遊技機
【課題】 複数の可変表示装置用の乱数を出力する1つの乱数回路を備え、簡単な構成で入賞を検出する。
【解決手段】 始動入賞口スイッチ70A、70Bに入賞すると、第1と第2の始動入賞検出信号SSA、SSBを出力する。両信号SSA、SSBは論理和されて、ラッチタイミング信号S2に同期してラッチ回路1205に供給される。ラッチ回路1205は、周期的にカウント値を更新するカウンタ1203のカウント値をラッチする。CPU103は、第1と第2の始動入賞検出信号SSA、SSBに応答して、ラッチ回路1205の記憶データを読み出して大当り乱数値として処理して、特図ゲームを制御する。CPU103は、ほぼ同時に入賞が発生したために、ラッチ回路1205から同一の値を連続して取り込むときは、ラッチ回路1205の値を繰り返して取り込む代わりに、先に取り込んだ値をコピーして使用する。
【解決手段】 始動入賞口スイッチ70A、70Bに入賞すると、第1と第2の始動入賞検出信号SSA、SSBを出力する。両信号SSA、SSBは論理和されて、ラッチタイミング信号S2に同期してラッチ回路1205に供給される。ラッチ回路1205は、周期的にカウント値を更新するカウンタ1203のカウント値をラッチする。CPU103は、第1と第2の始動入賞検出信号SSA、SSBに応答して、ラッチ回路1205の記憶データを読み出して大当り乱数値として処理して、特図ゲームを制御する。CPU103は、ほぼ同時に入賞が発生したために、ラッチ回路1205から同一の値を連続して取り込むときは、ラッチ回路1205の値を繰り返して取り込む代わりに、先に取り込んだ値をコピーして使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1可変表示手段と、第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2可変表示手段とを備え、第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったとき、または、第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示やスクロール表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームの1つとして行われる特図ゲームは、始動入賞口を通過する遊技球の検出(可変表示の始動条件が成立したこと)に基づいて表示図柄の可変表示を行い、表示図柄の可変表示が完全に停止した際の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。この特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口又はアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。こうした状態を「特定遊技状態」あるいは「大当り遊技状態」という。
【0004】
表示図柄の可変表示の態様の選択及び決定は、始動入賞口を通過する遊技球の検出に基づいて乱数回路から乱数値(主に大当り乱数、その他に、停止図柄決定用の乱数などを含む)を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、大当り遊技状態とするか否か、変動態様等を、決定することにより行われる。このような処理を可能とするための乱数回路の一例として、クロック信号によってカウンタの更新を行い、所定のタイミング信号に基づいてカウント値を取得する構成のものが、特許文献1に開示されている。
【0005】
また、複数の始動入賞口と各始動入賞口に対応する可変表示部を有する遊技機において、遊技者の射幸心をあおる事態を防止するため、複数の可変表示部で同時に当りが発生することを防ぐために、一方の可変表示部での可変表示が当たりであると決定されているか、又は、一方の変動入賞口が特定遊技状態である場合に、他方の可変表示装置の図柄変動を開始するまでの時間を、遅らせるものが、特許文献2に開示されている。
【0006】
また、一方の可変表示装置での可変表示が当たりであると決定されているか、又は、一方の変動入賞口が特定遊技状態であり、他方の可変表示装置の可変表示が当たりと判定されている場合、その可変表示の開始を、一方の変動入賞口の特定遊技状態が終了するまで遅延するものが特許文献3に開示されている。
さらに、2つの始動入賞口の入賞玉を共通の排出用通路に導き、この合流位置で入賞を検出するものが、特許文献4に開示されている。
【特許文献1】特開平7−124296号公報
【特許文献2】特開2001−62080号公報
【特許文献3】特開2001−62081号公報
【特許文献4】特開2002−35263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1乃至4に記載された遊技装置では、複数の可変表示装置での特図ゲームでの可変表示結果を決定するために、乱数値をラッチするが、そのために各可変表示装置用の乱数をラッチするラッチ回路が必要となる。このラッチ回路を複数配置する分だけ、ハードウェア構成が大きくなり、基板の大型化を余儀なくされていた。
【0008】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、少ないハードウェア量で、複数の可変表示領域用の乱数を獲得可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、
遊技領域(例えば、遊技盤2)に設けられた第1の始動領域(例えば、第1の普通可変入賞球装置61)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過することにより第1の始動条件(例えば、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞)が成立した後に第1の開始条件(例えば、従前の第1の可変表示装置41での特図ゲームの終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)を可変表示する第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)と、遊技領域(遊技盤2)に設けられた第2の始動領域(例えば、第2の普通可変入賞球装置62)を遊技媒体が通過することにより前記第1の始動条件とは異なる第2の始動条件(例えば、第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞)が成立した後に第2の開始条件(例えば、従前の第2の可変表示装置42での特図ゲームの終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)を可変表示する第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)と、を備え、前記第1の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(例えば、同一図柄のぞろ目)となったとき、または、前記第2の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せ(例えば、同一図柄のぞろ目)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記第1の始動領域(例えば、第1の普通可変入賞球装置61)を通過した遊技媒体(例えば、遊技球)を検出して第1の始動検出信号(例えば、第1の始動入賞検出信号SSA)を出力する第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)と、
前記第2の始動領域(例えば、第2の普通可変入賞球装置62)を通過した遊技媒体(例えば、遊技球)を検出して第2の始動検出信号(例えば、第2の始動入賞検出信号SSB)を出力する第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)と、
所定周期で数値データを予め定められた更新範囲内で更新して出力する数値データ更新回路(例えば、カウンタ1203)と、
前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号又は前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されたときに、前記数値データ更新回路から出力されている数値データを乱数値として取り込むためのラッチ信号を生成するラッチ信号生成回路(例えば、ラッチ信号生成回路1204)と、
前記ラッチ信号生成回路からのラッチ信号に応答して前記数値データ更新回路が出力している乱数値を記憶する記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)と、
前記数値データ更新回路が出力した乱数値に基づいて前記第1の可変表示手段と前記第2の可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御用CPU(Central Processing Unit;例えば、CPU103)と、を備え、
前記遊技制御用CPUは、
第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動検出信号(例えば、第1の始動入賞検出信号SSA)が出力されたときに、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値を読み出して(例えば、読み出し後クリアしない)、前記第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)の可変表示制御用の乱数値(例えば、ランダムR1)として第1の保留記憶手段(例えば、第1の特図保留メモリ111)に記憶させる第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)と、
第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号(例えば、第2の始動入賞検出信号SSB)が出力されたときに、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値を読み出して(例えば、読み出し後クリアしない)、前記第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)の可変表示制御用の乱数値(例えば、ランダムR1)として第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶させる第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)と、
前記第1の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第1の保留記憶手段(例えば、第1の特図保留メモリ111)に記憶された乱数値が所定の判定値データ(例えば、通常時大当り判定用テーブル120、確変時大当り判定用テーブル121)と合致するか否かを判定することにより、第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)での可変表示における表示結果を特定表示結果(例えば、大当り表示結果)とするか否かを決定し、前記第2の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶された乱数値が所定の判定値データ(例えば、通常時大当り判定用テーブル120、確変時大当り判定用テーブル121)と合致するか否かを判定することにより、第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)での可変表示における表示結果を特定表示結果(大当り表示結果)とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えば、CPU103、ステップS223〜S226)と、
前記第1の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)における前記識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段(例えば、第1の可変表示装置41)の決定結果に基づいた表示結果を導出表示し、前記第2の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)における前記識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示する表示制御手段(CPU103、ステップS291〜294、S301)と、を備え、
前記ラッチ信号生成回路(例えば、ラッチ信号生成回路1204)を1つのみ備え、該ラッチ信号生成回路は前記第1の始動検出信号(例えば、信号SSA)と前記第2の始動検出信号(例えば、信号SSB)のいずれが出力されたときでも共通に前記ラッチ信号(例えば、ラッチ信号SL)を生成し、
前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)は、前記ラッチ信号生成回路から新たなラッチ信号が出力されたことに応答して、既に記憶されていた乱数値を新たな乱数値に更新して記憶する、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)は、前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)が前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)から乱数値を取り込んでから前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)の記憶する乱数値が更新される前に前記乱数値を取り込むときには、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)から取り込む代わりに、前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)が取り込んだ乱数値(例えば、取り込んで内部レジスタに格納しておいた乱数値又は第1の特図保留メモリ111に格納した乱数値)を第2の乱数値として前記第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶させる同一乱数値取込手段(例えば、CPU103、ステップS1206、S1207の処理)を含む、
ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項2に記載の遊技機においては、
前記遊技制御用CPU(例えば、CPU 103)は、定期割込処理(例えば、遊技制御割込処理)内にて、前記第1の乱数値取込手段による処理(例えば、ステップS15A)と前記同一乱数値取込手段による処理(例えば、ステップS15B内におけるS1206、S1207の処理)とを実行する、
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本願の請求項3に記載の遊技機においては、
前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)は、前記第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値(例えば、ランダムR1)を読み出して、前記第1の可変表示手段(例えば、可変表示装置41)の可変表示制御用の乱数値として第1の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ111)に記憶させた後、該第1の保留記憶手段に乱数値を記憶させたことを示す所定のフラグ(例えば、乱数値取込済フラグ)をセットし、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)は、
前記第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされていないとき(例えば、ステップS1203でNo)に、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値を読み出して、前記第2の可変表示手段(例えば、可変表示装置42)の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ112)に記憶させ、
前記第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされているとき(例えば、ステップS1203でYes)に、前記同一乱数値取込手段によって、前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶させ、前記所定のフラグをリセット(例えば、ステップS1207)する。
【0012】
上記目的を達成するため、本願の請求項4に記載の遊技機においては、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)は、前記第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動検出信号が出力されているか否かを判別(例えば、ステップS3208)し、出力されているとき(例えば、ステップS3208でYes)には出力されている旨を示す第1のフラグ(例えば、第1の乱数値取込済フラグ)をセットする第1のフラグセット手段(例えば、CPU103、S3209)を含み、
前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)は、前記第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号が出力されているか否かを判別(例えば、ステップS2208)し、出力されているとき(例えば、ステップS2208でYes)には出力されている旨を示す第2のフラグ(例えば、第2の乱数値取込済フラグ)をセットする第2のフラグセット手段(例えば、CPU103、S2209)を含み、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103)は第2のフラグがセットされているときに、前記同一乱数値取込手段(例えば、CPU103、ステップS1206、S1207の処理)によって乱数値を前記第2の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ112)に記憶させた後に、前記第1のフラグセット手段による処理を実行し、
前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103)は、前記第1のフラグがセットされているときに(例えば、ステップS2203でYes)、前記第2の乱数値取込手段が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)の可変表示制御用の乱数値として前記第1の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ111)に記憶させた(ステップS2206)後に、前記第2のフラグセット手段による処理(例えば、ステップS2208〜S2210)を実行する。
【0013】
上記目的を達成するため、本願の請求項5に記載の遊技機においては、
所定の基準クロック信号を出力する基準クロック信号出力回路(例えば、基準クロック信号生成回路1201)と、
前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成回路(例えば、カウントクロック信号生成回路1202)と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、
前記基準クロック信号出力回路から、前記基準クロック信号が入力されるクロック端子(例えば、クロック端子Clk)と、
第1の信号が入力される入力端子(例えば、データ端子D)と、
前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号を出力する第1の出力端子(例えば、Q出力端子)と、
前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子(例えば、Qバー端子)と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、前記第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号(例えば、信号S1)と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号(例えば、信号S2)と、を生成し、
前記数値データ更新回路(例えば、カウンタ1203)は、前記クロック信号生成回路により生成された第1のクロック信号(例えば、信号S1)が所定の態様で変化する第1のタイミング(例えば、立ち上がりエッヂのタイミング)において、数値データを更新し、前記ラッチ信号生成回路は、前記クロック信号生成回路により生成された第2のクロック信号(例えば、信号S2)が所定の態様で変化する第2のタイミング(例えば、立ち上がりエッヂのタイミング)において、前記ラッチ信号を出力する。
【0014】
上記目的を達成するため、本願の請求項6に記載の遊技機においては、
前記遊技制御用CPUは、
前記数値データ読出手段が、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)から乱数値を前記第1又は第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、ステップS203)により読み出す前に、該記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)を出力して記憶回路を読出可能状態に制御し、該数値データ読出手段が前記記憶回路から乱数値を読み出した後、該記憶回路への出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)の出力を停止して該記憶回路を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えば、CPU103)、を更に備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本願の請求項7に記載の遊技機においては、
前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)は、前記ラッチ信号生成回路(例えば、ラッチ信号生成回路1204)からラッチ信号(例えば、ラッチ信号SL)が入力されているとき、前記読出制御手段から出力される出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)に対して受信不能状態に制御する出力制御信号受信制御手段(例えば、論理回路1301〜1304)を含む。
【0016】
上記目的を達成するため、本願の請求項8に記載の遊技機においては、
前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)は、前記出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)が入力されているとき、前記ラッチ信号生成回路から出力されるラッチ信号に対して受信不能状態に制御するラッチ信号受信制御手段(例えば、論理回路1301〜1304)を含む。
【0017】
上記目的を達成するため、本願の請求項9に記載の遊技機においては、
前記第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動入賞信号(例えば、第1の始動入賞検出信号SSA)と、第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動入賞信号(例えば、第2の始動入賞検出信号SSB)にそれぞれ応答して、入賞に対する賞として遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、CPU103、払出制御基板13、ステップS21)を有し、
前記払出手段は、前記第1の始動入賞信号と第2の始動入賞信号とに対して異なった数(例えば、賞球数テーブル119に設定された数)の遊技媒体を払い出す、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願の請求項1乃至9に記載の発明は、以下に示す効果を有する。
【0019】
本願の請求項1に記載の発明によれば、1つの数値データ更新回路を用いて、さらに、1つの記憶回路を用いて、複数の可変表示手段用の乱数を抽出することができ回路効率が良く、ハードウェア量を抑えることができる。また、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込んでから、記憶回路の記憶データが更新されないうちに、即ち、新たなラッチ信号が出力される前に、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、改めて記憶回路から取り込むのではなく、第1の乱数値取込手段が取り込んだ値を使用するので、制御が容易で、ほぼ同時に発生した入賞を無駄にすることなく遊技を制御することができる。
【0020】
本願の請求項2に記載の発明によれば、前記第1の乱数値取込手段と前記第2の乱数値取込手段とを、前記遊技制御用CPUが定期割込処理内で前記処理を実行することにより実現するので、前記第1の乱数値取込手段により処理と前記第2の乱数値取込手段による処理との間の時間を抑えて、ほぼ同時に発生した入賞を無駄にすることなく遊技を制御することができる。
【0021】
本願の請求項3に記載の発明によれば、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込んだときに、所定のフラグを設定し、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、この所定のフラグを参照するので、第2の始動入賞によって記憶回路が更新されているにもかかわらず、第1の乱数値取込手段が取り込んだ値を第2の保留記憶手段に誤って記憶させるとする虞がない。
【0022】
本願の請求項4に記載の発明によれば、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込んだときに、第2の始動入賞信号が発生していれば、第2のフラグを設定し、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込んだときに、第1の始動入賞信号が発生していれば、第1のフラグを設定し、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、この第1のフラグを参照し、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、この第2のフラグを参照するので、記憶回路が更新されているにもかかわらず、他方の乱数値取込手段が取り込んだ値を保留記憶手段に誤って記憶させるとする虞がない。
【0023】
請求項5に記載の構成によれば、数値データを更新するタイミングとそれを乱数としてラッチするタイミングとが、同一周期で位相の異なるタイミングとなり、数値データが安定した状態で、数値データを安定してラッチすることができる。
【0024】
請求項6に記載の構成によれば、前記遊技制御用CPUは、前記表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、前記記憶回路を読出可能状態にすることができるため、前記乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0025】
請求項7に記載の構成によれば、前記記憶回路は、記憶している乱数値を更新しているときに、前記表示結果決定手段により乱数値が読み出されることを防止することができるため、前記乱数値の更新を確実且つ安定的に行うことができる。
【0026】
請求項8に記載の構成によれば、前記記憶回路は、前記表示結果決定手段が乱数値を読み出しているときに、該記憶回路に記憶されている乱数値が更新されることを防止することができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0027】
請求項9の遊技装置によれば、第1の始動領域の遊技媒体の通過(入賞)に対する払い出しと、第2の始動領域の遊技媒体の通過(入賞)に対する払い出しとを別々にしているので、遊技機全体としての払い出しの割合を設計・調整しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ表示状態とは、表示結果として導出表示した図柄(リーチ図柄という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ可変図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
【0029】
本実施例における遊技機は、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0030】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、から構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として第1の特別図柄を可変表示可能に表示する第1の可変表示装置41と、第2の特別図柄を可変表示可能に表示する第2の可変表示装置42と、が設けられている。また、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との下方には、それぞれ、第1の特別図柄とは異なる第1の飾り図柄の可変表示などを行うことができる第3の可変表示装置43と、第2の特別図柄とは異なる第2の飾り図柄の可変表示などを行うことができる第4の可変表示装置44と、が設けられている。
【0031】
第3の可変表示装置43と第4の可変表示装置44との下側には、それぞれ第1の普通可変入賞球装置(始動入賞口)61と第2の普通可変入賞球装置62(始動入賞口)とが配置されている。第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62の下側には、それぞれ第1の特別可変入賞球装置(大入賞口)71と第2の特別可変入賞球装置(大入賞口)72とが設けられている。また、第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置72との下側には、それぞれ第1の普通図柄表示器51と第2の普通図柄表示器52とが設けられている。
【0032】
第1及び第2の可変表示装置41及び42は、7セグメントのLED等から構成されており、第1の可変表示装置41においては、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞することが、第2の可変表示装置42においては、第2の普通可変入賞球装置62に遊技球が入賞することが、それぞれ可変表示の実行条件(始動条件)となる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。この実施の形態において、第1の可変表示装置41上と第2の可変表示装置42上とには、それぞれ3つの可変表示部がそれぞれ配置され、各可変表示部において、左・中・右の特別図柄が可変表示されるものとする。
【0033】
第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42により行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この大当り遊技状態においては、第1の特別可変入賞球装置71や第2の特別可変入賞球装置72が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
【0034】
この実施の形態では、左可変表示部に特別図柄として可変表示される第1の左図柄、中可変表示部に特別図柄として可変表示される第1の中図柄、右可変表示部に特別図柄として可変表示される第1の右図柄、左可変表示部に特別図柄として可変表示される第2の左図柄、中可変表示部に特別図柄として可変表示される第2の中図柄、右可変表示部に特別図柄として表示される第2の右図柄、それぞれ9図柄であり、各図柄には「1」〜「9」の図柄番号が付されている。例えば、左・中・右の各可変表示部では、特図ゲーム中に特別図柄の可変表示が開始されると、図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと更新表示が行われ、図柄番号が「9」の特別図柄が表示されると、次に図柄番号が「1」の特別図柄が表示される。
【0035】
また、図柄番号が偶数である特別図柄を通常大当り図柄とし、図柄番号が奇数である特別図柄を確変大当り図柄とする。すなわち、第1の可変表示装置41又は第2の可変表示装置42による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左・中・右の各可変表示部にて同一の特別図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。また、第1の可変表示装置41又は第2の可変表示装置42による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左・中・右の各可変表示部にて同一の確変大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態の終了に続いて特別遊技状態(確率向上状態)となり、以後、所定条件が成立するまで特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が向上する。また、確率向上状態では、第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるとともに、その開放回数が通常遊技状態のときよりも増加するなど、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態となる。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確率向上状態以外の遊技状態のことである。
【0036】
第3及び第4の可変表示装置43及び44は、例えばLCD等から構成され、それぞれ3つの可変表示部がそれぞれ配置されている。第3の可変表示装置43の各可変表示領域には、それぞれ左・中・右の飾り図柄が可変表示され、この左・中・右の飾り図柄は、第1の可変表示装置41の左・中・右の各可変表示領域にて可変表示されている特別図柄に、それぞれ対応している。また、第4の可変表示装置44の各可変表示領域にも、それぞれ左・中・右の飾り図柄が可変表示され、この左・中・右の飾り図柄は、第2の可変表示装置42の左・中・右の各可変表示領域にて可変表示されている特別図柄に、それぞれ対応している。
【0037】
第1の普通図柄表示器51と第2の普通図柄表示器52とは、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた第1の通過ゲートと第2の通過ゲートとをそれぞれ遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0038】
第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62とは、ソレノイド21(図3)とソレノイド22(図3)とによってそれぞれ垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成される。第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示と第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示とは、所定回数(この実施の形態では、4回)まで後述する第1の特図保留メモリ111(図5)と第2の特図保留メモリ112(図5)とにそれぞれ記憶される。なお、ここでは、普通図柄表示器を2つ設け、これらに対応する2つの普通可変入賞球装置を設けているが、普通図柄表示器を1つとして、普通可変入賞球装置も1つとして、例えば普通可変入賞球装置をチューリップ型でない入口が拡張開放しない始動入賞口としてもよい。
【0039】
第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置72とは、それぞれソレノイド23(図3)とソレノイド24(図3)とによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づいて第1の可変表示装置41による特図ゲームや第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づいて第2の可変表示装置42による特図ゲームが行われた結果、大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド23やソレノイド24によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)する状態となるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを例えば最高16回繰り返すことができるようになっている。第1の特別可変入賞球装置71や第2の特別可変入賞球装置72に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板13とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0040】
第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との上部には、それぞれ、第1の始動入賞記憶表示器45と第2の始動入賞記憶表示器46とが設けられている。第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46は、例えばLED等から構成されている。第1の始動入賞記憶表示器45は、第1の特図保留メモリ111(図5)の記憶内容に基づき、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞して第1の可変表示装置41による特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第1の始動入賞記憶表示器45では、第1の可変表示装置41による特図ゲームの保留記憶数に対応した個数のLEDが点灯される。また、第2の始動入賞記憶表示器46は、第2の特図保留メモリ112(図5)の記憶内容に基づき、第2の普通可変入賞球装置62に遊技球が入賞して第2の可変表示装置42による特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第2の始動入賞記憶表示器46では、第2の可変表示装置42による特図ゲームの保留記憶数に対応したLEDが点灯される。
【0041】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0042】
また、パチンコ遊技機1の内部には、図2に示すような遊技球の流路(回収ルート)が配置されている。この回収ルートは、第1の普通可変入賞球装置61の入賞口(始動領域)61Aに一端が接続されたパイプ状の第1の流路1101と、第2の普通可変入賞球装置62の入賞口(始動領域)62Aに一端が接続されたパイプ状の第2の流路1102と、第1の流路1101と第2の流路1102を流下した遊技球をまとめて流下する第3の流路1103とを備える。
【0043】
第1の流路1101の第1の普通可変入賞球装置61の入賞口61Aには、入賞球を検出して、第1の始動入賞検出信号SSAを出力するマイクロスイッチ等から構成された第1の始動入賞口スイッチ70Aが配置され、第2の流路1102の第2の普通可変入賞球装置62の入賞口62Aには、入賞球を検出して、第2の始動入賞検出信号SSBを出力するマイクロスイッチ等から構成された第2の始動入賞口スイッチ70Bが配置されている。図11を参照して後述するように、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとは、エッヂトリガタイプのRS(リセットセット)フリップフロップ75Aと75Bをそれぞれ介してCPU103に供給され、また、オープンゲートタイプのバッファ回路1221と1222とを介してワイヤードオアされて、ラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。
【0044】
パチンコ遊技機1には、図3に示すような主基板11と表示制御基板12と、払出制御基板13と、が搭載されている。主基板11と表示制御基板12と払出制御基板13とは、パチンコ遊技機1内の適所に配置されている。
主基板11と表示制御基板12との間には、例えば表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線が配線されている。また、主基板11と表示制御基板12の間には、ストローブ信号を送受信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
主基板11と払出制御基板13との間には、遊技媒体を払出すことと、払出数を示す払出指示信号を伝達する信号線が接続されている。
この他、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。なお、表示制御基板12は、音声制御基板やランプ制御基板等とともに1つの基板を構成してもよいし、これらの基板とは独立して設けられてもよい。
【0045】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12や払出制御基板13などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
主基板11から表示制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば表示制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される表示制御コマンドである。
【0046】
図4は、この実施の形態で用いられる主基板11から表示制御基板12に対して送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表し、各々16進数で表記している。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、1つの制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、1つの制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0047】
図4に示す例において、コマンドA0XX(h)は、第3の可変表示装置43による飾り図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドであり、コマンドA1XX(h)は、第4の可変表示装置44による飾り図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。なお、以下では、XX(h)が不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であるものとする。表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに含まれるMODEデータに対応して、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置を特定することができ、また、EXTデータに対応して、飾り図柄の総可変表示時間、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果やリーチとするか否かの判定結果などを特定することができる。
【0048】
コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)は、第3の可変表示装置43にて可変表示される飾り図柄の左・中・右確定図柄を指定する図柄指定コマンドであり、コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)は、第4の可変表示装置44にて可変表示される飾り図柄の左・中・右確定図柄を指定する図柄指定コマンドである。各図柄指定コマンドでは、XX(h)に第1及び第2の飾り図柄の図柄番号が設定される。また、コマンドD000(h)は、第1の飾り図柄の可変表示の停止を指示する飾り図柄確定コマンドであり、コマンドD100(h)は、第2の飾り図柄の可変表示の停止を指示する飾り図柄確定コマンドである。また、コマンドE000(h)は、第1の可変表示装置41において成立している特図ゲームの大当り状態を終了させることを指示する第1の大当り終了コマンドであり、コマンドE100(h)は、第2の可変表示装置42において成立している特図ゲームの大当り状態を終了させることを指示する第2の大当り終了コマンドである。
【0049】
その他、表示制御コマンドとしては、大当り遊技状態が開始される旨を示す大当り開始コマンド、大当り遊技状態が終了するときに確変制御が開始されることを示す確変開始コマンド、大当り遊技状態が終了するときに時短制御が開始されることを示す時短開始コマンド、確変制御が終了されることを示す確変終了コマンドや時短制御が終了されることを示す時短終了コマンドなどが用意されていてもよい。
【0050】
主基板11には、図3に示すように、始動入賞口である第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62、大入賞口である第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72やその他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62における可動翼片の可動制御や第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21、22、23及び24への配線が接続されている。
【0051】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、ランダムカウンタ105、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)101と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、I/O(Input/Output)ポート104と、を含んでいる。
【0052】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図6に示す、ランダムR1〜R5を用いて、遊技制御や表示制御を行う。
このうち、ランダムR1は、図3に示すハードウェア構成のランダムカウンタ105により発生され、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。なお、ランダムカウンタ105の構成と動作については、図11〜図14を参照して後述する。
【0053】
また、ランダムR2〜R5は、CPU103が、乱数ソフトを実行することにより生成されるものである。ランダムR2は、ハズレ時にリーチとするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「149」の範囲の値をとる。
【0054】
ランダムR4−1は、大当り時における特別図柄の確定図柄と、ハズレ時に左図柄における確定図柄と、を決定する乱数であり、「0」〜「106」の範囲の値をとる。ランダムR4−2は、ハズレ時に中図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR4−3は、リーチとしない通常ハズレ時に右図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR5は、パチンコ遊技機1を大当り遊技状態とした後に確率向上状態へと移行する確率変動制御(確変制御)を行うか否かを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
【0055】
この実施の形態において、ランダムR1〜R5は、第1の可変表示装置41による特図ゲームにも、第2の可変表示装置42による特図ゲームにも、共通して用いられる。なお、第1の可変表示装置41による特図ゲームと第2の可変表示装置42による特図ゲームとにそれぞれ別個の乱数を用いることも考えられるが、このようにすると、乱数を発生するための回路構成が増加すると共にランダムカウンタ105がカウントする乱数の数が増え、乱数の更新や初期値へのシフトなど乱数の管理によるCPU103の処理負担が増大してしまうため、適切ではない。
【0056】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、RAM102内に、図5に示すように、第1の特図保留メモリ111と、第2の特図保留メモリ112と、大当り判定用テーブルメモリ113と、図柄決定用テーブルメモリ114と、可変表示パターン決定用テーブルメモリ115と、確変カウンタ116と、フラグメモリ117と、可変表示時間タイマ118と、賞球数テーブル119とを備えている。
【0057】
第1の特図保留メモリ111は、遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞して特別図柄の可変表示(特図ゲーム)を実行するための条件(始動条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。第2の特図保留メモリ112は、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞して始動条件が成立したが、開始条件が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。
【0058】
