説明

遊技機

【課題】 パネル全体をムラなくかつ効率よく発光させることができるとともに、特定箇所をスポット的にかつ効率よく発光させる。
【解決手段】 スロットマシン1のパネル部6が、所定の印刷が施された印刷シート63の裏面側に配置され、所定の入射光を印刷シート63に導く導光板64と、導光板64の端面に向けて光を出射するLED600と、導光板64の裏面側に配置され、LED600から導光板64に入射された入射光を印刷シート63側に向けて反射させる不透光性の反射シート65と、反射シート65の裏面側に配置され、反射シート65に形成した開口部651を介して、印刷シート63に向けて光を出射するLED610と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、パネル部の光学的構造を改良した遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
メダル等を遊技媒体とする一般的なスロットマシンは、様々な絵柄や文字が表記され、機種の特徴が表された印刷シートに光を照射して、遊技者等に絵柄等を識別させるパネル部を備えている。
【0003】
このような従来のパネル部では、印刷シートの裏面側に透明の導光板を配置するとともに周縁に光源を配置することにより、導光板の端面から入射した光の反射光を利用して間接的に印刷シートを照射する方式が多く採用されている。
この方式によれば、印刷シートの広範囲を均一の明るさで発光させることができるため、印刷シート上の絵柄等をムラなく表示することができる。
また、パネル部の裏面側に配置した光源を用いて印刷シートを直接照射することにより、特定箇所を一層明るく発光させる方式もある。
例えば、特許文献1には、印刷シートの背面に、端部に第一の発光装置を配設した導光板と、導光板の背面に、遮光板で形成した区画内に第二の発光装置を配設した配置パネルとからなるパネル部を有する遊技機が開示されている。
このようなパネル部の構造によれば、第二の発光装置が遮光板で覆われているため、第二の発光装置からの出射光を、第一の発光装置からの出射光による干渉等の影響を受けることなく印刷シートに直接照射させることができる。
したがって、パネルの全面を均一の明るさで発光させるとともに、特定箇所を効率よくスポット的に発光させることができ、パネル表示の演出性をより高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−75365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、導光板の成形誤差等が原因で第一の発光装置から入射光の一部が導光板の裏面等からもれ出てしまい、発光効率を低下させる問題が生じていた。
また、第二の発光装置の発光効率を改善するために設けられた遮光板や第二の発光装置が配置パネルに固設されているため、絵柄等の変更に柔軟に対応できない問題があった。
例えば、異なる機種の遊技機を新たに製作する場合等、配置パネルを再利用しようとすると、印刷シートの絵柄等のレイアウトが極端に制限されるため、実現することはほぼ不可能であった。
また、印刷シートの絵柄等の変更を伴う場合には、新たな絵柄等にあわせて第二の発光装置や遮光板等のパネル部材を配置して製作する必要があった。
このため、パネル部材の多くは再利用することができず、パネル部材の有効利用や資源確保の観点から改善すべき課題となっていた。
また、パネル部をあらためて初めから製作しなければならないため、コスト性や生産性の面においても改善すべき問題となっていた。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、光源及びその取付け方を改良することにより、パネルを効率よく発光させるとともに高い汎用性を有するパネル部を備えた遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、所定の印刷が施された印刷シートと、前記印刷シートに光を照射して発光させる所定の光源とを有する遊技機であって、印刷シートの裏面側に配置され、所定の入射光を印刷シートに導く導光板と、前記導光板の端面に向けて光を出射する第一の光源と、前記導光板の裏面側に配置され、第一の光源から前記導光板に入射された入射光を印刷シート側に向けて反射させる不透光性の反射シートと、前記反射シートの裏面側に配置され、反射シートに形成した開口部を介して、前記印刷シートに向けて光を出射する第二の光源と、を備えた構成としてある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機によれば、パネル全体をムラなくかつ効率よく発光させることができるとともに、特定箇所をスポット的にかつ効率よく発光させることができる。
