説明

連続鋼板ウエブ橋および連続鋼板ウエブ橋の施工方法

【課題】本発明は、高架道路または橋の建設に使用される鋼コンクリート複合桁からなる連続鋼板ウエブ橋および連続鋼板ウエブ橋の施工方法に関するものである。
【解決手段】本発明の連続鋼板ウエブ橋は、コンクリート上フランジとコンクリート下フランジとの間を鋼板ウエブにより接続された鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設するものである。橋脚上に設けられた横桁は、前記プレキャスト単純桁の前後左右の桁どうしを連続化する現場打ちコンクリートからなる。前記現場打ちコンクリートは、前記横桁の前後左右方向に緊張ケーブルによってプレストレスが導入される。前記構成の連続鋼板ウエブ橋は、連続しているとともに、予測される曲げモーメントに対して、予め前後左右方向から緊張ケーブルにより、プレストレスを与えることで合理的な設計ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架道路または橋の建設に使用される連続化された鋼コンクリート複合桁から構成された連続鋼板ウエブ橋および連続鋼板ウエブ橋の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許第2667129号公報に記載されている鋼コンクリート複合桁は、上フランジおよび下フランジがプレキャストコンクリートからなり、前記上フランジおよび下フランジの間に腹板が設けられている。前記鋼コンクリート複合桁は、近傍の現場または工場で作製される。前記複数の鋼コンクリート複合桁の上部には、鉄筋コンクリート床版が現場打ちで設けられる。前記鉄筋コンクリート床版は、前記鋼コンクリート複合桁と一体にするために、型枠および支保工が設けられ、前記型枠内に鉄筋を敷設した後、コンクリートが打設される。特開2002−302909号公報に記載されている連続桁橋梁は、橋桁の真上に予め床版を設置し、前記床版に荷重を加えて、連続桁に曲げモーメントを発生させ、その後、残りの箇所に床版を設置し、前記橋脚の真上に設置した床版にストレスを導入している。
【0003】
図6は従来例における単純桁からなる高架道路または橋を説明するための図である。図6において、単純桁は、橋脚611、612、613の上に支承621、622、623、624を介して、コンクリートからなる下フランジ631、632が架設されている。前記下フランジ631、632は、鋼板ウエブ641、642を介して上フランジ651、652が取り付けられている。前記上フランジ651と上フランジ652の間には、伸縮装置662が設けられている。
【特許文献1】特許第2667129号公報
【特許文献2】特開2002−302909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記工場で作製された鋼コンクリート複合桁は、運搬または架設に当たり、輸送費、あるいは、長さと重量に制約がある。また、前記鋼コンクリート複合桁は、近傍の現場で作製されたとしても、重機の使用、あるいは、高所作業のため、作業性が悪いという問題があった。従来の鋼コンクリート複合桁は、高所作業の改善、あるいは、そのための形状や施工方法が工夫されてきた。また、前記従来の連続桁は、コンクリート床版にプレストレスを導入する必要であった。
【0005】
前記図6における従来の単純桁は、上フランジ651、652および下フランジ631、632の間に間隙があったため、免震構造として問題があった。また、前記間隙には、伸縮装置662が取り付けられているため、車両の走行性能を悪くするだけでなく、騒音の原因となっていた。
【0006】
以上のような課題を解決するために、本発明は、橋脚上の間詰コンクリートにケーブルでプレストレスを導入することができるため、安価でしかも作業が容易である連続鋼板ウエブ橋および連続鋼板ウエブ橋の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明)
