遊技場用システム
【課題】誤操作に基づく貯玉からの払い出しによる再プレイ手数料の徴収から遊技者を救済することができる。
【解決手段】遊技機100毎に設置され、遊技球を計数する計数手段と、遊技機100で遊技を行う遊技者による所定の操作に基づいて、計数手段で計数された計数値の範囲内、及び貯玉数の範囲内において遊技球を遊技者に対して払い出す払出手段と、を備える台間装置1と、遊技者毎の貯玉数を管理するとともに、貯玉からの払い出し数に応じた遊技球数を貯玉数から減算して手数料の徴収を行う会員管理装置50と、を備える遊技場用システムSであって、会員管理装置50は、台間装置1が貯玉から遊技球を払い出した後、この払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数した場合は、手数料の徴収を行わない構成としてある。
【解決手段】遊技機100毎に設置され、遊技球を計数する計数手段と、遊技機100で遊技を行う遊技者による所定の操作に基づいて、計数手段で計数された計数値の範囲内、及び貯玉数の範囲内において遊技球を遊技者に対して払い出す払出手段と、を備える台間装置1と、遊技者毎の貯玉数を管理するとともに、貯玉からの払い出し数に応じた遊技球数を貯玉数から減算して手数料の徴収を行う会員管理装置50と、を備える遊技場用システムSであって、会員管理装置50は、台間装置1が貯玉から遊技球を払い出した後、この払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数した場合は、手数料の徴収を行わない構成としてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯玉から遊技媒体を引き出すときに手数料を徴収する遊技場用システムに関し、特に、意に反する貯玉からの誤引き出しによる手数料の徴収から遊技者を救済する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機やスロットマシン等の複数の遊技機が設置された遊技場(ホール)には、遊技者が予め預け入れたメダルや遊技球などの遊技媒体を貯留遊技媒体(貯玉)として管理するとともに、後日再来場した際に、その貯玉で再プレイ可能とする貯玉再プレイシステムが導入されている。この貯玉再プレイシステムでは、遊技場から発行された会員カード(例えば、ICカード)を遊技機に併設された台間装置に挿入することによって、貯玉の範囲内で遊技媒体を引き出し(払い出し)ながら、遊技を行うことができる。
このような貯玉再プレイシステムでは、貯玉を引き出す際に、再プレイに係る手数料を貯玉から徴収することが一般的に行われている。
【0003】
また、このような貯玉再プレイシステムを導入している遊技場では、遊技機で取得した遊技媒体をその場で計数可能とし、この計数された値を計数値として記憶するとともに、遊技者の操作に基づいてこの計数値の範囲内で遊技媒体をその場で払い出し可能な各台計数機を設置しているところもある。この計数値からの払い出しには、貯玉からの引き出しに際して徴収されるような手数料がないことから、遊技者は計数値があるときはなるべく貯玉を用いずに遊技を行うようにしている。
【0004】
このような各台計数機において、一つのボタン操作で計数値からの払い出しと貯玉からの払い出しを行う技術が提案されている(特許文献1)。
この各台計数機は、計数値があるときは優先的に計数値から遊技媒体を払い出し、計数値がないときは貯玉から払い出すように構成されている。
計数値からの払い出しを行うボタンと、貯玉からの払い出しを行うボタンとをそれぞれ独立して設けると、計数値があるにもかかわらず、誤って貯玉からの払い出しに係るボタンを操作する場合もあるが、この各台計数機によりそのような誤操作の発生を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−106652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では以下のような問題があった、
例えば、計数値からの払い出しを行うボタンと、貯玉からの払い出しを行うボタンとがそれぞれ独立して設けられている場合において、計数値があるにもかかわらず、誤って貯玉からの払い出しに係るボタンを操作すると、遊技者の意に反して再プレイによる手数料が徴収されることになる。
また、特許文献1に記載の各台計数機では、計数値からの払い出しに係る遊技媒体で遊技しているうちに遊技に夢中になり、いつの間にか貯玉からの払い出しに係る遊技媒体での遊技に移行していることがあり、この場合には気づかないうちに再プレイによる手数料が徴収されることになるため、遊技者が不利益を被ることになる。
【0007】
本発明は、上記のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、遊技者の気づかないうちに徴収された再プレイによる手数料を補填する遊技場用システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場用システムは、遊技機毎に設置され、遊技媒体を計数する計数手段と、当該遊技機で遊技を行う遊技者による所定の操作に基づいて、前記計数手段で計数された計数値の範囲内、及び前記遊技者が予め遊技場に預け入れた貯留遊技媒体数の範囲内において遊技媒体を当該遊技者に対して払い出す払出手段と、前記貯留遊技媒体数を遊技者毎に管理するとともに、前記貯留遊技媒体数からの払い出し数に応じた遊技媒体数を前記預け入れた貯留遊技媒体数から減算して手数料の徴収を行う管理手段と、を備える遊技場用システムであって、前記管理手段は、前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誤操作に基づく貯玉からの払い出しによる再プレイ手数料の徴収から遊技者を救済することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技場用システムの構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る台間装置及び遊技機の構成を示す外観正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る台間装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る会員管理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技機と台間装置と会員管理装置との間で送受される情報を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る手数料の徴収から遊技者を救済する具体例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る預入予定玉選別処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る作動判定フラグ設定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る払出ボタン操作処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る貯玉移行処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係る手数料徴収処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技場用システムの好ましい実施形態について図1〜図11を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る遊技場用システムSは、複数の遊技機100が設置される遊技場(ホール)に設けられ、台間装置1、台コンピュータ30、島コンピュータ40、会員管理装置50、ホールコンピュータ60、持ち玉管理装置70などで構成されている。これらは所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0012】
台間装置1は、コンピュータ制御により本発明に係る計数手段及び払出手段として動作するとともに、後述する救済判定手段として動作するように構成されている。
台コンピュータ30及び島コンピュータ40は、それぞれ遊技機100毎及び複数の遊技機100が取り付けられた遊技機島毎に設けられる情報中継処理装置であり、遊技機100と台間装置1と会員管理装置50とホールコンピュータ60の間で送受される情報を中継する。
会員管理装置50は、本発明に係る管理装置として動作する情報処理装置であって、遊技者が遊技場に予め預け入れたメダルや遊技球等の貯留遊技媒体(貯玉)を遊技者(貯玉会員)毎に管理するとともに、貯玉からの払い出し数に応じた遊技媒体数を預け入れた貯玉数から減算して手数料の徴収を行う。
ホールコンピュータ60は、所定の遊技データを集計する情報処理装置であって、遊技機100及び台間装置1からの遊技信号(例えば、後述する大当り信号、アウト信号、セーフ信号、売上信号など)を収集して、遊技機100毎、遊技機100の特定の機種毎、遊技機島毎、遊技場全体における所定の遊技データ(例えば、総アウト数、総セーフ数、大当り確率、売上げ、粗利、割数など)を集計する。
持ち玉管理装置70は、台間装置1で計数された遊技媒体の計数値を台間装置1毎に管理する情報処理装置であり、各台間装置1との間で計数値を送受する。
具体的には、持ち玉管理装置70は、各台間装置1から計数値をリアルタイムに受信して、台間装置1毎の計数値を記憶・管理するとともに、各台間装置1からの要求に応じて、該当する台間装置1に現在の計数値を送信する。
【0013】
このような遊技場用システムSにおいて、貯玉会員の誤操作により台間装置1が会員管理装置50の管理する貯玉数に基づき貯玉数から遊技媒体の払い出しを行った後、貯玉数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、会員管理装置50が徴収した手数料を補填するように動作する。以下、このような動作の実現に関連する特徴的な装置である、遊技機100と台間装置1と会員管理装置50について詳述する。
【0014】
[遊技機]
遊技機100は、遊技球やメダル等の遊技媒体を用いて遊技を行う、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球などの様々な機類の遊技機で構成され、各遊技機100からは、遊技状態を示す遊技信号として、所定の大当り状態を示す大当り信号、遊技媒体の出入数を示す遊技信号として、遊技機100への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機100からの遊技媒体の払出数を示すセーフ信号等が出力される。これらの遊技信号は、台コンピュータ30と島コンピュータ40を介してホールコンピュータ60に入力されるようになっている。
なお、本実施形態では、遊技球(パチンコ玉)を遊技媒体とするパチンコ機を遊技機100として以下に説明する。
【0015】
遊技機100は、図2に示すように、その正面に上皿101、下皿102、発射ハンドル103、玉貸ボタン104が配設されている。
上皿101は、遊技球を貯留するための貯留部であり、遊技者が発射ハンドル103を操作することにより、上皿101に貯められた遊技球が1個ずつ遊技機100の遊技盤面、すなわち遊技領域内に発射されてパチンコ遊技が行える。
【0016】
下皿102は、上皿101に貯留しきれずにあふれた遊技球(オーバーフロー玉)が貯留される貯留部であり、図示しないレバー操作によって、上皿101に貯留されている遊技球を下皿102に流し込むことができるようになっている。さらに、下皿102には、図示しないレバーが設けられ、このレバーを操作することで、下皿102に貯留されている遊技球を下方に向けて流出させることができる。
玉貸ボタン104は、遊技者の操作に係る操作ボタンであり、台間装置1に現金が投入されている場合に操作されると、所定数(例えば、125個)の遊技球が遊技機100の払出装置(不図示)から払い出される。また、この操作によって、売上金額を示す売上信号が、台間装置1から出力され台コンピュータ30と島コンピュータ40を介してホールコンピュータ60に入力される。
【0017】
[台間装置]
台間装置1は、図2及び図3に示すように、遊技機100毎に設置され、当該遊技機100で取得した遊技球を計数する機能と、遊技者が予め預け入れた貯玉の範囲内、又は計数された計数値の範囲内において、遊技球を当該遊技機100でパチンコ遊技を行う遊技者に対して払い出す機能と、貯玉からの払い出しが行われたときに、この払い出しを手数料の補填対象とするか否かを判定する救済判定機能とを備えている。
具体的には、台間装置1は、図2に示すように、計数部10と台間部20とで構成され、計数部10が主に遊技球を計数する計数手段として動作し、台間部20が主に投入された紙幣、会員カード、及び所定の記録媒体(例えば、ICコイン)などから所定情報を読取るとともに、これらの情報及び計数部10で計数された計数値に基づいて遊技球を払い出す払出手段として動作する。また、台間部20に備える後述の制御部20aが救済判定手段として動作し、貯玉からの払い出しが行われたときに、所定の条件を満足する場合に限り徴収した手数料の補填対象とする判定を行うようになっている。以下、各部の構成について説明する。
【0018】
計数部10は、計数センサ10a、レバー11、受皿12を備え、計数手段(各台計数機)として動作する。
受皿12は、下皿102から流出した遊技球を受け入れて貯留するとともに、この受皿12の底面に形成された開口部(不図示)から遊技球を機内へ流入させるようになっている。また、開口部にはシャッター(不図示)が設けられ、レバー11を操作するとシャッターの動作に基づき開口部が開閉され、遊技球の貯留又は流入を選択操作することができるようになっている。そして、機内へ流入した遊技球は、例えば、フォトインタラプタや近接センサ等からなる計数センサ10aに誘導されて検出される。この検出信号は制御部20aに入力される。
【0019】
台間部20は、紙幣投入口21、表示部22、払出ボタン23、ノズル24、入力部25、会員カード挿入口26を外部に備えるとともに、制御部20a、読取部21a,26a、通信部27、記憶部28、払出部29を内部に備えている。
紙幣投入口21は、遊技者が予め遊技場に預け入れた貯玉がない場合や計数部10で計数された計数値がない場合において、現金を対価として新たに遊技球を貸し出すときに紙幣を投入する投入口であり、この投入された紙幣は、紙幣投入口21の内部に設けられた読取部21aで金種が識別されるとともに、後述の記憶部28においてその金額が記憶される。