また、パネル部の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態のパネル部の一例を示す分解斜視図である。
【図5】本実施形態のパネル部の光路を示すための要部断面図である。
【図6】本実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例を説明するための説明図であり、図6(a)は、光源ユニット及び枠体の一例を示した斜視図、図6(b)は、光源ユニットを枠体に取付けたときの正面図、図6(c)は、光源ユニットの向きを変えて枠体に取付けたときの正面図である。
【図7】本実施形態に係る光源ユニット及び枠体の他の例を説明するための説明図であり、図7(a)は、光源ユニット及び枠体の他の例を示す斜視図、図7(b)は、光源ユニットを枠体に取付けたときの正面図、図7(c)は、光源ユニットの向きを変えて枠体に取付けたときの正面図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例を説明するための説明図であり、図8(a)は、光源ユニット及び枠体の斜視図、図8(b)は、光源ユニットの正面図、図8(c)は、光源ユニットの分解斜視図である。
【図9】本実施形態に係る光源ユニットの他の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例を示す正面図である。
【図11】本実施形態に係る光源ユニット及び枠体の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るスロットマシンの好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0011】
[第一実施形態]
[スロットマシン本体]
図1は、本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す概略斜視図、図2は、本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図、図3は、本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの制御構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0013】
スロットマシン1は、内部がマイクロコンピュータ等で構成された制御部30、後述するLED等の光源を制御する制御手段としての演出制御部31、及び必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成されている。
【0014】
前扉1aは、図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る操作部4が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0015】
操作部4には、メダルが投入されるメダル投入口40と、各リール21a,21b,21cの回転を始動させるスタートレバー41と、回転している各リール21a,21b,21cを停止させる3つの停止ボタン42a,42b,42cが設けられている。
【0016】
前扉1aには、各リール21a,21b,21cに表示された図柄を視認可能とする表示窓5が、操作部4の上側に設けられる。また、前扉1aには、機種の名称等を表す文字や機種に関連するキャラクターの絵柄等が表示されるパネル部6が、例えば操作部4の下側に設けられる。さらに、前扉1aには、効果音等が出力されるスピーカ7が、例えばパネル部6の下側に設けられる。
【0017】
筐体1bの中央には、リール21a,21b,21cと、各リール21a,21b,21cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット2が設けられる。
【0018】
また、筐体1bの下部には、メダルを貯留・払出するメダル払出装置8が設けられる。メダル払出装置8には、メダルを貯留するホッパー80が設けられ、メダル投入口40より投入されたメダルは、メダルセレクタ81により検出されるとともに、ホッパー80に誘導されるようになっている。
【0019】
図3に示すように、スロットマシン1では、遊技者によりメダル投入口40からメダルが投入され、スタートレバー41が操作されると、スタート信号が制御部30に入力される。スタート信号が入力されると、制御部30では、所定の遊技プログラムに従いドラムユニット2を駆動して、各リール21a,21b,21cを回転させる制御を行う。
【0020】
