説明

遊技機

【課題】入賞検知装置と未接続状態の場合、制御装置への入賞信号の誤入力を確実に防止する入力回路を備えた遊技機を提供すること。
【解決手段】第2コンパレータH2は、第2接続コネクタP2を介して始動口センサSE1から入力した電圧が検知電圧(0.4V)よりも低くなった場合、トランジスタT1のベースに電圧を出力させる。これにより、トランジスタT1は、第1基準電圧を第2入力端子IN2に入力しないように切り替え、第2入力端子IN2に入力される電圧を接地側へ逃がして、0Vとする。そして、第1コンパレータH1は、第2入力端子IN2に入力される電圧を基準として、第1入力端子IN1に入力される電圧が低いか否かを判定し、この判定結果が否定の場合には、第4電源D4から遊技球を検知していないことを通知する非入賞信号をメインCPU30aに出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を検知する入賞検知装置から出力された検知電圧を入力したことを契機に入賞信号を出力する入力回路を有する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、その遊技領域に、図柄組み合わせゲームを開始させるための始動入賞口や、大当り遊技状態が付与されると開放される大入賞口など、複数の入賞口を備えている。夫々の入賞口には、遊技球を検知する入賞検知装置としての入賞センサ(近接スイッチ)が配置されており、当該入賞センサが遊技球を検知すると、入力回路を介して主制御基板(メインCPU)に検知電圧(入賞信号)を出力するようになっている。そして、主制御基板(メインCPU)は、当該入賞信号を入力すると、所定個数の賞球(遊技球)を遊技者に払い出させるように払出制御基板を制御する。賞球の払出しが正確に行われなければ、遊技者又は遊技店側に不当な不利益が生じるため、入賞信号は正確にメインCPUに入力される必要がある。
【0003】
ところで、入賞センサは、接続コネクタを介して入力回路に接続され、当該入力回路を経由して検知電圧(入賞信号)がメインCPUに出力されるようになっている。しかしながら、この接続コネクタは、遊技中に引き抜かれてしまう場合やはずれてしまう場合がある。この場合、入賞センサからの検知電圧が正確に入力されなくなるので、余分に賞球が払い出されてしまう場合がある。これを防止するために、例えば、特許文献1に記載のパチンコ機が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に示すように、入力回路は、入賞センサ(始動口スイッチなど)と入力ポートの間に設けられた第1の入力経路と、入力ポートに入力される経路であって第1の入力経路とは異なる第2の入力経路を有する。それと共に、入力回路は、第1の入力経路が途切れた場合(接続コネクタが未接続状態である場合)に、第2の入力経路を用いて入賞センサが検知電圧を出力していないときの出力状態と同様の出力状態で入力ポートに電圧を出力(供給)する電圧供給手段(電源、トランジスタ及び抵抗からなる回路)を有する。これにより、入力ポートは、接続コネクタが未接続状態である場合であっても、電圧供給手段から入賞センサが検知電圧を出力していないときの出力状態と同様の出力状態の電圧が入力されるので、メインCPUに入賞センサが遊技球を検知したことを示す入賞信号を出力することがなくなる。このため、賞球を間違って払い出すことがなくなり、遊技店側の不利益を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−325769号公報(段落番号[0071]〜[0080]、図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の入力回路の入力ポートは、検知電圧を入力したか否かを所定の閾値(基準電圧)と比較することにより、判定している。このため、電源電圧の設定や、各種抵抗の抵抗値の設定、入力ポートの閾値、各種回路構成素子の個体差(ばらつき)、接続コネクタの切断時における入力回路の状態、切断されるタイミングなどによっては、入力ポートに基準電圧を上回る(又は下回る)電圧が供給され、メインCPUに対して検知電圧(入賞信号)を誤入力してしまう虞がある。
【0007】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、入賞検知装置と未接続状態の場合、制御装置への入賞信号の誤入力を確実に防止する入力回路を有する遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、賞球の払出しを指示する制御装置と、遊技球を検知すると共に遊技球を検知したことを通知する検知電圧を出力する入賞検知装置と、当該入賞検知装置から検知電圧を入力したことを契機に遊技球を検知したことを通知する入賞信号を前記制御装置に出力する入力回路とを備え、前記制御装置が前記入賞信号の入力を契機に賞球を払い出させるように制御する遊技機において、前記入力回路は、前記入賞検知装置と接続し、前記検知電圧及び遊技球を検知していないことを通知する非検知電圧を入力する接続コネクタと、前記検知電圧を入力したか否かを判定するための基準となる第1基準電圧を出力する第1電源と、前記接続コネクタに接続されて前記検知電圧及び前記非検知電圧を入力する第1入力端子と、接地されると共に前記第1電源に接続されて前記第1基準電圧を入力する第2入力端子を有し、前記第1入力端子に入力される電圧が第2入力端子に入力される電圧よりも低いか否かを比較判定して判定結果が肯定の場合には、制御装置に対して前記入賞信号を出力する第1比較判定素子と、前記第1電源から出力された前記第1基準電圧を前記第2入力端子に入力するか否かを切り替える切替手段を備え、前記接続コネクタは、前記入賞検知装置が遊技球を検知していない場合、前記入賞検知装置が遊技球を検知した場合に入力する前記検知電圧よりも高い電圧で前記非検知電圧を入力する一方、前記入賞検知装置が遊技球を検知した場合、0Vよりも高い電圧で前記検知電圧を入力するようになっており、前記切替手段は、前記接続コネクタから前記検知電圧及び前記非検知電圧を入力する一方、前記接続コネクタから入力した電圧が前記検知電圧よりも低くなった場合、前記第1基準電圧を前記第2入力端子に入力しないように