遊技媒体管理システム
【課題】高い利便性で、遊技に使う遊技媒体を複数名で共有できる遊技媒体管理システムを提供する。
【解決手段】カードIDが設定されている情報記録媒体Cをチェックイン端末装置700に投入し、操作パネル701を介してチェックイン操作を行うと、グループ管理サーバ600が、そのカードIDとグループIDとを紐付けしたグループ単位での管理を行うようにグループ登録し、各グループに対応させてデータ上の持玉を振り込んだり引き落としたりできるグループ共有持玉口座を生成・管理し、グループに登録されている情報記録媒体Cを媒介として、遊技者が所持している持玉を当該グループ専用のグループ共有持玉口座へ振り込んだり、グループ共有持玉口座から引き落としたりできるようにすることで、グループの構成メンバの中のみで持玉を共有する環境を遊技場内で提供できる。
【解決手段】カードIDが設定されている情報記録媒体Cをチェックイン端末装置700に投入し、操作パネル701を介してチェックイン操作を行うと、グループ管理サーバ600が、そのカードIDとグループIDとを紐付けしたグループ単位での管理を行うようにグループ登録し、各グループに対応させてデータ上の持玉を振り込んだり引き落としたりできるグループ共有持玉口座を生成・管理し、グループに登録されている情報記録媒体Cを媒介として、遊技者が所持している持玉を当該グループ専用のグループ共有持玉口座へ振り込んだり、グループ共有持玉口座から引き落としたりできるようにすることで、グループの構成メンバの中のみで持玉を共有する環境を遊技場内で提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置された遊技機での遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理し、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を利用して遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置されている遊技場では、遊技者が借り受けたり預けておいた遊技媒体を用いて個人的に遊技を楽しむものであった。これに対して、遊技媒体を用いない多種多様な遊戯機が設置されているゲームセンターでは、グループで対戦したり、ネットで対戦する遊戯形態が可能なゲーム機がある(例えば、特許文献1を参照)。パチンコ機やスロットマシンでは、多人数での遊技が行えないものの、グループで来店した遊技客が、別々の遊技機で遊技を行って、ゲーム結果をコンペ式に競う楽しみ方をする場合もあり、グループの遊技客に対するサービス向上も遊技店にとっては重要である。そこで、知り合い同士の遊技客が気軽に、且つ簡便に持ち玉を分け合えるように、台間球貸機において持ち玉を分割した新たな記録媒体を発行できるようにした遊技システムが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−141544号公報
【特許文献2】特開2010−227556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載された遊技システムは、いわゆるドル箱に貯めた実球を他の遊技者へ渡す代わりに、玉数を記録した記録媒体を渡すようにしたものに過ぎず、多人数のグループ全体で持ち玉の共有を図るには、必ずしも利便性が良いとはいえないものであった。
【0005】
すなわち、特許文献2に記載の遊技システムでは、持ち玉に余裕がある知人を探し出さなければ、記録媒体経由で持ち玉を譲り受けることができないことから、玉を借りたい遊技者は、店内を歩いて知人を探し、持ち玉の譲渡を頼み込まなければならず、非常に煩雑である。しかも、折角見つけた知人の持ち玉にあまり余裕が無く、少量しか譲って貰えなかった場合は、更にほかの知人を探し廻らなければならないという点からも、グループで持ち玉を共有するような使い方には不向きである。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み成されたもので、高い利便性で、遊技に使う遊技媒体を複数名で共有できる遊技媒体管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技場に設置された遊技機での遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理し、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を利用して遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる遊技媒体管理システムにおいて、情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段と、生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記グループ生成手段は、既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記グループ生成手段は、グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技媒体管理システムにおいて、予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記共有遊技媒体管理手段は、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しないようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体管理システムにおいて、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を受け入れ、遊技媒体の貸出が可能な価値情報を追加したり、価値情報を消費して遊技媒体を貸し出したりできる遊技媒体貸出装置を含み、前記遊技媒体貸出装置は、遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記グループ生成手段は、グループの所属メンバに対して二区分以上にランク付けされたランク情報を設定するものとし、前記自動共有能動化手段は、投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件を満たす場合に限って、自動共有を実行するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る遊技媒体管理システムによれば、情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段と、生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段と、を備えるので、共有遊技媒体保管領域を介したグループでの遊技媒体共有を効率良く実現でき、利便性の高いシステムとなる。
【0015】
また、請求項2に係る遊技媒体管理システムによれば、前記グループ生成手段は、既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させるようにしたので、後からグループに参加することも可能となり、一層利便性の高いものとなる。
【0016】
また、請求項3に係る遊技媒体管理システムによれば、前記グループ生成手段は、グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成するようにしたので、事前にグループ登録して、共有遊技媒体保管領域を生成しておかなくても、必要に応じて簡便に共有遊技媒体保管領域を生成してグループでの共有化を実現することができる。
【0017】
また、請求項4に係る遊技媒体管理システムによれば、予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段を備えるので、共有遊技媒体管理手段の管理対象となるグループが無尽蔵に増えてしまうことを抑制できる。
【0018】
また、請求項5に係る遊技媒体管理システムによれば、前記共有遊技媒体管理手段は、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しないようにしたので、グループ内の共有遊技媒体管理権限者は、随時、共有遊技媒体の残り状況を把握し、グループ内における遊技媒体の共有管理を適切に行うことができる。
【0019】
また、請求項6に係る遊技媒体管理システムによれば、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を受け入れ、遊技媒体の貸出が可能な価値情報を追加したり、価値情報を消費して遊技媒体を貸し出したりできる遊技媒体貸出装置を含み、前記遊技媒体貸出装置は、遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段を備えるので、遊技者はグループ共有遊技媒体保管領域の遊技媒体とローカル遊技媒体とを意識することなく遊技に使うことができ、グループ共有の利便性を一層高めることができる。
【0020】
また、請求項7に係る遊技媒体管理システムによれば、前記グループ生成手段は、グループの所属メンバに対して二区分以上にランク付けされたランク情報を設定するものとし、前記自動共有能動化手段は、投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件を満たす場合に限って、自動共有を実行するようにしたので、遊技媒体貸出装置に投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、自動共有許可条件を満たす場合、すなわち、グループメンバの中で特に信頼された者のみに自動共有を許可することができ、グループ共有遊技媒体保管領域の管理を安全に行いつつ、自動共有の利便性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】遊技場に導入した遊技媒体貸出システムの概略構成図である。
【図2】グループ共有持玉口座を用いた共有形態の概念図である。
【図3】チェックイン端末装置でチェックイン操作を行うときに表示されるパネルのイメージ図である。
【図4】チェックイン端末装置が行うチェックイン処理を示すフローチャートである。
【図5】グループ参加資格認証処理を示すフローチャートである。
【図6】閉店処理を示すフローチャートである。
【図7】持玉のグループ共有が可能な遊技媒体貸出装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図8】(a1)〜(a5)は、共有持玉の引落を行うときにタッチ液晶表示部に表示される表示内容の遷移図であり、(b1)〜(b5)は、共有持玉の振込を行うときにタッチ液晶表示部に表示される表示内容の遷移図である。
【図9】グループ都度作成処理の前段を示すフローチャートである。
【図10】グループ都度作成処理の後段を示すフローチャートである。
【図11】共有持玉引落要求を受けたときに遊技媒体貸出装置のタッチ液晶表示部に表示されるパネルのイメージ図である。
【図12】グループ共有持玉口座の自動共有が可能な遊技媒体貸出装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図13】グループ共有持玉口座を自動共有に設定して遊技を行った後に解除する過程で、遊技媒体貸出装置のタッチ液晶表示部に表示されるパネルのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る遊技媒体管理システムの実施形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態においては、遊技媒体として遊技球を用いる遊技機が設置された遊技場に適用するものとしたが、遊技媒体としてメダルを用いるスロット式遊技機が設定されている場合にも適用可能である。
【0023】
図1は遊技媒体管理システムに着目して示した遊技場内の必須構成であり、遊技場に設置された複数の遊技機100、各遊技機100に対応して設けられた遊技媒体貸出装置200、これら遊技機100および遊技媒体貸出装置200の遊技媒体貸出装置200が備える遊技媒体計数部へ遊技者の持玉(遊技機100の遊技に使える遊技球であり、遊技において獲得した獲得球や遊技媒体貸出装置200から借り受けた貸し球の総称である)を導入する球箱ユニット300、遊技場の各種情報を収集して統括的に管理するためのホールコンピュータ400、遊技媒体貸出装置200に投入された情報記録媒体C(当該遊技場の会員として登録した遊技者に付与される会員カード、貨幣と等価な価値が記録されたプリペイド式のカードやICコインなどで、遊技店内で固有の識別情報であるカードIDが付与されているもの)の使用履歴や購入履歴などを管理するプリペイドシステム管理コンピュータ500、当該遊技店の会員が遊技店で獲得した遊技球を預けた貯玉を管理する顧客管理コンピュータの機能を含むグループ管理サーバ600、複数の遊技客がグループ登録(後に詳述)を行うための端末装置であるであるチェックイン端末装置700等が、ホール内LANを介して接続され、各装置等が相互に連係することでホール内の遊技媒体管理システムを実現する。
