説明

造血改善のためのオキシプリンヌクレオシド、およびそれらの同族体、ならびにそのアシル誘導体

【課題】生存する骨髄幹細胞が白血球数を補充するのに十分早く増殖し分化することができなくなると、身体は病原性感染性生物に抵抗できなくなる。赤血球生産の抑制は貧血を起こす結果となり得る。造血障害を治療または防止しかつ造血を修飾する化合物、組成物および方法を提供すること。
【解決手段】ある種のオキシプリンヌクレオシド、このようなオキシプリンヌクレオシドの同族体、およびそのアシル誘導体、ならびにこれら化合物の少なくとも一つを含む組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は1990年2月5日に提出された同時出願中の米国特許願連続第487,984号明細書と一部継続する特許願であり、そして前記米国特許願明細書は1990年6月5日に提出された米国特許願連続第533,933号明細書と一部継続した特許願である。これら特許願は両方とも参考文献としてここに取り入れてある。
【0002】
発明の技術分野
本発明はグアノシン、デオキシグアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシキサントシンおよびデオキシイノシンを含めて一般にオキシプリンヌクレオシド、これらヌクレオシドの同族体、およびこれらヌクレオシドおよび同族体のアシル誘導体に関するものであり、またこれら化合物の予防的および治療的使用法に関するものである。また本発明はこれら化合物を単独であるいはコンビネーションとして、非イオン界面活性剤あるいは他の薬剤と共に、あるいは無しに動物へ投与する方法に関する。これら化合物は健康な健常動物における造血、ならびに照射、化学両方、中毒、病気などにより起きた造血器官の損傷あるいは不全をもつ動物における造血機能を修飾することができる。本発明化合物はまた感染に対する寄主の白血球媒介防御を向上させる。
【背景技術】
【0003】
従来の技術および解決するための課題
癌化学療法、抗ウィルス化学療法、あるいはイオン化放射線に対する曝露の主な合併症は骨髄細胞の損傷あるいはその機能抑制である。更に詳しく言えば、化学療法ならびにイオン化放射線への曝露は骨髄および脾臓に主として見出される造血始原細胞に損傷を与えあるいは破壊し、新しい血球(顆粒球、リンパ球、赤血球、単球、血小板など)の生産を損なう。例えば癌患者をシクロホスファミドあるいは5−フルオロウラシルで治療すると、白血球(リンパ球および(または)顆粒球)が破壊され、感染症に対するその患者の罹患率が高くなる結果となりうる。多くの癌患者は化学療法あるいは放射線療法の後の造血不全による感染症あるいは他の結果がもとで死亡する。化学療法剤はまた血小板の準正常形成を起こすことがあり、出血しやすい傾向を生む。同様にマスタードガス中毒は造血系に対する損傷を起こし、感染症に罹りやすくする。赤血球生産の抑制は貧血を起こす結果となりうる。生存する骨髄幹細胞が白血球数を補充するのに十分早く増殖し分化することができなくなると、身体は病原性感染性生物に抵抗できなくなる。特発形を含めて好中球減少症のような種々な病的状態も造血系の特定要素の損傷と関係づけられている。
【0004】
化学薬品、放射線、病気、あるいは他の造血機能低下を伴なう他の病的状態に原因する骨髄損傷または抑制の後の造血機能回復を改善または助長する化合物は療法剤あるいは予防剤として有用である。
【0005】
幾つかのポリペプチド型造血性成長因子(主として組換えDNA技術によりつくられる)は公知である。これらの造血性成長因子はエリトロポイエチン(EPO)、インターロイキン群(とりわけ、インターロイキン−1、インターロイキン−3、およびインターロイキン−6)およびコロニー刺激因子(例えば、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球/大食球コロニー刺激因子、あるいは幹細胞コロニー刺激因子)は造血向上にある利用性を有することが報告されている。「生物学的反応修飾剤」(BRM)として広く特徴づけられた幾つかの薬物も何らかの造血指標を増進しうる。造血を修飾するBRMには細菌性エンドトキシン、二本鎖RNA、アジメキソン、グルカンならびに他の酵母および細菌多糖類、デキストランサルフェート、マレイン酸ジビニルエーテルポリアニオン(MVE2)、および腫瘍壊死因子が包含される。
【0006】
D.W.BennettおよびA.N.Drury,J.Physiol.72:288(1931)はグアノシン100mgを腹腔内注射によって家兎へ投与すると白血球数の強い減退を起こすことを開示した。白血球数の初期レベルは7700個/mm3であったが、グアノシン投与後の白血球数は僅か500から1000個/mm3に減少した。10時間後、そしてその後24時間の間、白血球増加症(11,000個/mm3)があった。
【0007】
D.G.Wright,Blood 69:334−337(1987)は特別なヒト骨髄性白血病細胞系(HL−60)の培養に及ぼすグアノシンおよびグアニンの効果を報告した。未熟芽球から成熟顆粒球への容器内変換は、種々な化学薬剤(レチン酸、ジメチルホルムアミドおよびチアゾフリンを含む)により誘発されることが報告された。HL−60細胞をグアニンまたはグアノシンと共にインキュベーションすると機能をもった好中球への熟成誘発が妨げられ、イノシンとのインキュベーションは成熟化の誘発に効果を及ぼさなかった。
【0008】
A.K.Oshita等,Blood 49:585−591(1977)は、環状ヌクレオチド(例えば、3’,5’−環状アデノシン−リン酸(cAMP)あるいは3’,5’−環状グアノシン−リン酸(cGMP)が細胞増殖の調節に関与することを示唆した。マウス骨髄細胞の培養において、cGMPはエンドトキシン処理マウスから採取した血清の刺激影響下で形成されるコロニーの数を増加させた。cGMPはポスト−エンドトキシン血清の欠如下では効果を有しなかった。5’−グアノシン−リン酸およびcAMPは不活性であった。
【0009】
Beljanski等,Cancer Treat.Rep.67:611−619(1983)は、E.coliリボソームRNAを部分的に加水分解すると、シクロホスファミドで処置した家兎に何らかの明白な白血球生成活性を有する短い(塩基約40個)オリゴヌクレオチドを生ずることを開示した。著者等はこのオリゴヌクレオチドが骨髄細胞における
DNA合成の複製プライマーとして作用することを提唱した。彼等はまたポリリボヌクレオチドポリグアノシン−リン酸、ポリアデノシン−リン酸、およびアデニンヌクレオチドとグアニンヌクレオチドとの共重合体が白血球生成を刺激しないことも開示した。
【0010】
T.Sugahara等,Brookhaven Symposia in Biology:284−302(1968)は、酵母RNA加水分解物、アデノシン、シチジン、グアノシン、ウリジン、およびそれらの対応する3’−リボヌクレオシド−リン酸からなる混合物が、イオン化放射線の急性致死量に曝露後の延命を改善しなかったことを報告した。これら化合物は準致死量のガンマー線照射に繰り返し曝露中に定期的にマウスに投与したときその延命を改善した。著者等はこの治療剤が生存する幹細胞の増殖あるいは分化を改善していたのではなく、損傷を受けた成熟細胞の延命を見掛け上長引かせていたと論述した。これら加水分解物、リボヌクレオシド、およびリボヌクレオシド−リン酸はすべて、未処置照射対照マウスと比較して、脾臓および骨髄(主要造血部位)における核形成した細胞および造血細胞コロニー(コロニー形成単位)の数を減少させた。
【0011】
Goodman等(米国特許第4539205号、第4849411号および第4643992号明細書)は、グアニン部分の8位に水素より大きい電子求引効果をもつ置換基を有するアルドシルグアニン誘導体を免疫反応の調節に使用する方法を開示した。
【0012】
オキシプリンヌクレオシドの幾つかのアシル誘導体がオリゴヌクレオチドあるいはヌクレオシドまたはヌクレオチドの類縁体の合成における保護中間体として使用するために合成された。Sigma Chemical Company1991年版カタログ、1702−1704頁参照。
【0013】
W.A.FlemingおよびT.A.McNeill,J.Cell.Physiol.88:323−330(1976)は、非イオン界面活性化合物であるPolysorbate 80およびSaponinが準至適量のコロニー刺激因子の影響に対する培養中の骨髄細胞の応答を増加させることを報告した。これら界面活性剤は非常にせまい濃度範囲で活性があり(10ng/mlで最大活性を有する)、10倍大きいあるいは10倍低い濃度で最小の活性を示した。造血に及ぼす界面活性剤の生体内効果は調べなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
癌化学療法、抗ウィルス化学療法、あるいはイオン化放射線に対する曝露の主な合併症は骨髄細胞の損傷あるいはその機能抑制である。更に詳しく言えば、化学療法ならびにイオン化放射線への曝露は骨髄および脾臓に主として見出される造血始原細胞に損傷を与えあるいは破壊し、新しい血球(顆粒球、リンパ球、赤血球、単球、血小板など)の生産を損なう。例えば癌患者をシクロホスファミドあるいは5−フルオロウラシルで治療すると、白血球(リンパ球および(または)顆粒球)が破壊され、感染症に対するその患者の罹患率が高くなる結果となりうる。多くの癌患者は化学療法あるいは放射線療法の後の造血不全による感染症あるいは他の結果がもとで死亡する。化学療法剤はまた血小板の準正常形成を起こすことがあり、出血しやすい傾向を生む。同様にマスタードガス中毒は造血系に対する損傷を起こし、感染症に罹りやすくする。赤血球生産の抑制は貧血を起こす結果となりうる。生存する骨髄幹細胞が白血球数を補充するのに十分早く増殖し分化することができなくなると、身体は病原性感染性生物に抵抗できなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
課題を解決するための手段
本発明は、式、
【0016】
【化10】

式中、RA、RB、およびRDは同一または異なり、そして水素または
a.6〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、そして
Cは水素または
i.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
ii.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
iii.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
iv.4〜22の炭素原子を有するシクロアルキルカルボン酸、
v.ニコチン酸、または
vi.7〜22の炭素原子を有する置換または非置換芳香族カルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、そして
J=HまたはNHRI(前式中RIはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0017】
また、本発明は、式、
【0018】
【化11】

式中、RAは水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
c.ニコチン酸または
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、そして
式中、RBおよび/またはRDは水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、
そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、
炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0019】
さらに本発明は、式、
【0020】
【化12】

式中、RA、RB、およびRDは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0021】
また、本発明は、式、
【0022】
【化13】

式中、RAとRBは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RAとRBのうち少なくとも一つは水素ではない、
そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0023】
さらに本発明は、式、
【0024】
【化14】

式中、RA、RBおよびRCは同一または異なることあり、そしてそれぞれは水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分かれのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、およびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
e.ニコチン酸
から誘導されるアシル基であり、
ただし、RA、RBおよびRCのすべてが水素ではない、またRCがHでない場合には、そのときRAおよび/またはRBはまたアセチルであってもよい、そして
J=HまたはNHRI(前式中RIはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0025】
そして本発明は、式、
【0026】
【化15】

式中、RAとRBは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RAとRBの少なくとも1つは水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0027】
または本発明は、式、
【0028】
【化16】

式中、RA、RB、およびRDは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RB、およびRD、のすべてが水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、および
ZはH,OH、=OまたはNHRC(前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩を提供する。
【0029】
なおさらに本発明は、医薬品化合物において、
式、
【0030】
【化17】

式中、RA、RB、およびRDは同一または異なり、そして水素または
a.6〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシイン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素を有するジカルボン酸、
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、 RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、
そして
Cは水素または
i.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
ii.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
iii.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
iv.4〜22の炭素原子を有するシクロアルキルカルボン酸、
v.ニコチン酸、または
vi.7〜22の炭素原子を有する置換または非置換芳香族カルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、そして
J=HまたはNHRI(前式中RIはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;
式、
【0031】
【化18】

式中、RAは水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
c.ニコチン酸または
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、そして
式中RBおよび/またはRDは水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;
式、
【0032】
【化19】

式中、 RA、RB、およびRDは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、 RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;
式、
【0033】
【化20】

式中、RAとRBは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RAとRBの少なくとも1つは水ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、SRG、(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;
式、
【0034】
【化21】

式中、RA、RB、およびRCは同一または異なることあり、そしてそれぞれは水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、およびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸
e.ニコチン酸
から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RBおよびRCのすべてが水素ではない、またRCがHでない場合には、そのときRAおよび/またはRBはまたアセチルであってもよい、そして
J=HまたはNHRI(前式中RIはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;
式、
【0035】
【化22】

式中、RAとRBは同一または異なり、そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RAとRBの少なくとも1つは水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合であり、かつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二重結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;
式、
【0036】
【化23】

式中、RA、RB、およびRDは同一または異なり、
そして水素または
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、RA、RB、およびRDのすべてが水素ではない、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素結合は単結合であり、そしてそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、および
ZはH、OH、=O、またはNHRC(前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基)
を有する化合物または医薬品として許容されるその塩;これらの化合物または医薬品として許容されるそれらの塩から成る群の1つより選択される医薬化合物を提供する。1つの実施態様において、本発明は、上記の化合物および抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、またはその他の血球数を減少させる薬剤から成る医薬組成物を提供する。別の実施態様において、本発明は、上記の化合物およびエリトロポエチン、コロニー刺激因子、インターロイキン、またはその他の血球数を増加させる薬剤から成る医薬組成物を提供する。さらに別の実施態様において、本発明は、上記の化合物およびグアノシン、イノシン、キサントシンまたはデオキシイノシンから成る医薬組成物を提供する。なお別の実施態様において、本発明は、上記の化合物ならびにWR−2721、NAC、DDC、システアミン、2−メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオトレイトール、グルタチオン、2−メルカプトエタンスルホン酸、WR−1065、ニコチンアミド、5−ヒドロキシトリプタミン、2−ベータ−アミノエチル−イソチオウロニウム−Br−Hbr、グルカン、GLP/BO4、GLP/BO5、OK−432、ビオスチム(Biostim)、PSK、レンチナン(Lentinan)、シゾフイラン(Schizophyllan)、ローデクスマン(Rhodexman)、レバン(Levan)、マンノジム(Mannozym)、MVE−2、MNR、MMZ、IL−1、TNF、胸腺因子、TF−5、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンレダクターゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、セレン、CdCl2、MnCl2、Znアセタート、ビタミンA、べータカロチン、プロスタグランジン、トコフェロール、メチレンブルーおよびPABAから成る群より選択される少なくとも1種の放射線防護化合物から成る医薬組成物を提供する。さらに別の実施態様において、本発明は、上記の化合物および医薬品として許容されるキャリアから成る医薬組成物である。また好ましくは、本発明の組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、糖衣丸、注射液、注射乳剤、局所溶液または坐剤の形をしている。
より好ましくは、本発明の組成物は、上記の化合物および非イオン性界面活性剤とから成る医薬組成物であり、さらに好ましくは、この医薬組成物において該化合物が該組成物の0.1〜99重量%に存在する医薬組成物を提供する。
1つの実施態様において、本発明の組成物は、リポソームの中に取り入れられた上記の化合物から成る医薬組成物である。別の実施態様において、本発明の組成物は、生物侵食可能なマトリックスの形をした、上記の化合物および医薬品として許容されるキャリアとから成る医薬組成物である。好ましくは、この場合、上記の医薬品組成物において該生物侵食可能なマトリックスは、ポリラクタートおよびラクタート−グルコラート共重合体から成る群より選択されるポリマーから成る医薬組成物である。
【0037】
また、本発明は、血球減少症を治療または予防する方法において
式、
【0038】
【化24】

