説明

連動ブレーキ装置及び自動二輪車

【課題】部品点数を削減すると共に、よりコンパクトな装置とすることができる連動ブレーキ装置及びそれを備えた自動二輪車を提供する。
【解決手段】連動ブレーキ操作子に与えられた操作力により第1伝達部材22が引張られたときには、スプリング106を介してシリンダ102が第2伝達部材24と共に引張られることにより機械式ブレーキに制動力を与え、また、連動ブレーキ操作子に与えられた操作力により第1伝達部材22がスプリング106の付勢に抗して引張られたときには、第1伝達部材22がピストン104を作動させたときに発生する液圧力を液圧配管L2を介して伝達することにより液圧式ブレーキに制動力を与える連動装置100を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連動ブレーキ装置及びそれを備えた自動二輪車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車において、乗員が連動ブレーキ操作子を操作することにより、後輪ブレーキに制動力を与えると共に、前輪ブレーキにも制動力を与える、いわゆる連動ブレーキ装置が知られている。
【0003】
このような連動ブレーキ装置に関する従来技術として、乗員が連動ブレーキ操作子を操作することにより、比較的に廉価な機械式ブレーキを採用したリアブレーキに制動力を与えつつ、高い制動力が得られる液圧式ブレーキを採用したフロントブレーキにも制動力を与えることができるようにした連動ブレーキ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された従来の連動ブレーキ装置においては、乗員が連動ブレーキ操作子を操作すると、連動ブレーキ操作子と連結されたブレーキワイヤが引張られる。ブレーキワイヤを引っ張る力(引張力)は、引張力を押圧力に変換するためのイコライザ及びノッカにより押圧力に変換される。このように、従来の連動ブレーキ装置は、イコライザ及びノッカが必要となる。従って、従来の連動ブレーキ装置においては、部品点数が多くなる。また、従来の連動ブレーキ装置においては、装置が大型化する傾向にある。
【0006】
本発明は、部品点数を削減すると共に、よりコンパクトな装置とすることができる連動ブレーキ装置及びそれを備えた自動二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、乗員により操作される連動ブレーキ操作子と、機械式ブレーキと、液圧式ブレーキと、前記連動ブレーキ操作子に与えられた操作力により、機械式ブレーキ及び液圧式ブレーキにそれぞれ制動力を与える連動装置と、一端部が前記連動ブレーキ操作子に接続されると共に、他端部が前記連動装置に接続される第1伝達部材と、一端部が前記連動装置に接続されると共に、他端部が前記機械式ブレーキに接続される第2伝達部材と、一端部が前記連動装置に接続されると共に、他端部が前記液圧式ブレーキに接続される液圧配管と、を備える連動ブレーキ装置において、前記連動装置は、筒状に形成されたシリンダと、当該シリンダの内側に摺動可能に収容されたピストンと、当該ピストンを非作動方向に付勢するスプリングと、を有し、前記ピストンの一端部には、前記第1伝達部材の他端部が接続され、前記シリンダの一端部には、前記第2伝達部材の一端部が接続され、前記連動ブレーキ操作子に与えられた操作力により前記ピストンが引張られたときには、前記スプリングを介して前記シリンダが前記第2伝達部材と共に引張られることにより前記機械式ブレーキに制動力を与え、また、前記連動ブレーキ操作子に与えられた操作力により前記ピストンが前記スプリングの付勢に抗して引張られたときには、前記ピストンが前記シリンダを摺動するときに発生する液圧力を前記液圧配管を介して伝達することにより前記液圧式ブレーキに制動力を与えることを特徴とする連動ブレーキ装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記連動ブレーキ操作子は、乗員により操作されるブレーキペダルであり、前記機械式ブレーキは、自動二輪車の後輪を制動するためのリアブレーキであり、前記第2伝達部材は、ロッド部材により構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記ピストンは、他端部から軸方向の外側に延びる延出部を有し、前記延出部は、前記シリンダの径方向の内側に摺動可能に当接することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明においては、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の構成に加えて、前記ピストンは、径方向の外側に向けて拡張された段部を有し、前記段部は、前記ピストンが前記シリンダの内部を所定距離移動したときに、前記シリンダの他端部と当接して、ストッパーとして機能することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明においては、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の連動ブレーキ装置を備えた自動二輪車において、ハンドルを回転可能に支持するヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後下方に延びるメインフレームと、前記メインフレームの後端部から後上方に延びるリアフレームと、前記メインフレームの後端部から下方に延びると共に、ピボット軸を有するピボットフレームと、一端部に後輪を回転可能に支持すると共に、他端部に前記ピボットフレームの前記ピボット軸に揺動可能に支持されるスイングアームと、を備え、前記連動装置を、側面視において前記スイングアームの下方に配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明においては、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の連動ブレーキ装置を備えた自動二輪車において、ハンドルを回転可能に支持するヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後下方に延びるメインフレームと、前記メインフレームの後端部から後上方に延びるリアフレームと、前記メインフレームの後端部から下方に延びると共に、ピボット軸を有するピボットフレームと、前記ピボットフレームから後方に延びると共に、同乗者が足を載せるステップが取り付けられるステップホルダと、ブレーキ液を貯留するリザーブタンクと、前記連動装置と前記リザーブタンクとの間を接続する可撓性のリザーブ配管と、を備え、前記リザーブタンクは、前記ステップホルダの裏面側に支持され、前記リザーブ配管は、側面視において略凸状となるように撓ませて配管されることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明においては、請求項1に記載の連動ブレーキ装置を備えた自動二輪車において、ハンドルを回転可能に支持するヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから下方に延びるダウンフレームと、前記ダウンフレームの下端部から後方に延びるロアフレームと、を備え、前記第2伝達部材は、前記ダウンフレーム及び前記ロアフレームに沿って配置されたケーブルであり、前記連動装置の軸線方向が前記ダウンフレームと沿うように、前記連動装置を前記ダウンフレームに配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、機械式ブレーキを作動させつつ、スプリングの付勢力に抗してピストンが作動した場合には液圧力を発生させて液圧式ブレーキを作動させるので、機械式ブレーキ及び液圧式ブレーキを連動させることができる。