連結アクチュエータを有する球形ヒンジを実装するヒューマノイドロボット
本発明は、連結アクチュエータを有する球形ジョイント(10、100、200)を使用するヒューマノイドロボット(5)及び球形関節を使用する方法に関する。本発明は、擬人化に最も近づくヒューマノイドロボットの製造に特に実用的である。ジョイント(10、100、200)は、ロボット(5)の2つの要素(101、103;105、104;101、102)を接続する。ジョイントは、3つのアクチュエータ(20、35、36)によって動かされ、第1のアクチュエータ(35)及び第2のアクチュエータ(36)は平行に作用しかつ共に連結され、第3のアクチュエータ(20)は、軸線(13)周りに第1の2つのアクチュエータと直列に作用する。本発明によれば、第3のアクチュエータ(20)の軸線は、擬人化に近づくために運動角度範囲が最大でなければならない軸線である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結アクチュエータを有する球形ジョイントを使用するヒューマノイドロボット及び関節を使用する方法に関する。本発明は、擬人化に最も近づくヒューマノイドロボットの製造に特に実用的である。例えば、本発明による球形ジョイントは、ロボットの臀部、肩又は骨盤と胴体との間のジョイントとして使用することができる。
【背景技術】
【0002】
この擬人化を表す数学的なモデルが、1960年代に米国で、Aerospace Medical Research Laboratories(Dayton,Ohio)によって開発された。Hanavanモデルとして知られているこのモデルは、所定の人間の身長及び体重に関し、パラメトリックに身体のすべての部分の寸法を表している。例えば、臀部は、3つの回転自由度を有するジョイントとして表されている。臀部及び臀部を囲む身体部分、骨盤及び大腿部の寸法も表されている。例えば、身長1.6m及び体重50kgの14歳の青年に関し、大腿部は、46mmの小さな半径及び74mmの大きな半径を有する392mmの高さの切頭円錐によって表すことができる。同一のロボットに関し、またこのモデルを使用して、骨盤は、高さ189mm、幅230mm及び深さ160mmの平行六面体によって表される。2つの臀部の間の距離は、大腿部の大きな半径の2倍に等しい。大腿部の高さは、臀部によって形成されたジョイントと、膝によって形成されたジョイントとの間の距離として定義される。
【0003】
力学的な計算では、1.2m/sの速度の歩行を達成するために、なお1.6mと50kgのロボットについて、2.7rad/sの最高速度、及び−30°〜+30°の関節の運動範囲では、矢状面の臀部のジョイントは45N.mの大きさのトルクを必要とすることが示されている。逆に、左右面では、ジョイントは、1rad/sの大きさの最高速度及び−5°〜+10°の運動範囲で、35N.mの大きさのトルクを必要とする。
【0004】
現在、多くのヒューマノイドロボットが開発されてきたが、顕著に脚と肩の寸法に関し、その1つもHanavanモデルに準拠していない。例えば、臀部がユニバーサルジョイント型に縮小される、すなわち、2つのみの自由度、矢状面の回転及び左右面の回転を有するロボットがある。さらに、力学的な計算から得られるパラメータに従って、これらの2つの自由度を動力化するために使用される作動機構は、Hanavanモデルで規定された寸法から逸脱している。同様に、ロボットの矢状面の臀部の運動角度範囲では、人間の歩行速度と同様のロボットの歩行速度を獲得する程度に十分なステップ長さを得ることが不可能なロボットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、例えばHanavanモデルによって取り組まれたロボットの製造と人間解剖学との間の調和を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の主題は、ロボットの2つの要素を接続する3つの回転自由度を有する球形ジョイントを備えるヒューマノイドロボットであって、ジョイントが3つのアクチュエータによって動かされ、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータが平行に作用しかつ共に連結され、第3のアクチュエータが軸線周りに第1の2つのアクチュエータと直列に作用するヒューマノイドロボットにおいて、第3のアクチュエータの軸線が、擬人化に近づくために運動角度範囲が最大でなければならない軸線であることを特徴とするヒューマノイドロボットである。
【0007】
本発明の別の主題は、ヒューマノイドロボットを作動するための方法であって、ジョイントが2つのシリンダを備え、関節の第1の軸線でジョイントを動かすために、作用が2つのシリンダで同時に同一の方向に行われることと、関節の第2の軸線でジョイントを動かすために、作用が2つのシリンダで同時に反対方向に行われることを特徴とする方法である。
【0008】
臀部の場合、それぞれ左右面、矢状面及び水平面における3つの自由度によって、本発明による臀部を使用するヒューマノイドロボットの歩行は、顕著に矢状面の大きな運動角度範囲に関しはるかに擬人的となろう。水平及び左右軸線周りの回転を可能にする連結により、ジョイントの容積を低減することが可能である。逆に、この連結により、当該の軸線周りの運動角度範囲が制限される。矢状面に対し直角の軸線周りの回転を可能にする第3のアクチュエータは、他の2つのアクチュエータとは独立して維持され、これによって、この第3のアクチュエータの大きな運動角度範囲に到達することが可能である。本発明において、関節の主運動、すなわち、例えばHanavanモデルで規定されているような擬人化で最大の運動角度範囲を必要とする回転のために、この第3の独立したアクチュエータを使用するように選択が行われる。
【0009】
一例として与えられる実施形態の詳細な説明を読めば、本発明はより良く理解され、また他の利点が現れ、その説明は添付図面によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による複数の球形関節を備えるヒューマノイドロボットの斜視図である。
【図2】本発明による臀部の斜視図である。