A=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
B=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
Z=H、OH、=O、またはNHRC、前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
L=HまたはRD、前式中RD=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
M=HまたはORE、前式中RE=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、但しLとMの少なくとも1つはHであることを条件とし、および
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、および
アルドース部分の2’と3’の位置の間にC−C結合が任意に存在する、
を有する1種または数種の化合物または医薬品として許容されるその塩の医薬品として有効な量を動物に投与することから成る血球減少症を治療または予防する方法に関する。好ましくは、この方法は、該血球減少症がイオン化放射線によるものである場合に使用される。さらに好ましくは、この方法は、該血球減少症が、血球数を減少させる医薬品によるものである場合に使用される。なお好ましくは、この方法は、該血球減少症が抗腫瘍剤によるものである場合に使用される。またこの方法は、該血球減少症が抗ウイルス剤によるものである場合に使用される。好ましくは、この方法は、該血球減少症がエイズ(ADIS)によるものである場合に使用される。より好ましくは、該血球減少症が癌によるものである場合に使用され、このとき、この投与の段階の前に、その間に、またはその後に放射線照射または化学治療の段階がある。なおさらに好ましくは、この方法は、該血球減少症が貧血症、好中球減少症、血小板減少症、またはリンパ球減少症である場合に使用される。また、さらに好ましくは、この方法は、該血球減少症が骨髄の損傷によるものである場合に使用される。
【0039】
また、本発明は、血球数を改変する方法において
式、
【0040】
【化25】

A=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
B=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
Z=H,OH、=O、またはNHRC、前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
L=HまたはORD、前式中RD=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
M=HまたはORE、前式中RE=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、但しLとMの少なくとも1つはHであることを条件とし、および
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、および
アルドース部分の2’と3’の位置の間にC−C結合が任意に存在する、
を有する1種または数種の化合物または医薬品として許容されるその塩の医薬品として有効な量を動物に投与することから成る血球数を改変する方法を提供する。
【0041】
本発明はさらに、感染を治療または予防する方法において、
式、
【0042】
【化26】

A=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
B=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
Z=H、OH、=O、またはNHRC、前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
L=HまたはORD、前式中RD=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
M=HまたはORE、前式中RE=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、但しLとMの少なくとも1つはHであることを条件とし、および
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、および
アルドース部分の2’と3’の位置の間にC−C結合が任意に存在する、
を有する1種または数種の化合物または医薬品として許容されるその塩の医薬品として有効な量を動物に投与することから成る感染を治療または予防する方法。
【0043】
本発明はさらに、骨髄移植の後の回復の促進または向上させる方法において、
式、
【0044】
【化27】

A=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
B=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
Z=H、OH、=O、またはNHRC、前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
L=HまたはORD、前式中RD=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
M=HまたはORE、前式中RE=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、但しLとMの少なくとも1つはHであることを条件とし、および
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、および
アルドース部分の2’と3’の位置の間にC−C結合が任意に存在する、
を有する1種または数種の化合物または医薬品として許容されるその塩の医薬品として有効な量を動物に投与することから成る骨髄移植の後の回復を促進または向上させる方法に関する。
【0045】
また、本発明は、医薬組成物において、
式、
【0046】
【化28】

A=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
B=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
Z=H、OH、=O、またはNHRC、前式中RC=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
L=HまたはORD、前式中RD=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、および
M=HまたはORE、前式中RE=Hまたは2〜30の炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、但しLとMの少なくとも1つはHであること、さらにRA、RB、RC、RDまたはREの少なくとも1つはHでないことを条件とし、および
Q=H、ハロゲン、NHRF(前式中RFはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したS(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、SRG(前式中RGはHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に二価結合したO(その場合に隣りの炭素−窒素二重結合は単結合でありかつそのときHがその窒素に付いている)、またはORH(前式中RHはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である)、Z=NH2またはNHRCである場合には、Q=HまたはNHR1、前式中R1はHまたは1〜10の炭素原子を含むアシルまたはアルキル基であり、および
アルドース部分の2’と3’の位置の間にC−C結合が任意に存在する、
を有する1種または数種の化合物または医薬品として許容されるその塩、および(b)医薬品として許容されるキャリア、
から成る医薬組成物を提供する。好ましくは、本発明は、さらに抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、またはその他の血球数を減少させる薬剤から成る上記の医薬組成物を提供する。より好ましくは、本発明は、さらにエリトロポエチン、コロニー刺激因子、インターロイキン、またはその他の血球数を減少させる薬剤から成る上記の医薬組成物を提供する。さらに好ましくは、上記の医薬組成物は、さらにWR−2721、NAC、DDC、システアミン、2−メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオトレイトール、グルタチオン、2−メルカプトエタンスルホン酸、WR−1065、ニコチンアミド、5−ヒドロキシトリプタミン、2−べータ−アミノエチル−イソチオウロニウム−Br−Hbr、グルカン、GLP/BO4、GLP/BO5、OK−432、ビオスチム(Biostim)、PSK、レンチナン(Lentinan)、シゾフィラン(Schizophyllan)、ローデクスマン(Rhodexman)、レバン(Levan)、マンノジム(Mannozym)、MVE−2、MNR、MMZ、IL−1、TNF、胸腺因子、TF−5、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンレダクターゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、セレン、CdCl2、MnCl2、Znアセタート、ビタミンA、べータカロチン、プロスタグランジン、トコフェロール、メチレンブルーおよびPABAから成る群より選択される少なくとも1種の放射線防護化合物から成る医薬組成物である。なお好ましくは、上記の医薬組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、糖衣丸、注射液、注射乳剤、局所溶液または坐剤の形をした医薬組成物である。さらに好ましくは、上記の医薬組成物は、さらに非イオン性界面活性剤から成る医薬組成物である。なお好ましくは、上記の医薬組成物中には、該化合物が該組成物の0.1〜99重量%に存在する医薬組成物である。さらに好ましくは、上記の組成物は、リポソームの形をした医薬組成物である。より好ましくは、上記の組成物は、生物侵食可能なマトリックスの形をした医薬組成物であり、この場合、この医薬品組成物において該生物侵食可能なマトリックスは、ポリラクタートおよびラクタート−グルコラート共重合体から成る群より選択されるポリマーから成る医薬組成物である。
【0047】
また本発明は、(i)非イオン性界面活性剤および(ii)エリトロポエチン、コロニー刺激因子、インターロイキンから成る組成物を提供する。さらに本発明は、医薬品として有効な量の非イオン性界面活性剤を動物に投与することから成る血球減少症を治療する方法に関する。
【0048】
また、本発明は、グアノシンのアシル誘導体を合成する方法において、
a.6〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4〜22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から成る群より選択される活性化されたカルボン酸をグアノシンと反応させる、および該アシル誘導体を単離させる段階から成るグアノシンのアシル誘導体を合成する方法に関する。
【0049】
本発明はさらに、イノシンのアシル誘導体を合成する方法において、
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
c.ニコチン酸または
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から成る群より選択される活性化されたカルボン酸をイソシンと反応させる、および該アシル誘導体を単離させる段階から成るイノシンのアシル誘導体を合成する方法に関する。
【0050】
1つの実施態様において、本発明は、デオキシイノシンのアシル誘導体を合成する方法において、
a.3〜20の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群から選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から成る群より選択される活性化されたカルボン酸をデオキシイノシンと反応させる、および該アシル誘導体を単離させる段階から成るデオキシイノシンのアシル誘導体を合成する方法に関する。
【0051】
別の実施態様において、本発明は、キサントシンのアシル誘導体を合成する方法において、
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、から成る群より選択される活性化されたカルボン酸をキサントシンと反応させる、および該アシル誘導体を単離させる段階から成るキサントシンのアシル誘導体を合成する方法に関する。
【0052】
さらに別の実施態様において、本発明は、49.2’、3’−非環式ジアルコールのアシル誘導体を合成する方法において、
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群から選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から成る群より選択される活性化されたカルボン酸を2’、3’−非環式イノシンジアルコールと反応させる、および該アシル誘導体を単離させる段階から成る2’、3’−非環式イノシンジアルコールのアシル誘導体を合成する方法に関する。
【0053】
なおさらに別の好ましい実施態様において、オキシプリン部分の2の位置における置換基がOH、=O、またはNHR(前式中R=Hまたは2〜30の炭素原子を有するアシル基)である2−置換2’、3’−非環式イノシンジアルコールのアシル誘導体を合成する方法において、
a.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から成る群より選択される活性化されたカルボン酸を2’、3’−非環式イノシンジアルコールと反応させる、および該アシル誘導体を単離させる段階から成る2−置換2’、3’−非環式イノシンジアルコールのアシル誘導体を合成する方法に関する。
【0054】
本発明の主たる目的は造血を効果的に増進する、あるいは他の仕方で修飾する一群の化合物を提供することにある。造血系の損傷の前後、あるいは損傷中の動物へこれら化合物を投与すると、造血障害が防止あるいは治療される。
【0055】
本発明の更に一つの目的は、種々な造血障害および低血球数を含めて他の病的状態の治療に向けられる一群の化合物を提供することにある。
【0056】
本発明の更に一つの目的は、感染に対する寄主の白血球媒介防御を改善する一群の化合物を提供することにある。
【0057】
本発明の更に一つの目的は、造血を修飾することができそして経口的にあるいは非経口的に投与することのできる化合物を提供することにある。
発明の要約
本発明のこれらの目的および他の目的は、哺乳動物、例えばヒト、を含めて動物へ投与できるオキシプリンヌクレオシド、例えばグアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシキサントシン、デオキシイノシン、およびデオキシグアノシン、このようなオキシプリンヌクレオシドの同族体、およびこのようなオキシプリンヌクレオシドおよび同族体のアシル誘導体によって達成される。これら化合物の単独投与あるいはコンビネーションとしての投与は動物における造血の修飾に有用である。
【0058】
従って、本発明化合物は単独あるいはコンビネーションとして照射または化学薬剤により誘発された造血の諸障害の治療に有用であり;癌および抗ウィルス化学療法に対する補助剤として有用であり;感染に対する寄主の白血球媒介防御の改善に有用であり;そして他の病的状態の治療に有用である。
【0059】
本発明の一つの重要な面はオキシプリンヌクレオシド、例えばグアノシン、デオキシグアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシキサントシン、およびデオキシイノシン、このようなヌクレオシドの同族体、およびこのようなヌクレオシドおよび同族体のアシル誘導体が予想外の治療性を有するという発見である。
【0060】
本発明はまた生体内投与された界面活性剤化合物が、本発明化合物に限らずエリトロポイエチン、コロニー刺激因子、あるいはインターロイキンを含めて造血刺激物質の効果を高めうるという発見も包含する。
【発明の効果】
【0061】
従って、本発明化合物は単独あるいはコンビネーションとして照射または化学薬剤により誘発された造血の諸障害の治療に有用であり;癌および抗ウィルス化学療法に対する補助剤として有用であり;感染に対する寄主の白血球媒介防御の改善に有用であり;そして他の病的状態の治療に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
本発明に係る化合物
すべての場合特に断らない限り、本発明化合物の化学構造中の種々な置換基を記号化している文字および下つき文字の付いた文字はその記号の説明にすぐ先行する構造にのみ適用される。
【0063】
造血を修飾する上で有用な化合物は下記の構造を有する:
【0064】
【化29】

A=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、
B=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、
Z=H、OH、=O、またはNHRC(式中、RC=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)、
L=HまたはORD(式中、RD=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)、
M=HまたはORE(式中、RE=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)、ただしLおよびMの少なくとも一つはHであることを条件とする、
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にHが付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にHが付く)、あるいはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、
そしてアルドース部分の2’位と3’位との間のC−C結合は任意に存在する。
【0065】
本発明に係る新規組成物は上記化合物(任意に製薬上容認しうる塩として)[ただし、RA、RB、RC、RDまたはREの少なくとも一つはHでなく、またZがNH2かNHRCである化合物においては、QはHまたはNHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)である]を製薬上容認しうる担体と共に含有してなる。
【0066】
概括的に言えば、グアノシン、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(I):
【0067】
【化30】

式中、RA、RB、RCおよびRDは同じかまたは異なり、そして各々は水素(H)またはアシル基であり、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0068】
概括的に言えば、イノシン、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(II):
【0069】
【化31】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして各々はHまたはアシル基であり、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0070】
概括的に言えば、キサントシン、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(III):
【0071】
【化32】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして各々はHまたはアシル基であり、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0072】
概括的に言えば、デオキシイノシン、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(IV):
【0073】
【化33】

式中、RA、RBは同一かまたは異なり、そして各々はHまたはアシル基であり、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0074】
概括的に言えば、デオキシグアノシン、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(V):
【0075】
【化34】

式中、RA、RB、およびRCは同一かまたは異なり、そして各々は水素(H)またはアシル基であり、
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0076】
概括的に言えば、デオキシキサントシン、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(VI):
【0077】
【化35】

式中、RA、RBは同一かまたは異なり、そして各々はHまたはアシル基であり、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0078】
概括的に言えば、イノシン2’、3’−非環式ジアルコール、その同族体、およびそのアシル誘導体は式(VII):
【0079】
【化36】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして各々はHまたはアシル基であり、ZはH、OH、=O、またはNHRC(式中、RC=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)であり、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、=O、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、
により表わされ、あるいはその製薬上容認しうる塩を包含する。
【0080】
本発明に従い使用したとき効用および安全性の両方から望ましい新規誘導体の部類は次の通りである:
(1)式:
【0081】
【化37】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして水素あるいは次の酸、
a.6から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4から22炭素原子を有するシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であるが、ただしRA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、
Cは水素あるいは次の酸、
i.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
ii.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
iii.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
iv.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
v.ニコチン酸、または
vi.7から22炭素原子を有する置換または非置換芳香族カルボン酸
から誘導されるアシル基であり、
J=HまたはNHRI(式中、RIはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である、を有するグアノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(2)式:
【0082】
【化38】

