遊技機
【課題】当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる遊技機を提供すること。
【解決手段】演出制御用CPUは、16R大当り遊技において実行が保留されている特図変動ゲームに大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれているか否かを判定し、大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれている場合には単体の桜吹雪演出、又は桜吹雪演出を伴う特別演出を実行させる一方で、大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれていない場合には単体の桜吹雪演出を実行させる。そして、演出制御用CPUは、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されている場合に、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されていない場合と比較して、単体の桜吹雪演出を1回及び2回以上のラウンド遊技のうち2回以上のラウンド遊技にわたって実行させ易く構成されている。
【解決手段】演出制御用CPUは、16R大当り遊技において実行が保留されている特図変動ゲームに大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれているか否かを判定し、大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれている場合には単体の桜吹雪演出、又は桜吹雪演出を伴う特別演出を実行させる一方で、大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれていない場合には単体の桜吹雪演出を実行させる。そして、演出制御用CPUは、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されている場合に、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されていない場合と比較して、単体の桜吹雪演出を1回及び2回以上のラウンド遊技のうち2回以上のラウンド遊技にわたって実行させ易く構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、始動口への入球検知を契機とした大当り判定で肯定判定された場合に、演出表示装置に表示する図柄変動ゲームで大当り表示結果(大当り図柄)を確定停止表示させ、この大当りの図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技を付与することが行われている。そして、従来のパチンコ遊技機の中には、大当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに大当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定し、その判定結果に基づき大当り遊技用の遊技演出を実行するものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技において大当りの図柄変動ゲームが保留されている場合、大当り遊技用の遊技演出として所定のキャラクタを表示するとともに、始動保留球の個数表示態様を変化させている。このため、特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技において、大当りの図柄変動ゲームが含まれていること(所謂、保留内大当り)に期待する遊技者の興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−15007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技中に前記所定のキャラクタが表示されなかった場合には、遊技者の興趣を向上させることができなかった。これに対し、特許文献1のパチンコ遊技機において、大当りの図柄変動ゲームが含まれない場合にも所定のキャラクタを表示し、所定のキャラクタが表示され、且つ始動保留球の個数表示態様が変化された場合に保留内大当りが確定するように構成することも考えられる。このような構成によれば、所定のキャラクタの出現頻度を向上させ、遊技者の興趣を向上させ得るとも考えられる。
【0006】
しかしながら、このような構成であっても、所定のキャラクタの表示に続けて始動保留球の個数表示態様が変化しなかった場合には、保留内大当りが確定しないことを遊技者が認識し得る。このため、大当り遊技用の遊技演出のさらなる興趣の向上が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、前記当り遊技用の遊技演出には、非特定遊技演出及び前記非特定遊技演出の開始後に実行させる特定遊技演出を含む第1遊技演出と、前記非特定遊技演出を含み且つ前記特定遊技演出を含まない第2遊技演出と、を含み、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記第1遊技演出、及び前記第2遊技演出を含む当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させる一方で、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合には、前記第2遊技演出を含み、且つ前記第1遊技演出を含まない当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させ、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、前記第2遊技演出を第1演出時間及び前記第1演出時間より長い第2演出時間のうち前記第2演出時間にわたって実行させ易く構成されたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記当り遊技には、大入賞口を開放するラウンド遊技を含み、前記第1演出時間は、前記第2遊技演出を第1回数、実行させる演出時間であり、前記第2演出時間は、前記第2遊技演出を前記第1回数より多い第2回数、実行させる演出時間であり、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段の判定結果に応じた回数分のラウンド遊技毎に前記第2遊技演出を実行させることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記当り判定で肯定判定された場合に当りの種類を決定する当り種決定手段と、前記当り種決定手段が決定した当りの種類に基づき前記当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、をさらに備え、前記遊技演出制御手段は、第1当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を許容する一方で、前記第1当りとは異なる第2当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を規制することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機において、前記ゲーム判定手段は、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに前記当りの図柄変動ゲームが含まれている場合、その当りの図柄変動ゲームの実行時に前記当り判定で肯定判定されることに伴って決定される当りの種類をさらに判定するようになっており、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が判定した当りの種類に応じた演出内容で前記第1遊技演出における前記特定遊技演出を実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】大当りの種類を示す説明図。
【図3】(a)は、16回開放8R大当り遊技における大入賞口の開放態様、及び大当り遊技中の遊技演出の実行態様を示す説明図、(b)は、24回開放8R大当り遊技における大入賞口の開放態様、及び大当り遊技中の遊技演出の実行態様を示す説明図。
【図4】(a)は、継続失敗演出の実行態様を示す説明図、(b)は、継続成功演出の実行態様を示す説明図、(c)は、桜吹雪演出の実行態様を示す説明図、(d)は、第1キャラクタ演出の実行態様を示す説明図、(e)は、第2キャラクタ演出の実行態様を示す説明図、(f)及び(g)は、特殊演出の実行態様を示す説明図。
【図5】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図6】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
【図7】先読みコマンドを示す説明図。
【図8】(a)は、第1演出振分用テーブルを示す説明図、(b)は、第2演出振分用テーブルを示す説明図。
【図9】(a)は、第3演出振分用テーブルを示す説明図、(b)は、第4演出振分用テーブルを示す説明図。
【図10】(a)〜(c)は、大当り遊技中における遊技演出の実行態様を示すタイミングチャート。
【図11】特別演出振分用テーブルを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図11にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される遊技演出として各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
【0015】
また、演出表示装置11の右下方には、7セグメント型LEDからなる特別図柄表示装置(以下「特図表示装置」と示す)12が配設されている。特図表示装置12では、特別図柄(以下「特図」と示す)を変動させて表示する特別図柄変動ゲーム(以下「特図変動ゲーム」と示す)が行われる。特図は、当りか否かの内部抽選(後述する大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態では、特図表示装置12が表示手段となる。
【0016】
そして、演出表示装置11には、特図表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図表示装置12に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。特図表示装置12にはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
【0017】
演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される(例えば[222]や[777]など)。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数列の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0018】
演出表示装置11の下方には、複数個(本実施形態では4個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置(以下「特図保留表示装置」と示す)13が配設されている。特図保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特図変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行が保留されている(保留中の)特図変動ゲームの実行回数となる。
【0019】
演出表示装置11の左下方には、7セグメント型LEDからなる普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普通図柄変動ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では「7」)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では「−(バー)」)が確定停止表示(導出)される。
【0020】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口17aを有する上始動入賞口17が配設されている。本実施形態の上始動入賞口17は、遊技球が常時入球可能とされている。また、上始動入賞口17の下方には、遊技球の入球口18aを有する下始動入賞口18が配設されている。下始動入賞口18は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根19を備えている。下始動入賞口18は、開閉羽根19の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根19の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。
【0021】
そして、上始動入賞口17の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図5に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口18の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図5に示す)が配設されている。各始動入賞口17,18は、入球した遊技球を各始動口スイッチSW1,SW2で入球検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態では、上始動入賞口17、及び下始動入賞口18が始動口となる。
【0022】
また、下始動入賞口18の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉20を備えた大入賞口(特別電動役物)21が配設されている。大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口21は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口21は、当り遊技としての大当り遊技中に大入賞口扉20の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。大当り遊技の詳細については後述する。
【0023】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)22が配設されている。ゲート22の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図5に示す)が配設されている。ゲート22は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0024】
また、演出表示装置11の右下方には、所定のキャラクタ(本実施形態では桜)を模した演出用可動体として桜型可動体KAが配設されている。桜型可動体KAは、図示しないアクチュエータ(モータなど)に接続されており、そのアクチュエータの動作に伴って矢印Y1に示す方向へ回転することにより可動体演出(以下「桜回転演出」と示す)を実行可能に構成されている。
【0025】
また、演出表示装置11の上方には、所定のキャラクタ(本実施形態では「星」)を模した演出用可動体として星型可動体KBが配設されている。星型可動体KBは、図示しないアクチュエータ(モータなど)に接続されており、そのアクチュエータの動作に伴って矢印Y2に示す方向へ移動させる可動体演出(以下「星落下演出」と示す)を実行可能に構成されている。また、本実施形態の星型可動体KBは、アクチュエータの動作に伴って矢印Y3に示すように、左右に振動するように動作させる可動体演出(以下「星振動演出」と示す)を実行可能に構成されている。以下の説明では、可動体演出のうち特に桜回転演出と、星落下演出をまとめて特別演出と示す場合がある。
【0026】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、遊技者が操作可能な演出用ボタンBTが装備されている(図5に示す)。演出用ボタンBTは、遊技球を貯留するための球皿部材の上面や前面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。本実施形態の演出用ボタンBTは、図示しない発光体(LEDなど)を透光部材で覆った構成とされており、その発光体を発光させることにより、演出用ボタンBTの操作が有効化された特定期間としての操作有効期間中であることを報知できる。なお、本実施形態において演出用ボタンBTの操作有効期間は、演出用ボタンBTの操作(押下)が有効なものとして取り扱われる期間である。本実施形態では、演出用ボタンBTが演出用操作手段となるとともに、操作有効期間中であることを報知する報知手段となる。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に変動時間短縮(以下「変短」と示す)状態を付与可能に構成されている。変短状態では、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート22の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が通常状態(低確率、例えば251分の13)から高確率(例えば251分の250)に向上(変動)される。また、変短状態において下始動入賞口18の開閉羽根19は、普図当り抽選で当選した際に、変短状態が付与されていない非変短状態とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態において、開閉羽根19は、普図当り抽選で当選した場合(普通図柄変動ゲームで普図の当り図柄が導出された場合)、予め定めた第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根19は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1開放時間より長い第2開放時間(例えば1.58秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根19が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口18への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。なお、変短状態は、開閉羽根19の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態であり、さらに下始動入賞口18への入球が容易な入球容易状態でもある。
【0029】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に用意された大当り遊技について図2にしたがって説明する。
大当り遊技は、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口21が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(規定回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口21の開閉が所定回数行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口21は、予め定めたラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。このラウンド終了条件は、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する第1条件、又はラウンド規定時間(ラウンド遊技時間)が経過する第2条件が成立することとされている。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定回数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0030】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す4種類の大当りの中から1つの大当り(大当りの種類)が決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与される。この4種類の大当りのうち、何れの大当りが付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に、特図表示装置12に確定停止表示させる特図として内部的に決定される大当り図柄の種類に応じて決定される。したがって、本実施形態では、特図の大当り図柄が当りの種類(大当りの種類)となる。本実施形態では、特図表示装置12に表示される全100種類の特図の大当り図柄のうち、30種類が特図ZAに分類され、20種類が特図ZBに分類され、20種類が特図ZCに分類され、30種類が特図ZDに分類されている。なお、以下の説明では、ラウンドを「R」と省略して示す場合がある。
【0031】
特図ZA、又は特図ZDが決定された場合に付与される16R大当り遊技は、ラウンド遊技の規定回数を16回に、1回のラウンド遊技の入球上限個数が9個に設定されている。また、16R大当り遊技は、オープニング時間(以下「OP時間」と示す)として10秒が、エンディング時間(以下「ED時間」と示す)として15秒が設定されているとともに、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数が1回に設定されている。また、16R大当り遊技は、ラウンド間インターバルIbの時間として1秒が設定されている。16R大当り遊技は、1〜16回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が設定されている。
【0032】
特図ZAに基づく16R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態及び変短状態が付与される。その一方で、特図ZDに基づく16R大当り遊技の終了後には、確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)とともに、予め定めた回数(本実施形態では100回)の特図変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数の特図変動ゲームが終了する前に大当りが生起される迄の間の変短状態が付与される。以下の説明では、特図ZAに対応する大当りを「16R確変大当りA」と示し、特図ZDに対応する大当りを「16R非確変大当りD」と示す。
【0033】
特図ZBが決定された場合に付与される16回開放8R大当り遊技は、ラウンド遊技の規定回数を8回に、1回のラウンド遊技の入球上限個数が9個に設定されている。また、16回開放8R大当り遊技は、OP時間として10秒が、ED時間として15秒が設定されている。図3(a)に示すように、16回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数が2回に設定されているとともに、大入賞口21が開放してから閉鎖する迄の1回の開放時間が何れも2.2秒に設定されている。また、16回開放8R大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口21が2回開放する場合、1回目の開放が終了すると予め定めたラウンド内インターバルIaの経過後に2回目の開放が開始される。本実施形態では、ラウンド内インターバルIaとして1秒が設定されている。
【0034】
また、16回開放8R大当り遊技では、1〜8回目の各ラウンド遊技が終了すると、予め定めたラウンド間インターバルIbの経過後に次回のラウンド遊技(又はエンディング演出)が開始される。本実施形態において、16回開放8R大当り遊技では、1〜3,5〜7回目のラウンド遊技の終了後におけるラウンド間インターバルIbとして1秒が設定されているとともに、4回目、及び8回目のラウンド遊技の終了後におけるラウンド間インターバルIbとして9秒が設定されている。すなわち、本実施形態の特別インターバルIsは、16回開放8R大当り遊技において、大入賞口21の8回目の開放後、及び16回目の開放後に設定される。以下の説明では、この9秒に設定されたラウンド間インターバルIbを特に特別インターバルIsと示す。
【0035】
このため、16回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技において、ラウンド終了条件のうち前記第1条件が大入賞口21の1回目の開放中に成立しないことを条件に、大入賞口21が最大で16回にわたって開放される。また、16回開放8R大当り遊技では、大入賞口21の2回分の開放時間と1回分のラウンド内インターバルIaを加算した時間5.4秒がラウンド規定時間となる。特図ZBに基づく16回開放8R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態及び変短状態が付与される。以下の説明では、特図ZBに対応する大当りを「16回開放8R確変大当りB」と示す。
【0036】
図2に示すように、特図ZCが決定された場合に付与される24回開放8R大当り遊技は、ラウンド遊技の規定回数を8回に、1回のラウンド遊技の入球上限個数が9個に設定されている。また、24回開放8R大当り遊技は、OP時間として10秒が、ED時間として15秒が設定されている。図3(b)に示すように、24回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数が3回に設定されているとともに、大入賞口21が開放してから閉鎖する迄の1回の開放時間が何れも2.2秒に設定されている。また、24回開放8R大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口21が3回開放する場合、1回目の開放が終了すると予め定めたラウンド内インターバルIaの経過後に2回目の開放が開始されるとともに、2回目の開放が終了すると予め定めたラウンド内インターバルIaの経過後に3回目の開放が開始される。
【0037】
本実施形態では、1,2,4,5,7,8回目のラウンド遊技における1回目、及び2回目のラウンド内インターバルIaとして1秒が設定されている。また、本実施形態では、3回目のラウンド遊技における1回目のラウンド内インターバルIa、及び6回目のラウンド遊技における2回目のラウンド内インターバルIaとして1秒が設定されている。また、本実施形態では、3回目のラウンド遊技における2回目のラウンド内インターバルIa、及び6回目のラウンド遊技における1回目のラウンド内インターバルIaとして、9秒が設定されている。すなわち、本実施形態の特別インターバルIsは、24回開放8R大当り遊技において、大入賞口21の8回目の開放後、及び16回目の開放後に設定される。したがって、本実施形態の各8R大当り遊技では、何れも大入賞口21の8回目、及び16回目の開放後に特別インターバルIsが設定される。以下の説明では、この9秒に設定されたラウンド内インターバルIaを特に特別インターバルIsと示す。
【0038】
また、24回開放8R大当り遊技では、1〜8回目の各ラウンド遊技が終了すると、予め定めたラウンド間インターバルIbの経過後に次回のラウンド遊技(又はエンディング演出)が開始される。本実施形態において、24回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技の終了後におけるラウンド間インターバルIbとして1秒が設定されている。
【0039】
このため、24回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技において、ラウンド終了条件のうち前記第1条件が1,2回目の大入賞口21の開放中に成立しないことを条件に、大入賞口21が最大で24回にわたって開放される。なお、24回開放8R大当り遊技では、大入賞口21の3回分の開放時間と2回分のラウンド内インターバルIaを加算した時間がラウンド規定時間となる。具体的に説明すると、24回開放8R大当り遊技において、1,2,4,5,7,8回目の各ラウンド遊技におけるラウンド規定時間は、8.6秒となるとともに、3,6回目の各ラウンド遊技におけるラウンド規定時間は、16.6秒となる。特図ZCに基づく24回開放8R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態及び変短状態が付与される。以下の説明では、特図ZCに対応する大当りを「24回開放8R確変大当りC」と示す。
【0040】
以上のように、16回開放8R大当り遊技及び24回開放8R大当り遊技では、大入賞口21の1回目の開放が開始されてから16回目の開放が終了し、さらに2回目の特別インターバルIsが経過する迄の間、大入賞口21の開放態様が同一となる。したがって、本実施形態では、大当り遊技の開始から2回目の特別インターバルIsが経過する迄の間、大入賞口21の開放態様から16回開放8R大当り遊技及び24回開放8R大当り遊技の何れの大当り遊技が付与されているのかを認識し難い。
【0041】
このように、本実施形態では、特図ZA〜ZCに分類される特図が大当り遊技の終了後に確変状態が付与される特定図柄となる一方で、特図ZDに分類される特図が大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)非特定図柄となる。また、本実施形態では、1回の大当り遊技を通して獲得し得る賞球の多寡という観点から、大当りB<大当りC<大当りA,Bの順に有利な大当りとなる。一方、大当り遊技終了後に変短状態が付与されるか否かという観点からは、大当りD<大当りA〜Cの順に有利な大当りとなる。また、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かという観点からは、大当りD<大当りA〜Cの順に有利な大当りとなる。このように、本実施形態では、大当り遊技、変短状態、及び確変状態が遊技者に付与される特典として把握できる。
【0042】
また、図3(a),(b)に示すように、本実施形態の各8R大当り遊技では、各特別インターバルIsにおいて、継続して大入賞口21の開放が行われるか否かを報知する継続演出を実行可能に構成されている。本実施形態の継続演出には、図4(a)に示すように、大入賞口21の開放が継続されないことを報知する文字列(本実施形態では「残念」)を演出表示装置11に表示する態様で実行される継続失敗演出がある。また、本実施形態の継続演出には、図4(b)に示すように、大入賞口21の開放が継続されることを報知する文字列(本実施形態では「継続!」)を演出表示装置11に表示する態様で実行される継続成功演出がある。
【0043】
