説明

遊技カードシステム

【課題】
利用停止された一般カードがカード利用端末に挿入されたときの処理を予め設定することができる遊技カードシステムを提供する。
【解決手段】
カード利用端末(台間ユニット或いは精算機400)に利用停止された遊技カードが挿入されると、設定テーブルの内容に基づいて、挿入された遊技カードの残額に対応してカード利用端末で実行される処理が選択されて、遊技カードが挿入されたカード利用端末で選択された処理が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技カードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より遊技場内で遊技を行う為の遊技媒体の貸出には遊技カードが利用されていた。
【0003】
遊技カードは遊技媒体の制御を行うカードユニットに挿入され、遊技客により貸出操作が行われると、挿入された遊技カードの残額の範囲内で遊技台より遊技媒体の投出が行われる。
【0004】
この遊技カードはカードユニットに挿入したままだと誰にでもカード排出可能である。
【0005】
昼食などの為に遊技を行っていた遊技客が遊技台を離れる際には、カードユニット内に残された遊技カードを遊技客が排出して持ち出すのが通常であるが、排出し忘れる遊技客もいて、他人がカードユニット内の遊技カードを勝手に排出して入手することが起こる。
【0006】
遊技カードを勝手に排出した他人は現金を支払うことなく遊技媒体を貸出することが可能となるので、遊技場側にとっては本来得られるべき現金が得られない状況が発生する。
【0007】
よって、遊技カードの紛失が判明した時点でその遊技カードを利用停止することが望まれる。
【0008】
そこで、特許文献1では、会員カードを紛失した場合に、その紛失した会員カードから読み取られる会員情報を利用した取引を不可とすることができる遊技用システムが提案されている。
【特許文献1】特開2005−40536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、利用停止された遊技カードがカード利用端末であるカードユニットや精算機に挿入された時点でカード利用端末をすべてエラーダウンする設定だと、残額が0円になってエラーダウンの必要性がないと思われる遊技カードに対してもエラーダウンする処理が行われる。
【0010】
そのように全てエラーダウンする設定だと、エラーダウンの必要がない遊技カードに対してもエラーダウンしてしまい、その後、エラーダウンからの復帰の処理を店員が行う必要がある。
【0011】
また、使用された遊技カードの残額の大小に応じて、残額が多く残っている場合にはエラーダウンを実行し、残額が残り少ない場合には警告表示ですますなど、カード利用端末の利用停止に関する動作を予め設定できると便利である。
【0012】
そこで、この発明は、利用停止された遊技カードがカード利用端末に挿入されたときの処理を予め設定することができる遊技カードシステムを提供することを目的とする。
【0013】
又、設定はカード利用端末の種類(カードユニット、精算機など)に応じて設定可能としている為、端末の特性に応じて臨機応変な対応が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1の遊技カードシステムは、遊技場に配設され、遊技カードからカード情報を読み取って該遊技カードの残額情報に基づき所定の処理を行うカード利用端末と、前記カード利用端末と通信回線を介して接続され、前記カード利用端末で利用する遊技カードを管理する管理サーバとを具備する遊技カードシステムであって、前記管理サーバは、利用停止状態になった遊技カードおよび該遊技カードの残額を記憶する記憶手段と、前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の処理を該遊技カードの残額に対応して判定する判定手段とを具備し、前記カード利用端末は、前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際して前記判定手段で判定した処理を受信する受信手段と、前記受信手段による受信した内容に基づき前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際しての処理を実行する処理実行手段とを具備するように構成される。
【0015】
また、請求項2の遊技カードシステムは、遊技場に配設され、遊技カードからカード情報を読み取って該遊技カードの残額情報に基づき所定の処理を行うカード利用端末と、前記カード利用端末と通信回線を介して接続され、前記カード利用端末で利用する遊技カードを管理する管理サーバとを具備する遊技カードシステムであって、前記管理サーバは、利用停止状態になった遊技カードおよび該遊技カードの残額を記憶する記憶手段を具備し、前記カード利用端末は、前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際して該遊技カードの残額を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した該遊技カードの残額に基づき前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際しての処理を判定する判定手段と前記判定手段による判定に基づき該利用停止状態になった遊技カードの利用に際しての処理を実行する処理実行手段とを具備するように構成される。