第1の特図保留メモリ111と第2の特図保留メモリ112とには、それぞれ4つのエントリと読出領域とが設けられている。第1の特図保留メモリ111の各エントリには、第1の普通可変入賞球装置61への入賞順に保留番号とその入賞により抽出された乱数値(後述するランダムR1の値)が、第2の特図保留メモリ112の各エントリには、第2の普通可変入賞球装置62への入賞順に保留番号とその入賞により抽出された乱数値が、それぞれ対応付けて格納される。特別図柄及び飾り図柄の可変表示の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄及び飾り図柄の可変表示中等に遊技球が第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
【0059】
図5に示す大当り判定用テーブルメモリ113は、CPU103が特図ゲームにおける表示結果を大当りとするか否かを判定するために設定される複数の大当り判定用テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ113は、図7(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120と、図7(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121と、を格納する。
【0060】
図7(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120と、図7(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121と、は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルである。各大当り判定用テーブル120及び121には、後述するランダム(乱数値)R1の値と特図ゲームの表示結果を示す設定データとが対応付けて格納されている。そして、確変時大当り判定用テーブル121では、通常時大当り判定用テーブル120に比べてより多くのランダムR1の値が、「大当り」の表示結果と対応付けられている。すなわち、確変時大当り判定用テーブル121を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常遊技状態のときよりも大当り遊技状態となる確率が高い確率向上状態とすることができる。
【0061】
図5に示す図柄決定用テーブルメモリ114は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42にて可変表示される特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる複数種類の図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、図柄決定用テーブルメモリ114は、図8(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル130と、図8(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル131と、図8(C)に示す左図柄決定用テーブル132と、図8(D)に示す中図柄決定用テーブル133と、図8(E)に示す右図柄決定用テーブル134と、を格納する。
【0062】
図8(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル130は、第1及び第2の可変表示装置41及び42の特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の通常大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(第1の通常大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、通常大当り図柄決定用テーブル130には、確定図柄として選択決定される通常大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
【0063】
図8(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル131は、第1及び第2の可変表示装置41及び42による特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の確変大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(確変大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、確変大当り図柄決定用テーブル131には、確定図柄として選択決定される確変大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
【0064】
図8(C)に示す左図柄決定用テーブル132は、第1及び第2の可変表示装置41及び42による特図ゲームにて大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、左可変表示部における確定図柄(第1の左確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、左図柄決定用テーブル132には、第1及び第2の左可変表示部における確定図柄となる特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
【0065】
図8(D)に示す中図柄決定用テーブル133は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、中可変表示部における確定図柄(中確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、中図柄決定用テーブル133には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−2の値と、が対応付けて格納されている。すなわち、大当りとしないハズレのときには、ランダムカウンタ105から抽出されるランダムR4−2の値に基づき中図柄決定用テーブル133を用いて決定した加算値を、左図柄決定用テーブル132を用いて決定した左確定図柄の図柄番号に加算することで、中確定図柄を決めることができる。なお、リーチとした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、中図柄決定用テーブル133を用いて決定された加算値が「0」である場合には、導出される表示結果をハズレとするために、中確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
【0066】
図8(E)に示す右図柄決定用テーブル134は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、右可変表示部における確定図柄(右確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、右図柄決定用テーブル134には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−3の値と、が対応付けて格納されている。
【0067】
図5に示す可変表示パターン決定用テーブルメモリ115は、特図ゲームで使用される複数の可変表示パターンを記憶する。具体的には、可変表示パターン決定用テーブルメモリ115は、図9(A)に示す通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150、図9(B)に示すリーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151と、図9(C)に示す大当り時可変表示パターン決定用テーブル152と、を格納する。
【0068】
図9(A)に示す通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてリーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図9(B)に示すリーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてリーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
【0069】
図9(C)に示す大当り時可変表示パターン決定用テーブル152は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにて特別図柄の可変表示における表示結果を大当りとする可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
【0070】
各可変表示パターン決定用テーブル150〜152には、例えば、複数の可変表示パターンと、ランダムR3の値と、可変表示時間タイマ118が計測する特別図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御コードと、が対応付けて格納されている。ランダムR3の値に基づいて、各可変表示パターン決定用テーブル150〜152のうちからは、特図ゲームにて特別図柄を可変表示させる際に実行する可変表示パターンが選択決定される。
【0071】
主基板11から表示制御基板12に対して送出される可変表示開始コマンドは、特別図柄の可変表示における可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、大当りとするか、に応じて、異なる可変表示パターンが用いられる。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42にて可変表示される特別図柄に対応する飾り図柄を第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44にて可変表示させることが可能となると共に、この飾り図柄の可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを特定することができる。
【0072】
また、第1の可変表示装置41にて特別図柄の可変表示を行うか、第2の可変表示装置42にて特別図柄の可変表示を行うか、に応じて、異なる可変表示パターン決定用テーブルが設定される。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、特図ゲームを行う可変表示装置を特定することができる。
【0073】
通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150を用いて選択される通常A、通常Bの可変表示パターンは、リーチ態様を伴わない可変表示パターンである。リーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151を用いて選択されるリーチA(ハズレ)の可変表示パターンは、リーチ態様を伴うが可変表示結果(確定図柄)が大当りを生じさせるものとならない可変表示パターンである。大当り時可変表示パターン決定用テーブル152を用いて選択されるリーチA(大当り)の可変表示パターンは、リーチ態様を伴い、可変表示結果が大当りを生じさせる可変表示パターンである。
【0074】
リーチBの可変表示パターンは、リーチAとは異なるリーチ態様を持つ可変表示パターンである。ここで、リーチ態様が異なるとは、リーチとなった後に異なる可変表示態様(特別図柄の可変表示速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、リーチAでは、単に1種類の可変表示態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、リーチBでは、特別図柄の可変表示速度や回転方向が異なる複数の可変表示態様を含むリーチ態様が実現される。
【0075】
また、リーチCの可変表示パターンは、リーチA及びリーチBとは異なるリーチ態様を持つ可変表示パターンである。そして、リーチDの可変表示パターンは、リーチA〜リーチCとは異なり、動画像によるリーチ演出表示が行われる可変表示パターンである。なお、リーチA〜リーチDでは、大当りとなる場合と大当りにならない場合とがある。
【0076】
さらに、リーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151と、大当り時可変表示パターン決定用テーブル152と、を比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対するランダムR3の値の割当が異なっている。すなわち、特図ゲームにおける表示結果が大当りとなるか否かに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、特図ゲーム中に出現するリーチの種類に応じて、表示結果が大当りとなる確率は異なるものとなる。
【0077】
例えば、図9に示す例では、特図ゲームにおいて、表示結果がハズレとなる場合にリーチAの可変表示パターンが用いられる割合は、リーチDの可変表示パターンが用いられる割合よりも高くなっている。一方で、表示結果が大当りとなる場合にリーチAの可変表示パターンが用いられる割合は、リーチDの可変表示パターンが用いられる割合よりも低くなっている。このため、特図ゲーム中にリーチDの可変表示パターンによるリーチが出現した場合には、リーチAの可変表示パターンによるリーチが出現した場合よりも、表示結果が大当りとなる確率が高くなる。
【0078】
図5に示す確変カウンタ116は、確変制御が行われる確率向上状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変カウンタ116には、第1の可変表示装置41による特図ゲームや第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果が確変大当りとなるときに、確率向上状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数である「100」を示すデータが初期値として設定される。そして、確率向上状態にて表示結果が大当りとなることなく特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了するごとに、確変カウンタ116のカウント値が1減算される。
【0079】
フラグメモリ117は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ117には、第1及び第2の特別図柄プロセスフラグ、第1及び第2の普通図柄プロセスフラグ、乱数値取込済フラグ、第1及び第2の大当り状態フラグ、第1及び第2の確変確定フラグ、確変中フラグ、確変終了フラグ、第1及び第2の可変表示時間タイマ停止フラグ、入力状態フラグ、エラーフラグ及びタイマ割込フラグなどが設けられている。
【0080】
第1の特別図柄プロセスフラグは、後述する第1の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15A及び図22でi=1の場合)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の特別図柄プロセスフラグは、後述する第2の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15B及び図22でi=2の場合)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1の普通図柄プロセスフラグは、第1の普通図柄プロセス処理(図21のステップS16A)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の普通図柄プロセスフラグは、第2の普通図柄プロセス処理(図21のステップS16B)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
【0081】
乱数値取込済フラグは、図24に示す入賞処理(第2の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15B及び図22でi=2の場合))においてランダムR1を取り込むときに、図23に示す入賞処理(第1の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15A及び図22でi=1の場合))においてランダムR1をラッチ回路1205から取り込んだ後、ラッチ回路1205が保持する値(ランダムR1)が更新されていないことを示すフラグである。
【0082】
第1の大当り状態フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果が大当りとなるとき(大当り状態が成立した時点)にセットされ(オンされ)、大当り遊技状態が終了するとき(大当り状態が終了した時点)にリセット(クリア;オフ)される。第2の大当り状態フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果が大当りとなるとき(大当り状態が成立した時点)にオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するとき(大当り状態が終了した時点)にリセット・クリアされてオフ状態となる。
【0083】
第1の確変確定フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態になる。第2の確変確定フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態になる。
【0084】
確変中フラグは、大当り遊技状態が終了する場合に第1及び第2確変確定フラグのいずれかがオンとなっているときに、オン状態にセットされ、確変カウンタ116のカウント値が「0」となったときや、通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態となるとき等にクリアされてオフ状態となる。確変終了フラグは、後述する第1及び第2の入賞処理(図22でi=1又は2)にて確率向上状態を終了させる旨の判定がなされたとき、オン状態にセットされ、確率向上状態が終了するときにクリアされてオフされる。
【0085】
入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアさせる複数ビットからなるフラグである。エラーフラグは、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるフラグである。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0086】
第1の可変表示時間タイマ停止フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの実行中に、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたとき(大当り状態が成立した時点)に、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したとき(大当り状態が終了した時点)にクリアされてオフ状態となる。第2の可変表示時間タイマ停止フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの実行中に、第1の可変表示装置41にて大当り図柄が導出表示されたとき(大当り状態が成立した時点)に、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したとき(大当り状態が終了した時点)にクリアされてオフ状態となる。
【0087】
図5に示す可変表示時間タイマ118は、第1の可変表示時間タイマと、第2の可変表示時間タイマと、を含んでいる。第1の可変表示時間タイマは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、第2の可変表示時間タイマは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタである。第1及び第2の可変表示時間タイマは、主基板11から表示制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送出されるに際して、可変表示パターンで指定される総可変表示時間に対応するカウント値が初期値として設定される。
【0088】
図5に示す賞球数テーブル119は、例えば、図10に示すように、第1と第2の普通可変入賞球装置61、62、第1と第2の特別可変入賞球装置71、72にそれぞれ遊技球が入賞した場合、賞球をいくつ払い出すかを示す情報を格納する。
【0089】
図3に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21、22、23及び24を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して第1の普通可変入賞球装置61の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して第2の普通可変入賞球装置62の可動翼片に連結されている。ソレノイド23は、リンク機構を介して第1の特別可変入賞球装置71の開閉板に連結されている。ソレノイド24は、リンク機構を介して第2の特別可変入賞球装置72の開閉板に連結されている。
【0090】
図3に示す払出制御基板13は払出制御部135を備え、主基板11上の遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指示に応答し、入賞箇所(第1と第2の普通可変入賞球装置61、62、第1、第2の特別可変入賞球装置71、72)の別に応じて、図10に示す賞球数テーブル119に登録されている数の遊技球を払い出す。
【0091】
次に、図11を参照して、図3に示すランダムカウンタ105の詳細を説明する。
図11に示すように、ランダムカウンタ105は、基準クロック信号生成回路1201と、カウントクロック信号生成回路1202と、カウンタ1203と、ラッチ信号生成回路1204、ラッチ回路1205と、を備える。
【0092】
基準クロック信号生成回路1201は、水晶振動子などを備え、例えば、20MHzの動作クロックS0を供給する。
【0093】
カウントクロック信号生成回路1202は、Dフリップフロップから構成され、基準クロック信号S0がクロック端子Clkに供給され、逆相出力(Qバー)信号S2をD入力端子にフィードバックする。
【0094】
カウントクロック信号生成回路1202は、このような構成により、基準クロック信号S0を1/2分周して、正相出力Qをカウンタ1203にカウントクロック信号S1として出力し、逆相出力(Qバー)信号S2をラッチ信号生成回路1204のクロック端子Clkに供給する。
カウントクロック信号S1とS2とは、同一周波数(10MHz)で、逆位相の信号となる。
【0095】
カウンタ1203は、アップカウンタから構成され、カウントクロック信号S1の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値Cを「0」から「65535」まで1ずつカウントアップして行く。そして、カウンタ1203は、カウント値Cを「65535」までカウントアップすると、「0」に戻して、再び「65535」までカウントアップして行く。
【0096】
基準クロック信号生成回路1201とカウントクロック信号生成回路1202とカウンタ1203とは、所定周期で数値データを予め定められた更新範囲内である0〜65535の範囲で更新して出力する数値データ更新回路1211を構成する。
【0097】
一方、前述のように、第1の普通可変入賞球装置61の入賞口61Aには、第1の始動入賞検出信号SSAを出力する第1の始動入賞口スイッチ70Aが配置され、第2の普通可変入賞球装置62の入賞口62Aには、第2の始動入賞検出信号SSBを出力する第2の始動入賞口スイッチ70Bが配置されている。第1の始動入賞口スイッチ70Aは、通常時はローレベルの信号を出力し、入賞球を検出すると、所定期間ハイレベルの第1の始動入賞検出信号SSAを出力する。第2の始動入賞口スイッチ70Bは、通常時はローレベルの信号を出力し、入賞球を検出すると、所定期間ハイレベルの第2の始動入賞検出信号SSBを出力する。
【0098】
第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとは、それぞれ、エッヂトリガタイプのRS(リセットセット)フリップフロップ75Aと75Bとにそれぞれ供給される。第1のRSフリップフロップ75Aは、第1の始動入賞検出信号SSAがローレベルからハイレベルに変化すると、セットされ、そのQ出力端子からハイレベルの第1の始動入賞検出信号SSA’をCPU103に出力する。第2のRSフリップフロップ75Bは、第2の始動入賞検出信号SSBがローレベルからハイレベルに変化すると、セットされ、そのQ出力端子からハイレベルの第2の始動入賞検出信号SSB’をCPU103に出力する。RSフリップフロップ75Aと75Bとは、後述する図22の特別図柄プロセス処理及び図23の入賞処理において、入賞があったことの判別(ステップS101)や大当り乱数値の特図保留メモリ111、112への格納(ステップS204)などの処理を行った後、ステップS208において、CPU103によりリセットされる。
【0099】
また、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとは、オープンゲートタイプのバッファ回路1221と1222とを介して、ワイヤードオア接続されて、ラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。ラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dは、抵抗Rでプルダウンされている。これにより、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとの論理和信号がラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。
【0100】
ラッチ信号生成回路1204は、Dフリップフロップから構成され、カウントクロック信号S2がクロック端子Clkに供給され、始動入賞口スイッチ70A、70Bからの始動入賞検出信号SSAとSSBのワイヤードオア信号(ハイレベル)が供給されたときに、これを、カウントクロック信号S2に同期させて、ラッチ信号SLとしてラッチ回路1205のクロック端子に供給する。
【0101】
ラッチ回路1205は、ラッチ信号生成回路1204からのラッチ信号SLに応答して、カウンタ1203の出力する数値データをラッチする。カウントクロック信号S1とラッチタイミング信号S2とが逆相の信号であるため、ラッチ回路1205は、カウンタ1203が数値データを更新してから次に更新するまでの期間のほぼ中間時点の数値データが安定した状態のときに、数値データをラッチする。
【0102】
ラッチ回路1205としては、例えば、図12に示すような構成を採用することができる。図示するように、ラッチ回路1205は、2個のAND回路1301、1303と、2個のNOT回路1302、1304と、16個のフリップフロップ回路1311〜1326と、16個のOR回路1331〜1346と、から構成されている。
【0103】
AND回路1301の入力端子は、CPU103の出力ポートとNOT回路1304の出力端子とに接続され、その出力端子は、NOT回路1302の入力端子とフリップフロップ回路1311〜1326のクロック端子Clk1〜Clk16とに接続されている。NOT回路1302の入力端子は、AND回路1301の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路1303の一方の入力端子に接続されている。
【0104】
AND回路1303の入力端子は、NOT回路1302の出力端子とCPU103の出力ポートとに接続され、出力端子は、NOT回路1304の入力端子に接続されている。NOT回路1304の入力端子は、AND回路1303の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路1301の一方の入力端子とOR回路1331〜1346の各々の一方の入力端子とに接続されている。
【0105】
フリップフロップ回路1311〜1326は、Dフリップフロップから構成され、各入力端子D1〜D16は、カウンタ1203の出力端子に接続され、カウント値Cを構成する16ビットのいずれかのビットデータが供給されている。フリップフロップ回路1311〜1326のクロック端子Clk1〜Clk16は、AND回路1301の出力端子に接続され、出力端子Q1〜Q16は、OR回路1331〜1346の各々の他方の入力端子に接続されている。
【0106】
OR回路1331〜1346の入力端子は、NOT回路1304の出力端子とフリップフロップ回路1311〜1326のうちの対応するものの出力端子とに接続され、出力端子は、CPU103の入力ポートに接続されている。
【0107】
この構成において、初期状態では、ラッチ信号SLと読出制御信号SRCは共にローレベルである。AND回路1301の出力はローレベル、NOT回路1302の出力はハイレベル、AND回路1303の出力はローレベル、NOT回路1304の出力はハイレベルとなり、OR回路1331〜1346は全てハイレベルの信号を出力する。この状態で、始動入賞が発生して、ラッチ信号SLがハイレベルになると、AND回路1301の出力もハイレベルになり、各フリップフロップ1311〜1326は、カウント値(乱数値)の対応するビットC1〜C16をラッチする。一方、NOT回路1302の出力は、ローレベルとなる。従って、ラッチ信号SLがハイレベルの間は、CPU103からの読出制御信号SRCは受け付けられない。従って、フリップフロップ回路1311〜1326がカウント値を更新している間に、CPU103が、更新中の不安定(不完全)な乱数値を読み出すことはない。
【0108】
一方、初期状態(始動入賞検出信号SSAとSSBとはローレベル)において、CPU103が乱数値を読み出すために、読出制御信号SRCをハイレベルにすると、NOT回路1304の出力がローレベルとなって、OR回路1331〜1346は、フリップフロップ回路1311〜1326の出力データ(記憶値)をそのままCPU103のI/Oポートに出力する。また、AND回路1301の一方の入力がローレベルとなるため、AND回路1301は、ラッチ信号SLを受け付けなくなる。従って、CPU103が読出制御信号SRCをハイレベルにして乱数値を読み出している間に、乱数値が更新されるという事態が起こらず、乱数値を安定して読み出すことができる。
【0109】
図13は、ランダムカウンタ105の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0110】
図13(A)に示すように、基準クロック信号生成回路1201は、例えば、周波数が20MHzで、タイミングT11、T12、…においてローレベルからハイレベルに立ち上がり、1周期の中点においてハイレベルからローレベルに立ち下がる基準クロック信号S0をカウントクロック信号生成回路1202に出力する。
【0111】
カウントクロック信号生成回路1202は、基準クロック信号S0を実質的に1/2分周して、図13(B)と(C)に示すような10MHzのカウントクロック信号S1とその反転信号であるカウントクロック信号S2に変換して正相出力端子(Q)と逆相出力端子(Qバー)から出力する。
【0112】
カウンタ1203は、図13(D)に示すように、カウントクロック信号S1の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値(カウント値データ)Cを更新して出力する。
【0113】
ここで、例えば、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞すると、図13(E)に示すように、第1の始動入賞口スイッチ70Aが第1の始動入賞検出信号SSAを出力する。この第1の始動入賞検出信号SSAの立ち上がりエッヂにほぼ同期して、第1のRSフリップフロップ75AのQ出力SSA’もハイレベルとなる。この場合、第2の始動入賞口スイッチ70Bの出力する第2の始動入賞検出信号SSBは、図13(F)に示すように、ローレベルのままであり、第2のRSフリップフロップ75BのQ出力(第2の入賞球検出信号)SSB’はローレベルを維持する。
【0114】
第1の始動入賞口スイッチ70Aが出力した第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞口スイッチ70Bが出力した第2の始動入賞検出信号SSBとは、バッファ1221と1222を介して出力されて、図13(G)に示すようにワイヤードオアされてラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。
【0115】
ラッチ信号生成回路1204は、図13(H)に示すように、カウントクロック信号S2の立ち上がりエッヂに、ワイヤードオアされた始動入賞検出信号を同期させて、ラッチ信号SLとして出力し、ラッチ回路1205は、図13(I)に示すように、カウンタ1203のカウント値をラッチする。CPU103は、後述する特別図柄プロセス処理において、ラッチ回路1205のラッチ値を取り込み、これを用いて、特図ゲームを進行する。
【0116】
なお、例えば、第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62とに連続して遊技球が入賞し、図14(E)と14(F)に示すような重なったタイミングで、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとが出力された場合には、ワイヤードオアロジックでオアされた後の始動入賞信号は、図14(G)に示すようになり、ラッチ信号生成回路1204は、図14(H)に示すように、1つのラッチ信号SLを出力し、ラッチ回路1205は、図14(I)に示すように、カウンタ1203の1つのカウント値をラッチする。但し、CPU103は、後述する特別図柄プロセス処理において、ラッチ回路1205のラッチ値を、第1の普通可変入賞球装置61への入賞についてはラッチ回路1205のラッチ値を取り込んで処理し、第1の普通可変入賞球装置61への入賞については、先に取り込んだラッチ値をコピーして使用するので、一方の入賞が無視されるようなおそれはない。
【0117】
図3に示す表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御基板12は、主基板11から出力される表示制御コマンドに基づいて、可変表示ゲームに用いられる画像を第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44上に表示させる。すなわち、表示制御基板12は、主基板11からの制御コマンドに基づいて第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44の表示動作を制御することによって、遊技の進行に関わる画像表示による演出を制御する。
【0118】
図15は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路200と、リセット回路201と、表示制御用のCPU202と、ROM203と、RAM204と、GCL(Graphic Control LSI)205と、CGROM206と、VRAM(Video RAM)207と、を備えている。
【0119】
発振回路200は、CPU202及びGCL205に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路201は、CPU202及びGCL205をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU202は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM204を作業領域として用いながらROM203から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU202は、読み出した制御データに基づいてGCL205に描画命令を送る。ROM203は、CPU202によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM204は、CPU202によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0120】
GCL205は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU202からの描画命令に従って動作する。また、CPU202とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM207をマッピングしている。CGROM206は、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44にて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM206には、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44に表示される画像の中で使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM207は、GCL205によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0121】
また、表示制御基板12は、図16に示すように、ランダムカウンタ211と、表示制御パターンテーブルメモリ212と、フラグメモリ214と、各種タイマ215と、を備えている。
【0122】
ランダムカウンタ211は、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44における表示による演出内容を決定するために用いられる乱数であるランダムR10のカウントを行う。図17に示すように、ランダムR10は、表示制御パターンテーブルメモリ212に格納された複数種類の表示制御パターンのうちから今回の飾り図柄ゲームで使用するものを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
【0123】
図18に示す表示制御パターンテーブルメモリ212は、主基板11から受けた表示制御コマンドに基づいて選択される複数の表示制御パターンテーブルを記憶する。具体的には、表示制御パターンテーブルメモリ212は、図18に示すように、図柄表示制御パターンテーブル220等を含んで構成される。
【0124】
図19に示す図柄表示制御パターンテーブル220は、複数種類の図柄表示制御パターンを格納する。各図柄表示制御パターンは、図19に示すように、図柄表示制御プロセスタイマ設定値、図柄表示制御データなど、飾り図柄の表示状態を制御するためのデータからなり、時系列的に飾り図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、その表示状態での表示期間、キャラクタの切替タイミング等が設定されている。
【0125】
フラグメモリ214は、第3及び第4の可変表示装置43及び44における表示状態や主基板11からのコマンド受信に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ214には、第1及び第2の表示制御プロセスフラグ、第1及び第2の可変表示開始フラグ、第1及び第2の有効フラグ、第3及び第4の可変表示時間タイマ停止フラグ及びタイマ割込フラグなどが設けられている。
【0126】
第1の表示制御プロセスフラグは、後述する第1の飾り図柄表示制御プロセス処理(図34の第j飾り図柄表示制御プロセス処理においてj=1のとき)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の表示制御プロセスフラグは、後述する第2の飾り図柄表示制御プロセス処理(図34の第j飾り図柄表示制御プロセス処理においてj=2のとき)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
【0127】
第1の可変表示開始フラグは、主基板11から第1の可変表示開始コマンドA0XX(h)を受信したときにオン状態にセットされ、第2の可変表示開始フラグは、第2の可変表示開始コマンドA1XX(h)を受信したときにオン状態にセットされる。第1の有効フラグは、主基板11から第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)を受信したときにオン状態にセットされ、第2の有効フラグは、主基板11から第2の左・中・右図柄指定コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)を受信したときにオン状態にセットされる。
【0128】
第3の可変表示時間タイマ停止フラグは、第3の可変表示装置43による特図ゲームの実行中に、第4の可変表示装置44にて大当り図柄が導出表示されたときに、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したときにクリアされてオフ状態となる。第4の可変表示時間停止フラグは、第4の可変表示装置44による特図ゲームの実行中に、第3の可変表示装置43にて大当り図柄が導出表示されたときに、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したときにクリアされてオフ状態となる。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0129】
図16に示す各種タイマ215は、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。例えば、各種タイマ215は、第1及び第2の図柄表示制御プロセスタイマ、第3及び第4の可変表示時間タイマや第1及び第2の監視タイマを含んでいる。第1の図柄表示制御プロセスタイマは、図柄表示プロセステーブルに設定されているプロセスタイマ値をカウントダウンすることにより、第3の可変表示装置43にて飾り図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測し、第2の図柄表示制御プロセスタイマは、第4の可変表示装置44にて飾り図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。
【0130】
各種タイマ215に含まれる第3の可変表示時間タイマは、第3の可変表示装置43による飾り図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタであり、第4の可変表示時間タイマは、第4の可変表示装置44による飾り図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタである。第1の監視タイマは、第3の可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、第2の監視タイマは、第4の可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものである。第1及び第2の監視タイマは、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
【0131】
また、遊技機1は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の音声制御基板とランプ制御基板を備える。音声制御基板は、主基板11からの制御コマンドに基づいてスピーカ8L、8Rによる音声出力動作を制御することによって、遊技の進行に関わる音声による演出を制御する。また、ランプ制御基板は、主基板11からの制御コマンドに基づいて遊技効果ランプ9の点灯/消灯動作を制御することによって、遊技の進行に関わるランプの点灯、点滅あるいは消灯による演出を制御する。払出制御基板13は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。また、遊技機1は、各種の遊技関連情報を外部に出力するための情報端子を備える。
【0132】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図20は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板10からの電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103は、まず、図20のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS1)、必要な初期設定を行う(ステップS2)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行うことにより、種々の定期的なタイマ割込を発生させる(ステップS2)。マスクの解除を行って割込を許可し、例えば、2ミリ秒毎に遊技制御割込処理(図21)を実行可能とする(ステップS3)。その後、ループ処理に入る。
【0133】
CPU103は、ステップS2、S3の処理により、図21のフローチャートに示す遊技制御割込処理を2ms毎に実行する。
【0134】
図21のフローチャートに示す遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各始動入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。なお、このスイッチ処理のうち、第1と第2の始動入賞口スイッチ70A、70Bに関する処理については、図22を参照して後述する。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、ランダムカウンタ105によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1を抽出する処理と、ソフトウエア処理により発生される乱数であるランダムR2及びR5を更新する判定用乱数更新処理と(ステップS13)、ソフトウエア処理により発生される表示用乱数であるランダムR3やR4を更新する表示用乱数更新処理と、を順次実行する(ステップS14)。
【0135】
続いて、CPU103は、第1の特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15A)。続いて、第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)を実行する。従って、割り込み処理が繰り返されるため、CPU103は、第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)と第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)とを交互に実行する。
第1と第2の特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、フラグメモリ117に設けられた第1の特別図柄プロセスフラグや第2の特別図柄プロセスフラグに従って、それぞれ該当する処理が選択されて実行される。
【0136】
続いて、CPU103は、第1の普通図柄プロセス処理(ステップS16A)と第2の普通図柄プロセス処理(ステップS16B)とを順次実行する。第1と第2の普通図柄プロセス処理では、第1の普通図柄表示器51や第2の普通図柄表示器52を所定の順序で制御するために、第1の普通図柄プロセスフラグや第2の普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
【0137】
さらに、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS17)。このコマンド制御処理により主基板11から送出された表示制御コマンドを表示制御基板12のCPU202が受け取り、その表示制御コマンドに従って第3及び第4の可変表示装置43及び44の表示制御などが行われる。
【0138】
また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS18)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0139】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62における可動翼片の可動制御や第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS19)。
【0140】
この後、所定の賞球処理を実行することにより、各始動入賞口スイッチ70から入力された始動検出信号の有無の判別に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板13に対して払出制御コマンドを出力する(ステップS20)。払出制御基板13上の払出制御部135は、払出制御コマンドに応答して、入賞箇所(第1と第2の普通可変入賞球装置61、62、第1と第2の特別可変入賞球装置71、72)の別に応じて、図10に示す数の遊技球を払い出す。
【0141】
図22は、ステップS15Aと15Bにて実行される第1と第2の特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。なお、第1と第2の特別図柄プロセス処理の内容は非常に類似しており、ここでは、理解を容易にするため、1又は2の値を取るポインタiを設定し、第1と第2の特別図柄プロセス処理を共通のフローチャートで示す。i=1のときが、第1の特別図柄プロセス処理のフローチャート、i=2のときが、第2の特別図柄プロセス処理のフローチャートである。
第iの特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、始動入賞の有無を判別するため、第iのRSフリップフロップ75A又は75Bから供給される第iの始動入賞検出信号SSA又はSSBがハイレベルか否かを判別する(ステップS101)。
【0142】