【0024】
遊技機100は、ガラス枠110のガラス越しに遊技者が見える遊技盤(図示省略)へ遊技球を弾発して遊技を行うもので、遊技盤上に設けられた種々の入賞口へ入賞すると所定数の賞球が排出されて上皿120に導入される。上皿120に大量の球が貯まって溢れると、賞球は上皿120の下方部に設けられた下皿130に導かれ、下皿130に貯まって行く。なお、下皿130の底部には球排出口を設けてあり、排出スイッチ131を操作することで球排出口を開成させることができ、下皿130に貯まった球を球箱ユニット300へ移すことができる。上皿120に貯まった遊技球は、所定の発射位置へ誘導されて待機し、操作ハンドル140を遊技者が回動操作することで発射装置(図示省略)が駆動し、操作ハンドル140の回動量に応じた弾発勢で遊技球が1個宛て発射される。操作ハンドル140が初期位置に戻ると、発射装置が止まり、発射停止となる。
【0025】
遊技媒体貸出装置200は、貨幣投入口201や情報記録媒体挿排口202から紙幣や情報記録媒体Cが投入されると、投入額や消費価値に応じた遊技球を貸し出すものである。遊技媒体貸出装置200の前面には、タッチ液晶表示部203を設け、投入された金額や情報記録媒体Cの価値情報を表示したり、遊技者のパネル操作によって所望のタイミングで遊技球の貸出を受けることもできる。また、遊技店員等が所持するリモコンからの信号(例えば、赤外光)を受光するリモコン受光部204を設け、遊技店員等がリモコンで遊技媒体貸出装置200に対する動作指令を行うことも可能である。
【0026】
なお、遊技媒体貸出装置200はCRユニットとしての機能を備え、対応する遊技機100のCR遊技機としての機能を備えるものであるから、遊技機100と遊技媒体貸出装置200とで球貸関連の信号をやりとりして遊技機100の賞球排出装置から貸出用の遊技球を排出させることもできるし、遊技媒体貸出装置200が備える遊技媒体払出部を作動させ、上皿120の球貯留部の上方に排出口が位置するように調整した球排出ノズル205から遊技媒体を排出することもできる。
【0027】
また、遊技媒体貸出装置200は、その下方部に遊技媒体計数部を備えるもので、球箱ユニット300の持ち玉貯留部301に貯まった持ち玉が持ち玉誘導部310内の球通路から供給され、遊技者の操作あるいは遊技媒体貸出装置200からの指令信号によって持ち玉のカウントが指示されると、持ち玉カウント用の遊技媒体計数部によって持ち玉を1個宛検出し、遊技媒体貸出装置200内で持ち玉の計数および情報記録媒体Cへの記録が行われる。カウント済みの持ち玉は更に下流へと流下して行き、持ち玉排出路202より排出される。
【0028】
通常、一人の遊技者が1つの情報記録媒体Cを所持していれば、遊技媒体貸出装置200に投入して行う金額チャージや球貸操作に加え、遊技媒体貸出装置200および球箱ユニット300による持玉の計数とそのデータ管理(持玉の払い出しや預け入れ等)が可能であるから、情報記録媒体Cを使って、どの遊技機100においても遊技を行うことができる。しかしながら、情報記録媒体Cは各人の所有であることから、情報記録媒体Cに記録されているデータ上の遊技媒体を友達同士でシェアするような場合、使い勝手が良いものではない。
【0029】
そこで、本実施形態に係る遊技媒体管理システムにおいては、チェックイン端末装置700を使って、遊技媒体を共有するグループの構成メンバを予め登録しておけば、グループで共用できる持玉の保管領域がグループ管理サーバ600により生成・管理され、グループメンバが有する持玉を共有するために拠出したり、逆に共有の持玉を引き出したりできるようにした。
【0030】
そして、共有遊技媒体保管領域を媒介とした遊技媒体の共有を実現する遊技媒体管理システムは、グループ管理サーバ600とチェックイン端末装置700が協働することで「情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段」としての機能を果たし、遊技客が操作するチェックイン端末装置700や遊技媒体貸出装置200とグループ管理サーバ600が協働することで「生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段」としての機能を果たすものであり、共有遊技媒体保管領域を介したグループでの遊技媒体共有を効率良く実現でき、利便性の高いシステムとなる。
【0031】
また、グループによる持玉共有を、団体の遊技客が来店した当日限りといった一時的なものとせずに、遊技店で恒久的に管理できるようなサービスを提供しても良い。例えば、複数の会員が入会登録を行う時に、店舗側のオペレーションにより恒久的に同一グループとして登録する事により、会員情報として恒久的なレギュラーグループに所属していることが保持されるグループ生成を行えば、後日であっても、レギュラーグループに属している遊技者がその会員カードで遊技しているときは、会員登録時に設定したレギュラーグループの共有持玉口座を介してグループ共有持玉の引落や振込が可能になる。よって、或る程度決まったメンバーが連れ立って来店する場合、その度にグループ登録を行う手間を省くことができ、遊技者にとっての利便性が高く、ひいては団体の集客に寄与できる。なお、レギュラーグループへの所属については、グループ管理サーバ600が、遊技店会員の顧客管理情報として記憶しておくことで、チェックイン端末装置700から登録した一時的なグループとは別に管理することができ、通常のグループとは異なる管理条件(例えば、日毎解散の対象としない等)を適用し易い。
【0032】
なお、遊技媒体の共有を可能とする遊技媒体管理システムを説明するに際して、以下では、複数人で共有の銀行口座を作成し、各人が共有口座のキャッシュカードを所持して個別に出し入れを行えるイメージになぞらえて、共有遊技媒体保管領域を「グループ共有持玉口座」、共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体を拠出することを「振込」、共有遊技媒体から遊技媒体を取り出すことを「引落」と呼ぶこととする。
【0033】
このグループ共有持玉口座を使った共有形態は、図2に示すようなもので、グループ管理サーバ600がグループ識別情報(グループID)により識別可能なグループ毎にグループ共有持玉口座を生成し、各グループ共有持玉口座はグループを構成する遊技者が所持する情報記録媒体の識別情報(カードID)と紐づけることにより、そのグループ共有持玉口座を利用できる遊技者(情報記録媒体Cの所持者)を特定できる。
【0034】
例えば、カードID:0001を所持する遊技者が、遊技媒体貸出装置Aに情報記録媒体Cを投入して遊技機100Aで遊技を行っているときに、振込要求あるいは引落要求を行うと、これを受けたグループ管理サーバ600では、カードID:0001がグループ001に属することが分かるので、グループ共有持玉口座1を参照して要望に応じた処理を行うことができる。
【0035】
また、カードID:0002を所持する遊技者が、遊技媒体貸出装置Bに情報記録媒体Cを投入して遊技機100Bで遊技を行っているときに、振込要求あるいは引落要求を行うと、これを受けたグループ管理サーバ600では、カードID:0002がグループ001とグループ002の両方に属することが分かるので、先ずは、選択可能な口座候補を遊技媒体貸出装置200のタッチ液晶表示部203を介して提示し、遊技者が選択したグループ共有持玉口座を参照して要望に応じた処理を行う。このように、グループIDとカードIDは遊技店内でユニークな識別情報として使うことができるので、グループIDとカードIDを紐付けして所属グループを管理すれば、一人の遊技者が複数のグループに属していても問題なく管理できるのである。
【0036】
すなわち、グループ生成手段が、「既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させる」機能を備えることで、後からグループに参加することも可能となり、一層利便性の高いものとなる。図3は、チェックイン端末装置700でチェックイン操作を行うとき、タッチパネル701に表示される画面の一例を示すもので、チェックイン端末装置700に投入した情報記録媒体CのカードIDに対して、選択可能なグループが複数表示され、当該カードを所持する遊技者の自由意思で所属グループを選択できるし、既存グループから選択せずに、新たにグループを作成することもできる。
【0037】
なお、グループ管理サーバ600にて管理するグループ共有持玉口座の管理内容は、少なくとも、グループメンバのカードIDと共有対象として振り込まれている持玉数を含んでいれば、その他の情報を併せて管理するようにしても構わない。例えば、グループ内での管理権限(グループ解散権、共有持玉の引落許可権限など)を持ったメンバとその他のメンバとを区別できるように、親カードと子カードに分けてカードIDを記憶しておくようにしても良い。親カードとして登録するためには、情報記録媒体Cが会員カードであるとか、他のメンバの承認を必要とするなどの運用を適宜にまた、近時の遊技店では、一部エリアで1円パチンコや10円スロットのように、遊技媒体の貸出レートが異なる場合があり、情報記録媒体Cがレート毎に持ち玉数を管理していれば、グループ管理サーバ600でも、グループ共有持玉口座をレート毎に区分けして管理するようにしても良い。
【0038】
次に、図4〜図6に基づいて、チェックイン端末装置600によるチェックイン処理を説明する。
【0039】
先ず、新規グループや既存グループへのチェックイン要求を行うためのグループID操作が行われたか否かを判定し(ステップS101)、グループID操作が行われていれば、それがグループチェックインボタンの押下か否かを判定し(ステップS102)、グループチェックインボタンが押されていた場合には、それが新規グループの作成か否かを判定する(ステップS103)。
【0040】
上記ステップS103で新規グループ作成の要求と判定された場合には、グループ管理サーバ600へ新規グループIDの割り当てを要求し(ステップS104)、この新規グループID割り当て要求に基づいてグループ管理サーバ600では、グループIDの新規割り当てを行うと共にグループ共有持玉口座を開設し、その旨がチェックイン端末装置700へ通知される(ステップS105)。一方、上記ステップS103で新規グループ作成の要求でないと判定された場合には、グループ管理サーバ600へ参加可能なグループIDを問い合わせ(ステップS106)、グループ管理サーバより該当するグループIDの受信を待つ。
【0041】
そして、グループ管理サーバ600より新規のグループIDもしくは参加可能な既存のグループIDを受領すると(ステップS107)、そのグループIDを提示して遊技者による操作(例えば、情報記録媒体Cの投入操作)を待つ(ステップS107)。続いて、遊技者によるチェックイン終了操作が行われたか否かを判定し(ステップS109)、チェックイン終了操作が行われていた場合には、それまでのチェックイン過程をクリアして、再びステップS101から繰り返す。一方、遊技者によるチェックイン終了操作が無蹴れば、情報記録媒体Cが投入されたか否かを判定し(ステップS110)、情報記録媒体Cの投入によるチェックイン操作が行われたと判定された場合には、その情報記録媒体CのカードIDに基づいて、グループへの参加が認められるかを判定するグループ参加資格認証処理を行う(ステップS111)。
【0042】
このチェックイン処理のステップS111で行うグループ参加資格認証処理の詳細は、図5に示すもので、チェックイン対象である情報記録媒体CのカードIDを読み取り、会員管理サーバの機能を有するグループ管理サーバ600へ問い合わせを行い(ステップS201)、その回答から、当該カードが有効か否かを判定する(ステップS202)。既にカードの有効期限が切れているとか、当該遊技店で発行された会員カードではないといった無効情報をグループ管理サーバ600より受けた場合には、投入された情報記録媒体Cを無効カードと判定し、認証NGとする(ステップS203)。
【0043】
一方、投入された情報記録媒体Cが有効カードと判定された場合には、そのカードの利用に際して暗証番号の入力が必要か否かを判定し(ステップS204)、暗証番号の入力が必要であればタッチパネル701に暗証番号の入力を促す画面表示を行い(ステップS205)、暗証番号が入力されたら、グループ管理サーバ600より受けている暗証番号と一致するか否かに基づいて暗証番号の適否を判定し(ステップS206)、暗証番号が誤っていれば、情報記録媒体Cを正規の所持者が使っていないものと判定し、認証NGとする。