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記判定手段は、前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の該遊技カードの残額に対応して前記処理を設定する設定テーブルを具備し、該設定テーブルに基づき前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の処理を判定するように構成される。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3記載の発明において、前記遊技カードシステムは、複数種類の前記カード利用端末を備え、前記判定手段は、複数種類の前記カード利用端末に応じてそれぞれの前記設定テーブルを具備し、前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の処理の判定は、当該カード利用端末に対応する前記設定テーブルに基づいて行われるように構成される。
【0018】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4記載の発明において、前記判定手段は、前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の該遊技カードの残額が所定額以上の場合は、該カード利用端末をエラーダウンし、所定額に満たない場合は、該カード利用端末において警告表示を行う処理を選択するように判定するように構成される。
【0019】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4記載の発明において、前記判定手段は、前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の該遊技カードの残額が所定額以上の場合は、該カード利用端末をエラーダウンし、所定額に満たない場合は、該カード利用端末において警告表示を行うとともに、利用に際しての処理時間を遅延させる処理を選択するように判定するように構成される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、2、5、6のいずれかの発明によれば、利用停止となった遊技カードがカード利用端末で利用される際の処理を予め設定することができるという効果を奏する。
【0021】
請求項3の発明によれば、利用停止となった遊技カードがカード利用端末で利用される際の処理を、設定テーブルを使って予め設定することができるという効果を奏する。
【0022】
請求項4の発明によれば、利用停止となった遊技カードがカード利用端末で利用される際の処理を、カード利用端末の種類に応じて予め設定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係わる遊技カードシステムの実施例について添付図面を参照して説明を行う。
【0024】
図1は、遊技カードシステム10の概要を示した構成図である。
【0025】
図1に示すように、遊技カードシステム10は、管理サーバ200と島コントローラ100と精算機400とが通信回線600で接続されており、各島コントローラ100は島内のカードユニット300と通信回線600で接続される。
【0026】
管理サーバ200は、遊技カードシステム10を統括制御するサーバである。
【0027】
また、管理サーバ200は、カードユニット300からの情報を受信して遊技カードシステム10内で使用されている遊技カードの残額などの情報を管理サーバ200内のデータベースで管理し、遊技カードの利用停止と利用停止解除の管理を行う。
【0028】
そして、管理サーバ200内のメモリ部203に利用停止の遊技カードを受け付けた時の各カード利用端末の処理について記された設定テーブルが記憶されれば、各カード利用端末(カードユニット300、精算機400)が利用停止の遊技カードを受け付けた時に行う処理をその設定テーブルより選択して、各カード利用端末に通知する。
【0029】
ここで、本発明に係わる遊技カードシステム10において管理される遊技カードは、登録制の会員カードではなく、一般客が現金を支払って入手する一般カードを指す。
【0030】
島コントローラ100は、各島内のカードユニット300と管理サーバ200との間でやり取りされる情報の中継を行う。
【0031】
カードユニット300は、隣接されて通信可能な遊技台500での遊技媒体の貸出制御を行い、また、カードユニット300に挿入された遊技カードの情報を管理サーバ200に送信する。
【0032】
カードユニット300が遊技媒体の貸出制御を行う際には、受け付けた遊技カードのカードIDを管理サーバ200に送信し、管理サーバ200からその遊技カードの残額情報を受信する。
【0033】
