説明

遊技機

【課題】1回の変動サイクルの終了に近づくに従って、大当りへの期待感を高めることのできる遊技機を提供することにある。
【解決手段】次回の変動サイクルがない場合には、ゆれ変動状態のはずれの図柄組み合わせがそのまま確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了してしまうことへの危機感も高まる。その一方で、次回の変動サイクルがある場合、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄のうち何れかがゆれ状態変動で表示された後、擬似連継続演出が実行される。また、擬似連継続演出のうち、実行タイミングの早い第1擬似連継続演出よりも、実行タイミングの遅い第3擬似連継続演出が実行されたときの方が大当りへの期待感が高まるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄が変動表示されてから一旦停止表示されるまでを1回とする変動サイクルを複数回、連続して実行可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技機に配設した始動入賞口への遊技球の入球を契機に大当り判定用の乱数を取得し、当該乱数の値と予め決定された大当り判定値とが一致するか否かの判定によって、大当りか否かの大当り抽選を行っている。また、その大当り抽選の抽選結果を複数列の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを実行させることにより導出させている。図柄変動ゲームでは、最終的に確定停止表示された図柄が大当り図柄である場合、遊技者は大当りを認識し得るようになっている。
【0003】
また、今日では、1回の図柄変動ゲームにおいて、変動サイクル(図柄の変動表示から変動停止まで)を繰り返すことで、複数回の図柄変動ゲームが行われているかのような擬似連続演出を行う遊技機がある(例えば、特許文献1)。擬似連演出が実行されることで、はずれ図柄が変動停止されたとしても、再び図柄が変動表示されることで、最終的に大当り図柄が確定停止表示されることを期待させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−104524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、次回の変動サイクルがある場合、今回の変動サイクルにおいて次回の変動サイクルがあることを認識できる予め決められた擬似連継続の演出が実行される場合がある。このような擬似連継続の演出として予め決められた擬似連継続の図柄組み合わせを停止表示させる場合がある。このような場合には、複数列の図柄が変動停止される毎に擬似連演出が継続するか否かに注目が集まり、各変動サイクルにおいて図柄が停止表示されるまでに実行される演出に注目させることができず、遊技に対する興趣を向上させることができなかった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その発明は、変動サイクル毎の演出に注目させることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技球が入球可能で当該遊技球の入賞検知を行う始動入賞手段と、当該始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数の図柄列の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する演出実行手段と、を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された場合には、遊技者に有利となる大当り遊技が付与される遊技機において、前記始動入賞手段に遊技球が入球したことを契機に、図柄変動ゲームが大当りになるか否かの判定を行う大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づいて、図柄変動ゲームの演出時間を特定可能な変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて、1回の図柄変動ゲームにおいて、全図柄列の図柄が変動表示してから変動停止するまでの変動サイクルの回数を特定する擬似連回数特定手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づいて、次回の変動サイクルがある場合、次回の変動サイクルがあることを示唆する擬似連継続演出を実行する実行時点を決定する実行時点決定手段と、前記実行時点決定手段が決定した実行時点において前記擬似連継続演出を実行するとともに、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて前記演出実行手段に図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、を備え、前記実行時点決定手段は、前記全図柄列のうち1又は複数の図柄が変動停止される各時点をそれぞれ前記実行時点として決定し得るようになっており、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合と比較して、前記全図柄のうち変動停止された図柄の数が多い時点を、前記擬似連継続演出を実行する実行時点として決定しやすいことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記変動サイクル毎に前記擬似連継続演出を実行する実行時点が設定された継続演出実行パターンを複数記憶する実行パターン記憶手段を備え、全ての継続演出実行パターンは、前記変動パターン決定手段が決定し得る複数の変動パターンに設定された変動サイクルの回数のうち、最も多い回数である場合を対象として全ての変動サイクルにおける前記擬似連継続演出を実行する実行時点が定められており、前記実行時点決定手段は、前記大当り判定手段の判定結果に基づいて、複数種類の継続演出実行パターンの中から前記継続演出実行パターンを決定し、前記演出制御手段は、前記実行時点決定手段が決定した継続演出実行パターンを参照して、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに設定された変動サイクルの回数に対応する数の擬似連継続演出の実行時点を抽出して、当該抽出した実行時点の擬似連継続演出を前記演出実行手段に実行させることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記継続演出実行パターンでは、図柄変動ゲームの各変動サイクルにおける実行時点が設定されており、1回の図柄変動ゲーム中における変動サイクルの前後関係において、前の変動サイクルにおける実行時点は、後の変動サイクルにおける実行時点よりも、変動停止された図柄の数が同じ又は少ない時点とするように設定されていることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機において、前記擬似連継続演出は、前記図柄の変動停止時に、変動停止されている少なくとも1列の図柄を通常とは異なる表示態様で表示する演出態様とすることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、変動サイクル毎の演出に注目させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】大当り遊技の種類を示す説明図。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】複数種類の変動パターンを示す説明図。
【図5】(a)〜(c)は、第1擬似連継続演出を示す説明図。
【図6】(a)〜(c)は、第2擬似連継続演出を示す説明図。
【図7】(a)〜(c)は、第3擬似連継続演出を示す説明図。
【図8】複数種類の継続演出パターンを示す説明図。
【図9】(a)〜(l)は、擬似連演出が実行時の演出表示装置の表示態様を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段又は演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では、3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
【0014】
なお、本実施形態において演出表示装置11には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態における演出表示装置11に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。一方、演出表示装置11に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。
【0015】