【0044】
なお、情報記録媒体Cの正規の所持者であるにも拘わらず、うっかり暗証番号を誤入力してしまった場合でも、チェックイン処理を最初からやり直さなければならなくなるので、暗証番号の誤入力を所定回数(例えば2回)まで認めるように、暗証番号の再入力を促すような処理としても良い。
【0045】
上記ステップS206で入力された暗証番号が適正と判定した場合には、グループ参加の認証をOKとし、当該グループにこの情報記録媒体CのカードIDを登録するように管理サーバ600へ指示する(ステップS207)。また、この情報記録媒体Cを親カードとして設定するかの選択を促し(ステップS208)、親カードか子カードかの選択結果をグループの登録情報に含ませる。
【0046】
上述したグループ参加資格認証処理ステップS111を行うと、その認証結果に応じた登録完了通知あるいは認証NG通知をグループ管理サーバ600より受領し(ステップS112)、最終的な認証結果がOKか否かを判定する(ステップS113)。認証結果がOKであれば、グループチェックイン済みの情報記録媒体Cを返却し、認証結果がNGであれば、チェックイン不可表示を行って情報記録媒体Cを返却する。
【0047】
続いて、遊技場の閉店時間となり、ホールコンピュータ400より閉店コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップS116)、閉店コマンドを受信していなければ、再びステップS101からのチェックイン処理を継続するが、閉店コマンドを受信していた場合には、閉店処理を行う(ステップS117)。
【0048】
このチェックイン処理のステップS117で行う閉店処理の詳細は、図6に示すもので、先ず、未精算のグループ共有持玉のあるグループをグループ管理サーバ600に検索させ(ステップS301)、グループ管理サーバ600からの回答に基づいて該当するするグループの有無を判定し(ステップS302)、グループ共有持玉が未精算のグループが残っていなければ、そのまま終了する。
【0049】
しかしながら、グループ共有持玉を精算していないグループが有った場合(例えば、未精算のままグループが解散して、既に店を出ていた場合など)には、当該グループの構成メンバに会員カードで登録している遊技者がいるか否かを判定し(ステップS303)、会員カード所持者がいれば、残ったグループ共有持玉を全ての会員カード所持者で均等に分けたり、親カードや子カードの種別に応じて按分したりして会員毎の配分数を定め(ステップS304)、会員に与えられた貯玉口座に移すようにグループ管理サーバ600へ指示する(ステップS305)。また、非会員にはグループ共有持玉を分配することができないので、そのまま非会員のみで構成されたグループの未精算のグループ共有持玉は0クリアしてグループを解散させるようにグループ管理サーバ600へ指示する。なお、この閉店処理は、チェックイン端末装置700が介在せずに、全てグループ管理サーバ600が行うようにしても良い。
【0050】
このように、チェックイン端末装置700およびグループ管理サーバ600が協働することで「予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段」として機能すれば、共有遊技媒体管理手段の管理対象となるグループが無尽蔵に増えてしまうことを抑制できる。
【0051】
なお、グループ解散条件は特に限定されるものではないが、本実施形態のように、閉店毎にグループを解散すれば、遊技店での管理も容易である。但し、会員登録時に設定された恒久的なレギュラーグループに対しては、このグループ解散条件が適用されることはなく、登録時と同様に、遊技店員のオペレーションに依らなければ、グループからの脱退手続やレギュラーグループの解散手続を行えないようにすることで、レギュラーグループの恒久性を保つことができる。
【0052】
また、未精算で残っていたグループ共有遊技媒体を処分するための共有遊技媒体処分手順も特に限定されるものではないが、未精算の共有遊技媒体を一律にゼロクリアするより、当該遊技店の会員に対して貯玉として移し換える処理を行えば、会員と遊技店とのトラブルを回避できる点で有効である。
【0053】
上記のようにして生成・解消されるグループの構成メンバがグループ共有持玉を振り込んだり、引き落としたりするための機能をチェックイン端末装置700に設けて、必要に応じてグループ構成メンバがチェックイン端末装置700へ赴いて振込・引落を行うようにしても良いし、グループ共有持玉口座を利用するための携帯用小型端末を遊技店から貸し出すようにしても良いが、本実施形態においては、グループ共有持玉口座への振込およびグループ共有持玉口座からの引落の両機能を遊技媒体貸出装置200に設けるものとした。以下、遊技媒体貸出装置200について詳述する。
【0054】
図7は、遊技機100と遊技媒体貸出装置200の概略構成を示すもので、遊技媒体貸出装置200の貸出インターフェース基板206と遊技機100の遊技媒体貸出装置接続端子板101とがPIFケーブル(図示省略)で接続され、遊技機100から遊技媒体貸出装置200へは、遊技機接続確認信号(PSI),遊技機準備状態信号(PRDY),遊技機貸出完了信号(EXS),貸出ボタンスイッチ信号等が送信されると共に、遊技媒体貸出装置200から遊技機100へは、貸出装置準備状態信号(BRDY),貸出装置貸出要求信号(BRQ)が送信され、相互に状態確認しつつ適正な遊技媒体貸出制御が実行される。
【0055】
なお、遊技機100の前面側に、遊技者が遊技球の貸出を要求するために操作する貸出ボタン、この貸出ボタンが操作可能な状態である場合に点灯表示される貸出可能ランプ、遊技媒体貸出装置200へ投入した情報記録媒体(プリペイドカード/コインや会員カード等)を排出させるための返却ボタン等を設け、遊技機100の裏面側には、弾球遊技の主たる制御を行う主制御装置、表示制御や音制御といった演出面の動作制御を行う副制御装置、遊技球の発射動作を制御する発射制御装置、賞としての遊技球や貸出用の遊技球を排出する遊技球排出装置、この遊技球排出装置に対する遊技球の排出制御を行う排出制御装置等を設けてあり、遊技媒体貸出装置200からの貸出要求に応じた数量の遊技球が遊技機100から排出され、遊技者に貸し出される。
【0056】
また、遊技媒体貸出装置200の外部出力端子板207からは、価値の付加および価値の消費に関わる売上情報として、情報記録媒体C(遊技媒体の貸出に利用できる有価価値情報が記録されたプリペイドカード、ICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコインや会員カード等)の新規発行や発行済みの情報記録媒体Cへの価値加算よりなる販売情報を示す販売信号、遊技媒体貸出の実行により有価価値を消費した消費情報(例えば、消費度数や消費金額など)を示す消費信号、遊技店に預け入れておいた貯玉を引き出して使用した再プレイ情報を示す再プレイ信号などを出力し、ホールコン中継基板800を介してホールコンピュータ400へ送信される。このほか、遊技媒体貸出装置200にて生じたエラーを報らせるエラー信号もホールコン中継基板800を介してホールコンピュータ400へ送信される。
【0057】
遊技機100の外部出力端子板102からは、賞球信号、不正検出信号、始動入賞信号、図柄停止信号、大当り信号、賞球信号、アウト信号などが出力され、ホールコン中継基板800を介してホールコンピュータ400へ送信される。
【0058】
遊技媒体貸出装置200には、遊技媒体の貸出制御を統括する機能や種々の販売情報を集計して記憶しておく機能を有するほか、図7に示すように、貨幣投入口201より投入された貨幣Mの額面や真贋を識別する貨幣識別部211、情報記録媒体挿排口202より挿入された情報記録媒体Cから情報を読み出したり書き換えたりする価値媒体R/W手段212、タッチ液晶表示部203やリモコン受光部204からの入力や表示を制御する表示・操作制御部213、貸出インターフェース基板206を介して遊技機100との信号授受を制御する貸出インターフェース信号制御手段214、外部出力端子板207を介して外部へ出力するパルスを発生させる外部パルス発生手段215、通信回線を通じて上位管理コンピュータ(例えば、プリペイドシステム管理コンピュータ700やグループ管理サーバ600)との通信を行う外部通信手段216、当該遊技媒体貸出装置200の固有情報として設定された台番号を記憶する台番号記憶手段217、遊技機100の下皿130から抜き出されて球箱ユニット300より供給された持玉を計数して積算記憶して行く遊技媒体計数部218、遊技媒体計数部218により計数されて情報記録媒体Cに書き込まれた持玉情報を使って、球排出ノズル205から上皿120へ遊技球を払い出すための遊技媒体払出部219等を有する。
【0059】
さらに、遊技媒体貸出装置200には投入されている情報記録媒体Cの識別情報であるカードIDを保持する記録媒体ID保持手段220と、この記録媒体ID保持手段220に記憶されているカードIDが紐付けされているグループがあるときに、グループ管理サーバ600より通知される所属グループの識別情報であるグループID(複数のグループに所属している場合には、そのID全て)を保持するグループID保持手段221を備える。
【0060】
そして、遊技媒体貸出装置200は、遊技者がタッチ液晶表示部203を用いて行う振込要求あるいは引落要求に応じて、記録媒体ID保持手段220およびグループID保持手段221に保持されたカードIDおよびグループIDを使い、グループ管理サーバ600への振込要求および引落要求の電文を生成して送信する。
【0061】
図8は、遊技者が振込要求および引落要求を行うときに操作するタッチ液晶表示部203の表示の遷移状態の一例を示すものである。
【0062】
例えば、持玉が残り少なくなったグループメンバAが、グループ共有持玉口座からグループ共有持玉を引き落とすとき、通常表示(図8(a1)を参照)の最下部にある“グループ”ボタンを押下すると、グループ選択表示(図8(a2)を参照)に切り替わる。このとき、グループID保持手段221に保持されている全てのグループIDを選択候補として提示し、遊技者の選択を促す。なお、グループIDの表示のみではなく、グループ管理サーバより現在のグループ共有持ち玉数を取得して表示すれば、遊技者がグループを選択する上で重要な情報となる。
【0063】
遊技者が引落対象のグループとしてグループID001を選択すると、移動玉数を指定してグループ共有持玉口座への振込かグループ共有持玉口座からの引落かを選択する画面(図8(a3)を参照)を表示する。なお、所属するグループが1つの場合には、グループ選択表示を行わずに、振込か引落かの選択画面を表示すれば良い。そして、共有持玉数10000個のうち1000玉をグループ共有持玉口座から引き落とすを選択すると、引落処理が完了した後の更新画面(図8(a4)を参照)が表示され、共有持ち玉数が9000個に減り、自分の持玉が1000玉増えたことが確認できる。これで引落要求が終わりであれば、表示画面最下部の“戻る”ボタンを押下することで、通常画面(図8(a5)を参照)に復帰する。
【0064】
なお、同じグループに登録されている複数のメンバがほぼ同時期に引落要求を行ったような場合には、グループ管理サーバ600が要求を受け付けた順に処理させる。このため、後処理になったメンバの引落要求を満たすだけのグループ共有持玉が残っていない場合も考えられるので、残玉数に基づく引落要求を改めて促すようにするか、無条件に残玉数を一括引き落としさせることにするか、予め残処理方法を設定しておくことが望ましい。
【0065】
逆に、持玉が潤沢で余裕のあるグループメンバBが、グループ共有持玉口座へグループ共有持玉を振り込むとき、通常表示(図8(b1)を参照)の最下部にある“グループ”ボタンを押下すると、グループ選択表示(図8(b2)を参照)に切り替わる。このとき、グループID保持手段221に保持されている全てのグループIDを選択候補として提示し、遊技者の選択を促す。こでも、グループIDの表示のみではなく、グループ管理サーバより現在のグループ共有持ち玉数を取得して表示すれば、遊技者がグループを選択する上で重要な情報となり、グループID001のグループ共有持玉口座が10000玉から9000玉に減っていることが分かる。
【0066】
遊技者が振込対象のグループとしてグループID001を選択すると、移動玉数を指定してグループ共有持玉口座への振込かグループ共有持玉口座からの引落かを選択する画面(図8(b3)を参照)を表示する。なお、所属するグループが1つの場合には、グループ選択表示を行わずに、振込か引落かの選択画面を表示すれば良い。そして、共有持玉数9000個が残っているグループ共有持玉口座へ1000玉を振り込むを選択すると、振込処理が完了した後の更新画面(図8(b4)を参照)が表示され、共有持ち玉数が10000個に増え、自分の持玉が1000玉減ったことが確認できる。これで振込要求が終わりであれば、表示画面最下部の“戻る”ボタンを押下することで、通常画面(図8(b5)を参照)に復帰する。
