説明

速溶性固体剤形

口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形であって、少なくとも1種の生物活性材料と、少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解する剤形が提供される。この剤形を生成する方法、及びこの剤形を備えるキットもまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象への投与用に構成された剤形に関する。好ましくは、剤形は、迅速な溶解速度を有する。
【背景技術】
【0002】
錠剤は、経口投与により薬剤を人間に送達するための一般的な剤形である。口腔粘膜、例えば舌下粘膜を介した薬物送達は、速溶性薬物を、単純な拡散により頸静脈を介して直接体循環内に吸収させることができ、胃腸管及び肝初回通過効果を回避する。舌下経路は、通常、迅速で信頼性のある作用発現をもたらし、速溶性剤形により好適である。
【0003】
医療分野において、口腔内で迅速な溶解速度を有する剤形の必要性はまだ満たされていない。固体剤形に関連した問題を克服するための従来の試みとしては、発泡錠、フィルム、チュアブル錠、崩壊剤及びウィッキング剤が挙げられる。これらの剤形は、嚥下が困難な患者、例えば小児及び高齢者に特に有用である。そのような剤形を調製するために、凍結乾燥、噴霧乾燥、錠剤成形及び打錠を含むいくつかの技術が用いられている。
【0004】
凍結乾燥プロセスは、速溶性固体剤形を調製するために使用されている。製造プロセスに依存して、得られる生成物は、活性薬剤が均一に分散した支持マトリックス(すなわち、マンニトール、グリシン、乳糖、ゼラチン等)の極めて多孔質の微細構造を特徴とする。この技術は、水中又は口腔内で迅速に溶解する生成物を生成するが、その物理的構造の低い物理的完全性は、ブリスターパックの形成等のさらなる製造操作を大きく制限する。さらに、そのような剤形の製造における凍結乾燥技術は、各凍結乾燥サイクルが長時間(通常24〜48時間)にわたるために、生産コストが高い。工場の複雑性は、速溶性錠剤の開発のためのこの技術の大規模な使用を妨げるもう1つの重要な因子である。さらに、各凍結乾燥サイクルの直接的結果として、熱ショックがマイクロカプセル化粒子の外膜の物理化学的特性を物理的に改質する可能性がある。
【0005】
凍結乾燥プロセスにおいて、薬剤を速溶性剤形に製剤化するために、ゼラチン及び他のゼラチン関連材料が使用されている。ゼラチンは、担体又は構造形成剤であり、一般に、広範な薬物の速溶性形態の調製に使用される。ゼラチンは、剤形に強度を提供し、それにより剤形の亀裂及び破壊を防止する。これは、特に、剤形がブリスター包装から取り出されている時に問題となる。ゼラチンは、剤形が口腔内に置かれると剤形の迅速な溶解をもたらすため、剤形から薬物を迅速に溶解させるために有利である。
【0006】
ゼラチンは、皮膚、腱、靭帯及び骨等の動物コラーゲン組織の部分加水分解により得られるタンパク質である。しかしながら、哺乳動物由来ゼラチンの1つの大きな問題は、味気がないことである。このため、速溶性剤形には、ゼラチン成分の味を隠しマスキングするために、甘味料及び香料の使用が必要となる。従来の哺乳動物由来ゼラチンのさらなる問題は、ゼラチン溶液となるために熱を使用する必要があることである。この追加的ステップは、製造プロセスに時間及びコストを追加する。
【0007】
速溶性剤形マトリックスとしてのゼラチン系材料の使用におけるさらなる問題は、ゼラチンが、時間とともに溶液の粘度を増加させ得ることである。これは、処理上の問題をもたらし得る。さらに、ゼラチンは、保持期間中、ゼラチン溶液に関連した均一性及び沈降の問題をもたらし得る。ゼラチン製剤の他の欠点としては、細菌が増殖しやすいこと、及び一部の人たちは動物由来であることを好まないことが挙げられる。
【0008】
速溶性剤形におけるゼラチンを置き換えるために使用されている他の薬剤は、デンプン及び改質デンプンである。デンプンの1つの問題は、患者が口内に入れた時に粒状の食感があり、患者の不満につながる可能性があることである。また、多くの改質デンプンもこの問題をもたらす。さらに、改質デンプンは高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、当技術分野において、経口投与により薬剤を患者に送達する速溶性剤形であって、患者の口腔内で迅速に溶解し、実質的な量の哺乳動物性ゼラチン又はデンプン若しくは改質デンプン材料を使用しない剤形が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形であって、(i)少なくとも1種の生物活性材料と、(ii)少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解する剤形が提供される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、本発明の速溶性固体剤形を生成する方法であって、少なくとも1種のマトリックス形成剤を生物活性材料と合わせて、均一混合物を形成するステップと、次いで混合物を凍結乾燥して、本発明の固体剤形を調製するステップとを含む方法が提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、速溶性固体剤形であって、(i)少なくとも1種の生物活性材料と、(ii)少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解する剤形と、その使用説明書とを備えるキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】バッチ番号071501B及び071502Bのウエハーの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】バッチ番号0820A及び0820Bのウエハーの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】バッチ番号0905MDのウエハーの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】バッチ番号071501B及び071502Bのウエハーの断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】バッチ番号0820A及び0820Bのウエハーの断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】バッチ番号0905MDのウエハーの断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】バッチ番号071501A及び071502Bのウエハーの粉末X線回折スペクトルである。
【図8】バッチ番号0820A及び0820Bのウエハーの粉末X線回折スペクトルである。
【図9】バッチ番号0905MDのウエハーの粉末X線回折スペクトルである。
【図10A】4.05μg/mLの標準ミダゾラム試料の典型的なHPLCクロマトグラムである(n=3)。
【図10B】1分及び5分の時点でのミダゾラム粉末溶解試料の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図10C】10分の時点でのミダゾラム粉末溶解試料の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図10D】15分の時点でのミダゾラム粉末溶解試料の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図10E】8.1μg/mlの標準ミダゾラム試料の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図11】45秒及び1分の時点での溶解ウエハー試料S1の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図12】10分の時点での溶解ウエハー試料S1の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図13】5分及び10分の時点での溶解ウエハー試料S2の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図14】30秒及び2分の時点での溶解ウエハー試料S2の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図15】20秒及び1分の時点での溶解ウエハー試料S3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図16】1.01μg/mLの標準ミダゾラム試料の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図17】30秒の時点でのミダゾラム粉末溶解試料の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図18】1分及び5分の時点での溶解ウエハー1の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図19】5分、10分及び15分の時点での溶解ウエハー1の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図20】薬物投入試験ウエハー試料No.1の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図21】30秒の時点での溶解ウエハー2の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図22】1分及び5分の時点での溶解ウエハー2の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図23】10分、15分及び30分の時点での溶解ウエハー2の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図24】薬物投入試験ウエハー試料No.2の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図25】30秒の時点での溶解ウエハー3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図26】1分及び5分の時点での溶解ウエハー3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図27】10分及び15分の時点での溶解ウエハー3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図28】30分、45分及び60分の時点での溶解ウエハー3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図29】薬物投入試験ウエハー試料No.3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図30】ミダゾラム(1〜32.4μg/mL)の標準HPLC較正曲線である。