第1発明の連続鋼板ウエブ橋は、ウエブが鋼板で、上下フランジがコンクリートからなる鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設する鋼コンクリート複合桁からなるものであり、前記橋脚上にコンクリートからなる上下フランジ間を鋼板ウエブで接続したプレキャスト単純桁と、前記プレキャスト単純桁の前後左右の桁どうしを連続化する現場打ちコンクリートからなる横桁と、前記現場打ちコンクリートからなる横桁の前後左右方向にストレスをかける緊張ケーブルとから少なくとも構成されている。
【0008】
(第2発明)
第2発明の連続鋼板ウエブ橋は、前後方向に複数の桁に跨がってプレストレスを導入する緊張ケーブルを備えていることを特徴とする。
【0009】
(第3発明)
第3発明の連続鋼板ウエブ橋は、第1発明または第2発明における現場打ちコンクリートからなる横桁と前記橋脚との間に免震支承が設けらていることを特徴とする。
【0010】
(第4発明)
第4発明の連続鋼板ウエブ橋は、第1発明から第3発明の上フランジが鋼板からなることを特徴とする。
【0011】
(第5発明)
第5発明の連続鋼板ウエブ橋は、第1発明から第4発明における鋼板ウエブは、波形鋼板ウエブからなることを特徴とする。
【0012】
(第6発明)
第6発明の連続鋼板ウエブ橋は、第4発明または第5発明の鋼板上フランジと隣り合った鋼板上フランジとの間にプレキャストプレストレストコンクリート板が渡されていることを特徴とする。
【0013】
(第7発明)
第7発明の連続鋼板ウエブ橋の施工方法は、ウエブが鋼板で、上フランジが鋼またはコンクリートからなり、下フランジがコンクリートからなる鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設するものであり、前記プレキャスト単純桁の前後左右にある間隙にコンクリートを現場打ちにより間詰めを行うと同時に複数の緊張ケーブル挿入孔を設け、前記緊張ケーブル挿入孔に緊張ケーブルを挿入し、前記緊張ケーブルを緊張した後に固定し、鋼板ウエブ橋にかかる応力を緩和することを特徴とする。
【0014】
(第8発明)
第8発明の連続鋼板ウエブ橋の施工方法は、第7発明において、始端支点横桁と終端または中間支点横桁の間で、中間桁の下方を通過する前後方向の緊張外ケーブルによってプレストレスを導入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、橋脚上の現場打ちコンクリートに前後左右方向にプレストレスを導入するための緊張ケーブルを設け、連続化された鋼コンクリート複合桁に発生する曲げモーメントを緩和することができる。
【0016】
本発明によれば、連続化することで、伸縮装置が不要となったため、走行性能の向上および騒音の減少を同時に達成することができた。
【0017】
本発明によれば、仮支承の間に免震装置を設置できるため、耐震性能の向上および支承の数を減少させ、建設コストを低減することができる。
【0018】
本発明によれば、施工手順に応じて発生した曲げモーメントに対して、桁作製時に導入するプレストレス量、あるいは緊張ケーブルにより導入するプレストレス量を合理的な値とすることが可能であるため、合理的な連続鋼板ウエブ橋を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1発明)
第1発明の連続鋼板ウエブ橋は、コンクリート上フランジとコンクリート下フランジとの間を鋼板ウエブにより接続された鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設するものである。すなわち、前記連続鋼板ウエブ橋は、プレキャスト単純桁のように、前記橋脚間に空間が設けられておらず、また、前記空間を塞ぐ伸縮装置が設けられていない。橋脚上に設けられた横桁は、前記プレキャスト単純桁の前後左右の桁どうしを連続化する現場打ちコンクリートからなる。前記現場打ちコンクリートは、前記横桁の前後左右方向に緊張ケーブルによってプレストレスが導入される。
【0020】
前記構成の連続鋼板ウエブ橋は、連続しているとともに、予測される曲げモーメントに対して、予め前後左右方向から緊張ケーブルにより、プレストレスを与えることで合理的な設計ができるため、耐震性能を向上させることができるだけでなく、建設コストを減縮することができる。また、前記連続鋼板ウエブ橋は、伸縮装置を使用しないため、走行性能を向上させるだけでなく、騒音を少なくすることができる。
