遊技機
【課題】 所定条件の成立により遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させる遊技機において、従来と異なる新規な遊技性を付与し、遊技者の興趣を向上させる。
【解決手段】 図柄作動ゲートを遊技球が通過することで識別図柄が変動表示する可変表示装置と、可変表示装置で停止表示した識別図柄が特定の図柄であった場合に開放する始動口と、始動口への遊技球の入球により所定時間開放する可変入球口と、可変入球口に入球した遊技球が通過する複数の特定領域と、特定領域への遊技球の通過に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段と、可変入球口の開放中に入賞図柄表示手段における入賞図柄の表示態様が特定の態様となった場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを設ける。
【解決手段】 図柄作動ゲートを遊技球が通過することで識別図柄が変動表示する可変表示装置と、可変表示装置で停止表示した識別図柄が特定の図柄であった場合に開放する始動口と、始動口への遊技球の入球により所定時間開放する可変入球口と、可変入球口に入球した遊技球が通過する複数の特定領域と、特定領域への遊技球の通過に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段と、可変入球口の開放中に入賞図柄表示手段における入賞図柄の表示態様が特定の態様となった場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、所定条件の成立により遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、弾球遊技機には、いわゆるセブン機、羽根物、権利物、あるいはアレンジボール等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、セブン機は、始動口入球により図柄変動する可変表示装置の表示状態が特定の図柄となった場合に、大入賞口が開放・閉鎖を所定回数繰り返す特別遊技状態を発生させるように構成されている（特許文献１参照）。また、羽根物は、始動口入球により役物に設けられた羽根と呼ばれる可動片が開放し、羽根により役物の内部に誘導された遊技球が特定領域を通過した場合に、羽根が開放・閉鎖を所定回数繰り返す特別遊技状態を発生させるように構成されている（特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００４−１９４７３６号公報
【特許文献２】特開２００４−１８０７４１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、従来の遊技機では、どの遊技機も特別遊技状態を発生させるまでの遊技性が似通っておりマンネリ化してきている。このため遊技が単調になり、遊技に対する緊張感を遊技者に与えることができなくなり、興趣が低下してしまうという問題がある。
【０００４】
本発明は上記点に鑑み、所定条件の成立により遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させる遊技機において、従来と異なる新規な遊技性を付与し、遊技者の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するため、請求項１に記載の発明では、図柄作動ゲートを遊技球が通過することで識別図柄が変動表示する可変表示装置と、可変表示装置で停止表示した識別図柄が特定の図柄であった場合に開放する始動口と、始動口への遊技球の入球により所定時間開放する可変入球口と、可変入球口に入球した遊技球が通過する複数の特定領域と、複数の特定領域への遊技球の通過に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段と、入賞図柄表示手段における入賞図柄の表示態様が特定の態様となった場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えることを特徴としている。
【０００６】
このように、可変入球口に入球した遊技球が通過する特定領域を複数設け、特定領域の遊技球通過に関連して表示される入賞図柄で特定の態様が成立することを特別遊技状態の発生条件とすることで、入賞図柄の組み合わせを成立させるという組合せ式遊技機の遊技性をパチンコ遊技機に取り入れることができる。これにより、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができ、興趣を向上させることができる。なお、本明細書中において遊技球の入球には遊技球が通過することを含み、遊技球の通過には遊技球が入球することを含むものとする。
【０００７】
また、請求項２に記載の発明では、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態の発生中に、可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、ラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態を発生させる際に、入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続回数を決定することを特徴としている。
【０００８】
このように、特別遊技状態のラウンド数を、特別遊技状態を発生させる際における入賞図柄の表示態様に基づいて決定することで、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができ、興趣を向上させることができる。
【０００９】
また、請求項３に記載の発明では、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態の発生中に、可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、このラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態の発生中における１回のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続回数を決定することを特徴としている。
【００１０】
このように、特別遊技状態のラウンド数を特別遊技状態の発生中における１回のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続を決定することで、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができるとともに、特別遊技状態においても入賞図柄を有効に利用して興趣を向上させることができる。
【００１１】
「１回のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続回数を決定する場合」としては、特別遊技状態の各ラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて１ラウンド毎に継続するか否かを決定することでラウンド継続回数を決定してもよく、あるいは特別遊技状態における特定のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて継続するラウンド数を決定してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
（第１実施例）
以下、本発明の実施形態を示す第１実施例について図面を用いて説明する。本発明を適用した実施例を図１〜図１９に示す。
【００１３】
図１は、本実施例の遊技機１の正面図である。図１に示すように、遊技機１の前面部は、本体枠２、中枠３、前面枠４、上皿部５、下皿部６、施錠装置９、遊技盤２０等を備えている。なお、図１では遊技盤２０の詳細な図示を省略している。また、中枠３は前面枠４等が前面側に配置されているため、図１においては明示されていない。
【００１４】
本体枠２は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機１の外枠を構成している。中枠３はプラスチック製であり、本体枠２の内側にはめ込まれて設置されており、外枠２に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠３は、上側２／３程度を占める枠体部と下側１／３程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤２０と前面枠４とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部５と下皿部６が設けられている。
【００１５】
下板部には、遊技球を遊技盤２０に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット（図示略）、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置（図示略）が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット１０に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット１０から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット１０から発射された遊技球のうち遊技盤２０面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ２６６（図１０参照）が設けられている。なお、本実施例のスピーカ２６６は、中高音用スピーカ（ツィータ）及び低音用スピーカ（ウーファ）とを含んで構成されている。
【００１６】
前面枠４は、中枠３の前面側に配置され、中枠３の左端で開閉可能に支持されている。前面枠４はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤２０の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部４ａが形成されている。前面枠４の裏面には、開口部４ａに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠（図示略）が装着されている。
【００１７】
前面枠４には、遊技効果等のためのランプ類として、左ＬＥＤ表示部４ｂ、右ＬＥＤ表示部４ｃ、左上ＬＥＤ表示部４ｄ、右上ＬＥＤ表示部４ｅ、上ＬＥＤ表示部４ｆが設けられている。左ＬＥＤ表示部４ｂと右ＬＥＤ表示部４ｃは、開口部４ａの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上ＬＥＤ表示部４ｄは左ＬＥＤ表示部４ａの左上方に設けられ、右上ＬＥＤ表示部４ｅは右ＬＥＤ表示部４ｃの右上方に設けられている。上ＬＥＤ表示部４ｆは円形状に形成され、左ＬＥＤ表示部４ｂの上端部と右ＬＥＤ表示部４ｃの上端部との間に２個設けられている。これらのＬＥＤ表示部４ａ〜４ｆは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【００１８】
また、２個の上ＬＥＤ表示部４ｆの間には、２個の賞球ＬＥＤ表示部４ｇが設けられている。賞球表示ＬＥＤ表示部４ｇの上方には、扇形のエラーＬＥＤ表示部４ｈが設けられている。本実施例のエラーＬＥＤ表示部４ｈは、後述のように複数段階のエラー表示が可能に構成されている。エラーＬＥＤ表示部４ｈは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。なお、本実施例では、例えば復旧のために前面枠４を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合を重度のエラーとし、それ以外の場合を軽度のエラーとしている。
【００１９】
前面枠４には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠４が所定時間（本例では１秒）以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部２３０は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーＬＥＤ表示部４ｈをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット１０による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠４が所定時間（本例では１秒）以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。
【００２０】
上皿部５は、前面枠４の下側に設けられ、中枠３の左端に開閉可能に支持されている。上皿部５は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部５ａと、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口５ｂとを備えている。さらに、上皿部５の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第１音声出力部５ｃが形成されている。第１音声出力部５ｃは、スピーカ２６６のうち中高音用スピーカ（ツィータ）とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部５の裏面には音量スイッチ基板２６７（図１０参照）が設けられている。
【００２１】
下皿部６は、上皿部５の下方に設けられている。下皿部６の略中央には、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられている。また、下皿部６の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部６に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
【００２２】
下皿部６の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ６ｂが設けられている。排出ノブ６ｂは、下皿部６の周縁部の一部を構成している。排出ノブ６ｂは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端を手前側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ６ｂに連動しており、排出ノブ６ｂが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ６ｂを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。
【００２３】
下皿部６における排出ノブ６ｂの右側および左側の下面には、第２音声出力部６ｃが設けられている。第２音声出力部６ｃは、スピーカ２６６のうち低音用スピーカ（ウーファ）とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。
【００２４】
下皿部６の右端には、遊技者が発射装置ユニット（図示略）を操作するための発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ８ｂは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ８ａと電気的に直列接続されている。
【００２５】
施錠装置９は、中枠３の右端中央に設けられており、前面枠４を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機１の左側には、プリペイドカードユニット１３（ＣＲユニット）が装着されている。
【００２６】
次に、本実施例の遊技盤２０の表面構造について図２を参照して説明する。図２は遊技盤２０の正面図である。遊技盤２０は、略長方形の木製の板状体であって中枠３に表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、後述する裏機構盤１０２（図３参照）によりその背面側が覆われている。
【００２７】
図２に示すように、遊技盤２０には、遊技盤２０の表面に設けられた外レール２２と内レール２３とにより略円形状の遊技領域２１が形成されている。遊技領域２１内には、中央装置２４、普通図柄作動ゲート２６、始動口（普通電動役物）２８、大入賞口（特別電動役物）３０、３１、左入賞口３５、３６、右入賞口３７、３８等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域２１には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【００２８】
図２に示すように、遊技領域２１の中央には中央装置（センター役物）２４が配置されている。中央装置２４には、普通図柄表示装置２５が設けられている。普通図柄表示装置２５は任意の図柄を表示可能な図柄表示部２５ａを備えている。普通図柄表示装置２５として、液晶表示装置やドットマトリクス等を用いることができる。なお、普通図柄表示装置２５は本発明の可変表示手段の一具体例を示すものである。
【００２９】
普通図柄表示装置２５の図柄表示部２５ａには、図示を省略しているが、複数の普通図柄（識別図柄）を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する普通図柄表示領域（識別情報表示領域）が設けられている。具体的には、左図柄を表示する左図柄表示領域、中図柄を表示する中図柄表示領域、及び右図柄を表示する右図柄表示領域が、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。各普通図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、例えば「０」〜「７」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。
【００３０】
普通図柄作動ゲート２６は、中央装置２４の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート２６の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓが設けられている。普通図柄作動ゲート２６を遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置２５は普通図柄の変動表示を開始する。
【００３１】
本実施例では、当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過した際に、始動口（普通電動役物）２８を作動させるか否かの当否判定に用いられる。当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当り値と一致する場合に当りと判定される。
【００３２】