【図31】37℃のリン酸緩衝溶液(pH6.8)中での、ウエハー及びミダゾラム粉末から放出されたミダゾラムの累積濃度である。
【図32】フェンタニル(0.5〜10μg/mL)の標準HPLC較正曲線である。
【図33】37℃のリン酸緩衝溶液(pH6.8)中でのフェンタニルウエハーの溶解プロファイルである(n=4)。
【図34A】図34A〜Eはそれぞれ、0.5分、1分、5分、10分、15分及び20分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料1〜3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図34B】図34A〜Eはそれぞれ、0.5分、1分、5分、10分、15分及び20分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料1〜3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図34C】図34A〜Eはそれぞれ、0.5分、1分、5分、10分、15分及び20分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料1〜3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図34D】図34A〜Eはそれぞれ、0.5分、1分、5分、10分、15分及び20分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料1〜3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図34E】図34A〜Eはそれぞれ、0.5分、1分、5分、10分、15分及び20分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料1〜3の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35A】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35B】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35C】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35D】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35E】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35F】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35G】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35H】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35I】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【図35J】図35A〜Jはそれぞれ、1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分のサンプリング時点での、フェンタニルウエハーの溶解試料4〜6の典型的なHPLCクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一態様によれば、口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形であって、(i)少なくとも1種の生物活性材料と、(ii)少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解する剤形が提供される。
【0015】
生物活性材料は、活性化合物、並びに家畜及び人間に対する使用のための化合物、例えば、これらに限定されないが、医薬活性物質、栄養補給食品、薬用化粧品、化粧品、補完医用薬剤、天然物、食品、ビタミン、栄養素、生物学的因子、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、及び核酸を含む。好ましい形態において、生物活性材料は、経口投与用に構成される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、生物活性材料は、有機化合物である。本発明の極めて好ましい実施形態において、生物活性材料は、人間に対する使用のための有機治療活性化合物である。本発明の別の実施形態において、生物活性材料は、無機化合物である。生物活性材料が薬物である場合、生物活性材料は中性種、塩基性又は酸性、及び酸又は塩基の塩であってもよい。本発明は、いかなる薬物の特定クラス、適用の種類、化学的種類又は機能群にも限定されない。
【0017】
生物活性材料は、通常、当業者により経口投与用に改善された迅速な溶解が所望される薬剤である。生物活性材料は、従来の活性薬剤又は薬物であってもよい。
【0018】
本発明における使用に好適な生物活性材料の例には、活性物質、生物学的因子、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、核酸並びにその類似体、ホモログ及び1次誘導体が含まれる。生物活性材料は、抗肥満薬、中枢神経系刺激薬、カロテノイド、コルチコステロイド、エラスターゼ阻害薬、抗真菌剤、腫瘍治療薬、制吐薬、鎮痛薬、心血管薬、抗炎症薬、例えばNSAID及びCOX−2阻害薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗生物質(ペニシリンを含む)、抗凝固剤、抗鬱剤、抗糖尿病薬、抗癲癇薬、抗ヒスタミン剤、降圧薬、抗ムスカリン薬、抗抗酸菌薬、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、鎮静剤(睡眠薬及び神経安定薬)、収斂剤、α−アドレナリン受容体遮断薬、β−アドレナリン受容体遮断薬、血液製剤及び代用血液、強心剤、造影剤、鎮咳剤(去痰薬及び粘液溶解薬)、診断用薬剤、診断用造影剤、利尿薬、ドーパミン作動薬(抗パーキンソン病薬)、止血剤、免疫薬、脂質調節剤、筋肉弛緩剤、副交感神経興奮薬、副甲状腺カルシトニン及びビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー薬、刺激薬及び食欲抑制薬、交感神経興奮剤、甲状腺剤、血管拡張剤、並びにキサンチンを含むがこれらに限定されない、様々な既知のクラスの薬物から選択され得る。
【0019】
これらのクラスの活性薬剤の説明及び各クラス内の種の列挙は、参照により具体的に組み込まれるMartindaleのThe Extra Pharmacopoeia、第31版(The Pharmaceutical Press、London、1996年)に見出すことができる。活性薬剤の別の出典は、当業者によく知られているPhysicians Desk Reference(第60版、2005年)である。活性薬剤は、市販の活性薬剤及び/又は当技術分野において知られている技術により調製され得る活性薬剤である。
【0020】
さらに、好適な薬物の例には、以下に列挙される薬物が含まれるがこれらに限定されない。
【0021】
鎮痛薬及び抗炎症薬:アロキシプリン、オーラノフィン、アザプロパゾン、ベノリレート、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク。
【0022】
駆虫薬:アルベンダゾール、ベフェニウムヒドロキシナフトエート、カンベンダゾール、ジクロロフェン、イベルメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オクスフェンダゾール、オキサンテルエンボネート、プラジカンテル、ピランテルエンボネート、チアベンダゾール。
【0023】
抗不整脈薬:アミオダロンHCl、ジソピラミド、酢酸フレカイニド、硫酸キニジン。
【0024】
抗菌剤:ベネタミンペニシリン、シノキサシン、シプロフロキサシンHCl、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、イミペネム、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、リファンピシン、スピラマイシン、スルファベンザミド、スルファドキシン、スルファメラジン、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファフラゾール、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム。
【0025】
抗凝固剤:ジクマロール、ジピリダモール、ニクマロン、フェニンジオン。
【0026】
抗鬱剤:アモキサピン、シクラジンドール、マプロチリンHCl、ミアンセリンHCl、ノルトリプチリンHCl、トラゾドンHCl、マレイン酸トリミプラミン。
【0027】
抗糖尿病薬:アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、トラザミド、トルブタミド。
【0028】
抗癲癇薬:ベクラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトトイン、メトイン、メトスクシミド、メチルフェノバルビトン、オクスカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスクシミド、プリミドン、スルチアム、バルプロ酸。
【0029】
抗真菌剤:アンフォテリシン、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、テルビナフィンHCl、テルコナゾール、チオコナゾール、ウンデセン酸。
【0030】
抗痛風薬:アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン。
【0031】
