説明

遊技機及び情報配信方法

【課題】遊技中の遊技者に対して確実に遊技情報を提供することができ、かつ遊技者にとって付加価値が高い遊技情報を提供することができる遊技機等を提供する。
【解決手段】遊技機1は、遊技開始信号を検知すると(S2)、遊技の抽選処理を行い(S4)、抽選結果を判定する(S5)。抽選結果が当選の場合(S5の「当選」)、遊技機1は、抽選結果に応じて演出を決定し(S6)、決定された演出を実行する(S7)。また、遊技機1は、携帯端末の検出処理を行い(S8)、検出結果を判定する(S9)。検出結果が検出の場合(S9の「検出」)、遊技機1は、決定された演出に関する演出情報を、無線通信モジュール21を介して携帯端末に配信する(S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報を配信する遊技機等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技者が所持する情報端末である携帯端末に遊技機に関する情報を提供する情報提供手段としては、二次元バーコードがある(特許文献1参照)。特許文献1には、遊技者が携帯端末により二次元バーコードを読み取ることによって、遊技機に関する情報を携帯端末にて取得する仕組みが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−185604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二次元バーコードによる情報提供においては、表示された二次元バーコードを撮像する操作が必要である。しかしながら、撮像操作に不慣れな遊技者は、撮像操作において焦点ずれや手ぶれを生じ易く、良好な読み取りができない、或いは読み取りに時間がかかるという問題があった。特に、当選中等の一定の時間内しか提供されない情報は、遊技しながら撮像操作を行わなくてはならない。従って、撮像操作に慣れている遊技者であっても、焦点ずれや手ぶれを生じ易く、良好な読み取りができない、或いは読み取りに失敗してしまうという問題があった。また、別の問題として、二次元バーコードでは一度に配信可能な情報量が限られており、遊技回数や当選回数等のテキストデータしか配信できなかった。
【0005】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、遊技中の遊技者に対して確実に遊技情報を提供することができ、かつ遊技者にとって付加価値が高い遊技情報を提供することができる遊技機等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために第1の発明は、携帯端末を支持し、無線通信モジュールを内蔵する携帯端末支持台を有する遊技機であって、遊技情報を記憶する記憶手段と、抽選処理を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果に応じて演出を行う演出手段と、前記抽選手段による抽選結果が当選の場合には、前記演出手段による演出に関する前記遊技情報である演出情報を前記記憶手段から取得し、取得される前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信する配信手段と、を具備することを特徴とする遊技機である。第1の発明によって、遊技中の遊技者に対して確実に遊技情報を提供することができ、かつ遊技者にとって付加価値が高い遊技情報を提供することができる。
【0007】
第1の発明における前記演出手段による演出を出力する表示装置、を更に有し、通信可能な前記携帯端末を検出する検出手段、を更に具備し、前記配信手段は、前記演出手段による演出が終了するまでに前記検出手段によって通信可能な前記携帯端末が検出されなければ、前記演出手段による演出が終了した後の所定時間内のみ、前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信することを示す第1告知情報を、前記表示装置に出力することが望ましい。これによって、遊技者は、演出中(=当選の遊技中)には遊技に集中することができる。そして、演出終了後に遅滞なく携帯端末を携帯端末支持台に戴置すれば、遊技者は、付加価値が高い情報を得ることができる。
【0008】
第1の発明における前記配信手段は、前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信するという遊技機の付加価値を示す第2告知情報を、当選情報と合わせて、前記無線通信モジュールを介して配信することが望ましい。これによって、遊技機の付加価値に関するタイムリーな広告効果を期待することができる。
【0009】
第1の発明における前記配信手段は、遊技開始後に、前記検出手段によって通信可能な前記携帯端末が検出されなければ、前記第2告知情報を前記表示装置に出力することが望ましい。これによって、遊技者に煩わしさを感じさせることなく、遊技機の付加価値を遊技者に告知することができる。
【0010】