さらに、制御部30では、例えばボーナスや小役等を抽選する内部抽選が行われ、各停止ボタン42a,42b,42cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール21a,21b,21cの停止制御を行う。
【0021】
また、制御部30は、各リール21a,21b,21cを所定の図柄の組合せで停止させると、メダル払出装置8で所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口82から払い出す。
【0022】
スロットマシン1では、制御部30における制御によって上述したスロットマシン遊技が開始されると、所定の信号が制御部30から演出制御部31に入力される。演出制御部31では、所定の演出プログラムに従いパネル部6に備えたLED600、610やスピーカ7を駆動して、演出制御を行う。
【0023】
[パネル部]
次に、本実施形態のパネル部について、各図を参照して詳述する。
図4は、本実施形態のパネル部の一例を示す分解斜視図であり、図5は、パネル部の光路を示すための要部断面図である。
図4に示すように、パネル部6は、所定の絵柄や文字が描かれた印刷シート63と、印刷シート63の裏面に透光性の導光板64と、導光板64の裏面に不透光性の反射シート65と、反射シート65の裏面側に所定の枠体66と、これらを一体にしてスロットマシン1の前扉1aに取付けるためのパネル枠62を備える。
導光板64としては、例えば、透明のアクリル材等を用いることができる。また、反射シート65としては、高い反射率を有し、後述する第一の光源(LED600)からの光を効果的に反射し得る表面をもつ素材(例えば、表面が白色や銀色、又は、鏡面のシート材)を用いることができる。
なお、パネル枠62と前扉1aには対応する係止手段を備えており、このためパネル部6はスロットマシン1に対して着脱可能であり、かつ、各構成部材が分離可能となっている。
このように、分離・着脱可能なパネル部6を備えることで、パネル部6全部を交換することなく、印刷シート63を交換するだけで、表示内容の変更が行えるようになっている。すなわち、印刷シート63を交換することで、異なる機種に変更できるように、汎用化が図られている。
【0024】
また、パネル部6は、印刷シート63に描かれた絵柄等を照射して発光させるために第一の光源と第二の光源とを備える。
第一の光源は、印刷シート63の広範囲を均一に照射するための光源であり、導光板64の外周縁に一又は複数設置する。
例えば、図4や図5に示すように、第一の光源である発光ダイオード(以下、LED600という。)が設置された基板601を枠体66側部の所定箇所に取付けることによって、LED600が、導光板64の端面に配置するようにする。
このようにすると、導光板64の端面から入射されたLED600の出射光Xが導光板64の裏面に配置した反射シート65で反射する過程を経て、印刷シート63の広範囲が均一に照射される。
【0025】
第二の光源は、印刷シート63の特定範囲に直接光を照射するための光源であり、導光板64の背面にある反射シート65の裏面側に設置する。
このようにすると、例えば、印刷シート63にピエロの絵が描かれている場合において、ピエロの目の部分だけをスポット的に明るく発光させることができ、パネル表示の演出性を高めることができる。また、演出制御部31の演出制御にもとづき動的に発光させ、また、スピーカ7からの音声出力と組み合わせることによって、パネル表示の演出性をより一層高めることが可能となる。
【0026】
具体的には、図4や図5に示すように、第二の光源である発光ダイオード(以下、LED610という。)が設置された基板611を枠体66正面の該当領域に取付け、LED610の出射光Yの光路が印刷シート63の特定範囲を示すようにする。
ここで、LED610の光路にかかる反射シート65の部分は切除して開口部651を設ける。
また、LED610は、開口部651の反射シート65より後ろ側に配置するようにする。
このようにすると、LED600の出射光Xの光路とLED610の出射光Yの光路とを互いに調整することができ、双方の発光効率をともに向上させることができる。
すなわち、導光板64の裏面には、開口部651を除き反射シート65が配置されている。このため、開口部651以外からの無用な光の入射を防ぐことができ、LED600の出射光Xを導光板64内で効率よく伝搬させることができる。
また、反射シート65の開口部651によってLED610の出射光Yの指向性を高めることができるため、印刷シート63に対し効果的にスポット照射することが可能となる。
すなわち、このような光学的構造によれば、パネルの全体をムラなく効率よく発光させるだけでなく、特定の範囲についてはスポット的にかつ効率的に発光させることができる。
【0027】