遊技球が第iの普通可変入賞球装置61又は62に入賞して第iの始動入賞口スイッチ70A又は70BからのRSフリップフロップ75A又は75Bを介した始動入賞検出信号SSA’又はSSB’がハイレベルとなった場合(ステップS101;Yes)、第iの入賞処理を実行する(ステップS102)。一方、ローレベルの場合(ステップS101;No)には、第iの入賞処理(ステップS102)をスキップする。
なお、第1の入賞処理と第2の入賞処理とは、図21の1つの処理ルーチンである遊技制御割込処理内では、この順番に連続して実行される処理である。
【0143】
図23は、ステップS102の第iの入賞処理を示すフローチャートのうち、i=1、即ち、第1の特別図柄プロセス処理で実行される第1の入賞処理を示すフローチャートを示し、図24は、ステップS102の第iの入賞処理を示すフローチャートのうち、i=2、即ち、第2の特別図柄プロセス処理で実行される第2の入賞処理を示すフローチャートを示す。
【0144】
まず、図23の第1の入賞処理において、CPU103は、まず、第1の特図保留メモリ111が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS201)。
【0145】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS207にジャンプする。
【0146】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS201;No)、第1の特図保留メモリ111の始動入賞記憶数を1加算し(ステップS202)、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS203)。すなわち、CPU103は、読出制御信号SRCをハイレベルとして、ラッチ回路1205の記憶データの読み出しを可能として、ラッチ回路1205の記憶する数値データを内部に取り込んで内部レジスタにセットし、その後、読み出し制御信号SRCをオフする(ステップS203)。
【0147】
ただし、CPU103は、ラッチ回路1205の記憶データを読み出した後も、リセット或いはプリセットしたりすることはない。従って、ラッチ回路1205は、記憶値を保持し続ける。
【0148】
続いて、CPU103は、読み出したランダムR1を、第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS204)。このとき、第1の始動入賞記憶表示器45にて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第1の始動入賞記憶表示器45の点灯制御を行う。
【0149】
続いて、第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっているか否かを判別する(ステップS205)。この段階で第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっている場合(ステップS205;Yes)、始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBがワイヤードオアされているため、後続する第2の特別図柄プロセス処理S15Bが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLの立ち上がりエッジが出力されることがなく、ラッチ回路1205の保持値が更新されることがない(ラッチ信号生成回路1204がラッチ信号SLの立ち上がりエッジを出力するためには、D入力端子の入力信号(ワイヤードオアされた信号)が一旦ローレベルになる必要がある)。このことを示すために、乱数値取込済フラグをセットする(ステップS206)。
【0150】
一方、第2の始動入賞検出信号SSB’がローレベルになっている場合(ステップS205;No)、後続する第2の特別図柄プロセス処理S15Bが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLが出力されて、ラッチ回路1205の保持値が更新される可能性があるため、乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS207)。
最後に、第1のRSフリップフロップ75Aをリセットする(ステップS208)。
以上で第1の入賞処理を終了する。
【0151】
一方、図21の第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)の後で実行される第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)において実行される第2の入賞処理においては、図24に示すように、CPU103は、まず、第2の特図保留メモリ112が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS1201)。
【0152】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS1201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS1208にジャンプし、乱数値取込済みフラグをリセットする。
【0153】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS1201;No)、第2の特図保留メモリ112の始動入賞記憶数を1加算する(ステップS1202)。続いて、乱数値取込済フラグを参照する(ステップS1203)。
【0154】
乱数値取込済フラグがオフのときは(ステップS1203;No)、通常通り、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS1204)。すなわち、CPU103は、読出制御信号SRCをハイレベルとして、ラッチ回路1205の記憶データの読み出しを可能として、ラッチ回路1205の記憶する数値データを内部に取り込んで内部レジスタにセットし、その後、読み出し制御信号SRCをオフする。
【0155】
そして、CPU103は、内部レジスタにセットしたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS1205)。このとき、第2の始動入賞記憶表示器46にて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第2の始動入賞記憶表示器46の点灯制御を行う。
【0156】
一方、ステップS1203で、乱数値取込済フラグがオンのときは(ステップS1203;Yes)、図23の第1の入賞処理において、CPU103がステップS203でランダムR1をラッチ回路1205から読み込んでから、ラッチ回路1205の保持値は更新されていない。従って、ラッチ回路1205からその保持値を読み込んでも、先にステップS203で読み込んだ値を再度読み込むだけである。
【0157】
そこで、CPU103は、ラッチ回路1205からランダムR1を読み出す代わりに、ステップS203で読み込んで内部レジスタに保持しておいたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS1206)。即ち、第1の乱数値を第2の乱数値としてコピーする。このとき、第2の始動入賞記憶表示器46にて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第2の始動入賞記憶表示器46の点灯制御を行う。
【0158】
その後乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS1207)。
【0159】
最後に、第2のRSフリップフロップ75Bをリセットする(ステップS1208)。
以上で第2の入賞処理を終了する。
【0160】
第iの入賞処理(図22、ステップS102、図23、図24)を終了すると、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図22のステップS110〜S118の処理を行う。
【0161】
ステップS110の第iの特別図柄通常処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、第iの特図保留メモリ111又は112が記憶している保留記憶数が「0」であるか否かを判別する。ここで、第iの特図保留メモリ111又は112において、保留番号「1」に対応した乱数値等の各種データが記憶されていない場合には、保留記憶数が「0」であると判別される。保留記憶数が「0」であれば、表示制御基板12を介して第(i+2)の可変表示装置43又は44上にデモンストレーション画面を表示するなどして、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」ではないと判別すると、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの大当り判定処理に対応した値である「1」に更新する。
【0162】
ステップS111の第iの大当り判定処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図25に示すように、まず、第iの特図保留メモリ111又は112から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR1の値を読み出す(ステップS221)。この際、保留記憶数を1減算し、かつ、第iの特図保留メモリ111又は112の第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納されたランダムR1の値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS222)。
【0163】
続いて、CPU103は、確率向上状態(確変中)であるか否かを判別し(ステップS223)、確変中でなければ(ステップS223;No)、通常遊技状態であると判断し、第iの可変表示装置41又は42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図7(A)に示すような通常時大当り判定用テーブル120を設定する(ステップS224)。これに対して、確変中であれば(ステップS223;Yes)、図7(B)に示すような確変時大当り判定用テーブル121を設定する(ステップS225)。
【0164】
CPU103は、ステップS221の処理にて読み出したランダムR1の値に基づき、ステップS224又はS225の処理にて設定した大当り判定用テーブル120又は121を用いて、第iの可変表示装置41又は42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定する(ステップS226)。そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS226;Yes)、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグをオン状態にセットし(ステップS227)、ハズレとすることに決定した場合には(ステップS226;No)、第iの大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS228)。この後、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの確定図柄決定処理に対応した値である「2」に更新する(ステップS229)。
【0165】
図22に示すステップS112の第iの確定図柄決定処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図26と図27に示す処理を実行し、まず、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS231)。第iの大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS231;No)、乱数プログラムを実行して、ランダムR2を発生し、その値を抽出し(ステップS232)、リーチとするか否かを決定する(ステップS233)。例えば、ステップS232の処理にて抽出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定し、「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。
【0166】
ステップS233の処理にてリーチとしないことを決定したとき(ステップS233;No)、CPU103は、フラグメモリ117に設けられた第iのリーチ状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS234)。そして、乱数プログラムを実行してランダムR4−1を発生し、この値に基づき、図8(C)に示す左図柄決定用テーブル132を用いて第iの左確定図柄を決定する(ステップS235)。また、乱数プログラムを実行してランダムR4−2を発生し、この値に基づき、図8(D)に示す中図柄決定用テーブル133を用いて第iの中確定図柄を決定すると共に(ステップS236)、乱数プログラムによりランダムR4−3を発生させて、この値に基づき、図8(C)に示す右図柄決定用テーブル134を用いて第1の右確定図柄を決定する(ステップS237)。この後、ステップS250の処理に進む。
【0167】
また、ステップS233の処理にてリーチとすることを決定したとき(ステップS233;Yes)、CPU103は、第iのリーチ状態フラグをオン状態にセットし(ステップS238)、ランダムカウンタ105より抽出したランダムR4−1の値に基づき、左図柄決定用テーブル132を用いて第iの左確定図柄を決定する(ステップS239)。また、第iの左確定図柄と同一の図柄番号である特別図柄を第iの右確定図柄とすることを決定し(ステップS240)、第iの左・右確定図柄とは異なる任意の特別図柄を第iの中確定図柄とすることを決定する(ステップS241)。この後、ステップS250に進む。
【0168】
上述したステップS231の処理にて大当り状態フラグがオンであると判別したとき(ステップS231;Yes)、CPU103は、乱数プログラムを実行してランダムR5を発生し(ステップS242)、この値に基づいて、大当り遊技状態が終了した後に確率向上状態へと移行する確率変動制御を行うか否かを決定する(ステップS243)。例えば、ランダムR5の値が奇数であるときには確率変動制御を行うことを決定し、偶数であるときには確率変動制御を行わないことを決定する。
【0169】
ステップS243の処理にて確率変動制御を行わないことを決定したとき(ステップS243;No)、CPU103は、フラグメモリ117に設けられた第iの確変確定フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS244)、大当りの可変表示結果となる特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図8(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル130を設定する(ステップS245)。また、ステップS243の処理にて確率変動制御を行うことを決定したときには(ステップS243;Yes)、第iの確変フラグをオン状態にセットすると共に(ステップS246)、特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図8(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル131を設定する(ステップS247)。
【0170】
ステップS245又はS247の処理を実行した後、CPU103は、ランダムR4−1を発生し(ステップS248)、ランダムR4−1の値に基づき、ステップS245又はS247の処理にて設定した通常大当り図柄決定用テーブル130又は確変大当り図柄決定用テーブル131を用いて左・中・右で同一となる大当り用の確定図柄を決定する(ステップS249)。
【0171】
そして、ステップS249の処理にて決定した特別図柄の確定図柄に対応する制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第iの左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)(以上i=1のとき)又はC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)(i=2のとき)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS250)。この後、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの可変表示パターン設定処理に対応した値である「3」に更新して、第iの確定図柄決定処理を終了する(ステップS251)。
【0172】
図22に示すステップS113の第iの可変表示パターン設定処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図28に示す処理を実行し、まず、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS261)。第iの大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、上記ステップS112の第iの確定図柄決定処理にてリーチとすることが決定されたか否かを判別するために、第iのリーチ状態フラグのオン・オフを判別する(ステップS262)。
【0173】
リーチとしない場合には(ステップS262;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(A)に示す通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150を設定し(ステップS263)、一方、リーチとする場合には(ステップS262;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(B)に示すリーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151を設定する(ステップS264)。
【0174】
また、ステップS261の処理にて第iの大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(C)に示す第iの大当り時可変表示パターン決定用テーブル152を設定する(ステップS265)。
【0175】
CPU103は、乱数プログラムを実行してランダムR3の値を抽出し(ステップS266)、抽出したランダムR3の値に基づいて、ステップS263、S264、又はS265の処理にて設定した可変表示パターン決定用テーブルのうちから、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを決定する(ステップS267)。
【0176】
この後、CPU103は、ステップS267の処理にて決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第iの可変表示開始コマンドA0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS268)。そして、第iの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示を開始させると共に(ステップS269)、この可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ118に設けられた第iの可変表示時間タイマに設定する(ステップS270)。この後、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの可変表示制御処理に対応した値である「4」に更新する(ステップS271)。
【0177】
図22に示すステップS114の第iの可変表示制御処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図29に示すように、まず、フラグメモリ117に設けられた第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているか否かを判別する(ステップS291)。第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオフになっているときには(ステップS291;No)、第iの可変表示時間タイマのタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS292)。
【0178】
そして、更新された第iの可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS293)。第iの可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS293;Yes)、第iの特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である「5」に更新する(ステップS294)。一方、ステップS293の処理にて第iの可変表示時間タイマのタイマ値が「0」以外であると判定されたときには(ステップS293;No)、第iの特別図柄プロセスフラグを更新することなく第iの可変表示制御処理を終了する。
【0179】
また、ステップS291の処理にて第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているときには(ステップS291;Yes)、ステップS292〜S294の処理をスキップして、そのまま第iの可変表示制御処理を終了する。これにより、第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオンされてから再びオフされるまで、第iの可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンを停止することができ、この結果、第iの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示を継続したまま、特別図柄の可変表示時間を延長することができる。
【0180】
図22のステップS115の第iの可変表示停止時処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図30に示すように、第iの可変表示装置41又は42にて特別図柄の確定図柄を導出表示させて、第iの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示を終了すると共に(ステップS301)、主基板11から表示制御基板12に対して第iの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)(D(i-1)00(h))を送出するための設定を行う(ステップS302)。具体的には、第iの飾り図柄確定コマンドD(i-1)00(h)に対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第1の飾り図柄確定コマンドD000(h)又は第2の飾り図柄確定コマンドD100(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する。CPU103は、コマンド送信テーブルに設定された1又は複数のコマンドを後続するコマンド制御処理(ステップS17)で表示制御基板12に送信する。
【0181】
続いて、CPU103は、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS303)。第iの大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS303;No)、続いて、フラグメモリ117に設けられた確変中フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS304)。確変中フラグがオフであるときには(ステップS304;No)、ステップS310の処理へと進む。
【0182】
一方、確変中フラグがオンであるときには(ステップS304;Yes)、確変終了フラグがオンか否かを判別する(ステップS305)。確変終了フラグがオンであれば(ステップS305;Yes)、確変中フラグと確変終了フラグと確変カウンタとをクリアし(ステップS306)、ステップS310に進む。
【0183】
また、ステップS305で、確変終了フラグがオフであれば(ステップS305;No)、確変カウンタ116のカウント値を1減算し(ステップS307)、確変カウンタ116のカウント値が「0」となっているか否かを判別する(ステップS308)。確変カウンタ116のカウント値が「0」となっていないときには(ステップS308;No)、ステップS310の処理へと進む。
【0184】
一方、確変カウンタ116のカウント値が「0」となっているときには(ステップS308;Yes)、即ち、確変状態が終了したときには、確変中フラグをクリアする(ステップS309)。この後、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS310)。
【0185】
また、ステップS303の処理にて第iの大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS303;Yes)、フラグメモリ117に設けられている第(i+1)の可変表示時間タイマ停止フラグをオン状態にセットし(ステップS311)、その後、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの大入賞口開放前処理に対応する値である「6」に更新する(ステップS312)。
【0186】
図22のステップS116の第iの大入賞口開放前処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての第iの特別可変入賞球装置71又は72を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、第iの特別可変入賞球装置71又は72を開放する制御を開始するとともに、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第1の大入賞口開放中処理に対応した値である「7」に更新する。
【0187】
また、ステップS117の第iの大入賞口開放中処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された第iの特別可変入賞球装置71又は72への遊技球の入賞検出、図10に示す賞球数テーブル119の設定に基づいた数の賞球の払出指令、開成時間の計測及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、第iの特別可変入賞球装置71又は72それぞれの開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が成立したとして第iの特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「8」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、第iの特別可変入賞球装置71又は72を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0188】
図22に示すステップS118の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図31に示すように、まず、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドEi00(h)(E000(h)又はE100(h))を送出するための設定を行うなどして、第iの可変表示装置41又は42で成立している大当り遊技状態を終了させると共に(ステップS321)、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグ及び第(i+1)の可変表示時間タイマ停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS322)。これにより、フラグメモリ117に設けられた第(i+1)の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンが再開される。
【0189】
このように、第(i+1)の可変表示時間タイマ停止フラグは、ステップS115の第iの可変表示停止時処理からステップS118の第iの大当り終了処理までの間、オン状態となるため、第(i+1)の可変表示装置42又は41は、第iの可変表示装置41又は42にて大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった後、この大当り遊技状態が終了するまで、表示結果の導出表示が規制される。この結果、第iの可変表示装置41又は42にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態の継続中に、第(i+1)の可変表示装置42又は41にも大当り図柄が導出表示されて、2つの大当り遊技状態が同時期に発生することを防止することができる。
【0190】
続いて、CPU103は、第iの確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS323)、オンとなっているときには(ステップS323;Yes)、第iの確変確定フラグをクリアしてオフ状態にすると共に、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS324)。さらに、確変カウンタ116に確変中可変表示回数初期値となるカウント初期値をセットする(ステップS325)。ここで、確変中可変表示回数初期値は、高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残回数初期値(例えば「100」)である。
【0191】
一方、ステップS323の処理にて第iの確変確定フラグがオフであるときには(ステップS323;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にすると共に、確変カウンタ116をクリアしてカウント値を「0」に初期化する(ステップS326)。すなわち、通常大当りに基づく大当り遊技状態となるときには、高確率状態が終了して通常遊技状態に戻る。そして、第iの特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS327)。
【0192】
この実施の形態において、大当りが確率変動を伴わないものであったときには、大当り終了時に確変中フラグをクリアするようにしたが、大当りが開始されたときに、必ず確変中フラグを一旦クリアして、大当り終了時に、大当りが確率変動を伴うものであるか否かを判定して、判定結果が伴うものであったときには、再度確変中フラグをセットするようにしてもよい。
【0193】
次に、表示制御基板12における動作を説明する。図32は、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU202が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理を開始すると、まず、所定の初期化処理を実行することにより、RAM204のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための33ミリ秒タイマの初期設定等を行う(ステップS31)。
【0194】
その後、CPU202は、フラグメモリ214に設けられたタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS32;No)。この実施の形態では、CPU202にて33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、フラグメモリ214に設けられたタイマ割込フラグがセットされる。
【0195】
CPU202では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの表示制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。表示制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU202は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0196】
主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることによりCPU202において割込みが発生することで、CPU202は、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートから、データを読み込む。そして、2バイト構成である表示制御コマンドのMODEデータ、EXTデータを順次に受信し、受信したコマンドを所定の受信コマンドバッファに格納する。こうして受信コマンドバッファに主基板11から送信された表示制御コマンドが格納される一方で、図32に示すステップS32にてタイマ割込みの発生が確認される。このタイマ割込みの発生が確認されると(ステップS32;Yes)、CPU202は、フラグメモリ214に設けられたタイマ割込フラグをクリアしてオフ状態とした後に、コマンド解析処理を実行することにより、受信した表示制御コマンドを解析する(ステップS33)。
【0197】
コマンド解析処理が終了すると、CPU202は、ランダムカウンタ211がカウントするランダムR10を更新するためのカウンタ更新処理を実行した後(ステップS34)、第1の飾り図柄表示制御プロセス処理(ステップS35)と第2の飾り図柄表示制御プロセス処理(ステップS36)とを順次実行する。第1の飾り図柄表示制御プロセス処理では、表示状態に応じて第3の可変表示装置43における表示動作を所定の順序で制御するために、フラグメモリ214に設けられた第1の表示制御プロセスフラグの値に従って該当する処理が選択されて実行される。また、第2の飾り図柄制御プロセス処理では、表示状態に応じて第4の可変表示装置44おける表示動作を所定の順序で制御するために、第2の表示制御プロセスフラグの値に従って該当する処理が選択されて実行される。第1及び第2の飾り図柄表示制御プロセス処理が終了すると、ステップS32の処理にリターンする。
【0198】
図33と図34は、ステップS33のコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理を開始すると、CPU202は、まず、主基板11から受信した表示制御コマンドがあるか否かを確認する(ステップS601)。例えば、受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているなどして、受信コマンドがあることを確認したときには(ステップS601;Yes)、受信コマンドを読み出し(ステップS602)、そのコマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)であるか否かを判別する(ステップS603)。
【0199】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)であれば(ステップS603;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された飾り図柄用の第1の左・中・右図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS604)、フラグメモリ214に設けられた第1の有効フラグをオン状態にセットする(ステップS605)。第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)のEXTデータは、飾り図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)ではないときには(ステップS603;No)、そのコマンドが第2の左・中・右図柄指定コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)であるか否かを判別する(ステップS606)。
【0200】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第2の左・中・右図柄指定C0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)であれば(ステップS606;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された飾り図柄用の第2の左・中・右図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS607)、フラグメモリ214に設けられた第2の有効フラグをオン状態にセットする(ステップS608)。第2の左・中・右図柄指定コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)のEXTデータは、飾り図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS602にて読み出した受信コマンドが第2の左・中・右図柄指定C0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)ではないときには(ステップS606;No)、そのコマンドがそのコマンドが第1の可変表示開始コマンド90XX(h)であるか否かを判別する(ステップS609)。
【0201】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第1の可変表示開始コマンド90XX(h)であれば(ステップS609;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された第1の可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS610)、フラグメモリ214に設けられた第1の可変表示開始受信フラグをオン状態にセットする(ステップS611)。これに対して、ステップS602にて読み出した受信コマンドが第1の可変表示開始コマンド90XX(h)ではないときには(ステップS609;No)、そのコマンドが第2の可変表示開始コマンド91XX(h)であるか否かを判別する(ステップS612)。
【0202】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第2の可変表示開始コマンド82XX(h)であれば(ステップS612;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された第2の可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS613)、フラグメモリ214に設けられた第2の可変表示開始受信フラグをオン状態にセットする(ステップS614)。また、読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンド(例えば第1及び第2の飾り図柄確定コマンド)であるときには(ステップS612;No)、フラグメモリ214にて受信した表示制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし(ステップS615)、ステップS601の処理にリターンする。こうして全ての受信コマンドが読み出されると(ステップS601;No)、コマンド解析処理が終了する。
【0203】
図35は、ステップS35とステップS36の第1と第2の飾り図柄表示制御プロセス処理の詳細を示すフローチャートである。第1と第2の飾り図柄表示制御プロセス処理は、処理の対象が第3の可変表示装置43用であるのか、第4の可変表示装置44用であるのかの差異を除けば、その内容は実質的に同一である。そこで、以下では、変数j(j=1、2)を用いて、第jの飾り図柄表示制御プロセス処理を一括して説明する。
第jの飾り図柄表示制御プロセス処理において、CPU202は、フラグメモリ214に設けられている第jの表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図35に示すステップS620〜S626の7個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS620〜S626の各処理について説明する。
【0204】
ステップS620の第jの可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図36に示すように、まず、フラグメモリ214に設けられた第jの可変表示開始フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS701)。即ち、上述したコマンド解析処理において、可変表示時間を特定可能な第jの可変表示開始コマンドA0XX(h)又はA1XX(h)が受信コマンドバッファから読み出されたときには、第jの可変表示開始フラグがセットされる。
【0205】
第jの可変表示開始フラグがセットされていないときには(ステップS701;No)そのまま第jの可変表示制御開始コマンド受信待ち処理を終了する。
【0206】
また、ステップS701の処理にて第iの可変表示開始フラグがセットされているときには(ステップS701;Yes)、第jの表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する(ステップS702)。
【0207】
ステップS621の第jの表示制御設定処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、RAM204の可変表示パターン記憶エリアにセーブされた可変表示パターンに応じた図柄表示制御パターンを選択決定し、図柄表示制御パターンテーブル220から読み出す。そして、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの可変表示開始前処理に対応した値である「2」に更新する。
【0208】
ステップS622の第jの可変表示開始前処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、GCL205に指令を送り、第(j+2)(jが1の時は第3の可変表示装置43、jが2の時は第4の可変表示装置44)の可変表示部にて飾り図柄を徐々に加速する態様で表示させて、飾り図柄の可変表示を開始させる。また、可変表示パターンに対応した総可変表示時間に相当するカウント初期値を、各種タイマ215に含まれる第(j+2)の可変表示時間タイマにセットしてカウントダウン動作を開始させることにより、可変表示時間の計測を開始させる。そして、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの可変表示中処理に対応する値である「3」に更新する。
【0209】
ステップS623の第iの可変表示中処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、まず、図37に示すように、まず、フラグメモリ214に設けられた第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているか否かを判別する(ステップS711)。第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオフになっているときには(ステップS711;No)、第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS712)。
【0210】
そして、更新された第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS713)。第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS713;Yes)、各種タイマ215に含まれる第jの監視タイマに対して予め定められたカウント初期値を設定し(ステップS714)、その第jの監視タイマのカウントダウンをスタートさせると共に、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの飾り図柄停止待ち処理に対応する値である「4」に更新する(ステップS715)。一方、ステップS713の処理にて第3の可変表示時間タイマのタイマ値が「0」以外であると判定されたときには(ステップS713;No)、第jの表示制御プロセスフラグを更新することなく第jの可変表示中処理を終了する。
【0211】
また、ステップS711の処理にて第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているときには(ステップS711;Yes)、ステップS712〜S715の処理をスキップして、そのまま第jの可変表示中処理を終了する。これにより、第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオンされてから再びオフされるまで、第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンを停止することができ、この結果、第(j+2)の可変表示装置43又は44による飾り図柄の可変表示時間を、第jの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示時間と同様に、延長することができる。なお、第(j+2)の可変表示時間タイマのカウントが停止しているときに(ステップS711;Yes)、その旨を報知するためのメッセージを飾り図柄の可変表示に合成して表示するステップを配置してもよい。
【0212】
図35に示すステップS624の第jの飾り図柄停止待ち処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図38に示すように、まず、主基板11から送信された第jの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)(j=1のときは、D000(h)、j=2のときはD100(h))を表示制御コマンドとして受信したか否かを判別する(ステップS721)。なお、この第jの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)は、前述のステップS302で送信の準備が行われ、その後、ステップS19で送信されるコマンドである。第jの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)を受信していないときには(ステップS721;No)、第jの監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS722)、タイムアウトしていなければ(ステップS722;No)、そのまま第jの飾り図柄停止待ち処理が終了する。
【0213】
一方、第jの監視タイマがタイムアウトしたとき(ステップS722;Yes)、CPU202は、何らかの異常が発生したと判断して、第(j+2)の可変表示装置43又は44上に所定のエラー画面を表示する制御を行う(ステップS723)。この後、ステップS727の処理へと進む。
【0214】
また、ステップS721の処理にて第jの飾り図柄確定コマンドを受信したと判別したとき(ステップS721;Yes)、CPU202は、第(j+2)の可変表示装置43又は44にて実行中である飾り図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行い(ステップS724)、各図柄の表示結果が特定表示結果である大当りとなったか否かを判別する(ステップS725)。大当りではないときには(ステップS725;No)、ステップS727の処理に進み、大当りであるときには(ステップS725;Yes)、フラグメモリ214に設けられている第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグをオン状態にセットする(ステップS726)。その後、CPU202は、ステップS728の処理へと進む。
【0215】
ステップS727の処理において、CPU202は、第jの表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新して、第jの飾り図柄停止待ち処理を終了する。また、ステップS728においては、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの大当り表示処理に対応する値である「5」に更新して、第jの飾り図柄停止待ち処理が終了する。
【0216】
図35のステップS625の第jの大当り表示処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、第(j+2)の可変表示装置43又は44を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11から送出された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第(j+2)の可変表示装置43又は44上に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、16回目)になると、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの大当り終了表示処理に対応した値である「6」に更新する。
【0217】