降圧薬:アムロジピン、ベニジピン、ダロジピン、ジルチアゼムHCl、ジアゾキシド、フェロジピン、酢酸グアナベンズ、インドラミン、イスラジピン、ミノキシジル、ニカルジピンHCl、ニフェジピン、ニモジピン、フェノキシベンザミンHCl、プラゾシンHCl、レセルピン、テラゾシンHCl。
【0032】
抗マラリア薬:アモジアキン、クロロキン、クロルプログアニルHCl、ハロファントリンHCl、メフロキンHCl、プログアニルHCl、ピリメタミン、硫酸キニーネ。
【0033】
抗片頭痛薬:メシル酸ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチセルジド、マレイン酸ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタン。
【0034】
抗ムスカリン薬:アトロピン、ベンズヘキソールHCl、ビペリデン、エトプロパジンHCl、臭化ブチルヒヨスチン、ヒヨスチアミン、臭化メペンゾレート、オルフェナドリン、オキシフェンシルシミンHCl、トロピカミド。
【0035】
抗腫瘍薬及び免疫抑制剤:アミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ブスルファン、クロラムブシル、シクロスポリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトタン、ミトザントロン、プロカルバジンHCl、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン。
【0036】
抗原虫:ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキネート、ジヨードヒドロキシキノリン、ジロキサニドフロエート、ジニトルミド、フルゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール、ニトロフラゾン、オルニダゾール、チニダゾール。
【0037】
抗甲状腺薬:カルビマゾール、プロピルチオウラシル。
【0038】
抗不安薬、鎮静剤、睡眠薬及び神経安定薬:アルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビトン、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマール、クロルジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロルプロマジン、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルアニソン、フルニトラゼパム、フルオプロマジン、フルペンチキソールデカノエート、フルフェナジンデカノエート、フルラゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メタカロン、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、ペントバルビトン、パーフェナジンピモジド、プロクロルペラジン、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾピクロン。
【0039】
β遮断薬:アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール。
【0040】
強心剤:アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC、メジゴキシン。
【0041】
コルチコステロイド:ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、酢酸コルチゾン、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルオコルトロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン。
【0042】
利尿薬:アセタゾールアミド、アミロリド、ベンドロフルアジド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルタリドン、エタクリン酸、フルセミド、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン。
【0043】
抗パーキンソン病薬:メシル酸ブロモクリプチン、マレイン酸リスリド。
【0044】
胃腸薬:ビサコジル、シメチジン、シサプリド、ジフェノキシレートHCl、ドンペリドン、ファモチジン、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセトロンHCl、ラニチジンHCl、スルファサラジン。
【0045】
ヒスタミンH受容体拮抗薬:アクリバスチン、アステミゾール、シンナリジン、シクリジン、シプロヘプタジンHCl、ジメンヒドリネート、フルナリジンHCl、ロラタジン、メクロジンHCl、オキサトミド、テルフェナジン、トリプロリジン。
【0046】
脂質調節剤:ベザフィブレート、クロフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、プロブコール。
【0047】
局所麻酔薬:神経筋薬:ピリドスチグミン。
【0048】
ニトレート及び他の抗狭心症薬:硝酸アミル、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、ペンタエリスリトールテトラニトレート。
【0049】
栄養剤:βカロテン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK。
【0050】
オピオイド鎮痛薬:コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルヒネ、ジヒドロコデイン、メプタジノール、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、ペンタゾシン、ミダゾラム、フェンタニル。
【0051】
経口ワクチン:以下が代表的であるが排他的リストではない疾患の症状を予防又は軽減するように設計されたワクチン:インフルエンザ、結核、髄膜炎、肝炎、百日咳、小児麻痺、破傷風、ジフテリア、マラリア、コレラ、ヘルペス、腸チフス、HIV、AIDS、はしか、ライム病、旅行者下痢、A型、B型及びC型肝炎、中耳炎、デング熱、狂犬病、パラインフルエンザ、風疹、黄熱病、赤痢、レジオネラ症、トキソプラズマ症、Q熱、出血熱、アルゼンチン出血熱、カリエス、シャーガス病、エシェリキア・コリ(E.coli)により引き起こされる尿路感染、肺炎球菌疾患、おたふく風邪、及びチクングンヤ熱。
【0052】
以下が代表的であるが原因細菌の排他的リストではない、他の疾患の症候群の症状を予防又は軽減するためのワクチン:ビブリオ(Vibrio)種、サルモネラ(Salmonella)種、ボルデテラ(Bordetella)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、トキソプラスモシス・ゴンジ(Toxoplasmosis gondii)、サイトメガロウイルス、クラミジア(Chlamydia)種、ストレプトコッカス(Streptococcal)種、ノーウォークウイルス、エシェリキア・コリ(Escherischia coli)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ロタウイルス、ナイセリア・ゴノレエ(Neisseria gonorrhae)、ナイセリア・メニンジディティス(Neisseria meningiditis)、アデノウイルス、エプスタインバーウイルス、日本脳炎ウイルス、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carini)、単純ヘルペス、クロストリジア(Clostridia)種、呼吸器合胞体ウイルス、クレブシエラ(Klebsiella)種、シゲラ(Shigella)種、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、パルボウイルス、カンピロバクター(Campylobacter)種、リケッチア(Rickettsia)種、バリセラ・ゾスター(Varicella zoster)、エルシニア(Yersinia)種、ロスリバーウイルス、J.C.ウイルス、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)及びパスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)。さらなる具体例には、フェンタニル又はミダゾラム等のオピオイドが含まれる。
【0053】
局所性及び全身性アレルギー状態、例えば花粉症、喘息、関節リウマチ及び癌腫等の非感染性免疫調節疾患状態に対するワクチン。
【0054】
家畜に対する使用のためのワクチンは、コクシジウム症、ニューカッスル病、地方病性肺炎、猫白血病、萎縮性鼻炎、丹毒、口蹄病、豚肺炎及び他の疾患状態、並びに、コンパニオンアニマル及び家畜に影響する他の感染症及び自己免疫疾患状態に対するワクチンを含む。
【0055】
タンパク質、ペプチド及び組み換え薬物:インスリン(六量体/二量体/単量体形態)、グルカゴン、成長ホルモン(ソマトトロピン)、ポリペプチド又はその誘導体(好ましくは分子量が1000〜300,000)、カルシトニン及びその合成改質物、エンケファリン、インターフェロン(特に、感冒の処置のためのインターフェロンα−2)、LHRH及び類似体(ナファレリン、ブセレリン、ゾラデックス、GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)、セクレチン、ブラジキニン拮抗薬、GRF(成長ホルモン放出因子)、THF、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)、ACTH類似体、IGF(インスリン様成長因子)、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)、心房性ナトリウム利尿ペプチド、バソプレッシン及び類似体(DDAVP、リプレシン)、第VIII因子、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、EPO(エリスロポエチン)。
【0056】
性ホルモン:クエン酸クロミフェン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、結合型エストロゲン、プロゲステロン、スタノゾロール、スチルベストロール、テストステロン、チボロン。
