹脂製防水シート1のたわみも無く、冬期の間にも内部結露を生じず、高い通気性が確認できた。また、軽量モルタル6を塗り付け施工した後の1ヶ月の経時変化の観察でもクラックも無く良好な結果であった。
さらに、施工領域の一部に、前記止水性試験にて用いた止水材二種(メチルセルロース水溶液、逆相エマルジョン型メタクリル酸エステル系カチオンポリマー)を所定の塗布量だけ用いて漏水の有無を観察したが、現段階では有為な差は認められなかった。
【0054】
〔実施試験2〕
平成22年7月22日 埼玉県さいたま市 木造2階建て枠組造310m2施工
構造用合板(厚み9.5mm)3上に図1に示した樹脂製防水シート1(質量400g/m2)を突起部2が1列ずつかさなるように重合させて敷設し、その上に図3に示したラス固定用部材4をステープル(MAX(株)製『マックスステープル719M』)15で固定し、ラス網((株)ニッケンビルド製『Wラス』)12をラス固定用部材4に沿わせて爪7を倒して固定し、その上に軽量モルタル(富士川建材工業株式会社製『ラスモル』)6を塗り付け施工した。
施工性において、コテ作業性に優れ、突起部内にモルタルが充填されたため施工表面が盛り上がる事はなかった、樹脂製防水シート1のたわみも無く、散水試験を行ったが漏水は確認されず、内部結露が生ぜず高い通気性が確認できた。また、軽量モルタル6を塗り付け施工した後の経時変化を1ヶ月観察したが、クラックも無く良好な結果であった。
なお、前記表1に示すように、突起部における9割以上モルタルが充填されている箇所を調べたところ、76%であったため、空気抜き用の穴として、突起部側面にはφ7mmの穴を一つ形成することにより、突起部における9割以上モルタルが充填されている箇所が100%になるようにした。
当然のことながら、施工作業性が良く、樹脂製防水シート1のたわみも無く、冬期の間にも内部結露を生じず、高い通気性が確認できた。また、軽量モルタル6を塗り付け施工した後の1ヶ月の経時変化の観察でもクラックも無く良好な結果であった。
【0055】
〔実施試験3〕
平成22年9月30日 大阪府豊中市区 木造2階建て枠組造220m2施工
構造用合板(厚み9.5mm)3上に図1に示した樹脂製防水シート1(質量400g/m2)を突起部2が1列ずつかさなるように重合させて敷設し、その上に図3に示したラス固定用部材4をステープル(MAX(株)製『マックスステープル719M』)15で固定し、ラス網((株)ニッケンビルド製『Wラス』)12をラス固定用部材4に沿わせて爪7を倒して固定し、その上に軽量モルタル(富士川建材工業株式会社製『ラスモル』)6を塗り付け施工した。
施工性において、コテ作業性に優れ、突起部内にモルタルが充填されたため施工表面が盛り上がる事はなかった、樹脂製防水シート1のたわみも無く、散水試験を行ったが漏水は確認されず、内部結露が生ぜず高い通気性が確認できた。また、軽量モルタル6を塗り付け施工した後の経時変化を1ヶ月観察したが、クラックも無く良好な結果であった。
なお、前記表1に示すように、突起部における9割以上モルタルが充填されている箇所を調べたところ、76%であったため、空気抜き用の穴として、突起部側面にはφ7mmの穴を一つ形成することにより、突起部における9割以上モルタルが充填されている箇所が100%になるようにした。
当然のことながら、施工作業性が良く、樹脂製防水シート1のたわみも無く、冬期の間にも内部結露を生じず、高い通気性が確認できた。また、軽量モルタル6を塗り付け施工した後の1ヶ月の経時変化の観察でもクラックも無く良好な結果であった。
【0056】
〔比較対照1〕
平成21年2月6日 横浜市中区 木造平屋軸組み100m2施工
構造用合板(厚み9.5mm)上に前記樹脂製防水シートに代えて市販されている表面に複数の微小な凸部が設けられた防水シートを張り、その上にラス網((株)ニチラス製『FNラス』)をステープル(MAX(株)製『マックスステープル719M』)により打ち留め、その上に軽量モルタル(富士川建材工業株式会社製『ラスモル』)を塗り付け施工した。
施工性において作業性はよかったものの、内部結露を生じ、高い通気性があったとはいいづらい。また、軽量モルタルを塗り付け施工した後の経時変化を1ヶ月観察したが、クラックが生じており、外壁を切開調査したところ、防水シートにしわがあった。このことから、しわの有無によりモルタルの塗り厚さに差が生じ、クラックが生じたものと考えられる。
【0057】
〔比較対照2〕
平成22年8月16日 兵庫県明石市 木造2階建て軸組200m2施工