切り替え、前記第2入力端子に入力される電圧を接地側へ逃がすように構成され、前記切替手段が前記第1基準電圧を前記第2入力端子に入力しないように切り替えた場合、第2入力端子に入力される電圧を、第1入力端子に入力される電圧よりも早く0Vとする切替促進手段を備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1入力端子と接続コネクタの間には、前記切替手段と接続コネクタとの間の抵抗値と比較して抵抗値を大きくする第1抵抗が接続されていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1入力端子には、電荷を蓄える第1蓄電素子が接続されており、前記第1蓄電素子の一方の端子は、前記第1入力端子に接続されていると共に第2抵抗を介して接地端子に接続されており、前記第2入力端子には、電荷を蓄える第2蓄電素子が接続されており、前記第2蓄電素子の一方の端子は、前記第2入力端子に接続されていると共に第3抵抗を介して接地端子に接続されており、前記第1蓄電素子は、前記第1入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されている場合には電荷を蓄える一方、前記第1入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されなくなった場合には、蓄えた電荷により前記第1入力端子に電圧を出力するように構成され、前記第2蓄電素子は、前記第2入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されている場合には電荷を蓄える一方、前記第2入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されなくなった場合には、蓄えた電荷により前記第2入力端子に電圧を出力するように構成され、前記第1入力端子と接続されている第1蓄電素子の端子と接地端子との間には、前記第2入力端子と接続されている第2蓄電素子の端子と接地端子との間における第3抵抗の抵抗値と比較して大きい抵抗値を有する第2抵抗が接続されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入賞検知装置と未接続状態の場合、制御装置への入賞信号の誤入力を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図3】入力回路を示す回路図。
【図4】入力回路における検知電圧の入出力タイミングを示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。また、前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出を行う装飾ランプ16が設けられている。また、外枠11の下部には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく音声演出を行うスピーカ17が設けられている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
【0014】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器Hを備えた表示装置20が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、複数種類の図柄を複数列で変動させて表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類としている。
【0015】
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせとなる。大当りの図柄組み合わせが表示されると、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。一方、可変表示器Hに表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄と異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。
【0016】
また、表示装置20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22により遊技球が入賞検知されると、1個の入賞に対して所定個数(例えば、4個)の賞球(遊技球)が払い出される。
【0017】
また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となる。そして、大入賞口24の奥方には、入賞した遊技球を検知する大入賞口センサSE2(図2に示す)が設けられており、大入賞口24により遊技球が入賞検知されると、1個の入賞に対して所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。このため、遊技者は、大当り遊技状態が付与されると、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0018】
次に、パチンコ機10の制御構成を図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示装置20(可変表示器H)の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0019】
主制御基板30には、始動入賞口22に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が入力回路51を介して接続されている。また、主制御基板30には、大入賞口24に入賞した遊技球を検知する大入賞口センサSE2が入力回路51を介して接続されている。また、主制御基板30には、遊技球(賞球など)の払出しを制御する払出制御基板35が接続されている。払出制御基板35には、遊技球を払出す払出装置36が接続されている。
【0020】
以下、主制御基板30、演出制御基板31の具体的な構成を説明する。