【図3】左右面の臀部の断面図である。
【図4】臀部のアクチュエータの1つの断面図である。
【図5】臀部の交差シャフトの断面図である。
【図6】臀部の2つの他のアクチュエータの断面図である。
【図7】本発明による肩の斜視図である。
【図8】図7の肩の断面図である。
【図9】ロボットの骨盤と胴体との間の本発明によるジョイントの斜視図である。
【図10】図9のジョイントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
簡明さのため、同一の要素は、様々な図で同一の参照番号を有する。図面は説明として与えられ、完全に一定の縮尺率ではない。
【0012】
図1は、本発明による複数の球形ジョイントを備えるヒューマノイドロボット5の斜視図を示しており、球形ジョイントは、ロボット5の2つの臀部10、2つの肩100及び骨盤101と胴体102との間のジョイント200を含む。各々臀部10は、大腿部103を骨盤101にリンクさせる。各々の肩100は、アーム104をロボット5のトルソ105にリンクさせる。胴体102とトルソ105との間に、ロボット5の矢状軸線周りの回転自由度を有するジョイント106を配置することが可能である。慣例により、矢状軸線は、矢状面に対し直角の軸線である。垂直面は、ロボットの歩行運動が主に行われる平面である。同様に、左右軸線は、ロボットの左右面に対し直角の軸線である。左右面は、矢状面に対し垂直かつ直角である。最後に、垂直軸線は、矢状面と左右面との間の交差部によって形成される軸線である。
【0013】
図2は、本発明による臀部10を示している。臀部10は、骨盤101に固定された第1のインタフェース部分11と、大腿部103に固定された第2のインタフェース部分12とを備える。様々な図に負担をかけないように、骨盤も大腿部も示されておらず、2つのインタフェース部分11と12をリンクする臀部10の要素のみが示されている。
【0014】
臀部10は、3つのアクチュエータを備え、各々のアクチュエータは、軸線周りに骨盤に対し大腿部を回転させることを可能にし、3つの軸線は別個である。より正確には、図示した実施例では、第1の軸線13は矢状軸線であり、第2の軸線14は左右軸線であり、第3の軸線15は垂直である。
【0015】
アクチュエータは、油圧動力又は電気動力を使用することができる。
【0016】
図3は、臀部の左右面の断面を示している。この図は、アクチュエータの観測をより容易にする。矢状軸線13周りの臀部の動きを可能にするアクチュエータは、ステータ21とロータ22とを備える油圧式回転モータ20である。ステータ21は、インタフェース部分11と、閉鎖プレート23とから形成される。環状溝24は、インタフェース部分11に作られ、プレート23によって閉じられる。
【0017】
図4は、環状溝24、ステータ21及びロータ22を通過する垂直面の断面を示している。環状溝24は、軸13を中心に270°にわたって延びる。ロータ22は、インタフェース部分11及びプレート23の両方に作られた孔26内で回転できる管状シャフト25を備える。ロータ22はまた、溝24内で動ける蝶弁27を備える。蝶弁27及び管状シャフト25は、単一の機械部分を形成する。孔26は、矢状軸線13の上に延びる。蝶弁27は、矢状軸線13を中心とする90°の円の円弧で溝24を覆う。
【0018】
蝶弁27と溝24との角度寸法の差により、2つの自由空間が蝶弁27のいずれかの側面に留まることが可能である。これらの空間は、2つのチャンバ28と29を形成し、これらのチャンバで、接続部30と31それぞれを介して油圧流体を送出することが可能である。2つのチャンバ28と29の間の流体の圧力差により、ロータ22をステータ21に対し回転させることが可能である。この圧力差は、ロボットに搭載して取り付けられた油圧ポンプによって発生することが可能である。様々なアクチュエータの間の独立性を高めるために、各々のアクチュエータ専用のポンプを設けることが可能である。様々なポンプは、各々のポンプを関連のアクチュエータにリンクさせる油圧パイプの長さを制限するために、アクチュエータに可能な限り近い大腿部に又は骨盤に収納してもよい。図3では、ロータ22は、ステータ21に対し中心位置に示され、この中心位置に対し+又は−90°の運動範囲を可能にする。蝶弁27及び溝24の他の角度寸法により、ジョイントの必要に応じて、ステータ21に対するロータ22の角度運動の振幅を増加するか又は低減することが可能になる。
【0019】
臀部10は、大腿部上で平行に作用する2つのアクチュエータ35と36を備える。これらの2つのアクチュエータは、左右軸線14と垂直軸線15の周りに大腿部を回転させる。この平行作用により、アクチュエータの一方による他方のアクチュエータの支持の防止が可能になる。例えば、直列に組み立てられた3つの回転モータをベースとする3つの回転自由度を有する動力化されたジョイントを製作することが可能である。より正確には、1つのモータのロータは、運動チェーン内でロータに従うモータのステータに固定される。直列のアクチュエータを提供するこの設計のため、アクチュエータが、動かされるべき対象物、この場合大腿部の荷重に加えて、下流のアクチュエータの荷重を支持できるように、運動チェーンの上流にあるアクチュエータを寸法決めすることが必要になる。本発明による臀部により、3つのアクチュエータの少なくとも2つが平行に作用することが保証される。言い換えれば、2つのアクチュエータは、他のアクチュエータを通過することなく、動かされるべき要素の間に直接作用する。平行アクチュエータのどれも、他のアクチュエータによって誘発される荷重を支持せず、動かされるべき対象物によって発生される荷重のみを支持し、このことにより、アクチュエータの寸法を低減することが可能になる。説明した実施例では、臀部10は、平行に作用する2つのアクチュエータを備える。
【0020】