殺精子剤:ノノキシノール9。
【0057】
刺激薬:アンフェタミン、デクスアンフェタミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、マジンドール、ぺモリン。
【0058】
本発明の方法の一般的適用性にもかかわらず、生物活性材料のより具体的な例には、ハロペリドール(ドーパミン拮抗薬)、DLイソプロテレノール塩酸塩(β−アドレナリン作動薬)、テルフェナジン(H1拮抗薬)、塩酸プロプラノロール(β−アドレナリン拮抗薬)、塩酸デシプラミン(抗鬱剤)、クエン酸シルデナフィル、タダラフィル及びバルデナフィルが含まれるが、これらに限定されない。弱い鎮痛薬(シクロオキシゲナーゼ阻害薬)、フェナム酸、ピロキシカム、Cox−2阻害薬、及びナプロキセン等も全て、調製により有益となり得る。
【0059】
さらなる例には、アルファキサロン、アセチルジゴキシン、アシクロビル類似体、アルプロスタジル、アミホスチン、アニパミル、アンチトロンビンIII、アテノロール、アジドチミジン、ベクロブレート、ベクロメタゾン、ブレオマイシン、ベンゾカイン及び誘導体、βカロテン、βエンドルフィン、インターフェロンβ、ベザフィブレート、ビノバム、ビペリデン、ブロマゼパム、ブロモクリプチン、ブシンドロール、ブフロメジル、ブピバカイン、ブスルファン、カドララジン、カンプトテシン、カンタキサンチン、カプトプリル、カルバマゼピン、カルボプロスト、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セファゼドン、セフルオロキシム(cefluoroxime)、セフメノキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォキシチン、セフスロジン、セフチゾキシム、クロラムブシル、クロモグリシン酸、シクロニケート、シグリタゾン、クロニジン、コルテキソロン、コルチコステロン、コルチゾール、コルチゾン、シクロホスファミド、シクロスポリンA及び他のシクロスポリン、シタラビン、デソクリプチン、デソゲストレル、デキサメタゾンエステル、例えば酢酸エステルなど、デゾシン、ジアゼパム、ジクロフェナク、ジデオキシアデノシン、ジデオキシイノシン、ジギトキシン、ジゴキシン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジルチアゼム、ドーパミン拮抗薬、ドキソルビシン、エコナゾール、エンドララジン、エンケファリン、エナラプリル、エポプロステノール、エストラジオール、エストラムスチン、エトフィブレート、エトポシド、第ix因子、第viii因子、フェルバメート、フェンベンダゾール、フェノフィブレート、フェキソフェナジン、フルナリジン、フルルビプロフェン、5−フルオロウラシル、フルラゼパム、ホスホマイシン、ホスミドマイシン、フロセミド、ガロパミル、インターフェロンγ、ゲンタマイシン、ゲペフリン、グリクラジド、グリピジド、グリセオフルビン、ハプトグロブリン、B型肝炎ワクチン、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、イブプロフェン、イブプロキサム、インジナビル、インドメタシン、ヨウ素化芳香族X線造影剤、例えばヨーダミド、臭化イプラトロピウム、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン、K−ストロファンチン、ラベタロール、ラクトバシルスワクチン、リドカイン、リドフラジン、リスリド、リスリド水素マレイン酸塩、ロラゼパム、ロバスタチン、メフェナム酸、メルファラン、メマンチン、メスレルギン、メテルゴリン、メトトレキセート、メチルジゴキシン、メチルプレドニゾロン、メトロニダゾール、メチソプレノール、メチプラノロール、メトケファミド、メトラゾン、メトプロロール、酒石酸メトプロロール、ミコナゾール、硝酸ミコナゾール、ミノキシジル、ミソニダゾール、モルシドミン、ナドロール、ナフィベリン、ナファザトロム、ナプロキセン、天然インスリン、ネサピジル、ニカルジピン、ニコランジル、ニフェジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニトラゼパム、ニトレンジピン、ニトロカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、オランザピン、オキサゼパム、オクスプレノロール、オキシテトラサイクリン、ペニシリン、例えばペニシリンGベネタミン、ペニシリンO、フェニルブタゾン、ピコタミド、ピンドロール、ピポスルファン、ピレタニド、ピリベジル、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラスミノーゲン(plasminogenici)活性剤、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレグネノロン、プロカルバシン、プロカテロール、プロゲステロン、プロインスリン、プロパフェノン、プロパノロール、プロペントフィリン、プロポフォール、プロプラノロール、ラロキシフェン、リファペンチン、シンバスタチン、半合成インスリン、ソブレロール、ソマストチン及びその誘導体、ソマトロピン、スチラミン、スルフィナロール塩酸塩、スルフィンピラゾン、スロクチジル、スプロフェン、スルプロストン、合成インスリン、タリノロール、タキソール、タキソテレ、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テストステロンウンデカノエート、テトラカンHI、チアラミドHCl、トルメチン、トラニラスト、トリキラー、トロマンタジンHCl、ウロキナーゼ、バリウム、ベラパミル、ビダラビン、ビダラビンリン酸ナトリウム塩、ビンブラスチン、ビンブリン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンポセチン、ビタミンA、ビタミンEコハク酸塩、並びにX線造影剤が含まれるが、これらに限定されない
【0060】
さらに、本発明の方法が好適となる新規化学物質(NCE)及び他の活性物質が将来開発又は市販されることも期待される。
【0061】
生物活性材料の正確な量は、選択される薬物等の材料に依存する。しかしながら、活性材料は、一般に、乾燥重量で剤形の組成の0.02〜95%、好ましくは0.02〜20%、又は好ましくは0.1〜75%の量で存在する。
【0062】
本発明の速溶性固体剤形はまた、少なくとも1種のマトリックス形成剤を含む。従来技術の凍結乾燥系においては、その壁形成能力に起因して、ゼラチンが最も一般的に使用される担体又は構造形成剤である。ゼラチンは、水溶性ポリマーであり、したがって水中で活性薬剤成分と混合されると、時間とともに増加する溶液粘度によって混合物中の難溶性薬物の溶解度が低下し、ゼラチンマトリックス中の薬物の懸濁物がもたらされる可能性がある。これによって層分離が生じ得、非晶質又は結晶性形態の薬物がマトリックス中に均一に分散しない可能性があり、結果的にこれが最終生成物の溶解及び吸収に影響を与える。
【0063】
出願人は、薬物送達の分野における特定の用途に対して、特に口腔内等の部位特異的な薬物送達系に対して、マトリックスの形成に好適な他のポリマー材料を選択することができることを見出した。本発明のマトリックス形成剤は、非哺乳動物性ゼラチン、デキストリン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、オオバコ種子タンパク質、アカシアガム、グアーガム、アガーガム、キサンチンガム、多糖類、アルギネート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、デキストラン、ペクチン、糖、アミノ酸、デンプン、改質デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロース無機塩、合成ポリマー、アミロペクチン、ポリペプチド/タンパク質又は多糖類複合体からなる群から選択され得る。
【0064】
炭水化物である少なくとも1種のマトリックス形成剤の例には、マンニトール、デキストロース、乳糖、ガラクトース及びトレハロース及びシクロデキストリンが含まれる。無機塩であるマトリックス形成剤の例は、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム及びケイ酸アルミニウムからなる群から選択され得る。少なくとも1種のマトリックス形成剤はまた、アミノ酸であってもよい。好適なアミノ酸の例には、グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン及びL−フェニルアラニンが含まれる。
【0065】
極めて好ましい実施形態において、少なくとも1種のマトリックス形成剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。少なくとも1種のマトリックス形成剤がカルボキシメチルセルロースナトリウムである場合、ポリマーは、乾燥重量で固体剤形の約0.1%〜約19%の濃度で存在する。好ましい実施形態において、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、乾燥重量で剤形の約0.1%〜約15%の量で存在する。本発明の極めて好ましい実施形態において、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、乾燥重量で固体剤形の約0.1%〜約1.0%の量で存在する。
【0066】
本発明の別の実施形態において、速溶性剤形は、少なくとも1種のマトリックス形成剤としてアミロペクチンを含む。アミロペクチンは、製剤の崩壊を促進することにより、生物活性薬剤の放出を増加させることができる。アミロペクチンは、乾燥重量で固体剤形の約2%から最大20%以下の濃度で剤形中に存在し得る。本発明の極めて好ましい形態において、アミロペクチンは、乾燥重量で剤形の約2%〜約17%の量で存在する。
【0067】
薬物の迅速な溶解を達成するために、少なくとも1種のマトリックス形成材料として希釈剤が添加されてもよい。希釈剤は、微結晶性セルロース(例えば、アビセル(Avicel)PH101(登録商標)及びアビセルPH102(登録商標))、乳糖、デンプン並びにソルビトールを含む。これらの希釈剤は、単独又は異なる比率の混合物として剤形中に存在してもよく、個々に、又は累積的に約1%〜約80%、好ましくは約2%〜約50%であってもよい。
【0068】