ステップS626の第jの大当り終了表示処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図39に示すように、まず、主基板11から第jの大当り終了コマンドE000(h)又はE100(h)を受信したことに応答して、第(j+2)の可変表示装置43又は44にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う(ステップS731)。また、CPU202は、フラグメモリ214に設けられている第3又は第4の可変表示時間タイマ停止フラグ(j=1の時は第4の可変表示時間タイマ停止フラグ、j=2の時は第3の可変表示時間タイマ停止フラグ)、をクリアしてオフ状態にする(ステップS732)。これにより、それまで一時停止していた第3又は第4の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンが再開される。そして、大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示が終了すると、第jの表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS733)。
【0218】
続いて、各可変表示装置41〜44における表示動作を制御する表示制御例について説明する。
ここでは、第1の可変表示装置41にて表示結果を通常大当りとする特図ゲームが開始された後、第2の可変表示装置42にて表示結果を確変大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を説明する。
【0219】
図40は、この場合の各可変表示装置41〜44における表示動作例を示すタイミングチャートであり、図41は、各可変表示装置41〜44における特別図柄及び飾り図柄の可変表示態様を示す図である。
【0220】
この表示制御例では、第1の可変表示装置41による特図ゲームにて使用される可変表示パターンとして、可変表示パターン#21(リーチA大当り)が選択決定されている。主基板11のCPU103は、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示を開始させると共に、第1の可変表示開始コマンドA0XX(h)を表示制御基板12に対して送出する(図28、ステップS268)。このとき、CPU103は、選択決定した可変表示パターン#21に従って、第1の可変表示装置41の左、中、右可変表示部に表示されている特別図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0221】
そして、表示制御基板12のCPU202は、主基板11から送出された第1の可変表示開始コマンドA0XX(h)を受信したことに応答して(図36、ステップS701;Yes)、GCL205に対して所定の描画命令を送出する等して、第3の可変表示装置43において、飾り図柄の可変表示を開始させる(図35;ステップS622)。このとき、GCL205は、CPU202からの描画命令に従った画像処理を実行し、第3の可変表示装置43の左、中、右可変表示部に表示されている飾り図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0222】
これにより、第1の可変表示装置41では、図41(A)、(B)に示すように、タイミングt10において、停止表示されていた特別図柄の可変表示が開始されると共に、第3の可変表示装置43では、停止表示されていた飾り図柄の可変表示が開始される。
【0223】
そして、図25のステップS226の処理にて第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を確変大当りとする旨の決定がなされ、第2の可変表示装置42による特図ゲームにて使用される可変表示パターンとして、可変表示パターン#21(リーチA大当り)が選択決定される。
【0224】
主基板11のCPU103は、この選択決定した可変表示パターン#21に従って、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示を開始させると共に、第2の可変表示開始コマンドA1XX(h)を表示制御基板12に対して送出する。このとき、CPU103は、選択決定した可変表示パターンに従って、第1の可変表示装置41の左、中、右可変表示部に表示されている特別図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0225】
表示制御基板12のCPU202は、主基板11から送出された第2の可変表示開始コマンドA1XX(h)を受信したことに応答して、GCL205に対して所定の描画命令を送出する等して、第4の可変表示装置44において、GCL205に対して所定の描画命令を送出する等して、第4の可変表示装置44において、飾り図柄の可変表示を開始させる。このとき、GCL205は、CPU202からの描画命令に従った画像処理を実行し、第4の可変表示装置44の左、中、右可変表示部に表示されている飾り図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0226】
これにより、第2の可変表示装置42では、図41(C)に示すように、タイミングt11において、特別図柄の可変表示が開始され、第4の可変表示装置44では、飾り図柄の可変表示が開始される。その後、第1の可変表示装置41と第3の可変表示装置43とでは、図41(D)及び(E)に示すように、左図柄、右図柄の順で仮停止表示がなされる。
【0227】
そして、タイミングt10から総可変表示時間T20後のタイミングt12において、主基板11のCPU103は、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示を終了させ、通常大当り図柄を導出表示すると共に(ステップS301)、第2の飾り図柄確定コマンドD1XX(h)を表示制御基板12に対して送出する(ステップS302)。また、CPU103は、第2の可変表示時間タイマ停止フラグをオンにセットし、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示時間の計測を停止する。
【0228】
一方、表示制御基板12のCPU202は、タイミングt12において、第3の可変表示装置43にて通常大当り図柄を導出表示させ、主基板11から第2の飾り図柄確定コマンドD1XXを受信したことに応答して、プロセスcによる完全に停止した状態で表示する(ステップS724)。また、CPU103は、第4の可変表示時間タイマ停止フラグをオンにセットして(ステップS726)、第4の可変表示装置44による飾り図柄の可変表示時間の計測を停止する。
【0229】
これにより、第1の可変表示装置41と第3の可変表示装置43とでは、図41(F)に示すように、通常大当り図柄が確定表示され、パチンコ遊技機1は、図41(G)に示すように、大当り遊技状態へと移行する。この間、第2の可変表示装置42と第4の可変表示装置44とでは、第2の可変表示時間タイマのタイマ値と第4の可変表示時間タイマのタイマ値とのカウントダウンが停止されて、プロセスbによる一定速表示が実行され続ける。また、図41(G)に示すように、第4の可変表示装置44には、変動時間の計測を停止している旨の表示(図では、「一時停止中」)が適宜表示される。
【0230】
そして、大当り遊技状態が終了するタイミングt13において、主基板11のCPU103は、大当り終了コマンドE000(h)を表示制御基板12に対して送出する(ステップS321)。また、CPU103は、第2の可変表示時間タイマ停止フラグをクリアしてオフし(ステップS322)、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示時間の計測を再開する。
【0231】
一方、表示制御基板12のCPU202は、第4の可変表示時間タイマ停止フラグをクリアしてオフし(ステップS732)、第4の可変表示装置44による特別図柄の可変表示時間の計測を再開する。
【0232】
その後、第2の可変表示装置42と第4の可変表示装置44とでは、図41(I)及び(J)に示すように、左図柄、右図柄の順で仮停止表示がなされる。そして、タイミングt14において、主基板11のCPU103は、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示を終了させ、確変大当り図柄を導出表示させると共に(ステップS301)、第2の飾り図柄確定コマンドD1XX(h)を表示制御基板12に対して送出する(ステップS302)。
【0233】
また、表示制御基板12のCPU202は、タイミングt14において、第4の可変表示装置44にて確変大当り図柄を導出表示させ、主基板11から第2の飾り図柄確定コマンドD0XXを受信したことに応答して、プロセスcによる完全に停止した状態で表示する(ステップS724)。
【0234】
これにより、第2の可変表示装置42と第4の可変表示装置44とでは、図41(K)に示すように、確変大当り図柄が確定表示され、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態へと移行し、終了後、確率向上状態へと移行する。
【0235】
以上説明したように、この実施の形態によれば、第1の可変表示装置41での特図ゲームでの大当り判定に使用するランダムR1と、第2の可変表示装置42における特図ゲームでの大当り判定に使用するランダムR1とを、図11に示す構成のランダムカウンタ105で取得するようにした。この構成のランダムカウンタ105によれば、第1と第2の普通可変入賞球装置61と62への入賞に関し、第1と第2の始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBとのオア(ワイヤードオア)信号に基づいて、1つのカウンタ1203の出力データを1つのラッチ回路1205でラッチし、それを、第1と第2の特図保留メモリ111と112とに適切に振り分けるように構成している。従って、少ないハードウェアで、乱数値を適切に処理することができる。
【0236】
また、例えば、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示の実行中に、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたとき、CPU103は、第1の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンを停止し、この大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了すると、タイマ値のカウントダウンを再開する。このようにして、CPU103は、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまで、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示を継続したまま、可変表示時間を延長する。これにより、第1の可変表示装置41にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態と、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態と、が同時期に発生することを防止することができる。このため、遊技者に強烈なインパクトを与えて著しい射幸心を煽ることを防止することができる。
【0237】
また、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示が大当り状態になるまでは、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示が通常に実行されるため、第2の可変表示装置42での可変表示が大当りとなることが遊技者に悟られづらく、興趣を高めることができる。
【0238】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
【0239】
例えば、上記実施の形態においては、カウンタ1203のカウント値を更新するためのカウントクロック信号S1と、ラッチタイミング信号S2とを同一の周期で位相が180°異なる信号としたが、カウントクロック信号S1とラッチタイミング信号S2との周期やデューティ、さらに、位相は、任意である。
【0240】
また、図11の構成では、カウンタ1203のカウント値をラッチ回路1205でラッチしてから、CPU103に取り込む例を示したが、CPU103に直接取り込むようにしてもよい。
【0241】
図11の回路構成では、第1と第2の始動入賞口スイッチ70A、70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBのワイヤードオアを取って、ラッチ信号生成回路1204に供給しているが、図42に示すように、論理和ゲート1301により、両信号の論理和を取って、ラッチ信号生成回路に供給してもよい。この場合でも、簡単な構成で、第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBのいずれが出力された場合でも、乱数値を更新することができる。
【0242】
また、上述の構成では、ノイズなどにより始動入賞信号SSA又はSSBが一瞬アクティブレベルになった場合(ひげが生じた場合)に、誤って「入賞」と判断する虞がある。このような問題を防止するためには、例えば、図43に示すように、タイマ回路1177を配置し、始動入賞検出信号SSA、SSBが一定期間継続した場合のみ、CPU103やラッチ信号生成回路1204に信号を供給するようにしてもよい。
【0243】
具体的には、図43に示すタイマ回路1177は、第1と第2の始動入賞口スイッチ70A又は70Bから第1又は第2の始動入賞検出信号SSA又はSSBが入力されている時間を、例えば、基準クロック信号生成回路1201からの任意のクロック信号を用いて計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ms)になったとき、第1又は第2の始動入賞検出信号SSA、SSBをCPU103に供給すると共に、両者の論理和を取ってラッチ信号生成回路1204に出力する。
【0244】
タイマ回路1177は、例えばアップカウンタ又はダウンカウンタによって構成され、ハイレベルの信号が入力されたことに応答して起動する。タイマ回路1177は、入力がハイレベルとなっている間、基準クロック信号生成回路1201から順次入力されクロック信号をアップカウント又はダウンカウントする。そして、アップカウント又はダウンカウントしたカウント値が、例えば、3msに対応する値となったとき、タイマ回路1177は、第1又は第2の始動入賞検出信号SSA、SSBを出力する。
【0245】
上記実施の形態においては、図21に示すように、第1の特別図柄プロセス処理入賞(ステップS15A)と、第2の特別図柄プロセス処理入賞(ステップS15B)とが、1つの処理ルーチン(図21に示す遊技制御割込処理)内で、その順番で連続して実行される(従って、第1の入賞処理と第2の入賞処理も、1つの処理ルーチン内(ステップS102)で、その順番で連続して実行される)ことを前提として、第2の普通可変入賞球装置62への入賞について、第1の普通可変入賞球装置61への入賞に基づいて取り込んだランダムR1と同一のランダムR1をラッチ回路1205から取り込む代わりに、内部レジスタに記憶しておいたランダムR1をコピーして第2の特図保留メモリ112に格納した。
【0246】
これに限らず、例えば、第1の普通可変入賞球装置61への入賞に基づいて取り込んだランダムR1と同一のランダムR1をラッチ回路1205から取り込む代わりに、内部レジスタに記憶しておいたランダムR1をコピーして第2の特図保留メモリ112に格納し、逆に、第2の普通可変入賞球装置62への入賞に基づいて取り込んだランダムR1と同一のランダムR1をラッチ回路1205から取り込む代わりに、内部レジスタに記憶しておいたランダムR1をコピーして第1の特図保留メモリ111に格納するようにしてもよい。
【0247】
このような構成を可能とする入賞処理の例を図44と図45に示す。
まず、図21の第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)において実行される第1の入賞処理においては、図44に示すように、CPU103は、まず、第1の特図保留メモリ111が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS2201)。
【0248】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS2201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS2210にジャンプする。
【0249】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS2201;No)、第1の特図保留メモリ111の始動入賞記憶数を1加算する(ステップS2202)。続いて、第1の乱数値取込済フラグを参照する(ステップS2203)。
【0250】
第1の乱数値取込済フラグがオフのときは(ステップS2203;No)、通常通り、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS2204)。
【0251】
そして、CPU103は、内部レジスタにセットしたランダムR1を、第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS2205)。なお、内部レジスタは他の処理でその内容が変更されないように、専用のレジスタとすることが望ましい。
【0252】
一方、ステップS2203で、第1の乱数値取込済フラグがオンであると判別されたときは(ステップS2203;Yes)、後述する図45の第2の入賞処理において、CPU103がステップS3204でランダムR1をラッチ回路1205から読み込んでから、ラッチ回路1205の保持値は更新されていない。従って、ラッチ回路1205からその保持値を読み込んでも、先にステップS3204で読み込んだ値を再度読み込むだけである。
【0253】
そこで、CPU103は、ラッチ回路1205からランダムR1を読み出す代わりに、ステップS3204で読み込んで内部レジスタに保持しておいたランダムR1を、第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS2206)。即ち、第2の乱数値を第1の乱数値としてコピーする。
【0254】
続いて、第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっているか否かを判別する(ステップS2208)。この段階で第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっている場合(ステップS2208;Yes)、始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBがワイヤードオアされているため、図45に示す第2の入賞処理が実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLの立ち上がりエッジが出力されることがなく、ラッチ回路1205の保持値が更新されることがない。このことを示すために、第2の乱数値取込済フラグをセットする(ステップS2209)。
【0255】
一方、第2の始動入賞検出信号SSB’がローレベルになっている場合(ステップS2208;No)、後続する第2の特別図柄プロセス処理S15Bが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLが出力されて、ラッチ回路1205の保持値が更新される可能性があるため、第2の乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS2210)。
最後に、第1のRSフリップフロップ75Aをリセットする(ステップS2211)。
以上で第1の入賞処理を終了する。
【0256】
次に、図21の第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)において実行される第2の入賞処理においては、図45に示すように、CPU103は、まず、第2の特図保留メモリ112が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS3201)。
【0257】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS3201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS3210にジャンプする。
【0258】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS3201;No)、第2の特図保留メモリ112の始動入賞記憶数を1加算する(ステップS3202)。続いて、第2の乱数値取込済フラグを参照する(ステップS3203)。
【0259】
第2の乱数値取込済フラグがオフのときは(ステップS3203;No)、通常通り、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS3204)。
【0260】
そして、CPU103は、内部レジスタにセットしたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS3205)。なお、内部レジスタは他の処理でその内容が変更されないように、専用のレジスタとすることが望ましい。
【0261】
一方、ステップS3203で、第2の乱数値取込済フラグがオンであると判別されたときは(ステップS3203;Yes)、図44の第1の入賞処理において、CPU103がステップS2204でランダムR1をラッチ回路1205から読み込んでから、ラッチ回路1205の保持値は更新されていない。従って、ラッチ回路1205からその保持値を読み込んでも、先にステップS2204で読み込んだ値を再度読み込むだけである。
【0262】
そこで、CPU103は、ラッチ回路1205からランダムR1を読み出す代わりに、ステップS2204で読み込んで内部レジスタに保持しておいたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS3206)。即ち、第1の乱数値を第2の乱数値としてコピーする。
【0263】
続いて、第1の始動入賞検出信号SSA’がハイレベルになっているか否かを判別する(ステップS3208)。この段階で第1の始動入賞検出信号SSA’がハイレベルになっている場合(ステップS3208;Yes)、始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBがワイヤードオアされているため、図44に示す第1の入賞処理が実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLの立ち上がりエッジが出力されることがなく、ラッチ回路1205の保持値が更新されることがない。このことを示すために、第1の乱数値取込済フラグをセットする(ステップS3209)。
【0264】
一方、第1の始動入賞検出信号SSA’がローレベルになっている場合(ステップS3208;No)、第1の特別図柄プロセス処理S15Aが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLが出力されて、ラッチ回路1205の保持値が更新される可能性があるため、第1の乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS3210)。
最後に、第2のRSフリップフロップ75Bをリセットする(ステップS3211)。
以上で第2の入賞処理を終了する。
【0265】
このような構成によっても、ラッチ回路1205から同一の値を取り込む処理を行わなくてすむ。また、第1の入賞処理と第2の入賞処理の間及び第2の入賞処理と第1の入賞処理の間に若干の時間が経過しても、取りこぼしや重複して取り込む事態を防止できる。
【0266】
なお、ステップS1206、S2206、S3206において、内部レジスタに取り込んでおいたランダムR1を特図保留メモリ111又は112にセットするように説明したが、内部レジスタの代わりに任意のメモリを使用できる。また、例えば、ステップS1206とS3206においては、第1の特図保留メモリ111の最終エントリに格納されているランダムR1(直前に格納した値)を第2の特図保留メモリ112の空きエントリの先頭にセットし、ステップS2206においては、第2の特図保留メモリ112の最終エントリに格納されているランダムR1(直前に格納した値)を第1の特図保留メモリ111の空きエントリの先頭にセットするようにしてもよい。
【0267】
また、図23と図24の処理において、ステップS205において、第2の始動検出信号がハイレベルか否かにを判別して、乱数値取り込み済みフラグをセット・リセット(オン・オフ)したが、ステップS205を除去することも可能である。すなわち、第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)と第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)とは連続して実行される処理であり、この間に第2の普通可変入賞球装置62への入賞はきわめてまれであり、ステップS205を除去しても実態に影響はない。この場合は、ステップS204からステップS206に進むことになる。
【0268】
また、第1、第2、第3及び第4の可変表示装置41〜44の配置は、上記実施の形態の配置に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。さらに、第1、第2、第3及び第4の可変表示装置41〜44は、独立した表示装置として構成される必要はなく、例えば1つの表示装置が有する4つの表示領域において、上述の第1、第2、第3及び第4の可変表示装置41〜44と実質的に同一の表示が行われるものであってもよい。
【0269】
また、2つの表示装置のそれぞれが、上述した第1及び第2の可変表示装置41、42のいずれかとして、入れ替わり可能に動作するものであってもよい。例えば、パチンコ遊技機1が電力の供給を受けて動作している期間を第1の期間と第2の期間とに分割し、第1の期間では、2つの表示装置の一方が第1の可変表示装置41として動作するとともに他方が第2の可変表示装置42として動作する。これに対して、第2の期間では、2つの表示装置の一方が第2の可変表示装置42として動作するとともに他方が第1の可変表示装置41として動作する。また、この場合、第3及び第4の可変表示装置43、44を、第1及び第2の可変表示装置41、42に対応して、入れ替わり動作させてもよい。
【0270】
あるいは、2つの表示装置のうちで先に特図ゲームを開始する条件が成立して特別図柄の可変表示が開始されたものが、上述した第1の可変表示装置41として動作してもよい。そして、その特図ゲームの実行中に特別図柄が停止表示されている他方の表示装置による特図ゲームを開始する条件が成立したときに、当該他方の表示装置を、上述した第2の可変表示装置42として動作させるものであってもよい。
【0271】
また、第1及び第2の可変表示装置41、42が第3及び第4の可変表示装置43、44としての機能を備え、第1及び第2可変表示装置41、42にて上述の第3及び第4の可変表示装置43、44と同様の演出表示が行われるようにしてもよい。
【0272】
上記実施の形態では、始動入賞口として第1及び第2の普通可変入賞球装置61、62が設けられるものとして説明したが、一方だけを配置し、一方の遊技球検出信号のオン・オフ(ハイ・ロー)により、いずれの普通可変入賞球装置に入賞があったのかを判別するようにしてもよい。
【0273】
上記実施の形態では、大入賞口として第1及び第2の特別可変入賞球装置71、72が設けられるものとして説明した。すなわち、大入賞口が、2つの可変表示装置に対応して2つずつ設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1及び第2の可変表示装置41、42の双方に対応する大入賞口が1つ設けられたものであってもよい。
【0274】
また、大入賞口としての第1及び第2の特別可変入賞球装置71、72を、それぞれ第1及び第2の可変表示装置41、42に対応させて設けていたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技状態において、ラウンド毎に第1及び第2の特別可変入賞球装置71、72を交互に開成する態様であってもよい。例えば奇数ラウンドでは、第1の特別可変入賞球装置71を開成すると共に第2の特別可変入賞球装置72を閉成し、偶数ラウンドでは、第1の特別可変入賞球装置71を閉成すると共に第2の特別可変入賞球装置72を開成してもよい。
【0275】
上記実施の形態では、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46の点灯/消灯制御を主基板11の側で行うものとして説明した。これに対して、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46の点灯/消灯制御を、表示制御基板12の側で行うようにしてもよい。この場合、主基板11に搭載されたCPU103は、第1及び第2の特図保留メモリ111、112の保留記憶数が1加算あるいは1減算されるなどして変更されたときに、第1及び第2の特図保留メモリ111、112のそれぞれに対応した保留記憶数を示す表示制御コマンドを表示制御基板12に対して送信するための設定を行う。そして、表示制御基板12に搭載されたCPU202が、主基板11からの表示制御コマンドで示された保留記憶数に従って、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46の点灯/消灯制御を行うようにしてもよい。
【0276】
また、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46が第1及び第2の可変表示装置41、42の上部に設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46と同様に第1及び第2の普通可変入賞球装置61、62のそれぞれに対する始動入賞記憶数を特定可能にする表示を、第3及び第4の可変表示装置43、44に設けた所定の表示領域において行うようにしてもよい。さらには、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46における始動入賞記憶数の表示と、第3及び第4の可変表示装置43、44における始動入賞記憶数の表示を、両方とも行うようにしてもよい。
【0277】
さらに、上記実施の形態では、各可変表示装置41〜44にて導出表示する特別図柄によって、遊技者に大当り遊技状態終了後、確率向上状態へと移行することや、この確率向上状態が終了することを報知していた。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、特別図柄の可変表示に付随して行われる別の演出によって、確率向上状態の発生や終了を報知してもよい。また、この確率向上状態の発生や終了を報知する演出は、特別図柄の可変表示の実行中に行われるものであってもよいし、或いは、確定図柄の導出表示後に行われてもよい。さらに、確率向上状態の発生を報知する演出については、大当り遊技状態に行ってもよい。
【0278】
また、上記実施の形態では、第1と第2の可変表示装置41と42用に共通のテーブルを配置したが、それぞれに、固有のテーブル類を配置してもよい。
【0279】
また、この発明において、2以上のN個の可変表示装置を配置してもよい。その場合には、それぞれ、1つのカウンタのカウント値を異なったタイミングでラッチする回路を配置すればよい。
【0280】
また、上記実施の形態では、ランダムカウンタ105の出力をランダムR1(大当り乱数)として使用する例を示したが、他のランダムとして使用することも可能である。この場合、CPU103は、他の任意の事象を契機をとして、カウンタ1203のカウント値を直接取り込み(あるいはラッチさせてからこれを取り込み)、必要な場面で使用すればよい。
【0281】
また、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であってもよく、画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0282】
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0283】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0284】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0285】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の入賞球の通路構成を示す図である。
【図3】主基板の回路構成等を示すブロック図である。
【図4】表示制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図5】遊技制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図6】遊技の制御及び表示の制御に使用される乱数を説明するための図である。
【図7】大当り判定用テーブルの構成例を示す図である。
【図8】図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図9】可変表示パターン決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図10】入賞箇所別に異なった数の賞球数を定義する賞球数テーブルの例を示す図である。
【図11】ランダムカウンタの構成例を示す回路ブロック図である。
【図12】ラッチ回路の構成例を示す回路ブロック図である。
【図13】ランダムカウンタの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】ランダムカウンタの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】表示用のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図16】表示制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図17】乱数の例を示す図である。
【図18】表示制御パターンテーブルメモリの構成例を示す図である。
【図19】図柄表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図20】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図21】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図22】図21に示す遊技制御割込処理で実行される第1の特別図柄プロセス処理(i=1)と第2の特別図柄プロセス処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図23】第1の特別図柄プロセス処理(図22、i=1)で実行される第1の入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図24】第2の特別図柄プロセス処理(図22、i=2)で実行される第2の入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の大当り判定処理(i=1)と第2の大当り判定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図26】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の確定図柄決定処理(i=1)と第2の確定図柄決定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の確定図柄決定処理(i=1)と第2の確定図柄決定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の可変表示パターン設定処理(i=1)と第2の可変表示パターン設定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図29】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の可変表示制御処理(i=1)と第2の可変表示制御処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図30】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の可変表示停止時処理(i=1)と第2の可変表示停止時処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図31】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の大当り終了処理(i=1)と第2の大当り終了処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図32】表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図33】コマンド解析処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】コマンド解析処理の詳細を示すフローチャートである。
【図35】飾り図柄表示制御プロセス処理の詳細を示すフローチャートである。
【図36】可変表示開始コマンド受信待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図37】可変表示中処理の詳細を示すフローチャートである。
【図38】飾り図柄停止待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図39】大当り終了表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図40】各表示制御パターンを構成するプロセスを示す図である。
【図41】第1の可変表示装置にて表示結果を通常大当りとする特図ゲームが開始された後に、第2の可変表示装置にて表示結果を確変大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を示す図である。
【図42】ランダムカウンタの他の構成例を示す回路ブロック図である。
【図43】検出信号が一定期間継続した場合にのみ、処理を実行可能とする構成例を示す回路ブロック図である。
【図44】第1の特別図柄プロセス処理(図22、i=1)で実行される第1の入賞処理の変形例を示すフローチャートである。
【図45】第2の特別図柄プロセス処理(図22、i=2)で実行される第2の入賞処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0286】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
13 … 払出制御基板
21−24 … ソレノイド
41 … 第1の可変表示装置
42 … 第2の可変表示装置
43 … 第3の可変表示装置
44 … 第4の可変表示装置
45 … 第1の始動入賞記憶表示器
46 … 第2の始動入賞記憶表示器
51 … 第1の普通図柄表示器
52 … 第2の普通図柄表示器
61 … 第1の普通可変入賞球装置
62 … 第2の普通可変入賞球装置
70 … 各始動入賞口スイッチ
71 … 第1の特別可変入賞球装置
72 … 第2の特別可変入賞球装置
75A、75B … RSフリップフロップ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、203 … ROM
102、204 … RAM
103、202 … CPU
104 … I/Oポート
105、211 … ランダムカウンタ
107 … スイッチ回路
108 … ソレノイド回路
111 … 第1の特図保留メモリ
112 … 第2の特図保留メモリ
113 … 大当り判定用テーブルメモリ
114 … 図柄決定用テーブルメモリ
115 … 可変表示パターン決定用テーブルメモリ
116 … 確変カウンタ
117、214 … フラグメモリ
118 … 可変表示時間タイマ
119 … 賞球数テーブル
120 … 通常時大当り判定用テーブル
121 … 確変時大当り判定用テーブル
130 … 通常大当り図柄決定用テーブル
131 … 確変大当り図柄決定用テーブル
132 … 左図柄決定用テーブル
133 … 中図柄決定用テーブル
134 … 右図柄決定用テーブル
135 … 払出制御部
150 … 通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル
151 … リーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル
152 … 大当り時可変表示パターン決定用テーブル
200 … 発振回路
201 … リセット回路
205 … GCL
206 … CGROM
207 … VRAM
212 … 表示制御パターンテーブルメモリ
215 … 各種タイマ
220 … 図柄表示制御パターンテーブル
1101 … 第1の流路
1102 … 第2の流路
1103 … 第3の流路
1201 … 基準クロック信号生成回路
1202 … カウントクロック信号生成回路
1203 … カウンタ
1204 … ラッチ信号生成回路
1205 … ラッチ回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、第1始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1可変表示手段と、第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2可変表示手段とを備え、第1可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったとき、または、第2可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示やスクロール表示させることで可変表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームの1つとして行われる特図ゲームは、始動入賞口を通過する遊技球の検出(可変表示の始動条件が成立したこと)に基づいて表示図柄の可変表示を行い、表示図柄の可変表示が完全に停止した際の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。この特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口又はアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。こうした状態を「特定遊技状態」あるいは「大当り遊技状態」という。
【0004】
表示図柄の可変表示の態様の選択及び決定は、始動入賞口を通過する遊技球の検出に基づいて乱数回路から乱数値(主に大当り乱数、その他に、停止図柄決定用の乱数などを含む)を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、大当り遊技状態とするか否か、変動態様等を、決定することにより行われる。このような処理を可能とするための乱数回路の一例として、クロック信号によってカウンタの更新を行い、所定のタイミング信号に基づいてカウント値を取得する構成のものが、特許文献1に開示されている。
【0005】
また、複数の始動入賞口と各始動入賞口に対応する可変表示部を有する遊技機において、遊技者の射幸心をあおる事態を防止するため、複数の可変表示部で同時に当りが発生することを防ぐために、一方の可変表示部での可変表示が当たりであると決定されているか、又は、一方の変動入賞口が特定遊技状態である場合に、他方の可変表示装置の図柄変動を開始するまでの時間を、遅らせるものが、特許文献2に開示されている。
【0006】
また、一方の可変表示装置での可変表示が当たりであると決定されているか、又は、一方の変動入賞口が特定遊技状態であり、他方の可変表示装置の可変表示が当たりと判定されている場合、その可変表示の開始を、一方の変動入賞口の特定遊技状態が終了するまで遅延するものが特許文献3に開示されている。
さらに、2つの始動入賞口の入賞玉を共通の排出用通路に導き、この合流位置で入賞を検出するものが、特許文献4に開示されている。
【特許文献1】特開平7−124296号公報
【特許文献2】特開2001−62080号公報
【特許文献3】特開2001−62081号公報
【特許文献4】特開2002−35263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1乃至4に記載された遊技装置では、複数の可変表示装置での特図ゲームでの可変表示結果を決定するために、乱数値をラッチするが、そのために各可変表示装置用の乱数をラッチするラッチ回路が必要となる。このラッチ回路を複数配置する分だけ、ハードウェア構成が大きくなり、基板の大型化を余儀なくされていた。
【0008】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、少ないハードウェア量で、複数の可変表示領域用の乱数を獲得可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、
遊技領域(例えば、遊技盤2)に設けられた第1の始動領域(例えば、第1の普通可変入賞球装置61)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過することにより第1の始動条件(例えば、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞)が成立した後に第1の開始条件(例えば、従前の第1の可変表示装置41での特図ゲームの終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)を可変表示する第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)と、遊技領域(遊技盤2)に設けられた第2の始動領域(例えば、第2の普通可変入賞球装置62)を遊技媒体が通過することにより前記第1の始動条件とは異なる第2の始動条件(例えば、第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞)が成立した後に第2の開始条件(例えば、従前の第2の可変表示装置42での特図ゲームの終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)を可変表示する第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)と、を備え、前記第1の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(例えば、同一図柄のぞろ目)となったとき、または、前記第2の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せ(例えば、同一図柄のぞろ目)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記第1の始動領域(例えば、第1の普通可変入賞球装置61)を通過した遊技媒体(例えば、遊技球)を検出して第1の始動検出信号(例えば、第1の始動入賞検出信号SSA)を出力する第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)と、
前記第2の始動領域(例えば、第2の普通可変入賞球装置62)を通過した遊技媒体(例えば、遊技球)を検出して第2の始動検出信号(例えば、第2の始動入賞検出信号SSB)を出力する第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)と、
所定周期で数値データを予め定められた更新範囲内で更新して出力する数値データ更新回路(例えば、カウンタ1203)と、
前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号又は前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されたときに、前記数値データ更新回路から出力されている数値データを乱数値として取り込むためのラッチ信号を生成するラッチ信号生成回路(例えば、ラッチ信号生成回路1204)と、
前記ラッチ信号生成回路からのラッチ信号に応答して前記数値データ更新回路が出力している乱数値を記憶する記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)と、
前記数値データ更新回路が出力した乱数値に基づいて前記第1の可変表示手段と前記第2の可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御用CPU(Central Processing Unit;例えば、CPU103)と、を備え、
前記遊技制御用CPUは、
第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動検出信号(例えば、第1の始動入賞検出信号SSA)が出力されたときに、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値を読み出して(例えば、読み出し後クリアしない)、前記第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)の可変表示制御用の乱数値(例えば、ランダムR1)として第1の保留記憶手段(例えば、第1の特図保留メモリ111)に記憶させる第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)と、
第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号(例えば、第2の始動入賞検出信号SSB)が出力されたときに、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値を読み出して(例えば、読み出し後クリアしない)、前記第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)の可変表示制御用の乱数値(例えば、ランダムR1)として第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶させる第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)と、
