説明

遊技情報表示装置

【課題】外部操作に応じて表示切換処理を行った場合に無駄な切換表示を継続してしまうことを極力回避できる遊技情報表示装置を提供する。
【解決手段】呼出ランプは、遊技者によりデータ表示ボタンが操作されたときは、遊技機のデータを表示するよう切換表示を開始し、隣の呼出ランプに対するデータ表示操作を検知した場合は、遊技者が表示したデータの確認作業が終了したものとして切換表示を終了することにより省エネモードに復帰するようにした。これにより、遊技者が切換表示を見ていない状態にて切換表示が無駄に実行されてしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場内に隣り合って設置された複数の遊技機毎に対応して設けられた遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコホールのような遊技場においては、遊技機に係る複数種類の遊技データ(遊技情報)を表示できる遊技情報表示装置としての呼出ランプが遊技機に対応して設けられている。例えば、特許文献1には、遊技者(来場者)が操作可能な表示切換スイッチ(操作手段)を備え、その表示切換スイッチの操作に応じて表示対象の遊技データの種類を切換表示する呼出ランプについて記載されている。これにより、遊技者は遊技機のデータを確認することができるので、遊技対象の遊技機の良し悪しを判断する際の目安とすることができる。このような呼出ランプにおいては、遊技者による表示切換スイッチの操作が行われることなく所定時間が経過した場合に、初期画面(初期状態)に復帰することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−79255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、遊技場では、複数の遊技機が隣り合って配置されており、それら遊技機に対応して複数の呼出ランプが隣り合って配置されていることが一般的である。そして、遊技者は、遊技対象とする遊技機を決定するために、順番に呼出ランプを操作して遊技データを確認する。
しかしながら、遊技者が遊技データの確認を終了し、例えば隣の呼出ランプにて遊技データの確認を開始しているにも関わらず、遊技者が遊技データの確認を終了した呼出ランプにて切換表示が所定時間が経過するまで継続されてしまう。このため、その間は呼出ランプに詳細な遊技データを表示するための余計な処理負担がかかってしまうので、無駄な電力消費を費やしてしまうことが懸念される。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、外部操作に応じて表示切換処理を行った場合に無駄な切換表示を継続してしまうことを極力回避できる遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技場内に隣り合って設置された複数の遊技機毎に対応して設けられた遊技情報表示装置であって、
対応する遊技機の遊技情報を表示するための表示部と、外部操作可能に設けられた操作手段と、前記操作手段の操作に応じて、前記表示部に表示する遊技情報を予め決められた内容に切換えて表示する表示切換処理を実行する表示制御手段と、前記表示切換処理を実行する場合、前記複数の遊技機のうち、隣の遊技機又は所定の範囲内に設けられた遊技機に対応して設けられた他の遊技情報表示装置へ表示切換開始信号を送信する送信手段と、他の遊技情報表示装置が送信した前記表示切換開始信号を受信する受信手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示切換処理を実行している状況において、他の遊技情報表示装置から前記切換開始信号を受信した場合、その表示切換処理を直ちに終了する、又は、前記切換開始信号を受信しなかった場合よりも早いタイミングにてその表示切換処理を終了するものである(請求項1)。
【0007】
請求項1に記載の遊技情報表示装置において、