普通図柄表示装置２５は、遊技球が始動口２８に入球することにより、図柄表示部２５ａに表示される各普通図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に停止表示させる。図柄表示部２５ａで停止表示される普通図柄は、当否判定にて当りと判定された場合には、例えば「７・７・７」や「３・３・３」といった同一数字揃い（いわゆるゾロ目）からなる当り図柄の組合せに決定され、当否判定にて外れと判定された場合には、上記当り図柄以外の組合せからなる外れ図柄（例えば「１・２・３」や「７・３・７」といった、いわゆるバラケ目）に決定される。そして、普通図柄が予め設定された当り図柄の組合せで停止表示すると、始動口（普通電動役物）２８が開放される。
【００３３】
普通図柄表示装置２５の下方には、普通図柄保留表示部２７が設けられている。普通図柄保留表示部２７は４個のＬＥＤからなり、普通図柄変動中に普通図柄作動ゲート２６を通過した遊技球の数を４個まで保留可能とし、通過毎にＬＥＤが１つずつ点灯し普通図柄保留数を表示するものである。次回の変動表示が開始するたびに未始動回数（保留数）が消化され、普通図柄保留表示部２７のＬＥＤが１つずつ消灯し普通図柄保留数が１個ずつ減少する。
【００３４】
始動口２８は、普通図柄表示装置２５の中央位置の上方に設けられている。始動口２８は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するように形成されている。始動口２８の内部には、遊技球の通過を検知する始動口入賞検知スイッチ２８ｓ（図４参照）と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド２８ｃ（図６参照）とが備えられている。始動口２８の上方には突起部２９が設けられており、一対の翼片部が直立状態となったときには遊技球が入球しない閉鎖状態となり、一対の翼片部が左右に開くと遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。
【００３５】
始動口２８の開放時間は、合計６秒となるように設定されている。始動口２８の開放パターンとしては、２秒間×３回開放するパターンと、３秒間×２回開放するパターンと、６秒間×１回開放するパターンから選択することができる。遊技球が始動口２８に入球することで、大入賞口３０、３１が所定時間（本例では０．５秒）開放する。なお、大入賞口３０、３１が開放しているときに遊技球が始動口２８に入球した場合は、その入球に基づく大入賞口３０、３１の開放は行われず、賞球の払い出しのみが行われることとなる。
【００３６】
大入賞口３０、３１は、中央装置２４の両側面に設けられている。中央装置２４の左側面に第１大入賞口３０が設けられ、中央装置２４の右側面に第２大入賞口３１が設けられている。大入賞口３０、３１には、大入賞口３０、３１を開閉するための大型の翼片部が設けられている。大入賞口３０、３１の内部には、遊技球の通過を検知する大入賞口入球検知スイッチ３０ｓ、３１ｓ（図６参照）と、翼片部を作動させるための大入賞口ソレノイド３０ｃ、３１ｃ（図６参照）とが備えられている。なお、大入賞口３０、３１が本発明の可変入球口の一具体例を示している。
【００３７】
大入賞口３０、３１の翼片部は、下端を中心として左右に回動可能となっており、翼片部が回動することで大入賞口３０、３１が開閉する。大入賞口３０、３１が閉鎖した状態では、遊技球は大入賞口３０、３１に入球不可能となっている。一方、大入賞口３０、３１が開放した状態では、翼片部が左右に大きく開いた状態となるので、遊技球は翼片部によって容易に大入賞口３０、３１の内部に導入される。これらの大入賞口３０、３１に遊技球が入球することで、所定個数（本例では９個）の遊技球が賞球として払い出される。
【００３８】
中央装置２４における普通図柄保留表示部２７の下方には、複数の特定領域３２が設けられている。特定領域３２は遊技球が入球可能な複数（本例では９つ）の入球口から構成されている。大入賞口３０、３１に入球した遊技球は、複数の特定領域３２のいずれかに入球する。
【００３９】
普通図柄保留表示部２７と特定領域３２との間には、障害部材３３が設けられている。障害部材３３は、各特定領域３２への入球確率を調整するために多数の障害釘として構成されている。４番と６番の入球口は、遊技球が入球することで後述する特定の態様を成立させやすくなる遊技者に有利な入球口なので、障害部材３３の配列によって、他の入球口（１番〜３番、５番、および７番〜９番）に比べ入球困難となっている。
【００４０】
特定領域３２の内部には、各入球口への遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ３２ｓ（図６参照）が設けられている。特定領域３２の前面側には、特定領域３２に対応した複数の入賞図柄（本例では「１」〜「９」）を有する入賞図柄表示装置３４が設けられている。入賞図柄表示装置３４では、遊技球の入球が検知された特定領域３２に対応する入賞図柄が点灯表示する。点灯表示した入賞図柄で特定の態様が成立した場合に条件装置が作動開始する。条件装置が作動開始する「特定の態様」は任意に設定することができるが、本実施例では２以上の入賞図柄が連続して点灯表示する場合としている。なお、入賞図柄表示装置３４は本発明の入賞図柄表示手段の一具体例を示している。
【００４１】
条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部２００を主体として構成され、入賞図柄が特定の態様で点灯表示されることで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。役物連続作動装置とは、後述の主制御部２００を主体として構成され、大入賞口（特別電動役物）３０、３１を連続して開放状態にする装置である。
【００４２】
役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口３０、３１が連続して開放する特別遊技状態（大当たり状態）が開始される。特別遊技機状態は、大入賞口３０、３１を開放させることで、大入賞口３０、３１への遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。なお、主制御部２００が本発明の特別遊技状態発生手段に相当している。特別遊技状態は、後述の特別電動役物遊技処理Ｓ５００（図１７参照）が繰り返し実行されることによって実現される。
【００４３】
大入賞口３０、３１が開放することで遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口３０、３１が閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口３０、３１の開放時間が所定開放時間に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口３０、３１に入球した遊技球数が所定数（本実施例では１０個）に達したときとすることができる。「所定開放時間」は、例えば大入賞口３０、３１を連続して開放した場合（例えば３０秒間×１回の開放）の１回の開放時間であってもよく、短時間の開放を複数回繰り返した場合（例えば１秒間×１８回の開放）の合計開放時間でもよい。
【００４４】
この遊技球受入状態の開始から所定の終了条件成立により閉鎖状態となるまでを１ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定数のラウンドが終了したときに作動終了する。大入賞口３０、３１は、遊技球受入状態が終了してから所定時間（例えば０．５秒）が経過した後に、再び開放して遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このようなラウンドの開始から終了までを１ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の継続ラウンド数が終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
【００４５】
また、本実施例では、入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定するように構成されている。本実施例では、連続して点灯表示した入賞図柄の連続数に基づいて継続ラウンド数を決定している。具体的には、入賞図柄が２連続で点灯表示（例えば、「１」・「２」が点灯表示）した場合には継続ラウンド数を２ラウンドとし、入賞図柄が３連続で点灯表示した場合（例えば、「１」・「２」・「３」が点灯表示）には継続ラウンド数を５ラウンドとし、入賞図柄が４連続以上で点灯表示（例えば、「１」・「２」・「３」・「４」が点灯表示）した場合には継続ラウンド数を１５ラウンドとしている。
【００４６】
図２に示すように、遊技領域２１における中央装置２４の左下には、第１の左入賞口３５及び第２の左入賞口３６がそれぞれ設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ３５ｓ、３６ｓ（図６参照）が設けられている。中央装置２４の右下には、第１の右入賞口３７と第２の右入賞口３８とが設けられている。これらの内部には、右入賞口通過検知スイッチ３７ｓ、３８ｂ（図６参照）が設けられている。
【００４７】
次に、本実施例の遊技機１の裏面構造について図３に基づいて説明する。図３は遊技機１の裏機構盤１０２の正面図である。
【００４８】
図３に示すように、裏機構盤１０２は中枠３における遊技盤２０の反対面に設けられており、一対のヒンジ１０３により中枠３に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤１０２の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ１０４を底部に備えた賞球タンク１０５が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ１０４は、賞球タンク１０５内に遊技球が存在する場合にはオン出力となり、賞球タンク１０５内に遊技球が存在しない場合にはオフ出力となる。賞球タンク１０５には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク１０５の下方には、賞球タンク１０５と接続したタンクレール１０６が設けられている。タンクレール１０６は、賞球タンク１０５の底部から遊技球払出装置１０９の上方まで傾斜して形成されている。賞球タンク１０５内の遊技球は、賞球タンク１０５の底部からタンクレール１０６を流下する。
【００４９】
タンクレール１０６の右側には、球抜きレバー１０７が設けられている。球抜きレバー１０７の下流側には、遊技球払出装置１０９が設けられている。また、タンクレール１０６の下流側であって、遊技球払出装置１０９の上方には、タンクレール１０６を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置１０９に誘導するためのケースレール（遊技球誘導通路）１０８が設けられている。
【００５０】
タンクレール１０６の下方には、前面側に演出図柄表示装置２４が取り付けられ、背面側にランプインターフェース基板ケース１１２、図柄制御基板ケース１１３、音ランプ制御基板ケース１１４がそれぞれ取り付けられた裏ケース１１１が設けられている。裏ケース１１１の下方には主制御基板ケース１１５が設けられ、主制御基板ケース１１５の下方には電源基板ケース１１６が設けられ、裏機構盤１０２の右下方部には、払出制御基板ケース１１８が設けられている。これらの基板ケースには、後述の各種制御基板が格納されている。
【００５１】
裏機構盤１０２の右上方部には、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板１２２が設けられている。
【００５２】
次に、本実施例の遊技機１の電子制御装置について、図４に基づいて説明する。図４は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【００５３】
図４に示すように、電子制御装置は、主制御部（遊技制御部）２００と、その主制御部２００に接続された副制御部２３０、２６０及び２８０とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部（払出制御部）２３０、音ランプ制御部２６０及び図柄制御部２８０から構成される。主制御部２００は主制御基板２００ａを備え、副制御部２３０、２６０及び２８０は周辺制御基板として払出制御基板２３０ａ、音ランプ制御基板２６０ａ及び図柄制御基板２８０ａをそれぞれ備えている。
【００５４】
主制御部２００は、遊技の進行を司るものであり、各副制御部２３０、２６０及び２８０に処理内容を指示する指令信号（コマンドデータ）を送信し、各副制御部２３０、２６０及び２８０は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【００５５】
例えば、主制御部２００から払出制御部２３０には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。また、主制御部２００から音ランプ制御部２６０には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。
【００５６】
主制御部２００から図柄制御部２８０には、音ランプ制御部２６０を介して、普通図柄の表示制御を指示する普通図柄表示制御コマンドや本特別図柄の表示制御を指示する本特別図柄表示制御コマンドを含む各種図柄制御コマンドが送信される。
【００５７】
各制御部２００、２３０、２６０及び２８０には、主電源１２９と接続された電源受電基板１２８から電源基板１２７と電源中継基板１２１とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板１２７および電源中継基板１２１を介して各制御部２００、２３０、２６０及び２８０に送信される。なお、本実施例の遊技機１は、電源断時に主制御部２００及び払出制御部２３０に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部（図示略）を備えており、電源断時にも主制御部２００及び払出制御部２３０のＲＡＭデータが保持される。
【００５８】
図５は、主制御部２００の主制御基板２００ａに設けられたＣＰＵ４００の構成を示すブロック図である。図５に示すように、ＣＰＵ４００は、ＣＰＵコア４０１、内蔵ＲＡＭ４０２（以下、単にＲＡＭともいう）、内蔵ＲＯＭ４０３（以下、単にＲＯＭともいう）、メモリ制御回路４０４、クロック発生器４０５、アドレスデコーダ４０６、ウォッチドッグタイマ４０７、カウンタ／タイマ４０８、パラレル入出力ポート４０９、リセット／割り込みコントローラ４１０、外部バスインターフェース４１１及び出力制御回路４１２を備えている。
【００５９】
ＣＰＵ４００は、ＲＯＭ４０３に格納された制御プログラムにより、ＲＡＭ４０２をワークエリアとして遊技機１全体の作動制御（遊技の基本進行制御）を司る。また、主制御部２００は、ＣＰＵ４００が主体となって、ＲＯＭ４０３に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部２００の制御周期は４ｍｓに設定されている。
【００６０】
図４に戻り、主制御部２００には、盤用外部端子基板２０１、始動口入賞検知スイッチ２８ｓ、普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓ、盤面中継基板２１０及び遊技枠中継基板２２０が接続されている。始動口入賞検知スイッチ２８ｓは、始動口２８に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓは、普通図柄作動ゲート２６を遊技球が通過したことを検知するものである。
【００６１】
盤用外部端子基板２０１には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、遊技機用として使用されるものであり、賞球信号、入球口入球信号などの信号を試験装置に送出することができる。
【００６２】
次に、盤面中継基板２１０を図６に基づいて説明する。図６は、盤面中継基板２１０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板２１０は、遊技盤２０面に設けられた各種スイッチ等と主制御部２００との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【００６３】
図６に示すように、盤面中継基板２１０には、特定領域入球検知スイッチ３２ｓ、入賞口通過検知スイッチ３５ｓ、３６ｓ、３７ｓ、３８ｓ、大入賞口入球検知スイッチ３０ｓ、３１ｓ、各種ソレノイド２８ｃ、３０ｃ、３１ｃが接続されている。
【００６４】
特定領域入球検知スイッチ３２ｓは、特定領域３２のいずれかの入球口への遊技球の入球を検知するものである。入賞口通過検知スイッチ３５ｓ、３６ｓ、３７ｓ、３８ｓは、各入賞口３５、３６、３７、３８への遊技球の入球を検知するものである。大入賞口入球検知スイッチ３０ｓ、３１ｓは、大入賞口３０、３１に遊技球が入球したことを検知するものである。これらの遊技球検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド２８ｃ、３０ｃ、３１ｃとしては、始動口２８を開閉するための始動口ソレノイド２８ｃ、大入賞口３０、３１を開閉するための大入賞口ソレノイド３０ｃ、３１ｃ等がある。
【００６５】
次に、遊技枠中継基板２２０を図７に基づいて説明する。図７は、遊技枠中継基板２２０に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板２２０は、主に中枠３に設けられた各種スイッチ等と主制御部２００との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【００６６】
図７に示すように、枠中継基板２２０には、発射球カウントスイッチ２２１、ファール球検出スイッチ２２２が接続されている。さらに枠中継基板２２０には、後述の球送り中継基板２５１を介して球送りカウントスイッチ２５４が接続されている。
【００６７】
発射球カウントスイッチ２２１は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。ファール球検出スイッチ２２２は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域２１に到達しないで、下皿部６に戻ってきた遊技球を検知するものである。球送りカウントスイッチ２５４は、上皿部５から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするものである。
【００６８】
次に、図４に戻り、払出制御部２３０について説明する。図４に示すように、払出制御部２３０には、枠用外部端子基板１２２、スイッチ中継端子基板２３１、ＣＲ接続基板２３４、発射制御部２５０等が接続されている。スイッチ中継端子基板２３１には、タンク球切れスイッチ２３２、下皿満タンスイッチ２３３が接続されている。タンク球切れスイッチ２３２は、枠用外部端子基板１２２にも接続されている。
【００６９】