また、カードユニット300は、カードユニット300が備えるメモリ部304に利用停止の遊技カードを受け付けた時の処理が記された設定テーブルが記憶されれば、利用停止の遊技カードを受け付けた時に行う処理をその設定テーブルより選択して実行する。
【0034】
遊技台500は、カードユニット300によって遊技媒体の貸出が制御され、貸し出された遊技媒体を使用する遊技客による遊技が行われる。
【0035】
精算機400は、残額が残っている遊技カードを受け付け、清算処理としてその残額を払い出す。
【0036】
精算機400が精算を行う際には、受け付けた遊技カードのカードIDを管理サーバ200に送信し、管理サーバ200からその遊技カードの残額情報を受信する。
【0037】
また、精算機400が備えるメモリ部403に利用停止の遊技カードを受け付けた時の処理が記された設定テーブルを記憶させれば、利用停止の遊技カードを受け付けた時に行う処理をその設定テーブルより選択して実行する。
【0038】
このように構成される遊技カードシステム10は、管理サーバ200で遊技カードの利用停止と利用停止解除の設定を行える。
【0039】
また、利用停止の遊技カードがカードユニット300や精算機400のカード利用端末に挿入された場合には、利用停止の遊技カードを受け付けた時の処理が記された設定テーブルを記憶している場所(これは、実施例により、管理サーバ200に記憶される場合と各カード利用端末に記憶される場合とがある。)でカード利用端末が行う処理を選択して、利用停止の遊技カードを受け付けたカード利用端末がその処理を実行する。
【0040】
設定テーブルに基づいて、利用停止の遊技カードを受け付けた時の処理が選択されて実行されるので、利用停止をエラーダウンでなく警告で行いたい場合や、特に警告を出したくない場合などの設定を、個々の遊技カードの情報に基づいて設定することが可能となる。
【0041】
次に、管理サーバ200の構造について図2を参照して説明を行う。
【0042】
図2は、管理サーバ200の構造を示したブロック図である。
【0043】
管理サーバ200は、制御部201、操作/表示部202、メモリ部203、通信インタフェース(以下、I/Fと呼ぶ)部204、電源部205を備える。
【0044】
制御部201は、管理サーバ200の統括制御を行う。
【0045】
操作/表示部202は、キーボードとディスプレイで構成され、ユーザからの指示を受け付け、また、ユーザに情報を表示する機能を司る。
【0046】
メモリ部203は、各種記憶装置で構成され、管理サーバを動作させるプログラムが記憶され、遊技カードシステム10内で使用される遊技カードの残額や利用停止などのカード情報をカードID毎に管理するデータベースを記憶する。
【0047】
また、メモリ部203には、利用停止の遊技カードを各カード利用端末(カードユニット300、精算機400)が受け付けた時に各カード利用端末が行う処理が記された設定テーブルを記憶することができる。
【0048】
通信I/F部204は、精算機400やカードユニット300と情報の授受を行う。
【0049】
カードユニット300と情報の授受が行われる際には、島コントローラを経由して行われる。
【0050】
電源部205は、管理サーバ200に電源を供給する。
【0051】
次に、カードユニット300の構造について図3を参照して説明を行う。
【0052】
図3は、カードユニット300の構造を示したブロック図である。
【0053】
カードユニット300は、制御部301、状態表示部302、7SEG表示部303、メモリ部304、電源部305、紙幣部306、カード部307、通信I/F部308、遊技台I/F部309を備える。
【0054】
制御部301は、カードユニット300の統括的な制御を行い、利用停止の遊技カードが挿入された際のカードユニット300の警告表示、スロー動作、エラーダウンの制御を行う。
【0055】
状態表示部302は、カードユニット300の状態を表示するランプであり、待機中は緑を点灯、警告表示中、スロー動作中は赤を点灯させ、エラーダウン中は赤を点滅させる。
【0056】
7SEG表示部303は、アラビア数字を表現する7セグメントの表示装置であり、待機中はカードの残額、貸出中は残投出個数を表示し、警告表示中、スロー動作中は警告コードを表示し、エラーダウン中はエラーコードを表示する。
【0057】
メモリ部304は、各種記憶装置で構成され、カードユニット300を動作させるプログラムを記憶する。
【0058】
また、メモリ部304は、利用停止の遊技カードをカードユニット300が受け付けた時に、カードユニット300が行う処理が記された設定テーブルを記憶することができる。
【0059】
電源部305は、カードユニット300に電源を供給する。
【0060】
紙幣部306は、カードユニット300に備え付けられる紙幣挿入口より遊技客が挿入する紙幣を受け付け、蓄積する。
【0061】
紙幣部306が受け付ける紙幣の種類は、4金種の紙幣である。
【0062】
カード部307は、カード挿入口を備え、カード挿入口より遊技客が挿入する遊技カードを受け付け、受け付けた遊技カードに記される内容を読み取る。
【0063】
また、カード部307には、準備カードとして一般カードが5枚程度開店時に挿入されており、開店状態では、カードユニット300にカード挿入なしで、紙幣の挿入が可能である。