前記表示制御手段は、前記操作手段が操作されることなく所定時間が経過した場合、前記表示切換処理を実行している場合を含む通常モードよりも、前記表示部に表示している遊技情報の種類を減らす、又は、前記表示部の輝度を低くすることで消費電力を小さくする省エネモードを設定するものであり、さらに、前記切換開始信号を受信したことに基づき前記表示切換処理を終了した場合、前記切換開始信号を受信しなかった場合よりも早いタイミングで前記省エネモードを設定するようにしてもよい(請求項2)。
【0008】
請求項2に記載の遊技情報表示装置において、
前記省エネモードとして、前記通常モードよりも表示している遊技情報の種類を少なくすることで消費電力を小さくする第1省エネモードと、当該第1省エネモードよりも表示している遊技情報の種類を少なくすることでさらに消費電力を小さくする第2省エネモードとがあり、前記表示制御手段は、前記第1省エネモードを設定した後、所定期間が経過した場合に前記第2省エネモードを設定するようにしてもよい(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、一の遊技情報表示装置にて表示切換処理を開始した後に、その他の遊技情報表示装置にて表示切換処理の実行を開始した場合、当該一の遊技情報表示装置(先に操作された遊技情報表示装置)における遊技情報の確認を遊技者が終了している。この場合に、先に操作された遊技情報表示装置にて表示切換処理を実行することは無駄な処理を実行していることに他ならない。この点、本発明によれば、その他の遊技情報表示装置にて表示切換処理の実行を開始した場合、先に操作された遊技情報表示装置における表示切換処理を直ちに終了する、又は表示切換処理の終了タイミングを早くする。これにより、遊技情報表示装置にて無駄な処理を実行してしまう頻度を低減できる。特に表示切換えにより表示を点滅する場合、或いは異なる表示を連続して切換表示する場合は電力消費が大きいことから、省エネの効果が大きい。
【0010】
請求項2の発明によれば、省エネモードを設定するタイミングを早くすることができるので、余分な電力消費を費やしてしまうことを一層抑制できる。
請求項3の発明によれば、段階的に省エネモードを設定することができる。つまり、一の遊技者が遊技情報を確認した後、すぐさま他の遊技者が遊技情報を確認しようとする場合、遊技情報表示装置には第1省エネモードが設定されており、第2省エネモードよりは遊技者が確認できる遊技情報が多い。このため、第1省エネモードにて遊技情報を確認した遊技者が、遊技情報の内容があまりにも遊技者に不利な情報である等、表示切換処理を実行することなくその遊技機で遊技を行わないことを決定できる状況が発生する。これにより、表示切換処理を実行するための起電力を消費する回数を減らすことができるので、余分な起電力の消費を抑制でき、必要最低限の電力消費により遊技情報を効率よく遊技者に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】スロットマシンのリール配列を示す図
【図3】スロットマシンの役構成を示す図
【図4】スロットマシンの入賞ラインを示す図
【図5】スロットマシンの内部当選テーブルを示す図
【図6】各モード画面を示す図
【図7】呼出ランプによる表示切換処理を示すフローチャート
【図8】呼出ランプによる省エネモード設定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場にはスロットマシン1(遊技機に相当)に対応して貸出機2及び呼出ランプ3(遊技情報表示装置に相当)が設置され、管理室には管理装置4が設置されている。中継装置5は、2台のスロットマシン1、2台の貸出機2及び呼出ランプ3、並びに管理装置4とLAN6を介して接続されている。管理装置4は、スロットマシン側(スロットマシン1、貸出機2等)から送信される遊技信号を中継装置5を介して受信することによりスロットマシン1の遊技データを管理する。尚、図1では省略したが、実際には数百台のスロットマシン1が管理装置4の管理対象となる。
【0013】