なお、反射シート65は、図4に示すように、予め切取り線652を施しておくことが好ましい。このようにすると、LED610の位置にあわせて容易に開口部651を形成することができる。
このため、LED610の新設時や配置変更時に、光路にかかる開口部651を迅速かつ的確に形成することができる。
【0028】
ここで、本実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例について説明する。
図6(a)は、本実施形態のパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例を示した斜視図、図6(b)は、光源ユニットを枠体に取付けたときの正面図、図6(c)は、光源ユニットの向きを変えて枠体に取付けたときの正面図である。
図6に示すように、本実施形態の光源ユニット61は、LED610を矩形状の基板611上に配置したものである。
光源ユニット61の基板611には、枠体66正面に備えられた爪部661に光源ユニット61を係止するための固定孔612を備える。例えば、図6(a)に示すように、基板611の周縁の各辺に沿って四つの固定孔612p,612q,612r,612sを備える。
【0029】
これに対し、枠体66は、縦横に配列した複数の矩形状の貫通孔662を有することで格子状の枠を形成している。
この貫通孔662は、光源ユニット61を枠体66に取り付けたそれぞれの領域において、LED610に付属する電源のリード線619を基板611の裏側から引き出すために利用される。このため、貫通孔662は、光源ユニット61の形状・サイズにあわせて形成することが好ましい。
このようにすると、取付けた光源ユニット61の位置や向きにかかわらずリード線619を容易に引き出すことができ、枠体66の裏側で収まりよく布設することができる。
また、貫通孔662は、反射シート65と同様、通常は塞がった状態とし、LED610の取付け領域のみを除くことによって形成するようにしてもよい。
この場合、枠体66の表面に不透光性の塗料(例えば、白色や銀色の着色塗料など、LED600からの光を高い反射率をもって反射することが可能な塗料)を塗布することによって反射面を形成するようにしてもよい。
このようにすると、枠体66と反射シート65とを一体的に形成することができるため、部材を簡素化することができる。また、枠体66の該当領域を除くことによって、反射シート65の開口部652と枠体66の貫通孔662とを同時に形成することができる。
【0030】
また、枠体66は、光源ユニット61を固定するため、前記固定孔612に対応した爪部661を備える。
爪部661は、貫通孔662の周囲の枠体66上に備え、例えば、図6(a)に示すように、貫通孔662の上下左右の枠に、四つの爪部661p,661q,661r,661sを形成する。
【0031】
そして、光源ユニット61を枠体66に取付けるに当たっては、固定孔612p〜612sを、それぞれ爪部661p〜661sに嵌め込むようにする。
これにより、図6(b)に示すように、爪部661pと固定孔612p、爪部661qと固定孔612q、爪部661rと固定孔612r、爪部661sと固定孔612s、がそれぞれ係合して光源ユニット61が固定され、この固定領域の左上の小領域にLED610が配置される。
取付けた光源ユニット61は、爪部661から固定孔612を外すことで、枠体66から容易に取り外すことができる。
このため、使用済みのスロットマシンのパネル部6から光源ユニット61を取り外して再利用することも容易に可能である。
【0032】
ところで、本実施形態の光源ユニット61は、前記固定孔612が、基板611の中心点を基準に点対称に配置するようにしている。
例えば、図6に示す光源ユニット61は、上下、左右に対称に固定孔612を配置するようにしている。
このようにすると、光源ユニット61の向きを90°ごとに変更して取付けることができる。
加えて、本実施形態の光源ユニット61は、LED610が、基板611の中心点からずらして配置されるようにしている。例えば、図6に示す光源ユニット61のように、LED610を、基板611の中心点から左上側にずらして配置するようにする。
このようにすると、光源ユニット61の向きを変えることによってLED610の配置を一定領域の範囲内で細かく変更することができる。
【0033】
例えば、図6(a)に示す光源ユニット61を、時計周り方向(基板上の矢印方向)に90°回転させて枠体66に取り付けると、図6(c)に示すように、爪部661pと固定孔612s、爪部661qと固定孔612p、爪部661rと固定孔612q、爪部661sと固定孔612r、がそれぞれ係合され、光源ユニット61の固定領域の右上の小領域にLED610が配置される。