【0067】
このように、グループメンバAが引き落とした玉数分をグループメンバBが振り込むことで、グループ共有持玉口座の残数を所定数に戻すと、これは、グループメンバBからグループメンバAへ持玉を分割して渡したのと同じであり、従来、ドル箱に貯めた持玉を分割して知人に渡すのと同じような使い方ができる。すなわち、チェックイン端末装置700で事前に持玉共有のグループを作成せず、必要に応じて、遊技媒体貸出装置200を操作することにより、その都度グループを作成し、グループ内で持玉の受け渡しを行って口座がゼロになったらグループを解消するようなグループ共有持玉口座の運用(グループ都度作成)があれば、数人で連れ立って来店した遊技客で持玉を相互に融通することが容易となる。
【0068】
斯くするために、遊技媒体貸出装置200とグループ管理サーバ600が協働することで、「グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成する前記グループ生成手段」としての機能を実現し、事前にグループ登録してグループ共有持玉口座を生成しておかなくても、必要に応じて簡便にグループ共有持玉口座を生成してグループ共有が可能となるようにした。なお、遊技媒体貸出装置200には、遊技機100で遊技を行っている遊技者の情報記録媒体Cを投入するホスト用カード投入口に加えて、グループを構成する他のメンバが所持する情報記録媒体を投入するゲスト用カード投入口を予め設けておく。
【0069】
図9および図10に、このグループ都度作成処理を示す。先ず、タッチ液晶表示部203からグループ生成要請があったか否かを判定し(ステップS401)、グループ生成要請があった場合には、グループ管理サーバ600へグループIDの割り当てを要求し、割り当てられたグループIDを受信した後、そのグループIDをタッチ液晶表示部203に表示することで遊技者に通知する(ステップS402)。続いて、前述したと同様なグループ参加資格認証処理を行い(ステップS403)、認証OKであれば、投入中のカード(ホスト用カード投入口に投入されている情報記録媒体C)をそのグループに登録する(ステップS405)。続いて、ホストであるメンバが共有持玉振込数を設定し(ステップS406)、共有持玉振込処理を要求することで(ステップS407)、グループ管理サーバ600における当該グループのグループ共有持玉口座に持玉が入る。
【0070】
上記のようにして新規に生成されたグループのグループ共有持玉口座に持玉が振り込まれた後、このグループに追加登録するカードをゲスト用カード投入口へ投入し(ステップS408)、この情報記録媒体CのカードIDに基づいてグループ参加資格認証処理を行い(ステップS409)認証がOKであれば、ゲストカード(ゲスト用カード投入口より投入した情報記録媒体C)をそのグループに登録する(ステップS411)。そして、分け与える持ち玉数を設定してグループ管理サーバ600へ送信することによりグループ共有持玉口座からグループ登録したゲストカードへグループ共有持玉が引き落とされ(ステップS412)、この引落が完了するとゲストカード投入口より投入されたゲストカードを排出する(ステップS413)。
【0071】
上記のようにしてホストカード所持者の持玉をゲストカード所持者へ分け与えた後、グループ共有持玉口座がゼロになったか否かを判定し(ステップS414)、未だゼロになっていなければ、上記ステップS408へ戻り、次のゲストカード投入を促す。すなわち、グループ都度作成処理を行う遊技媒体貸出装置200で遊技している遊技者がホストとなって作成したグループには、複数のゲストを登録することで、複数の知人に持玉を分け与えることもできるのである。
【0072】
一方、上記ステップS414でグループ共有持玉口座がゼロになったと判定された場合には、グループ管理サーバ600へグループの解散を指示することにより、このグループ都度作成処理を行う遊技媒体貸出装置200で遊技を行っている遊技者の要請により生成したグループが自動で解散となり、グループ都度作成処理が終了する。すなわち、グループ都度作成処理においては、ホストカードの持玉をゲストカードへ分配するために、一時的にグループ共有持玉口座を作成するものであり、その目的が達成されれば(持玉の引落でグループ共有持玉口座が帰零すれば)、グループを自動解散することにより、わざわざグループ解散の手続きをホストカード所持者が行う手間を省いて、利便性を高めることができる。
【0073】
なお、ホストカードにより登録してグループ共有持玉口座からゲストカードで引落す処理は、別の遊技機媒体貸出装置200で行えるようにしても良い。斯くする場合には、通常のグループ共有持玉口座へ引落要求を行う場合と同様に、グループ参加資格認証を行って、引落の玉数を任意に設定できるようにすれば良いが、グループ共有持玉口座が帰零したときには、自動でグループ解散される点が、通常のグループとは異なる。
【0074】
また、前述した親カードやホストカードといったグループ共有持玉口座の生成に際して、グループ共有持玉管理権限が設定されている場合、グループメンバからの共有持玉引落要求がある毎に、親カードやホストカードが投入されている遊技媒体貸出装置200のタッチ液晶表示部203に図11のような表示を行って、許諾可否の選択を促すことにより、グループメンバからの引落要求の可否を判断させるようにしても良い。すなわち、遊技媒体貸出装置200とグループ管理サーバ600が協働することで実現される共有遊技媒体管理手段が「グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しない」機能を備えるものとすれば、グループ内の共有遊技媒体管理権限者は、随時、共有遊技媒体の残り状況を把握し、グループ内における遊技媒体の共有管理を適切に行うことができる。
【0075】
上述した遊技媒体管理システムでは、グループ管理サーバ600のグループ管理によるグループ共有持玉口座への振込や引落を管理するもので、その振込要求や引落要求については、各遊技者が自ら行わなければならず、グループ共有持玉口座にある持玉とローカルな持玉とを同一に扱えないことから、多少、利便性が劣るものであった。そこで、図12に示す遊技媒体貸出装置200′においては、予め設定した自動共有条件を満たすカードIDの情報記録媒体Cを所持する遊技者が遊技を行うとき、遊技に用いる遊技媒体はグループ共有持玉口座から自動で引き落とされ、遊技で獲得した遊技媒体は自動でグループ共有持玉口座に振り込まれるようにした。なお、図12において、図7と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
斯くする場合、グループ登録時に所属メンバのランク付け(例えば、ランク1、ランク2の二区分)を行っておき、一定ランク以上に設定されたメンバ(例えば、ランク1に設定されたファミリーメンバ)のみがグループ共有持玉口座の自動共有できるようにし、一定ランクに満たないメンバ(例えば、ランク2に設定された一般グループメンバ)にはグループ共有持玉口座の自動共有が認められないようにしておくことで、グループ構成メンバに応じた柔軟な管理・運用が可能となる。
【0077】
そこで、遊技媒体貸出装置200′には、グループ内ランク保持手段212を設けておき、読み込んだ情報記録媒体Cに記憶されているグループ内ランクをここに記憶し、グループ内ランクが自動共有許可条件を満たすランクであった場合には、図13(a)に示すように、タッチ液晶表示部203に自動共有ボタンを表示して、自動共有のオン/オフを遊技者に選ばせる。ここで、遊技者が自動共有ボタンを押さなければ、グループ共有持玉口座からの引落や振込が自動化されることはなく、ローカルな持玉を使って遊技機100における遊技が行われると共に、前述した手順によらなければ、グループ共有持玉口座からの引落や振込を行うことはできない。
【0078】
一方、遊技者が自動共有ボタンを押すと、自動共有能動化手段223がグループ共有持玉口座からの引落や振込を自動で行うことにより、ローカルな持玉は全てグループ共有持玉口座に振り込まれ、遊技者が指定払出ボタンを押したときは、グループ共有持玉口座から指定払出数(例えば、25個)分の持玉が自動で引き落とされることによりローカルな持玉のように遊技機100で使うことができる(図13(b)を参照)。そして、遊技機100での遊技を終了するときには、解除ボタンを操作することで、グループ共有持玉口座が分離され、ローカルの持玉は帰零する(図13(c)を参照)。なお、共有解除のとき、共有開始時におけるローカルな持玉以上のグループ共有持玉が残っていた場合には、共有開始時と同じ数だけローカルに戻した状態でグループ共有を解除するようにしても良いし、持玉をローカルに戻すか否かの選択を遊技者が決められるようにしても良い。
【0079】
このように、遊技媒体貸出装置200に「遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段」を設けてグループ共有持玉口座の自動共有を可能とすれば、遊技媒体貸出装置200が遊技者に代わって自動でグループ共有持玉口座への振込や引落を行うことにより、遊技者はグループ共有持玉口座の持玉とローカルの持玉とを意識することなく遊技に使うことができ、グループ共有の利便性を一層高めることができる。加えて、自動共有能動化手段223は、投入された情報記録媒体Cに対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件(例えば、ランク1)を満たす場合に限って、自動共有を実行するように制限を課しておけば、ファミリーメンバとして信頼された者のみに自動共有を許可することができ、グループ共有持玉口座の管理を安全に行いつつ、自動共有の利便性を実現できる。
【0080】
以上、本発明に係る遊技媒体貸出装置の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、この実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。
【符号の説明】
【0081】
100 遊技機
200 遊技媒体貸出装置
300 球箱ユニット
500 プリペイドシステム管理コンピュータ
600 グループ管理サーバ
700 チェックイン端末装置
C 情報記録媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置された遊技機での遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理し、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を利用して遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置されている遊技場では、遊技者が借り受けたり預けておいた遊技媒体を用いて個人的に遊技を楽しむものであった。これに対して、遊技媒体を用いない多種多様な遊戯機が設置されているゲームセンターでは、グループで対戦したり、ネットで対戦する遊戯形態が可能なゲーム機がある(例えば、特許文献1を参照)。パチンコ機やスロットマシンでは、多人数での遊技が行えないものの、グループで来店した遊技客が、別々の遊技機で遊技を行って、ゲーム結果をコンペ式に競う楽しみ方をする場合もあり、グループの遊技客に対するサービス向上も遊技店にとっては重要である。そこで、知り合い同士の遊技客が気軽に、且つ簡便に持ち玉を分け合えるように、台間球貸機において持ち玉を分割した新たな記録媒体を発行できるようにした遊技システムが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−141544号公報
【特許文献2】特開2010−227556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載された遊技システムは、いわゆるドル箱に貯めた実球を他の遊技者へ渡す代わりに、玉数を記録した記録媒体を渡すようにしたものに過ぎず、多人数のグループ全体で持ち玉の共有を図るには、必ずしも利便性が良いとはいえないものであった。
【0005】