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
【0016】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を一旦停止表示させる左列が第1停止図柄列になるとともに、次に飾り図柄を一旦停止表示させる右列が第2停止図柄列になり、更に最後に飾り図柄を一旦停止表示させる中列が第3停止図柄列となる。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1停止図柄列に一旦停止表示させる図柄(左図柄)が第1停止図柄となるとともに、第2停止図柄列に一旦停止表示させる図柄(右図柄)が第2停止図柄となり、更に第3停止図柄列に一旦停止表示させる図柄(中図柄)が第3停止図柄となる。
【0017】
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0018】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
【0019】
なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。そして、特別図柄表示装置12における図柄変動ゲームと、演出表示装置11における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
【0020】
特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では、2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置13が配設されている。特別図柄保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口15へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態では、2個の特別図柄保留発光部において5種類の発光態様(消灯、点灯又は点滅の組み合わせ)を備え、保留記憶数0個〜4個を、前記2個の特別図柄保留発光部における発光態様で報知するようになっている。なお、保留記憶数は、実行が保留されている図柄変動ゲームの数となる。
【0021】
特別図柄表示装置12の右上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では、2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。
【0022】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態では、始動入賞口15及び始動口スイッチSW1が始動入賞手段を構成する。
【0023】
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0024】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0025】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者にとって有利な確率変動(以下、「確変」と示す)状態が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)される。また、本実施形態における確変状態は、予め決められた上限付与回数(本実施形態では、64回)の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0026】
また、本実施形態では、遊技者にとって有利な入球率向上状態としての変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態が付与される場合がある。変短状態が付与された場合、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が低確率(通常確率、例えば251分の1)から高確率(例えば251分の250)へ変動(向上)される。また、変短状態が付与されている場合において普図当り抽選で当選した際、始動入賞口15の開閉羽根16は、変短状態が付与されていない場合(非変短状態が付与されている場合)とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態が付与されている場合において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、予め定めた第1回数(例えば、1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば、3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1開放時間より長い第2開放時間(例えば1.54秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。
【0027】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について、図2に基づき詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示装置11,12に大当り図柄及び大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口18(の大入賞口扉17)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15ラウンド又は5ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技では、大入賞口18の大入賞口扉17の開閉が所定回数行われる。また、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、終了条件が満たされる(規定個数(入球上限個数)の遊技球が入賞する、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過する)までの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0028】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す2種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置12に表示される100種類の特別図柄の大当り図柄は、図2に示すように、図柄A又は図柄Bの2つのグループに分類される。
【0029】
そして、図柄Aには特別図柄表示装置12に表示される大当り図柄のうち65種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄Bには特別図柄表示装置12に表示される大当り図柄のうち35種類の大当り図柄が振り分けられている。
【0030】
図柄Aに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である(以下、「15R確変大当り遊技」と示す)。15R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「7球」に設定されている。また、15R確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉17を「1回」開放させるように設定されている。また、本実施形態では、15R確変大当り遊技終了後、上限付与回数(64回)の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変状態が付与されるようになっている。また、本実施形態では、15R確変大当り遊技終了後、入球率向上状態付与回数(60回)の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変短状態が付与されるようになっている。
【0031】
また、15R確変大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25(秒)」が、エンディング時間として「11(秒)」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。
【0032】
図柄Bに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「5回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する5ラウンド大当り遊技である(以下、「5R確変大当り遊技」と示す)。5R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「7球」に設定されている。また、5R確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉17を「1回」開放させるように設定されている。また、本実施形態では、5R確変大当り遊技終了後、上限付与回数(64回)の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、確変状態が付与されるようになっている。また、本実施形態では、5R確変大当り遊技終了後、入球率向上状態付与回数(60回)の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変短状態が付与されるようになっている。