第1の発明における前記携帯端末支持台は、前記携帯端末が戴置される面として水平面と傾斜面とが連接して設けられ、前記水平面に対向する位置に第1無線通信モジュールが内蔵され、前記傾斜面に対向する位置に前記第1無線通信モジュールとは異なる第2無線通信モジュールが内蔵されることが望ましい。これによって、遊技者は、どのような形状の携帯端末であっても、携帯端末を携帯端末支持台に戴置しておくだけで、遊技中に携帯端末を操作することなく、無線通信モジュールを介した通信による遊技情報の提供を受けることができる。また、遊技者は、どのような形状の携帯端末であっても、遊技中に携帯端末のディスプレイを確認することができる。
【0011】
第2の発明は、携帯端末を支持し、無線通信モジュールを内蔵する携帯端末支持台を有し、遊技情報を記憶する記憶手段を具備する遊技機が実行する情報配信方法であって、抽選処理を行う抽選ステップと、前記抽選ステップによる抽選結果に応じて演出を行う演出ステップと、前記抽選ステップによる抽選結果が当選の場合には、前記演出ステップによる演出に関する前記遊技情報である演出情報を前記記憶手段から取得し、取得される前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信する配信ステップと、を含むことを特徴とする情報配信方法である。第2の発明によって、遊技中の遊技者に対して確実に遊技情報を提供することができ、かつ遊技者にとって付加価値が高い遊技情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、遊技中の遊技者に対して確実に遊技情報を提供することができ、かつ遊技者にとって付加価値が高い遊技情報を提供することができる遊技機等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】遊技機の外観を示す模式図
【図2】携帯端末支持台の拡大模式図
【図3】遊技機のハードウエア構成図
【図4】遊技機のソフトウエア構成図
【図5】遊技情報配信処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態では、遊技機として回胴式遊技機(通称「パチスロ」と呼ばれる。)の場合を例にして説明する。
【0015】
最初に、本発明の実施形態における用語の定義について説明する。本発明の実施形態における遊技機は、遊技者にとって付加価値が高い遊技情報を提供する。以下では、「遊技情報」とは、遊技機に関する全ての情報を総称する用語とする。遊技情報の一例としては、当選情報、演出情報等が挙げられる。
【0016】
「当選情報」とは、当日の全遊技回数や当選回数、直近の当選から遊技した回数(=連続落選回数)等である。また、「当選情報」には、前日や前々日等の全遊技回数や当選回数等が含まれていても良い。「当選情報」は、一般にテキストデータである。「当選情報」は、遊技者が遊技台を選ぶ際に参考となる情報であり、一定の価値がある情報と言える。
【0017】
また、「演出情報」とは、当選時に遊技機によって実行される演出に関する静止画、動画、音源等である。通常、演出は様々な種類が存在し、遊技機の表示装置等に静止画や動画として出力される。特に、出現確率が低く設定されている「プレミアム演出」については、当選したこと以上の喜びを感じる遊技者も多い。このような遊技者は、「プレミアム演出」が出力されると、自らの携帯端末の撮影装置を用いて撮影する等して、後で個人的に再観賞したり、友人に見せて自慢したりする。従って、「プレミアム演出」に関する演出情報は、遊技者にとって付加価値が高い情報と言える。
【0018】
次に、図1〜図3を参照しながら、遊技機の構造やハードウエア構成を説明する。本発明の実施の形態における遊技機は、遊技者の携帯端末を戴置するための携帯端末支持台を備えることが特徴の一つである。
【0019】
図1は、遊技機の外観を示す模式図である。図1に示すように、遊技機1は、表示装置2、リール3、ベットボタン4、スタートレバー5、リール停止スイッチ6、メダル投入口7、遊技情報配信開始ボタン8、携帯端末支持台9等を有する。
【0020】
表示装置2は、遊技中に当選の期待度を示す演出(主に動画)を表示したり、当選の演出を表示したりする。リール3は、遊技において成立した役を示すものである。
【0021】
ベットボタン4は、遊技のベット数を設定するためのボタンである。スタートレバー5は、遊技開始を指示するためのレバーである。リール停止スイッチ6は、回転中のリール3の動きを停止させるためのボタンである。メダル投入口7は、遊技に用いられるメダルを投入するための開口部である。
【0022】
遊技情報配信開始ボタン8は、遊技情報の配信開始を指示するためのボタンである。本発明の実施の形態では、後述する図5に示す処理が実行されるためには、遊技情報配信開始ボタン8が押下されていることが前提となる。但し、遊技情報配信開始ボタン8は必須の構成要素ではなく、遊技機1に電源が投入されると、図5に示す処理が実行されるように構成しても良い。
【0023】
携帯端末支持台9は、遊技者の携帯端末を戴置するための支持台である。遊技者は、遊技機1から配信される遊技情報を得たい場合には、携帯端末支持台9に携帯端末を戴置する。
【0024】
