説明

遊技機

【課題】センサを用いた遊技者の遊技状況(遊技設備の使用状況)に応じた報知について、遊技内容に直接的に関わる報知を行う遊技機を提供する。
【解決手段】保留記憶手段に記憶されている保留球中に、遊技状態を大当り遊技状態に移行させる保留球が含まれており、離席検知手段によって、遊技中に遊技者が遊技機前の所定領域から離席したことを検知した場合において、遊技者に対する注意を喚起する報知を行うか否かを決定する第一注意喚起報知決定手段と、前記第一注意喚起報知決定手段が報知を行うと決定した場合に、遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する報知手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者を検知するセンサを備え、保留球中に遊技者にとって有利な遊技状態に移行する情報が含まれていた場合に遊技者に所定の報知を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機に人感センサを備え、遊技者の存在(遊技機で遊技している遊技者・遊技機前で立ち止まり、遊技機を選択している遊技者の双方を含む。)を検知して音声による所定の報知を行う遊技機が知られている(特許文献1および2を参照。)。
例えば、特許文献1では、遊技者の着席を検知すると、「いらっしゃいませ」などのメッセージを報知する遊技機を開示している。
【0003】
特許文献2では、遊技機が使用状態か未使用状態かを判別し、未使用状態であれば未使用状態に適合したメッセージ(例えば、「今日は良く出ますよ。」などの音声メッセージ)を、センサで検知した遊技者(遊技機前に立ち止まって遊技機を選択している遊技者も含む)に対して報知し、遊技者による使用状態であれば、その遊技者の使用状況に適合したメッセージ(例えば、離席後、再び着席した際に、「早かったね」「おかえりなさい」「淋しかったよ」などの音声メッセージ)を報知する遊技機を開示している。
このように、遊技者に対する報知内容を多様化することによって、遊技者はより強い親近感を得ることができ、遊技の興趣を向上し得るものと考えられていた。
【0004】
しかし、いずれの従来技術にあっても、遊技内容に直接的に関わる報知を行っているものではなかった。
よって、いかに人感センサを用いて遊技者の遊技設備の使用状況に応じた報知を行ったとしても、その報知自体に遊技内容と直結した意味が無い以上、当該報知自体、遊技の興趣を向上するとの結果には直結するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−80128号公報
【特許文献2】特開2003−144629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その課題とするところは、センサを用いた遊技者の遊技状況(遊技設備の使用状況)に応じた報知について、遊技内容に直接的に関わる報知を行う遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明の第1の発明は、
遊技盤の遊技領域を転動流下した遊技球が、始動入賞領域を通過したことを検出する遊技球通過検出手段と、
前記遊技球通過検出手段によって遊技球の通過が検出されたことを契機として、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するか否かを判定する大当り判定手段と、
前記遊技球通過検出手段による検出を契機に図柄の変動表示を開始し、前記大当り判定手段による判定結果に基づいた表示結果で図柄の変動表示の停止を導出可能にしている可変表示手段と、
前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行すると判定された場合には、遊技状態を通常遊技状態から前記大当り遊技状態へ移行させる大当り遊技実行手段と、
前記可変表示手段によって図柄の変動表示が行われている状態において、前記遊技球通過検出手段によって遊技球の通過が検出された際に、前記大当り判定手段によって判定された判定結果に基づく図柄の可変表示の実行を保留し、その保留した判定結果の数を保留球として予め定められた個数を上限に記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段によって保留されている保留球の数を保留球数表示として前記可変表示手段にて表示する保留球数表示手段と、
遊技中に遊技者が離席したことを検知する離席検知手段と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留球中に、遊技状態を通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させる保留球が存在する場合において、前記離席検知手段による遊技者の離席検知を条件として、遊技者に対して注意を喚起する報知を行うか否かを決定する第一注意喚起報知決定手段と、
前記第一注意喚起報知決定手段が報知を行うと決定した場合に、遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する報知手段とを備えることを特徴とする遊技機としたことである。
【0008】
第1の発明によれば、保留球内に遊技状態を大当り遊技状態に移行させる情報が含まれている場合、遊技者が離席すれば、その離席を検知し、遊技者に対して遊技状態を通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させる情報が注意を喚起する報知として遊技者に報知され得るため、遊技者による大当りの取りこぼしを防止することが可能となる。このような遊技状況(遊技内容)に直結した情報(大当り遊技移行情報)が報知されるため、遊技者の遊技に対する興趣は向上する。
また、本発明によれば、次のような新たな遊技性を遊技者に対して提供することも可能となる。
たとえば、遊技者は、遊技中において保留球がある場合、この保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを積極的に確かめることも可能となる。すなわち、保留球がある場合において、遊技者が故意に離席してみれば、遊技者に対して注意を喚起するための報知(大当り遊技状態に移行させる情報が含まれていることの報知)が行われるか否かを確かめることもできる。これは、遊技中に故意に離席することで、遊技状態移行情報を前もって知ることが可能になるといった新たな遊技性が発生する。よって、遊技者による当該報知に対する興趣を向上させ、かつ遊技機自体の興趣を向上させることにもなる。
【0009】
本発明の第2の発明は、第1の発明において、
遊技中において、前記離席検知手段が遊技者の離席状態を検知せず、その離席非検知状態が継続している時間を遊技者が継続して遊技を行っている連続遊技時間として計測する連続遊技時間計測手段を備え、
前記第一注意喚起報知決定手段は、前記連続遊技時間計測手段によって計測される連続遊技時間が予め定められた時間以上となった場合にのみ前記報知手段による報知を行うか否かを決定することを特徴とする遊技機としたことである。
【0010】
第2の発明によれば、遊技者が予め定められた時間以上継続して着席している場合、すなわち予め定められた時間以上継続して遊技している場合にのみ、遊技者に対して注意を喚起するための報知を行うか否かを決定するものとしたため、遊技者は遊技時間が長くなればなるほど保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを確かめることができるという新たな遊技性が発生することとなる。これによれば、当該報知に対する興趣を向上させることができ、結果として遊技機自体の興趣を一層向上させることにもつながる。
【0011】
本発明の第3の発明は、第1の発明において、
遊技中において、前記離席検知手段が遊技者の離席状態を検知せず、その離席非検知状態が継続している時間を遊技者が継続して遊技を行っている連続遊技時間として計測する連続遊技時間計測手段と、
遊技中における大当りに当選した回数をカウントする大当り回数カウント手段と、
前記大当り回数カウント手段によってカウントされた大当り回数を記憶する大当り回数記憶手段とを備え、
前記第一注意喚起報知決定手段は、前記大当り回数記憶手段に記憶されている大当り当選回数と、前記連続遊技時間計測手段によって計測される連続遊技時間の経過段階とに応じて前記報知手段による報知を行うか否かを決定することを特徴とする遊技機としたことである。
【0012】
第3の発明によれば、遊技時間が長くなればなるほど、大当り回数が多くなればなるほど、保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを確かめることができるという新たな遊技性が発生することとなる。これによれば、当該報知に対する興趣を向上させることができ、結果として遊技機自体の興趣をより一層向上させることにもつながる。また、結果的に、遊技者が連続して遊技を継続する時間が長くなるため、遊技ホールにおける遊技機の稼働の低下を食い止めることにもつながり、遊技ホールの収益の向上ともなる。
【0013】
本発明の第4の発明は、第3の発明において、
遊技中において、前記離席検知手段が遊技者の離席状態を検知し、その離席検知状態が継続している時間を遊技者が継続して遊技を行っていない連続非遊技時間として計測する連続非遊技時間計測手段と、
前記連続非遊技時間計測手段によって計測されている連続非遊技時間が予め定められた時間に達した場合には、前記大当り回数記憶手段に記憶されている大当り回数と、前記連続遊技時間計測手段にて計測されている連続遊技時間とをリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする遊技機としたことである。
【0014】
第4の発明によれば、遊技者が連続して遊技をしていたとしても、予め定められた時間離席状態が継続していた場合には、それまでの連続遊技時間と大当り回数がリセットされることとなり、遊技者が離席して保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを確かめるといった遊技性が得られなくなる虞があるため、遊技者は、離席する場合であっても予め定められた時間以内に着席して遊技を続行するように心掛けることとなるため、遊技機の稼働を維持することができる。
【0015】
本発明の第5の発明は、第2乃至第4のいずれかに記載の発明において、
前記第一注意喚起報知決定手段は、画像表示とランプ表示と音声のいずれか一つ若しくは複数の組み合わせによる報知を決定することを特徴とする遊技機としたことである。
【0016】
第5の発明によれば、保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれている場合、画像表示と音声表示とランプ表示のいずれか一つ若しくは複数の組み合わせによる報知がなされるため、遊技者は、視覚と聴覚のいずれか若しくは双方によって大当り遊技状態に移行させる情報が含まれていることを当該報知によって知ることができるため、さらなる遊技の興趣の向上となる。
【0017】
本発明の第6の発明は、第1乃至第5の発明において、
前記遊技球通過検出手段によって遊技球の通過が検出されたことを契機に、遊技者に対して注意を喚起する報知を行うか否かを判定するための乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留球中に大当り遊技状態に移行させる保留球がある場合において、前記乱数抽出手段によって抽出された乱数を用いて遊技者に対して注意を喚起する報知を行うか否かを決定する第二注意喚起報知決定手段とを備え、