【0033】
また、5R確変大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が、エンディング時間として「7(秒)」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。
【0034】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0035】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留記憶表示装置13及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0036】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数及び特別図柄振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。なお、本実施形態では、前述した100種類の大当りの特別図柄毎に1つの特別図柄振分用乱数の値が対応付けられている。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0037】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、図4に示す複数種類の変動パターンHP1〜HP9が記憶されている。変動パターンHP1〜HP9は、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。すなわち、変動パターンHP1〜HP9により、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。なお、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンHP6〜HP9と、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンHP1〜HP5がある。また、はずれ演出用の変動パターンHP1〜HP5には、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンHP3〜HP5と、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンHP1,HP2がある。
【0038】
また、リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(
大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
【0039】
主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1372までの全1373通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態が付与されているときの大当り判定値の数(本実施形態では、35個)は、確変状態が付与されていないときの大当り判定値の数(本実施形態では、4個)よりも多く設定されている。また、主制御用RAM30cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。
【0040】
また、主制御用RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特別図柄の種類を決定する際に用いる特別図柄振分用乱数が記憶されている。各特別図柄には、この特別図柄振分用乱数が所定個数(本実施形態では、1個)ずつ振り分けられており、主制御用CPU30aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特別図柄振分用乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特別図柄振分用乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU30aが所定の周期毎(例えば、4ms毎)に数値を1加算して順次更新して、主制御用RAM30cに記憶する。本実施形態において、特別図柄振分用乱数は、始動入賞口15へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。
【0041】
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数の取り得る数値(本実施形態では、「0」〜「250」までの全251通りの整数)の中から定められている。なお、普通当り判定値は、変短状態が付与されているか否かでその数が異なっており、変短状態が付与されている時の普通当り判定値の数(本実施形態では、250個)は、変短状態が付与されていない(非変短状態)時の普通当り判定値の数(本実施形態では、1個)よりも多く設定されている。また、主制御用RAM30cには、普通当り判定時に使用する普通当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普通当り判定用乱数は、ゲート19を遊技球が通過したことを契機に取得され、主制御用RAM30cに記憶されるようになっている。
【0042】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0043】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する図柄変動ゲームの実行に係る各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に図柄変動ゲームの実行に係る各種処理を実行する。
【0044】
主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力した場合であって、保留記憶数が4未満である場合、保留記憶数を+1(1加算)し、始動入賞口15へ入賞した遊技球を始動保留球として記憶する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では、大当り判定用乱数の値、及び特別図柄振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。また、主制御用CPU30aは、保留記憶数が4である場合、特別図柄入賞処理を終了する。
【0045】
そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技中でなく、且つ、図柄変動ゲームの実行中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数及び特別図柄振分用乱数の値を読み出す。そして、その読み出した大当り判定用乱数の値と、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と、を比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、主制御用CPU30aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置12で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図2に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって、図柄変動ゲーム終了後に付与する大当り遊技の種類を決定することになる。
【0046】
そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU30aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM30cに記憶する。また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、決定した特別図柄の種類(付与する大当り遊技の種類)に係らず、大当り演出用の変動パターンHP6〜HP9のうち何れかの変動パターンを決定する。
【0047】