したがって、臀部10は、交差軸線、すなわち左右軸線14及び垂直軸線15上の2つの回転自由度を有する接続部37を備える。接続部37は、ユニバーサルジョイント型の接続部のようなものでもよい。2つの軸14と15の交差点は参照番号38を有する。接続部37は、説明した実施例では、ロータ22及びインタフェース部分12である2つの要素をリンクする。接続部37は、2つのアクチュエータ35と36によって動力化され、これらのアクチュエータの各々は、ロータ22とインタフェース部分12との間に配置されたリニアシリンダから形成される。各々のシリンダ35と36は、一方の軸線、それぞれ39と40における動きを可能にする。軸線14と15の交差点38は、シリンダに対する作用により接続部37を動かすことができるように、シリンダの軸線に配置されない。説明した実施例では、接続部37及びその動力化は、ロータ22によって支持される。言い換えれば、接続部37は、臀部10の運動チェーン内のモータ20の下流にある。2つの自由度を有する動力化された接続部をモータ20の上流に設けることも可能である。
【0021】
有利に、接続部37は、2つの要素の第1の要素に対し接続部37の軸線周りに、かつ2つの要素の第2の要素に対し接続部37の他の軸線周りに旋回できる交差シャフト45を備える。図示した実施例では、交差シャフト45は、ロータ22に対し垂直軸線15周りに、かつ大腿部に固定されたインタフェース部分12に対し左右軸線14周りに旋回することができる。
【0022】
図5は、軸線14と15を含む面の接続部37の断面を示している。交差シャフト45は、固定されかつ直角である2つのシャフト46と47から形成される。シャフト46は左右軸線14の上に延び、シャフト47は垂直軸線15の上に延びる。2つの軸受48と49により、シャフト47は、ロータ22に対し回転することが可能であり、また2つの軸受50と51により、シャフト46は、インタフェース部分12に対し回転することが可能である。軸線14と15における臀部10の角度運動を確かめるために、軸受49と50の各々に、ロータ22及びインタフェース部分12に対する交差シャフト45の角度位置の関数として電気的情報のアイテムを送出するそれぞれポテンショメータ52と53と、制御装置(図示せず)を介して接続部37を制御するために使用されるポテンショメータとを有することが可能である。ポテンショメータを回転モータ20に取り付けることも可能であり、これにより、矢状軸線13周りに大腿部の角度位置を確かめることが可能になる。
【0023】
2つのリニアシリンダ35、36の軸線39、40は、互いに平行であることが有利である。この平行性は、接続部37の特定の位置、例えば、臀部10が取り付けられたロボットが歩行なしにバランスして直立している位置にのみ存在することが良く理解される。図6は、シリンダ35と36が平行であるときに当該シリンダの軸線を含む平面の臀部10の断面図である。軸線39と40は、矢状軸線13とほぼ平行であることができる。シリンダ35と36は、例えば二重効果油圧シリンダである。各々のシリンダは、シリンダ35用の2つの端部55と56、及びシリンダ36用の2つの端部57と58を有する。2つのシリンダの動きからの独立を可能にするために、端部55と57の各々は、回動ジョイントそれぞれ59と60を介してインタフェース部分12にリンクされる。同様に、端部56と58の各々は、旋回ジョイントそれぞれ61と62を介してロータ22にリンクされる。
【0024】
ロータ22に対するシリンダ35と36の接続は、ロータ22の管状シャフト25に固定されたプレート65によって達成することができる。プレート65は矢状面に延びる。ロッド66は、その中央でプレート65の底部に固定される。旋回ジョイント61と62は、プレート65のいずれかの側面のロッド66の端部に配置される。同様に、ロッド67は、インタフェース部分12に固定され、旋回ジョイント59と60は、インタフェース部分12のいずれかの側面のロッド67の端部に配置される。
【0025】
シリンダ35と36は、油圧式であることが有利である。シリンダの各々は、シリンダの2つのチャンバ71と72を分離するピストン70を備える。回転モータ20については、チャンバ71と72は、油圧流体の圧力差によって供給される。
【0026】
2つのシリンダ35と36が同一の方向に作動されると、例えば、一方でシリンダ36の端部57と58、他方でシリンダ35の端部55と56が同時に共に近づくと、インタフェース部分12は、ロータ22に対し左右軸線14周りに回転する。逆に、2つのシリンダ35と36が同時に反対方向に作動されると、インタフェース部分12は、ロータ22に対し垂直軸線15周りに回転する。
【0027】
図7と図8は、本発明による肩100を示している。図7は肩100の斜視図であり、図8はその断面図である。肩100は、トルソ105とアーム104とをリンクする。インタフェース部分11はトルソ105に固定され、インタフェース部分12はアーム104に固定される。
【0028】
肩100は、ロボット5の矢状軸線周りのアームの回転を可能にする油圧モータの形態のアクチュエータ20を含む。同様に、ロボット5の左右軸線及び垂直軸線周りのアーム104の回転を可能にする2つのアクチュエータ35と36がある。2つのアクチュエータ35、36は共に連結され、またアクチュエータ20は他の2つのアクチュエータから独立しており、このように、矢状面のアームの大きな運動角度範囲を可能にする。この回転運動は、例えば、ロボット5がその本体のバランスをとるために歩行しているときに優勢な回転運動である。
【0029】
図9と図10は、ロボット5の骨盤101と胴体102との間のジョイント200を示している。図9は肩100の斜視図であり、図10はその断面図である。インタフェース部分11は骨盤101に固定され、インタフェース部分12は胴体102に固定される。
【0030】
ジョイント200には、ロボット5の左右軸線周りの胴体102の回転を可能にする油圧モータの形態のアクチュエータ20がある。同様に、ロボット5の矢状軸線及び垂直軸線周りの胴体102の回転を可能にする2つのアクチュエータ35と36がある。2つのアクチュエータ35、36は共に連結され、またアクチュエータ20は他の2つのアクチュエータから独立しており、このように、左右面の胴体102の大きな運動角度範囲を可能にする。この運動範囲は、ロボット5の横方向の動作空間の増大を助ける。言い換えれば、ロボット5が動くことなくその足を地面に保持するとき、手を動作するロボットの範囲は、左右面の胴体のこの運動範囲のため増大される。
【0031】