前記第1の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第1の保留記憶手段(例えば、第1の特図保留メモリ111)に記憶された乱数値が所定の判定値データ(例えば、通常時大当り判定用テーブル120、確変時大当り判定用テーブル121)と合致するか否かを判定することにより、第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)での可変表示における表示結果を特定表示結果(例えば、大当り表示結果)とするか否かを決定し、前記第2の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶された乱数値が所定の判定値データ(例えば、通常時大当り判定用テーブル120、確変時大当り判定用テーブル121)と合致するか否かを判定することにより、第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)での可変表示における表示結果を特定表示結果(大当り表示結果)とするか否かを決定する表示結果決定手段(例えば、CPU103、ステップS223〜S226)と、
前記第1の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)における前記識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段(例えば、第1の可変表示装置41)の決定結果に基づいた表示結果を導出表示し、前記第2の開始条件が成立したとき(例えば、従前の特図ゲームの終了)に、前記第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)における前記識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示する表示制御手段(CPU103、ステップS291〜294、S301)と、を備え、
前記ラッチ信号生成回路(例えば、ラッチ信号生成回路1204)を1つのみ備え、該ラッチ信号生成回路は前記第1の始動検出信号(例えば、信号SSA)と前記第2の始動検出信号(例えば、信号SSB)のいずれが出力されたときでも共通に前記ラッチ信号(例えば、ラッチ信号SL)を生成し、
前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)は、前記ラッチ信号生成回路から新たなラッチ信号が出力されたことに応答して、既に記憶されていた乱数値を新たな乱数値に更新して記憶する、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)は、前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)が前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)から乱数値を取り込んでから前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)の記憶する乱数値が更新される前に前記乱数値を取り込むときには、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)から取り込む代わりに、前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)が取り込んだ乱数値(例えば、取り込んで内部レジスタに格納しておいた乱数値又は第1の特図保留メモリ111に格納した乱数値)を第2の乱数値として前記第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶させる同一乱数値取込手段(例えば、CPU103、ステップS1206、S1207の処理)を含む、
ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本願の請求項2に記載の遊技機においては、
前記遊技制御用CPU(例えば、CPU 103)は、定期割込処理(例えば、遊技制御割込処理)内にて、前記第1の乱数値取込手段による処理(例えば、ステップS15A)と前記同一乱数値取込手段による処理(例えば、ステップS15B内におけるS1206、S1207の処理)とを実行する、
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本願の請求項3に記載の遊技機においては、
前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)は、前記第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値(例えば、ランダムR1)を読み出して、前記第1の可変表示手段(例えば、可変表示装置41)の可変表示制御用の乱数値として第1の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ111)に記憶させた後、該第1の保留記憶手段に乱数値を記憶させたことを示す所定のフラグ(例えば、乱数値取込済フラグ)をセットし、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)は、
前記第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされていないとき(例えば、ステップS1203でNo)に、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に記憶された乱数値を読み出して、前記第2の可変表示手段(例えば、可変表示装置42)の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ112)に記憶させ、
前記第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされているとき(例えば、ステップS1203でYes)に、前記同一乱数値取込手段によって、前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第2の可変表示手段(例えば、第2の可変表示装置42)の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段(例えば、第2の特図保留メモリ112)に記憶させ、前記所定のフラグをリセット(例えば、ステップS1207)する。
【0012】
上記目的を達成するため、本願の請求項4に記載の遊技機においては、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=2のときのステップS203)は、前記第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動検出信号が出力されているか否かを判別(例えば、ステップS3208)し、出力されているとき(例えば、ステップS3208でYes)には出力されている旨を示す第1のフラグ(例えば、第1の乱数値取込済フラグ)をセットする第1のフラグセット手段(例えば、CPU103、S3209)を含み、
前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103、i=1のときのステップS203)は、前記第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動検出信号が出力されているか否かを判別(例えば、ステップS2208)し、出力されているとき(例えば、ステップS2208でYes)には出力されている旨を示す第2のフラグ(例えば、第2の乱数値取込済フラグ)をセットする第2のフラグセット手段(例えば、CPU103、S2209)を含み、
前記第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103)は第2のフラグがセットされているときに、前記同一乱数値取込手段(例えば、CPU103、ステップS1206、S1207の処理)によって乱数値を前記第2の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ112)に記憶させた後に、前記第1のフラグセット手段による処理を実行し、
前記第1の乱数値取込手段(例えば、CPU103)は、前記第1のフラグがセットされているときに(例えば、ステップS2203でYes)、前記第2の乱数値取込手段が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第1の可変表示手段(例えば、第1の可変表示装置41)の可変表示制御用の乱数値として前記第1の保留記憶手段(例えば、特図保留メモリ111)に記憶させた(ステップS2206)後に、前記第2のフラグセット手段による処理(例えば、ステップS2208〜S2210)を実行する。
【0013】
上記目的を達成するため、本願の請求項5に記載の遊技機においては、
所定の基準クロック信号を出力する基準クロック信号出力回路(例えば、基準クロック信号生成回路1201)と、
前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成回路(例えば、カウントクロック信号生成回路1202)と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、
前記基準クロック信号出力回路から、前記基準クロック信号が入力されるクロック端子(例えば、クロック端子Clk)と、
第1の信号が入力される入力端子(例えば、データ端子D)と、
前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号を出力する第1の出力端子(例えば、Q出力端子)と、
前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子(例えば、Qバー端子)と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、前記第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号(例えば、信号S1)と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号(例えば、信号S2)と、を生成し、
前記数値データ更新回路(例えば、カウンタ1203)は、前記クロック信号生成回路により生成された第1のクロック信号(例えば、信号S1)が所定の態様で変化する第1のタイミング(例えば、立ち上がりエッヂのタイミング)において、数値データを更新し、前記ラッチ信号生成回路は、前記クロック信号生成回路により生成された第2のクロック信号(例えば、信号S2)が所定の態様で変化する第2のタイミング(例えば、立ち上がりエッヂのタイミング)において、前記ラッチ信号を出力する。
【0014】
上記目的を達成するため、本願の請求項6に記載の遊技機においては、
前記遊技制御用CPUは、
前記数値データ読出手段が、前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)から乱数値を前記第1又は第2の乱数値取込手段(例えば、CPU103、ステップS203)により読み出す前に、該記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)に出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)を出力して記憶回路を読出可能状態に制御し、該数値データ読出手段が前記記憶回路から乱数値を読み出した後、該記憶回路への出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)の出力を停止して該記憶回路を読出不能状態に制御する読出制御手段(例えば、CPU103)、を更に備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本願の請求項7に記載の遊技機においては、
前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)は、前記ラッチ信号生成回路(例えば、ラッチ信号生成回路1204)からラッチ信号(例えば、ラッチ信号SL)が入力されているとき、前記読出制御手段から出力される出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)に対して受信不能状態に制御する出力制御信号受信制御手段(例えば、論理回路1301〜1304)を含む。
【0016】
上記目的を達成するため、本願の請求項8に記載の遊技機においては、
前記記憶回路(例えば、ラッチ回路1205)は、前記出力制御信号(例えば、読出制御信号SRC)が入力されているとき、前記ラッチ信号生成回路から出力されるラッチ信号に対して受信不能状態に制御するラッチ信号受信制御手段(例えば、論理回路1301〜1304)を含む。
【0017】
上記目的を達成するため、本願の請求項9に記載の遊技機においては、
前記第1の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70A)からの第1の始動入賞信号(例えば、第1の始動入賞検出信号SSA)と、第2の遊技媒体検出手段(例えば、始動入賞口スイッチ70B)からの第2の始動入賞信号(例えば、第2の始動入賞検出信号SSB)にそれぞれ応答して、入賞に対する賞として遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、CPU103、払出制御基板13、ステップS21)を有し、
前記払出手段は、前記第1の始動入賞信号と第2の始動入賞信号とに対して異なった数(例えば、賞球数テーブル119に設定された数)の遊技媒体を払い出す、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願の請求項1乃至9に記載の発明は、以下に示す効果を有する。
【0019】
本願の請求項1に記載の発明によれば、1つの数値データ更新回路を用いて、さらに、1つの記憶回路を用いて、複数の可変表示手段用の乱数を抽出することができ回路効率が良く、ハードウェア量を抑えることができる。また、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込んでから、記憶回路の記憶データが更新されないうちに、即ち、新たなラッチ信号が出力される前に、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、改めて記憶回路から取り込むのではなく、第1の乱数値取込手段が取り込んだ値を使用するので、制御が容易で、ほぼ同時に発生した入賞を無駄にすることなく遊技を制御することができる。
【0020】
本願の請求項2に記載の発明によれば、前記第1の乱数値取込手段と前記第2の乱数値取込手段とを、前記遊技制御用CPUが定期割込処理内で前記処理を実行することにより実現するので、前記第1の乱数値取込手段により処理と前記第2の乱数値取込手段による処理との間の時間を抑えて、ほぼ同時に発生した入賞を無駄にすることなく遊技を制御することができる。
【0021】
本願の請求項3に記載の発明によれば、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込んだときに、所定のフラグを設定し、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、この所定のフラグを参照するので、第2の始動入賞によって記憶回路が更新されているにもかかわらず、第1の乱数値取込手段が取り込んだ値を第2の保留記憶手段に誤って記憶させるとする虞がない。
【0022】
本願の請求項4に記載の発明によれば、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込んだときに、第2の始動入賞信号が発生していれば、第2のフラグを設定し、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込んだときに、第1の始動入賞信号が発生していれば、第1のフラグを設定し、第1の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、この第1のフラグを参照し、第2の乱数値取込手段が乱数値を取り込むときに、この第2のフラグを参照するので、記憶回路が更新されているにもかかわらず、他方の乱数値取込手段が取り込んだ値を保留記憶手段に誤って記憶させるとする虞がない。
【0023】
請求項5に記載の構成によれば、数値データを更新するタイミングとそれを乱数としてラッチするタイミングとが、同一周期で位相の異なるタイミングとなり、数値データが安定した状態で、数値データを安定してラッチすることができる。
【0024】
請求項6に記載の構成によれば、前記遊技制御用CPUは、前記表示結果決定手段が乱数値を読み出すときのみ、前記記憶回路を読出可能状態にすることができるため、前記乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0025】
請求項7に記載の構成によれば、前記記憶回路は、記憶している乱数値を更新しているときに、前記表示結果決定手段により乱数値が読み出されることを防止することができるため、前記乱数値の更新を確実且つ安定的に行うことができる。
【0026】
請求項8に記載の構成によれば、前記記憶回路は、前記表示結果決定手段が乱数値を読み出しているときに、該記憶回路に記憶されている乱数値が更新されることを防止することができるため、乱数値の取得を確実且つ安定的に行うことができる。
【0027】
請求項9の遊技装置によれば、第1の始動領域の遊技媒体の通過(入賞)に対する払い出しと、第2の始動領域の遊技媒体の通過(入賞)に対する払い出しとを別々にしているので、遊技機全体としての払い出しの割合を設計・調整しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ表示状態とは、表示結果として導出表示した図柄(リーチ図柄という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ可変図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
【0029】
本実施例における遊技機は、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0030】
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、から構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として第1の特別図柄を可変表示可能に表示する第1の可変表示装置41と、第2の特別図柄を可変表示可能に表示する第2の可変表示装置42と、が設けられている。また、第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との下方には、それぞれ、第1の特別図柄とは異なる第1の飾り図柄の可変表示などを行うことができる第3の可変表示装置43と、第2の特別図柄とは異なる第2の飾り図柄の可変表示などを行うことができる第4の可変表示装置44と、が設けられている。
【0031】
第3の可変表示装置43と第4の可変表示装置44との下側には、それぞれ第1の普通可変入賞球装置(始動入賞口)61と第2の普通可変入賞球装置62(始動入賞口)とが配置されている。第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62の下側には、それぞれ第1の特別可変入賞球装置(大入賞口)71と第2の特別可変入賞球装置(大入賞口)72とが設けられている。また、第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置72との下側には、それぞれ第1の普通図柄表示器51と第2の普通図柄表示器52とが設けられている。
【0032】
第1及び第2の可変表示装置41及び42は、7セグメントのLED等から構成されており、第1の可変表示装置41においては、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞することが、第2の可変表示装置42においては、第2の普通可変入賞球装置62に遊技球が入賞することが、それぞれ可変表示の実行条件(始動条件)となる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、図柄から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する表示図柄を、複数の可変表示領域にて可変表示可能に表示する。この実施の形態において、第1の可変表示装置41上と第2の可変表示装置42上とには、それぞれ3つの可変表示部がそれぞれ配置され、各可変表示部において、左・中・右の特別図柄が可変表示されるものとする。
【0033】
第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42により行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、特別図柄の表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せが所定の特定表示結果(大当り組合せ)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この大当り遊技状態においては、第1の特別可変入賞球装置71や第2の特別可変入賞球装置72が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成され、開成されている間、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
【0034】
この実施の形態では、左可変表示部に特別図柄として可変表示される第1の左図柄、中可変表示部に特別図柄として可変表示される第1の中図柄、右可変表示部に特別図柄として可変表示される第1の右図柄、左可変表示部に特別図柄として可変表示される第2の左図柄、中可変表示部に特別図柄として可変表示される第2の中図柄、右可変表示部に特別図柄として表示される第2の右図柄、それぞれ9図柄であり、各図柄には「1」〜「9」の図柄番号が付されている。例えば、左・中・右の各可変表示部では、特図ゲーム中に特別図柄の可変表示が開始されると、図柄番号が小さい特別図柄から大きい特別図柄へと更新表示が行われ、図柄番号が「9」の特別図柄が表示されると、次に図柄番号が「1」の特別図柄が表示される。
【0035】
また、図柄番号が偶数である特別図柄を通常大当り図柄とし、図柄番号が奇数である特別図柄を確変大当り図柄とする。すなわち、第1の可変表示装置41又は第2の可変表示装置42による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左・中・右の各可変表示部にて同一の特別図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。また、第1の可変表示装置41又は第2の可変表示装置42による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左・中・右の各可変表示部にて同一の確変大当り図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態の終了に続いて特別遊技状態(確率向上状態)となり、以後、所定条件が成立するまで特図ゲームにおける表示結果が大当り組合せとなる確率が向上する。また、確率向上状態では、第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62の開放時間が通常遊技状態よりも長くなるとともに、その開放回数が通常遊技状態のときよりも増加するなど、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態となる。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や確率向上状態以外の遊技状態のことである。
【0036】
第3及び第4の可変表示装置43及び44は、例えばLCD等から構成され、それぞれ3つの可変表示部がそれぞれ配置されている。第3の可変表示装置43の各可変表示領域には、それぞれ左・中・右の飾り図柄が可変表示され、この左・中・右の飾り図柄は、第1の可変表示装置41の左・中・右の各可変表示領域にて可変表示されている特別図柄に、それぞれ対応している。また、第4の可変表示装置44の各可変表示領域にも、それぞれ左・中・右の飾り図柄が可変表示され、この左・中・右の飾り図柄は、第2の可変表示装置42の左・中・右の各可変表示領域にて可変表示されている特別図柄に、それぞれ対応している。
【0037】
第1の普通図柄表示器51と第2の普通図柄表示器52とは、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた第1の通過ゲートと第2の通過ゲートとをそれぞれ遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0038】
第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62とは、ソレノイド21(図3)とソレノイド22(図3)とによってそれぞれ垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成される。第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示と第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示とは、所定回数(この実施の形態では、4回)まで後述する第1の特図保留メモリ111(図5)と第2の特図保留メモリ112(図5)とにそれぞれ記憶される。なお、ここでは、普通図柄表示器を2つ設け、これらに対応する2つの普通可変入賞球装置を設けているが、普通図柄表示器を1つとして、普通可変入賞球装置も1つとして、例えば普通可変入賞球装置をチューリップ型でない入口が拡張開放しない始動入賞口としてもよい。
【0039】
第1の特別可変入賞球装置71と第2の特別可変入賞球装置72とは、それぞれソレノイド23(図3)とソレノイド24(図3)とによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、第1の普通可変入賞球装置61への遊技球の入賞に基づいて第1の可変表示装置41による特図ゲームや第2の普通可変入賞球装置62への遊技球の入賞に基づいて第2の可変表示装置42による特図ゲームが行われた結果、大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド23やソレノイド24によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)する状態となるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを例えば最高16回繰り返すことができるようになっている。第1の特別可変入賞球装置71や第2の特別可変入賞球装置72に入賞した遊技球は、所定の検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板13とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0040】
第1の可変表示装置41と第2の可変表示装置42との上部には、それぞれ、第1の始動入賞記憶表示器45と第2の始動入賞記憶表示器46とが設けられている。第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46は、例えばLED等から構成されている。第1の始動入賞記憶表示器45は、第1の特図保留メモリ111(図5)の記憶内容に基づき、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞して第1の可変表示装置41による特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第1の始動入賞記憶表示器45では、第1の可変表示装置41による特図ゲームの保留記憶数に対応した個数のLEDが点灯される。また、第2の始動入賞記憶表示器46は、第2の特図保留メモリ112(図5)の記憶内容に基づき、第2の普通可変入賞球装置62に遊技球が入賞して第2の可変表示装置42による特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない始動入賞記憶数(保留記憶数)を表示する。例えば、第2の始動入賞記憶表示器46では、第2の可変表示装置42による特図ゲームの保留記憶数に対応したLEDが点灯される。
【0041】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0042】
また、パチンコ遊技機1の内部には、図2に示すような遊技球の流路(回収ルート)が配置されている。この回収ルートは、第1の普通可変入賞球装置61の入賞口(始動領域)61Aに一端が接続されたパイプ状の第1の流路1101と、第2の普通可変入賞球装置62の入賞口(始動領域)62Aに一端が接続されたパイプ状の第2の流路1102と、第1の流路1101と第2の流路1102を流下した遊技球をまとめて流下する第3の流路1103とを備える。
【0043】
第1の流路1101の第1の普通可変入賞球装置61の入賞口61Aには、入賞球を検出して、第1の始動入賞検出信号SSAを出力するマイクロスイッチ等から構成された第1の始動入賞口スイッチ70Aが配置され、第2の流路1102の第2の普通可変入賞球装置62の入賞口62Aには、入賞球を検出して、第2の始動入賞検出信号SSBを出力するマイクロスイッチ等から構成された第2の始動入賞口スイッチ70Bが配置されている。図11を参照して後述するように、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとは、エッヂトリガタイプのRS(リセットセット)フリップフロップ75Aと75Bをそれぞれ介してCPU103に供給され、また、オープンゲートタイプのバッファ回路1221と1222とを介してワイヤードオアされて、ラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。
【0044】
パチンコ遊技機1には、図3に示すような主基板11と表示制御基板12と、払出制御基板13と、が搭載されている。主基板11と表示制御基板12と払出制御基板13とは、パチンコ遊技機1内の適所に配置されている。
主基板11と表示制御基板12との間には、例えば表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線が配線されている。また、主基板11と表示制御基板12の間には、ストローブ信号を送受信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
主基板11と払出制御基板13との間には、遊技媒体を払出すことと、払出数を示す払出指示信号を伝達する信号線が接続されている。
この他、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。なお、表示制御基板12は、音声制御基板やランプ制御基板等とともに1つの基板を構成してもよいし、これらの基板とは独立して設けられてもよい。
【0045】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12や払出制御基板13などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
主基板11から表示制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば表示制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される表示制御コマンドである。
【0046】
図4は、この実施の形態で用いられる主基板11から表示制御基板12に対して送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表し、各々16進数で表記している。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、1つの制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、1つの制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0047】
図4に示す例において、コマンドA0XX(h)は、第3の可変表示装置43による飾り図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドであり、コマンドA1XX(h)は、第4の可変表示装置44による飾り図柄の可変表示の開始を指令する可変表示開始コマンドである。なお、以下では、XX(h)が不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であるものとする。表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに含まれるMODEデータに対応して、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置を特定することができ、また、EXTデータに対応して、飾り図柄の総可変表示時間、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果やリーチとするか否かの判定結果などを特定することができる。
【0048】
コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)は、第3の可変表示装置43にて可変表示される飾り図柄の左・中・右確定図柄を指定する図柄指定コマンドであり、コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)は、第4の可変表示装置44にて可変表示される飾り図柄の左・中・右確定図柄を指定する図柄指定コマンドである。各図柄指定コマンドでは、XX(h)に第1及び第2の飾り図柄の図柄番号が設定される。また、コマンドD000(h)は、第1の飾り図柄の可変表示の停止を指示する飾り図柄確定コマンドであり、コマンドD100(h)は、第2の飾り図柄の可変表示の停止を指示する飾り図柄確定コマンドである。また、コマンドE000(h)は、第1の可変表示装置41において成立している特図ゲームの大当り状態を終了させることを指示する第1の大当り終了コマンドであり、コマンドE100(h)は、第2の可変表示装置42において成立している特図ゲームの大当り状態を終了させることを指示する第2の大当り終了コマンドである。
【0049】
その他、表示制御コマンドとしては、大当り遊技状態が開始される旨を示す大当り開始コマンド、大当り遊技状態が終了するときに確変制御が開始されることを示す確変開始コマンド、大当り遊技状態が終了するときに時短制御が開始されることを示す時短開始コマンド、確変制御が終了されることを示す確変終了コマンドや時短制御が終了されることを示す時短終了コマンドなどが用意されていてもよい。
【0050】
主基板11には、図3に示すように、始動入賞口である第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62、大入賞口である第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72やその他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62における可動翼片の可動制御や第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21、22、23及び24への配線が接続されている。
【0051】
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、ランダムカウンタ105、スイッチ回路107、ソレノイド回路108などを搭載して構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)101と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、I/O(Input/Output)ポート104と、を含んでいる。
【0052】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図6に示す、ランダムR1〜R5を用いて、遊技制御や表示制御を行う。
このうち、ランダムR1は、図3に示すハードウェア構成のランダムカウンタ105により発生され、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を特定遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数であり、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。なお、ランダムカウンタ105の構成と動作については、図11〜図14を参照して後述する。
【0053】
また、ランダムR2〜R5は、CPU103が、乱数ソフトを実行することにより生成されるものである。ランダムR2は、ハズレ時にリーチとするか否かを決定するリーチ判定用の乱数であり、「0」〜「1530」の範囲の値をとる。ランダムR3は、特別図柄の可変表示に用いる可変表示パターンを決定するための表示用の乱数であり、「0」〜「149」の範囲の値をとる。
【0054】
ランダムR4−1は、大当り時における特別図柄の確定図柄と、ハズレ時に左図柄における確定図柄と、を決定する乱数であり、「0」〜「106」の範囲の値をとる。ランダムR4−2は、ハズレ時に中図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「162」の範囲の値をとる。ランダムR4−3は、リーチとしない通常ハズレ時に右図柄における確定図柄を決定する乱数であり、「0」〜「72」の範囲の値をとる。ランダムR5は、パチンコ遊技機1を大当り遊技状態とした後に確率向上状態へと移行する確率変動制御(確変制御)を行うか否かを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
【0055】
この実施の形態において、ランダムR1〜R5は、第1の可変表示装置41による特図ゲームにも、第2の可変表示装置42による特図ゲームにも、共通して用いられる。なお、第1の可変表示装置41による特図ゲームと第2の可変表示装置42による特図ゲームとにそれぞれ別個の乱数を用いることも考えられるが、このようにすると、乱数を発生するための回路構成が増加すると共にランダムカウンタ105がカウントする乱数の数が増え、乱数の更新や初期値へのシフトなど乱数の管理によるCPU103の処理負担が増大してしまうため、適切ではない。
【0056】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、RAM102内に、図5に示すように、第1の特図保留メモリ111と、第2の特図保留メモリ112と、大当り判定用テーブルメモリ113と、図柄決定用テーブルメモリ114と、可変表示パターン決定用テーブルメモリ115と、確変カウンタ116と、フラグメモリ117と、可変表示時間タイマ118と、賞球数テーブル119とを備えている。
【0057】
第1の特図保留メモリ111は、遊技球が第1の普通可変入賞球装置61に入賞して特別図柄の可変表示(特図ゲーム)を実行するための条件(始動条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。第2の特図保留メモリ112は、遊技球が第2の普通可変入賞球装置62に入賞して始動条件が成立したが、開始条件が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。
【0058】
第1の特図保留メモリ111と第2の特図保留メモリ112とには、それぞれ4つのエントリと読出領域とが設けられている。第1の特図保留メモリ111の各エントリには、第1の普通可変入賞球装置61への入賞順に保留番号とその入賞により抽出された乱数値(後述するランダムR1の値)が、第2の特図保留メモリ112の各エントリには、第2の普通可変入賞球装置62への入賞順に保留番号とその入賞により抽出された乱数値が、それぞれ対応付けて格納される。特別図柄及び飾り図柄の可変表示の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄及び飾り図柄の可変表示中等に遊技球が第1の普通可変入賞球装置61や第2の普通可変入賞球装置62に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
【0059】
図5に示す大当り判定用テーブルメモリ113は、CPU103が特図ゲームにおける表示結果を大当りとするか否かを判定するために設定される複数の大当り判定用テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ113は、図7(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120と、図7(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121と、を格納する。
【0060】
図7(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120と、図7(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121と、は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルである。各大当り判定用テーブル120及び121には、後述するランダム(乱数値)R1の値と特図ゲームの表示結果を示す設定データとが対応付けて格納されている。そして、確変時大当り判定用テーブル121では、通常時大当り判定用テーブル120に比べてより多くのランダムR1の値が、「大当り」の表示結果と対応付けられている。すなわち、確変時大当り判定用テーブル121を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常遊技状態のときよりも大当り遊技状態となる確率が高い確率向上状態とすることができる。
【0061】
図5に示す図柄決定用テーブルメモリ114は、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42にて可変表示される特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる複数種類の図柄決定用テーブルを記憶する。具体的には、図柄決定用テーブルメモリ114は、図8(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル130と、図8(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル131と、図8(C)に示す左図柄決定用テーブル132と、図8(D)に示す中図柄決定用テーブル133と、図8(E)に示す右図柄決定用テーブル134と、を格納する。
【0062】
図8(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル130は、第1及び第2の可変表示装置41及び42の特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の通常大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(第1の通常大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、通常大当り図柄決定用テーブル130には、確定図柄として選択決定される通常大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
【0063】
図8(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル131は、第1及び第2の可変表示装置41及び42による特図ゲームの表示結果として左・中・右で同一の確変大当り図柄を導出表示するときに、各々の特別図柄の確定図柄(確変大当り図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、確変大当り図柄決定用テーブル131には、確定図柄として選択決定される確変大当り図柄としての特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
【0064】
図8(C)に示す左図柄決定用テーブル132は、第1及び第2の可変表示装置41及び42による特図ゲームにて大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、左可変表示部における確定図柄(第1の左確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、左図柄決定用テーブル132には、第1及び第2の左可変表示部における確定図柄となる特別図柄の図柄番号と、ランダムR4−1の値と、が対応付けて格納されている。
【0065】
図8(D)に示す中図柄決定用テーブル133は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、中可変表示部における確定図柄(中確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、中図柄決定用テーブル133には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−2の値と、が対応付けて格納されている。すなわち、大当りとしないハズレのときには、ランダムカウンタ105から抽出されるランダムR4−2の値に基づき中図柄決定用テーブル133を用いて決定した加算値を、左図柄決定用テーブル132を用いて決定した左確定図柄の図柄番号に加算することで、中確定図柄を決めることができる。なお、リーチとした後に大当りとすることなくハズレの表示結果を導出表示するときに、中図柄決定用テーブル133を用いて決定された加算値が「0」である場合には、導出される表示結果をハズレとするために、中確定図柄の図柄番号を1加算するなどしてもよい。
【0066】
図8(E)に示す右図柄決定用テーブル134は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてハズレの表示結果を導出表示するときに、右可変表示部における確定図柄(右確定図柄)を決定するためのテーブルである。例えば、右図柄決定用テーブル134には、左確定図柄の図柄番号に対する加算値と、ランダムR4−3の値と、が対応付けて格納されている。
【0067】
図5に示す可変表示パターン決定用テーブルメモリ115は、特図ゲームで使用される複数の可変表示パターンを記憶する。具体的には、可変表示パターン決定用テーブルメモリ115は、図9(A)に示す通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150、図9(B)に示すリーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151と、図9(C)に示す大当り時可変表示パターン決定用テーブル152と、を格納する。
【0068】
図9(A)に示す通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてリーチとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。図9(B)に示すリーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにてリーチとした後に当りとすることなくハズレの確定図柄を導出表示する可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
【0069】
図9(C)に示す大当り時可変表示パターン決定用テーブル152は、第1及び第2の可変表示装置41、42による特図ゲームにて特別図柄の可変表示における表示結果を大当りとする可変表示パターンを選択するためのテーブルである。
【0070】
各可変表示パターン決定用テーブル150〜152には、例えば、複数の可変表示パターンと、ランダムR3の値と、可変表示時間タイマ118が計測する特別図柄の総可変表示時間と、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御コードと、が対応付けて格納されている。ランダムR3の値に基づいて、各可変表示パターン決定用テーブル150〜152のうちからは、特図ゲームにて特別図柄を可変表示させる際に実行する可変表示パターンが選択決定される。
【0071】
主基板11から表示制御基板12に対して送出される可変表示開始コマンドは、特別図柄の可変表示における可変表示パターンを、EXTデータにより指定する。また、表示結果をハズレとするか、大当りとするか、に応じて、異なる可変表示パターンが用いられる。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、第1の可変表示装置41や第2の可変表示装置42にて可変表示される特別図柄に対応する飾り図柄を第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44にて可変表示させることが可能となると共に、この飾り図柄の可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを特定することができる。