【0064】
通信I/F部308は、島コントローラ100を中継して管理サーバ200と情報の授受を行う。
【0065】
遊技台I/F309は、カードユニット300に隣接して設置される遊技台500での遊技媒体の貸出制御による通信を行う。
【0066】
このように構成されるカードユニット300では、遊技客がカードユニット300に備え付けられる紙幣挿入口より紙幣を挿入すると、紙幣部306が受け付けた紙幣に相当する価値がカード部307に予め挿入されている一般カードに価値付けられ、その価値付けられた一般カードが使用されて遊技媒体の貸出が行われる。
【0067】
次に、精算機400の構造について図4を参照して説明を行う。
【0068】
図4は、精算機400の構造について示したブロック図である。
【0069】
精算機400は、制御部401、LCD(Liquid Crystal Display)表示部402、メモリ部403、電源部404、紙幣部405、カード部406、通信I/F部407を備える。
【0070】
制御部401は、精算機400の統括制御を行い、利用停止の遊技カードが挿入された際の精算機400の警告表示、スロー動作、エラーダウンの制御を行う。
【0071】
LCD表示部402は、精算機400の前面に設けられた液晶の表示部であり、残額が残っている遊技カードの精算が精算機400で行われる最中にユーザに精算に関する情報を提供する。
【0072】
また、LCD表示部402は、利用停止の遊技カードが使用された際の警告表示中、スロー動作中には警告表示を行い、エラーダウン中にはエラー表示を行う。
【0073】
メモリ部403は、各種記憶装置で構成され、精算機400を動作させるプログラムなどが記憶される。
【0074】
また、メモリ部403は、利用停止の遊技カードを精算機400が受け付けた時に、精算機400が行う処理が記された設定テーブルを記憶することができる。
【0075】
電源部404は、精算機400に電源を供給する。
【0076】
紙幣部405は、精算機400で残額が残っている遊技カードの精算が行われた際に、精算を行った遊技客に精算の金額の紙幣(千円札)を供給する。
【0077】
カード部406は、カード挿入口を備え、遊技客より精算が行われる遊技カードを受け付ける。
【0078】
通信I/F部407は、管理サーバ200と情報の授受を行う。
【0079】
次に、管理サーバ200のメモリ部203或いは、カード利用端末(カードユニット300、精算機400)のメモリに記憶される、設定テーブルについて図5を参照して説明を行う。
【0080】
図5は、設定テーブルを示した表である。
【0081】
この設定テーブルは、店員が管理サーバ200を操作することによって設定テーブルの内容が決定され、管理サーバ200のメモリ部203或いはカード利用端末(カードユニット300、精算機400)の各メモリ部に記憶される。
【0082】
設定テーブルには、利用停止の遊技カードを受け付けた時の各カード利用端末が実行する処理が記される。
【0083】
図5(a)は詳細が未設定の状態の設定テーブルを示した表であり、図5(b)は詳細が設定された状態の設定テーブルを示した表である。
【0084】
図5(a)に示すように、設定テーブルは、カードユニット300と精算機400とについて、利用停止の遊技カードを受け付けた時の処理として警告表示、スロー動作、エラーダウンが表示され、受け付けた遊技カードの残額に基づいて、それぞれの処理を実行するか否かが設定される。
【0085】
また、遊技カードの残額に基づいた設定が可能である。
【0086】
ここで、警告表示というのは、利用停止の遊技カードが挿入されたカード利用端末より警告表示が行われてカード利用端末としての貸出、精算などが行われる処理であり、また、スロー動作というのは、利用停止の遊技カードが挿入された後にそのカード利用端末より警告表示が行われて、カード利用端末としての貸出、精算が通常の倍の時間を要して行われる処理であり、また、エラーダウンというのは、利用停止の遊技カードが挿入されたカード利用端末が停止して貸出、精算などは行われない処理である。
【0087】
そして、例えば、図5(b)に示す設定テーブルでは、カードユニット300に、残額が400円以上であれば、エラーダウンを行って警告表示やスロー動作は行わない設定がされている。
【0088】
このように設定されると、カードユニット300が利用停止の遊技カードを受け付けた際に、その遊技カードの残額が400円以上の場合には、カードユニット300がエラーダウンする。
【0089】
また、図5(b)に示す設定テーブルでは、カードユニット300に、残額が400円未満であれば、エラーダウンは行わず警告表示を行う設定がされている。
【0090】
このように設定されると、カードユニット300が利用停止の遊技カードを受け付けた際に、その遊技カードの残額が400円未満の場合には、カードユニット300が警告表示を行う。
【0091】
また、設定テーブルに精算機400の設定も行われ、図5(b)に示す設定テーブルでは、精算機400に、残額が400円以上だと、エラーダウンの処理を行って警告表示やスロー動作は行わない設定がされている。
【0092】