【0021】
(第2発明)
第2発明の連続鋼板ウエブ橋は、緊張ケーブルによって、前後方向に複数の桁に跨がってプレストレスを導入して、連続化することにより発生する曲げモーメントを緩和することができる。前記連続鋼板ウエブは、合理的、経済的な構築が容易にできる。
【0022】
(第3発明)
第3発明の連続鋼板ウエブ橋は、仮支承により、コンクリートからなる横桁を現場打ちするため、前記横桁のコンクリートが養生された後、この下に免震支承を置くことができる。すなわち、前記横桁の下部に設けられた仮支承は、その間で、免震支承に置き換えられるため、その数を減少させることができ、経済的な連続鋼板ウエブ橋となる。
【0023】
(第4発明)
第4発明の連続鋼板ウエブ橋は、上フランジがコンクリートからなるのではなく、鋼板から構成される。鋼板からなる上フランジは、鋼板ウエブおよび下フランジとともに予め工場等で作製し、現場に持ち込むことが容易にでき、前記連続鋼板ウエブ橋のコストを安価にすることができる。
【0024】
(第5発明)
第5発明の連続鋼板ウエブ橋は、ウエブを波形にすることができる。波形鋼板ウエブは、高い剪断座屈耐力を有するとともに、自重を軽減でき、コストの縮減、スパンの長大構造が可能になる。また、波形鋼板ウエブは、そのアコーデオン効果により、コンクリート床版に効果的なプレストレスを導入することができる。
【0025】
(第6発明)
第6発明の連続鋼板ウエブ橋は、鋼板上フランジと隣り合った鋼板上フランジとの間にプレキャストプレストレストコンクリート板が渡され、コンクリートが打設された際に、前記鋼板上フランジとともにコンクリート内に埋設されて残される。前記プレキャストプレストレストコンクリート板は、橋桁の横方向の強度を増すだけでなく、型枠および支保工として使用した後、そのまま埋設された状態で残されるため、高所において、型枠および支保工の取り付けおよび除去の作業が無くなり、施工が安価になる。
【0026】
(第7発明)
第7発明における鋼コンクリート複合桁からなる連続鋼板ウエブ橋の施工方法は、鋼板ウエブを挟んで上フランジが鋼またはコンクリートからなり、下フランジがコンクリートからなる鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設する。プレキャスト単純桁は、必要に応じて、工場または現場において、組み立てられ、橋脚の上に仮支承される。その後、前記プレキャスト単純桁は、前後左右にできる間隙にコンクリートが現場打ちされ、間隙が間詰めされる。前記コンクリートには、複数の緊張ケーブル挿入孔が同時に設けられる。
【0027】
次に、緊張ケーブルは、前記緊張ケーブル挿入孔に挿入された後、端部で定着される。前記緊張ケーブルは、前後方向あるいは左右方向に適度のプレストレスを導入することにより、鋼板ウエブ橋にかかる応力を緩和することができる。
【0028】
(第8発明)
第8発明の連続鋼板ウエブ橋の施工方法は、始端支点横桁と、終端支点横桁、または、中間支点横桁の間で、デェビェータの下方を通過する長さ方向に緊張ケーブルを張る。前記緊張ケーブルは、複数本の桁に対して、所定のスパンの中で、異なる位置で一端が定着され、偏向させるために設けたデェビェータ以外がコンクリート外を通過するようにするとともに、荷重に対する曲げモーメントを緩和するようなプレストレスが導入される。
【実施例1】
【0029】
図1(イ)は本発明の第1実施例である鋼コンクリート複合桁の単純桁を説明する図、(ロ)は前記鋼コンクリート複合桁を連続化した図、(ハ)は現場打ちコンクリートにプレストレスを導入する緊張ケーブルを説明するための拡大図である。図1(イ)において、鋼コンクリート複合桁からなる複数の単純桁100、101は、腹板としての鋼板ウエブ141、142と、前記鋼板ウエブ141、142の上下部の両側から挟むように設けられたプレキャストコンクリートからなる上フランジ121、122、および、プレキャストコンクリートからなる下フランジ131、132とから構成される。橋脚111、112、113の上には、前記単純桁100、101が仮支承161、162、163、164を介して架設されている。