一方、主制御用CPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU30aは、図柄変動ゲーム中にリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選(リーチ判定)により決定する。このリーチ判定の判定結果が肯定(はずれのリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU30aは、変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンを決定する場合、はずれリーチ演出用の変動パターンHP3〜HP5のうち何れかの変動パターンを決定する。
【0048】
一方、主制御用CPU30aは、リーチ判定の判定結果が否定(はずれのリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターンをはずれ通常演出用の変動パターンの中から決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、はずれ通常演出用の変動パターンを決定する場合、はずれ通常演出用の変動パターンHP1,HP2のうち何れかの変動パターンを決定する。
【0049】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに、図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを演出制御基板31に最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを演出制御基板31に出力する。その後に、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した種類の特別図柄を表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを演出制御基板31に出力する。
【0050】
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
【0051】
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力し、オープニング演出を実行させる。また、主制御用CPU30aは、オープニング演出が終了すると、ラウンドコマンドを出力し、ラウンド演出を実行させるとともに、ラウンド遊技に係る制御を実行する。具体的には、主制御用CPU30aは、終了条件が成立するまで大入賞口扉17を開放する。また、大当り遊技の規定ラウンド数分のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディングコマンドを出力し、エンディング演出を実行させる。
【0052】
主制御用CPU30aは、15R確変大当り遊技又は5R確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。同様に、作動フラグに「1」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。
【0053】
また、主制御用CPU30aは、15R確変大当り遊技又は5R確変大当り遊技が付与された場合、確変状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す確変状態付与回数に上限付与回数(本実施形態では、64回)を設定する。また、主制御用CPU30aは、15R確変大当り遊技又は5R確変大当り遊技が付与された場合、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に入球率向上状態付与回数(本実施形態では、60回)を設定する。この作動回数及び確変状態付与回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算される。そして、作動回数の値が0となると、主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定する。また、確変状態付与回数の値が0となると、主制御用CPU30aは、確変フラグに「0」を設定する。なお、各フラグ、確変状態付与回数及び作動回数は、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶され、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
【0054】
次に、普通図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、遊技球がゲート19を通過したことを示す検知信号を入力すると、普通当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、該値を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶させる。
【0055】
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時において、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する。また、当該普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致する(普通当り)場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置14にて確定停止表示させる最終停止図柄として、普通図柄の当り図柄を決定する。一方、普通当り判定用乱数の値が普通当り判定値と一致しない(普通はずれ)場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置14にて確定停止表示させる最終停止図柄として、普通図柄のはずれ図柄を決定する。
【0056】
その後、主制御用CPU30aは、普図ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、普通図柄を変動開始させるように普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、普図変動ゲームの変動時間の計測を開始する。その後、普通図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、普図変動ゲームの変動時間の経過時に、決定した最終停止図柄を表示させるように普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。
【0057】
そして、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、普図ゲームが終了したとき、変短状態が付与されている場合には、開閉羽根16を3回開放させるとともに、各回の開放において開放してから1540msが経過するまで開放状態を維持する。一方、主制御用CPU30aは、普図ゲームが終了したとき、変短状態が付与されていない場合、開閉羽根16を1回開放させ、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持する。なお、本実施形態では、主制御用CPU30aが大当り判定手段及び変動パターン決定手段として機能する。
【0058】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置11に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0059】
演出制御用CPU31aは、指定された特別図柄の種類が、15R確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせを大当りの図柄組み合わせのうち予め決められた大当りの図柄組み合わせの中から決定する。このとき本実施形態では、大当りの図柄組み合わせとして、[333]又は[777]を決定する。
【0060】
また、演出制御用CPU31aは、指定された特別図柄の種類が、5R確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせを大当りの図柄組み合わせのうち予め決められた大当りの図柄組み合わせの中から決定する。このとき本実施形態では、大当りの図柄組み合わせとして、[111][222][444][555][666][888]の中から決定する。
【0061】
また、演出制御用CPU31aは、指定された特別図柄の種類が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された特別図柄の種類が、はずれ図柄の場合であって、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
【0062】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、決定した飾り図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0063】