このように設定されると、精算機400が利用停止の遊技カードを受け付けた際に、その遊技カードの残額が400円以上の場合には、精算機400がエラーダウンする。
【0093】
また、図5(b)に示す設定テーブルでは、精算機400に、残額が400円未満であれば、エラーダウンは行わずスロー動作を行う設定がされている。
【0094】
スロー動作が実行されると、カード利用端末での電流値が落とされて、カード利用端末としての貸出、精算の処理が行われる際に指示を受け付けてから処理を開始するまでの時間が通常より長くなる。
【0095】
このように設定されると、精算機400が利用停止の遊技カードを受け付けた際に、その遊技カードの残額が400円未満の場合には、精算機400がスロー動作を行う。
【0096】
また、設定テーブルの設定内容によっては、カード利用端末に、エラーダウンも警告表示もスロー動作も実行させないようにすることも、もちろん可能である。
【0097】
また、例えばエラーダウン:あり、スロー動作:ありの設定の場合であれば、カードユニットの場合は遊技媒体投出直前、精算機の場合は精算金額投出直前まではスロー動作を行い、エラーダウンするようにする事も可能である。
【0098】
このようにされることで、遊技カードの残額とカード利用端末の種類に応じて、利用停止のカードを受け付けた時の各カード利用端末の処理を設定することができ、利用停止のカードを受け付けた時に、警告だけにとどめてエラーダウンはさせない処理や、エラーダウンも警告もしない処理などを行うことが可能となり、エラーダウンによって遊技台の稼働率が低下することを防ぎ、また、頻繁な警告表示に対する遊技客のクレームも少なくすることができる。
【0099】
次に、この設定テーブルを記憶する場所は管理サーバ200でもカード利用端末(カードユニット300、精算機400)でもいいのであるが、設定テーブルを記憶する場所の違いにより、遊技カードシステム10を実施例1と実施例2とに分けて説明する。
【0100】
実施例1では、管理サーバ200に設定テーブルが記憶されて、各カード利用端末が利用停止の遊技カードを受け付けたときの処理についての選択が管理サーバ200で行われることについて説明する。
【0101】
また、実施例2では、各カード利用端末(カードユニット300、精算機400)に設定テーブルが記憶されて、利用停止の遊技カードを受け付けたときの各カード利用端末の処理についての選択が、その遊技カードを受け付けた各カード利用端末で行われることについて説明する。
【実施例1】
【0102】
本実施例では、図1を参照して説明した遊技カードシステム10内の管理サーバ200で設定テーブルが記憶される場合について説明する。
【0103】
管理サーバ200のメモリ部203は、図5を参照して説明した設定テーブルを記憶する。
【0104】
遊技カードシステム10で行われることについて図6を参照して説明を行う。
【0105】
図6は、遊技カードシステム10で行われることについて示したフローチャートである。
【0106】
まず、管理サーバ200では、遊技カードが紛失されたことが遊技客より伝えられた店員によって、その遊技カードが利用停止にされる(ステップ601)。
【0107】
利用停止が行われると、管理サーバ200内のカード情報を管理するデータベースに、遊技客から連絡を受けた遊技カードは利用停止であると記憶される。
【0108】
そして、カード利用端末(カードユニット300、精算機400)に備えられるカード挿入口に遊技カードが挿入されると(ステップ602)、カード利用端末は挿入された遊技カードのカードIDを読み取って管理サーバ200に送信し、残額などの問い合わせを行う(ステップ603)。
【0109】
カード利用端末からカードIDの情報が送信された管理サーバ200は、制御部201が、メモリ部203に記憶するデータベースを参照して、受信したカードIDは利用停止となっているか否かを判断する(ステップ604)。
【0110】
制御部201が、受信したカードIDの遊技カードは利用停止となっていないと判断した場合には(ステップ604でNO)、制御部201は、データベースに記憶される情報を参照して、受信したカードIDの残額情報をカードユニット300に送信する(ステップ605)。
【0111】
残額情報が送信されたカード利用端末では、管理サーバ200から受信した情報に、遊技カードが利用停止になっていることを示す利用停止情報が含まれているか否かを確認し(ステップ606)、そして、利用停止情報が含まれていないので(ステップ606でNO)、受信した残額情報に基づいて、通常動作である、遊技媒体の貸出制御や精算処理などを行う(ステップ607)。
【0112】
また、制御部201が、受信したカードIDは利用停止となっていると判断した場合には(ステップ604でYES)、制御部201は、データベースの情報に基づいて、受信したカードIDの遊技カードの残額を確認し(ステップ608)、メモリ部203に記憶される設定テーブルに基づいて、利用停止の遊技カードを受け付けたときの処理についての選択を行う(ステップ609)。
【0113】
処理についての選択は、カードIDを送信したカード利用端末がカードユニット300の場合には、設定テーブルよりカードユニット300についての内容が選択され、また、カードIDを送信したカード利用端末が精算機400の場合には、設定テーブルより精算機400についての内容が選択される。