タンク球切れスイッチ２３２は、賞球タンク１０５内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ２３２の球切れ信号は、枠用外部端子基板１２２を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク１０５に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ２３３は、下皿部６の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部２３０の払出制御基板２３０ａは、上記図５で示した主制御基板２００ａのＣＰＵ４００と同様の構成を有するＣＰＵを備えている。本実施例の払出制御部２３０の制御周期は、主制御部２００より短い１ｍｓに設定されている。
【００７０】
払出制御部２３０を図８に基づいてさらに説明する。図８は、払出制御部２３０に対する信号の入出力を示すブロック図である。図８に示すように、払出制御部２３０には、ＣＲ接続基板２３４を介してプリペイドカードユニット１３及びＣＲ表示基板２３５が接続されている。ＣＲ表示基板２３５には、貸球ボタン２３６と返却ボタン２３７が接続されている。ＣＲ表示基板２３５は、ＣＲユニット１３との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
【００７１】
また、払出制御部２３０には、払出ユニット中継端子板２３９を介して払出モータ１０９ｆ及び払出センサ１０９ｊ、１０９ｋが接続され、状態表示ＬＥＤ中継端子板２４０を介して賞球表示ＬＥＤ基板２４１及びエラー表示ＬＥＤ基板２４２が接続されている。払出センサ１０９ｊ、１０９ｋは、遊技球払出装置１０９で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置１０９で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
【００７２】
賞球表示ＬＥＤ基板２４１及びエラー表示ＬＥＤ基板２４２は、それぞれ賞球表示ＬＥＤ表示部４ｇ及びエラーＬＥＤ表示部４ｈ（図１参照）に対応している。賞球表示ＬＥＤ基板２４１のＬＥＤは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーＬＥＤ基板２４２のＬＥＤはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示ＬＥＤ基板２４２は複数種類のＬＥＤを備えており、エラーＬＥＤ表示部４ｈは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーＬＥＤ表示部４ｈは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
【００７３】
次に、発射制御部２５０を図９に基づいて説明する。図９は、発射制御部２５０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図９に示すように、発射制御部２５０には、発射ハンドル８、原点センサ２５１、発射モータ２５２、球送り中継端子板２５３等が接続されている。発射ハンドル８から発射制御部２５０には、遊技者が発射ハンドル８を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチ（図示略）からの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル８に触れているかどうかを示すタッチスイッチ８ａからのタッチ信号等が入力する。
【００７４】
原点センサ２５１は、発射モータ２５２の回転軸が所定の原点位置（原点角度）にあるかどうかを検知するものである。発射モータ２５２は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域２１に打ち込むための槌を稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル８を操作することにより作動する。
【００７５】
球送り中継端子板２５３には、上皿部５に貯留された遊技球を１個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド（図示略）、球送りカウントスイッチ２５４が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ２５４からの信号は遊技枠中継基板２２０を介して主制御部２００に送信される。上記原点センサ２５１の信号は、発射制御部２５０を介して、払出制御部２３０に送信される。
【００７６】
次に、音ランプ制御部２６０を図１０に基づいて説明する。図１０は、音ランプ制御部２６０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部２６０に設けられた音ランプ制御基板２６０ａには、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力ポート等を有する演算回路構成要素（図示略）とサウンドジェネレータ（図示略）が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部２００に接続されている。
【００７７】
図１０に示すように、音ランプ制御部２６０には、ランプインタフェース基板２６１を介して、入賞図柄ＬＥＤ基板２６２、各種盤面ＬＥＤ基板２６３、各種遊技枠部ＬＥＤ基板２６４等が接続されている。ランプインターフェース基板２６１は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、音ランプ制御基板２６０ａから独立した別基板として構成されている。
【００７８】
入賞図柄ＬＥＤ基板２６２は、特定領域３２のいずれかに遊技球が入球した際に、対応する入賞図柄表示装置３４のＬＥＤを点灯させるためのものである。盤面ＬＥＤ基板２６３および遊技枠ＬＥＤ基板２６４には、遊技効果ＬＥＤ基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
【００７９】
さらに、音ランプ制御部２６０にはアンプ基板２６５が接続されている。アンプ基板２６５にはスピーカ２６６および音量スイッチ基板２６７が接続されている。スピーカ２６６からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板２６７は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ２６６の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御部２６０には、モード切替スイッチ２６８が設けられている。モード切替スイッチ２６８はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ２６８により、演出図柄表示装置２４における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
【００８０】
次に、図柄制御部２８０を図１１に基づいて説明する。図１１は、図柄制御部２８０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部２８０に設けられた図柄制御基板２８０ａには、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、入出力ポート、ＶＤＰ（ビデオディスプレイプロセッサ）等を有する演算回路構成要素（図示略）が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部２００に接続されている。
【００８１】
図１１に示すように、図柄制御部２８０には、普通図柄表示装置２５を作動させる図柄表示装置基板２８１が接続されている。図柄制御部２８０は、ＣＰＵがＲＯＭに格納された制御プログラムに従ってＲＡＭをワークエリアとして普通図柄表示装置２５の表示制御を行う。また、図柄制御基板２８０ａのＲＯＭには、普通図柄の変動態様や停止図柄等の図柄画像データが格納されている。
【００８２】
次に、本実施例の遊技機１の作動を図１２〜図１９のフローチャートに基づいて説明する。図１２は、主制御部２００のＲＯＭに格納されたプログラムに基づいてＣＰＵ４００が実行するメインジョブの一例を示している。図１２に示すメインジョブは、電源投入処理Ｓ１００を実行した後、遊技開始処理Ｓ２００、普通図柄遊技処理Ｓ３００、普通電動役物遊技処理Ｓ４００、特別電動役物遊技処理Ｓ５００、特別遊技処理Ｓ６００の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、リセット周期は２ｍｓに設定されている。
【００８３】
電源投入処理Ｓ１００を図１３のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う（Ｓ１０１）。具体的には、スタックポインタをＲＡＭの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、ＲＡＭのアクセスを許可する。
【００８４】
次に、ＲＡＭクリアスイッチが押されている場合、あるいは、ＲＡＭにバックアップフラグ（電源断の発生情報）が設定されていない場合には、電源投入時と判定してＲＡＭ初期化処理を行い、その後リターンする（Ｓ１０２、Ｓ１０３、Ｓ１０４）。ＲＡＭ初期化処理としては、ＣＰＵ周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、ＲＡＭの全領域を０クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
【００８５】
一方、ＲＡＭにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したＲＡＭの内容からチェックサムを算出して（Ｓ１０５）、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する（Ｓ１０６）。これらのチェックサムが一致しない場合にはＲＡＭの内容が壊れていると判定し、上記Ｓ１０４のＲＡＭ初期化処理を行う。ＲＡＭの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う。
【００８６】
まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、ＣＰＵ周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
【００８７】
次に、遊技開始処理Ｓ２００を図１４のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部２００に接続されているＲＡＭクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み（Ｓ２０１）、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する（Ｓ２０２）。
【００８８】
次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う（Ｓ２０３）。具体的には、上述のＲＡＭに設定された乱数カウンタの値を、初期値（例えば０）から所定値（例えば２５５）の間で１ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
【００８９】
次に、Ｓ２０４〜Ｓ２０７の賞球制御を行う。まず、入賞口スイッチにより各入賞口をチェックし、遊技球が入賞口に入賞（入球）した場合には、入賞検知情報をＲＡＭに保存する（Ｓ２０４、Ｓ２０５）。次に、保存した賞球検知情報がある場合には、払出制御部２３０に獲得遊技球に対応した賞球数指定コマンドを送信する（Ｓ２０６、Ｓ２０７）。
【００９０】
次に、普通図柄遊技処理Ｓ３００を図１５（ａ）、図１５（ｂ）のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓにより、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過したか否かを判定する（Ｓ３０１）。この結果、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過したと判定された場合には（Ｓ３０１：ＹＥＳ）、普通図柄表示装置２７の作動保留数が４未満であるか否かを判定し（Ｓ３０２）、普通図柄保留数が４未満の場合には（Ｓ３０２：ＹＥＳ）、普通図柄当否判定用の乱数を記憶する（Ｓ３０３）。
【００９１】
次に、役物連続作動装置が作動しているか否かを判定する（Ｓ３０４）。この結果、役物連続作動装置が作動していると判定された場合には（Ｓ３０４：ＹＥＳ）、そのままリターンする。一方、役物連続作動装置が作動していないと判定された場合には（Ｓ３０４：ＮＯ）、特別電動役物が作動しているか否か、すなわち大入賞口３０、３１が開放しているか否かを判定する（Ｓ３５０）。
【００９２】
この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動していると判定された場合には（Ｓ３０５：ＹＥＳ）、そのままリターンする。一方、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動していないと判定された場合には（Ｓ３０５：ＮＯ）、始動口（普通電動役物）２８が作動中か否かを判定する（Ｓ３０６）。この結果、始動口（普通電動役物）２８が作動中であると判定された場合には（Ｓ３０６：ＹＥＳ）、そのままリターンし、始動口（普通電動役物）２８が作動中でないと判定された場合には（Ｓ３０６：ＮＯ）、普通図柄が変動中か否かを判定する（Ｓ３０７）。
【００９３】
この結果、普通図柄が変動中でないと判定された場合には（Ｓ３０７：ＮＯ）、普通図柄の停止表示時間中か否かを判定し（Ｓ３０８）、普通図柄表示時間中であると判定された場合には（Ｓ３０８：ＮＯ）、後述のＳ３１６の処理に移行し、普通図柄表示時間中でないと判定された場合には（Ｓ３０８：ＹＥＳ）、普通図柄保留数がゼロか否かを判定する（Ｓ３０９）。
【００９４】
この結果、普通図柄保留数がゼロであると判定された場合は（Ｓ３０９：ＹＥＳ）、そのままリターンし、普通図柄保留数がゼロでないと判定された場合は（Ｓ３０９：ＮＯ）、普通図柄当否判定を行い（Ｓ３１０）、普通図柄の変動時間を設定し（Ｓ３１１）、普通図柄の変動を開始する（Ｓ３１２）。
【００９５】
上記Ｓ３０７で普通図柄が変動中であると判定された場合には（Ｓ３０７：ＹＥＳ）、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し（Ｓ３１３）、普通図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ３１３：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、普通図柄の変動時間が経過していると判定された場合には（Ｓ３１３：ＹＥＳ）、普通図柄の変動を停止し（Ｓ３１４）、普通図柄の停止表示間を設定する（Ｓ３１５）。
【００９６】
次に、普通図柄の停止表示間が経過したか否かを判定し（Ｓ３１６）、普通図柄の停止表示間が経過していないと判定された場合には（Ｓ３１６：ＮＯ）、そのままリターンし、普通図柄の停止表示間が経過していると判定された場合には（Ｓ３１６：ＹＥＳ）、普通図柄の停止図柄が始動口（普通電動役物）２８を作動（開放）させることとなる当り図柄の組合せか否かを判定する（Ｓ３１７）。この結果、普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せであると判定された場合には（Ｓ３１７：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８の作動を開始（始動口２８を開放）させ（Ｓ３１８）、普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せでないと判定された場合には（Ｓ３１７：ＮＯ）、そのままリターンする。なお、本実施例では、Ｓ３１８の処理において始動口２８が開放する際、その開放時間は通じて６秒（例えば、２秒間×３回開放、３秒間×２回開放、６秒間×１回開放など）としている。
【００９７】
次に、普通電動役物遊技処理Ｓ４００を図１６のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口（普通電動役物）２８が作動中（開放中）であるか否かを判定し（Ｓ４０１）、始動口（普通電動役物）２８が作動中（開放中）でないと判定された場合には（Ｓ４０１：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、始動口（普通電動役物）２８が作動中（開放中）であると判定された場合には（Ｓ４０１：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８に遊技球が入賞（入球）したか否かを判定する（Ｓ４０２）。
【００９８】
この結果、始動口（普通電動役物）２８に遊技球が入賞していないと判定された場合には（Ｓ４０２：ＮＯ）、後述のＳ４０５に移行し、始動口（普通電動役物）２８に遊技球が入賞していると判定された場合には（Ｓ４０２：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であるか否かを判定する（Ｓ４０３）。
【００９９】
この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であると判定された場合には（Ｓ４０３：ＹＥＳ）、後述のＳ４０５に移行し、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）でないと判定された場合には（Ｓ４０３：ＮＯ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１を１回作動（開放）させる（Ｓ４０４）。なお、本実施例では、Ｓ４０４の処理による大入賞口３０、３１の開放時間を、０．５秒としている。
【０１００】
次に、始動口（普通電動役物）２８の作動時間（開放時間）が経過したか否かを判定し（Ｓ４０５）、始動口（普通電動役物）２８の作動時間（開放時間）が経過していないと判定された場合には（Ｓ４０５：ＮＯ）、普通電動役物に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する（Ｓ４０６）。
【０１０１】
この結果、普通電動役物に規定入賞数の入賞がないと判定された場合は（Ｓ４０６：ＮＯ）、そのままリターンし、普通電動役物に規定入賞数の入賞があったと判定された場合と（Ｓ４０６：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８の作動時間（開放時間）が経過していると判定された場合には（Ｓ４０５：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８の作動を停止（始動口２８を閉鎖）する（Ｓ４０７）。
【０１０２】
次に、特別電動役物遊技処理Ｓ５００について図１７のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通電動役物が作動中であるか否かを判定し（Ｓ５０１）、普通電動役物（始動口２８）が作動中であると判定された場合には（Ｓ５０１：ＹＥＳ）、そのままリターンし、普通電動役物（始動口２８）が作動中でないと判定された場合には（Ｓ５０１：ＮＯ）、入賞図柄表示装置３４で点灯表示されている入賞図柄の連続点灯数が２であるか否かを判定する（Ｓ５０２）。