式中、RAは水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
c.ニコチン酸または
d.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基、
式中、RBおよび(または)RDは水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただし、RA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素には水素が付く)、SRG(RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、あるいはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するイノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(3)式:
【0083】
【化39】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただしRA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、または
ORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するキサントシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(4)式:
【0084】
【化40】

式中、RAおよびRBは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただしRAおよびRBの少なくとも一つが水素でないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するデオキシイノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(5)式:
【0085】
【化41】

式中、RA、RB、およびRCは同一かまたは異なり、そして各々には水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンフェニルアラニン、およびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
e.ニコチン酸
から誘導されるアシル基であるが、ただし、RA、RBおよびRCのすべてが水素であるとは限らず、またRCがHでない場合にはRAおよび(または)RBもアセチルとなりうることを条件とし、そして
J=HまたはNHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するデオキシグアノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(6)式:
【0086】
【化42】

式中、RAおよびRBは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸あるいは
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただし、RAおよびRBの少なくとも一つは水素でないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、または
ORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)を有するデオキシキサントシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(7)式:
【0087】
【化43】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸、あるいは
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただし、RA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)または
ORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、そして
ZはH、OH、=O、またはNHRC(式中、RC=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)である、を有するイノシン非環式2’,3’−ジアルコールまたはその同族体のアシル誘導体。
【0088】
上記構造のすべてに対して、プリン塩基の2位における置換基(Z)あるいはプリン塩基の8位における置換基(QまたはL)が二重結合でプリン塩基に付く場合(例えば、=Oまたは=S)、プリン塩基における隣接炭素−窒素二重結合は炭素−窒素単結合となり、そしてこの炭素−窒素単結合の窒素上には更に一つの水素が付く。
【0089】
上記化合物の製薬上容認しうる塩も本発明に包含される。
【0090】
以下の詳細な説明は、下記の例に並べられた実験結果を例示する図面を参照しながら読めば、この説明から本発明ならびに他の目的、特徴および利点を一層明快にかつ完全に理解できるであろう。
発明の詳細な説明
本発明はオキシプリンヌクレオシド、これらヌクレオシドの同族体、およびこれらヌクレオシドとそれらの同族体のアシル誘導体、ならびにヒトを含めて動物の造血の修飾に対しこれら化合物を使用する方法に関する。
A.定義
本明細書中で用いた「オキシプリン塩基」という用語は、6位に環外酸素基またはヒドロキシル基を、また2位に水素、酸素、ヒドロキシル基またはアミノ基を有するプリン塩基を意味する。
【0091】
本明細書中で用いた「オキシプリンヌクレオシド」という用語は、9位の窒素から5−炭素アルドースの1’位に結合したオキシプリン塩基を意味する。オキシプリンヌクレオシドという用語は、化合物グアノシン、イノシン、デオキシイノシン、キサントシン、デオキシキサントシン、およびデオキシグアノシンを包含するが、これらに限定はしない。
【0092】
本明細書中で使用されている「同族体」という用語は、プリン環部分の7位または8位に付いた置換基を有するオキシプリンヌクレオシド、および(または)環開裂したアルドースを有するオキシプリンヌクレオシド(例えば、グアノシン2’,3’ジアコール)を意味する。
【0093】
本明細書中で用いた「アシル誘導体」という用語は、カルボン酸から誘導された実質的に無毒性の有機アシル置換基が、オキシプリンヌクレオシドのリボース部分の遊離ヒドロキシル基の一つ以上にエステル結合によって付いたオキシプリンヌクレオシドまたは同族体の誘導体、および(または)このような置換基がグアノシンのプリン環上のアミン置換基ヘアミド結合により付いたオキシプリンヌクレオシドまたは同族体の誘導体を意味する。このようなアシル置換基は乳酸、アミノ酸、脂肪酸、ニコチン酸、ジカルボン酸、ρ−アミノ安息香酸およびオロチン酸からなる群から選ばれる化合物を包含する(これら化合物に限定しない)カルボン酸から導かれる。有利なアシル置換基は食物構成成分とし、または中間代謝物として身体の中に普通に存在する化合物である。
【0094】
本明細書中で用いた「製薬上容認しうる塩」という用語は、誘導体の製薬上容認しうる酸との付加塩を意味し、前記酸には硫酸、塩酸、またはリン酸が包含されるが、これらに限定はしない。
【0095】
「共同投与」という用語は本発明化合物の少なくとも二つを、それぞれの薬理活性期が重なる時間わくの間に投与することを意味する。
【0096】
本明細書中で用いた「アミノ酸」という用語にはグリシン、および次のアミノ酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシリジン、カルニチン、および他の天然に生ずるアミノ酸、のL形が包含されるが、これらに限定はしない。
【0097】
本明細書中で用いた「脂肪酸」という用語は2〜22炭素元素を有する脂肪酸カルボン酸を意味する。このような脂肪酸は飽和、部分飽和または多不飽和のいずれでもよい。
【0098】
本明細書中で用いた「ジカルボン酸」という用語は第二のカルボン酸置換基をもつ脂肪酸を意味する。
【0099】
本明細書の中で用いた「治療上有効な量」という用語は与えられた症状および投与計画に対し治療効果を生ずる量を指す。
B.本発明に係る化合物
造血を修飾する上で有用な化合物は下記の構造を有する:
【0100】
【化44】

A=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、
B=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基、
Z=H、OH、=O、またはNHRC(式中、RC=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)、
L=HまたはORD(式中、RD=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)、
M=HまたはORE(式中、RE=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)、ただしLおよびMの少なくとも一つはHであることを条件とする。
【0101】
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にHが付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にHが付く)、あるいはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)、
そしてアルドース部分の2’位と3’位との間のC−C結合は任意に存在する。
【0102】
本発明に係る新規組成物は上記化合物[ただし、RA、RB、RC、RDまたはREの少なくとも一つはHでなく、またZがNH2かNHRCである化合物においては、QはHまたはNHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシル基またはアルキル基である)である]を製薬上容認しうる担体と共に含有してなる。
【0103】
特定的に言えば、本発明に係る新規化合物には下記のものが包含されるが、これらに限定はしない:
(1)式:
【0104】
【化45】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして水素あるいは次の酸、
a.bから22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4から22炭素原子を有するシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であるが、ただしRA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、
Cは水素あるいは次の酸、
i.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
ii.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
iii.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
iv.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
v.ニコチン酸、または
vi.7から22炭素原子を有する置換または非置換芳香族カルボン酸
から誘導されるアシル基であり、
J=HまたはNHRI(式中、RIはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するグアノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(2)式:
【0105】
【化46】

式中、RAは水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
c.ニコチン酸または
d.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基、
式中、RBおよび(または)RDは水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただし、RA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素には水素が付く)、SRG(RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、あるいはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するイノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(3)式:
【0106】
【化47】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただしRA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素には水素が付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、または
ORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するキサントシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(4)式:
【0107】
【化48】

式中、RAおよびRBは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸または
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただしRAおよびRBの少なくとも一つが水素でないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するデオキシイノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(5)式:
【0108】
【化49】

式中、RA、RB、およびRCは同一かまたは異なり、そして各々には水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンフェニルアラニン、およびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
e.ニコチン酸
から誘導されるアシル基であるが、ただしRA、RBおよびRCのすべてが水素であるとは限らず、またRCがHでない場合にはRAおよび(または)RBもアセチルとなりうることを条件とし、そして
J=HまたはNHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、を有するデオキシグアノシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(6)式:
【0109】
【化50】

式中、RAおよびRBは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシンおよび次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸あるいは
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただし、RAおよびRBの少なくとも一つは水素でないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)を有するデオキシキサントシンまたはその同族体のアシル誘導体;
(7)式:
【0110】
【化51】