スロットマシン1は、上段、中段、下段の3段、左列、中列、右列の3列からなる計9個の図柄表示領域を有した窓部7に複数の図柄を所定の配列に従って変動表示するリール8a〜8cと、投入口9からメダル(遊技媒体)が投入(BET)された状態(通常時のBETは3枚、ボーナス時は2枚であり、いずれも固定)でゲームを開始するために遊技者が操作するスタートレバー10と、リール8a〜8cによる図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作するストップボタン11a〜11cと、ボーナス役(BB役、RB役)に内部当選した場合に、点灯、或いは点滅することで、その旨を報知する報知用ランプ12と、図示しない制御装置を備えて構成されている。制御装置は、スタートレバー10の操作に応じて、小役を含む複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行し、リール8a〜8cに対応して設けられたストップボタン11a〜11cが操作されたときに、内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲(4図柄)内で引き込んで各図柄表示領域7a〜7cに停止表示させる。この場合、ボーナス役(特別状態役)は入賞するまで内部当選役とする一方、ボーナス役以外は内部当選したゲームのみ内部当選役とする。尚、報知用ランプ12はボーナス役が内部当選役となってから入賞するまでの期間、点灯、或いは点滅するが、その一部、或いは全部の期間を少なくとも含んだ期間であれば、どのような期間に報知しても良い。各図柄表示領域7a〜7cに停止表示された図柄の組合わせに基づいて入賞が発生したか否かを判定し、小役の入賞が発生したと判定されたときに、当該小役に対応するメダル(利益)を遊技者に払出す。ボーナス図柄が表示停止した場合に、小役が内部当選する確率を高めたボーナス(特別状態)を発生する一方、予め設定された数のメダルが払出されたときに当該ボーナスを終了する。
【0014】
図2はスロットマシン1のリール配列を示し、図3は役構成を示し、図4は入賞ラインを示し、図5は内部当選テーブルを示している。入賞ラインは図4に示すように1〜5の5本設定されており、何れかの入賞ライン上に図3に示す入賞図柄が表示停止(入賞役が入賞)した場合に払出しが行われる。入賞役としてボーナス役、小役が設定されている。ボーナス役としては、1/256の確率でそれぞれ内部当選するBB役及びRB役が設定されており、それらのボーナス役が入賞するとそれぞれBB状態及びRB状態であるボーナスを発生させ、ボーナス時は5枚役の入賞率が高まり、内部当選し入賞した場合には15枚払出される。BB状態は300枚を超えるメダルの払出しにより終了し、RB状態は8回の入賞により終了する。小役としては、1/8の確率で内部当選する7枚役、1/16の確率で内部当選する5枚役、1/100の確率で内部当選する2枚役、及び1/7.3の確率で内部当選するリプレイ役が設定されており、リプレイ役が入賞するとメダルを投入することなく再ゲームが可能となり、リプレイ役以外が入賞するとそれぞれ対応する枚数のメダルが払出される。つまり、小役が入賞したときは、当該小役に対応するメダルや再ゲームの権利(利益)を遊技者に付与する利益付与手段として動作する。
【0015】
スロットマシン1には複数段階の出玉率に対応した設定値(1〜6)が設けられており、設定値が大きい程ボーナスの当選確率が大きくなる等遊技者にとって有利となるように設定されている。このように、スロットマシン1は、ボーナス中か否かにより内部抽選確率等が変更し得るが、ボーナス役が内部当選してからボーナスが発生するまでの期間においてのゲーム数やボーナス役を除く入賞状況によっては、その内部抽選確率等に影響を及ばさない。
【0016】
スロットマシン側からは次の遊技信号が出力される。
・アウト信号=スロットマシン1から出力。開始操作に応じBET状態のメダルを使用(投入)したとしてBET状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分を出力。
・セーフ信号=スロットマシン1から出力。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力されるボーナス信号。
・BB及びRB信号=スロットマシン1から出力。対応するボーナス(BB、RB)時にレベル出力されるので、信号受信期間をボーナスとして特定する。
・売上信号=貸出機2から出力。貸出メダル5枚(100円相当)毎に1パルス出力されるので、売上信号数×100が売上金額となる。