前記第二注意喚起報知決定手段が、遊技者に対して注意を喚起する報知を行うと決定する場合には、前記可変表示手段にて表示されている保留球数表示を用いて報知を行うと決定し、
前記報知手段は、前記第二注意喚起報知決定手段による決定に基づいた報知を実行可能にしていることを特徴とする遊技機としたことである。
【0018】
第6の発明によれば、第二注意喚起報知決定手段は、乱数抽出手段によって抽出される乱数に基づいて遊技者に対して注意を喚起するための報知を行うか否かを決定するものとしたため、離席検知手段による遊技者の離席検知の有無、長時間遊技をしているか否か、大当り回数を多く出しているか否かなどの条件に係らず、大当り遊技状態に移行させる情報が保留球に含まれていることを報知によって知ることが可能となる。これによれば、遊技者が離席して保留球中に含まれている大当り遊技状態への移行情報を確かめようとしたとき(離席しようとしたとき)に、離席していないにも係らず、突然、遊技者に対して注意を喚起するための報知(大当り遊技状態に移行させる情報の報知)がなされることがあるため、遊技者の興趣は向上することとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、センサを用いた遊技者の遊技状況(遊技設備の使用状況)に応じた報知について、遊技内容に直接的に関わる報知を行うことを可能とした遊技機が提供し得た。これにより、遊技者にとって興味深い報知を提供することとなり、遊技に対する興趣の向上を図ることができた。また、新たな遊技性を提供することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機の外観斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図4】図1に示すパチンコ遊技機の遊技球が入賞可能な各入賞口と遊技球通過検出手段の位置の概略を示す概略正面図である。
【図5】図1に示す遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す遊技機の人感センサにおける検知領域を概略的に示す概略平面図である。
【図7】図1に示す遊技機の主制御回路メイン処理のフローチャートである。
【図8】図1に示す遊技機のシステムタイマ割込処理のフローチャートである。
【図9】図1に示す遊技機の特別図柄制御処理のフローチャートである。
【図10】図1に示す遊技機の特別図柄制御処理のフローチャートである。
【図11】図1に示す遊技機の特別図柄記憶チェック処理のフローチャートである。
【図12】図1に示す遊技機の普通図柄制御処理のフローチャートである。
【図13】図1に示す遊技機の副制御回路メイン処理のフローチャートである。
【図14】図1に示す遊技機のコマンド解析処理のフローチャートである。
【図15】図1に示す遊技機のコマンド解析処理のフローチャートである。
【図16】図1に示す遊技機の離席防止報知セット処理のフローチャートである。
【図17】図1に示す遊技機の離席防止報知セット処理のフローチャートである。
【図18】図1に示す遊技機の表示制御処理のフローチャートである。
【図19】図1に示す遊技機の音声制御処理のフローチャートである。
【図20】図1に示す遊技機のランプ制御処理のフローチャートである。
【図21】図1に示す遊技機の大当り判定結果コマンド解析処理のフローチャートである。
【図22】図1に示す遊技機の離席防止報知セット処理のフローチャートである。
【図23】図1に示す遊技機の離席防止報知セット処理のフローチャートである。
【図24】図1に示す遊技機の離席防止報知実行判断テーブルの一実施形態を示す図である。
【図25】図1に示す遊技機の保留先読み報知実行判断テーブルの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明遊技機の実施の一形態を図面を参照して説明する。
【0022】
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機について図1から図4を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。以下、単にパチンコ遊技機と称する。)に適用した場合を示す。
【0023】
パチンコ遊技機は、図1から図4に示すように、ガラスドア1、木枠2、ベースドア3、遊技盤4、皿ユニット5、画像を表示する液晶表示装置6、遊技球を発射する発射装置7、各種の制御基板を含む基板ユニット8、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニット9などから構成されている。
【0024】
ガラスドア1は、ベースドア3に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア1の中央には、開口1aが形成されており、その開口1aには、透過性を有する保護ガラス1bが配設されている。また、上述した木枠2は、その前方にベースドア3が軸着される。
【0025】
皿ユニット5は、ガラスドア1の下方に位置するように、ベースドア3に配設されている。皿ユニット5には、その上方に上皿5aが、その下方に下皿5bが設けられており、人感センサ10が皿ユニット5の上皿5aの遊技者側(遊技者対向面側)に設けられている。人感センサ10は、遊技者の着座状態と離席状態を検知し、その検知信号を受けた副制御回路45のサブCPU46が遊技者の着席状態と離席状態を判定する。
上皿5a及び下皿5bには、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口5c,5dが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿5aには、後述する遊技領域に発射させるための遊技球が貯留される。
【0026】
発射装置7は、皿ユニット5の側方に位置するように、ベースドア3に配設されている。この発射装置7には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル7aが配設されており、遊技者によって発射ハンドル7aが操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル7aが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿5aに貯留された遊技球が遊技盤4の遊技領域11に順次発射される。
【0027】
遊技盤4は、保護ガラス1bの後方に位置するように、ベースドア3の前方に配設されている。遊技盤4は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域11を有している。この遊技領域11は、ガイドレール12などに囲まれ、遊技球が転動流下可能な領域である。このように、発射装置7によって発射された遊技球は、遊技盤4上に設けられたガイドレール12に案内されて遊技盤4の上部に移動し、その後、遊技領域11に設けられた複数の障害釘などとの衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって落下(転動流下)することとなる。
【0028】
遊技盤4の遊技領域11内の下方には、遊技球の一般入賞口24と、大入賞口15及び、この大入賞口15に対して大入賞口ソレノイド30を介して開閉自在なシャッタ14が設けられている。大当り遊技状態に移行された場合には、このシャッタ14が遊技球を受け入れ易い開放状態(第一の状態)となるように大入賞口ソレノイド30を介して駆動される。
【0029】
一般入賞口24の後方には一般入賞球センサ26が備えられ、大入賞口15の後方にはカウントセンサ27が備えられ、それぞれ遊技球の入球(通過)が検知される。
また、この大入賞口15に遊技球が所定個数通過するか、又は、所定時間が経過するまでシャッタ14が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口15への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口15を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ14は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
【0030】
また、シャッタ14の上方には、始動口(始動入賞領域)13が設けられている。
そして始動口13の後方には始動入賞球センサ(遊技球通過検出手段)28が備えられており、この始動口13に遊技球が入賞(遊技球が通過)したことを始動入賞球センサ(遊技球通過検出手段)28が検出すると、この遊技球の通過を条件(契機)として、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口13に遊技球が入賞したこと(始動入賞領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。
また、始動口13には、始動口13に遊技球を受け入れ易い状態と受け入れ難い状態に、普通電動役物ソレノイド29を介して開閉可能に駆動する羽根部材(所謂、普通電動役物、以下、普通電役と称することがある)23が備えられている。
【0031】
そして、本実施形態では、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態から、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(所謂、「大当り」)へ移行するか否かを判定する大当り判定手段を有している。この大当り判定手段は、本実施形態では、主制御回路32のメインCPU33が機能している。そして、この大当り判定手段によって大当りに移行すると判定された場合に、大当り遊技状態へ移行させる大当り遊技実行手段を有しており、本実施形態では、主制御回路32のメインCPU33が機能している。
この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ14が開放状態に制御され、大入賞口15に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
【0032】
また、遊技盤4の上部中央には、可変表示手段としての特別図柄表示装置18が配設されている。この特別図柄表示装置18は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置18における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄である。
【0033】
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
【0034】
また、この特別図柄表示装置18において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
【0035】
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した後に、大当たり遊技状態に移行する確率の高い確変状態に移行することとなる。
【0036】
一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、非確変状態(通常遊技状態)に移行することとなる。上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。
【0037】
また、これら特別図柄が導出表示される表示態様等によって、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に移行することがある。この時短状態とは、通常遊技状態よりも、特別図柄や普通図柄の可変表示時間が短く、羽根部材の開放回数を増加させたり、羽根部材が開放状態となる時間が長くなるように制御されるため、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