【0114】
ステップ609で処理が選択されると、遊技カードを受信したカード利用端末に、遊技カードが利用停止になっていることを示す利用停止情報と、ステップ609で選択されたカード利用端末での処理を示す指示エラー動作情報とを送信する(ステップ610)。
【0115】
管理サーバ200より、利用停止情報と指示エラー動作情報とが送信されたカード利用端末では、管理サーバ200より受信した情報に利用停止情報が含まれていることを確認して(ステップ606でYES)、受信した指示エラー動作情報に基づいて、エラーダウン、警告表示、スロー動作のいずれかの処理を実行する(ステップ611)。
このように、管理サーバ200のメモリ部203で設定テーブルが記憶されて、利用停止の遊技カードを受け付けたときの処理についての選択が行われる。
【実施例2】
【0116】
本実施例では、図1を参照して説明した遊技カードシステム10内のカード利用端末(カードユニット300、精算機400)に設定テーブルが記憶される場合について説明する。
【0117】
また、本実施例で記憶される設定テーブルは、カードユニット300では図5を参照して説明した設定テーブルよりカードユニットに関する内容が記憶され、また、精算機400では図5を参照して説明した設定テーブルより精算機に関する内容が記憶される。
【0118】
カード利用端末であるカードユニット300や精算機400のメモリ部であるメモリ部304やメモリ部403は、図5を参照して説明した設定テーブルを記憶する。
【0119】
メモリ部304やメモリ部403に記憶される設定テーブルは、店員が管理サーバ200を操作することによって設定テーブルの内容が決められて記憶される。
【0120】
以下、遊技カードシステム10で行われることについて図7を参照して説明を行う。
【0121】
図7は、遊技カードシステム10で行われることについて示したフローチャートである。
【0122】
まず、管理サーバ200では、遊技カードが紛失されたことが遊技客より伝えられた店員によって、その遊技カードが利用停止にされる(ステップ701)。
【0123】
利用停止が行われると、管理サーバ200内のカード情報を管理するデータベースに、遊技客から連絡を受けた遊技カードは利用停止であると記憶される。
【0124】
そして、カード利用端末(カードユニット300、精算機400のどちらでもよい)に備えられるカード挿入口に遊技カードが挿入されると(ステップ702)、カード利用端末は挿入された遊技カードのカードIDを読み取って管理サーバ200に送信し、残額などの問い合わせを行う(ステップ703)。
【0125】
カード利用端末からカードIDの情報が送信された管理サーバ200は、制御部201が、メモリ部203に記憶するデータベースを参照して、受信したカードIDは利用停止となっているか否かを判断する(ステップ704)。
【0126】
制御部201が、受信したカードIDの遊技カードは利用停止となっていないと判断した場合には(ステップ704でNO)、制御部201は、データベースに記憶される情報を参照して、受信したカードIDの残額情報を、カードIDを送信したカード利用端末に送信する(ステップ705)。
【0127】
残額情報が送信されたカード利用端末では、管理サーバ200から受信した情報に、遊技カードが利用停止になっていることを示す利用停止情報が含まれているか否かを確認し(ステップ706)、そして、利用停止情報が含まれていないので(ステップ706でNO)、受信した残額情報に基づいて、通常動作である、遊技媒体の貸出制御や精算処理などを行う(ステップ707)。
【0128】
また、制御部201が、受信したカードIDは利用停止となっていると判断した場合には(ステップ704でYES)、制御部201は、データベースに記憶される情報を参照して残額情報を得、利用停止情報と該残額情報とをカードIDを送信したカード利用端末に送信する(ステップ708)。
【0129】
利用停止情報と残額情報とが送信されたカード利用端末では、管理サーバ200から受信した情報に利用停止情報が含まれているか否かを確認し(ステップ706)、そして、利用停止情報が含まれているので(ステップ706でYES)、カード利用端末内のメモリ部(カードユニット300の場合にはメモリ部304であり、精算機400の場合にはメモリ部403である)に記憶される設定テーブルと受信した残額情報とに基づいて、カード利用端末での処理の選択を行う(ステップ709)。
【0130】
ステップ709で処理が選択されると、その処理(エラーダウン、警告表示、スロー動作のいずれか)をカード利用端末は実行する(ステップ710)。
【0131】
このように、カード利用端末(カードユニット300、精算機400)のメモリ部で設定テーブルが記憶されて、利用停止の遊技カードが挿入された際に、処理の選択が行われてその処理が実行される。
【産業上の利用可能性】
【0132】
この発明は、遊技カードシステムにおいて利用可能である。
【0133】
この発明によれば、利用停止と記憶された遊技カードがカード利用端末に挿入された際のカード利用端末の処理を予め設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】遊技カードシステム10の概要を示した構成図。