また、この記憶部28において記憶された金額の範囲内において、通信部27を介して接続された遊技機100が、前述した玉貸ボタン104の操作に基づいて所定数の遊技球を払い出すようになっている。
表示部22は、液晶ディスプレイからなり、報知手段として動作するとともに、記憶部28に記憶される計数値、貯玉数などを表示する。
【0020】
払出ボタン23は、遊技球の払い出しに係る操作ボタンであり、遊技者によって操作されることで、計数値の範囲内、又は貯玉数の範囲内において所定数(例えば、125個単位)の遊技球が払出部29から払い出される。
後述するように、本実施形態の払出ボタン23は、遊技者による一の操作により、計数値がある場合は優先的に計数値から払い出しが行われ、計数値がなく、貯玉がある場合は貯玉から払い出しが行われ、払い出し元を任意に選択できない兼用の操作ボタンとして構成されている。
ノズル24は、払出ボタン23の操作に基づいて払い出された遊技球の誘導路として構成され、払出部29から送出される遊技球を上皿101に誘導する。
払出部29は、遊技球を払い出す(送出する)モータと払い出し数(送出数)をカウントするカウントセンサを備え(いずれも不図示)、払出ボタン23の操作に基づいて払い出し動作を開始するとともに、所定数の遊技球(例えば、125個)をカウントすると動作を停止する。つまり、払出部29は、払出ボタン23が操作されると、計数値の範囲内、又は貯玉数の範囲内において所定数(125個)単位で遊技球を払い出す。
【0021】
会員カード挿入口26は、遊技場が発行する会員カード(例えば、ICカード)を挿入する挿入口であり、挿入された会員カードからは、会員カード挿入口26の内部に設けられた読取部26aで貯玉会員を特定する情報である会員IDが読取られるとともに、この会員IDは後述の通信部27を介して接続された会員管理装置50に送信される。
入力部25は、所定の文字情報等を入力可能なテンキーなどの操作ボタンを備え、貯玉からの払い出しに際して会員カードを挿入した遊技者に対して要求されるパスワードを入力することができ、この入力されたパスワードは、上記の会員IDとともに通信部27を介して会員管理装置50に送信されるようになっている。また、入力部25は、図示しない排出ボタンを備え、これを操作することにより、会員カード挿入口26に挿入された会員カードを排出(返却)することができ、会員カードの排出とともに、当該遊技者(貯玉会員)による遊技の終了が通信部27を介して会員管理装置50に送信されるようになっている。
【0022】
通信部27は、遊技機100、ホールコンピュータ60、会員管理装置50と所定の通信プロトコルに基づいてデータ通信を行う通信手段である。
台間装置1は、この通信部27により、遊技機100、ホールコンピュータ60、会員管理装置50と直接又は台コンピュータ30及び島コンピュータ40を介して所定の情報を送受する。
【0023】
ここで、台間装置1と遊技機100と会員管理装置50との間で送受する情報に関して、台間装置1を主体にして図5を参照しつつ説明する。
台間装置1から出力される情報には、会員IDとパスワードからなる会員カード情報と、貯玉払出数(再プレイ玉数)と、預入予定玉数とがある。会員カード情報は、会員IDとパスワードからなる貯玉会員を特定する情報であり、貯玉払出数は、貯玉に基づいて払い出しを行ったときの払い出し数を示す情報であり、預入予定玉数は、計数部10で計数された計数値であって貯玉としての預け入れ予定数を示す情報である。そして、これらの情報は会員管理装置50に入力されるようになっている。
なお、この預入予定玉数は、遊技の終了時に記憶部28に記憶されている計数値であり、会員カード挿入口26から会員カードが排出されるタイミングで遊技の終了を示す情報とともに出力され、この預入予定玉数には、後述するように、貯玉からの払い出しが行われたときに徴収した手数料を補填するか否かの目安となる救済フラグが付されるようになっている。
【0024】
一方、台間装置1に入力される情報には、遊技機100からの大当り信号と、会員管理装置50からの貯玉数、手数料無料払出数上限値、及び判定開始計数値とがある。
大当り信号は、前述したように遊技機100の大当り状態を示す情報であり、貯玉数は、会員管理装置50が貯玉会員毎に管理する貯玉数であり、台間装置1の出力した会員カード情報から特定される貯玉会員の貯玉数を示している。
また、手数料無料払出上限値は、貯玉からの払い出し数に応じて徴収される手数料を所定の払い出し数まで無料とする払い出し数の上限値を示す情報であり、例えば、貯玉からの遊技球の払い出し数1000個まで手数料無料とする場合は、その1000個が手数料無料払出上限値となる。
【0025】
判定開始計数値は、救済判定機能を作動状態又は停止状態に制御するための設定値であり、計数値が所定数に達しない限り救済判定機能を停止状態とし、計数値が所定数以上に達したときに初めて救済判定機能を作動状態とする、その所定数(計数値)を定めたものである。このように、計数値に基づいて救済判定機能を作動状態又は停止状態に制御するのは、以下のような理由による。
本実施形態に係る救済判定機能の目的は、払い出し元が計数値から貯玉に移行したことに気づかずに徴収された手数料を補填して救済することにあるため、そもそも計数値が存在しなければ救済する必要もなく、また、ある程度の計数値が確保されずに、貯玉からの払い出しと計数値からの払い出しを行き来している状態では、貯玉会員は手数料の徴収を認識しつつ遊技を進行させているので、救済する必要もないからでする。そこで、このような状態では、救済判定機能を停止状態とし、計数値が所定数以上に達したときに初めて救済判定機能を作動状態にすることで、救済の判定時期を遊技者が手数料の徴収を認識していないタイミングに合致させることができる。
なお、手数料無料払出上限値と判定開始計数値は、遊技場の関係者が設定可能な設定値であり、会員管理装置50において入力することができる。
【0026】
また、台間装置1と遊技機100と会員管理装置50との間で送受する情報は上記に限らず、例えば、払出ボタン23の操作を示す操作信号や、会員カードの排出とともに、当該遊技者(貯玉会員)による遊技の終了を示す終了情報が台間装置1から会員管理装置50に入力される。また、会員管理装置50の管理する貯玉に加算される前の預入予定玉が台間装置1からの要求に応じて会員管理装置50から台間装置1に入力される。また、記憶部28で記憶する金額を示す金額情報が台間装置1から遊技機100に入力され、これにより、遊技機100が玉貸ボタン104の操作に基づき記憶部28で記憶した金額の範囲内で遊技機100が遊技球を払い出すようになっている。
なお、本実施形態では、払出部29が貯玉数と計数値からの払い出しを行うが、台間装置1からの払出要求信号に基づいて遊技機100から払い出すこともできる。
【0027】
記憶部28は、不揮発性メモリからなる記憶手段であり、計数部10で計数された計数値、会員管理装置50から送信される貯玉数、手数料無料払出上限値、及び判定開始計数値などを記憶する。
制御部20は、中央演算処理装置(CPU)、所定の記憶手段(例えば、ROM、RAM)、インターフェイス(I/Oポート)等を備えるコンピュータからなり、記憶手段に記憶された制御プログラムとデータに基づき計数部10及び台間部20を構成する各部を制御して、台間装置1を計数手段、払出手段及び救済判定手段として動作させるようになっている。
【0028】
具体的には、制御部20は、計数センサ10aから入力される遊技球の検出信号数をカウントして計数値を算出するとともに、この計数値を記憶部28に記憶させつつ、表示部22に表示させる。
また、制御部20は、払出ボタン23が操作されると、払出部29を制御して、所定数(例えば、125個単位)の遊技球を払い出させる。
この払い出しに際して制御部20は、記憶部28に計数値が記憶されているときは、計数値に基づいて遊技球の払い出しを行い、計数値がなくなり、貯玉数が記憶されているときは、この貯玉数に基づいて遊技球の払い出を行う。すなわち、計数値がある場合は、計数値から優先的に払い出しを行い、計数値がなくなると、貯玉から遊技球の払い出しを行うようになっている。
【0029】
詳細には、制御部20は、払出ボタン23が操作されたときに計数値がある場合は、払出部29の送出モータを制御して遊技球の払い出しを行わせるとともに、カウントセンサからのカウント信号の入力数を計数値から減算し、記憶部28に記憶されている計数値を減算された値に更新する。その後、計数値がなくなり、貯玉数がある場合に払出ボタン23が操作されると、払出部29の送出モータを制御して遊技球の払い出しを行わせるとともに、カウントセンサからのカウント信号の入力数を貯玉数から減算し、記憶部28に記憶されている貯玉数を減算された値に更新するとともに、カウント信号の入力数を貯玉からの貯玉払出数として会員管理装置50に通信部27を介して送信する。
【0030】
このように、本実施形態では、一の払出ボタン23の操作に基づき、計数値がある場合は計数値から払い出しが行われ、あった計数値もなくなり、貯玉数がある場合は貯玉から払い出しが行われるようになっているため、計数値からの払い出しに係る遊技球で遊技しているうちに遊技に夢中になり、いつの間にか貯玉からの払い出しに係る遊技球での遊技に移行していることがあり、この場合には気づかないうちに再プレイによる手数料が徴収されることになるため、遊技者が不利益を被ることになる。
【0031】
そこで、制御部20は、計数値に基づく払い出しから貯玉数に基づく払い出しに移行したときに、表示部22を制御して計数を促す報知表示を行わせるとともに、払出部29が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行う救済判定手段として動作し、この判定条件を満足した場合には、その計数値を救済フラグ有の預入予定玉として、通信部27を介して会員管理装置50に送信するようになっている。これにより、会員管理装置50がこの救済フラグ有の預入予定玉を目安にして、この預入予定玉を貯玉に加算する際に徴収した手数料相当の遊技球数を加算することで、徴収した手数料を相殺(補填)し、実質的に手数料の徴収を行わないようになっている。
このような制御部20(台間装置1)の動作と会員管理装置50の動作を、具体例を挙げて以下に説明する。
【0032】
図6は、手数料の徴収から遊技者を救済する場合の具体例を示す説明図であり、遊技者Aの遊技履歴を示すものである。
この例では、遊技者Aは貯玉数(5125個)を遊技場に予め預け入れた貯玉会員であり、時間aから時間eまで会員カードを会員カード挿入口26に挿入した状態で遊技機100において遊技を行うとともに、時間fにおいて会員カード挿入口26から会員カードを排出させて遊技を終了した場合の遊技履歴を示している。
また、この図において、イベントは、台間装置1において行われる遊技者の動作と、会員管理装置50において行われる貯玉移行処理を示し、計数値及び貯玉数は、各時間に対応する計数値及び貯玉数の推移を示し、動作は、イベントに対応する台間装置1及び会員管理装置50の動作を示すものである。
なお、遊技開始に際して遊技者Aが会員カードを会員カード挿入口26に挿入するとともに入力部25を操作してパスワードを入力することで、台間装置1の記憶部28には、既に会員管理装置50から送信された貯玉数(5125個)が記憶されているものとする。
【0033】
時間aにおいて、遊技者Aは計数部10により計数された計数値(250個)を有しており、この計数値に基づく払い出しにより遊技を進行させているものとする。
時間bにおいて、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、制御部20(台間装置1)は、計数値(250個)から所定数(125個)の遊技球を払い出すとともに、計数値をこの払い出し数分(125個)が減算された値(125個)に更新する。
さらに、時間cにおいて、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、制御部20(台間装置1)は、計数値(125個)から所定数(125個)の遊技球を払い出すとともに、計数値をこの払い出し数分(125個)が減算された値(0個)に更新する。その結果、時間cにおいて計数値から払い出し可能な遊技球はなくなる。
【0034】
このように、計数値から払い出し可能な遊技球がなくなり、記憶部28に記憶された貯玉がある時間dにおいて、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、制御部20(台間装置1)は、貯玉(5125個)から所定数(125個)の遊技球を払い出すことになる。
このとき、制御部20(台間装置1)は、表示部22において貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球を計数部10で計数させるように遊技者Aに促す所定の報知を行うとともに、この払い出し数(125個)を貯玉払出数として会員管理装置50に送信する。これにより、この貯玉払出数(125個)を受信した会員管理装置50は、遊技者Aの貯玉として記憶・管理している貯玉数(5125個)を、この貯玉払出数(125個)とこれに応じた手数料(例えば、75個)とを減算した値(4925個)に更新する。
表示部22において行われる報知は、例えば、「ただいま、貯玉から125個の遊技球を払い出しました。この払い出しには遊技球75個相当の手数料が徴収されます。あと、1分以内に同数以上の遊技球を計数させることで手数料の徴収は行いません。」というようなメッセージを表示する。
【0035】
さらに、時間eにおいて、遊技者Aが計数操作(計数部10のシャッターを開放させて、開口部から遊技球を機内に流入させる)を行うと、制御部20(台間装置1)は、遊技球(125個)を計数して記憶部28にその計数値(125個)を記憶する。
その後、時間fにおいて、遊技者Aが会員カード挿入口26から会員カードを排出させて遊技を終了させたときには、制御部20(台間装置1)は、この計数値(125個)を預入予定玉として、通信部27を介して会員管理装置50に送信する。
【0036】
このとき、預入予定玉である計数値(125個)が、貯玉からの遊技球が払い出された後、所定時間内(例えば、1分以内)に計数されたものである場合には、制御部20(台間装置1)は、この預入予定玉に救済フラグ有を付して会員管理装置50に送信し、所定時間経過後(例えば、1分超過後)に計数されたものである場合には、この預入予定玉に救済フラグ無を付して会員管理装置50に送信する。