更に、ブレーキワイヤの引張力を押圧力に変換するイコライザやノッカを用いることなしに、連動ブレーキ操作子による引張力を、直接、ピストンに作用させることができる。従って、ブレーキの連動機構を備えるにも係わらず、イコライザやノッカが不要となるため、連動装置の部品点数を削減することができる。また、イコライザやノッカによるリンク機構が不要となるため、連動装置をよりコンパクトな装置とすることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、機械式ブレーキに接続される第2伝達部材がロッド部材により構成される。従って、連動ブレーキ操作子から第1伝達部材を介して与えられる引張力を、効率良く機械式ブレーキに伝達することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、ピストンは、軸方向の外側に延びる延出部を有する。そして、ピストンの延出部は、シリンダの径方向の内側に摺動可能に当接する。このため、延出部を、ピストンがシリンダの内部を摺動する際のガイド機構として機能させることができる。従って、シリンダの内部において、ピストンをよりスムーズに摺動させることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、ピストンは、径方向の外側に向けて拡張された段部を有する。そして、ピストンの段部は、ピストンがシリンダの内部を所定距離移動したときに、シリンダの他端部と当接して、ストッパー機構として機能する。このため、連動装置の内部に、ピストンのストッパー機構を別途設ける必要がない。従って、連動装置の部品点数を削減することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、連動装置を、側面視においてスイングアームの下方に配置しているため、メインフレーム等の車体フレーム側に連動装置を配置するスペースを設ける必要がない。従って、車体側におけるレイアウト設計の自由度を高めることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、リザーブタンクを、ステップホルダの裏面側に支持している。このため、外側から見たときに、リザーブタンクを隠すことができる。従って、本発明の連動ブレーキ装置を搭載した自動二輪車の外観性を向上させることができる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明によれば、リザーブ配管を、側面視において略凸状となるように撓ませて配管している。このため、本発明の連動ブレーキ装置を搭載した自動二輪車が揺動した場合でも、その揺動は、略凸状となるように撓ませたリザーブ配管により吸収され、リザーブタンクに伝達されることがない。従って、本発明の連動ブレーキ装置を搭載した自動二輪車が揺動したときに、リザーブタンクへの影響をより小さくすることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、連動装置の軸線方向が、ダウンフレームと沿うように連動装置を配置したので、第2伝達部材としてのケーブルを効率良く引張ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態における自動二輪車1の全体構成を示す右側面図である。
【図2】第1実施形態における連動ブレーキ装置200の全体構成を示す模式図である。
【図3】連動シリンダ100の初期位置における概略断面図である。
【図4】連動シリンダ100の引張り位置における概略断面図である。
【図5】連動ブレーキ装置200のブレーキ特性を示すグラフである。
【図6】(a)〜(c)は、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作をしたときの連動シリンダ100の位置を示す概略断面図である。
【図7】第2実施形態における自動二輪車1Aの全体構成を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係わる連動ブレーキ装置を、小型の自動二輪車(以下、「自動二輪車」又は「車両」という)に適用した場合の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の自動二輪車の全体構成について説明する。図1は、第1実施形態における自動二輪車1の全体構成を示す右側面図である。なお、図1においては、図2に示す第1ブレーキ配管L1及び第2ブレーキ配管L2の図示を省略する。
【0025】
図1に示すように、第1実施形態の自動二輪車1は、車体フレームFとして、ヘッドパイプ2と、メインフレーム3と、ピボットフレーム4と、左右一対のリアフレーム5と、を備える。
【0026】
ヘッドパイプ2は、車両の前端に設けられている。ヘッドパイプ2は、フロントフォーク6を操舵可能に支持している。フロントフォーク6は、下部において、前輪WFを回転自在に軸支している。フロントフォーク6の上部には、ハンドル23が取り付けられている。ハンドル23の右側(図1の紙面手前側)には、ブレーキレバー26が取り付けられている。
【0027】
メインフレーム3は、ヘッドパイプ2の後側面に溶接により接合されている。メインフレーム3は、ヘッドパイプ2から後方の下向きに傾斜して延びている。ピボットフレーム4は、メインフレーム3の後部に溶接により接合されている。
【0028】
また、メインフレーム3の下方には、原動機となるエンジンEが取り付けられている。エンジンEは、前方にクランクケース19を備える。クランクケース19には、変速機(不図示)が内蔵されている。変速機の出力(回転力)は、チェーンやスプロケット等の駆動機構(不図示)を介して後輪WRに伝達される。
【0029】
ピボットフレーム4は、メインフレーム3の後部から下方に向けて延びている。ピボットフレーム4は、スイングアーム7と、ステップホルダ17と、ピリオンステップ18と、支軸21と、ピボット軸36と、を備える。
【0030】
スイングアーム7の前端は、ピボットフレーム4の側面に設けられたピボット軸36に揺動可能に支持されている。また、スイングアーム7の後端は、後輪WRを回転可能に支持している。
【0031】
ステップホルダ17は、ピボットフレーム4の左右にそれぞれ取り付けられている。ピリオンステップ18は、それぞれのステップホルダ17の後方に取り付けられている。
【0032】
ピリオンステップ18は、シート9の後部に座った同乗者が足を載せるステップである。ピリオンステップ18は、図1に示すように、ステップホルダ17に沿うように折り畳むことができる。なお、図1においては、車両の左側(図1の紙面奥側)に位置するステップホルダ17及びピリオンステップ18の図示を省略する。
【0033】
支軸21は、ピボットフレーム4に設けられた支持部材である。支軸21には、連動シリンダ100(後述)の作動機構として、連動ブレーキ操作子としてのブレーキペダル20と、第1伝達部材としての連結腕部22とが取り付けられている。
【0034】
ブレーキペダル20は、ピボットフレーム4の下部に設けられた支軸21に回動可能に支持されている。連結腕部22は、支軸21に回動可能に支持されている。連結腕部22は、ブレーキペダル20に連結されている。連結腕部22は、ブレーキペダル20と一体に回動する。連結腕部22の一端部には、連動シリンダ100の連結ロッド101(後述)が接続されている。
【0035】