図2に示すように主制御基板30には、メインCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。メインCPU30aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
【0021】
変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、複数種類の変動パターンは、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されている。大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、はずれの図柄組み合わせを表示するように展開される演出である。
【0022】
そして、メインCPU30aは、メイン制御プログラムに基づき、入賞処理、変動パターン決定処理などの各種処理などの各種処理を実行するようになっている。
まず、入賞処理について説明する。メインCPU30aは、入賞処理において、所定時間間隔で遊技球の始動入賞口22への入賞検知がなされたか否か(入賞したことを示す入賞信号を入力したか否か)を判定する始動口入賞判定を行う。この始動口入賞判定の判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、当該読み出した大当り判定用乱数の値をRAM30cの所定の記憶領域に設定する。大当り判定用乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をそれぞれRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数を取得すると共に、賞球の払出しを指示する第1の払出制御コマンドを払出制御基板35に出力する。払出制御基板35は、当該第1の払出制御コマンドを入力すると、所定個数(4個)の賞球を払い出させるように払出装置36を制御する。
【0023】
一方、始動口入賞判定が否定の場合、メインCPU30aは、大入賞口24への入賞検知がなされたか否か(入賞したことを示す入賞信号を入力したか否か)を判定する大入賞口入賞判定を行う。この大入賞口入賞判定の判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、賞球の払出しを指示する第2の払出制御コマンドを払出制御基板35に出力する。払出制御基板35は、当該第2の払出制御コマンドを入力すると、所定個数(15個)の賞球を払い出させるように払出装置36を制御する。一方、この大入賞口入賞判定の判定結果が否定の場合(入賞検知なしの場合)、入賞処理を終了するようになっている。従って、本実施形態のメインCPU30aは、賞球の払い出しを指示する制御装置となる。
【0024】
次に、変動パターン決定処理について説明する。メインCPU30aは、図柄組み合わせゲーム開始時に、RAM30cに記憶されている大当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、全列が同一種類となるように最終停止図柄を決定すると共に、大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、メインCPU30aは、全列が同一種類とならないように最終停止図柄を決定する。それと共に、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0025】
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、演出制御基板31(サブCPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、メインCPU30aは、各列毎の最終停止図柄を指定するための図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて変動停止を指示し、図柄組み合わせゲームを終了するための全図柄停止コマンドを出力する。
【0026】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31は、図2に示すように、サブCPU31aを備えており、該サブCPU31aにはROM31b及びRAM31cが接続されている。ROM31bには、可変表示器Hの表示態様、装飾ランプ16の発光態様、スピーカ17の音声出力態様を制御するため演出制御プログラムなどが記憶されている。また、RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0027】
そして、サブCPU31aは、主制御基板30(メインCPU30a)から制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンに基づき、図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器Hの表示態様を制御する。それと共に、サブCPU31aは、可変表示器Hの表示態様に対応させて、装飾ランプ16の発光態様、スピーカ17の音声出力態様を制御する。そして、サブCPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器Hに表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。この制御により、可変表示器Hでは図柄組み合わせゲームが行われる。
【0028】
そして、本実施形態では、始動口センサSE1及び大入賞口センサSE2は、それぞれ入力回路51を介してメインCPU30aと接続している。前記入力回路51は、始動口センサSE1又は大入賞口センサSE2から検知電圧及び非検知電圧を入力したことを契機に、メインCPU30aに入賞信号及び遊技球を検知していないことを通知する非入賞信号を出力する回路である。以下、この入力回路51について図3に基づき詳述する。なお、始動口センサSE1に接続される入力回路51と、大入賞口センサSE2に接続される入力回路51は同様の構成を有するので、本実施形態では、始動口センサSE1に接続される入力回路51を例にして説明し、大入賞口センサSE2に接続される入力回路51の説明は省略する。また、本実施形態において、始動口センサSE1及び入力回路51は、負論理(ローアクティブ)にて回路設計されており、メインCPU30aは、正論理(ハイアクティブ)にて回路設計されている。