【0017】
スロットマシン1から出力される遊技信号は、スロットマシン1が有する出力手段から出力される。尚、スロットマシン1からゲームが実行されたことを特定可能なゲーム信号、入賞が発生したと判定された小役を特定可能な小役信号は、後述する通りアウト信号やセーフ信号により間接的にゲームや小役を特定できることからアウト信号やセーフ信号により構成されるが、直接的に特定可能な遊技信号を出力しても良い。
【0018】
呼出ランプ3には呼出ボタン13、データ表示ボタン14(操作手段に相当)、表示部15が設けられている。
呼出ランプ3は、図示しない制御部(CPU、表示制御手段、送信手段、受信手段に相当)、記憶部(RAM、ROM、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、送受信部(I/F)を備えて構成されており、送受信部は、スロットマシン1から出力される上記遊技信号を受信する受信手段として機能する。
【0019】
呼出ランプ3に設けられた表示部15はカラー液晶表示器から構成されている。このカラー液晶表示器はTFT(thin film transistor)のノーマリー・ブラック・モードであり、電圧が印加されていないときは遮光されて黒く、表示部位に電圧を印加することで文字或いは図形を表示する。つまり、表示する文字或いは図形の数が多くなるほど消費電力が増加する。
【0020】
呼出ランプ3は、非操作状態では表示部15に第2省エネモード画面を表示している。
図6は各モード画面を示しており、図6の左上図は第2省エネモード画面を示している。この第2省エネモード画面では、本日のBB回数15a、本日のRB回数15b、及び、前回のボーナスから経過したゲーム数である只今ゲーム数15cを表示すると共に、省エネモードであることを示す「ECOモード中」15dを表示する。即ち、当日のボーナス(特別遊技状態)に関する情報のみを表示しており、表示種類が最小であることから、最大の省電力状態である。
【0021】
呼出ランプ3は、表示切換処理及び省エネモード設定処理を実行している。
図7は呼出ランプ3による表示切換処理を示すフローチャートで、データ表示操作が有ったかを判定している(A1)。一方、図8は呼出ランプ3による省エネモード設定処理を示すフローチャートで、第2省エネモードか(B1)、第1省エネモードか(B2)、表示切換開始信号を受信したか(B3)、30秒経過したか(B4)を判定している。初期状態では第2省エネモードであることから(B1:YES)、そのままリターンしている。
【0022】
さて、遊技者が遊技しようとする遊技機1の詳細な遊技情報を知りたい場合は、呼出ランプ3のデータ表示ボタン14を操作する。呼出ランプ3は、第2省エネモードにてデータ表示ボタン14が操作されると(A1:YES)、隣の呼出ランプ3に対して切換表示を開始することを示す表示切換開始信号を送信する(A2)。表示切換開始信号の送受信は、中継装置5を介して行われる。尚、一の呼出ランプ3から出力対象とする他の呼出ランプ3は予め遊技場にて設定されている。つまり、呼出ランプ3が島端に設置されていない場合は、隣り合う両側の呼出ランプ3であり、呼出ランプ3が島端に設置されている場合は、島端と反対側に隣り合う呼出ランプ3である。また、表示切換開始信号を送信するタイミングは、表示切換処理の実行中及び実行前のどちらでもよい。さらに、表示切換開始信号を直接的に他の呼出ランプ3に信号を送信してもよい。つまり請求項1の「他の遊技情報表示装置へ表示切換開始信号を送信する」とは、直接的に他の呼出ランプ3に信号を送信する構成と、中継装置5等を介して信号を送信する構成を含む概念である。
【0023】
次に呼出ランプ3は、表示内容を切換える(A3)。つまり、図6の左下図に示す切換表示A(通常モードに相当)を表示部15に表示することにより第2省エネモードの表示内容に加え、1日前BB回数15e、1日前RB回数15f、2日前BB回数15g、2日前RB回数15hを表示し、さらに、本日の累計ゲーム数15i、ボーナス確率15j、及びボーナス間ゲーム数グラフ15kを表示する。このボーナス間ゲーム数グラフ15kでは、直近10回分のボーナス間ゲーム数を棒グラフ形式(1目盛=100ゲーム)で表示する。尚、700ゲーム以上は600〜699ゲームを示すブロックを点滅にて表示する。図6に示す例では、8回前のボーナスまでのゲーム数が700以上であることを破線で示している。また、棒グラフの下方に入賞したボーナスの種別(B又はR)を表示する。この場合、「BB回数」、「RB回数」、「累計ゲーム数」、「ボーナス確率」の文字を太字にしている。尚、図面では太字を強調するために文字自体を大きく表示している。