また、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0064】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲームが開始してから(変動表示されてから)、図柄変動ゲームが終了するまで(全列の図柄が確定停止表示されるまで)の1回の図柄変動ゲームにおいて、複数回の変動サイクルを連続して実行する擬似連演出を実行可能に構成されている。なお、本実施形態では、全列の飾り図柄が変動表示されてから一旦停止表示されるまでを1回の変動サイクルとしている。したがって、擬似連演出が実行された場合、演出表示装置11は、飾り図柄を変動表示させてから一旦停止表示させ、再び変動表示させるという動作を全列の飾り図柄が確定停止表示されるまで繰り返すことになる。また、擬似連演出は、演出表示装置11と、特別図柄表示装置12で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置11のみで実行される演出である。1回の図柄変動ゲームは、特別図柄と飾り図柄の変動表示開始によって開始し、当該飾り図柄が一旦停止表示された後、特別図柄と飾り図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1つの保留記憶数に対応して実行されるものである。すなわち、演出表示装置11において擬似連演出を行う1回の図柄変動ゲームでは、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように演出表示装置11で擬似的に演出表現してなされるものである。
【0065】
以下、擬似連演出を実行させるための制御について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドにより特定される変動パターンに基づき、演出内容に擬似連演出が含まれる場合には、擬似連演出を実行する。本実施形態では、図柄変動ゲームの演出内容として擬似連演出を実行するか否かを変動パターン毎に対応付けており、変動パターンにより演出内容に擬似連演出が含まれているか否かを特定することができるようになっている。また、図柄変動ゲームの演出内容として擬似連演出を含む変動パターンには、擬似連演出における変動サイクルの回数が対応付けられている。
【0066】
本実施形態では、図4に示すように、図柄変動ゲームの演出内容として擬似連演出を含まない(変動サイクルの回数が対応付けられていない)変動パターンは、変動パターンHP1,HP3,HP6である。また、図柄変動ゲームの演出内容として擬似連演出を含み、2回の変動サイクルが対応付けられている変動パターンは、変動パターンHP2,HP4,HP7である。また、図柄変動ゲームの演出内容として擬似連演出を含み、3回の変動サイクルが対応付けられている変動パターンは、変動パターンHP5,HP8である。また、図柄変動ゲームの演出内容として擬似連演出を含み、4回の変動サイクルが対応付けられている変動パターンは、変動パターンHP9である。
【0067】
したがって、演出制御用CPU31aは、変動パターンに基づき、擬似連演出を実行させるか否か及び擬似連演出が実行された際の変動サイクルの回数を特定することができる。
【0068】
また、演出制御用CPU31aは、擬似連演出を実行させる場合、特定した変動サイクルの回数に応じて、最後に表示させる図柄組み合わせ(確定停止表示させる図柄組み合わせ)以外に一旦停止表示させるはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、最後に確定停止表示させる図柄組み合わせ以外に一旦停止表示させるはずれの図柄組み合わせを決定すると、決定したはずれの図柄組み合わせを変動サイクル毎に一旦停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0069】
また、変動サイクルの回数が対応付けられ、且つ、演出内容にリーチ演出を含む変動パターン(本実施形態では、HP4,HP5,HP7〜HP9)に基づく図柄変動ゲームでは、次回の変動サイクルがない変動サイクル(最終回の変動サイクル)において、当該変動パターンに基づくリーチ演出が実行されるようになっている。
【0070】
なお、本実施形態では、大当りのときには、対応付けられた変動サイクルの回数が多い変動パターンを、対応付けられた変動サイクルの回数が少ない変動パターンよりも決定されやすい。一方、はずれのときには、対応付けられた変動サイクルの回数が少ない変動パターンを、対応付けられた変動サイクルの回数が多い変動パターンよりも決定されやすい。すなわち、図柄変動ゲームでの変動サイクルの回数が多いほど、遊技者の大当りへの期待感は高まる。また、本実施形態では、4回の変動サイクルが対応付けられた変動パターンは、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンにしかない。すなわち、1回の図柄変動ゲームにおいて、4回の変動サイクルを伴う擬似連演出が実行された場合、大当りとなることが認識できるようになっている。このため、1回の図柄変動ゲームで、変動サイクルが繰り返される度、遊技者はもっと擬似連演出が継続してほしい(4回の変動サイクルを伴う擬似連演出が実行されてほしい)と願い、期待するようになっている。
【0071】
また、本実施形態では、擬似連演出を実行する図柄変動ゲームの各変動サイクルにおいて、当該変動サイクルの後に続けて変動サイクルがある場合には、次回の変動サイクルが実行されることを認識可能な擬似連継続演出を行っている。本実施形態における擬似連継続演出は、全列の図柄が一旦停止表示される前に、1又は複数列の飾り図柄を仮一旦停止表示させた後、当該仮一旦停止表示させた飾り図柄を高速変動表示させる演出(所謂、すべり演出)である。なお、「仮一旦停止表示」とは、見た目上は「一旦停止表示」と同様、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。そのため、遊技者は演出表示装置11に飾り図柄がゆれ変動状態で表示されている場合、当該表示が「一旦停止表示」と「仮一旦停止表示」の何れであるかを特定することができないようになっている。また、「高速変動表示」とは、通常の変動表示における飾り図柄の種類が変化する速さよりも、見た目上、明らかに速く飾り図柄の種類が変化している状態である。このため、高速変動表示を視認した場合、遊技者は擬似連継続演出が実行されたことを特定することができるようになっている。すなわち、3列の図柄が仮一旦停止表示された場合であっても、高速変動表示されることで、変動表示から仮一旦停止表示を1回、高速変動表示から一旦停止表示を1回の変動サイクルとして間違えることがないようになっている。また、通常の図柄の表示態様(変動表示)と異なる表示態様(高速変動表示)とすることで、各列の図柄の表示態様に注目させることができる。
【0072】
また、演出制御用CPU31aは、擬似連継続演出を行う場合、仮一旦停止表示させる図柄を、変動サイクルで一旦停止表示させると決定したはずれの図柄組み合わせとは異なる種類の図柄から決定するようになっている。
【0073】
また、本実施形態では、擬似連継続演出を図柄列分(左列、右列及び中列の3種類)備えている。以下、3種類の擬似連継続演出(第1擬似連継続演出E1、第2擬似連継続演出E2及び第3擬似連継続演出E3)について説明する。
【0074】
まず、第1擬似連継続演出E1について図5に基づき説明する。第1擬似連継続演出E1が実行される変動サイクルでは、3列の図柄列のうち、第1停止図柄列の飾り図柄が(1つの飾り図柄が)仮一旦停止表示される(図5(a)に示す)。その後、通常の図柄変動ゲームにおいて第2停止図柄列の飾り図柄が停止する時間(タイミング)よりも前に、前記仮一旦停止表示された第1停止図柄を所定時間(本実施形態では、1秒間)だけ高速変動表示させる(図5(b)に示す)。そして、変動サイクル毎に一旦停止表示させると決定したはずれの図柄組み合わせにおける第1停止図柄を一旦停止表示させ(図5(c)に示す)、第2停止図柄から順番(第2停止図柄→第3停止図柄)に、当該変動サイクルで一旦停止表示させると決定したはずれの図柄組み合わせにおける第2停止図柄及び第3停止図柄を一旦停止表示させる。このように、第1擬似連継続演出E1を実行可能な構成にすることで、第1停止図柄が一旦停止表示(又は仮一旦停止表示)されてから、第2停止図柄が一旦停止表示(又は仮一旦停止表示)されるまでの間、第1擬似連継続演出E1が実行されることを期待させることができる。
【0075】