【0038】
本実施形態では、特別図柄表示装置18と並んで、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置19が設けられている。
また、遊技盤4の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を保留球数として表示する保留球数表示手段として機能する特別図柄保留表示装置20、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置21がそれぞれ設けられている。
【0039】
液晶表示装置(演出表示装置)6は、遊技に関する画像を表示するための表示領域を有している。この液晶表示装置6は、遊技盤4に形成された開口4aの後方(背面側)に配設されることとなる。この液晶表示装置6における表示領域には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像、特別図柄ゲームの保留球数表示画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
なお、本発明では、液晶表示装置(演出表示装置)6も「可変表示手段」として表現することがある。
【0040】
また、この液晶表示装置6には、特別図柄表示装置18における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄(演出図柄)が可変表示される。この装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置18における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せとなり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
【0041】
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
【0042】
また、遊技盤4の遊技領域11内の上方には、球通過検出器(スルー)22が備えられ、球通過検出器(スルー)22の後方には通過球センサ25が備えられて遊技球の通過が検出される。
この球通過検出器22を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置19における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止される。
【0043】
この普通図柄が所定の図柄として停止表示されたときには、始動口(始動入賞領域)13の左右の両側に設けられている羽根部材23が閉鎖状態から開放状態となり、始動口13に遊技球が入り易くなるようになる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口13に遊技球が入り難くなるようにする。
【0044】
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口13へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、その始動口13への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。この場合、保留記憶手段として、メインRAM35が機能する。つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示中において特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、可変表示している特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。
【0045】
特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示は一回分である。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、本実施形態では4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。
このように特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置(保留球数表示手段)20は、その保留個数を表示することとなる。
本実施形態では、遊技盤4の上部にて特別図柄表示装置18を挟んで左右両側にそれぞれ2個ずつ、計4個の特別図柄保留表示装置20を備えている。また、本実施形態では、それぞれランプ表示(点灯・消滅)にて、保留の有無・保留数を表示するものとしている。
【0046】
さらに、本実施形態では、保留球数を特別図柄保留表示装置(保留数表示手段)20に表示するとともに、液晶表示装置(可変表示装置)6の所定領域にも、保留球数を導出表示するものとしている。すなわち、図示は省略するが、上限である4個の保留球表示(例えばそれぞれ遊技球を表示すべく円形状の画像)を点灯・消滅させる画像(動画)表示によって液晶表示装置(可変表示装置)6は、保留球数表示手段としても機能する。
【0047】
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることがあり、その普通図柄の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置21は、その保留個数を表示することとなる。
【0048】
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。
【0049】
本実施形態では、上皿5aに備えた人感センサ10とともに、図3に示すように、始動口13の前面側にも人感センサ16を備えている。すなわち、人感センサ10と16は、所定の遊技機の前方(遊技者対向方向)における所定領域31内に、遊技者がいるかいないかを検知する(図6参照。)。人感センサ10及び16は、双方が機能していてもよいが、少なくともいずれか一方が機能していればよい。
【0050】
本実施形態では、人感センサ10(16)が、サブCPU46に連絡されている副制御回路45の人感制御回路52に連絡されており、遊技者の着席状態及び離席状態を検知する離席検知手段として機能することとなり、その検知結果を受けた副制御回路45のサブCPU46が、現在、着席状態であるか離席状態であるかに基づく処理を実行することとなる。離席検知手段として、例えば、本実施形態では、赤外線、超音波、可視光などを利用した人感センサが想定される。図6において斜線で示されている領域の遊技者の着席状態と離席状態を検知できるものであれば限定解釈されず、例えば、遊技機の遊技者対向側にCCDカメラのような撮影装置を備えて検知することも考えられる。さらに、座席の座面などに重量センサ(荷重センサ)を備えて検知することも可能である。
【0051】
また、ベースドア3の上方には、スピーカ17が配設される。このスピーカ17は、遊技に関する音による演出などを実行する機能を有する。さらに、本実施形態の遊技機は、所定の箇所、例えば、ガラスドア1の縁部前面側に各種ランプ44を備え、これらランプ44は、遊技に関する光による演出などを実行する機能を有する。
【0052】
本実施形態では、上述した特別図柄保留表示装置(保留球数表示手段)20に表示されている保留球中に、大当り遊技状態に移行する情報が含まれている場合であって、後述する所定の条件の下に遊技者の離席状態を検知した場合に、離席しようとした遊技者に対して注意を喚起する報知を行う第一注意喚起報知決定手段(サブCPU46)を備えている。なお、本実施形態では、遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する報知手段として、上述した液晶表示装置(演出表示装置)6を想定しており、この液晶表示装置(演出表示装置)6に、所定の報知画像(動画)を表示することによって遊技者に対して注意を喚起する報知を実行するものとしている。
【0053】
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図を図5に示す。
【0054】
図5に示すように、パチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路32と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路45とから構成される。
【0055】
主制御回路32は、メインCPU33と、メインCPU33に接続されたメインROM(読み出し専用メモリ)34とメインRAM(読み書き可能メモリ)35を備えている。
【0056】
メインCPU33には、メインROM34、メインRAM35等が接続されており、このメインROM34に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
【0057】
メインROM34には、メインCPU33によりパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブルなどが記憶されている。
【0058】
メインRAM35は、メインCPU33の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値(特別図柄ゲームの保留個数情報等)を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、メインCPU33の一時記憶領域としてメインRAM35を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0059】
また、この主制御回路32は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路36、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路37、後述する副制御回路45に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC38を備えている。
【0060】
また、主制御回路32には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路32からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置18、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を保留球数として表示する特別図柄保留表示装置20、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置19、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置21、羽根部材23を開放状態又は閉鎖状態とする普通電動役物ソレノイド29、シャッタ14を駆動させ、大入賞口15を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド30などが接続されている。
【0061】