すなわち、制御部20(台間装置1)は、救済判定手段として動作し、時間dにおける貯玉からの払い出し後から所定時間を計時し、時間eにおける計数終了が所定時間以内か否かの判定と、この計数された計数値が貯玉から払い出された遊技球数(125個)と同数以上か否かの判定を行い、所定時間内の計数であり、かつ、貯玉から払い出された遊技球数と同数以上を計数した場合に限り、預入予定玉に救済フラグ有を付し、それ以外の場合は、預入予定玉に救済フラグ無を付して会員管理装置50に送信する。
また、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した場合でも、以下のような事象が発生したときは、救済フラグ無を付すこともできる。
【0037】
例えば、時間dにおける貯玉からの払い出し後、当該遊技機100が所定の大当り状態となったときは、上記の判定条件を満足した場合でも、制御部20(台間装置1)は救済フラグ無を付す判定を行う。
すなわち、所定時間内の計数であり、かつ、貯玉から払い出された遊技球数と同数以上を計数したにもかかわらず、時間dにおける貯玉からの払い出し後、その所定時間内又はその所定時間経過後において当該遊技機100が所定の大当り状態となったときは、計数された遊技球は大当り状態で取得された遊技球(大当り出玉)であると推定できるため、救済フラグ無を付すこととする。これは、このような大当り出玉を取得した遊技者は徴収された手数料以上の遊技球を取得できることから、何ら不利益を被ることがないため、補填対象から除外することとするためである。
【0038】
また、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した場合でも、その後、預入予定玉である計数値から払い出しを行ったときには、救済フラグ無を付す判定を行う。
預入予定玉は、計数値として記憶部28に記憶されることから、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、計数値から払い出しが行われるので手数料が徴収されないことになる。すなわち、この計数値から払い出される遊技球は、本来貯玉からの払い出しに係る遊技球を再度計数させたものであるにもかかわらず、救済フラグ有を付して会員管理装置50に送信してしまうと、会員管理装置50において手数料が補填されることとなり、遊技者Aは手数料を徴収されることなく、貯玉から遊技球を払い出すことができることになる。
このような事態を回避するために、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した場合でも、その後、預入予定玉である計数値から払い出しを行ったときには、救済フラグ無を付す判定を行う。
具体的には、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した後、払出ボタン23操作の有無を監視し、払出ボタン23を操作することなく、遊技を終了したときには、救済フラグ有を付す判定を行い、払出ボタン23が操作された場合は、救済フラグ無を付す判定を行う。
以上のような救済フラグ有無の判定は、後述する制御部20が実行する預入予定玉選別処理において行われる。
【0039】
救済フラグ有無の付された預入予定玉を受信した会員管理装置50は、この救済フラグ有無に基づいて貯玉からの払い出しに伴い徴収した手数料の補填を行うか否かの判定を行い、預入予定玉に救済フラグ有が付されているときは、この預入予定玉(125個)を遊技者Aの貯玉として管理している貯玉数(4925個)に加算する際に手数料相当の遊技球数(75個)を同時に加算し、徴収した手数料を補填する。これにより、貯玉数は元の値(5125個)に戻ることから、実質的に手数料の徴収が行われなかったことになる。
一方、預入予定玉に救済フラグ無が付されているときは、この預入予定玉(125個)を遊技者Aの貯玉として管理している貯玉数(4925個)に加算するだけで、徴収した手数料の補填は行わない。すなわち、貯玉数は、手数料相当の遊技球数(75個)が減算された値(5050個)に更新される。
このような救済フラグの有無に基づいて手数料の補填を行うか否かの判定は、後述する会員管理装置50で実行される貯玉移行処理において行われる。
【0040】
また、制御部20は、会員管理装置50から送信された判定開始計数値に基づいて救済判定手段としての動作を作動又は停止する。
具体的には、制御部20は、貯玉を有する遊技者が遊技を開始した後、計数値が会員管理装置50から送信された判定開始計数値に満たないときには、救済判定手段としての動作を停止し、払い出し元が計数値から貯玉数に移行した場合でも、表示部22による報知表示を行わないとともに、払出部29が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行わない。
一方、制御部20aは、貯玉を有する遊技者が遊技を開始した後、計数値が救済判定開始計数値以上に達したときには、救済判定手段としての動作を作動させ、払い出し元が計数値から貯玉数に移行した場合は、表示部22による報知表示を行うとともに、払出部29が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行う。
現在の状態が作動状態か又は停止状態かの識別は、計数値が判定開始計数値以上に達したときにセット(作動状態)される、作動判定フラグを参照して行われ、この作動判定フラグを設定する処理については、制御部20aで実行される後述の作動判定フラグ設定処理で説明する。
【0041】
また、制御部20は、会員管理装置50から送信された手数料無料払出上限値に基づいて判定タイミングをシフトする。
すなわち、本実施形態に係る救済判定機能は、知らないうちに手数料が徴収されることを救済するためにあるので、所定数の払い出しまで手数料が無料となれば、手数料が課されるのは、払い出し元が計数値から貯玉に移行し、貯玉からの払い出しが行われたときからではなく、貯玉からその所定数である手数料無料払出数上限値を超えて払い出されたときからとなる。つまり、手数料無料から有料に切り替わる境目がシフトすれば、これに合わせて制御部20が判定するタイミングもシフトする必要がある。
【0042】
そこで、制御部20は、会員管理装置50から手数料無料払出上限値が送信されたときは、貯玉からの払い出し数(累計数)がこの手数料無料払出上限値を超えたときに初めて表示部22による報知表示を行うとともに、払出部29が手数料無料払出上限値を超えて貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行い、払い出し元が計数値から貯玉に移行して貯玉からの払い出しが行われたときでも手数料無料払出上限値を超えない限り、上記の動作は行わないようになっている。これにより、遊技場の貯玉再プレイシステムの実情に合わせた救済を行うことができる。
【0043】
以上説明したような制御部20aの動作は、図7〜図9に示すフローチャートに基づいて実行される。これらのフローチャートは、制御プログラムとして制御部20aに設けられたROMに記憶され、CPUが制御プログラムを実行することで、台間装置1が救済判定手段として機能する。
最初に、預入予定玉に救済フラグを付すか否かを判定する預入予定玉選別処理について、図7を参照して説明する。
【0044】
まず、制御部20aは、預入予定玉が存在し(計数値が記憶部28に記憶され)、この預入予定玉が、救済判定手段として作動状態、すなわち、作動判定フラグがセットされているときに計数されたものであり、かつ、払い出し元である計数値から貯玉に移行して貯玉からの払い出し後に計数された預入予定玉か否かを判定する(S10)。なお、上記の手数料無料払出上限値が設定されている場合は、作動判定フラグがセットされているときに計数されたものであり、かつ、この手数料無料払出上限値を超えた貯玉からの遊技球を払い出し後に計数された預入予定玉か否かの判定を行う(S10)。
【0045】
そして、払い出し元移行後の貯玉からの払い出し後、又は手数料無料払出上限値を超えた後の貯玉からの払い出し後に計数された預入予定玉である場合は(S10−Yes)、さらに、この預入予定玉が、貯玉からの払い出し後所定時間内(例えば、1分以内)に計数されたものか否かの判定を行う(S11)。このときには、同時に預入予定玉数が貯玉からの払い出し数以上であるか否かの判定も行う。
この預入予定玉が、貯玉からの払い出し数以上であり、所定時間内に計数された預入予定玉である場合は(S11−Yes)、さらに、払い出し元移行後の貯玉からの払い出し後、又は手数料無料払出上限値を超えた後の貯玉からの払い出し後に遊技機100が大当り状態となったか否かの判定を行う(S12)。
この判定は、遊技機100の大当たり信号に基づいて行なわれ、大当りが発生していない場合は(S12−Yes)、さらに、この預入予定玉(計数値)からの払い出しはないか否かの判定を行う(S13)。
そして、この預入予定玉(計数値)からの払い出しがないときには(S13−Yes)、この預入予定玉を手数料補填対象として処理するために救済フラグ有を付す(S14)。
一方、上記の各判定において(S10〜S13)、No判定である場合は、この預入予定玉を手数料補填対象としない救済フラグ無を付す(S15)。
【0046】
なお、この預入予定玉選別処理は、二度実行され、一度目は、作動判定フラグがセットされているときであって払い出し元である計数値から貯玉に移行して貯玉からの払い出し後から所定時間内(又は、上記の手数料無料払出上限値が設定されている場合は、この手数料無料払出上限値を超えた貯玉からの遊技球を払い出し後から所定時間内)に実行され、二度目は、会員カード挿入口26から会員カードを排出させて遊技を終了させたときに実行され、二度目のときは、所定時間経過後の大当り状態の発生の有無の判定(S12)と、所定時間経過後の預入予定玉(計数値)からの払い出しの有無の判定(S13)のみを行うとともに、救済フラグ有無を付した預入予定玉を会員管理装置59に送信する処理を実行する。
その結果、一度目の判定において救済フラグ有が付されたときでも、所定時間経過後に大当り状態となった場合(S12−No)、又は、所定時間経過後に預入予定玉(計数値)からの払い出しが行われた場合は(S13−No)、救済フラグ無が付される(救済フラグ有が取り消される)こともある。これにより、救済機能の悪用が防止されるともに、救済フラグ有が付された後に、計数値からの払い出しに基づき遊技を進行するような場合を手数料の補填対象から除外することができ、適正な運用が図られる。
【0047】
次に、救済判定手段として作動状態又は停止状態かの識別を行うためのフラグである作動判定フラグを設定する作動判定フラグ設定処理について、図8を参照して説明する。
【0048】
この作動判定フラグ設定処理は、貯玉会員による遊技が開始された後に実行される処理で、まず、制御部20aは、貯玉があるか否かの判定(記憶部28に記憶されている貯玉数を判定)を行い(S20)、貯玉があるときには(S20−Yes)、さらに計数値があるか否か(S21)の判定を行う(記憶部28に記憶されている計数値を判定)。計数値があるときには(S21−Yes)、その計数値が会員管理装置50から送信された判定開始計数値(例えば、2000個)を超えているか否かの判定を行う(S22)。そして、計数値が判定開始計数値を超えているときは(S22−Yes)、作動判定フラグをセットし(S23)、救済判定手段としての動作を作動状態にする。
一方、上記の各判定において(S20〜S22)、No判定である場合は、作動判定フラグをセットせずに、救済判定手段としての動作を停止状態のまま終了する。なお、この作動判定フラグは、上記の一度目に実行された預入予定玉選別処理終了後にクリアされ、同じ貯玉会員に対して再びセットされることはない。
【0049】
次に、払出ボタン23操作時に実行される払出ボタン操作処理について、図9を参照して説明する。
制御部20aは、払出ボタン23が操作されると、計数値かあるか否かの判定(記憶部28に記憶されている計数値を判定)を行い(S30)、計数値があるときには(S30−Yes)、計数値から遊技球を払い出し(S33)、計数値がないときには(S30−No)、貯玉かあるか否かの判定(記憶部28に記憶されている貯玉数を判定)を行い(S31)、貯玉があるときには(S31−Yes)、貯玉から遊技球を払い出す(S32)。
一方、貯玉がないときには(S31−No)、いずれの払い出し元にも払い出し可能な遊技球がないことから処理を終了する。
そして、作動判定フラグがセット済みか否かの判定を行い(S34)、作動判定フラグがセットされているときは(S34−Yes)、さらに、その貯玉からの払い出し数(累計数)が手数料無料上限数を超えたか否かの判定を行う(S35)。
そして、貯玉からの払い出し数が手数料無料上限数を超えたときには(S35−Yes)、手数料無料から手数料有料に移行し、かつ、救済判定手段として作動状態にあるので、表示部22において前述したような報知メッセージを表示する報知処理を実行する(S36)。その後、前述の預入予定玉選別処理に移行し、貯玉からの払い出し数以上の計数値(預入予定玉)の有無を監視する。
一方、作動判定フラグがセットされていないとき(S34−No)、又は、貯玉からの払い出し数が手数料無料上限数を超えていないときには(S35−No)、報知処理を実行せずに処理を終了する。
【0050】
なお、手数料無料上限数が会員管理装置50から送信されていないときには、手数料無料上限数を超えたか否かの判定処理(S35)を削除することもできる。この場合には、作動判定フラグがセットされているときは(S34−Yes)、直ちに払い出し元が計数値から貯玉に移行(手数料無料から手数料有料に移行)したものとして報知処理を実行する。
また、制御部20aの救済判定手段としての動作を常時作動状態とする場合、すなわち、計数値が判定開始計数値に達するか否かを問わず、払い出し元が計数値から貯玉に移行後の貯玉からの払い出し後(又は手数料無料上限数を超えた後の貯玉からの払い出し後)に計数された計数値(預入予定玉)を手数料の補填対象とするか否かの判定を常時行う場合は、作動判定フラグがセット済みか否かの判定処理(S34)を削除してもよい。
【0051】
[会員管理装置]
会員管理装置50は、図4に示すように、キーボード、マウス等からなる入力部51と、遊技機100、台間装置1、ホールコンピュータ60と直接又は台コンピュータ30及び島コンピュータ40を介してデータ通信を行う通信部52と、貯玉会員毎の会員ID、パスワード、貯玉数などを記憶する会員データ記憶部53と、液晶ディスプレイからなる表示部54と、これらを制御するコンピュータからなる制御部50aと、を備え、遊技者が遊技場に予め預け入れた貯玉を貯玉会員毎に管理する情報処理装置として構成されている。
会員管理装置50が行う貯玉の管理処理には、例えば、貯玉からの払い出し数に応じて貯玉数を減算する処理、この払い出し数に応じた手数料相当の遊技球数を貯玉数から減算して手数料を徴収する処理、また、台間装置1から受信した預入予定玉をこの貯玉に加算して貯玉会員毎の貯玉を更新する処理などがある。