リアフレーム5は、メインフレーム3の後部に溶接により接合されている。リアフレーム5は、メインフレーム3の後部から後方に上向きに延びている。リアフレーム5とスイングアーム7との間は、リアクッション8により連結されている。リアフレーム5の上面には、乗員及び同乗者が座るシート9が取り付けられている。
【0036】
一方、車体フレームFには、車体カバー10が取り付けられている。車体カバー10は、車体フレームF及びエンジンEの一部を覆う合成樹脂製のカバーである。車体カバー10は、フロントサイドカバー11と、レッグシールド12と、フロントトップカバー13と、メインフレームトップカバー14と、アンダーカバー15と、リアサイドカバー16と、を備える。
【0037】
フロントサイドカバー11は、メインフレーム3の左右両側に配置されるカバーである。レッグシールド12は、乗員の脚部を前方から覆うカバーである。レッグシールド12は、フロントサイドカバー11の前部から下方に向けて連なるように取り付けられている。フロントトップカバー13は、ヘッドパイプ2を前方から覆うカバーである。フロントトップカバー13は、レッグシールド12の上部と連なるように取り付けられている。
【0038】
メインフレームトップカバー14は、ヘッドパイプ2を後方から覆うと共に、メインフレーム3を上方から覆うカバーである。メインフレームトップカバー14は、フロントトップカバー13の後部と連なるように取り付けられている。アンダーカバー15は、リアフレーム5を側方から覆うカバーである。アンダーカバー15は、フロントサイドカバー11の下部と連なるように取り付けられている。リアサイドカバー16は、シート9を支持するカバーである。リアサイドカバー16は、アンダーカバー15の上部と連なるように取り付けられている
【0039】
前輪WFには、液圧式ブレーキとしての前輪ブレーキBFが装着されている。前輪ブレーキBFは、乗員がブレーキレバー26又はブレーキペダル20を操作することにより作動するディスクブレーキである。
【0040】
後輪WRには、機械式ブレーキとしての後輪ブレーキBRが装着されている。後輪ブレーキBRは、乗員がブレーキペダル20を操作することにより作動するドラムブレーキである。後輪ブレーキBRは、ブレーキアーム25を備える。ブレーキアーム25は、後輪ブレーキBRに対し回動可能に取り付けられた部材である。後輪ブレーキBRは、ブレーキアーム25が車両の前側(図1の右側方向)に回動することにより作動する。
【0041】
また、第1実施形態の自動二輪車1は、連動装置としての連動シリンダ100を備える。連動シリンダ100は、ブレーキペダル20に加えられた乗員の踏み込み力(以下、踏力という)を、機械的な引張力(直線運動)及びブレーキ液の液圧に変換する装置である。
【0042】
連動シリンダ100により変換された機械的な引張力は、後輪ブレーキBRに伝達される。また、連動シリンダ100により変換されたブレーキ液の液圧は、前輪ブレーキBFに伝達される。連動シリンダ100は、図1に示す側面視において、スイングアーム7の下方に配置されている。
【0043】
また、第1実施形態の自動二輪車1は、第2伝達部材としてのブレーキロッド24を備える。ブレーキロッド24は、ブレーキアーム25と連動シリンダ100との間を接続する棒状のロッド部材により構成される。ブレーキロッド24の一端部は、連動シリンダ100のシリンダヘッド103(後述)と回動可能に接続されている。また、ブレーキロッド24の他端部は、後輪ブレーキBRのブレーキアーム25と接続されている。
【0044】
後輪ブレーキBRは、ブレーキアーム25がブレーキロッド24に引張られて、車両の前側に回動することにより作動する。すなわち、後輪ブレーキBRは、連動シリンダ100がブレーキロッド24を引張られることにより作動する。
【0045】
次に、第1実施形態の自動二輪車1に搭載された連動ブレーキ装置200の全体構成について説明する。なお、第1実施形態における連動ブレーキ装置200は、ブレーキディスク29及びブレーキキャリパ30を、前輪用のブレーキ装置と共用する。このため、前輪用のブレーキ装置を含めた構成として説明する。
【0046】
図2は、第1実施形態における連動ブレーキ装置200の全体構成を示す模式図である。図2に示すように、連動ブレーキ装置200は、前輪ブレーキBFと、後輪ブレーキBRと、連動シリンダ100と、第1ブレーキ配管L1と、液圧配管としての第2ブレーキ配管L2と、リザーブ配管L3と、を備える。
【0047】
また、第1実施形態における連動ブレーキ装置200は、作動機構として、ブレーキペダル20と、支軸21と、連結腕部22と、ブレーキロッド24と、ブレーキレバー26と、リザーブタンク27と、レバー用連動シリンダ28と、を備える。
【0048】
ブレーキレバー26は、乗員が指で握ることにより操作するブレーキ操作子である。ブレーキレバー26は、図1に示すハンドル23の右側(図1の紙面手前側)に取り付けられている。ブレーキレバー26には、リザーブタンク27と、レバー用連動シリンダ28と、が取り付けられている。
【0049】
リザーブタンク27は、ブレーキ液を貯留するタンクである。レバー用連動シリンダ28は、ブレーキレバー26の操作により、ブレーキ液の液圧を発生させる装置である。レバー用連動シリンダ28と前輪ブレーキBFとの間は、第1ブレーキ配管L1により接続されている。
【0050】
乗員がブレーキレバー26を操作すると、ブレーキレバー26に加えられた力はレバー用連動シリンダ28においてブレーキ液の液圧に変換される。このブレーキ液の液圧は、レバー用連動シリンダ28から第1ブレーキ配管L1を介して前輪ブレーキBFに伝達される。
【0051】
前輪ブレーキBFは、ブレーキディスク29と、ブレーキキャリパ30と、を備える。ブレーキディスク29は、前輪WF(図1参照)の車軸に取り付けられた被制動部材である。ブレーキキャリパ30は、第1シリンダ部31と、第2シリンダ部32と、第3シリンダ部33と、を備える。
【0052】
第1シリンダ部31、第2シリンダ部32及び第3シリンダ部33は、それぞれ内部にピストン(不図示)とブレーキパッド(不図示)とを備える。ピストンは、ブレーキ液の液圧により移動してブレーキパッドを押圧する部品である。ブレーキパッドは、ピストンに押圧されることによりブレーキディスク29を両側から挟み込む部品である。ブレーキパッドがブレーキディスク29を両側から挟み込むことにより、前輪WFに制動力が与えられる。
【0053】
第1ブレーキ配管L1は、第1シリンダ部31及び第2シリンダ部32と接続されている。レバー用連動シリンダ28から第1ブレーキ配管L1を介して前輪ブレーキBFに伝達されたブレーキ液の液圧は、第1シリンダ部31及び第2シリンダ部32に与えられる。従って、乗員がブレーキレバー26を操作すると、第1シリンダ部31と第2シリンダ部32とが作動して、前輪WFに制動力が与えられる。第3シリンダ部33は、第2ブレーキ配管L2と接続されている。
【0054】
なお、図2において、ブレーキレバー26、リザーブタンク27、レバー用連動シリンダ28、ブレーキディスク29、ブレーキキャリパ30及び第1ブレーキ配管L1は、前輪用のブレーキ装置(符号を省略)を構成する。
【0055】
連動シリンダ100の一端部には、連結ロッド101が接続されている。連結ロッド101は、連動シリンダ100のピストン104(後述)に接続された部材である。連結ロッド101の一端部は、連結腕部22の他端部と回動可能に接続されている。また、連動シリンダ100の他端部には、ブレーキロッド24の一端部が回動可能に接続されている。ブレーキロッド24の他端部は、後輪ブレーキBRのブレーキアーム25に接続されている。連動シリンダ100は、連結腕部22に接続された連結ロッド101と、ブレーキアーム25に接続されたブレーキロッド24とにより、揺動可能に支持されている。