式中、RA、RB、およびRDは同一かまたは異なり、そして水素または次の酸、
a.3から22炭素原子を有する非分枝脂肪酸、
b.グリシン、および次のアミノ酸、フェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンのL形からなる群から選ばれるアミノ酸、
c.3から22炭素原子を有するジカルボン酸、
d.ニコチン酸、あるいは
e.4から22炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸から誘導されるアシル基であるが、ただしRA、RB、およびRDのすべてが水素であるとは限らないことを条件とし、そして
Q=H、ハロゲン、NHRF(式中、RFはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したS(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、SRG(式中、RGはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、炭素に2価で結合したO(この場合隣接する炭素−窒素二重結合は単結合となり、そして該窒素にはHが付く)、またはORH(式中、RHはHまたは1から10炭素原子を含むアシルまたはアルキル基である)、そして
ZはH、OH、=O、またはNHRC(式中、RC=Hまたは2から30炭素原子を有するカルボン酸のアシル基)である、を有するイノシン非環式2’,3’−ジアルコールまたはその同族体のアシル誘導体。
【0111】
また上記化合物の製薬上容認しうる塩も本発明に包含される。
【0112】
本発明に係る有利な化合物はデオキシグアノシン、デオキシイノシン、グアノシン、イノシン、デオキシキサントシンおよびキサントシンの脂肪酸エステル、とりわけアシル置換基に8個以上の炭素原子を有するもの、である。特に有利な化合物はアシル置換基に12から18炭素原子をもつデオキシグアノシンまたはデオキシイノシンの脂肪酸エステルである。極性のアミノ酸置換基、例えば、リジンまたはアルギニンがアルドース部分のヒドロキシル基に、またはグアノシンあるいはデオキシグアノシンの環外アミノ基に結合し、そして任意にアルドース部分のヒドロキシル基にエステル化された脂肪酸を有する化合物は水性製薬担体中での処方に特に適している。
【0113】
本発明の一具体例において、高い水溶性をもつ本発明化合物のプロドラッグは、プリンヌクレオシドのアルドース部分の遊離ヒドロキシ基にリン酸を付けることにより調整される。
【0114】
もう一つの具体例をあげると、短鎖アルキルまたは置換アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル、といった置換基を上記化合物のオキシプリン部分の1、3および(または)7位に付ける。
【0115】
本発明のもう一つの具体例においては、グアノシン、デオキシグアノシンまたはそれらの同族体の環外アミノ基は二つのアシル置換基をもつことがあり、そしてこれらは同一でも異なってもよい。このような場合、アシル置換基はグアノシン、デオキシグアノシンおよびそれらの同族体の説明の中でRCと呼ばれるアシル基の群から選ばれる。
非イオン界面活性剤
種々な非イオン界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンアシレート、例えばTween 80[ポリオキシエチレンソルビタンモノ−オレエート]、Tween 60[ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート]など;ポリオキシエチレンエーテル、例えば Brij 96[ポリオキシエチレン−10−オレイルエ
ーテル]およびTriton X−100;またはエチレンオキシド縮合物、例えばNonidet 40−P[オクチルフェノール−エチレンオキシド縮合物](これらに限定はしない)は造血に対する本発明化合物の効果を生体内で増進させることが分かった。更にまた、これら界面活性剤は、シクロホスファミドのような血球を減少させる物質により起こる骨髄損傷後の造血の回復を単独で早める(例52参照)。本発明に係る新規組成物は、1種以上の上記非イオン界面活性剤とエリスロポイエチン、インターロイキン、コロニー刺激因子、または造血を促すことのできる他の化合物とを含有する。
本発明に係る組成物
本発明の一具体例において、新規医療品組成物は活性薬剤としてのグアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシキサントシン、デオキシイノシン、デオキシグアノシンから選ばれる1種以上のオキシプリンヌクレオシド、これらオキシプリンヌクレオシドの同族体、ならびにこれらオキシプリンヌクレオシドおよび同族体のアシル誘導体を製薬上容認しうる担体と共に含有してなる。
【0116】
もう一つの具体例においては、本発明組成物は1種以上の本発明化合物に加えて、造血に影響する少なくとも1種の次の化合物、即ち非イオン界面活性剤、インターロイキン、例えばIL−1、−2、−3、−4、−5、−6、−7、−8(IL−1、3および6が有利)、コロニー刺激因子、例えば顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球/大食球コロニー刺激因子(GM−CSF)、エリスロポイエチン(EPO)、グルカン、ポリイノシン−ポリシチジン、あるいは造血に有利な効果をもつ他の薬剤を含有する。本発明組成物はその企図された使用法により液体、懸濁系、錠剤、カプセル、糖衣錠、注射溶液、局所用溶液、または坐薬の形で製造される(下記の処方の説明参照)。
【0117】
本発明のもう一つの具体例においては、組成物は少なくとも1種の本発明化合物と放射線保護化合物とからなる。
【0118】
本発明のもう一つの具体例においては、組成物は少なくとも1種の本発明化合物と抗ウィルス剤または抗腫瘍剤、または血球数を減少させる他の医療剤とからなる。
本発明に係る化合物および組成物の治療への使用法
本発明化合物は動物における造血過程および免疫系の機能を修飾し、改善し、あるいは助長するのに有用である。本化合物は化学薬品、放射線、または病気により起きた骨髄損傷または抑制後の造血または血球数を回復させ、化学薬品、放射線、または病気による損傷から保護し、そして動物における血球(例えば、白血球および血小板)の数または活動を修飾する。本発明化合物はヒトを治療するのに有用であるが、本発明をそのように制限する意図はなく、本発明に係る活性化合物の投与から有益な効果を経験するあらゆる動物を治療することが本発明の企図の中にある。
【0119】
本発明化合物を放射線保護化合物と共に使用する場合には、イオン化放射線の効果を実質的に緩和する。
【0120】
本発明は血球数の減少した患者、骨髄機能の損傷した患者、あるいは他の原因で造血活動を増加させる必要のある患者の造血を改善する目的に対し、グアノシン、デオキシグアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシキサントシン、デオキシイノシン、このようなヌクレオシドの同族体、あるいはこのようなヌクレオシドまたは同族体のアシル誘導体を含む医療品配合物また組成物の全身的投与によって更に具体化される。
【0121】
本発明化合物、組成物、および方法を用いて利益が得られる特別な状態には造血改善が望まれる状況が包含される。このような状況は、血球を減少させる癌化学療法、抗ウィルス化学療法、イオン化放射線に対する療法上のあるいは偶発的な曝露を蒙むった動物、例えばヒト、感染に対する寄主の白血球媒介防御の改善を必要とする動物、および病気または偶発的中毒により起きた貧血または骨髄発育不全をもつ動物の処置を包含する。本発明に係る化合物、組成物、および方法を用いることにより、次の仕方で、即ち、例えば感染に対する寄主の抵抗を向上させるために、正常な血球数をもつ動物の白血球数を増加させる、例えば凝血能力を向上させるために(例えば、外科手術前)、正常な血球数をもつ動物の血小板数を増加させる、抗癌または抗ウィルス化学療法(または治療上の照射)を受けるように計画された動物の前処置、骨髄移植の提供者の前処置、骨髄移植後の回復の促進または改善、移植前の培養中の骨髄細胞の処理、培養中の骨髄細胞の処理に(研究目的で、または移植前のいずれかのために)利益が得られる。特定的には血球数の調節を必要とする獣医用の応用面が含まれる。
血球減少症
本発明化合物および組成物は次に列挙し説明された血球減少症の治療に役立つ。
A.好中球減少症
癌または癌化学療法による好中球減少症;抗ウィルス化学療法による好中球減少症;イオン化放射線への曝露(偶発的または治療上の曝露)による好中球減少症;免疫抑制化学療法(例えば、リウマチ様関節炎のような自己免疫障害の細胞毒薬物による処置)による好中球減少症;火傷患者における好中球減少症(ひどい火傷を負った患者に好中球減少が一般に見られる);ウィルス感染による好中球減少症(例えば、AZTのような骨髄抑制薬での処置により病的に拡大されたエイズ患者にしばしば見られる汎血球減少);無形成性貧血または脊髄形成異常症候群に二次的に派生する好中球減少症;中毒(例えば、ベンゼン、また副作用として顆粒球減少をあげた医師の処方を必要とする幾つかの医薬品)による好中球減少症;特発性好中球減少症;慢性好中球減少症;毛状細胞白血球病あるいは他のリンパ球性白血球;他の原因から起きる好中球減少症;ヒト以外の動物における好中球減少症(獣医関係)。
B.血小板減少症
癌化学療法による低血小板数;抗ウィルス化学療法による血小板減少症;イオン化放射線に対する曝露(偶発的かまたは治療上の曝露)による血小板減少症;免疫抑制化学療法(例えば、細胞毒薬物によるリウマチ様関節炎のような自己免疫障害の治療)による低血小板数;ウィルス感染による血小板減少症(例えば、AZTのような骨髄抑制薬での処置によって病的に拡大されたエイズ患者にしばしば見られる汎血球減少症);無形成性貧血、脊髄形成異常症候群または発育不全骨髄症候群に二次的に派生する血小板減少症;他の原因から来る血小板減少症。C.リンパ球減少症
癌化学療法による低リンパ球数;抗ウィルス化学療法によるリンパ球減少症;イオン化放射線への曝露(偶発的かまたは治療上の曝露)による低リンパ球数;免疫抑制化学療法(例えば、細胞毒薬物によるリウマチ様関節炎のような自己免疫障害の治療)による低リンパ球数;他の原因から来るリンパ球減少症。
D.貧血
腎臓透析による低赤血球数;腎臓障害による低赤血球数;ウィルス感染または骨髄抑制化学療法剤による貧血;感染または病気(例えば、マラリア)による貧血;出血による貧血;.他の原因から来る貧血。
放射線曝露に関連する合併症の治療
本発明活性化合物が放射線障害の治療に臨床的に役立ちうる三つの状況は 1)核事故の場合のようなイオン化放射線に対する偶発的曝露;2)ラジオグラフィー中の放射線に対する診断目的の曝露;および 3)癌の放射線療法のような治療目的の放射線曝露である。
【0122】
最初の場合、一具体例においては、活性化合物を非経口注射およびそれに続く経口または非経口投与に適した製剤として、造血を高めるのに十分な用量、例えば0.0lから3グラム/日、を1日1回から数回投与する。
【0123】
第二の場合、即ち診断用ラジオグラフィー中のX−線曝露の場合、一具体例においては、活性化合物を曝露の前後に経口的に与える。
【0124】
癌放射線療法中の第三の場合には、照射中の望ましくないが避けることのできない機能抑制を起こした後で、活性化合物は骨髄機能の回復にある程度有用である。
【0125】
本発明化合物は放射線曝露の前、曝露中、および(または)曝露後に投与される。
【0126】
本発明化合物は他の放射線保護化合物、例えばWR−2721、NAC、DDC、システアミン、2−メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオトレイトール、グルタチオン、2−メルカプトエタンスルホン酸、WR−1065、ニコチンアミド、5−ヒドロキシトリプタミン、2−β−アミノエチルイソチオウロニウム−Br−Hbr、グルカンス、GLP/BO4、GLP/BO5、OK−432、Biostim,PSK、Lentinan,Schizophyllan,Rhodexman,Levan,Mannozym、MVE−3、MNR、MMZ,IL−1、IL−2、TNF、胸腺因子TF−5、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシド、ジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンレダクターゼ、グルタチオントランスファラーゼ、セレン、CdCl2、MnCl2、Zn酢酸塩、ビタミンA、べーターカロチン、プロスタグランジン、トコフェロールおよびメチレン青およびPABA、と共同投与したとき、イオン化放射線の影響の防止または改善に役立つ。これら保護化合物を本発明化合物と共に投与すると、これら化合物あるいは他の放射線保護剤を単独で投与したときよりも保護効果が大となる。
癌化学療法に関連する合併症の治療
標準的抗腫瘍化学療法剤(例えば、5−フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、ビンカ、アルカロイド、シクロホスファミドおよび他のアルキル化剤、例えばブスルフアン、ヘキサレンまたはメルフアラン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリンリボシド、チオグアノシン、ポドフィロトキシン、シスプラチン、このような血球減少物質のコンビネーション、あるいは血球減少剤+モジュレーター、例えばロイコボリン、PALA、またはWR−2721)で治療された患者の白血球数、とりわけ好中球数はしばしば著しく減少する。本発明化合物、例えばパルミトイルデオキシグアノシン(あるいはデオキシグアノシンの他のアシル誘導体)の有効量(例えば、0.0lから3.0グラム)を幾日間か毎日経口投与(あるいは非経口注射)すると、化学療法開始後数日経って起こるはずの好中球数降下が減少あるいは完全になくなる。化学療法剤受薬者をアシル化デオキシグアノシンで処置した場合も、化学療法計画だけを受けている患者と比較して、好中球およびリンパ球を含め全白血球数が後日増加する。この処置は治療の進行中ずっと感染の可能性を小さくし、患者にもっと多量の化学療法剤を投与できるようにし、そして(または)デオキシグアノシン誘導体(複数のことがある)で処置しなかった同程度の患者よりも速く繰り返し投与できるようにする。
【0127】
本発明化合物は抗腫瘍剤の投与の前、投与中および(または)投与後に投与される。
抗ウィルス化学療法と関連する合併症の治療
エイズまたはエイズ関連症候群をもつ患者をアジドチミジン(AZT)および他の抗ウィルス剤で治療すると貧血、好中球減少、および血小板減少によって複雑化する。本発明化合物、例えばパルミトイルグアノシン(あるいはグアノシンの他のアシル化形)の適量を幾日間か(あるいは抗ウィルス治療計画により治療の過程中ずっと)投与すると、AZTおよび(または)ddCで誘発された好中球減少、貧血、血小板減少、および他の副作用が著しく減少する。これにより敗血性合併症の確率が下がり、本発明化合物で処置しなかった患者より大量の抗ウィルス化合物を短い期間に患者へ与えることができるようになる。
【0128】
本発明化合物は抗ウィルス剤投与の前、投与中、および(または)投与後に投与される。
種々な薬物による中毒および副作用と関連する合併症の治療
ベンゼン中毒あるいは多くの処方薬、例えば抗甲状腺薬、スルホンアミド、フェニルチアジン、フェニルブタゾン、およびアミノピリンを含めて種々な物質の副作用は顆粒球減少および好中球減少を起こす。血球減少はベンゼン中毒により、またマスタードガスや関連するアルキル化剤によっても起こる。このような中毒の被害者あるいはこのような薬物の受容者へ本発明化合物を投与すると、好中球のような血球の生産が刺激されることにより回復が改善される。
種々な病気と関連する血球減少症の治療
数多くの病気が種々な形の血球減少と関連する。例えば、毛様細胞白血病は好中球減少と関連する。血小板減少性紫斑病および無形成性貧血は血小板数減少と関連がある。本発明化合物を投与すると、このような病気で悩まされている患者の好中球および血小板の濃度が増加する。
HIV感染と関連する合併症の治療
HIV感染患者、とりわけエイズに悩まされている患者はその結果生ずる種々な症状および疾患に罹り、ある場合によって非常に危険にさらされた免疫系を更に増悪させる。これら患者の多くは抗ウィルス化学療法剤、例えばAZTの投与を受けているが、この薬剤も身体の免疫機能に有害な影響をもち、あらゆる種類の感染症に対する抵抗力を更に低下させる。本発明化合物を経口、静脈内、または非経口注射により投与すると、ウィルス感染による低い血球数を上昇させエイズ患者に見られる汎血球減少に対抗する。このような処置は好中球、リンパ球、および血小板数を高め、それにより免疫能力の回復を助ける。感染に対して感受性が大きいことはエイズ患者の化学療法処置において用量および投与回数を制限する因子となるので、本発明化合物による患者の治療は化学療法の副作用を少なくし(従って、生活の質を良くする)、より強力な化学療法計画を使用できるようにする。
癌と関連する合併症の治療
癌の幾つかの変形は、血球を減少させる化学療法によって起こる障害とは無関係に血液学的血球減少と関連がある。毛様細胞白血病はしばしば好中球減少と関連する。新生物による骨髄の浸潤はしばしば造血を損なう。本発明化合物の投与はかかる病気で苦しむ患者の好中球およびその他の細胞型のレベルを増加させる。ある型の顆粒球性白血病は未熟、未分化の顆粒球前駆体の過剰生産により特徴づけられる。下記の例35から例51に示されるように、本発明化合物は好中球前駆体の最終的分化の増進を誘い、顆粒球性白血病のような白血病の治療における利用性を示している。
骨髄移植における本発明化合物の使用法
骨髄移植は偶発的か治療上の放射線曝露および血球減少を起こす化学療法(抗ウィルスおよび抗腫瘍またはそのいずれか)の影響を蒙むる患者を治療するために用いられる。本発明化合物は種々な仕方で骨髄移植を支えるために用いられる。骨髄移植片提供者に本発明化合物を投与すると、末梢血管血液中の種々な型の血球、例えば好中球、リンパ球、骨髄巨核細胞、および血小板、とりわけ骨髄自身の中のこれらの始原細胞のレベルを高める。移植前後、あるいは移植中の骨髄受容者に本発明化合物を投与すると、造血の回復を早める。更にまた、骨髄細胞を移植に先立ち本発明化合物と培地でインキュベーションすると移植能が向上する。
自家輸血に対する本発明化合物の使用法
自家輸血、あるいは後の輸血のためにある量の患者自身の血液の計画的な貯蔵、例えば選択的外科手術の前の、あるいは輸血を必要とする不測の事態に備えて用心としての血液保存、は他の提供者からの血液がHIVまたは肝炎ウィルスといったウィルスで汚染される可能性から考えて重要である。本発明化合物は、患者の血液を保存のために取り除いた後に投与すると、血球数の回復に役立つ。別法として、これら化合物は血球数を高めるために血液を取り出す前に投与してもよい。
本発明化合物の予防的使用法
種々な攻撃を予測して造血系の状態を高める、あるいは他の仕方で修飾することが望ましい多くの臨床的および動物治療上の状況がある。
【0129】
例えば、外科手術の手順あるいはウイルスまたは細菌感染への曝露を予測して、感染に対する抵抗力を向上させることが有益となる多くの状況がある。正常な血球数をもつ動物へ本発明化合物を投与すると、白血球数が増加し、感染に対する寄主の抵抗力が向上する。例えば、外科手術の前に、動物の凝血能を向上させることが有用となる状況がある。外科手術の前に本発明化合物を投与すると、血小板数が増加し、それにより凝血能が向上する。
【0130】
例えば、抗癌または抗ウイルス化学療法または治療上の照射におけるように、骨髄および(または)造血系の損傷が予想される状況にあっては、造血機能を向上させる、あるいは高めることが有利である。このような療法を受けるように計画された動物を本発明化合物で前処置すると、白血球および血小板の生産が促進され、そして(または)血球前駆体への損傷が軽減される。本発明化合物は造血系を予防的に積極的に修飾する。
【0131】
骨髄移植片の提供者へ提供に先立ち本発明化合物を投与すると、末梢血管の血液中の種々な型の血球、例えば好中球、リンパ球、骨髄巨核細胞、および血小板のレベルが上昇し、また骨髄自身の中の造血始原細胞が上昇する。
D.本発明化合物および組成物の投与と処方
本発明に係る化合物および組成物は経口的に、非経口注射により、静脈内に、局所的に、または他の手段により投与されるが、これは治療される症状により決まる。
【0132】
本発明化合物および組成物は長期にわたり、あるいは間欠的に投与される。これら化合物および組成物は、造血系への損傷を起こす処置(例えば、照射あるいは細胞減少を起す化学療法剤への曝露)の前後にまたは処置中に投与される。処置後の場合、本発明化合物および組成物は、血球数または骨髄細胞数が最低に達する前および(または)後に投与される。
【0133】
本発明化合物は経口投与あるいは皮下移植後に化合物を持続的に放出させるため、生物分解性、生物侵食性、あるいは他の徐放性マトリックス中に処方される。静脈内または筋肉内注射の場合には、本化合物を任意にリポソームに処方する。
【0134】
薬理学的に活性な化合物を任意に製薬上容認しうる適当な担体と合わせる。該担体は活性化合物の処理を容易にする付形剤および補助剤からなっている。これらを錠剤、糖衣錠、カプセルおよび坐薬として投与する。本組成物は、例えば経口的、直腸内、膣内に投与され、あるいは口内の頬のくぼみを経て解放され、溶液の形で注射により、経口的に、あるいは局所投与により適用される。本組成物は約0.1から99%、なるべくは約50から90%の活性化合物(複数のことがある)を付形剤(複数のことがある)と共に含有しうる。
【0135】
注射または静脈内点滴による非経口投与に対しては、活性化合物を無菌水または食塩溶液のような水性媒質に懸濁させるかまたは溶かす。注射できる溶液または懸濁液は、任意に界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンエーテル、あるいはプロピレングリコールまたはエタノールのような可溶化剤を含む。本発明化合物は非経口投与のため任意に注射用脂肪乳濁系に懸濁あるいは溶解させることができる。この溶液または懸濁系は一般に0.0lから5%の活性化合物を含む。活性化合物は任意に筋肉内注射のため医薬品等の植物油に溶かす。このような製剤は油中に約1%から50%の活性化合物(複数のことがある)を含む。
【0136】
適当な付形剤には充填剤、例えば糖類、例えば乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトール、セルロース調製物および(または)リン酸カルシウム類、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、ならびに結合剤、例えばデンプンのり、例えばとうもろこしデンプン、小麦デンプン、米デンプン、またはばれいしょデンプンを用いたデンプンのり、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび(または)ポリビニルピロリドンが含まれる。
【0137】
補助剤には流動性調整剤および滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムおよび(または)ポリエチレングリコールが包含される。糖衣錠の芯には適当な被覆物を付けるが、これは必要に応じ、耐胃液性とすることができる。この目的のために濃い糖溶液が用いられ、そして該溶液は任意にアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび(または)二酸化チタン、ラッカー溶液および適当な有機溶媒または溶媒混合物を含有する。耐胃液性の被覆物をつくるには、適当なセルロース調製物、例えばアセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの溶液を用いる。例えば、識別のため、あるいは異なる化合物用量を特徴づけるため、錠剤または糖衣錠被覆に染料あるいは顔料が添加されるがこれは任意である。
【0138】
本発明に係る医薬品製剤は公知の方法で、例えば通常の混合、顆粒化、糖衣錠製造、溶解、または凍結乾燥の諸法を用いて製造される。このようにして、経口用の医薬製剤は活性化合物(複数のことがある)を固体付形剤と合わせ、得られた混合物を任意に粉砕し、望むならば、あるいは必要であれば、適当な補助剤を添加した後に、顆粒混合物を処理加工することにより錠剤または糖衣錠の芯を得る。
【0139】
経口投薬に役立つ他の医薬製剤にはゼラチンからつくられるプッシュ−フィットカプセルならびにゼラチンと可塑剤、例えばグリセリンまたはソルビトール、からつくられるソフト−シールカプセルが含まれる。プッシュ−フィットカプセルは活性化合物(複数のことがある)を顆粒の形で含み、このものは充填剤、例えば乳糖、結合剤、例えばデンプンおよび(または)滑沢剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および任意に安定剤と任意に混合される。軟質カプセルの場合には、活性化合物を適当な液体、例えば脂肪油、流動パラフィン、またはポリエチレングリコールに溶かすか懸濁させるのがよい。また任意に安定剤が添加される。
【0140】
直腸に使用される医薬製剤には、例えば活性化合物と坐薬基剤とのコンビネーションからなる坐薬が含まれる。適当な坐薬基剤は、例えば天然または合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールあるいは高級アルカノールである。更にまた、活性化合物と塩基とのコンビネーションからなる直腸用ゼラチンカプセルも有用である。基剤材料には、例えば液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素が含まれる。