【0029】
始動口センサSE1は、一対の接続端子S1,S2を有しており、入力回路51が有する第1接続コネクタP1及び第2接続コネクタP2にそれぞれ接続されるようになっている。より詳しくは、始動口センサSE1の一方の接続端子S1(プラス側接続端子)は、12Vの電圧を出力する第3電源D3と接続された第1接続コネクタP1に接続されるようになっている。前記接続端子S1は、当該第1接続コネクタP1と接続することにより、第3電源D3から12Vの電圧を入力するようになっている。また、他方の接続端子S2(マイナス側接続端子)は、もう一方の第2接続コネクタP2と接続され、入力回路51に始動口センサSE1が遊技球を検知したことを通知する検知電圧(検知信号)及び遊技球を検知していないことを通知する非検知電圧(非検知信号)を出力するようになっている。
【0030】
始動口センサSE1には、所定の抵抗値を有する抵抗(図示略)と、遊技球の通過によって内蔵するコイル(図示略)に渦電流を発生させ、それに応じたレベルで検知電圧を接続端子S2の出力側(マイナス側)に発生させる近接スイッチが用いられている。本実施形態において、始動口センサSE1は、負論理にて回路設計されているため、遊技球を検知していない場合、検知電圧よりもその電圧値が高い非検知電圧を出力するようになっている(本実施形態では、始動口センサSE1は5Vの非検知電圧を入力回路51に出力する)。換言すると、始動口センサSE1は、遊技球を検知した場合、非検知電圧よりもその電圧値が低い検知電圧を出力するようになっている(本実施形態では、始動口センサSE1は0.4Vの検知電圧を入力回路51に出力する)。なお、始動口センサSE1は、接続端子S1,S2とそれぞれ接続コネクタP1,P2が接続されている場合、遊技球を検知しているか否かに関係なく、常に0Vよりもその電圧値が高い電圧を出力するようになっている。
【0031】
検知電圧及び非検知電圧を入力する第2接続コネクタP2は、所定の抵抗値(本実施形態では、22KΩ)を有する第1抵抗R1の一端と接続されている。当該第1抵抗R1の他端は、第1コンパレータH1と接続されていると共に、第1コンデンサC1(第1蓄電素子)を介して接地されている(すなわち、接地端子に接続されている、以下、同じ)。
【0032】
前記第1コンパレータH1は、前記第1抵抗R1を介して前記第2接続コネクタP2と接続される第1入力端子IN1と、第2入力端子IN2を有し、第2入力端子IN2に入力される電圧を基準として、第1入力端子IN1に入力される電圧が低いか否かを判定する第1判定を行うようになっている。そして、第1コンパレータH1は第1出力端子OUT1を有し、当該第1出力端子OUT1は、第3抵抗R3を介して第4電源D4と接続されると共に、メインCPU30aと接続される。
【0033】
第1コンパレータH1は、前記第1判定の判定結果が否定の場合(第1入力端子IN1に入力される電圧の方が高い場合)、第4電源D4から出力される電圧を第1出力端子OUT1から入力し、第1コンパレータH1に接続されている接地側に入力した電圧を出力するようになっている。すなわち、第1コンパレータH1は、前記第1判定の判定結果が否定の場合、第4電源D4を接地するように切り替える。これにより、第4電源D4からメインCPU30aへ電圧が入力されなくなり、入力回路51からメインCPU30aへ出力される電圧の電圧値は限りなく0Vに近くなる(又は0Vになる)。そして、本実施形態では、メインCPU30aは、正論理で回路設計されている為、入力する電圧がローレベルの時(低いとき)に遊技球を入賞検知していないと判定する。従って、第1コンパレータH1による前記第1判定の判定結果が否定の場合、入力回路51は、始動口センサSE1が遊技球を入賞検知していないことを通知する非入賞信号を出力する。
【0034】
一方、前記第1判定の判定結果が肯定の場合(第1入力端子IN1に入力される電圧の方が低い場合)、第1コンパレータH1は、第4電源D4から出力される電圧を第1出力端子OUT1から入力しないように切り替える。すなわち、第1コンパレータH1は、前記第1判定の判定結果が肯定の場合、第4電源D4が接地しないように切り替える。これにより、第4電源D4からメインCPU30aへ所定の電圧が入力される。本実施形態では、メインCPU30aは、正論理で回路設計されている為、入力する電圧がハイレベルの時(高いとき)に遊技球を入賞検知したと判定する。すなわち、第1コンパレータH1による前記第1判定の判定結果が肯定の場合、入力回路51は、始動口センサSE1が遊技球を入賞検知したことを通知する入賞信号を出力する。従って、本実施形態では、第1コンパレータH1及び第4電源D4により、第1入力端子IN1に入力される電圧が第2入力端子IN2に入力される電圧よりも低いか否かを比較判定する第1比較判定素子が構成される。
【0035】
また、前記第2接続コネクタP2は、所定の抵抗値(本実施形態では、680Ω)を有する第2抵抗R2を介して接地されると共に、第2コンパレータH2と接続される。前記第2コンパレータH2は、前記第2接続コネクタP2と接続される第3入力端子IN3と、第4入力端子IN4とを有している。また、前記第2コンパレータH2は、第2出力端子OUT2を有し、当該第2出力端子OUT2は、第6抵抗R6を介して5Vの電圧を出力する第5電源D5と接続されると共に、PNP型トランジスタT1(切替素子)のベースと接続される。
【0036】
前記第2コンパレータH2の第4入力端子IN4は、所定の抵抗値(本実施形態では、3.3KΩ)を有する第4抵抗R4の一端と接続されると共に、所定の抵抗値(本実施形態では、51Ω)を有する第5抵抗R5を介して接地される。前記第4抵抗R4の他端は、12Vの電圧を出力する第2電源D2と接続される。すなわち、第2電源D2は、第4抵抗R4及び第5抵抗R5を介して接地され、第4入力端子IN4は、第4抵抗R4と第5抵抗R5との間に接続される。このため、第4入力端子IN4は、第2電源D2から入力される12Vの電圧を第4抵抗R4と第5抵抗R5とで分圧した値の電圧を入力する。
【0037】
