説明

遊技機

【課題】始動入賞演出とタイマ演出を実行する遊技機において、それぞれの演出を効果的
に実行させる。
【解決手段】始動口への遊技球の入球に基づいて、所定の始動入賞演出パターンにしたが
って始動入賞演出を実行し、記憶された複数の始動入賞演出パターンから特定の始動入賞
演出パターンを決定し、タイマ手段による計測時間が予め設定された所定開始時間になっ
た場合に、所定のタイマ演出パターンにしたがってタイマ演出を実行開始する遊技機にお
いて、タイマ手段による計測時間に基づいて、始動入賞演出の実行中に所定開始時間が到
来すると判定した場合には、決定対象となる特定の始動入賞演出パターンを制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球することにより所定の演出パターンで始動
入賞演出が実行される。このような遊技機において、タイマ経過時間に基づいて所定タイ
ミングで演出(タイマ演出)を行う遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−115305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、始動入賞演出を実行するタイミングとタイマ演出を実行するタイミング
が重複すると、それぞれの演出の効果が低くなり、遊技興趣が低下するおそれがある。特
に始動入賞演出とタイマ演出の演出内容が近似している場合(例えば、同一のキャラクタ
や同一の可動物を用いる場合等)には、それぞれの演出効果が大きく低下してしまう。
【0005】
そこで、始動入賞演出とタイマ演出を実行する遊技機において、それぞれの演出を効果
的に実行させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技盤上に設けられた始動口への遊技球の入球に基づいて、所定の始動入賞演出パターンにしたがって始動入賞演出を実行する始動入賞演出実行手段と、
複数の前記始動入賞演出パターンを記憶する始動入賞演出パターン記憶手段と、
前記始動入賞演出パターン記憶手段に記憶された複数の前記始動入賞演出パターンから所定の始動入賞演出パターンを決定する始動入賞演出パターン決定手段と、
所定の動作を行う演出部材と、
時間計測を行うタイマ手段と、
前記タイマ手段による計測時間が予め設定された所定開始時間になった場合に、所定のタイマ演出パターンにしたがって前記演出部材の動作を伴うタイマ演出を実行開始するタイマ演出実行手段と、を備え、
前記始動入賞演出パターン記憶手段は、前記演出部材の動作を伴う内容の演出を含んだ第1の始動入賞演出パターンと、前記演出部材の動作を伴う内容の演出を含んでいない第2の始動入賞演出パターンとを記憶しており、
前記始動入賞演出パターン決定手段は、前記タイマ手段による計測時間に基づいて、前記始動入賞演出の開始時期が、前記タイマ演出の実行期間と重なる場合に、前記所定の始動入賞演出パターンとして前記第2の始動入賞演出パターンを決定することで、決定対象となる前記所定の始動入賞演出パターンを制限する
ことを特徴としている。
また、請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記タイマ演出実行手段によって実行される前記タイマ演出は、他の遊技機で実行されるタイマ演出と相互に関連性を有し、かつ、同時に実行される共通演出として構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、タイマ演出と始動入賞演出が重複して実行される場合には、所定の始動入賞演出の出現を制限することで、始動入賞演出に優先してタイマ演出を実行することができ、始動入賞演出の開始時期が、タイマ演出の実行期間と重なる場合に、タイマ演出と始動入賞演出が重複して実行されることを防止できる。この結果、タイマ演出と始動入賞演出が重複して実行されることにより起こり得る演出効果の低下を防ぐことができ、それぞれの演出を効果的に実行することができる。尚、始動口への入球に基づいて行われる始動入賞演出では、特別図柄の変動表示に伴って演出図柄を変動表示させる図柄変動演出と、演出部材やキャラクタ画像、背景画像を用いた特定演出とが行われる。この特定演出は、演出表示装置で行われる図柄変動演出(演出図柄の変動表示)に伴って行われる。
【0008】
ここで、「所定開始時間の前後所定期間」とは、タイマ手段により設定される所定開始
時間の前後の時間として予め設定されているものであり、所定開始時間に至る前の所定期
間と、所定開始時間に至った後の所定期間とで構成される。また所定開始時間に至る前の
所定期間と、所定開始時間に至った後の所定期間とは同じ時間であっても良いし、異なる
時間であってもよい(何れの期間を長く設定してもかまわない)。
【0009】
また、一方の期間をゼロとし、他方の期間のみを設定してもよい。例えば、所定開始時間の前10分及び後5分を所定開始時間の前後所定期間と設定した場合において、タイマ手段に基づいて始動入賞演出の開始タイミングが所定開始時間の前12分と判断され、始動入賞演出の実行期間が4分であると判定された場合には、決定対象となる所定の始動入賞演出パターンは制限されることとなる。
【0010】
また、本発明によれば、始動入賞演出の開始時期が、タイマ演出の実行期間と重なる場合に、始動入賞演出でタイマ演出と関連する内容の特定演出が実行されることを防止できる。この結果、タイマ演出と関連する内容の特定演出が重複して実行されることによる演出効果の低下を効果的に防ぐことができる。
【0011】
また、他の発明として、始動入賞演出パターン決定手段は、所定開始時間に至る前の所
定開始前期間であれば、決定対象となる所定の始動入賞演出パターンを制限するものとす
ることができる。
【0012】
このように、タイマ演出が実行開始する前の所定開始前期間には、決定対象となる始動
入賞演出パターンの制限を一律に行うことで、始動入賞演出パターンを決定する際に、始
動入賞演出の実行中にタイマ演出の開始時間が到来するか否かを判定する必要がなく、始
動入賞演出パターンを決定する制御を簡素化することができる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、前記タイマ演出実行手段によって実行される前記タイマ演出
は、他の遊技機で実行されるタイマ演出と相互に関連性を有し、かつ、同時に実行される
共通演出として構成されていることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、タイマ演出の実行開始時間に至る所定開始前期間における始動入賞演
出の実行が制限されることで、タイマ演出が複数の遊技機間で同時に実行される共通演出
であることを遊技者が認識しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
以上の本発明の構成によれば、始動入賞演出とタイマ演出を実行する遊技機において、
それぞれの演出を効果的に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した実施例に係る遊技機の正面図である。
【図2】遊技盤の正面図である。
【図3】中央装置の正面図である。
【図4】共通演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】メインジョブの流れを示すフローチャートである。
【図7(a)】特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図7(b)】特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図8】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図9】特別図柄変動表示処理を示すフローチャートである。
【図10】当り遊技処理を示すフローチャートである。
【図11】当り遊技終了時処理を示すフローチャートである。
【図12】共通演出実行処理を示すフローチャートである。
【図13】共通演出の進行に伴う演出表示装置の変化を示す説明図である。
【図14】始動入賞演出実行処理を示すフローチャートである。
【図15】共通演出が実行される複数の遊技機からなる遊技システムの構成図である。
【図16】共通演出が実行される複数の遊技機からなる遊技システムの変形例を示す構成図である。
【図17】台上演出装置が設けられた遊技盤の正面図である。
【図18】共通演出が実行される複数の遊技機からなる遊技システムの変形例を示す構成図である。
【図19】共通演出が実行される複数の遊技機からなる遊技システムの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変
動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタ
イプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明
を適用した実施例について説明する。
【0018】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は
、外枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えて
いる。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4
等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0019】
外枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。中枠3はプラスチック
製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠2の内側にはめ込まれて設置されており、
外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠3は、上側2/3程度を占め
る枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊
技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下
皿部6が設けられている。なお、遊技盤20は枠体部(中枠3)に対して着脱自在に設け
られている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユ
ニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けら
れている。
【0020】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。
前面枠4はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能に
するために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに
対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている
。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられて
いる。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯ある
いは点滅する。
【0021】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。
上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと
、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5
aの上面には、演出ボタン5d(操作手段の一態様)や球貸ボタン5e等が設けられてい
る。
【0022】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内
部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端
には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略
)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触
れていることを検知する接触検知手段(接触検知センサ)としてのタッチスイッチ8aが
設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的
に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0023】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施
錠するためのものである。
【0024】
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜
10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部
スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとか
らなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)
が装着されている。
【0025】
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図
である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けら
れているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
【0026】
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール
22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21