【0024】
呼出ランプ3は、切換表示Aの状態においてデータ表示ボタン14に対する操作によって切換表示B(通常モードに相当)を表示部15に表示する。
図6の右下図は切換表示Bを示している。切換表示Bでは、切換表示Aが本日の累計ゲーム数及びボーナス確率を表示しているのに対して1日前累計ゲーム数15l及びボーナス確率15mを表示する。この場合、切換表示Aとの差を分かり易くするため、「1日前BB回数」「、1日前RB回数」、「1日前累計ゲーム数」、「1日前ボーナス確率」の文字を太字にしている。尚、図示していないが、切換表示Bの状態でデータ表示ボタン14が操作された場合は、1日前のデータと2日前のデータを交互に表示する。
【0025】
ここで、切換表示A或いは切換表示Bは表示する種類が多く最大消費電力状態であることから、呼出ランプ3は、切換表示されてから30秒経過したときは(B4:YES)、タイマカウントを開始し(B5)、第1省エネモードを設定する(B6)。
図6の右上図は第1省エネモード画面を示している。第1省エネモードでは、表示する種類が表示切換A,Bよりも少ないものの、表示する当日のボーナスの情報が第2省エネモードよりも多く設定されている。つまり、切換表示A,Bよりも消費電力は小さいものの、第2省エネモードよりは消費電力が大きくなっている。尚、省エネモードを開始することを示す「ECOモード開始」15nを表示する。
そして、呼出ランプ3は、第1省エネモードにて10秒が経過すると(B7:YES)、第2省エネモードを設定する(B8)。これにより、表示部15の表示が第2省エネモード画面に切換えられるので、最大の省電力状態となる。
【0026】
このように切換表示してから省エネモードを設定する際に第1省エネモードを介してから第2省エネモードを設定した理由は、一の遊技者が遊技情報を確認した後、すぐさま他の遊技者が遊技情報を確認しようとする場合、呼出ランプ3には第1省エネモードが設定されており、第2省エネモードよりは遊技者が確認できる遊技情報が多い。このため、第1省エネモードにて遊技情報を確認した遊技者が、遊技情報の内容があまりにも遊技者に不利な情報である等、表示切換処理を実行することなくその遊技機で遊技を行わないことを決定できる状況が発生する。つまり、表示切換処理を実行するための起電力を消費する回数を減らすことができ、余分な起電力の消費を抑制できるので、必要最低限の電力消費により遊技情報を効率よく遊技者に提供することが可能となるからである。
【0027】
ところで、上述のように遊技者によるデータ表示ボタン14に対する操作から30秒経過すると、第1省エネモードに移行するが、その間は遊技者が見ていないにも関わらず切換表示が継続されてしまうことから、無駄な電力消費が継続することになる。
そこで、遊技者が一の呼出ランプ3による詳細情報の確認が終了して隣の他の呼出ランプ3のデータ表示ボタン14を操作すると、当該他の呼出ランプ3から先にデータ表示ボタン14が操作された一の呼出ランプ3に表示切換開始信号が送信されるので、当該一の呼出ランプ3は、表示切換開始信号を受信したときは(B3:YES)、タイマカウントを開始し(B5)、第1省エネモードを設定する(B6)。つまり、一の呼出ランプ3は、表示切換開始信号を受信した場合、30秒の経過を待つことなく、直ちに第1省エネモードを設定することになる。これにより、一の呼出ランプ3において、切換表示A或いは切換表示Bの表示状態を抑制することができるので、切換表示による消費電力の無駄を極力抑制することができる。
【0028】
要するに、本実施形態は、呼出ランプ3が表示する遊技データの種類、ひいては消費電力が、切換表示A,B>第1省エネモード>第2省エネモードとなることから、第1,第2省エネモードと切換表示A,Bとを手動による操作、或いはタイマによる時間経過で切換えることにより、最大省電力状態である第2省エネモードを極力長く設定することができる。