【図2】管理サーバ200の構造を示したブロック図。
【図3】カードユニット300の構造を示したブロック図。
【図4】精算機400の構造を示したブロック図。
【図5】設定テーブルを示した表。
【図6】設定テーブルが管理サーバ200に記憶された場合の、遊技カードシステム10で行われることを示すフローチャート。
【図7】設定テーブルがカード利用端末(カードユニット300、精算機400)に記憶された場合の、遊技カードシステム10で行われることを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0135】
10 遊技カードシステム
100 島コントローラ
200 管理サーバ
300 カードユニット
400 精算機
500 遊技台
600 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に配設され、遊技カードからカード情報を読み取って該遊技カードの残額情報に基づき所定の処理を行うカード利用端末と、
前記カード利用端末と通信回線を介して接続され、前記カード利用端末で利用する遊技カードを管理する管理サーバと
を具備する遊技カードシステムであって、
前記管理サーバは、
利用停止状態になった遊技カードおよび該遊技カードの残額を記憶する記憶手段と、
前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の処理を該遊技カードの残額に対応して判定する判定手段と
を具備し、
前記カード利用端末は、
前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際して前記判定手段で判定した処理を受信する受信手段と、
前記受信手段による受信した内容に基づき前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際しての処理を実行する処理実行手段と
を具備する遊技カードシステム。
【請求項2】
遊技場に配設され、遊技カードからカード情報を読み取って該遊技カードの残額情報に基づき所定の処理を行うカード利用端末と、
前記カード利用端末と通信回線を介して接続され、前記カード利用端末で利用する遊技カードを管理する管理サーバと
を具備する遊技カードシステムであって、
前記管理サーバは、
利用停止状態になった遊技カードおよび該遊技カードの残額を記憶する記憶手段
を具備し、
前記カード利用端末は、
前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際して該遊技カードの残額を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した該遊技カードの残額に基づき前記利用停止状態になった遊技カードの利用に際しての処理を判定する判定手段と
前記判定手段による判定に基づき該利用停止状態になった遊技カードの利用に際しての処理を実行する処理実行手段と
を具備する遊技カードシステム。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の該遊技カードの残額に対応して前記処理を設定する設定テーブル
を具備し、該設定テーブルに基づき前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の処理を判定する請求項1または2に記載の遊技カードシステム。
【請求項4】
前記遊技カードシステムは、複数種類の前記カード利用端末を備え、
前記判定手段は、
複数種類の前記カード利用端末に応じてそれぞれの前記設定テーブル
を具備し、前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の処理の判定は、当該カード利用端末に対応する前記設定テーブルに基づいて行われる請求項1乃至3に記載の遊技カードシステム。
【請求項5】
前記判定手段は、
前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の該遊技カードの残額が所定額以上の場合は、該カード利用端末をエラーダウンし、所定額に満たない場合は、該カード利用端末において警告表示を行う処理を選択するように判定する請求項1乃至4に記載の遊技カードシステム。
【請求項6】
前記判定手段は、
前記利用停止状態になった遊技カードが前記カード利用端末で利用された際の該遊技カードの残額が所定額以上の場合は、該カード利用端末をエラーダウンし、所定額に満たない場合は、該カード利用端末において警告表示を行うとともに、利用に際しての処理時間を遅延させる処理を選択するように判定する請求項1乃至4に記載の遊技カードシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−212468(P2008−212468A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55778(P2007−55778)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】