連続回転穿孔方法および装置
一連の高公差で近接間隔の孔を有しパンチ抜き材を積極跳ね出しする、穿孔ストリップの連続、高速生産方法と装置。一つは雌ダイで他は雄/雌ダイの、第1の一対の対向回転ダイがダイ間に連続供給されるストリップに第1のセットの孔を穿孔する。一つは雄/雌ダイで他は雄ダイの、第2の一対の対向回転ダイがストリップの第1のセットの孔の間に第2のセットの孔を穿孔する。第1、第2のセットの孔の穿孔中、ストリップは共通の雄/雌ダイに巻かれており、ストリップを2対の対向回転ダイと連続的にインデックスし、高公差で近接間隔の孔の生産を可能にする。ダイの周辺近傍に形成された環帯に複数のアンギュラセグメントが装着され、ダイの回転中にアンギュラセグメントがコントロールされて半径方向に動く。各アンギュラセグメントはダイ凹部内で半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有し、エジェクタピンは凹部からパンチ抜き材を跳ね出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変形可能なストリップ(strip 、細片) に孔をパンチングする方法および装置に関し、とくに、鉛蓄電池の製造に用いられる鉛のグリッドの生産のために、鉛ストリップのような変形可能なストリップに一連の孔を連続的に穿孔する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素材ストリップを穿孔する既存の方法は、低生産速度、パンチ抜き材の跳ね出しが不十分または跳ね出しなし、材料送りの正確さが不十分、孔のサイズおよび間隔公差の誤差、および最終製品の歪みや破壊、を含む問題を招く。従来、変形可能なストリップの回転穿孔には、各シャフトが周方向に分配された均一な雄または雌ツールセットを有する、2または3本のシャフトをもつ回転装置を採用していた。隣接するシャフトは機械的または電気的に同期され、シャフトそれぞれの周辺のツールが相互作用してストリップに連続格子の孔を穿孔していった。
【0003】
数例のツール形状が採用されてきた。より伝統的な穿孔方法は往復動ツールセットを含んでいた。そこでは、雄および雌ダイが、穿孔されるべき素材の1断面をスタンプし、ついで、素材はつぎの穿孔の前に定量送りされなければならなかった。
【0004】
小さな、狭い間隔をもつ孔を穿孔するには、金属、厚紙、およびプラスチック産業からの回転穿孔技術を用いることが試みられた。これらの回転穿孔方法では、穿孔される素材上にまったく遠い間隔をもつ孔が、典型的に、創出され、回転シャフト上に周方向にまったく遠い間隔で設けられた雄/雌ダイを使用することができた。1985年8月13日に許可された米国特許4,534,248および2001年5月17日に公開されたPCT/CA00/01288は、そのような技術を代表している。パンチングはスクラップを生成し、スクラップは何かの動き機構によって雌ダイから除去されまたは跳ね出されなければならない。これらの機構的に動くパーツはサイクリングに耐えるのに十分に強靱でなければならない。しかし、小さい、近接間隔の孔にとっては、如何なる類の、強靱または他の跳ね出し機構のためには、シャフト上には不十分なスペースしかない。かくして、近接した間隔の孔の穿孔には、これらのシステムを提供しおよび適合するのは困難であった。
【0005】
スペースおよび動くパーツの問題に対策するために、孔間距離が増大された多ステージ穿孔が試みられた。そのためには、1セットのツーリング(tooling 、穿孔具)で1セットの孔を穿孔し、ついで穿孔された素材を定量送りして、別のセットのツーリングでもう一つのセットの孔を穿孔することが必要になった。各セットのツーリングは異なるシャフト上にあった。各ツーリングでよりより少ない孔を穿孔すればよくなったため、ダイはより遠く離して位置することができ、シャフト内に、跳ね出し機構のための十分な空間を残すことができた。しかし、孔のサイズと間隔公差をゆるめることなく、穿孔すべき素材を1つのセットのツーリングからつぎに定量送りする問題は、残った。その結果、つぎの孔が第1のセットの孔から適正距離隔たった位置になく公差誤差が蓄積するという問題が頻発した。これは、ジャーナル:シートメタルインダストリーズ、1985、62巻、イシュー2、頁134−135に公表された、ロータリブランキングという題名の論文において、確認されている。その論文の結論において、「数個のツールが周上に搭載されている時にはローラの協働が、なお、解決されなければならない」ことが、記載されている。
【0006】
インデックシング(indexing、位置割り出しし、割り出された位置を維持しながら、定量送りすること)の必要性を除去する努力として、1ステップ穿孔がテストされた。しかし、パンチ抜き材が跳ね出さないばかりでなく、最終製品が雄ダイの間から離脱し難かった。メッシュは雄ダイから強制的に離脱されなければならず、強制的離脱により最終製品が破壊した。また、捕捉された廃材が雌シャフトの孔内に積もり、機構をロックし、ツーリングを破壊した。ドイツ、ミュンヘン工業大学、インスティテュート フォー メタルフォーミング アンド キャスティング(Institue for Metal Forming and Casting, Technisch Universitat Munchen, Germany )によって、1999年1月10日に公表されたロータリブランキング(Rotary Blanking )という題名の論文は、「特別な運動学条件の効果として、剪断されたエッジと幾何学的正確さの品質に関する或る容認がなされなければならない」と述べている。該論文は、また、つぎのように述べている。「多列孔をもつ製品、とくに、供給方向に間隔孔が接近している場合の製品は、高コストで、回転抜きによってのみ製造され得る。一方では、大ローラ径は、ローラの歪みを最小にしワークの品質を向上することが要求される。他方、ローラ径と列の数によって多くなる、パンチの数は、ツールのメンテナンスを高コストにする。したがって、回転抜きは、列数の少ない、かつ、長さ対幅比が大きい形状の、穿孔および抜き孔シートメタル製品の製造に対して、最も効果高く、適用される。」
【0007】
従来の非回転穿孔では、近接間隔の多小孔の穿孔の場合に問題が生じる。成功した方法では、往復動パンチを採用し、該パンチがグリッドの一つの大きな領域を一度にスタンプし、ついで変形可能なストリップを下流に定量送りしてグリンドの他の領域をスタンプする。この領域にわけた方法は、プロセスが連続的な場合と異なり間欠的(ストップアンドゴー)であるため、回転穿孔に比べて、生産速度が制限され、比較的低速である。これらの往復動パンチのプレスは、メタルを穿孔するのに強靱でかつ強力でなければならず、機械の往復動による運動量の定常的変化は騒音、正確さ、振動に関する問題を生じる。パンチ間にストリップを送ると、1つのセットの孔とつぎの孔との間で孔位置が不正確になる。
【0008】
また、鉛ストリップの動きには突発的な動きがあるので、送りは、鉛ストリップから造られるメッシュの生産に下流効果をもつ。これによって鉛メッシユが損なわれることがあるし、メッシュをプロセスの次段階に円滑に組み入れていくことを難しくすることがある。
【0009】
金属産業に適用されてきた回転パンチは、鉛や他の柔らかい金属ほどには塑性的に変形しない、鋼やアルミニウムのような金属の剪断性にしばしば頼る。鋼やアルミニウムを使う時ですら、これらの回転パンチは、しばしば、バリや、綺麗でないギザギザの切断面を生じ、結果、受け入れがたい誤差の蓄積が生じ得る。
【特許文献1】米国特許第4,534,248号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、本発明の主目的は、高い公差を有し近接して間隔をもって配置された孔の列をもつ穿孔されたグリッドを生産するために、変形可能なストリップを高速で連続生産するための方法と装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、均一に穿孔されたグリッドを高速生産するための、自己インデックシングの、2ステージ回転穿孔装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、抜き材を連続的に跳ね出し最終穿孔製品を容易に離脱させる回転穿孔機を提供することにある。本発明の更なる目的は、鉛と鉛合金、アルミニウム、真鍮、銅、鋼および亜鉛のような金属および金属合金、マイラ(Mylar 、登録商標)およびビニルのようなプラスチック、厚紙および類似の変形可能な材料、によって代表される変形可能な素材に、間隔をもつ孔を近接して穿孔する回転穿孔機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の方法および装置は、従来技術の問題を本質的に克服し、抜き材を積極跳ね出ししつつ、高い公差の、近接間隔の一連の孔をもつ穿孔ストリップを連続、高速生産することを可能にする。
【0012】
本発明の望ましい実施例においては、第1の一対の対向する回転ダイ、一つは雌ダイで他は雄/雌ダイが、ダイ間に連続的に供給されるストリップに第1のセットの孔を穿孔し、第2の一対の対向する回転ダイ、一つは雄/雌ダイで他は雄ダイが、ストリップに、第1のセットの孔間に、第2のセットの孔を穿孔する。ストリップは第1および第2のセットの孔の穿孔中、共通の雄/雌ダイの周りに巻きかけられ、2対の対向回転ダイに関してストリップを連続的にインデックスし、高公差の近接間隔孔の生産を可能にする。
【0013】
広義において、本発明の方法は、回転パンチにて変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続穿孔する方法であって、
前記変形可能なストリップを、間隔をおいて複数の凹部が形成された円筒状外面を有する回転雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチと凹部が交互に形成された円筒状外面を有する回転雄/雌ダイとの間に、供給し、回転雄/雌ダイのパンチを雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雌ダイと雄/雌ダイを同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って変形可能なストリップに第1のセットの、間隔をもたせた孔を穿孔し、
前記穿孔された変形可能なストリップを、前記回転雄/雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチが形成された円筒状外面を有する回転雄ダイとの間に、供給し、回転雄ダイのパンチを回転雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雄/雌ダイを雄ダイと同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って、第1のセットの間隔をもたせた孔の間に、該ストリップに第2のセットの孔を穿孔する、方法からなる。
望ましくは、各セットの間隔をもつ孔は、ストリップの長さに沿ってストリップの幅を横切って間隔をもつ複数の孔からなる。孔はストリップに沿う方向および/またはストリップを横切る方向に等間隔であってもよい。それに代えて、孔はストリップに沿う方向および/またはストリップを横切る方向に間隔可変であっってもよいし、あるいは、ストリップの幅方向にたがいに位置がずれていてもよい。
【0014】