【0052】
詳細には、会員管理装置50は、台間装置1から会員IDとパスワードを含む会員カード情報を受信すると、この会員カード情報に対応する貯玉会員の貯玉数を台間装置1に送信する。
そして、会員管理装置50は、台間装置1において貯玉数から遊技球が払い出される度に送信される貯玉払出数を受信すると、貯玉会員の貯玉数から貯玉払出数を減算するとともに、この貯玉払出数に応じた手数料相当の遊技球数を貯玉数から減算する処理を行う。
また、会員管理装置50は、遊技場の管理者等により入力部51から入力された手数料無料払出上限値と判定開始計数値とを台間装置1に送信する処理を行う。
【0053】
さらに、会員管理装置50は、台間装置1から預入予定玉を受信すると、この預入予定玉を貯玉会員毎に記憶するとともに、この預入予定玉を対応する貯玉会員の貯玉数に加算して貯玉を更新する処理を行う。この更新処理では、受信した預入予定玉に付される救済フラグの有無を参照し、救済フラグ有のときは減算した手数料相当の遊技球数を補填する処理も同時に行う。
このような更新処理(補填処理)は、遊技場の閉店から翌営業日の開店前までに実行される貯玉移行処理において行われ、この貯玉移行処理では、当該営業日において全ての貯玉会員の預入予定玉の有無を抽出して、預入予定玉がある貯玉会員の貯玉数にこの預入予定玉を加算して貯玉の更新を行う。以下、この貯玉移行処理について、図10を参照して説明する。
【0054】
会員管理装置50は、会員カードの会員ID毎に、台間装置1から受信した預入予定玉の有無を抽出し(S40)、会員ID毎に受信した預入予定玉があるか否かの判定を行う(S41)。預入予定玉があるときには(S41−Yes)、さらに、救済フラグの有無の判定を行い(S42)、救済フラグ有のときは(S42−Yes)、該当する貯玉会員の貯玉に、預入予定玉と手数料相当分の遊技球数を加算して貯玉数を更新する(S43)。これにより、意に反して徴収された手数料が補填されることになる。一方、救済フラグ無のときは(S42−No)、該当する貯玉会員の貯玉に、預入予定玉のみを加算して貯玉数を更新する(S44)。
なお、預入予定玉がないときには(S41−No)、その会員IDの貯玉を何ら更新しない。そして、以上の処理を全ての会員IDに対して実行されるまで繰り返し行う(S45−No)。
このような貯玉移行処理を実行することにより、全ての貯玉会員に対して漏れなく手数料が補填されることになる。
【0055】
なお、貯玉移行処理は、遊技場の閉店時以降に実行されるため、台間装置1から救済フラグ有無を付した預入予定玉を受信してから貯玉移行処理が実行されるまでタイムラグがあり、このタイムラグの間に、救済フラグ有の預入予定玉に係る貯玉会員が、再び貯玉を用いて遊技を行うことも想定される。この場合には、会員管理装置50は、この預入予定玉を未だ貯玉に加算されない計数値として管理しており、このような貯玉会員が再び会員カードを挿入して遊技を行うと計数値から遊技球が優先的に払い出され、手数料を徴収されることなく遊技を行うことができてしまう。
そこで、このタイムラグの間に、救済フラグ有の預入予定玉に係る貯玉会員が、再び遊技を行った場合には、この救済フラグ有を取り消す処理を実行する。
具体的には、会員管理装置50は、台間装置1から救済フラグ有の預入予定玉に係る貯玉会員の会員カード情報(会員IDとパスワード)の受信に基づき、この貯玉会員の貯玉数とこの預入予定玉を送信するとともに、払出ボタン23の操作に係る操作信号を受信した場合には、既に受信した救済フラグ有を救済フラグ無に書き換える処理を実行する。これにより、救済機能の悪用が防止される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の遊技場用システムによれば、計数値のある状態からない状態となり、計数値に基づく払い出しから貯玉に基づく払い出しに移行したことに気づかずに徴収された手数料を補填することができる。
なお、本実施形態では、手数料無料払出上限値と判定開始計数値とを会員管理装置50から入力したが、台間装置1の入力部25から直接入力することもできる。
なお、上記の実施形態では、貯玉移行処理(補填処理)を遊技場の閉店から翌営業日の開店前までに実行し、台間装置1から救済フラグ有無を付した預入予定玉を受信してから貯玉移行処理(補填処理)が実行されるまでタイムラグを有していたが、次に示す変形実施形態と同様、会員管理装置50が、遊技者による操作に基づいて救済フラグ有の預入予定玉を受信したタイミングで、この預入予定玉と徴収した手数料相当の遊技球数とを貯玉に加算する処理を行うことで、気づかずに徴収された手数料をリアルタイムに補填することもできる。
【0057】
次に、本発明に係る遊技場用システムSの変形実施形態について説明する。
以下に示す変形実施形態では、遊技球の払い出し元を遊技者が選択操作可能な払出元選択手段を備える点が、前述の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態の台間装置1は、払出元選択手段として、計数値からの払い出し専用の払出ボタンと、貯玉からの払い出し専用の払出ボタンの二つの払出ボタン23を備え(不図示)、それぞれの払出ボタン23が遊技者により選択操作されることにより、計数値又は貯玉のいずれかの払い出し元を任意に選択できるように構成してある。
このように、払い出し元を選択操作可能な構成とすることにより、計数値と貯玉の双方がある場合において、遊技者(貯玉会員)の誤操作により、計数値があるにもかかわらず、貯玉からの払い出しが行われることもあり、この場合には、意に反して再プレイ手数料が徴収されることになる。
そこで、本実施形態に係る遊技場用システムは、計数値があるにもかかわらず、台間装置1が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10においてこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数した場合は、会員管理装置50が徴収した手数料を補填することで、実質的に手数料の徴収を行わないようになっている。
【0058】
具体的には、前記の実施形態と同様、台間装置1の記憶部28に会員管理装置50から受信した貯玉数と計数値とが記憶されているときに、貯玉からの払い出し専用の払出ボタン23が操作され、払出部29から貯玉に基づく遊技球が払い出された後、計数部10においてこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数した場合、台間装置1で実行される預入予定玉選別処理において、この計数された計数値を救済フラグ有の預入予定玉として処理する。
会員管理装置50は、台間装置1から受信した貯玉払出数に応じた手数料を貯玉数から減算するものの、例えば、台間装置1の入力部25を、遊技者(貯玉会員)の操作により救済フラグ有の預入予定玉を送信可能に構成し、会員管理装置50がこの救済フラグ有の預入予定玉を受信したときは、この預入予定玉と徴収した手数料相当の遊技球数とを貯玉に加算する処理を行い、誤操作に基づく手数料の徴収から遊技者(貯玉会員)をリアルタイムに救済する。
一方、台間装置1は、救済フラグ有の預入予定玉の送信と同時に、この預入予定玉数を計数値から減算する処理を行う。これにより、計数値が計数前の値に戻り、再び計数値に基づく払い出しによって遊技を進行させることができる。
【0059】
このような本実施形態に係る遊技場用システムの動作は、図11に示す手数料徴収処理に基づいて実行される。以下、同図を参照しつつ、遊技場用システムの動作を説明する。
まず、台間装置1において貯玉からの払い出しが行われると(S50)、このとき、計数値の有無を判定する(S51)。計数値がある場合は(S51−Yes)、誤操作と判定し、前実施形態と同様、表示部22において所定の報知メッセージを表示する(S52)。そして、台間装置1において、所定時間内に貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球が計数されたか否かの判定を行い(S53)、貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球が計数され、台間装置1から救済フラグ有の預入予定玉を受信したときは(S53−Yes)、会員管理装置50は、この預入予定玉と徴収した手数料相当の遊技球とを貯玉に加算して手数料を補填する(S54)。
一方、貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球が計数されず、救済フラグ無の預入予定玉を受信、又は預入予定玉を何ら受信しないときは、手数料を徴収したまま放置し補填は行わない(S55)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の遊技場用システムによれば、計数値があるにもかかわらず、誤操作による貯玉からの払い出しで徴収された手数料を補填することができる。
【0061】
以上、本発明の遊技場用システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場用システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、各本実施形態では、台間装置1を救済判定手段として動作させたが、会員管理装置50を救済判定手段として動作させることもできる。この場合、台間装置1から会員管理装置50に、遊技球の払い出し数及び払い出しに係る払い出し元(計数値又は貯玉)を特定可能な情報と、払出ボタン23の操作タイミング情報と、計数部10で計数された計数値の情報と、遊技機100の大当り状態に係る情報をリアルタイムに送信することで、会員管理装置50において預入予定玉選別処理を実行することもでき、さらに、会員管理装置50から台間装置1に、報知メッセージを表示部22に表示させる指令情報を送信することで、払出ボタン操作処理を実行することもできる。
【0062】
また、上述した実施形態では、貯玉会員の特定にパスワードの入力を要求したが、これに限るものではなく、個人が特定可能であれば、例えば、指紋認証,静脈認証等の人体認証を用いてもよい。
また、計数部10と台間部20を一体に構成して台間装置1としたが、別々に設けることもできる。この場合、計数部10を各台計数機とし、台間部20を遊技媒体を払い出す台間機(遊技媒体払出装置)とし、これらを相互通信可能に接続させることで、上述した各実施形態と同様な動作を実現させることができる。
【0063】
また、上述した実施形態では、計数部10に計数センサ10aを設けたが、台間部20に計数センサ10aを設けることもできる。この場合、受皿12には、シャッターを設けずに、図2において左傾斜させ、遊技球を台間部20の計数センサ10aに向かって転動させるように構成することもできる。
また、各実施形態では、台間装置1は、記憶部28で記憶した計数値に基づいて救済判定手段として動作したが、台間装置1が持ち玉管理装置70とリアルタイムに相互通信を行い、持ち玉管理装置70が管理する台間装置1毎の計数値に基づいて救済判定手段として動作することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、貯玉再プレイシステムが導入され、遊技球を計数するとともに払い出す台間装置とを備える遊技場に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 台間装置
10 計数部(計数手段)
20 台間部
22 表示部(報知手段)
20a 制御部
29 払出部(払出手段)
30 台コンピュータ
40 島コンピュータ
50 会員管理装置(管理手段)
60 ホールコンピュータ
S 遊技場用システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯玉から遊技媒体を引き出すときに手数料を徴収する遊技場用システムに関し、特に、意に反する貯玉からの誤引き出しによる手数料の徴収から遊技者を救済する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機やスロットマシン等の複数の遊技機が設置された遊技場(ホール)には、遊技者が予め預け入れたメダルや遊技球などの遊技媒体を貯留遊技媒体(貯玉)として管理するとともに、後日再来場した際に、その貯玉で再プレイ可能とする貯玉再プレイシステムが導入されている。この貯玉再プレイシステムでは、遊技場から発行された会員カード(例えば、ICカード)を遊技機に併設された台間装置に挿入することによって、貯玉の範囲内で遊技媒体を引き出し(払い出し)ながら、遊技を行うことができる。
このような貯玉再プレイシステムでは、貯玉を引き出す際に、再プレイに係る手数料を貯玉から徴収することが一般的に行われている。
【0003】
また、このような貯玉再プレイシステムを導入している遊技場では、遊技機で取得した遊技媒体をその場で計数可能とし、この計数された値を計数値として記憶するとともに、遊技者の操作に基づいてこの計数値の範囲内で遊技媒体をその場で払い出し可能な各台計数機を設置しているところもある。この計数値からの払い出しには、貯玉からの引き出しに際して徴収されるような手数料がないことから、遊技者は計数値があるときはなるべく貯玉を用いずに遊技を行うようにしている。
【0004】
このような各台計数機において、一つのボタン操作で計数値からの払い出しと貯玉からの払い出しを行う技術が提案されている(特許文献1)。
この各台計数機は、計数値があるときは優先的に計数値から遊技媒体を払い出し、計数値がないときは貯玉から払い出すように構成されている。
計数値からの払い出しを行うボタンと、貯玉からの払い出しを行うボタンとをそれぞれ独立して設けると、計数値があるにもかかわらず、誤って貯玉からの払い出しに係るボタンを操作する場合もあるが、この各台計数機によりそのような誤操作の発生を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−106652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では以下のような問題があった、
例えば、計数値からの払い出しを行うボタンと、貯玉からの払い出しを行うボタンとがそれぞれ独立して設けられている場合において、計数値があるにもかかわらず、誤って貯玉からの払い出しに係るボタンを操作すると、遊技者の意に反して再プレイによる手数料が徴収されることになる。
また、特許文献1に記載の各台計数機では、計数値からの払い出しに係る遊技媒体で遊技しているうちに遊技に夢中になり、いつの間にか貯玉からの払い出しに係る遊技媒体での遊技に移行していることがあり、この場合には気づかないうちに再プレイによる手数料が徴収されることになるため、遊技者が不利益を被ることになる。