また、本実施形態では、大当り遊技中において、実行が保留されている特図変動ゲームの中に大当りとなる特図変動ゲームが含まれている可能性を示唆する示唆演出を実行可能に構成されている。図4(c)に示すように、本実施形態の示唆演出は、桜の花びらが落下する様子を模した画像を演出表示装置11に表示する態様で実行される。以下の説明では、示唆演出を「桜吹雪演出」と示す。本実施形態では、この桜吹雪演出が非特定遊技演出となり、桜吹雪演出により第2遊技演出が構成される。
【0044】
本実施形態では、大当り遊技中において、実行が保留されている特図変動ゲームの中に大当りとなる特図変動ゲームが含まれていること(所謂、保留内大当り)を報知する報知演出を実行可能に構成されている。図4(d)に示すように、本実施形態の報知演出は、所定のキャラクタ(本実施形態では侍)Caがバチを構えて太鼓を叩く様子を模した動画(画像)を演出表示装置11に表示する態様で実行される第1報知演出と、保留内大当りであることを報知する文字列(本実施形態では「連続大当り!」)を模した画像を演出表示装置11に表示する態様で実行される第2報知演出とから構成される。以下の説明では、報知演出を「キャラクタ演出」と示し、第1,第2報知演出をそれぞれ第1,第2キャラクタ演出と示す。
【0045】
また、図4(f)に示すように、本実施形態では、実行が保留されている大当りの特図変動ゲームの中に大当りAとなる特図変動ゲームが含まれていることを報知するための特殊演出を実行可能に構成されている。図4(f),(g)に示すように、本実施形態の特殊演出は、可動体演出(桜回転演出、又は星落下演出)の実行時に、各可動体演出を実行する可動体KA,KBが恰も虹色に発光する様子を模したエフェクト画像Geを演出表示装置11に表示する態様で実行される。以下の説明では、特殊演出を伴う可動体演出を、それぞれ「エフェクトありの桜回転演出」、及び「エフェクトありの星落下演出」と示す場合がある。本実施形態では、キャラクタ演出、及び特別演出(桜回転演出、及び星落下演出)が特定遊技演出となり、桜吹雪演出、キャラクタ演出、及び特別演出から第1遊技演出が構成される。また、本実施形態では、演出表示装置11、及び各可動体KA,KBが遊技演出実行手段として機能する。
【0046】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図5にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0047】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示装置12、特図保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0048】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数(以下「特図振分用乱数」と示す)などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特図の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数であり、0〜99の全100通りの整数値に定められている。本実施形態のパチンコ遊技機では、前述した全100種類の特図の大当り図柄に対して100通りの特図振分用乱数の値が1個ずつ各別に対応付けられている。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0049】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、及び各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態において大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態において大当り抽選に当選する確率は600分の20となる。
【0050】
本実施形態の非確変用判定値は、「17、125」の2個に設定されている。一方、本実施形態の確変用判定値は、上記「17、125」の2個の値に、「37、83、185…(以下省略)」などの18個の値を加えた合計20個に設定されている。そして、非確変用判定値と確変用判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、125」)が共通値とされている。この共通値(「17、125」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変用判定値において、前記共通値(「17、125」)を除く、他の値(18個)は、非確変用判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数の値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
【0051】
また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定値として2個の値が設定されており、このような設定によればリーチ判定で肯定判定される確率は241分の2となる。
【0052】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特図変動ゲームが開始してから特図変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、特図変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、はずれ変動用の変動パターンに分類できる。
【0053】
大当り変動は、リーチ演出を経て、特図変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動は、リーチ演出を経て、特図変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、リーチ演出を経ないで、特図変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、例えば所定のキャラクタを登場させるなどして行われる演出である。なお、特図表示装置12では、特図変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
【0054】
次に、演出制御基板31について説明する。
図5に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。
【0055】
演出制御用CPU31aは、演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、演出振分用乱数は、大当り遊技中に実行させる遊技演出の実行可否などを決定する際に用いられる乱数である。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)や、各可動体KA,KBの動作パターンを定めた可動体演出用データが記憶されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の判定値が記憶されている。
【0056】
演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが接続されており、演出用ボタンBTが操作(押下)される毎に出力する操作信号を入力する。また、演出制御用CPU31aには、桜型可動体KA、及び星型可動体KBが接続されている。
【0057】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理(以下「特図入力処理」と示す)や特別図柄開始処理(以下「特図開始処理」と示す)などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特図入力処理や特図開始処理などの各種処理を実行する。なお、特図開始処理は、特図入力処理の終了後に実行される。
【0058】
最初に、特図入力処理について図6にしたがって説明する。
まず、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1、又は第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づき、上始動入賞口17、又は下始動入賞口18に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。一方、ステップSA1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。
【0059】
一方、ステップSA2の判定結果が肯定(保留記憶数が4未満)である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する(ステップSA3)。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口17,18で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。したがって、本実施形態では、主制御用RAM30cを保留記憶手段として把握できる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特図振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSA4)。
【0060】
続けて、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値と、前述した大当り判定値のうち共通値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する(ステップSA5)。すなわち、ステップSA5において、主制御用CPU30aは、今回の制御周期における特図入力処理で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく特図変動ゲームが、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであっても大当りとなるか否か(大当りの始動保留球であるか否か)を判定している。
【0061】
ステップSA5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数、及びステップSA4で大当り判定用乱数の値と共に取得した特図振分用乱数の値から特定される大当り図柄(特図)を確認し、先読みコマンドを生成するとともに、出力バッファに設定する(ステップSA6)。
【0062】
具体的に説明すると、図7に示すように、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数の値から特定される大当り図柄(特図)が、特図ZA(大当りA)である場合には上位コマンドとして[E1H]を設定するとともに、特図ZB(大当りB)である場合には上位コマンドとして[E2H]を設定する。同様に、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数の値から特定される大当り図柄(特図)が、特図ZC(大当りC)である場合には上位コマンドとして[E3H]を設定するとともに、特図ZD(大当りD)である場合には上位コマンドとして[E4H]を設定する。
【0063】
また、主制御用CPU30aは、確認した保留記憶数を示す値を先読みコマンドの下位バイトに設定する。具体的に言えば、保留記憶数=1の場合には[01H]を、保留記憶数=2の場合には[02H]を、保留記憶数=3の場合には[03H]を、保留記憶数=4の場合には[04H]を下位バイトとして設定する。したがって、先読みコマンド[E1xxH]〜[E4xxH]は、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態か否かを問わずに大当り変動となること、大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数、及び付与される大当りの種類(特図の種類)を特定可能な制御コマンドとなる。なお、ステップSA6の処理で主制御用CPU30aが確認する保留記憶数は、今回の制御周期における特図入力処理のステップSA3で1加算された更新後の保留記憶数である。図6に示すように、その後、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。
【0064】
また、ステップSA5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド[E6xxH]を出力バッファに設定する(ステップSA7)。したがって、図7に示すように、先読みコマンド[E6xxH]は、原則としてはずれとなる(大当りとならない)こと、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。なお、先読みコマンド[E6xxH]は、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態である場合に大当りとなる可能性もあることを示す制御コマンドとなる。図6に示すように、その後、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。なお、出力バッファに設定された先読みコマンドは、次回以降の制御周期で実行されるコマンド出力処理において、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に順次、出力される。
【0065】
次に、特図開始処理について説明する。
特図開始処理において、主制御用CPU30aは、最初に特図変動ゲームの実行条件が成立しているか否かの実行条件判定を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中の場合、実行条件判定で否定判定する。実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0066】
一方、実行条件判定の判定結果が肯定(特図変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かの記憶数判定を実行する。この記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数が0)、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。一方、記憶数判定の判定結果が肯定(保留記憶数が1以上)の場合、主制御用CPU30aは、保留中の特図変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置13の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数)の値を読み出す。
【0067】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)を実行する。本実施形態では、この大当り判定が当り判定となり、大当り判定を実行する主制御用CPU30aが当り判定手段として機能する。このとき、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態の場合、非確変用判定値を用いて大当り判定を行う一方で、現在の遊技状態が確変状態の場合、確変用判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握する。
【0068】
上記大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる特図変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図表示装置12に確定停止表示させる特図(大当り図柄)を決定する。また、主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態では、大当り判定で肯定判定した場合に大当り図柄(特図)を決定する主制御用CPU30aが、当り種決定手段として機能する。その後、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0069】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0070】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0071】
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、特図開始処理とは別の処理において、特図開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに演出表示装置11の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを特図変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、変動パターン指定コマンドの出力とともに、特図表示装置12で特図の変動を開始させるとともに、全図柄停止コマンドの出力とともに特図を確定停止表示させる。
【0072】
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU30aが実行する処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当り変動の特図変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技を終了させる毎にラウンド終了コマンドを出力する。なお、ラウンド開始コマンド、及びラウンド終了コマンドでは、対応するラウンド遊技の回数が特定される。
【0073】
また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉20を開動作させて大入賞口21を開放させるとともに、ラウンド終了条件の成立を契機に大入賞口扉20を閉動作させて大入賞口21を閉鎖させる。このとき、主制御用CPU30aは、大当り遊技の種類毎に設定されたラウンド遊技中の大入賞口21の開放態様に応じて、大入賞口21を開放及び閉鎖させる。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって当り遊技を終了させる。したがって、本実施形態では、主制御用CPU30aが当り遊技付与手段として機能する。
【0074】
次に、主制御用CPU30aが実行する遊技状態処理を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。なお、確変フラグは、主制御用RAM30cに記憶される。
【0075】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。なお、作動フラグは、主制御用RAM30cに記憶される。また、主制御用CPU30aは、特図ZD(大当りD)に基づく大当り遊技終了後、変短状態が付与される残りの特図変動ゲームの回数を示す作動回数として「100回」を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、各大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、非確変状態で、かつ非変短状態となる。したがって、本実施形態では、主制御用CPU30aが遊技演出制御手段として機能する。
【0076】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
最初に、演出制御用CPU31aが主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを入力したことを契機に実行する先読みコマンド記憶処理について説明する。
【0077】
演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンド(制御コマンドの値)を、該コマンドで指定された保留記憶数に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶(設定)させる。以下、具体的に説明する。本実施形態の演出制御用RAM31cには、保留記憶数「1」〜「4」にそれぞれ対応付けた4つの記憶領域が設定されている。また、演出制御用RAM31cには、実行中の特図変動ゲームに対応付けられた記憶領域が設定されている。以下の説明では、実行中の特図変動ゲームに対応付けた記憶領域を保留記憶数「0」に対応する記憶領域と示す場合がある。例えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド[E303H]を入力すると、その先読みコマンド[E303H]を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「3」に対応付けた記憶領域に記憶させる。同様に、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド[E601H]を入力すると、その先読みコマンド[E601H]を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」に対応付けた記憶領域に記憶させる。
【0078】
次に、図柄変動ゲームの開始を指示される(変動パターン指定コマンドを入力する)毎に演出制御用CPU31aが実行する更新記憶処理(シフト処理)について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力する毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて先読みコマンドを演出制御用RAM31cに記憶する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力すると、保留記憶数「n(n=1〜4)」に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドを、保留記憶数「n−1(0〜3)」に対応付けた記憶領域に記憶させる。この際、保留記憶数「0」に対応付けた記憶領域に記憶されている先読みコマンドは、更新記憶処理の実行に伴って保留記憶数「1」に記憶されていた先読みコマンドに上書きされる(すなわち消去される)。また同時に、保留記憶数「4」に対応付けた記憶領域に記憶されている先読みコマンドは、更新記憶処理の実行に伴って始動保留球が存在しないことを示す制御情報に上書きされる(すなわち消去される)。このような構成によれば、始動入賞口17,18で入球検知されたことを契機として主制御用RAM30cに記憶された始動保留球に対応する先読みコマンドは、該対応する始動保留球に基づく特図変動ゲームが終了する迄の間、演出制御用RAM31cに記憶保持されることになる。
【0079】
次に、変動パターン指定コマンドを入力した際に、演出制御用CPU31aが図柄変動ゲームを実行させるために行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する変動内容(演出内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、特図として特図ZA〜ZCが指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りを認識できる大当り図柄(例えば「777」など)を生成する。演出制御用CPU31aは、特図として特図ZDが指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として非確変大当りを認識できる大当り図柄(例えば「222」など)を生成する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄(例えば「625」など)を生成する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定されている場合、図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を生成する。
【0080】
そして、演出制御用CPU31aは、飾り図柄の変動表示を開始させて図柄変動ゲームを開始させるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、入力した変動パターンに示される変動時間の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄を一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機として確定停止表示させる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機では、特図変動ゲームの変動内容、及び確定停止表示される飾り図柄から、大当りA〜Cの何れに当選しているのかを認識し難い。
【0081】
次に、演出制御用CPU31aが大当り遊技中に行う各種の制御内容について説明する。
最初に、演出制御用CPU31aが各8R大当り遊技において、大入賞口21の開放回数、及び大入賞口21の閉鎖回数を計数する処理について説明する。
【0082】
演出制御用CPU31aは、ラウンド開始コマンドを入力する毎に、そのラウンド指定コマンドで指定されたラウンド遊技の回数から−1(1減算)した値に、今回の8R大当り遊技における規定開放回数を乗じた値を大入賞口21の開放回数として演出制御用RAM31cに記憶させる。前述のように、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数は、16回開放8R大当り遊技では2回であり、24回開放8R大当り遊技では、3回である。例えば、演出制御用CPU31aは、24回開放8R大当り遊技において、4回目のラウンド遊技を指定するラウンド指定コマンドを入力した場合、前記開放回数として9回を設定する。なお、演出制御用CPU31aは、ラウンド開始コマンドを入力すると、その時点において開放回数に設定されている回数にかかわらず、ラウンド開始コマンドから算出した開放回数に書き換える(リセットする)。したがって、本実施形態では、例えば、直前のラウンド遊技において、大入賞口21の1回目の開放中に第1条件(ラウンド終了条件)が成立したことに伴って、規定開放回数だけ大入賞口21が開放されなかった場合であっても、各回数のラウンド遊技に対応する大入賞口21の開放回数に補正される。
【0083】
続けて、演出制御用CPU31aは、前記開放回数に+1(1加算)して更新するとともに、大入賞口21の開放タイマに2.2秒を設定する。演出制御用CPU31aは、所定の制御周期毎に開放タイマの値を減算するとともに、減算の結果、この開放タイマの値が0(零)になると、大入賞口21の閉鎖回数に+1(1加算)して更新する。この閉鎖回数は、演出制御用RAM31cに記憶(設定)される。閉鎖回数を更新すると、演出制御用CPU31aは、ラウンド開始コマンドで指定されたラウンド遊技に定められたラウンド内インターバルIaの時間(1秒)又は特別インターバルIsの時間(9秒)を閉鎖タイマに設定する。演出制御用CPU31aは、所定の制御周期毎に閉鎖タイマの値を減算するとともに、減算の結果、この閉鎖タイマの値が0(零)になると、大入賞口21の開放回数に+1(1加算)して更新する。以降、演出制御用CPU31aは、各8R大当り遊技の各ラウンド遊技に定められた大入賞口21の開放回数分だけ開放タイマを設定するとともに、各インターバルIa,Ib,Is分だけインターバル時間を閉鎖タイマに設定し、大入賞口21の開放回数、及び閉鎖回数を計数する。
【0084】
そして、演出制御用CPU31aは、ラウンド終了コマンドを入力する毎に、そのラウンド終了コマンドで特定されるラウンド遊技の回数に、今回の8R大当り遊技における規定開放回数を乗じた値を大入賞口21の閉鎖回数として演出制御用RAM31cに記憶させる。なお、演出制御用CPU31aは、ラウンド終了コマンドを入力すると、その時点において閉鎖回数に設定されている回数にかかわらず、ラウンド終了コマンドから算出した閉鎖回数に書き換える(リセットする)。したがって、本実施形態では、例えば、今回のラウンド遊技において、大入賞口21の開放中に第1条件(ラウンド終了条件)が成立したことに伴って、規定開放回数だけ大入賞口21が開放されない場合であっても、ラウンド遊技に対応する大入賞口21の閉鎖回数に補正される。
【0085】
次に、大当り遊技中の遊技演出を実行させるために演出制御用CPU31aが行う制御内容について説明する。
最初に、16R大当り遊技について説明する。
【0086】
演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、16R大当り遊技におけるオープニング演出の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技用の各ラウンド開始コマンドを入力すると、それぞれ対応するラウンド演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大当り遊技中にオープニング演出、及びラウンド演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、16R大当り遊技におけるエンディング演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大当り遊技中にエンディング演出を実行させる。
【0087】
次に、16回開放8R大当り遊技について説明する。
演出制御用CPU31aは、16回開放8R大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、16回開放8R大当り遊技におけるオープニング演出の画像表示用データを選択し、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御して大当り遊技中にオープニング演出を実行させる。
【0088】
また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の開放回数が1回に達すると(1回目のラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを入力すると)、特殊ラウンド演出の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、大入賞口21の開放回数が9回に達すると(5回目のラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを入力すると)、特殊ラウンド演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の1回目の開放が開始されてから8回目の開放が終了される迄の間、及び大入賞口21の9回目の開放が開始されてから16回目の開放が終了される迄の間、特殊ラウンド演出を実行させる。