内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート28、大入賞装置(特別電動役物)33、始
動口29、入賞口34,35,36,37等の遊技装置が配設されている。また、遊技領
域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
【0027】
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置されている。中央装置
24は、主に図柄表示装置25と固定装飾部材26から構成されている。本実施例では、
図柄表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、図柄表示装置25の表示領域
では各種演出表示が行われる。また、図柄表示装置25には、図示を省略しているが、普
通図柄を表示する普通図柄表示領域、特別図柄を表示する特別図柄表示領域等が設けられ
ている。固定装飾部材26は、図柄表示装置25の表示領域の周囲を囲うように設けられ
ている。固定装飾部材26の内周は、図柄表示装置25の表示領域より若干小さくなって
いる。このため、正面視したとき、固定装飾部材26の内周側の一部は、図柄表示装置2
5の表示領域と重なっている。また、図2において破線で示すように、固定装飾部材26
の奥側に演出部材100が設けられている。
【0028】
図3は、中央装置24の正面図であり、遊技盤20を取り除いた状態を示している。図
3に示すように、中央装置24には、図柄表示装置25の周囲に固定装飾部材26が設け
られている。中央装置24には、固定装飾部材26や図柄表示装置25を遊技盤20に固
定するための枠部材27が設けられている。枠部材27には、表面側に固定装飾部材26
が固定され、裏面側に図柄表示装置25が固定される。枠部材27は、遊技盤20の背面
側に固定される。固定装飾部材26は、遊技盤20の前面側(遊技者に近い側)に位置す
る。
【0029】
固定装飾部材26の奥側には、演出部材100が設けられている。演出部材100は、
位置および形状が変化可能な可動役物として構成されている。演出部材100は、可動装
飾部材として構成されている。演出部材100は、図柄表示装置25の表示領域外に対応
して、その一部又は全部が視認不能な「収納位置」と、図柄表示装置25の表示領域内に
対応して、その全部(全体像)が視認可能な「露出位置」とに移動可能となっている。図
3では、収納位置の演出部材100を右上がりの斜線で示している。演出部材100の収
納位置は、正面から見て枠部材27の左上角部となっており、演出部材100の露出位置
は、図柄表示装置25の表示領域の中央付近となっている。
【0030】
また、図柄表示装置25の表示面は、遊技盤20より奥側に位置しており、演出部材1
00は、図柄表示装置25の表示面と遊技盤20との間に配置されている。そして、演出
部材100は、収納位置では、後述する収納状態で遊技盤20と固定装飾部材26の背面
側の収納スペースに収納されることで、演出部材100は遊技盤20と固定装飾部材26
に隠れて、その全体像が視認不能となっている。尚、本実施例では、演出部材100は、
縮小状態においても収納スペースより若干大きくなっているので、大部分(9割以上)は
収納されて視認不能となっているものの、収納位置においても演出部材100の一部(全
体の1割以下であって、全体像が把握できない程度)が露出している(図3を参照)。こ
の収納位置で露出した演出部材100の部位は、露出部分が位置する周囲の固定装飾部材
26と共通するデザインになっており、意匠的に統一されて遊技者に違和感を与えること
がない。そして、固定装飾部材26とともに図柄表示装置25の表示領域の周囲の装飾を
構成している。
【0031】
すなわち、固定装飾部材26と演出部材100の露出部分とのデザインを共通化するこ
とで、両者を識別困難としている。これにより、収納スペースを小さくできると共に、第
2位置に出現させたときのインパクとにおいて、演出部材100の全てを収納したのと同
等の効果(インパクト)を遊技者に付与できる。
【0032】
演出部材100には、複数の羽根部材が設けられている。複数の羽根部材は、収納位置
では、それぞれが重なり合った縮小状態となっており、露出位置では、縮小状態からそれ
ぞれが重なりを解除した拡大状態に変形することができる。「重なりを解除した」とは、
縮小状態において重なり合っていた部分を重なり合わない状態としたことをいう。演出部
材100の各羽根部材は、中心角が120°の略円弧形状となっており、外周部位は花び
らを模した形状となっている。拡大状態の羽根部材は、ひまわりの花を模した形状となっ
ている。
【0033】
図2に戻り、普通図柄作動ゲート28は、中央装置24の左側に設けられている。普通
図柄作動ゲート28の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッ
チ28s(図5参照)が設けられている。普通図柄表示領域では、普通図柄作動ゲート2
8を遊技球が通過することにより、図柄表示装置25の普通図柄表示領域では、普通図柄
が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が予め設定された当り図柄の組合せあるいは外
れ図柄の組合せで停止表示される。そして、普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示する
と、始動口(普通電動役物)29が所定時間(例えば0.5秒)開放される。
【0034】
始動口29は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口29は、遊技
盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を
上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口29aと下側に設けられ
た第2始動口29bとから構成されている。
【0035】
第1始動口29aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とさ
れる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方
、第2始動口29bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この
一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方
向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口
29bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成され
ている。
【0036】
始動口29の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ29s(図5
参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド29c(図5参照)とが備
えられている。始動口入球検知スイッチ29sは、第1始動口29aに入球した遊技球を
検知するスイッチと、第2始動口29bに入球した遊技球を検知するスイッチの2種類の
スイッチから構成されている。第2始動口29bの一対の翼片部が左右に開動作した場合
には、第2始動口29bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口29
bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された
場合には、第2始動口29bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(
遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口29bは遊技球の入球可能性
が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が第1始動
口29aまたは第2始動口29bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
【0037】
大入賞装置33は、始動口29の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、
帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33b
と、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図5参照)と、遊
技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図5参照)とから主に構成されている。
【0038】
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35,36と右入賞口
37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図
示せず)が設けられている。
【0039】
図柄表示装置25の特別図柄表示領域では、始動口29に遊技球が入球することにより
特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が当り図柄あるいは外れ図柄で停止表
示される。
【0040】
本実施例では、複数の当り図柄が設定されており、具体的には、「第1確変大当り図柄
」、「第1通常大当り図柄」、「第2確変大当り図柄」、「第2通常大当り図柄」、「小
当り図柄」が設定されている。後述のように、「第1確変大当り図柄」と「第1通常大当
り図柄」は、大当りラウンド数が15ラウンドの第1大当り遊技を実行開始させる大当り
図柄であり、「第2確変大当り図柄」と「第2通常大当り図柄」は、大当りラウンド数が
2ラウンドの第2大当り遊技を実行開始させる大当り図柄であるので、「第1確変大当り
図柄」、「第1通常大当り図柄」、「第2確変大当り図柄」、「第2通常大当り図柄」を
、それぞれ「15R確変大当り図柄」、「15R通常大当り図柄」、「2R確変大当り図
柄」、「2R通常大当り図柄」ともいう。
【0041】
本実施例では、遊技球が始動口29に入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)
を実行するか否かの特別図柄当否判定に用いられる特別図柄当否判定用乱数が設けられて
いる。さらに、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定用乱数が設けられてい
る。
【0042】
始動口29の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と特別図柄決定用乱数が取
得され、この取得された特別図柄当否判定用乱数と特別図柄決定用乱数は、主制御部20
0のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される。
【0043】
特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が第1始
動口29aまたは第2始動口29bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定
用乱数が大当りの当り値(大当り当選値)と一致する場合に大当りと判定される。特別図
柄当否判定は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
【0044】
特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定され、特別図柄表示領
域で停止表示される特別図柄が大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決
定される。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでない場合(大当り抽選に落選)には
、その判定に用いた特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選に落選した乱数値)が小当りの
当り値(小当り当選値)と一致するか否かが判定され(小当り抽選)、一致する場合に小
当りと判定され、特別図柄表示領域で停止表示される特別図柄が小当り図柄に決定される
。また、特別図柄当否判定の結果が大当りでも小当りでもない場合には、特別図柄当否判
定の結果は外れであり、特別図柄表示領域で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定さ
れる。
【0045】
本実施例の遊技機1では、第1始動口29aまたは第2始動口29bに遊技球が入球し
て特別図柄用乱数の保留が発生した場合に、保留された特別図柄用乱数が大当り遊技を発
生させるものであるか否か(当り保留であるか否か)を、その保留発生時に判定する大当
り事前判定処理(保留先読み)が行われる。大当り事前判定処理では、第1始動口29a
または第2始動口29bに遊技球が入球して特別図柄用乱数の保留が発生した場合、換言
すると、第1始動口29aまたは第2始動口29bへの遊技球の入球に伴い取得される大
当り抽選乱数が、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される場合
に、大当り抽選(特別図柄当否判定)に先立ち、保留された大当り抽選乱数が大当りを発
生させる「当り保留」であるか否かを、その保留発生時に判定する。さらに、大当り事前
判定処理では、大当り抽選乱数と同時に取得された特別図柄決定用乱数を用いて、当り保
留の種類が、確変大当りを発生させる「確変当り保留」であるか(特別図柄決定用乱数で
決定される大当り図柄が確変大当り図柄であるか)、通常当りを発生させる「通常当り保