【0029】
また、切換表示A,Bの表示状態中において、表示切換開始信号を受信すれば、第1省エネモードを設定するタイミングが早くなることから、省電力を一層図ることができる。
このような実施形態によれば、呼出ランプ3は、遊技者によりデータ表示ボタン14が操作されたときは、遊技機1のデータを表示するよう切換表示を開始し、隣の呼出ランプ3に対するデータ表示操作を検知した場合は、遊技者が表示したデータの確認作業が終了したものとして切換表示を終了することにより省エネモードに復帰するようにしたので、遊技者が切換表示を見ていない状態にて切換表示が無駄に実行されてしまうことを防止することができる。これにより、呼出ランプ3に余分な処理負荷がかかることや、余分な電力消費を費やしてしまうことを抑制することができる。特に表示切換えにより表示を点滅する場合、或いは異なる表示を連続して切換表示する場合は電力消費が大きいことから、省エネの効果は大きい。
【0030】
また、切換表示してから30秒が経過した場合も省エネモードを設定するようにしたので、省エネモードを設定するタイミングを早くすることができ、これにより、余分な電力消費を費やしてしまうことを一層抑制できる。
さらに、切換表示状態から省エネモードを設定する際に第1省エネモードを介して第2省エネモードを設定するようにしたので、第1省エネモードを所定時間実行することで省電力と情報提供とをバランス良く行うことができる。
【0031】
(その他の実施形態)
省エネモードが設定されることがない遊技情報表示装置に対しても、本発明を適用することができる。例えば、他の遊技情報表示装置から表示切換開始信号を受信した場合に、切換表示の終了タイミングを早めるように構成してもよい。
表示切換開始信号を出力する対象とする遊技情報表示装置は適宜設定することができる。例えば、隣の遊技情報表示装置ではなくて、2つ隣の遊技情報表示装置に表示切換開始信号を送信するものや、前方又は後方に設けられた遊技情報表示装置に対して表示切換開始信号を送信するようにしてもよい。また、信号を出力する遊技情報表示装置からみて所定の範囲内にある遊技情報表示装置に対して表示切換開始信号を一斉に出力するようにしてもよく、いずれの遊技情報表示装置に表示切換開始信号を送信するかを予め設定しておけばよい。
【0032】
表示切換開始信号を中継装置5を介することなく遊技情報表示装置に直接送信してもよい。
表示切換開始信号を受信した場合、直ちに省エネモードを設定する必要はなく、表示切換開始信号を受信しなかった場合よりも省エネモードの設定タイミングが早くなればよい。例えば、表示切換開始信号を受信するたびに、省エネモードを設定するまでの時間(切換表示を終了するまでの時間)を10秒ずつ短縮するようにしてもよい。
切換表示を開始した後に表示切換開始信号を送信するようにしてもよい。
省エネモードでは、表示する情報量を減らすようにしたが、表示する情報量は同じだが、各情報を表示する表示部15の輝度を低くしてもよい。
遊技情報表示装置と同等の表示機能を遊技機1に設ける構成としてもよい。この場合、表示切換開始信号を一の遊技機から他の遊技機に出力するように構成すればよい。
本発明を、その他の遊技機に適用してもよく、パチンコに適用してもよいし、パロットに適用してもよい。
【0033】
上記実施形態では、複数の遊技者が隣り合った遊技情報表示装置をそれぞれ操作した場合、一方の遊技者がまだデータを確認している最中に他方の遊技者の操作に基づき省エネモードが設定されてしまう問題が生じることが懸念される。このような問題を解決するために、省エネモードを設定した後、所定時間内に再度遊技者の操作を確認した場合には、データの確認が終了する前に他の遊技者による他の遊技情報表示装置に対する操作によって省エネモードが設定されていたものとして、他の遊技情報表示装置から表示切換開始信号を受信したとしても省エネモードを設定するタイミングを早くしないようにしてもよい。つまり、「遊技者による操作→表示切換開始信号受信→所定時間内に再度遊技者による操作」となった場合、表示切換開始信号を受信しても省エネモードを設定しない省エネモード設定不許可状態を所定時間設定するようにしてもよい。