本発明の望ましい形態において、本発明の方法は、円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々に、それぞれの円筒状ダイの周辺近傍の環帯(annulus )まわりに連続的に複数のアンギュラセグメント(angular segment )を装着し、各アンギュラセグメントはダイの凹部に半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有しており、
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの所定回転角度でアンギュラセグメントを半径方向外側に動かし、ダイの凹部からパンチ抜き材を跳ね出す、ことを含む。
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々を横切って遊嵌挿通する複数のカムローラが設けられ、各カムローラはアンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイ環帯内で半径方向内方および外方に動かしダイ凹部の中のダイエジェクタピンを半径方向に往復動させるようになっており、
カムローラとそれに追随するアンギュラセグメントをダイの各々の所定回転角度で外方に動かし、それによってアンギュラセグメントのエジェクタピンが所定回転角度で円筒状ダイからパンチ抜き材を跳ね出す。
【0015】
広義において、本発明の装置は、変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に回転穿孔する装置であって、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数の凹部を有しフレーム内に回転可能に搭載された円筒状の雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて交互に形成された複数のパンチと凹部を有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄/雌ダイのパンチが雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄/雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数のパンチを有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄ダイのパンチが雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄ダイと、
を有し、
雄/雌ダイのパンチと雌ダイの対応する凹部とのかみ合い、および、雄ダイのパンチと雄/雌ダイの凹部とのかみ合いが、回転中に、ストリップを、雌ダイ、雄/雌ダイ、雄ダイに関して、インデックスする、装置からなる。
雄/雌ダイ中のパンチの各々は、該パンチの各側面に形成された肩を有し、該肩は、変形可能素材を支持し、雄ダイ中のパンチとかみ合う凹部を形成する。
【0016】
本発明の装置は、変形可能なストリップの回転穿孔中に、雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段をさらに有する。
パンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段は、ダイの周辺近傍にダイ周辺まわりに連続的に形成されダイの回転中にアンギュラセグメントを半径方向に移動させるように形成された環帯内に搭載された複数のアンギュラセグメントを有し、各アンギュラセグメントは、ダイの凹部内で半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピン、望ましくは3つのエジェクタピンを有し、半径方向外側へのピンの移動によって凹部からパンチ抜き材を跳ね出す。
【0017】
各ダイは、間隔をもって配置された複数のカムローラと、ダイの各側でフレームに設けられた対向する静止の一対のカム溝路を有し、
該カムローラはダイ周辺近傍の環帯内でダイを遊嵌挿通しており、各カムローラは、アンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイの中で半径方向内側および外側に動かし、
一対のカム溝路は、カムローラの両端を受けて、カムが回転する時に、カムローラを半径方向内側と外側に動かす。
【0018】
本発明の装置の望ましい形態において、円筒状雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって設けられた複数の凹部を有しており、
前記円筒状雄/雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって交互に設けられた複数のパンチと凹部を有しており、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイのパンチは、雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっており、
前記円筒状雄ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって複数のパンチを有しており、雄ダイのパンチは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっている。
雌ダイ上に形成された間隔をもって配置された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに等間隔であってもよいし、ダイを横切って横方向に位置を合わせられるとともに等間隔であってもよいし、またはダイの周辺まわりに等間隔でかつダイを横切る方向に位置ずれしていてもよい。
それに代えて、雌ダイ上に形成された間隔をもつ凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに間隔可変であってもよいし、ダイを横切って間隔可変で横方向に位置合わせされていてもよいし、ダイの周辺まわりに間隔可変でダイを横切って横方向に位置合わせされていてもよいし、あるいは、ダイの周辺まわりに間隔可変でダイを横切って位置ずれされていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
ストリップの連続インデックシングは雄/雌ダイをもつ第2のシャフトに帰すことができる。雄/雌ダイはグリッド生産を通して3つの役割を果たす。
第1は、雄ダイとして機能し、間隔をもって離れた孔の第1の列を、第1のシャフトに対して、ストリップに穿孔する。第1のシャフトは雌ダイとして働く。
第2は、該雄ダイは雄ダイを用いて素材を進め、インデックスする。雄ダイは第1のステップで穿孔された列孔内に位置している。
第3は、第2のシャフトが雌ダイとして働き、第3のシャフト上の他のツールセットが、第1の列孔間のスペースに第2のセットの列孔を正しく穿孔することを許す。その結果が、変形可能な素材から構成された連続グリッド内に穿孔された、連続的な一連の、正確に穿孔された狭い間隔の孔である。
【0020】
本発明の回転穿孔装置は、近接間隔孔を穿孔する間に、回転している穿孔機内の雌ダイから抜き材を跳ね出す能力を有する。本発明の抜き材跳ね出し機構により、ダイシャフト内に複雑な可動部品を設ける必要性がなくなり、回転と同期しなければならない機構や強靱で莫大なサイクルに耐えることができる部品の必要性がなくなる。
【0021】
実用跳ね出し機構は、グループ化しなければ多数の小さい近接間隔の可動部品を、より大きなユニット内の実用的な機構配置にグループ化することによって達成された。跳ね出し部品のこのグループ化、すなわち、3つの跳ね出し部品を1つにまとめたことは、孔が非常に近接した間隔(0.030インチ)であけられているにかかわらず、抜き材の積極的跳ね出しを可能にした。
【0022】
説明は鉛と鉛合金の変形可能なストリップの穿孔を参照した例で進められるであろうが、「変形可能なストリップ」という用語は鉛、鉛合金、アルミニウム、真鍮、銅、鋼および亜鉛のような金属および金属合金、マイラ(Mylar 、登録商標)およびビニルのようなプラスチックストリップ、厚紙、および本発明の方法に従って処理され得る類似の変形可能な材料を含むと理解されるであろう。
【0023】
蓄電池プレートを製造するための一連の近接間隔孔を有する平面状ストリップが、本発明の方法によって生産され得る。そこでは、ストリップは、約0.03インチの厚さを有し、長手方向に間隔をもった孔の列を横に並べた、所望のサイズと形状の複数のパンチ抜き孔を有し、約96%までのストリップ材料が除去され、残されたワイヤ厚さが0.010インチもの薄さをもつ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
まず、図1−8および図11を参照すると、本発明の装置は第1の一対の対向するダイ10、12を有し、該ダイはフレーム18内でシャフト14、16にそれぞれ搭載されて同期回転する。図3に、より明瞭に示すように、ダイ10は、シャフト14上にキー結合された雌ダイであり、ダイの周辺に形成された回転方向に等間隔に設けた凹部26の列を横に複数並べた複数列を有する。ダイ12は、シャフト16上にキー結合された雄/雌ダイであり、ダイの周辺に形成された回転方向に等間隔に交互に設けたパンチ24と凹部26からなる列を横に複数並べた複数列を有する。パンチ24はダイ10の凹部20にかみ合い嵌まるように適合されている。各パンチ24は、後で説明するように(図11)、パンチ24とそれに隣接する凹部26との間のパンチ側面に形成された肩28を有する。3列のパンチと凹部の列が示してあるが、パンチと凹部の列数は、穿孔される製品の要求に応じて、1、2またはそれ以上であってもよい。
【0025】
シャフト32に搭載され回転されるダイ30は、シャフト32にキー結合された雄ダイでありフレーム18内でダイ12と同期回転される。雄ダイ30は、回転方向に等間隔に設けたパンチ36からなる列を横に複数並べた複数列を有し、該列のパンチ36はダイ12のパンチ肩28の間の、列の凹部26にかみ合い嵌まるように適合されている。凹部とパンチは等間隔に配置された場合が示してあるが、凹部とパンチは、ダイの周辺まわりの回転方向と、ダイの幅を横切る方向との両方において、最終製品で所望される間隔で配置されてもよい。
【0026】
ダイ10、12、30は、シャフト14、16、32にそれぞれ取り付けられたラッシュ対策したギア33、34、35によって駆動される。
【0027】
ダイ10、12、30の回転中に、ストリップ(細片)38は、ストリップガイド19によってダイ10と12との間に案内され、ダイ12の横列のパンチ24がダイ10の横列のかみ合い凹部20に連続して挿入されることにより、第1のステージにおいて、穿孔される。穿孔廃材40は、図9に示すように、雌ダイ10から放出される。ストリップ38は列をなすパンチ24の間にストリップ38が係合することによって雄/雌ダイ12にキー固定され、ダイ12が回転して、雄/雌ダイ12と雄ダイ30の間にストリップ38aを供給する。ストリップ38aは、第2のステージにおいて、雄ダイ30の列をなすパンチ36が雄/雌ダイ12のかみ合う凹部26に挿入され穿孔廃材42がパンチ肩28間の凹部26に入ることによって、穿孔され、穿孔されたストリップ38bは装置から出ていく。穿孔廃材42はダイ12から放出される(図9)。
【0028】