留」であるか(特別図柄決定用乱数で決定される大当り図柄が通常大当り図柄であるか)
の判定も行われる。
【0046】
大当り事前判定処理は、確率変動機能非作動時には、低確率抽選テーブルを用いて行わ
れ、確率変動機能作動時には、高確率抽選テーブルを用いて行われる。また、大当り事前
判定処理の対象となった特別図柄用乱数が確変当り保留である場合には、この確変当り保
留に起因して開始される大当り遊技の終了後に確率変動機能が作動するので、当該確変当
り保留より後に保留された特別図柄用乱数に対する大当り事前判定処理を高確率抽選テー
ブルを用いて行う。一方、大当り事前判定処理の対象となった特別図柄用乱数が通常当り
保留である場合には、この通常当り保留に起因して開始される大当り遊技の終了後には確
率変動機能が作動しないので、当該通常当り保留より後に保留された特別図柄用乱数に対
する大当り事前判定処理を低確率抽選テーブルを用いて行う。
【0047】
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。こ
の変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内
容)を規定するものである。特別図柄の変動パターンは、大当り抽選が実行される際に、
複数の変動パターンが格納された変動パターンテーブルから抽選により選択される。特別
図柄の変動パターンテーブルは複数用意されており、それぞれ遊技状態(特別図柄の変動
モード)に応じて選択されて用いられる。
【0048】
次に、大当り遊技(特別遊技)について説明する。特別図柄表示領域で停止表示された
特別図柄が当り特別図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に
、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特別遊技)を開始させる。大当
り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させる
ことで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するもの
である。
【0049】
大当り遊技中(特別遊技中)は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球
の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出さ
れる。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続し
て作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複
数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態と
なる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33a
が閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実
施例では30秒又は0.2秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球
した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
【0050】
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊
技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33
aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(例えば30
秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。
このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの
開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数が終了するまで繰り返し継続される。
【0051】
本実施例の遊技機1では、大当り図柄の種類に応じて2種類の大当り遊技が設けられて
いる。具体的には、大当り図柄が第1大当り図柄(「第1通常大当り図柄」または「第1
確変大当り図柄」)だった場合(特別図柄当否判定の結果が第1通常大当りまたは第1確
変大当りだった場合)には、「第1大当り遊技」が発生する。そして、大当り図柄が第2
大当り図柄(「第2確変大当り図柄」または「第2通常大当り図柄」)だった場合には(
特別図柄当否判定の結果が第2通常大当りまたは第2確変大当りだった場合)、「第2大
当り遊技(第2確変大当り遊技、第2通常大当り遊技)」が発生する。なお、第2大当り
遊技は、後述の小当り遊技とともに特定当り遊技を構成している。
【0052】
これらの第1、第2大当り遊技は、1ラウンドに対しての大入賞口33aの開放時間(
規定時間)が異なっている。第1大当り遊技の大入賞口33aの開放時間(第1大当り遊
技の大入賞口開放時間)は、大入賞口33aへの規定数(10個)の入球およびこれに伴
う賞球払出の実行可能性が極めて高くなる時間として設定されており、25秒〜30秒で
あることが望ましく、本実施例では26秒に設定されている。第2大当り遊技の大入賞口
33aの開放時間(第2大当り遊技の大入賞口開放時間)は、大入賞口33aへの規定数
(10個)の入球およびこれに伴う賞球払出の実行可能性が極めて低くなる時間として設
定されており、0.1秒〜6秒であることが望ましく、本実施例では0.2秒に設定され
ている。なお、第1大当り遊技の最大継続ラウンド数は15ラウンドに設定され、第2大
当り遊技の最大継続ラウンド数は2ラウンドに設定されている。なお、第1大当り遊技と
第2大当り遊技のラウンド数に基づいて、「第1確変大当り」を「15R確変大当り」と
もいい、「第1通常大当り」を「15R通常大当り」ともいい、「第2確変大当り」を「
2R確変大当り」ともいい、「第2通常大当り」を「2R通常大当り」ともいう。
【0053】
尚、第2大当り遊技及び小当り遊技(特定当り遊技)に係る大入賞口の開閉動作は、遊
技球が入球するのが困難な程度の開放時間、すなわち一瞬のうちに開閉動作する一瞬開閉
動作とすることができる。また、第2大当り遊技及び小当り遊技(特定当り遊技)に係る
大入賞口の開閉動作(開放時間)は、第1大当り遊技に係る大入賞口の開放時間よりも短
い開放時間とすることができる。
【0054】
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、
確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。変
動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ
、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。なお、変動時間短縮機
能、開放時間延長機能、確率変動機能は、主制御部200の制御により実現されるもので
あり、主制御部200が本発明の確率設定手段に相当している。
【0055】
特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が第1通常大当り図柄また
は第2通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第2
始動口29bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始さ
れる。時短遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり、変動時間短縮機
能には、普通図柄の変動時間を短縮させる普図変動時間短縮機能と、特別図柄の変動時間
を短縮させる特図変動時間短縮機能とが含まれている。開放時間延長機能の作動により、
第2始動口29bの開放時間が、第1開放時間(例えば0.5〜1秒)であったのが第2
開放時間(例えば4〜6秒)に延長される。これにより、第2始動口29bへの遊技球入
球頻度が、通常時(開放延長機能非作動時)に比べて高くなる。変動時間短縮機能および
開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、また
は特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
【0056】
特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が第1確変大当り図柄また
は第2確変大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、
確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり
、この確変遊技では、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表
示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。本実施例の確率変動機能は、
変動時間短縮機能および開放時間延長機能とともに作動する。
【0057】
確率変動機能作動中は、当否判定用の当り値が増加することで、特別図柄当否判定の結
果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、通常確率当否判定テーブルと、通常確率
当否判定テーブルよりも当り値の数(種類)が増加した高確率当否判定テーブルを用意す
る。そして、通常遊技中(確率変動機能非作動時)には、通常確率当否判定テーブルを用
いて当否判定を行い、確変遊技中(確率変動機能作動時)には、高確率当否判定テーブル
を用いて当否判定を行う。これにより、確変遊技中(確率変動機能作動時)には、当り確
率(特別図柄当否判定の当選確率)が高確率状態になる。
【0058】
確率変動機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで作動する。本
実施例では、確変遊技の最大実行期間を、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が10
,000回に到達するまでに設定し、実質的に次回の大当り遊技が開始されるまでとして
いる。
【0059】
特別図柄当否判定の結果が第2大当り(特別図柄の停止図柄が第2確変大当り図柄また
は第2通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技開始時(第2確変大当り図柄または第2
通常大当り図柄が停止表示されたとき)の変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作
動状態が維持される。つまり、大当り遊技開始時に変動時間短縮機能および開放時間延長
機能が作動していた場合には、当該大当り遊技終了後も変動時間短縮機能および開放時間
延長機能を作動させる。一方、大当り遊技開始時に変動時間短縮機能および開放時間延長
機能が作動していなかった場合には、当該大当り遊技終了後も変動時間短縮機能および開
放時間延長機能を作動させない。
【0060】
よって、第2確変大当り図柄の停止表示を契機として大当り遊技が発生した場合には、
大入賞口33aの作動時間が短い、又は/及び、作動回数が少ない第2大当り遊技終了後
に確率変動機能が作動するとともに、大当り遊技が発生した際の開放時間延長機能の作動
状態が維持される。この場合、遊技者が視認可能な始動口29(下側始動口29b)の作
動状態が変化しないまま確率変動機能が作動開始する。また、第2通常大当り図柄の停止
表示を契機として大当り遊技が発生した場合には、大入賞口33aの作動時間が短い、又
は/及び、作動回数が少ない第2大当り遊技終了後に確率変動機能が作動せず(作動して
いた場合は作動を終了し)、大当り遊技が発生した際の開放時間延長機能の作動状態が維
持される。このことから、第2大当り遊技の終了後は、遊技者が確率変動機能の作動開始
有無を認識することを困難にすることができる。このように、確率変動機能が作動してい
ることを遊技者が認識困難とした状態を「確率非報知状態」といい、「確率非報知状態」
において確率変動機能が作動している状態を「潜伏確変状態(内部確変状態)」という。
【0061】
尚、この「確率非報知状態」においては、第2大当り遊技の終了後も所定期間、確率変
動機能が作動中であるか否かを報知しない確率非報知期間を継続する。
【0062】
次に、小当り遊技について説明する。特別図柄表示領域で停止表示された特別図柄が小
当り図柄であった場合(小当り抽選の結果が小当りだった場合)に、主制御部200は小
当り遊技を開始させる。小当り遊技は、小当り遊技フラグをONにセットすることで開始
する当り遊技であり、第2大当り遊技とともに特定当り遊技を構成している。小当り遊技
では、大入賞装置33が上述の第2大当り遊技と同じ態様で作動をする。本実施例におけ
る小当り遊技では、大入賞口33aが0.2秒間ずつ2回開放するように構成されており
、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低く賞球払い出しを実質的に伴わな
い遊技状態となっている。また、小当り遊技終了後は、小当り遊技が発生した際(小当り
図柄が停止表示されたとき)の確率変動機能及び開放時間延長機能の作動状態が維持され
る。
【0063】
小当り遊技では、第2大当り遊技と大入賞装置33の作動を同一態様としているので、
遊技者は大入賞口33aの短時間での2回の開閉(第2大当り遊技における大入賞口開閉
パターン)を認識したとしても、第2大当り遊技が発生したのか小当り遊技が発生したの
か区別することができない。このため、大入賞装置33の作動終了後(第2大当り遊技ま
たは小当り遊技終了後)における確率変動機能の作動の有無の認識をより困難なものとす
ることができる。このように、小当り遊技の存在により、確率非報知状態をより効果的な