【0141】
非経口投与に適した製剤には水溶性の形、例えば水溶性塩、とした活性化合物の水溶液が含まれる。更にまた、適当な活性化合物の油性注射ビヒクル、プロピレングリコールのような溶媒、あるいは脂質−水性乳濁液中の懸濁系または溶液も投与される。適当な親油性溶媒またはビヒクルには脂肪油、例えば胡麻油、あるいは合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルまたはトリグリセリドが含まれる。水性注射用懸濁系は任意に懸濁系の粘度を増加させる物質を含有し、そしてこのものには、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび(または)デキストランが含まれる。懸濁系は任意に安定剤を含む。
【0142】
もう一つの具体例においては、活性化合物を局所投与のためのスキンローションの一部として処方する。適当な親油性溶媒またはビヒクルには脂肪油、例えば胡麻油またはヤシ油、あるいは合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルまたはトリグリセリドが含まれる。
E.本発明化合物の合成
オキシプリンヌクレオシドのアシル化誘導体はオキシプリンヌクレオシドまたは同族体を活性化されたカルボン酸と反応させることにより合成される。活性化されたカルボン酸は、適当な試薬で処理することにより元のカルボン酸の場合よりもそのカルボキシレート炭素を一層求核攻撃に対して受け易くしたものである。本発明化合物の合成に有用な活性化カルボン酸の例は酸塩化物、酸無水物、n−ヒドロキシスクシンイミドエステル、あるいはBOP−DCで活性化されたカルボン酸である。カルボン酸はまたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のようなカップリング試薬を用いてオキシプリンヌクレオシドまたは同族体に結合させることもできる。
【0143】
望むアシル誘導体の酸源がアシル化反応を妨害する基、例えばヒドロキシルまたはアミノ基、を有する場合には、本発明に係るアシル化合物の製造に際し、これらの基を無水物の調製の前に保護基、例えばt−ブチルジメチルシリルエーテルまたはt−BOC基でそれぞれ封鎖する。例えば、乳酸はt−ブチルジメチルクロロシランで2−t−ブチルジメチルシロキシプロピオン酸に変換し、その後、得られたシリルエステルを塩基水溶液で加水分解する。この保護された酸をDCCと反応させると無水物が形成される。アミノ酸の場合には標準技術を用いることによりN−t−BOC誘導体をつくり、次にこれをDCCで無水物に変換する。1個以上のカルボキシレート基を含む酸(例えば、コハク酸、フマル酸、またはアジピン酸)の場合には、望むジカルボン酸の酸無水物をピリジン、またはピリジンとジメチルホルムアミドまたはピリジンとジメチルアセトアミドの中でオキシプリンヌクレオシドまたは同族体と反応させる。
【0144】
アミノ酸は、適当な溶媒、とりわけ(i)塩化メチレンと(ii)ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドとの混合物、中DCCを使用する標準法により、グアノシンおよびデオキシグアノシンの環外アミノ基へ、またオキシプリンヌクレオシドまたはそれらの同族体のアルドース部分のヒドロキシル基へ結合される。
【実施例】
【0145】
下記の例は例示であって、本発明に係る方法および組成物を制限しない。当業者にとって明白な臨床療法で普通に遭遇する種々な条件や可変因子の適当な他の変法および適用は本発明の主旨と範囲の中にある。
実施例
下記の例は本発明化合物の製造法に関する。
例1
オクタノイルグアノシンの製造
100mlフラスコにグアノシン(2.0g、7.06ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.017g、0.14ミリモル)を加えた。かきまぜながらN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)をカニューレから加え、フラスコをアルゴンガスで掃気し、カニューレからピリジン(14ml)を加えた。スラリーを氷/NaCl浴で10分冷却し、塩化オクタノイル(1.6ml、9.2ミリモル)を滴加した。混合物をかきまぜながら25℃まで徐々に加温した。18時間後、混合物を氷冷した0.lM重炭酸ナトリウム溶液300ml中に注入し、白色沈殿を得、これを吸引濾過により単離し、熱水(3×100ml)で洗浄し、風乾し、熱メタノールから再結晶した。
例2
ラウロイルグアノシンの製造
l00mlフラスコにグアノシン(2.0g、7.06ミリモル)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.017g、0.14ミリモル)を加えた。かきまぜながらN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)をカニューレから加えた。フラスコをアルゴンガスで掃気し、ピリジン(14ml)をカニューレから加えた。スラリーを氷/NaCl浴中で10分間冷却し、塩化ラウロイル(2.12ml、9.2ミリモル)を滴加した。混合物をかきまぜながら徐々に25℃まで加温した。18時間後混合物を氷冷した。0.lM重炭酸ナトリウム溶液300ml中に注入して白色固体を得、これを吸引濾過により単離し、熱水(3×100ml)で洗浄し、風乾し、熱メタノールから再結晶した。
例3:パルミトイルグアノシンの製造
100mlのフラスコにグアノシン(2.0g、7.06ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.017g、0.14ミリモル)を加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)をカニューレを経由して撹拌しながら加え、フラスコをアルゴンガスでパージしてからピリジン(14ml)をカニューレを経由して加えた。そのスラリーを氷/NaCl浴中で10分間冷してからパリミトイルクロリド(2.8ml、9.2ミリモル)を滴下して加えた。その混合物を撹拌して徐々に25℃まで温めた。18時間後、混合物を300mlの氷冷した0.lM重炭酸ナトリウム溶液の中に注ぐと、白い固体を生じ、それを吸引濾過により分離し、3回100mlの熱水で洗い、空気乾燥させ、そして熱い2−メトキシエタノールから再結晶させた。
例4:ベンゾイルグアノシンの製造
100mlのフラスコにグアノシン(2.0g、7.06ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.017g、0.14ミリモル)を加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(30ml)をカニューレを経由して撹拌しながら加え、フラスコをアルゴンガスでパージしてからピリジン(16ml)をカニューレを経由して加えた。そのスラリーを氷/NaCl浴中で10分間冷してからベンゾイルクロリド(1.2ml、8.5ミリモル)を滴下して加えた。その混合物を撹拌して徐々に25℃まで温めた。72時間後、混合物を300mlの0.lM重炭酸ナトリウム溶液(60℃に温められた)の中に注ぐと、白い固体を生じ、それを吸引濾過(中位のグラスフリットを使用して)により分離し、3回100mlの冷水で洗い、そして空気乾燥させた。
例5:パルミトイルキサントシンの製造
50mlのフラスコにキサントシン二水化物(1.0g、3.52ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.0086g、0.07ミリモル)を加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(16ml)をカニューレを経由して撹拌しながら加え、フラスコをアルゴンガスでパージしてからピリジン(8ml)をカニューレを経由して加えた。そのスラリーを氷/NaCl浴中で10分間冷してからパルミトイルクロリド(1.6ml、9.2ミリモル)を滴下して加えた。その混合物を撹拌して徐々に25℃まで温めた。18時間後、混合物を300mlの氷冷0.1M重炭酸ナトリウム溶液の中に注ぐと、白い固体を生じ、それを吸引濾過により分離し、3回100mlの熱水で洗い、空気乾燥させ、そして熱いメタノールから再結晶させた。
例6:パルミトイルイノシンの製造
50mlのフラスコにイノシン(1.0g、3.73ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.017g、0.074ミリモル)を加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(16ml)をカニューレを経由して撹拌しながら加え、フラスコをアルゴンガスでパージしてからピリジン(8ml)をカニューレを経由して加えた。そのスラリーを氷/Nacl浴中で10分間冷してからパルミトイルクロリド(1.3ml、4.1ミリモル)を滴下して加えた。その混合物を撹拌して徐々に25℃まで温めた。18時間後、混合物を氷の小塊で急冷させてから溶媒を蒸発させると白いガムを残した。そのガムからトルエン(20ml)を蒸発させてから、次にガムを1:1エチルアセタート−ジエチルエーテルと共に完全に摩砕した。上澄み液を吸引濾過により分離してから、溶媒を蒸発させるとシロップが残り、それは真空デシケーター中に24時間置いた後に軟らかい無定形の固体に変った。
例7:パルミトイルデオキシイノシンの製造
100mlのフラスコにデオキシイノシン(1.5g、5.95ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.036g、0.297ミリモル)を加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(35ml)をカニューレを経由して撹拌しながら加え、フラスコをアルゴンガスでパージしてから、ピリジン(15ml)をカニューレを経由して加えた。そのスラリーを氷/Nacl浴中で10分間冷してからパルミトイルクロリド(2.0ml、6.54ミリモル)を滴下して加えた。その混合物を撹拌して徐々に25℃まで温めた。18時間後、混合物を300mlの氷冷0.lM重炭酸ナトリウム溶液の中に注ぐと、白い固体を生じ、それを吸引濾過により分離し、100mlの水で洗ってから、真空デシケーターの中で一晩中乾燥させて2.72g(93%)のパルミトイルデオキシイノシンを得た。
例8:(5−カルボキシペンタノイル)グアノシンの製造
無水ピリジン中500mgのグアノシンにアジピン酸(5モル当量)およびビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロリド(BOPDC)(1.0モル当量)を加えた。その混合物を室温で18時間撹拌してから、次に溶媒を真空中で除去した。残渣を100mlの氷冷水に加え、そしてその水性相をpH3.0に調整してから、次に60mlの酢酸エチルで3回抽出した。それらの抽出液を一緒にして無水硫酸マグネシウムの上で乾燥させてから、真空蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにより分離し、クロロホルム−エタノール混合液で溶出させ、そして溶出液を真空乾燥させた。
例9−11:(5−カルボキシヘキサノイル)グアノシン、(5−カルボキシヘプタノイル)グアノシン、および(5−カルボキシノナノイル)グアノシンの製造
(5−カルボキシヘキサノイル)グアノシン、(5−カルボキシヘプタノイル)グアノシン、および(5−カルボキシノナノイル)グアノシンはグアノシンとそれぞれピメリン酸、スベリン酸、およびセバシン酸とから、(5−カルボキシペンタノイル)グアノシンのために使用された方法と同様な方法で製造された。例12:3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシペンタノイル)グアノシンの製造
無水ピリジン中の500mgのグアノシンにアジピン酸(10モル当量)およびビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロリド(BOPDC)(2.0モル当量)を加えた。その混合物を室温で18時間撹拌してから、次に溶媒を真空中で除去した。その残渣を100mlの氷冷水に加えてから水性層をpH3.0に調節し、それから60mlのエチルアセタートで3回抽出した。それらの抽出液を一緒にして無水硫酸マグネシウムの上で乾燥させてから、真空蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにより分離し、クロロホルム−エタノール混合液で溶出させ、そして溶出液を真空蒸発させた。
例13−15:3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシヘキサノイル)グアノシン、3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシヘプタノイル)グアノシン、および3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシノナノイル)グアノシンの製造
3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシヘキサノイル)グアノシン、3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシヘプタノイル)グアノシン、および3’,5’−O,O−ビス−(5−カルボキシノナノイル)グアノシンはグアノシンとそれぞれピメリン酸、スベリン酸、およびセバシン酸とから、(5−カルボキシペンタノイル)グアノシンのために使用された方法と同様な方法で製造された。
例16:(Na−FMOC−Ne−CBZ−リシル)グアノシンの製造
無水ピリジン中の500mgのグアノシンにNa−FMOC−Ne−CBZ−リシン(2モル当量、発売元Sigma)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.0モル当量)を加えた。その混合物を室温で18時間撹拌してから、次に溶媒を真空中で除去した。その残渣を100mlの氷冷水に加えてから水性層をpH3.0に調節し、それから60mlのエチルアセタートで3回抽出した。それらの抽出液を一緒にして無水硫酸マグネシウムの上で乾燥させてから、真空蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムの上でクロマトグラフィーにより分離し、クロロホルム−エタノール混合液で溶出させ、そして溶出液を真空蒸発させた。
例17:(Na−FMOC−Ne−CBZ−リシル)−2’,3’−O−イソプロピリデングアノシンの製造
無水ピリジン中の2.0gの2’,3’−O−イソプロピリデングアノシン(発売元Sigma)にNa−FMOC−Ne−CBZ−リシン(2モル当量、発売元Sigma)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1.0モル当量)を加えた。その混合物を室温で18時間撹拌してから、次に溶媒を真空中で除去した。その残渣を100mlの氷冷水に加えてから水性層をpH3.0に調節し、それから60mlのエチルアセタートで3回抽出した。それらの抽出液を一緒にして無水硫酸マグネシウムの上で乾燥させてから、真空蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムの上でクロマトグラフィーにより分離し、クロロホルム−エタノール混合液で溶出させ、そして溶出液を真空蒸発させた。
例18:(Na−FMOC−Ne−CBZ−リシル)グアノシン
1.5gの(Na−FMOC−Ne−CBZ−リシル)−2’,3’−O−イソプロピリデングアノシンを18mlのHCO2H50%水溶液中に溶解して20時間室温に放置した。その溶液を蒸発乾固させて残渣を得て、それをMeOH−EtOACから再結晶させた。
例19:(Na−FMOC−リシル)グアノシンの製造
1.0gの(Na−FMOC−Ne−CBZ−リシル)グアノシンのDMF150ml中溶液を、0.7gのl0%Pd/Cの存在で48psiにおいて3.5時間水素化した。その混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、それから30mlのEtOHで、次いで20mlのH2Oで処理した。その結果生成した固体をMeOH−EtOHから再結晶した。
例20:シリルグアノシンの製造
800mgの(Na−FMOC−リシル)グアノシンの無水ピリジン中溶液を撹拌しながら無水ピペリジン(4モル当量)を加えた。その混合物を0℃で5時間撹拌してから、次に蒸発乾固させた。残渣をDMF中に溶解させてから、そのDMF溶液を、急激に撹拌されているEtOH−Et2O溶液に徐々に加えて、沈殿を生成させることにより精製した。
例21:パルミトイル−2’−デオキシグアノシンの製造
250mlのフラスコに2’−デオキシグアノシン−水化物(5.0g、17.5ミリモル)、トリエチルアミン(3.13ml、22.4ミリモル)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.046g、0.37ミリモル)を加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(130ml)を、撹拌しながらカニューレを経由して加え、そしてフラスコをアルゴンガスでパージした。そのスラリーを氷/NaCl浴中で10分間冷してからパルミトイルクロリド(6.3ml、20.6ミリモル)を滴下して加えた。その混合物を撹拌しがなら徐々に25℃まで温めた。72時間後、混合物を撹拌しながら400mlの水と飽和重炭酸ナトリウム水溶液1:1混合液の中に注いだが、その混合液は既に約60℃に温めてあった。その結果生成した固体を吸引濾過により分離し、水で洗い、そして乾燥させた。
例22:3’−O−パルミトイル −2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物は、パルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用いて製造されたが、ただし2’−デオキシグアノシン−水化物を適当量の5’−O−ジメトキシトリチル−デオキシグアノシンに置き換え、そしてその5’−ヒドロキシル基を次のようにして脱保護した。すなわち、80%酢酸水溶液中で25℃において1時間撹拌することによりジメトキシトリチル基を除き、粗生成物を濾過により分離し、その粗生成物を1時間メタノール中で摩砕し、濾過および乾燥することにより生成物を回収する。
例23:3,5’−O,O−ジパルミトイル−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物は、5’−O−パルミトイル−2’−デオキシグアノシンが前記のように製造されるときその副生成物として得られ、そして次のようにして単離された。すなわち、前記粗生成物をシリカゲルと共にトルエン中に懸濁させ、トルエンを蒸発させ、その結果生成した固形物を、アルミナの短い層をギャップされたシリカカラムに適用し、そのカラムをクロロホルム−メタノールで溶出し、そして適当な画分を蒸発させる。
例24:オクタノイル−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、パルミトイルクロリドを適当量のオクタノイルクロリドに置き換えることにより製造された。
例25:ラウロイル−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、パルミトイルクロリドを適当量のオクタノイルクロリドに置き換えることにより製造された。
例26:ベンゾイル−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、パルミトイルクロリドを適当量のベンゾイルクロリドに置き換え、かつ氷水と飽和重炭酸ナトリウム水溶液の1:1混合物を後処理において代用することにより製造された。
例27:ブチリル−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、パルミトイルクロリドを適当量のブチリルクロリドに置き換え、そして次のようにして単離することにより製造された。すなわち、72時間後に溶媒を蒸発させ、結果として生成する物質をジエチルエーテル−エチルアセタートの1:1混合液中で摩砕し、そして濾過により生成物を回収する。
例28:パルミトイル−8−ブロモ−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、2’−デオキシグアノシン一水化物を適当量の8−ブロモグアノシンに置き換えることにより製造された。
例29:パルミトイル−8−メルカプト−2’−デオキシグアノシンの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、2’−デオキシグアノシン一水化物を適当量の8−メルカプトグアノシンに置き換えることにより製造された。
例30:パルミトイルグアノシン2,3’−非環式ジアルコールの製造
この化合物はパルミトイル−2’−デオキシグアノシンのための方法を用い、2’−デオキシグアノシン−水化物を適当量のグアノシン2’,3’−非環式ジアルコールに置き換えることにより製造された。
【0146】
次の例は生体内における本発明の化合物の利益を証明するものである。
例31:グアノシンおよびグアニンはシクロホスファミドの後の造血の回復を向上させる
シクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.(腹腔内))を30匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌のマウスに投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間、マウスは、生理的食塩水(対照)、グアニン(5ミクロモル/マウス/日)、またはグアノシン(5ミクロモル/マウス/日)のいずれかの0.4mli.p.注射を与えられた。7日目に3群のそれぞれですべて10匹のマウスが血を流され、それから頸部の脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0147】
グアニンまたはグアノシンによる処置は食塩水処置を受けた対照におけるよりも著しく重い脾臓を結果として生ぜしめた(第1図)。同様に、グアニンまたはグアノシンによる処置はまた著しくより多く末梢の総白血球数および好中球数をも結果として生じさせた(それぞれ第2図および第3図)。従って、マウスのCP損傷の後に続くグアニンまたはグアノシンによる処置は骨髄造血の再生を明らかに加速する。
例32:グアノシンアシル置換基鎖長の、シクロホスファミド後の造血回復への効果
シクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を70匹のそれぞれ、重量約20gのBalb/C雌のマウスに投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間、マウスは生理的食塩水(対照)、Tween80(0.2%)、グアノシン(5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)、または2.5ミクロモル/マウス/日の次のグアノシンのアシル化誘導体(0.2%Tween中)、すなわちトリアセチルグアノシン、オクタノイルグアノシン、ラウロイルグアノシン、またはパルミトイルグアノシン、のいずれかの0.4mlのi.p.注射を与えられた。CP投与の後7日目に7群のそれぞれからすべて10匹が血を流され、それから頸部の脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0148】
食塩水、Tween80、または非アシル化グアノシンにより処置された群の間には脾臓重量に著しい差が見られなかった。しかし、アセチルグアノシン、オクタノイルグアノシン、ラウロイルグアノシン、またはパルミトイルグアノシンによるマスウの処置は結果として7日目に対照と比較して著しく大きな脾臓を生じた(第4図)。これらの化合物のいずれもすべて著しく高められた白血球(WBC)数を結果として示した。しかし、この実験において試された化合物の選択の範囲内でアシル基の鎖長の長いほど、WBC数に対する効果が大きかった。この実験において、パルミトイルグアノシンは総WBC数に対し最大の効果を示した(第5図)。アシル基鎖長と造血反応の大きさとの間の同様な関係はまた総好中球数についても見られた(第6図)。
例33:パルミトイルグアノシンは被照射マウスの生存を改良する
それぞれ重量20gの30匹の雌のBalb/Cマウスにコバルト60のガンマ線を7.3ラッド/分の線量率で照射した。総線量は700、725または750ラッドのいずれかであった。24時間後およびその後毎日、合計6日間、これらのマウスは生理的食塩水(対照)または50mg/kgのパルミトイルグアノシンのi.p.注射を受けた。各群内の生存動物数を30日間に亘って観察した。
【0149】
第1表に示されるように、食塩水で処置され被照射マウスのすべては最低の照射線量においても30日の観察期間中に死んだ。著しく対照的に、パルミトイルグアノシンで処置されたマウスのすべては生き残った。(パルミトイルグアノシンで処置されたマウスは2つのより高い放射線量においてのみ試験された。)
それ故に、照射の後にパルミトイルグアノシンによるマスウの処置は劇的に生存数を増加させる。
【0150】
照射の前のパルミトイルグアノシンによるマウスの前処理もまた生存数を向上させた。
【0151】
【表1】