図4、6、7、11の拡大図を参照すると、雄/雌ダイ12のパンチ24は、ダイが回転する時に、雌ダイ10の対向凹部20に挿入されるように適合されている。同様に、雄ダイ30のパンチ36は、ダイが回転する時に、パンチ24の肩28間の、雄/雌ダイ12の対向凹部26に挿入されるように適合されている。
【0029】
図1、2、9、10は、図9に示す穿孔廃材40、42を跳ねだすための、本発明のカムローラアッセンブリを示している。等間隔に配置された複数の横ローラロッド50は、各端部にキャップ52を有し、雌ダイ10と雄/雌ダイ12のサイドプレート58、60に設けた孔56に弛み嵌合して該孔を挿通しており、ダイ10、12のそれぞれの、対向カム溝路62、64内で案内されて回転移動をする。図9、10に、より明らかに示すように、複数のアンギュラセグメント(環区分体)66がダイ10、12の各々の周辺近傍に形成された環帯にダイ周辺に連続的に装着されており、複数のアンギュラセグメント66の各々はロッド50が嵌合関係で区分体を挿通するようにロッドを受け入れており、ダイ10、12が回転する時にカム溝路62、64の各々内でコントロールされた半径方向移動を行うように適合されている。
【0030】
各アンギュラセグメント66は、環状方向に等間隔に設けられた3つのエジェクタピン(跳ね出しピン)70を有し、エジェクタピンは凹部20に突出している。作動中に、雌ダイ10のアンギュラセグメント66は溝路62の6時の位置62aで半径方向外側に移動されてセグメント66aがパンチ抜き材40を跳ね出す。雄/雌ダイ12のアンギュラセグメント66は溝路64の3時の位置64aで半径方向外側に移動されてセグメント66bがパンチ抜き材を跳ね出す。
【0031】
図8a−8cに移る。図8bは数字44で表された第1のステージの孔を示している。該孔は長さA、幅B+CCを有しており、隣接孔44間にワイヤ(孔と孔との間のワイヤ状部分)幅C1が、孔44間にスペースDが、ある。図8cは数字48で表された第2のステージの孔を示している。該孔は長さA、幅Bを有しており、横方向に隣接孔48間にワイヤ幅C1+CCが、長手方向に孔44と孔48との間にワイヤ幅C2が、ある。ここで、
A=回転方向の孔長さ
B=回転の方向に対して横方向の孔幅
C1とC2=ワイヤ幅
CC=カッタ隙間
D=第1のステージの孔間距離(C2+A+C2)
【0032】
図8bに移る。作動中に、ストリップ38は、ダイ10と12との間の移送中に穿孔された、互いに間隔をもって離れた孔44からなる列を横に複数並べた第1のセットの孔44を有し、パンチ抜き材40は、プロセス方向の長手方向に、長さAと、横幅B+CCを有する。C1はプロセス方向でのワイヤ幅を示す。図8cに示すように、穿孔各列44間の横スペースDは、ダイ12、30間で穿孔され、孔48からなる列を横に複数並べた第2のセットの孔を創出する。各孔48はプロセス方向の長さAと横幅Bを有する。C2は横ワイヤの幅、すなわちプロセス方向に直交するワイヤの幅を示す。
【0033】
グリッド(格子)生産物の正確さと公差は、機械自体の正確さと公差に依存する。素材のインデックシングは、3本のシャフトとそれらのツーリング(道具類)との間のかみ合いと相互作用に依存する。それ故、ギアとシャフトは正確な仕様にしたがって作製されることが必須となる。駆動ギアの不適切なかみ合いによって、ツーリング側に少なすぎる隙間または干渉が生じることがある。鉛や鉛合金のような変形可能な素材を綺麗に剪断切断するには、雄ダイと雌ダイとの間に非常に厳しい公差をもつことが重要である。切断面間の最適隙間は、0.0005から0.004インチの範囲で、望ましくは切断エッジ間で約0.0015インチに、厳しく設定される。もしも剪断エッジが互いに離れ過ぎていると、素材が適正に切れず、部分的に切断された孔が生じるであろう。もしも剪断エッジが互いに近接し過ぎていると、エッジがひっかかって動かなくなり、機械が動かなくなり得る。ツーリングは固くて脆いD2鋼から作製されているので、機械がロックするとツーリングが欠けたり破損し、その結果、コストがかかる修繕やシャットダウンを招く。
【実施例】
【0034】
図1、2、9−11に最も明瞭に示されている試作機が、回転穿孔の作動性を調べるために、作製された。その機械は3列のツーリングを利用したもので、横3列の孔を鉛合金製ストリップに穿孔した。”テスト1”として、純鉛と鉛合金の両方の鋳造かつロール成形品が機械に通された。密集した高公差の孔を100%成功率で穿孔できた。
【0035】
生産された鉛合金グリッドのワイヤ幅は約0.030インチで、ストリップ材の約85%が廃材として除去された。ワイヤ厚さを0.010インチ薄さにしたままで、約96%まで、ストリップ材は廃材として除去されることができる。試験されたストリップ材の厚さは約0.030インチであった。
【0036】
追加試験
7つの更なるテストをその回転穿孔機で実行し、鉛以外の種々の材料で、以下の材料厚さで、0.030インチワイヤ幅を生産するのに、同じ正確さと精密さの運転を実行することができるかを調べた。テスト2は0.007インチと0.015インチのアルミニウム、テスト3は0.010インチの真鍮、テスト4は0.023インチの銅、テスト5は0.012インチと0.025インチの厚紙、テスト6は0.020インチと0.030インチのマイラー、テスト7は0.016インチの鋼、テスト8は0.007インチと0.016インチと0.025インチの亜鉛であった。これらの結果の特性と、鉛ストリップの穿孔から得られた結果の特性との間には変化がなかった。孔は、同じ正確さで、公差あるいはかみ合い品質速度を低下させずに、均一に穿孔された。回転パンチの回転速度を変化させると、精密穿孔機の運転速度を高くすることができた。
【0037】
長手方向に間隔を設けた穿孔の列を横に複数設けた複数の孔をもち、約96%まで材料を除去し、ワイヤ厚さを0.010インチほどに薄くした、0.03インチ厚さの穿孔ストリップは、切断されて、同じ長さをもつバッテリプレートとされる。該プレートは、糊付けされ鉛直方向に積層されて負極プレートとされ、該負極プレートは正極プレートと交互に配置され互いにプレートセパレータで隔離され、蓋付きのプラスチックケースに収められる。負極プレートに形成されたグリッドタブは、金属ヘッダーによって互いに連結されてバッテリ負極とされる。正極プレートに形成されたグリッドタブは、金属ヘッダーによって互いに連結されてバッテリ正極とされる。硫酸溶液がバッテリプレートを浸す量まで加えられ、鉛蓄電池を形成する。
【0038】
本発明は多数の重要な効果を奏する。高公差でかつ狭い間隔をもたせた一連の孔を有する穿孔ストリップを高速生産することが、変形可能なストリップ、とくに鉛、鉛合金ストリップに対して可能になる。正確な公差付与が成功したことは、シャフト16上の雄ダイ12の利用した自己インデックスシステムによると考えられる。雄ダイはストリップ材を穿孔する。ストリップ材はダイ12のパンチ24上に着座して留まり、該ストリップのインデックスシステムとして働く。このようにして、ストリップ材は穿孔孔によって固定され、ストリップ材は、位置の精度を低下させることなく、穿孔されるつぎの孔のために正確に位置出しされる。最大の孔サイズと孔間間隔は実際上制限がなく、顧客の要求にのみよる。孔の形もまた変化してもよく、実質的には幾何学的制限はない。
【0039】
本発明の他の実施例やテスト例は当業者にとって容易に明らかであろう。本発明の範囲は特許請求の範囲で特定される。
本発明の方法および装置が付随の図面を参照して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】3列のパンチおよびエジェクタを示す、本発明の2ステージ、インデックスされた、回転穿孔アッセンブリの透視図である。
【図2】カムロールフォロワとカム溝路を示す、図1のアッセンブリの端部立面図である。
【図3】本発明の回転穿孔アッセンブリの側面図である。
【図4】図3のアッセンブリの拡大側面図である。
【図5】図を簡潔化するためにダイを互いに離して示した、穿孔ダイの関係図である。
【図6】第1のステージの作動におけるダイの穿孔孔の関係を示す、図5からの拡大図である。
【図7】第2のステージの作動におけるダイと穿孔孔の関係を示す、図5からの拡大図である。
【図8a】変形可能なストリップ上での、2ステージ、インデックスされた、回転切断工程図である。
【図8b】変形可能なストリップ上での、2ステージ、インデックスされた、回転切断工程図である。
【図8c】変形可能なストリップ上での、2ステージ、インデックスされた、回転切断工程図である。
【図9】本発明のローラカムアッセンブリの側面図である。
【図10】図9のカムローラの端部を受けるカム溝路の側面図である。
【図11】後退位置にあるカムフォロワエジェクタの拡大図である。
【符号の説明】
【0041】
10 雌ダイ
12 雄/雌ダイ
14、16 シャフト
20 凹部
24 パンチ
26 凹部
28 肩
30 雄ダイ
32 シャフト
33、34、35 ギア
36 パンチ
38、38a、38b ストリップ
40、42 穿孔廃材
50 ローラロッド
56 孔
58、60 サイドプレート
62、64 カム溝路
【技術分野】
【0001】
この発明は、変形可能なストリップ(strip 、細片) に孔をパンチングする方法および装置に関し、とくに、鉛蓄電池の製造に用いられる鉛のグリッドの生産のために、鉛ストリップのような変形可能なストリップに一連の孔を連続的に穿孔する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素材ストリップを穿孔する既存の方法は、低生産速度、パンチ抜き材の跳ね出しが不十分または跳ね出しなし、材料送りの正確さが不十分、孔のサイズおよび間隔公差の誤差、および最終製品の歪みや破壊、を含む問題を招く。従来、変形可能なストリップの回転穿孔には、各シャフトが周方向に分配された均一な雄または雌ツールセットを有する、2または3本のシャフトをもつ回転装置を採用していた。隣接するシャフトは機械的または電気的に同期され、シャフトそれぞれの周辺のツールが相互作用してストリップに連続格子の孔を穿孔していった。
【0003】
数例のツール形状が採用されてきた。より伝統的な穿孔方法は往復動ツールセットを含んでいた。そこでは、雄および雌ダイが、穿孔されるべき素材の1断面をスタンプし、ついで、素材はつぎの穿孔の前に定量送りされなければならなかった。
【0004】
小さな、狭い間隔をもつ孔を穿孔するには、金属、厚紙、およびプラスチック産業からの回転穿孔技術を用いることが試みられた。これらの回転穿孔方法では、穿孔される素材上にまったく遠い間隔をもつ孔が、典型的に、創出され、回転シャフト上に周方向にまったく遠い間隔で設けられた雄/雌ダイを使用することができた。1985年8月13日に許可された米国特許4,534,248および2001年5月17日に公開されたPCT/CA00/01288は、そのような技術を代表している。パンチングはスクラップを生成し、スクラップは何かの動き機構によって雌ダイから除去されまたは跳ね出されなければならない。これらの機構的に動くパーツはサイクリングに耐えるのに十分に強靱でなければならない。しかし、小さい、近接間隔の孔にとっては、如何なる類の、強靱または他の跳ね出し機構のためには、シャフト上には不十分なスペースしかない。かくして、近接した間隔の孔の穿孔には、これらのシステムを提供しおよび適合するのは困難であった。
【0005】