上述のジョイントの3つの実施例では、アクチュエータ20のステータ21は、ロボット5の重心に対し最も遠い上流にあるロボット5の要素に固定されることが有利である。臀部では、最も遠い上流の要素は骨盤101であり、肩100では、最も遠い上流の要素はトルソ105であり、またジョイント200では、最も遠い上流の要素は骨盤101である。ロボット5の重心は、ほぼロボットの骨盤101に位置すると考えられる。より一般的には、運動学的に表現して、3つの回転軸線を有するジョイントには、他の2つの軸線を支持する1つの軸線がある。アクチュエータ20は、他の2つのアクチュエータ35と36を支持する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結アクチュエータを有する球形ジョイントを使用するヒューマノイドロボット及び関節を使用する方法に関する。本発明は、擬人化に最も近づくヒューマノイドロボットの製造に特に実用的である。例えば、本発明による球形ジョイントは、ロボットの臀部、肩又は骨盤と胴体との間のジョイントとして使用することができる。
【背景技術】
【0002】
この擬人化を表す数学的なモデルが、1960年代に米国で、Aerospace Medical Research Laboratories(Dayton,Ohio)によって開発された。Hanavanモデルとして知られているこのモデルは、所定の人間の身長及び体重に関し、パラメトリックに身体のすべての部分の寸法を表している。例えば、臀部は、3つの回転自由度を有するジョイントとして表されている。臀部及び臀部を囲む身体部分、骨盤及び大腿部の寸法も表されている。例えば、身長1.6m及び体重50kgの14歳の青年に関し、大腿部は、46mmの小さな半径及び74mmの大きな半径を有する392mmの高さの切頭円錐によって表すことができる。同一のロボットに関し、またこのモデルを使用して、骨盤は、高さ189mm、幅230mm及び深さ160mmの平行六面体によって表される。2つの臀部の間の距離は、大腿部の大きな半径の2倍に等しい。大腿部の高さは、臀部によって形成されたジョイントと、膝によって形成されたジョイントとの間の距離として定義される。
【0003】
力学的な計算では、1.2m/sの速度の歩行を達成するために、なお1.6mと50kgのロボットについて、2.7rad/sの最高速度、及び−30°〜+30°の関節の運動範囲では、矢状面の臀部のジョイントは45N.mの大きさのトルクを必要とすることが示されている。逆に、左右面では、ジョイントは、1rad/sの大きさの最高速度及び−5°〜+10°の運動範囲で、35N.mの大きさのトルクを必要とする。
【0004】
現在、多くのヒューマノイドロボットが開発されてきたが、顕著に脚と肩の寸法に関し、その1つもHanavanモデルに準拠していない。例えば、臀部がユニバーサルジョイント型に縮小される、すなわち、2つのみの自由度、矢状面の回転及び左右面の回転を有するロボットがある。さらに、力学的な計算から得られるパラメータに従って、これらの2つの自由度を動力化するために使用される作動機構は、Hanavanモデルで規定された寸法から逸脱している。同様に、ロボットの矢状面の臀部の運動角度範囲では、人間の歩行速度と同様のロボットの歩行速度を獲得する程度に十分なステップ長さを得ることが不可能なロボットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、例えばHanavanモデルによって取り組まれたロボットの製造と人間解剖学との間の調和を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の主題は、ロボットの2つの要素を接続する3つの回転自由度を有する球形ジョイントを備えるヒューマノイドロボットであって、ジョイントが3つのアクチュエータによって動かされ、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータが平行に作用しかつ共に連結され、第3のアクチュエータが軸線周りに第1の2つのアクチュエータと直列に作用するヒューマノイドロボットにおいて、第3のアクチュエータの軸線が、擬人化に近づくために運動角度範囲が最大でなければならない軸線であることを特徴とするヒューマノイドロボットである。
【0007】
本発明の別の主題は、ヒューマノイドロボットを作動するための方法であって、ジョイントが2つのシリンダを備え、関節の第1の軸線でジョイントを動かすために、作用が2つのシリンダで同時に同一の方向に行われることと、関節の第2の軸線でジョイントを動かすために、作用が2つのシリンダで同時に反対方向に行われることを特徴とする方法である。
【0008】
臀部の場合、それぞれ左右面、矢状面及び水平面における3つの自由度によって、本発明による臀部を使用するヒューマノイドロボットの歩行は、顕著に矢状面の大きな運動角度範囲に関しはるかに擬人的となろう。水平及び左右軸線周りの回転を可能にする連結により、ジョイントの容積を低減することが可能である。逆に、この連結により、当該の軸線周りの運動角度範囲が制限される。矢状面に対し直角の軸線周りの回転を可能にする第3のアクチュエータは、他の2つのアクチュエータとは独立して維持され、これによって、この第3のアクチュエータの大きな運動角度範囲に到達することが可能である。本発明において、関節の主運動、すなわち、例えばHanavanモデルで規定されているような擬人化で最大の運動角度範囲を必要とする回転のために、この第3の独立したアクチュエータを使用するように選択が行われる。
【0009】
一例として与えられる実施形態の詳細な説明を読めば、本発明はより良く理解され、また他の利点が現れ、その説明は添付図面によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による複数の球形関節を備えるヒューマノイドロボットの斜視図である。
【図2】本発明による臀部の斜視図である。
【図3】左右面の臀部の断面図である。
【図4】臀部のアクチュエータの1つの断面図である。
【図5】臀部の交差シャフトの断面図である。
【図6】臀部の2つの他のアクチュエータの断面図である。
【図7】本発明による肩の斜視図である。
【図8】図7の肩の断面図である。
【図9】ロボットの骨盤と胴体との間の本発明によるジョイントの斜視図である。