また、例えば、大入賞口15における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路に供給するカウントセンサ27、各一般入賞口24を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路32に供給する一般入賞球センサ26、球通過検出器22を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路32に供給する通過球センサ25、始動口13を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路32に供給する始動入賞球センサ28、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ39などが接続されている。
本実施形態では、始動入賞球センサ28が遊技球通過検出手段として機能して始動口(始動入賞領域)13を遊技球が通過したか否かを検出する。
【0062】
主制御回路32には、払出・発射制御回路40が接続されている。
この払出・発射制御回路40には、遊技球の払出を行う払出装置41、遊技球の発射を行う発射装置7、カードユニット42が接続されている。また、カードユニット42には、貸し出し用操作部43が接続されており、その操作に応じて、カードユニット42に操作信号が供給される。
【0063】
この払出・発射制御回路40は、主制御回路32から供給される賞球制御コマンド、カードユニット42から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置41に対して所定の信号を送信することにより、払出装置41に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路40は、発射ハンドル7aが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
【0064】
更には、シリアル通信用IC38には、副制御回路45が接続されている。
【0065】
尚、本実施形態においては、主制御回路32から副制御回路45に対して各種コマンド(大当り判断結果コマンド、人感センサ連続オフ時間カウンタのスタートコマンド等)や、各種情報(特別図柄ゲームの保留個数情報等)を供給するとともに、副制御回路45から主制御回路32に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路45から主制御回路32に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0066】
副制御回路45は、サブCPU46、プログラムROM47、ワークRAM48、液晶表示装置6における表示制御を行うための表示制御回路49、スピーカ17から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路50、装飾ランプなどを含むランプ44の制御を行うランプ制御回路51、人感センサ10(16)を用いた遊技者の着席状態と離席状態の検知に基づく制御を行う人感制御回路52から構成されている。副制御回路45は、主制御回路32からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0067】
サブCPU46は、このプログラムROM47に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU46は、主制御回路32から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路45の制御を行う。
【0068】
プログラムROM47には、サブCPU46によりパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
【0069】
尚、本実施形態においては、各種プログラム、各種テーブル(後述する「離席防止報知実行判断テーブル(図24)」、「保留先読み報知実行判断テーブル(図25)」など)等を記憶する記憶手段として、メインROM34、プログラムROM47を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0070】
ワークRAM48は、サブCPU46の一時記憶領域として、保留先読み報知フラグや離席防止報知フラグ等の種々のフラグや主制御回路から送信される保留個数情報の値、人感センサ連続オフ時間カウンタの値、人感センサ連続オン時間カウンタの値、連続大当りカウンタの値等の変数の値を記憶する。尚、本実施形態においては、サブCPU46の一時記憶領域としてワークRAM48を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0071】
表示制御回路49は、液晶表示装置6の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。
【0072】
表示制御回路49は、サブCPU46から供給されるデータに応じて、液晶表示装置6に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路49は、サブCPU46から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、保留個数表示画像データ、保留先読み表示画像データ、離席防止報知用画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置6に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
【0073】
そして、表示制御回路49は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置6に供給することにより、液晶表示装置6に画像が表示される。つまり、表示制御回路49は、液晶表示装置6に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
【0074】
また、音声制御回路50は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
【0075】
この音源ICは、スピーカ17から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU46から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ17から音声を発生させる。
【0076】
ランプ制御回路51は、各種ランプ44などにランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROMなどから構成されている。
【0077】
人感制御回路52は、人感センサ10(16)の人感検知状態(着席状態,離席状態)を人感検知データとしてサブCPU46に供給するように構成されている。
人感センサ10(16)は、図6に示す通り、遊技機正面の所定領域31に遊技者が進入している状態を「オン状態(着席状態)」の人感検知状態として、当該所定領域31に遊技者が進入していない状態を「オフ状態(離席状態)」の人感検知状態として反応し、人感制御回路52がこれらの情報をサブCPU46に供給している。
【0078】
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機で実行される処理を図7乃至図21に示す。また、パチンコ遊技機で実行される特別図柄制御処理の状態遷移について図10を用いて説明する。
【0079】
[メイン処理]
最初に、図7に示すように、メインCPU33は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理S1を実行する。そして、詳しくは図9を用いて後述するが、メインCPU33は、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置6、特別図柄表示装置18に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理S2を実行する。
【0080】
そして、詳しくは図12を用いて後述するが、メインCPU33は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置19に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理S3を実行する。そして、メインCPU33は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理S4を実行する。
【0081】
このように、メイン処理においては、初期設定処理S1が終了した後、特別図柄制御処理S2、普通図柄制御処理S3、図柄表示装置制御処理S4を繰り返し実行することとなる。
【0082】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU33は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路36から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図8を用いて説明する。
【0083】
図8に示すように、メインCPU33は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理S5を実行する。そして、メインCPU33は、始動口13等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理S6を実行する。そして、メインCPU33は、主制御回路32と副制御回路45との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口15の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理S7を実行する。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理S8を実行する。
【0084】
そして、メインCPU33は、大当り判断結果コマンド、人感センサの連続オフ時間カウントスタートコマンド等の各種のコマンドや現在の特別図柄ゲームの保留個数情報等を副制御回路に供給するコマンド出力処理S9を実行する。そして、メインCPU33は、払出装置41に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路へ送信する等の払出処理S10を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0085】
[特別図柄制御処理]
図7の特別図柄制御処理S2について図9を用いて説明する。
なお、図9において、各処理の側方に描いた数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
【0086】
最初に、図9に示すように、メインCPU33は、制御状態フラグをロードする処理S11を実行する。
【0087】
なお、後述する各処理において、メインCPU33は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU33は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
【0088】
この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0089】
そして、メインCPU33は、特別図柄記憶チェック処理S12を実行する。
詳しくは図11を用いて後述するが、メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU33は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理S13を実行するように設定することとなる。