例34:パルミトイルグアノシンはシクロホスファミド処置から回復するマウスの骨髄内のコロニー形成単位を増加させる
72匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(275mg/kg)を腹腔内(i.p.)注射により与えた。24時間後およびその後毎日、マウスは生理的食塩水(対照)またはパルミトイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与の後3日、5日、7日および10日目に各群から6匹を頸部脱臼により殺し、そして各動物の左大腿骨を無菌手段により得た。その骨髄細胞を次に大腿骨からマッコイ(McCoy’s)5a変性媒体で23ゲージの針を使って洗い出した。同一の群の大腿骨からの細胞は貯留され、短時間渦巻きを起させることにより分散され、そして血球計を用いて数えられた。細胞懸濁液を、15%子牛血清、1×カナマイシン、0.3%寒天および3%エンドトキシン刺激血清を含むマッコイ変性5a媒体(McCoy’s Modified 5 amedium)に加えた。その懸濁液を次に1.2×105細胞/mlの密度で平板培養した(但し、3日目はその時点で細胞数計測値が比較的低かったので平板密度は1.0×105であった)。各群を5重に平板培養した。7日間の培養(37℃、5%CO2および湿らせた空気中)の後50以上の細胞集合体(「コロニー」)を解剖用顕微鏡を使って25倍で数えた。
【0152】
各時点においてパルミトイルグアノシン処置のマウスから取った大腿骨当りに観察されたコロニーの数は食塩水処置の群からの数より著しく多かった(第7図および第2表)。これらの群の間の最大の差は5日目に見られた。
【0153】
【表2】