【図10】図9のジョイントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
簡明さのため、同一の要素は、様々な図で同一の参照番号を有する。図面は説明として与えられ、完全に一定の縮尺率ではない。
【0012】
図1は、本発明による複数の球形ジョイントを備えるヒューマノイドロボット5の斜視図を示しており、球形ジョイントは、ロボット5の2つの臀部10、2つの肩100及び骨盤101と胴体102との間のジョイント200を含む。各々臀部10は、大腿部103を骨盤101にリンクさせる。各々の肩100は、アーム104をロボット5のトルソ105にリンクさせる。胴体102とトルソ105との間に、ロボット5の矢状軸線周りの回転自由度を有するジョイント106を配置することが可能である。慣例により、矢状軸線は、矢状面に対し直角の軸線である。垂直面は、ロボットの歩行運動が主に行われる平面である。同様に、左右軸線は、ロボットの左右面に対し直角の軸線である。左右面は、矢状面に対し垂直かつ直角である。最後に、垂直軸線は、矢状面と左右面との間の交差部によって形成される軸線である。
【0013】
図2は、本発明による臀部10を示している。臀部10は、骨盤101に固定された第1のインタフェース部分11と、大腿部103に固定された第2のインタフェース部分12とを備える。様々な図に負担をかけないように、骨盤も大腿部も示されておらず、2つのインタフェース部分11と12をリンクする臀部10の要素のみが示されている。
【0014】
臀部10は、3つのアクチュエータを備え、各々のアクチュエータは、軸線周りに骨盤に対し大腿部を回転させることを可能にし、3つの軸線は別個である。より正確には、図示した実施例では、第1の軸線13は矢状軸線であり、第2の軸線14は左右軸線であり、第3の軸線15は垂直である。
【0015】
アクチュエータは、油圧動力又は電気動力を使用することができる。
【0016】
図3は、臀部の左右面の断面を示している。この図は、アクチュエータの観測をより容易にする。矢状軸線13周りの臀部の動きを可能にするアクチュエータは、ステータ21とロータ22とを備える油圧式回転モータ20である。ステータ21は、インタフェース部分11と、閉鎖プレート23とから形成される。環状溝24は、インタフェース部分11に作られ、プレート23によって閉じられる。
【0017】
図4は、環状溝24、ステータ21及びロータ22を通過する垂直面の断面を示している。環状溝24は、軸13を中心に270°にわたって延びる。ロータ22は、インタフェース部分11及びプレート23の両方に作られた孔26内で回転できる管状シャフト25を備える。ロータ22はまた、溝24内で動ける蝶弁27を備える。蝶弁27及び管状シャフト25は、単一の機械部分を形成する。孔26は、矢状軸線13の上に延びる。蝶弁27は、矢状軸線13を中心とする90°の円の円弧で溝24を覆う。
【0018】
蝶弁27と溝24との角度寸法の差により、2つの自由空間が蝶弁27のいずれかの側面に留まることが可能である。これらの空間は、2つのチャンバ28と29を形成し、これらのチャンバで、接続部30と31それぞれを介して油圧流体を送出することが可能である。2つのチャンバ28と29の間の流体の圧力差により、ロータ22をステータ21に対し回転させることが可能である。この圧力差は、ロボットに搭載して取り付けられた油圧ポンプによって発生することが可能である。様々なアクチュエータの間の独立性を高めるために、各々のアクチュエータ専用のポンプを設けることが可能である。様々なポンプは、各々のポンプを関連のアクチュエータにリンクさせる油圧パイプの長さを制限するために、アクチュエータに可能な限り近い大腿部に又は骨盤に収納してもよい。図3では、ロータ22は、ステータ21に対し中心位置に示され、この中心位置に対し+又は−90°の運動範囲を可能にする。蝶弁27及び溝24の他の角度寸法により、ジョイントの必要に応じて、ステータ21に対するロータ22の角度運動の振幅を増加するか又は低減することが可能になる。
【0019】
臀部10は、大腿部上で平行に作用する2つのアクチュエータ35と36を備える。これらの2つのアクチュエータは、左右軸線14と垂直軸線15の周りに大腿部を回転させる。この平行作用により、アクチュエータの一方による他方のアクチュエータの支持の防止が可能になる。例えば、直列に組み立てられた3つの回転モータをベースとする3つの回転自由度を有する動力化されたジョイントを製作することが可能である。より正確には、1つのモータのロータは、運動チェーン内でロータに従うモータのステータに固定される。直列のアクチュエータを提供するこの設計のため、アクチュエータが、動かされるべき対象物、この場合大腿部の荷重に加えて、下流のアクチュエータの荷重を支持できるように、運動チェーンの上流にあるアクチュエータを寸法決めすることが必要になる。本発明による臀部により、3つのアクチュエータの少なくとも2つが平行に作用することが保証される。言い換えれば、2つのアクチュエータは、他のアクチュエータを通過することなく、動かされるべき要素の間に直接作用する。平行アクチュエータのどれも、他のアクチュエータによって誘発される荷重を支持せず、動かされるべき対象物によって発生される荷重のみを支持し、このことにより、アクチュエータの寸法を低減することが可能になる。説明した実施例では、臀部10は、平行に作用する2つのアクチュエータを備える。
【0020】
したがって、臀部10は、交差軸線、すなわち左右軸線14及び垂直軸線15上の2つの回転自由度を有する接続部37を備える。接続部37は、ユニバーサルジョイント型の接続部のようなものでもよい。2つの軸14と15の交差点は参照番号38を有する。接続部37は、説明した実施例では、ロータ22及びインタフェース部分12である2つの要素をリンクする。接続部37は、2つのアクチュエータ35と36によって動力化され、これらのアクチュエータの各々は、ロータ22とインタフェース部分12との間に配置されたリニアシリンダから形成される。各々のシリンダ35と36は、一方の軸線、それぞれ39と40における動きを可能にする。軸線14と15の交差点38は、シリンダに対する作用により接続部37を動かすことができるように、シリンダの軸線に配置されない。説明した実施例では、接続部37及びその動力化は、ロータ22によって支持される。言い換えれば、接続部37は、臀部10の運動チェーン内のモータ20の下流にある。2つの自由度を有する動力化された接続部をモータ20の上流に設けることも可能である。