【0090】
一方、メインCPU33は、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行うことになっており、この処理において、人感センサの連続オフ時間カウントスタートコマンドを一時的にメインRAM35に保存し、コマンド出力処理S9を通じて副制御回路45に送信するようにしている。
【0091】
そして、メインCPU33は、特別図柄変動時間管理処理S13を実行する。
この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理S14を実行するように設定することとなる。
【0092】
そして、メインCPU33は、特別図柄表示時間管理処理S14を実行する。
この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU33は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理S15を実行するように設定することとなる。
【0093】
一方、メインCPU33は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理S20を実行するように設定することとなる。
【0094】
そして、メインCPU33は、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理S15を実行する。
この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口15を開放させるために、メインROM34から読み出されたデータに基づいて、メインRAM35に位置付けられた変数を更新する。メインCPU33は、大入賞口15の開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理S16を実行するように設定することとなる。
【0095】
そして、メインCPU33は、大入賞口開放中処理S16を実行する。
この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
【0096】
メインCPU33は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口15を閉鎖させるために、メインRAM35に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU33は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU33は、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理S17を実行するように設定することとなる。
【0097】
そして、メインCPU33は、大入賞口内残留球監視処理S17を実行する。
この処理において、メインCPUは、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
【0098】
メインCPU33は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理S19を実行するように設定することとなる。
【0099】
一方、メインCPU33は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU33は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理S18を実行するように設定することとなる。
【0100】
そして、メインCPU33は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理S18を実行する。
この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU33は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU33は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理S16を再度実行するように設定することとなる。
【0101】
そして、メインCPU33は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理S19を実行する。
この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理S20を実行するように設定することとなる。
【0102】
そして、メインCPU33は、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。
【0103】
そして、メインCPU33は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、はずれとなった場合には、特別図柄ゲーム終了処理S20を実行する。この処理において、メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU33は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU33は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理S12を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0104】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU33は、図10に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図9に示す特別図柄記憶チェック処理S12、特別図柄変動時間管理処理S13、特別図柄表示時間管理処理S14、特別図柄ゲーム終了処理S20を所定のタイミングで実行することとなる。
【0105】
また、メインCPU33は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図9に示す特別図柄記憶チェック処理S12、特別図柄変動時間管理処理S13、特別図柄表示時間管理処理S14、大当り開始インターバル管理処理S15を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
【0106】
更に、メインCPU33は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図9に示す大入賞口開放中処理S16、大入賞口内残留球監視処理S17、大入賞口再開放前待ち時間管理処理S18を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
【0107】
尚、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図9に示す大入賞口開放中処理S16、大入賞口内残留球監視処理S17、大当り終了インターバル処理S19、特別図柄ゲーム終了処理S20を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。
【0108】
[特別図柄記憶チェック処理]
図9の特別図柄記憶チェック処理について図11を用いて説明する。
【0109】
最初に、図11に示すように、メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断S120を行う。
メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、保留個数が“0”であるか否かの判断S121を行う。
一方、メインCPU33は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0110】
そして、メインCPU33は、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、デモ表示処理S122を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU33は、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理S123を実行する。
【0111】
そして、メインCPU33は、大当り判断処理S124を実行する。
この処理において、メインCPU33は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
【0112】
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPU33は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU33は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなっており、この大当り判断処理の判断結果をメインRAM35に一時的に保存し、大当り判断結果コマンドとしてコマンド出力処理S9を通じて副制御回路45に送信するようにしている。
【0113】
そして、メインCPU33は、特別図柄決定処理S125を実行する。
この処理において、メインCPU33は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果とに基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM35の所定領域に記憶する。また、メインCPU33は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。
【0114】
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置18に供給される。これによって、特別図柄表示装置18に特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路32のメインCPU33から副制御回路45のサブCPU46に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路45において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置6に導出表示されることとなる。
【0115】
そして、メインCPU33は、変動パターン決定処理S126を実行する。
この処理において、メインCPU33は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU33は、上述したように決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU33は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAMの所定領域に記憶する。メインCPU33は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。
【0116】
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置18に供給される。これによって、特別図柄表示装置18に特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路32のメインCPU33から副制御回路45のサブCPU46に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路45のサブCPU46は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。