すなわち、特許文献2に記載の遊技システムでは、持ち玉に余裕がある知人を探し出さなければ、記録媒体経由で持ち玉を譲り受けることができないことから、玉を借りたい遊技者は、店内を歩いて知人を探し、持ち玉の譲渡を頼み込まなければならず、非常に煩雑である。しかも、折角見つけた知人の持ち玉にあまり余裕が無く、少量しか譲って貰えなかった場合は、更にほかの知人を探し廻らなければならないという点からも、グループで持ち玉を共有するような使い方には不向きである。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み成されたもので、高い利便性で、遊技に使う遊技媒体を複数名で共有できる遊技媒体管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技場に設置された遊技機での遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理し、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を利用して遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる遊技媒体管理システムにおいて、情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段と、生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記グループ生成手段は、既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記グループ生成手段は、グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技媒体管理システムにおいて、予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記共有遊技媒体管理手段は、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しないようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体管理システムにおいて、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を受け入れ、遊技媒体の貸出が可能な価値情報を追加したり、価値情報を消費して遊技媒体を貸し出したりできる遊技媒体貸出装置を含み、前記遊技媒体貸出装置は、遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の遊技媒体管理システムにおいて、前記グループ生成手段は、グループの所属メンバに対して二区分以上にランク付けされたランク情報を設定するものとし、前記自動共有能動化手段は、投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件を満たす場合に限って、自動共有を実行するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る遊技媒体管理システムによれば、情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段と、生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段と、を備えるので、共有遊技媒体保管領域を介したグループでの遊技媒体共有を効率良く実現でき、利便性の高いシステムとなる。
【0015】
また、請求項2に係る遊技媒体管理システムによれば、前記グループ生成手段は、既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させるようにしたので、後からグループに参加することも可能となり、一層利便性の高いものとなる。
【0016】
また、請求項3に係る遊技媒体管理システムによれば、前記グループ生成手段は、グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成するようにしたので、事前にグループ登録して、共有遊技媒体保管領域を生成しておかなくても、必要に応じて簡便に共有遊技媒体保管領域を生成してグループでの共有化を実現することができる。
【0017】
また、請求項4に係る遊技媒体管理システムによれば、予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段を備えるので、共有遊技媒体管理手段の管理対象となるグループが無尽蔵に増えてしまうことを抑制できる。
【0018】
また、請求項5に係る遊技媒体管理システムによれば、前記共有遊技媒体管理手段は、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しないようにしたので、グループ内の共有遊技媒体管理権限者は、随時、共有遊技媒体の残り状況を把握し、グループ内における遊技媒体の共有管理を適切に行うことができる。
【0019】
また、請求項6に係る遊技媒体管理システムによれば、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を受け入れ、遊技媒体の貸出が可能な価値情報を追加したり、価値情報を消費して遊技媒体を貸し出したりできる遊技媒体貸出装置を含み、前記遊技媒体貸出装置は、遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段を備えるので、遊技者はグループ共有遊技媒体保管領域の遊技媒体とローカル遊技媒体とを意識することなく遊技に使うことができ、グループ共有の利便性を一層高めることができる。
【0020】
また、請求項7に係る遊技媒体管理システムによれば、前記グループ生成手段は、グループの所属メンバに対して二区分以上にランク付けされたランク情報を設定するものとし、前記自動共有能動化手段は、投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件を満たす場合に限って、自動共有を実行するようにしたので、遊技媒体貸出装置に投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、自動共有許可条件を満たす場合、すなわち、グループメンバの中で特に信頼された者のみに自動共有を許可することができ、グループ共有遊技媒体保管領域の管理を安全に行いつつ、自動共有の利便性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】遊技場に導入した遊技媒体貸出システムの概略構成図である。
【図2】グループ共有持玉口座を用いた共有形態の概念図である。
【図3】チェックイン端末装置でチェックイン操作を行うときに表示されるパネルのイメージ図である。
【図4】チェックイン端末装置が行うチェックイン処理を示すフローチャートである。
【図5】グループ参加資格認証処理を示すフローチャートである。
【図6】閉店処理を示すフローチャートである。
【図7】持玉のグループ共有が可能な遊技媒体貸出装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図8】(a1)〜(a5)は、共有持玉の引落を行うときにタッチ液晶表示部に表示される表示内容の遷移図であり、(b1)〜(b5)は、共有持玉の振込を行うときにタッチ液晶表示部に表示される表示内容の遷移図である。
【図9】グループ都度作成処理の前段を示すフローチャートである。
【図10】グループ都度作成処理の後段を示すフローチャートである。
【図11】共有持玉引落要求を受けたときに遊技媒体貸出装置のタッチ液晶表示部に表示されるパネルのイメージ図である。
【図12】グループ共有持玉口座の自動共有が可能な遊技媒体貸出装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図13】グループ共有持玉口座を自動共有に設定して遊技を行った後に解除する過程で、遊技媒体貸出装置のタッチ液晶表示部に表示されるパネルのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る遊技媒体管理システムの実施形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態においては、遊技媒体として遊技球を用いる遊技機が設置された遊技場に適用するものとしたが、遊技媒体としてメダルを用いるスロット式遊技機が設定されている場合にも適用可能である。
【0023】
図1は遊技媒体管理システムに着目して示した遊技場内の必須構成であり、遊技場に設置された複数の遊技機100、各遊技機100に対応して設けられた遊技媒体貸出装置200、これら遊技機100および遊技媒体貸出装置200の遊技媒体貸出装置200が備える遊技媒体計数部へ遊技者の持玉(遊技機100の遊技に使える遊技球であり、遊技において獲得した獲得球や遊技媒体貸出装置200から借り受けた貸し球の総称である)を導入する球箱ユニット300、遊技場の各種情報を収集して統括的に管理するためのホールコンピュータ400、遊技媒体貸出装置200に投入された情報記録媒体C(当該遊技場の会員として登録した遊技者に付与される会員カード、貨幣と等価な価値が記録されたプリペイド式のカードやICコインなどで、遊技店内で固有の識別情報であるカードIDが付与されているもの)の使用履歴や購入履歴などを管理するプリペイドシステム管理コンピュータ500、当該遊技店の会員が遊技店で獲得した遊技球を預けた貯玉を管理する顧客管理コンピュータの機能を含むグループ管理サーバ600、複数の遊技客がグループ登録(後に詳述)を行うための端末装置であるであるチェックイン端末装置700等が、ホール内LANを介して接続され、各装置等が相互に連係することでホール内の遊技媒体管理システムを実現する。
【0024】
遊技機100は、ガラス枠110のガラス越しに遊技者が見える遊技盤(図示省略)へ遊技球を弾発して遊技を行うもので、遊技盤上に設けられた種々の入賞口へ入賞すると所定数の賞球が排出されて上皿120に導入される。上皿120に大量の球が貯まって溢れると、賞球は上皿120の下方部に設けられた下皿130に導かれ、下皿130に貯まって行く。なお、下皿130の底部には球排出口を設けてあり、排出スイッチ131を操作することで球排出口を開成させることができ、下皿130に貯まった球を球箱ユニット300へ移すことができる。上皿120に貯まった遊技球は、所定の発射位置へ誘導されて待機し、操作ハンドル140を遊技者が回動操作することで発射装置(図示省略)が駆動し、操作ハンドル140の回動量に応じた弾発勢で遊技球が1個宛て発射される。操作ハンドル140が初期位置に戻ると、発射装置が止まり、発射停止となる。
【0025】
遊技媒体貸出装置200は、貨幣投入口201や情報記録媒体挿排口202から紙幣や情報記録媒体Cが投入されると、投入額や消費価値に応じた遊技球を貸し出すものである。遊技媒体貸出装置200の前面には、タッチ液晶表示部203を設け、投入された金額や情報記録媒体Cの価値情報を表示したり、遊技者のパネル操作によって所望のタイミングで遊技球の貸出を受けることもできる。また、遊技店員等が所持するリモコンからの信号(例えば、赤外光)を受光するリモコン受光部204を設け、遊技店員等がリモコンで遊技媒体貸出装置200に対する動作指令を行うことも可能である。
【0026】
なお、遊技媒体貸出装置200はCRユニットとしての機能を備え、対応する遊技機100のCR遊技機としての機能を備えるものであるから、遊技機100と遊技媒体貸出装置200とで球貸関連の信号をやりとりして遊技機100の賞球排出装置から貸出用の遊技球を排出させることもできるし、遊技媒体貸出装置200が備える遊技媒体払出部を作動させ、上皿120の球貯留部の上方に排出口が位置するように調整した球排出ノズル205から遊技媒体を排出することもできる。
【0027】
また、遊技媒体貸出装置200は、その下方部に遊技媒体計数部を備えるもので、球箱ユニット300の持ち玉貯留部301に貯まった持ち玉が持ち玉誘導部310内の球通路から供給され、遊技者の操作あるいは遊技媒体貸出装置200からの指令信号によって持ち玉のカウントが指示されると、持ち玉カウント用の遊技媒体計数部によって持ち玉を1個宛検出し、遊技媒体貸出装置200内で持ち玉の計数および情報記録媒体Cへの記録が行われる。カウント済みの持ち玉は更に下流へと流下して行き、持ち玉排出路202より排出される。
【0028】
通常、一人の遊技者が1つの情報記録媒体Cを所持していれば、遊技媒体貸出装置200に投入して行う金額チャージや球貸操作に加え、遊技媒体貸出装置200および球箱ユニット300による持玉の計数とそのデータ管理(持玉の払い出しや預け入れ等)が可能であるから、情報記録媒体Cを使って、どの遊技機100においても遊技を行うことができる。しかしながら、情報記録媒体Cは各人の所有であることから、情報記録媒体Cに記録されているデータ上の遊技媒体を友達同士でシェアするような場合、使い勝手が良いものではない。
【0029】
そこで、本実施形態に係る遊技媒体管理システムにおいては、チェックイン端末装置700を使って、遊技媒体を共有するグループの構成メンバを予め登録しておけば、グループで共用できる持玉の保管領域がグループ管理サーバ600により生成・管理され、グループメンバが有する持玉を共有するために拠出したり、逆に共有の持玉を引き出したりできるようにした。
【0030】