スペースおよび動くパーツの問題に対策するために、孔間距離が増大された多ステージ穿孔が試みられた。そのためには、1セットのツーリング(tooling 、穿孔具)で1セットの孔を穿孔し、ついで穿孔された素材を定量送りして、別のセットのツーリングでもう一つのセットの孔を穿孔することが必要になった。各セットのツーリングは異なるシャフト上にあった。各ツーリングでよりより少ない孔を穿孔すればよくなったため、ダイはより遠く離して位置することができ、シャフト内に、跳ね出し機構のための十分な空間を残すことができた。しかし、孔のサイズと間隔公差をゆるめることなく、穿孔すべき素材を1つのセットのツーリングからつぎに定量送りする問題は、残った。その結果、つぎの孔が第1のセットの孔から適正距離隔たった位置になく公差誤差が蓄積するという問題が頻発した。これは、ジャーナル:シートメタルインダストリーズ、1985、62巻、イシュー2、頁134−135に公表された、ロータリブランキングという題名の論文において、確認されている。その論文の結論において、「数個のツールが周上に搭載されている時にはローラの協働が、なお、解決されなければならない」ことが、記載されている。
【0006】
インデックシング(indexing、位置割り出しし、割り出された位置を維持しながら、定量送りすること)の必要性を除去する努力として、1ステップ穿孔がテストされた。しかし、パンチ抜き材が跳ね出さないばかりでなく、最終製品が雄ダイの間から離脱し難かった。メッシュは雄ダイから強制的に離脱されなければならず、強制的離脱により最終製品が破壊した。また、捕捉された廃材が雌シャフトの孔内に積もり、機構をロックし、ツーリングを破壊した。ドイツ、ミュンヘン工業大学、インスティテュート フォー メタルフォーミング アンド キャスティング(Institue for Metal Forming and Casting, Technisch Universitat Munchen, Germany )によって、1999年1月10日に公表されたロータリブランキング(Rotary Blanking )という題名の論文は、「特別な運動学条件の効果として、剪断されたエッジと幾何学的正確さの品質に関する或る容認がなされなければならない」と述べている。該論文は、また、つぎのように述べている。「多列孔をもつ製品、とくに、供給方向に間隔孔が接近している場合の製品は、高コストで、回転抜きによってのみ製造され得る。一方では、大ローラ径は、ローラの歪みを最小にしワークの品質を向上することが要求される。他方、ローラ径と列の数によって多くなる、パンチの数は、ツールのメンテナンスを高コストにする。したがって、回転抜きは、列数の少ない、かつ、長さ対幅比が大きい形状の、穿孔および抜き孔シートメタル製品の製造に対して、最も効果高く、適用される。」
【0007】
従来の非回転穿孔では、近接間隔の多小孔の穿孔の場合に問題が生じる。成功した方法では、往復動パンチを採用し、該パンチがグリッドの一つの大きな領域を一度にスタンプし、ついで変形可能なストリップを下流に定量送りしてグリンドの他の領域をスタンプする。この領域にわけた方法は、プロセスが連続的な場合と異なり間欠的(ストップアンドゴー)であるため、回転穿孔に比べて、生産速度が制限され、比較的低速である。これらの往復動パンチのプレスは、メタルを穿孔するのに強靱でかつ強力でなければならず、機械の往復動による運動量の定常的変化は騒音、正確さ、振動に関する問題を生じる。パンチ間にストリップを送ると、1つのセットの孔とつぎの孔との間で孔位置が不正確になる。
【0008】
また、鉛ストリップの動きには突発的な動きがあるので、送りは、鉛ストリップから造られるメッシュの生産に下流効果をもつ。これによって鉛メッシユが損なわれることがあるし、メッシュをプロセスの次段階に円滑に組み入れていくことを難しくすることがある。
【0009】
金属産業に適用されてきた回転パンチは、鉛や他の柔らかい金属ほどには塑性的に変形しない、鋼やアルミニウムのような金属の剪断性にしばしば頼る。鋼やアルミニウムを使う時ですら、これらの回転パンチは、しばしば、バリや、綺麗でないギザギザの切断面を生じ、結果、受け入れがたい誤差の蓄積が生じ得る。
【特許文献1】米国特許第4,534,248号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、本発明の主目的は、高い公差を有し近接して間隔をもって配置された孔の列をもつ穿孔されたグリッドを生産するために、変形可能なストリップを高速で連続生産するための方法と装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、均一に穿孔されたグリッドを高速生産するための、自己インデックシングの、2ステージ回転穿孔装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、抜き材を連続的に跳ね出し最終穿孔製品を容易に離脱させる回転穿孔機を提供することにある。本発明の更なる目的は、鉛と鉛合金、アルミニウム、真鍮、銅、鋼および亜鉛のような金属および金属合金、マイラ(Mylar 、登録商標)およびビニルのようなプラスチック、厚紙および類似の変形可能な材料、によって代表される変形可能な素材に、間隔をもつ孔を近接して穿孔する回転穿孔機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の方法および装置は、従来技術の問題を本質的に克服し、抜き材を積極跳ね出ししつつ、高い公差の、近接間隔の一連の孔をもつ穿孔ストリップを連続、高速生産することを可能にする。
【0012】
本発明の望ましい実施例においては、第1の一対の対向する回転ダイ、一つは雌ダイで他は雄/雌ダイが、ダイ間に連続的に供給されるストリップに第1のセットの孔を穿孔し、第2の一対の対向する回転ダイ、一つは雄/雌ダイで他は雄ダイが、ストリップに、第1のセットの孔間に、第2のセットの孔を穿孔する。ストリップは第1および第2のセットの孔の穿孔中、共通の雄/雌ダイの周りに巻きかけられ、2対の対向回転ダイに関してストリップを連続的にインデックスし、高公差の近接間隔孔の生産を可能にする。
【0013】
広義において、本発明の方法は、回転パンチにて変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続穿孔する方法であって、
前記変形可能なストリップを、間隔をおいて複数の凹部が形成された円筒状外面を有する回転雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチと凹部が交互に形成された円筒状外面を有する回転雄/雌ダイとの間に、供給し、回転雄/雌ダイのパンチを雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雌ダイと雄/雌ダイを同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って変形可能なストリップに第1のセットの、間隔をもたせた孔を穿孔し、
前記穿孔された変形可能なストリップを、前記回転雄/雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチが形成された円筒状外面を有する回転雄ダイとの間に、供給し、回転雄ダイのパンチを回転雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雄/雌ダイを雄ダイと同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って、第1のセットの間隔をもたせた孔の間に、該ストリップに第2のセットの孔を穿孔する、方法からなる。
望ましくは、各セットの間隔をもつ孔は、ストリップの長さに沿ってストリップの幅を横切って間隔をもつ複数の孔からなる。孔はストリップに沿う方向および/またはストリップを横切る方向に等間隔であってもよい。それに代えて、孔はストリップに沿う方向および/またはストリップを横切る方向に間隔可変であっってもよいし、あるいは、ストリップの幅方向にたがいに位置がずれていてもよい。
【0014】
本発明の望ましい形態において、本発明の方法は、円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々に、それぞれの円筒状ダイの周辺近傍の環帯(annulus )まわりに連続的に複数のアンギュラセグメント(angular segment )を装着し、各アンギュラセグメントはダイの凹部に半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有しており、
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの所定回転角度でアンギュラセグメントを半径方向外側に動かし、ダイの凹部からパンチ抜き材を跳ね出す、ことを含む。
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々を横切って遊嵌挿通する複数のカムローラが設けられ、各カムローラはアンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイ環帯内で半径方向内方および外方に動かしダイ凹部の中のダイエジェクタピンを半径方向に往復動させるようになっており、
カムローラとそれに追随するアンギュラセグメントをダイの各々の所定回転角度で外方に動かし、それによってアンギュラセグメントのエジェクタピンが所定回転角度で円筒状ダイからパンチ抜き材を跳ね出す。
【0015】
広義において、本発明の装置は、変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に回転穿孔する装置であって、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数の凹部を有しフレーム内に回転可能に搭載された円筒状の雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて交互に形成された複数のパンチと凹部を有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄/雌ダイのパンチが雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄/雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数のパンチを有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄ダイのパンチが雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄ダイと、
を有し、
雄/雌ダイのパンチと雌ダイの対応する凹部とのかみ合い、および、雄ダイのパンチと雄/雌ダイの凹部とのかみ合いが、回転中に、ストリップを、雌ダイ、雄/雌ダイ、雄ダイに関して、インデックスする、装置からなる。
雄/雌ダイ中のパンチの各々は、該パンチの各側面に形成された肩を有し、該肩は、変形可能素材を支持し、雄ダイ中のパンチとかみ合う凹部を形成する。
【0016】
本発明の装置は、変形可能なストリップの回転穿孔中に、雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段をさらに有する。
パンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段は、ダイの周辺近傍にダイ周辺まわりに連続的に形成されダイの回転中にアンギュラセグメントを半径方向に移動させるように形成された環帯内に搭載された複数のアンギュラセグメントを有し、各アンギュラセグメントは、ダイの凹部内で半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピン、望ましくは3つのエジェクタピンを有し、半径方向外側へのピンの移動によって凹部からパンチ抜き材を跳ね出す。
【0017】
各ダイは、間隔をもって配置された複数のカムローラと、ダイの各側でフレームに設けられた対向する静止の一対のカム溝路を有し、
該カムローラはダイ周辺近傍の環帯内でダイを遊嵌挿通しており、各カムローラは、アンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイの中で半径方向内側および外側に動かし、
一対のカム溝路は、カムローラの両端を受けて、カムが回転する時に、カムローラを半径方向内側と外側に動かす。
【0018】
本発明の装置の望ましい形態において、円筒状雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって設けられた複数の凹部を有しており、
前記円筒状雄/雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって交互に設けられた複数のパンチと凹部を有しており、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイのパンチは、雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっており、
前記円筒状雄ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって複数のパンチを有しており、雄ダイのパンチは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっている。
雌ダイ上に形成された間隔をもって配置された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに等間隔であってもよいし、ダイを横切って横方向に位置を合わせられるとともに等間隔であってもよいし、またはダイの周辺まわりに等間隔でかつダイを横切る方向に位置ずれしていてもよい。
それに代えて、雌ダイ上に形成された間隔をもつ凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに間隔可変であってもよいし、ダイを横切って間隔可変で横方向に位置合わせされていてもよいし、ダイの周辺まわりに間隔可変でダイを横切って横方向に位置合わせされていてもよいし、あるいは、ダイの周辺まわりに間隔可変でダイを横切って位置ずれされていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
ストリップの連続インデックシングは雄/雌ダイをもつ第2のシャフトに帰すことができる。雄/雌ダイはグリッド生産を通して3つの役割を果たす。
第1は、雄ダイとして機能し、間隔をもって離れた孔の第1の列を、第1のシャフトに対して、ストリップに穿孔する。第1のシャフトは雌ダイとして働く。
第2は、該雄ダイは雄ダイを用いて素材を進め、インデックスする。雄ダイは第1のステップで穿孔された列孔内に位置している。
第3は、第2のシャフトが雌ダイとして働き、第3のシャフト上の他のツールセットが、第1の列孔間のスペースに第2のセットの列孔を正しく穿孔することを許す。その結果が、変形可能な素材から構成された連続グリッド内に穿孔された、連続的な一連の、正確に穿孔された狭い間隔の孔である。
【0020】
本発明の回転穿孔装置は、近接間隔孔を穿孔する間に、回転している穿孔機内の雌ダイから抜き材を跳ね出す能力を有する。本発明の抜き材跳ね出し機構により、ダイシャフト内に複雑な可動部品を設ける必要性がなくなり、回転と同期しなければならない機構や強靱で莫大なサイクルに耐えることができる部品の必要性がなくなる。
【0021】
実用跳ね出し機構は、グループ化しなければ多数の小さい近接間隔の可動部品を、より大きなユニット内の実用的な機構配置にグループ化することによって達成された。跳ね出し部品のこのグループ化、すなわち、3つの跳ね出し部品を1つにまとめたことは、孔が非常に近接した間隔(0.030インチ)であけられているにかかわらず、抜き材の積極的跳ね出しを可能にした。
【0022】
説明は鉛と鉛合金の変形可能なストリップの穿孔を参照した例で進められるであろうが、「変形可能なストリップ」という用語は鉛、鉛合金、アルミニウム、真鍮、銅、鋼および亜鉛のような金属および金属合金、マイラ(Mylar 、登録商標)およびビニルのようなプラスチックストリップ、厚紙、および本発明の方法に従って処理され得る類似の変形可能な材料を含むと理解されるであろう。
【0023】
蓄電池プレートを製造するための一連の近接間隔孔を有する平面状ストリップが、本発明の方法によって生産され得る。そこでは、ストリップは、約0.03インチの厚さを有し、長手方向に間隔をもった孔の列を横に並べた、所望のサイズと形状の複数のパンチ抜き孔を有し、約96%までのストリップ材料が除去され、残されたワイヤ厚さが0.010インチもの薄さをもつ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
まず、図1−8および図11を参照すると、本発明の装置は第1の一対の対向するダイ10、12を有し、該ダイはフレーム18内でシャフト14、16にそれぞれ搭載されて同期回転する。図3に、より明瞭に示すように、ダイ10は、シャフト14上にキー結合された雌ダイであり、ダイの周辺に形成された回転方向に等間隔に設けた凹部26の列を横に複数並べた複数列を有する。ダイ12は、シャフト16上にキー結合された雄/雌ダイであり、ダイの周辺に形成された回転方向に等間隔に交互に設けたパンチ24と凹部26からなる列を横に複数並べた複数列を有する。パンチ24はダイ10の凹部20にかみ合い嵌まるように適合されている。各パンチ24は、後で説明するように(図11)、パンチ24とそれに隣接する凹部26との間のパンチ側面に形成された肩28を有する。3列のパンチと凹部の列が示してあるが、パンチと凹部の列数は、穿孔される製品の要求に応じて、1、2またはそれ以上であってもよい。
【0025】
シャフト32に搭載され回転されるダイ30は、シャフト32にキー結合された雄ダイでありフレーム18内でダイ12と同期回転される。雄ダイ30は、回転方向に等間隔に設けたパンチ36からなる列を横に複数並べた複数列を有し、該列のパンチ36はダイ12のパンチ肩28の間の、列の凹部26にかみ合い嵌まるように適合されている。凹部とパンチは等間隔に配置された場合が示してあるが、凹部とパンチは、ダイの周辺まわりの回転方向と、ダイの幅を横切る方向との両方において、最終製品で所望される間隔で配置されてもよい。
【0026】
ダイ10、12、30は、シャフト14、16、32にそれぞれ取り付けられたラッシュ対策したギア33、34、35によって駆動される。
【0027】
ダイ10、12、30の回転中に、ストリップ(細片)38は、ストリップガイド19によってダイ10と12との間に案内され、ダイ12の横列のパンチ24がダイ10の横列のかみ合い凹部20に連続して挿入されることにより、第1のステージにおいて、穿孔される。穿孔廃材40は、図9に示すように、雌ダイ10から放出される。ストリップ38は列をなすパンチ24の間にストリップ38が係合することによって雄/雌ダイ12にキー固定され、ダイ12が回転して、雄/雌ダイ12と雄ダイ30の間にストリップ38aを供給する。ストリップ38aは、第2のステージにおいて、雄ダイ30の列をなすパンチ36が雄/雌ダイ12のかみ合う凹部26に挿入され穿孔廃材42がパンチ肩28間の凹部26に入ることによって、穿孔され、穿孔されたストリップ38bは装置から出ていく。穿孔廃材42はダイ12から放出される(図9)。
【0028】
図4、6、7、11の拡大図を参照すると、雄/雌ダイ12のパンチ24は、ダイが回転する時に、雌ダイ10の対向凹部20に挿入されるように適合されている。同様に、雄ダイ30のパンチ36は、ダイが回転する時に、パンチ24の肩28間の、雄/雌ダイ12の対向凹部26に挿入されるように適合されている。
【0029】
図1、2、9、10は、図9に示す穿孔廃材40、42を跳ねだすための、本発明のカムローラアッセンブリを示している。等間隔に配置された複数の横ローラロッド50は、各端部にキャップ52を有し、雌ダイ10と雄/雌ダイ12のサイドプレート58、60に設けた孔56に弛み嵌合して該孔を挿通しており、ダイ10、12のそれぞれの、対向カム溝路62、64内で案内されて回転移動をする。図9、10に、より明らかに示すように、複数のアンギュラセグメント(環区分体)66がダイ10、12の各々の周辺近傍に形成された環帯にダイ周辺に連続的に装着されており、複数のアンギュラセグメント66の各々はロッド50が嵌合関係で区分体を挿通するようにロッドを受け入れており、ダイ10、12が回転する時にカム溝路62、64の各々内でコントロールされた半径方向移動を行うように適合されている。
【0030】
各アンギュラセグメント66は、環状方向に等間隔に設けられた3つのエジェクタピン(跳ね出しピン)70を有し、エジェクタピンは凹部20に突出している。作動中に、雌ダイ10のアンギュラセグメント66は溝路62の6時の位置62aで半径方向外側に移動されてセグメント66aがパンチ抜き材40を跳ね出す。雄/雌ダイ12のアンギュラセグメント66は溝路64の3時の位置64aで半径方向外側に移動されてセグメント66bがパンチ抜き材を跳ね出す。
【0031】
図8a−8cに移る。図8bは数字44で表された第1のステージの孔を示している。該孔は長さA、幅B+CCを有しており、隣接孔44間にワイヤ(孔と孔との間のワイヤ状部分)幅C1が、孔44間にスペースDが、ある。図8cは数字48で表された第2のステージの孔を示している。該孔は長さA、幅Bを有しており、横方向に隣接孔48間にワイヤ幅C1+CCが、長手方向に孔44と孔48との間にワイヤ幅C2が、ある。ここで、
A=回転方向の孔長さ
B=回転の方向に対して横方向の孔幅
C1とC2=ワイヤ幅
CC=カッタ隙間
D=第1のステージの孔間距離(C2+A+C2)
【0032】
図8bに移る。作動中に、ストリップ38は、ダイ10と12との間の移送中に穿孔された、互いに間隔をもって離れた孔44からなる列を横に複数並べた第1のセットの孔44を有し、パンチ抜き材40は、プロセス方向の長手方向に、長さAと、横幅B+CCを有する。C1はプロセス方向でのワイヤ幅を示す。図8cに示すように、穿孔各列44間の横スペースDは、ダイ12、30間で穿孔され、孔48からなる列を横に複数並べた第2のセットの孔を創出する。各孔48はプロセス方向の長さAと横幅Bを有する。C2は横ワイヤの幅、すなわちプロセス方向に直交するワイヤの幅を示す。
【0033】