本発明の実施の形態における遊技機1は、後述するように、無線通信モジュールを介して、遊技者が所持する携帯端末に遊技情報を配信する。無線通信モジュールによる近距離通信の例としては、例えば、非接触ICカード(FeliCa(登録商標)等の規格に準ずる。)による近距離通信、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信等が考えられる。以下では、無線通信モジュールとして、非接触ICカードを用いる場合を説明する。携帯端末には、非接触ICカードを有するものが数多く存在する。
【0025】
図2は、携帯端末支持台の拡大模式図である。図2に示すように、携帯端末支持台9は、携帯端末が戴置される面として、水平面9aと傾斜面9bとが連接して設けられている。傾斜面9bの傾斜角度(=仰角)は、遊技者が遊技中に携帯端末のディスプレイを確認し易い角度が望ましい。
【0026】
携帯端末支持台9の内部には、水平面9aに対向する位置に第1無線通信モジュールの本体部及びアンテナが内蔵され、傾斜面9bに対向する位置に第1無線通信モジュールと異なる第2無線通信モジュールの本体部及びアンテナが内蔵される。尚、無線通信モジュールの本体部は1つとし、水平面9aに対向する位置に第1アンテナが内蔵され、傾斜面9bに対向する位置に第1アンテナと異なる第2アンテナが内蔵されるようにしても良い。以下では、両方の態様を総称し、携帯端末支持台9の内部には、水平面9aに対向する位置に第1無線通信モジュールが内蔵され、傾斜面9bに対向する位置に第1無線通信モジュールと異なる第2無線通信モジュールが内蔵されるものとして説明する。
【0027】
ここで、携帯端末支持台9に複数の無線通信モジュールを内蔵する技術的意義について説明する。携帯端末の形状は、折り畳み型、ストレート型、フリッパー型、スライド型、タッチパネル型等、様々である。例えば、折り畳み型の携帯端末は、ディスプレイ等を有する第1面と、テンキー等を有する第2面とが中央部で折り畳まれる構造になっている。そして、第1面と対向する位置に非接触ICカードが内蔵されている携帯端末もあれば、第2面と対向する位置に非接触ICカードが内蔵されている携帯端末もある。
【0028】
そこで、本発明の実施の形態では、図2に示すように、水平面9aと傾斜面9bとが連接して設けられた携帯端末支持台9において、水平面9aに対向する位置と傾斜面9bに対向する位置の両方に無線通信モジュールを内蔵しておく。そして、遊技者は、折り畳み型の携帯端末を携帯端末支持台9に戴置する際、ディスプレイ等を有する第1面を傾斜面9bに対向させ、テンキー等を有する第2面を水平面9aに対向させるようにする。これにより、折り畳み型の携帯端末において、遊技者が遊技中に携帯端末の操作をしなくても、無線通信モジュールを介した通信を確実に行うことができる。また、折り畳み型の携帯端末において、遊技者が遊技中に携帯端末のディスプレイを確認することができる。
【0029】
また、ストレート型、フリッパー型、スライド型、タッチパネル型等の携帯端末にも同様のことが言える。つまり、ストレート型、フリッパー型、スライド型、タッチパネル型の携帯端末を携帯端末支持台9に戴置する際、遊技者が携帯端末を傾斜面9bに対向させるようにすれば、折り畳み型の携帯端末と同様のことが言える。
【0030】
以上、本発明の実施の形態における遊技機1が、図1及び図2に示す携帯端末支持台9を備えることによって、以下に示す効果がある。
・遊技者は、どのような形状の携帯端末であっても、携帯端末を携帯端末支持台9に戴置しておくだけで、遊技中に携帯端末を操作することなく、無線通信モジュールを介した通信による遊技情報の提供を受けることができる。
・遊技者は、どのような形状の携帯端末であっても、遊技中に携帯端末のディスプレイを確認することができる。
【0031】
図3は、遊技機のハードウエア構成図である。図3に示すように、遊技機1は、制御装置10、記憶装置11、表示装置2、リール3、ベットボタン4、スタートレバー5、リール停止スイッチ6、メダル投入口7、遊技情報配信開始ボタン8、インターフェース12等が、バス13を介して接続されている。表示装置2、リール3、ベットボタン4、スタートレバー5、リール停止スイッチ6、メダル投入口7、及び遊技情報配信開始ボタン8の機能は、前述した通りである。
【0032】
制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、ROM等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス13を介して接続された各装置を駆動制御し、遊技機1が行う後述する処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、プログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶装置11、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御装置10が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0033】