【0089】
また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の閉鎖回数が8回に達すると(4回目のラウンド遊技の終了を示すラウンド終了コマンドを入力すると)、継続成功演出の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、大入賞口21の閉鎖回数が16回に達すると(8回目のラウンド遊技の終了を示すラウンド終了コマンドを入力すると)、継続失敗演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、各特別インターバルIsにおいて継続演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、16回開放8R大当り遊技におけるエンディング演出の画像表示用データを選択するとともに、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御して大当り遊技中にエンディング演出を実行させる。
【0090】
次に、24回開放8R大当り遊技について説明する。
演出制御用CPU31aは、24回開放8R大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、24回開放8R大当り遊技におけるオープニング演出の画像表示用データを選択する。なお、24回開放8R大当り遊技で選択されるオープニング演出の画像表示用データは、16回開放8R大当り遊技で選択されるオープニング演出の画像表示用データと同一の演出内容を特定するデータとされている。演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大当り遊技中にオープニング演出を実行させる。
【0091】
演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の開放回数が1回に達すると(1回目のラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを入力すると)、特殊ラウンド演出用の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の開放回数が9,17回の何れかに達すると、特殊ラウンド演出用の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の1回目の開放が開始されてから8回目の開放が終了される迄の間、及び9回目の開放が開始されてから16回目の開放が終了される迄の間、特殊ラウンド演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の17回目の開放が開始されてから、24回目の開放後のラウンド間インターバルIbが終了する迄の間、特殊ラウンド演出を実行させる。
【0092】
また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の閉鎖回数が8,16回の何れかに達すると、継続成功演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、各特別インターバルIsにおいて継続成功演出を実行させる。
【0093】
また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、24回開放8R大当り遊技におけるエンディング演出の画像表示用データを選択するとともに、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御して大当り遊技中にエンディング演出を実行させる。なお、24回開放8R大当り遊技で選択されるエンディング演出の画像表示用データは、16回開放8R大当り遊技で選択されるエンディング演出の画像表示用データと同一の演出内容を特定するデータとされている。
【0094】
したがって、本実施形態では、大当りB,Cに当選した場合、特図変動ゲームの開始から大当り遊技において、原則として16回の大入賞口21の開放が終了する迄の間、演出表示装置11における表示演出、及び大入賞口21の開放態様が同一となる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、特図変動ゲームの開始から大当り遊技において、原則として16回の大入賞口21の開放が終了する迄の間、大当りB,Cの何れに当選したのかを判別し難い。
【0095】
そして、本実施形態の各8R大当り遊技では、2回目の特別インターバルIsにおいて実行される継続演出の種類によって、大当り遊技が継続するか否か(大入賞口21の開放が行われるか否か)を遊技者が認識できる。すなわち、特別インターバルIsにおいて継続成功演出が実行された場合には、大当り遊技が継続することを認識できる一方で、特別インターバルIsにおいて継続失敗演出が実行された場合には、大当り遊技が継続しないことを認識できる。
【0096】
次に、演出制御用CPU31aが前述の桜吹雪演出、及びキャラクタ演出(第1,第2キャラクタ演出)を実行させるために実行する制御について説明する。
最初に、大当りA,Dの何れかに基づく16R大当り遊技の場合について説明する。
【0097】
演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)からラウンド開始コマンド、又はエンディングコマンドを入力する毎に第1大当り演出処理を実行する。
第1大当り演出処理において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に、確変大当りとなることを示す先読みコマンド[E1xxH]〜[E3xxH]の何れかが記憶されているか否かを判定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、今回のラウンド遊技又はエンディング演出の開始時点において、保留中の特図変動ゲームに確変大当りとなる特図変動ゲームが含まれているか否かの当り事前判定を実行する。以下の説明では、保留中の特図変動ゲームに大当りの特図変動ゲームが含まれることを単に「保留内大当り」と示す場合がある。演出制御用CPU31aは、前記当り事前判定の結果が肯定の場合、図8(a)に示す第1演出振分用テーブルTAを選択する一方で、前記当り事前判定の結果が否定である場合、図8(b)に示す第2演出振分用テーブルTBを選択する。
【0098】
そして、演出制御用CPU31aは、選択した演出振分用テーブルを参照し、演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値と、ラウンド開始コマンドで指定されたラウンド遊技の回数又はエンディングコマンドと、をもとに桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の実行可否を決定する。なお、第1演出振分用テーブルTA、及び第2演出振分用テーブルTBは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0099】
図8(a),(b)に示すように、各演出振分用テーブルTA,TBには、各ラウンド遊技又はエンディング演出に区分して、演出パターンEP1〜EP3が対応付けられている。演出パターンEP1では、桜吹雪演出及びキャラクタ演出の非実行が特定されている。演出パターンEP2では、桜吹雪演出の実行、及びキャラクタ演出の非実行が特定されている。また、演出パターンEP3では、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の実行が特定されている。そして、各演出振分用テーブルTA,TBでは、ラウンド遊技又はエンディング演出毎に区分して、各演出パターンEP1〜EP3に対し、演出振分用乱数の値がこの演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜250の全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。このような各演出振分用テーブルTA,TBによれば、ラウンド開始コマンドで指定されたラウンド遊技、又はエンディングコマンドに応じて、演出パターンEP1〜EP3の何れかが決定される。例えば、第1演出振分用テーブルTAが選択された場合であって、ラウンド開始コマンドで2回目のラウンド遊技(2R)が指定された場合、251分の222の確率で演出パターンEP1が決定され、251分の20の確率で演出パターンEP2が決定され、251分の9の確率で演出パターンEP3が決定され得る。
【0100】
各演出振分用テーブルTA,TBにおける演出振分用乱数の値の振分態様によれば、1,12〜14回目のラウンド遊技において演出パターンEP2,EP3が決定され得ない。したがって、本実施形態の桜吹雪演出、及びキャラクタ演出は、1,12〜14回目のラウンド遊技において出現し得ない。
【0101】
また、演出パターンEP3(桜吹雪演出+キャラクタ演出)は、第1演出振分用テーブルTAが選択された場合に決定され得る一方で、第2演出振分用テーブルTBが選択された場合に決定され得ない。したがって、本実施形態においてキャラクタ演出は、保留内大当りとなることを確定的に認識可能な保留内大当り確定の遊技演出として位置付けられる。さらに、本実施形態では、大当りA,Dの何れかに基づく16R大当り遊技中であって、保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cとなる特図変動ゲームが含まれることを条件に、演出パターンEP3が選択され得る。すなわち、本実施形態では、保留中の特図変動ゲームに含まれる大当りの種類を事前に判定し、大当りA〜Cが含まれる場合にキャラクタ演出を実行可能とする一方で、含まれない場合にキャラクタ演出を実行しない。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、保留内に確変大当りが存在することを確定的に認識可能な遊技演出としても位置付けられる。また、演出パターンEP3が決定される確率は、エンディング演出に近いラウンド遊技になるほど高く、エンディングコマンドの入力時に最も高くなる。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、エンディング演出に近くなるほど出現し易い遊技演出となる。
【0102】
また、演出パターンEP2(単体の桜吹雪演出)は、各演出振分用テーブルTA,TBの何れが選択された場合にも決定可能であり、且つ第2演出振分用テーブルTBが選択された場合よりも、第1演出振分用テーブルTAが選択された場合のほうが決定され易い。したがって、本実施形態において、単体の桜吹雪演出は、保留内大当りが存在する場合、及び保留内大当りが存在しない場合の何れでも出現し得る遊技演出となる。さらに、本実施形態において単体の桜吹雪演出は、保留内大当りが存在する場合、保留内大当りが存在しない場合と比較して出現し易い遊技演出となる。すなわち、本実施形態において、保留内大当りが存在する場合には、保留内大当りが存在しない場合と比較して、単体の桜吹雪演出が実行されるラウンド遊技が多くなり易いことに伴って、桜吹雪演出が実行される演出時間が長くなり易くなる。このように、演出制御用CPU31aは、保留内大当りが存在するか否かに応じた回数分のラウンド遊技毎に桜吹雪演出を実行させるといえる。本実施形態では、1回の桜吹雪演出の実行に要する演出時間が第1演出時間となり、2回以上の桜吹雪演出の時間に要する演出時間が第2演出時間として把握できる。また、本実施形態では、1回が第1回数となり、2回以上が第2回数となる。
【0103】
演出パターンEP1を決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行を決定する。また、第1演出振分用テーブルTAを参照して演出パターンEP2(単体の桜吹雪演出)を決定した場合、演出制御用CPU31aは、今回の大当り遊技における桜吹雪演出の実行を決定する。一方、第2演出振分用テーブルTBを参照して演出パターンEP2を決定した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている桜吹雪演出の実行回数が4回に達しているか否かを判定する。桜吹雪演出の実行回数が4回に達している場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出の非実行を決定(実行をキャンセル)して演出パターンEP1に書き換える一方で、4回に達していない場合(4回未満の場合)、桜吹雪演出の実行を決定するとともに前記実行回数に1加算する。すなわち、本実施形態の桜吹雪演出は、保留内大当りが存在する場合に5回以上の実行が許容される一方で、保留内大当りが存在しない場合に5回以上の実行が規制される。したがって、本実施形態において桜吹雪演出が5回以上、実行された状況から、保留内大当りが存在することを確定的に認識できる。その後、演出制御用CPU31aは、第1大当り演出処理を終了する。
【0104】
また、演出パターンEP3を決定した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶される実行済みフラグの値が「01H」であるか否かを判定する。実行済みフラグに「01H」が設定されていない場合(「00H」の場合)、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出及びキャラクタ演出の実行を決定するとともに実行済みフラグに「01H」を設定する一方で、「01H」が設定されている場合、桜吹雪演出を伴うキャラクタ演出の非実行を決定(実行をキャンセル)して演出パターンEP1に書き換える。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、1回の大当り遊技を通して1回だけ実行されることになる。その後、演出制御用CPU31aは、第1大当り演出処理を終了する。なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技(エンディング演出)の終了時、実行済みフラグに「00H」を設定するとともに、桜吹雪演出の実行回数として「0回」を設定し、それぞれクリア(リセット)する。
【0105】
次に、16回開放8R大当り遊技、及び24回開放8R大当り遊技の場合について説明する。
演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドの入力時、又は大入賞口21の開放開始毎に、第2大当り演出処理を実行する。第2大当り演出処理において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に、確変大当りとなることを示す先読みコマンド[E1xxH]〜[E3xxH]の何れかが記憶されているか否かの当り事前判定を実行する。演出制御用CPU31aは、前記当り事前判定の結果が否定の場合(保留内大当りが存在しない場合)、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行を一義的に決定して第2大当り演出処理を終了する。
【0106】
一方、前記当り事前判定の結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、今回の大当り遊技が16回開放8R大当り遊技であるときに図9(a)に示す第3演出振分用テーブルTCを選択する一方で、24回開放8R大当り遊技であるときに図9(b)に示す第4演出振分用テーブルTDを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値と、計数した大入賞口21の開放回数又はエンディングコマンドと、をもとに、選択した演出振分用テーブルを参照して桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の実行可否を決定する。なお、各演出振分用テーブルTC,TDは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0107】
図9(a),(b)に示すように、各演出振分用テーブルTC,TDには、大入賞口21の開放回数、又はエンディングコマンドに区分して、演出パターンEP1a,EP2aが対応付けられている。演出パターンEP1aでは、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行が特定されている。演出パターンEP2aでは、桜吹雪演出の非実行、及びキャラクタ演出の実行が特定されている。そして、各演出振分用テーブルTC,TDでは、大入賞口21の開放回数、又はエンディングコマンドに区分して、各演出パターンEP1a,EP2aに対し、演出振分用乱数の値がこの演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜250の全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。このような各演出振分用テーブルTC,TDによれば、大入賞口21の開放回数が何回目であるか、又はエンディング演出であるかに応じて、演出パターンEP1a,EP2aの何れかが決定される。例えば、第3演出振分用テーブルTCが選択されている場合であって、大入賞口21の6回目の開放開始時には、251分の191の確率で演出パターンEP1aが決定され、251分の60の確率で演出パターンEP2aが決定され得る。
【0108】
各演出振分用テーブルTC,TDには、単体の桜吹雪演出の実行を示す演出パターンEP2が対応付けられていない。したがって、各8R大当り遊技では、桜吹雪演出が出現し得ない。すなわち、本実施形態において、大当りA,Dに基づく16R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出の実行が許容される一方で、大当りB,Cに基づく8R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出の実行が規制される。
【0109】
また、第3演出振分用テーブルTCにおいて、大入賞口21の1〜3,7〜9,15,16回目の開放開始時では、演出パターンEP1aが選択され得る一方で、演出パターンEP2aが選択され得ない。同様に、第4演出振分用テーブルTDにおいて、大入賞口21の1〜3,7〜9,15〜17,23,24回目の開放開始時では、演出パターンEP1aが選択され得る一方で、演出パターンEP2aが選択され得ない。したがって、16回開放8R大当り遊技において、単体のキャラクタ演出は、4〜6,10〜14回目の大入賞口21の開放開始時にのみ出現し得る。同様に、24回開放8R大当り遊技において、単体のキャラクタ演出は、4〜6,10〜14,18〜22回目の大入賞口21の開放開始時にのみ出現し得る。また、各演出振分用テーブルTC,TDによれば、演出パターンEP2aが決定される確率は、エンディング演出に近い開放開始時になるほど高く、エンディングコマンドの入力時に最も高くなる。したがって、本実施形態の8R大当り遊技において、単体のキャラクタ演出は、エンディング演出に近くなるほど出現し易い遊技演出となる。
【0110】
そして、演出パターンEP1aを決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行を決定する。また、演出制御用CPU31aは、演出パターンEP2aを決定した場合であって、実行済みフラグの値が「00H」のときにはキャラクタ演出の実行を決定するとともに実行済みフラグに「01H」を設定する一方で、「01H」が設定されているときにはキャラクタ演出の非実行を決定(実行をキャンセル)して演出パターンEP1aに書き換える。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、1回の8R大当り遊技を通して1回だけ実行されることになる。その後、演出制御用CPU31aは、第2大当り演出処理を終了する。このように、各8R大当り遊技では、保留内大当りが存在することを条件に演出パターンEP2aが選択され得るため、キャラクタ演出は、16R大当り遊技と同様に保留内大当りとなることを確定的に認識可能な保留内大当り確定の遊技演出として位置付けられる。
【0111】
そして、第1大当り演出処理により単体の桜吹雪演出(演出パターンEP2)の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出の画像表示用データを選択する。また、第1大当り演出処理により、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出(演出パターンEP3)の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出の画像表示用データ、及びキャラクタ演出の画像表示用データを選択する。また、第2大当り演出処理により単体のキャラクタ演出(演出パターンEP2a)の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、キャラクタ演出の画像表示用データを選択する。
【0112】
そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の開放(ラウンド遊技)、又はエンディング演出の開始とともに各遊技演出(第1キャラクタ演出、及び第2キャラクタ演出)を実行させる。以下、具体的に説明する。
【0113】
図10(c)に示すように、演出パターンEP2,EP3を決定した場合、演出制御用CPU31aは、大入賞口21の開放、又はエンディング演出の開始から期間T1(本実施形態では3秒)にかけて桜吹雪演出が表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出パターンEP3を決定した場合、演出制御用CPU31aは、期間T1が経過すると期間T2(本実施形態では2秒)にかけて第1キャラクタ演出が表示されるように演出表示装置11を制御する。より具体的には、演出制御用CPU31aは、期間T1が経過してから期間T2a(本実施形態では0.8秒)にかけてキャラクタCaがバチを構える様子が表示され、続けて期間T2b(本実施形態では0.2秒)にかけてキャラクタCaが太鼓をたたく様子が表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、期間T2bが経過してから期間T2c(本実施形態では0.8秒)にかけてキャラクタCaがバチを構える様子が表示され、続けて期間T2d(本実施形態では0.2秒)にかけてキャラクタCaが太鼓をたたく様子が表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0114】
その後、演出制御用CPU31aは、期間T3(本実施形態では2秒)にかけて第2キャラクタ演出が表示されるように演出表示装置11を制御する。したがって、桜吹雪演出が開始されてからキャラクタ演出が終了する迄の演出時間は、期間T1+期間T2+期間T3=7秒となる。また、演出パターンEP2aを決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出を表示させることなく、大入賞口21の開放、又はエンディング演出の開始から期間T2,T3にかけてキャラクタ演出(第1キャラクタ演出、及び第2キャラクタ演出)が表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0115】
また、演出制御用CPU31aは、演出パターンEP3,EP2aの何れかを決定した場合、キャラクタ演出の実行に伴って、特別演出(桜回転演出、及び星落下演出)、及び星振動演出を実行させるための特別演出処理を実行する。以下、詳細に説明する。
【0116】
図10(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、第1キャラクタ演出を開始させると、第1キャラクタ演出の開始に伴って(同時に)、期間T2(本実施形態では2秒)にかけて操作有効期間を設定する。また、図10(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、操作有効期間の設定とともに(同時に)、期間T2aにかけて第1無効期間を設定する。演出制御用CPU31aは、第1無効タイマに0.8秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第1無効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第1無効期間中であるか否かを判定する。第1無効期間中において、演出用ボタンBTから操作信号を入力した場合、演出制御用CPU31aは、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第1無効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。
【0117】
一方、演出制御用CPU31aは、第1無効期間中において演出用ボタンBTから操作信号を入力せず、且つ前記第1無効タイマの値が0(零)となったことに伴って第1無効期間が終了した場合、続けて第1有効期間を期間T2bにかけて設定する。演出制御用CPU31aは、第1有効タイマに0.2秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第1有効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第1有効期間中であるか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、第1有効期間中において、1回目の操作信号を入力した場合、その時点から0.3秒にかけて星振動演出が実行されるように星型可動体KBを制御する。また、演出制御用CPU31aは、第1有効期間中において、演出用ボタンBTから2回目の操作信号を入力した場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第1有効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。
【0118】
また、演出制御用CPU31aは、前記第1有効タイマの値が0(零)となったことに伴って第1有効期間が終了する迄の間において、演出用ボタンBTから操作信号を入力しなかった場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間を終了し、特別演出処理を終了する。一方、演出制御用CPU31aは、第1有効期間中において、演出用ボタンBTから操作信号を1回だけ入力した場合であって、第1有効期間が終了した場合、続けて第2無効期間を期間T2cにかけて設定する。演出制御用CPU31aは、第2無効タイマに0.8秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第2無効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第2無効期間中であるか否かを判定する。
【0119】
第2無効期間中に演出用ボタンBTから操作信号を入力した場合、演出制御用CPU31aは、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第2無効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。一方、演出制御用CPU31aは、第2無効期間中に演出用ボタンBTから操作信号を入力せず、且つ前記第2無効タイマの値が0(零)となったことに伴って第2無効期間が終了した場合、続けて第2有効期間を期間T2dにかけて設定する。演出制御用CPU31aは、第2有効タイマに0.2秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第2有効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第2有効期間中であるか否かを判定する。
【0120】
演出制御用CPU31aは、第2有効期間中において、1回目の操作信号を入力した場合、その時点から0.3秒にかけて星振動演出が実行されるように星型可動体KBを制御する。また、演出制御用CPU31aは、第2有効期間中において、演出用ボタンBTから2回目の操作信号を入力した場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第2有効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。また、演出制御用CPU31aは、前記第2有効タイマの値が0(零)となったことに伴って第2有効期間が終了する迄の間において、演出用ボタンBTから操作信号を入力しなかった場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間を終了し、特別演出処理を終了する。
【0121】
そして、演出制御用CPU31aは、第2有効期間中において、演出用ボタンBTから操作信号を1回だけ入力した場合であって、第2有効期間が終了した場合、特別演出を実行するための特別演出実行条件が成立したと判定する。すなわち、本実施形態の演出制御用CPU31aは、操作有効期間に設定された第1期間(禁止期間)、及び第2期間(有効期間)のうち、第2期間のみにおいて予め定めた規定回数だけ演出用ボタンBTが操作されたか否かを判定している。本実施形態では、第1,第2有効期間が特定期間となる。なお、演出制御用CPU31aは、期間T2にかけて設定した操作有効期間中、演出用ボタンBTに内蔵された発光体を非点灯とし、操作有効期間が設定されていることを非報知とする。したがって、本実施形態における特別演出は、演出用ボタンBTの操作有効期間が設定されていることを非報知とした(秘匿した)まま行う、いわゆる隠しボタン演出となる。
【0122】
その一方で、第1,第2有効期間は、演出表示装置11において第1キャラクタ演出のうち太鼓を叩く様子が表示される期間T2b,T2dと一致されている。すなわち、演出表示装置11における第1キャラクタ演出のうち、太鼓を叩く様子の表示は、第1有効期間、及び第2有効期間の設定期間を遊技者に示唆(報知)する遊技演出と把握することもできる。したがって、本実施形態において、遊技者は、演出表示装置11に表示されたキャラクタCaが太鼓を叩くタイミングに合わせて演出用ボタンBTを押下することで、前記特別演出実行条件を成立させ易くなる。本実施形態の演出表示装置11は、第1有効期間、及び第2有効期間の設定期間(タイミング)を遊技者に示唆する示唆手段として機能する。
【0123】