【０１０３】
この結果、入賞図柄の連続点灯数が２であると判定された場合には（Ｓ５０２：ＹＥＳ）、特別遊技状態の継続ラウンド数を２ラウンドに設定し（Ｓ５０３）、役物連続作動装置を作動開始させ（Ｓ５０４）、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０４】
一方、入賞図柄の連続点灯数が２でないと判定された場合には（Ｓ５０２：ＮＯ）、入賞図柄表示装置３４で点灯表示されている入賞図柄の連続点灯数が３であるか否かを判定する（Ｓ５０６）。この結果、入賞図柄の連続点灯数が３であると判定された場合には（Ｓ５０６：ＹＥＳ）、特別遊技状態の継続ラウンド数を５ラウンドに設定し（Ｓ５０７）、役物連続作動装置を作動開始させ（Ｓ５０４）、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０５】
一方、入賞図柄の連続点灯数が２でないと判定された場合には（Ｓ５０６：ＮＯ）、入賞図柄表示装置３４で点灯表示されている入賞図柄の連続点灯数が４以上であるか否かを判定する（Ｓ５０８）。
【０１０６】
この結果、入賞図柄の連続点灯数が４以上であると判定された場合には（Ｓ５０８：ＹＥＳ）、特別遊技状態の継続ラウンド数を１５ラウンドに設定し（Ｓ５０９）、役物連続作動装置を作動開始させ（Ｓ５０４）、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０７】
一方、入賞図柄の連続点灯数が４以上でないと判定された場合、すなわち入賞図柄が２以上連続して点灯表示していないと判定された場合には（Ｓ５０８：ＮＯ）、役物連続作動装置を作動開始させず、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０８】
なお、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄の点灯表示は次のようにして行われる。まず、前述のＳ３１８の処理によって始動口２８が開放中（普通電動役物が作動中）となる６秒間において、始動口２８に遊技球を入球させる。そして、始動口２８への遊技球の入球毎に、前述のＳ４０４の処理によって０．５秒間開放される大入賞口３１、３２に遊技球を入球させると、その入球した遊技球が特定領域３２の何れかの領域を通過する。この遊技球の通過により、対応する入賞図柄が点灯表示されることとなる。
【０１０９】
したがって、Ｓ５０２、Ｓ５０３およびＳ５０４で判定される入賞図柄の連続点灯数は、始動口２８への遊技球の入球個数と、大入賞口３１、３２への遊技球の入球個数によって、大きく左右される。つまり、本実施例では、始動口２８に遊技球を入球させつつ大入賞口３１、３２にも遊技球を入球させる必要があるため、従来には無い興趣の高い遊技性を実現できる。
【０１１０】
次に、特別遊技処理Ｓ６００を図１８のフローチャートに基づいて説明する。
【０１１１】
まず、役物連続作動装置が作動中であるか否かを判定する（Ｓ６０１）。この結果、役物連続作動装置が作動中でないと判定された場合には（Ｓ６０１：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、役物連続作動装置が作動中であると判定された場合には（Ｓ６０１：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であるか否かを判定する（Ｓ６０２）。
【０１１２】
この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であると判定された場合には（Ｓ６０２：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動終了条件（閉鎖条件）が成立しているか否かを判定する（Ｓ６０３）。この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動終了条件（閉鎖条件）が成立していないと判定された場合には（Ｓ６０３：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動終了条件（閉鎖条件）が成立していると判定された場合には（Ｓ６０３：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動を停止（大入賞口３１、３２を閉鎖）する（Ｓ６０４）。
【０１１３】
上記Ｓ６０２で大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）でないと判定された場合には（Ｓ６０２：ＮＯ）、役物連続作動装置の作動終了条件（特別遊技状態終了条件）が成立しているか否かを判定する（Ｓ６０５）。この結果、役物連続作動装置の作動終了条件（特別遊技状態終了条件）が成立していないと判定された場合には（Ｓ６０５：ＮＯ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動停止時間（閉鎖時間）が経過しているか否かを判定する（Ｓ６０６）。この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動停止時間（閉鎖時間）が経過していないと判定された場合には（Ｓ６０６：ＮＯ）、そのままリターンし、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動停止時間（閉鎖時間）が経過していると判定された場合には（Ｓ６０６：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動を開始（大入賞口３０、３１を開放）する（Ｓ６０７）。
【０１１４】
上記Ｓ６０５で役物連続作動装置の作動終了条件（特別遊技状態終了条件）が成立していると判定された場合には（Ｓ６０５：ＹＥＳ）、役物連続作動装置の作動を停止（特別遊技状態を終了）する（Ｓ６０８）。
【０１１５】
次に、電源断発生処理Ｓ７００を図１９のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
【０１１６】
まず、使用レジスタをＲＡＭに退避し、スタックポインタの値を保存する（Ｓ７０１、Ｓ７０２）。次に、遊技球払出装置１０９の賞球残数を確認するために、払出センサ１０９ｊの監視を所定時間（本例では８４ｍｓ）行い、２１２ｂを通過する遊技球の監視を所定時間（本例では８４ｍｓ）行う（Ｓ７０３、Ｓ７０４）。次に、チェックサムを算出して保存し、バックアップフラグをセットする（Ｓ７０５、Ｓ７０６）。次に、ＲＡＭへのアクセスを禁止し、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行う（Ｓ７０７）。ＲＡＭデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理Ｓ１００に移る。
【０１１７】
以上のように、大入賞口３０、３１に入球した遊技球が通過する特定領域３２を複数設け、遊技球が通過した特定領域３２に対応して点灯表示する入賞図柄で特定の態様が成立したことを特別遊技状態の発生条件とすることで、入賞図柄の組み合わせを成立させるというアレンジボール遊技機（組合せ式遊技機）の遊技性をパチンコ遊技機に取り入れることができる。これにより、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができ、興趣を向上させることができる。
【０１１８】
（第２実施例）
次に、本発明の第２実施例について図２０に基づいて説明する。本第２実施例は、上記第１実施例と比較して、主に特別遊技状態の継続ラウンド決定方法が異なっている。以下、上記第１実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【０１１９】
上記第１実施例では、特別遊技状態を開始する際に入賞図柄表示装置３４の入賞図柄で成立した表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定するように構成したが、本第２実施例では、特別遊技状態の開始後における各ラウンドで次のラウンドが継続するか否かが決定される。本実施例では、１ラウンド中に成立した入賞図柄表示装置３４で点灯表示される入賞図柄が所定のラウンド継続態様となることが次のラウンドの継続条件となっている。１ラウンド中に入賞図柄で所定のラウンド継続態様が成立した場合には、所定のラウンド数（本例では１５ラウンド）を上限として１ラウンドずつラウンドが継続される。本実施例では、「所定のラウンド継続態様」を入賞図柄表示装置３４で点灯表示される入賞図柄が所定数連続して点灯表示した場合としている。
【０１２０】
具体的には、特別遊技状態開始後の１ラウンド〜４ラウンドにおいては、入賞図柄が３連続で点灯表示した場合（例えば入賞図柄の表示態様が「１・２・３」や「７・８・９」となった場合）に次のラウンドが継続し、５ラウンド以降においては入賞図柄が４連続で点灯表示した場合（例えば入賞図柄の表示態様が「１・２・３・４」や「６・７・８・９」となった場合）に次のラウンドが継続する。
【０１２１】
本実施例の遊技機１は、１ラウンド中に次回ラウンドが継続する条件が成立した時点、すなわち入賞図柄が３連続または４連続で点灯表示するラウンド継続態様が成立した時点で、そのラウンドが終了する。このため、１ラウンドで大入賞口３０、３１に入球可能な遊技球数の上限（本例では１０個）に達する前に次回ラウンドが継続する条件が成立した場合には、そのラウンドで得られる賞球数が少なくなる。このため、本実施例では、１ラウンドで大入賞口３０、３１に入球可能な遊技球数の上限に達する前に入賞図柄でラウンド継続態様が成立しないようにしている。
【０１２２】
図２０は、本第２実施例の特定領域３２の周辺を示している。図２０に示すように、本実施例では、特定領域における５番の入球口の上方に、当該入球口への遊技球の入球を困難にする３本の障害釘（三角釘）が配置されている。この５番の入球口は、入球が困難に設定された４番、６番の入球口（第１実施例参照）よりも、更に入球が困難に設定されている。また、特定領域３２における特定の入球口の上方には、停留部材４０が設けられている。本実施例では、３番と７番の入球口の上方に停留部材４０が設けられている。停留部材４０は、図示しないソレノイドにより遊技盤２０の表裏方向に移動可能となっており、先端が遊技盤２０から突出した停留状態と先端が遊技盤２０と同一面に位置する停留解除状態とを切り替えることができる。
【０１２３】
特別遊技状態におけるラウンド開始から所定数の遊技球が大入賞口３０、３１への入球が確認できるまで突出状態となっている。このとき、特定領域３２の３番または７番の入球口に遊技球が流下してきた場合、停留部材４０上で遊技球が停留される。このため、特定領域３２における入球容易な１番、２番、８番、９番や、それら入球容易な入球口に比べ入球が困難な４番、６番の入球口に遊技球が入球しても、３番、５番、７番の入球口には遊技球が入球しないので、入賞図柄表示装置３４で点灯表示される入賞図柄でラウンド継続態様が成立しない。
【０１２４】
停留部材４０は、１ラウンドの終了条件が成立したとき、すなわち大入賞口３０、３１の開放時間が所定開放時間（本例では３０秒）に達したとき、もしくは大入賞口３０、３１に入球した遊技球数が所定数（本例では１０個）に達したときに、停留状態から停留解除状態になる。これにより、停留部材４０により遊技球が停留されている場合には、遊技球が停留部材４０の下方の入球口に入球する。そして、入賞図柄が３連続または４連続で点灯表示するラウンド継続態様が成立した場合には、そのラウンドが終了した後に次回ラウンドが開始する。
【０１２５】
以上のように、特別遊技状態中の１ラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定することで、新たな遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、特別遊技状態の各ラウンドで入賞図柄の表示態様に基づいて次回ラウンドが継続するか否かの抽選を行う場合には、各ラウンドにおいて遊技者の興趣を向上させることができる。
【０１２６】
また、特別遊技状態中の１ラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定することで、特別遊技状態においても入賞図柄を有効利用することができる。
【０１２７】
また、特定領域３２の上方に遊技球を停留させる停留部材４０を設け、ラウンド終了時まで入賞図柄でラウンド継続態様が成立しないようにすることで、所定の終了条件が成立する前にラウンドが終了することを防止でき、１ラウンドで得られる賞球数をできるだけ多くすることができる。
【０１２８】
なお、本実施例では、特別遊技状態の各ラウンドで入賞図柄の表示態様に基づいて次回ラウンドが継続するか否かを決定したが、特別遊技状態における特定のラウンドで、入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定するようにしてもよい。例えば継続ラウンド数として２ラウンド、５ラウンド、１５ラウンドの３種類を設定し、特別遊技状態開始時には継続ラウンド数を２ラウンドとしておく。そして特別遊技状態の２ラウンド目で、入賞図柄の表示態様がラウンド継続態様となった場合（例えば４連続で点灯表示した場合）には、継続ラウンド数を５ラウンドに延長する。さらに特別遊技状態の５ラウンド目で、入賞図柄の表示態様がラウンド継続態様となった場合（例えば４連続で点灯表示した場合）には、継続ラウンド数を１５ラウンドに延長する。
【０１２９】
（他の実施形態）
なお、上記第１実施例の構成において、特別遊技状態発生中に、１ラウンド中に大入賞口３０、３１に入球した遊技球の数をカウントし、この入球数に該当する数字の入賞図柄を入賞図柄表示装置３４で表示させるように構成してもよい。これにより、遊技者は大入賞口３０、３１への入球数を直ちに把握することができるとともに、特別遊技状態においても入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を有効利用することができる。
【０１３０】
また、上記実施例では、２つの大入賞口３０、３１が設けられた遊技機について説明したが、大入賞口の数は任意に設定でき、例えば１つでもよい。
【０１３１】
また、上記実施例では、大入賞口３０、３１が左右方向に開閉するように構成したが、遊技盤２０の前後方向（表裏方向）に開閉するように構成してもよい。
【０１３２】
また、上記実施例では、複数の特定領域３２への入球確率を調整する障害部材３３として遊技盤上に設けられた障害釘を用いたが、これに限らず、障害部材を異なる構成としてもよい。例えば、特定領域３２の上方に遊技球を複数の特定領域３２に振り分ける振り分け手段としてのクルーンを設けてもよい。クルーンは、複数の特定領域３２に対応するクルーン穴が形成されたすり鉢円盤状部材として構成することができる。この場合、大入賞口３０、３１に入球した遊技球は、クルーン上で旋回しながらいずれかのクルーン穴を通過し、対応する特定領域３２に入球する。
【０１３３】
また、上記実施例では、９つの特定領域３２を有する遊技機について説明したが、特定領域３２の数は複数であればよく、任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１３４】
【図１】本発明に係る遊技機を示す正面図である。
【図２】遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【図３】遊技機の裏機構盤の正面図である。
【図４】電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図５】主制御部のＣＰＵの構成を示すブロック図である。
【図６】盤面中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図７】遊技枠中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図８】払出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図９】発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図１０】音ランプ制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図１１】図柄制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図１２】遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図１３】遊技機の主制御部が行う電源投入処理を示すフローチャートである。
【図１４】遊技機の主制御部が行う遊技開始処理を示すフローチャートである。
【図１５（ａ）】遊技機の主制御部が行う普通図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図１５（ｂ）】遊技機の主制御部が行う普通図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図１６】遊技機の主制御部が行う普通電動役物遊技処理を示すフローチャートである。
【図１７】遊技機の主制御部が行う特別電動役物遊技処理を示すフローチャートである。
【図１８】遊技機の主制御部が行う特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図１９】遊技機の主制御部が行う特別遊技処理を示すフローチャートである。
【図２０】第２実施例の特定領域を示す正面図である。
【符号の説明】
【０１３５】
１…遊技機、２０…遊技盤、２１…遊技領域、２４…中央装置、２５…普通図柄表示装置（可変表示手段）、２５ａ…図柄表示部、２６…普通図柄作動ゲート、２８…始動口（普通電動役物）、３０、３１…大入賞口（可変入球口）、３２…特定領域、３３…障害部材、３４…入賞図柄表示装置（入賞図柄表示手段）、３５、３６、３７、３８…入賞口、２００…主制御部（当否判定手段、特別遊技状態発生手段）、２３０…払出制御部、２５０…発射制御部、２６０…音ランプ制御部、２８０…図柄制御部。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、所定条件の成立により遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、弾球遊技機には、いわゆるセブン機、羽根物、権利物、あるいはアレンジボール等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、セブン機は、始動口入球により図柄変動する可変表示装置の表示状態が特定の図柄となった場合に、大入賞口が開放・閉鎖を所定回数繰り返す特別遊技状態を発生させるように構成されている（特許文献１参照）。また、羽根物は、始動口入球により役物に設けられた羽根と呼ばれる可動片が開放し、羽根により役物の内部に誘導された遊技球が特定領域を通過した場合に、羽根が開放・閉鎖を所定回数繰り返す特別遊技状態を発生させるように構成されている（特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００４−１９４７３６号公報