本実施形態では、この電圧を、始動口センサSE1と入力回路51が接続されているか否かを判定する際に基準とする第2基準電圧とする。このため、第2基準電圧が、未接続状態において第3入力端子IN3に入力される電圧(0V)よりも高い電圧値で、接続状態において入力される電圧のうち最も低い電圧値を有する電圧(0.4Vの検知電圧)の電圧値よりも低い値となるように、第2電源D2の出力電圧、第4抵抗R4及び第5抵抗R5の抵抗値が設定されている。なお、本実施形態では、第2基準電圧を約0.183Vとしている。
【0038】
そして、第2コンパレータH2は、第4入力端子IN4に入力される電圧(第2基準電圧)を基準として、第3入力端子IN3に入力される電圧が低いか否かを判定する第2判定を行うようになっている。前記第2判定の判定結果が肯定の場合(第3入力端子IN3に入力される電圧の方が低い場合)、第2コンパレータH2は、第5電源D5から出力される電圧を第2出力端子OUT2から入力し、第2コンパレータH2に接続されている接地側に入力した電圧を出力する。すなわち、第2コンパレータH2は、前記第2判定の判定結果が肯定の場合、第5電源D5を接地するように切り替える。これにより、第5電源D5からトランジスタT1のベースへ電圧が入力されなくなり、入力回路51からトランジスタT1のベースへ出力される電圧の電圧値は限りなく0Vに近くなる(又は0Vになる)。
【0039】
一方、前記第2判定の判定結果が否定の場合(第3入力端子IN3に入力される電圧の方が高い場合)、第2コンパレータH2は、第5電源D5から出力される電圧を第2出力端子OUT2から入力しないように切り替える。すなわち、第2コンパレータH2は、前記第2判定の判定結果が肯定の場合、第5電源D5が接地しないように切り替える。これにより、第2コンパレータH2は、第5電源D5により、トランジスタT1のベースに所定の電圧値を有する電圧(接続電圧)を出力させる。
【0040】
そして、トランジスタT1のコレクタは、所定の抵抗値(本実施形態では、3.3KΩ)を有する第7抵抗R7を介して、12Vの電圧を出力する第1電源D1と接続される。また、トランジスタT1のエミッタは、所定の抵抗値(本実施形態では、680Ω)を有する第8抵抗R8を介して接地されると共に、所定の抵抗値(本実施形態では、22KΩ)を有する第9抵抗R9の一端と接続されている。そして、第9抵抗R9の他端は、第1コンパレータH1の第2入力端子IN2と接続されていると共に、第2コンデンサC2(第2蓄電素子)を介して接地されている。さらに、前記第9抵抗R9の両端には、ダイオード(整流素子)が接続されている。すなわち、第1電源D1(より詳しくはトランジスタT1のエミッタ)と、第1コンパレータH1の第2入力端子IN2との間には、第9抵抗R9とダイオードとが並列に接続されている。前記ダイオードは、第2入力端子IN2側から第1電源D1側(トランジスタT1のエミッタ側)へ電流を流し、逆方向への電流を規制するようになっている。
【0041】
以上のことにより、第1コンパレータH1の第2入力端子IN2は、第9抵抗R9を介して、第7抵抗R7と第8抵抗R8との間に接続されており、第1電源D1から入力される12Vの電圧を第7抵抗R7と第8抵抗R8とで分圧した値の電圧値を有する電圧を入力する。本実施形態では、この電圧を、第1コンパレータが検知電圧を入力したか否かを判定する際に基準とする第1基準電圧とする。このため、前記第1基準電圧の電圧値は、検知電圧(0.4V)の値よりも高い値であって、非検知電圧(5V)より低い値となるように、第1電源D1の出力電圧値、第7抵抗R7及び第8抵抗R8の抵抗値が設定される。なお、本実施形態では、第1基準電圧を約2.05Vとしている。
【0042】
また、トランジスタT1は、ベースに接続電圧が入力された場合、第1電源D1が第2入力端子IN2側へ電圧を出力するにように切り替え、第2入力端子IN2に第1基準電圧が入力されるようにする。一方、トランジスタT1は、ベースに接続電圧が入力されない(0V又は限りなく0Vに近い値)場合、第1電源D1が第2入力端子IN2側へ電圧を出力しないように切り替え、第2入力端子IN2に第1基準電圧が入力されないようにする。これにより、トランジスタT1は、第2入力端子IN2に入力されていた電圧を接地側に逃がし、第2入力端子IN2に入力される電圧を0Vにする(又は限りなく0Vに近い値にする)。
【0043】
以上のことにより、本実施形態の第2コンパレータH2及び第5電源D5により、第3入力端子IN3に入力される電圧が第4入力端子IN4に入力される電圧よりも低いか否かを比較判定する第2比較判定素子が構成される。また、本実施形態のトランジスタT1が、接続電圧に基づき、第1基準電圧を第2入力端子側に入力するか否かを切り替える切替素子を構成する。また、本実施形態の第2コンパレータH2、第5電源D5、第2電源D2、及びトランジスタT1により、第1基準電圧を第2入力端子IN2に入力するか否かを切り替える切替手段が構成される。また、第1コンデンサC1,第2コンデンサC2,第1抵抗R1、第2抵抗R2、第8抵抗R8により、切替促進手段が構成される。
【0044】
次に、始動口センサSE1から検知電圧及び非検知電圧を入力したことを契機に、入力回路51が入賞信号及び非入賞信号をメインCPU30aに出力する様子について図4に基づき説明する。まず、始動口センサSE1の接続端子S1,S2がそれぞれ接続コネクタP1,P2に正常に接続されている場合であって、始動口センサSE1が遊技球を検知していない場合について説明する。
【0045】
始動口センサSE1は、遊技球を検知していない場合、接続端子S2及び第2接続コネクタP2を介して入力回路51に5Vの非検知電圧を出力し続ける。このため、第1コンパレータH1の第1入力端子IN1及び第2コンパレータH2の第3入力端子IN3は、5Vの非検知電圧を入力し続ける。その際、第1コンデンサC1は、その両端で(接地側と第1入力端子IN1側と)で電位差が生じるため、電荷を蓄えることとなる。なお、第1入力端子IN1は、第1抵抗R1を介して入力するため、非検知電圧の入力が開始される時間(電圧が立ち上がる時間)が第3入力端子IN3よりも僅かに遅くなるようになっている。また、第1コンデンサC1が電荷を蓄えるため、第1入力端子IN1に入力される電圧が安定する。
【0046】