また、本実施形態において、第1,第2有効期間では、それぞれ1回目の演出用ボタンBTの押下を契機に、星振動演出が実行される。したがって、本実施形態では、期間T2b,T2dにおいて、演出用ボタンBTの操作を契機に星振動演出が実行された状況から、各有効期間における演出用ボタンBTの操作に成功したことを遊技者に認識させることができる。したがって、本実施形態では、星振動演出が、前記特別演出実行条件が成立したことを報知する成立報知演出となり、星型可動体KBが成立報知手段として機能するとも把握できる。
【0124】
前記特別演出実行条件が成立した場合、演出制御用CPU31aは、保留中の特図変動ゲームに含まれる大当りの特図変動ゲームの回数を、大当りの種類毎に区分して計数する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンド[E1xxH]の個数を計数し、16R大当り遊技(大当りA)の個数(回数)とする。同様に、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンド[E2xxH],[E3xxH]の個数を計数し、8R大当り遊技(大当りB,C)の個数(回数)とする。したがって、本実施形態の演出制御用CPU31aは、大当り遊技において実行が保留されている特図変動ゲームの中に大当りの特図変動ゲームが含まれている場合、その大当りの特図変動ゲームの実行時に大当り判定で肯定判定されることに伴って決定される大当りの種類をさらに判定していると把握できる。本実施形態では、演出制御用CPU31aがゲーム判定手段として機能する。
【0125】
そして、演出制御用CPU31aは、計数した大当りの個数、及び演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値をもとに、図11に示す特別演出振分用テーブルTEを参照して特別演出の実行可否、及び実行する場合の演出内容を決定する。特別演出振分用テーブルTEは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0126】
図11に示すように、特別演出振分用テーブルTEには、大当りA(16R大当り遊技)の個数、及び大当りB,C(8R大当り遊技)の個数の組み合わせ毎に区分して、特別演出の演出内容を特定可能な演出パターンET1〜ET5が対応付けられている。演出パターンET1では、特別演出の非実行が特定されているとともに、演出パターンET2では、特殊演出を伴わない(エフェクトなしの)桜回転演出の実行が特定されている。演出パターンET3では、特殊演出を伴わない(エフェクトなしの)星落下演出の実行が特定されているとともに、演出パターンET4には、特殊演出を伴う(エフェクトありの)桜回転演出の実行が特定されている。また、演出パターンET5では、特殊演出を伴う(エフェクトありの)星落下演出の実行が特定されている。
【0127】
そして、特別演出振分用テーブルTEでは、大当りの個数の組み合わせ毎に区分して、各演出パターンET1〜ET5に対し、演出振分用乱数の値がこの演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜250の全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。このような特別演出振分用テーブルTEによれば、大当りA(16R大当り遊技)の個数、及び大当りB,C(8R大当り遊技)の個数の組み合わせに応じて、演出パターンET1〜ET5の何れかが決定される。例えば、大当りA(16R大当り遊技)が1個であり、大当りB,C(8R大当り遊技)が1個である場合、251分の71の確率で演出パターンET1が、251分の150の確率で演出パターンET2が、251分の30の確率で演出パターンET4が決定され得る。
【0128】
特別演出振分用テーブルTEにおける演出振分用乱数の値の振分態様によれば、大当り(大当り遊技)の合計個数が1個の場合、演出パターンET1のみが決定され得る。その一方で、特別演出振分用テーブルTEによれば、大当り(大当り遊技)の合計個数が2個以上である場合に、演出パターンET2〜ET5の何れかが決定され得る。したがって、本実施形態において特別演出は、何れも保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cの何れかとなる特図変動ゲームが2個以上、含まれていることを認識できる遊技演出として位置付けられる。特に、演出パターンET3,ET5は、大当り(大当り遊技)の合計個数が3個以上である場合にのみ決定され得る。したがって、本実施形態において星落下演出は、保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cの何れかとなる特図変動ゲームが3個以上、含まれていることを認識できる遊技演出として位置付けられる。
【0129】
また、特別演出振分用テーブルTEによれば大当りA(16R大当り遊技)の個数が1個以上である場合に、演出パターンET4,ET5が決定され得る。したがって、本実施形態においてエフェクトありの桜回転演出、及びエフェクトありの星落下演出は、保留中の特図変動ゲームに大当りAとなる特図変動ゲームが1個以上、含まれていることを認識できる遊技演出として位置付けられる。このように、本実施形態の特別演出では、可動体演出を実行する可動体の種類によって保留内の大当りの合計個数を報知する一方で、特殊演出(エフェクト)の有無によって大当りAが含まれているか否かを報知する。したがって、本実施形態では、事前に判定した保留内大当りの種類、保留内大当りの個数に応じた演出内容で特別演出が実行される。
【0130】
そして、演出制御用CPU31aは、演出パターンET1(なし)を決定した場合、特別演出の非実行を決定する。また、演出制御用CPU31aは、演出パターンET2,ET3の何れかを決定した場合、可動体演出の実行を決定するとともに、対応する可動体演出用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、演出パターンET4,ET5の何れかを決定した場合、可動体演出及び特殊演出の実行を決定し、対応する可動体演出用データ、及び画像表示用データを選択する。その後、演出制御用CPU31aは、特別演出処理を終了する。
【0131】
そして、図10(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、特別演出処理により選択した可動体演出用データをもとに桜型可動体KA、又は星型可動体KBを制御して、期間T3の経過後、期間T4(本実施形態では2秒)にかけて特別演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、特別演出処理により選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、期間T4にかけて特殊演出を実行させる。以上のように、本実施形態では、演出制御用CPU31aが遊技演出制御手段として機能する。
【0132】
本実施形態において、桜吹雪演出を伴うキャラクタ演出(演出パターンEP3)に加えて、さらに特別演出を実行する場合の合計演出時間は、期間T1〜T4=9秒である。また、単体のキャラクタ演出(演出パターンEP2a)に加えて、さらに特別演出を実行する場合の合計演出時間は、期間T2〜T4=6秒である。
【0133】
一方、本実施形態の8R大当り遊技において、大入賞口21の2回の開放、及び1回のラウンド内インターバルIaの合計時間は、5.4秒である。前述にように、本実施形態では、各8R大当り遊技の7,8,15,16回目の大入賞口21の開放時、及び24回開放8R大当り遊技の23,24回目の大入賞口21の開放時には、キャラクタ演出の実行を特定する演出パターンEP2aが選択され得ない。このため、本実施形態では、キャラクタ演出及び特別演出が、特別インターバルIsにおける継続演出や、エンディング演出が開始する迄の間に終了せず、演出同士が重複してしまうことを防止している。
【0134】
特に、本実施形態の継続演出は、大入賞口21が継続して開放されるか否かを遊技者に報知するための遊技演出であり、遊技者が注目する遊技演出の一つである。本実施形態では、このような継続演出と、キャラクタ演出及び特別演出が重複することで、遊技者の興趣が却って低下してしまうことを抑制できる。なお、本実施形態では、継続演出の終了後における最初の大入賞口21の開放時にもキャラクタ演出が実行されないようになっている。このため、本実施形態では、継続成功演出が実行された直後からキャラクタ演出が実行されることで、遊技者の注意が継続成功演出からそれてしまうことを抑制している。
【0135】
また、本実施形態の各8R大当り遊技では、桜吹雪演出を伴うキャラクタ演出の実行を特定する演出パターンEP3を選択し得ない。すなわち、本実施形態の各8R大当り遊技では、桜吹雪演出がキャラクタ演出及び特別演出と組み合わせて実行されることが規制されている。これにより、本実施形態では、特別演出が終了する迄の合計演出時間を短縮し、キャラクタ演出及び特別演出の実行を開始可能なタイミングを増加させている。
【0136】
また、各8R大当り遊技では、単体の桜吹雪演出の実行を特定する演出パターンEP2を選択し得ない。本実施形態において桜吹雪演出は、キャラクタ演出の前段階における遊技演出としての位置付けも有しており、各8R大当り遊技ではキャラクタ演出が桜吹雪演出を伴わないで実行されるにもかかわらず、単体の桜吹雪演出が実行されることで遊技演出として不自然となることを抑制している。
【0137】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)16R大当り遊技中に大当りA〜Cとなる特図変動ゲームの実行が保留されている場合には、桜吹雪演出の開始後にキャラクタ演出が実行され得る一方で、保留されていない場合には、キャラクタ演出が実行されない。したがって、本実施形態では、桜吹雪演出の開始後にキャラクタ演出が実行された状況から、保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれていること(保留内大当り)を確定的に認識できる。その一方で、単体の桜吹雪演出は、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されているか否かにかかわらず実行され得るため、保留内大当り確定の遊技演出として位置付けられていない。そして、本実施形態では、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されている場合に、保留されていない場合と比較して、桜吹雪演出がより長い演出時間にわたって実行され得る。このため、桜吹雪演出は、その演出時間が長くなるほど保留内大当りの可能性、すなわちキャラクタ演出が実行される可能性が高まる。したがって、単体の桜吹雪演出が実行された場合であっても、キャラクタ演出(保留内大当り)に期待する遊技者の期待感を維持させ、大当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる。
【0138】
(2)本実施形態の16R大当り遊技では、保留内大当りが存在するか否かに応じて単体の桜吹雪演出の実行回数が変化し得る。すなわち、本実施形態では、保留内大当りが存在する場合には、保留内大当りが存在しない場合と比較して、2回以上の各ラウンド遊技において桜吹雪演出が実行され易い。したがって、16R大当り遊技のラウンド遊技毎に桜吹雪演出が実行されることに期待感を抱かせ、遊技者の興趣を向上できる。
【0139】
(3)本実施形態では、16R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出が実行され得る一方で、16回開放8R大当り遊技中、及び24回開放8R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出が実行され得ない。したがって、大当り遊技(大当り)の種類に応じて桜吹雪演出が出現する場合と出現しない場合とを作り出し、遊技者の興趣を向上できる。
【0140】
(4)本実施形態では、保留内大当りに含まれる大当りの種類を事前判定し、その事前判定した保留内大当りの種類に応じて演出パターンET1〜ET5を選択し、特別演出を実行させる。したがって、保留内大当りの種類に応じた演出内容で特別演出を実行し、遊技者の興趣を向上できる。
【0141】
(5)特に、本実施形態では、保留内大当りに大当りA(16R大当り遊技)が含まれる場合に、特殊演出を伴う(エフェクトあり)の可動体演出の実行を特定する演出パターンET4,ET5を選択可能に構成した。したがって、本実施形態では、保留内大当りに大当りAが含まれることを条件に、桜回転演出、又は星落下演出が特殊演出を伴って実行される。このため、本実施形態では、特殊演出の有無によって保留内大当りに大当りAが含まれるか否かを報知し、遊技者の興趣を向上させている。
【0142】
(6)本実施形態では、保留内大当りの個数を計数し、その計数した保留内大当りの個数に応じて演出パターンET1〜ET5を選択する。したがって、保留内大当りの個数に応じた演出内容で特別演出を実行し、遊技者の興趣を向上できる。
【0143】
(7)特に、本実施形態では、桜回転演出(演出パターンET2,ET4)を保留内大当りが2個以上であることを報知する遊技演出とし位置付ける一方で、星落下演出(演出パターンET3,ET5)を保留内大当りが3個以上であることを報知する遊技演出として位置付けた。したがって、可動体の種類に応じて保留内大当りの個数を報知し、複数個の保留内大当りが存在することに期待する遊技者の興趣を向上できる。
【0144】
(8)本実施形態では、操作有効期間の第1,第2有効期間において演出用ボタンBTが操作され、且つ複数個の保留内大当りが存在する場合に特別演出を実行する。したがって、複数個の保留内大当りが存在することに期待する遊技者に対し、演出用ボタンBTの操作意欲を持たせることができる。
【0145】
(9)本実施形態において、キャラクタ演出の実行中に設定する操作有効期間には、演出用ボタンBTを発光させず、操作有効期間が設定されている旨を報知しないようにした。このため、本実施形態では、キャラクタ演出が実行された場合に、期間T2にかけて操作有効期間が設定されることを知って操作した遊技者、又は操作有効期間内に演出用ボタンBTを偶然、操作した遊技者のみが特別演出を見ることができる。したがって、特別演出をより特別な遊技演出とし、遊技者の興趣を高めることができる。
【0146】
(10)第1キャラクタ演出により、第1,第2有効期間の設定時期を示唆する。したがって、遊技者が特別演出実行条件を成立させる難易度を下げることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0147】
・ 上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、保留中の各特図変動ゲーム(始動保留球)に対応する大当り判定が確変状態、及び非確変状態の何れの遊技状態のもとで判定されるかをそれぞれ事前判定し、その事前判定した遊技状態において大当りとなる特図変動ゲームの回数、及び大当りの種類を事前に判定してもよい。以下、具体的に説明する。主制御用CPU30aは、図6に示す特図入力処理において、ステップSA5の判定結果が否定の場合、大当り判定用乱数の値と大当り判定値のうち非共通値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、今回の制御周期における特図入力処理で記憶させた始動保留球に基づく特図変動ゲームが、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態であることを条件に大当りとなるか否か(大当りの始動保留球であるか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA7の処理へ移行する一方で、判定結果が肯定の場合、先読みコマンド[E1xxH]〜[E4xxH]とは異なる値を上位バイトに設定した特定大当り先読みコマンドをステップSA6の処理と同様に生成し、出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。
【0148】
そして、演出制御用CPU31aは、特別演出実行条件が成立した場合、保留中の特図変動ゲームに対応する大当り判定時の遊技状態をそれぞれ事前判定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、大当りA〜Cに基づく大当り遊技中である場合に、保留記憶数「1」に対応する大当り判定が確変状態のもとで実行されると判定する一方で、大当りDに基づく大当り遊技中である場合に、保留記憶数「1」に対応する大当り判定が非確変状態のもとで実行されると判定する。また、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「m(m=2〜4)」について、保留記憶数「m−1」に対応する特図変動ゲームがはずれとなる場合、保留記憶数「m−1」に対応する大当り判定時の遊技状態と同一の遊技状態のもとで大当り判定が実行されると判定する。演出制御用CPU31aは、保留記憶数「m」について、保留記憶数「m−1」に対応する特図変動ゲームが確変大当りとなる場合、確変状態のもとで大当り判定が実行されると判定する。演出制御用CPU31aは、保留記憶数「m」について、保留記憶数「m−1」に対応する特図変動ゲームが非確変大当りとなる場合、非確変状態のもとで大当り判定が実行されると判定する。演出制御用CPU31aは、存在する全ての始動保留球について、保留記憶数「1」→「2」→「3」→「4」の順に大当り判定の時点における遊技状態を事前判定する。
【0149】
なお、演出制御用CPU31aは、事前判定した大当り判定の時点における遊技状態が確変状態である場合、何れの大当り先読みコマンドが記憶されている場合であっても大当りになると事前判定する一方で、事前判定した遊技状態が非確変状態である場合、先読みコマンド[E1xxH]〜[E4xxH]が記憶されている場合にのみ、大当りになると事前判定する。その後、演出制御用CPU31aは、大当りとなる特図変動ゲームの回数を大当りの種類毎に計数する。このような構成によれば、将来の遊技状態を加味した上で、保留内大当りの種類毎に、保留内大当りの個数を正確に計数できる。そして、特別演出の実行頻度を向上させ、大当り遊技における遊技演出に対する遊技者の興趣を向上できる。なお、本別例は、第1,第2大当り演出処理における当り事前判定に適用してもよい。
【0150】
・ 上記実施形態において、16R非確変大当りDを省略するとともに、大当りA〜Cに基づく大当り遊技の終了後に、予め定めた回数(例えば50回)の特図変動ゲームが終了する迄の間、又は前記回数の特図変動ゲームが終了する迄の間に大当り抽選に当選する迄の間の確変状態を付与するようにしてもよい。この場合、主制御用CPU30aは、図6に示す特図入力処理のステップSA5において、大当り判定値の共通値に代えて、前記共通値を含む確変用判定値を用いるようにする。このような構成によれば、保留内大当りとなる可能性を向上させ、キャラクタ演出、及び特別演出の出現頻度を向上させることができる。したがって、大当り遊技における遊技演出に対する遊技者の興趣を向上できる。
【0151】
・ 上記実施形態において、16回開放8R大当り遊技、及び24回開放8R大当り遊技は、大入賞口21とは別に設けた大入賞口を開放する大当り遊技としてもよい。
・ 上記実施形態において、大当りの種類を適宜変更してもよい。例えば、ラウンド規定時間を0.1秒に、ラウンド間インターバルIbを1秒に、ラウンド規定回数を4回に設定した4R大当り遊技を付与するとともに、その大当り遊技の終了後に確変状態を付与する大当りEを設けてもよい。また、主制御用CPU30aは、大当り判定で否定判定された場合に、大当り判定用乱数の値と小当り判定値とを比較し、4R大当り遊技と大入賞口21の開放態様を同一に設定した小当り(小当り遊技)を付与するか否かを判定してもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、上記4R大当り遊技、又は小当り遊技において、キャラクタ演出及び特別演出の実行可否を、各当り遊技の開始時に判定すればよい。このような構成によれば、当り(当り遊技)のバリエーションを増加させて遊技者の興趣を向上できるとともに、キャラクタ演出や特別演出の出現タイミングを増やし、遊技者の興趣を向上できる。なお、演出制御用CPU31aは、上記4R大当り遊技、又は小当り遊技において単体の桜吹雪演出を実行しないようにするとよい。
【0152】
・ 上記実施形態において、各8R大当り遊技を付与する大当りB,Cを省略してもよい。
・ 上記実施形態において、上始動入賞口17、及び下始動入賞口18に対応する特図表示装置12をそれぞれ別に設けるとともに、上始動入賞口17への入球に基づく始動保留球、及び下始動入賞口18への入球に基づく始動保留球を別個に主制御用RAM30cに記憶させてもよい。この場合、下始動入賞口18に対応する始動保留球に基づく特図変動ゲームを、上始動入賞口17に対応する始動保留球に基づく特図変動ゲームの実行に優先させて実行してもよく、各始動入賞口17,18を区別することなく、入球順に特図変動ゲームを実行させてもよい。これによれば、始動保留球の個数を増加させ、キャラクタ演出や特別演出の出現率を向上させることができる。
【0153】
・ 上記実施形態において、操作有効期間、第1,第2無効期間、及び第1,第2有効期間の時間は適宜変更してもよい。また、操作有効期間内に設定する無効期間、及び有効期間の回数を適宜変更してもよい。
【0154】
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出とキャラクタ演出の実行時期の一部が重複してもよい。すなわち、キャラクタ演出は、桜吹雪演出の開始後に実行されればよい。
・ 上記実施形態において、第2キャラクタ演出と特別演出の実行時期の一部が重複してもよい。すなわち、特別演出は、第2キャラクタ演出の開始後に実行されればよい。
【0155】
・ 上記実施形態において、示唆演出、報知演出、及び特別演出を異なる態様で実行してもよい。また、示唆演出、報知演出、及び特別演出の演出内容として複数の演出内容を用意し、その中から選択された演出内容で各遊技演出を実行してもよい。また、示唆演出、報知演出、及び特別演出は、複数の遊技演出を組み合わせて実行してもよい。
【0156】
・ 上記実施形態において、保留内大当りが存在しない場合でも5回以上の桜吹雪演出を実行してもよい。
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出は、1回のラウンド遊技において複数回、実行してもよい。また、示唆演出としての桜吹雪演出は、複数回のラウンド遊技を跨って継続的に実行してもよい。この場合、桜吹雪演出の演出時間として第1演出時間(例えば45秒)及び第2演出時間(例えば90秒)を用意するとともに、演出制御用CPU31aは、保留内大当りが存在する場合に、保留内大当りが存在しない場合と比較して、第2演出時間にわたって実行させ易く構成すればよい。
【0157】
・ 上記実施形態において、キャラクタ演出(報知演出)を省略してもよい。この場合、別途、第1,第2有効期間を示唆(報知)するための遊技演出を実行してもよい。
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出(示唆演出)、報知演出、及び特別演出は、演出表示装置11における表示演出、スピーカによる音声演出、装飾ランプによる発光演出として実行してよく、これらを組み合わせて実行してもよい。
【0158】
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出、キャラクタ演出、及び特別演出を実行可能なラウンド遊技(大入賞口21の開放回数)を適宜変更してもよい。また、大当り遊技におけるオープニング演出で実行してもよい。
【0159】
・ 上記実施形態において、特別演出は、保留内大当りが1個の場合にも実行可能に構成してもよい。この場合、図11に示す特別演出振分用テーブルTEにおいて、保留内大当りの合計個数が1個の場合にも演出パターンET2〜ET5に対して演出振分用乱数の値を振り分ければよい。
【0160】
・ 上記実施形態において、特別演出は、演出用ボタンBTの操作とは関係なく実行されてもよい。すなわち、単に演出表示装置11において、桜吹雪演出、に続けて実行されるようにしてもよい。
【0161】
・ 上記実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしてもよく、これらを組み合わせた表示装置を用いてもよい。
【0162】
・ 上記実施形態において、演出表示装置11を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板を設けるとともに、各サブ制御基板を統括的に制御するサブ統括制御基板を備えたパチンコ遊技機や、主制御基板30及び演出制御基板31の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0163】
・ 上記実施形態において、特図を指定する特図指定コマンドは、特図変動ゲームで確定停止表示させる特図の種類を特定可能な制御コマンドとしてもよい。すなわち、特図指定コマンドは、特図の大当り図柄の種類(大当りの種類)を特定可能な制御コマンドとしてもよい。また、上記実施形態において、変動パターンは、大当り判定(大当り抽選)の判定結果や、特図の種類(大当り図柄の場合には大当りの種類)を特定可能に構成してもよい。
【0164】
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ゲーム判定手段は、前記当り遊技において実行が保留されている前記当りの図柄変動ゲームの回数をさらに計数するようになっており、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が計数した前記当りの図柄変動ゲームの回数に応じた演出内容で前記第1遊技演出における前記特定遊技演出を実行させる請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0165】
(ロ)遊技者が操作可能な演出用操作手段をさらに備え、前記遊技演出制御手段は、前記当り遊技中に設定される特定期間内に前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記ゲーム判定手段が計数した当りの図柄変動ゲームの回数が複数回である場合に、前記特定遊技演出を実行させる技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0166】
(ハ)始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、前記当り遊技用の遊技演出には、非特定遊技演出及び前記非特定遊技演出の開始後に実行させる特定遊技演出を含む第1遊技演出と、前記非特定遊技演出を含み且つ前記特定遊技演出を含まない第2遊技演出と、を含み、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記第1遊技演出、及び前記第2遊技演出を含む当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させる一方で、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合には、前記第2遊技演出を含み、且つ前記第1遊技演出を含まない当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させ、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、第1回数及び前記第1回数より多い第2回数のうち、前記第2回数の前記第2遊技演出を実行させ易く構成された遊技機。
【0167】
(ニ)始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出として特別遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、前記特別遊技演出を第1演出時間及び前記第1演出時間より長い第2演出時間のうち前記第2演出時間にわたって実行させ易く構成された遊技機。
【符号の説明】
【0168】
12…特別図柄表示装置(表示手段)、17…上始動入賞口(始動口)、18…下始動入賞口(始動口)、21…大入賞口、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(遊技演出制御手段、当り種決定手段、当り遊技付与手段)、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU(ゲーム判定手段、遊技演出制御手段)、BT…演出用ボタン(演出用操作手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、始動口への入球検知を契機とした大当り判定で肯定判定された場合に、演出表示装置に表示する図柄変動ゲームで大当り表示結果(大当り図柄)を確定停止表示させ、この大当りの図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技を付与することが行われている。そして、従来のパチンコ遊技機の中には、大当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに大当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定し、その判定結果に基づき大当り遊技用の遊技演出を実行するものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技において大当りの図柄変動ゲームが保留されている場合、大当り遊技用の遊技演出として所定のキャラクタを表示するとともに、始動保留球の個数表示態様を変化させている。このため、特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技において、大当りの図柄変動ゲームが含まれていること(所謂、保留内大当り)に期待する遊技者の興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−15007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のパチンコ遊技機では、大当り遊技中に前記所定のキャラクタが表示されなかった場合には、遊技者の興趣を向上させることができなかった。これに対し、特許文献1のパチンコ遊技機において、大当りの図柄変動ゲームが含まれない場合にも所定のキャラクタを表示し、所定のキャラクタが表示され、且つ始動保留球の個数表示態様が変化された場合に保留内大当りが確定するように構成することも考えられる。このような構成によれば、所定のキャラクタの出現頻度を向上させ、遊技者の興趣を向上させ得るとも考えられる。