ものにすることができる。
【0064】
なお、第1大当り遊技、第2大当り遊技、並びに、小当り遊技の終了後に発生する確率
非報知状態は、主制御部200の制御により実現されるものである。
【0065】
次に、共通演出について説明する。「共通演出」とは、複数の遊技機1において、同じ
内容の演出を同一タイミングで一斉に開始する演出であり、「タイマ演出」とも称する。
共通演出は、各遊技機1で完全同一の演出態様に限らず、各遊技機1で相互に関連性を有
する(遊技者に何らかの関連を認識させることができる)演出態様も含んでいる。
【0066】
共通演出は、各遊技機1の演出表示装置25で共通する内容の演出が行われる。本実施
例の共通演出は、後述の特定演出と関連する内容の演出が行われる。具体的には、共通演
出として、各遊技機1の演出表示装置25の表示領域において、その前面に演出部材10
0を出現させたり、背景色を共通する色に変化させたり、共通するキャラクタを登場させ
たりすることができる。共通演出の対象となる遊技機1は、例えば遊技ホールの島設備に
横並びに、又は/及び対面に配置された複数の遊技機1からなる遊技機群とすることがで
きる。本実施例では、共通演出が行われる複数の遊技機1は、各遊技機1の制御部(主制
御部200やサブ制御部260等)が独立して共通演出の制御を行うように構成されてい
る。
【0067】
本実施例では、所定開始時間に各遊技機1が一斉に共通演出を開始するが、共通演出の
終了タイミングは各遊技機1で異なり、潜伏確変状態となっていない遊技機1では、所定
条件の成立を条件に共通演出を実行期間の途中で終了し、潜伏確変状態となっている遊技
機1では、共通演出を実行期間の最後まで継続して終了する。潜伏確変状態となっている
遊技機1は、共通演出の実行期間の最後に、当り確率が高確率状態となっていることを報
知する確変報知演出(確率報知演出)を行い、共通演出を終了する。また、共通演出の実
行中に当りとなった場合には、当り遊技を開始する前、当り遊技中、又は当り遊技終了後
に抽選確率が高確率であったのか低確率であったのかを報知する確率報知演出をすること
もできる。
【0068】
尚、共通演出を実行したが、潜伏確変状態となっている遊技機がない場合には、所定条
件が成立(乱数抽選に当選、特別図柄の変動回数等)する毎に順次共通演出を終了し、最
後の遊技機が共通演出を終了した後にも確変報知演出は実行されない。
【0069】
図4は、共通演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図4に示すよう
に、本実施例では、遊技機1の電源投入時あるいは前回の共通演出の終了時を基準として
行われる。具体的には、すべての遊技機1に電源が投入された後、第1所定時間t1(本
実施例では20分)が経過した時点で1回目の共通演出の実行が開始される。そして、1
回目の共通演出の終了後、第2所定時間t2(本実施例では20分)が経過した時点で2
回目の共通演出の実行が開始される。本実施例では、共通演出の終了タイミングが各遊技
機1で異なるため、2回目の共通演出は、1回目の共通演出がすべての遊技機1で終了し
てから第2所定時間t2(本実施例では20分)が経過した時点で開始される。また3回
目以降の共通演出についても2回目の共通演出と同様に開始される。
【0070】
なお、共通演出(タイマ演出)の実行、共通演出(タイマ演出)開始の契機となる電源
投入からの経過時間の計測や前回の共通演出終了からの経過時間の計測は、サブ制御部2
60によって行われる。このため、サブ制御部260が本発明のタイマ手段、タイマ演出
実行手段に相当している。
【0071】
次に、始動口29への遊技球の入球に基づいて行われる始動入賞演出について説明する
。始動入賞演出では、特別図柄の変動表示に伴って演出図柄を変動表示させる図柄変動演
出と、演出部材100やキャラクタ画像、背景画像を用いた特定演出とが行われる。
【0072】
まず、演出図柄を用いた図柄変動演出について説明する。図2、図3に示すように、演
出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられて
いる。演出図柄表示部25aは、演出部材100が収納状態にある場合(図2参照)には
、演出表示装置25の表示領域の中央付近に大きく設けられ、演出部材100が露出状態
にある場合(図3参照)には、演出表示装置25の表示領域の右下に小さく設けられる。
【0073】
演出図柄表示部25aの演出図柄は、特別図柄表示領域の特別図柄に連動して表示され
る。また、演出表示装置25の表示画面のうち、演出図柄表示部25aを除く部位は、文
字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となって
いる。上述のように、演出表示装置25は、遊技盤20の中央に配置されているので、遊
技者は通常、演出表示装置25の表示領域での表示内容(特に演出図柄)に注目して遊技
を行うこととなる。
【0074】
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、
演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図
柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成さ
れる。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上
下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
【0075】
演出図柄は、特別図柄表示領域における特別図柄の変動表示の開始により変動表示を開
始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応
じた図柄で停止表示される。これにより、演出図柄によって、特別図柄当否判定の結果(
「当り」または「外れ」)が報知される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが
特別図柄の第1通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが特別図柄の第1
確変大当り図柄に対応し、大当り図柄以外の図柄の組合せが特別図柄の外れ図柄に対応し
ている。そして外れ図柄のうち、「1・2・3」などの順並びの組合せや「1・3・5」
などの奇数数字の順並びや「7・6・7」などのリーチ外れ組合せといった、当り図柄以
外の予め定められた特定の外れ図柄であるチャンス図柄(所謂チャンス目)が特別図柄の
特定当り図柄(第2通常大当り図柄、第2確変大当り図柄、小当り図柄)にも対応してい
る。このように、本実施例では、特別図柄が第2通常大当り図柄、第2確変大当り図柄、
小当り図柄のいずれかの場合には、演出図柄の停止表示態様が同一となっている。このた
め、演出図柄によって、特別図柄当否判定の結果(「当り」または「外れ」)や当りの種
類(第2確変大当り、第2通常大当り、小当り)を判別することができない。尚、チャン
ス図柄の停止により、特別図柄が第2通常大当り図柄、第2確変大当り図柄、小当り図柄
のいずれかの図柄となった可能性があることを推測することはできる。
【0076】
次に、始動入賞演出の特定演出について説明する。本実施例では、特定演出として、上
述した大当り判定処理の結果(大当り発生の可能性)を報知する大当り予告演出が行われ
る。特定演出(大当り予告演出)は、演出表示装置25で行われる図柄変動演出(演出図
柄の変動表示)に伴って行われる。特定演出(大当り予告演出)は、上述の共通演出と関
連する内容の演出が行われる。具体的には、特定演出として、演出表示装置25の表示領
域において、その前面に演出部材100を出現させたり、背景色を所定の色(例えば赤色
)に変化させたり、所定のキャラクタを登場させたりする。これにより、現在の図柄変動
演出、又はその後の保留消化に伴って行われる図柄変動演出の結果(大当り抽選の結果)
が大当りとなる旨を事前に示すことができる。
【0077】
始動入賞演出(図柄変動演出および特定演出)は、特別図柄の変動開始時に主制御部2
00から送信される変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定
コマンド)と、始動口29への遊技球入球時に主制御部200から送信される始動入賞時
コマンドに基づいて、サブ制御部260の制御によって行われるように構成されている。
つまり、始動入賞演出で行われる演出内容の選択および始動入賞演出の実行はサブ制御部
260によって行われる。また、サブ制御部260のROMには、複数の始動入賞演出パ
ターンが記憶されている。このため、サブ制御部260は、本発明の始動入賞演出実行手
段、始動入賞演出パターン記憶手段に相当している。
【0078】
始動入賞演出(図柄変動演出、特定演出)は、複数の始動入賞演出パターンから選択・
決定された特定の始動入賞演出パターンにしたがって実行される。始動入賞演出パターン
は複数設けられており、各演出パターンは、図柄変動演出の演出パターン(演出図柄の変
動パターン)や、特定演出(大当り予告演出)の実行の種類又は実行の有無などが異なっ
ている。始動入賞演出パターンは、特別図柄の当否判定結果および大当り事前判定結果と
に基づいて図柄変動演出の開始時(演出図柄の変動開始時)に設定される。
【0079】
始動入賞演出のうち図柄変動演出の演出パターン(演出図柄の変動パターン)は、特別
図柄の当否判定結果に基づいて設定される。主制御部200からサブ制御部260に向け
て送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体
的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部
200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数
抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パター
ンに基づき、サブ制御部260が、図柄変動演出の演出パターン(演出図柄の変動パター
ン)を決定する。また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される停止情
報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、特別図柄の当否
判定結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに(乱数抽選により)決定する。そして
、主制御部200により決定された特別図柄の停止図柄を示す停止情報指定コマンドに基
づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aで停止表示される演出図柄の停止図柄
を決定する。
【0080】
始動入賞演出のうち特定演出(大当り予告演出)の実行の種類又は実行の有無は、大当
り事前判定結果に基づいて図柄変動演出の開始時(演出図柄の変動開始時)に設定される
。具体的には、大当り判定結果が肯定結果(大当りを発生させる当り保留)である場合に
は、特定演出を実行する。一方、大当り判定結果が否定結果(大当りを発生させない外れ
保留)である場合には、特定演出を実行しない。ただし、大当り判定結果が否定結果(大
当りを発生させない外れ保留)である場合には、特定演出を実行しない場合と、いわゆる
「ガセ」として特定演出を実行する場合とがある。
【0081】
本実施例では、複数の変動時間夫々に、複数の始動入賞演出パターンが用意されており
、複数の始動入賞演出パターンから特定の始動入賞演出パターンを決定する際に、上述の
共通演出の実行時期(所定開始時期)に基づいて、決定対象となる始動入賞演出パターン
が制限され、一部の始動入賞演出パターンは決定対象から除外される。具体的には、共通
演出の実行開始前に始動入賞演出パターンを決定する際に、変動時間を参照して始動入賞
演出の実行中に共通演出が開始される所定開始時間が到来すると判定される場合には、決
定対象となる特定の始動入賞演出パターンが制限される。決定対象となる始動入賞演出パ
ターンの制限(一部の始動入賞演出パターンの除外)は、共通演出と関連する特定演出を
含まない始動入賞演出の演出パターンのみを決定対象とすることで行われる。つまり、始
動入賞演出の実行中に共通演出の実行が開始される場合には、始動入賞演出のうち共通演
出と関連する特定演出の実行が制限されることとなる。ここで、「共通演出と関連する特
定演出」とは、例えば、共通演出として、演出部材100の作動(出現)が選択された場
合には、当該演出部材100が作動する特定演出のことをいう。また共通演出として所定
キャラクタ画像が出現する場合には、当該所定キャラクタ画像が出現する特定演出は制限
される。
【0082】
また他の実施例では、共通演出が実行開始する前の所定開始前期間に、始動入賞演出を
開始する場合は、決定対象となる始動入賞演出パターンの制限が行われ、共通演出と関連
する特定演出を含まない始動入賞演出パターンのみを決定対象とすることができる。「所
定開始前期間」は、複数の始動入賞演出パターンのうち最も演出時間が長い始動入賞演出
パターンの演出時間(例えば4分間)より長い時間(例えば5分間)が設定される。上述
のように、1回目の共通演出は、電源投入から第1所定時間t1(本実施例では20分)
が経過した時点で開始されるため、電源投入から15〜20分間は、共通演出と関連する
特定演出の実行開始が制限される。2回目以降の共通演出は、前回の共通演出がすべての
遊技機1で終了してから第2所定時間t2(本実施例では20分)が経過した時点で開始
されるため、共通演出がすべての遊技機1で終了してから15〜20分間は、共通演出と
関連する特定演出の実行開始が制限される。
【0083】
このように、共通演出の実行時期に基づいて、決定対象となる始動入賞演出パターンの
制限を行う(共通演出と関連する特定演出を含まない始動入賞演出パターンのみを決定対
象とする)ことで、共通演出が開始する際に、共通演出と関連する特定演出を含んだ始動