そして、共有遊技媒体保管領域を媒介とした遊技媒体の共有を実現する遊技媒体管理システムは、グループ管理サーバ600とチェックイン端末装置700が協働することで「情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段」としての機能を果たし、遊技客が操作するチェックイン端末装置700や遊技媒体貸出装置200とグループ管理サーバ600が協働することで「生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段」としての機能を果たすものであり、共有遊技媒体保管領域を介したグループでの遊技媒体共有を効率良く実現でき、利便性の高いシステムとなる。
【0031】
また、グループによる持玉共有を、団体の遊技客が来店した当日限りといった一時的なものとせずに、遊技店で恒久的に管理できるようなサービスを提供しても良い。例えば、複数の会員が入会登録を行う時に、店舗側のオペレーションにより恒久的に同一グループとして登録する事により、会員情報として恒久的なレギュラーグループに所属していることが保持されるグループ生成を行えば、後日であっても、レギュラーグループに属している遊技者がその会員カードで遊技しているときは、会員登録時に設定したレギュラーグループの共有持玉口座を介してグループ共有持玉の引落や振込が可能になる。よって、或る程度決まったメンバーが連れ立って来店する場合、その度にグループ登録を行う手間を省くことができ、遊技者にとっての利便性が高く、ひいては団体の集客に寄与できる。なお、レギュラーグループへの所属については、グループ管理サーバ600が、遊技店会員の顧客管理情報として記憶しておくことで、チェックイン端末装置700から登録した一時的なグループとは別に管理することができ、通常のグループとは異なる管理条件(例えば、日毎解散の対象としない等)を適用し易い。
【0032】
なお、遊技媒体の共有を可能とする遊技媒体管理システムを説明するに際して、以下では、複数人で共有の銀行口座を作成し、各人が共有口座のキャッシュカードを所持して個別に出し入れを行えるイメージになぞらえて、共有遊技媒体保管領域を「グループ共有持玉口座」、共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体を拠出することを「振込」、共有遊技媒体から遊技媒体を取り出すことを「引落」と呼ぶこととする。
【0033】
このグループ共有持玉口座を使った共有形態は、図2に示すようなもので、グループ管理サーバ600がグループ識別情報(グループID)により識別可能なグループ毎にグループ共有持玉口座を生成し、各グループ共有持玉口座はグループを構成する遊技者が所持する情報記録媒体の識別情報(カードID)と紐づけることにより、そのグループ共有持玉口座を利用できる遊技者(情報記録媒体Cの所持者)を特定できる。
【0034】
例えば、カードID:0001を所持する遊技者が、遊技媒体貸出装置Aに情報記録媒体Cを投入して遊技機100Aで遊技を行っているときに、振込要求あるいは引落要求を行うと、これを受けたグループ管理サーバ600では、カードID:0001がグループ001に属することが分かるので、グループ共有持玉口座1を参照して要望に応じた処理を行うことができる。
【0035】
また、カードID:0002を所持する遊技者が、遊技媒体貸出装置Bに情報記録媒体Cを投入して遊技機100Bで遊技を行っているときに、振込要求あるいは引落要求を行うと、これを受けたグループ管理サーバ600では、カードID:0002がグループ001とグループ002の両方に属することが分かるので、先ずは、選択可能な口座候補を遊技媒体貸出装置200のタッチ液晶表示部203を介して提示し、遊技者が選択したグループ共有持玉口座を参照して要望に応じた処理を行う。このように、グループIDとカードIDは遊技店内でユニークな識別情報として使うことができるので、グループIDとカードIDを紐付けして所属グループを管理すれば、一人の遊技者が複数のグループに属していても問題なく管理できるのである。
【0036】
すなわち、グループ生成手段が、「既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させる」機能を備えることで、後からグループに参加することも可能となり、一層利便性の高いものとなる。図3は、チェックイン端末装置700でチェックイン操作を行うとき、タッチパネル701に表示される画面の一例を示すもので、チェックイン端末装置700に投入した情報記録媒体CのカードIDに対して、選択可能なグループが複数表示され、当該カードを所持する遊技者の自由意思で所属グループを選択できるし、既存グループから選択せずに、新たにグループを作成することもできる。
【0037】
なお、グループ管理サーバ600にて管理するグループ共有持玉口座の管理内容は、少なくとも、グループメンバのカードIDと共有対象として振り込まれている持玉数を含んでいれば、その他の情報を併せて管理するようにしても構わない。例えば、グループ内での管理権限(グループ解散権、共有持玉の引落許可権限など)を持ったメンバとその他のメンバとを区別できるように、親カードと子カードに分けてカードIDを記憶しておくようにしても良い。親カードとして登録するためには、情報記録媒体Cが会員カードであるとか、他のメンバの承認を必要とするなどの運用を適宜にまた、近時の遊技店では、一部エリアで1円パチンコや10円スロットのように、遊技媒体の貸出レートが異なる場合があり、情報記録媒体Cがレート毎に持ち玉数を管理していれば、グループ管理サーバ600でも、グループ共有持玉口座をレート毎に区分けして管理するようにしても良い。
【0038】
次に、図4〜図6に基づいて、チェックイン端末装置600によるチェックイン処理を説明する。
【0039】
先ず、新規グループや既存グループへのチェックイン要求を行うためのグループID操作が行われたか否かを判定し(ステップS101)、グループID操作が行われていれば、それがグループチェックインボタンの押下か否かを判定し(ステップS102)、グループチェックインボタンが押されていた場合には、それが新規グループの作成か否かを判定する(ステップS103)。
【0040】
上記ステップS103で新規グループ作成の要求と判定された場合には、グループ管理サーバ600へ新規グループIDの割り当てを要求し(ステップS104)、この新規グループID割り当て要求に基づいてグループ管理サーバ600では、グループIDの新規割り当てを行うと共にグループ共有持玉口座を開設し、その旨がチェックイン端末装置700へ通知される(ステップS105)。一方、上記ステップS103で新規グループ作成の要求でないと判定された場合には、グループ管理サーバ600へ参加可能なグループIDを問い合わせ(ステップS106)、グループ管理サーバより該当するグループIDの受信を待つ。
【0041】
そして、グループ管理サーバ600より新規のグループIDもしくは参加可能な既存のグループIDを受領すると(ステップS107)、そのグループIDを提示して遊技者による操作(例えば、情報記録媒体Cの投入操作)を待つ(ステップS107)。続いて、遊技者によるチェックイン終了操作が行われたか否かを判定し(ステップS109)、チェックイン終了操作が行われていた場合には、それまでのチェックイン過程をクリアして、再びステップS101から繰り返す。一方、遊技者によるチェックイン終了操作が無蹴れば、情報記録媒体Cが投入されたか否かを判定し(ステップS110)、情報記録媒体Cの投入によるチェックイン操作が行われたと判定された場合には、その情報記録媒体CのカードIDに基づいて、グループへの参加が認められるかを判定するグループ参加資格認証処理を行う(ステップS111)。
【0042】
このチェックイン処理のステップS111で行うグループ参加資格認証処理の詳細は、図5に示すもので、チェックイン対象である情報記録媒体CのカードIDを読み取り、会員管理サーバの機能を有するグループ管理サーバ600へ問い合わせを行い(ステップS201)、その回答から、当該カードが有効か否かを判定する(ステップS202)。既にカードの有効期限が切れているとか、当該遊技店で発行された会員カードではないといった無効情報をグループ管理サーバ600より受けた場合には、投入された情報記録媒体Cを無効カードと判定し、認証NGとする(ステップS203)。
【0043】
一方、投入された情報記録媒体Cが有効カードと判定された場合には、そのカードの利用に際して暗証番号の入力が必要か否かを判定し(ステップS204)、暗証番号の入力が必要であればタッチパネル701に暗証番号の入力を促す画面表示を行い(ステップS205)、暗証番号が入力されたら、グループ管理サーバ600より受けている暗証番号と一致するか否かに基づいて暗証番号の適否を判定し(ステップS206)、暗証番号が誤っていれば、情報記録媒体Cを正規の所持者が使っていないものと判定し、認証NGとする。
【0044】
なお、情報記録媒体Cの正規の所持者であるにも拘わらず、うっかり暗証番号を誤入力してしまった場合でも、チェックイン処理を最初からやり直さなければならなくなるので、暗証番号の誤入力を所定回数(例えば2回)まで認めるように、暗証番号の再入力を促すような処理としても良い。
【0045】
上記ステップS206で入力された暗証番号が適正と判定した場合には、グループ参加の認証をOKとし、当該グループにこの情報記録媒体CのカードIDを登録するように管理サーバ600へ指示する(ステップS207)。また、この情報記録媒体Cを親カードとして設定するかの選択を促し(ステップS208)、親カードか子カードかの選択結果をグループの登録情報に含ませる。
【0046】
上述したグループ参加資格認証処理ステップS111を行うと、その認証結果に応じた登録完了通知あるいは認証NG通知をグループ管理サーバ600より受領し(ステップS112)、最終的な認証結果がOKか否かを判定する(ステップS113)。認証結果がOKであれば、グループチェックイン済みの情報記録媒体Cを返却し、認証結果がNGであれば、チェックイン不可表示を行って情報記録媒体Cを返却する。
【0047】
続いて、遊技場の閉店時間となり、ホールコンピュータ400より閉店コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップS116)、閉店コマンドを受信していなければ、再びステップS101からのチェックイン処理を継続するが、閉店コマンドを受信していた場合には、閉店処理を行う(ステップS117)。
【0048】
このチェックイン処理のステップS117で行う閉店処理の詳細は、図6に示すもので、先ず、未精算のグループ共有持玉のあるグループをグループ管理サーバ600に検索させ(ステップS301)、グループ管理サーバ600からの回答に基づいて該当するするグループの有無を判定し(ステップS302)、グループ共有持玉が未精算のグループが残っていなければ、そのまま終了する。
【0049】
しかしながら、グループ共有持玉を精算していないグループが有った場合(例えば、未精算のままグループが解散して、既に店を出ていた場合など)には、当該グループの構成メンバに会員カードで登録している遊技者がいるか否かを判定し(ステップS303)、会員カード所持者がいれば、残ったグループ共有持玉を全ての会員カード所持者で均等に分けたり、親カードや子カードの種別に応じて按分したりして会員毎の配分数を定め(ステップS304)、会員に与えられた貯玉口座に移すようにグループ管理サーバ600へ指示する(ステップS305)。また、非会員にはグループ共有持玉を分配することができないので、そのまま非会員のみで構成されたグループの未精算のグループ共有持玉は0クリアしてグループを解散させるようにグループ管理サーバ600へ指示する。なお、この閉店処理は、チェックイン端末装置700が介在せずに、全てグループ管理サーバ600が行うようにしても良い。
【0050】
このように、チェックイン端末装置700およびグループ管理サーバ600が協働することで「予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段」として機能すれば、共有遊技媒体管理手段の管理対象となるグループが無尽蔵に増えてしまうことを抑制できる。
【0051】
なお、グループ解散条件は特に限定されるものではないが、本実施形態のように、閉店毎にグループを解散すれば、遊技店での管理も容易である。但し、会員登録時に設定された恒久的なレギュラーグループに対しては、このグループ解散条件が適用されることはなく、登録時と同様に、遊技店員のオペレーションに依らなければ、グループからの脱退手続やレギュラーグループの解散手続を行えないようにすることで、レギュラーグループの恒久性を保つことができる。
【0052】
また、未精算で残っていたグループ共有遊技媒体を処分するための共有遊技媒体処分手順も特に限定されるものではないが、未精算の共有遊技媒体を一律にゼロクリアするより、当該遊技店の会員に対して貯玉として移し換える処理を行えば、会員と遊技店とのトラブルを回避できる点で有効である。