記憶装置11は、制御部11が実行するプログラムに必要なデータ等を格納する。各データは、制御装置10により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種処理に用いられる。
【0034】
記憶装置11は、特に、図5の処理において配信される遊技情報や告知情報を記憶する。遊技情報の一例は、前述した通り、当選情報や演出情報などである。告知情報については、図5を参照しながら後述する。
【0035】
インターフェース12は、無線通信モジュール21及び無線通信モジュール22と遊技機1本体とを接続させるためのポート等である。
【0036】
また、図3に示すように、無線通信モジュール21aは、CPU22、メモリ23、インターフェース24、スピーカ25、LED26、アンテナ27等で構成される。無線通信モジュール21bのハードウエア構成も、無線通信モジュール21aと同様である。
【0037】
CPU22は、メモリ23等に格納されるプログラムを呼び出して実行し、各装置を駆動制御する。メモリ23は、プログラム、データ等を格納する。インターフェース24は、無線通信モジュール21及び無線通信モジュール22と遊技機1本体とを接続させるためのケーブル等である。スピーカ25は、音によって警告等を発するためのものである。LED26は、光によって警告等を発するためのものである。アンテナ27は、携帯端末との通信において、無線信号を送受信するためのものである。
【0038】
次に、図4、図5を参照しながら、遊技機のソフトウエア構成や処理の詳細を説明する。本発明の実施の形態における遊技機1は、遊技情報の配信方法や遊技機1に関する告知方法が特徴の一つである。
【0039】
図4は、遊技機のソフトウエア構成図である。制御装置10が実行するソフトウエアは、遊技制御部31、遊技情報配信制御部32、無線通信モジュール制御部33等を含む。
【0040】
遊技制御部31は、遊技機1ごとの遊技システムを制御するための機能である。遊技機1の制御装置10は、遊技制御部31の機能に従い、遊技機1の各種デバイスを制御するとともに、遊技の抽選処理や演出処理等を実行する。
【0041】
遊技情報配信制御部32は、遊技情報の配信を制御するための機能である。遊技機1の制御装置10は、遊技情報配信制御部32の機能に従い、遊技情報の配信処理や遊技機1に関する告知処理等を実行する。遊技情報配信制御部32の機能の詳細は、図5を参照しながら後述する。
【0042】
無線通信モジュール制御部33は、無線通信モジュール21a及び21bを制御するための機能である。遊技機1の制御装置10は、無線通信モジュール制御部33の機能に従い、無線通信モジュール21a及び21bの電源管理処理、どちらが携帯端末と通信するのかを切り替える切替処理、無線通信モジュール21a及び21bを介した携帯端末との通信処理等を実行する。
【0043】
図5は、遊技情報配信処理の流れを示すフローチャートである。遊技機1の制御装置10は、遊技機1の電源が投入されると、遊技機1の電源が停止されるまで、図5に示す処理を実行する。
【0044】
図5に示すように、制御装置10は、当選情報、及び遊技機の付加価値を示す告知情報を、無線通信モジュール21a又は21b(以下、総称して、「無線通信モジュール21」と表記する。)を介して配信する(S1)。前述した通り、当選情報は、当日の全遊技回数や当選回数、直近の連続落選回数等である。「遊技機の付加価値」とは、当選時に実行される演出に関する演出情報を、無線通信モジュール21を介して配信することである。
【0045】
前述した通り、当選情報は遊技台を選ぶ際に参考となる情報なので、遊技者は、無線通信モジュール21を介して携帯端末に送信された情報をすぐに確認すると考えられる。そこで、当選情報と合わせて前述の告知情報を配信することによって、遊技機1の付加価値に関するタイムリーな広告効果を期待することができる。
【0046】
次に、制御装置10は、遊技開始信号を検知する(S2)。より詳細には、スタートレバー5が遊技者によって操作されると、遊技開始信号が制御装置10に送信され、制御装置10が遊技開始信号を検知する。
【0047】
次に、制御装置10は、遊技機の付加価値を示す告知情報を、表示装置2に出力する(S3)。表示装置2にはスピーカも付いており、音源も出力可能である。
【0048】
尚、携帯端末支持台9に携帯端末が戴置されているにも関わらず、遊技機の付加価値を示す告知情報を表示装置2に出力し続けることは、遊技者にとって煩わしい。そこで、制御装置10は、無線通信モジュール21を制御して通信可能な携帯端末の検出処理を行い、通信可能な携帯端末が検出されなければ、遊技機の付加価値を示す告知情報を、表示装置2に出力することが望ましい。
【0049】
次に、制御装置10は、遊技の抽選処理を行う(S4)。尚、S3及びS4は、図5に示す順番通りに実行されるわけではない。例えば、制御装置10は、S3の処理については、所定時間ごとに携帯端末の検出処理を行い、遊技機の付加価値を示す告知情報を表示装置2に表示するか否か判断する。一方、制御装置10は、遊技開始信号を検知すると、割込制御によってS4以降の処理を開始する。
【0050】