入賞演出がすでに実行されているという事態を防止できる。この結果、これらの演出の実
行時期が重複して、共通演出の演出効果が低くなることを防止できる。遊技機群で一斉に
実行される共通演出は、例えば演出部材100が同時に一斉に出現するからこそ、遊技者
に共通演出発生のインパクトを与えるのであり、遊技機群に共通演出開始前から演出部材
100が既に出現している様な遊技機があった場合には、同時発生する共通演出のインパ
クト(遊技者への訴求力)が低下することとなる。
【0084】
また、共通演出が実行開始する前の所定開始前期間には、決定対象となる始動入賞演出
パターンの制限を一律に行うことで、始動入賞演出パターンを決定する際に、始動入賞演
出の実行中に共通演出の開始時間が到来するか否かを判定する必要がなく、始動入賞演出
パターンを決定する制御を簡素化することができる。
【0085】
また、共通演出に関連する特定演出を一定期間全ての遊技機で出現させないことで、共
通演出が実行されたときのインパクトを高めることができる。この一定期間として、共通
演出の実行時期(所定開始時間)の前後に予め設定した所定期間とすることができる(「
所定開始時間の前後所定期間」に相当する)。この期間は、共通演出の実行時期に至る前
の所定期間と、共通演出の実行時期に至った後の所定期間とで構成される。また共通演出
の実行時期に至る前の所定期間と、共通演出の実行時期に至った後の所定期間とは同じ時
間であっても良いし、異なる時間であってもよい(何れの期間を長く設定してもかまわな
い)。また、一方の期間をゼロとし、他方の期間のみを設定してもよい。例えば、共通演
出の実行時期に至る前の所定期間として10分間設定し、共通演出の実行時期に至った後
の所定期間を0に設定することができる。また、共通演出の実行時期の前10分及び後5
分を共通演出の実行時期の前後所定期間と設定した場合において、タイマ手段に基づいて
始動入賞演出の開始タイミングが所定開始時間の前12分と判断され、始動入賞演出の実
行期間が4分であると判定された場合には、決定対象となる所定の始動入賞演出パターン
は制限されることとなる。尚、遊技機群の何れかの遊技機1で共通演出が実行されている
間も(又は、途中で共通演出を終了したか否かを問わず、予め定められた共通演出実行期
間中は)、遊技機群を構成する各遊技機1では共通演出に関連する特定演出を含んだ始動
入賞演出の実行を制限するものとすることができる。
【0086】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図5に基づいて説明する。図5は
、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0087】
図5に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続さ
れた副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御
部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。
主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺
制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板28
0aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板
、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置
される。
【0088】
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給され
ている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、2
60、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及
び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備
えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持され
る。
【0089】
主制御部200は、遊技全体の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御
部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御
部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0090】
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵
RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備
えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技
機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU2
00bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判
定(大当り抽選)を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU2
00bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パター
ンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCP
U200bの制御周期は2msに設定されている。
【0091】
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続され
ている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ28s、始動口
入球検知スイッチ29s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの
信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、
始動口ソレノイド29c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200
からの制御信号が出力される。さらに、図示を省略しているが、主制御部200には、外
部装置と接続するための外部接続端子を備えた枠用外部端子基板が接続されており、主制
御部200から外部装置への信号出力が可能となっている。上述のように、各遊技機1の
主制御部200は、外部端子基板を介して、隣接する他の遊技機1の主制御部200と接
続されている。
【0092】
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200
bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御
部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230
には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号
、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り
許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
【0093】
払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを
受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示
しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊
技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の
裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技
球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払
出モータの回転駆動により排出することで行われる。
【0094】
発射制御部250には、タッチスイッチ8a、発射停止スイッチ8b等が接続されてお
り、これらのスイッチ8a、8bから操作信号が入力する。また、CRユニット13には
、球貸ボタン5eが接続されており、球貸信号が入力する。
【0095】
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段
を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM
、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、
入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ラン
プ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、図柄表示装置25
による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
【0096】
主制御部200からサブ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御
コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部26
0を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サ
ブ制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制
御コマンドが同時に送信される。
【0097】
サブ制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板2
80aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプ
レイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにお
いてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には図柄表示装置25
が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御
プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置25の表示制御を行うよう
に構成されている。演出表示制御部280のROMには、図柄表示装置25で表示される
演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されて
いる。
【0098】
サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続
されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これら
のランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。ま
た、サブ制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはス
ピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に
対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御部260には、演出ボタ
ン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。
【0099】
サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン
指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプ
の点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果
音データの選択・出力処理や、図柄表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処
理等を行う。
【0100】
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図6は、主制
御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図6に示すメインジョブは、
主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200b
の内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに
基づいて実行するもので、電源投入処理S100の後、遊技開始処理S200、普通図柄
遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、当り遊
技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎(本実施例では4ms毎)に繰
り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、
使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセッ
トが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
【0101】