同様に、光源ユニット61を180°回転させて枠体66に取付けると、LED610は固定領域の右下の小領域に配置され、光源ユニット61を270°回転させて枠体66に取付けると、LED610は固定領域の左下の小領域に配置される(図示省略)。
すなわち、固定孔612と爪部661の組み合わせを変えることによって、LED610の配置を、光源ユニット61の固定領域の範囲内で変更することができる。
【0034】
つぎに、本実施形態に係る光源ユニット及び枠体の他の例について説明する。
図7(a)は、本実施形態に係る光源ユニット及び枠体の他の例を示す斜視図、図7(b)は、光源ユニットを枠体に取付けたときの正面図、図7(c)は、光源ユニットの向きを変えて枠体に取付けたときの正面図である。
図7(a)に示すように、本例の光源ユニット61aは、円盤状の基板611aを備え、この円周に沿って施された円弧状の固定孔612’を備える点で前例の光源ユニット61と異なる。
また、本例の枠体66aは、光源ユニット61aの形状にあわせて円状の貫通孔662aを形成する点で前例の枠体66と異なる。
他の構成は、前例の光源ユニット61及び枠体66と同様である。
【0035】
このような光源ユニット61aを枠体66aに取付けるに当たっては、前例と同様、光源ユニット61aの固定孔612p’〜612s’を、それぞれ爪部661p’〜661s’に嵌め込むようにする。
これにより、図7(b)に示すように、爪部661p’と固定孔612p’、爪部661q’と固定孔612q’、爪部661r’と固定孔612r’、爪部661s’と固定孔612s’、がそれぞれ係合して光源ユニット61aが固定され、この固定領域の左上の小領域にLED610が配置される。
【0036】
ここで、本例の光源ユニット61aは、固定孔612’が円弧状に形成されており、この固定孔612’の弧長に対応した回転角度θの範囲内でLED610の配置を変更できるようにしている。
例えば、図7(a)に示す光源ユニット61aを、反時計周り方向にθ°回転させて枠体66aに取り付けると、図7(c)に示すように、爪部661’と固定孔612’との係合関係はそのまま、基板611aの中心を基点にして反時計回りにθ°回転した位置にLED610が配置される。
つまり、本例によれば、LED610の配置を光源ユニット61aの固定領域内の上下左右の各小領域に変更することができるだけなく、光源ユニット61aが一定の長さの円弧状の固定孔612’を備えるため、LED610の配置を各小領域内において任意の角度で回転移動させることができる。
【0037】
すなわち、図6又は図7に示す本実施形態の光源ユニット61,61a及び枠体66,66aの例によれば、LED610の出射光を印刷シート63の該当箇所に対しより正確にスポット照射することができる。
【0038】
このように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、パネル部6が第一の光源であるLED600と第二の光源であるLED610を備え、LED600により印刷シート63の広範囲を均一に照射しつつ、LED610により特定範囲をスポット的に照射するようにしている。
このため、演出性に優れたパネル表示を提供することができる。
また、LED610は、反射シート65を局所的に切除した開口部651の箇所であって、反射シート65より後ろ側に配置するようにしている。
このため、印刷シート63の広範囲を効率よく発光させつつ、特定の範囲についても効率よく集中的に発光させることができる。
また、LED610を着脱可能なユニット構成にすることによって、その光源ユニット61を絵柄等に的確に対応した任意の領域に着脱自在に取付けることができる。
このため、機種の相違等により印刷シート63の絵柄等の変更を伴う場合であっても、的確にパネル表示を行うパネル部6を迅速かつ容易に形成することができる。
また、光源その他のパネル部材の再利用が可能となるため、汎用性が高く、環境性に優れたスロットマシン1を提供することができる。
また、光源ユニット61を枠体66に取付けるための係止手段を、光源ユニット61と枠体66の双方に備えるようにしている。ここで、光源ユニット61は基板611の中心点を基準に点対称に固定孔612を備え、枠体66はこの固定孔612に対応した爪部661を備えるようにしている。
このため、光源ユニット61を所定の向きに変えて固定することができる。
また、LED610を中心点からずらして配置することにより、LED610の配置をより細かく適切な配置に調整することができる。
また、枠体66には、光源ユニット61を取付ける領域に、貫通孔662を備えるようにしているため、リード線619の引き出しや布設を容易にすることができる。
また、反射シート65に切取り線652を施すことによって、LED610の印刷シート63に対する光路にかかる開口部651を容易に形成することができる。