次に、制御装置10は、抽選結果を判定する(S5)。抽選結果が落選の場合(S5の「落選」)、制御装置10は、S1から繰り返す。抽選結果が当選の場合(S5の「当選」)、制御装置10は、S6に進む。
【0051】
次に、制御装置10は、抽選結果に応じて演出を決定する(S6)。前述した通り、演出は様々なものが存在し、それぞれ出現確率が設定されている。尚、ここでの出現確率は、S4の抽選処理における当選確率とは別である。
【0052】
次に、制御装置10は、S6において決定された演出を実行する(S7)。より詳細には、制御装置10は、S6において決定された演出に応じたコンテンツ(静止画や動画など)を表示装置2に出力する。表示装置2にはスピーカも付いており、音源も出力可能である。
【0053】
次に、制御装置10は、携帯端末の検出処理を行う(S8)。つまり、制御装置10は、無線通信モジュール21を制御して通信可能な携帯端末が存在するか否かを検出する。
【0054】
次に、制御装置10は、検出結果を判定する(S9)。検出結果が検出の場合(S9の「検出」)、制御装置10は、S10に進む。抽選結果が不検出の場合(S9の「不検出」)、制御装置10は、S12に進む。
【0055】
ここで、制御装置10は、携帯端末を検出するか、又は演出が終了するまで、S8及びS9の処理を継続して行う。つまり、制御装置10がS12に進むときには、演出が終了していることになる。
【0056】
S10では、制御装置10は、決定された演出に関する演出情報(静止画、動画、音源、アニメーション等)を、無線通信モジュール21を介して携帯端末に配信する。配信終了後、制御装置10は、配信対象を当選情報等に再設定し(S11)、S1から処理を繰り返す。
【0057】
S12では、制御装置10は、演出終了後の所定時間内のみ、演出情報を配信することを示す告知情報を表示装置2に出力する。表示装置2にはスピーカも付いており、音源も出力可能である。そして、演出終了後の所定時間内のみ、制御装置10は、演出終了後の演出情報配信処理を行い(S13)、S11に進む。演出終了後の演出情報配信処理は、時間制限があることを除き、前述のS10と同様である。
【0058】
このように、S10及びS13において演出情報を無線通信モジュール21を介して携帯端末に配信することによって、遊技者は、付加価値が高い情報を得ることができる。特に、出現確率が低く設定されている「プレミアム演出」に関する演出情報は、遊技者にとって付加価値が極めて高い。
【0059】
また、S12において、演出終了後の所定時間内のみ、演出情報を配信することを示す告知情報を表示装置2に出力することによって、遊技者は、演出中(=当選の遊技中)には遊技に集中することができる。そして、演出終了後に遅滞なく携帯端末を携帯端末支持台9に戴置すれば、S13における演出終了後の演出情報配信処理によって、遊技者は、付加価値が高い情報を得ることができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態における遊技機1が、図5に示す遊技情報配信処理を実行することによって、以下に示す効果がある。
【0061】
抽選結果が当選の場合、遊技機1の制御装置10が演出情報を無線通信モジュール21を介して配信する。これによって、遊技者は、付加価値が高い情報を得ることができる。
【0062】
遊技機1の制御装置10が、演出が終了するまでに通信可能な携帯端末が検出されなければ、演出終了後の所定時間内のみ、演出情報を無線通信モジュール21を介して配信することを示す告知情報を、表示装置2に表示する。これによって、遊技者は、演出中(=当選の遊技中)には遊技に集中することができる。そして、演出終了後に遅滞なく携帯端末を携帯端末支持台9に戴置すれば、遊技者は、付加価値が高い情報を得ることができる。
【0063】
遊技機1の制御装置10が、演出情報を無線通信モジュール21を介して配信するという遊技機1の付加価値を示す告知情報を、当選情報と合わせて、無線通信モジュール21を介して配信する。これによって、遊技機1の付加価値に関するタイムリーな広告効果を期待することができる。
【0064】
遊技機1の制御装置10が、遊技開始後に、通信可能な携帯端末が検出されなければ、遊技機1の付加価値を示す告知情報を、表示装置2に出力する。これによって、遊技者に煩わしさを感じさせることなく、遊技機の付加価値を遊技者に告知することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、回胴式遊技機に限らず、狭義の遊技機(通常「パチンコ」と呼ばれる。)にも、当然に適用することができる。近年の狭義の遊技機には、自動射出機構を備えており、演出中(=当選の遊技中)を除き、片手のみで遊技することができる。但し、演出中(=当選の遊技中)は、玉の移動作業などが発生し、遊技者は両手を使って遊技することが強いられる。従って、遊技中に携帯端末を操作することなく遊技情報を得ることができる本発明の構成は、回胴式遊技機と同様、狭義の遊技機にも顕著な効果があると言える。
【0066】
本発明の技術的思想は本発明の実施形態として前述した通りであり、本発明の技術的思想によって以下に示す直接的効果及び間接的効果が期待できる。
【0067】
(1)手軽な情報配信