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、
電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復
帰させるための復帰設定等が行われる。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の
検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる。
【0102】
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示領
域にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する
。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして
、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄
の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口2
9bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表
示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口2
9bを作動させる処理を行う。第2始動口29bが作動すると、一対の翼片部が左右に開
動作して、第2始動口29bが開放状態となる。
【0103】
普通電動役物遊技処理S400では、第2始動口29bを開放状態に維持する開放時間
が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口29bに規
定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口29bに規定入賞
数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口29bの開放時間が経過し
ていると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口29bは通常状態
(閉鎖状態)となる。
【0104】
次に、特別図柄遊技処理S500を図7〜図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理(S501)につい
て図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0105】
始動口入賞処理(S501)では、始動口29(第1始動口29aまたは第2始動口2
9b)に入賞(遊技球が入球)したか否かを判定し(S501a)、始動口29に入賞し
ていないと判定された場合には(S501a:NO)、始動口入賞処理(S501)を終
了して図7(a)のS504の処理に移行する。一方、始動口29に入賞したと判定され
た場合には(S501a:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(
S501b)。この結果、特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された
場合には(S501b:NO)、始動口入賞処理を終了して図7(a)のS502の処理
に移行し、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)
、特別図柄用乱数を取得する(S501c)。特別図柄用乱数は、大当り抽選乱数、特別
図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。特別図柄用乱数を
取得することにより、特別図柄保留数が1増加する。
【0106】
次に、事前判定処理を実行する(S501d)。事前判定処理では、S501cの処理
で取得した特別図柄用乱数が大当り遊技を開始させる起因となる「当り保留」に該当する
乱数であるか否かを事前判定する。この事前判定は、上述したように、現在の大当り抽選
の当選確率の設定状態に応じて行われるもので、高確率状態であれば高確率抽選テーブル
を用いて行われ、低確率状態であれば低確率抽選テーブルを用いて行われる。そして、S
501cで取得した特別図柄用乱数と、事前判定結果をRAMの所定領域(事前判定結果
記憶手段)に記憶し(S501e)、始動入賞時コマンドをサブ制御部260に送信する
(S501f)。「始動入賞時コマンド」は、特別図柄保留数を指定する保留数指定コマ
ンド、大当り事前判定結果を示す事前判定結果コマンド等を含んでおり、それぞれ別々の
コマンドから構成されていてもよく、1つのコマンドから構成されていてもよい。
【0107】
次に、図7(a)に戻り、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグまたは小当り
遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S504)。この結果、当り遊技中である
(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S5
04:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグお
よび小当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S504:NO)、特別
図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。
【0108】
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述
のS509の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:
NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。ここで、特別
図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実
施例では、特別図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、特別図柄の停止表示
時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS512の処理に移行
し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図
柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
【0109】
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、
特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には
(S507:NO)、特別図柄変動表示処理を行う(S508)。
【0110】
ここで、特別図柄変動表示処理を図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、主
制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用
乱数(始動口29への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S508
a)、特別図柄当否判定を行う(S508b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が
作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りと
なる確率を高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない
(通常遊技中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大
当りとなる確率を低くした状態(低確率状態)で当否判定を行う。
【0111】
次に、特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この
結果、大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り変動パターン
テーブル設定処理を行い(S508d)、変動パターン決定乱数を取得し、主制御部20
0のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている大当り図柄決定用乱数を読み出
す(S508e)。
【0112】
一方、S508cの判定処理で大当りでないと判定された場合には(S508c:NO
)、大当りでないと判定された特別図柄当否判定用乱数を用いて小当り抽選を行い、その
結果が小当りであるか否かを判定する(S508m)。この結果、小当りであると判定さ
れた場合には(S508m:YES)、小当り変動パターンテーブル設定処理を行い(S
508n)、変動パターン決定乱数と小当り図柄決定乱数を取得する(S508o)。一
方、小当りでないと判定された場合には(S508m:NO)、外れ変動パターンテーブ
ル設定処理を行い(S508f)、変動パターン決定乱数と外れ図柄決定乱数を取得する
(S508g)。
【0113】
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S508h)。特別図柄の変動
パターンは、S508e、S508o、S508gで取得した特別図柄変動パターン決定
用乱数を用いて、S508d、S508n、S508fの何れかの処理でセットした変動
パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。特別図柄の停止図柄は、S508
eで読み出した大当り図柄決定用乱数、S508oで読み出した小当り図柄決定用乱数ま
たはS508gで取得した外れ図柄決定用乱数を用いて、特別図柄の停止図柄を確変大当
り図柄、通常大当り図柄、外れ図柄の何れかに決定する。
【0114】
次に、S508hで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示領
域で特別図柄の変動表示を開始し(S508i)、サブ制御部260に図柄変動開始時コ
マンド(変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンド)を送信する(S508j)
。変動パターン指定コマンドは、S508hで設定された特別図柄の変動パターンを指定
するコマンドであり、停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンド
である。この図柄変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマン
ド)をサブ制御部260に送信すると、これらコマンドを受信したサブ制御部260およ
び演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。
そして、特別図柄保留数を1減算する(S508k)。以上までが、特別図柄の変動表示
を開始する際の処理である。
【0115】
次に、図7(a)に戻り、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合に
は(S505:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定
する(S509)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場
合には(S509:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過
していると判定された場合には(S509:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S
510)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S511)。
【0116】
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S512)。この結
果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S512:N
O)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定さ
れた場合には(S512:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判
定する(図7(b)のS513)。
【0117】
この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S513:
YES)、特別図柄の停止図柄が第2大当り図柄(第2確変大当り図柄または第2通常大
当り図柄)であるか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄が第2
大当り図柄である場合には(S514:YES)、第2大当り遊技用の大入賞口33aの
開放パターン(2R用大入賞口開放パターン)をセットし(S515)、特別図柄の停止
図柄が第2大当り図柄でない場合(第1大当り図柄である場合)には(S514:NO)
、第1大当り遊技用の大入賞口33aの開放パターン(15R用大入賞口開放パターン)
をセットする(S516)。そして、大当り遊技フラグをONにセットする(S517)
。これにより、S515またはS516の処理でセットされた大入賞口開放パターンに従
って大当り遊技が開始される。
【0118】
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S518)、確変フラグがONである
と判定された場合は(S518:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S519)