構造用合板(厚み9.5mm)上に透湿防水シート(JIS A6111)をタッカー針で留め、その上に厚さ18mmの縦胴縁、よれ止め胴縁を留め、通気用ラス((株)ニッケンビルド製『ニッケン通気ラス』)をステープル(MAX(株)製『マックスステープル625TR−D』)で留め付け、その上に軽量モルタル(富士川建材工業株式会社製『ラスモルII』)を塗り付け施工した。
各部材をそれぞれ固定する作業、並びに多数の部材の資材管理も面倒であり、さらには建築物の壁を施工する工期も長期化させるものであった。モルタル塗り付けに際し、ラスのたわみが発生し、モルタル塗り付けの施工性が悪かった。また、軽量モルタルを塗り付け施工した後の経時変化を1ヶ月観察したが、クラックも無く良好な結果であった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
建築物の外壁の防水層としても寄与する通気工法用防水シートを用いることにより、(外)通気断熱工法などに好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 樹脂製防水シート(通気工法用防水シート)
2 突起物
3 下地
4,4’ 網材固定用部材
5 空気層
6 モルタル
7,7’ 爪
8 支柱
9 防水紙
10 支柱
11 フェルト
12 ラス網
13 軸
14 断熱材
15 ステープル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地上に、テーパ面を備える複数の突起部を有する樹脂製防水シートが取り付けられ、その突起部内に充填されるようにモルタル又はコンクリートが付着され、前記突起部に充填されたモルタル又はコンクリートが通気層を保持する脚となっていることを特徴とする通気層を備える外壁。
【請求項2】
樹脂製防水シートの外面側に網材が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の通気層を備える外壁。
【請求項3】
テーパ面を備える複数の突起部を有する樹脂製防水シートを下地上に取り付ける第1の工程と、その突起部内に充填されるようにモルタル又はコンクリートを塗り付ける第2の工程と、を行うことを特徴とする通気層を備える外壁の施工方法。
【請求項4】
第1の工程を行った後に、外面側に網材を固定する工程を行い、その後に第3の工程を行うことを特徴とする請求項3に記載の通気層を備える外壁の施工方法。
【請求項5】
突起部の頂部又は側面には、空気抜き用の穴が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の通気層を備える外壁の施工方法。
【請求項6】
第1の工程において、突起部の頂部を下地に固定する際に補強材を共に固定具で固定することを特徴とすることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の通気層を備える外壁の施工方法。
【請求項7】
突起部は、突起高さが13〜18mmであることを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の通気層を備える外壁の施工方法。
【請求項8】
請求項3〜7の何れか一項に記載の施工方法に用いられるテーパ面を備える複数の突起部を有する樹脂製防水シートであることを特徴とする通気工法用防水シート。
【請求項9】
突起部の頂部又は側面には、空気抜き用の穴が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の通気工法用防水シート。
【請求項10】
質量200〜800g/m2であることを特徴とする請求項8又は9に記載の通気工法用防水シート。
【請求項11】
樹脂製防水シートにおいて、突起部の頂部の室内側に予め止水材が塗布されていることを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の通気工法用防水シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−169094(P2011−169094A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257676(P2010−257676)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(390025612)富士川建材工業株式会社 (22)
【Fターム(参考)】