【0056】
連動シリンダ100には、ブレーキ液を貯留するリザーブタンク34が接続されている。リザーブタンク34は、ステップホルダ17(図1参照)の裏面側に支持されている。リザーブタンク34と連動シリンダ100との間は、リザーブ配管L3により接続されている。連動シリンダ100の内部には、リザーブタンク34から供給されたブレーキ液が充填されている。リザーブ配管L3は、可撓性を有するチューブである。リザーブ配管L3は、図1に示すように、側面視において略凸状となるように撓ませて配管されている。
【0057】
図2において、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作をすると、ブレーキペダル20に加えられた踏力Pにより、ブレーキペダル20と連結された連結腕部22は、支軸21を中心として、右側面視において時計回りに回動する。連結腕部22が時計回りに回動すると、連結腕部22の他端部と接続された連結ロッド101と共に、連動シリンダ100は、車両の前側(図1の右側方向)に引張られる。すなわち、ブレーキペダル20に加えられた踏力Pは、連結腕部22及び連結ロッド101を介して、連動シリンダ100に引張力として伝達される。
【0058】
連動シリンダ100は、連結ロッド101を介して伝達された引張力により、車両の前側に引張られる。連動シリンダ100が車両の前側に引張られると、連動シリンダ100の他端部に接続されたブレーキロッド24も車両の前側に引張られる。すなわち、ブレーキロッド24は、ブレーキペダル20に加えられた踏力Pにより、連動シリンダ100と共に引張される。その結果、ブレーキロッド24に引張されたブレーキアーム25が車両の前側に回動して、後輪ブレーキBRが作動する。
【0059】
また、連動シリンダ100は、連結腕部22及び連結ロッド101を介して伝達された引張力が、連動シリンダ100の内部に設けられたリターンスプリング106(後述)の付勢力以上となった場合には、その引張力をブレーキ液の液圧に変換して、第2ブレーキ配管L2に伝達する。
【0060】
連動シリンダ100と前輪ブレーキBFとの間は、第2ブレーキ配管L2により接続されている。連動シリンダ100で発生したブレーキ液の液圧は、第2ブレーキ配管L2を介して前輪ブレーキBFに伝達される。後述するように、連動シリンダ100は、連結腕部22及び連結ロッド101を介して伝達された引張力により後輪ブレーキBRを引張した後、時間差をもって前輪ブレーキBFにブレーキ液の液圧を伝達する。
【0061】
このように、前輪ブレーキBFは、レバー用連動シリンダ28から伝達されたブレーキ液の液圧によって作動するだけでなく、連動シリンダ100から伝達されたブレーキ液の液圧によっても作動する。
【0062】
従って、第1実施形態の連動ブレーキ装置200において、乗員がブレーキレバー26を操作すると、前輪ブレーキBFが作動して前輪WFに制動力が与えられる。また、乗員がブレーキペダル20を操作すると、後輪ブレーキBRが作動して後輪WRに制動力が与えられると共に、前輪ブレーキBFが作動して前輪WFにも制動力が与えられる。
【0063】
次に、連動シリンダ100の構成について説明する。図3は、連動シリンダ100の初期位置における概略断面図である。図4は、連動シリンダ100の引張り位置における概略断面図である。
【0064】
図3を参照して、第1実施形態における連動シリンダ100の構成について説明する。図3に示すように、連動シリンダ100は、主要部として、連結ロッド101と、シリンダ102と、シリンダヘッド103と、ピストン104と、延出部としてのピストンヘッド105と、リターンスプリング106と、密閉蓋107と、を備える。
【0065】
シリンダ102は、略筒状に形成された筐体である。シリンダ102は、ピストン孔108と、リザーブ孔109と、出口孔110と、を備える。
ピストン孔108は、シリンダ102の軸方向に貫通する貫通穴である。ピストン孔108には、ピストン104が摺動可能に収容されている。
【0066】
リザーブ孔109及び出口孔110は、シリンダ102の上方に設けられている。リザーブ孔109は、リザーブタンク34(図1参照)から供給されたブレーキ液が流入する孔である。出口孔110は、シリンダ102の内部で発生したブレーキ液の液圧を第2ブレーキ配管L2に伝達するための孔である。
【0067】
リザーブ孔109の一端部には、リザーブ配管取付部111が形成されている。リザーブ配管取付部111には、配管差し込み部112が取り付けられている。配管差し込み部112は、リザーブ配管L3の末端部が差し込まれる部位である。配管差し込み部112は、連通孔112aと、配管接続部112bと、を備える。
【0068】
連通孔112aは、配管差し込み部112の内部を貫通する孔である。連通孔112aは、シリンダ102の側に向けて円錐状に拡張されている。配管接続部112bは、リザーブ配管L3が差し込まれる部位である。配管接続部112bには、環状の凹部112cが形成されている。また、リザーブ配管L3の末端部には、環状の凸部(符号を省略)が形成されている。リザーブ配管L3の末端部を配管接続部112bに差し込むと、リザーブ配管L3の末端部の凸部と配管接続部112bの凹部112cとが嵌合する。これにより、リザーブ配管L3と配管接続部112bとが接続される。
【0069】
また、配管差し込み部112は、パッキン113を介してリザーブ配管取付部111に取り付けられている。パッキン113は、配管差し込み部112の径方向の外側とリザーブ配管取付部111の径方向の内側との間を密閉するためのシール部材である。
【0070】
出口孔110の一端部には、ブレーキ配管取付部114が形成されている。ブレーキ配管取付部114には、ジョイント部35が取り付けられている。連動シリンダ100で発生したブレーキ液の液圧は、出口孔110からジョイント部35を介して第2ブレーキ配管L2へ伝達される。
【0071】
リザーブ孔109の他端部及び出口孔110の他端部は、シリンダ102の内部においてピストン孔108と連通している。
【0072】
また、リザーブ配管取付部111の他端部には、第1シリンダ連通孔115と、第2シリンダ連通孔116と、が形成されている。第1シリンダ連通孔115及び第2シリンダ連通孔116は、リザーブ孔109とシリンダ102のピストン孔108との間を連通する孔である。第1シリンダ連通孔115は、リザーブ配管L3からリザーブ孔109に流入したブレーキ液を、シリンダ102の液圧室S1へ導く孔である。液圧室S1は、ピストン孔108の内部において、ピストン104と密閉蓋107(後述)の他端部との間に形成された空間である。リザーブ配管L3からリザーブ孔109に流入したブレーキ液は、第1シリンダ連通孔115を介して、シリンダ102の液圧室S1へ導かれる。液圧室S1の内部には、ブレーキ液(不図示)が充填されている。
【0073】
第2シリンダ連通孔116は、リザーブタンク34のブレーキ液を、プライマリーカップ122を通じて、シリンダ102の一端側から他端側の液圧室S1へ導くための孔である。ピストン104は、リターンスプリング106により初期位置(図3参照)の側に付勢されている。しかし、ピストン104は、引張り位置(図4参照)から初期位置に戻りにくい状態となることがある。このとき、第2シリンダ連通孔116から流入したブレーキ液は、プライマリーカップ122を通じて、液圧室S1へ導かれる。すなわち、ブレーキ液は、シリンダ102の一端側と他端側の液圧室S1との差圧により、液圧室S1の側に導かれる。これにより、液圧室S1の体積は、流入したブレーキ液により増加する。従って、ピストン104は、引張り位置から初期位置に戻ることになる。