、S520の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S
518:NO)、そのままS520の処理に移行する。
【0119】
S520の処理では、変動短縮フラグがONであるか否かを判定し、変動短縮フラグが
ONでないと判定された場合には(S520:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了
する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S520:YES)、
変動短縮フラグをOFFにセットし(S521)、さらに開放延長フラグをOFFにセッ
トする(S522)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短
縮機能、開放時間延長機能が作動を停止する。
【0120】
次に、上記S513の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定され
た場合には(S513:NO)、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であるか否かを判定す
る(S523)。この結果、特別図柄の停止図柄が小当り図柄でないと判定された場合に
は(S523:NO)、S526の処理に移行し、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であ
ると判定された場合には(S523:YES)、小当り用大入賞口開放パターンをセット
する(S524)。小当り用大入賞口開放パターンは、小当り遊技用の大入賞口33aの
開放パターンであり、第2大当り遊技と同一態様となっている。そして、小当り遊技フラ
グをONにセットする(S525)。これにより、S524の処理でセットした小当り用
大入賞口開放パターンに従って小当り遊技が開始する。
【0121】
次に、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S526)。この結果、変動短
縮フラグがONでないと判定された場合は(S526:NO)、特別図柄遊技処理を終了
し、変動短縮フラグがONであると判定された場合は(S526:NO)、変動短縮カウ
ンタを1減算し(S527)、変動短縮カウンタがゼロになったか否かを判定する(S5
28)。変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間をカ
ウントするためのものであり、大当り遊技の終了後に大当り図柄に応じて後述のS609
f、S609kの処理(図11参照)でセットされる。
【0122】
そして、変動短縮カウンタがゼロではないと判定された場合には(S528:NO)、
特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮カウンタがゼロであると判定された場合には(S5
28:YES)、変動短縮フラグをOFFにし(S529)、開放延長フラグをOFFに
する(S530)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
【0123】
次に、当り遊技処理S600について図10のフローチャートに基づいて説明する。ま
ず、当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグがONであるか
否か)を判定する(S601)。この結果、当り遊技中でない(大当り遊技フラグおよび
小当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S601:NO)、当り遊技
処理を終了し、当り遊技中である(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグがONであ
る)と判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否か
を判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合に
は(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S60
3)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:N
O)、大入賞口33aに規定入賞数の入賞があったか否か(規定数の遊技球が入球したか
否か)を判定する(S604)。
【0124】
この結果、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には(S6
04:NO)、当り遊技処理を終了し、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していると判
定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判
定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
【0125】
また、上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S60
2:NO)、当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。S606の
判定処理は、第1大当り遊技であれば大当り遊技のラウンド数が15ラウンドに達したか
否か、第2大当り遊技であれば大当り遊技のラウンド数が2ラウンドに達したか否か、小
当り遊技であれば大入賞口33aの開閉回数が2回に達したか否かを判定する。
【0126】
この結果、当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO
)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S
607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607
:NO)、当り遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定され
た場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
【0127】
上記S606で、当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には(S606:
YES)、当り遊技終了時処理を行う(S610)。ここで、当り遊技終了時処理につい
て図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0128】
当り遊技終了時処理では、まず、当り遊技フラグ(大当り遊技フラグまたは小当り遊技
フラグ)をOFFにセットする(S610a)。次に、今回の当りが確変大当り(第1確
変大当りまたは第2確変大当り)であるか否かを判定する(S610b)。この結果、確
変大当りであると判定された場合は(S610b:YES)、確変フラグをONにセット
する(S610c)。これにより、確率変動機能の作動が開始する(高確率状態となる)

【0129】
次に、終了した当り遊技が開放時間延長機能の作動を伴うものであるか否かを判定する
(S610d)。このS610dの処理では、終了した当り遊技が「第1確変大当り遊技
(15R確変大当り遊技)」であるか、あるいは「開放時間延長機能作動時に発生した第
2確変大当り遊技(2R確変大当り遊技)」である場合に、開放時間延長機能の作動を伴
うものであると判定され、終了した当り遊技が「開放時間延長機能非作動時に発生した第
2確変大当り遊技(2R確変大当り遊技)」である場合に、開放時間延長機能の作動を伴
わないものであると判定される。そして、開放時間延長機能の作動を伴わないと判定され
た場合には(S610d:NO)、当り遊技処理を終了し、開放時間延長機能の作動を伴
うと判定された場合には(S610d:YES)、変動短縮フラグをONにセットし(S
610e)、開放延長フラグをONにセットし(S610f)、変動短縮カウンタを10
,000回にセットする(S610g)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長
機能の作動が開始する。
【0130】
一方、上記S610bの判定処理で、今回の当りが確変大当りでないと判定された場合
は(S610b:NO)、今回の当りが通常大当りであるか否かを判定する(S610h
)。この結果、通常大当りでないと判定された場合(つまり、今回の当りが小当りの場合
)には(S610h:NO)、当り遊技処理を終了し、通常大当りであると判定された場
合には(S610h:YES)、今回終了した通常大当り遊技が開放時間延長機能の作動
を伴うものであるか否かを判定する(S610i)。このS610iの処理では、終了し
た通常大当り遊技が「第1通常大当り遊技(15R通常大当り遊技)」であるか、あるい
は「開放時間延長機能作動時に発生した第2通常大当り遊技(2R通常大当り遊技)」で
ある場合に、開放時間延長機能の作動を伴うものであると判定され、終了した通常大当り
遊技が「開放時間延長機能非作動時に発生した第2通常大当り遊技(2R通常大当り遊技
)」である場合に、開放時間延長機能の作動を伴わないものであると判定される。そして
、開放時間延長機能の作動を伴わないと判定された場合には(S610i:NO)、当り
遊技処理を終了し、開放時間延長機能の作動を伴うと判定された場合には(S610i:
YES)、変動短縮フラグをONにセットし(S610j)、開放延長フラグをONにセ
ットし(S610k)、変動短縮カウンタを100回にセットする(S610l)。これ
により、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動が開始する。
【0131】
次に、サブ制御部260が行う共通演出実行処理について説明する。図12は、サブ制
御部260の制御下で行われる共通演出実行処理の一例であり、図示しないメインルーチ
ンのサブルーチンとして実行される。図12に示す共通演出処理は、サブ制御基板260
aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまた
はサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する
。また、図13は、共通演出の進行に伴う遊技機群の複数の演出表示装置25の変化を示
す説明図である。図13に示す例では、隣り合う5台の遊技機1からなる遊技機群で共通
演出が行われるものとする。
【0132】
まず、共通演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S701)。共通演出の開
始タイミングは、遊技機1に電源投入された時点あるいは前回の共通演出が終了した時点
からの経過時間で決定される。このため、S701の判定処理では、遊技機1の電源投入
から所定時間t1が経過したか否か、あるいは前回の共通演出終了時から所定時間が経過
したか否かを判定する。尚、遊技機群を構成する遊技機1は、島電源を利用することによ
り、電源投入が略同時に行われる(これにより同時にタイマ手段が作動(時間計測)する
こととなる)。
【0133】
S701の判定処理の結果、共通演出の開始タイミングでないと判定された場合には(
S701:NO)、共通演出の開始タイミングが到来するまで待機状態となる。一方、共
通演出の開始タイミングであると判定された場合には(S701:YES)、共通演出を
開始する(S702)。このとき、共通演出の対象となる遊技機群に含まれるすべての遊
技機1で共通演出が開始される。本実施例では、共通演出の対象となる各遊技機1に対応
する演出表示装置25で演出部材100を露出状態(図3参照)にすることで共通演出を
開始する。
【0134】
次に、共通演出が開始されてから所定時間S1が経過したか否かを判定する(S703
)。この結果、共通演出が開始されてから所定時間S1が経過していないと判定された場
合には(S703:NO)、所定時間S1が経過するまで待機状態となる。一方、共通演
出が開始されてから所定時間S1が経過していると判定された場合には(S703:YE
S)、後述の共通演出終了抽選が終了したか否かを判定する(S704)。終了していな
いと判定された場合(S704:NO)、潜伏確変状態か否かを判定する(S705)。
S705の判定処理では、共通演出の開始時に潜伏確変状態となっている遊技機1のみを
対象としてもよく、あるいは共通演出の開始後に潜伏確変状態となった遊技機1をも対象
としてもよい。
【0135】
この結果、潜伏確変状態でないと判定された場合には(S705:NO)、共通演出終
了抽選を実行する(S706)。この抽選処理では、所定確率で共通演出を終了するもの
であり、例えば1/2の確率で終了するものとすることができる。抽選処理により終了し
ないことが決定された場合には、潜伏確変でない状態のまま共通演出を実行することとな
る。これにより、遊技者は、自分の遊技する台が潜伏確変状態かもしれないといった期待
感を維持することができる。また遊技機群に空台がある場合には、共通演出を実行(継続
)することで、潜伏確変状態かもしれないことを示唆し、遊技者を空台に引き付けること
ができ、ひいては遊技機の稼働率を向上することができる。
【0136】
また、この共通演出終了抽選処理を遊技者参加型とすることもできる。具体的には、こ
の抽選処理において、遊技者に、遊技機1の枠部材に設けた操作ボタンを押すことを指示
し、遊技者が当該操作ボタンを押したタイミングで共通演出を終了するか又は継続するか
を決定(抽選)し、当該決定結果(抽選結果)を報知することができる。報知の態様とし
ては、共通演出を終了することが決定された場合には、共通演出を終了し、共通演出を継
続することが決定された場合には、共通演出を継続することで、報知することができる。
また、共通演出を終了すると決定された遊技機1では、共通演出が実行期間の途中で終了