【0006】
しかしながら、このような構成であっても、所定のキャラクタの表示に続けて始動保留球の個数表示態様が変化しなかった場合には、保留内大当りが確定しないことを遊技者が認識し得る。このため、大当り遊技用の遊技演出のさらなる興趣の向上が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、前記当り遊技用の遊技演出には、非特定遊技演出及び前記非特定遊技演出の開始後に実行させる特定遊技演出を含む第1遊技演出と、前記非特定遊技演出を含み且つ前記特定遊技演出を含まない第2遊技演出と、を含み、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記第1遊技演出、及び前記第2遊技演出を含む当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させる一方で、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合には、前記第2遊技演出を含み、且つ前記第1遊技演出を含まない当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させ、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、前記第2遊技演出を第1演出時間及び前記第1演出時間より長い第2演出時間のうち前記第2演出時間にわたって実行させ易く構成されたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記当り遊技には、大入賞口を開放するラウンド遊技を含み、前記第1演出時間は、前記第2遊技演出を第1回数、実行させる演出時間であり、前記第2演出時間は、前記第2遊技演出を前記第1回数より多い第2回数、実行させる演出時間であり、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段の判定結果に応じた回数分のラウンド遊技毎に前記第2遊技演出を実行させることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記当り判定で肯定判定された場合に当りの種類を決定する当り種決定手段と、前記当り種決定手段が決定した当りの種類に基づき前記当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、をさらに備え、前記遊技演出制御手段は、第1当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を許容する一方で、前記第1当りとは異なる第2当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を規制することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機において、前記ゲーム判定手段は、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに前記当りの図柄変動ゲームが含まれている場合、その当りの図柄変動ゲームの実行時に前記当り判定で肯定判定されることに伴って決定される当りの種類をさらに判定するようになっており、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が判定した当りの種類に応じた演出内容で前記第1遊技演出における前記特定遊技演出を実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】大当りの種類を示す説明図。
【図3】(a)は、16回開放8R大当り遊技における大入賞口の開放態様、及び大当り遊技中の遊技演出の実行態様を示す説明図、(b)は、24回開放8R大当り遊技における大入賞口の開放態様、及び大当り遊技中の遊技演出の実行態様を示す説明図。
【図4】(a)は、継続失敗演出の実行態様を示す説明図、(b)は、継続成功演出の実行態様を示す説明図、(c)は、桜吹雪演出の実行態様を示す説明図、(d)は、第1キャラクタ演出の実行態様を示す説明図、(e)は、第2キャラクタ演出の実行態様を示す説明図、(f)及び(g)は、特殊演出の実行態様を示す説明図。
【図5】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図6】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
【図7】先読みコマンドを示す説明図。
【図8】(a)は、第1演出振分用テーブルを示す説明図、(b)は、第2演出振分用テーブルを示す説明図。
【図9】(a)は、第3演出振分用テーブルを示す説明図、(b)は、第4演出振分用テーブルを示す説明図。
【図10】(a)〜(c)は、大当り遊技中における遊技演出の実行態様を示すタイミングチャート。
【図11】特別演出振分用テーブルを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図11にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される遊技演出として各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
【0015】
また、演出表示装置11の右下方には、7セグメント型LEDからなる特別図柄表示装置(以下「特図表示装置」と示す)12が配設されている。特図表示装置12では、特別図柄(以下「特図」と示す)を変動させて表示する特別図柄変動ゲーム(以下「特図変動ゲーム」と示す)が行われる。特図は、当りか否かの内部抽選(後述する大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態では、特図表示装置12が表示手段となる。
【0016】
そして、演出表示装置11には、特図表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図表示装置12に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。特図表示装置12にはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
【0017】
演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される(例えば[222]や[777]など)。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数列の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0018】
演出表示装置11の下方には、複数個(本実施形態では4個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置(以下「特図保留表示装置」と示す)13が配設されている。特図保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特図変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行が保留されている(保留中の)特図変動ゲームの実行回数となる。
【0019】
演出表示装置11の左下方には、7セグメント型LEDからなる普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普通図柄変動ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では「7」)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では「−(バー)」)が確定停止表示(導出)される。
【0020】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口17aを有する上始動入賞口17が配設されている。本実施形態の上始動入賞口17は、遊技球が常時入球可能とされている。また、上始動入賞口17の下方には、遊技球の入球口18aを有する下始動入賞口18が配設されている。下始動入賞口18は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根19を備えている。下始動入賞口18は、開閉羽根19の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根19の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。
【0021】
そして、上始動入賞口17の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図5に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口18の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図5に示す)が配設されている。各始動入賞口17,18は、入球した遊技球を各始動口スイッチSW1,SW2で入球検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態では、上始動入賞口17、及び下始動入賞口18が始動口となる。
【0022】
また、下始動入賞口18の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉20を備えた大入賞口(特別電動役物)21が配設されている。大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口21は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口21は、当り遊技としての大当り遊技中に大入賞口扉20の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。大当り遊技の詳細については後述する。
【0023】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)22が配設されている。ゲート22の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図5に示す)が配設されている。ゲート22は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0024】
また、演出表示装置11の右下方には、所定のキャラクタ(本実施形態では桜)を模した演出用可動体として桜型可動体KAが配設されている。桜型可動体KAは、図示しないアクチュエータ(モータなど)に接続されており、そのアクチュエータの動作に伴って矢印Y1に示す方向へ回転することにより可動体演出(以下「桜回転演出」と示す)を実行可能に構成されている。
【0025】
また、演出表示装置11の上方には、所定のキャラクタ(本実施形態では「星」)を模した演出用可動体として星型可動体KBが配設されている。星型可動体KBは、図示しないアクチュエータ(モータなど)に接続されており、そのアクチュエータの動作に伴って矢印Y2に示す方向へ移動させる可動体演出(以下「星落下演出」と示す)を実行可能に構成されている。また、本実施形態の星型可動体KBは、アクチュエータの動作に伴って矢印Y3に示すように、左右に振動するように動作させる可動体演出(以下「星振動演出」と示す)を実行可能に構成されている。以下の説明では、可動体演出のうち特に桜回転演出と、星落下演出をまとめて特別演出と示す場合がある。
【0026】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、遊技者が操作可能な演出用ボタンBTが装備されている(図5に示す)。演出用ボタンBTは、遊技球を貯留するための球皿部材の上面や前面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。本実施形態の演出用ボタンBTは、図示しない発光体(LEDなど)を透光部材で覆った構成とされており、その発光体を発光させることにより、演出用ボタンBTの操作が有効化された特定期間としての操作有効期間中であることを報知できる。なお、本実施形態において演出用ボタンBTの操作有効期間は、演出用ボタンBTの操作(押下)が有効なものとして取り扱われる期間である。本実施形態では、演出用ボタンBTが演出用操作手段となるとともに、操作有効期間中であることを報知する報知手段となる。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に変動時間短縮(以下「変短」と示す)状態を付与可能に構成されている。変短状態では、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート22の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が通常状態(低確率、例えば251分の13)から高確率(例えば251分の250)に向上(変動)される。また、変短状態において下始動入賞口18の開閉羽根19は、普図当り抽選で当選した際に、変短状態が付与されていない非変短状態とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態において、開閉羽根19は、普図当り抽選で当選した場合(普通図柄変動ゲームで普図の当り図柄が導出された場合)、予め定めた第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根19は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1開放時間より長い第2開放時間(例えば1.58秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根19が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口18への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。なお、変短状態は、開閉羽根19の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態であり、さらに下始動入賞口18への入球が容易な入球容易状態でもある。
【0029】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に用意された大当り遊技について図2にしたがって説明する。
大当り遊技は、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口21が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(規定回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口21の開閉が所定回数行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口21は、予め定めたラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。このラウンド終了条件は、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する第1条件、又はラウンド規定時間(ラウンド遊技時間)が経過する第2条件が成立することとされている。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定回数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0030】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す4種類の大当りの中から1つの大当り(大当りの種類)が決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与される。この4種類の大当りのうち、何れの大当りが付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に、特図表示装置12に確定停止表示させる特図として内部的に決定される大当り図柄の種類に応じて決定される。したがって、本実施形態では、特図の大当り図柄が当りの種類(大当りの種類)となる。本実施形態では、特図表示装置12に表示される全100種類の特図の大当り図柄のうち、30種類が特図ZAに分類され、20種類が特図ZBに分類され、20種類が特図ZCに分類され、30種類が特図ZDに分類されている。なお、以下の説明では、ラウンドを「R」と省略して示す場合がある。
【0031】
特図ZA、又は特図ZDが決定された場合に付与される16R大当り遊技は、ラウンド遊技の規定回数を16回に、1回のラウンド遊技の入球上限個数が9個に設定されている。また、16R大当り遊技は、オープニング時間(以下「OP時間」と示す)として10秒が、エンディング時間(以下「ED時間」と示す)として15秒が設定されているとともに、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数が1回に設定されている。また、16R大当り遊技は、ラウンド間インターバルIbの時間として1秒が設定されている。16R大当り遊技は、1〜16回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が設定されている。
【0032】
特図ZAに基づく16R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態及び変短状態が付与される。その一方で、特図ZDに基づく16R大当り遊技の終了後には、確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)とともに、予め定めた回数(本実施形態では100回)の特図変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数の特図変動ゲームが終了する前に大当りが生起される迄の間の変短状態が付与される。以下の説明では、特図ZAに対応する大当りを「16R確変大当りA」と示し、特図ZDに対応する大当りを「16R非確変大当りD」と示す。
【0033】
特図ZBが決定された場合に付与される16回開放8R大当り遊技は、ラウンド遊技の規定回数を8回に、1回のラウンド遊技の入球上限個数が9個に設定されている。また、16回開放8R大当り遊技は、OP時間として10秒が、ED時間として15秒が設定されている。図3(a)に示すように、16回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数が2回に設定されているとともに、大入賞口21が開放してから閉鎖する迄の1回の開放時間が何れも2.2秒に設定されている。また、16回開放8R大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口21が2回開放する場合、1回目の開放が終了すると予め定めたラウンド内インターバルIaの経過後に2回目の開放が開始される。本実施形態では、ラウンド内インターバルIaとして1秒が設定されている。
【0034】
また、16回開放8R大当り遊技では、1〜8回目の各ラウンド遊技が終了すると、予め定めたラウンド間インターバルIbの経過後に次回のラウンド遊技(又はエンディング演出)が開始される。本実施形態において、16回開放8R大当り遊技では、1〜3,5〜7回目のラウンド遊技の終了後におけるラウンド間インターバルIbとして1秒が設定されているとともに、4回目、及び8回目のラウンド遊技の終了後におけるラウンド間インターバルIbとして9秒が設定されている。すなわち、本実施形態の特別インターバルIsは、16回開放8R大当り遊技において、大入賞口21の8回目の開放後、及び16回目の開放後に設定される。以下の説明では、この9秒に設定されたラウンド間インターバルIbを特に特別インターバルIsと示す。
【0035】
このため、16回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技において、ラウンド終了条件のうち前記第1条件が大入賞口21の1回目の開放中に成立しないことを条件に、大入賞口21が最大で16回にわたって開放される。また、16回開放8R大当り遊技では、大入賞口21の2回分の開放時間と1回分のラウンド内インターバルIaを加算した時間5.4秒がラウンド規定時間となる。特図ZBに基づく16回開放8R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態及び変短状態が付与される。以下の説明では、特図ZBに対応する大当りを「16回開放8R確変大当りB」と示す。
【0036】
図2に示すように、特図ZCが決定された場合に付与される24回開放8R大当り遊技は、ラウンド遊技の規定回数を8回に、1回のラウンド遊技の入球上限個数が9個に設定されている。また、24回開放8R大当り遊技は、OP時間として10秒が、ED時間として15秒が設定されている。図3(b)に示すように、24回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数が3回に設定されているとともに、大入賞口21が開放してから閉鎖する迄の1回の開放時間が何れも2.2秒に設定されている。また、24回開放8R大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口21が3回開放する場合、1回目の開放が終了すると予め定めたラウンド内インターバルIaの経過後に2回目の開放が開始されるとともに、2回目の開放が終了すると予め定めたラウンド内インターバルIaの経過後に3回目の開放が開始される。
【0037】
本実施形態では、1,2,4,5,7,8回目のラウンド遊技における1回目、及び2回目のラウンド内インターバルIaとして1秒が設定されている。また、本実施形態では、3回目のラウンド遊技における1回目のラウンド内インターバルIa、及び6回目のラウンド遊技における2回目のラウンド内インターバルIaとして1秒が設定されている。また、本実施形態では、3回目のラウンド遊技における2回目のラウンド内インターバルIa、及び6回目のラウンド遊技における1回目のラウンド内インターバルIaとして、9秒が設定されている。すなわち、本実施形態の特別インターバルIsは、24回開放8R大当り遊技において、大入賞口21の8回目の開放後、及び16回目の開放後に設定される。したがって、本実施形態の各8R大当り遊技では、何れも大入賞口21の8回目、及び16回目の開放後に特別インターバルIsが設定される。以下の説明では、この9秒に設定されたラウンド内インターバルIaを特に特別インターバルIsと示す。
【0038】
また、24回開放8R大当り遊技では、1〜8回目の各ラウンド遊技が終了すると、予め定めたラウンド間インターバルIbの経過後に次回のラウンド遊技(又はエンディング演出)が開始される。本実施形態において、24回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技の終了後におけるラウンド間インターバルIbとして1秒が設定されている。
【0039】
このため、24回開放8R大当り遊技では、各ラウンド遊技において、ラウンド終了条件のうち前記第1条件が1,2回目の大入賞口21の開放中に成立しないことを条件に、大入賞口21が最大で24回にわたって開放される。なお、24回開放8R大当り遊技では、大入賞口21の3回分の開放時間と2回分のラウンド内インターバルIaを加算した時間がラウンド規定時間となる。具体的に説明すると、24回開放8R大当り遊技において、1,2,4,5,7,8回目の各ラウンド遊技におけるラウンド規定時間は、8.6秒となるとともに、3,6回目の各ラウンド遊技におけるラウンド規定時間は、16.6秒となる。特図ZCに基づく24回開放8R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態及び変短状態が付与される。以下の説明では、特図ZCに対応する大当りを「24回開放8R確変大当りC」と示す。
【0040】
以上のように、16回開放8R大当り遊技及び24回開放8R大当り遊技では、大入賞口21の1回目の開放が開始されてから16回目の開放が終了し、さらに2回目の特別インターバルIsが経過する迄の間、大入賞口21の開放態様が同一となる。したがって、本実施形態では、大当り遊技の開始から2回目の特別インターバルIsが経過する迄の間、大入賞口21の開放態様から16回開放8R大当り遊技及び24回開放8R大当り遊技の何れの大当り遊技が付与されているのかを認識し難い。
【0041】
このように、本実施形態では、特図ZA〜ZCに分類される特図が大当り遊技の終了後に確変状態が付与される特定図柄となる一方で、特図ZDに分類される特図が大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)非特定図柄となる。また、本実施形態では、1回の大当り遊技を通して獲得し得る賞球の多寡という観点から、大当りB<大当りC<大当りA,Bの順に有利な大当りとなる。一方、大当り遊技終了後に変短状態が付与されるか否かという観点からは、大当りD<大当りA〜Cの順に有利な大当りとなる。また、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かという観点からは、大当りD<大当りA〜Cの順に有利な大当りとなる。このように、本実施形態では、大当り遊技、変短状態、及び確変状態が遊技者に付与される特典として把握できる。
【0042】
また、図3(a),(b)に示すように、本実施形態の各8R大当り遊技では、各特別インターバルIsにおいて、継続して大入賞口21の開放が行われるか否かを報知する継続演出を実行可能に構成されている。本実施形態の継続演出には、図4(a)に示すように、大入賞口21の開放が継続されないことを報知する文字列(本実施形態では「残念」)を演出表示装置11に表示する態様で実行される継続失敗演出がある。また、本実施形態の継続演出には、図4(b)に示すように、大入賞口21の開放が継続されることを報知する文字列(本実施形態では「継続!」)を演出表示装置11に表示する態様で実行される継続成功演出がある。
【0043】
また、本実施形態では、大当り遊技中において、実行が保留されている特図変動ゲームの中に大当りとなる特図変動ゲームが含まれている可能性を示唆する示唆演出を実行可能に構成されている。図4(c)に示すように、本実施形態の示唆演出は、桜の花びらが落下する様子を模した画像を演出表示装置11に表示する態様で実行される。以下の説明では、示唆演出を「桜吹雪演出」と示す。本実施形態では、この桜吹雪演出が非特定遊技演出となり、桜吹雪演出により第2遊技演出が構成される。
【0044】
本実施形態では、大当り遊技中において、実行が保留されている特図変動ゲームの中に大当りとなる特図変動ゲームが含まれていること(所謂、保留内大当り)を報知する報知演出を実行可能に構成されている。図4(d)に示すように、本実施形態の報知演出は、所定のキャラクタ(本実施形態では侍)Caがバチを構えて太鼓を叩く様子を模した動画(画像)を演出表示装置11に表示する態様で実行される第1報知演出と、保留内大当りであることを報知する文字列(本実施形態では「連続大当り!」)を模した画像を演出表示装置11に表示する態様で実行される第2報知演出とから構成される。以下の説明では、報知演出を「キャラクタ演出」と示し、第1,第2報知演出をそれぞれ第1,第2キャラクタ演出と示す。
【0045】
また、図4(f)に示すように、本実施形態では、実行が保留されている大当りの特図変動ゲームの中に大当りAとなる特図変動ゲームが含まれていることを報知するための特殊演出を実行可能に構成されている。図4(f),(g)に示すように、本実施形態の特殊演出は、可動体演出(桜回転演出、又は星落下演出)の実行時に、各可動体演出を実行する可動体KA,KBが恰も虹色に発光する様子を模したエフェクト画像Geを演出表示装置11に表示する態様で実行される。以下の説明では、特殊演出を伴う可動体演出を、それぞれ「エフェクトありの桜回転演出」、及び「エフェクトありの星落下演出」と示す場合がある。本実施形態では、キャラクタ演出、及び特別演出(桜回転演出、及び星落下演出)が特定遊技演出となり、桜吹雪演出、キャラクタ演出、及び特別演出から第1遊技演出が構成される。また、本実施形態では、演出表示装置11、及び各可動体KA,KBが遊技演出実行手段として機能する。
【0046】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図5にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0047】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示装置12、特図保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0048】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数(以下「特図振分用乱数」と示す)などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特図の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数であり、0〜99の全100通りの整数値に定められている。本実施形態のパチンコ遊技機では、前述した全100種類の特図の大当り図柄に対して100通りの特図振分用乱数の値が1個ずつ各別に対応付けられている。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0049】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、及び各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態において大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態において大当り抽選に当選する確率は600分の20となる。
【0050】
本実施形態の非確変用判定値は、「17、125」の2個に設定されている。一方、本実施形態の確変用判定値は、上記「17、125」の2個の値に、「37、83、185…(以下省略)」などの18個の値を加えた合計20個に設定されている。そして、非確変用判定値と確変用判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、125」)が共通値とされている。この共通値(「17、125」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変用判定値において、前記共通値(「17、125」)を除く、他の値(18個)は、非確変用判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数の値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