【0053】
上記のようにして生成・解消されるグループの構成メンバがグループ共有持玉を振り込んだり、引き落としたりするための機能をチェックイン端末装置700に設けて、必要に応じてグループ構成メンバがチェックイン端末装置700へ赴いて振込・引落を行うようにしても良いし、グループ共有持玉口座を利用するための携帯用小型端末を遊技店から貸し出すようにしても良いが、本実施形態においては、グループ共有持玉口座への振込およびグループ共有持玉口座からの引落の両機能を遊技媒体貸出装置200に設けるものとした。以下、遊技媒体貸出装置200について詳述する。
【0054】
図7は、遊技機100と遊技媒体貸出装置200の概略構成を示すもので、遊技媒体貸出装置200の貸出インターフェース基板206と遊技機100の遊技媒体貸出装置接続端子板101とがPIFケーブル(図示省略)で接続され、遊技機100から遊技媒体貸出装置200へは、遊技機接続確認信号(PSI),遊技機準備状態信号(PRDY),遊技機貸出完了信号(EXS),貸出ボタンスイッチ信号等が送信されると共に、遊技媒体貸出装置200から遊技機100へは、貸出装置準備状態信号(BRDY),貸出装置貸出要求信号(BRQ)が送信され、相互に状態確認しつつ適正な遊技媒体貸出制御が実行される。
【0055】
なお、遊技機100の前面側に、遊技者が遊技球の貸出を要求するために操作する貸出ボタン、この貸出ボタンが操作可能な状態である場合に点灯表示される貸出可能ランプ、遊技媒体貸出装置200へ投入した情報記録媒体(プリペイドカード/コインや会員カード等)を排出させるための返却ボタン等を設け、遊技機100の裏面側には、弾球遊技の主たる制御を行う主制御装置、表示制御や音制御といった演出面の動作制御を行う副制御装置、遊技球の発射動作を制御する発射制御装置、賞としての遊技球や貸出用の遊技球を排出する遊技球排出装置、この遊技球排出装置に対する遊技球の排出制御を行う排出制御装置等を設けてあり、遊技媒体貸出装置200からの貸出要求に応じた数量の遊技球が遊技機100から排出され、遊技者に貸し出される。
【0056】
また、遊技媒体貸出装置200の外部出力端子板207からは、価値の付加および価値の消費に関わる売上情報として、情報記録媒体C(遊技媒体の貸出に利用できる有価価値情報が記録されたプリペイドカード、ICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコインや会員カード等)の新規発行や発行済みの情報記録媒体Cへの価値加算よりなる販売情報を示す販売信号、遊技媒体貸出の実行により有価価値を消費した消費情報(例えば、消費度数や消費金額など)を示す消費信号、遊技店に預け入れておいた貯玉を引き出して使用した再プレイ情報を示す再プレイ信号などを出力し、ホールコン中継基板800を介してホールコンピュータ400へ送信される。このほか、遊技媒体貸出装置200にて生じたエラーを報らせるエラー信号もホールコン中継基板800を介してホールコンピュータ400へ送信される。
【0057】
遊技機100の外部出力端子板102からは、賞球信号、不正検出信号、始動入賞信号、図柄停止信号、大当り信号、賞球信号、アウト信号などが出力され、ホールコン中継基板800を介してホールコンピュータ400へ送信される。
【0058】
遊技媒体貸出装置200には、遊技媒体の貸出制御を統括する機能や種々の販売情報を集計して記憶しておく機能を有するほか、図7に示すように、貨幣投入口201より投入された貨幣Mの額面や真贋を識別する貨幣識別部211、情報記録媒体挿排口202より挿入された情報記録媒体Cから情報を読み出したり書き換えたりする価値媒体R/W手段212、タッチ液晶表示部203やリモコン受光部204からの入力や表示を制御する表示・操作制御部213、貸出インターフェース基板206を介して遊技機100との信号授受を制御する貸出インターフェース信号制御手段214、外部出力端子板207を介して外部へ出力するパルスを発生させる外部パルス発生手段215、通信回線を通じて上位管理コンピュータ(例えば、プリペイドシステム管理コンピュータ700やグループ管理サーバ600)との通信を行う外部通信手段216、当該遊技媒体貸出装置200の固有情報として設定された台番号を記憶する台番号記憶手段217、遊技機100の下皿130から抜き出されて球箱ユニット300より供給された持玉を計数して積算記憶して行く遊技媒体計数部218、遊技媒体計数部218により計数されて情報記録媒体Cに書き込まれた持玉情報を使って、球排出ノズル205から上皿120へ遊技球を払い出すための遊技媒体払出部219等を有する。
【0059】
さらに、遊技媒体貸出装置200には投入されている情報記録媒体Cの識別情報であるカードIDを保持する記録媒体ID保持手段220と、この記録媒体ID保持手段220に記憶されているカードIDが紐付けされているグループがあるときに、グループ管理サーバ600より通知される所属グループの識別情報であるグループID(複数のグループに所属している場合には、そのID全て)を保持するグループID保持手段221を備える。
【0060】
そして、遊技媒体貸出装置200は、遊技者がタッチ液晶表示部203を用いて行う振込要求あるいは引落要求に応じて、記録媒体ID保持手段220およびグループID保持手段221に保持されたカードIDおよびグループIDを使い、グループ管理サーバ600への振込要求および引落要求の電文を生成して送信する。
【0061】
図8は、遊技者が振込要求および引落要求を行うときに操作するタッチ液晶表示部203の表示の遷移状態の一例を示すものである。
【0062】
例えば、持玉が残り少なくなったグループメンバAが、グループ共有持玉口座からグループ共有持玉を引き落とすとき、通常表示(図8(a1)を参照)の最下部にある“グループ”ボタンを押下すると、グループ選択表示(図8(a2)を参照)に切り替わる。このとき、グループID保持手段221に保持されている全てのグループIDを選択候補として提示し、遊技者の選択を促す。なお、グループIDの表示のみではなく、グループ管理サーバより現在のグループ共有持ち玉数を取得して表示すれば、遊技者がグループを選択する上で重要な情報となる。
【0063】
遊技者が引落対象のグループとしてグループID001を選択すると、移動玉数を指定してグループ共有持玉口座への振込かグループ共有持玉口座からの引落かを選択する画面(図8(a3)を参照)を表示する。なお、所属するグループが1つの場合には、グループ選択表示を行わずに、振込か引落かの選択画面を表示すれば良い。そして、共有持玉数10000個のうち1000玉をグループ共有持玉口座から引き落とすを選択すると、引落処理が完了した後の更新画面(図8(a4)を参照)が表示され、共有持ち玉数が9000個に減り、自分の持玉が1000玉増えたことが確認できる。これで引落要求が終わりであれば、表示画面最下部の“戻る”ボタンを押下することで、通常画面(図8(a5)を参照)に復帰する。
【0064】
なお、同じグループに登録されている複数のメンバがほぼ同時期に引落要求を行ったような場合には、グループ管理サーバ600が要求を受け付けた順に処理させる。このため、後処理になったメンバの引落要求を満たすだけのグループ共有持玉が残っていない場合も考えられるので、残玉数に基づく引落要求を改めて促すようにするか、無条件に残玉数を一括引き落としさせることにするか、予め残処理方法を設定しておくことが望ましい。
【0065】
逆に、持玉が潤沢で余裕のあるグループメンバBが、グループ共有持玉口座へグループ共有持玉を振り込むとき、通常表示(図8(b1)を参照)の最下部にある“グループ”ボタンを押下すると、グループ選択表示(図8(b2)を参照)に切り替わる。このとき、グループID保持手段221に保持されている全てのグループIDを選択候補として提示し、遊技者の選択を促す。こでも、グループIDの表示のみではなく、グループ管理サーバより現在のグループ共有持ち玉数を取得して表示すれば、遊技者がグループを選択する上で重要な情報となり、グループID001のグループ共有持玉口座が10000玉から9000玉に減っていることが分かる。
【0066】
遊技者が振込対象のグループとしてグループID001を選択すると、移動玉数を指定してグループ共有持玉口座への振込かグループ共有持玉口座からの引落かを選択する画面(図8(b3)を参照)を表示する。なお、所属するグループが1つの場合には、グループ選択表示を行わずに、振込か引落かの選択画面を表示すれば良い。そして、共有持玉数9000個が残っているグループ共有持玉口座へ1000玉を振り込むを選択すると、振込処理が完了した後の更新画面(図8(b4)を参照)が表示され、共有持ち玉数が10000個に増え、自分の持玉が1000玉減ったことが確認できる。これで振込要求が終わりであれば、表示画面最下部の“戻る”ボタンを押下することで、通常画面(図8(b5)を参照)に復帰する。
【0067】
このように、グループメンバAが引き落とした玉数分をグループメンバBが振り込むことで、グループ共有持玉口座の残数を所定数に戻すと、これは、グループメンバBからグループメンバAへ持玉を分割して渡したのと同じであり、従来、ドル箱に貯めた持玉を分割して知人に渡すのと同じような使い方ができる。すなわち、チェックイン端末装置700で事前に持玉共有のグループを作成せず、必要に応じて、遊技媒体貸出装置200を操作することにより、その都度グループを作成し、グループ内で持玉の受け渡しを行って口座がゼロになったらグループを解消するようなグループ共有持玉口座の運用(グループ都度作成)があれば、数人で連れ立って来店した遊技客で持玉を相互に融通することが容易となる。
【0068】
斯くするために、遊技媒体貸出装置200とグループ管理サーバ600が協働することで、「グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成する前記グループ生成手段」としての機能を実現し、事前にグループ登録してグループ共有持玉口座を生成しておかなくても、必要に応じて簡便にグループ共有持玉口座を生成してグループ共有が可能となるようにした。なお、遊技媒体貸出装置200には、遊技機100で遊技を行っている遊技者の情報記録媒体Cを投入するホスト用カード投入口に加えて、グループを構成する他のメンバが所持する情報記録媒体を投入するゲスト用カード投入口を予め設けておく。
【0069】
図9および図10に、このグループ都度作成処理を示す。先ず、タッチ液晶表示部203からグループ生成要請があったか否かを判定し(ステップS401)、グループ生成要請があった場合には、グループ管理サーバ600へグループIDの割り当てを要求し、割り当てられたグループIDを受信した後、そのグループIDをタッチ液晶表示部203に表示することで遊技者に通知する(ステップS402)。続いて、前述したと同様なグループ参加資格認証処理を行い(ステップS403)、認証OKであれば、投入中のカード(ホスト用カード投入口に投入されている情報記録媒体C)をそのグループに登録する(ステップS405)。続いて、ホストであるメンバが共有持玉振込数を設定し(ステップS406)、共有持玉振込処理を要求することで(ステップS407)、グループ管理サーバ600における当該グループのグループ共有持玉口座に持玉が入る。
【0070】
上記のようにして新規に生成されたグループのグループ共有持玉口座に持玉が振り込まれた後、このグループに追加登録するカードをゲスト用カード投入口へ投入し(ステップS408)、この情報記録媒体CのカードIDに基づいてグループ参加資格認証処理を行い(ステップS409)認証がOKであれば、ゲストカード(ゲスト用カード投入口より投入した情報記録媒体C)をそのグループに登録する(ステップS411)。そして、分け与える持ち玉数を設定してグループ管理サーバ600へ送信することによりグループ共有持玉口座からグループ登録したゲストカードへグループ共有持玉が引き落とされ(ステップS412)、この引落が完了するとゲストカード投入口より投入されたゲストカードを排出する(ステップS413)。
【0071】
上記のようにしてホストカード所持者の持玉をゲストカード所持者へ分け与えた後、グループ共有持玉口座がゼロになったか否かを判定し(ステップS414)、未だゼロになっていなければ、上記ステップS408へ戻り、次のゲストカード投入を促す。すなわち、グループ都度作成処理を行う遊技媒体貸出装置200で遊技している遊技者がホストとなって作成したグループには、複数のゲストを登録することで、複数の知人に持玉を分け与えることもできるのである。
【0072】