次に、第2擬似連継続演出E2について図6に基づき説明する。第2擬似連継続演出E2が実行される変動サイクルでは、3列の図柄列のうち、第1停止図柄列の飾り図柄が仮一旦停止表示された後、次に第2停止図柄列の飾り図柄が(2つの飾り図柄が)仮一旦停止表示される(図6(a)に示す)。その後、通常の図柄変動ゲームにおいて第3停止図柄列の飾り図柄が停止する時間(タイミング)よりも前に、前記仮一旦停止表示された第1停止図柄及び第2停止図柄を所定時間(本実施形態では、1秒間)だけ高速変動表示させる(図6(b)に示す)。そして、変動サイクル毎に一旦停止表示させると決定したはずれの図柄組み合わせにおける第1停止図柄及び第2停止図柄を一旦停止表示させ(図6(c)に示す)、当該変動サイクルで一旦停止表示させると決定したはずれの図柄組み合わせにおける第3停止図柄を一旦停止表示させる。このように、第2擬似連継続演出E2を実行可能な構成にすることで、第1停止図柄及び第2停止図柄が一旦停止表示(又は仮一旦停止表示)されてから、第3停止図柄がいったん停止表示(又は仮一旦停止表示)されるまでの間、第2擬似連継続演出E2が実行されることを期待させることができる。
【0076】
次に、第3擬似連継続演出E3について図7に基づき説明する。第3擬似連継続演出E3が実行される変動サイクルでは、3列の図柄列の飾り図柄(3つの飾り図柄)が順番に(第1停止図柄→第2停止図柄→第3停止図柄)仮一旦停止表示される(図7(a)に示す)。その後、前記仮一旦停止表示された全列の飾り図柄を所定時間(本実施形態では、1秒間)だけ高速変動表示させる(図7(b)に示す)。そして、変動サイクル毎に一旦停止表示させると決定したはずれの図柄組み合わせを一旦停止表示させる(図7(c)に示す)。このように、第3擬似連継続演出E3を実行可能な構成にすることで、全列の飾り図柄が一旦停止表示(又は仮一旦停止表示)されてから、各飾り図柄が確定停止表示されるまでの間、第3擬似連継続演出E3が実行されることを期待させることができる。
【0077】
このように、第1擬似連継続演出E1、第2擬似連継続演出E2及び第3擬似連継続演出E3では、1回の変動サイクルにおいて第3擬似連継続演出E3が実行されたと認識できる(高速変動表示される)タイミング(以下、「実行タイミング」と示す場合がある)が最も遅く、第1擬似連継続演出E1が最も実行されるタイミングが早い。
【0078】
なお、擬似連継続演出は、次回の変動サイクルがあるときにのみ実行される演出であるため、図柄変動ゲームにおける最終回の変動サイクルにおいては実行されない。そのため、擬似連継続演出が実行された際には、次回の変動サイクルがあることを認識させることができ、遊技者の大当りへの期待感を高めるとともに、興趣を向上させることができる。なお、本実施形態では、擬似連演出における変動サイクルの最高回数を「4回」としているため、1回の図柄変動ゲームにおいて擬似連継続演出が実行される最多回数は「3回」となる。
【0079】
また、本実施形態では、各変動サイクルにおいて実行する擬似連継続演出の種類を決定する。以下、演出制御用CPU31aの擬似連継続演出に係る制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより変動サイクルの回数が対応付けられた変動パターンが指定されている場合、当該変動パターンの種類に応じて、各変動サイクルにおける擬似連継続演出の種類が予め決められた継続演出パターンを決定する。
【0080】
本実施形態では、図8に示すように、10種類の継続演出パターン(継続演出パターンKP1〜KP10)を備えている。継続演出パターンには、図8に示すように、変動サイクル毎に実行する擬似連継続演出の種類が設定されている。例えば、継続演出パターンKP5には、図8に示すように、1回目の変動サイクルでは第1擬似連継続演出E1、2回目の変動サイクルでは第2擬似連継続演出E2、3回目の変動サイクルでは第3擬似連継続演出E3を実行することが設定されている。
【0081】
また、各継続演出パターンは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンの種類によって決定される確率(選択確率)が異なっている。例えば、変動パターン指定コマンドにより大当り演出用の変動パターンが指定されている場合(大当りのとき)、14%の選択割合で継続演出パターンKP6が決定される。また、図8に示すように、本実施形態では、大当りのときには、はずれのときと比較して第3擬似連継続演出E3が実行される回数が多く設定された継続演出パターン(例えば、継続演出パターンKP10)が決定されやすくなっている。一方で、大当りのときには、はずれのときと比較して第1擬似連継続演出E1が実行される回数が多く設定された継続演出パターン(例えば、継続演出パターンKP1)が決定され難くなっている。本実施形態では、第1擬似連継続演出E1よりも第2擬似連継続演出E2、第2擬似連継続演出E2よりも第3擬似連継続演出E3が実行された方が大当りへの期待感が高まるようになっている(E1<E2<E3)。
【0082】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンの種類(大当り演出用又ははずれ演出用)に応じた選択割合で、継続演出パターンを決定すると、各変動サイクルの時間を計測する。具体的には、演出制御用CPU31aは、変動パターン毎に設定された各変動サイクルの時間を特定し、1回1回の変動サイクルの開始から終了までを測定する。このようにすることで、演出制御用CPU31aは、実行中の変動サイクルが図柄変動ゲームにおける何回目の変動サイクルであるかを特定することができる。
【0083】
そして、演出制御用CPU31aは、次回の変動サイクルがある変動サイクルにおいて、前記決定した継続演出パターンに設定されている種類の擬似連継続演出を演出表示装置11に実行させる。例えば、2回の変動サイクルが対応付けられた変動パターンHP7が指定されている場合であって、継続演出パターンKP5が決定されているとき、1回目の変動サイクルにおいて、演出制御用CPU31aは、第1擬似連継続演出E1を実行するように演出表示装置11の表示内容を制御するようになっている。また、2回目の変動サイクルでは、次回の変動サイクルがないことから擬似連継続演出を実行しない、一方で、演出制御用CPU31aは、変動パターンHP7に基づくリーチ演出を実行と、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御するようになっている。このように、同一の継続演出パターンが決定された場合であっても、指定された変動パターンに対応付けられた変動サイクルの回数によって、擬似連演出が実行される図柄変動ゲームの演出が異なるようになっている。すなわち、少ない継続演出パターンで、様々な演出パターンを作り出すことができるため、当該様々な演出パターンを実現するためにたくさんの継続演出パターンを記憶する必要がなくなる。
【0084】
なお、演出制御用CPU31aは、擬似連継続演出を実行する場合、仮一旦停止表示させる飾り図柄を決定するようになっている。具体的には、演出制御用CPU31aは、第1擬似連継続演出E1を実行する場合、当該変動サイクルにおいて一旦停止表示させるはずれの図柄組み合わせのうち、第1停止図柄(左図柄)の種類とは異なる種類の飾り図柄を仮一旦停止表示させる飾り図柄として決定する。また、演出制御用CPU31aは、第2擬似連継続演出E2を実行する場合、当該変動サイクルにおいて一旦停止表示させるはずれの図柄組み合わせのうち、第1停止図柄及び第2停止図柄(右図柄)の種類とは異なる種類の飾り図柄をそれぞれ仮一旦停止表示させる飾り図柄として決定する。また、演出制御用CPU31aは、第3擬似連継続演出E3を実行する場合、当該変動サイクルにおいて一旦停止表示させるはずれの図柄組み合わせとは異なるはずれの図柄組み合わせの各列の飾り図柄を仮一旦停止表示させる飾り図柄として決定する。そして、演出制御用CPU31aは、仮一旦停止表示させると決定した飾り図柄を仮一旦停止表示させ、擬似連継続演出実行するように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0085】
なお、本実施形態では、演出制御用CPU31aが、擬似連回数特定手段、実行時点決定手段及び演出制御手段として機能する。また、本実施形態では、演出制御用ROM31bが実行パターン記憶手段として機能する。
【0086】
ここで、擬似連演出が実行される図柄変動ゲームの演出表示装置11の表示態様について図9に基づき説明する。
図9に示す図柄変動ゲームでは、主制御用CPU30aによって、3回の変動サイクルが対応付けられた大当り演出用の変動パターンHP8が決定されたものとする。また、図9に示す図柄変動ゲームでは、演出制御用CPU31aによって、継続演出パターンKP6が決定されたものとする。
【0087】
図柄変動ゲームが開始すると全列の飾り図柄が変動表示され(図9(a)に示す)、第1停止図柄(左図柄、「8」)が仮一旦停止表示される(図9(b)に示す)。前提より、図柄変動ゲームの1回目の変動サイクルでは第1擬似連継続演出E1を実行することが、決定された継続演出パターンKP6に設定されているため、仮一旦停止表示された第1停止図柄が高速変動表示される(図9(c)に示す)。そして、1回目の変動サイクルにおけるはずれの図柄組み合わせ([227])が一旦停止表示される(図9(d)に示す)。
【0088】