【0051】
また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定値として2個の値が設定されており、このような設定によればリーチ判定で肯定判定される確率は241分の2となる。
【0052】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特図変動ゲームが開始してから特図変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、特図変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、はずれ変動用の変動パターンに分類できる。
【0053】
大当り変動は、リーチ演出を経て、特図変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動は、リーチ演出を経て、特図変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、リーチ演出を経ないで、特図変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、例えば所定のキャラクタを登場させるなどして行われる演出である。なお、特図表示装置12では、特図変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
【0054】
次に、演出制御基板31について説明する。
図5に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。
【0055】
演出制御用CPU31aは、演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、演出振分用乱数は、大当り遊技中に実行させる遊技演出の実行可否などを決定する際に用いられる乱数である。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)や、各可動体KA,KBの動作パターンを定めた可動体演出用データが記憶されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の判定値が記憶されている。
【0056】
演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが接続されており、演出用ボタンBTが操作(押下)される毎に出力する操作信号を入力する。また、演出制御用CPU31aには、桜型可動体KA、及び星型可動体KBが接続されている。
【0057】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理(以下「特図入力処理」と示す)や特別図柄開始処理(以下「特図開始処理」と示す)などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特図入力処理や特図開始処理などの各種処理を実行する。なお、特図開始処理は、特図入力処理の終了後に実行される。
【0058】
最初に、特図入力処理について図6にしたがって説明する。
まず、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1、又は第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づき、上始動入賞口17、又は下始動入賞口18に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。一方、ステップSA1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。
【0059】
一方、ステップSA2の判定結果が肯定(保留記憶数が4未満)である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する(ステップSA3)。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口17,18で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。したがって、本実施形態では、主制御用RAM30cを保留記憶手段として把握できる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特図振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSA4)。
【0060】
続けて、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値と、前述した大当り判定値のうち共通値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する(ステップSA5)。すなわち、ステップSA5において、主制御用CPU30aは、今回の制御周期における特図入力処理で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく特図変動ゲームが、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであっても大当りとなるか否か(大当りの始動保留球であるか否か)を判定している。
【0061】
ステップSA5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数、及びステップSA4で大当り判定用乱数の値と共に取得した特図振分用乱数の値から特定される大当り図柄(特図)を確認し、先読みコマンドを生成するとともに、出力バッファに設定する(ステップSA6)。
【0062】
具体的に説明すると、図7に示すように、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数の値から特定される大当り図柄(特図)が、特図ZA(大当りA)である場合には上位コマンドとして[E1H]を設定するとともに、特図ZB(大当りB)である場合には上位コマンドとして[E2H]を設定する。同様に、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数の値から特定される大当り図柄(特図)が、特図ZC(大当りC)である場合には上位コマンドとして[E3H]を設定するとともに、特図ZD(大当りD)である場合には上位コマンドとして[E4H]を設定する。
【0063】
また、主制御用CPU30aは、確認した保留記憶数を示す値を先読みコマンドの下位バイトに設定する。具体的に言えば、保留記憶数=1の場合には[01H]を、保留記憶数=2の場合には[02H]を、保留記憶数=3の場合には[03H]を、保留記憶数=4の場合には[04H]を下位バイトとして設定する。したがって、先読みコマンド[E1xxH]〜[E4xxH]は、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態か否かを問わずに大当り変動となること、大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数、及び付与される大当りの種類(特図の種類)を特定可能な制御コマンドとなる。なお、ステップSA6の処理で主制御用CPU30aが確認する保留記憶数は、今回の制御周期における特図入力処理のステップSA3で1加算された更新後の保留記憶数である。図6に示すように、その後、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。
【0064】
また、ステップSA5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド[E6xxH]を出力バッファに設定する(ステップSA7)。したがって、図7に示すように、先読みコマンド[E6xxH]は、原則としてはずれとなる(大当りとならない)こと、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。なお、先読みコマンド[E6xxH]は、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態である場合に大当りとなる可能性もあることを示す制御コマンドとなる。図6に示すように、その後、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。なお、出力バッファに設定された先読みコマンドは、次回以降の制御周期で実行されるコマンド出力処理において、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に順次、出力される。
【0065】
次に、特図開始処理について説明する。
特図開始処理において、主制御用CPU30aは、最初に特図変動ゲームの実行条件が成立しているか否かの実行条件判定を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中の場合、実行条件判定で否定判定する。実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0066】
一方、実行条件判定の判定結果が肯定(特図変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かの記憶数判定を実行する。この記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数が0)、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。一方、記憶数判定の判定結果が肯定(保留記憶数が1以上)の場合、主制御用CPU30aは、保留中の特図変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置13の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数)の値を読み出す。
【0067】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)を実行する。本実施形態では、この大当り判定が当り判定となり、大当り判定を実行する主制御用CPU30aが当り判定手段として機能する。このとき、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態の場合、非確変用判定値を用いて大当り判定を行う一方で、現在の遊技状態が確変状態の場合、確変用判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握する。
【0068】
上記大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる特図変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図表示装置12に確定停止表示させる特図(大当り図柄)を決定する。また、主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態では、大当り判定で肯定判定した場合に大当り図柄(特図)を決定する主制御用CPU30aが、当り種決定手段として機能する。その後、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0069】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0070】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特図表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図開始処理を終了する。
【0071】
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、特図開始処理とは別の処理において、特図開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに演出表示装置11の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを特図変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、変動パターン指定コマンドの出力とともに、特図表示装置12で特図の変動を開始させるとともに、全図柄停止コマンドの出力とともに特図を確定停止表示させる。
【0072】
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU30aが実行する処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当り変動の特図変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技を終了させる毎にラウンド終了コマンドを出力する。なお、ラウンド開始コマンド、及びラウンド終了コマンドでは、対応するラウンド遊技の回数が特定される。
【0073】
また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉20を開動作させて大入賞口21を開放させるとともに、ラウンド終了条件の成立を契機に大入賞口扉20を閉動作させて大入賞口21を閉鎖させる。このとき、主制御用CPU30aは、大当り遊技の種類毎に設定されたラウンド遊技中の大入賞口21の開放態様に応じて、大入賞口21を開放及び閉鎖させる。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって当り遊技を終了させる。したがって、本実施形態では、主制御用CPU30aが当り遊技付与手段として機能する。
【0074】
次に、主制御用CPU30aが実行する遊技状態処理を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。なお、確変フラグは、主制御用RAM30cに記憶される。
【0075】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。なお、作動フラグは、主制御用RAM30cに記憶される。また、主制御用CPU30aは、特図ZD(大当りD)に基づく大当り遊技終了後、変短状態が付与される残りの特図変動ゲームの回数を示す作動回数として「100回」を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、各大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、非確変状態で、かつ非変短状態となる。したがって、本実施形態では、主制御用CPU30aが遊技演出制御手段として機能する。
【0076】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
最初に、演出制御用CPU31aが主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを入力したことを契機に実行する先読みコマンド記憶処理について説明する。
【0077】
演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンド(制御コマンドの値)を、該コマンドで指定された保留記憶数に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶(設定)させる。以下、具体的に説明する。本実施形態の演出制御用RAM31cには、保留記憶数「1」〜「4」にそれぞれ対応付けた4つの記憶領域が設定されている。また、演出制御用RAM31cには、実行中の特図変動ゲームに対応付けられた記憶領域が設定されている。以下の説明では、実行中の特図変動ゲームに対応付けた記憶領域を保留記憶数「0」に対応する記憶領域と示す場合がある。例えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド[E303H]を入力すると、その先読みコマンド[E303H]を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「3」に対応付けた記憶領域に記憶させる。同様に、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド[E601H]を入力すると、その先読みコマンド[E601H]を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」に対応付けた記憶領域に記憶させる。
【0078】
次に、図柄変動ゲームの開始を指示される(変動パターン指定コマンドを入力する)毎に演出制御用CPU31aが実行する更新記憶処理(シフト処理)について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力する毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて先読みコマンドを演出制御用RAM31cに記憶する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力すると、保留記憶数「n(n=1〜4)」に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドを、保留記憶数「n−1(0〜3)」に対応付けた記憶領域に記憶させる。この際、保留記憶数「0」に対応付けた記憶領域に記憶されている先読みコマンドは、更新記憶処理の実行に伴って保留記憶数「1」に記憶されていた先読みコマンドに上書きされる(すなわち消去される)。また同時に、保留記憶数「4」に対応付けた記憶領域に記憶されている先読みコマンドは、更新記憶処理の実行に伴って始動保留球が存在しないことを示す制御情報に上書きされる(すなわち消去される)。このような構成によれば、始動入賞口17,18で入球検知されたことを契機として主制御用RAM30cに記憶された始動保留球に対応する先読みコマンドは、該対応する始動保留球に基づく特図変動ゲームが終了する迄の間、演出制御用RAM31cに記憶保持されることになる。
【0079】
次に、変動パターン指定コマンドを入力した際に、演出制御用CPU31aが図柄変動ゲームを実行させるために行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する変動内容(演出内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、特図として特図ZA〜ZCが指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りを認識できる大当り図柄(例えば「777」など)を生成する。演出制御用CPU31aは、特図として特図ZDが指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として非確変大当りを認識できる大当り図柄(例えば「222」など)を生成する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄(例えば「625」など)を生成する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定されている場合、図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を生成する。
【0080】
そして、演出制御用CPU31aは、飾り図柄の変動表示を開始させて図柄変動ゲームを開始させるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、入力した変動パターンに示される変動時間の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄を一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機として確定停止表示させる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機では、特図変動ゲームの変動内容、及び確定停止表示される飾り図柄から、大当りA〜Cの何れに当選しているのかを認識し難い。
【0081】
次に、演出制御用CPU31aが大当り遊技中に行う各種の制御内容について説明する。
最初に、演出制御用CPU31aが各8R大当り遊技において、大入賞口21の開放回数、及び大入賞口21の閉鎖回数を計数する処理について説明する。
【0082】
演出制御用CPU31aは、ラウンド開始コマンドを入力する毎に、そのラウンド指定コマンドで指定されたラウンド遊技の回数から−1(1減算)した値に、今回の8R大当り遊技における規定開放回数を乗じた値を大入賞口21の開放回数として演出制御用RAM31cに記憶させる。前述のように、各ラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数は、16回開放8R大当り遊技では2回であり、24回開放8R大当り遊技では、3回である。例えば、演出制御用CPU31aは、24回開放8R大当り遊技において、4回目のラウンド遊技を指定するラウンド指定コマンドを入力した場合、前記開放回数として9回を設定する。なお、演出制御用CPU31aは、ラウンド開始コマンドを入力すると、その時点において開放回数に設定されている回数にかかわらず、ラウンド開始コマンドから算出した開放回数に書き換える(リセットする)。したがって、本実施形態では、例えば、直前のラウンド遊技において、大入賞口21の1回目の開放中に第1条件(ラウンド終了条件)が成立したことに伴って、規定開放回数だけ大入賞口21が開放されなかった場合であっても、各回数のラウンド遊技に対応する大入賞口21の開放回数に補正される。
【0083】
続けて、演出制御用CPU31aは、前記開放回数に+1(1加算)して更新するとともに、大入賞口21の開放タイマに2.2秒を設定する。演出制御用CPU31aは、所定の制御周期毎に開放タイマの値を減算するとともに、減算の結果、この開放タイマの値が0(零)になると、大入賞口21の閉鎖回数に+1(1加算)して更新する。この閉鎖回数は、演出制御用RAM31cに記憶(設定)される。閉鎖回数を更新すると、演出制御用CPU31aは、ラウンド開始コマンドで指定されたラウンド遊技に定められたラウンド内インターバルIaの時間(1秒)又は特別インターバルIsの時間(9秒)を閉鎖タイマに設定する。演出制御用CPU31aは、所定の制御周期毎に閉鎖タイマの値を減算するとともに、減算の結果、この閉鎖タイマの値が0(零)になると、大入賞口21の開放回数に+1(1加算)して更新する。以降、演出制御用CPU31aは、各8R大当り遊技の各ラウンド遊技に定められた大入賞口21の開放回数分だけ開放タイマを設定するとともに、各インターバルIa,Ib,Is分だけインターバル時間を閉鎖タイマに設定し、大入賞口21の開放回数、及び閉鎖回数を計数する。
【0084】
そして、演出制御用CPU31aは、ラウンド終了コマンドを入力する毎に、そのラウンド終了コマンドで特定されるラウンド遊技の回数に、今回の8R大当り遊技における規定開放回数を乗じた値を大入賞口21の閉鎖回数として演出制御用RAM31cに記憶させる。なお、演出制御用CPU31aは、ラウンド終了コマンドを入力すると、その時点において閉鎖回数に設定されている回数にかかわらず、ラウンド終了コマンドから算出した閉鎖回数に書き換える(リセットする)。したがって、本実施形態では、例えば、今回のラウンド遊技において、大入賞口21の開放中に第1条件(ラウンド終了条件)が成立したことに伴って、規定開放回数だけ大入賞口21が開放されない場合であっても、ラウンド遊技に対応する大入賞口21の閉鎖回数に補正される。
【0085】
次に、大当り遊技中の遊技演出を実行させるために演出制御用CPU31aが行う制御内容について説明する。
最初に、16R大当り遊技について説明する。
【0086】
演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、16R大当り遊技におけるオープニング演出の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技用の各ラウンド開始コマンドを入力すると、それぞれ対応するラウンド演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大当り遊技中にオープニング演出、及びラウンド演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、16R大当り遊技におけるエンディング演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大当り遊技中にエンディング演出を実行させる。
【0087】
次に、16回開放8R大当り遊技について説明する。
演出制御用CPU31aは、16回開放8R大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、16回開放8R大当り遊技におけるオープニング演出の画像表示用データを選択し、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御して大当り遊技中にオープニング演出を実行させる。
【0088】
また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の開放回数が1回に達すると(1回目のラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを入力すると)、特殊ラウンド演出の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、大入賞口21の開放回数が9回に達すると(5回目のラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを入力すると)、特殊ラウンド演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の1回目の開放が開始されてから8回目の開放が終了される迄の間、及び大入賞口21の9回目の開放が開始されてから16回目の開放が終了される迄の間、特殊ラウンド演出を実行させる。
【0089】
また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の閉鎖回数が8回に達すると(4回目のラウンド遊技の終了を示すラウンド終了コマンドを入力すると)、継続成功演出の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、大入賞口21の閉鎖回数が16回に達すると(8回目のラウンド遊技の終了を示すラウンド終了コマンドを入力すると)、継続失敗演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、各特別インターバルIsにおいて継続演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、16回開放8R大当り遊技におけるエンディング演出の画像表示用データを選択するとともに、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御して大当り遊技中にエンディング演出を実行させる。
【0090】
次に、24回開放8R大当り遊技について説明する。
演出制御用CPU31aは、24回開放8R大当り遊技用のオープニングコマンドを入力すると、24回開放8R大当り遊技におけるオープニング演出の画像表示用データを選択する。なお、24回開放8R大当り遊技で選択されるオープニング演出の画像表示用データは、16回開放8R大当り遊技で選択されるオープニング演出の画像表示用データと同一の演出内容を特定するデータとされている。演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大当り遊技中にオープニング演出を実行させる。
【0091】
演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の開放回数が1回に達すると(1回目のラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを入力すると)、特殊ラウンド演出用の画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の開放回数が9,17回の何れかに達すると、特殊ラウンド演出用の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の1回目の開放が開始されてから8回目の開放が終了される迄の間、及び9回目の開放が開始されてから16回目の開放が終了される迄の間、特殊ラウンド演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の17回目の開放が開始されてから、24回目の開放後のラウンド間インターバルIbが終了する迄の間、特殊ラウンド演出を実行させる。
【0092】
また、演出制御用CPU31aは、計数した大入賞口21の閉鎖回数が8,16回の何れかに達すると、継続成功演出の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、各特別インターバルIsにおいて継続成功演出を実行させる。
【0093】
また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、24回開放8R大当り遊技におけるエンディング演出の画像表示用データを選択するとともに、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御して大当り遊技中にエンディング演出を実行させる。なお、24回開放8R大当り遊技で選択されるエンディング演出の画像表示用データは、16回開放8R大当り遊技で選択されるエンディング演出の画像表示用データと同一の演出内容を特定するデータとされている。
【0094】
したがって、本実施形態では、大当りB,Cに当選した場合、特図変動ゲームの開始から大当り遊技において、原則として16回の大入賞口21の開放が終了する迄の間、演出表示装置11における表示演出、及び大入賞口21の開放態様が同一となる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、特図変動ゲームの開始から大当り遊技において、原則として16回の大入賞口21の開放が終了する迄の間、大当りB,Cの何れに当選したのかを判別し難い。