【0021】
有利に、接続部37は、2つの要素の第1の要素に対し接続部37の軸線周りに、かつ2つの要素の第2の要素に対し接続部37の他の軸線周りに旋回できる交差シャフト45を備える。図示した実施例では、交差シャフト45は、ロータ22に対し垂直軸線15周りに、かつ大腿部に固定されたインタフェース部分12に対し左右軸線14周りに旋回することができる。
【0022】
図5は、軸線14と15を含む面の接続部37の断面を示している。交差シャフト45は、固定されかつ直角である2つのシャフト46と47から形成される。シャフト46は左右軸線14の上に延び、シャフト47は垂直軸線15の上に延びる。2つの軸受48と49により、シャフト47は、ロータ22に対し回転することが可能であり、また2つの軸受50と51により、シャフト46は、インタフェース部分12に対し回転することが可能である。軸線14と15における臀部10の角度運動を確かめるために、軸受49と50の各々に、ロータ22及びインタフェース部分12に対する交差シャフト45の角度位置の関数として電気的情報のアイテムを送出するそれぞれポテンショメータ52と53と、制御装置(図示せず)を介して接続部37を制御するために使用されるポテンショメータとを有することが可能である。ポテンショメータを回転モータ20に取り付けることも可能であり、これにより、矢状軸線13周りに大腿部の角度位置を確かめることが可能になる。
【0023】
2つのリニアシリンダ35、36の軸線39、40は、互いに平行であることが有利である。この平行性は、接続部37の特定の位置、例えば、臀部10が取り付けられたロボットが歩行なしにバランスして直立している位置にのみ存在することが良く理解される。図6は、シリンダ35と36が平行であるときに当該シリンダの軸線を含む平面の臀部10の断面図である。軸線39と40は、矢状軸線13とほぼ平行であることができる。シリンダ35と36は、例えば二重効果油圧シリンダである。各々のシリンダは、シリンダ35用の2つの端部55と56、及びシリンダ36用の2つの端部57と58を有する。2つのシリンダの動きからの独立を可能にするために、端部55と57の各々は、回動ジョイントそれぞれ59と60を介してインタフェース部分12にリンクされる。同様に、端部56と58の各々は、旋回ジョイントそれぞれ61と62を介してロータ22にリンクされる。
【0024】
ロータ22に対するシリンダ35と36の接続は、ロータ22の管状シャフト25に固定されたプレート65によって達成することができる。プレート65は矢状面に延びる。ロッド66は、その中央でプレート65の底部に固定される。旋回ジョイント61と62は、プレート65のいずれかの側面のロッド66の端部に配置される。同様に、ロッド67は、インタフェース部分12に固定され、旋回ジョイント59と60は、インタフェース部分12のいずれかの側面のロッド67の端部に配置される。
【0025】
シリンダ35と36は、油圧式であることが有利である。シリンダの各々は、シリンダの2つのチャンバ71と72を分離するピストン70を備える。回転モータ20については、チャンバ71と72は、油圧流体の圧力差によって供給される。
【0026】
2つのシリンダ35と36が同一の方向に作動されると、例えば、一方でシリンダ36の端部57と58、他方でシリンダ35の端部55と56が同時に共に近づくと、インタフェース部分12は、ロータ22に対し左右軸線14周りに回転する。逆に、2つのシリンダ35と36が同時に反対方向に作動されると、インタフェース部分12は、ロータ22に対し垂直軸線15周りに回転する。
【0027】
図7と図8は、本発明による肩100を示している。図7は肩100の斜視図であり、図8はその断面図である。肩100は、トルソ105とアーム104とをリンクする。インタフェース部分11はトルソ105に固定され、インタフェース部分12はアーム104に固定される。
【0028】
肩100は、ロボット5の矢状軸線周りのアームの回転を可能にする油圧モータの形態のアクチュエータ20を含む。同様に、ロボット5の左右軸線及び垂直軸線周りのアーム104の回転を可能にする2つのアクチュエータ35と36がある。2つのアクチュエータ35、36は共に連結され、またアクチュエータ20は他の2つのアクチュエータから独立しており、このように、矢状面のアームの大きな運動角度範囲を可能にする。この回転運動は、例えば、ロボット5がその本体のバランスをとるために歩行しているときに優勢な回転運動である。
【0029】
図9と図10は、ロボット5の骨盤101と胴体102との間のジョイント200を示している。図9は肩100の斜視図であり、図10はその断面図である。インタフェース部分11は骨盤101に固定され、インタフェース部分12は胴体102に固定される。
【0030】
ジョイント200には、ロボット5の左右軸線周りの胴体102の回転を可能にする油圧モータの形態のアクチュエータ20がある。同様に、ロボット5の矢状軸線及び垂直軸線周りの胴体102の回転を可能にする2つのアクチュエータ35と36がある。2つのアクチュエータ35、36は共に連結され、またアクチュエータ20は他の2つのアクチュエータから独立しており、このように、左右面の胴体102の大きな運動角度範囲を可能にする。この運動範囲は、ロボット5の横方向の動作空間の増大を助ける。言い換えれば、ロボット5が動くことなくその足を地面に保持するとき、手を動作するロボットの範囲は、左右面の胴体のこの運動範囲のため増大される。
【0031】