一方、上記ステップS414でグループ共有持玉口座がゼロになったと判定された場合には、グループ管理サーバ600へグループの解散を指示することにより、このグループ都度作成処理を行う遊技媒体貸出装置200で遊技を行っている遊技者の要請により生成したグループが自動で解散となり、グループ都度作成処理が終了する。すなわち、グループ都度作成処理においては、ホストカードの持玉をゲストカードへ分配するために、一時的にグループ共有持玉口座を作成するものであり、その目的が達成されれば(持玉の引落でグループ共有持玉口座が帰零すれば)、グループを自動解散することにより、わざわざグループ解散の手続きをホストカード所持者が行う手間を省いて、利便性を高めることができる。
【0073】
なお、ホストカードにより登録してグループ共有持玉口座からゲストカードで引落す処理は、別の遊技機媒体貸出装置200で行えるようにしても良い。斯くする場合には、通常のグループ共有持玉口座へ引落要求を行う場合と同様に、グループ参加資格認証を行って、引落の玉数を任意に設定できるようにすれば良いが、グループ共有持玉口座が帰零したときには、自動でグループ解散される点が、通常のグループとは異なる。
【0074】
また、前述した親カードやホストカードといったグループ共有持玉口座の生成に際して、グループ共有持玉管理権限が設定されている場合、グループメンバからの共有持玉引落要求がある毎に、親カードやホストカードが投入されている遊技媒体貸出装置200のタッチ液晶表示部203に図11のような表示を行って、許諾可否の選択を促すことにより、グループメンバからの引落要求の可否を判断させるようにしても良い。すなわち、遊技媒体貸出装置200とグループ管理サーバ600が協働することで実現される共有遊技媒体管理手段が「グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しない」機能を備えるものとすれば、グループ内の共有遊技媒体管理権限者は、随時、共有遊技媒体の残り状況を把握し、グループ内における遊技媒体の共有管理を適切に行うことができる。
【0075】
上述した遊技媒体管理システムでは、グループ管理サーバ600のグループ管理によるグループ共有持玉口座への振込や引落を管理するもので、その振込要求や引落要求については、各遊技者が自ら行わなければならず、グループ共有持玉口座にある持玉とローカルな持玉とを同一に扱えないことから、多少、利便性が劣るものであった。そこで、図12に示す遊技媒体貸出装置200′においては、予め設定した自動共有条件を満たすカードIDの情報記録媒体Cを所持する遊技者が遊技を行うとき、遊技に用いる遊技媒体はグループ共有持玉口座から自動で引き落とされ、遊技で獲得した遊技媒体は自動でグループ共有持玉口座に振り込まれるようにした。なお、図12において、図7と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
斯くする場合、グループ登録時に所属メンバのランク付け(例えば、ランク1、ランク2の二区分)を行っておき、一定ランク以上に設定されたメンバ(例えば、ランク1に設定されたファミリーメンバ)のみがグループ共有持玉口座の自動共有できるようにし、一定ランクに満たないメンバ(例えば、ランク2に設定された一般グループメンバ)にはグループ共有持玉口座の自動共有が認められないようにしておくことで、グループ構成メンバに応じた柔軟な管理・運用が可能となる。
【0077】
そこで、遊技媒体貸出装置200′には、グループ内ランク保持手段212を設けておき、読み込んだ情報記録媒体Cに記憶されているグループ内ランクをここに記憶し、グループ内ランクが自動共有許可条件を満たすランクであった場合には、図13(a)に示すように、タッチ液晶表示部203に自動共有ボタンを表示して、自動共有のオン/オフを遊技者に選ばせる。ここで、遊技者が自動共有ボタンを押さなければ、グループ共有持玉口座からの引落や振込が自動化されることはなく、ローカルな持玉を使って遊技機100における遊技が行われると共に、前述した手順によらなければ、グループ共有持玉口座からの引落や振込を行うことはできない。
【0078】
一方、遊技者が自動共有ボタンを押すと、自動共有能動化手段223がグループ共有持玉口座からの引落や振込を自動で行うことにより、ローカルな持玉は全てグループ共有持玉口座に振り込まれ、遊技者が指定払出ボタンを押したときは、グループ共有持玉口座から指定払出数(例えば、25個)分の持玉が自動で引き落とされることによりローカルな持玉のように遊技機100で使うことができる(図13(b)を参照)。そして、遊技機100での遊技を終了するときには、解除ボタンを操作することで、グループ共有持玉口座が分離され、ローカルの持玉は帰零する(図13(c)を参照)。なお、共有解除のとき、共有開始時におけるローカルな持玉以上のグループ共有持玉が残っていた場合には、共有開始時と同じ数だけローカルに戻した状態でグループ共有を解除するようにしても良いし、持玉をローカルに戻すか否かの選択を遊技者が決められるようにしても良い。
【0079】
このように、遊技媒体貸出装置200に「遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段」を設けてグループ共有持玉口座の自動共有を可能とすれば、遊技媒体貸出装置200が遊技者に代わって自動でグループ共有持玉口座への振込や引落を行うことにより、遊技者はグループ共有持玉口座の持玉とローカルの持玉とを意識することなく遊技に使うことができ、グループ共有の利便性を一層高めることができる。加えて、自動共有能動化手段223は、投入された情報記録媒体Cに対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件(例えば、ランク1)を満たす場合に限って、自動共有を実行するように制限を課しておけば、ファミリーメンバとして信頼された者のみに自動共有を許可することができ、グループ共有持玉口座の管理を安全に行いつつ、自動共有の利便性を実現できる。
【0080】
以上、本発明に係る遊技媒体貸出装置の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、この実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。
【符号の説明】
【0081】
100 遊技機
200 遊技媒体貸出装置
300 球箱ユニット
500 プリペイドシステム管理コンピュータ
600 グループ管理サーバ
700 チェックイン端末装置
C 情報記録媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置された遊技機での遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理し、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を利用して遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる遊技媒体管理システムにおいて、
情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段と、
生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段と、
を備えることを特徴とする遊技媒体管理システム。
【請求項2】
前記グループ生成手段は、既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項3】
前記グループ生成手段は、グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項4】
予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項5】
前記共有遊技媒体管理手段は、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しないようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項6】
固有の識別情報が付与された情報記録媒体を受け入れ、遊技媒体の貸出が可能な価値情報を追加したり、価値情報を消費して遊技媒体を貸し出したりできる遊技媒体貸出装置を含み、
前記遊技媒体貸出装置は、遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項7】
前記グループ生成手段は、グループの所属メンバに対して二区分以上にランク付けされたランク情報を設定するものとし、
前記自動共有能動化手段は、投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件を満たす場合に限って、自動共有を実行するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項1】
遊技場に設置された遊技機での遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理し、固有の識別情報が付与された情報記録媒体を利用して遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる遊技媒体管理システムにおいて、
情報記録媒体を所持する遊技者を、情報記録媒体の識別情報とグループ識別情報とで紐づけることによりグループとして登録し、グループに属する遊技者で共有できる遊技媒体をデータとして貯めておく共有遊技媒体保管領域を生成するグループ生成手段と、
生成されたグループ毎の共有遊技媒体保管領域に記憶された共有遊技媒体のデータを管理し、グループに所属する遊技者からの遊技媒体振込要求を受け付けたとき、当該要求者の所持するデータ上の遊技媒体を減じて共有遊技媒体保管領域の共有遊技媒体を増やす振込処理を行い、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、共有遊技媒体保管領域から共有遊技媒体を減じて当該要求者にデータ上の遊技媒体を付与する引落処理を行う共有遊技媒体管理手段と、
を備えることを特徴とする遊技媒体管理システム。
【請求項2】
前記グループ生成手段は、既に共有遊技媒体保管領域が生成されている既存のグループを提示し、情報記録媒体を所持する遊技者の求めに応じて、既存のグループに所属させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項3】
前記グループ生成手段は、グループに所属していない遊技者から共有遊技媒体振込要求が成されることに基づいてグループ登録を行い、共有遊技媒体保管領域を生成するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項4】
予め定めたグループ解散条件が成立することに基づいて、当該グループの共有遊技媒体保管領域を消去し、共有遊技媒体保管領域に共有遊技媒体が残っている場合は、予め定めた共有遊技媒体処分手順に基づいて共有遊技媒体の処分を行うグループ解散手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項5】
前記共有遊技媒体管理手段は、グループに所属する遊技者からの遊技媒体引落要求を受け付けたとき、予め共有遊技媒体管理権限者として登録されている情報記録媒体の所持者から引落の許諾を得るまで、共有遊技媒体引落処理を実行しないようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項6】
固有の識別情報が付与された情報記録媒体を受け入れ、遊技媒体の貸出が可能な価値情報を追加したり、価値情報を消費して遊技媒体を貸し出したりできる遊技媒体貸出装置を含み、
前記遊技媒体貸出装置は、遊技機での遊技を行えるローカル遊技媒体が有るとき、投入された情報記録媒体の属するグループの共有遊技媒体保管領域へ遊技媒体振込要求を自動で行い、遊技機での遊技を行うローカル遊技媒体が必要なとき、共有遊技媒体保管領域からの遊技媒体引落要求を自動で行う自動共有能動化手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項7】
前記グループ生成手段は、グループの所属メンバに対して二区分以上にランク付けされたランク情報を設定するものとし、
前記自動共有能動化手段は、投入された情報記録媒体に対するグループ内ランクが、予め定めた自動共有許可条件を満たす場合に限って、自動共有を実行するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の遊技媒体管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−152409(P2012−152409A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14644(P2011−14644)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]