【0007】
本発明は、上記のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、遊技者の気づかないうちに徴収された再プレイによる手数料を補填する遊技場用システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場用システムは、遊技機毎に設置され、遊技媒体を計数する計数手段と、当該遊技機で遊技を行う遊技者による所定の操作に基づいて、前記計数手段で計数された計数値の範囲内、及び前記遊技者が予め遊技場に預け入れた貯留遊技媒体数の範囲内において遊技媒体を当該遊技者に対して払い出す払出手段と、前記貯留遊技媒体数を遊技者毎に管理するとともに、前記貯留遊技媒体数からの払い出し数に応じた遊技媒体数を前記預け入れた貯留遊技媒体数から減算して手数料の徴収を行う管理手段と、を備える遊技場用システムであって、前記管理手段は、前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誤操作に基づく貯玉からの払い出しによる再プレイ手数料の徴収から遊技者を救済することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技場用システムの構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る台間装置及び遊技機の構成を示す外観正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る台間装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る会員管理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技機と台間装置と会員管理装置との間で送受される情報を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る手数料の徴収から遊技者を救済する具体例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る預入予定玉選別処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る作動判定フラグ設定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る払出ボタン操作処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る貯玉移行処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係る手数料徴収処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技場用システムの好ましい実施形態について図1〜図11を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る遊技場用システムSは、複数の遊技機100が設置される遊技場(ホール)に設けられ、台間装置1、台コンピュータ30、島コンピュータ40、会員管理装置50、ホールコンピュータ60、持ち玉管理装置70などで構成されている。これらは所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0012】
台間装置1は、コンピュータ制御により本発明に係る計数手段及び払出手段として動作するとともに、後述する救済判定手段として動作するように構成されている。
台コンピュータ30及び島コンピュータ40は、それぞれ遊技機100毎及び複数の遊技機100が取り付けられた遊技機島毎に設けられる情報中継処理装置であり、遊技機100と台間装置1と会員管理装置50とホールコンピュータ60の間で送受される情報を中継する。
会員管理装置50は、本発明に係る管理装置として動作する情報処理装置であって、遊技者が遊技場に予め預け入れたメダルや遊技球等の貯留遊技媒体(貯玉)を遊技者(貯玉会員)毎に管理するとともに、貯玉からの払い出し数に応じた遊技媒体数を預け入れた貯玉数から減算して手数料の徴収を行う。
ホールコンピュータ60は、所定の遊技データを集計する情報処理装置であって、遊技機100及び台間装置1からの遊技信号(例えば、後述する大当り信号、アウト信号、セーフ信号、売上信号など)を収集して、遊技機100毎、遊技機100の特定の機種毎、遊技機島毎、遊技場全体における所定の遊技データ(例えば、総アウト数、総セーフ数、大当り確率、売上げ、粗利、割数など)を集計する。
持ち玉管理装置70は、台間装置1で計数された遊技媒体の計数値を台間装置1毎に管理する情報処理装置であり、各台間装置1との間で計数値を送受する。
具体的には、持ち玉管理装置70は、各台間装置1から計数値をリアルタイムに受信して、台間装置1毎の計数値を記憶・管理するとともに、各台間装置1からの要求に応じて、該当する台間装置1に現在の計数値を送信する。
【0013】
このような遊技場用システムSにおいて、貯玉会員の誤操作により台間装置1が会員管理装置50の管理する貯玉数に基づき貯玉数から遊技媒体の払い出しを行った後、貯玉数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、会員管理装置50が徴収した手数料を補填するように動作する。以下、このような動作の実現に関連する特徴的な装置である、遊技機100と台間装置1と会員管理装置50について詳述する。
【0014】
[遊技機]
遊技機100は、遊技球やメダル等の遊技媒体を用いて遊技を行う、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球などの様々な機類の遊技機で構成され、各遊技機100からは、遊技状態を示す遊技信号として、所定の大当り状態を示す大当り信号、遊技媒体の出入数を示す遊技信号として、遊技機100への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機100からの遊技媒体の払出数を示すセーフ信号等が出力される。これらの遊技信号は、台コンピュータ30と島コンピュータ40を介してホールコンピュータ60に入力されるようになっている。
なお、本実施形態では、遊技球(パチンコ玉)を遊技媒体とするパチンコ機を遊技機100として以下に説明する。
【0015】
遊技機100は、図2に示すように、その正面に上皿101、下皿102、発射ハンドル103、玉貸ボタン104が配設されている。
上皿101は、遊技球を貯留するための貯留部であり、遊技者が発射ハンドル103を操作することにより、上皿101に貯められた遊技球が1個ずつ遊技機100の遊技盤面、すなわち遊技領域内に発射されてパチンコ遊技が行える。
【0016】
下皿102は、上皿101に貯留しきれずにあふれた遊技球(オーバーフロー玉)が貯留される貯留部であり、図示しないレバー操作によって、上皿101に貯留されている遊技球を下皿102に流し込むことができるようになっている。さらに、下皿102には、図示しないレバーが設けられ、このレバーを操作することで、下皿102に貯留されている遊技球を下方に向けて流出させることができる。
玉貸ボタン104は、遊技者の操作に係る操作ボタンであり、台間装置1に現金が投入されている場合に操作されると、所定数(例えば、125個)の遊技球が遊技機100の払出装置(不図示)から払い出される。また、この操作によって、売上金額を示す売上信号が、台間装置1から出力され台コンピュータ30と島コンピュータ40を介してホールコンピュータ60に入力される。
【0017】
[台間装置]
台間装置1は、図2及び図3に示すように、遊技機100毎に設置され、当該遊技機100で取得した遊技球を計数する機能と、遊技者が予め預け入れた貯玉の範囲内、又は計数された計数値の範囲内において、遊技球を当該遊技機100でパチンコ遊技を行う遊技者に対して払い出す機能と、貯玉からの払い出しが行われたときに、この払い出しを手数料の補填対象とするか否かを判定する救済判定機能とを備えている。
具体的には、台間装置1は、図2に示すように、計数部10と台間部20とで構成され、計数部10が主に遊技球を計数する計数手段として動作し、台間部20が主に投入された紙幣、会員カード、及び所定の記録媒体(例えば、ICコイン)などから所定情報を読取るとともに、これらの情報及び計数部10で計数された計数値に基づいて遊技球を払い出す払出手段として動作する。また、台間部20に備える後述の制御部20aが救済判定手段として動作し、貯玉からの払い出しが行われたときに、所定の条件を満足する場合に限り徴収した手数料の補填対象とする判定を行うようになっている。以下、各部の構成について説明する。
【0018】
計数部10は、計数センサ10a、レバー11、受皿12を備え、計数手段(各台計数機)として動作する。
受皿12は、下皿102から流出した遊技球を受け入れて貯留するとともに、この受皿12の底面に形成された開口部(不図示)から遊技球を機内へ流入させるようになっている。また、開口部にはシャッター(不図示)が設けられ、レバー11を操作するとシャッターの動作に基づき開口部が開閉され、遊技球の貯留又は流入を選択操作することができるようになっている。そして、機内へ流入した遊技球は、例えば、フォトインタラプタや近接センサ等からなる計数センサ10aに誘導されて検出される。この検出信号は制御部20aに入力される。
【0019】
台間部20は、紙幣投入口21、表示部22、払出ボタン23、ノズル24、入力部25、会員カード挿入口26を外部に備えるとともに、制御部20a、読取部21a,26a、通信部27、記憶部28、払出部29を内部に備えている。
紙幣投入口21は、遊技者が予め遊技場に預け入れた貯玉がない場合や計数部10で計数された計数値がない場合において、現金を対価として新たに遊技球を貸し出すときに紙幣を投入する投入口であり、この投入された紙幣は、紙幣投入口21の内部に設けられた読取部21aで金種が識別されるとともに、後述の記憶部28においてその金額が記憶される。
また、この記憶部28において記憶された金額の範囲内において、通信部27を介して接続された遊技機100が、前述した玉貸ボタン104の操作に基づいて所定数の遊技球を払い出すようになっている。
表示部22は、液晶ディスプレイからなり、報知手段として動作するとともに、記憶部28に記憶される計数値、貯玉数などを表示する。
【0020】
払出ボタン23は、遊技球の払い出しに係る操作ボタンであり、遊技者によって操作されることで、計数値の範囲内、又は貯玉数の範囲内において所定数(例えば、125個単位)の遊技球が払出部29から払い出される。
後述するように、本実施形態の払出ボタン23は、遊技者による一の操作により、計数値がある場合は優先的に計数値から払い出しが行われ、計数値がなく、貯玉がある場合は貯玉から払い出しが行われ、払い出し元を任意に選択できない兼用の操作ボタンとして構成されている。
ノズル24は、払出ボタン23の操作に基づいて払い出された遊技球の誘導路として構成され、払出部29から送出される遊技球を上皿101に誘導する。
払出部29は、遊技球を払い出す(送出する)モータと払い出し数(送出数)をカウントするカウントセンサを備え(いずれも不図示)、払出ボタン23の操作に基づいて払い出し動作を開始するとともに、所定数の遊技球(例えば、125個)をカウントすると動作を停止する。つまり、払出部29は、払出ボタン23が操作されると、計数値の範囲内、又は貯玉数の範囲内において所定数(125個)単位で遊技球を払い出す。
【0021】
会員カード挿入口26は、遊技場が発行する会員カード(例えば、ICカード)を挿入する挿入口であり、挿入された会員カードからは、会員カード挿入口26の内部に設けられた読取部26aで貯玉会員を特定する情報である会員IDが読取られるとともに、この会員IDは後述の通信部27を介して接続された会員管理装置50に送信される。
入力部25は、所定の文字情報等を入力可能なテンキーなどの操作ボタンを備え、貯玉からの払い出しに際して会員カードを挿入した遊技者に対して要求されるパスワードを入力することができ、この入力されたパスワードは、上記の会員IDとともに通信部27を介して会員管理装置50に送信されるようになっている。また、入力部25は、図示しない排出ボタンを備え、これを操作することにより、会員カード挿入口26に挿入された会員カードを排出(返却)することができ、会員カードの排出とともに、当該遊技者(貯玉会員)による遊技の終了が通信部27を介して会員管理装置50に送信されるようになっている。
【0022】
通信部27は、遊技機100、ホールコンピュータ60、会員管理装置50と所定の通信プロトコルに基づいてデータ通信を行う通信手段である。
台間装置1は、この通信部27により、遊技機100、ホールコンピュータ60、会員管理装置50と直接又は台コンピュータ30及び島コンピュータ40を介して所定の情報を送受する。
【0023】
ここで、台間装置1と遊技機100と会員管理装置50との間で送受する情報に関して、台間装置1を主体にして図5を参照しつつ説明する。
台間装置1から出力される情報には、会員IDとパスワードからなる会員カード情報と、貯玉払出数(再プレイ玉数)と、預入予定玉数とがある。会員カード情報は、会員IDとパスワードからなる貯玉会員を特定する情報であり、貯玉払出数は、貯玉に基づいて払い出しを行ったときの払い出し数を示す情報であり、預入予定玉数は、計数部10で計数された計数値であって貯玉としての預け入れ予定数を示す情報である。そして、これらの情報は会員管理装置50に入力されるようになっている。
なお、この預入予定玉数は、遊技の終了時に記憶部28に記憶されている計数値であり、会員カード挿入口26から会員カードが排出されるタイミングで遊技の終了を示す情報とともに出力され、この預入予定玉数には、後述するように、貯玉からの払い出しが行われたときに徴収した手数料を補填するか否かの目安となる救済フラグが付されるようになっている。
【0024】
一方、台間装置1に入力される情報には、遊技機100からの大当り信号と、会員管理装置50からの貯玉数、手数料無料払出数上限値、及び判定開始計数値とがある。
大当り信号は、前述したように遊技機100の大当り状態を示す情報であり、貯玉数は、会員管理装置50が貯玉会員毎に管理する貯玉数であり、台間装置1の出力した会員カード情報から特定される貯玉会員の貯玉数を示している。
また、手数料無料払出上限値は、貯玉からの払い出し数に応じて徴収される手数料を所定の払い出し数まで無料とする払い出し数の上限値を示す情報であり、例えば、貯玉からの遊技球の払い出し数1000個まで手数料無料とする場合は、その1000個が手数料無料払出上限値となる。