本発明の一実施形態において、速溶性剤形は、少なくとも1種のマトリックス形成剤として微結晶性セルロースを含む。微結晶性セルロースは、本発明の剤形中の充填剤及び結合剤として機能し得る。微結晶性セルロースは、最小圧縮圧力で圧密する能力を有し、硬く安定した速溶性剤形をもたらす。その大きな表面積及び高い内部空隙率に起因して、微結晶性セルロースは、大量の水を吸収及び保持することができ、これは本発明の剤形において望ましい。本発明の固体剤形が微結晶性セルロースを含む場合、微結晶性セルロースは、乾燥重量で剤形の約1%〜約10%、好ましくは約1%〜約8%の量で存在する。
【0069】
本発明の速溶性剤形の有効性は、体循環に吸収される前に口腔内等の少量の流体中への薬物溶解に依存する。したがって、剤形の溶解速度が重要である。本発明の好ましい実施形態において、剤形は、少なくとも1種のマトリックス形成材料として超崩壊剤を含む。
【0070】
極めて好ましい実施形態において、本発明の速溶性剤形は、グリシンを含む。グリシンは、優れた湿潤特性を有するアミノ酸であり、速溶性製剤に好適である。本発明の製剤に少量のグリシンを使用して、剤形の溶解速度を制御することができる。さらに、グリシンはまた、製造プロセス中又は包装後において剤形を収縮しないように維持する破砕防止剤として使用することができる。一実施形態において、本発明の剤形は、乾燥重量で剤形の約0.5%〜約5%を占める。
【0071】
本発明の別の実施形態によれば、速溶性固体剤形は、マンニトール等のマトリックス形成剤を含んでもよい。マンニトールは、結晶構造を補助し剤形の硬度を付与し得る成分である。剤形中にマンニトールが存在する場合、マンニトールは、乾燥重量で剤形の約5%〜約80%、好ましくは約10%〜約60%の濃度で存在する。
【0072】
さらに、本発明の速溶性剤形は、ポリエチレングリコール(PEG)1000、2000、4000及び6000、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪又は油等の潤滑剤を含んでもよい。これらの潤滑剤を使用することの1つの利点は、型からの剤形の取り出しを補助する点である。これらの潤滑剤は、単独又は異なる比率の混合物として剤形中に存在してもよく、個々に、又は累積的に0.05%〜5%の間、好ましくは0.1%〜2%の間、好ましくは約1.5%であってもよい。一実施形態において、組成物は、乾燥重量で剤形の0.05%〜5%の間のポリエチレングリコール2000、好ましくは0.1%〜2%の間のポリエチレングリコール2000、好ましくは約1.5%のポリエチレングリコール2000を含むか、又は各種グリコールの混合物として含む。
【0073】
本発明の別の態様において、本発明は、弱塩基化合物の舌下吸収の改善に至り、組成物は、口腔内で溶解した場合に7.0〜7.8の唾液pHをもたらす程の固体緩衝試薬を含む。弱塩基化合物の溶液のpHを増加させることにより、非イオン化対イオン化比を増加させることができ、これが舌下吸収の向上をもたらす。固体緩衝試薬は、無水リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含み、これらは、単独又は異なる比率の混合物として、組成物の約0.01重量%〜約10重量%の濃度で剤形中に存在してもよい。好ましくは、緩衝試薬は、炭酸ナトリウムであり、これは組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の間、最も好ましくは約0.3重量%の濃度で存在してもよい。
【0074】
剤形中にマンニトールが存在する場合、マンニトールは、乾燥重量で剤形の約5%〜約80%、好ましくは約10%〜約60%の濃度で存在する。
【0075】
ある特定の実施形態において、組成物は、吸収促進剤を含んでもよい。吸収促進剤は、多糖類であってもよく、正電荷を有してもよい。好ましくは、吸収促進剤は、β−シクロデキストリン又はその誘導体である。β−シクロデキストリン又は誘導体は、乾燥重量で剤形の約0.01%〜約10%、好ましくは0.2%〜2%の間、最も好ましくは約1%の濃度で存在してもよい。
【0076】
本発明の速溶性固体剤形は、製造プロセス中、マトリックス中に均一に分散した生物活性材料の分配を維持するために、凝集剤を含んでもよい。凝集剤は、ガムであってもよい。好ましくは、ガムは、キサンタンガムである。キサンタンガムは、乾燥重量で組成物の約0.01%〜約10%、好ましくは約0.2%〜2%、最も好ましくは約1%の濃度で存在してもよい。
【0077】
生物活性材料の水性環境への溶解を補助するために、湿潤剤として溶液に界面活性剤が添加されてもよい。好適な界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及びジオクチルスルホン酸ナトリウム等の陰イオン性洗剤を含む。陽イオン性洗剤が使用されてもよく、これには塩化ベンザルコニウム又は塩化ベンゼトミウム(benzethomium chloride)が含まれる。可能な非イオン性洗剤のリストには、ラウロマクロゴール400、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50及び60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート40、60、65及び80、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース並びにカルボキシメチルセルロースが含まれる。これらの界面活性剤は、単独又は異なる比率の混合物として剤形中に存在してもよい。
【0078】
化合物の取り込みを向上させ得る添加剤は、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸等の脂肪酸である。
【0079】
速溶性剤形の対象に対する外見的及び味覚的魅力を高めるために、剤形はまた、FD&C染料Blue No.2及びRed No.40等の着色剤、オレンジ、ミント、ラズベリー及びカラメル等の香味剤、並びに/又はアスパルテーム及びサッカリン等の甘味料を含有してもよい。
【0080】
本発明の速溶性固体剤形は、対象への経口投与に好適である。上述のように、剤形は、少なくとも1種の生物活性薬剤又は材料を含む。したがって、活性薬剤は、対象に口腔粘膜を介して送達され、比較的短い期間内に全身血液系内に送達される。好ましい実施形態において、2時間以内の期間内に、好ましくは30分以内に、最も好ましくは10分以内に、生物活性薬剤の有効血漿濃度に到達する。
【0081】
さらに、本発明の利点は、速溶性固体剤形が、剤形の投与後2秒〜60秒以内に、好ましくは2秒から30秒以内に、最も好ましくは2秒〜10秒以内に完全に溶解することである。本発明の極めて好ましい実施形態において、投与後、患者により感知され得る本発明の剤形の残留物は残らない。したがって、対象は、剤形を飲み込もうとする衝動が起きない。
【0082】
本発明の速溶性剤形が与えられる対象は、動物又は人間であってもよい。対象が人間である場合、人間は、高齢者及び幼児を含む成人又は小児であってもよい。特に、対象は、嚥下が不可能又は困難である対象である。
【0083】
発明者らは、驚くべきことに、カルボキシメチルセルロースナトリウムの添加が、速溶性剤形の溶解速度を改善することを見出した。カルボキシメチルセルロースナトリウムの量が、乾燥重量で剤形の約0.1%〜15%の間である場合、ウエハーは、口腔内に残留物を残すことなく活性薬剤を迅速に放出する。さらに、発明者らによってゼラチンの使用が回避されたため、投与後に口腔内に不要な残留物が残ることが防止される。乳糖及び/又はマンニトールの添加もまた、本発明の投薬製剤において有利であることが判明した。
【0084】
したがって、極めて好ましい実施形態において、本発明は、口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形であって、(i)少なくとも1種の生物活性材料と、(ii)少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解し、乾燥重量として、固体剤形の0.29%の炭酸ナトリウム、0.59%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、1.48%のPEG2000、2.97%のグリシン、5.93%の微結晶性セルロース、14.84%のアミロペクチン、29.67%の乳糖及び44.23%のマンニトールを含み、実質的に感知可能なレベルの残留物が患者の口腔内に残らない剤形を提供する。出願人はまた、上述の経口剤形と同じ利点を有したままPEG2000をPEG1000と置き換えることができることを見出した。
【0085】
上述のように、本発明の医薬は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体を含んでもよい。医薬の製造におけるそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来の媒体又は薬剤が薬学的に許容される材料に適合しない場合を除き、本発明による医薬組成物の製造におけるそれらの使用が企図される。
【0086】
本発明による薬学的に許容される担体は、以下の例のうちの1つ又は複数を含み得る。
(1)ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン−ポリビニルアクリレートコポリマー、セルロース誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、尿素、糖、ポリオール、及びそれらのポリマー、乳化剤、シュガーガム、デンプン、有機酸及びそれらの塩、ビニルピロリドン及び酢酸ビニルを含むがこれらに限定されない界面活性剤及びポリマー、並びに/或いは
(2)各種セルロース及び架橋ポリビニルピロリドン、微結晶性セルロース等の結合剤、並びに/或いは
(3)乳糖一水和物、無水乳糖、微結晶性セルロース及び各種デンプン等の充填剤、並びに/或いは
(4)コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、シリカゲルを含む、圧縮される粉末の流動性に作用する薬剤等の潤滑剤、並びに/或いは
(5)ショ糖、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテーム、及びアセスルファムKを含む任意の天然若しくは人工甘味料等の甘味料、並びに/或いは
(6)香味剤、並びに/或いは
(7)ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸及びその塩などの防腐剤、ブチルパラベン等のパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチル若しくはベンジルアルコール等のアルコール、フェノール等のフェノール系化学薬品、又は塩化ベンザルコニウム等の第4級化合物、並びに/或いは