【0117】
そして、メインCPU33は、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし(S127)、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理S128を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0118】
[普通図柄制御処理]
図7の普通図柄制御処理S3について図12を用いて説明する。
図12において、各処理の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
【0119】
最初に、図12に示すように、普通図柄制御状態フラグをロードする処理S300を実行する。この処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。
なお、後述する処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU33は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0120】
そして、メインCPU33は、普通図柄記憶チェック処理S301を実行する。
この処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。そして、メインCPU33は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、後述する普通図柄変動時間監視処理S302を実行するように設定するのである。
【0121】
そして、メインCPU33は、普通図柄変動時間監視処理S302を実行する。
この処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する普通図柄表示時間監視処理S303を実行するように設定するのである。
【0122】
そして、メインCPU33は、普通図柄表示時間監視処理S303を実行する。
この処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPU33は、当りである場合に、普通電役開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通電動役物開放処理S304を実行するように設定するのである。
【0123】
一方、メインCPU33は、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理S305を実行するように設定するのである。
【0124】
そして、メインCPU33は、普通電動役物開放処理S304を実行する。
この処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグが普通電役開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、普通電役開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。
【0125】
メインCPU33は、いずれかの条件を満たした場合に、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態にさせるために、メインRAM35に位置付けられた変数を更新する。
メインCPU33は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理S305を実行するように設定するのである。
【0126】
そして、メインCPU33は、普通図柄ゲーム終了処理S305を実行する。
この処理において、メインCPU33は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU33は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU33は、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した普通図柄制御状態フラグをロードする処理S300を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0127】
[副制御回路メイン処理]
副制御回路45は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図13を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
【0128】
最初に、図13に示すように、サブCPU46は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理S21を実行する。そして、サブCPU46は、ワークRAM48の所定領域に位置付けられた保留先読み表示用の乱数カウンタ等の各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理S22を実行する。
【0129】
そして、詳しくは図14、図15を用いて後述するが、サブCPU46は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理S23を実行する。
そして、詳しくは図16、図17を用いて後述するが、サブCPU46は、離席防止報知セット処理S24を実行する。そして、サブCPU46は、図18に示す通り、液晶表示装置6における画像の表示制御を行う表示制御処理S25を実行する。そして、サブCPU46は、図19に示す通り、スピーカ17から発生させる音の制御を行う音声制御処理S26を実行する。そして、サブCPU46は、図20に示す通り、各種のランプ44の発光制御を行うランプ制御処理S27を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理に処理を移す。
【0130】
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理S21が終了した後、乱数更新処理S22からランプ制御処理S27を繰り返し実行することとなる。
【0131】
[コマンド解析処理]
図13のコマンド解析処理S23について図14、図15を用いて説明する。
【0132】
サブCPU46は、受信コマンドがあるか否かの判断S230を行う。
サブCPU46は、受信コマンドがあると判別した場合には、コマンドデータを読み出す処理S231を行う。
サブCPU46は、受信コマンドがあるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0133】
サブCPU46は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断S232を行う。そして、サブCPU46は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、演出パターン決定処理S233を実行し、本サブルーチンを終了する。
【0134】
サブCPU46は、変動パターン受信コマンドを受信しなかったと判別した場合には、その受信コマンドが導出図柄指定コマンドであるか否かの判断S234を行う。
サブCPU46は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、導出図柄決定処理S235を実行し、本サブルーチンを終了する。
【0135】
サブCPU46は、導出図柄指定コマンドを受信しなかったと判別した場合には、その受信コマンドが保留個数情報コマンドであるか否かの判断S236を行う。
サブCPU46は、保留個数情報コマンドを受信したと判別した場合には、保留個数情報更新処理S237を実行し、本サブルーチンを終了する。
【0136】
サブCPU46は、保留個数情報コマンドを受信したと判別しなかった場合には、その受信コマンドが大当り判断結果コマンドであるか否かの判断S238を行う。
サブCPU46は、大当り判断結果コマンドを受信したと判別した場合には、大当り判断結果コマンド解析処理S239に移る。
【0137】
サブCPU46は、大当り判断結果コマンドを受信しなかったと判別した場合には、その受信コマンドが、人感センサ連続オフ時間カウンタのスタートコマンドであるか否かの判断S2310を行う。
サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタのスタートコマンドを受信したと判別した場合には、人感センサ連続オフ時間カウンタのスタート処理S2311に移る(人感センサ連続オフ時間カウンタのカウントがスタートしている場合には当該処理は行わない。)。このような処理を行うサブCPU46は、連続非遊技時間計測手段として機能する。
サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタのスタートコマンドを受信しなかったと判別した場合には、その他の受信したコマンドに対応する処理S2312を実行して本サブルーチンを終了する。
【0138】
図14の大当り判断結果コマンド解析処理S239について図21を用いて説明する。
サブCPU46は、大当り判断結果コマンドの読出しS2390を行う。
サブCPU46は、大当り判断結果が当りであるか否かの判断S2391を行う。
当りであった場合、サブCPU46は、ワークRAM48に記憶されている連続大当り回数カウンタの値に“1”を加算する処理S2392を行って本サブルーチンを終了する。このような処理を行うサブCPU46は大当り回数カウント手段として機能し、連続大当り回数カウンタの値が記憶されているワークRAM48は大当り回数記憶手段として機能する。当りでない場合、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0139】
[離席防止報知セット処理]
図13の離席防止報知セット処理S24について、図16、図17を用いて説明する。
【0140】
最初に、サブCPU46は、保留個数情報の読出しS240を行う。
そして、サブCPU46は、保留個数が“0”であるか否かの判断S241を行う。
【0141】
そして、サブCPU46は、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、保留先読み表示フラグをクリアする処理S242を実行する(保留先読み表示フラグがセットされていない場合には、当該処理は行わない。)。この処理が終了した場合には、サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタの読出しS2403を行う。
一方、サブCPU46は、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、人感センサ連続オフ時間カウンタのリセット処理S243(人感センサ連続オフ時間カウンタがリセットされている場合には当該処理は行わない。)を実行する。
【0142】
そして、サブCPU46は、人感センサ連続可動時間カウンタのスタート処理S244を実行する(人感センサの連続可動時間カウンタのカウントがスタートしている場合には当該処理は行わない。)。このような処理を行うサブCPU46は、連続遊技時間計測手段として機能する。そして、サブCPU46は、保留個数情報の中に大当り情報があるか否かの判断S245を行う。大当り情報がない場合、サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタの読出しS2403に移る。
【0143】
一方、サブCPU46は、保留個数情報の中に大当り情報があると判断した場合、保留先読み表示フラグをセットする処理S246を行う。