【0039】
[第二実施形態]
つぎに、本発明の第二実施形態に係るスロットマシンのパネル部について説明する。
図8(a)は、本発明の第二実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例を示す斜視図、図8(b)は光源ユニットの正面図、図8(c)は、光源ユニットの分解斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るパネル部6の枠体66bは、長窓状の貫通孔662bを設けることによって二本以上の平行したレール枠663を備え、光源ユニット61bを、このレール枠663間の水平方向の任意の位置に取付けることができるとともに、第二の光源610が垂直方向にスライド可能に取付けることができる点において特徴を有する。
すなわち、本実施形態のパネル部6は、第二の光源であるLED610を水平及び垂直方向に自在に変更して配置することができる点で第一実施形態と異なる。
他の構成は第一実施形態と同様である。このため共通する構成については図1〜7と同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、本実施形態のパネル部6を構成する光源ユニット61bについて詳細に説明する。
【0040】
本実施形態に係る光源ユニット61bは、二本のレール枠663に架設可能な長さを有する本体613と、弾性変形により二本のレール枠663に係止される弾性係止部と、光源ユニット61bの本体613の長手方向にスライド移動可能に設けられLED610を備えるスライド部614とからなる。
本体613は、図8(a)〜(c)に示すように、長手方向の長さがほぼレール枠663間と同じである細長板状の位置調整板6131を備え、その上下に上部支持片6132及び下部支持片6133を備えることで、全体が断面コ型状に一体成形されている。
また、位置調整板6131と、上部支持片6132との境界部及び下部支持辺との境界部には、所定の切込みを施すことにより切込み部6134を形成している。また、上部支持片6132の上面と下部支持片6133の下面にはゴムなどの弾性部材615を貼付してある。
【0041】
このようにすると、上部支持片6132と下部支持片6133とをそれぞれ対向して押し合わせることによって本体613に撓みをつくることができる。そして、レール枠663間でこの撓みを開放することによって両側のレール枠663に対し弾性力が働き、光源ユニット61bを係止させることができる。
また、レール枠663間は、仕切り等が無いため、水平方向の任意の位置に光源ユニット61bを取付けることができる。
位置調整板6131の長手方向には、一定間隔で凹凸加工を施すことにより凹凸部6135を形成している。このようにすると、スライド部614に対する滑り止めや抜け止めの効果を奏する。また、スライド部614の取付け位置の目安にすることができ、LED610を的確に配置することができる。
【0042】
スライド部614は、いわゆるクリップ機能を有する板材にLED610を配置したものである。
すなわち、スライド部614は、一定の弾性を有する板材の一方の端部をS字状に折り曲げた形状となっており、この折り曲げ構造による弾性力によって位置調整板6131に対し移動可能に保持できるようにしている。
このようにすると、位置調整板6131の凹凸加工による滑り止め効果等も働き、LED610を任意の位置に安定的に配置することができる。
【0043】
つぎに、本実施形態に係る光源ユニットの他の例について説明する。
図9は、本実施形態に係る光源ユニットの他の例を示す斜視図である。
図9に示すように、本例の光源ユニット61cは、本体613aが、短冊状(長尺)の位置調整板6131aのみからなり、その両端部にレール枠663(枠体66b)を挟み込むための切込み挟持部6136を備える点で異なる。その他の構成は前例と同様である。
具体的には、本例に係る本体613a(位置調整板6131a)は、合成樹脂等、一定の弾性を有する材料によって短冊状に形成された板材からなり、この板材の両端部に切込みを施し、さらに、この切込み箇所をS字形状に加工した切込み挟持部6136を備えている。すなわち、切込み挟持部6136におけるS字形状による弾性変形によって、レール枠663の断面が挟持され、本体613aが係止される。板材の長さは、本体613aを長手方向に撓ませ、この撓みをレール枠663間で開放したときにレール枠663に対し適度に応力が働く程度の長さとしている。
【0044】
このようにすると、本体613aを長手方向に撓ませ、これをレール枠663間で開放することによって、光源ユニット61cをレール枠663間の任意の位で係止させることができる。
なお、前例の位置調整板6131と同様、凹凸部6135を備え、スライド部614に対する滑り止め等が処置されている。