【特許文献２】特開２００４−１８０７４１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、従来の遊技機では、どの遊技機も特別遊技状態を発生させるまでの遊技性が似通っておりマンネリ化してきている。このため遊技が単調になり、遊技に対する緊張感を遊技者に与えることができなくなり、興趣が低下してしまうという問題がある。
【０００４】
本発明は上記点に鑑み、所定条件の成立により遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させる遊技機において、従来と異なる新規な遊技性を付与し、遊技者の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するため、請求項１に記載の発明では、図柄作動ゲートを遊技球が通過することで識別図柄が変動表示する可変表示装置と、可変表示装置で停止表示した識別図柄が特定の図柄であった場合に開放する始動口と、始動口への遊技球の入球により所定時間開放する可変入球口と、可変入球口に入球した遊技球が通過する複数の特定領域と、複数の特定領域への遊技球の通過に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段と、入賞図柄表示手段における入賞図柄の表示態様が特定の態様となった場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えることを特徴としている。
【０００６】
このように、可変入球口に入球した遊技球が通過する特定領域を複数設け、特定領域の遊技球通過に関連して表示される入賞図柄で特定の態様が成立することを特別遊技状態の発生条件とすることで、入賞図柄の組み合わせを成立させるという組合せ式遊技機の遊技性をパチンコ遊技機に取り入れることができる。これにより、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができ、興趣を向上させることができる。なお、本明細書中において遊技球の入球には遊技球が通過することを含み、遊技球の通過には遊技球が入球することを含むものとする。
【０００７】
また、請求項２に記載の発明では、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態の発生中に、可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、ラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態を発生させる際に、入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続回数を決定することを特徴としている。
【０００８】
このように、特別遊技状態のラウンド数を、特別遊技状態を発生させる際における入賞図柄の表示態様に基づいて決定することで、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができ、興趣を向上させることができる。
【０００９】
また、請求項３に記載の発明では、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態の発生中に、可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、このラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態の発生中における１回のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続回数を決定することを特徴としている。
【００１０】
このように、特別遊技状態のラウンド数を特別遊技状態の発生中における１回のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続を決定することで、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができるとともに、特別遊技状態においても入賞図柄を有効に利用して興趣を向上させることができる。
【００１１】
「１回のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいてラウンド継続回数を決定する場合」としては、特別遊技状態の各ラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて１ラウンド毎に継続するか否かを決定することでラウンド継続回数を決定してもよく、あるいは特別遊技状態における特定のラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて継続するラウンド数を決定してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
（第１実施例）
以下、本発明の実施形態を示す第１実施例について図面を用いて説明する。本発明を適用した実施例を図１〜図１９に示す。
【００１３】
図１は、本実施例の遊技機１の正面図である。図１に示すように、遊技機１の前面部は、本体枠２、中枠３、前面枠４、上皿部５、下皿部６、施錠装置９、遊技盤２０等を備えている。なお、図１では遊技盤２０の詳細な図示を省略している。また、中枠３は前面枠４等が前面側に配置されているため、図１においては明示されていない。
【００１４】
本体枠２は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機１の外枠を構成している。中枠３はプラスチック製であり、本体枠２の内側にはめ込まれて設置されており、外枠２に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠３は、上側２／３程度を占める枠体部と下側１／３程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤２０と前面枠４とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部５と下皿部６が設けられている。
【００１５】
下板部には、遊技球を遊技盤２０に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット（図示略）、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置（図示略）が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット１０に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット１０から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット１０から発射された遊技球のうち遊技盤２０面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ２６６（図１０参照）が設けられている。なお、本実施例のスピーカ２６６は、中高音用スピーカ（ツィータ）及び低音用スピーカ（ウーファ）とを含んで構成されている。
【００１６】
前面枠４は、中枠３の前面側に配置され、中枠３の左端で開閉可能に支持されている。前面枠４はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤２０の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部４ａが形成されている。前面枠４の裏面には、開口部４ａに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠（図示略）が装着されている。
【００１７】
前面枠４には、遊技効果等のためのランプ類として、左ＬＥＤ表示部４ｂ、右ＬＥＤ表示部４ｃ、左上ＬＥＤ表示部４ｄ、右上ＬＥＤ表示部４ｅ、上ＬＥＤ表示部４ｆが設けられている。左ＬＥＤ表示部４ｂと右ＬＥＤ表示部４ｃは、開口部４ａの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上ＬＥＤ表示部４ｄは左ＬＥＤ表示部４ａの左上方に設けられ、右上ＬＥＤ表示部４ｅは右ＬＥＤ表示部４ｃの右上方に設けられている。上ＬＥＤ表示部４ｆは円形状に形成され、左ＬＥＤ表示部４ｂの上端部と右ＬＥＤ表示部４ｃの上端部との間に２個設けられている。これらのＬＥＤ表示部４ａ〜４ｆは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【００１８】
また、２個の上ＬＥＤ表示部４ｆの間には、２個の賞球ＬＥＤ表示部４ｇが設けられている。賞球表示ＬＥＤ表示部４ｇの上方には、扇形のエラーＬＥＤ表示部４ｈが設けられている。本実施例のエラーＬＥＤ表示部４ｈは、後述のように複数段階のエラー表示が可能に構成されている。エラーＬＥＤ表示部４ｈは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。なお、本実施例では、例えば復旧のために前面枠４を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合を重度のエラーとし、それ以外の場合を軽度のエラーとしている。
【００１９】
前面枠４には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠４が所定時間（本例では１秒）以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部２３０は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーＬＥＤ表示部４ｈをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット１０による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠４が所定時間（本例では１秒）以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。
【００２０】
上皿部５は、前面枠４の下側に設けられ、中枠３の左端に開閉可能に支持されている。上皿部５は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部５ａと、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口５ｂとを備えている。さらに、上皿部５の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第１音声出力部５ｃが形成されている。第１音声出力部５ｃは、スピーカ２６６のうち中高音用スピーカ（ツィータ）とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部５の裏面には音量スイッチ基板２６７（図１０参照）が設けられている。
【００２１】
下皿部６は、上皿部５の下方に設けられている。下皿部６の略中央には、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられている。また、下皿部６の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部６に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
【００２２】
下皿部６の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ６ｂが設けられている。排出ノブ６ｂは、下皿部６の周縁部の一部を構成している。排出ノブ６ｂは、通常時は直立状態であり、下端を回転軸として上端を手前側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ６ｂに連動しており、排出ノブ６ｂが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ６ｂを手前側に倒すことで球抜き穴は開放する。
【００２３】
下皿部６における排出ノブ６ｂの右側および左側の下面には、第２音声出力部６ｃが設けられている。第２音声出力部６ｃは、スピーカ２６６のうち低音用スピーカ（ウーファ）とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。
【００２４】
下皿部６の右端には、遊技者が発射装置ユニット（図示略）を操作するための発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ８ｂは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ８ａと電気的に直列接続されている。
【００２５】
施錠装置９は、中枠３の右端中央に設けられており、前面枠４を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機１の左側には、プリペイドカードユニット１３（ＣＲユニット）が装着されている。
【００２６】
次に、本実施例の遊技盤２０の表面構造について図２を参照して説明する。図２は遊技盤２０の正面図である。遊技盤２０は、略長方形の木製の板状体であって中枠３に表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、後述する裏機構盤１０２（図３参照）によりその背面側が覆われている。
【００２７】
図２に示すように、遊技盤２０には、遊技盤２０の表面に設けられた外レール２２と内レール２３とにより略円形状の遊技領域２１が形成されている。遊技領域２１内には、中央装置２４、普通図柄作動ゲート２６、始動口（普通電動役物）２８、大入賞口（特別電動役物）３０、３１、左入賞口３５、３６、右入賞口３７、３８等の遊技装置が配設されている。なお、図示を省略しているが、遊技領域２１には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【００２８】
図２に示すように、遊技領域２１の中央には中央装置（センター役物）２４が配置されている。中央装置２４には、普通図柄表示装置２５が設けられている。普通図柄表示装置２５は任意の図柄を表示可能な図柄表示部２５ａを備えている。普通図柄表示装置２５として、液晶表示装置やドットマトリクス等を用いることができる。なお、普通図柄表示装置２５は本発明の可変表示手段の一具体例を示すものである。
【００２９】
普通図柄表示装置２５の図柄表示部２５ａには、図示を省略しているが、複数の普通図柄（識別図柄）を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する普通図柄表示領域（識別情報表示領域）が設けられている。具体的には、左図柄を表示する左図柄表示領域、中図柄を表示する中図柄表示領域、及び右図柄を表示する右図柄表示領域が、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。各普通図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、例えば「０」〜「７」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。
【００３０】
普通図柄作動ゲート２６は、中央装置２４の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート２６の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓが設けられている。普通図柄作動ゲート２６を遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置２５は普通図柄の変動表示を開始する。
【００３１】
本実施例では、当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過した際に、始動口（普通電動役物）２８を作動させるか否かの当否判定に用いられる。当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当り値と一致する場合に当りと判定される。
【００３２】
普通図柄表示装置２５は、遊技球が始動口２８に入球することにより、図柄表示部２５ａに表示される各普通図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に停止表示させる。図柄表示部２５ａで停止表示される普通図柄は、当否判定にて当りと判定された場合には、例えば「７・７・７」や「３・３・３」といった同一数字揃い（いわゆるゾロ目）からなる当り図柄の組合せに決定され、当否判定にて外れと判定された場合には、上記当り図柄以外の組合せからなる外れ図柄（例えば「１・２・３」や「７・３・７」といった、いわゆるバラケ目）に決定される。そして、普通図柄が予め設定された当り図柄の組合せで停止表示すると、始動口（普通電動役物）２８が開放される。
【００３３】
普通図柄表示装置２５の下方には、普通図柄保留表示部２７が設けられている。普通図柄保留表示部２７は４個のＬＥＤからなり、普通図柄変動中に普通図柄作動ゲート２６を通過した遊技球の数を４個まで保留可能とし、通過毎にＬＥＤが１つずつ点灯し普通図柄保留数を表示するものである。次回の変動表示が開始するたびに未始動回数（保留数）が消化され、普通図柄保留表示部２７のＬＥＤが１つずつ消灯し普通図柄保留数が１個ずつ減少する。
【００３４】
始動口２８は、普通図柄表示装置２５の中央位置の上方に設けられている。始動口２８は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するように形成されている。始動口２８の内部には、遊技球の通過を検知する始動口入賞検知スイッチ２８ｓ（図４参照）と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド２８ｃ（図６参照）とが備えられている。始動口２８の上方には突起部２９が設けられており、一対の翼片部が直立状態となったときには遊技球が入球しない閉鎖状態となり、一対の翼片部が左右に開くと遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。
【００３５】
始動口２８の開放時間は、合計６秒となるように設定されている。始動口２８の開放パターンとしては、２秒間×３回開放するパターンと、３秒間×２回開放するパターンと、６秒間×１回開放するパターンから選択することができる。遊技球が始動口２８に入球することで、大入賞口３０、３１が所定時間（本例では０．５秒）開放する。なお、大入賞口３０、３１が開放しているときに遊技球が始動口２８に入球した場合は、その入球に基づく大入賞口３０、３１の開放は行われず、賞球の払い出しのみが行われることとなる。
【００３６】
大入賞口３０、３１は、中央装置２４の両側面に設けられている。中央装置２４の左側面に第１大入賞口３０が設けられ、中央装置２４の右側面に第２大入賞口３１が設けられている。大入賞口３０、３１には、大入賞口３０、３１を開閉するための大型の翼片部が設けられている。大入賞口３０、３１の内部には、遊技球の通過を検知する大入賞口入球検知スイッチ３０ｓ、３１ｓ（図６参照）と、翼片部を作動させるための大入賞口ソレノイド３０ｃ、３１ｃ（図６参照）とが備えられている。なお、大入賞口３０、３１が本発明の可変入球口の一具体例を示している。