【0074】
また、シリンダ102のピストン孔108は、第1開口部108aと、シリンダ段部108bと、第2開口部108cと、を備える。
【0075】
第1開口部108aは、シリンダ102の一端部に形成されたねじ孔である。第1開口部108aには、シリンダヘッド103の他端部がねじ込みにより取り付けられている。シリンダヘッド103は、その一端部において、シリンダ102とブレーキロッド24とを回動可能に接続する。シリンダヘッド103は、ロッド取付孔103aと、エア抜き孔103bと、を備える。
【0076】
ロッド取付孔103aは、ブレーキロッド24の一端部が接続される孔である。エア抜き孔103bは、ピストン104がシリンダ102の内部を摺動したときに、シリンダヘッド103とピストンヘッド105との間に空気を出入りさせるための孔である。
【0077】
上述したように、シリンダヘッド103の他端部は、シリンダ102の一端部に接続されている。また、シリンダヘッド103の一端部は、ブレーキロッド24の一端部に接続されている。従って、シリンダ102の一端部は、シリンダヘッド103を介してブレーキロッド24の一端部に接続されている。
【0078】
シリンダ段部108bは、第1開口部108aの内側に設けられた段差である。ピストン104のピストンヘッド105は、図3に示す初期位置において、シリンダ102のシリンダ段部108bに当接している。
【0079】
第2開口部108cは、シリンダ102の他端部に形成された開口である。第2開口部108cには、密閉蓋107が取り付けられている。密閉蓋107は、第2開口部108cを覆い、第2開口部108cとピストン104との間に、液圧室S1を形成する部材である。
【0080】
密閉蓋107には、貫通孔107aが形成されている。貫通孔107aは、密閉蓋107の軸方向に貫通する孔である。貫通孔107aには、連結ロッド101が貫通している。また、密閉蓋107は、パッキン117及びパッキン118と、シールカップ119と、シールリング120と、を備える。
【0081】
パッキン117は、貫通孔107aの径方向の内側と連結ロッド101の径方向の外側との間を密閉するための環状のシール部材である。パッキン117は、貫通孔107aの径方向の外側に設けられた環状の溝に装着されている。
【0082】
パッキン118は、密閉蓋107の径方向の内側とピストン孔108の径方向の外側との間を密閉するための環状のシール部材である。パッキン118は、密閉蓋107の径方向の外側に設けられた環状の溝に装着されている。
【0083】
シールカップ119は、貫通孔107aの径方向の内側と連結ロッド101の径方向の外側との間を密閉するための環状のシール部材である。シールカップ119は、密閉蓋107の略凹状に形成された部分に装着されている。
【0084】
シールリング120は、密閉蓋107の他端部に装着された円盤状の部材である。シールリング120の中央には、連結ロッド101が貫通する孔が形成されている。シールリング120は、リターンスプリング106の他端部と当接する。また、シールリング120は、ピストン104がシリンダ102の内部を所定距離移動したときに、ピストン104の段部104a(後述)と当接する。
【0085】
ピストン104は、連結ロッド101と、ピストンヘッド105と、段部104aと、スプリング押さえ部104bと、プライマリーカップ122と、を備える。
連結ロッド101は、ピストン104の一端部に設けられている。また、連結ロッド101は、連結腕部22の他端部と回動可能に接続されている。従って、ピストン104は、連結ロッド101を介して、連結腕部22の他端部と接続されている。
【0086】
ピストンヘッド105は、ピストン104の他端部から、軸方向の外側に延びた部位である。ピストンヘッド105は、径方向の外側に、凸状の突起105aを有する。突起105aは、螺旋状に形成されている。また、隣接する突起105aと突起105aとの間には、それぞれ溝105bが形成されている。ピストンヘッド105の外周は、ピストン孔108の径方向の内側に摺動可能に当接している。
【0087】
また、ピストンヘッド105は、シリンダヘッド103側の端部に、パッキン121を有する。パッキン121は、ピストンヘッド105の径方向の外側とピストン孔108の径方向の内側との間を密閉するための環状のシール部材である。パッキン121は、ピストンヘッド105のシリンダヘッド103の側に設けられた環状の溝(符号を省略)に装着されている。
ピストンヘッド105、ピストン104及び連結ロッド101は、シリンダ102の内部において、一体となって摺動する。
【0088】
段部104aは、ピストン104の径方向の外側に向けて拡張された部位である。段部104aの径は、シールリング120に形成された孔の径よりも大きくなるように設定されている。段部104aは、ピストン104がシリンダ102の内部を右側方向に所定距離移動したときに、シリンダ102の他端部側に設けられたシールリング120と当接して、ストッパー機構として機能する。スプリング押さえ部104bは、段部104aの一端部に設けられた円形状の部材である。
【0089】
リターンスプリング106は、シールリング120とスプリング押さえ部104bとの間に設けられている。リターンスプリング106は、一端部においてシールリング120と当接し、他端部においてスプリング押さえ部104bと当接している。また、リターンスプリング106は、図3に示す初期状態において、ピストン104を初期位置に付勢している。プライマリーカップ122は、ピストン104の径方向の外側とピストン孔108の径方向の内側との間を密閉するための環状のシール部材である。パッキン121は、ピストンヘッド105とスプリング押さえ部104bとの間に装着されている。
【0090】
次に、図3、図4、図5及び図6を参照して、連動シリンダ100の動作について説明する。図5は、連動ブレーキ装置200のブレーキ特性を示すグラフである。図5において、横軸の入力は、ブレーキペダル20の操作量(踏み込み量)を示している。縦軸の出力は、前輪ブレーキBF及び後輪ブレーキBRにおける制動力を示している。また、図5において、実線は、後輪ブレーキBRの特性を示し、破線は、前輪ブレーキBFの特性を示している。図6(a)〜(c)は、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作をしたときの連動シリンダ100の位置を示す概略断面図である。
【0091】
乗員がブレーキペダル20(図2参照)を踏み込む操作をすると、ブレーキペダル20に加えられた力は、連結腕部22、連結ロッド101、ピストン104及びリターンスプリング106を介して、連動シリンダ100に引張力として伝達される。この引張力により、連動シリンダ100は、車両の前側(図3の右側方向)に引張られる。これにより、ブレーキロッド24は、連動シリンダ100と共に引張られる。その結果、ブレーキロッド24に接続されたブレーキアーム25(図2参照)が車両の前側に回動して、後輪ブレーキBR(図2参照)が作動する。
【0092】
乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作をした直後に発生する引張力は、リターンスプリング106の付勢力よりも小さい。このため、連動シリンダ100のピストン104は、リターンスプリング106の付勢力により初期位置に保持される。すなわち、図5に示すように、乗員がブレーキペダル20の踏み込む操作を開始してから所定期間(以下、「ディレイ期間」という)は、ピストン104が摺動しない。そのため、前輪ブレーキBFは、作動せず、前輪ブレーキBFには、制動力が発生しない。