遊技者は、情報を取得するために遊技者が所持する携帯端末を操作する必要がなく、遊技機の所定の位置に携帯端末を置くだけでよい。これにより、携帯端末の操作に不慣れな遊技者及び携帯端末の操作に抵抗を感じる遊技者にも容易に情報を提供することができる。遊技者にとって大当たりに関する情報(=当選情報)には価値があり、このような情報を手軽に入手可能であることは、本発明である遊技機及び情報配信方法を備える遊技場の両方に、付加価値を与えることができる。
【0068】
(2)リアルタイムかつ扱えるファイルの種類が豊富であり、ファイルサイズの大きなデータが配信可能
遊技者は、希少価値のある演出を含んだ大当たりを体験することに喜びを感じ、またその体験を第三者に伝え、共有することを望む傾向にある。静止画、動画、音源、アニメーション等様々なファイル形式を大きなファイルサイズでかつリアルタイムに配信できることにより、プレミアムな演出を含む大当たりが成立した場合、遊技機から配信する情報を、プレミアムな演出に関する演出情報に設定して、遊技者の所持する携帯端末に遊技者自身が体験したプレミアムな演出を配信することができる。これにより、遊技機および遊技場の両方に付加価値を与えることができる。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る遊技機等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0070】
1………遊技機
2………表示装置
9………携帯端末支持台
9a………水平面
9b………傾斜面
10………制御装置
11………記憶装置
21(21a、21b)………無線通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を支持し、無線通信モジュールを内蔵する携帯端末支持台を有する遊技機であって、
遊技情報を記憶する記憶手段と、
抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて演出を行う演出手段と、
前記抽選手段による抽選結果が当選の場合には、前記演出手段による演出に関する前記遊技情報である演出情報を前記記憶手段から取得し、取得される前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信する配信手段と、
を具備することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出手段による演出を出力する表示装置、を更に有し、
通信可能な前記携帯端末を検出する検出手段、を更に具備し、
前記配信手段は、前記演出手段による演出が終了するまでに前記検出手段によって通信可能な前記携帯端末が検出されなければ、前記演出手段による演出が終了した後の所定時間内のみ、前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信することを示す第1告知情報を、前記表示装置に出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記配信手段は、前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信するという遊技機の付加価値を示す第2告知情報を、当選情報と合わせて、前記無線通信モジュールを介して配信する
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記配信手段は、遊技開始後に、前記検出手段によって通信可能な前記携帯端末が検出されなければ、前記第2告知情報を前記表示装置に出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記携帯端末支持台は、
前記携帯端末が戴置される面として水平面と傾斜面とが連接して設けられ、
前記水平面に対向する位置に第1無線通信モジュールが内蔵され、
前記傾斜面に対向する位置に前記第1無線通信モジュールとは異なる第2無線通信モジュールが内蔵される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
携帯端末を支持し、無線通信モジュールを内蔵する携帯端末支持台を有し、遊技情報を記憶する記憶手段を具備する遊技機が実行する情報配信方法であって、
抽選処理を行う抽選ステップと、
前記抽選ステップによる抽選結果に応じて演出を行う演出ステップと、
前記抽選ステップによる抽選結果が当選の場合には、前記演出ステップによる演出に関する前記遊技情報である演出情報を前記記憶手段から取得し、取得される前記演出情報を前記無線通信モジュールを介して配信する配信ステップと、
を含むことを特徴とする情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−85853(P2013−85853A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231264(P2011−231264)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】