【0095】
そして、本実施形態の各8R大当り遊技では、2回目の特別インターバルIsにおいて実行される継続演出の種類によって、大当り遊技が継続するか否か(大入賞口21の開放が行われるか否か)を遊技者が認識できる。すなわち、特別インターバルIsにおいて継続成功演出が実行された場合には、大当り遊技が継続することを認識できる一方で、特別インターバルIsにおいて継続失敗演出が実行された場合には、大当り遊技が継続しないことを認識できる。
【0096】
次に、演出制御用CPU31aが前述の桜吹雪演出、及びキャラクタ演出(第1,第2キャラクタ演出)を実行させるために実行する制御について説明する。
最初に、大当りA,Dの何れかに基づく16R大当り遊技の場合について説明する。
【0097】
演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)からラウンド開始コマンド、又はエンディングコマンドを入力する毎に第1大当り演出処理を実行する。
第1大当り演出処理において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に、確変大当りとなることを示す先読みコマンド[E1xxH]〜[E3xxH]の何れかが記憶されているか否かを判定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、今回のラウンド遊技又はエンディング演出の開始時点において、保留中の特図変動ゲームに確変大当りとなる特図変動ゲームが含まれているか否かの当り事前判定を実行する。以下の説明では、保留中の特図変動ゲームに大当りの特図変動ゲームが含まれることを単に「保留内大当り」と示す場合がある。演出制御用CPU31aは、前記当り事前判定の結果が肯定の場合、図8(a)に示す第1演出振分用テーブルTAを選択する一方で、前記当り事前判定の結果が否定である場合、図8(b)に示す第2演出振分用テーブルTBを選択する。
【0098】
そして、演出制御用CPU31aは、選択した演出振分用テーブルを参照し、演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値と、ラウンド開始コマンドで指定されたラウンド遊技の回数又はエンディングコマンドと、をもとに桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の実行可否を決定する。なお、第1演出振分用テーブルTA、及び第2演出振分用テーブルTBは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0099】
図8(a),(b)に示すように、各演出振分用テーブルTA,TBには、各ラウンド遊技又はエンディング演出に区分して、演出パターンEP1〜EP3が対応付けられている。演出パターンEP1では、桜吹雪演出及びキャラクタ演出の非実行が特定されている。演出パターンEP2では、桜吹雪演出の実行、及びキャラクタ演出の非実行が特定されている。また、演出パターンEP3では、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の実行が特定されている。そして、各演出振分用テーブルTA,TBでは、ラウンド遊技又はエンディング演出毎に区分して、各演出パターンEP1〜EP3に対し、演出振分用乱数の値がこの演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜250の全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。このような各演出振分用テーブルTA,TBによれば、ラウンド開始コマンドで指定されたラウンド遊技、又はエンディングコマンドに応じて、演出パターンEP1〜EP3の何れかが決定される。例えば、第1演出振分用テーブルTAが選択された場合であって、ラウンド開始コマンドで2回目のラウンド遊技(2R)が指定された場合、251分の222の確率で演出パターンEP1が決定され、251分の20の確率で演出パターンEP2が決定され、251分の9の確率で演出パターンEP3が決定され得る。
【0100】
各演出振分用テーブルTA,TBにおける演出振分用乱数の値の振分態様によれば、1,12〜14回目のラウンド遊技において演出パターンEP2,EP3が決定され得ない。したがって、本実施形態の桜吹雪演出、及びキャラクタ演出は、1,12〜14回目のラウンド遊技において出現し得ない。
【0101】
また、演出パターンEP3(桜吹雪演出+キャラクタ演出)は、第1演出振分用テーブルTAが選択された場合に決定され得る一方で、第2演出振分用テーブルTBが選択された場合に決定され得ない。したがって、本実施形態においてキャラクタ演出は、保留内大当りとなることを確定的に認識可能な保留内大当り確定の遊技演出として位置付けられる。さらに、本実施形態では、大当りA,Dの何れかに基づく16R大当り遊技中であって、保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cとなる特図変動ゲームが含まれることを条件に、演出パターンEP3が選択され得る。すなわち、本実施形態では、保留中の特図変動ゲームに含まれる大当りの種類を事前に判定し、大当りA〜Cが含まれる場合にキャラクタ演出を実行可能とする一方で、含まれない場合にキャラクタ演出を実行しない。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、保留内に確変大当りが存在することを確定的に認識可能な遊技演出としても位置付けられる。また、演出パターンEP3が決定される確率は、エンディング演出に近いラウンド遊技になるほど高く、エンディングコマンドの入力時に最も高くなる。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、エンディング演出に近くなるほど出現し易い遊技演出となる。
【0102】
また、演出パターンEP2(単体の桜吹雪演出)は、各演出振分用テーブルTA,TBの何れが選択された場合にも決定可能であり、且つ第2演出振分用テーブルTBが選択された場合よりも、第1演出振分用テーブルTAが選択された場合のほうが決定され易い。したがって、本実施形態において、単体の桜吹雪演出は、保留内大当りが存在する場合、及び保留内大当りが存在しない場合の何れでも出現し得る遊技演出となる。さらに、本実施形態において単体の桜吹雪演出は、保留内大当りが存在する場合、保留内大当りが存在しない場合と比較して出現し易い遊技演出となる。すなわち、本実施形態において、保留内大当りが存在する場合には、保留内大当りが存在しない場合と比較して、単体の桜吹雪演出が実行されるラウンド遊技が多くなり易いことに伴って、桜吹雪演出が実行される演出時間が長くなり易くなる。このように、演出制御用CPU31aは、保留内大当りが存在するか否かに応じた回数分のラウンド遊技毎に桜吹雪演出を実行させるといえる。本実施形態では、1回の桜吹雪演出の実行に要する演出時間が第1演出時間となり、2回以上の桜吹雪演出の時間に要する演出時間が第2演出時間として把握できる。また、本実施形態では、1回が第1回数となり、2回以上が第2回数となる。
【0103】
演出パターンEP1を決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行を決定する。また、第1演出振分用テーブルTAを参照して演出パターンEP2(単体の桜吹雪演出)を決定した場合、演出制御用CPU31aは、今回の大当り遊技における桜吹雪演出の実行を決定する。一方、第2演出振分用テーブルTBを参照して演出パターンEP2を決定した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている桜吹雪演出の実行回数が4回に達しているか否かを判定する。桜吹雪演出の実行回数が4回に達している場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出の非実行を決定(実行をキャンセル)して演出パターンEP1に書き換える一方で、4回に達していない場合(4回未満の場合)、桜吹雪演出の実行を決定するとともに前記実行回数に1加算する。すなわち、本実施形態の桜吹雪演出は、保留内大当りが存在する場合に5回以上の実行が許容される一方で、保留内大当りが存在しない場合に5回以上の実行が規制される。したがって、本実施形態において桜吹雪演出が5回以上、実行された状況から、保留内大当りが存在することを確定的に認識できる。その後、演出制御用CPU31aは、第1大当り演出処理を終了する。
【0104】
また、演出パターンEP3を決定した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶される実行済みフラグの値が「01H」であるか否かを判定する。実行済みフラグに「01H」が設定されていない場合(「00H」の場合)、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出及びキャラクタ演出の実行を決定するとともに実行済みフラグに「01H」を設定する一方で、「01H」が設定されている場合、桜吹雪演出を伴うキャラクタ演出の非実行を決定(実行をキャンセル)して演出パターンEP1に書き換える。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、1回の大当り遊技を通して1回だけ実行されることになる。その後、演出制御用CPU31aは、第1大当り演出処理を終了する。なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技(エンディング演出)の終了時、実行済みフラグに「00H」を設定するとともに、桜吹雪演出の実行回数として「0回」を設定し、それぞれクリア(リセット)する。
【0105】
次に、16回開放8R大当り遊技、及び24回開放8R大当り遊技の場合について説明する。
演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドの入力時、又は大入賞口21の開放開始毎に、第2大当り演出処理を実行する。第2大当り演出処理において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に、確変大当りとなることを示す先読みコマンド[E1xxH]〜[E3xxH]の何れかが記憶されているか否かの当り事前判定を実行する。演出制御用CPU31aは、前記当り事前判定の結果が否定の場合(保留内大当りが存在しない場合)、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行を一義的に決定して第2大当り演出処理を終了する。
【0106】
一方、前記当り事前判定の結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、今回の大当り遊技が16回開放8R大当り遊技であるときに図9(a)に示す第3演出振分用テーブルTCを選択する一方で、24回開放8R大当り遊技であるときに図9(b)に示す第4演出振分用テーブルTDを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値と、計数した大入賞口21の開放回数又はエンディングコマンドと、をもとに、選択した演出振分用テーブルを参照して桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の実行可否を決定する。なお、各演出振分用テーブルTC,TDは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0107】
図9(a),(b)に示すように、各演出振分用テーブルTC,TDには、大入賞口21の開放回数、又はエンディングコマンドに区分して、演出パターンEP1a,EP2aが対応付けられている。演出パターンEP1aでは、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行が特定されている。演出パターンEP2aでは、桜吹雪演出の非実行、及びキャラクタ演出の実行が特定されている。そして、各演出振分用テーブルTC,TDでは、大入賞口21の開放回数、又はエンディングコマンドに区分して、各演出パターンEP1a,EP2aに対し、演出振分用乱数の値がこの演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜250の全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。このような各演出振分用テーブルTC,TDによれば、大入賞口21の開放回数が何回目であるか、又はエンディング演出であるかに応じて、演出パターンEP1a,EP2aの何れかが決定される。例えば、第3演出振分用テーブルTCが選択されている場合であって、大入賞口21の6回目の開放開始時には、251分の191の確率で演出パターンEP1aが決定され、251分の60の確率で演出パターンEP2aが決定され得る。
【0108】
各演出振分用テーブルTC,TDには、単体の桜吹雪演出の実行を示す演出パターンEP2が対応付けられていない。したがって、各8R大当り遊技では、桜吹雪演出が出現し得ない。すなわち、本実施形態において、大当りA,Dに基づく16R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出の実行が許容される一方で、大当りB,Cに基づく8R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出の実行が規制される。
【0109】
また、第3演出振分用テーブルTCにおいて、大入賞口21の1〜3,7〜9,15,16回目の開放開始時では、演出パターンEP1aが選択され得る一方で、演出パターンEP2aが選択され得ない。同様に、第4演出振分用テーブルTDにおいて、大入賞口21の1〜3,7〜9,15〜17,23,24回目の開放開始時では、演出パターンEP1aが選択され得る一方で、演出パターンEP2aが選択され得ない。したがって、16回開放8R大当り遊技において、単体のキャラクタ演出は、4〜6,10〜14回目の大入賞口21の開放開始時にのみ出現し得る。同様に、24回開放8R大当り遊技において、単体のキャラクタ演出は、4〜6,10〜14,18〜22回目の大入賞口21の開放開始時にのみ出現し得る。また、各演出振分用テーブルTC,TDによれば、演出パターンEP2aが決定される確率は、エンディング演出に近い開放開始時になるほど高く、エンディングコマンドの入力時に最も高くなる。したがって、本実施形態の8R大当り遊技において、単体のキャラクタ演出は、エンディング演出に近くなるほど出現し易い遊技演出となる。
【0110】
そして、演出パターンEP1aを決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出の非実行を決定する。また、演出制御用CPU31aは、演出パターンEP2aを決定した場合であって、実行済みフラグの値が「00H」のときにはキャラクタ演出の実行を決定するとともに実行済みフラグに「01H」を設定する一方で、「01H」が設定されているときにはキャラクタ演出の非実行を決定(実行をキャンセル)して演出パターンEP1aに書き換える。したがって、本実施形態のキャラクタ演出は、1回の8R大当り遊技を通して1回だけ実行されることになる。その後、演出制御用CPU31aは、第2大当り演出処理を終了する。このように、各8R大当り遊技では、保留内大当りが存在することを条件に演出パターンEP2aが選択され得るため、キャラクタ演出は、16R大当り遊技と同様に保留内大当りとなることを確定的に認識可能な保留内大当り確定の遊技演出として位置付けられる。
【0111】
そして、第1大当り演出処理により単体の桜吹雪演出(演出パターンEP2)の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出の画像表示用データを選択する。また、第1大当り演出処理により、桜吹雪演出、及びキャラクタ演出(演出パターンEP3)の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出の画像表示用データ、及びキャラクタ演出の画像表示用データを選択する。また、第2大当り演出処理により単体のキャラクタ演出(演出パターンEP2a)の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、キャラクタ演出の画像表示用データを選択する。
【0112】
そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、大入賞口21の開放(ラウンド遊技)、又はエンディング演出の開始とともに各遊技演出(第1キャラクタ演出、及び第2キャラクタ演出)を実行させる。以下、具体的に説明する。
【0113】
図10(c)に示すように、演出パターンEP2,EP3を決定した場合、演出制御用CPU31aは、大入賞口21の開放、又はエンディング演出の開始から期間T1(本実施形態では3秒)にかけて桜吹雪演出が表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出パターンEP3を決定した場合、演出制御用CPU31aは、期間T1が経過すると期間T2(本実施形態では2秒)にかけて第1キャラクタ演出が表示されるように演出表示装置11を制御する。より具体的には、演出制御用CPU31aは、期間T1が経過してから期間T2a(本実施形態では0.8秒)にかけてキャラクタCaがバチを構える様子が表示され、続けて期間T2b(本実施形態では0.2秒)にかけてキャラクタCaが太鼓をたたく様子が表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、期間T2bが経過してから期間T2c(本実施形態では0.8秒)にかけてキャラクタCaがバチを構える様子が表示され、続けて期間T2d(本実施形態では0.2秒)にかけてキャラクタCaが太鼓をたたく様子が表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0114】
その後、演出制御用CPU31aは、期間T3(本実施形態では2秒)にかけて第2キャラクタ演出が表示されるように演出表示装置11を制御する。したがって、桜吹雪演出が開始されてからキャラクタ演出が終了する迄の演出時間は、期間T1+期間T2+期間T3=7秒となる。また、演出パターンEP2aを決定した場合、演出制御用CPU31aは、桜吹雪演出を表示させることなく、大入賞口21の開放、又はエンディング演出の開始から期間T2,T3にかけてキャラクタ演出(第1キャラクタ演出、及び第2キャラクタ演出)が表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0115】
また、演出制御用CPU31aは、演出パターンEP3,EP2aの何れかを決定した場合、キャラクタ演出の実行に伴って、特別演出(桜回転演出、及び星落下演出)、及び星振動演出を実行させるための特別演出処理を実行する。以下、詳細に説明する。
【0116】
図10(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、第1キャラクタ演出を開始させると、第1キャラクタ演出の開始に伴って(同時に)、期間T2(本実施形態では2秒)にかけて操作有効期間を設定する。また、図10(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、操作有効期間の設定とともに(同時に)、期間T2aにかけて第1無効期間を設定する。演出制御用CPU31aは、第1無効タイマに0.8秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第1無効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第1無効期間中であるか否かを判定する。第1無効期間中において、演出用ボタンBTから操作信号を入力した場合、演出制御用CPU31aは、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第1無効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。
【0117】
一方、演出制御用CPU31aは、第1無効期間中において演出用ボタンBTから操作信号を入力せず、且つ前記第1無効タイマの値が0(零)となったことに伴って第1無効期間が終了した場合、続けて第1有効期間を期間T2bにかけて設定する。演出制御用CPU31aは、第1有効タイマに0.2秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第1有効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第1有効期間中であるか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、第1有効期間中において、1回目の操作信号を入力した場合、その時点から0.3秒にかけて星振動演出が実行されるように星型可動体KBを制御する。また、演出制御用CPU31aは、第1有効期間中において、演出用ボタンBTから2回目の操作信号を入力した場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第1有効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。
【0118】
また、演出制御用CPU31aは、前記第1有効タイマの値が0(零)となったことに伴って第1有効期間が終了する迄の間において、演出用ボタンBTから操作信号を入力しなかった場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間を終了し、特別演出処理を終了する。一方、演出制御用CPU31aは、第1有効期間中において、演出用ボタンBTから操作信号を1回だけ入力した場合であって、第1有効期間が終了した場合、続けて第2無効期間を期間T2cにかけて設定する。演出制御用CPU31aは、第2無効タイマに0.8秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第2無効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第2無効期間中であるか否かを判定する。
【0119】
第2無効期間中に演出用ボタンBTから操作信号を入力した場合、演出制御用CPU31aは、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第2無効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。一方、演出制御用CPU31aは、第2無効期間中に演出用ボタンBTから操作信号を入力せず、且つ前記第2無効タイマの値が0(零)となったことに伴って第2無効期間が終了した場合、続けて第2有効期間を期間T2dにかけて設定する。演出制御用CPU31aは、第2有効タイマに0.2秒をセットするとともに制御周期ごとに減算し、減算の結果、前記第2有効タイマの値が0(零)となったか否かに基づき第2有効期間中であるか否かを判定する。
【0120】
演出制御用CPU31aは、第2有効期間中において、1回目の操作信号を入力した場合、その時点から0.3秒にかけて星振動演出が実行されるように星型可動体KBを制御する。また、演出制御用CPU31aは、第2有効期間中において、演出用ボタンBTから2回目の操作信号を入力した場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間(第2有効期間)を終了し、特別演出処理を終了する。また、演出制御用CPU31aは、前記第2有効タイマの値が0(零)となったことに伴って第2有効期間が終了する迄の間において、演出用ボタンBTから操作信号を入力しなかった場合、特別演出の非実行を決定するとともに操作有効期間を終了し、特別演出処理を終了する。
【0121】
そして、演出制御用CPU31aは、第2有効期間中において、演出用ボタンBTから操作信号を1回だけ入力した場合であって、第2有効期間が終了した場合、特別演出を実行するための特別演出実行条件が成立したと判定する。すなわち、本実施形態の演出制御用CPU31aは、操作有効期間に設定された第1期間(禁止期間)、及び第2期間(有効期間)のうち、第2期間のみにおいて予め定めた規定回数だけ演出用ボタンBTが操作されたか否かを判定している。本実施形態では、第1,第2有効期間が特定期間となる。なお、演出制御用CPU31aは、期間T2にかけて設定した操作有効期間中、演出用ボタンBTに内蔵された発光体を非点灯とし、操作有効期間が設定されていることを非報知とする。したがって、本実施形態における特別演出は、演出用ボタンBTの操作有効期間が設定されていることを非報知とした(秘匿した)まま行う、いわゆる隠しボタン演出となる。
【0122】
その一方で、第1,第2有効期間は、演出表示装置11において第1キャラクタ演出のうち太鼓を叩く様子が表示される期間T2b,T2dと一致されている。すなわち、演出表示装置11における第1キャラクタ演出のうち、太鼓を叩く様子の表示は、第1有効期間、及び第2有効期間の設定期間を遊技者に示唆(報知)する遊技演出と把握することもできる。したがって、本実施形態において、遊技者は、演出表示装置11に表示されたキャラクタCaが太鼓を叩くタイミングに合わせて演出用ボタンBTを押下することで、前記特別演出実行条件を成立させ易くなる。本実施形態の演出表示装置11は、第1有効期間、及び第2有効期間の設定期間(タイミング)を遊技者に示唆する示唆手段として機能する。
【0123】
また、本実施形態において、第1,第2有効期間では、それぞれ1回目の演出用ボタンBTの押下を契機に、星振動演出が実行される。したがって、本実施形態では、期間T2b,T2dにおいて、演出用ボタンBTの操作を契機に星振動演出が実行された状況から、各有効期間における演出用ボタンBTの操作に成功したことを遊技者に認識させることができる。したがって、本実施形態では、星振動演出が、前記特別演出実行条件が成立したことを報知する成立報知演出となり、星型可動体KBが成立報知手段として機能するとも把握できる。
【0124】
前記特別演出実行条件が成立した場合、演出制御用CPU31aは、保留中の特図変動ゲームに含まれる大当りの特図変動ゲームの回数を、大当りの種類毎に区分して計数する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンド[E1xxH]の個数を計数し、16R大当り遊技(大当りA)の個数(回数)とする。同様に、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数「1」〜「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている先読みコマンド[E2xxH],[E3xxH]の個数を計数し、8R大当り遊技(大当りB,C)の個数(回数)とする。したがって、本実施形態の演出制御用CPU31aは、大当り遊技において実行が保留されている特図変動ゲームの中に大当りの特図変動ゲームが含まれている場合、その大当りの特図変動ゲームの実行時に大当り判定で肯定判定されることに伴って決定される大当りの種類をさらに判定していると把握できる。本実施形態では、演出制御用CPU31aがゲーム判定手段として機能する。
【0125】
そして、演出制御用CPU31aは、計数した大当りの個数、及び演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値をもとに、図11に示す特別演出振分用テーブルTEを参照して特別演出の実行可否、及び実行する場合の演出内容を決定する。特別演出振分用テーブルTEは、演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0126】
図11に示すように、特別演出振分用テーブルTEには、大当りA(16R大当り遊技)の個数、及び大当りB,C(8R大当り遊技)の個数の組み合わせ毎に区分して、特別演出の演出内容を特定可能な演出パターンET1〜ET5が対応付けられている。演出パターンET1では、特別演出の非実行が特定されているとともに、演出パターンET2では、特殊演出を伴わない(エフェクトなしの)桜回転演出の実行が特定されている。演出パターンET3では、特殊演出を伴わない(エフェクトなしの)星落下演出の実行が特定されているとともに、演出パターンET4には、特殊演出を伴う(エフェクトありの)桜回転演出の実行が特定されている。また、演出パターンET5では、特殊演出を伴う(エフェクトありの)星落下演出の実行が特定されている。
【0127】
そして、特別演出振分用テーブルTEでは、大当りの個数の組み合わせ毎に区分して、各演出パターンET1〜ET5に対し、演出振分用乱数の値がこの演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜250の全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。このような特別演出振分用テーブルTEによれば、大当りA(16R大当り遊技)の個数、及び大当りB,C(8R大当り遊技)の個数の組み合わせに応じて、演出パターンET1〜ET5の何れかが決定される。例えば、大当りA(16R大当り遊技)が1個であり、大当りB,C(8R大当り遊技)が1個である場合、251分の71の確率で演出パターンET1が、251分の150の確率で演出パターンET2が、251分の30の確率で演出パターンET4が決定され得る。
【0128】
特別演出振分用テーブルTEにおける演出振分用乱数の値の振分態様によれば、大当り(大当り遊技)の合計個数が1個の場合、演出パターンET1のみが決定され得る。その一方で、特別演出振分用テーブルTEによれば、大当り(大当り遊技)の合計個数が2個以上である場合に、演出パターンET2〜ET5の何れかが決定され得る。したがって、本実施形態において特別演出は、何れも保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cの何れかとなる特図変動ゲームが2個以上、含まれていることを認識できる遊技演出として位置付けられる。特に、演出パターンET3,ET5は、大当り(大当り遊技)の合計個数が3個以上である場合にのみ決定され得る。したがって、本実施形態において星落下演出は、保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cの何れかとなる特図変動ゲームが3個以上、含まれていることを認識できる遊技演出として位置付けられる。
【0129】