【0093】
この後、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作を続けると、連動シリンダ100に伝達される引張力は、次第に増大する。そして、この引張力がリターンスプリング106の付勢力を上回ると、図4に示すように、連動シリンダ100のピストン104は、リターンスプリング106の付勢力に抗して車両の前側(図3の右側方向)に摺動する。
【0094】
ピストン104が右側方向に摺動すると、ピストン104の押圧力により、シリンダ102における液圧室S1の体積が減少する。このため、液圧室S1の内部に充填されているブレーキ液は、圧縮される。その結果、ブレーキ液の液圧は、シリンダ102から、出口孔110及びジョイント部35を介して、第2ブレーキ配管L2へ伝達される。これにより、第2ブレーキ配管L2に接続された前輪ブレーキBFが作動する。すなわち、図5に示すように、ブレーキペダル20の操作量がa点(引張力とリターンスプリング106の付勢力とがつり合う点)を超えると、ピストン104がリターンスプリング106の付勢力に抗して摺動し始めるため、後輪ブレーキBRだけでなく、前輪ブレーキBFにも制動力が発生する。
【0095】
また、図4に示すように、ピストン104がシリンダ102の内部を所定距離移動すると、ピストン104の段部104aは、シリンダ102の他端部に設けられたシールリング120と当接する。そのため、シリンダ102の内部において、ピストン104の右側方向への移動が規制される。従って、ピストン104は、リターンスプリング106を介さずに、シリンダ102と直接に係合した状態で引張られる。
【0096】
次に、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作をしたときの連動シリンダ100の位置の変化を、図6を参照しながら説明する。なお、図6(a)〜(c)において、P1は、連動シリンダ100が初期位置にあるときの基準位置である。また、P2は、連結腕部22を支持する支軸21の位置を示す。更に、図6(a)〜(c)においては、連動シリンダ100の各部の形状等を適宜に省略し、符号も必要な箇所のみに付している。また、連結腕部22の角度も図3及び図4とは異なる。
【0097】
図6(a)は、図3と同じく、連動シリンダが初期位置にあるときの位置を示している。この状態から、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作をすると、図6(b)に示すように、連動シリンダ100は、車両の前側(図6の右側方向)に引張られる。これにより、ブレーキロッド24が連動シリンダ100と共に引張られ、ブレーキロッド24と接続されたブレーキアーム25(図2参照)が車両の前側に回動して、後輪ブレーキBR(図2参照)が作動する。
【0098】
そして、乗員がブレーキペダル20を踏み込む操作を続けると、図6(c)に示すように、連動シリンダ100は、更に車両の前側に引張られる。このとき、連動シリンダ100のピストン104は、リターンスプリング106の付勢力に抗して、車両の前側(図6(c)の右側方向)に摺動する。ピストン104が車両の前側に摺動すると、上述したように、ブレーキ液の液圧は、シリンダ102から第2ブレーキ配管L2へ伝達される。これにより、第2ブレーキ配管L2に接続された前輪ブレーキBFが作動する。
【0099】
以上のように、第1実施形態における連動シリンダ100は、連結腕部22及び連結ロッド101を介して伝達された引張力により後輪ブレーキBRを引張った後、時間差をもって前輪ブレーキBFにブレーキ液の液圧を伝達することができる。
【0100】
以上説明した第1実施形態の連動ブレーキ装置200によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態の連動ブレーキ装置200は、ブレーキペダル20に与えられた操作力により連結腕部22が引張られたときには、リターンスプリング106を介してシリンダ102がブレーキロッド24と共に引張られることにより後輪ブレーキBRに制動力を与え、また、ブレーキペダル20に与えられた操作力により連結腕部22がリターンスプリング106の付勢力に抗して引張られたときには、連結腕部22がピストン104を作動させたときに発生する液圧力を第2ブレーキ配管L2を介して伝達することにより前輪ブレーキBFに制動力を与える連動シリンダ100を備える。
【0101】
これによれば、後輪ブレーキBRを作動させつつ、リターンスプリング106の付勢力に抗してピストン104が作動した場合には液圧力を発生させて前輪ブレーキBFを作動させるので、後輪ブレーキBR及び前輪ブレーキBFを連動させることができる。更に、ブレーキワイヤの引張力を押圧力に変換するイコライザやノッカを用いることなしに、ブレーキペダル20による引張力を、直接、ピストン104に作用させることができる。従って、第1実施形態の連動ブレーキ装置200によれば、ブレーキの連動機構を備えるにも係わらず、イコライザやノッカが不要となるため、連動シリンダ100の部品点数を削減することができる。また、イコライザやノッカによるリンク機構が不要となるため、連動シリンダ100をよりコンパクトな装置とすることができる。
【0102】
第1実施形態の連動ブレーキ装置200においては、後輪ブレーキBRのブレーキアーム25と接続されるブレーキロッド24は、ロッド部材により構成される。従って、ブレーキペダル20から連結腕部22を介して与えられる引張力を効率良く後輪ブレーキBRのブレーキアーム25に伝達することができる。
【0103】
第1実施形態の連動ブレーキ装置200においては、連動シリンダ100のピストン104は、軸方向の外側に延びるピストンヘッド105を有する。このピストンヘッド105は、ピストン孔108の径方向の内側に摺動可能に当接する。このため、ピストンヘッド105を、ピストン104がシリンダ102の内部を摺動する際のガイド機構として機能させることができる。従って、シリンダ102の内部において、ピストン104をよりスムーズに摺動させることができる。
【0104】
第1実施形態の連動ブレーキ装置200においては、連動シリンダ100のピストン104は、径方向の外側に向けて拡張された段部104aを有する。この段部104aは、ピストン104がシリンダ102の内部を所定距離移動したときに、シリンダ102の他端部に設けられたシールリング120と当接して、ストッパー機構として機能する。このため、連動シリンダ100の内部に、ピストン104のストッパー機構を別途設ける必要がない。従って、連動シリンダ100の部品点数を削減することができる。
【0105】
第1実施形態の連動ブレーキ装置200においては、連動シリンダ100を、側面視においてスイングアーム7の下方に配置しているため、リアフレーム5等の車体フレームF側に連動シリンダ100を配置するスペースを設ける必要がない。従って、車体側におけるレイアウト設計の自由度を高めることができる。
【0106】
第1実施形態の連動ブレーキ装置200においては、リザーブタンク34を、ステップホルダ17の裏面側に支持している。このため、外側から見たときに、リザーブタンク34を隠すことができる。従って、連動ブレーキ装置200を搭載した自動二輪車1の外観性を向上させることができる。また、リザーブ配管L3を、側面視において略凸状となるように撓ませて配管している。このため、第1実施形態の連動ブレーキ装置200を搭載した自動二輪車1が揺動した場合でも、その揺動は、略凸状となるように撓ませたリザーブ配管L3より吸収され、リザーブタンク34に伝達されることがない。従って、本実施形態の連動ブレーキ装置200を搭載した自動二輪車1が揺動したときに、リザーブタンク34への影響をより小さくすることができる。