また、2回目の変動サイクルの開始とともに、一旦停止表示された全列の飾り図柄が変動表示され(図9(e)に示す)、第1停止図柄、第2停止図柄(右図柄)、第3停止図柄(中図柄)の順に全列の図柄([635])が仮一旦停止表示される(図9(f)に示す)。このとき、見た目上は3列の飾り図柄が一旦停止表示されているのか、仮一旦停止表示されているのか特定できないため、図柄変動ゲームが終わってしまったかと一時的に遊技者を焦らせることができる。擬似連継続演出が早く実行されることで次回の変動サイクルが実行されることを認識でき安心感を得られる一方、本実施形態では、早く擬似連継続演出(第1擬似連継続演出E1)が実行されるほど擬似連継続演出に応じた大当りへの期待感は低くなる。そのため、変動サイクルの終了に近づくにしたがって、変動サイクルが今回で終了してしまうかもしれないことへの危機感を高めながらも、擬似連継続演出が実行された場合には当該擬似連継続演出に応じた大当りへの期待感は高いため、遊技者を楽しませることができる。
【0089】
その後、前提より、図柄変動ゲームの2回目の変動サイクルでは第3擬似連継続演出E3を実行することが、決定された継続演出パターンKP6に設定されているため、仮一旦停止表示された全列の図柄が高速変動表示される(図9(g)に示す)。そして、2回目の変動サイクルにおけるはずれの図柄組み合わせ([836])が一旦停止表示される(図9(h)に示す)。
【0090】
また、3回目の変動サイクルの開始とともに、一旦停止表示された全列の飾り図柄が変動表示され(図9(i)に示す)、リーチの図柄組み合わせ([7↓7])が一旦停止表示され、リーチ演出が実行される(図9(j)に示す)。その後、大当りの図柄組み合わせ([777])が一旦停止表示され(図9(k)に示す)、一旦停止表示された図柄組み合わせがそのまま確定停止表示される(図9(l)に示す)。
【0091】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)次回の変動サイクルがある場合には、変動サイクルにおいて複数の図柄列の図柄のうち幾つかの図柄が仮一旦停止表示された時点において、次回の変動サイクルがあることを示唆する擬似連継続演出が実行され得る。この擬似連継続演出が実行されると、遊技者は次回の変動サイクルがあることを認識することができ、もう一度変動表示されて、最終的に大当りになることへの期待感を高める。また、1回の変動サイクルにおいて、大当りのときほど、仮一旦停止表示されている図柄が多い時点、つまり、変動サイクルの終了に近い時点において、擬似連継続演出が実行されたことを認識できる擬似連継続演出(第3擬似連継続演出E3)が実行されやすい。これにより、各列の図柄が仮一旦停止表示(又は一旦停止表示)される毎に、擬似連演出が継続するか否かについて、及び各変動サイクルの演出により注目させることができる。また、擬似連継続演出は、変動サイクルの終了に近い時点で実行されるほど大当りへの期待感が高まるため、変動サイクルの終了が近づくにしたがって、擬似連継続演出が実行されることに対する期待感を高めることができる。すなわち、1回1回の変動サイクルにおいて、擬似連継続演出が実行されるか否か(擬似連演出が継続するか否か)についてと、擬似連継続演出がどの時点で実行されるか(何列の図柄がゆれ変動状態のときに実行されるか)について注目させることができる。そのため、1回1回の変動サイクルの演出に遊技者を注目させることができ、1回1回の変動サイクルにおける興趣を向上させることができる。
【0092】
(2)継続演出パターンは、擬似連演出を行う際に変動サイクルの回数が最も多い場合(4回)を対象とする各変動サイクルでの擬似連継続演出の演出内容が定められている。そして、変動サイクルの回数に係らず、変動サイクルの回数が最も多い場合を対象とする継続演出パターンを決定し、変動サイクルの回数に係らず、決定した継続演出パターンに設定された順番に擬似連継続演出を実行するようにした。このようにすれば、擬似連演出を構成する変動サイクルの回数毎に複数の継続演出パターンを備える必要がなく、共通して同一の継続演出パターンを使用することができる。したがって、擬似連演出を実行する図柄変動ゲームに関する演出の適用範囲が多様化(例えば、変動サイクルの最高回数の増加や擬似連継続演出の種類の増加)されてもデータ量の増加を抑制することができる。
【0093】
(3)大当りへの期待感が低い演出内容の擬似連継続演出から順番に実行するように継続演出パターンが設定されている。このようにすることで、前回の変動サイクルで実行された擬似連継続演出以上の大当り期待度の擬似連継続演出が実行されるので、遊技者が抱く大当りへの期待感を低下させることがない。そのため、変動サイクルが繰り返される毎に、実行される擬似連継続演出の演出内容について注目させることができる。
【0094】
(4)継続演出パターンには、各変動サイクルにおける擬似連継続演出の演出内容をそれぞれ定めるようにした。そして、継続演出パターンに順番に設定されている擬似連継続演出を、順番に実行するようにすることで、開発者が実行したいと願う演出態様で擬似連演出を実行することができる。
【0095】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、大当りの種類(特別図柄の大当り図柄の種類)を適宜変更してもよい。例えば、規定ラウンド数を2回に定めた2ラウンド確変大当り、及び2ラウンド非確変大当りを設けてもよい。また、この場合には、大当り遊技終了後に、変短状態を付与しないで確変状態のみを付与する大当りを設けてもよい。
【0096】
・上記実施形態において、演出表示装置11を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板を設けるとともに、各サブ制御基板を統括的に制御するサブ統括制御基板を備えたパチンコ遊技機や、主制御基板30及び演出制御基板31の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0097】
・上記実施形態において、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、始動入賞口を第1の始動入賞口と第2の始動入賞口の2つ備え、各始動入賞口毎に、付与される大当り遊技の種類や当該大当り遊技が付与される割合、図柄変動ゲームの種類によって変動インターバル時間及びリーチ確率などを異ならせても良い。
【0098】
・上記実施形態において、確変状態を付与する上限付与回数を、変短状態を付与する入球率向上状態付与回数よりも多い回数としたが、変更しても良い。例えば、上限付与回数と入球率向上状態付与回数を同じ回数としても良いし、上限付与回数を入球率向上状態付与回数よりも少ない回数としても良い。
【0099】
・上記実施形態において、次回の変動サイクルがある場合、次回の変動サイクルがあることを特定可能な擬似連継続の図柄組み合わせ(例えば、「112」[334])を一旦停止表示するようにしても良い。このような場合には、仮一旦停止表示させる図柄を、前記擬似連継続の図柄組み合わせと異なる種類の図柄とするようにしても良い。このようにすることで、仮一旦停止表示(又は一旦停止表示)された図柄の種類が擬似連継続の図柄組み合わせと不一致の図柄であっても、擬似連継続演出における高速変動表示によって前記擬似連継続の図柄組み合わせが一旦停止表示されることを期待させることができる。
【0100】
・上記実施形態において、1回の変動サイクルで仮一旦停止表示される飾り図柄の種類と、一旦停止表示される飾り図柄の種類を異ならせたが、同じ種類にしても良い。この場合、仮一旦停止表示された飾り図柄の種類と、当該飾り図柄が高速変動表示された後に一旦停止表示される飾り図柄の種類が同じになる。
【0101】
・上記実施形態において、継続演出パターンを備えなくても良い。例えば、変動サイクル毎に擬似連継続演出の演出内容を決定するようにしても良い。また、前回の変動サイクルで実行した擬似連継続演出と同じ又はそれより大当りへの期待感が高い擬似連継続演出を実行するよう規制をかけても良い。
【0102】
・上記実施形態において、決定した継続演出パターンに変動サイクル毎に実行する擬似連継続演出の演出内容が予め決められているようにしたが、ランダムに実行するようにしても良い。例えば、2回の変動サイクルが対応付けられた変動パターンが決定された場合には、決定した継続演出パターンから2つの擬似連継続演出を抽出し、当該抽出した擬似連継続演出を変動サイクル毎に実行するようにしても良い。また、このとき、抽出した擬似連継続演出において、大当りへの期待感が低い擬似連継続演出から変動サイクル毎に実行するようにしても良い。
【0103】
・上記実施形態において、変動サイクルの回数が多いほど大当りへの期待感が高まるようにしたが、変動サイクルの回数は大当りへの期待感に係るものでなくて良い。