【0034】
遊技情報表示装置に人感センサを設け、他の遊技情報表示装置から表示切換開始信号を受信した際に、人感センサが遊技者を検知していない場合には省エネモードを設定する一方、人感センサが遊技者を検知している場合には省エネモードを設定しないようにしてもよい。本構成においても、複数の遊技情報表示装置にて複数の遊技者が個別にデータ確認を行ったとしても上記問題が発生することを抑制できる。さらに、本構成においては、遊技者の操作に基づき人感センサを起動させるようにするとよい。遊技場においては、遊技情報表示装置の前方を、遊技情報表示装置を操作しない遊技者も通過する。このため、人感センサを設置すると、遊技情報表示装置を操作しない遊技者をも検知することとなる。この点、遊技者の操作に基づき人感センサを起動させるようにすれば、遊技情報表示装置を操作しない遊技者をも検知する不具合を防止できる。この結果、人感センサを起動させ続ける必要がなくなり、消費電力を抑えることが可能となる。また、表示切換開始信号を受信しなければ、人感センサが遊技者を検知していなくとも、省エネモードが早いタイミングで設定されないため、単に、切換表示中に遊技者が遊技情報表示装置から離れて遊技データを確認したとしても、すぐさま省エネモードとなることを防止できる。
【符号の説明】
【0035】
図面中、1は遊技機、3は呼出ランプ(遊技情報表示装置(表示制御手段、送信手段、受信手段))、15は表示部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場内に隣り合って設置された複数の遊技機毎に対応して設けられた遊技情報表示装置であって、
対応する遊技機の遊技情報を表示するための表示部と、
外部操作可能に設けられた操作手段と、
前記操作手段の操作に応じて、前記表示部に表示する遊技情報を予め決められた内容に切換えて表示する表示切換処理を実行する表示制御手段と、
前記表示切換処理を実行する場合、前記複数の遊技機のうち、隣の遊技機又は所定の範囲内に設けられた遊技機に対応して設けられた他の遊技情報表示装置へ表示切換開始信号を送信する送信手段と、
他の遊技情報表示装置が送信した前記表示切換開始信号を受信する受信手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示切換処理を実行している状況において、他の遊技情報表示装置から前記切換開始信号を受信した場合、その表示切換処理を直ちに終了する、又は、前記切換開始信号を受信しなかった場合よりも早いタイミングにてその表示切換処理を終了することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作手段が操作されることなく所定時間が経過した場合、前記表示切換処理を実行している場合を含む通常モードよりも、前記表示部に表示している遊技情報の種類を減らす、又は、前記表示部の輝度を低くすることで消費電力を小さくする省エネモードを設定するものであり、さらに、前記切換開始信号を受信したことに基づき前記表示切換処理を終了した場合、前記切換開始信号を受信しなかった場合よりも早いタイミングで前記省エネモードを設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記省エネモードとして、前記通常モードよりも表示している遊技情報の種類を少なくすることで消費電力を小さくする第1省エネモードと、当該第1省エネモードよりも表示している遊技情報の種類を少なくすることでさらに消費電力を小さくする第2省エネモードとがあり、
前記表示制御手段は、前記第1省エネモードを設定した後、所定期間が経過した場合に前記第2省エネモードを設定することを特徴とする請求項2に記載の遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−31515(P2013−31515A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168362(P2011−168362)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】