上述のジョイントの3つの実施例では、アクチュエータ20のステータ21は、ロボット5の重心に対し最も遠い上流にあるロボット5の要素に固定されることが有利である。臀部では、最も遠い上流の要素は骨盤101であり、肩100では、最も遠い上流の要素はトルソ105であり、またジョイント200では、最も遠い上流の要素は骨盤101である。ロボット5の重心は、ほぼロボットの骨盤101に位置すると考えられる。より一般的には、運動学的に表現して、3つの回転軸線を有するジョイントには、他の2つの軸線を支持する1つの軸線がある。アクチュエータ20は、他の2つのアクチュエータ35と36を支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット(5)の2つの要素(101、103;105、104;101、102)を接続する3つの軸線(13、14、15)上の3つの回転自由度を有する球形ジョイント(10、100、200)を備えるヒューマノイドロボットであって、前記ジョイントが3つのアクチュエータ(20、35、36)によって動かされ、第1のアクチュエータ(35)及び第2のアクチュエータ(36)が平行に作用しかつ共に連結され、第3のアクチュエータ(20)が前記軸線の第1の軸線(13)周りに前記第1の2つのアクチュエータと直列に作用するヒューマノイドロボットにおいて、前記第3のアクチュエータ(20)の前記軸線(13)が、擬人化に近づくために運動角度範囲が最大でなければならない軸線(13)であることを特徴とするヒューマノイドロボット。
【請求項2】
前記ヒューマノイドロボットが2つの要素(12、22)を備え、前記2つの要素が、接続部(37)を介して、点(38)において交差する前記第2及び第3の軸線(14、15)上の2つの回転自由度を有してリンクされ、かつ前記第1及び第2のアクチュエータ(35、36)によって動かされることと、平行に作用する前記2つのアクチュエータ(35、36)の各々が、前記接続部(37)を介してリンクされた前記2つの要素(12、22)の間に配置されたリニアシリンダ(35、36)から形成され、各々のシリンダ(35、36)が軸線(39、40)上で動くことと、前記接続部(37)の前記軸線(14、15)の前記交差点(38)が、前記シリンダ(35、36)の前記軸線(39、40)上に位置しないことを特徴とする、請求項1に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項3】
前記接続部(37)が、前記接続部(37)を介してリンクされた前記2つの要素の第1の要素(22)に対し前記接続部(37)の軸線(15)周りに、かつ前記2つの要素の第2の要素(12)に対し前記接続部(37)の他方の軸線(14)周りに回転することができる交差シャフト(45)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項4】
前記2つのリニアシリンダ(35、36)の前記軸線(39、40)が平行であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項5】
前記第3のアクチュエータが、ステータ(21)とロータ(22)とを備える回転モータ(20)であり、前記モータ(20)が前記ジョイント(10)を作動させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項6】
前記第3のアクチュエータ(20)が、ステータ(21)とロータとを備えることと、前記ステータ(21)が、前記ロボット(5)の重心に対し最も遠い上流にある前記ロボット(5)の前記要素(101、105)に固定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項7】
前記アクチュエータ(20、35、36)が油圧エネルギを使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項8】
前記ジョイントが臀部(10)であることと、前記第1の要素が大腿部(103)であり、前記第2の要素が骨盤(101)であることと、前記第1の軸線(13)が矢状軸線であり、前記第2の軸線(14)が左右軸線であり、前記第3の軸線(15)が垂直軸線であることと、前記左右軸線(14)及び前記垂直軸線(15)周りの回転を可能にする前記第1の2つのアクチュエータ(35、36)が、前記大腿部(103)上で平行に作用することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項9】
前記ジョイントが肩(100)であることと、前記第1の要素がアーム(104)であり、前記第2の要素がトルソ(105)であることと、前記第1の軸線(13)が矢状軸線であり、前記第2の軸線(14)が左右軸線であり、前記第3の軸線(15)が垂直軸線であることと、前記左右軸線(14)及び前記垂直軸線(15)周りの回転を可能にする前記第1の2つのアクチュエータ(35、36)が、前記アーム(104)上で平行に作用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項10】
前記第1の要素が骨盤(101)であり、前記第2の要素が胴体(102)であることと、前記第1の軸線(13)が左右軸線であり、前記第2の軸線(14)が矢状軸線であり、前記第3の軸線(15)が垂直軸線であることと、前記矢状軸線(14)及び前記垂直軸線(15)周りの回転を可能にする前記第1の2つのアクチュエータ(35、36)が、前記胴体(102)上で平行に作用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項11】
請求項2の従属請求項として、請求項2〜9のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボットを作動するための方法において、前記接続部(37)の第1の軸線(14)上で前記ジョイント(10、100、200)を動かすために、作用が前記2つのシリンダ(35、36)で同時に同一の方向に行われることと、前記接続部(37)の第2の軸(15)上で前記ジョイント(10、100、200)を動かすために、作用が前記2つのシリンダ(35、36)で同時に反対方向に行われることを特徴とする方法。
【請求項1】