【0072】
また、第1の可変表示装置41にて特別図柄の可変表示を行うか、第2の可変表示装置42にて特別図柄の可変表示を行うか、に応じて、異なる可変表示パターン決定用テーブルが設定される。このため、表示制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンドにより、特図ゲームを行う可変表示装置を特定することができる。
【0073】
通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150を用いて選択される通常A、通常Bの可変表示パターンは、リーチ態様を伴わない可変表示パターンである。リーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151を用いて選択されるリーチA(ハズレ)の可変表示パターンは、リーチ態様を伴うが可変表示結果(確定図柄)が大当りを生じさせるものとならない可変表示パターンである。大当り時可変表示パターン決定用テーブル152を用いて選択されるリーチA(大当り)の可変表示パターンは、リーチ態様を伴い、可変表示結果が大当りを生じさせる可変表示パターンである。
【0074】
リーチBの可変表示パターンは、リーチAとは異なるリーチ態様を持つ可変表示パターンである。ここで、リーチ態様が異なるとは、リーチとなった後に異なる可変表示態様(特別図柄の可変表示速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、リーチAでは、単に1種類の可変表示態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、リーチBでは、特別図柄の可変表示速度や回転方向が異なる複数の可変表示態様を含むリーチ態様が実現される。
【0075】
また、リーチCの可変表示パターンは、リーチA及びリーチBとは異なるリーチ態様を持つ可変表示パターンである。そして、リーチDの可変表示パターンは、リーチA〜リーチCとは異なり、動画像によるリーチ演出表示が行われる可変表示パターンである。なお、リーチA〜リーチDでは、大当りとなる場合と大当りにならない場合とがある。
【0076】
さらに、リーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151と、大当り時可変表示パターン決定用テーブル152と、を比べると、各可変表示パターン(リーチの種類)に対するランダムR3の値の割当が異なっている。すなわち、特図ゲームにおける表示結果が大当りとなるか否かに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、特図ゲーム中に出現するリーチの種類に応じて、表示結果が大当りとなる確率は異なるものとなる。
【0077】
例えば、図9に示す例では、特図ゲームにおいて、表示結果がハズレとなる場合にリーチAの可変表示パターンが用いられる割合は、リーチDの可変表示パターンが用いられる割合よりも高くなっている。一方で、表示結果が大当りとなる場合にリーチAの可変表示パターンが用いられる割合は、リーチDの可変表示パターンが用いられる割合よりも低くなっている。このため、特図ゲーム中にリーチDの可変表示パターンによるリーチが出現した場合には、リーチAの可変表示パターンによるリーチが出現した場合よりも、表示結果が大当りとなる確率が高くなる。
【0078】
図5に示す確変カウンタ116は、確変制御が行われる確率向上状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントするためのものである。確変カウンタ116には、第1の可変表示装置41による特図ゲームや第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果が確変大当りとなるときに、確率向上状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの回数である「100」を示すデータが初期値として設定される。そして、確率向上状態にて表示結果が大当りとなることなく特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了するごとに、確変カウンタ116のカウント値が1減算される。
【0079】
フラグメモリ117は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ117には、第1及び第2の特別図柄プロセスフラグ、第1及び第2の普通図柄プロセスフラグ、乱数値取込済フラグ、第1及び第2の大当り状態フラグ、第1及び第2の確変確定フラグ、確変中フラグ、確変終了フラグ、第1及び第2の可変表示時間タイマ停止フラグ、入力状態フラグ、エラーフラグ及びタイマ割込フラグなどが設けられている。
【0080】
第1の特別図柄プロセスフラグは、後述する第1の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15A及び図22でi=1の場合)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の特別図柄プロセスフラグは、後述する第2の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15B及び図22でi=2の場合)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第1の普通図柄プロセスフラグは、第1の普通図柄プロセス処理(図21のステップS16A)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の普通図柄プロセスフラグは、第2の普通図柄プロセス処理(図21のステップS16B)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
【0081】
乱数値取込済フラグは、図24に示す入賞処理(第2の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15B及び図22でi=2の場合))においてランダムR1を取り込むときに、図23に示す入賞処理(第1の特別図柄プロセス処理(図21のステップS15A及び図22でi=1の場合))においてランダムR1をラッチ回路1205から取り込んだ後、ラッチ回路1205が保持する値(ランダムR1)が更新されていないことを示すフラグである。
【0082】
第1の大当り状態フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの表示結果が大当りとなるとき(大当り状態が成立した時点)にセットされ(オンされ)、大当り遊技状態が終了するとき(大当り状態が終了した時点)にリセット(クリア;オフ)される。第2の大当り状態フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果が大当りとなるとき(大当り状態が成立した時点)にオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するとき(大当り状態が終了した時点)にリセット・クリアされてオフ状態となる。
【0083】
第1の確変確定フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態になる。第2の確変確定フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態になる。
【0084】
確変中フラグは、大当り遊技状態が終了する場合に第1及び第2確変確定フラグのいずれかがオンとなっているときに、オン状態にセットされ、確変カウンタ116のカウント値が「0」となったときや、通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態となるとき等にクリアされてオフ状態となる。確変終了フラグは、後述する第1及び第2の入賞処理(図22でi=1又は2)にて確率向上状態を終了させる旨の判定がなされたとき、オン状態にセットされ、確率向上状態が終了するときにクリアされてオフされる。
【0085】
入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態や各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアさせる複数ビットからなるフラグである。エラーフラグは、パチンコ遊技機1において各種のエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応するビットがセットされる複数ビットからなるフラグである。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0086】
第1の可変表示時間タイマ停止フラグは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの実行中に、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたとき(大当り状態が成立した時点)に、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したとき(大当り状態が終了した時点)にクリアされてオフ状態となる。第2の可変表示時間タイマ停止フラグは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの実行中に、第1の可変表示装置41にて大当り図柄が導出表示されたとき(大当り状態が成立した時点)に、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したとき(大当り状態が終了した時点)にクリアされてオフ状態となる。
【0087】
図5に示す可変表示時間タイマ118は、第1の可変表示時間タイマと、第2の可変表示時間タイマと、を含んでいる。第1の可変表示時間タイマは、第1の可変表示装置41による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタであり、第2の可変表示時間タイマは、第2の可変表示装置42による特図ゲームの実行時間である可変表示時間をメイン側で計測するためのダウンカウンタである。第1及び第2の可変表示時間タイマは、主基板11から表示制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送出されるに際して、可変表示パターンで指定される総可変表示時間に対応するカウント値が初期値として設定される。
【0088】
図5に示す賞球数テーブル119は、例えば、図10に示すように、第1と第2の普通可変入賞球装置61、62、第1と第2の特別可変入賞球装置71、72にそれぞれ遊技球が入賞した場合、賞球をいくつ払い出すかを示す情報を格納する。
【0089】
図3に示すスイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21、22、23及び24を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して第1の普通可変入賞球装置61の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して第2の普通可変入賞球装置62の可動翼片に連結されている。ソレノイド23は、リンク機構を介して第1の特別可変入賞球装置71の開閉板に連結されている。ソレノイド24は、リンク機構を介して第2の特別可変入賞球装置72の開閉板に連結されている。
【0090】
図3に示す払出制御基板13は払出制御部135を備え、主基板11上の遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指示に応答し、入賞箇所(第1と第2の普通可変入賞球装置61、62、第1、第2の特別可変入賞球装置71、72)の別に応じて、図10に示す賞球数テーブル119に登録されている数の遊技球を払い出す。
【0091】
次に、図11を参照して、図3に示すランダムカウンタ105の詳細を説明する。
図11に示すように、ランダムカウンタ105は、基準クロック信号生成回路1201と、カウントクロック信号生成回路1202と、カウンタ1203と、ラッチ信号生成回路1204、ラッチ回路1205と、を備える。
【0092】
基準クロック信号生成回路1201は、水晶振動子などを備え、例えば、20MHzの動作クロックS0を供給する。
【0093】
カウントクロック信号生成回路1202は、Dフリップフロップから構成され、基準クロック信号S0がクロック端子Clkに供給され、逆相出力(Qバー)信号S2をD入力端子にフィードバックする。
【0094】
カウントクロック信号生成回路1202は、このような構成により、基準クロック信号S0を1/2分周して、正相出力Qをカウンタ1203にカウントクロック信号S1として出力し、逆相出力(Qバー)信号S2をラッチ信号生成回路1204のクロック端子Clkに供給する。
カウントクロック信号S1とS2とは、同一周波数(10MHz)で、逆位相の信号となる。
【0095】
カウンタ1203は、アップカウンタから構成され、カウントクロック信号S1の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値Cを「0」から「65535」まで1ずつカウントアップして行く。そして、カウンタ1203は、カウント値Cを「65535」までカウントアップすると、「0」に戻して、再び「65535」までカウントアップして行く。
【0096】
基準クロック信号生成回路1201とカウントクロック信号生成回路1202とカウンタ1203とは、所定周期で数値データを予め定められた更新範囲内である0〜65535の範囲で更新して出力する数値データ更新回路1211を構成する。
【0097】
一方、前述のように、第1の普通可変入賞球装置61の入賞口61Aには、第1の始動入賞検出信号SSAを出力する第1の始動入賞口スイッチ70Aが配置され、第2の普通可変入賞球装置62の入賞口62Aには、第2の始動入賞検出信号SSBを出力する第2の始動入賞口スイッチ70Bが配置されている。第1の始動入賞口スイッチ70Aは、通常時はローレベルの信号を出力し、入賞球を検出すると、所定期間ハイレベルの第1の始動入賞検出信号SSAを出力する。第2の始動入賞口スイッチ70Bは、通常時はローレベルの信号を出力し、入賞球を検出すると、所定期間ハイレベルの第2の始動入賞検出信号SSBを出力する。
【0098】
第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとは、それぞれ、エッヂトリガタイプのRS(リセットセット)フリップフロップ75Aと75Bとにそれぞれ供給される。第1のRSフリップフロップ75Aは、第1の始動入賞検出信号SSAがローレベルからハイレベルに変化すると、セットされ、そのQ出力端子からハイレベルの第1の始動入賞検出信号SSA’をCPU103に出力する。第2のRSフリップフロップ75Bは、第2の始動入賞検出信号SSBがローレベルからハイレベルに変化すると、セットされ、そのQ出力端子からハイレベルの第2の始動入賞検出信号SSB’をCPU103に出力する。RSフリップフロップ75Aと75Bとは、後述する図22の特別図柄プロセス処理及び図23の入賞処理において、入賞があったことの判別(ステップS101)や大当り乱数値の特図保留メモリ111、112への格納(ステップS204)などの処理を行った後、ステップS208において、CPU103によりリセットされる。
【0099】
また、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとは、オープンゲートタイプのバッファ回路1221と1222とを介して、ワイヤードオア接続されて、ラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。ラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dは、抵抗Rでプルダウンされている。これにより、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとの論理和信号がラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。
【0100】
ラッチ信号生成回路1204は、Dフリップフロップから構成され、カウントクロック信号S2がクロック端子Clkに供給され、始動入賞口スイッチ70A、70Bからの始動入賞検出信号SSAとSSBのワイヤードオア信号(ハイレベル)が供給されたときに、これを、カウントクロック信号S2に同期させて、ラッチ信号SLとしてラッチ回路1205のクロック端子に供給する。
【0101】
ラッチ回路1205は、ラッチ信号生成回路1204からのラッチ信号SLに応答して、カウンタ1203の出力する数値データをラッチする。カウントクロック信号S1とラッチタイミング信号S2とが逆相の信号であるため、ラッチ回路1205は、カウンタ1203が数値データを更新してから次に更新するまでの期間のほぼ中間時点の数値データが安定した状態のときに、数値データをラッチする。
【0102】
ラッチ回路1205としては、例えば、図12に示すような構成を採用することができる。図示するように、ラッチ回路1205は、2個のAND回路1301、1303と、2個のNOT回路1302、1304と、16個のフリップフロップ回路1311〜1326と、16個のOR回路1331〜1346と、から構成されている。
【0103】
AND回路1301の入力端子は、CPU103の出力ポートとNOT回路1304の出力端子とに接続され、その出力端子は、NOT回路1302の入力端子とフリップフロップ回路1311〜1326のクロック端子Clk1〜Clk16とに接続されている。NOT回路1302の入力端子は、AND回路1301の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路1303の一方の入力端子に接続されている。
【0104】
AND回路1303の入力端子は、NOT回路1302の出力端子とCPU103の出力ポートとに接続され、出力端子は、NOT回路1304の入力端子に接続されている。NOT回路1304の入力端子は、AND回路1303の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路1301の一方の入力端子とOR回路1331〜1346の各々の一方の入力端子とに接続されている。
【0105】
フリップフロップ回路1311〜1326は、Dフリップフロップから構成され、各入力端子D1〜D16は、カウンタ1203の出力端子に接続され、カウント値Cを構成する16ビットのいずれかのビットデータが供給されている。フリップフロップ回路1311〜1326のクロック端子Clk1〜Clk16は、AND回路1301の出力端子に接続され、出力端子Q1〜Q16は、OR回路1331〜1346の各々の他方の入力端子に接続されている。
【0106】
OR回路1331〜1346の入力端子は、NOT回路1304の出力端子とフリップフロップ回路1311〜1326のうちの対応するものの出力端子とに接続され、出力端子は、CPU103の入力ポートに接続されている。
【0107】
この構成において、初期状態では、ラッチ信号SLと読出制御信号SRCは共にローレベルである。AND回路1301の出力はローレベル、NOT回路1302の出力はハイレベル、AND回路1303の出力はローレベル、NOT回路1304の出力はハイレベルとなり、OR回路1331〜1346は全てハイレベルの信号を出力する。この状態で、始動入賞が発生して、ラッチ信号SLがハイレベルになると、AND回路1301の出力もハイレベルになり、各フリップフロップ1311〜1326は、カウント値(乱数値)の対応するビットC1〜C16をラッチする。一方、NOT回路1302の出力は、ローレベルとなる。従って、ラッチ信号SLがハイレベルの間は、CPU103からの読出制御信号SRCは受け付けられない。従って、フリップフロップ回路1311〜1326がカウント値を更新している間に、CPU103が、更新中の不安定(不完全)な乱数値を読み出すことはない。
【0108】
一方、初期状態(始動入賞検出信号SSAとSSBとはローレベル)において、CPU103が乱数値を読み出すために、読出制御信号SRCをハイレベルにすると、NOT回路1304の出力がローレベルとなって、OR回路1331〜1346は、フリップフロップ回路1311〜1326の出力データ(記憶値)をそのままCPU103のI/Oポートに出力する。また、AND回路1301の一方の入力がローレベルとなるため、AND回路1301は、ラッチ信号SLを受け付けなくなる。従って、CPU103が読出制御信号SRCをハイレベルにして乱数値を読み出している間に、乱数値が更新されるという事態が起こらず、乱数値を安定して読み出すことができる。
【0109】
図13は、ランダムカウンタ105の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0110】
図13(A)に示すように、基準クロック信号生成回路1201は、例えば、周波数が20MHzで、タイミングT11、T12、…においてローレベルからハイレベルに立ち上がり、1周期の中点においてハイレベルからローレベルに立ち下がる基準クロック信号S0をカウントクロック信号生成回路1202に出力する。
【0111】
カウントクロック信号生成回路1202は、基準クロック信号S0を実質的に1/2分周して、図13(B)と(C)に示すような10MHzのカウントクロック信号S1とその反転信号であるカウントクロック信号S2に変換して正相出力端子(Q)と逆相出力端子(Qバー)から出力する。
【0112】
カウンタ1203は、図13(D)に示すように、カウントクロック信号S1の立ち上がりエッヂに応答して、カウント値(カウント値データ)Cを更新して出力する。
【0113】
ここで、例えば、第1の普通可変入賞球装置61に遊技球が入賞すると、図13(E)に示すように、第1の始動入賞口スイッチ70Aが第1の始動入賞検出信号SSAを出力する。この第1の始動入賞検出信号SSAの立ち上がりエッヂにほぼ同期して、第1のRSフリップフロップ75AのQ出力SSA’もハイレベルとなる。この場合、第2の始動入賞口スイッチ70Bの出力する第2の始動入賞検出信号SSBは、図13(F)に示すように、ローレベルのままであり、第2のRSフリップフロップ75BのQ出力(第2の入賞球検出信号)SSB’はローレベルを維持する。
【0114】
第1の始動入賞口スイッチ70Aが出力した第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞口スイッチ70Bが出力した第2の始動入賞検出信号SSBとは、バッファ1221と1222を介して出力されて、図13(G)に示すようにワイヤードオアされてラッチ信号生成回路1204のデータ入力端子Dに供給される。
【0115】
ラッチ信号生成回路1204は、図13(H)に示すように、カウントクロック信号S2の立ち上がりエッヂに、ワイヤードオアされた始動入賞検出信号を同期させて、ラッチ信号SLとして出力し、ラッチ回路1205は、図13(I)に示すように、カウンタ1203のカウント値をラッチする。CPU103は、後述する特別図柄プロセス処理において、ラッチ回路1205のラッチ値を取り込み、これを用いて、特図ゲームを進行する。
【0116】
なお、例えば、第1の普通可変入賞球装置61と第2の普通可変入賞球装置62とに連続して遊技球が入賞し、図14(E)と14(F)に示すような重なったタイミングで、第1の始動入賞検出信号SSAと第2の始動入賞検出信号SSBとが出力された場合には、ワイヤードオアロジックでオアされた後の始動入賞信号は、図14(G)に示すようになり、ラッチ信号生成回路1204は、図14(H)に示すように、1つのラッチ信号SLを出力し、ラッチ回路1205は、図14(I)に示すように、カウンタ1203の1つのカウント値をラッチする。但し、CPU103は、後述する特別図柄プロセス処理において、ラッチ回路1205のラッチ値を、第1の普通可変入賞球装置61への入賞についてはラッチ回路1205のラッチ値を取り込んで処理し、第1の普通可変入賞球装置61への入賞については、先に取り込んだラッチ値をコピーして使用するので、一方の入賞が無視されるようなおそれはない。
【0117】
図3に示す表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御基板12は、主基板11から出力される表示制御コマンドに基づいて、可変表示ゲームに用いられる画像を第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44上に表示させる。すなわち、表示制御基板12は、主基板11からの制御コマンドに基づいて第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44の表示動作を制御することによって、遊技の進行に関わる画像表示による演出を制御する。
【0118】
図15は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路200と、リセット回路201と、表示制御用のCPU202と、ROM203と、RAM204と、GCL(Graphic Control LSI)205と、CGROM206と、VRAM(Video RAM)207と、を備えている。
【0119】
発振回路200は、CPU202及びGCL205に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路201は、CPU202及びGCL205をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU202は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM204を作業領域として用いながらROM203から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU202は、読み出した制御データに基づいてGCL205に描画命令を送る。ROM203は、CPU202によって利用される各種制御プログラム等を格納する半導体メモリであり、RAM204は、CPU202によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0120】
GCL205は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU202からの描画命令に従って動作する。また、CPU202とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM207をマッピングしている。CGROM206は、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44にて画像表示を行うための各種画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM206には、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44に表示される画像の中で使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM207は、GCL205によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0121】
また、表示制御基板12は、図16に示すように、ランダムカウンタ211と、表示制御パターンテーブルメモリ212と、フラグメモリ214と、各種タイマ215と、を備えている。
【0122】
ランダムカウンタ211は、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44における表示による演出内容を決定するために用いられる乱数であるランダムR10のカウントを行う。図17に示すように、ランダムR10は、表示制御パターンテーブルメモリ212に格納された複数種類の表示制御パターンのうちから今回の飾り図柄ゲームで使用するものを決定するための乱数であり、「0」〜「9」の範囲の値をとる。
【0123】
図18に示す表示制御パターンテーブルメモリ212は、主基板11から受けた表示制御コマンドに基づいて選択される複数の表示制御パターンテーブルを記憶する。具体的には、表示制御パターンテーブルメモリ212は、図18に示すように、図柄表示制御パターンテーブル220等を含んで構成される。
【0124】
図19に示す図柄表示制御パターンテーブル220は、複数種類の図柄表示制御パターンを格納する。各図柄表示制御パターンは、図19に示すように、図柄表示制御プロセスタイマ設定値、図柄表示制御データなど、飾り図柄の表示状態を制御するためのデータからなり、時系列的に飾り図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、その表示状態での表示期間、キャラクタの切替タイミング等が設定されている。
【0125】
フラグメモリ214は、第3及び第4の可変表示装置43及び44における表示状態や主基板11からのコマンド受信に応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのものである。例えば、フラグメモリ214には、第1及び第2の表示制御プロセスフラグ、第1及び第2の可変表示開始フラグ、第1及び第2の有効フラグ、第3及び第4の可変表示時間タイマ停止フラグ及びタイマ割込フラグなどが設けられている。
【0126】
第1の表示制御プロセスフラグは、後述する第1の飾り図柄表示制御プロセス処理(図34の第j飾り図柄表示制御プロセス処理においてj=1のとき)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。第2の表示制御プロセスフラグは、後述する第2の飾り図柄表示制御プロセス処理(図34の第j飾り図柄表示制御プロセス処理においてj=2のとき)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
【0127】
第1の可変表示開始フラグは、主基板11から第1の可変表示開始コマンドA0XX(h)を受信したときにオン状態にセットされ、第2の可変表示開始フラグは、第2の可変表示開始コマンドA1XX(h)を受信したときにオン状態にセットされる。第1の有効フラグは、主基板11から第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)を受信したときにオン状態にセットされ、第2の有効フラグは、主基板11から第2の左・中・右図柄指定コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)を受信したときにオン状態にセットされる。
【0128】
第3の可変表示時間タイマ停止フラグは、第3の可変表示装置43による特図ゲームの実行中に、第4の可変表示装置44にて大当り図柄が導出表示されたときに、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したときにクリアされてオフ状態となる。第4の可変表示時間停止フラグは、第4の可変表示装置44による特図ゲームの実行中に、第3の可変表示装置43にて大当り図柄が導出表示されたときに、オン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了したときにクリアされてオフ状態となる。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
【0129】
図16に示す各種タイマ215は、第3の可変表示装置43や第4の可変表示装置44の表示制御に用いられる複数種類のタイマを含んで構成される。例えば、各種タイマ215は、第1及び第2の図柄表示制御プロセスタイマ、第3及び第4の可変表示時間タイマや第1及び第2の監視タイマを含んでいる。第1の図柄表示制御プロセスタイマは、図柄表示プロセステーブルに設定されているプロセスタイマ値をカウントダウンすることにより、第3の可変表示装置43にて飾り図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測し、第2の図柄表示制御プロセスタイマは、第4の可変表示装置44にて飾り図柄を表示制御パターンに従った態様で可変表示させる可変表示期間を計測する。
【0130】
各種タイマ215に含まれる第3の可変表示時間タイマは、第3の可変表示装置43による飾り図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタであり、第4の可変表示時間タイマは、第4の可変表示装置44による飾り図ゲームの実行時間である可変表示時間をサブ側で計測するためのダウンカウンタである。第1の監視タイマは、第3の可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものであり、第2の監視タイマは、第4の可変表示時間タイマがタイムアウトしてからの経過時間を計測するためのものである。第1及び第2の監視タイマは、主基板11から表示制御コマンドを所定時間以上受信しなかったときにタイムアウトする。
【0131】
また、遊技機1は、主基板11から送信される制御コマンドに基づいて、音声出力制御、ランプ出力制御を、それぞれ主基板11とは独立して実行するサブ側の音声制御基板とランプ制御基板を備える。音声制御基板は、主基板11からの制御コマンドに基づいてスピーカ8L、8Rによる音声出力動作を制御することによって、遊技の進行に関わる音声による演出を制御する。また、ランプ制御基板は、主基板11からの制御コマンドに基づいて遊技効果ランプ9の点灯/消灯動作を制御することによって、遊技の進行に関わるランプの点灯、点滅あるいは消灯による演出を制御する。払出制御基板13は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。また、遊技機1は、各種の遊技関連情報を外部に出力するための情報端子を備える。
【0132】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図20は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板10からの電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103は、まず、図20のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS1)、必要な初期設定を行う(ステップS2)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行うことにより、種々の定期的なタイマ割込を発生させる(ステップS2)。マスクの解除を行って割込を許可し、例えば、2ミリ秒毎に遊技制御割込処理(図21)を実行可能とする(ステップS3)。その後、ループ処理に入る。
【0133】
CPU103は、ステップS2、S3の処理により、図21のフローチャートに示す遊技制御割込処理を2ms毎に実行する。
【0134】
図21のフローチャートに示す遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各始動入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。なお、このスイッチ処理のうち、第1と第2の始動入賞口スイッチ70A、70Bに関する処理については、図22を参照して後述する。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、ランダムカウンタ105によりカウントされる判定用乱数であるランダムR1を抽出する処理と、ソフトウエア処理により発生される乱数であるランダムR2及びR5を更新する判定用乱数更新処理と(ステップS13)、ソフトウエア処理により発生される表示用乱数であるランダムR3やR4を更新する表示用乱数更新処理と、を順次実行する(ステップS14)。
【0135】
続いて、CPU103は、第1の特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15A)。続いて、第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)を実行する。従って、割り込み処理が繰り返されるため、CPU103は、第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)と第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)とを交互に実行する。
第1と第2の特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、フラグメモリ117に設けられた第1の特別図柄プロセスフラグや第2の特別図柄プロセスフラグに従って、それぞれ該当する処理が選択されて実行される。
【0136】
続いて、CPU103は、第1の普通図柄プロセス処理(ステップS16A)と第2の普通図柄プロセス処理(ステップS16B)とを順次実行する。第1と第2の普通図柄プロセス処理では、第1の普通図柄表示器51や第2の普通図柄表示器52を所定の順序で制御するために、第1の普通図柄プロセスフラグや第2の普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
【0137】
さらに、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS17)。このコマンド制御処理により主基板11から送出された表示制御コマンドを表示制御基板12のCPU202が受け取り、その表示制御コマンドに従って第3及び第4の可変表示装置43及び44の表示制御などが行われる。
【0138】
また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS18)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0139】
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに第1及び第2の普通可変入賞球装置61及び62における可動翼片の可動制御や第1及び第2の特別可変入賞球装置71及び72における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS19)。
【0140】
この後、所定の賞球処理を実行することにより、各始動入賞口スイッチ70から入力された始動検出信号の有無の判別に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板13に対して払出制御コマンドを出力する(ステップS20)。払出制御基板13上の払出制御部135は、払出制御コマンドに応答して、入賞箇所(第1と第2の普通可変入賞球装置61、62、第1と第2の特別可変入賞球装置71、72)の別に応じて、図10に示す数の遊技球を払い出す。
【0141】
図22は、ステップS15Aと15Bにて実行される第1と第2の特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。なお、第1と第2の特別図柄プロセス処理の内容は非常に類似しており、ここでは、理解を容易にするため、1又は2の値を取るポインタiを設定し、第1と第2の特別図柄プロセス処理を共通のフローチャートで示す。i=1のときが、第1の特別図柄プロセス処理のフローチャート、i=2のときが、第2の特別図柄プロセス処理のフローチャートである。
第iの特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、始動入賞の有無を判別するため、第iのRSフリップフロップ75A又は75Bから供給される第iの始動入賞検出信号SSA又はSSBがハイレベルか否かを判別する(ステップS101)。
【0142】
遊技球が第iの普通可変入賞球装置61又は62に入賞して第iの始動入賞口スイッチ70A又は70BからのRSフリップフロップ75A又は75Bを介した始動入賞検出信号SSA’又はSSB’がハイレベルとなった場合(ステップS101;Yes)、第iの入賞処理を実行する(ステップS102)。一方、ローレベルの場合(ステップS101;No)には、第iの入賞処理(ステップS102)をスキップする。
なお、第1の入賞処理と第2の入賞処理とは、図21の1つの処理ルーチンである遊技制御割込処理内では、この順番に連続して実行される処理である。
【0143】
図23は、ステップS102の第iの入賞処理を示すフローチャートのうち、i=1、即ち、第1の特別図柄プロセス処理で実行される第1の入賞処理を示すフローチャートを示し、図24は、ステップS102の第iの入賞処理を示すフローチャートのうち、i=2、即ち、第2の特別図柄プロセス処理で実行される第2の入賞処理を示すフローチャートを示す。
【0144】
まず、図23の第1の入賞処理において、CPU103は、まず、第1の特図保留メモリ111が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS201)。
【0145】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS207にジャンプする。
【0146】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS201;No)、第1の特図保留メモリ111の始動入賞記憶数を1加算し(ステップS202)、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS203)。すなわち、CPU103は、読出制御信号SRCをハイレベルとして、ラッチ回路1205の記憶データの読み出しを可能として、ラッチ回路1205の記憶する数値データを内部に取り込んで内部レジスタにセットし、その後、読み出し制御信号SRCをオフする(ステップS203)。
【0147】
ただし、CPU103は、ラッチ回路1205の記憶データを読み出した後も、リセット或いはプリセットしたりすることはない。従って、ラッチ回路1205は、記憶値を保持し続ける。
【0148】
続いて、CPU103は、読み出したランダムR1を、第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS204)。このとき、第1の始動入賞記憶表示器45にて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第1の始動入賞記憶表示器45の点灯制御を行う。
【0149】
続いて、第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっているか否かを判別する(ステップS205)。この段階で第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっている場合(ステップS205;Yes)、始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBがワイヤードオアされているため、後続する第2の特別図柄プロセス処理S15Bが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLの立ち上がりエッジが出力されることがなく、ラッチ回路1205の保持値が更新されることがない(ラッチ信号生成回路1204がラッチ信号SLの立ち上がりエッジを出力するためには、D入力端子の入力信号(ワイヤードオアされた信号)が一旦ローレベルになる必要がある)。このことを示すために、乱数値取込済フラグをセットする(ステップS206)。
【0150】
一方、第2の始動入賞検出信号SSB’がローレベルになっている場合(ステップS205;No)、後続する第2の特別図柄プロセス処理S15Bが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLが出力されて、ラッチ回路1205の保持値が更新される可能性があるため、乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS207)。
最後に、第1のRSフリップフロップ75Aをリセットする(ステップS208)。
以上で第1の入賞処理を終了する。
【0151】
一方、図21の第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)の後で実行される第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)において実行される第2の入賞処理においては、図24に示すように、CPU103は、まず、第2の特図保留メモリ112が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS1201)。
【0152】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS1201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS1208にジャンプし、乱数値取込済みフラグをリセットする。
【0153】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS1201;No)、第2の特図保留メモリ112の始動入賞記憶数を1加算する(ステップS1202)。続いて、乱数値取込済フラグを参照する(ステップS1203)。
【0154】
乱数値取込済フラグがオフのときは(ステップS1203;No)、通常通り、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS1204)。すなわち、CPU103は、読出制御信号SRCをハイレベルとして、ラッチ回路1205の記憶データの読み出しを可能として、ラッチ回路1205の記憶する数値データを内部に取り込んで内部レジスタにセットし、その後、読み出し制御信号SRCをオフする。
【0155】
そして、CPU103は、内部レジスタにセットしたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS1205)。このとき、第2の始動入賞記憶表示器46にて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第2の始動入賞記憶表示器46の点灯制御を行う。
【0156】
一方、ステップS1203で、乱数値取込済フラグがオンのときは(ステップS1203;Yes)、図23の第1の入賞処理において、CPU103がステップS203でランダムR1をラッチ回路1205から読み込んでから、ラッチ回路1205の保持値は更新されていない。従って、ラッチ回路1205からその保持値を読み込んでも、先にステップS203で読み込んだ値を再度読み込むだけである。
【0157】
そこで、CPU103は、ラッチ回路1205からランダムR1を読み出す代わりに、ステップS203で読み込んで内部レジスタに保持しておいたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS1206)。即ち、第1の乱数値を第2の乱数値としてコピーする。このとき、第2の始動入賞記憶表示器46にて消灯されているLEDのうちの1つ(一例として、消灯されているLEDのうち左端のLED)を点灯させるなど、第2の始動入賞記憶表示器46の点灯制御を行う。
【0158】
その後乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS1207)。
【0159】
最後に、第2のRSフリップフロップ75Bをリセットする(ステップS1208)。
以上で第2の入賞処理を終了する。
【0160】
第iの入賞処理(図22、ステップS102、図23、図24)を終了すると、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図22のステップS110〜S118の処理を行う。
【0161】
ステップS110の第iの特別図柄通常処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、第iの特図保留メモリ111又は112が記憶している保留記憶数が「0」であるか否かを判別する。ここで、第iの特図保留メモリ111又は112において、保留番号「1」に対応した乱数値等の各種データが記憶されていない場合には、保留記憶数が「0」であると判別される。保留記憶数が「0」であれば、表示制御基板12を介して第(i+2)の可変表示装置43又は44上にデモンストレーション画面を表示するなどして、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」ではないと判別すると、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの大当り判定処理に対応した値である「1」に更新する。
【0162】
ステップS111の第iの大当り判定処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図25に示すように、まず、第iの特図保留メモリ111又は112から保留番号「1」に対応して格納されているランダムR1の値を読み出す(ステップS221)。この際、保留記憶数を1減算し、かつ、第iの特図保留メモリ111又は112の第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納されたランダムR1の値を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS222)。
【0163】
続いて、CPU103は、確率向上状態(確変中)であるか否かを判別し(ステップS223)、確変中でなければ(ステップS223;No)、通常遊技状態であると判断し、第iの可変表示装置41又は42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図7(A)に示すような通常時大当り判定用テーブル120を設定する(ステップS224)。これに対して、確変中であれば(ステップS223;Yes)、図7(B)に示すような確変時大当り判定用テーブル121を設定する(ステップS225)。
【0164】