【0025】
判定開始計数値は、救済判定機能を作動状態又は停止状態に制御するための設定値であり、計数値が所定数に達しない限り救済判定機能を停止状態とし、計数値が所定数以上に達したときに初めて救済判定機能を作動状態とする、その所定数(計数値)を定めたものである。このように、計数値に基づいて救済判定機能を作動状態又は停止状態に制御するのは、以下のような理由による。
本実施形態に係る救済判定機能の目的は、払い出し元が計数値から貯玉に移行したことに気づかずに徴収された手数料を補填して救済することにあるため、そもそも計数値が存在しなければ救済する必要もなく、また、ある程度の計数値が確保されずに、貯玉からの払い出しと計数値からの払い出しを行き来している状態では、貯玉会員は手数料の徴収を認識しつつ遊技を進行させているので、救済する必要もないからでする。そこで、このような状態では、救済判定機能を停止状態とし、計数値が所定数以上に達したときに初めて救済判定機能を作動状態にすることで、救済の判定時期を遊技者が手数料の徴収を認識していないタイミングに合致させることができる。
なお、手数料無料払出上限値と判定開始計数値は、遊技場の関係者が設定可能な設定値であり、会員管理装置50において入力することができる。
【0026】
また、台間装置1と遊技機100と会員管理装置50との間で送受する情報は上記に限らず、例えば、払出ボタン23の操作を示す操作信号や、会員カードの排出とともに、当該遊技者(貯玉会員)による遊技の終了を示す終了情報が台間装置1から会員管理装置50に入力される。また、会員管理装置50の管理する貯玉に加算される前の預入予定玉が台間装置1からの要求に応じて会員管理装置50から台間装置1に入力される。また、記憶部28で記憶する金額を示す金額情報が台間装置1から遊技機100に入力され、これにより、遊技機100が玉貸ボタン104の操作に基づき記憶部28で記憶した金額の範囲内で遊技機100が遊技球を払い出すようになっている。
なお、本実施形態では、払出部29が貯玉数と計数値からの払い出しを行うが、台間装置1からの払出要求信号に基づいて遊技機100から払い出すこともできる。
【0027】
記憶部28は、不揮発性メモリからなる記憶手段であり、計数部10で計数された計数値、会員管理装置50から送信される貯玉数、手数料無料払出上限値、及び判定開始計数値などを記憶する。
制御部20は、中央演算処理装置(CPU)、所定の記憶手段(例えば、ROM、RAM)、インターフェイス(I/Oポート)等を備えるコンピュータからなり、記憶手段に記憶された制御プログラムとデータに基づき計数部10及び台間部20を構成する各部を制御して、台間装置1を計数手段、払出手段及び救済判定手段として動作させるようになっている。
【0028】
具体的には、制御部20は、計数センサ10aから入力される遊技球の検出信号数をカウントして計数値を算出するとともに、この計数値を記憶部28に記憶させつつ、表示部22に表示させる。
また、制御部20は、払出ボタン23が操作されると、払出部29を制御して、所定数(例えば、125個単位)の遊技球を払い出させる。
この払い出しに際して制御部20は、記憶部28に計数値が記憶されているときは、計数値に基づいて遊技球の払い出しを行い、計数値がなくなり、貯玉数が記憶されているときは、この貯玉数に基づいて遊技球の払い出を行う。すなわち、計数値がある場合は、計数値から優先的に払い出しを行い、計数値がなくなると、貯玉から遊技球の払い出しを行うようになっている。
【0029】
詳細には、制御部20は、払出ボタン23が操作されたときに計数値がある場合は、払出部29の送出モータを制御して遊技球の払い出しを行わせるとともに、カウントセンサからのカウント信号の入力数を計数値から減算し、記憶部28に記憶されている計数値を減算された値に更新する。その後、計数値がなくなり、貯玉数がある場合に払出ボタン23が操作されると、払出部29の送出モータを制御して遊技球の払い出しを行わせるとともに、カウントセンサからのカウント信号の入力数を貯玉数から減算し、記憶部28に記憶されている貯玉数を減算された値に更新するとともに、カウント信号の入力数を貯玉からの貯玉払出数として会員管理装置50に通信部27を介して送信する。
【0030】
このように、本実施形態では、一の払出ボタン23の操作に基づき、計数値がある場合は計数値から払い出しが行われ、あった計数値もなくなり、貯玉数がある場合は貯玉から払い出しが行われるようになっているため、計数値からの払い出しに係る遊技球で遊技しているうちに遊技に夢中になり、いつの間にか貯玉からの払い出しに係る遊技球での遊技に移行していることがあり、この場合には気づかないうちに再プレイによる手数料が徴収されることになるため、遊技者が不利益を被ることになる。
【0031】
そこで、制御部20は、計数値に基づく払い出しから貯玉数に基づく払い出しに移行したときに、表示部22を制御して計数を促す報知表示を行わせるとともに、払出部29が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行う救済判定手段として動作し、この判定条件を満足した場合には、その計数値を救済フラグ有の預入予定玉として、通信部27を介して会員管理装置50に送信するようになっている。これにより、会員管理装置50がこの救済フラグ有の預入予定玉を目安にして、この預入予定玉を貯玉に加算する際に徴収した手数料相当の遊技球数を加算することで、徴収した手数料を相殺(補填)し、実質的に手数料の徴収を行わないようになっている。
このような制御部20(台間装置1)の動作と会員管理装置50の動作を、具体例を挙げて以下に説明する。
【0032】
図6は、手数料の徴収から遊技者を救済する場合の具体例を示す説明図であり、遊技者Aの遊技履歴を示すものである。
この例では、遊技者Aは貯玉数(5125個)を遊技場に予め預け入れた貯玉会員であり、時間aから時間eまで会員カードを会員カード挿入口26に挿入した状態で遊技機100において遊技を行うとともに、時間fにおいて会員カード挿入口26から会員カードを排出させて遊技を終了した場合の遊技履歴を示している。
また、この図において、イベントは、台間装置1において行われる遊技者の動作と、会員管理装置50において行われる貯玉移行処理を示し、計数値及び貯玉数は、各時間に対応する計数値及び貯玉数の推移を示し、動作は、イベントに対応する台間装置1及び会員管理装置50の動作を示すものである。
なお、遊技開始に際して遊技者Aが会員カードを会員カード挿入口26に挿入するとともに入力部25を操作してパスワードを入力することで、台間装置1の記憶部28には、既に会員管理装置50から送信された貯玉数(5125個)が記憶されているものとする。
【0033】
時間aにおいて、遊技者Aは計数部10により計数された計数値(250個)を有しており、この計数値に基づく払い出しにより遊技を進行させているものとする。
時間bにおいて、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、制御部20(台間装置1)は、計数値(250個)から所定数(125個)の遊技球を払い出すとともに、計数値をこの払い出し数分(125個)が減算された値(125個)に更新する。
さらに、時間cにおいて、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、制御部20(台間装置1)は、計数値(125個)から所定数(125個)の遊技球を払い出すとともに、計数値をこの払い出し数分(125個)が減算された値(0個)に更新する。その結果、時間cにおいて計数値から払い出し可能な遊技球はなくなる。
【0034】
このように、計数値から払い出し可能な遊技球がなくなり、記憶部28に記憶された貯玉がある時間dにおいて、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、制御部20(台間装置1)は、貯玉(5125個)から所定数(125個)の遊技球を払い出すことになる。
このとき、制御部20(台間装置1)は、表示部22において貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球を計数部10で計数させるように遊技者Aに促す所定の報知を行うとともに、この払い出し数(125個)を貯玉払出数として会員管理装置50に送信する。これにより、この貯玉払出数(125個)を受信した会員管理装置50は、遊技者Aの貯玉として記憶・管理している貯玉数(5125個)を、この貯玉払出数(125個)とこれに応じた手数料(例えば、75個)とを減算した値(4925個)に更新する。
表示部22において行われる報知は、例えば、「ただいま、貯玉から125個の遊技球を払い出しました。この払い出しには遊技球75個相当の手数料が徴収されます。あと、1分以内に同数以上の遊技球を計数させることで手数料の徴収は行いません。」というようなメッセージを表示する。
【0035】
さらに、時間eにおいて、遊技者Aが計数操作(計数部10のシャッターを開放させて、開口部から遊技球を機内に流入させる)を行うと、制御部20(台間装置1)は、遊技球(125個)を計数して記憶部28にその計数値(125個)を記憶する。
その後、時間fにおいて、遊技者Aが会員カード挿入口26から会員カードを排出させて遊技を終了させたときには、制御部20(台間装置1)は、この計数値(125個)を預入予定玉として、通信部27を介して会員管理装置50に送信する。
【0036】
このとき、預入予定玉である計数値(125個)が、貯玉からの遊技球が払い出された後、所定時間内(例えば、1分以内)に計数されたものである場合には、制御部20(台間装置1)は、この預入予定玉に救済フラグ有を付して会員管理装置50に送信し、所定時間経過後(例えば、1分超過後)に計数されたものである場合には、この預入予定玉に救済フラグ無を付して会員管理装置50に送信する。
すなわち、制御部20(台間装置1)は、救済判定手段として動作し、時間dにおける貯玉からの払い出し後から所定時間を計時し、時間eにおける計数終了が所定時間以内か否かの判定と、この計数された計数値が貯玉から払い出された遊技球数(125個)と同数以上か否かの判定を行い、所定時間内の計数であり、かつ、貯玉から払い出された遊技球数と同数以上を計数した場合に限り、預入予定玉に救済フラグ有を付し、それ以外の場合は、預入予定玉に救済フラグ無を付して会員管理装置50に送信する。
また、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した場合でも、以下のような事象が発生したときは、救済フラグ無を付すこともできる。
【0037】
例えば、時間dにおける貯玉からの払い出し後、当該遊技機100が所定の大当り状態となったときは、上記の判定条件を満足した場合でも、制御部20(台間装置1)は救済フラグ無を付す判定を行う。
すなわち、所定時間内の計数であり、かつ、貯玉から払い出された遊技球数と同数以上を計数したにもかかわらず、時間dにおける貯玉からの払い出し後、その所定時間内又はその所定時間経過後において当該遊技機100が所定の大当り状態となったときは、計数された遊技球は大当り状態で取得された遊技球(大当り出玉)であると推定できるため、救済フラグ無を付すこととする。これは、このような大当り出玉を取得した遊技者は徴収された手数料以上の遊技球を取得できることから、何ら不利益を被ることがないため、補填対象から除外することとするためである。
【0038】
また、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した場合でも、その後、預入予定玉である計数値から払い出しを行ったときには、救済フラグ無を付す判定を行う。
預入予定玉は、計数値として記憶部28に記憶されることから、遊技者Aにより払出ボタン23が操作されると、計数値から払い出しが行われるので手数料が徴収されないことになる。すなわち、この計数値から払い出される遊技球は、本来貯玉からの払い出しに係る遊技球を再度計数させたものであるにもかかわらず、救済フラグ有を付して会員管理装置50に送信してしまうと、会員管理装置50において手数料が補填されることとなり、遊技者Aは手数料を徴収されることなく、貯玉から遊技球を払い出すことができることになる。
このような事態を回避するために、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した場合でも、その後、預入予定玉である計数値から払い出しを行ったときには、救済フラグ無を付す判定を行う。
具体的には、制御部20(台間装置1)は、上記の判定条件を満足した後、払出ボタン23操作の有無を監視し、払出ボタン23を操作することなく、遊技を終了したときには、救済フラグ有を付す判定を行い、払出ボタン23が操作された場合は、救済フラグ無を付す判定を行う。
以上のような救済フラグ有無の判定は、後述する制御部20が実行する預入予定玉選別処理において行われる。
【0039】
救済フラグ有無の付された預入予定玉を受信した会員管理装置50は、この救済フラグ有無に基づいて貯玉からの払い出しに伴い徴収した手数料の補填を行うか否かの判定を行い、預入予定玉に救済フラグ有が付されているときは、この預入予定玉(125個)を遊技者Aの貯玉として管理している貯玉数(4925個)に加算する際に手数料相当の遊技球数(75個)を同時に加算し、徴収した手数料を補填する。これにより、貯玉数は元の値(5125個)に戻ることから、実質的に手数料の徴収が行われなかったことになる。
一方、預入予定玉に救済フラグ無が付されているときは、この預入予定玉(125個)を遊技者Aの貯玉として管理している貯玉数(4925個)に加算するだけで、徴収した手数料の補填は行わない。すなわち、貯玉数は、手数料相当の遊技球数(75個)が減算された値(5050個)に更新される。
このような救済フラグの有無に基づいて手数料の補填を行うか否かの判定は、後述する会員管理装置50で実行される貯玉移行処理において行われる。
【0040】
また、制御部20は、会員管理装置50から送信された判定開始計数値に基づいて救済判定手段としての動作を作動又は停止する。
具体的には、制御部20は、貯玉を有する遊技者が遊技を開始した後、計数値が会員管理装置50から送信された判定開始計数値に満たないときには、救済判定手段としての動作を停止し、払い出し元が計数値から貯玉数に移行した場合でも、表示部22による報知表示を行わないとともに、払出部29が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行わない。