グリッド(格子)生産物の正確さと公差は、機械自体の正確さと公差に依存する。素材のインデックシングは、3本のシャフトとそれらのツーリング(道具類)との間のかみ合いと相互作用に依存する。それ故、ギアとシャフトは正確な仕様にしたがって作製されることが必須となる。駆動ギアの不適切なかみ合いによって、ツーリング側に少なすぎる隙間または干渉が生じることがある。鉛や鉛合金のような変形可能な素材を綺麗に剪断切断するには、雄ダイと雌ダイとの間に非常に厳しい公差をもつことが重要である。切断面間の最適隙間は、0.0005から0.004インチの範囲で、望ましくは切断エッジ間で約0.0015インチに、厳しく設定される。もしも剪断エッジが互いに離れ過ぎていると、素材が適正に切れず、部分的に切断された孔が生じるであろう。もしも剪断エッジが互いに近接し過ぎていると、エッジがひっかかって動かなくなり、機械が動かなくなり得る。ツーリングは固くて脆いD2鋼から作製されているので、機械がロックするとツーリングが欠けたり破損し、その結果、コストがかかる修繕やシャットダウンを招く。
【実施例】
【0034】
図1、2、9−11に最も明瞭に示されている試作機が、回転穿孔の作動性を調べるために、作製された。その機械は3列のツーリングを利用したもので、横3列の孔を鉛合金製ストリップに穿孔した。”テスト1”として、純鉛と鉛合金の両方の鋳造かつロール成形品が機械に通された。密集した高公差の孔を100%成功率で穿孔できた。
【0035】
生産された鉛合金グリッドのワイヤ幅は約0.030インチで、ストリップ材の約85%が廃材として除去された。ワイヤ厚さを0.010インチ薄さにしたままで、約96%まで、ストリップ材は廃材として除去されることができる。試験されたストリップ材の厚さは約0.030インチであった。
【0036】
追加試験
7つの更なるテストをその回転穿孔機で実行し、鉛以外の種々の材料で、以下の材料厚さで、0.030インチワイヤ幅を生産するのに、同じ正確さと精密さの運転を実行することができるかを調べた。テスト2は0.007インチと0.015インチのアルミニウム、テスト3は0.010インチの真鍮、テスト4は0.023インチの銅、テスト5は0.012インチと0.025インチの厚紙、テスト6は0.020インチと0.030インチのマイラー、テスト7は0.016インチの鋼、テスト8は0.007インチと0.016インチと0.025インチの亜鉛であった。これらの結果の特性と、鉛ストリップの穿孔から得られた結果の特性との間には変化がなかった。孔は、同じ正確さで、公差あるいはかみ合い品質速度を低下させずに、均一に穿孔された。回転パンチの回転速度を変化させると、精密穿孔機の運転速度を高くすることができた。
【0037】
長手方向に間隔を設けた穿孔の列を横に複数設けた複数の孔をもち、約96%まで材料を除去し、ワイヤ厚さを0.010インチほどに薄くした、0.03インチ厚さの穿孔ストリップは、切断されて、同じ長さをもつバッテリプレートとされる。該プレートは、糊付けされ鉛直方向に積層されて負極プレートとされ、該負極プレートは正極プレートと交互に配置され互いにプレートセパレータで隔離され、蓋付きのプラスチックケースに収められる。負極プレートに形成されたグリッドタブは、金属ヘッダーによって互いに連結されてバッテリ負極とされる。正極プレートに形成されたグリッドタブは、金属ヘッダーによって互いに連結されてバッテリ正極とされる。硫酸溶液がバッテリプレートを浸す量まで加えられ、鉛蓄電池を形成する。
【0038】
本発明は多数の重要な効果を奏する。高公差でかつ狭い間隔をもたせた一連の孔を有する穿孔ストリップを高速生産することが、変形可能なストリップ、とくに鉛、鉛合金ストリップに対して可能になる。正確な公差付与が成功したことは、シャフト16上の雄ダイ12の利用した自己インデックスシステムによると考えられる。雄ダイはストリップ材を穿孔する。ストリップ材はダイ12のパンチ24上に着座して留まり、該ストリップのインデックスシステムとして働く。このようにして、ストリップ材は穿孔孔によって固定され、ストリップ材は、位置の精度を低下させることなく、穿孔されるつぎの孔のために正確に位置出しされる。最大の孔サイズと孔間間隔は実際上制限がなく、顧客の要求にのみよる。孔の形もまた変化してもよく、実質的には幾何学的制限はない。
【0039】
本発明の他の実施例やテスト例は当業者にとって容易に明らかであろう。本発明の範囲は特許請求の範囲で特定される。
本発明の方法および装置が付随の図面を参照して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】3列のパンチおよびエジェクタを示す、本発明の2ステージ、インデックスされた、回転穿孔アッセンブリの透視図である。
【図2】カムロールフォロワとカム溝路を示す、図1のアッセンブリの端部立面図である。
【図3】本発明の回転穿孔アッセンブリの側面図である。
【図4】図3のアッセンブリの拡大側面図である。
【図5】図を簡潔化するためにダイを互いに離して示した、穿孔ダイの関係図である。
【図6】第1のステージの作動におけるダイの穿孔孔の関係を示す、図5からの拡大図である。
【図7】第2のステージの作動におけるダイと穿孔孔の関係を示す、図5からの拡大図である。
【図8a】変形可能なストリップ上での、2ステージ、インデックスされた、回転切断工程図である。
【図8b】変形可能なストリップ上での、2ステージ、インデックスされた、回転切断工程図である。
【図8c】変形可能なストリップ上での、2ステージ、インデックスされた、回転切断工程図である。
【図9】本発明のローラカムアッセンブリの側面図である。
【図10】図9のカムローラの端部を受けるカム溝路の側面図である。
【図11】後退位置にあるカムフォロワエジェクタの拡大図である。
【符号の説明】
【0041】
10 雌ダイ
12 雄/雌ダイ
14、16 シャフト
20 凹部
24 パンチ
26 凹部
28 肩
30 雄ダイ
32 シャフト
33、34、35 ギア
36 パンチ
38、38a、38b ストリップ
40、42 穿孔廃材
50 ローラロッド
56 孔
58、60 サイドプレート
62、64 カム溝路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転パンチにて変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に穿孔する方法であって、
前記変形可能なストリップを、間隔をおいて複数の凹部が形成された円筒状外面を有する回転雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチと凹部が交互に形成された円筒状外面を有する回転雄/雌ダイとの間に、供給し、回転雄/雌ダイのパンチを雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雌ダイと雄/雌ダイを同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って変形可能なストリップに第1のセットの、間隔をもたせた孔を穿孔し、
前記穿孔された変形可能なストリップを、前記雄/雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチが形成された円筒状外面を有する回転雄ダイとの間に、供給し、回転雄ダイのパンチを雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雄/雌ダイを雄ダイと同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って、第1のセットの間隔をもたせた孔の間に、該ストリップに第2のセットの孔を穿孔する、方法。
【請求項2】
雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す、請求項1記載の方法。
【請求項3】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ストリップに沿っておよび/またはストリップを横切る方向に間隔可変であり、あるいはストリップを横切る方向にジグザグ配置されている、請求項2記載の方法。
【請求項4】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、等間隔に配置されている、請求項2記載の方法。
【請求項5】
回転パンチにて変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に穿孔する方法であって、
前記変形可能なストリップを、間隔をおいて複数の凹部が形成された円筒状外面を有する回転雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチと凹部が交互に形成された円筒状外面を有する回転雄/雌ダイとの間に、供給し、回転雄/雌ダイのパンチを雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雌ダイと雄/雌ダイを同時に回転させ、変形可能なストリップに沿ってストリップを横切る方向に、変形可能なストリップに第1のセットの、間隔をもたせた孔を穿孔し、
前記穿孔された変形可能なストリップを、前記雄/雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチが形成された円筒状外面を有する回転雄ダイとの間に、供給し、回転雄ダイのパンチを雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雄/雌ダイを雄ダイと同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って、第1のセットの間隔をもたせた孔の間に、変形可能なストリップの横方向に、該ストリップに第2のセットの孔を穿孔する、方法。
【請求項6】
雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す、請求項5記載の方法。
【請求項7】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ストリップに沿っておよび/またはストリップを横切る方向に間隔可変であり、あるいはストリップを横切る方向にジグザグ配置されている、請求項6記載の方法。
【請求項8】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、等間隔に配置されている、請求項5記載の方法。
【請求項9】
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々に、それぞれの円筒状ダイの周辺近傍の環帯まわりに連続的に複数のアンギュラセグメントを装着し、各アンギュラセグメントはダイの凹部に半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有しており、
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの所定回転角度でアンギュラセグメントを半径方向外側に動かし、ダイの凹部からパンチ抜き材を跳ね出す、請求項5記載の方法。
【請求項10】
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々を横切って遊嵌挿通する複数のカムローラを設け、各カムローラはアンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイ環帯内で半径方向内方および外方に動かしダイ凹部の中のダイエジェクタピンを半径方向に往復動させるようになっており、
カムローラとそれに追随するアンギュラセグメントをダイの各々の所定回転角度で外方に動かし、それによってアンギュラセグメントのエジェクタピンが所定回転角度で円筒状ダイからパンチ抜き材を跳ね出す、請求項9記載の方法。