【0030】
図1(ロ)において、前記単純桁100、101の間隙11、12、13には、現場打ちコンクリートが打設され、中間支点横桁151、152、153となる。前記中間支点横桁151、152、153は、縦方向に複数の緊張ケーブルが複数の橋桁を介して張られている。図1(ハ)において、たとえば、中間支点横桁152は、横方向に複数の横方向貫通口17が設けられている。前記横方向貫通口17には、横方向緊張ケーブル18が挿入され、図示されていない一方を定着し、他方でプレストレスが導入されるようにする。また、縦方向は、縦方向貫通口14が設けられている。縦方向緊張ケーブル15は、前記縦方向貫通口14に挿入された後、端部にある定着部16の一方で定着し、他方でプレストレスが導入されるようにする。
【0031】
縦方向緊張ケーブルおよび横方向緊張ケーブルは、図1(ハ)に示されているように、一方を一つの橋桁に定着し、他方を複数の橋桁を超えた所で定着している。また、前記縦方向緊張ケーブルおよび横方向緊張ケーブルは、同じ場所で定着しないように、交互または順に場所をずらせて、定着される(図1(ハ)参照)。また、前記緊張ケーブルは、デェビェータ145、146、147、148の下部を貫通し、前記中間支点横桁151、152、153の上部を貫通して張られる。
【0032】
前記中間支点横桁151は、現場打ちコンクリートの打設、養生、プレストレスの導入後、下部に免震装置171、172、173((ロ)参照)を置き、仮支承161から164を除去する。前記免震装置171、172、173は、前記仮支承161から164の間に置くことができるため、仮支承の数を減少させることができる。また、前記鋼板ウエブ141、142は、後述のような形状の波形鋼板とすることができる。
【実施例2】
【0033】
図2(イ)は本発明の第2実施例で、鋼板からなる上フランジと鉄筋コンクリートからなる下フランジの間を鋼板ウエブで接続した例を説明するための図で、(ロ)および(ハ)は鋼板からなる上フランジを説明するための図である。図2(イ)から(ハ)において、連続鋼板ウエブ橋は、腹板としての鋼板ウエブ23と、前記鋼板ウエブ23の上部に溶接された上フランジ21、21′と、前記上フランジ21、21′上に敷設されたプレキャストプレストレストコンクリート板24と、鉄筋コンクリートからなる下フランジ22と、前記上フランジ21、21′およびプレキャストプレストレストコンクリート板24の上に打設された鉄筋コンクリート床版25とから少なくとも構成されている。
【0034】
前記鋼板ウエブ23は、長手方向部分と、傾斜方向部分と、前記長手方向部分および傾斜方向部分の間にあるアール部分とからなり、これらが繰り返し連続している。また、前記長手方向部分、前記傾斜方向部分、前記アール部分の形状は、任意の形に連続している波形鋼板23とすることができる。図2(ロ)および(ハ)において、上フランジ21は、前記波形鋼板23の頂部に溶接27等により接合されている。また、前記上フランジ21の上には、複数本のジベル211(スタッド、型鋼または貫通口を有した平鋼、および型鋼)が植設されている。
【0035】
実施例2における連続鋼板ウエブ橋の施工は、前記上フランジ21と、異なる波形鋼板に取り付けられた上フランジ21′との間に、プレキャストプレストレストコンクリート板24が敷設される。その後、前記上フランジ21、21′、およびプレキャストプレストレストコンクリート板24は、図示されていない、型枠および支保工を設け、前記型枠内に主鉄筋、PC鋼材等が前記ジベル211とともとに設けられる。その後、コンクリートは、前記型枠内に打設され、所定期間、養生した後、型枠および支保工が外される。前記上フランジ21、21′、およびプレキャストプレストレストコンクリート板24は、型枠の一部となり、鉄筋コンクリート床版25内に埋め込まれた状態で残される。
【実施例3】
【0036】