また、特別演出振分用テーブルTEによれば大当りA(16R大当り遊技)の個数が1個以上である場合に、演出パターンET4,ET5が決定され得る。したがって、本実施形態においてエフェクトありの桜回転演出、及びエフェクトありの星落下演出は、保留中の特図変動ゲームに大当りAとなる特図変動ゲームが1個以上、含まれていることを認識できる遊技演出として位置付けられる。このように、本実施形態の特別演出では、可動体演出を実行する可動体の種類によって保留内の大当りの合計個数を報知する一方で、特殊演出(エフェクト)の有無によって大当りAが含まれているか否かを報知する。したがって、本実施形態では、事前に判定した保留内大当りの種類、保留内大当りの個数に応じた演出内容で特別演出が実行される。
【0130】
そして、演出制御用CPU31aは、演出パターンET1(なし)を決定した場合、特別演出の非実行を決定する。また、演出制御用CPU31aは、演出パターンET2,ET3の何れかを決定した場合、可動体演出の実行を決定するとともに、対応する可動体演出用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、演出パターンET4,ET5の何れかを決定した場合、可動体演出及び特殊演出の実行を決定し、対応する可動体演出用データ、及び画像表示用データを選択する。その後、演出制御用CPU31aは、特別演出処理を終了する。
【0131】
そして、図10(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、特別演出処理により選択した可動体演出用データをもとに桜型可動体KA、又は星型可動体KBを制御して、期間T3の経過後、期間T4(本実施形態では2秒)にかけて特別演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、特別演出処理により選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、期間T4にかけて特殊演出を実行させる。以上のように、本実施形態では、演出制御用CPU31aが遊技演出制御手段として機能する。
【0132】
本実施形態において、桜吹雪演出を伴うキャラクタ演出(演出パターンEP3)に加えて、さらに特別演出を実行する場合の合計演出時間は、期間T1〜T4=9秒である。また、単体のキャラクタ演出(演出パターンEP2a)に加えて、さらに特別演出を実行する場合の合計演出時間は、期間T2〜T4=6秒である。
【0133】
一方、本実施形態の8R大当り遊技において、大入賞口21の2回の開放、及び1回のラウンド内インターバルIaの合計時間は、5.4秒である。前述にように、本実施形態では、各8R大当り遊技の7,8,15,16回目の大入賞口21の開放時、及び24回開放8R大当り遊技の23,24回目の大入賞口21の開放時には、キャラクタ演出の実行を特定する演出パターンEP2aが選択され得ない。このため、本実施形態では、キャラクタ演出及び特別演出が、特別インターバルIsにおける継続演出や、エンディング演出が開始する迄の間に終了せず、演出同士が重複してしまうことを防止している。
【0134】
特に、本実施形態の継続演出は、大入賞口21が継続して開放されるか否かを遊技者に報知するための遊技演出であり、遊技者が注目する遊技演出の一つである。本実施形態では、このような継続演出と、キャラクタ演出及び特別演出が重複することで、遊技者の興趣が却って低下してしまうことを抑制できる。なお、本実施形態では、継続演出の終了後における最初の大入賞口21の開放時にもキャラクタ演出が実行されないようになっている。このため、本実施形態では、継続成功演出が実行された直後からキャラクタ演出が実行されることで、遊技者の注意が継続成功演出からそれてしまうことを抑制している。
【0135】
また、本実施形態の各8R大当り遊技では、桜吹雪演出を伴うキャラクタ演出の実行を特定する演出パターンEP3を選択し得ない。すなわち、本実施形態の各8R大当り遊技では、桜吹雪演出がキャラクタ演出及び特別演出と組み合わせて実行されることが規制されている。これにより、本実施形態では、特別演出が終了する迄の合計演出時間を短縮し、キャラクタ演出及び特別演出の実行を開始可能なタイミングを増加させている。
【0136】
また、各8R大当り遊技では、単体の桜吹雪演出の実行を特定する演出パターンEP2を選択し得ない。本実施形態において桜吹雪演出は、キャラクタ演出の前段階における遊技演出としての位置付けも有しており、各8R大当り遊技ではキャラクタ演出が桜吹雪演出を伴わないで実行されるにもかかわらず、単体の桜吹雪演出が実行されることで遊技演出として不自然となることを抑制している。
【0137】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)16R大当り遊技中に大当りA〜Cとなる特図変動ゲームの実行が保留されている場合には、桜吹雪演出の開始後にキャラクタ演出が実行され得る一方で、保留されていない場合には、キャラクタ演出が実行されない。したがって、本実施形態では、桜吹雪演出の開始後にキャラクタ演出が実行された状況から、保留中の特図変動ゲームに大当りA〜Cの特図変動ゲームが含まれていること(保留内大当り)を確定的に認識できる。その一方で、単体の桜吹雪演出は、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されているか否かにかかわらず実行され得るため、保留内大当り確定の遊技演出として位置付けられていない。そして、本実施形態では、大当りA〜Cの特図変動ゲームが保留されている場合に、保留されていない場合と比較して、桜吹雪演出がより長い演出時間にわたって実行され得る。このため、桜吹雪演出は、その演出時間が長くなるほど保留内大当りの可能性、すなわちキャラクタ演出が実行される可能性が高まる。したがって、単体の桜吹雪演出が実行された場合であっても、キャラクタ演出(保留内大当り)に期待する遊技者の期待感を維持させ、大当り遊技用の遊技演出に対する興趣を向上できる。
【0138】
(2)本実施形態の16R大当り遊技では、保留内大当りが存在するか否かに応じて単体の桜吹雪演出の実行回数が変化し得る。すなわち、本実施形態では、保留内大当りが存在する場合には、保留内大当りが存在しない場合と比較して、2回以上の各ラウンド遊技において桜吹雪演出が実行され易い。したがって、16R大当り遊技のラウンド遊技毎に桜吹雪演出が実行されることに期待感を抱かせ、遊技者の興趣を向上できる。
【0139】
(3)本実施形態では、16R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出が実行され得る一方で、16回開放8R大当り遊技中、及び24回開放8R大当り遊技中には、単体の桜吹雪演出が実行され得ない。したがって、大当り遊技(大当り)の種類に応じて桜吹雪演出が出現する場合と出現しない場合とを作り出し、遊技者の興趣を向上できる。
【0140】
(4)本実施形態では、保留内大当りに含まれる大当りの種類を事前判定し、その事前判定した保留内大当りの種類に応じて演出パターンET1〜ET5を選択し、特別演出を実行させる。したがって、保留内大当りの種類に応じた演出内容で特別演出を実行し、遊技者の興趣を向上できる。
【0141】
(5)特に、本実施形態では、保留内大当りに大当りA(16R大当り遊技)が含まれる場合に、特殊演出を伴う(エフェクトあり)の可動体演出の実行を特定する演出パターンET4,ET5を選択可能に構成した。したがって、本実施形態では、保留内大当りに大当りAが含まれることを条件に、桜回転演出、又は星落下演出が特殊演出を伴って実行される。このため、本実施形態では、特殊演出の有無によって保留内大当りに大当りAが含まれるか否かを報知し、遊技者の興趣を向上させている。
【0142】
(6)本実施形態では、保留内大当りの個数を計数し、その計数した保留内大当りの個数に応じて演出パターンET1〜ET5を選択する。したがって、保留内大当りの個数に応じた演出内容で特別演出を実行し、遊技者の興趣を向上できる。
【0143】
(7)特に、本実施形態では、桜回転演出(演出パターンET2,ET4)を保留内大当りが2個以上であることを報知する遊技演出とし位置付ける一方で、星落下演出(演出パターンET3,ET5)を保留内大当りが3個以上であることを報知する遊技演出として位置付けた。したがって、可動体の種類に応じて保留内大当りの個数を報知し、複数個の保留内大当りが存在することに期待する遊技者の興趣を向上できる。
【0144】
(8)本実施形態では、操作有効期間の第1,第2有効期間において演出用ボタンBTが操作され、且つ複数個の保留内大当りが存在する場合に特別演出を実行する。したがって、複数個の保留内大当りが存在することに期待する遊技者に対し、演出用ボタンBTの操作意欲を持たせることができる。
【0145】
(9)本実施形態において、キャラクタ演出の実行中に設定する操作有効期間には、演出用ボタンBTを発光させず、操作有効期間が設定されている旨を報知しないようにした。このため、本実施形態では、キャラクタ演出が実行された場合に、期間T2にかけて操作有効期間が設定されることを知って操作した遊技者、又は操作有効期間内に演出用ボタンBTを偶然、操作した遊技者のみが特別演出を見ることができる。したがって、特別演出をより特別な遊技演出とし、遊技者の興趣を高めることができる。
【0146】
(10)第1キャラクタ演出により、第1,第2有効期間の設定時期を示唆する。したがって、遊技者が特別演出実行条件を成立させる難易度を下げることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0147】
・ 上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、保留中の各特図変動ゲーム(始動保留球)に対応する大当り判定が確変状態、及び非確変状態の何れの遊技状態のもとで判定されるかをそれぞれ事前判定し、その事前判定した遊技状態において大当りとなる特図変動ゲームの回数、及び大当りの種類を事前に判定してもよい。以下、具体的に説明する。主制御用CPU30aは、図6に示す特図入力処理において、ステップSA5の判定結果が否定の場合、大当り判定用乱数の値と大当り判定値のうち非共通値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、今回の制御周期における特図入力処理で記憶させた始動保留球に基づく特図変動ゲームが、大当り判定の時点における遊技状態が確変状態であることを条件に大当りとなるか否か(大当りの始動保留球であるか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA7の処理へ移行する一方で、判定結果が肯定の場合、先読みコマンド[E1xxH]〜[E4xxH]とは異なる値を上位バイトに設定した特定大当り先読みコマンドをステップSA6の処理と同様に生成し、出力バッファに設定する。その後、主制御用CPU30aは、特図入力処理を終了する。
【0148】
そして、演出制御用CPU31aは、特別演出実行条件が成立した場合、保留中の特図変動ゲームに対応する大当り判定時の遊技状態をそれぞれ事前判定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、大当りA〜Cに基づく大当り遊技中である場合に、保留記憶数「1」に対応する大当り判定が確変状態のもとで実行されると判定する一方で、大当りDに基づく大当り遊技中である場合に、保留記憶数「1」に対応する大当り判定が非確変状態のもとで実行されると判定する。また、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「m(m=2〜4)」について、保留記憶数「m−1」に対応する特図変動ゲームがはずれとなる場合、保留記憶数「m−1」に対応する大当り判定時の遊技状態と同一の遊技状態のもとで大当り判定が実行されると判定する。演出制御用CPU31aは、保留記憶数「m」について、保留記憶数「m−1」に対応する特図変動ゲームが確変大当りとなる場合、確変状態のもとで大当り判定が実行されると判定する。演出制御用CPU31aは、保留記憶数「m」について、保留記憶数「m−1」に対応する特図変動ゲームが非確変大当りとなる場合、非確変状態のもとで大当り判定が実行されると判定する。演出制御用CPU31aは、存在する全ての始動保留球について、保留記憶数「1」→「2」→「3」→「4」の順に大当り判定の時点における遊技状態を事前判定する。
【0149】
なお、演出制御用CPU31aは、事前判定した大当り判定の時点における遊技状態が確変状態である場合、何れの大当り先読みコマンドが記憶されている場合であっても大当りになると事前判定する一方で、事前判定した遊技状態が非確変状態である場合、先読みコマンド[E1xxH]〜[E4xxH]が記憶されている場合にのみ、大当りになると事前判定する。その後、演出制御用CPU31aは、大当りとなる特図変動ゲームの回数を大当りの種類毎に計数する。このような構成によれば、将来の遊技状態を加味した上で、保留内大当りの種類毎に、保留内大当りの個数を正確に計数できる。そして、特別演出の実行頻度を向上させ、大当り遊技における遊技演出に対する遊技者の興趣を向上できる。なお、本別例は、第1,第2大当り演出処理における当り事前判定に適用してもよい。
【0150】
・ 上記実施形態において、16R非確変大当りDを省略するとともに、大当りA〜Cに基づく大当り遊技の終了後に、予め定めた回数(例えば50回)の特図変動ゲームが終了する迄の間、又は前記回数の特図変動ゲームが終了する迄の間に大当り抽選に当選する迄の間の確変状態を付与するようにしてもよい。この場合、主制御用CPU30aは、図6に示す特図入力処理のステップSA5において、大当り判定値の共通値に代えて、前記共通値を含む確変用判定値を用いるようにする。このような構成によれば、保留内大当りとなる可能性を向上させ、キャラクタ演出、及び特別演出の出現頻度を向上させることができる。したがって、大当り遊技における遊技演出に対する遊技者の興趣を向上できる。
【0151】
・ 上記実施形態において、16回開放8R大当り遊技、及び24回開放8R大当り遊技は、大入賞口21とは別に設けた大入賞口を開放する大当り遊技としてもよい。
・ 上記実施形態において、大当りの種類を適宜変更してもよい。例えば、ラウンド規定時間を0.1秒に、ラウンド間インターバルIbを1秒に、ラウンド規定回数を4回に設定した4R大当り遊技を付与するとともに、その大当り遊技の終了後に確変状態を付与する大当りEを設けてもよい。また、主制御用CPU30aは、大当り判定で否定判定された場合に、大当り判定用乱数の値と小当り判定値とを比較し、4R大当り遊技と大入賞口21の開放態様を同一に設定した小当り(小当り遊技)を付与するか否かを判定してもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、上記4R大当り遊技、又は小当り遊技において、キャラクタ演出及び特別演出の実行可否を、各当り遊技の開始時に判定すればよい。このような構成によれば、当り(当り遊技)のバリエーションを増加させて遊技者の興趣を向上できるとともに、キャラクタ演出や特別演出の出現タイミングを増やし、遊技者の興趣を向上できる。なお、演出制御用CPU31aは、上記4R大当り遊技、又は小当り遊技において単体の桜吹雪演出を実行しないようにするとよい。
【0152】
・ 上記実施形態において、各8R大当り遊技を付与する大当りB,Cを省略してもよい。
・ 上記実施形態において、上始動入賞口17、及び下始動入賞口18に対応する特図表示装置12をそれぞれ別に設けるとともに、上始動入賞口17への入球に基づく始動保留球、及び下始動入賞口18への入球に基づく始動保留球を別個に主制御用RAM30cに記憶させてもよい。この場合、下始動入賞口18に対応する始動保留球に基づく特図変動ゲームを、上始動入賞口17に対応する始動保留球に基づく特図変動ゲームの実行に優先させて実行してもよく、各始動入賞口17,18を区別することなく、入球順に特図変動ゲームを実行させてもよい。これによれば、始動保留球の個数を増加させ、キャラクタ演出や特別演出の出現率を向上させることができる。
【0153】
・ 上記実施形態において、操作有効期間、第1,第2無効期間、及び第1,第2有効期間の時間は適宜変更してもよい。また、操作有効期間内に設定する無効期間、及び有効期間の回数を適宜変更してもよい。
【0154】
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出とキャラクタ演出の実行時期の一部が重複してもよい。すなわち、キャラクタ演出は、桜吹雪演出の開始後に実行されればよい。
・ 上記実施形態において、第2キャラクタ演出と特別演出の実行時期の一部が重複してもよい。すなわち、特別演出は、第2キャラクタ演出の開始後に実行されればよい。
【0155】
・ 上記実施形態において、示唆演出、報知演出、及び特別演出を異なる態様で実行してもよい。また、示唆演出、報知演出、及び特別演出の演出内容として複数の演出内容を用意し、その中から選択された演出内容で各遊技演出を実行してもよい。また、示唆演出、報知演出、及び特別演出は、複数の遊技演出を組み合わせて実行してもよい。
【0156】
・ 上記実施形態において、保留内大当りが存在しない場合でも5回以上の桜吹雪演出を実行してもよい。
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出は、1回のラウンド遊技において複数回、実行してもよい。また、示唆演出としての桜吹雪演出は、複数回のラウンド遊技を跨って継続的に実行してもよい。この場合、桜吹雪演出の演出時間として第1演出時間(例えば45秒)及び第2演出時間(例えば90秒)を用意するとともに、演出制御用CPU31aは、保留内大当りが存在する場合に、保留内大当りが存在しない場合と比較して、第2演出時間にわたって実行させ易く構成すればよい。
【0157】
・ 上記実施形態において、キャラクタ演出(報知演出)を省略してもよい。この場合、別途、第1,第2有効期間を示唆(報知)するための遊技演出を実行してもよい。
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出(示唆演出)、報知演出、及び特別演出は、演出表示装置11における表示演出、スピーカによる音声演出、装飾ランプによる発光演出として実行してよく、これらを組み合わせて実行してもよい。
【0158】
・ 上記実施形態において、桜吹雪演出、キャラクタ演出、及び特別演出を実行可能なラウンド遊技(大入賞口21の開放回数)を適宜変更してもよい。また、大当り遊技におけるオープニング演出で実行してもよい。
【0159】
・ 上記実施形態において、特別演出は、保留内大当りが1個の場合にも実行可能に構成してもよい。この場合、図11に示す特別演出振分用テーブルTEにおいて、保留内大当りの合計個数が1個の場合にも演出パターンET2〜ET5に対して演出振分用乱数の値を振り分ければよい。
【0160】
・ 上記実施形態において、特別演出は、演出用ボタンBTの操作とは関係なく実行されてもよい。すなわち、単に演出表示装置11において、桜吹雪演出、に続けて実行されるようにしてもよい。
【0161】
・ 上記実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしてもよく、これらを組み合わせた表示装置を用いてもよい。
【0162】
・ 上記実施形態において、演出表示装置11を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板を設けるとともに、各サブ制御基板を統括的に制御するサブ統括制御基板を備えたパチンコ遊技機や、主制御基板30及び演出制御基板31の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0163】
・ 上記実施形態において、特図を指定する特図指定コマンドは、特図変動ゲームで確定停止表示させる特図の種類を特定可能な制御コマンドとしてもよい。すなわち、特図指定コマンドは、特図の大当り図柄の種類(大当りの種類)を特定可能な制御コマンドとしてもよい。また、上記実施形態において、変動パターンは、大当り判定(大当り抽選)の判定結果や、特図の種類(大当り図柄の場合には大当りの種類)を特定可能に構成してもよい。
【0164】
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ゲーム判定手段は、前記当り遊技において実行が保留されている前記当りの図柄変動ゲームの回数をさらに計数するようになっており、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が計数した前記当りの図柄変動ゲームの回数に応じた演出内容で前記第1遊技演出における前記特定遊技演出を実行させる請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0165】
(ロ)遊技者が操作可能な演出用操作手段をさらに備え、前記遊技演出制御手段は、前記当り遊技中に設定される特定期間内に前記演出用操作手段が操作された場合であって、前記ゲーム判定手段が計数した当りの図柄変動ゲームの回数が複数回である場合に、前記特定遊技演出を実行させる技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0166】
(ハ)始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、前記当り遊技用の遊技演出には、非特定遊技演出及び前記非特定遊技演出の開始後に実行させる特定遊技演出を含む第1遊技演出と、前記非特定遊技演出を含み且つ前記特定遊技演出を含まない第2遊技演出と、を含み、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記第1遊技演出、及び前記第2遊技演出を含む当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させる一方で、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合には、前記第2遊技演出を含み、且つ前記第1遊技演出を含まない当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させ、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、第1回数及び前記第1回数より多い第2回数のうち、前記第2回数の前記第2遊技演出を実行させ易く構成された遊技機。
【0167】
(ニ)始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出として特別遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、前記特別遊技演出を第1演出時間及び前記第1演出時間より長い第2演出時間のうち前記第2演出時間にわたって実行させ易く構成された遊技機。
【符号の説明】
【0168】
12…特別図柄表示装置(表示手段)、17…上始動入賞口(始動口)、18…下始動入賞口(始動口)、21…大入賞口、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(遊技演出制御手段、当り種決定手段、当り遊技付与手段)、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU(ゲーム判定手段、遊技演出制御手段)、BT…演出用ボタン(演出用操作手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、
前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、
前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、
前記当り遊技用の遊技演出には、非特定遊技演出及び前記非特定遊技演出の開始後に実行させる特定遊技演出を含む第1遊技演出と、前記非特定遊技演出を含み且つ前記特定遊技演出を含まない第2遊技演出と、を含み、
前記遊技演出制御手段は、
前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記第1遊技演出、及び前記第2遊技演出を含む当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させる一方で、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合には、前記第2遊技演出を含み、且つ前記第1遊技演出を含まない当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させ、
前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、前記第2遊技演出を第1演出時間及び前記第1演出時間より長い第2演出時間のうち前記第2演出時間にわたって実行させ易く構成された遊技機。
【請求項2】
前記当り遊技には、大入賞口を開放するラウンド遊技を含み、
前記第1演出時間は、前記第2遊技演出を第1回数、実行させる演出時間であり、前記第2演出時間は、前記第2遊技演出を前記第1回数より多い第2回数、実行させる演出時間であり、
前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段の判定結果に応じた回数分のラウンド遊技毎に前記第2遊技演出を実行させる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記当り判定で肯定判定された場合に当りの種類を決定する当り種決定手段と、前記当り種決定手段が決定した当りの種類に基づき前記当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、をさらに備え、
前記遊技演出制御手段は、第1当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を許容する一方で、前記第1当りとは異なる第2当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を規制する請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記ゲーム判定手段は、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに前記当りの図柄変動ゲームが含まれている場合、その当りの図柄変動ゲームの実行時に前記当り判定で肯定判定されることに伴って決定される当りの種類をさらに判定するようになっており、
前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が判定した当りの種類に応じた演出内容で前記第1遊技演出における前記特定遊技演出を実行させる請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
始動口への入球検知を契機とした当り判定の結果が肯定となった場合に、表示手段に表示する図柄変動ゲームにて当り表示結果を表示し、前記当り表示結果が表示される当りの図柄変動ゲームの終了後に当り遊技を付与し、前記当り遊技中に当り遊技用の遊技演出を実行する遊技機において、
前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに当りの図柄変動ゲームが含まれているか否かを判定するゲーム判定手段と、
前記ゲーム判定手段の判定結果に基づき遊技演出実行手段を制御し、前記当り遊技用の遊技演出を実行させる遊技演出制御手段と、を備え、
前記当り遊技用の遊技演出には、非特定遊技演出及び前記非特定遊技演出の開始後に実行させる特定遊技演出を含む第1遊技演出と、前記非特定遊技演出を含み且つ前記特定遊技演出を含まない第2遊技演出と、を含み、
前記遊技演出制御手段は、
前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記第1遊技演出、及び前記第2遊技演出を含む当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させる一方で、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合には、前記第2遊技演出を含み、且つ前記第1遊技演出を含まない当り遊技用の遊技演出のうち少なくとも1つの遊技演出を実行させ、
前記ゲーム判定手段が肯定判定した場合には、前記ゲーム判定手段が否定判定した場合と比較して、前記第2遊技演出を第1演出時間及び前記第1演出時間より長い第2演出時間のうち前記第2演出時間にわたって実行させ易く構成された遊技機。
【請求項2】
前記当り遊技には、大入賞口を開放するラウンド遊技を含み、
前記第1演出時間は、前記第2遊技演出を第1回数、実行させる演出時間であり、前記第2演出時間は、前記第2遊技演出を前記第1回数より多い第2回数、実行させる演出時間であり、
前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段の判定結果に応じた回数分のラウンド遊技毎に前記第2遊技演出を実行させる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記当り判定で肯定判定された場合に当りの種類を決定する当り種決定手段と、前記当り種決定手段が決定した当りの種類に基づき前記当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、をさらに備え、
前記遊技演出制御手段は、第1当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を許容する一方で、前記第1当りとは異なる第2当りに基づく当り遊技中には、前記第2遊技演出の実行を規制する請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記ゲーム判定手段は、前記当り遊技において実行が保留されている図柄変動ゲームに前記当りの図柄変動ゲームが含まれている場合、その当りの図柄変動ゲームの実行時に前記当り判定で肯定判定されることに伴って決定される当りの種類をさらに判定するようになっており、
前記遊技演出制御手段は、前記ゲーム判定手段が判定した当りの種類に応じた演出内容で前記第1遊技演出における前記特定遊技演出を実行させる請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−176033(P2012−176033A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39397(P2011−39397)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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