このように、本例の光源ユニット61cによっても、LED610を所定位置に安定的に配置することができる。
【0045】
したがって、本実施形態に係る光源ユニット61b、61c及び枠体66bからなるパネル部6を有するスロットマシン1においても、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、光源ユニット61b、61cをレール枠663間の任意の位置に取り付けることができ、スライド部614を本体613の任意の位置に取付けることができるため、LED610を、所望の位置に正確に配置することができる。
また、光源ユニット61b、61cが、本体613とスライド部614とに分離可能であり、枠体66bの形態が変わったとしても、光源は取り外して再利用することができる。
このため、第一実施形態よりもさらに汎用性を高めることができる。
【0046】
[第三実施形態]
つぎに、本発明の第三実施形態に係るスロットマシンのパネル部について説明する。
図10は、本実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の一例を示す説明図であり、図11は、本実施形態に係るパネル部を構成する光源ユニット及び枠体の他の例を示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態では、光源ユニット61dを、所定のネジ618(取付け部材)で枠体66cに取付けるようしており、このような構成によりLED610を任意の領域に配置できるようにしている。このため、本実施形態の光源ユニット61dは、端部にLED610が配置された短冊状の板材616に所定の接合孔617を形成するとともに、枠体66cは、取付け孔664が形成され、接合孔617と取付け孔664とをネジ618で固定することによってLED610を枠体66cの任意の位置に配置することができる点において前述の第一及び第二実施形態と異なる。他の構成は同様である。このため、共通する構成については図1〜9と同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態のパネル部6を構成する光源ユニット61d及び枠体66cについて詳細に説明する。
【0047】
本実施形態に係る光源ユニット61dは、図10に示すように、短冊状の板材616の一方の端部にLED610を配置するとともに他方の端部に接合孔617が形成されている。
また、枠体66cは、格子状の枠を形成し、この枠に所定間隔で取付け孔664が形成されている。
また、本実施形態に係る光源ユニット61dは、図11に示すように、短冊状の板材616の一方の端部にLED610を配置するとともに、長手方向に複数又は長孔状の接合孔617を形成している。
光源ユニット61d及び枠体66cを、このような構造にすると、枠体66cの任意の取付け孔664に、光源ユニット61dの板材616の方向と長さを調節してネジ618で固定することができるため、LED610の配置を細密に変更することができる。
このため、LED610同士が近接する場合であっても、出射光が相互に干渉しないように各LED610の位置を微調整することができる。
【0048】
このように、本実施形態に係る光源ユニット61d及び枠体66cからなるパネル部6を有するスロットマシン1によれば、枠体66cに一又は二以上の取付け孔664が形成され、光源ユニット61dは、長手方向に一又は二以上の接合孔617が形成された一定長の板材616と、この板材616の端部に配置されたLED610とを備え、取付け孔664と接合孔617とをネジ618で固定することによって光源ユニット61dを枠体66cに着脱自在に取付けることができる。
このため、第一及び第二の実施形態と同様の作用効果を奏することができるだけでなく、LED610の配置をより細密に変更することができる。
したがって、本実施形態に係るパネル部6を有するスロットマシン1によれば、LED610が印刷シート63の該当箇所をより正確にスポット照射することができる。
また、LED610の配置が輻輳するような場合であっても、出射光が相互に干渉しないように位置調整することができる。
【0049】
以上、本発明のスロットマシンの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るスロットマシンは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、一つの光源ユニット61に、LED610を複数備えるようにしてもよい。この際、発光色がそれぞれ異なるようにすることで演出性をより高めることができる。
また、枠体66の貫通孔662は、矩形や円形の他、三角形など他の任意の形状であっても良い。