例35:シクロホスファミド投与後の造血回復へのパルミトイルグアノシン投与時期の効果
81匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後に処置を始めた。マウスは生理的食塩水(対照)、Tween80(0.2%)、またはパルミトイルグアノシン(5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。処置の時期は群により変った。対照群は食塩水を1−6日に与えられた。Tween80を受けるマウスは、1−4日、4−6日または1−6日のいずれかに処置された。パルミトイルグアノシン処置を受けるマウスは1−2日、1−4日、3−5日、4−6日または1−6日に処置された。もしある群のマウスがTween80またはパルミトイルグアノシンをある特定の日に受けない場合には、食塩水がi.p.注射により投与された。従って、全体で9匹から成る9群があった。CP投与の後7日目にすべての動物は血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0154】
脾臓の重量は、Tween80を1−4日だけに受けたものを除いて処置群のすべてにおいて食塩水対照に比較して高められた(第8図)。1日目および2日目のみの処置を含め、試験されたいずれの期間についてもパルミトイルグアノシンの投与は体操に比較して著しく大きい脾臓重量を結果として生じた(また第8図)。その上、
パルミトイルグアノシンによる処置は(いずれの期間であっても)Tween80のみにより処置されたマウスにおけるよりも大きな脾臓を結果として生じさせた。1−4日または1−6日のパルミトイルグアノシン処置は脾臓重量に最大の効果があった。
【0155】
総白血球(WBC)数は、食塩水対照よりもパルミトイルグアノシンを受けた各群において著しく大であった(第9図)。さらに、すべてのパルミトイルグアノシン処置マウス(但し、4−6日のみ処置のものを除く)WBC数は、いずれの期間Tween80により処置されたマウスにおけるよりも著しく大きかった。最大の効果はパルミトイルグアノシンにより1−6日処置されたマウスにおいて見られた。この群におけるWBC数はまたその他のパルミトイルグアノシン処置群のいずれよりも大きかった。WBCに関する結果のパターンは好中球データに反映されており(第10図)、その場合にパルミトイルグアノシンによる1−6日処置は総好中球数に最大の増加を結果として生じた。1日目および2日目のみのパルミトイルグアノシン処置は食塩水対照またはTween80処置マウスに比較して総高好中球数において著しい増加を生じさせた。
【0156】
リンパ球数はいずれの期間についてもTween80(または食塩水)による処置により影響されなかった。1−2日または1−6日(再び最大効果)のパルミトイルグアノシン処置のみが高いリンパ球算定値を結果として生じた(第11図)。
例36:パルミトイルグアノシンは5−フルオロウラシルの後の造血回復を向上させる
40匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスに5−フルオロウラシル(5−FU)(150mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計8日間、マウスは生理食塩水(対照)または5’−O−パルミトイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。5−FU投与の後7日目および14日目に各群から動物の半数が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出され、そして完全血球算定が行われた。
【0157】
7日目に僅かだが統計的に有意の脾臓重量の増加がパルミトイルグアノシンにより処置された群に認められた(第12図)。その他の差は7日目に対照と処置動物の間に見られなかった。しかし、14日目にはパルミトイルグアノシンを受けた動物は著しくより重い脾臓を有しその上白血球、リンパ球、好中球および血小板の合計の著しく高い数値を有していた(第13〜15図)。
例37:パルミトイルグアノシンは5−フルオロウラシルの後の造血回復を向上させる
54匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスに5−フルオロウラシル(5−FU)(150mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計7日間、マウスは生理的食塩水(対照)またはパルミトイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。5−FUの投与の後8日、10日および12日目に各群から9匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0158】
8日目にパルミトイルグアノシンにより処置されたマスウからの血液試料中の血小板数は対照群中の数より著しく大きかった(第16図)。その他の各群間の著しい差は8日目に見られなかった。10日目には、処置された群における血小板の数がより多かったのに加えて、パルミトイルグアノシンを受けたマウスから取った脾臓もまた食塩水のみを受けたものよりも著しく大きかった(第17図)。12日目には、処置群の中の動物の脾臓重量対照マウスのそれの2倍以上であり、そして処置群の血液中の好中球数は対照試料におけるより3倍大きかった(第17および第18図)。白血球数もまた示されている(第19図)。
例38:パルミトイルデオキシイノシンおよびパルミトイルグアノシンは正常のマスウにおける造血を増強させる
正常の、さもなければ非処置の、それぞれ重量約20gの雌のBalb/Cマウスが、Tween80(0.2%)(対照)、パルミトイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス/日)、またはパルミトイルデオキシイノシン(2.5ミクロモル/マウス/日)のいずれかの合計4または9回0.4ml腹腔内注射(毎日1回)を受けた。第4回または第9回の処置の後24時間、3群のそれぞれから5または6匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0159】
5日目の脾臓重量はパルミトイルグアノシンおよびパルミトイルデオキシイノシンにより処置されたマウスにおいては食塩水により処置されたマウスにおけるより著しく大きかった(第20図)。10日目には、脾臓重量、総白血球数、および好中球数はすべてパルミトイルデオキシイノシンにより処置されたマウスにおいてTween80対照におけるよりも著しく大であった。(第20−22図)。総白血球数はパルミトイルグアノシンにより処置されたマウスにおいてもまた対照と比較して著しく高められていた。
例39:シクロホスファミドの後に造血回復を向上させるオクタノイルグアノシン投与量−反応
45匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間、マウスは生理的食塩水(対照)、Tween80(0.5%)、またはオクタノイルグアノシンの3種の異なる投与量(0.5、2.5、または5ミクロモル/マウス/日、0.5%Tween80中)のうちの1つかのいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与の後7日目に5群のそれぞれからすべて9匹が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0160】
これらのCPにより弱体化されたマウスをTween80で処置すると平均脾臓重量にある程度の増加を結果として生じるが、オクタノイルグアノシンによる処置は前記3種の試験投与量のいずれにおいても対照におけるよりも著しく大きい脾臓を、およびTween80処置のマウスにおけるより大きい脾臓を結果として生じさせた(第23図)。最高投与量のオクタノグアノシン(10ミクロモル)で処置したマウスは最大の脾臓を有していた(データは示されていない)。さらに重要なことに、白血球の総数および好中球の総数は投与量に依存する仕方で対照値以上に著しく増加した(第24および25図)。オクタノイルグアノシンの中間投与量(2.5ミクロモル)は、しかし、造血機能の回復を促進することにおいて最高投与量とほぼ同じ位の効果を示した。
例40:シクロホスファミドの後にオクタノイルグアノシンで処置されたマウスの脾臓の組織学的検査
30匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間、マウスは生理的食塩水(対照)、Tween80(0.5%)、またはオクタノイルグアノシン(5.0ミクロモル/マウス/日、0.5%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後7日目に3群のそれぞれからすべて10匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして後の組織学的検査のために10%ホルマリン中に固定された。完全血球算定が採取された血液について行われた。
【0161】
Tween80単独での処置は食塩水処置対照と比較して脾臓重量にある程度の増加を結果としてもたらした。しかし、オクタノイルグアノシンによる処置は食塩水処置対照またはTween80処置マウスのいずれにおけるものよりも著しく大きい脾臓重量を結果として生じさせた(第26図)。脾臓の組織学的検査はすべての処置群において組織学上正常な組織を、そしてオクタノイルグアノシン処置したマウスの脾臓において食塩水処置対照およびTween80で処置したものに比較して非常に大きなリンパ球生成(増加した白色脾髄)および骨髄造血(増加した赤色脾髄)を示した(第27図)。これらの観察は、CPにより弱体化されたマウスのオクタノイルグアノシン処置は、少なくとも脾臓のレベルでは、骨髄造血およびリンパ球発生の両者共に促進することを示す。
【0162】
オクタノイルグアノシンによるマウスの処置はまた明らかな結果として対照またはTween80処置したマウスにおいて見られるよりも著しく多数の末梢の白血球(WBC)および好中球を生じさせた(第28および第29図、各参照)。
例41:ベンゾイルグアノシンはシクロホスファミドの後の造血回復を向上させる
48匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間、マウスは生理的食塩水(対照)、ベンゾイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)、またはパルミトイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス/日、0.2%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与の後7日および10日目に3群のそれぞれから8匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0163】
7日目には総白血球数、好中球、および脾臓重量がベンゾイルグアノシン処置およびパルミトイルグアノシン処置両方のマウスにおいて対照に比較して著しく高められていた(第30−32図各参照)。これら2つの処置群の間に何らの統計的有意差はなかった。10日目に血小板数は前記アシル化グアノシン群両者において対照群におけるよりも著しく大きかった(第33図)。
例42:パルミトイルキサントシンおよびパルミトイルデオキシイノシンはシクロホスファミドの後の造血回復を向上させる
36匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計4または6日間、マウスは生理的食塩水(対照)、パルミトイルデオキシイノシン(2.5ミクロモル/マウス)、またはパルミトイルキサントシン(2.5ミクロモル/マウス)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CPの投与後5日および7日目に3群のそれぞれの中の12匹のうち6匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されてから秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0164】
脾臓重量、総白血球数、および好中球数は5日目にパルミトイルデオキシイノシンで処置した群において対照に比較して著しく高められた(第34、35および36図、各参照)。総白血球数および好中球数はこの時点において、パルミトイルキサントシンで処置したマウスにおいてそれらに比較して同様に著しく高められていた。
【0165】
CP投与後7日目に脾臓重量、総白血球数、および好中球数はパルミトイルキサントシン処置のおよびパルミトイルデオキシイノシン処置の両群において対照に比較して著しく増加していた(第34、35、および36図)。
例43:パルミトイルイノシンはシクロホスファミドの後の造血回復を向上させる。
【0166】
48匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間、マウスは生理的食塩水(対照)、オクタノイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス)、ラウロイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス)、パルミトイルグアノシン(2.5ミクロモル/マウス)、パルミトイルイノシン(2.5ミクロモル/マウス)、またはパルミトイルキサントシン(2.5ミクロモル/マウス)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後7日目に6群のそれぞれの8匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0167】
脾臓重量、総白血球数、および好中球数は処置された5群のそれぞれにおいて対照と比較して著しく高められた(第37、38、および39図、各参照)。この時点で5つの処置群を比較して何ら統計的有意差が見られなかった。
例44:オキシプリンヌクレオシド同族体のアシル誘導体はシクロホスファミドの後の造血回復を向上させる
96匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日マウスはTween80(0.2%)(対照)、パルミトイルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)、パルミトイルデオキシイノシン(2ミクロモル/マウス)、パルミトイルアシクロビア(2ミクロモル/マウス)、パルミトイルアラビノシルグアニン(2ミクロモル/マウス)、パルミトイルアラビノシルヒポキサンチン(2ミクロモル/マウス)、モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール(2ミクロモル/マウス)、およびパルミトイル−8−チオグアノシン(2ミクロモル/マウス)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後5日および7日目に8群のそれぞれの中の6匹の動物が血を流されてから頸骨脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0168】
総好中球数は5日および7日目にすべての8群において対照と比較して著しく高められていた(第40図黒星印)。
【0169】
白血球数は5日目に1つの処置群(1−O−パルミトイルアシクロビア)を除くすべての群において、そして7日目にはすべての8処置群において対照と比較して著しく高められていた(第41図)。
【0170】
脾臓重量は5日目に次の各群において対照に比較して著しく高められた:
モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール、
パルミトイルデオキシイノシン、パルミトイルグアノシン。
【0171】
7日目には、パルミトイルアラビノシルグアニンおよびパルミトイルアラビノシルヒポキサンチンを除くすべての処置群においてそれは著しく高められた(第42図)。
☆ この例に付属するすべての3図において次の略号が使用されている:
TW=Tween−80
ACV=パルミトイルアシクロビア
AHx=パルミトイルアラビノシルヒポキサンチン
8TG=パルミトイル−8−チオグアノシン
PdG=パルミトイルデオキシグアノシン
AG=パルミトイルアラビノシルグアニン
dI=パルミトイルデオキシイノシン
ACG=モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール
例45:デオキシグアノシンのアシル誘導体はシクロホスファミドの後の造血回復を向上させる
88匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日マウスはTween−80(0.2%)(対照)、3’−O−パルミトイルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)、ブチリルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)、パルミトイル−N−イソブチリルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)、ラウリルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)、オクタノイルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)、およびパルミトイルデオキシグアノシン(2ミクロモル/マウス)のいずれかの4mli.p.注射を受けた。CP投与後5日および7日目に7群のそれぞれの中の6匹または7匹の動物が血を流されてから次に頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0172】
脾臓重量および総好中球数は5日目に次の各群において対照に比較して著しく高められた:3’−O−パルミトイルデオキシグアノシン、パルミトイル−N−イソブチリルデオキシグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシン(第43および44図)。7日目には脾臓重量および総好中球数はすべての処置群において対照と比較して著しく高められていた。
【0173】
白血球数は5日目にパルミトイルデオキシグアノシン群において著しく高くなっていた。7日目に白血球数はすべての処置群において対照と比較して著しく高められていた(第45図)。
例46:シクロホスファミドの後の造血回復の向上におけるパルミトイルデオキシグアノシンの投与量−反応の特徴
85匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日マウスは生理的食塩水(対照)、またはパルミトイルデオキシグアノシンのいずれかの0.4ml、i.p.注射を後者の4種の異なる投与量(0.2、0.4、1.0または2.0ミクロモル/マウス)の1つで受けた。CP投与後5日および7日目に5群のそれぞれの中の9匹および8匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0174】
脾臓重量、白血球数、および総好中球数は、5日目のパルミトイルデオキシグアノシンの最低投与量(0.2)の処置群を除きすべて4つの処置群において5日および7日目に著しく高められた(第46、47、および48図)。投与量を増すに従ってより重い脾臓をおよびより多くの血球数を生ずるという明らかな投与量−反応の傾向が見られた。
例47:シクロホスファミドの後の造血回復の向上におけるパルミトイルデオキシグアノシンおよびパルミトイルグアノシンの投与量−反応の特徴比較
96匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日マウスは生理的食塩水(対照)、パルミトイルグアノシン(4種の異なる投与量:0.2、0.4、1.0または2.0ミクロモル/マウスの1つで)、またはパルミトイルデオキシグアノシン(1.0ミクロモル/マウスの投与量で)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後5日および7日目に6群のそれぞれから8匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0175】
脾臓重量、白血球数、および総好中球数は5日目にパルミトイルグアノシン最高試験投与量(2.0ミクロモル/マウス)においておよびパルミトイルデオキシグアノシン群において対照に比較して著しく高められた(第49、50および51図)。1.0ミクロモル/マウスの投与量でパルミトイルグアノシンもまた5日目に総好中球数を著しく増加させた。7日目には脾臓重量、白血球数、および総好中球数は、1.0および2.0ミクロモル/マウスのパルミトイルグアノシンを受けた群およびパルミトイルデオキシグアノシン群において対照に比較して著しく高められた。パルミトイルグアノシンの投与量を増すに従ってより重い脾臓およびより多くの血球数を生ずるという明らかな投与量−反応の傾向が見られた。パルミトイルデオキシグアノシンはこれらのパラメーターを高めることにおいてパルミトイルグアノシンの同じまたは2倍も多い投与量よりも強力であると見えた。
例48:シクロホスファミドの後の造血回復の向上におけるパルミトイルデオキシグアノシンの投与量−反応の特徴
112匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日マウスは生理的食塩水(対照)またはパルミトイルデオキシグアノシンの6種の異なる投与量:0.04、0.08、0.2、0.4、0.6または0.8ミクロモル/マウスの1つのいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後5日および7日目に7群のそれぞれから8匹の動物が血を流されてから頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0176】
脾臓重量は、5日目に0.2ミクロモル/マウス以上の投与量を受けたパルミトイルデオキシグアノシン群のすべてにおいて、そして7日目には僅かに0.04ミクロモル/マウスの投与量を受けたものを除くすべての群において対照に比較して著しく高められた(第52図)。
【0177】
白血球数は5日目に0.4ミクロモル/マウス以上の投与量を受けたパルミトイルデオキシグアノシン群のすべてにおいて対照に比較して著しく高められた(第53図)。7日目にはすべての投与量において統計的有意差が見られた。
【0178】
総好中球数は5日目と7日目の両方とも試験された6種の投与量すべてにおいて対照に比較して著しく高められた(第54図)。
【0179】
投与量を増すに従ってより重い脾臓およびより多くの細胞数を生ずるという明らかな投与量−反応の関係が見られた。
例49:パルミトイルデオキシグアノシンはシクロホスファミドの後のラットにおける好中球、血小板、およびリンパ球の数の回復を向上させる。
【0180】
16匹のそれぞれ重量約200gのF344雄ラットにシクロホスファミド(CP)(40mg/kg、
i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日ラットは生理的食塩水(対照)、または10ミクロモル/ラットの投与量でパルミトイルデオキシグアノシンのいずれかの0.5mli.p.注射を受けた。CP投与後5日、7日および10日目に両群からすべて8匹の動物が血を流され、そして完全血球算定が行われた。10日目にはすべてのラットが殺され、そしてそれらの脾臓が摘出されて秤量された。
【0181】
白血球数および総好中球数はすべて3回の時点でパルミトイルデオキシグアノシン処置のラットにおいて食塩水対照のそれらに比較して著しく高められていた(第55および56図)。血小板およびリンパ球は10日目にパルミトイルデオキシグアノシン処置群において著しく高められた(第57および58図)。処置されたラットの脾臓重量は対照に比較して著しく高められていた。
【0182】
これらのラットにおける結果は前記のマウスにおける発見、すなわちプリンヌクレオシドのアシル化誘導体は化学的損傷の後の造血回復を劇的に向上させることを確認しかつ発展させるものである。この実験において特に注目すべきことはパルミトイルデオキシグアノシンによる処置の停止の後に増加した白血球数が持続されることである。
例50:オキシプリンヌクレオシド同族体のアシル化誘導体は正常なマウスにおける造血を強化する
それぞれ重量約20gの正常なBalb/C雌マウスに生理的食塩水(対照)、パルミトイルグアノシン(2.6ミクロモル/マウス)、パルミトイルデオキシグアノシン(2.6ミクロモル/マウス)、モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール(2.6ミクロモル/マウス)、およびパルミトイル−8−ブロモグアノシン(2.6ミクロモル/マウス)のいずれかの0.4mi.p.注射を毎日4日間投与した。5日目に5群のそれぞれの中のすべて3匹の動物は血を流してから、頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。各マウスから大腿骨の骨髄が採集され、そして分画血球算定が骨髄塗抹について行われた。