【請求項11】
カムローラの両端を各円筒状ダイの各側に形成された対向する静止カム溝路内に挿入し、ダイが回転する時にカムローラを半径方向に内側および外側に制御し動かすようにする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ストリップに沿っておよび/またはストリップを横切る方向に間隔可変であり、あるいはストリップを横切る方向にジグザグ配置されている、請求項11記載の方法。
【請求項13】
回転雌ダイ上および回転雄/雌ダイ上に形成された凹部は、等間隔に配置されている、請求項11記載の方法。
【請求項14】
変形可能なストリップは鉛、鉛合金、アルミニウム、真鍮、銅、鋼、亜鉛、プラチック、ビニル、および厚紙から構成されたストリップグループから選択されている、請求項9記載の方法。
【請求項15】
変形可能なストリップは鉛、鉛合金である、請求項9記載の方法。
【請求項16】
請求項15の方法によって生産された、蓄電池プレートを製造するための、狭い間隔をもたせた一連の孔を有する変形可能なストリップであって、該ストリップが長手方向に間隔をおいて設けられた穿孔の列を横に複数ならべた穿孔を有し、約96%の材料が除去され、残されたワイヤの厚さが0.010インチの薄さをもつ、変形可能なストリップ。
【請求項17】
請求項16の、方法によって生産されたストリップからの蓄電池プレートを有する鉛蓄電池であって、ストリップが、複数の長手方向に間隔をもつ孔の列を横に複数並べた穿孔を有し、約96%の材料が除去され、残されたワイヤの厚さが0.010インチの薄さをもつ、鉛蓄電池。
【請求項18】
変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に回転穿孔する装置であって、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数の凹部を有しフレーム内に回転可能に搭載された円筒状の雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて交互に形成された複数のパンチと凹部を有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄/雌ダイのパンチが雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄/雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数のパンチを有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄ダイのパンチが雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄ダイと、
を有し、
雄/雌ダイのパンチと雌ダイの対応する凹部とのかみ合い、および、雄ダイのパンチと雄/雌ダイの凹部とのかみ合いが、回転中に、ストリップを、雌ダイ、雄/雌ダイ、雄ダイに関して、インデックスする、装置。
【請求項19】
変形可能なストリップの回転穿孔中に、雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段をさらに有する、請求項18記載の装置。
【請求項20】
雄/雌ダイ中のパンチの各々は、該パンチの各側面に形成された肩を有し、該肩は、変形可能素材を支持し、雄ダイ中のパンチとかみ合う凹部を形成する、請求項19記載の装置。
【請求項21】
パンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段は、ダイの周辺近傍にダイ周辺まわりに連続的に形成されダイの回転中にアンギュラセグメントを半径方向に移動させるように形成された環帯内に搭載された複数のアンギュラセグメントを有し、各アンギュラセグメントは、ダイの凹部内で半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有し、半径方向外側へのピンの移動によって凹部からパンチ抜き材を跳ね出す、請求項20記載の装置。
【請求項22】
各ダイは、間隔をもって配置された複数のカムローラと、ダイの各側でフレームに設けられた対向する静止の一対のカム溝路を有し、
該カムローラはダイ周辺近傍の環帯内でダイを遊嵌挿通しており、各カムローラは、アンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイの中で半径方向内側および外側に動かし、
一対のカム溝路は、カムローラの両端を受けて、カムが回転する時に、カムローラを半径方向内側と外側に動かす、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記円筒状雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって設けられた複数の凹部を有しており、
前記円筒状雄/雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって交互に設けられた複数のパンチと凹部を有しており、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイのパンチは、雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっており、
前記円筒状雄ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって設けられた複数のパンチを有しており、雄ダイのパンチは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっている、請求項20記載の装置。
【請求項24】
雌ダイ上に形成された間隔をもって配置された凹部、雄/雌ダイと雄ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに、間隔可変である、請求項23記載の装置。
【請求項25】
雌ダイ上に形成された間隔をもって配置された凹部、雄/雌ダイと雄ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに、等間隔である、請求項23記載の装置。
【請求項26】
雌ダイに形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成されたパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイを横切って、間隔可変であり横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項27】
雌ダイに形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成されたパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイを横切って、等間隔であり横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項28】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイの周辺まわりに間隔可変であり、かつ、ダイを横切って横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項29】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの周辺まわりに等間隔であり、かつ、ダイを横切って横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項30】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイの周辺まわりに間隔可変であり、かつ、ダイを横切る方向に位置ずれしている、請求項23記載の装置。
【請求項31】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの周辺まわりに等間隔であり、かつ、ダイを横切る方向に位置ずれしている、請求項23記載の装置。
【請求項1】
回転パンチにて変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に穿孔する方法であって、
前記変形可能なストリップを、間隔をおいて複数の凹部が形成された円筒状外面を有する回転雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチと凹部が交互に形成された円筒状外面を有する回転雄/雌ダイとの間に、供給し、回転雄/雌ダイのパンチを雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雌ダイと雄/雌ダイを同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って変形可能なストリップに第1のセットの、間隔をもたせた孔を穿孔し、
前記穿孔された変形可能なストリップを、前記雄/雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチが形成された円筒状外面を有する回転雄ダイとの間に、供給し、回転雄ダイのパンチを雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雄/雌ダイを雄ダイと同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って、第1のセットの間隔をもたせた孔の間に、該ストリップに第2のセットの孔を穿孔する、方法。
【請求項2】
雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す、請求項1記載の方法。
【請求項3】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ストリップに沿っておよび/またはストリップを横切る方向に間隔可変であり、あるいはストリップを横切る方向にジグザグ配置されている、請求項2記載の方法。
【請求項4】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、等間隔に配置されている、請求項2記載の方法。
【請求項5】
回転パンチにて変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に穿孔する方法であって、
前記変形可能なストリップを、間隔をおいて複数の凹部が形成された円筒状外面を有する回転雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチと凹部が交互に形成された円筒状外面を有する回転雄/雌ダイとの間に、供給し、回転雄/雌ダイのパンチを雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雌ダイと雄/雌ダイを同時に回転させ、変形可能なストリップに沿ってストリップを横切る方向に、変形可能なストリップに第1のセットの、間隔をもたせた孔を穿孔し、
前記穿孔された変形可能なストリップを、前記雄/雌ダイと、間隔をおいて複数のパンチが形成された円筒状外面を有する回転雄ダイとの間に、供給し、回転雄ダイのパンチを雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わせ、