また、前述の第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせることによっても本発明のスロットマシン1を実現することができる。
例えば、第一実施形態に係る光源ユニット61が、第二実施形態に係る光源ユニット61b,61cの弾性係止部とスライド部614を備えるようにしてもよい。
このようにすると、光源ユニット61の向きを任意に変更しつつ、水平方向に移動することができ、さらに、スライド部614を垂直方向に移動することができ、より細密にLED610の位置を調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、パネル部を備えるスロットマシン(回胴式遊技機)に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 スロットマシン(遊技機)
1a 前扉
2 ドラムユニット
30 制御部
31 演出制御部
4 操作部
41 スタートレバー
42(42a,42b,42c) 停止ボタン
6 パネル部
61 光源ユニット
600 LED(第一の光源)
601 基板
610 LED(第二の光源)
611 基板
612 固定孔
613 (光源ユニット)本体
6131 位置調整板
6132 上部支持片
6133 下部支持片
6134 切込み挟持部
614 スライド部
615 弾性部材
616 板材
617 接合孔
618 ネジ(取付け部材)
619 リード線
62 パネル枠
63 印刷シート
64 導光板
65 反射シート
651 開口部
652 切取り線
66 枠体
661 爪部
662 貫通孔
663 レール枠
664 取付け孔
7 スピーカ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の印刷が施された印刷シートと、前記印刷シートに光を照射して発光させる所定の光源とを有する遊技機であって、
印刷シートの裏面側に配置され、所定の入射光を印刷シートに導く導光板と、
前記導光板の端面に向けて光を出射する第一の光源と、
前記導光板の裏面側に配置され、第一の光源から前記導光板に入射された入射光を印刷シート側に向けて反射させる不透光性の反射シートと、
前記反射シートの裏面側に配置され、反射シートに形成した開口部を介して、前記印刷シートに向けて光を出射する第二の光源と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第二の光源を有する光源ユニットと、前記光源ユニットを固定する枠体とを備え、
前記枠体は、前記光源ユニットの固定位置を前記印刷シートに対応する領域内において選択可能に形成された請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記光源ユニットは、所定の中心点を基準に点対称に配置された前記枠体に固定される固定孔を有するとともに、前記第二の光源を前記中心点からずらして配置した請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記枠体は、平行に配置される少なくとも2本のレール枠を備え、
前記光源ユニットは、前記2本のレール枠に架設可能な長さを有する本体と、弾性変形により2本のレール枠に係止される又は2本のレール枠を係止する弾性係止部と、本体の長手方向にスライド移動可能に設けられ前記第二の光源を備えるスライド部と、を有する請求項2又は3記載の遊技機。
【請求項5】
前記枠体に一又は二以上の取付け孔が形成され、
前記光源ユニットは、長手方向に一又は二以上の接合孔が形成された一定長の板材と、この板材の端部に配置された前記第二の光源とを備え、
前記取付け孔と前記接合孔とを所定の取付け部材によって結合することによって前記光源ユニットを前記枠体に着脱自在に取付け可能な請求項2記載の遊技機。
【請求項6】
前記反射シートは、所定の領域ごとに切除可能な切取り線が施された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記導光板の裏面側に配置された前記枠体の表面が、第一の光源から前記導光板に入射された入射光を印刷シート側に向けて反射させる反射面からなり、前記枠体が所定の領域ごとに切除して前記開口部を形成する請求項2乃至6のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−75771(P2012−75771A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225501(P2010−225501)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】