ロボット(5)の2つの要素(101、103;105、104;101、102)を接続する3つの軸線(13、14、15)上の3つの回転自由度を有する球形ジョイント(10、100、200)を備えるヒューマノイドロボットであって、前記ジョイントが3つのアクチュエータ(20、35、36)によって動かされ、第1のアクチュエータ(35)及び第2のアクチュエータ(36)が平行に作用しかつ共に連結され、第3のアクチュエータ(20)が前記軸線の第1の軸線(13)周りに前記第1の2つのアクチュエータと直列に作用するヒューマノイドロボットにおいて、前記第3のアクチュエータ(20)の前記軸線(13)が、擬人化に近づくために運動角度範囲が最大でなければならない軸線(13)であることを特徴とするヒューマノイドロボット。
【請求項2】
前記ヒューマノイドロボットが2つの要素(12、22)を備え、前記2つの要素が、接続部(37)を介して、点(38)において交差する前記第2及び第3の軸線(14、15)上の2つの回転自由度を有してリンクされ、かつ前記第1及び第2のアクチュエータ(35、36)によって動かされることと、平行に作用する前記2つのアクチュエータ(35、36)の各々が、前記接続部(37)を介してリンクされた前記2つの要素(12、22)の間に配置されたリニアシリンダ(35、36)から形成され、各々のシリンダ(35、36)が軸線(39、40)上で動くことと、前記接続部(37)の前記軸線(14、15)の前記交差点(38)が、前記シリンダ(35、36)の前記軸線(39、40)上に位置しないことを特徴とする、請求項1に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項3】
前記接続部(37)が、前記接続部(37)を介してリンクされた前記2つの要素の第1の要素(22)に対し前記接続部(37)の軸線(15)周りに、かつ前記2つの要素の第2の要素(12)に対し前記接続部(37)の他方の軸線(14)周りに回転することができる交差シャフト(45)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項4】
前記2つのリニアシリンダ(35、36)の前記軸線(39、40)が平行であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項5】
前記第3のアクチュエータが、ステータ(21)とロータ(22)とを備える回転モータ(20)であり、前記モータ(20)が前記ジョイント(10)を作動させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項6】
前記第3のアクチュエータ(20)が、ステータ(21)とロータとを備えることと、前記ステータ(21)が、前記ロボット(5)の重心に対し最も遠い上流にある前記ロボット(5)の前記要素(101、105)に固定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項7】
前記アクチュエータ(20、35、36)が油圧エネルギを使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項8】
前記ジョイントが臀部(10)であることと、前記第1の要素が大腿部(103)であり、前記第2の要素が骨盤(101)であることと、前記第1の軸線(13)が矢状軸線であり、前記第2の軸線(14)が左右軸線であり、前記第3の軸線(15)が垂直軸線であることと、前記左右軸線(14)及び前記垂直軸線(15)周りの回転を可能にする前記第1の2つのアクチュエータ(35、36)が、前記大腿部(103)上で平行に作用することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項9】
前記ジョイントが肩(100)であることと、前記第1の要素がアーム(104)であり、前記第2の要素がトルソ(105)であることと、前記第1の軸線(13)が矢状軸線であり、前記第2の軸線(14)が左右軸線であり、前記第3の軸線(15)が垂直軸線であることと、前記左右軸線(14)及び前記垂直軸線(15)周りの回転を可能にする前記第1の2つのアクチュエータ(35、36)が、前記アーム(104)上で平行に作用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項10】
前記第1の要素が骨盤(101)であり、前記第2の要素が胴体(102)であることと、前記第1の軸線(13)が左右軸線であり、前記第2の軸線(14)が矢状軸線であり、前記第3の軸線(15)が垂直軸線であることと、前記矢状軸線(14)及び前記垂直軸線(15)周りの回転を可能にする前記第1の2つのアクチュエータ(35、36)が、前記胴体(102)上で平行に作用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボット。
【請求項11】
請求項2の従属請求項として、請求項2〜9のいずれか1項に記載のヒューマノイドロボットを作動するための方法において、前記接続部(37)の第1の軸線(14)上で前記ジョイント(10、100、200)を動かすために、作用が前記2つのシリンダ(35、36)で同時に同一の方向に行われることと、前記接続部(37)の第2の軸(15)上で前記ジョイント(10、100、200)を動かすために、作用が前記2つのシリンダ(35、36)で同時に反対方向に行われることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2011−528622(P2011−528622A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511032(P2011−511032)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056678
【国際公開番号】WO2009/144320
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(510256872)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056678
【国際公開番号】WO2009/144320
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(510256872)
【Fターム(参考)】
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