このとき、第2コンパレータH2は、第4入力端子IN4に入力される第2基準電圧(約0.182V)よりも第3入力端子IN3に入力される非検知電圧(5V)よりも低いか否かを判定する。この判定結果は否定となるので、第2コンパレータH2は第5電源D5を接地しないように切り替えることにより、第5電源D5から所定の接続電圧をトランジスタT1のベースに出力させる。
【0047】
トランジスタT1は、そのベースに所定の接続電圧が入力されるので、第1電源D1が電圧を第2入力端子IN2側に出力するように切り替える。これにより、第2入力端子IN2は、第1基準電圧を入力する。その際、第2コンデンサC2は、その両端で(接地側と第2入力端子IN2側と)で電位差が生じるため、電荷を蓄えることとなる。なお、このとき、第2コンデンサC2が電荷を蓄えるため、第2入力端子IN2に入力される電圧が安定する。
【0048】
そして、第1コンパレータH1は、第2入力端子IN2に入力される第1基準電圧(約2.05V)よりも第1入力端子IN1に入力される非検知電圧(5V)が低いか否かを判定する。この判定結果は否定となるので、第1コンパレータH1は、第4電源D4を接地するように切り替える。これにより、入力回路51からメインCPU30aへ出力される電圧の電圧値は0Vとなる。すなわち、入力回路51は、始動口センサSE1が遊技球を検知していないことを通知する非入賞信号を出力する。
【0049】
メインCPU30aは、入力回路51から始動口センサSE1が遊技球を検知していないことを通知する非入賞信号を入力すると、入賞処理の始動口入賞判定における判定結果を否定する。すなわち、メインCPU30aは、大当り判定用乱数を取得せず、また、第1の払出制御コマンドを出力することもしない。
【0050】
次に、始動口センサSE1が遊技球を検知した場合について説明する。
遊技球を検知した場合、始動口センサSE1は、接続端子S2及び第2接続コネクタP2を介して、入力回路51に0.4Vの検知電圧を出力する。このため、第1コンパレータH1の第1入力端子IN1及び第2コンパレータH2の第3入力端子IN3は、接続コネクタを介して0.4Vの検知電圧を入力する。
【0051】
このとき、第2コンパレータH2は、第4入力端子IN4に入力される第2基準電圧(約0.182V)よりも第3入力端子IN3に入力される検知電圧(0.4V)が低いか否かを判定する。この判定結果は非検知時と変わらず否定となるので、第2コンパレータH2は、非検知時と変わらず、第5電源D5を接地しないようにして、第5電源D5から所定の接続電圧をトランジスタT1のベースに出力させる。そして、トランジスタT1は、そのベースに所定の接続電圧を入力すると、第1電源D1が第2入力端子IN2側に電圧を出力するように切り替える。これにより、第2入力端子IN2は、第1基準電圧を入力する。
【0052】
そして、第1コンパレータH1は、第2入力端子IN2に入力される第1基準電圧(約2.05V)よりも第1入力端子IN1に入力される非検知電圧(0.4V)が低いか否かを判定する。この判定結果は肯定となるので、第1コンパレータH1は、第4電源D4から出力される電圧を第1出力端子OUT1から入力しないように切り替える。これにより、第4電源D4は、メインCPU30aに電圧を出力する。すなわち、入力回路51は、始動口センサSE1が遊技球を検知したことを通知する入賞信号を出力する。
【0053】
このため、メインCPU30aは、入力回路51から始動口センサSE1が遊技球を検知したことを示す入賞信号を入力するので、入賞処理の始動口入賞判定における判定結果を肯定する。すなわち、メインCPU30aは、大当り判定用乱数を取得し、また、第1の払出制御コマンドを出力する。
【0054】
次に、始動口センサSE1の接続端子S2が第2接続コネクタP2から引き抜かれた場合(未接続状態)について説明する。
始動口センサSE1は、遊技球を検知した、検知していないかに係わらず、入力回路51に電圧を出力することができない。このため、第1コンパレータH1の第1入力端子IN1及び第2コンパレータH2の第3入力端子IN3は、電圧を入力しない(すなわち、入力される電圧が0Vとなる)。
【0055】
このとき、第2コンパレータH2は、第4入力端子IN4に入力される第2基準電圧(約0.182V)よりも第3入力端子IN3に入力される電圧(0V)よりも低いか否かを判定する。この判定結果は肯定となるので、第2コンパレータH2は、第5電源D5から出力される電圧を第2出力端子OUT2から入力し、第2コンパレータH2に接続されている接地側に入力した電圧を出力する。
【0056】
これにより、トランジスタT1のベースには、第5電源D5から電圧が入力されなくなるので、トランジスタT1は、第1電源D1からの電圧を第2入力端子IN2側に出力しないように切り替える。このため、第2入力端子IN2には、電圧を入力しない(すなわち、入力される電圧が0Vとなる)。
【0057】
そして、第1コンパレータH1は、第2入力端子IN2に入力される電圧(0V)よりも第1入力端子IN1に入力される電圧(0V)が低いか否かを判定する。この判定結果は必ず否定となるので、第1コンパレータH1は、第4電源D4を接地するように切り替える。これにより、入力回路51からメインCPU30aへ出力される電圧の電圧値は0Vとなる。すなわち、入力回路51は、始動口センサSE1が遊技球を検知していないことを通知する非入賞信号を出力する。
【0058】
このため、メインCPU30aは、入力回路51から始動口センサSE1が遊技球を検知していないことを示す非入賞信号を入力するので、入賞処理の始動口入賞判定における判定結果を否定する。すなわち、メインCPU30aは、大当り判定用乱数を取得せず、また、第1の払出制御コマンドを出力することもしない。
【0059】
このように、未接続状態となったとき、入力回路51は、必ず非入賞信号をメインCPU30aに出力することができる。すなわち、従来のように第1基準電圧を変更することなく未接続状態を検知した場合に非検知電圧に相当する電圧を第1入力端子IN1に出力するような回路を設けたとしても、状況によっては瞬間的に第1基準電圧よりも第1入力端子IN1に入力される電圧が下回り、第1コンパレータH1が肯定判定して瞬間的に入賞信号が出力されてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態のような構成にすれば、未接続状態となったとき、第1判定における基準自体を変更し、且つ、基準を0V(又は限りなく0Vに近い値)にすることができる。そして、入力回路51の構成、各部材の性能のばらつき、未接続状態になったときの状況などを考慮しても、第1入力端子IN1に0Vより低い電圧が入力されることはないため、第1コンパレータH1は、必ず否定判定する。このため、未接続状態となったとき、入力回路51は、必ず非入賞信号をメインCPU30aに出力することができ、入賞信号を誤入力することがない。