一方、制御部20aは、貯玉を有する遊技者が遊技を開始した後、計数値が救済判定開始計数値以上に達したときには、救済判定手段としての動作を作動させ、払い出し元が計数値から貯玉数に移行した場合は、表示部22による報知表示を行うとともに、払出部29が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行う。
現在の状態が作動状態か又は停止状態かの識別は、計数値が判定開始計数値以上に達したときにセット(作動状態)される、作動判定フラグを参照して行われ、この作動判定フラグを設定する処理については、制御部20aで実行される後述の作動判定フラグ設定処理で説明する。
【0041】
また、制御部20は、会員管理装置50から送信された手数料無料払出上限値に基づいて判定タイミングをシフトする。
すなわち、本実施形態に係る救済判定機能は、知らないうちに手数料が徴収されることを救済するためにあるので、所定数の払い出しまで手数料が無料となれば、手数料が課されるのは、払い出し元が計数値から貯玉に移行し、貯玉からの払い出しが行われたときからではなく、貯玉からその所定数である手数料無料払出数上限値を超えて払い出されたときからとなる。つまり、手数料無料から有料に切り替わる境目がシフトすれば、これに合わせて制御部20が判定するタイミングもシフトする必要がある。
【0042】
そこで、制御部20は、会員管理装置50から手数料無料払出上限値が送信されたときは、貯玉からの払い出し数(累計数)がこの手数料無料払出上限値を超えたときに初めて表示部22による報知表示を行うとともに、払出部29が手数料無料払出上限値を超えて貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10がこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数したかどうかの判定を行い、払い出し元が計数値から貯玉に移行して貯玉からの払い出しが行われたときでも手数料無料払出上限値を超えない限り、上記の動作は行わないようになっている。これにより、遊技場の貯玉再プレイシステムの実情に合わせた救済を行うことができる。
【0043】
以上説明したような制御部20aの動作は、図7〜図9に示すフローチャートに基づいて実行される。これらのフローチャートは、制御プログラムとして制御部20aに設けられたROMに記憶され、CPUが制御プログラムを実行することで、台間装置1が救済判定手段として機能する。
最初に、預入予定玉に救済フラグを付すか否かを判定する預入予定玉選別処理について、図7を参照して説明する。
【0044】
まず、制御部20aは、預入予定玉が存在し(計数値が記憶部28に記憶され)、この預入予定玉が、救済判定手段として作動状態、すなわち、作動判定フラグがセットされているときに計数されたものであり、かつ、払い出し元である計数値から貯玉に移行して貯玉からの払い出し後に計数された預入予定玉か否かを判定する(S10)。なお、上記の手数料無料払出上限値が設定されている場合は、作動判定フラグがセットされているときに計数されたものであり、かつ、この手数料無料払出上限値を超えた貯玉からの遊技球を払い出し後に計数された預入予定玉か否かの判定を行う(S10)。
【0045】
そして、払い出し元移行後の貯玉からの払い出し後、又は手数料無料払出上限値を超えた後の貯玉からの払い出し後に計数された預入予定玉である場合は(S10−Yes)、さらに、この預入予定玉が、貯玉からの払い出し後所定時間内(例えば、1分以内)に計数されたものか否かの判定を行う(S11)。このときには、同時に預入予定玉数が貯玉からの払い出し数以上であるか否かの判定も行う。
この預入予定玉が、貯玉からの払い出し数以上であり、所定時間内に計数された預入予定玉である場合は(S11−Yes)、さらに、払い出し元移行後の貯玉からの払い出し後、又は手数料無料払出上限値を超えた後の貯玉からの払い出し後に遊技機100が大当り状態となったか否かの判定を行う(S12)。
この判定は、遊技機100の大当たり信号に基づいて行なわれ、大当りが発生していない場合は(S12−Yes)、さらに、この預入予定玉(計数値)からの払い出しはないか否かの判定を行う(S13)。
そして、この預入予定玉(計数値)からの払い出しがないときには(S13−Yes)、この預入予定玉を手数料補填対象として処理するために救済フラグ有を付す(S14)。
一方、上記の各判定において(S10〜S13)、No判定である場合は、この預入予定玉を手数料補填対象としない救済フラグ無を付す(S15)。
【0046】
なお、この預入予定玉選別処理は、二度実行され、一度目は、作動判定フラグがセットされているときであって払い出し元である計数値から貯玉に移行して貯玉からの払い出し後から所定時間内(又は、上記の手数料無料払出上限値が設定されている場合は、この手数料無料払出上限値を超えた貯玉からの遊技球を払い出し後から所定時間内)に実行され、二度目は、会員カード挿入口26から会員カードを排出させて遊技を終了させたときに実行され、二度目のときは、所定時間経過後の大当り状態の発生の有無の判定(S12)と、所定時間経過後の預入予定玉(計数値)からの払い出しの有無の判定(S13)のみを行うとともに、救済フラグ有無を付した預入予定玉を会員管理装置59に送信する処理を実行する。
その結果、一度目の判定において救済フラグ有が付されたときでも、所定時間経過後に大当り状態となった場合(S12−No)、又は、所定時間経過後に預入予定玉(計数値)からの払い出しが行われた場合は(S13−No)、救済フラグ無が付される(救済フラグ有が取り消される)こともある。これにより、救済機能の悪用が防止されるともに、救済フラグ有が付された後に、計数値からの払い出しに基づき遊技を進行するような場合を手数料の補填対象から除外することができ、適正な運用が図られる。
【0047】
次に、救済判定手段として作動状態又は停止状態かの識別を行うためのフラグである作動判定フラグを設定する作動判定フラグ設定処理について、図8を参照して説明する。
【0048】
この作動判定フラグ設定処理は、貯玉会員による遊技が開始された後に実行される処理で、まず、制御部20aは、貯玉があるか否かの判定(記憶部28に記憶されている貯玉数を判定)を行い(S20)、貯玉があるときには(S20−Yes)、さらに計数値があるか否か(S21)の判定を行う(記憶部28に記憶されている計数値を判定)。計数値があるときには(S21−Yes)、その計数値が会員管理装置50から送信された判定開始計数値(例えば、2000個)を超えているか否かの判定を行う(S22)。そして、計数値が判定開始計数値を超えているときは(S22−Yes)、作動判定フラグをセットし(S23)、救済判定手段としての動作を作動状態にする。
一方、上記の各判定において(S20〜S22)、No判定である場合は、作動判定フラグをセットせずに、救済判定手段としての動作を停止状態のまま終了する。なお、この作動判定フラグは、上記の一度目に実行された預入予定玉選別処理終了後にクリアされ、同じ貯玉会員に対して再びセットされることはない。
【0049】
次に、払出ボタン23操作時に実行される払出ボタン操作処理について、図9を参照して説明する。
制御部20aは、払出ボタン23が操作されると、計数値かあるか否かの判定(記憶部28に記憶されている計数値を判定)を行い(S30)、計数値があるときには(S30−Yes)、計数値から遊技球を払い出し(S33)、計数値がないときには(S30−No)、貯玉かあるか否かの判定(記憶部28に記憶されている貯玉数を判定)を行い(S31)、貯玉があるときには(S31−Yes)、貯玉から遊技球を払い出す(S32)。
一方、貯玉がないときには(S31−No)、いずれの払い出し元にも払い出し可能な遊技球がないことから処理を終了する。
そして、作動判定フラグがセット済みか否かの判定を行い(S34)、作動判定フラグがセットされているときは(S34−Yes)、さらに、その貯玉からの払い出し数(累計数)が手数料無料上限数を超えたか否かの判定を行う(S35)。
そして、貯玉からの払い出し数が手数料無料上限数を超えたときには(S35−Yes)、手数料無料から手数料有料に移行し、かつ、救済判定手段として作動状態にあるので、表示部22において前述したような報知メッセージを表示する報知処理を実行する(S36)。その後、前述の預入予定玉選別処理に移行し、貯玉からの払い出し数以上の計数値(預入予定玉)の有無を監視する。
一方、作動判定フラグがセットされていないとき(S34−No)、又は、貯玉からの払い出し数が手数料無料上限数を超えていないときには(S35−No)、報知処理を実行せずに処理を終了する。
【0050】
なお、手数料無料上限数が会員管理装置50から送信されていないときには、手数料無料上限数を超えたか否かの判定処理(S35)を削除することもできる。この場合には、作動判定フラグがセットされているときは(S34−Yes)、直ちに払い出し元が計数値から貯玉に移行(手数料無料から手数料有料に移行)したものとして報知処理を実行する。
また、制御部20aの救済判定手段としての動作を常時作動状態とする場合、すなわち、計数値が判定開始計数値に達するか否かを問わず、払い出し元が計数値から貯玉に移行後の貯玉からの払い出し後(又は手数料無料上限数を超えた後の貯玉からの払い出し後)に計数された計数値(預入予定玉)を手数料の補填対象とするか否かの判定を常時行う場合は、作動判定フラグがセット済みか否かの判定処理(S34)を削除してもよい。
【0051】
[会員管理装置]
会員管理装置50は、図4に示すように、キーボード、マウス等からなる入力部51と、遊技機100、台間装置1、ホールコンピュータ60と直接又は台コンピュータ30及び島コンピュータ40を介してデータ通信を行う通信部52と、貯玉会員毎の会員ID、パスワード、貯玉数などを記憶する会員データ記憶部53と、液晶ディスプレイからなる表示部54と、これらを制御するコンピュータからなる制御部50aと、を備え、遊技者が遊技場に予め預け入れた貯玉を貯玉会員毎に管理する情報処理装置として構成されている。
会員管理装置50が行う貯玉の管理処理には、例えば、貯玉からの払い出し数に応じて貯玉数を減算する処理、この払い出し数に応じた手数料相当の遊技球数を貯玉数から減算して手数料を徴収する処理、また、台間装置1から受信した預入予定玉をこの貯玉に加算して貯玉会員毎の貯玉を更新する処理などがある。
【0052】
詳細には、会員管理装置50は、台間装置1から会員IDとパスワードを含む会員カード情報を受信すると、この会員カード情報に対応する貯玉会員の貯玉数を台間装置1に送信する。
そして、会員管理装置50は、台間装置1において貯玉数から遊技球が払い出される度に送信される貯玉払出数を受信すると、貯玉会員の貯玉数から貯玉払出数を減算するとともに、この貯玉払出数に応じた手数料相当の遊技球数を貯玉数から減算する処理を行う。
また、会員管理装置50は、遊技場の管理者等により入力部51から入力された手数料無料払出上限値と判定開始計数値とを台間装置1に送信する処理を行う。
【0053】
さらに、会員管理装置50は、台間装置1から預入予定玉を受信すると、この預入予定玉を貯玉会員毎に記憶するとともに、この預入予定玉を対応する貯玉会員の貯玉数に加算して貯玉を更新する処理を行う。この更新処理では、受信した預入予定玉に付される救済フラグの有無を参照し、救済フラグ有のときは減算した手数料相当の遊技球数を補填する処理も同時に行う。
このような更新処理(補填処理)は、遊技場の閉店から翌営業日の開店前までに実行される貯玉移行処理において行われ、この貯玉移行処理では、当該営業日において全ての貯玉会員の預入予定玉の有無を抽出して、預入予定玉がある貯玉会員の貯玉数にこの預入予定玉を加算して貯玉の更新を行う。以下、この貯玉移行処理について、図10を参照して説明する。
【0054】
会員管理装置50は、会員カードの会員ID毎に、台間装置1から受信した預入予定玉の有無を抽出し(S40)、会員ID毎に受信した預入予定玉があるか否かの判定を行う(S41)。預入予定玉があるときには(S41−Yes)、さらに、救済フラグの有無の判定を行い(S42)、救済フラグ有のときは(S42−Yes)、該当する貯玉会員の貯玉に、預入予定玉と手数料相当分の遊技球数を加算して貯玉数を更新する(S43)。これにより、意に反して徴収された手数料が補填されることになる。一方、救済フラグ無のときは(S42−No)、該当する貯玉会員の貯玉に、預入予定玉のみを加算して貯玉数を更新する(S44)。
なお、預入予定玉がないときには(S41−No)、その会員IDの貯玉を何ら更新しない。そして、以上の処理を全ての会員IDに対して実行されるまで繰り返し行う(S45−No)。
このような貯玉移行処理を実行することにより、全ての貯玉会員に対して漏れなく手数料が補填されることになる。
【0055】
なお、貯玉移行処理は、遊技場の閉店時以降に実行されるため、台間装置1から救済フラグ有無を付した預入予定玉を受信してから貯玉移行処理が実行されるまでタイムラグがあり、このタイムラグの間に、救済フラグ有の預入予定玉に係る貯玉会員が、再び貯玉を用いて遊技を行うことも想定される。この場合には、会員管理装置50は、この預入予定玉を未だ貯玉に加算されない計数値として管理しており、このような貯玉会員が再び会員カードを挿入して遊技を行うと計数値から遊技球が優先的に払い出され、手数料を徴収されることなく遊技を行うことができてしまう。
そこで、このタイムラグの間に、救済フラグ有の預入予定玉に係る貯玉会員が、再び遊技を行った場合には、この救済フラグ有を取り消す処理を実行する。
具体的には、会員管理装置50は、台間装置1から救済フラグ有の預入予定玉に係る貯玉会員の会員カード情報(会員IDとパスワード)の受信に基づき、この貯玉会員の貯玉数とこの預入予定玉を送信するとともに、払出ボタン23の操作に係る操作信号を受信した場合には、既に受信した救済フラグ有を救済フラグ無に書き換える処理を実行する。これにより、救済機能の悪用が防止される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の遊技場用システムによれば、計数値のある状態からない状態となり、計数値に基づく払い出しから貯玉に基づく払い出しに移行したことに気づかずに徴収された手数料を補填することができる。
なお、本実施形態では、手数料無料払出上限値と判定開始計数値とを会員管理装置50から入力したが、台間装置1の入力部25から直接入力することもできる。
なお、上記の実施形態では、貯玉移行処理(補填処理)を遊技場の閉店から翌営業日の開店前までに実行し、台間装置1から救済フラグ有無を付した預入予定玉を受信してから貯玉移行処理(補填処理)が実行されるまでタイムラグを有していたが、次に示す変形実施形態と同様、会員管理装置50が、遊技者による操作に基づいて救済フラグ有の預入予定玉を受信したタイミングで、この預入予定玉と徴収した手数料相当の遊技球数とを貯玉に加算する処理を行うことで、気づかずに徴収された手数料をリアルタイムに補填することもできる。