【0107】
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、第2実施形態の自動二輪車1Aについて説明する。第2実施形態では、連動ブレーキ操作子をブレーキレバーにより構成した例について説明する。
図7は、第2実施形態における自動二輪車1Aの全体構成を示す左側面図である。なお、図7では、第2実施形態の説明に必要な部分についてのみ符号を付し、その他の構成については符号を省略する。
【0108】
図7に示すように、第2実施形態の自動二輪車1Aは、車体フレームの主要部として、ヘッドパイプ51と、ダウンフレーム52と、ロアフレーム53と、を備える。車体フレームを構成する他のフレーム部材については説明を省略する。
【0109】
ヘッドパイプ51は、車両の前端に設けられている。ヘッドパイプ51は、フロントフォーク54を操舵可能に支持している。フロントフォーク54は、下部において、前輪WFを回転自在に軸支している。フロントフォーク54の上部には、ハンドル55が取り付けられている。ハンドル55の右側(図7の紙面奥側)には、前輪ブレーキ用のブレーキレバー(不図示)が取り付けられている。また、ハンドル55の左側(図7の紙面手前側)には、連動ブレーキ操作子としてのブレーキレバー56が取り付けられている。
【0110】
ダウンフレーム52は、ヘッドパイプ51の後側面に溶接により接合されている。ダウンフレーム52は、ヘッドパイプ51から下向きに延びている。ロアフレーム53は、ダウンフレーム52の下端部に溶接により接合されている。ロアフレーム53は、ダウンフレーム52の下端部から後方に延びている。
【0111】
前輪WFには、前輪ブレーキBFが装着されている。前輪ブレーキBFは、乗員が前輪用のブレーキレバー(不図示)又はブレーキレバー56を操作することにより作動するディスクブレーキである。
【0112】
後輪WRには、機械式ブレーキとしての後輪ブレーキBRが装着されている。後輪ブレーキBRは、乗員がブレーキレバー56を操作することにより作動するドラムブレーキである。後輪ブレーキBRは、ブレーキアーム57を備える。ブレーキアーム57は、後輪ブレーキBRに対し回動可能に取り付けられた部材である。後輪ブレーキBRは、ブレーキアーム57が車両の前側(図7の左側方向)に回動することにより作動する。
【0113】
第2実施形態における連動ブレーキ装置200Aは、前輪ブレーキBFと、後輪ブレーキBRと、連動シリンダ100Aと、第1ブレーキ配管L1(不図示)と、第2ブレーキ配管L2(不図示)と、第1ブレーキケーブルC1と、第2伝達部材としての第2ブレーキケーブルC2と、を備える。また、第2実施形態における連動ブレーキ装置200Aは、乗員により操作される連動ブレーキ操作子として、ブレーキレバー56を備える。
【0114】
上述した前輪用のブレーキレバーと前輪ブレーキBFとの間は、第1実施形態と同じように、第1ブレーキ配管L1により接続されている(図2参照)。連動シリンダ100Aと前輪ブレーキBFとの間は、第1実施形態と同じように、第2ブレーキ配管L2により接続されている(図2参照)。
【0115】
連動シリンダ100Aの基本的な構成は、第1実施形態における連動シリンダ100(図4参照)と同じであるため説明を省略する。以下、第1実施形態と同等部分には同一符号を付して説明する。
【0116】
第2実施形態においては、連動シリンダ100Aの軸線方向がダウンフレーム52と沿うように、連動シリンダ100Aをダウンフレーム52に配置している。
連動シリンダ100Aの一端部と、ブレーキレバー56との間は、第1ブレーキケーブルC1により接続されている。第1ブレーキケーブルC1は、ダウンフレーム52及びヘッドパイプ51に沿って配置されている。第1ブレーキケーブルC1は、乗員によりブレーキレバー56が操作されたときに、連動シリンダ100Aのピストン(不図示)が車両の上側方向に引張られるように、連動シリンダ100Aの他端部とブレーキアーム57との間を接続している。
【0117】
また、連動シリンダ100Aの他端部と、後輪ブレーキBRのブレーキアーム57との間は、第2ブレーキケーブルC2により接続されている。第2ブレーキケーブルC2は、ダウンフレーム52及びロアフレーム53に沿って配置されている。第2ブレーキケーブルC2は、連動シリンダ100Aが車両の上側方向に引張られたときに、ブレーキアーム57が車両の前側(図7の紙面左側方向)に回動するように、連動シリンダ100Aの他端部とブレーキアーム57との間を接続している。
第2実施形態における連動ブレーキ装置200Aにおけるその他の構成は、第1実施形態における連動ブレーキ装置200と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
上記のように構成された連動ブレーキ装置200Aにおいて、ブレーキレバー56が乗員により操作されると、ブレーキレバー56に加えられた力は、第1ブレーキケーブルC1により、連動シリンダ100Aに引張力として伝達される。これにより、連動シリンダ100Aは、ダウンフレーム52に沿って車両の上側方向に引張られる。連動シリンダ100Aが上側方向に引張られると、連動シリンダ100Aに接続された第2ブレーキケーブルC2は、ロアフレーム53に沿って車両の前側(図7の左側方向)引張られる。その結果、第2ブレーキケーブルC2に接続されたブレーキアーム57が車両の前側に回動して、後輪ブレーキBRが作動する。
【0119】
また、乗員がブレーキレバー56を操作し続けることにより、連動シリンダ100Aに伝達される引張力が増大すると、連動シリンダ100Aのピストン104(図3参照)は、リターンスプリング106(図3参照)の付勢力に抗してダウンフレーム52に沿って車両の上側方向に摺動する。
【0120】
ピストン104が車両の上側方向に摺動すると、ピストン104の押圧力により、連動シリンダ100Aの内部においてブレーキ液の液圧が発生する。このブレーキ液の液圧は、第2ブレーキ配管L2(不図示)を介して前輪ブレーキBFへ伝達される。これにより、第2ブレーキ配管L2に接続された前輪ブレーキBFが作動する。
【0121】
以上のように、第2実施形態における連動シリンダ100Aは、乗員がブレーキレバー56を操作することにより発生する張り力により後輪ブレーキBRを牽引した後、時間差をもって前輪ブレーキBFにブレーキ液の液圧を伝達することができる。
【0122】
以上説明した第2実施形態の連動ブレーキ装置200Aにおいては、連動シリンダ100Aの軸線方向がダウンフレーム52と沿うように、連動シリンダ100Aをダウンフレーム52に配置したので、ブレーキレバー56を連動ブレーキ操作子とした構成において、第2ブレーキケーブルC2を効率良く牽引することができる。
【0123】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0124】
第1実施形態においては、連動シリンダ100を、側面視においてスイングアーム7の下方に配置した例について説明した。しかしながら、連動シリンダ100を配置する場所は、この例に限定されない。例えば、スイングアーム7の上方に配置してもよい。
【0125】
第1実施形態において、リザーブタンク34を支持する位置は、ステップホルダ17の裏面側に限定されない。例えば、リアフレーム5の上部に配置してもよい。また、リザーブ配管L3は、側面視において略凸状となるように撓ませて配管されていればよい。従って、リザーブ配管L3は、図1に示すように、側面視において車両の後方に向けて略凸状となるように撓ませて配管させてもよいし、また、側面視において車両の前方に向けて略凸状となるように撓ませて配管させてもよい。