【0060】
なお、第1コンデンサC1は、第1入力端子IN1に入力される電圧が0Vとなると同時に、蓄えた電荷に基づき、所定時間の間、第1入力端子IN1側に電圧を出力する。また、同様に、第2コンデンサC2は、第2入力端子IN2に入力される電圧が0Vとなると同時に、蓄えた電荷に基づき、所定時間の間、第2入力端子IN2側に電圧を出力する。しかしながら、第2コンデンサC2から出力される電圧は、第9抵抗R9と並列に接続されたダイオードを介して接地側に素早く出力される(逃げる)ようになっている。その一方、第1コンデンサC1は、第1抵抗R1を通過して接地側にゆっくりと出力される(逃げる)ようになっている。このため、第2入力端子IN2に入力される電圧は、第1入力端子IN1に入力される電圧よりも早く0Vとなる。すなわち、第1コンパレータH1による判定の判定結果が確実に否定となる。
【0061】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)第2コンパレータH2は、第2接続コネクタP2を介して始動口センサSE1から入力した電圧が検知電圧(0.4V)よりも低くなった場合、トランジスタT1のベースに電圧を出力しないように切り替える。これにより、トランジスタT1は、第1基準電圧を第2入力端子IN2に入力しないように切り替え、第2入力端子IN2に入力される電圧を接地側へ逃がして、0Vとする。このため、第1入力端子IN1に入力される電圧がどんな値であっても、第1コンパレータH1は、第2入力端子IN2に入力される電圧(この場合、0V)よりも低いか否かの判定を行った際、判定結果を常に否定とする。すなわち、電源電圧の設定や、各種抵抗の抵抗値の設定、入力ポートの閾値、各種回路構成素子の個体差(ばらつき)、接続コネクタの切断時における入力回路の状態、切断されるタイミングにより、第1入力端子IN1に電圧が入力されている場合でも、第1判定の基準となる第1基準電圧が0Vとなるので、判定結果を常に否定とする。このため、入力回路51は、接続コネクタP1,P2と始動口センサSE1の接続端子S1,S2が未接続状態の場合、常に非入賞信号を出力して、入賞信号をメインCPU30aに入力することが確実になくなり、メインCPU30aへの入賞信号の誤入力を確実になくすことができる。従って、メインCPU30aは、始動口センサSE1が遊技球を検知していないにも拘わらず、賞球の払出しを払出制御基板35に指示することがなくなり、また、不正なタイミングで大当り判定用乱数を取得することを防止できる。すなわち、遊技店側に不利益を生じるのを確実に防止できる。
【0062】
(2)第1コンデンサC1は、接続コネクタP1,P2と始動口センサSE1の接続端子S1,S2が未接続状態となった際、蓄えた電荷により第1入力端子IN1に電圧を入力する。このため、第2入力端子IN2に入力される電圧よりも第1入力端子IN1に入力される電圧をゆっくり0Vとすることができる。従って、第1コンパレータH1が肯定判定することが確実になくなり、メインCPU30aへの入賞信号の誤入力をより確実になくすことができる。
【0063】
(3)第2入力端子IN2に第2コンデンサC2を接続したため、第2入力端子IN2に入力される第1基準電圧を安定させることができる。これにより、メインCPU30aへの入賞信号の誤入力をより確実になくすことができる。また、トランジスタT1が第1基準電圧を第2入力端子IN2に入力しないように切り替えた場合、第9抵抗の両端に接続されたダイオードL1は、第2入力端子IN2からへ接地側に電流を流し、第2入力端子IN2に入力される電圧を0Vにする。すなわち、第2コンデンサC2は、ダイオードL1を介して接地側に蓄えた電圧を出力する。これにより、第2入力端子IN2に第2コンデンサC2を接続しても、第1入力端子IN1に入力される電圧よりも早く第2入力端子IN2に入力される電圧を0Vとすることができる。従って、第1コンパレータが肯定判定することが確実になくなり、メインCPU30aへの入賞信号の誤入力をより確実になくすことができる。
【0064】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態では、始動口センサSE1に近接スイッチを用いたが、これ以外のスイッチ(又はセンサ)を用いても良い。例えば、近接スイッチの代わりに、遊技通過に応じて接点が閉じ、電圧を出力するスイッチを用いても良い。なお、その際、遊技球を検知したときの電圧の方が高くなるので、否定演算回路(NOTゲート)を介して検知電圧及び非検知電圧を入力回路51に入力することとなる。この場合、入賞検知装置は、始動口センサSE1及び否定演算回路により構成されることとなる。
【0065】
・上記実施形態では、第2コンデンサC2及びダイオードL1を備えたが、備えなくてもよい。また、第1コンデンサC1を備えたが、備えなくても良い。
・上記実施形態では、始動口センサSE1及び大入賞口センサSE2に入力回路51を接続したが、それ以外のセンサ、例えば、ゲートセンサなどに接続しても良い。
【0066】
・上記実施形態では、メインCPU30aは正論理にて回路設計されていたが、負論理で回路設計しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0067】