【００３７】
大入賞口３０、３１の翼片部は、下端を中心として左右に回動可能となっており、翼片部が回動することで大入賞口３０、３１が開閉する。大入賞口３０、３１が閉鎖した状態では、遊技球は大入賞口３０、３１に入球不可能となっている。一方、大入賞口３０、３１が開放した状態では、翼片部が左右に大きく開いた状態となるので、遊技球は翼片部によって容易に大入賞口３０、３１の内部に導入される。これらの大入賞口３０、３１に遊技球が入球することで、所定個数（本例では９個）の遊技球が賞球として払い出される。
【００３８】
中央装置２４における普通図柄保留表示部２７の下方には、複数の特定領域３２が設けられている。特定領域３２は遊技球が入球可能な複数（本例では９つ）の入球口から構成されている。大入賞口３０、３１に入球した遊技球は、複数の特定領域３２のいずれかに入球する。
【００３９】
普通図柄保留表示部２７と特定領域３２との間には、障害部材３３が設けられている。障害部材３３は、各特定領域３２への入球確率を調整するために多数の障害釘として構成されている。４番と６番の入球口は、遊技球が入球することで後述する特定の態様を成立させやすくなる遊技者に有利な入球口なので、障害部材３３の配列によって、他の入球口（１番〜３番、５番、および７番〜９番）に比べ入球困難となっている。
【００４０】
特定領域３２の内部には、各入球口への遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ３２ｓ（図６参照）が設けられている。特定領域３２の前面側には、特定領域３２に対応した複数の入賞図柄（本例では「１」〜「９」）を有する入賞図柄表示装置３４が設けられている。入賞図柄表示装置３４では、遊技球の入球が検知された特定領域３２に対応する入賞図柄が点灯表示する。点灯表示した入賞図柄で特定の態様が成立した場合に条件装置が作動開始する。条件装置が作動開始する「特定の態様」は任意に設定することができるが、本実施例では２以上の入賞図柄が連続して点灯表示する場合としている。なお、入賞図柄表示装置３４は本発明の入賞図柄表示手段の一具体例を示している。
【００４１】
条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。具体的には、条件装置は、後述の主制御部２００を主体として構成され、入賞図柄が特定の態様で点灯表示されることで作動を開始し、役物連続作動装置を作動させるものである。役物連続作動装置とは、後述の主制御部２００を主体として構成され、大入賞口（特別電動役物）３０、３１を連続して開放状態にする装置である。
【００４２】
役物連続作動装置の作動開始により、大入賞口３０、３１が連続して開放する特別遊技状態（大当たり状態）が開始される。特別遊技機状態は、大入賞口３０、３１を開放させることで、大入賞口３０、３１への遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものである。なお、主制御部２００が本発明の特別遊技状態発生手段に相当している。特別遊技状態は、後述の特別電動役物遊技処理Ｓ５００（図１７参照）が繰り返し実行されることによって実現される。
【００４３】
大入賞口３０、３１が開放することで遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口３０、３１が閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口３０、３１の開放時間が所定開放時間に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口３０、３１に入球した遊技球数が所定数（本実施例では１０個）に達したときとすることができる。「所定開放時間」は、例えば大入賞口３０、３１を連続して開放した場合（例えば３０秒間×１回の開放）の１回の開放時間であってもよく、短時間の開放を複数回繰り返した場合（例えば１秒間×１８回の開放）の合計開放時間でもよい。
【００４４】
この遊技球受入状態の開始から所定の終了条件成立により閉鎖状態となるまでを１ラウンドとした場合、上述の役物連続作動装置は、所定数のラウンドが終了したときに作動終了する。大入賞口３０、３１は、遊技球受入状態が終了してから所定時間（例えば０．５秒）が経過した後に、再び開放して遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このようなラウンドの開始から終了までを１ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の継続ラウンド数が終了して役物連続作動装置の作動が終了するまで繰り返し継続される。
【００４５】
また、本実施例では、入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定するように構成されている。本実施例では、連続して点灯表示した入賞図柄の連続数に基づいて継続ラウンド数を決定している。具体的には、入賞図柄が２連続で点灯表示（例えば、「１」・「２」が点灯表示）した場合には継続ラウンド数を２ラウンドとし、入賞図柄が３連続で点灯表示した場合（例えば、「１」・「２」・「３」が点灯表示）には継続ラウンド数を５ラウンドとし、入賞図柄が４連続以上で点灯表示（例えば、「１」・「２」・「３」・「４」が点灯表示）した場合には継続ラウンド数を１５ラウンドとしている。
【００４６】
図２に示すように、遊技領域２１における中央装置２４の左下には、第１の左入賞口３５及び第２の左入賞口３６がそれぞれ設けられている。これらの内部には、それぞれ左入賞口通過検知スイッチ３５ｓ、３６ｓ（図６参照）が設けられている。中央装置２４の右下には、第１の右入賞口３７と第２の右入賞口３８とが設けられている。これらの内部には、右入賞口通過検知スイッチ３７ｓ、３８ｂ（図６参照）が設けられている。
【００４７】
次に、本実施例の遊技機１の裏面構造について図３に基づいて説明する。図３は遊技機１の裏機構盤１０２の正面図である。
【００４８】
図３に示すように、裏機構盤１０２は中枠３における遊技盤２０の反対面に設けられており、一対のヒンジ１０３により中枠３に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤１０２の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ１０４を底部に備えた賞球タンク１０５が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ１０４は、賞球タンク１０５内に遊技球が存在する場合にはオン出力となり、賞球タンク１０５内に遊技球が存在しない場合にはオフ出力となる。賞球タンク１０５には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク１０５の下方には、賞球タンク１０５と接続したタンクレール１０６が設けられている。タンクレール１０６は、賞球タンク１０５の底部から遊技球払出装置１０９の上方まで傾斜して形成されている。賞球タンク１０５内の遊技球は、賞球タンク１０５の底部からタンクレール１０６を流下する。
【００４９】
タンクレール１０６の右側には、球抜きレバー１０７が設けられている。球抜きレバー１０７の下流側には、遊技球払出装置１０９が設けられている。また、タンクレール１０６の下流側であって、遊技球払出装置１０９の上方には、タンクレール１０６を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置１０９に誘導するためのケースレール（遊技球誘導通路）１０８が設けられている。
【００５０】
タンクレール１０６の下方には、前面側に演出図柄表示装置２４が取り付けられ、背面側にランプインターフェース基板ケース１１２、図柄制御基板ケース１１３、音ランプ制御基板ケース１１４がそれぞれ取り付けられた裏ケース１１１が設けられている。裏ケース１１１の下方には主制御基板ケース１１５が設けられ、主制御基板ケース１１５の下方には電源基板ケース１１６が設けられ、裏機構盤１０２の右下方部には、払出制御基板ケース１１８が設けられている。これらの基板ケースには、後述の各種制御基板が格納されている。
【００５１】
裏機構盤１０２の右上方部には、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板１２２が設けられている。
【００５２】
次に、本実施例の遊技機１の電子制御装置について、図４に基づいて説明する。図４は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【００５３】
図４に示すように、電子制御装置は、主制御部（遊技制御部）２００と、その主制御部２００に接続された副制御部２３０、２６０及び２８０とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部（払出制御部）２３０、音ランプ制御部２６０及び図柄制御部２８０から構成される。主制御部２００は主制御基板２００ａを備え、副制御部２３０、２６０及び２８０は周辺制御基板として払出制御基板２３０ａ、音ランプ制御基板２６０ａ及び図柄制御基板２８０ａをそれぞれ備えている。
【００５４】
主制御部２００は、遊技の進行を司るものであり、各副制御部２３０、２６０及び２８０に処理内容を指示する指令信号（コマンドデータ）を送信し、各副制御部２３０、２６０及び２８０は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【００５５】
例えば、主制御部２００から払出制御部２３０には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。また、主制御部２００から音ランプ制御部２６０には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。
【００５６】
主制御部２００から図柄制御部２８０には、音ランプ制御部２６０を介して、普通図柄の表示制御を指示する普通図柄表示制御コマンドや本特別図柄の表示制御を指示する本特別図柄表示制御コマンドを含む各種図柄制御コマンドが送信される。
【００５７】
各制御部２００、２３０、２６０及び２８０には、主電源１２９と接続された電源受電基板１２８から電源基板１２７と電源中継基板１２１とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板１２７および電源中継基板１２１を介して各制御部２００、２３０、２６０及び２８０に送信される。なお、本実施例の遊技機１は、電源断時に主制御部２００及び払出制御部２３０に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部（図示略）を備えており、電源断時にも主制御部２００及び払出制御部２３０のＲＡＭデータが保持される。
【００５８】
図５は、主制御部２００の主制御基板２００ａに設けられたＣＰＵ４００の構成を示すブロック図である。図５に示すように、ＣＰＵ４００は、ＣＰＵコア４０１、内蔵ＲＡＭ４０２（以下、単にＲＡＭともいう）、内蔵ＲＯＭ４０３（以下、単にＲＯＭともいう）、メモリ制御回路４０４、クロック発生器４０５、アドレスデコーダ４０６、ウォッチドッグタイマ４０７、カウンタ／タイマ４０８、パラレル入出力ポート４０９、リセット／割り込みコントローラ４１０、外部バスインターフェース４１１及び出力制御回路４１２を備えている。
【００５９】
ＣＰＵ４００は、ＲＯＭ４０３に格納された制御プログラムにより、ＲＡＭ４０２をワークエリアとして遊技機１全体の作動制御（遊技の基本進行制御）を司る。また、主制御部２００は、ＣＰＵ４００が主体となって、ＲＯＭ４０３に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部２００の制御周期は４ｍｓに設定されている。
【００６０】
図４に戻り、主制御部２００には、盤用外部端子基板２０１、始動口入賞検知スイッチ２８ｓ、普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓ、盤面中継基板２１０及び遊技枠中継基板２２０が接続されている。始動口入賞検知スイッチ２８ｓは、始動口２８に遊技球が入球したことを検知するものである。普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓは、普通図柄作動ゲート２６を遊技球が通過したことを検知するものである。
【００６１】
盤用外部端子基板２０１には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、遊技機用として使用されるものであり、賞球信号、入球口入球信号などの信号を試験装置に送出することができる。
【００６２】
次に、盤面中継基板２１０を図６に基づいて説明する。図６は、盤面中継基板２１０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板２１０は、遊技盤２０面に設けられた各種スイッチ等と主制御部２００との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【００６３】
図６に示すように、盤面中継基板２１０には、特定領域入球検知スイッチ３２ｓ、入賞口通過検知スイッチ３５ｓ、３６ｓ、３７ｓ、３８ｓ、大入賞口入球検知スイッチ３０ｓ、３１ｓ、各種ソレノイド２８ｃ、３０ｃ、３１ｃが接続されている。
【００６４】
特定領域入球検知スイッチ３２ｓは、特定領域３２のいずれかの入球口への遊技球の入球を検知するものである。入賞口通過検知スイッチ３５ｓ、３６ｓ、３７ｓ、３８ｓは、各入賞口３５、３６、３７、３８への遊技球の入球を検知するものである。大入賞口入球検知スイッチ３０ｓ、３１ｓは、大入賞口３０、３１に遊技球が入球したことを検知するものである。これらの遊技球検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。各種ソレノイド２８ｃ、３０ｃ、３１ｃとしては、始動口２８を開閉するための始動口ソレノイド２８ｃ、大入賞口３０、３１を開閉するための大入賞口ソレノイド３０ｃ、３１ｃ等がある。
【００６５】
次に、遊技枠中継基板２２０を図７に基づいて説明する。図７は、遊技枠中継基板２２０に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板２２０は、主に中枠３に設けられた各種スイッチ等と主制御部２００との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【００６６】
図７に示すように、枠中継基板２２０には、発射球カウントスイッチ２２１、ファール球検出スイッチ２２２が接続されている。さらに枠中継基板２２０には、後述の球送り中継基板２５１を介して球送りカウントスイッチ２５４が接続されている。
【００６７】
発射球カウントスイッチ２２１は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。ファール球検出スイッチ２２２は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域２１に到達しないで、下皿部６に戻ってきた遊技球を検知するものである。球送りカウントスイッチ２５４は、上皿部５から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするものである。
【００６８】
次に、図４に戻り、払出制御部２３０について説明する。図４に示すように、払出制御部２３０には、枠用外部端子基板１２２、スイッチ中継端子基板２３１、ＣＲ接続基板２３４、発射制御部２５０等が接続されている。スイッチ中継端子基板２３１には、タンク球切れスイッチ２３２、下皿満タンスイッチ２３３が接続されている。タンク球切れスイッチ２３２は、枠用外部端子基板１２２にも接続されている。
【００６９】
タンク球切れスイッチ２３２は、賞球タンク１０５内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ２３２の球切れ信号は、枠用外部端子基板１２２を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク１０５に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ２３３は、下皿部６の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部２３０の払出制御基板２３０ａは、上記図５で示した主制御基板２００ａのＣＰＵ４００と同様の構成を有するＣＰＵを備えている。本実施例の払出制御部２３０の制御周期は、主制御部２００より短い１ｍｓに設定されている。
【００７０】
払出制御部２３０を図８に基づいてさらに説明する。図８は、払出制御部２３０に対する信号の入出力を示すブロック図である。図８に示すように、払出制御部２３０には、ＣＲ接続基板２３４を介してプリペイドカードユニット１３及びＣＲ表示基板２３５が接続されている。ＣＲ表示基板２３５には、貸球ボタン２３６と返却ボタン２３７が接続されている。ＣＲ表示基板２３５は、ＣＲユニット１３との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
【００７１】
また、払出制御部２３０には、払出ユニット中継端子板２３９を介して払出モータ１０９ｆ及び払出センサ１０９ｊ、１０９ｋが接続され、状態表示ＬＥＤ中継端子板２４０を介して賞球表示ＬＥＤ基板２４１及びエラー表示ＬＥＤ基板２４２が接続されている。払出センサ１０９ｊ、１０９ｋは、遊技球払出装置１０９で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置１０９で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
【００７２】
賞球表示ＬＥＤ基板２４１及びエラー表示ＬＥＤ基板２４２は、それぞれ賞球表示ＬＥＤ表示部４ｇ及びエラーＬＥＤ表示部４ｈ（図１参照）に対応している。賞球表示ＬＥＤ基板２４１のＬＥＤは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーＬＥＤ基板２４２のＬＥＤはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示ＬＥＤ基板２４２は複数種類のＬＥＤを備えており、エラーＬＥＤ表示部４ｈは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーＬＥＤ表示部４ｈは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
【００７３】
次に、発射制御部２５０を図９に基づいて説明する。図９は、発射制御部２５０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図９に示すように、発射制御部２５０には、発射ハンドル８、原点センサ２５１、発射モータ２５２、球送り中継端子板２５３等が接続されている。発射ハンドル８から発射制御部２５０には、遊技者が発射ハンドル８を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチ（図示略）からの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル８に触れているかどうかを示すタッチスイッチ８ａからのタッチ信号等が入力する。