【0144】
当該処理S246によって保留先読み表示フラグがセットされるか否かにより、後述する表示制御処理において、保留先読み表示処理を行うか否かが判断される。なお、ここで「保留先読み表示」とは、特別図柄保留表示装置20(本実施形態ではさらに液晶表示装置6に導出表示されている保留球数表示)に表示される保留球中に、大当り遊技状態に移行する情報が含まれている場合、その情報を先読みし、その大当り遊技状態に移行する情報が含まれている保留球よりも先に保留された他の保留球(大当り遊技状態に移行する情報が含まれていない保留球)の装飾図柄を表示するよりも、先に当該保留球に応じた装飾図柄を液晶表示装置(演出表示装置)6に表示することをいう。
【0145】
次にサブCPU46は、人感センサ10(16)の状態の読出しS247を行う。そして、サブCPU46は、人感センサ10(16)の状態が遊技者の離席状態になっているか否かの判断S248を行う。離席状態になっていない場合には、サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタの読出しS2403に移る。一方、離席状態であると判別した場合、離席防止報知実行判断処理S249を行う。
【0146】
そして、サブCPU46は、離席防止報知を実行可能か否かの判断S2400を行う。
離席防止報知実行判断処理S249は、本実施形態では、次のとおりの手段を講じて行うことを想定している。
【0147】
すなわち、遊技中において、人感センサ10(16)が遊技者の離席状態を検知せず、その離席非検知状態が予め定められた時間継続していることを、遊技者が継続して遊技を行っている連続遊技時間(これを本実施形態では、「人感センサ連続可動時間」と称する。)として計測する連続遊技時間計測手段(サブCPU46)と、遊技中における大当りに当選した回数をカウントする大当り回数カウント手段(サブCPU46)と、前記大当り回数カウント手段によってカウントされた大当り回数を記憶する大当り回数記憶手段(ワークRAM48)とを備え、サブCPU46は、前記大当り当選回数と、前記連続遊技時間計測手段によって計測される連続遊技時間の経過段階とに応じて離席防止報知を実行可能とするか否かを決定する。このような処理を行うサブCPU46は第一注意喚起報知決定手段として機能する。
【0148】
具体的には、サブCPU46は、離席防止報知実行判断テーブルを参照して離席防止報知を実行可能か否かの判断をする。例えば本実施形態では、図24に示すテーブルを想定している。
【0149】
図24に基づいてその一例を説明すると次のとおりである。
大当りの当選回数が「0〜2」回の場合、遊技者が継続して遊技を続行している時間(連続して着席している時間ともいう。)、すなわち、人感センサ連続可動時間が「3時間以上」の場合であれば、サブCPU46は、離席防止報知を実行可能であると判別する。しかし、人感センサ連続可動時間が「3時間未満」の場合であれば、サブCPU46は、離席防止報知を実行可能であると判別しない。
同様に、大当りの当選回数が「3、4」回の場合であれば、人感センサ連続可動時間が「2時間以上」の場合であれば、サブCPU46は、離席防止報知を実行可能であると判別する。しかし、人感センサ連続可動時間が「2時間未満」の場合であれば、サブCPU46は、離席防止報知を実行可能であると判別しない。
【0150】
従って、遊技中の遊技者における累積された大当り当選回数(所定の遊技機にて、遊技者が継続して遊技を行っている間に大当りに当選した累積当選回数)が少なければ少ない程、長い時間遊技を継続して行わなければ離席防止報知を実行可能であるとサブCPU46は判別しないというものである。
【0151】
これによれば、遊技時間が長くなればなるほど、大当り当選回数が多くなればなるほど、保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを確かめることができるという新たな遊技性が発生することとなる。これによれば、当該報知に対する興趣を向上させることができ、結果として遊技機自体の興趣をより一層向上させることにもつながる。また、結果的に、遊技者が連続して遊技を行う時間が長くなるため、遊技ホールにおける遊技機の稼働の低下を食い止めることにもつながり、遊技ホールの収益の向上ともなる。
【0152】
また、サブCPU46は、大当り当選回数は判断せず、予め定められた所定の人感センサ連続可動時間以上の場合のみ離席防止報知を実行可能と判断するように制御することも可能であり、本発明の範囲内である。
【0153】
従って、離席防止報知を実行不可と判断した場合、サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタの読出しS2403に移る。一方、実行可能と判断した場合、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S2401を行う。
【0154】
離席防止報知フラグがセットされていれば、サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタの読出しS2403に移る。
一方、離席防止報知フラグがセットされていない場合、離席防止報知フラグをセットする処理S2402を行う。そして、サブCPU46は、人感センサ連続オフ時間カウンタの読出しS2403を行い、人感センサの連続オフ時間(遊技者が連続して離席した時間)が予め定められた所定の時間以内か否かの判断S2404を行う。本実施形態では、この所定の時間を約15分間と想定している。
【0155】
人感センサの連続オフ時間が予め定められた所定の時間以内であれば、本サブルーチンは終了する。一方、人感センサの連続オフ時間が予め定められた所定の時間以内でない(所定時間を超えている)場合は、サブCPU46は、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S2405を行う。離席防止報知フラグがセットされていなければ、本サブルーチンは終了する。一方、離席防止報知フラグがセットされていた場合、サブCPU46は、離席防止報知フラグをクリアする処理S2406を行う。
【0156】
サブCPU46は、人感センサ連続可動時間カウンタのリセット処理S2407及び連続間大当り回数カウンタのリセット処理S2408を行う。すなわち、本実施形態では、上述のとおり、S2404にて判断した人感センサの連続オフ時間(遊技者が連続して離席している「連続非遊技時間」ともいう。)が予め定められた所定の時間以内でない場合、遊技者が継続して遊技を行っていない連続非遊技時間として計測する連続非遊技時間計測手段を備えている。本実施形態では、サブCPU46がこの機能を奏している。そして、前記連続非遊技時間計測手段によって計測されている連続非遊技時間が所定の時間(上述したとおり、離席検知してから15分を越えた時間)に達した場合には、前記大当り回数記憶手段に記憶されている大当り回数と、前記連続遊技時間計測手段にて計測されている連続遊技時間とをそれぞれリセットするリセット手段とを備えている。本実施形態ではサブCPU46がこのリセット手段として機能している。
【0157】
本実施形態において、このような手段を備えた理由は次のとおりである。
遊技者が所定時間連続して遊技をしていたとしても、予め定められた所定時間離席状態が継続していた場合には、それまでの連続遊技時間と大当り回数がリセットされてしまう。これでは、遊技者が離席して保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを確かめるといった遊技性が得られなくなる虞があるため、遊技者としては、離席する場合であっても予め定められた所定時間以内に着席して再び遊技を続行するように心掛けることとなるため、遊技機の稼働を維持することができるというものである(遊技ホール側としての効果)。
【0158】
[表示制御処理]
図13の表示制御処理S25について、図18を用いて説明する。
【0159】
最初に、サブCPU46は、保留先読み表示フラグがセットされているか否かの判断S250を行う。そして、保留先読み表示フラグがセットされていなければ、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S254に移る。
【0160】
一方、保留先読み表示フラグがセットされている場合、サブCPU46は、保留先読み表示実行判断処理S251を行う。
保留先読み表示実行判断処理S251は、本実施形態では、次のとおりの手段を講じて行うことを想定している。
【0161】
すなわち、サブCPU46は、遊技者に対して注意を喚起する第二の注意喚起報知(保留先読み報知)を行うか否かを判定するための所定の乱数を抽出する乱数抽出手段(サブCPU46)を備え、乱数抽出手段によって抽出された乱数を用いて保留先読み報知を行うか否かを決定する第二注意喚起報知決定手段(サブCPU46)を備えており、前記乱数抽出手段(サブCPU46)が所定の乱数を抽出したとき、前記第二注意喚起報知決定手段(サブCPU46)が、保留先読み報知(保留先読み表示)を行うと決定する。
【0162】
具体的には、サブCPU46は、保留先読み報知実行判断テーブルを参照して保留先読み表示を行うか否かの判断をする。例えば本実施形態では、図25に示すテーブルを想定している。なお、本実施形態では、乱数の範囲を「0〜255」とした。
すなわち、サブCPU46は、図25に示す保留先読み報知実行判断テーブルを参照し、取得した乱数が「0」又は「1」の場合には、保留先読み表示を実行可能と判断し、それ以外の乱数(2〜255)の場合には、保留先読み表示を実行不可と判断する。
【0163】
このように、本実施形態において、遊技者の離席防止報知の他に、保留先読み報知を行うか否かを決定するものとしたため、離席検知手段による遊技者の離席検知の有無、長時間遊技をしているか否か、大当り回数を多く出しているか否かなどの条件に係らず、大当り遊技状態に移行させる情報が保留球に含まれていることを報知によって知ることが可能となる。これによれば、遊技者が離席していないにも係らず、突然、遊技者に対して注意を喚起するための報知(大当り遊技状態に移行させる情報の先読み報知)がなされることがあるため、遊技者の興趣は向上することとなる。
【0164】
前記第二注意喚起報知決定手段(サブCPU46)は、保留先読み表示を実行可能か否かの判断S252を行う。
前記第二注意喚起報知決定手段(サブCPU46)が、保留先読み報知(保留先読み表示)を実行不可と判断した場合には、サブCPU46は、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S254に移る。
一方、前記第二注意喚起報知決定手段(サブCPU46)が、保留先読み報知(保留先読み表示)を実行可能と判断した場合には、サブCPU46は、保留先読み表示処理S253を実行する。本実施形態では、具体的には、前記液晶表示装置6に導出表示されている保留球数表示を用いて実行する。すなわち、点灯している保留球数表示のいずれかを、突然点滅等表示させたりする。
【0165】
なお、保留先読み表示は、上述のとおり、液晶表示装置6に導出表示されている保留球数表示の画像を用いて実行することに限らず、例えば、特別図柄保留表示装置20のいずれかを突然点滅表示させるなどとすることも可能で、本発明の範囲内である。
さらに、特別の演出画像を液晶表示装置6に表示することも本発明の範囲内である。
【0166】
次に、サブCPU46は、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S254を行う。離席防止報知フラグがセットされていなければ、サブCPU46は、その他の画像出力処理S256を行う。