(イ)前記切替手段は、接続コネクタから電圧を入力しているか否かを判定するための基準となる第2基準電圧を出力する第2電源と、前記接続コネクタに接続されて前記検知電圧及び前記非検知電圧を入力する第3入力端子と、前記第2電源に接続されて前記第2基準電圧を入力する第4入力端子を有し、前記第3入力端子に入力される電圧が前記第4入力端子に入力される電圧よりも低いか否かを比較判定して判定結果が肯定の場合には、前記接続コネクタと前記入賞検知装置が接続状態であることを示す接続電圧を出力しない一方、判定結果が否定の場合には、前記接続電圧を出力する第2比較判定素子と、前記接続電圧を入力している場合には、前記第1電源側から入力された前記第1基準電圧を前記第2入力端子側に入力する一方、前記接続電圧を入力していない場合には、前記第1電源側から入力された前記第1基準電圧を前記第2入力端子側に入力することを規制する切替素子とを有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0068】
10…パチンコ遊技機(遊技機)、20…表示装置、30…主制御基板、30a…メインCPU(制御装置)、35…払出制御基板、36…払出装置、51…入力回路、C1…第1コンデンサ(第1蓄電素子)、C2…第2コンデンサ(第2蓄電素子)、D1…第1電源、D2…第2電源(切替手段)、D3…第3電源、D4…第4電源(第1比較判定素子)、D5…第5電源(第2比較判定素子)、H1…第1コンパレータ(第1比較判定素子)、H2…第2コンパレータ(切替手段、第2比較判定素子)、IN1…第1入力端子、IN2…第2入力端子、IN3…第3入力端子、IN4…第4入力端子、OUT1…第1出力端子、OUT2…第2出力端子、P1,P2…接続コネクタ、R1…第1抵抗、R2…第2抵抗、R3…第3抵抗、R4…第4抵抗、R4…第4抵抗、R5…第5抵抗、R6…第6抵抗、R7…第7抵抗、R8…第8抵抗、R9…第9抵抗(抵抗)、L1…ダイオード(整流素子)、S1…接続端子(プラス側接続端子)、S2…接続端子(マイナス側接続端子)、SE1…始動口センサ(入賞検知装置)、SE2…大入賞口センサ(入賞検知装置)、T1…トランジスタ(切替手段、切替素子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞球の払出しを指示する制御装置と、遊技球を検知すると共に遊技球を検知したことを通知する検知電圧を出力する入賞検知装置と、当該入賞検知装置から検知電圧を入力したことを契機に遊技球を検知したことを通知する入賞信号を前記制御装置に出力する入力回路とを備え、前記制御装置が前記入賞信号の入力を契機に賞球を払い出させるように制御する遊技機において、
前記入力回路は、
前記入賞検知装置と接続し、前記検知電圧及び遊技球を検知していないことを通知する非検知電圧を入力する接続コネクタと、
前記検知電圧を入力したか否かを判定するための基準となる第1基準電圧を出力する第1電源と、
前記接続コネクタに接続されて前記検知電圧及び前記非検知電圧を入力する第1入力端子と、接地されると共に前記第1電源に接続されて前記第1基準電圧を入力する第2入力端子を有し、前記第1入力端子に入力される電圧が第2入力端子に入力される電圧よりも低いか否かを比較判定して判定結果が肯定の場合には、制御装置に対して前記入賞信号を出力する第1比較判定素子と、
前記第1電源から出力された前記第1基準電圧を前記第2入力端子に入力するか否かを切り替える切替手段を備え、
前記接続コネクタは、前記入賞検知装置が遊技球を検知していない場合、前記入賞検知装置が遊技球を検知した場合に入力する前記検知電圧よりも高い電圧で前記非検知電圧を入力する一方、前記入賞検知装置が遊技球を検知した場合、0Vよりも高い電圧で前記検知電圧を入力するようになっており、
前記切替手段は、前記接続コネクタから前記検知電圧及び前記非検知電圧を入力する一方、前記接続コネクタから入力した電圧が前記検知電圧よりも低くなった場合、前記第1基準電圧を前記第2入力端子に入力しないように切り替え、前記第2入力端子に入力される電圧を接地側へ逃がすように構成され、
前記切替手段が前記第1基準電圧を前記第2入力端子に入力しないように切り替えた場合、第2入力端子に入力される電圧を、第1入力端子に入力される電圧よりも早く0Vとする切替促進手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1入力端子と接続コネクタの間には、前記切替手段と接続コネクタとの間の抵抗値と比較して抵抗値を大きくする第1抵抗が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1入力端子には、電荷を蓄える第1蓄電素子が接続されており、
前記第1蓄電素子の一方の端子は、前記第1入力端子に接続されていると共に第2抵抗を介して接地端子に接続されており、
前記第2入力端子には、電荷を蓄える第2蓄電素子が接続されており、
前記第2蓄電素子の一方の端子は、前記第2入力端子に接続されていると共に第3抵抗を介して接地端子に接続されており、
前記第1蓄電素子は、前記第1入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されている場合には電荷を蓄える一方、前記第1入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されなくなった場合には、蓄えた電荷により前記第1入力端子に電圧を出力するように構成され、
前記第2蓄電素子は、前記第2入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されている場合には電荷を蓄える一方、前記第2入力端子に検知電圧又は非検知電圧が入力されなくなった場合には、蓄えた電荷により前記第2入力端子に電圧を出力するように構成され、
前記第1入力端子と接続されている第1蓄電素子の端子と接地端子との間には、前記第2入力端子と接続されている第2蓄電素子の端子と接地端子との間における第3抵抗の抵抗値と比較して大きい抵抗値を有する第2抵抗が接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−206606(P2011−206606A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166380(P2011−166380)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【分割の表示】特願2005−323813(P2005−323813)の分割
【原出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】