【0126】
本発明における自動二輪車は、第1及び第2実施形態のような小型の自動二輪車に好適に適用することができる。しかしながら、本発明の適用対象はこれに限定されない。例えば、本発明における自動二輪車を、中型や大型の自動二輪車に適用してもよいし、スクータ型車両や、三輪又は四輪の車両に適用してもよい。
【符号の説明】
【0127】
1,1A 自動二輪車
2,51 ヘッドパイプ
3 メインフレーム
4 ピボットフレーム
5 リアフレーム
7 スイングアーム
17 ステップホルダ
20 ブレーキペダル(連動ブレーキ操作子)
22 連結腕部(第1伝達部材)
23,55 ハンドル
24 ブレーキロッド(第2伝達部材)
34 リザーブタンク
36 ピボット軸
52 ダウンフレーム
53 ロアフレーム
56 ブレーキレバー(連動ブレーキ操作子)
100,100A 連動シリンダ(連動装置)
102 シリンダ
104 ピストン
104a 段部
105 ピストンヘッド(延出部)
106 リターンスプリング(スプリング)
200,200A 連動ブレーキ装置
BF 前輪ブレーキ(液圧式ブレーキ)
BR 後輪ブレーキ(機械式ブレーキ)
L1 第1ブレーキ配管
L2 第2ブレーキ配管(液圧配管)
L3 リザーブ配管
C1 第1ブレーキケーブル
C2 第2ブレーキケーブル(第2伝達部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員により操作される連動ブレーキ操作子(20)と、
機械式ブレーキ(BR)と、
液圧式ブレーキ(BF)と、
前記連動ブレーキ操作子(20)に与えられた操作力により、機械式ブレーキ(BR)及び液圧式ブレーキ(BF)にそれぞれ制動力を与える連動装置(100,100A)と、
一端部が前記連動ブレーキ操作子(20)に接続されると共に、他端部が前記連動装置(100,100A)に接続される第1伝達部材(22)と、
一端部が前記連動装置(100,100A)に接続されると共に、他端部が前記機械式ブレーキ(BR)に接続される第2伝達部材(24)と、
一端部が前記連動装置(100,100A)に接続されると共に、他端部が前記液圧式ブレーキ(BF)に接続される液圧配管(L2)と、を備える連動ブレーキ装置(200,200A)において、
前記連動装置(100,100A)は、
筒状に形成されたシリンダ(102)と、当該シリンダ(102)の内側に摺動可能に収容されたピストン(104)と、当該ピストン(104)を非作動方向に付勢するスプリング(106)と、を有し、
前記ピストン(104)の一端部には、前記第1伝達部材(22)の他端部が接続され、
前記シリンダ(102)の一端部には、前記第2伝達部材(24)の一端部が接続され、
前記連動ブレーキ操作子(20)に与えられた操作力により前記ピストン(104)が引張られたときには、前記スプリング(106)を介して前記シリンダ(102)が前記第2伝達部材(24)と共に引張られることにより前記機械式ブレーキ(BR)に制動力を与え、また、前記連動ブレーキ操作子(20)に与えられた操作力により前記ピストン(104)が前記スプリング(106)の付勢に抗して引張られたときには、前記ピストン(104)が前記シリンダ(102)を摺動するときに発生する液圧力を前記液圧配管(L2)を介して伝達することにより前記液圧式ブレーキ(BF)に制動力を与える連動ブレーキ装置(200,200A)。
【請求項2】
前記連動ブレーキ操作子(20)は、乗員により操作されるブレーキペダル(20)であり、
前記機械式ブレーキ(BR)は、自動二輪車(1,1A)の後輪を制動するためのリアブレーキ(BR)であり、
前記第2伝達部材(24)は、ロッド部材により構成される請求項1に記載の連動ブレーキ装置(200,200A)。
【請求項3】
前記ピストン(104)は、他端部から軸方向の外側に延びる延出部(105)を有し、
前記延出部(105)は、前記シリンダ(102)の径方向の内側に摺動可能に当接する請求項1又は2に記載の連動ブレーキ装置(200,200A)。
【請求項4】
前記ピストン(104)は、径方向の外側に向けて拡張された段部(104a)を有し、
前記段部(104a)は、前記ピストン(104)が前記シリンダ(102)の内部を所定距離移動したときに、前記シリンダ(102)の他端部と当接して、ストッパーとして機能する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の連動ブレーキ装置(200,200A)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の連動ブレーキ装置(200)を備えた自動二輪車(1)において、
ハンドルを回転可能に支持するヘッドパイプ(2)と、
前記ヘッドパイプ(2)から後下方に延びるメインフレーム(3)と、
前記メインフレーム(3)の後端部から後上方に延びるリアフレーム(5)と、
前記メインフレーム(3)の後端部から下方に延びると共に、ピボット軸(36)を有するピボットフレーム(4)と、
一端部に後輪を回転可能に支持すると共に、他端部に前記ピボットフレーム(4)の前記ピボット軸(36)に揺動可能に支持されるスイングアーム(7)と、を備え、
前記連動装置(100,100A)を、側面視において前記スイングアーム(7)の下方に配置した自動二輪車(1)。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の連動ブレーキ装置(200)を備えた自動二輪車(1)において、
ハンドルを回転可能に支持するヘッドパイプ(2)と、
前記ヘッドパイプ(2)から後下方に延びるメインフレーム(3)と、
前記メインフレーム(3)の後端部から後上方に延びるリアフレーム(5)と、
前記メインフレーム(3)の後端部から下方に延びると共に、ピボット軸(36)を有するピボットフレーム(4)と、
前記ピボットフレーム(4)から後方に延びると共に、同乗者が足を載せるステップが取り付けられるステップホルダ(17)と、
ブレーキ液を貯留するリザーブタンク(34)と、
前記連動装置(100,100A))と前記リザーブタンク(34)との間を接続する可撓性のリザーブ配管(L3)と、を備え、
前記リザーブタンク(34)は、前記ステップホルダ(17)の裏面側に支持され、
前記リザーブ配管(L3)は、側面視において略凸状となるように撓ませて配管される自動二輪車(1)。
【請求項7】
請求項1に記載の連動ブレーキ装置(200A)を備えた自動二輪車(1A)において、
ハンドルを回転可能に支持するヘッドパイプ(51)と、
前記ヘッドパイプ(51)から下方に延びるダウンフレーム(52)と、
前記ダウンフレーム(52)の下端部から後方に延びるロアフレーム(53)と、を備え、
前記第2伝達部材(C2)は、前記ダウンフレーム(52)及び前記ロアフレーム(53)に沿って配置されたケーブル(C2)であり、
前記連動装置(100A)の軸線方向が前記ダウンフレーム(52)と沿うように、前記連動装置(100A)を前記ダウンフレーム(52)に配置した自動二輪車(1A)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−178246(P2011−178246A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43478(P2010−43478)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】