CPU103は、ステップS221の処理にて読み出したランダムR1の値に基づき、ステップS224又はS225の処理にて設定した大当り判定用テーブル120又は121を用いて、第iの可変表示装置41又は42による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定する(ステップS226)。そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS226;Yes)、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグをオン状態にセットし(ステップS227)、ハズレとすることに決定した場合には(ステップS226;No)、第iの大当り状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS228)。この後、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの確定図柄決定処理に対応した値である「2」に更新する(ステップS229)。
【0165】
図22に示すステップS112の第iの確定図柄決定処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図26と図27に示す処理を実行し、まず、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS231)。第iの大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS231;No)、乱数プログラムを実行して、ランダムR2を発生し、その値を抽出し(ステップS232)、リーチとするか否かを決定する(ステップS233)。例えば、ステップS232の処理にて抽出したランダムR2の値が「105」〜「1530」のいずれかであるときには、リーチとしないことを決定し、「0」〜「104」のいずれかであるときには、リーチとすることを決定する。
【0166】
ステップS233の処理にてリーチとしないことを決定したとき(ステップS233;No)、CPU103は、フラグメモリ117に設けられた第iのリーチ状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS234)。そして、乱数プログラムを実行してランダムR4−1を発生し、この値に基づき、図8(C)に示す左図柄決定用テーブル132を用いて第iの左確定図柄を決定する(ステップS235)。また、乱数プログラムを実行してランダムR4−2を発生し、この値に基づき、図8(D)に示す中図柄決定用テーブル133を用いて第iの中確定図柄を決定すると共に(ステップS236)、乱数プログラムによりランダムR4−3を発生させて、この値に基づき、図8(C)に示す右図柄決定用テーブル134を用いて第1の右確定図柄を決定する(ステップS237)。この後、ステップS250の処理に進む。
【0167】
また、ステップS233の処理にてリーチとすることを決定したとき(ステップS233;Yes)、CPU103は、第iのリーチ状態フラグをオン状態にセットし(ステップS238)、ランダムカウンタ105より抽出したランダムR4−1の値に基づき、左図柄決定用テーブル132を用いて第iの左確定図柄を決定する(ステップS239)。また、第iの左確定図柄と同一の図柄番号である特別図柄を第iの右確定図柄とすることを決定し(ステップS240)、第iの左・右確定図柄とは異なる任意の特別図柄を第iの中確定図柄とすることを決定する(ステップS241)。この後、ステップS250に進む。
【0168】
上述したステップS231の処理にて大当り状態フラグがオンであると判別したとき(ステップS231;Yes)、CPU103は、乱数プログラムを実行してランダムR5を発生し(ステップS242)、この値に基づいて、大当り遊技状態が終了した後に確率向上状態へと移行する確率変動制御を行うか否かを決定する(ステップS243)。例えば、ランダムR5の値が奇数であるときには確率変動制御を行うことを決定し、偶数であるときには確率変動制御を行わないことを決定する。
【0169】
ステップS243の処理にて確率変動制御を行わないことを決定したとき(ステップS243;No)、CPU103は、フラグメモリ117に設けられた第iの確変確定フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップS244)、大当りの可変表示結果となる特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図8(A)に示す通常大当り図柄決定用テーブル130を設定する(ステップS245)。また、ステップS243の処理にて確率変動制御を行うことを決定したときには(ステップS243;Yes)、第iの確変フラグをオン状態にセットすると共に(ステップS246)、特別図柄の確定図柄を決定するためのテーブルとして、図8(B)に示す確変大当り図柄決定用テーブル131を設定する(ステップS247)。
【0170】
ステップS245又はS247の処理を実行した後、CPU103は、ランダムR4−1を発生し(ステップS248)、ランダムR4−1の値に基づき、ステップS245又はS247の処理にて設定した通常大当り図柄決定用テーブル130又は確変大当り図柄決定用テーブル131を用いて左・中・右で同一となる大当り用の確定図柄を決定する(ステップS249)。
【0171】
そして、ステップS249の処理にて決定した特別図柄の確定図柄に対応する制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第iの左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)(以上i=1のとき)又はC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)(i=2のとき)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS250)。この後、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの可変表示パターン設定処理に対応した値である「3」に更新して、第iの確定図柄決定処理を終了する(ステップS251)。
【0172】
図22に示すステップS113の第iの可変表示パターン設定処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図28に示す処理を実行し、まず、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS261)。第iの大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、上記ステップS112の第iの確定図柄決定処理にてリーチとすることが決定されたか否かを判別するために、第iのリーチ状態フラグのオン・オフを判別する(ステップS262)。
【0173】
リーチとしない場合には(ステップS262;No)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(A)に示す通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル150を設定し(ステップS263)、一方、リーチとする場合には(ステップS262;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(B)に示すリーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル151を設定する(ステップS264)。
【0174】
また、ステップS261の処理にて第iの大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)、可変表示パターンを選択するためのテーブルとして、図9(C)に示す第iの大当り時可変表示パターン決定用テーブル152を設定する(ステップS265)。
【0175】
CPU103は、乱数プログラムを実行してランダムR3の値を抽出し(ステップS266)、抽出したランダムR3の値に基づいて、ステップS263、S264、又はS265の処理にて設定した可変表示パターン決定用テーブルのうちから、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを決定する(ステップS267)。
【0176】
この後、CPU103は、ステップS267の処理にて決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第iの可変表示開始コマンドA0XX(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS268)。そして、第iの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示を開始させると共に(ステップS269)、この可変表示パターンに対応する総可変表示時間を可変表示時間タイマ118に設けられた第iの可変表示時間タイマに設定する(ステップS270)。この後、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの可変表示制御処理に対応した値である「4」に更新する(ステップS271)。
【0177】
図22に示すステップS114の第iの可変表示制御処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図29に示すように、まず、フラグメモリ117に設けられた第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているか否かを判別する(ステップS291)。第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオフになっているときには(ステップS291;No)、第iの可変表示時間タイマのタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS292)。
【0178】
そして、更新された第iの可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS293)。第iの可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS293;Yes)、第iの特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である「5」に更新する(ステップS294)。一方、ステップS293の処理にて第iの可変表示時間タイマのタイマ値が「0」以外であると判定されたときには(ステップS293;No)、第iの特別図柄プロセスフラグを更新することなく第iの可変表示制御処理を終了する。
【0179】
また、ステップS291の処理にて第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているときには(ステップS291;Yes)、ステップS292〜S294の処理をスキップして、そのまま第iの可変表示制御処理を終了する。これにより、第iの可変表示時間タイマ停止フラグがオンされてから再びオフされるまで、第iの可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンを停止することができ、この結果、第iの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示を継続したまま、特別図柄の可変表示時間を延長することができる。
【0180】
図22のステップS115の第iの可変表示停止時処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図30に示すように、第iの可変表示装置41又は42にて特別図柄の確定図柄を導出表示させて、第iの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示を終了すると共に(ステップS301)、主基板11から表示制御基板12に対して第iの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)(D(i-1)00(h))を送出するための設定を行う(ステップS302)。具体的には、第iの飾り図柄確定コマンドD(i-1)00(h)に対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、第1の飾り図柄確定コマンドD000(h)又は第2の飾り図柄確定コマンドD100(h)を表示制御基板12に対して送出可能に設定する。CPU103は、コマンド送信テーブルに設定された1又は複数のコマンドを後続するコマンド制御処理(ステップS17)で表示制御基板12に送信する。
【0181】
続いて、CPU103は、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS303)。第iの大当り状態フラグがオフであるときには(ステップS303;No)、続いて、フラグメモリ117に設けられた確変中フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS304)。確変中フラグがオフであるときには(ステップS304;No)、ステップS310の処理へと進む。
【0182】
一方、確変中フラグがオンであるときには(ステップS304;Yes)、確変終了フラグがオンか否かを判別する(ステップS305)。確変終了フラグがオンであれば(ステップS305;Yes)、確変中フラグと確変終了フラグと確変カウンタとをクリアし(ステップS306)、ステップS310に進む。
【0183】
また、ステップS305で、確変終了フラグがオフであれば(ステップS305;No)、確変カウンタ116のカウント値を1減算し(ステップS307)、確変カウンタ116のカウント値が「0」となっているか否かを判別する(ステップS308)。確変カウンタ116のカウント値が「0」となっていないときには(ステップS308;No)、ステップS310の処理へと進む。
【0184】
一方、確変カウンタ116のカウント値が「0」となっているときには(ステップS308;Yes)、即ち、確変状態が終了したときには、確変中フラグをクリアする(ステップS309)。この後、CPU103は、第iの特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS310)。
【0185】
また、ステップS303の処理にて第iの大当り状態フラグがオンであるときには(ステップS303;Yes)、フラグメモリ117に設けられている第(i+1)の可変表示時間タイマ停止フラグをオン状態にセットし(ステップS311)、その後、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第iの大入賞口開放前処理に対応する値である「6」に更新する(ステップS312)。
【0186】
図22のステップS116の第iの大入賞口開放前処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての第iの特別可変入賞球装置71又は72を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、第iの特別可変入賞球装置71又は72を開放する制御を開始するとともに、第iの特別図柄プロセスフラグの値を第1の大入賞口開放中処理に対応した値である「7」に更新する。
【0187】
また、ステップS117の第iの大入賞口開放中処理は、第iの特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された第iの特別可変入賞球装置71又は72への遊技球の入賞検出、図10に示す賞球数テーブル119の設定に基づいた数の賞球の払出指令、開成時間の計測及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、第iの特別可変入賞球装置71又は72それぞれの開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が成立したとして第iの特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「8」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、第iの特別可変入賞球装置71又は72を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
【0188】
図22に示すステップS118の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図31に示すように、まず、表示制御基板12に対して大当り終了コマンドEi00(h)(E000(h)又はE100(h))を送出するための設定を行うなどして、第iの可変表示装置41又は42で成立している大当り遊技状態を終了させると共に(ステップS321)、フラグメモリ117に設けられた第iの大当り状態フラグ及び第(i+1)の可変表示時間タイマ停止フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS322)。これにより、フラグメモリ117に設けられた第(i+1)の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンが再開される。
【0189】
このように、第(i+1)の可変表示時間タイマ停止フラグは、ステップS115の第iの可変表示停止時処理からステップS118の第iの大当り終了処理までの間、オン状態となるため、第(i+1)の可変表示装置42又は41は、第iの可変表示装置41又は42にて大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった後、この大当り遊技状態が終了するまで、表示結果の導出表示が規制される。この結果、第iの可変表示装置41又は42にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態の継続中に、第(i+1)の可変表示装置42又は41にも大当り図柄が導出表示されて、2つの大当り遊技状態が同時期に発生することを防止することができる。
【0190】
続いて、CPU103は、第iの確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップS323)、オンとなっているときには(ステップS323;Yes)、第iの確変確定フラグをクリアしてオフ状態にすると共に、確変中フラグをオン状態にセットする(ステップS324)。さらに、確変カウンタ116に確変中可変表示回数初期値となるカウント初期値をセットする(ステップS325)。ここで、確変中可変表示回数初期値は、高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残回数初期値(例えば「100」)である。
【0191】
一方、ステップS323の処理にて第iの確変確定フラグがオフであるときには(ステップS323;No)、確変中フラグをクリアしてオフ状態にすると共に、確変カウンタ116をクリアしてカウント値を「0」に初期化する(ステップS326)。すなわち、通常大当りに基づく大当り遊技状態となるときには、高確率状態が終了して通常遊技状態に戻る。そして、第iの特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS327)。
【0192】
この実施の形態において、大当りが確率変動を伴わないものであったときには、大当り終了時に確変中フラグをクリアするようにしたが、大当りが開始されたときに、必ず確変中フラグを一旦クリアして、大当り終了時に、大当りが確率変動を伴うものであるか否かを判定して、判定結果が伴うものであったときには、再度確変中フラグをセットするようにしてもよい。
【0193】
次に、表示制御基板12における動作を説明する。図32は、表示制御基板12に搭載された表示制御用のCPU202が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理を開始すると、まず、所定の初期化処理を実行することにより、RAM204のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための33ミリ秒タイマの初期設定等を行う(ステップS31)。
【0194】
その後、CPU202は、フラグメモリ214に設けられたタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS32;No)。この実施の形態では、CPU202にて33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、フラグメモリ214に設けられたタイマ割込フラグがセットされる。
【0195】
CPU202では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの表示制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。表示制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU202は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
【0196】
主基板11からの表示制御INT信号がオン状態となることによりCPU202において割込みが発生することで、CPU202は、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートから、データを読み込む。そして、2バイト構成である表示制御コマンドのMODEデータ、EXTデータを順次に受信し、受信したコマンドを所定の受信コマンドバッファに格納する。こうして受信コマンドバッファに主基板11から送信された表示制御コマンドが格納される一方で、図32に示すステップS32にてタイマ割込みの発生が確認される。このタイマ割込みの発生が確認されると(ステップS32;Yes)、CPU202は、フラグメモリ214に設けられたタイマ割込フラグをクリアしてオフ状態とした後に、コマンド解析処理を実行することにより、受信した表示制御コマンドを解析する(ステップS33)。
【0197】
コマンド解析処理が終了すると、CPU202は、ランダムカウンタ211がカウントするランダムR10を更新するためのカウンタ更新処理を実行した後(ステップS34)、第1の飾り図柄表示制御プロセス処理(ステップS35)と第2の飾り図柄表示制御プロセス処理(ステップS36)とを順次実行する。第1の飾り図柄表示制御プロセス処理では、表示状態に応じて第3の可変表示装置43における表示動作を所定の順序で制御するために、フラグメモリ214に設けられた第1の表示制御プロセスフラグの値に従って該当する処理が選択されて実行される。また、第2の飾り図柄制御プロセス処理では、表示状態に応じて第4の可変表示装置44おける表示動作を所定の順序で制御するために、第2の表示制御プロセスフラグの値に従って該当する処理が選択されて実行される。第1及び第2の飾り図柄表示制御プロセス処理が終了すると、ステップS32の処理にリターンする。
【0198】
図33と図34は、ステップS33のコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理を開始すると、CPU202は、まず、主基板11から受信した表示制御コマンドがあるか否かを確認する(ステップS601)。例えば、受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているなどして、受信コマンドがあることを確認したときには(ステップS601;Yes)、受信コマンドを読み出し(ステップS602)、そのコマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)であるか否かを判別する(ステップS603)。
【0199】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)であれば(ステップS603;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された飾り図柄用の第1の左・中・右図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS604)、フラグメモリ214に設けられた第1の有効フラグをオン状態にセットする(ステップS605)。第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)のEXTデータは、飾り図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第1の左・中・右図柄指定コマンドB0XX(h)、B1XX(h)及びB2XX(h)ではないときには(ステップS603;No)、そのコマンドが第2の左・中・右図柄指定コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)であるか否かを判別する(ステップS606)。
【0200】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第2の左・中・右図柄指定C0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)であれば(ステップS606;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された飾り図柄用の第2の左・中・右図柄格納エリアに格納するとともに(ステップS607)、フラグメモリ214に設けられた第2の有効フラグをオン状態にセットする(ステップS608)。第2の左・中・右図柄指定コマンドC0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)のEXTデータは、飾り図柄の図柄番号を示すデータとなっている。これに対して、ステップS602にて読み出した受信コマンドが第2の左・中・右図柄指定C0XX(h)、C1XX(h)及びC2XX(h)ではないときには(ステップS606;No)、そのコマンドがそのコマンドが第1の可変表示開始コマンド90XX(h)であるか否かを判別する(ステップS609)。
【0201】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第1の可変表示開始コマンド90XX(h)であれば(ステップS609;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された第1の可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS610)、フラグメモリ214に設けられた第1の可変表示開始受信フラグをオン状態にセットする(ステップS611)。これに対して、ステップS602にて読み出した受信コマンドが第1の可変表示開始コマンド90XX(h)ではないときには(ステップS609;No)、そのコマンドが第2の可変表示開始コマンド91XX(h)であるか否かを判別する(ステップS612)。
【0202】
ステップS602の処理にて読み出した受信コマンドが第2の可変表示開始コマンド82XX(h)であれば(ステップS612;Yes)、そのコマンドのEXTデータをRAM204に確保された第2の可変表示パターン格納エリアに格納してセーブするとともに(ステップS613)、フラグメモリ214に設けられた第2の可変表示開始受信フラグをオン状態にセットする(ステップS614)。また、読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンド(例えば第1及び第2の飾り図柄確定コマンド)であるときには(ステップS612;No)、フラグメモリ214にて受信した表示制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし(ステップS615)、ステップS601の処理にリターンする。こうして全ての受信コマンドが読み出されると(ステップS601;No)、コマンド解析処理が終了する。
【0203】
図35は、ステップS35とステップS36の第1と第2の飾り図柄表示制御プロセス処理の詳細を示すフローチャートである。第1と第2の飾り図柄表示制御プロセス処理は、処理の対象が第3の可変表示装置43用であるのか、第4の可変表示装置44用であるのかの差異を除けば、その内容は実質的に同一である。そこで、以下では、変数j(j=1、2)を用いて、第jの飾り図柄表示制御プロセス処理を一括して説明する。
第jの飾り図柄表示制御プロセス処理において、CPU202は、フラグメモリ214に設けられている第jの表示制御プロセスフラグの値に基づいて、図35に示すステップS620〜S626の7個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS620〜S626の各処理について説明する。
【0204】
ステップS620の第jの可変表示開始コマンド受信待ち処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図36に示すように、まず、フラグメモリ214に設けられた第jの可変表示開始フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS701)。即ち、上述したコマンド解析処理において、可変表示時間を特定可能な第jの可変表示開始コマンドA0XX(h)又はA1XX(h)が受信コマンドバッファから読み出されたときには、第jの可変表示開始フラグがセットされる。
【0205】
第jの可変表示開始フラグがセットされていないときには(ステップS701;No)そのまま第jの可変表示制御開始コマンド受信待ち処理を終了する。
【0206】
また、ステップS701の処理にて第iの可変表示開始フラグがセットされているときには(ステップS701;Yes)、第jの表示制御プロセスフラグの値を表示制御設定処理に対応した値である「1」に更新する(ステップS702)。
【0207】
ステップS621の第jの表示制御設定処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、RAM204の可変表示パターン記憶エリアにセーブされた可変表示パターンに応じた図柄表示制御パターンを選択決定し、図柄表示制御パターンテーブル220から読み出す。そして、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの可変表示開始前処理に対応した値である「2」に更新する。
【0208】
ステップS622の第jの可変表示開始前処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、GCL205に指令を送り、第(j+2)(jが1の時は第3の可変表示装置43、jが2の時は第4の可変表示装置44)の可変表示部にて飾り図柄を徐々に加速する態様で表示させて、飾り図柄の可変表示を開始させる。また、可変表示パターンに対応した総可変表示時間に相当するカウント初期値を、各種タイマ215に含まれる第(j+2)の可変表示時間タイマにセットしてカウントダウン動作を開始させることにより、可変表示時間の計測を開始させる。そして、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの可変表示中処理に対応する値である「3」に更新する。
【0209】
ステップS623の第iの可変表示中処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、まず、図37に示すように、まず、フラグメモリ214に設けられた第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているか否かを判別する(ステップS711)。第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオフになっているときには(ステップS711;No)、第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値を1減算してタイマ値の更新を行う(ステップS712)。
【0210】
そして、更新された第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS713)。第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値が「0」となった場合には(ステップS713;Yes)、各種タイマ215に含まれる第jの監視タイマに対して予め定められたカウント初期値を設定し(ステップS714)、その第jの監視タイマのカウントダウンをスタートさせると共に、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの飾り図柄停止待ち処理に対応する値である「4」に更新する(ステップS715)。一方、ステップS713の処理にて第3の可変表示時間タイマのタイマ値が「0」以外であると判定されたときには(ステップS713;No)、第jの表示制御プロセスフラグを更新することなく第jの可変表示中処理を終了する。
【0211】
また、ステップS711の処理にて第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオンになっているときには(ステップS711;Yes)、ステップS712〜S715の処理をスキップして、そのまま第jの可変表示中処理を終了する。これにより、第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグがオンされてから再びオフされるまで、第(j+2)の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンを停止することができ、この結果、第(j+2)の可変表示装置43又は44による飾り図柄の可変表示時間を、第jの可変表示装置41又は42による特別図柄の可変表示時間と同様に、延長することができる。なお、第(j+2)の可変表示時間タイマのカウントが停止しているときに(ステップS711;Yes)、その旨を報知するためのメッセージを飾り図柄の可変表示に合成して表示するステップを配置してもよい。
【0212】
図35に示すステップS624の第jの飾り図柄停止待ち処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図38に示すように、まず、主基板11から送信された第jの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)(j=1のときは、D000(h)、j=2のときはD100(h))を表示制御コマンドとして受信したか否かを判別する(ステップS721)。なお、この第jの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)は、前述のステップS302で送信の準備が行われ、その後、ステップS19で送信されるコマンドである。第jの飾り図柄確定コマンドD000(h)又はD100(h)を受信していないときには(ステップS721;No)、第jの監視タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS722)、タイムアウトしていなければ(ステップS722;No)、そのまま第jの飾り図柄停止待ち処理が終了する。
【0213】
一方、第jの監視タイマがタイムアウトしたとき(ステップS722;Yes)、CPU202は、何らかの異常が発生したと判断して、第(j+2)の可変表示装置43又は44上に所定のエラー画面を表示する制御を行う(ステップS723)。この後、ステップS727の処理へと進む。
【0214】
また、ステップS721の処理にて第jの飾り図柄確定コマンドを受信したと判別したとき(ステップS721;Yes)、CPU202は、第(j+2)の可変表示装置43又は44にて実行中である飾り図柄の可変表示を終了させ、各図柄における確定図柄を停止表示する制御を行い(ステップS724)、各図柄の表示結果が特定表示結果である大当りとなったか否かを判別する(ステップS725)。大当りではないときには(ステップS725;No)、ステップS727の処理に進み、大当りであるときには(ステップS725;Yes)、フラグメモリ214に設けられている第(j+2)の可変表示時間タイマ停止フラグをオン状態にセットする(ステップS726)。その後、CPU202は、ステップS728の処理へと進む。
【0215】
ステップS727の処理において、CPU202は、第jの表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新して、第jの飾り図柄停止待ち処理を終了する。また、ステップS728においては、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの大当り表示処理に対応する値である「5」に更新して、第jの飾り図柄停止待ち処理が終了する。
【0216】
図35のステップS625の第jの大当り表示処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、第(j+2)の可変表示装置43又は44を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。例えば、主基板11から送出された所定の大当りラウンド数指示コマンドに対応したラウンド数を、第(j+2)の可変表示装置43又は44上に表示させることにより、遊技者に対して報知可能とする。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば、16回目)になると、第jの表示制御プロセスフラグの値を第jの大当り終了表示処理に対応した値である「6」に更新する。
【0217】
ステップS626の第jの大当り終了表示処理は、第jの表示制御プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU202は、図39に示すように、まず、主基板11から第jの大当り終了コマンドE000(h)又はE100(h)を受信したことに応答して、第(j+2)の可変表示装置43又は44にて大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示の制御を行う(ステップS731)。また、CPU202は、フラグメモリ214に設けられている第3又は第4の可変表示時間タイマ停止フラグ(j=1の時は第4の可変表示時間タイマ停止フラグ、j=2の時は第3の可変表示時間タイマ停止フラグ)、をクリアしてオフ状態にする(ステップS732)。これにより、それまで一時停止していた第3又は第4の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンが再開される。そして、大当り遊技状態が終了したことを報知する演出表示が終了すると、第jの表示制御プロセスフラグの値を「0」に更新する(ステップS733)。
【0218】
続いて、各可変表示装置41〜44における表示動作を制御する表示制御例について説明する。
ここでは、第1の可変表示装置41にて表示結果を通常大当りとする特図ゲームが開始された後、第2の可変表示装置42にて表示結果を確変大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を説明する。
【0219】
図40は、この場合の各可変表示装置41〜44における表示動作例を示すタイミングチャートであり、図41は、各可変表示装置41〜44における特別図柄及び飾り図柄の可変表示態様を示す図である。
【0220】
この表示制御例では、第1の可変表示装置41による特図ゲームにて使用される可変表示パターンとして、可変表示パターン#21(リーチA大当り)が選択決定されている。主基板11のCPU103は、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示を開始させると共に、第1の可変表示開始コマンドA0XX(h)を表示制御基板12に対して送出する(図28、ステップS268)。このとき、CPU103は、選択決定した可変表示パターン#21に従って、第1の可変表示装置41の左、中、右可変表示部に表示されている特別図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0221】
そして、表示制御基板12のCPU202は、主基板11から送出された第1の可変表示開始コマンドA0XX(h)を受信したことに応答して(図36、ステップS701;Yes)、GCL205に対して所定の描画命令を送出する等して、第3の可変表示装置43において、飾り図柄の可変表示を開始させる(図35;ステップS622)。このとき、GCL205は、CPU202からの描画命令に従った画像処理を実行し、第3の可変表示装置43の左、中、右可変表示部に表示されている飾り図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0222】
これにより、第1の可変表示装置41では、図41(A)、(B)に示すように、タイミングt10において、停止表示されていた特別図柄の可変表示が開始されると共に、第3の可変表示装置43では、停止表示されていた飾り図柄の可変表示が開始される。
【0223】
そして、図25のステップS226の処理にて第2の可変表示装置42による特図ゲームの表示結果を確変大当りとする旨の決定がなされ、第2の可変表示装置42による特図ゲームにて使用される可変表示パターンとして、可変表示パターン#21(リーチA大当り)が選択決定される。
【0224】
主基板11のCPU103は、この選択決定した可変表示パターン#21に従って、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示を開始させると共に、第2の可変表示開始コマンドA1XX(h)を表示制御基板12に対して送出する。このとき、CPU103は、選択決定した可変表示パターンに従って、第1の可変表示装置41の左、中、右可変表示部に表示されている特別図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0225】
表示制御基板12のCPU202は、主基板11から送出された第2の可変表示開始コマンドA1XX(h)を受信したことに応答して、GCL205に対して所定の描画命令を送出する等して、第4の可変表示装置44において、GCL205に対して所定の描画命令を送出する等して、第4の可変表示装置44において、飾り図柄の可変表示を開始させる。このとき、GCL205は、CPU202からの描画命令に従った画像処理を実行し、第4の可変表示装置44の左、中、右可変表示部に表示されている飾り図柄に対して、プロセスaによる加速表示を開始させる。そして、プロセスaにより全図柄が所定速度まで加速した時点で、プロセスbによる一定速表示が行われる。
【0226】
これにより、第2の可変表示装置42では、図41(C)に示すように、タイミングt11において、特別図柄の可変表示が開始され、第4の可変表示装置44では、飾り図柄の可変表示が開始される。その後、第1の可変表示装置41と第3の可変表示装置43とでは、図41(D)及び(E)に示すように、左図柄、右図柄の順で仮停止表示がなされる。
【0227】
そして、タイミングt10から総可変表示時間T20後のタイミングt12において、主基板11のCPU103は、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示を終了させ、通常大当り図柄を導出表示すると共に(ステップS301)、第2の飾り図柄確定コマンドD1XX(h)を表示制御基板12に対して送出する(ステップS302)。また、CPU103は、第2の可変表示時間タイマ停止フラグをオンにセットし、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示時間の計測を停止する。
【0228】
一方、表示制御基板12のCPU202は、タイミングt12において、第3の可変表示装置43にて通常大当り図柄を導出表示させ、主基板11から第2の飾り図柄確定コマンドD1XXを受信したことに応答して、プロセスcによる完全に停止した状態で表示する(ステップS724)。また、CPU103は、第4の可変表示時間タイマ停止フラグをオンにセットして(ステップS726)、第4の可変表示装置44による飾り図柄の可変表示時間の計測を停止する。
【0229】
これにより、第1の可変表示装置41と第3の可変表示装置43とでは、図41(F)に示すように、通常大当り図柄が確定表示され、パチンコ遊技機1は、図41(G)に示すように、大当り遊技状態へと移行する。この間、第2の可変表示装置42と第4の可変表示装置44とでは、第2の可変表示時間タイマのタイマ値と第4の可変表示時間タイマのタイマ値とのカウントダウンが停止されて、プロセスbによる一定速表示が実行され続ける。また、図41(G)に示すように、第4の可変表示装置44には、変動時間の計測を停止している旨の表示(図では、「一時停止中」)が適宜表示される。
【0230】
そして、大当り遊技状態が終了するタイミングt13において、主基板11のCPU103は、大当り終了コマンドE000(h)を表示制御基板12に対して送出する(ステップS321)。また、CPU103は、第2の可変表示時間タイマ停止フラグをクリアしてオフし(ステップS322)、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示時間の計測を再開する。
【0231】
一方、表示制御基板12のCPU202は、第4の可変表示時間タイマ停止フラグをクリアしてオフし(ステップS732)、第4の可変表示装置44による特別図柄の可変表示時間の計測を再開する。
【0232】
その後、第2の可変表示装置42と第4の可変表示装置44とでは、図41(I)及び(J)に示すように、左図柄、右図柄の順で仮停止表示がなされる。そして、タイミングt14において、主基板11のCPU103は、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示を終了させ、確変大当り図柄を導出表示させると共に(ステップS301)、第2の飾り図柄確定コマンドD1XX(h)を表示制御基板12に対して送出する(ステップS302)。
【0233】
また、表示制御基板12のCPU202は、タイミングt14において、第4の可変表示装置44にて確変大当り図柄を導出表示させ、主基板11から第2の飾り図柄確定コマンドD0XXを受信したことに応答して、プロセスcによる完全に停止した状態で表示する(ステップS724)。
【0234】
これにより、第2の可変表示装置42と第4の可変表示装置44とでは、図41(K)に示すように、確変大当り図柄が確定表示され、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態へと移行し、終了後、確率向上状態へと移行する。
【0235】
以上説明したように、この実施の形態によれば、第1の可変表示装置41での特図ゲームでの大当り判定に使用するランダムR1と、第2の可変表示装置42における特図ゲームでの大当り判定に使用するランダムR1とを、図11に示す構成のランダムカウンタ105で取得するようにした。この構成のランダムカウンタ105によれば、第1と第2の普通可変入賞球装置61と62への入賞に関し、第1と第2の始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBとのオア(ワイヤードオア)信号に基づいて、1つのカウンタ1203の出力データを1つのラッチ回路1205でラッチし、それを、第1と第2の特図保留メモリ111と112とに適切に振り分けるように構成している。従って、少ないハードウェアで、乱数値を適切に処理することができる。
【0236】
また、例えば、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示の実行中に、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたとき、CPU103は、第1の可変表示時間タイマのタイマ値のカウントダウンを停止し、この大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了すると、タイマ値のカウントダウンを再開する。このようにして、CPU103は、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまで、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示を継続したまま、可変表示時間を延長する。これにより、第1の可変表示装置41にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態と、第2の可変表示装置42にて大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態と、が同時期に発生することを防止することができる。このため、遊技者に強烈なインパクトを与えて著しい射幸心を煽ることを防止することができる。
【0237】
また、第2の可変表示装置42による特別図柄の可変表示が大当り状態になるまでは、第1の可変表示装置41による特別図柄の可変表示が通常に実行されるため、第2の可変表示装置42での可変表示が大当りとなることが遊技者に悟られづらく、興趣を高めることができる。
【0238】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
【0239】
例えば、上記実施の形態においては、カウンタ1203のカウント値を更新するためのカウントクロック信号S1と、ラッチタイミング信号S2とを同一の周期で位相が180°異なる信号としたが、カウントクロック信号S1とラッチタイミング信号S2との周期やデューティ、さらに、位相は、任意である。
【0240】
また、図11の構成では、カウンタ1203のカウント値をラッチ回路1205でラッチしてから、CPU103に取り込む例を示したが、CPU103に直接取り込むようにしてもよい。
【0241】