【００７４】
原点センサ２５１は、発射モータ２５２の回転軸が所定の原点位置（原点角度）にあるかどうかを検知するものである。発射モータ２５２は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域２１に打ち込むための槌を稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル８を操作することにより作動する。
【００７５】
球送り中継端子板２５３には、上皿部５に貯留された遊技球を１個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド（図示略）、球送りカウントスイッチ２５４が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ２５４からの信号は遊技枠中継基板２２０を介して主制御部２００に送信される。上記原点センサ２５１の信号は、発射制御部２５０を介して、払出制御部２３０に送信される。
【００７６】
次に、音ランプ制御部２６０を図１０に基づいて説明する。図１０は、音ランプ制御部２６０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部２６０に設けられた音ランプ制御基板２６０ａには、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力ポート等を有する演算回路構成要素（図示略）とサウンドジェネレータ（図示略）が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部２００に接続されている。
【００７７】
図１０に示すように、音ランプ制御部２６０には、ランプインタフェース基板２６１を介して、入賞図柄ＬＥＤ基板２６２、各種盤面ＬＥＤ基板２６３、各種遊技枠部ＬＥＤ基板２６４等が接続されている。ランプインターフェース基板２６１は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、音ランプ制御基板２６０ａから独立した別基板として構成されている。
【００７８】
入賞図柄ＬＥＤ基板２６２は、特定領域３２のいずれかに遊技球が入球した際に、対応する入賞図柄表示装置３４のＬＥＤを点灯させるためのものである。盤面ＬＥＤ基板２６３および遊技枠ＬＥＤ基板２６４には、遊技効果ＬＥＤ基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
【００７９】
さらに、音ランプ制御部２６０にはアンプ基板２６５が接続されている。アンプ基板２６５にはスピーカ２６６および音量スイッチ基板２６７が接続されている。スピーカ２６６からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板２６７は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ２６６の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御部２６０には、モード切替スイッチ２６８が設けられている。モード切替スイッチ２６８はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ２６８により、演出図柄表示装置２４における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
【００８０】
次に、図柄制御部２８０を図１１に基づいて説明する。図１１は、図柄制御部２８０に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部２８０に設けられた図柄制御基板２８０ａには、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、入出力ポート、ＶＤＰ（ビデオディスプレイプロセッサ）等を有する演算回路構成要素（図示略）が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部２００に接続されている。
【００８１】
図１１に示すように、図柄制御部２８０には、普通図柄表示装置２５を作動させる図柄表示装置基板２８１が接続されている。図柄制御部２８０は、ＣＰＵがＲＯＭに格納された制御プログラムに従ってＲＡＭをワークエリアとして普通図柄表示装置２５の表示制御を行う。また、図柄制御基板２８０ａのＲＯＭには、普通図柄の変動態様や停止図柄等の図柄画像データが格納されている。
【００８２】
次に、本実施例の遊技機１の作動を図１２〜図１９のフローチャートに基づいて説明する。図１２は、主制御部２００のＲＯＭに格納されたプログラムに基づいてＣＰＵ４００が実行するメインジョブの一例を示している。図１２に示すメインジョブは、電源投入処理Ｓ１００を実行した後、遊技開始処理Ｓ２００、普通図柄遊技処理Ｓ３００、普通電動役物遊技処理Ｓ４００、特別電動役物遊技処理Ｓ５００、特別遊技処理Ｓ６００の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、リセット周期は２ｍｓに設定されている。
【００８３】
電源投入処理Ｓ１００を図１３のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う（Ｓ１０１）。具体的には、スタックポインタをＲＡＭの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、ＲＡＭのアクセスを許可する。
【００８４】
次に、ＲＡＭクリアスイッチが押されている場合、あるいは、ＲＡＭにバックアップフラグ（電源断の発生情報）が設定されていない場合には、電源投入時と判定してＲＡＭ初期化処理を行い、その後リターンする（Ｓ１０２、Ｓ１０３、Ｓ１０４）。ＲＡＭ初期化処理としては、ＣＰＵ周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、ＲＡＭの全領域を０クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
【００８５】
一方、ＲＡＭにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したＲＡＭの内容からチェックサムを算出して（Ｓ１０５）、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する（Ｓ１０６）。これらのチェックサムが一致しない場合にはＲＡＭの内容が壊れていると判定し、上記Ｓ１０４のＲＡＭ初期化処理を行う。ＲＡＭの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う。
【００８６】
まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、ＣＰＵ周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
【００８７】
次に、遊技開始処理Ｓ２００を図１４のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部２００に接続されているＲＡＭクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み（Ｓ２０１）、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する（Ｓ２０２）。
【００８８】
次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う（Ｓ２０３）。具体的には、上述のＲＡＭに設定された乱数カウンタの値を、初期値（例えば０）から所定値（例えば２５５）の間で１ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
【００８９】
次に、Ｓ２０４〜Ｓ２０７の賞球制御を行う。まず、入賞口スイッチにより各入賞口をチェックし、遊技球が入賞口に入賞（入球）した場合には、入賞検知情報をＲＡＭに保存する（Ｓ２０４、Ｓ２０５）。次に、保存した賞球検知情報がある場合には、払出制御部２３０に獲得遊技球に対応した賞球数指定コマンドを送信する（Ｓ２０６、Ｓ２０７）。
【００９０】
次に、普通図柄遊技処理Ｓ３００を図１５（ａ）、図１５（ｂ）のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通図柄作動ゲート検知スイッチ２６ｓにより、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過したか否かを判定する（Ｓ３０１）。この結果、遊技球が普通図柄作動ゲート２６を通過したと判定された場合には（Ｓ３０１：ＹＥＳ）、普通図柄表示装置２７の作動保留数が４未満であるか否かを判定し（Ｓ３０２）、普通図柄保留数が４未満の場合には（Ｓ３０２：ＹＥＳ）、普通図柄当否判定用の乱数を記憶する（Ｓ３０３）。
【００９１】
次に、役物連続作動装置が作動しているか否かを判定する（Ｓ３０４）。この結果、役物連続作動装置が作動していると判定された場合には（Ｓ３０４：ＹＥＳ）、そのままリターンする。一方、役物連続作動装置が作動していないと判定された場合には（Ｓ３０４：ＮＯ）、特別電動役物が作動しているか否か、すなわち大入賞口３０、３１が開放しているか否かを判定する（Ｓ３５０）。
【００９２】
この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動していると判定された場合には（Ｓ３０５：ＹＥＳ）、そのままリターンする。一方、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動していないと判定された場合には（Ｓ３０５：ＮＯ）、始動口（普通電動役物）２８が作動中か否かを判定する（Ｓ３０６）。この結果、始動口（普通電動役物）２８が作動中であると判定された場合には（Ｓ３０６：ＹＥＳ）、そのままリターンし、始動口（普通電動役物）２８が作動中でないと判定された場合には（Ｓ３０６：ＮＯ）、普通図柄が変動中か否かを判定する（Ｓ３０７）。
【００９３】
この結果、普通図柄が変動中でないと判定された場合には（Ｓ３０７：ＮＯ）、普通図柄の停止表示時間中か否かを判定し（Ｓ３０８）、普通図柄表示時間中であると判定された場合には（Ｓ３０８：ＮＯ）、後述のＳ３１６の処理に移行し、普通図柄表示時間中でないと判定された場合には（Ｓ３０８：ＹＥＳ）、普通図柄保留数がゼロか否かを判定する（Ｓ３０９）。
【００９４】
この結果、普通図柄保留数がゼロであると判定された場合は（Ｓ３０９：ＹＥＳ）、そのままリターンし、普通図柄保留数がゼロでないと判定された場合は（Ｓ３０９：ＮＯ）、普通図柄当否判定を行い（Ｓ３１０）、普通図柄の変動時間を設定し（Ｓ３１１）、普通図柄の変動を開始する（Ｓ３１２）。
【００９５】
上記Ｓ３０７で普通図柄が変動中であると判定された場合には（Ｓ３０７：ＹＥＳ）、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し（Ｓ３１３）、普通図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ３１３：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、普通図柄の変動時間が経過していると判定された場合には（Ｓ３１３：ＹＥＳ）、普通図柄の変動を停止し（Ｓ３１４）、普通図柄の停止表示間を設定する（Ｓ３１５）。
【００９６】
次に、普通図柄の停止表示間が経過したか否かを判定し（Ｓ３１６）、普通図柄の停止表示間が経過していないと判定された場合には（Ｓ３１６：ＮＯ）、そのままリターンし、普通図柄の停止表示間が経過していると判定された場合には（Ｓ３１６：ＹＥＳ）、普通図柄の停止図柄が始動口（普通電動役物）２８を作動（開放）させることとなる当り図柄の組合せか否かを判定する（Ｓ３１７）。この結果、普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せであると判定された場合には（Ｓ３１７：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８の作動を開始（始動口２８を開放）させ（Ｓ３１８）、普通図柄の停止図柄が当り図柄の組合せでないと判定された場合には（Ｓ３１７：ＮＯ）、そのままリターンする。なお、本実施例では、Ｓ３１８の処理において始動口２８が開放する際、その開放時間は通じて６秒（例えば、２秒間×３回開放、３秒間×２回開放、６秒間×１回開放など）としている。
【００９７】
次に、普通電動役物遊技処理Ｓ４００を図１６のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口（普通電動役物）２８が作動中（開放中）であるか否かを判定し（Ｓ４０１）、始動口（普通電動役物）２８が作動中（開放中）でないと判定された場合には（Ｓ４０１：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、始動口（普通電動役物）２８が作動中（開放中）であると判定された場合には（Ｓ４０１：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８に遊技球が入賞（入球）したか否かを判定する（Ｓ４０２）。
【００９８】
この結果、始動口（普通電動役物）２８に遊技球が入賞していないと判定された場合には（Ｓ４０２：ＮＯ）、後述のＳ４０５に移行し、始動口（普通電動役物）２８に遊技球が入賞していると判定された場合には（Ｓ４０２：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であるか否かを判定する（Ｓ４０３）。
【００９９】
この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であると判定された場合には（Ｓ４０３：ＹＥＳ）、後述のＳ４０５に移行し、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）でないと判定された場合には（Ｓ４０３：ＮＯ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１を１回作動（開放）させる（Ｓ４０４）。なお、本実施例では、Ｓ４０４の処理による大入賞口３０、３１の開放時間を、０．５秒としている。
【０１００】
次に、始動口（普通電動役物）２８の作動時間（開放時間）が経過したか否かを判定し（Ｓ４０５）、始動口（普通電動役物）２８の作動時間（開放時間）が経過していないと判定された場合には（Ｓ４０５：ＮＯ）、普通電動役物に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する（Ｓ４０６）。
【０１０１】
この結果、普通電動役物に規定入賞数の入賞がないと判定された場合は（Ｓ４０６：ＮＯ）、そのままリターンし、普通電動役物に規定入賞数の入賞があったと判定された場合と（Ｓ４０６：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８の作動時間（開放時間）が経過していると判定された場合には（Ｓ４０５：ＹＥＳ）、始動口（普通電動役物）２８の作動を停止（始動口２８を閉鎖）する（Ｓ４０７）。
【０１０２】
次に、特別電動役物遊技処理Ｓ５００について図１７のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通電動役物が作動中であるか否かを判定し（Ｓ５０１）、普通電動役物（始動口２８）が作動中であると判定された場合には（Ｓ５０１：ＹＥＳ）、そのままリターンし、普通電動役物（始動口２８）が作動中でないと判定された場合には（Ｓ５０１：ＮＯ）、入賞図柄表示装置３４で点灯表示されている入賞図柄の連続点灯数が２であるか否かを判定する（Ｓ５０２）。
【０１０３】
この結果、入賞図柄の連続点灯数が２であると判定された場合には（Ｓ５０２：ＹＥＳ）、特別遊技状態の継続ラウンド数を２ラウンドに設定し（Ｓ５０３）、役物連続作動装置を作動開始させ（Ｓ５０４）、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０４】
一方、入賞図柄の連続点灯数が２でないと判定された場合には（Ｓ５０２：ＮＯ）、入賞図柄表示装置３４で点灯表示されている入賞図柄の連続点灯数が３であるか否かを判定する（Ｓ５０６）。この結果、入賞図柄の連続点灯数が３であると判定された場合には（Ｓ５０６：ＹＥＳ）、特別遊技状態の継続ラウンド数を５ラウンドに設定し（Ｓ５０７）、役物連続作動装置を作動開始させ（Ｓ５０４）、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０５】
一方、入賞図柄の連続点灯数が２でないと判定された場合には（Ｓ５０６：ＮＯ）、入賞図柄表示装置３４で点灯表示されている入賞図柄の連続点灯数が４以上であるか否かを判定する（Ｓ５０８）。
【０１０６】
この結果、入賞図柄の連続点灯数が４以上であると判定された場合には（Ｓ５０８：ＹＥＳ）、特別遊技状態の継続ラウンド数を１５ラウンドに設定し（Ｓ５０９）、役物連続作動装置を作動開始させ（Ｓ５０４）、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０７】
一方、入賞図柄の連続点灯数が４以上でないと判定された場合、すなわち入賞図柄が２以上連続して点灯表示していないと判定された場合には（Ｓ５０８：ＮＯ）、役物連続作動装置を作動開始させず、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を消灯する（Ｓ５０５）。
【０１０８】
なお、入賞図柄表示装置３４の入賞図柄の点灯表示は次のようにして行われる。まず、前述のＳ３１８の処理によって始動口２８が開放中（普通電動役物が作動中）となる６秒間において、始動口２８に遊技球を入球させる。そして、始動口２８への遊技球の入球毎に、前述のＳ４０４の処理によって０．５秒間開放される大入賞口３１、３２に遊技球を入球させると、その入球した遊技球が特定領域３２の何れかの領域を通過する。この遊技球の通過により、対応する入賞図柄が点灯表示されることとなる。
【０１０９】
したがって、Ｓ５０２、Ｓ５０３およびＳ５０４で判定される入賞図柄の連続点灯数は、始動口２８への遊技球の入球個数と、大入賞口３１、３２への遊技球の入球個数によって、大きく左右される。つまり、本実施例では、始動口２８に遊技球を入球させつつ大入賞口３１、３２にも遊技球を入球させる必要があるため、従来には無い興趣の高い遊技性を実現できる。
【０１１０】
次に、特別遊技処理Ｓ６００を図１８のフローチャートに基づいて説明する。
【０１１１】
まず、役物連続作動装置が作動中であるか否かを判定する（Ｓ６０１）。この結果、役物連続作動装置が作動中でないと判定された場合には（Ｓ６０１：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、役物連続作動装置が作動中であると判定された場合には（Ｓ６０１：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であるか否かを判定する（Ｓ６０２）。