・上記実施形態において、擬似連継続演出の演出態様を変更しても良い。例えば、次回の変動サイクルがあることを文字やキャラクタを演出表示装置に表示させることで報知するようにしても良い。但し、表示される時点としては、上記実施形態のように、第1停止図柄の一旦停止表示時、第2停止図柄の一旦停止表示時、第3停止図柄の一旦停止表示時とし、第3停止図柄の一旦停止表示時を最も大当り期待度の高い時点としなければならない。
【0104】
・上記実施形態において、第2擬似連継続演出E2の実行時及び第3擬似連継続演出E3の実行時、ゆれ変動状態している全ての図柄を高速変動表示するようにしたが、全て高速変動表示させなくても良い。このとき、高速変動表示される図柄の数によって、大当りへの期待感が異なるようにしても良い。例えば、第2擬似連継続演出E2を実行する場合には、1つの図柄が高速変動表示されるよりも、2つの図柄が高速変動表示される方が大当りへの期待感が高まるようにしても良い。このようにすることで、高速変動表示される図柄の数にも遊技者を注目させることができる。
【0105】
・上記実施形態の擬似連演出において4回の変動サイクルを伴う場合には、大当りとなることを認識できるようにしたが、はずれとなる場合を設けても良い。すなわち、4回の変動サイクルが対応付けられたはずれ演出用の変動パターンを備えても良い。
【0106】
・上記実施形態において、1回の変動サイクルを変動表示の開始から一旦停止表示としたが、所定時間(例えば、10秒間)を1回の変動サイクルとし、変動サイクルの開始とともに図柄の変動表示が開始し、変動サイクルの終了とともに図柄が一旦停止表示されるようにしても良い。この場合、1回の変動サイクル(10秒間)において、図柄の変動表示と仮一旦停止表示を複数回行うことが可能となり、演出の幅が広くなる。
【0107】
・上記実施形態において、仮一旦停止表示と一旦停止表示の表示態様(ゆれ変動状態)を同一にしたが、同じでなくても良い。例えば、仮一旦停止表示時には横のゆれ変動状態とし、一旦停止表示時は縦のゆれ変動状態としても良い。このようにすることで、第1停止図柄が仮一旦停止表示された際には、次回の変動サイクルがあることを早く認識することができ、どのタイミングで高速変動表示が行われるかについてのみ注目させることができる。
【0108】
・上記実施形態において、擬似連継続演出が実行された際には、高速変動表示としたが、通常の変動表示における飾り図柄の種類が変化する早さより、見た目上明らかに遅く変化する低速変動表示としても良い。また、飾り図柄の種類を変化させなくても、仮一旦停止表示された飾り図柄が異なる種類の飾り図柄に変化するような演出態様としても良い。
【0109】
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記擬似連継続演出を実行する場合、前記擬似連継続演出の演出態様を大当り判定手段の判定結果に基づいて決定する擬似連継続演出内容決定手段を備え、前記擬似連継続演出は、前記図柄の変動停止時に、変動停止されている少なくとも1列の図柄を通常とは異なる表示態様で表示する演出態様であり、前記擬似連継続演出内容決定手段は、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合と比較して、高確率で変動停止されている図柄のうち通常とは異なる表示態様で表示する図柄の数が多い演出態様とすることを決定することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0110】
(ロ)前記演出制御手段は、前記擬似連継続演出が実行された後、当該変動サイクルにおいて次回の変動サイクルがあることを特定可能な予め定められた擬似連継続の図柄組み合わせを前記演出実行手段に変動停止させるようになっており、前記擬似連継続演出実行時には、前記実行時点までに前記擬似連継続の図柄組み合わせとは異なる種類の図柄を変動停止させ、当該変動停止させた図柄を再び変動表示させて前記擬似連継続の図柄組み合わせを変動停止させることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【0111】
(ハ)前記演出制御手段は、前記実行時点決定手段が決定した前記継続演出実行パターンに設定された変動サイクル毎の実行時点を変動サイクル毎に順番に抽出し、変動サイクル毎に前記抽出した実行時点において擬似連継続演出を前記演出実行手段に実行させることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【0112】
(ニ)前記擬似連継続演出は、前記図柄の変動停止時に、変動停止されている少なくとも1列の図柄を再び変動表示させ、前記変動停止された図柄と異なる種類の図柄を変動停止させる演出態様とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0113】
11…演出表示装置、12…特別図柄表示装置、15…始動入賞口、17…大入賞口扉、18…大入賞口、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、SW1…始動口スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能で当該遊技球の入賞検知を行う始動入賞手段と、当該始動入賞手段による遊技球の入賞検知を契機に複数の図柄列の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する演出実行手段と、を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された場合には、遊技者に有利となる大当り遊技が付与される遊技機において、
前記始動入賞手段に遊技球が入球したことを契機に、図柄変動ゲームが大当りになるか否かの判定を行う大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果に基づいて、図柄変動ゲームの演出時間を特定可能な変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて、1回の図柄変動ゲームにおいて、全図柄列の図柄が変動表示してから変動停止するまでの変動サイクルの回数を特定する擬似連回数特定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果に基づいて、次回の変動サイクルがある場合、次回の変動サイクルがあることを示唆する擬似連継続演出を実行する実行時点を決定する実行時点決定手段と、
前記実行時点決定手段が決定した実行時点において前記擬似連継続演出を実行するとともに、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに基づいて前記演出実行手段に図柄変動ゲームを実行させる演出制御手段と、を備え、
前記実行時点決定手段は、
前記全図柄列のうち1又は複数の図柄が変動停止される各時点をそれぞれ前記実行時点として決定し得るようになっており、
前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合と比較して、前記全図柄のうち変動停止された図柄の数が多い時点を、前記擬似連継続演出を実行する実行時点として決定しやすいことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変動サイクル毎に前記擬似連継続演出を実行する実行時点が設定された継続演出実行パターンを複数記憶する実行パターン記憶手段を備え、
全ての継続演出実行パターンは、前記変動パターン決定手段が決定し得る複数の変動パターンに設定された変動サイクルの回数のうち、最も多い回数である場合を対象として全ての変動サイクルにおける前記擬似連継続演出を実行する実行時点が定められており、
前記実行時点決定手段は、前記大当り判定手段の判定結果に基づいて、複数種類の継続演出実行パターンの中から前記継続演出実行パターンを決定し、
前記演出制御手段は、
前記実行時点決定手段が決定した継続演出実行パターンを参照して、前記変動パターン決定手段が決定した変動パターンに設定された変動サイクルの回数に対応する数の擬似連継続演出の実行時点を抽出して、当該抽出した実行時点の擬似連継続演出を前記演出実行手段に実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記継続演出実行パターンでは、図柄変動ゲームの各変動サイクルにおける実行時点が設定されており、
1回の図柄変動ゲーム中における変動サイクルの前後関係において、前の変動サイクルにおける実行時点は、後の変動サイクルにおける実行時点よりも、変動停止された図柄の数が同じ又は少ない時点とするように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記擬似連継続演出は、前記図柄の変動停止時に、変動停止されている少なくとも1列の図柄を通常とは異なる表示態様で表示する演出態様とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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