(8)緩衝剤、並びに/或いは
(9)微結晶性セルロース、乳糖、第2リン酸カルシウム、サッカリド、及び/又は上記のいずれかの混合物等の、薬学的に許容される不活性充填剤等の希釈剤、並びに/或いは
(10)コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、及び改質デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、及びこれらの混合物等の湿潤剤、並びに/或いは
(11)崩壊剤、並びに/或いは
(12)有機酸(例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、及びアルギン酸並びに無水物及び酸性塩)、又は炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、グリシン炭酸ナトリウム、L−リシンカーボネート、及びアルギニンカーボネート)、又は重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム若しくは重炭酸カリウム)等の発泡性カップル等の発泡剤、並びに/或いは
(13)他の薬学的に許容される賦形剤。
【0087】
動物、特に人間における使用に好適な本発明の医薬は、典型的には、無菌でなければならず、また製造及び保存条件下で安定でなければならない。生物活性材料を含む本発明の医薬は、固体、リポソーム、又は経口送達用に構成された高い薬物濃度に好適な他の秩序構造として製剤化することができる。
【0088】
本発明の医薬中の生物活性材料の実際の用量強度は、生物活性材料の性質、並びに生物活性材料を提供及び投与することの利点によって増加する可能性のある有効性に従って変動し得る。したがって、「治療上効果的な量」とは、本明細書で使用される場合、対象において治療応答を生じさせるのに必要な生物活性材料の量を指す。そのような使用に効果的な量は、所望の治療効果、生物活性材料の効能、所望の処置期間、処置されている疾患の段階及び重症度、患者の体重及び全般的健康状態、並びに処方する医師の判断に依存する。
【0089】
別の実施形態において、生物活性材料は、別の生物活性材料とともに、又はさらに同じ生物活性材料とともに、医薬中に組み合わされてもよい。後者の実施形態において、異なる放出特性、つまり生物活性材料からの早期放出、及びより大きな平均サイズの生物活性材料からのより遅い放出を提供する医薬が達成され得る。
【0090】
本発明の医薬は、対象に経口投与され得る。経口投与用の固体剤形は、ウエハー、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉剤、ペレット剤、フィルム及び顆粒剤を含む。さらに、以前に列挙されたもの等の通常使用される賦形剤のいずれか、及び一般に0.1%〜95%の生物活性薬剤、より好ましくは0.1%〜75%の濃度の生物活性薬剤を組み込むことによって、薬学的に許容される非毒性経口投与を形成する。
【0091】
本発明の速溶性剤形は経口投与され得るが、本発明の経口剤形はまた、ジェット又は超音波噴霧器との使用に好適であり、典型的には水に懸濁した剤形を含む。本発明の剤形はまた、(例えば、タンパク質の安定化及び浸透圧の調整のための)緩衝剤及び単純な糖を含んでもよい。噴霧器製剤はまた、エアロゾル形成における溶液の微粒化により生じる化合物の表面誘起凝集を低減又は防止するために、界面活性剤を含有してもよい。
【0092】
上述のように、生物活性材料は、(例えば、経口、経皮又は坐剤投与用の)固体剤形中に製剤化され得る。この場合、粉砕マトリックスが固体状態安定剤として効果的に機能し得るため、安定剤を添加する必要がほとんど又は全くないことがある。
【0093】
本発明の医薬の治療上の用途は、鎮痛、抗炎症、片頭痛、喘息、及び、高いバイオアベイラビリティでの活性薬剤の投与を必要とする他の障害を含む。生物活性材料の迅速なバイオアベイラビリティが必要とされる場合の主な領域の1つは、痛みの緩和である。シクロオキシゲナーゼ阻害薬(アスピリン関連薬物)又はオピオイド等の弱い鎮痛薬が、本発明による医薬として調製され得る。
【0094】
本発明による生物活性材料は、狭心症の処置等の心臓血管疾患の処置にもまた有利であることがあり、特に、モルシドミンは、改善されたバイオアベイラビリティが有利である可能性がある。本発明の医薬の他の治療上の用途は、脱毛、性機能不全の処置、又は乾癬の皮膚処置を含む。
【0095】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の速溶性剤形を生成する方法であって、少なくとも1種のマトリックス形成剤を生物活性材料と合わせて、混合物を形成するステップと、次いで混合物を凍結乾燥して固体剤形を形成するステップとを含む方法が提供される。本発明の好ましい実施形態において、混合物は、予め形成されたプラスチック又はアルミニウムブリスター型(個々の用量)内に(重量又は体積に基づき)測り取られる。ブリスター型は、凍結乾燥器内に24時間置かれ、次いで、得られた固体剤形(ウエハー)は、吸湿を防止するためにアルミニウム又はプラスチック箔で封止される。
【0096】
本発明の一実施形態において、方法は、混合物のpHが、3.0〜8.0、好ましくは6.4〜7.8の範囲内のpHに調整されることを必要とし得る。必要な場合、pHは、塩酸、リン酸若しくはクエン酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウム等の塩基性化合物を使用して調整され得る。
【0097】
別の実施形態において、方法は、水等の溶媒を使用するステップを含んでもよい。溶媒として水が使用される場合、凍結乾燥により水を除去することが好ましい。
【0098】
本発明のさらなる態様において、速溶性経口剤形であって、(i)少なくとも1種の生物活性材料と、(ii)少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解する剤形と、その使用説明書とを備えるキットが提供される。
【0099】
ここで、以下の限定されない実施例を参照して本発明を説明する。実施例の説明は、本明細書の前述の段落を全く制限せず、本発明の方法及び組成物を例示するために記載される。
【0100】
本明細書に記載の発明は、具体的に記載されるもの以外に変形及び修正が可能であることが、当業者に理解される。本発明はそのような変形及び修正の全てを含むことを理解されたい。本発明はまた、本明細書中で参照される又は示されるステップ、特徴、組成物及び材料の全てを、個々に又は集合的に含み、またステップ又は特徴の任意の2つ以上のありとあらゆる組合せを含む。
【0101】
本発明の範囲は、例示のみを目的とすることが意図される本明細書に記載の特定の実施形態により限定されるものではない。機能的に同等の生成物、組成物及び方法は、明らかに、本明細書に記載の本発明の範囲内である。
【0102】
本明細書に記載の発明は、値(例えば、サイズ、濃度等)の1つ又は複数の範囲を含み得る。値の範囲は、範囲を画定する値、及び、その範囲の境界を画定する値に直接隣接した値と同じ又は実質的に同じ結果をもたらす、その範囲に隣接した値を含む、その範囲内の全ての値を含むように理解される。
【0103】
本明細書において引用される全ての出版物(特許、特許出願、学術論文、研究室マニュアル、本、又は他の文献を含む)の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。包含は、参考文献のいずれかが先行技術を構成すること、又は本発明が関連する分野の当業者の共通の一般的知識の一部であることを容認するものではない。
【0104】
本明細書全体を通して、文脈により他の解釈が必要とされない限り、「備える(comprise)」又はその変化形、例えば「備える(comprises)」若しくは「備えている(comprising)」という言葉は、示された整数又は整数の群の包含を暗示するが、任意の他の整数又は整数の群の除外を暗示しないことが理解される。また、本開示において、特に特許請求の範囲及び/又は段落において、「備える」、「備えた」、「備えている」等の用語は、米国特許法において規定される意味を有し得、例えば、それらの用語は、「含む」、「含まれた」、「含んでいる」等を意味し得ることに留意されたい。
【0105】
「治療上効果的な量」は、処置の方法、特に薬物用量に関して本明細書で使用される場合、そのような処置を必要とする多数の対象において薬物が投与される特定の薬理反応を提供する用量を意味するものとする。特定の場合において特定の対象に投与された「治療上効果的な量」は、そのような用量が当業者により「治療上効果的な量」とみなされる場合であっても、本明細書に記載の疾患の処置において必ずしも効果的であるとは限らないことが強調される。薬物用量は、特定の場合において、経口用量として、又は血液中で測定される薬物レベルに関して測定されるものであることをさらに理解されたい。
【0106】
「阻害する」という用語は、進行又は重症度を防止、予防、抑止、及び低下、停止、又は反転すること、並びに結果的な症状に対するそのような作用を含む、その一般に認められている意味を含むように定義される。したがって、本発明は、内科療法及び予防的投与の両方を適宜含む。「生物活性材料」という用語は、生物活性化合物又は生物活性化合物を含む物質を意味するように定義される。この定義において、化合物は、一般に、化学式(複数可)を使用して物質を説明することができる明確な化学物質を意味するとみなされる。しかしながら、そのような化合物は、一般に、文献内において、必ずしもCAS番号等の一意の分類体系により同定されるわけではない。いくつかの化合物は、より複雑で複合した化学構造を有し得る。そのような化合物の場合、化合物は、実験式を有するのみであってもよく、又は定性的に同定されてもよい。化合物は、一般に純粋な材料であるが、物質の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%までが他の不純物等であってもよいことが想定される。生物活性化合物の例は、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、種子処理剤、薬用化粧品、化粧品、補完医用薬剤、天然物、ビタミン、栄養素、栄養補給食品、医薬活性物質、生物学的因子、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、核酸、添加剤、食品及び食品成分、並びにその類似体、ホモログ及び1次誘導体であるが、これらに限定されない。生物活性化合物を含有する物質は、その成分の1つとして生物活性化合物を有する任意の物質である。生物活性化合物を含有する物質の例は、医薬製剤及び製品、化粧製剤及び製品、工業製剤及び製品、農業製剤及び製品、食品、種子、ココア及びココア固形物、コーヒー、ハーブ、スパイス、他の植物性材料、ミネラル、動物性食品、殻並びに他の骨格材料であるが、これらに限定されない。