【０１１２】
この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）であると判定された場合には（Ｓ６０２：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動終了条件（閉鎖条件）が成立しているか否かを判定する（Ｓ６０３）。この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動終了条件（閉鎖条件）が成立していないと判定された場合には（Ｓ６０３：ＮＯ）、そのままリターンする。一方、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動終了条件（閉鎖条件）が成立していると判定された場合には（Ｓ６０３：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動を停止（大入賞口３１、３２を閉鎖）する（Ｓ６０４）。
【０１１３】
上記Ｓ６０２で大入賞口（特別電動役物）３０、３１が作動中（開放中）でないと判定された場合には（Ｓ６０２：ＮＯ）、役物連続作動装置の作動終了条件（特別遊技状態終了条件）が成立しているか否かを判定する（Ｓ６０５）。この結果、役物連続作動装置の作動終了条件（特別遊技状態終了条件）が成立していないと判定された場合には（Ｓ６０５：ＮＯ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動停止時間（閉鎖時間）が経過しているか否かを判定する（Ｓ６０６）。この結果、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動停止時間（閉鎖時間）が経過していないと判定された場合には（Ｓ６０６：ＮＯ）、そのままリターンし、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動停止時間（閉鎖時間）が経過していると判定された場合には（Ｓ６０６：ＹＥＳ）、大入賞口（特別電動役物）３０、３１の作動を開始（大入賞口３０、３１を開放）する（Ｓ６０７）。
【０１１４】
上記Ｓ６０５で役物連続作動装置の作動終了条件（特別遊技状態終了条件）が成立していると判定された場合には（Ｓ６０５：ＹＥＳ）、役物連続作動装置の作動を停止（特別遊技状態を終了）する（Ｓ６０８）。
【０１１５】
次に、電源断発生処理Ｓ７００を図１９のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
【０１１６】
まず、使用レジスタをＲＡＭに退避し、スタックポインタの値を保存する（Ｓ７０１、Ｓ７０２）。次に、遊技球払出装置１０９の賞球残数を確認するために、払出センサ１０９ｊの監視を所定時間（本例では８４ｍｓ）行い、２１２ｂを通過する遊技球の監視を所定時間（本例では８４ｍｓ）行う（Ｓ７０３、Ｓ７０４）。次に、チェックサムを算出して保存し、バックアップフラグをセットする（Ｓ７０５、Ｓ７０６）。次に、ＲＡＭへのアクセスを禁止し、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行う（Ｓ７０７）。ＲＡＭデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理Ｓ１００に移る。
【０１１７】
以上のように、大入賞口３０、３１に入球した遊技球が通過する特定領域３２を複数設け、遊技球が通過した特定領域３２に対応して点灯表示する入賞図柄で特定の態様が成立したことを特別遊技状態の発生条件とすることで、入賞図柄の組み合わせを成立させるというアレンジボール遊技機（組合せ式遊技機）の遊技性をパチンコ遊技機に取り入れることができる。これにより、パチンコ遊技機に新たな遊技性を付与することができ、興趣を向上させることができる。
【０１１８】
（第２実施例）
次に、本発明の第２実施例について図２０に基づいて説明する。本第２実施例は、上記第１実施例と比較して、主に特別遊技状態の継続ラウンド決定方法が異なっている。以下、上記第１実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【０１１９】
上記第１実施例では、特別遊技状態を開始する際に入賞図柄表示装置３４の入賞図柄で成立した表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定するように構成したが、本第２実施例では、特別遊技状態の開始後における各ラウンドで次のラウンドが継続するか否かが決定される。本実施例では、１ラウンド中に成立した入賞図柄表示装置３４で点灯表示される入賞図柄が所定のラウンド継続態様となることが次のラウンドの継続条件となっている。１ラウンド中に入賞図柄で所定のラウンド継続態様が成立した場合には、所定のラウンド数（本例では１５ラウンド）を上限として１ラウンドずつラウンドが継続される。本実施例では、「所定のラウンド継続態様」を入賞図柄表示装置３４で点灯表示される入賞図柄が所定数連続して点灯表示した場合としている。
【０１２０】
具体的には、特別遊技状態開始後の１ラウンド〜４ラウンドにおいては、入賞図柄が３連続で点灯表示した場合（例えば入賞図柄の表示態様が「１・２・３」や「７・８・９」となった場合）に次のラウンドが継続し、５ラウンド以降においては入賞図柄が４連続で点灯表示した場合（例えば入賞図柄の表示態様が「１・２・３・４」や「６・７・８・９」となった場合）に次のラウンドが継続する。
【０１２１】
本実施例の遊技機１は、１ラウンド中に次回ラウンドが継続する条件が成立した時点、すなわち入賞図柄が３連続または４連続で点灯表示するラウンド継続態様が成立した時点で、そのラウンドが終了する。このため、１ラウンドで大入賞口３０、３１に入球可能な遊技球数の上限（本例では１０個）に達する前に次回ラウンドが継続する条件が成立した場合には、そのラウンドで得られる賞球数が少なくなる。このため、本実施例では、１ラウンドで大入賞口３０、３１に入球可能な遊技球数の上限に達する前に入賞図柄でラウンド継続態様が成立しないようにしている。
【０１２２】
図２０は、本第２実施例の特定領域３２の周辺を示している。図２０に示すように、本実施例では、特定領域における５番の入球口の上方に、当該入球口への遊技球の入球を困難にする３本の障害釘（三角釘）が配置されている。この５番の入球口は、入球が困難に設定された４番、６番の入球口（第１実施例参照）よりも、更に入球が困難に設定されている。また、特定領域３２における特定の入球口の上方には、停留部材４０が設けられている。本実施例では、３番と７番の入球口の上方に停留部材４０が設けられている。停留部材４０は、図示しないソレノイドにより遊技盤２０の表裏方向に移動可能となっており、先端が遊技盤２０から突出した停留状態と先端が遊技盤２０と同一面に位置する停留解除状態とを切り替えることができる。
【０１２３】
特別遊技状態におけるラウンド開始から所定数の遊技球が大入賞口３０、３１への入球が確認できるまで突出状態となっている。このとき、特定領域３２の３番または７番の入球口に遊技球が流下してきた場合、停留部材４０上で遊技球が停留される。このため、特定領域３２における入球容易な１番、２番、８番、９番や、それら入球容易な入球口に比べ入球が困難な４番、６番の入球口に遊技球が入球しても、３番、５番、７番の入球口には遊技球が入球しないので、入賞図柄表示装置３４で点灯表示される入賞図柄でラウンド継続態様が成立しない。
【０１２４】
停留部材４０は、１ラウンドの終了条件が成立したとき、すなわち大入賞口３０、３１の開放時間が所定開放時間（本例では３０秒）に達したとき、もしくは大入賞口３０、３１に入球した遊技球数が所定数（本例では１０個）に達したときに、停留状態から停留解除状態になる。これにより、停留部材４０により遊技球が停留されている場合には、遊技球が停留部材４０の下方の入球口に入球する。そして、入賞図柄が３連続または４連続で点灯表示するラウンド継続態様が成立した場合には、そのラウンドが終了した後に次回ラウンドが開始する。
【０１２５】
以上のように、特別遊技状態中の１ラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定することで、新たな遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、特別遊技状態の各ラウンドで入賞図柄の表示態様に基づいて次回ラウンドが継続するか否かの抽選を行う場合には、各ラウンドにおいて遊技者の興趣を向上させることができる。
【０１２６】
また、特別遊技状態中の１ラウンドで成立した入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定することで、特別遊技状態においても入賞図柄を有効利用することができる。
【０１２７】
また、特定領域３２の上方に遊技球を停留させる停留部材４０を設け、ラウンド終了時まで入賞図柄でラウンド継続態様が成立しないようにすることで、所定の終了条件が成立する前にラウンドが終了することを防止でき、１ラウンドで得られる賞球数をできるだけ多くすることができる。
【０１２８】
なお、本実施例では、特別遊技状態の各ラウンドで入賞図柄の表示態様に基づいて次回ラウンドが継続するか否かを決定したが、特別遊技状態における特定のラウンドで、入賞図柄の表示態様に基づいて特別遊技状態の継続ラウンド数を決定するようにしてもよい。例えば継続ラウンド数として２ラウンド、５ラウンド、１５ラウンドの３種類を設定し、特別遊技状態開始時には継続ラウンド数を２ラウンドとしておく。そして特別遊技状態の２ラウンド目で、入賞図柄の表示態様がラウンド継続態様となった場合（例えば４連続で点灯表示した場合）には、継続ラウンド数を５ラウンドに延長する。さらに特別遊技状態の５ラウンド目で、入賞図柄の表示態様がラウンド継続態様となった場合（例えば４連続で点灯表示した場合）には、継続ラウンド数を１５ラウンドに延長する。
【０１２９】
（他の実施形態）
なお、上記第１実施例の構成において、特別遊技状態発生中に、１ラウンド中に大入賞口３０、３１に入球した遊技球の数をカウントし、この入球数に該当する数字の入賞図柄を入賞図柄表示装置３４で表示させるように構成してもよい。これにより、遊技者は大入賞口３０、３１への入球数を直ちに把握することができるとともに、特別遊技状態においても入賞図柄表示装置３４の入賞図柄を有効利用することができる。
【０１３０】
また、上記実施例では、２つの大入賞口３０、３１が設けられた遊技機について説明したが、大入賞口の数は任意に設定でき、例えば１つでもよい。
【０１３１】
また、上記実施例では、大入賞口３０、３１が左右方向に開閉するように構成したが、遊技盤２０の前後方向（表裏方向）に開閉するように構成してもよい。
【０１３２】
また、上記実施例では、複数の特定領域３２への入球確率を調整する障害部材３３として遊技盤上に設けられた障害釘を用いたが、これに限らず、障害部材を異なる構成としてもよい。例えば、特定領域３２の上方に遊技球を複数の特定領域３２に振り分ける振り分け手段としてのクルーンを設けてもよい。クルーンは、複数の特定領域３２に対応するクルーン穴が形成されたすり鉢円盤状部材として構成することができる。この場合、大入賞口３０、３１に入球した遊技球は、クルーン上で旋回しながらいずれかのクルーン穴を通過し、対応する特定領域３２に入球する。
【０１３３】
また、上記実施例では、９つの特定領域３２を有する遊技機について説明したが、特定領域３２の数は複数であればよく、任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１３４】
【図１】本発明に係る遊技機を示す正面図である。
【図２】遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【図３】遊技機の裏機構盤の正面図である。
【図４】電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図５】主制御部のＣＰＵの構成を示すブロック図である。
【図６】盤面中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図７】遊技枠中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図８】払出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図９】発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図１０】音ランプ制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図１１】図柄制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図１２】遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図１３】遊技機の主制御部が行う電源投入処理を示すフローチャートである。
【図１４】遊技機の主制御部が行う遊技開始処理を示すフローチャートである。
【図１５（ａ）】遊技機の主制御部が行う普通図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図１５（ｂ）】遊技機の主制御部が行う普通図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図１６】遊技機の主制御部が行う普通電動役物遊技処理を示すフローチャートである。
【図１７】遊技機の主制御部が行う特別電動役物遊技処理を示すフローチャートである。
【図１８】遊技機の主制御部が行う特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。
【図１９】遊技機の主制御部が行う特別遊技処理を示すフローチャートである。
【図２０】第２実施例の特定領域を示す正面図である。
【符号の説明】
【０１３５】
１…遊技機、２０…遊技盤、２１…遊技領域、２４…中央装置、２５…普通図柄表示装置（可変表示手段）、２５ａ…図柄表示部、２６…普通図柄作動ゲート、２８…始動口（普通電動役物）、３０、３１…大入賞口（可変入球口）、３２…特定領域、３３…障害部材、３４…入賞図柄表示装置（入賞図柄表示手段）、３５、３６、３７、３８…入賞口、２００…主制御部（当否判定手段、特別遊技状態発生手段）、２３０…払出制御部、２５０…発射制御部、２６０…音ランプ制御部、２８０…図柄制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
図柄作動ゲートを遊技球が通過することで識別図柄が変動表示する可変表示装置と、
前記可変表示装置で停止表示した識別図柄が特定の図柄であった場合に開放する始動口と、
前記始動口への遊技球の入球により所定時間開放する可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球が通過する複数の特定領域と、
前記特定領域への遊技球の通過に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段と、
前記入賞図柄表示手段における前記入賞図柄の表示態様が特定の態様となった場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態の発生中に、前記可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、前記ラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態を発生させる際に、前記入賞図柄の表示態様に基づいて前記ラウンド継続回数を決定することを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態の発生中に、前記可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、前記ラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態の発生中における１回のラウンドで成立した前記入賞図柄の表示態様に基づいて前記ラウンド継続回数を決定することを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項１】
図柄作動ゲートを遊技球が通過することで識別図柄が変動表示する可変表示装置と、
前記可変表示装置で停止表示した識別図柄が特定の図柄であった場合に開放する始動口と、
前記始動口への遊技球の入球により所定時間開放する可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球が通過する複数の特定領域と、
前記特定領域への遊技球の通過に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段と、
前記入賞図柄表示手段における前記入賞図柄の表示態様が特定の態様となった場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態の発生中に、前記可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、前記ラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態を発生させる際に、前記入賞図柄の表示態様に基づいて前記ラウンド継続回数を決定することを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態の発生中に、前記可変入球口が開放状態となってから所定の終了条件の成立により閉鎖状態となるまでを１回のラウンドとした場合、前記ラウンドを所定のラウンド継続回数行うように構成されており、
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態の発生中における１回のラウンドで成立した前記入賞図柄の表示態様に基づいて前記ラウンド継続回数を決定することを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５（ａ）】
【図１５（ｂ）】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５（ａ）】
【図１５（ｂ）】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【公開番号】特開２００６−２４７２４６（Ｐ２００６−２４７２４６Ａ）
【公開日】平成１８年９月２１日（２００６．９．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−７０８８１（Ｐ２００５−７０８８１）
【出願日】平成１７年３月１４日（２００５．３．１４）
【出願人】（０００２０４２６２）タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年９月２１日（２００６．９．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月１４日（２００５．３．１４）
【出願人】（０００２０４２６２）タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]