図11の回路構成では、第1と第2の始動入賞口スイッチ70A、70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBのワイヤードオアを取って、ラッチ信号生成回路1204に供給しているが、図42に示すように、論理和ゲート1301により、両信号の論理和を取って、ラッチ信号生成回路に供給してもよい。この場合でも、簡単な構成で、第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBのいずれが出力された場合でも、乱数値を更新することができる。
【0242】
また、上述の構成では、ノイズなどにより始動入賞信号SSA又はSSBが一瞬アクティブレベルになった場合(ひげが生じた場合)に、誤って「入賞」と判断する虞がある。このような問題を防止するためには、例えば、図43に示すように、タイマ回路1177を配置し、始動入賞検出信号SSA、SSBが一定期間継続した場合のみ、CPU103やラッチ信号生成回路1204に信号を供給するようにしてもよい。
【0243】
具体的には、図43に示すタイマ回路1177は、第1と第2の始動入賞口スイッチ70A又は70Bから第1又は第2の始動入賞検出信号SSA又はSSBが入力されている時間を、例えば、基準クロック信号生成回路1201からの任意のクロック信号を用いて計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ms)になったとき、第1又は第2の始動入賞検出信号SSA、SSBをCPU103に供給すると共に、両者の論理和を取ってラッチ信号生成回路1204に出力する。
【0244】
タイマ回路1177は、例えばアップカウンタ又はダウンカウンタによって構成され、ハイレベルの信号が入力されたことに応答して起動する。タイマ回路1177は、入力がハイレベルとなっている間、基準クロック信号生成回路1201から順次入力されクロック信号をアップカウント又はダウンカウントする。そして、アップカウント又はダウンカウントしたカウント値が、例えば、3msに対応する値となったとき、タイマ回路1177は、第1又は第2の始動入賞検出信号SSA、SSBを出力する。
【0245】
上記実施の形態においては、図21に示すように、第1の特別図柄プロセス処理入賞(ステップS15A)と、第2の特別図柄プロセス処理入賞(ステップS15B)とが、1つの処理ルーチン(図21に示す遊技制御割込処理)内で、その順番で連続して実行される(従って、第1の入賞処理と第2の入賞処理も、1つの処理ルーチン内(ステップS102)で、その順番で連続して実行される)ことを前提として、第2の普通可変入賞球装置62への入賞について、第1の普通可変入賞球装置61への入賞に基づいて取り込んだランダムR1と同一のランダムR1をラッチ回路1205から取り込む代わりに、内部レジスタに記憶しておいたランダムR1をコピーして第2の特図保留メモリ112に格納した。
【0246】
これに限らず、例えば、第1の普通可変入賞球装置61への入賞に基づいて取り込んだランダムR1と同一のランダムR1をラッチ回路1205から取り込む代わりに、内部レジスタに記憶しておいたランダムR1をコピーして第2の特図保留メモリ112に格納し、逆に、第2の普通可変入賞球装置62への入賞に基づいて取り込んだランダムR1と同一のランダムR1をラッチ回路1205から取り込む代わりに、内部レジスタに記憶しておいたランダムR1をコピーして第1の特図保留メモリ111に格納するようにしてもよい。
【0247】
このような構成を可能とする入賞処理の例を図44と図45に示す。
まず、図21の第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)において実行される第1の入賞処理においては、図44に示すように、CPU103は、まず、第1の特図保留メモリ111が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS2201)。
【0248】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS2201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS2210にジャンプする。
【0249】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS2201;No)、第1の特図保留メモリ111の始動入賞記憶数を1加算する(ステップS2202)。続いて、第1の乱数値取込済フラグを参照する(ステップS2203)。
【0250】
第1の乱数値取込済フラグがオフのときは(ステップS2203;No)、通常通り、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS2204)。
【0251】
そして、CPU103は、内部レジスタにセットしたランダムR1を、第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS2205)。なお、内部レジスタは他の処理でその内容が変更されないように、専用のレジスタとすることが望ましい。
【0252】
一方、ステップS2203で、第1の乱数値取込済フラグがオンであると判別されたときは(ステップS2203;Yes)、後述する図45の第2の入賞処理において、CPU103がステップS3204でランダムR1をラッチ回路1205から読み込んでから、ラッチ回路1205の保持値は更新されていない。従って、ラッチ回路1205からその保持値を読み込んでも、先にステップS3204で読み込んだ値を再度読み込むだけである。
【0253】
そこで、CPU103は、ラッチ回路1205からランダムR1を読み出す代わりに、ステップS3204で読み込んで内部レジスタに保持しておいたランダムR1を、第1の特図保留メモリ111の空エントリの先頭にセットする(ステップS2206)。即ち、第2の乱数値を第1の乱数値としてコピーする。
【0254】
続いて、第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっているか否かを判別する(ステップS2208)。この段階で第2の始動入賞検出信号SSB’がハイレベルになっている場合(ステップS2208;Yes)、始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBがワイヤードオアされているため、図45に示す第2の入賞処理が実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLの立ち上がりエッジが出力されることがなく、ラッチ回路1205の保持値が更新されることがない。このことを示すために、第2の乱数値取込済フラグをセットする(ステップS2209)。
【0255】
一方、第2の始動入賞検出信号SSB’がローレベルになっている場合(ステップS2208;No)、後続する第2の特別図柄プロセス処理S15Bが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLが出力されて、ラッチ回路1205の保持値が更新される可能性があるため、第2の乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS2210)。
最後に、第1のRSフリップフロップ75Aをリセットする(ステップS2211)。
以上で第1の入賞処理を終了する。
【0256】
次に、図21の第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)において実行される第2の入賞処理においては、図45に示すように、CPU103は、まず、第2の特図保留メモリ112が記憶している始動入賞記憶数が最大値の4であるか否かを判別する(ステップS3201)。
【0257】
始動入賞記憶数が4であるときには(ステップS3201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、後述するステップS3210にジャンプする。
【0258】
一方、始動入賞記憶数が4未満であるときには(ステップS3201;No)、第2の特図保留メモリ112の始動入賞記憶数を1加算する(ステップS3202)。続いて、第2の乱数値取込済フラグを参照する(ステップS3203)。
【0259】
第2の乱数値取込済フラグがオフのときは(ステップS3203;No)、通常通り、ラッチ回路1205よりランダムR1の値を読み出し、内部レジスタにセットする(ステップS3204)。
【0260】
そして、CPU103は、内部レジスタにセットしたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS3205)。なお、内部レジスタは他の処理でその内容が変更されないように、専用のレジスタとすることが望ましい。
【0261】
一方、ステップS3203で、第2の乱数値取込済フラグがオンであると判別されたときは(ステップS3203;Yes)、図44の第1の入賞処理において、CPU103がステップS2204でランダムR1をラッチ回路1205から読み込んでから、ラッチ回路1205の保持値は更新されていない。従って、ラッチ回路1205からその保持値を読み込んでも、先にステップS2204で読み込んだ値を再度読み込むだけである。
【0262】
そこで、CPU103は、ラッチ回路1205からランダムR1を読み出す代わりに、ステップS2204で読み込んで内部レジスタに保持しておいたランダムR1を、第2の特図保留メモリ112の空エントリの先頭にセットする(ステップS3206)。即ち、第1の乱数値を第2の乱数値としてコピーする。
【0263】
続いて、第1の始動入賞検出信号SSA’がハイレベルになっているか否かを判別する(ステップS3208)。この段階で第1の始動入賞検出信号SSA’がハイレベルになっている場合(ステップS3208;Yes)、始動入賞口スイッチ70Aと70Bの出力する第1と第2の始動入賞検出信号SSAとSSBがワイヤードオアされているため、図44に示す第1の入賞処理が実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLの立ち上がりエッジが出力されることがなく、ラッチ回路1205の保持値が更新されることがない。このことを示すために、第1の乱数値取込済フラグをセットする(ステップS3209)。
【0264】
一方、第1の始動入賞検出信号SSA’がローレベルになっている場合(ステップS3208;No)、第1の特別図柄プロセス処理S15Aが実行されるまでに、ラッチ回路1205にラッチ信号SLが出力されて、ラッチ回路1205の保持値が更新される可能性があるため、第1の乱数値取込済フラグをリセットする(ステップS3210)。
最後に、第2のRSフリップフロップ75Bをリセットする(ステップS3211)。
以上で第2の入賞処理を終了する。
【0265】
このような構成によっても、ラッチ回路1205から同一の値を取り込む処理を行わなくてすむ。また、第1の入賞処理と第2の入賞処理の間及び第2の入賞処理と第1の入賞処理の間に若干の時間が経過しても、取りこぼしや重複して取り込む事態を防止できる。
【0266】
なお、ステップS1206、S2206、S3206において、内部レジスタに取り込んでおいたランダムR1を特図保留メモリ111又は112にセットするように説明したが、内部レジスタの代わりに任意のメモリを使用できる。また、例えば、ステップS1206とS3206においては、第1の特図保留メモリ111の最終エントリに格納されているランダムR1(直前に格納した値)を第2の特図保留メモリ112の空きエントリの先頭にセットし、ステップS2206においては、第2の特図保留メモリ112の最終エントリに格納されているランダムR1(直前に格納した値)を第1の特図保留メモリ111の空きエントリの先頭にセットするようにしてもよい。
【0267】
また、図23と図24の処理において、ステップS205において、第2の始動検出信号がハイレベルか否かにを判別して、乱数値取り込み済みフラグをセット・リセット(オン・オフ)したが、ステップS205を除去することも可能である。すなわち、第1の特別図柄プロセス処理(ステップS15A)と第2の特別図柄プロセス処理(ステップS15B)とは連続して実行される処理であり、この間に第2の普通可変入賞球装置62への入賞はきわめてまれであり、ステップS205を除去しても実態に影響はない。この場合は、ステップS204からステップS206に進むことになる。
【0268】
また、第1、第2、第3及び第4の可変表示装置41〜44の配置は、上記実施の形態の配置に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。さらに、第1、第2、第3及び第4の可変表示装置41〜44は、独立した表示装置として構成される必要はなく、例えば1つの表示装置が有する4つの表示領域において、上述の第1、第2、第3及び第4の可変表示装置41〜44と実質的に同一の表示が行われるものであってもよい。
【0269】
また、2つの表示装置のそれぞれが、上述した第1及び第2の可変表示装置41、42のいずれかとして、入れ替わり可能に動作するものであってもよい。例えば、パチンコ遊技機1が電力の供給を受けて動作している期間を第1の期間と第2の期間とに分割し、第1の期間では、2つの表示装置の一方が第1の可変表示装置41として動作するとともに他方が第2の可変表示装置42として動作する。これに対して、第2の期間では、2つの表示装置の一方が第2の可変表示装置42として動作するとともに他方が第1の可変表示装置41として動作する。また、この場合、第3及び第4の可変表示装置43、44を、第1及び第2の可変表示装置41、42に対応して、入れ替わり動作させてもよい。
【0270】
あるいは、2つの表示装置のうちで先に特図ゲームを開始する条件が成立して特別図柄の可変表示が開始されたものが、上述した第1の可変表示装置41として動作してもよい。そして、その特図ゲームの実行中に特別図柄が停止表示されている他方の表示装置による特図ゲームを開始する条件が成立したときに、当該他方の表示装置を、上述した第2の可変表示装置42として動作させるものであってもよい。
【0271】
また、第1及び第2の可変表示装置41、42が第3及び第4の可変表示装置43、44としての機能を備え、第1及び第2可変表示装置41、42にて上述の第3及び第4の可変表示装置43、44と同様の演出表示が行われるようにしてもよい。
【0272】
上記実施の形態では、始動入賞口として第1及び第2の普通可変入賞球装置61、62が設けられるものとして説明したが、一方だけを配置し、一方の遊技球検出信号のオン・オフ(ハイ・ロー)により、いずれの普通可変入賞球装置に入賞があったのかを判別するようにしてもよい。
【0273】
上記実施の形態では、大入賞口として第1及び第2の特別可変入賞球装置71、72が設けられるものとして説明した。すなわち、大入賞口が、2つの可変表示装置に対応して2つずつ設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1及び第2の可変表示装置41、42の双方に対応する大入賞口が1つ設けられたものであってもよい。
【0274】
また、大入賞口としての第1及び第2の特別可変入賞球装置71、72を、それぞれ第1及び第2の可変表示装置41、42に対応させて設けていたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技状態において、ラウンド毎に第1及び第2の特別可変入賞球装置71、72を交互に開成する態様であってもよい。例えば奇数ラウンドでは、第1の特別可変入賞球装置71を開成すると共に第2の特別可変入賞球装置72を閉成し、偶数ラウンドでは、第1の特別可変入賞球装置71を閉成すると共に第2の特別可変入賞球装置72を開成してもよい。
【0275】
上記実施の形態では、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46の点灯/消灯制御を主基板11の側で行うものとして説明した。これに対して、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46の点灯/消灯制御を、表示制御基板12の側で行うようにしてもよい。この場合、主基板11に搭載されたCPU103は、第1及び第2の特図保留メモリ111、112の保留記憶数が1加算あるいは1減算されるなどして変更されたときに、第1及び第2の特図保留メモリ111、112のそれぞれに対応した保留記憶数を示す表示制御コマンドを表示制御基板12に対して送信するための設定を行う。そして、表示制御基板12に搭載されたCPU202が、主基板11からの表示制御コマンドで示された保留記憶数に従って、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46の点灯/消灯制御を行うようにしてもよい。
【0276】
また、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46が第1及び第2の可変表示装置41、42の上部に設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46と同様に第1及び第2の普通可変入賞球装置61、62のそれぞれに対する始動入賞記憶数を特定可能にする表示を、第3及び第4の可変表示装置43、44に設けた所定の表示領域において行うようにしてもよい。さらには、第1及び第2の始動入賞記憶表示器45、46における始動入賞記憶数の表示と、第3及び第4の可変表示装置43、44における始動入賞記憶数の表示を、両方とも行うようにしてもよい。
【0277】
さらに、上記実施の形態では、各可変表示装置41〜44にて導出表示する特別図柄によって、遊技者に大当り遊技状態終了後、確率向上状態へと移行することや、この確率向上状態が終了することを報知していた。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、特別図柄の可変表示に付随して行われる別の演出によって、確率向上状態の発生や終了を報知してもよい。また、この確率向上状態の発生や終了を報知する演出は、特別図柄の可変表示の実行中に行われるものであってもよいし、或いは、確定図柄の導出表示後に行われてもよい。さらに、確率向上状態の発生を報知する演出については、大当り遊技状態に行ってもよい。
【0278】
また、上記実施の形態では、第1と第2の可変表示装置41と42用に共通のテーブルを配置したが、それぞれに、固有のテーブル類を配置してもよい。
【0279】
また、この発明において、2以上のN個の可変表示装置を配置してもよい。その場合には、それぞれ、1つのカウンタのカウント値を異なったタイミングでラッチする回路を配置すればよい。
【0280】
また、上記実施の形態では、ランダムカウンタ105の出力をランダムR1(大当り乱数)として使用する例を示したが、他のランダムとして使用することも可能である。この場合、CPU103は、他の任意の事象を契機をとして、カウンタ1203のカウント値を直接取り込み(あるいはラッチさせてからこれを取り込み)、必要な場面で使用すればよい。
【0281】
また、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であってもよく、画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0282】
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0283】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0284】
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0285】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の入賞球の通路構成を示す図である。
【図3】主基板の回路構成等を示すブロック図である。
【図4】表示制御コマンドの内容の一例を示す図である。
【図5】遊技制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図6】遊技の制御及び表示の制御に使用される乱数を説明するための図である。
【図7】大当り判定用テーブルの構成例を示す図である。
【図8】図柄決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図9】可変表示パターン決定用テーブルの構成例を示す図である。
【図10】入賞箇所別に異なった数の賞球数を定義する賞球数テーブルの例を示す図である。
【図11】ランダムカウンタの構成例を示す回路ブロック図である。
【図12】ラッチ回路の構成例を示す回路ブロック図である。
【図13】ランダムカウンタの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】ランダムカウンタの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】表示用のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図16】表示制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図17】乱数の例を示す図である。
【図18】表示制御パターンテーブルメモリの構成例を示す図である。
【図19】図柄表示制御パターンテーブルの構成例を示す図である。
【図20】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図21】遊技制御割込処理を示すフローチャートである。
【図22】図21に示す遊技制御割込処理で実行される第1の特別図柄プロセス処理(i=1)と第2の特別図柄プロセス処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図23】第1の特別図柄プロセス処理(図22、i=1)で実行される第1の入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図24】第2の特別図柄プロセス処理(図22、i=2)で実行される第2の入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の大当り判定処理(i=1)と第2の大当り判定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図26】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の確定図柄決定処理(i=1)と第2の確定図柄決定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の確定図柄決定処理(i=1)と第2の確定図柄決定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の可変表示パターン設定処理(i=1)と第2の可変表示パターン設定処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図29】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の可変表示制御処理(i=1)と第2の可変表示制御処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図30】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の可変表示停止時処理(i=1)と第2の可変表示停止時処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図31】図22の特別図柄プロセス処理で実行される第1の大当り終了処理(i=1)と第2の大当り終了処理(i=2)の詳細を示すフローチャートである。
【図32】表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図33】コマンド解析処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】コマンド解析処理の詳細を示すフローチャートである。
【図35】飾り図柄表示制御プロセス処理の詳細を示すフローチャートである。
【図36】可変表示開始コマンド受信待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図37】可変表示中処理の詳細を示すフローチャートである。
【図38】飾り図柄停止待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【図39】大当り終了表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図40】各表示制御パターンを構成するプロセスを示す図である。
【図41】第1の可変表示装置にて表示結果を通常大当りとする特図ゲームが開始された後に、第2の可変表示装置にて表示結果を確変大当りとする特図ゲームが開始された場合の表示制御例を示す図である。
【図42】ランダムカウンタの他の構成例を示す回路ブロック図である。
【図43】検出信号が一定期間継続した場合にのみ、処理を実行可能とする構成例を示す回路ブロック図である。
【図44】第1の特別図柄プロセス処理(図22、i=1)で実行される第1の入賞処理の変形例を示すフローチャートである。
【図45】第2の特別図柄プロセス処理(図22、i=2)で実行される第2の入賞処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0286】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 表示制御基板
13 … 払出制御基板
21−24 … ソレノイド
41 … 第1の可変表示装置
42 … 第2の可変表示装置
43 … 第3の可変表示装置
44 … 第4の可変表示装置
45 … 第1の始動入賞記憶表示器
46 … 第2の始動入賞記憶表示器
51 … 第1の普通図柄表示器
52 … 第2の普通図柄表示器
61 … 第1の普通可変入賞球装置
62 … 第2の普通可変入賞球装置
70 … 各始動入賞口スイッチ
71 … 第1の特別可変入賞球装置
72 … 第2の特別可変入賞球装置
75A、75B … RSフリップフロップ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、203 … ROM
102、204 … RAM
103、202 … CPU
104 … I/Oポート
105、211 … ランダムカウンタ
107 … スイッチ回路
108 … ソレノイド回路
111 … 第1の特図保留メモリ
112 … 第2の特図保留メモリ
113 … 大当り判定用テーブルメモリ
114 … 図柄決定用テーブルメモリ
115 … 可変表示パターン決定用テーブルメモリ
116 … 確変カウンタ
117、214 … フラグメモリ
118 … 可変表示時間タイマ
119 … 賞球数テーブル
120 … 通常時大当り判定用テーブル
121 … 確変時大当り判定用テーブル
130 … 通常大当り図柄決定用テーブル
131 … 確変大当り図柄決定用テーブル
132 … 左図柄決定用テーブル
133 … 中図柄決定用テーブル
134 … 右図柄決定用テーブル
135 … 払出制御部
150 … 通常ハズレ時可変表示パターン決定用テーブル
151 … リーチハズレ時可変表示パターン決定用テーブル
152 … 大当り時可変表示パターン決定用テーブル
200 … 発振回路
201 … リセット回路
205 … GCL
206 … CGROM
207 … VRAM
212 … 表示制御パターンテーブルメモリ
215 … 各種タイマ
220 … 図柄表示制御パターンテーブル
1101 … 第1の流路
1102 … 第2の流路
1103 … 第3の流路
1201 … 基準クロック信号生成回路
1202 … カウントクロック信号生成回路
1203 … カウンタ
1204 … ラッチ信号生成回路
1205 … ラッチ回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられた第1の始動領域を遊技媒体が通過することにより第1の始動条件が成立した後に第1の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1の可変表示手段と、遊技領域に設けられた第2の始動領域を遊技媒体が通過することにより前記第1の始動条件とは異なる第2の始動条件が成立した後に第2の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2の可変表示手段と、を備え、前記第1の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったとき、または、前記第2の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
前記第1の始動領域を通過した遊技媒体を検出して第1の始動検出信号を出力する第1の遊技媒体検出手段と、
前記第2の始動領域を通過した遊技媒体を検出して第2の始動検出信号を出力する第2の遊技媒体検出手段と、
所定周期で数値データを予め定められた更新範囲内で更新して出力する数値データ更新回路と、
前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号又は前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されたときに、前記数値データ更新回路から出力されている数値データを乱数値として取り込むためのラッチ信号を生成するラッチ信号生成回路と、
前記ラッチ信号生成回路からのラッチ信号に応答して前記数値データ更新回路が出力している乱数値を記憶する記憶回路と、
前記数値データ更新回路が出力した乱数値に基づいて前記第1の可変表示手段と前記第2の可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御用CPUと、を備え、
前記遊技制御用CPUは、
第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第1の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第1の保留記憶手段に記憶させる第1の乱数値取込手段と、
第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第2の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段に記憶させる第2の乱数値取込手段と、
前記第1の開始条件が成立したときに、前記第1の保留記憶手段に記憶された乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、第1の可変表示手段での可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定し、前記第2の開始条件が成立したときに、前記第2の保留記憶手段に記憶された乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、第2の可変表示手段での可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記第1の開始条件が成立したときに、前記第1の可変表示手段における前記識別情報の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示し、前記第2の開始条件が成立したときに、前記第2の可変表示手段における前記識別情報の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示する表示制御手段と、を備え、
前記ラッチ信号生成回路を1つのみ備え、該ラッチ信号生成回路は前記第1の始動検出信号と前記第2の始動検出信号のいずれが出力されたときでも共通して前記ラッチ信号を生成し、
前記記憶回路は、前記ラッチ信号生成回路から新たなラッチ信号が出力されたことに応答して、既に記憶されていた乱数値を新たな乱数値に更新して記憶し、
前記第2の乱数値取込手段は、前記第1の乱数値取込手段が前記記憶回路から乱数値を取り込んでから前記記憶回路の記憶する乱数値が更新される前に前記乱数値を取り込むときには、前記記憶回路から取り込む代わりに、前記第1の乱数値取込手段が取り込んだ乱数値を第2の乱数値として前記第2の保留記憶手段に記憶させる同一乱数値取込手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技制御用CPUは、定期割込処理内にて、前記第1の乱数値取込手段による処理と前記同一乱数値取込手段による処理とを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1の乱数値取込手段は、前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第1の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第1の保留記憶手段に記憶させた後、該第1の保留記憶手段に乱数値を記憶させたことを示す所定のフラグをセットし、
前記第2の乱数値取込手段は、
前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされていないときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第2の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段に記憶させ、
前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされているときに、前記同一乱数値取込手段によって、前記第1の乱数値取込手段が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第2の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段に記憶させ、前記所定のフラグをリセットする、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2の乱数値取込手段は、前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号が出力されているか否かを判別し、出力されているときには出力されている旨を示す第1のフラグをセットする第1のフラグセット手段を含み、
前記第1の乱数値取込手段は、前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されているか否かを判別し、出力されているときには出力されている旨を示す第2のフラグをセットする第2のフラグセット手段を含み、
前記第2の乱数値取込手段は第2のフラグがセットされているときに、前記同一乱数値取込手段によって乱数値を前記第2の保留記憶手段に記憶させた後に、前記第1のフラグセット手段による処理を実行し、
前記第1の乱数値取込手段は、前記第1のフラグがセットされているときに、前記第2の乱数値取込手段が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第1の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として前記第1の保留記憶手段に記憶させた後に、前記第2のフラグセット手段による処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項5】
所定の基準クロック信号を出力する基準クロック信号出力回路と、
前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成回路と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、
前記基準クロック信号出力回路から、前記基準クロック信号が入力されるクロック端子と、
第1の信号が入力される入力端子と、
前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号を出力する第1の出力端子と、
前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、前記第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号と、を生成し、
前記数値データ更新回路は、前記クロック信号生成回路により生成された第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミングにおいて、数値データを更新し、前記ラッチ信号生成回路は、前記クロック信号生成回路により生成された第2のクロック信号が所定の態様で変化する第2のタイミングにおいて、前記ラッチ信号を出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御用CPUは、前記記憶回路から乱数値を前記第1又は第2の乱数値取込手段により読み出す前に、該記憶回路に出力制御信号を出力して記憶回路を読出可能状態に制御し、前記記憶回路から乱数値を読み出した後、該記憶回路への出力制御信号の出力を停止して該記憶回路を読出不能状態に制御する読出制御手段、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記記憶回路は、前記ラッチ信号生成回路からラッチ信号が入力されているとき、前記読出制御手段から出力される出力制御信号に対して受信不能状態に制御する出力制御信号受信制御手段を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記記憶回路は、前記出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号生成回路から出力されるラッチ信号に対して受信不能状態に制御するラッチ信号受信制御手段を含む、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動入賞信号と、前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動入賞信号にそれぞれ応答して、入賞に対する賞として遊技媒体を払い出す払出手段を有し、
前記払出手段は、前記第1の始動入賞信号と第2の始動入賞信号とに対して異なった数の遊技媒体を払い出す、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技領域に設けられた第1の始動領域を遊技媒体が通過することにより第1の始動条件が成立した後に第1の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第1の可変表示手段と、遊技領域に設けられた第2の始動領域を遊技媒体が通過することにより前記第1の始動条件とは異なる第2の始動条件が成立した後に第2の開始条件が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する第2の可変表示手段と、を備え、前記第1の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったとき、または、前記第2の可変表示手段による識別情報の可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
前記第1の始動領域を通過した遊技媒体を検出して第1の始動検出信号を出力する第1の遊技媒体検出手段と、
前記第2の始動領域を通過した遊技媒体を検出して第2の始動検出信号を出力する第2の遊技媒体検出手段と、
所定周期で数値データを予め定められた更新範囲内で更新して出力する数値データ更新回路と、
前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号又は前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されたときに、前記数値データ更新回路から出力されている数値データを乱数値として取り込むためのラッチ信号を生成するラッチ信号生成回路と、
前記ラッチ信号生成回路からのラッチ信号に応答して前記数値データ更新回路が出力している乱数値を記憶する記憶回路と、
前記数値データ更新回路が出力した乱数値に基づいて前記第1の可変表示手段と前記第2の可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御用CPUと、を備え、
前記遊技制御用CPUは、
第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第1の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第1の保留記憶手段に記憶させる第1の乱数値取込手段と、
第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第2の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段に記憶させる第2の乱数値取込手段と、
前記第1の開始条件が成立したときに、前記第1の保留記憶手段に記憶された乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、第1の可変表示手段での可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定し、前記第2の開始条件が成立したときに、前記第2の保留記憶手段に記憶された乱数値が所定の判定値データと合致するか否かを判定することにより、第2の可変表示手段での可変表示における表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する表示結果決定手段と、
前記第1の開始条件が成立したときに、前記第1の可変表示手段における前記識別情報の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示し、前記第2の開始条件が成立したときに、前記第2の可変表示手段における前記識別情報の可変表示を開始して、前記表示結果決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示する表示制御手段と、を備え、
前記ラッチ信号生成回路を1つのみ備え、該ラッチ信号生成回路は前記第1の始動検出信号と前記第2の始動検出信号のいずれが出力されたときでも共通して前記ラッチ信号を生成し、
前記記憶回路は、前記ラッチ信号生成回路から新たなラッチ信号が出力されたことに応答して、既に記憶されていた乱数値を新たな乱数値に更新して記憶し、
前記第2の乱数値取込手段は、前記第1の乱数値取込手段が前記記憶回路から乱数値を取り込んでから前記記憶回路の記憶する乱数値が更新される前に前記乱数値を取り込むときには、前記記憶回路から取り込む代わりに、前記第1の乱数値取込手段が取り込んだ乱数値を第2の乱数値として前記第2の保留記憶手段に記憶させる同一乱数値取込手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技制御用CPUは、定期割込処理内にて、前記第1の乱数値取込手段による処理と前記同一乱数値取込手段による処理とを実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1の乱数値取込手段は、前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号が出力されたときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第1の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第1の保留記憶手段に記憶させた後、該第1の保留記憶手段に乱数値を記憶させたことを示す所定のフラグをセットし、
前記第2の乱数値取込手段は、
前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされていないときに、前記記憶回路に記憶された乱数値を読み出して、前記第2の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段に記憶させ、
前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力され、かつ、前記所定のフラグがセットされているときに、前記同一乱数値取込手段によって、前記第1の乱数値取込手段が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第2の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として第2の保留記憶手段に記憶させ、前記所定のフラグをリセットする、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2の乱数値取込手段は、前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動検出信号が出力されているか否かを判別し、出力されているときには出力されている旨を示す第1のフラグをセットする第1のフラグセット手段を含み、
前記第1の乱数値取込手段は、前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動検出信号が出力されているか否かを判別し、出力されているときには出力されている旨を示す第2のフラグをセットする第2のフラグセット手段を含み、
前記第2の乱数値取込手段は第2のフラグがセットされているときに、前記同一乱数値取込手段によって乱数値を前記第2の保留記憶手段に記憶させた後に、前記第1のフラグセット手段による処理を実行し、
前記第1の乱数値取込手段は、前記第1のフラグがセットされているときに、前記第2の乱数値取込手段が前記記憶回路から取り込んだ乱数値を、前記第1の可変表示手段の可変表示制御用の乱数値として前記第1の保留記憶手段に記憶させた後に、前記第2のフラグセット手段による処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項5】
所定の基準クロック信号を出力する基準クロック信号出力回路と、
前記基準クロック信号に基づき、周期が同一で位相が異なる複数の信号を生成するクロック信号生成回路と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、
前記基準クロック信号出力回路から、前記基準クロック信号が入力されるクロック端子と、
第1の信号が入力される入力端子と、
前記第1の信号の変化状態を前記クロック端子から入力された前記基準クロック信号の所定の周期毎に変化するタイミングに同期させた信号を出力する第1の出力端子と、
前記第1の出力端子から出力される信号と周期が同一で位相が異なる信号を出力する第2の出力端子と、を含み、
前記クロック信号生成回路は、前記第2の出力端子と前記入力端子とを接続することにより、前記第1の出力端子から出力される第1のクロック信号と、前記第2の出力端子から出力され、前記第1のクロック信号と周期が同一で位相が異なる第2のクロック信号と、を生成し、
前記数値データ更新回路は、前記クロック信号生成回路により生成された第1のクロック信号が所定の態様で変化する第1のタイミングにおいて、数値データを更新し、前記ラッチ信号生成回路は、前記クロック信号生成回路により生成された第2のクロック信号が所定の態様で変化する第2のタイミングにおいて、前記ラッチ信号を出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御用CPUは、前記記憶回路から乱数値を前記第1又は第2の乱数値取込手段により読み出す前に、該記憶回路に出力制御信号を出力して記憶回路を読出可能状態に制御し、前記記憶回路から乱数値を読み出した後、該記憶回路への出力制御信号の出力を停止して該記憶回路を読出不能状態に制御する読出制御手段、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記記憶回路は、前記ラッチ信号生成回路からラッチ信号が入力されているとき、前記読出制御手段から出力される出力制御信号に対して受信不能状態に制御する出力制御信号受信制御手段を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記記憶回路は、前記出力制御信号が入力されているとき、前記ラッチ信号生成回路から出力されるラッチ信号に対して受信不能状態に制御するラッチ信号受信制御手段を含む、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記第1の遊技媒体検出手段からの第1の始動入賞信号と、前記第2の遊技媒体検出手段からの第2の始動入賞信号にそれぞれ応答して、入賞に対する賞として遊技媒体を払い出す払出手段を有し、
前記払出手段は、前記第1の始動入賞信号と第2の始動入賞信号とに対して異なった数の遊技媒体を払い出す、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
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【図4】
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【図18】
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【図29】
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【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2006−68167(P2006−68167A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253524(P2004−253524)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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