図3(イ)は本発明の第3実施例で、鋼コンクリート複合桁の上部組立図で、(ロ)は腹板および上フランジの縦断面図である。上フランジ32、33は、波形鋼板31の形状に沿うようにした端面を一方に備えており、前記波形鋼板31の上部を残し、両側から挟むようにして、たとえば、前記波形鋼板31の全周を溶接36等により接続されている。また、前記波形鋼板31における前記上フランジ32、33より突出した波形鋼板突出部31′には、所定数の貫通口314が設けられている。前記貫通口314には、横鉄筋35が挿入され、横方向の強度が向上される。前記プレキャストプレストレストコンクリート板24は、波形鋼板31の一方の上フランジ21と、異なる波形鋼板11の他方の上フランジ21′との間に敷設されている。
【実施例4】
【0037】
図4は本発明の第4実施例で、連続化された鋼コンクリート複合桁の縦方向にプレストレスを導入する例を説明するための拡大図である。図4において、鋼コンクリート複合桁は、端支点横桁41、デェビェータ42、43、中間支点横桁44に緊張外ケーブル45が張られている。前記緊張ケーブル45は、一端が端支点横桁41における定着部46に締結されており、デェビェータ42、43の下部を貫通し、他端が中間支点横桁44の定着部47で締結されている。また、他の緊張ケーブル49は、たとえば、図4において、一端が中間支点横桁44の定着部48で定着され、他端が図示されていない定着部で定着されている。前記緊張ケーブル45は、定着部46、47以外、コンクリートの内部を通ることがないため、敷設が容易であり、簡単にプレストレスを導入することができる。
【実施例5】
【0038】
図5は本発明の第5実施例で、上下フランジが鉄筋コンクリートからなる連続化された鋼コンクリート複合桁を説明するための図である。図5において、連続化された鋼コンクリート複合桁は、上フランジ55および下フランジ22が鉄筋コンクリートから構成されている。また、前記上フランジ55および下フランジ22の間は、鋼板ウエブまたは波形鋼板23によって接続されている。上フランジの横方向の間には、間詰コンクリート551により打設され、連続化されている。また、前記上フランジ55の下部には、緊張ケーブルが通過または緊張する貫通口552が設けられている。
【0039】
以上、本実施例を詳述したが、本発明は、前記本実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の鉄筋は、通常のもの、ストレスの予め加えたもの、後から加えたもの等、公知または周知の材質のものが使用される。本発明のコンクリートは、鋼コンクリート複合桁として、使用される場所に応じて、公知または周知の物を使用することができる。また、本実施例において、説明を省略した箇所は、従来の物を適用することができ、施工法も従来の施工方法を使用することができる。さらに、鉄筋またはケーブルに対するプレストレスは、必要に応じて、プレテンションおよび/またはポストテンションとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(イ)は本発明の第1実施例である鋼コンクリート複合桁の単純桁を説明する図、(ロ)は前記鋼コンクリート複合桁を連続化した図、(ハ)は現場打ちコンクリートにプレストレスを導入する緊張ケーブルを説明するための拡大図である。(実施例1)
【図2】(イ)は本発明の第2実施例で、鋼板からなる上フランジと鉄筋コンクリートからなる下フランジの間を鋼板ウエブで接続した例を説明するための図で、(ロ)および(ハ)は鋼板からなる上フランジを説明するための図である。(実施例2)
【図3】(イ)は本発明の第3実施例で、鋼コンクリート複合桁の上部組立図で、(ロ)は腹板および上フランジの縦断面図である。(実施例3)
【図4】本発明の第4実施例で、連続化された鋼コンクリート複合桁の縦方向にプレストレスを導入する例を説明するための拡大図である。(実施例4)
【図5】本発明の第5実施例で、上下フランジが鉄筋コンクリートからなる連続化された鋼コンクリート複合桁を説明するための図である。(実施例5)
【図6】従来例における単純桁からなる高架道路または橋を説明するための図である。
【符号の説明】
【0041】
11、12、13・・・間隙
100、101・・・単純桁
102・・・連続桁
111、112、113・・・橋脚