【0183】
この例(59−61)に付属する各図において次の略号が使用されている:
P8BG=パルミトイル−8−プロモグアノシン
PG−Cl=モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール
PG=パルミトイルグアノシン
PdG=パルミトイルデオキシグアノシン
脾臓重量は次の群において対照と比較して著しく高められた:パルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール、パルミトイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルグアノシン(第59図)。
【0184】
血小板数は、パルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコールを除くすべての処置群において著しく高められた(第60図)。
【0185】
骨髄球(必須の好中球前駆体)の数もまたモノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール、パルミトイルデオキシグアノシン、およびパルミトイル−8−ブロモグアノシンの各群において対照と比較して著しく大きかった(第61図)。
【0186】
これらの結果は正常な動物の造血を正方向に改良することにおいて数種の特定の化合物の効力を示す。この証拠は明らかにこれらの化合物が骨髄のレベルにおいて有効であることを示している。
例51:パルミトイルデオキシグアノシンによるマウスのプリトリートメントはフルオロウラシルからの造血回復を改善する。
【0187】
約20gの雌Balb/Cマウス28匹に生理食塩水(対照)、パルミトイルデオキシグアノシン(1μmole/マウス)を0.4ml i.p.で毎日3日間投与した。4日目に5−フルオロウラシル(5−FU)(150mg/kg
i.p.)を全28匹のマウスに投与した。5−FU投与後5、8および11日目に両群からの4(5日)または5(8および11日)匹のマウスを出血せしめ、頸部転位で殺した。脾臓をとり出し、重量を計った。全赤血球を計算した。
【0188】
5日目に血小板数は対照群に比べて処理群において有為に高かった。8日目の脾臓重量、血小板数、全好中球数はパルミトイルデオキシグアノシンでプリ処理した群において有為に高かった。11日目でパルミトイルデオキシグアノシンでプリ処理したマウスは食塩対照群に比べ有為に高い脾臓重量、全白血球数、血小板数、全好中球数およびリンパ球数を有した(図62、63、64および65)。
【0189】
これらの結果はパルミトイルデオキシグアノシンによるマウスのプリ処理が5−FUの免疫系および血球数に対する影響を劇的に改善したことを示す。
例52:Tween80はシクロホスファミドの後の造血回復を強化し、またオクタノイルグアノシンの効果を強める
45匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、
i.p.)を投与した。24時間後およびその後毎日、合計6日間マウスは7群に分けられてから生理的食塩水(対照)、3種の濃度(0.02%、0.2%および1%)のそれぞれのTween80または3種の異なる濃度(0.02%、0.2%および1%)のTween80中のオクタノイルグアノシン(50mg/kg/投与)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後7日目に前記5群のそれぞれからすべて9匹の動物が血を流されてから、次に頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0190】
シクロホスファミドの投与後7日間に、好中球数はすべての処置群において、シクロホスファミドの後に食塩水のみを受けたマウスに比較して高められ、そして1.0%Tweenのみにより、および0.02%と0.2%Tween80中のオクタノイルグアノシンにより処置されたマウスらにおいて対照とは著しく異なっていた(第66図)。0.2%Tween80中の50mg/kgのオクタノイルグアノシンを受けた動物らにおける好中球数は0.02%Tween80中のオクタノイルグアノシンの同投与量を受けた動物らにおけるよりも著しく高かった。
【0191】
いろいろなその他の非イオン性界面活性剤(例えば、Tween20、Tween40、Nonidet P−40、Brij96、Triton X−l00を含む)もまたシクロホスファミドにより処置されたマウスにおいて血球数の回復を強化した。
例53:パルミトイル−8−アミノグアノシンはシクロホスファミドの後の造血回復を強化する
28匹のそれぞれ重量約20gのBalb/C雌マウスにシクロホスファミド(CP)(275mg/kg、
i.p.)を投与した。24時間後およびその後4日間毎日、マウスは生理的食塩水(対照)またはパルミトイル−8−アミノグアノシン(25mg/kg/日、0.2%Tween80中)のいずれかの0.4mli.p.注射を受けた。CP投与後5日および7日目に前記2群のそれぞれから7匹の動物が血を流されてから、次に頸部脱臼により殺された。脾臓が摘出されて秤量され、そして完全血球算定が行われた。
【0192】
5日目および7日目に、好中球数、および脾臓重量はパルミトイル−8−アミノグアノシンに処置されたマウスにおいて対照に比較して著しく高められていた(第67−68図)。
【0193】
上記は本発明の例証として意図されたものであって限定するものではない。多数の変形および修正が本発明の真の精神と範囲を逸脱することなしに行われることもあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】図1は、例31に記載のように、食塩水、グアニンおよびグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。(この図中またはその後の各図中の星印(黒星印)は統計学的有意差を示す)。
【図2】図2は、例31に記載のように、食塩水、グアニンおよびグアノシンで処置後のマウスの白血球数を比較するグラフである。
【図3】図3は、例31に記載のように、食塩水、グアニンおよびグアノシンで処置後のマウスの好中球数を比較するグラフである。
【図4】図4は、例32に記載のように、食塩水、Tween−80、グアノシン、トリアセチルグアノシン、オクタノイルグアノシン、ラウリルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図5】図5は、例32に記載のように、食塩水、Tween−80、グアノシン、トリアセチルグアノシン、オクタノイルグアノシン、ラウリルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図6】図6は、例32に記載のように、食塩水、Tween−80、グアノシン、トリアセチルグアノシン、オクタノイルグアノシン、ラウリルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図7】図7は、例34に記載のように、シクロホスファミド処置後のコロニー数/大腿を示すグラフである。
【図8】図8は、例35に記載のように、食塩水、Tween−80およびパルミトイルグアノシンで種々な時間処置した後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図9】図9は、例35に記載のように、食塩水、Tween−80およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図10】図10は、例35に記載のように、食塩水、Tween−80、およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図11】図11は、例35に記載のように、食塩水、Tween−80およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおけるリンパ球数を比較するグラフである。
【図12】図12は、例36に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。「5FU」は5−フルオロウラシルである。
【図13】図13は、例36に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおけるリンパ球数を比較するグラフである。
【図14】図14は、例36に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図15】図15は、例36に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図16】図16は、例37に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける血小板数を示すグラフである。
【図17】図17は、例37に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図18】図18は、例37に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を示すグラフである。
【図19】図19は、例37に記載のように、食塩水およびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を示すグラフである。
【図20】図20は、例38に記載のように、Tween−80、およびパルミトイルグアノシンおよびパルミトイルデオキシイノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図21】図21は、例38に記載のように、Tween−80、およびパルミトイルグアノシンおよびパルミトイルデオキシイノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図22】図22は、例38に記載のように、Tween−80、パルミトイルグアノシンおよびパルミトイルデオキシイノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図23】図23は、例39に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図24】図24は、例39に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図25】図25は、例39に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図26】図26は、例40に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図27】図27は、例40に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンのシクロホスファミド処置マウスにおける造血成績に及ぼす効果を示すグラフである。
【図28】図28は、例40に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図29】図29は、例40に記載のように、食塩水、Tween−80およびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図30】図30は、例41に記載のように、食塩水、ベンゾイルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図31】図31は、例41に記載のように、食塩水、ベンゾイルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図32】図32は、例41に記載のように、食塩水、ベンゾイルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図33】図33は、例41に記載のように、食塩水、ベンゾイルグアノシンおよびパルミトイルグアノシンで処置後のマウスにおける血小板数を比較するグラフである。
【図34】図34は、例42に記載のように、食塩水、パルミトイルイノシンおよびパルミトイルキサントシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図35】図35は、例42に記載のように、食塩水、パルミトイルデオキシイノシンおよびパルミトイルキサントシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図36】図36は、例42に記載のように、食塩水、パルミトイルデオキシイノシンおよびパルミトイルキサントシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図37】図37は、例43に記載のように、食塩水、パルミトイルキサントシン、パルミトイルイノシン、パルミトイルグアノシン、ラウリルグアノシンおよびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスの脾臓重量を比較するグラフである。
【図38】図38は、例43に記載のように、食塩水、パルミトイルキサントシン、パルミトイルイノシン、パルミトイルグアノシン、ラウリルグアノシンおよびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図39】図39は、例43に記載のように、食塩水、パルミトイルキサントシン、パルミトイルイノシン、パルミトイルグアノシン、ラウリルグアノシンおよびオクタノイルグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図40】図40は、例44に記載のように、Tween−80、パルミトイルアシクロビル、パルミトイルアラビノシルヒポキサンチン、パルミトイル−8−チオグアノシン、パルミトイルデオキシグアノシン、パルミトイルアラビノシルグアニン、パルミトイルデオキシイノシン、およびモノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコールで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図41】図41は、例44に記載のように、Tween−80、パルミトイルアシクロビル、パルミトイルアラビノシルヒポキサンチン、パルミトイル−8−チオグアノシン、パルミトイルデオキシグアノシン、パルミトイルアラビノシルグアニン、パルミトイルデオキシイノシン、およびモノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコールで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図42】図42は、例44に記載のように、Tween−80、パルミトイルアシクロビル、パルミトイルアラビノシルヒポキサンチン、パルミトイル−8−チオグアノシン、パルミトイルデオキシグアノシン、パルミトイルアラビノシルグアニン、パルミトイルデオキシイノシン、およびモノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコールで処置後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図43】図43は、例45に記載のように、Tween−80、3’−O−パルミトイルデオキシグアノシン、ブチリルデオキシグアノシン、パルミトイル−N−イソブチリルデオキシグアノシン、ラウリルデオキシグアノシン、オクタノイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図44】図44は、例45に記載のように、Tween−80、3’−O−パルミトイルデオキシグアノシン、ブチリルデオキシグアノシン、パルミトイル−N−イソブチリルデオキシグアノシン、ラウリルデオキシグアノシン、オクタノイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図45】図45は、例45に記載のように、Tween−80、3’−O−パルミトイルデオキシグアノシン、ブチリルデオキシグアノシン、パルミトイル−N−イソブチリルデオキシグアノシン、ラウリルデオキシグアノシン、オクタノイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図46】図46は、例46に記載のように、4通りの異なる用量、即ち0.2,0.4,1.0および2.0μモル/マウス、で生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンにより処置した後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図47】図47は、例46に記載のように、4通りの異なる用量、即ち0.2、0.4、1.0および2.0μモル/マウス、で生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンにより処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図48】図48は、例46に記載のように、4通りの異なる用量、即ち0.2、0.4、1.0および2.0μモル/マウス、で生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンにより処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図49】図49は、例47に記載のように、4通りの異なる用量、即ち0.2、0.4、1.0および2.0μモル/マウス、で生理食塩水、パルミトイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルグアノシンにより処置後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図50】図50は、例47に記載のように、4通りの異なる用量、即ち0.2、0.4、1.0および2.0μモル/マウス、で生理食塩水、パルミトイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルグアノシンにより処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図51】図51は、例47に記載のように、4通りの異なる用量、即ち0.2、0.4、1.0および2.0μモル/マウス、で生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシン、およびパルミトイルグアノシンにより処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図52】図52は、例48に記載のように、6通りの異なる用量、即ち0.04、0.08、0.2、0.4、0.6または0.8μモル/マウス、で生理食塩水、およびパルミトイルデオキシグアノシンにより処置後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図53】図53は、例48に記載のように、6通りの異なる用量、即ち0.04、0.08、0.2、0.4、0.6または0.8μモル/マウス、で生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンにより処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図54】図54は、例48に記載のように、6通りの異なる用量、即ち0.04、0.08、0.2、0.4、0.6または0.8μモル/マウス、で生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンにより処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図55】図55は、例49に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図56】図56は、例49に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図57】図57は、例49に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける血小板数を比較するグラフである。
【図58】図58は、例49に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおけるリンパ球数を比較するグラフである。
【図59】図59は、例50に記載のように、生理食塩水、パルミトイル−8−ブロモグアノシン、モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール、パルミトイルグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図60】図60は、例50に記載のように、生理食塩水、パルミトイル−8−ブロモグアノシン、モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール、パルミトイルグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける血小板数を比較するグラフである。
【図61】図61は、例50に記載のように、生理食塩水、パルミトイル−8−ブロモグアノシン、モノパルミトイルグアノシン2’,3’−非環式ジアルコール、パルミトイルグアノシン、およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける骨髄細胞数/大腿を比較するグラフである。
【図62】図62は、例51に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける血小板数を比較するグラフである。
【図63】図63は、例51に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。
【図64】図64は、例51に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図65】図65は、例51に記載のように、生理食塩水およびパルミトイルデオキシグアノシンで処置後のマウスにおける白血球数を比較するグラフである。
【図66】図66は、例52に記載のように、パルミトイルグアノシンと共にあるいは無しに、種々な濃度のTween−80で処置後のマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図67】図67は、例53に記載のように、食塩水およびパルミトイル8−アミノグアニシンで処置したマウスにおける好中球数を比較するグラフである。
【図68】図68は、例53に記載のように、食塩水およびパルミトイル8−アミノグアノシンで処置したマウスにおける脾臓重量を比較するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式、
【化1】

式中、R、R、およびRは同一または異なり、そして水素または
a.6〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
b.グリシン、L形のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
c.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
d.4〜22の炭素原子を含むシクロアルキルカルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、
但し、R、R、およびRのすべてが水素ではない、そして
は水素または
i.3〜22の炭素原子を有する枝分れのない脂肪酸、
ii.グリシン、L形のフェニルアラニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンから成る群より選択されるアミノ酸、
iii.3〜22の炭素原子を有するジカルボン酸、
iv.4〜22の炭素原子を有するシクロアルキルカルボン酸、
v.ニコチン酸、または
vi.7〜22の炭素原子を有する置換または非置換芳香族カルボン酸、
から誘導されるアシル基であり、そして
J=HまたはNHR(前式中RはHまたは1〜10の炭素原子を有するアシルまたはアルキル基である、を有する化合物または医薬品として許容されるその塩。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【公開番号】特開2006−96772(P2006−96772A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380181(P2005−380181)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【分割の表示】特願2001−32992(P2001−32992)の分割
【原出願日】平成4年2月5日(1992.2.5)
【出願人】(501056821)ウェルスタット セラピューティクス コーポレイション (32)
【Fターム(参考)】