前記雄/雌ダイを雄ダイと同時に回転させ、変形可能なストリップに沿って、第1のセットの間隔をもたせた孔の間に、変形可能なストリップの横方向に、該ストリップに第2のセットの孔を穿孔する、方法。
【請求項6】
雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す、請求項5記載の方法。
【請求項7】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ストリップに沿っておよび/またはストリップを横切る方向に間隔可変であり、あるいはストリップを横切る方向にジグザグ配置されている、請求項6記載の方法。
【請求項8】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、等間隔に配置されている、請求項5記載の方法。
【請求項9】
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々に、それぞれの円筒状ダイの周辺近傍の環帯まわりに連続的に複数のアンギュラセグメントを装着し、各アンギュラセグメントはダイの凹部に半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有しており、
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの所定回転角度でアンギュラセグメントを半径方向外側に動かし、ダイの凹部からパンチ抜き材を跳ね出す、請求項5記載の方法。
【請求項10】
円筒状雌ダイと円筒状雄/雌ダイの各々を横切って遊嵌挿通する複数のカムローラを設け、各カムローラはアンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイ環帯内で半径方向内方および外方に動かしダイ凹部の中のダイエジェクタピンを半径方向に往復動させるようになっており、
カムローラとそれに追随するアンギュラセグメントをダイの各々の所定回転角度で外方に動かし、それによってアンギュラセグメントのエジェクタピンが所定回転角度で円筒状ダイからパンチ抜き材を跳ね出す、請求項9記載の方法。
【請求項11】
カムローラの両端を各円筒状ダイの各側に形成された対向する静止カム溝路内に挿入し、ダイが回転する時にカムローラを半径方向に内側および外側に制御し動かすようにする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
回転雌ダイ上に形成された凹部、回転雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ストリップに沿っておよび/またはストリップを横切る方向に間隔可変であり、あるいはストリップを横切る方向にジグザグ配置されている、請求項11記載の方法。
【請求項13】
回転雌ダイ上および回転雄/雌ダイ上に形成された凹部は、等間隔に配置されている、請求項11記載の方法。
【請求項14】
変形可能なストリップは鉛、鉛合金、アルミニウム、真鍮、銅、鋼、亜鉛、プラチック、ビニル、および厚紙から構成されたストリップグループから選択されている、請求項9記載の方法。
【請求項15】
変形可能なストリップは鉛、鉛合金である、請求項9記載の方法。
【請求項16】
請求項15の方法によって生産された、蓄電池プレートを製造するための、狭い間隔をもたせた一連の孔を有する変形可能なストリップであって、該ストリップが長手方向に間隔をおいて設けられた穿孔の列を横に複数ならべた穿孔を有し、約96%の材料が除去され、残されたワイヤの厚さが0.010インチの薄さをもつ、変形可能なストリップ。
【請求項17】
請求項16の、方法によって生産されたストリップからの蓄電池プレートを有する鉛蓄電池であって、ストリップが、複数の長手方向に間隔をもつ孔の列を横に複数並べた穿孔を有し、約96%の材料が除去され、残されたワイヤの厚さが0.010インチの薄さをもつ、鉛蓄電池。
【請求項18】
変形可能なストリップに一連の狭い間隔をもたせた孔を連続的に回転穿孔する装置であって、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数の凹部を有しフレーム内に回転可能に搭載された円筒状の雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて交互に形成された複数のパンチと凹部を有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄/雌ダイのパンチが雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄/雌ダイと、
周辺まわりに間隔をおいて形成された複数のパンチを有し、前記フレーム内に回転可能に、該雄ダイのパンチが雄/雌ダイの対応する凹部とかみ合わうように、搭載された円筒状の雄ダイと、
を有し、
雄/雌ダイのパンチと雌ダイの対応する凹部とのかみ合い、および、雄ダイのパンチと雄/雌ダイの凹部とのかみ合いが、回転中に、ストリップを、雌ダイ、雄/雌ダイ、雄ダイに関して、インデックスする、装置。
【請求項19】
変形可能なストリップの回転穿孔中に、雌ダイと雄/雌ダイからパンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段をさらに有する、請求項18記載の装置。
【請求項20】
雄/雌ダイ中のパンチの各々は、該パンチの各側面に形成された肩を有し、該肩は、変形可能素材を支持し、雄ダイ中のパンチとかみ合う凹部を形成する、請求項19記載の装置。
【請求項21】
パンチ抜き材を連続的に跳ね出す手段は、ダイの周辺近傍にダイ周辺まわりに連続的に形成されダイの回転中にアンギュラセグメントを半径方向に移動させるように形成された環帯内に搭載された複数のアンギュラセグメントを有し、各アンギュラセグメントは、ダイの凹部内で半径方向に往復動する少なくとも1つのエジェクタピンを有し、半径方向外側へのピンの移動によって凹部からパンチ抜き材を跳ね出す、請求項20記載の装置。
【請求項22】
各ダイは、間隔をもって配置された複数のカムローラと、ダイの各側でフレームに設けられた対向する静止の一対のカム溝路を有し、
該カムローラはダイ周辺近傍の環帯内でダイを遊嵌挿通しており、各カムローラは、アンギュラセグメントを挿通して該アンギュラセグメントをダイの中で半径方向内側および外側に動かし、
一対のカム溝路は、カムローラの両端を受けて、カムが回転する時に、カムローラを半径方向内側と外側に動かす、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記円筒状雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって設けられた複数の凹部を有しており、
前記円筒状雄/雌ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって交互に設けられた複数のパンチと凹部を有しており、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイのパンチは、雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっており、
前記円筒状雄ダイは側面を対向させて組み合わせられた複数のディスクを有し、各ディスクは、雄ダイを横切って横方向に位置合わせされた、ディスク周辺に形成された、間隔をもって設けられた複数のパンチを有しており、雄ダイのパンチは、雄/雌ダイを横切って横方向に位置合わせされた雄/雌ダイの対応する凹部にかみ合うようになっている、請求項20記載の装置。
【請求項24】
雌ダイ上に形成された間隔をもって配置された凹部、雄/雌ダイと雄ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに、間隔可変である、請求項23記載の装置。
【請求項25】
雌ダイ上に形成された間隔をもって配置された凹部、雄/雌ダイと雄ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの各々の周辺まわりに、等間隔である、請求項23記載の装置。
【請求項26】
雌ダイに形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成されたパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイを横切って、間隔可変であり横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項27】
雌ダイに形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成されたパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイを横切って、等間隔であり横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項28】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイの周辺まわりに間隔可変であり、かつ、ダイを横切って横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項29】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの周辺まわりに等間隔であり、かつ、ダイを横切って横方向に位置合わせされている、請求項23記載の装置。
【請求項30】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、ダイの周辺まわりに間隔可変であり、かつ、ダイを横切る方向に位置ずれしている、請求項23記載の装置。
【請求項31】
雌ダイに間隔をもって形成された凹部、雄/雌ダイ上に形成された交互配置のパンチと凹部、および雄ダイ上に形成されたパンチは、前記ダイの周辺まわりに等間隔であり、かつ、ダイを横切る方向に位置ずれしている、請求項23記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−529324(P2007−529324A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503157(P2007−503157)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000231
【国際公開番号】WO2005/087454
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(503308564)テック コミンコ メタルズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000231
【国際公開番号】WO2005/087454
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(503308564)テック コミンコ メタルズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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