121、122・・・上フランジ
131、132・・・下フランジ
141、142・・・鋼板ウエブ
151、152、153・・・中間支点横桁
161、162、163、164・・・支承
171、172、173・・・免震装置
14・・・縦方向貫通口
15・・・縦方向緊張ケーブル
16、16′・・・締結部
17・・・横方向貫通孔
18・・・横方向緊張ケーブル
21・・・上フランジ
211・・・ジベル
22・・・下フランジ
23・・・鋼板ウエブ
24・・・プレキャストプレストレストコンクリート板
25・・・鉄筋コンクリート床版
26・・・波形鋼板(腹板)
27・・・溶接部
31・・・鋼板ウエブ
32、33・・・上フランジ
35・・・横鉄筋
41・・・端支点横桁
42、43・・・デェビェータ
44・・・中間支点横桁
45、49・・・緊張ケーブル
46、47、48・・・定着部
55・・・鉄筋コンクリート床版
551・・・間詰コンクリート
552・・・貫通口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブが鋼板で、上下フランジがコンクリートからなる鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設する鋼コンクリート複合桁からなる連続鋼板ウエブ橋において、
前記橋脚上にコンクリートからなる上下フランジ間を鋼板ウエブで接続したプレキャスト単純桁と、
前記プレキャスト単純桁の前後左右の桁どうしを連続化する現場打ちコンクリートからなる横桁と、
前記現場打ちコンクリートからなる横桁の前後左右方向にプレストレスをかける緊張ケーブルと、
から少なくとも構成されている連続鋼板ウエブ橋。
【請求項2】
前後方向に複数の桁に跨がってストレスをかける緊張ケーブルを備えていることを特徴とする請求項1に記載された連続鋼板ウエブ橋。
【請求項3】
前記現場打ちコンクリートからなる横桁と前記橋脚との間に免震支承が設けらていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された連続鋼板ウエブ橋。
【請求項4】
前記上フランジが鋼板からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された連続鋼板ウエブ橋。
【請求項5】
前記鋼板ウエブは、波形鋼板ウエブからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された連続鋼板ウエブ橋。
【請求項6】
鋼板上フランジと隣り合った鋼板上フランジとの間にプレキャストプレストレストコンクリート板が渡されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載された連続鋼板ウエブ橋。
【請求項7】
ウエブが鋼板で、上フランジが鋼またはコンクリートからなり、下フランジがコンクリートからなる鋼コンクリート複合構造のプレキャスト単純桁を複数の橋脚間に連続して架設する鋼コンクリート複合桁からなる連続鋼板ウエブ橋の施工方法において、
前記プレキャスト単純桁の前後左右にある間隙にコンクリートを現場打ちにより間詰めを行うと同時に複数の緊張ケーブル挿入孔を設け、
前記緊張ケーブル挿入孔に緊張ケーブルを挿入し、
前記緊張ケーブルを緊張した後に固定し、
鋼板ウエブ橋にかかる応力を緩和することを特徴とする連続鋼板ウエブ橋の施工方法。
【請求項8】
始端支点横桁と、終端支点横桁、または、中間支点横桁の間で、デェビェータの下方を通過する前後方向の緊張外ケーブルによってストレスを加えることを特徴とする請求項7に記載された連続鋼板ウエブ橋の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−121288(P2008−121288A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306508(P2006−306508)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000237134)株式会社富士ピー・エス (20)
【Fターム(参考)】