【0107】
「生物活性物質」、「活性物質」、「活性材料」という用語はいずれも、生物活性材料と同じ意味を有するものとする。
【0108】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含む。好ましくは、担体は、経口投与に好適である。
【実施例】
【0109】
実施例1
本発明の製剤は、以下の表1に記載の方法及び成分に従って調製した。
【表1】

【0110】
カルボキシメチルセルロースナトリウム及びアミロペクチンを、撹拌器で完全に混合することにより精製水の一部に添加した。次いで混合物を50℃に10分間加熱し、ポリマーを溶解させた。溶液が室温まで冷却されたら、ポリエチレングリコール2000、グリシン、炭酸ナトリウム、微結晶性セルロース、乳糖及びマンニトールを撹拌下で個別に添加すると、均一溶液が得られた。Brookfield Digital Viscometer(Brookfield Engineering Laboratories Inc、MA、USA)を使用して、溶液の粘度を25℃で測定した。
【0111】
予め形成されたブリスターパック内に、得られた混合物をピペットにより移して正確に秤量し、次いで冷凍庫(−30℃)内に約24時間移した。冷凍後、試料を24時間凍結乾燥した(DYNAVAC、オーストラリア)。調製された試料を、デシケータ内でシリカゲル上に室温で保存した。
【0112】
以下の追加の製剤は、上記の方法により調製した。本質的に、試料1〜6は上述の製剤に基づいているが、香料及び/又は着色剤が添加されている。
【0113】
【表2】

【0114】
【表3】

【0115】
【表4】

【0116】
【表5】

【0117】
【表6】

【0118】
【表7】

【0119】
次いで、速溶性固体剤形の様々なバッチを、表1に示される製剤に基づいて調製し、上記実施例1に記載のように調製した。バッチ番号及び成分を表2に列挙する。
【0120】
【表8】

【0121】
全般的所見
ポリエチレングリコール2000の代わりにポリエチレングリコール1000を使用したことを除いて実施例1の手順を繰り返し、それにより速溶性剤形を生成した。出願人は、ポリエチレングリコール1000又はポリエチレングリコール2000の使用の間で大きな違いがないことを発見した(結果は示さず)。出願人は、デンプンの添加が硬いウエハーをもたらし、本発明の速溶性固体剤形にあまり好適ではないことを発見した。
【0122】
重量の均一性
速溶性剤形(ウエハー)の重量の均一性を、英国薬局方(British Pharmacopoeia、BP)2009試験に従い試験した。すなわち、上記表2に列挙された製剤のそれぞれの20個のウエハーを個別に秤量し、平均重量及び相対標準を計算した。異なる製剤から調製された全てのウエハーは、0.25〜2%の間の許容重量偏差内にあった。
【0123】
硬度
表2に列挙された投薬製剤の硬度もまた試験した。錠剤の機械的強度は、「硬度」と呼ばれる。ウエハーの硬度は、Erweka硬度試験機(ドイツ)を使用して決定した。異なる製剤の硬度の値は、0.5〜4.0kgの範囲であった。製剤の硬度は、製剤にアビセルが添加されると増加することが観察された(結果は示さず)。
【0124】
破砕性
速溶性固体剤形(ウエハー)の強度、すなわち固体物質からより小さい断片に粉砕(reduce)される能力を測定した。試験は、Erweka破砕性試験機(ドイツ)を使用して、BP2009法(すなわち、非コーティング錠剤の破砕性)に従って行った。20個のウエハーの試料を正確に秤量し、装置内に設置した。25rpmで4分間の回転時間を使用した。ウエハーを取り出して再び秤量し、重量損失のパーセンテージを計算した。20個のウエハーの重量損失は8〜20%の範囲であることが判明した。この重量損失は、圧縮錠剤に対するBP2009標準である約1%の重量損失に適合しないが、BP又はUSPモノグラフにおいて、ウエハーに対するそのような標準はない。
【0125】
水分分析
870 Karl Fisher Titrino Plus(Metrohm Ag、ドイツ)を使用して、凍結乾燥後のウエハーの含水率を分析した。結果は、残留含水率が、異なる製剤に対して1%〜5%で変動したことを示している。
【0126】
走査型電子顕微鏡分析
走査型電子顕微鏡(SEM)(Zeiss、EVO 40 XVP、Oxford Instrument、UK)を使用して、選択されたウエハー製剤の表面形態及び断面を観察した。メスを用いてウエハーの薄片を切り出すことにより、断面試料を調製した。検査前に試料をカーボンでコーティングした。加速電圧は10kVであった。
【0127】
図1〜6に示すSEM画像は、表面及び内部構造の両方におけるウエハーの極めて多孔質の性質を示している。明らかに、異なる製剤間で形態の違いが見られた。これらの違いは、使用した賦形剤がウエハーの微細構造に影響を与えることを示していた。さらに、微細構造は、異なる製剤から調製したウエハーの異なる硬度、破砕性、崩壊時間、さらには溶解プロファイルを説明するものと考えられる。
【0128】
粉末X線回折(XRD)
検出器LynEyeを装備したBruker D8 Advance(ドイツ)を使用して、X線回折実験を行った。使用した放射線は、ニッケルフィルタを通したCuKαであり、これは加速電圧40kV及びカソード電流40mAを使用して生成した。7.5〜70°の2θ範囲にわたり、0.02°あたり1秒の計数時間で試料を走査した。
【0129】
ウエハー内の材料の物理的状態は、X線回折スペクトルにおいて明確であった。表2に従い調製された3つの異なる製剤に対するスペクトルを、図7〜9に示す。調製されたウエハーの粉末パターンは全て、ほぼ9.58°、19.68°及び20.05°の2θに位置する強い散乱ピークが主に占めていることが観察され、これは結晶性の性質を示している。この所見はまた、SEM(図1〜6を参照)から得られたデータにより支持された。実際、製剤中に使用された賦形剤、例えばグリシン、乳糖、マンニトール及び微結晶性セルロース等は、結晶性の性質である。固体分散体においては、物理的状態の変化は僅かであることが観察された。
【0130】
崩壊及び溶解分析
装置I(BP2009、バスケット装置)を使用して、崩壊及び溶解試験を行った。Erweka溶解装置(Hesenstamm、ドイツ)を両方の試験に使用した。媒体の温度は37±0.5℃に維持した。
【0131】
崩壊試験においては、ウエハーを円筒状バスケット内に設置し、下側を円筒状容器内の蒸留水に接触させることによって湿潤させた。各ウエハーの完全溶解時間を記録し、平均値を計算した。
【0132】
溶解試験においては、
(i)モデル薬物としてミダゾラムを含有するウエハー(バッチ0905MD)を使用して、BPバスケット法及びUSPパドル法の両方に従い、系からの薬物放出のメカニズムを決定した(図17参照)。溶解媒体は500mLのリン酸緩衝溶液(pH値は唾液に近い6.8である)であり、パドル回転速度は75rpmであった。所与の間隔(例えば、0.5分、1分、2分、3分、5分、10分、15分、20分及び30分)で、2mLの溶液をサンプリングし、同体積の新鮮な媒体で置き換えて総体積を一定に維持した。0.2μmのMilliporeフィルタを通して試料を濾過した。放出された薬物をHPLCにより測定した。
【0133】
HPLCシステムは、Waters 1525ポンプ、Waters Symmetry C18カラム(5μm、150×4.6mm)、及びWaters UV 484検出器で構成されていた。移動相は、アセトニトリル:10mM酢酸アンモニウム緩衝液(40:60、体積比、pH4.10)であり、流速は、周囲温度で1.2ml/分であった。220nmでピークを記録し、定量限界は約1ng/mlであった。1〜32.4μg/mLの濃度に対する較正曲線(6点較正)は線形であった[y=870714x+52057(r=0.9998)、yはミダゾラムのピーク面積を表し、xは試料の濃度を表す]。
【0134】
ミダゾラムの標準HPLC較正曲線を、図30に示す。図31に示されるような結果は、平均崩壊時間が15秒未満であったことを実証しており、溶解試験もまたミダゾラムの迅速な放出速度を示した。ミダゾラムのほぼ75%が1分で溶解した。未処理ミダゾラム粉末は、非常に遅かった。これは、ウエハー中のミダゾラム結晶形態の変化を示している可能性があり、これはX線においても明らかであった。X線スペクトルは、凍結乾燥プロセス中のミダゾラムの非晶質化を示していた。
【0135】
表1に従い調製された製剤の様々な試料に対するHPLC分析の結果を、図11〜29に示す。図10A〜10Eは、標準ミダゾラム試料及びミダゾラム粉末溶解試料のHPLCを示す。図11〜16は、溶解ウエハー試料1〜3(S1、S2及びS3、BPバスケット法)のHPLCクロマトグラムである。簡潔には、試料1、2及び3は、表1に従い調製された、同じ製剤の3つの試料である。図17は、モデル薬物としてミダゾラムを含有するバッチ0905MDのHPLCクロマトグラムを示す。
【0136】
図18〜29は、別の3つの溶解ウエハー試料(USPパドル法)のHPLCクロマトグラムを反映している。上述のように、試験薬物ミダゾラムを含有するウエハーの溶解速度を測定した。0.5分、1分、5分、10分及び15分の時点で試料を採取した。
【0137】
これらの期限におけるウエハー1〜3(バッチ0905MD)の結果を、図18〜29に示す。また、別の3つのウエハー(バッチ0905MD)に対して、薬物投入試験を行った。
【0138】
本発明のウエハーは約15秒で完全に溶解することができ、残留物は残らないことが示された。
【0139】
(ii)モデル薬物としてフェンタニルを含有するウエハー(バッチ1003FEN)を使用して、BPバスケット法に従い、系からの薬物放出のメカニズムを決定した。少量(10mLリン酸緩衝溶液、pH6.8)で、50rpmのバスケット回転速度でウエハーの溶解速度を決定した。所与の間隔(例えば、0.5分、1分、2分、3分、4分、5分、7分、10分及び15分)で、0.5mLの溶液をサンプリングし、同体積の新鮮な媒体で置き換えた。放出された薬物をHPLCにより測定した。
【0140】
移動相は、メタノール:0.4%リン酸(50:50、体積比、pH2.3)であり、流速は、周囲温度で1.2ml/分であった。監視波長は210nmであった。0.5〜10μg/mLの濃度に対する較正曲線(8点較正)は線形であった[y=316668x+4675.7(r=0.9999)、yはフェンタニルのピーク面積を表し、xは試料の濃度を表す]。アッセイ標準曲線を、図32に示す。