一方、離席防止報知フラグがセットされていれば、サブCPU46は遊技者離席防止報知処理S255を行う。すなわち、サブCPU46が第一注意喚起報知決定手段として機能し、上述した液晶表示装置(演出表示装置)6に、所定の報知画像(動画)を表示することによって遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する。報知画像にあっては、本発明の範囲内で任意に設定可能である。
【0167】
[音声制御処理]
図13の音声制御処理S26について、図19を用いて説明する。
サブCPU46は、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S260を行う。離席防止報知フラグがセットされていなければ、サブCPU46は、その他の音声出力処理S262を行う。
一方、離席防止報知フラグがセットされていれば、サブCPU46は、音声による遊技者離席防止報知処理S261を行う。すなわち、サブCPU46は、第一注意喚起報知決定手段として機能し、上述したスピーカ17を介して、音による所定の報知を発生することによって遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する。報知する音は、所定の言葉、所定の警告音など本発明の範囲内において任意に設定可能である。
【0168】
[ランプ制御処理]
図13の音声制御処理S27について、図20を用いて説明する。
サブCPU46は、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S270を行う。離席防止報知フラグがセットされていなければ、サブCPU46は、その他のランプ可動処理S272を行う。
一方、離席防止報知フラグがセットされていれば、サブCPU46は、光(ランプ)による遊技者離席防止報知処理S271を行う。すなわち、サブCPU46は、第一注意喚起報知決定手段として機能し、上述した所定のランプ44などを介して、光(ランプ)による所定の報知を発生することによって遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する。報知する光(ランプ)は、ランプ44を点滅させる、ランプ44を通常の発色と異なる発色とするなど本発明の範囲内において任意に設定可能である。
【0169】
[その他の実施形態]
なお、本実施形態においては、離席防止報知セット処理S24において、図16及び図17に示すように「離席防止報知実行判断処理S249」を備えた構成としているが、このような判断処理S249を備えない構成を採用することも本発明の範囲内である。
例えば、離席防止報知セット処理S24の他の実施形態として図22及び図23を一例として挙げることとする。なお、上記実施形態における離席防止報知セット処理S249と同一の処理には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0170】
図22及び図23に示す実施の形態では、人感センサの状態読出しS247にて、人感センサの状態が遊技者離席状態になっているか否かの判断S248を行った結果、遊技者が離席状態である判別した場合、すぐに、離席防止報知フラグがセットされているか否かの判断S2401に移るものとしている。
すなわち、サブCPU46は、大当り当選回数や所定の継続遊技時間などの諸条件は全く判断せず、とにかく遊技者が離席しようとした際に、保留球の中に大当り情報が含まれていれば離席防止報知を行うか否かを判断するものとしている。
【0171】
この実施の形態によれば、保留球内に遊技状態を大当り遊技状態に移行させる情報が含まれている場合、遊技者が離席すれば報知され得るため、遊技者による大当りの取りこぼしを防止することが可能となる。このような遊技状況(遊技内容)に直結した情報(大当り遊技移行情報)が報知されるため、遊技者の遊技に対する興趣は向上する。
また、本実施形態によれば、遊技者は、遊技中において保留球がある場合、この保留球内に大当り遊技状態に移行させる情報が含まれているか否かを積極的に確かめることも可能となる。すなわち、保留球がある場合において、遊技者が故意に離席してみれば、遊技者に対して注意を喚起するための報知(大当り遊技状態に移行させる情報が含まれていることの報知)が行われるか否かを確かめることもできる。これは、遊技中に故意に離席することで、遊技状態移行情報を先取りできるといった新たな遊技性が発生する。よって、遊技者による当該報知に対する興趣を向上させ、かつ遊技機自体の興趣を向上させることにもなる。
【0172】
なお、上述した各実施形態における離席防止報知セット処理は本発明の一例であって、なんらこれに限定されず、本発明の範囲内において適宜設計変更可能である。
【0173】
上述した実施形態では、離席しようとした遊技者に対して注意を喚起する報知を行う第一注意喚起報知決定手段(メインCPU33)が報知を行うと決定した場合に、現実に報知を実行する報知手段として、上述した液晶表示装置(演出表示装置)6による画像(動画含む)での報知を想定しているが、一実施形態にすぎず何等これに限定されるものではない。すなわち、表示装置6での画像(動画)による報知に代えて、スピーカ17を報知手段として採用し、スピーカ17からの音声による報知を行うものとしてもよい。
また、ランプ44を報知手段として採用し、ランプ44を点滅させるなどして光による報知を行うものとしてもよい。
さらには、これら画像(動画)表示、音声表示、光(ランプ)表示の任意の組み合わせ若しくは全てを用いての報知を行うものとしてもよく本発明の範囲内である。
【0174】
上述した実施形態においては、主制御回路と副制御回路との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路と主制御回路とをワンボードに構成してもよい。
【0175】
上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機、権利モノと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
【0176】
上述した実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチスロ遊技機やゲーム機など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0177】
4:遊技盤
6:可変表示手段(液晶表示装置)
11:遊技領域
13:始動入賞領域(始動口)
18:可変表示手段(特別図柄表示装置)
33:メインCPU
46:サブCPU46

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の遊技領域を転動流下した遊技球が、始動入賞領域を通過したことを検出する遊技球通過検出手段と、
前記遊技球通過検出手段によって遊技球の通過が検出されたことを契機として、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するか否かを判定する大当り判定手段と、
前記遊技球通過検出手段による検出を契機に図柄の変動表示を開始し、前記大当り判定手段による判定結果に基づいた表示結果で図柄の変動表示の停止を導出可能にしている可変表示手段と、
前記大当り判定手段によって前記大当り遊技状態に移行すると判定された場合には、遊技状態を通常遊技状態から前記大当り遊技状態へ移行させる大当り遊技実行手段と、
前記可変表示手段によって図柄の変動表示が行われている状態において、前記遊技球通過検出手段によって遊技球の通過が検出された際に、前記大当り判定手段によって判定された判定結果に基づく図柄の可変表示の実行を保留し、その保留した判定結果の数を保留球として予め定められた個数を上限に記憶する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段によって保留されている保留球の数を保留球数表示として前記可変表示手段にて表示する保留球数表示手段と、
遊技中に遊技者が離席したことを検知する離席検知手段と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留球中に、遊技状態を通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させる保留球が存在する場合において、前記離席検知手段による遊技者の離席検知を条件として、遊技者に対して注意を喚起する報知を行うか否かを決定する第一注意喚起報知決定手段と、
前記第一注意喚起報知決定手段が報知を行うと決定した場合に、遊技者に対して注意を喚起する報知を実行する報知手段とを備える遊技機。
【請求項2】
遊技中において、前記離席検知手段が遊技者の離席状態を検知せず、その離席非検知状態が継続している時間を遊技者が継続して遊技を行っている連続遊技時間として計測する連続遊技時間計測手段を備え、
前記第一注意喚起報知決定手段は、前記連続遊技時間計測手段によって計測される連続遊技時間が予め定められた時間以上となった場合にのみ前記報知手段による報知を行うか否かを決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技中において、前記離席検知手段が遊技者の離席状態を検知せず、その離席非検知状態が継続している時間を遊技者が継続して遊技を行っている連続遊技時間として計測する連続遊技時間計測手段と、
遊技中における大当りに当選した回数をカウントする大当り回数カウント手段と、
前記大当り回数カウント手段によってカウントされた大当り回数を記憶する大当り回数記憶手段とを備え、
前記第一注意喚起報知決定手段は、前記大当り回数記憶手段に記憶されている大当り当選回数と、前記連続遊技時間計測手段によって計測される連続遊技時間の経過段階とに応じて前記報知手段による報知を行うか否かを決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技中において、前記離席検知手段が遊技者の離席状態を検知し、その離席検知状態が継続している時間を遊技者が継続して遊技を行っていない連続非遊技時間として計測する連続非遊技時間計測手段と、
前記連続非遊技時間計測手段によって計測されている連続非遊技時間が予め定められた時間に達した場合には、前記大当り回数記憶手段に記憶されている大当り回数と、前記連続遊技時間計測手段にて計測されている連続遊技時間とをリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第一注意喚起報知決定手段は、画像表示とランプ表示と音声のいずれか一つ若しくは複数の組み合わせによる報知を決定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技球通過検出手段によって遊技球の通過が検出されたことを契機に、遊技者に対して注意を喚起する報知を行うか否かを判定するための乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留球中に大当り遊技状態に移行させる保留球がある場合において、前記乱数抽出手段によって抽出された乱数を用いて遊技者に対して注意を喚起する報知を行うか否かを決定する第二注意喚起報知決定手段とを備え、
前記第二注意喚起報知決定手段が、遊技者に対して注意を喚起する報知を行うと決定する場合には、前記可変表示手段にて表示されている保留球数表示を用いて報知を行うと決定し、
前記報知手段は、前記第二注意喚起報知決定手段による決定に基づいた報知を実行可能にしていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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