【0057】
次に、本発明に係る遊技場用システムSの変形実施形態について説明する。
以下に示す変形実施形態では、遊技球の払い出し元を遊技者が選択操作可能な払出元選択手段を備える点が、前述の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態の台間装置1は、払出元選択手段として、計数値からの払い出し専用の払出ボタンと、貯玉からの払い出し専用の払出ボタンの二つの払出ボタン23を備え(不図示)、それぞれの払出ボタン23が遊技者により選択操作されることにより、計数値又は貯玉のいずれかの払い出し元を任意に選択できるように構成してある。
このように、払い出し元を選択操作可能な構成とすることにより、計数値と貯玉の双方がある場合において、遊技者(貯玉会員)の誤操作により、計数値があるにもかかわらず、貯玉からの払い出しが行われることもあり、この場合には、意に反して再プレイ手数料が徴収されることになる。
そこで、本実施形態に係る遊技場用システムは、計数値があるにもかかわらず、台間装置1が貯玉から遊技球を払い出した後、計数部10においてこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数した場合は、会員管理装置50が徴収した手数料を補填することで、実質的に手数料の徴収を行わないようになっている。
【0058】
具体的には、前記の実施形態と同様、台間装置1の記憶部28に会員管理装置50から受信した貯玉数と計数値とが記憶されているときに、貯玉からの払い出し専用の払出ボタン23が操作され、払出部29から貯玉に基づく遊技球が払い出された後、計数部10においてこの貯玉から払い出された遊技球数と同数以上の遊技球を所定時間内に計数した場合、台間装置1で実行される預入予定玉選別処理において、この計数された計数値を救済フラグ有の預入予定玉として処理する。
会員管理装置50は、台間装置1から受信した貯玉払出数に応じた手数料を貯玉数から減算するものの、例えば、台間装置1の入力部25を、遊技者(貯玉会員)の操作により救済フラグ有の預入予定玉を送信可能に構成し、会員管理装置50がこの救済フラグ有の預入予定玉を受信したときは、この預入予定玉と徴収した手数料相当の遊技球数とを貯玉に加算する処理を行い、誤操作に基づく手数料の徴収から遊技者(貯玉会員)をリアルタイムに救済する。
一方、台間装置1は、救済フラグ有の預入予定玉の送信と同時に、この預入予定玉数を計数値から減算する処理を行う。これにより、計数値が計数前の値に戻り、再び計数値に基づく払い出しによって遊技を進行させることができる。
【0059】
このような本実施形態に係る遊技場用システムの動作は、図11に示す手数料徴収処理に基づいて実行される。以下、同図を参照しつつ、遊技場用システムの動作を説明する。
まず、台間装置1において貯玉からの払い出しが行われると(S50)、このとき、計数値の有無を判定する(S51)。計数値がある場合は(S51−Yes)、誤操作と判定し、前実施形態と同様、表示部22において所定の報知メッセージを表示する(S52)。そして、台間装置1において、所定時間内に貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球が計数されたか否かの判定を行い(S53)、貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球が計数され、台間装置1から救済フラグ有の預入予定玉を受信したときは(S53−Yes)、会員管理装置50は、この預入予定玉と徴収した手数料相当の遊技球とを貯玉に加算して手数料を補填する(S54)。
一方、貯玉からの払い出し数と同数以上の遊技球が計数されず、救済フラグ無の預入予定玉を受信、又は預入予定玉を何ら受信しないときは、手数料を徴収したまま放置し補填は行わない(S55)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の遊技場用システムによれば、計数値があるにもかかわらず、誤操作による貯玉からの払い出しで徴収された手数料を補填することができる。
【0061】
以上、本発明の遊技場用システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場用システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、各本実施形態では、台間装置1を救済判定手段として動作させたが、会員管理装置50を救済判定手段として動作させることもできる。この場合、台間装置1から会員管理装置50に、遊技球の払い出し数及び払い出しに係る払い出し元(計数値又は貯玉)を特定可能な情報と、払出ボタン23の操作タイミング情報と、計数部10で計数された計数値の情報と、遊技機100の大当り状態に係る情報をリアルタイムに送信することで、会員管理装置50において預入予定玉選別処理を実行することもでき、さらに、会員管理装置50から台間装置1に、報知メッセージを表示部22に表示させる指令情報を送信することで、払出ボタン操作処理を実行することもできる。
【0062】
また、上述した実施形態では、貯玉会員の特定にパスワードの入力を要求したが、これに限るものではなく、個人が特定可能であれば、例えば、指紋認証,静脈認証等の人体認証を用いてもよい。
また、計数部10と台間部20を一体に構成して台間装置1としたが、別々に設けることもできる。この場合、計数部10を各台計数機とし、台間部20を遊技媒体を払い出す台間機(遊技媒体払出装置)とし、これらを相互通信可能に接続させることで、上述した各実施形態と同様な動作を実現させることができる。
【0063】
また、上述した実施形態では、計数部10に計数センサ10aを設けたが、台間部20に計数センサ10aを設けることもできる。この場合、受皿12には、シャッターを設けずに、図2において左傾斜させ、遊技球を台間部20の計数センサ10aに向かって転動させるように構成することもできる。
また、各実施形態では、台間装置1は、記憶部28で記憶した計数値に基づいて救済判定手段として動作したが、台間装置1が持ち玉管理装置70とリアルタイムに相互通信を行い、持ち玉管理装置70が管理する台間装置1毎の計数値に基づいて救済判定手段として動作することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、貯玉再プレイシステムが導入され、遊技球を計数するとともに払い出す台間装置とを備える遊技場に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 台間装置
10 計数部(計数手段)
20 台間部
22 表示部(報知手段)
20a 制御部
29 払出部(払出手段)
30 台コンピュータ
40 島コンピュータ
50 会員管理装置(管理手段)
60 ホールコンピュータ
S 遊技場用システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機毎に設置され、遊技媒体を計数する計数手段と、
当該遊技機で遊技を行う遊技者による所定の操作に基づいて、前記計数手段で計数された計数値の範囲内、及び前記遊技者が予め遊技場に預け入れた貯留遊技媒体数の範囲内において遊技媒体を当該遊技者に対して払い出す払出手段と、
前記貯留遊技媒体数を遊技者毎に管理するとともに、前記貯留遊技媒体数からの払い出し数に応じた遊技媒体数を前記預け入れた貯留遊技媒体数から減算して手数料の徴収を行う管理手段と、を備える遊技場用システムであって、
前記管理手段は、
前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない
ことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記払出手段が前記遊技者による一の操作に基づいて前記計数値のあるときは計数値から遊技媒体の払い出しを行うとともに、前記計数値のないときは前記貯留遊技媒体数から遊技媒体の払い出しを行う場合において、
前記管理手段は、
前記計数値からの払い出しから前記貯留遊技媒体数からの払い出しに移行した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記管理手段は、
前記計数値が所定数に達する前であって、前記計数値からの払い出しから前記貯留遊技媒体数からの払い出しに移行した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行い、
前記計数値が所定数に達した後であって、前記計数値からの払い出しから前記貯留遊技媒体数からの払い出しに移行した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない請求項2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記管理手段は、
前記計数手段が前記貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数したにもかかわらず、前記払出手段がこの計数された計数値から遊技媒体を払い出した場合は、前記手数料の徴収を行う請求項2又は3記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記払出手段の払い出す遊技媒体の払い出し元を前記遊技者が選択操作可能な払出元選択手段を備え、前記払出手段が前記遊技者による前記払出元選択手段の選択操作に基づいて前記計数値又は前記貯留遊技媒体数のいずれかから遊技媒体の払い出しを行う場合において、
前記管理手段は、
前記計数値があるにもかかわらず、前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記管理手段は、
前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出すときに、この払い出し数に応じた遊技媒体数を前記預け入れた貯留遊技媒体数から減算して前記手数料の徴収を行い、
前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、この計数した計数値と、前記払い出し数に応じた遊技媒体数とを前記預け入れた貯留遊技媒体数に加算して徴収した前記手数料を補填する請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項1】
遊技機毎に設置され、遊技媒体を計数する計数手段と、
当該遊技機で遊技を行う遊技者による所定の操作に基づいて、前記計数手段で計数された計数値の範囲内、及び前記遊技者が予め遊技場に預け入れた貯留遊技媒体数の範囲内において遊技媒体を当該遊技者に対して払い出す払出手段と、
前記貯留遊技媒体数を遊技者毎に管理するとともに、前記貯留遊技媒体数からの払い出し数に応じた遊技媒体数を前記預け入れた貯留遊技媒体数から減算して手数料の徴収を行う管理手段と、を備える遊技場用システムであって、
前記管理手段は、
前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない
ことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記払出手段が前記遊技者による一の操作に基づいて前記計数値のあるときは計数値から遊技媒体の払い出しを行うとともに、前記計数値のないときは前記貯留遊技媒体数から遊技媒体の払い出しを行う場合において、
前記管理手段は、
前記計数値からの払い出しから前記貯留遊技媒体数からの払い出しに移行した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記管理手段は、
前記計数値が所定数に達する前であって、前記計数値からの払い出しから前記貯留遊技媒体数からの払い出しに移行した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行い、
前記計数値が所定数に達した後であって、前記計数値からの払い出しから前記貯留遊技媒体数からの払い出しに移行した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない請求項2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記管理手段は、
前記計数手段が前記貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数したにもかかわらず、前記払出手段がこの計数された計数値から遊技媒体を払い出した場合は、前記手数料の徴収を行う請求項2又は3記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記払出手段の払い出す遊技媒体の払い出し元を前記遊技者が選択操作可能な払出元選択手段を備え、前記払出手段が前記遊技者による前記払出元選択手段の選択操作に基づいて前記計数値又は前記貯留遊技媒体数のいずれかから遊技媒体の払い出しを行う場合において、
前記管理手段は、
前記計数値があるにもかかわらず、前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、前記手数料の徴収を行わない請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記管理手段は、
前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出すときに、この払い出し数に応じた遊技媒体数を前記預け入れた貯留遊技媒体数から減算して前記手数料の徴収を行い、
前記払出手段が前記貯留遊技媒体数から遊技媒体を払い出した後、前記計数手段がこの貯留遊技媒体数から払い出された遊技媒体数と同数以上の遊技媒体を所定時間内に計数した場合は、この計数した計数値と、前記払い出し数に応じた遊技媒体数とを前記預け入れた貯留遊技媒体数に加算して徴収した前記手数料を補填する請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−245118(P2011−245118A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123072(P2010−123072)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
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