【0141】
調製されたフェンタニルウエハー(バッチ1003FEN)は、±2.55%の重量偏差を示し、ウエハーのフェンタニル含量の平均パーセンテージは91.32%であった(均一含量限界のBP標準は85〜115%)。平均崩壊時間は15秒未満であり、溶解試験もまたフェンタニルの迅速な放出速度を示していた。フェンタニルのほぼ90%が1分で溶解した。溶解プロファイルを図33に示す。
【0142】
フェンタニルウエハーの6つの溶解試料のHPLCクロマトグラムを収集したが、これらを図34A〜E(試料1〜3)及び図35A〜J(試料4〜6)に示す。各試験ウエハーのサンプリングは、溶解試料1〜3に対しては0.5分、1分、5分、10分、15分及び20分の時点で、溶解試料4〜6に対しては1分、2分、3分、4分、5分、7分及び10分の時点で行った。
【0143】
速溶性剤形は、多孔質マトリックス中の薬物の固体分散物である。投与後、この剤形は口腔内で迅速に崩壊し、速溶性薬物を拡散により直接体循環内に吸収させ、初回通過効果が回避される。本発明は、薬物投与の代替経路を提供する可能性を有し、副作用の割合を低下させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形であって、
(a)少なくとも1種の生物活性材料と、
(b)少なくとも1種のマトリックス形成剤と
を含み、口腔内で実質的に溶解する剤形。
【請求項2】
少なくとも1種の生物活性材料が、乾燥重量で剤形の組成の0.02〜95重量%の量で存在する、請求項1に記載の速溶性固体剤形。
【請求項3】
少なくとも1種のマトリックス形成剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む、請求項1又は2に記載の速溶性固体剤形。
【請求項4】
カルボキシメチルセルロースナトリウムが、乾燥重量で剤形の組成の0.1〜19重量%の量で存在する、請求項3に記載の速溶性固体剤形。
【請求項5】
少なくとも1種のマトリックス形成剤が、アミロペクチンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項6】
アミロペクチンが、乾燥重量で剤形の組成の2〜17重量%の量で存在する、請求項5に記載の速溶性固体剤形。
【請求項7】
少なくとも1種のマトリックス形成剤が、微結晶性セルロースを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項8】
微結晶性セルロースが、乾燥重量で剤形の組成の1〜10重量%の量で存在する、請求項7に記載の速溶性固体剤形。
【請求項9】
少なくとも1種のマトリックス形成剤が、グリシンを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項10】
グリシンが、乾燥重量で剤形の組成の0.5〜5重量%の量で存在する、請求項9に記載の速溶性固体剤形。
【請求項11】
少なくとも1種のマトリックス形成剤が、マンニトールを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項12】
マンニトールが、乾燥重量で剤形の組成の5〜80重量%の量で存在する、請求項11に記載の速溶性固体剤形。
【請求項13】
少なくとも1種の潤滑剤をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項14】
少なくとも1種の潤滑剤が、ポリエチレングリコール(PEG)2000を含む、請求項13に記載の速溶性固体剤形。
【請求項15】
PEG2000が、乾燥重量で剤形の組成の0.05〜5重量%の量で存在する、請求項14に記載の速溶性固体剤形。
【請求項16】
少なくとも1種の緩衝試薬をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項17】
少なくとも1種の緩衝試薬が、炭酸ナトリウムを含む、請求項16に記載の速溶性固体剤形。
【請求項18】
炭酸ナトリウムが、乾燥重量で剤形の組成の0.01〜10重量%の量で存在する、請求項17に記載の速溶性固体剤形。
【請求項19】
少なくとも1種の吸収促進剤をさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項20】
少なくとも1種の吸収促進剤が、β−シクロデキストリンを含む、請求項16に記載の速溶性固体剤形。
【請求項21】
β−シクロデキストリンが、乾燥重量で剤形の組成の0.01〜10重量%の量で存在する、請求項20に記載の速溶性固体剤形。
【請求項22】
少なくとも1種の凝集剤をさらに含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項23】
少なくとも1種の凝集剤が、キサンタンガムを含む、請求項16に記載の速溶性固体剤形。
【請求項24】
キサンタンガムが、乾燥重量で剤形の組成の0.01〜10重量%の量で存在する、請求項23に記載の速溶性固体剤形。
【請求項25】
少なくとも1種の界面活性剤をさらに含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項26】
少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項27】
少なくとも1種の着色剤をさらに含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項28】
少なくとも1種の着色剤が、FD&C染料Blue No.2及びRed No.40、並びにその混合物からなる群から選択される、請求項27に記載の速溶性固体剤形。
【請求項29】
少なくとも1種の香味剤をさらに含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項30】
少なくとも1種の香味剤が、オレンジ、ミント、ラズベリー、カラメル、アスパルテーム、サッカリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項29に記載の速溶性固体剤形。
【請求項31】
ウエハー、錠剤、カプセル剤、丸薬、粉剤、ペレット剤、顆粒剤、又はフィルムである、請求項1〜30のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項32】
口腔内に置かれると、2分未満、1分未満、50秒未満、40秒未満、30秒未満、20秒未満、15秒未満、10秒未満、7.5秒未満、5秒未満、4秒未満、3秒未満、2秒未満からなる群から選択される期間内に実質的に溶解する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項33】
対象への経口投与後に完全に溶解し、それにより対象が剤形を飲み込もうとする衝動を回避する、請求項32に記載の速溶性固体剤形。
【請求項34】
少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1〜33のいずれか一項に記載の速溶性固体剤形。
【請求項35】
口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形の生成方法であって、
(i)少なくとも1種のマトリックス形成剤を生物活性材料と合わせて、均一混合物を形成するステップと、
(ii)前記混合物を凍結乾燥して、前記固体剤形を形成するステップと
を含む方法。
【請求項36】
予め形成されたプラスチック又はアルミニウムブリスター型内に前記混合物を測り取るステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
凍結乾燥技術が使用されて、ブリスター型から溶媒が除去される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
固体剤形をプラスチック又はアルミニウム箔で密封して、吸湿を防止するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
pH調整剤を添加して、前記混合物のpHを3.0〜8.0の範囲内に維持するステップをさらに含む、請求項35〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
溶媒を添加するステップをさらに含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
口腔内での生物活性材料の放出用に構成された速溶性固体剤形であって、(i)少なくとも1種の生物活性材料と、(ii)少なくとも1種のマトリックス形成剤とを含み、口腔内で実質的に溶解する剤形と、その使用説明書とを備える、キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図34E】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図35E】
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【図35F】
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【図35G】
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【図35H】
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【図35I】
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【図35J】
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【公表番号】特表2013−509403(P2013−509403A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536762(P2012−536762)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/SG2010/000409
【国際公開番号】WO2011/053251
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512112806)アイエックス バイオファーマ ピーティーイー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】