することとなる。
【0137】
ここで、本実施例では、図13の左から4番目の遊技機1が潜伏確変状態(高確率状態
)であり、左から1番目、2番目、3番目、5番目の遊技機1が潜伏確変状態でない(通
常確率状態)ものとする。そして、潜伏確変状態でない左から1番目、2番目、3番目、
5番目の遊技機1で共通演出終了抽選が実行され(S706)、そのうち、左から3番目
と5番目の遊技機1で共通演出を終了する決定がなされ、左から1番目と2番目の遊技機
1で共通演出を継続する決定がされている(S706)。これにより、左から1番目、2
番目、4番目の遊技機1に対応する演出表示装置25で、演出部材100の露出状態(出
現)が継続されて共通演出が継続される。
【0138】
次に、S705で潜伏確変であると判定された場合には、共通演出を開始してから所定
時間S2が経過したか否かを判定する(S707)。この結果、一部の遊技機1で共通演
出を開始してから所定時間S2が経過していないと判定された場合には(S707:NO
)、所定時間S2が経過するまで待機状態となる。一方、一部の遊技機1で共通演出を開
始してから所定時間S2が経過していると判定された場合には(S706:YES)、潜
伏確変状態か否かを判定する(S708)。潜伏確変状態であると判定された場合には(
S708:YES)、確率変動機能が作動している高確率状態であることを示す確変報知
演出を実行する(S710)。一方、潜伏確変状態でないと判定された場合には(S70
8:NO)、共通演出を終了する(S709)。本実施例では、図13の左から4番目の
遊技機1が潜伏確変状態となっているので、図13(c)に示すように、左から1番目と
2番目の遊技機1で共通演出を終了し、4番目の遊技機1に対応する演出表示装置25の
表示領域を赤色表示させることで、当該遊技機1が高確率状態であることを報知する確変
報知演出を実行している。これにより、潜伏確変状態となっていない遊技機1では、共通
演出が実行期間の途中で終了し、潜伏確変状態となっている遊技機1では、共通演出が実
行期間の最後で終了することとなる。
【0139】
次に、サブ制御部260が行う始動入賞演出実行処理について説明する。図14は、サ
ブ制御部260の制御下で行われる始動入賞演出実行処理の一例であり、図示しないメイ
ンルーチンのサブルーチンとして実行される。図14に示す始動入賞演出処理は、サブ制
御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内
蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従
って実行する。
【0140】
まず、S508jの処理(図9)で主制御部200から送信される変動開始時コマンド
を受信したか否かを判定する(S800)。この結果、変動開始時コマンドを受信してい
ないと判定された場合には(S800:NO)、始動入賞演出実行処理を終了する。一方
、変動開始時コマンドを受信していると判定された場合には(S800:YES)、始動
入賞演出の制限期間内であるか否かを判定する(S801)。「始動入賞演出の制限期間
」は、上述のように共通演出の開始時間に至るまでの所定開始前期間(例えば5分間)に
設定されている。
【0141】
この結果、始動入賞演出の制限期間内でないと判定された場合には(S801:NO)
、すべての始動入賞演出パターンから特定の始動入賞演出パターンを決定する(S802
)。一方、始動入賞演出の制限期間内であると判定された場合には(S801:YES)
、共通演出と関連する特定演出を含まない始動入賞演出パターンから特定の始動入賞演出
パターンを決定する(S803)。そして、S802またはS803で決定された始動入
賞演出パターンにしたがって始動入賞演出の実行を開始する(S804)。尚、所定時間
S1は所定時間S2よりも短い時間であるが、例えばS1として5分、S2として10分
が例示できる。また本実施例では、共通演出終了抽選の回数を1回としているが、その回
数を複数回に増やすこともできる。この場合には、共通演出終了抽選の度に、所定の確率
において、潜伏確変でない状態で共通演出を実行している遊技機1が徐々に共通演出を終
了していくので、共通演出が継続するほど、潜伏確変の可能性が高まり、遊技者の趣向性
を高めることができる。
【0142】
以上説明した本実施例のように、始動入賞演出パターンを決定する際に、始動入賞演出
の実行中に共通演出が開始される所定開始時間が到来すると判定される場合には、決定対
象となる始動入賞演出パターンを制限することで、共通演出を優先して実行することがで
きる。これにより、共通演出と始動入賞演出(特に特定演出)が重複して実行されること
を防止できる。この結果、同じ特定演出を用いた共通演出と始動入賞演出が重複して実行
されることにより、遊技機群で一斉に実行される共通演出のインパクトが低下するのを防
ぐことができ、それぞれの演出を効果的に実行することができる。
【0143】
特に、共通演出および特定演出を演出部材100を用いた関連する内容の演出とした場
合には、これらの演出が重複して実行されると、共通演出の演出効果が大きく低下する。
これに対し、本実施例では、共通演出の実行時期に基づいて、決定対象となる始動入賞演
出パターンの制限を行うことで、関連する内容の共通演出および特定演出が重複すること
を防止でき、共通演出を効果的に行うことができる。
【0144】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者が
それらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく
改良を適宜付加することができる。
【0145】
例えば、上記各実施例では、共通演出の開始時間に至る所定開始前期間(例えば5分間
)に、共通演出に関連する特定演出を含まない始動入賞演出パターンを決定することで、
決定対象となる始動入賞演出パターンを制限したが、これに限らず、共通演出の開始時間
に至るまでの期間より演出時間が短く設定された始動入賞演出パターンを決定することで
、決定対象となる始動入賞演出パターンを制限してもよい。例えば、始動入賞演出パター
ンを決定する時点が共通演出の開始時間に至る4分前である場合において、共通演出に関
連する特定演出を含む始動入賞演出パターンを決定するときは、演出時間が4分間より短
いものに決定する。これにより、共通演出の実行開始前に始動入賞演出の実行が終了する
ので、ギリギリまで特定演出を含む演出パターンを選択できる。これにより、関連する共
通演出と始動入賞演出が重複して実行されることによる演出効果の低下を防ぐことができ
、それぞれの演出を効果的に実行することができる。
【0146】
また、上記各実施例では、共通演出の開始時間に至る所定開始前期間(例えば5分間)
に始動入賞演出(特定演出)を制限するように構成したが、これに加えて、共通演出の実
行期間中や共通演出の実行終了からの所定終了後期間(例えば5分間)にも、始動入賞演
出の実行を制限するように構成してもよい。
【0147】
また、上記各実施例では、共通演出の実行時期に基づいて、始動入賞演出(特定演出)
を制限するように構成したが、これに限らず、始動入賞演出の実行をを制限せずに、共通
演出の開始時期に既に始動入賞演出が実行されている場合には、共通演出の実行を制限す
るように構成してもよい。これによっても、共通演出と始動入賞演出(特定演出)が重複
して実行されることを防止できるので、共通演出と始動入賞演出が重複して実行されるこ
とによる演出効果の低下を防ぐことができ、それぞれの演出を効果的に実行することがで
きる。
【0148】
また、上記各実施例では、電源投入時から第1所定時間t1経過後に1回目の共通演出
を実行し、すべての共通演出が終了してから第2所定時間t2経過後に2回目の共通演出
を実行するように構成したが、共通演出を実行するタイミングは任意に設定できる。例え
ば、電源投入から所定時間(例えば20分間)が経過する毎に共通演出を実行してもよく
、あるいはリアルタイムクロックを用いて、時間の計測を24時間単位で行い、予め設定
された所定時刻(例えば毎時0分)毎に共通演出を実行してもよい。
【0149】
また、上記各実施例では、遊技機群を構成する複数の遊技機1の主制御部200同士で
通信せず、各遊技機1が独立して共通演出の制御を行うように構成したが、これに限らず
、他の構成を採用してもよい。例えば、図15に示すように、遊技機1の主制御部200
又はサブ制御部260同士で双方向に信号を送信し、遊技機群で共同して、どの台が潜伏
確変か、或いは何台が潜伏確変か等を認識した状態で、共通演出の制御を行うことも可能
である。この場合には、徐々に(例えば10台中2台ずつ)共通演出を終了させる等の決
め細やかな制御が可能となる。
【0150】
また、例えば、図16に示す構成では、複数の遊技機1とホールコンピュータ300と
の間で双方向に信号を送信し、ホールコンピュータ300が共通演出の制御を行うように
構成されている。つまり、ホールコンピュータ300が経過時間の測定を行い、共通演出
の開始時期を決定する。各遊技機1は、ホールコンピュータ300からの制御信号に従っ
て共通演出を実行する。この構成では、ホールコンピュータ300がタイマ手段に相当す
る。
【0151】
また、上記各実施例では、演出表示装置25を用いて共通演出を実行するように構成し
たが、これに限らず、図17〜図19に示すように、台上演出装置11を用いて共通演出
を実行することもできる。
【0152】
図17は、台上演出装置11を設けた遊技機1の正面図であり、図18は、遊技機1と
台上演出装置11とホールコンピュータ300から構成される遊技システムの構成図であ
る。図17に示すように、台上演出装置11は外枠2の上部に設けられている。台上演出
装置11には、複数の表示部11aが設けられており、複数の表示部11aのそれぞれが
点滅あるいは点灯可能となっている。図18に示すように、台上演出装置11は、ホール
コンピュータ300からの制御信号を受けて作動する。また、不正防止のため、遊技機1
の電子制御装置(主制御部200、サブ制御部260等)とは直接的には接続されておら
ず、台上演出装置11から遊技機1への信号の入力はできない。図18に示す構成では、
ホールコンピュータ300から各遊技機1の台上演出装置11に一方向に信号を送信し、
ホールコンピュータ300が共通演出の制御を行うように構成されている。
【0153】
図19は、図18に示した遊技システムの変形例である。図19に示す構成では、複数
の台上演出装置11がそれぞれ制御用のCPUを備えており、遊技機1から対応する台上
演出装置11に遊技状態を示す信号を送信し、複数の台上演出装置11同士で双方向に信
号を送信し、各台上演出装置11が遊技機群の遊技状態(抽選確率)を把握することで、
共通演出の制御を行うように構成されている。
【0154】
また、図示を省略しているが、遊技機1と他の機器との間や台上演出装置11と他の機
器との間で通信を行わない構成としてもよい。この場合には、各遊技機1あるいは各台上
演出装置11のそれぞれが経過時間を計測するタイマ手段を有し、電源投入時からの時間
計測を行っている場合には、遊技機群で一斉(同時)に行なわれる電源投入時からの経過
時間を基準とし、24時間単位で時間計測を行っている場合には、所定時刻を基準として
、所定時間経過毎に共通演出を行うようにすればよい。
【0155】
また、共通演出の開始タイミングとなる電源投入時からの所定時間(t1)又は遊技機
群全てが共通演出を終了してからの所定時間(t2、t3、・・・t)は、単一の予め設
定された一定の値(例えば20分)でもよいし、予め定められた複数の値(例えば、5分
、10分、15分、20分)から共通演出終了時に乱数抽選等により選択してもよい。
【0156】
また、共通演出の対象となる複数の遊技機1において、共通演出を実行開始する際に確
変報知演出を実行している遊技機1が存在する場合には、当該遊技機1を除いて共通演出
を開始するようにすればよい。
【0157】
また、共通演出の対象となる複数の遊技機1において、共通演出を実行開始する際に当
り遊技を実行中の遊技機1が存在する場合には、当該遊技機1を除いて共通演出を開始す
るか、あるいは当該遊技機1で当り遊技が終了するまで共通演出の実行開始を遅延させ、
当該遊技機1を含めて共通演出を実行開始するようにすればよい。
【符号の説明】
【0158】
1…遊技機、11…台上演出装置、20…遊技盤、21…遊技領域、25…演出表示装
置、29…始動口、200…主制御部、260…サブ制御部(始動入賞演出実行手段、始
動入賞演出パターン記憶手段、タイマ手段、タイマ演出実行手段)、300…ホールコン
ピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上に設けられた始動口への遊技球の入球に基づいて、所定の始動入賞演出パターンにしたがって始動入賞演出を実行する始動入賞演出実行手段と、
複数の前記始動入賞演出パターンを記憶する始動入賞演出パターン記憶手段と、
前記始動入賞演出パターン記憶手段に記憶された複数の前記始動入賞演出パターンから所定の始動入賞演出パターンを決定する始動入賞演出パターン決定手段と、
所定の動作を行う演出部材と、
時間計測を行うタイマ手段と、
前記タイマ手段による計測時間が予め設定された所定開始時間になった場合に、所定のタイマ演出パターンにしたがって前記演出部材の動作を伴うタイマ演出を実行開始するタイマ演出実行手段と、を備え、
前記始動入賞演出パターン記憶手段は、前記演出部材の動作を伴う内容の演出を含んだ第1の始動入賞演出パターンと、前記演出部材の動作を伴う内容の演出を含んでいない第2の始動入賞演出パターンとを記憶しており、
前記始動入賞演出パターン決定手段は、前記タイマ手段による計測時間に基づいて、前記始動入賞演出の開始時期が、前記タイマ演出の実行期間と重なる場合に、前記所定の始動入賞演出パターンとして前記第2の始動入賞演出パターンを決定することで、決定対象となる前記所定の始動入賞演出パターンを制限する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記タイマ演出実行手段によって実行される前記タイマ演出は、他の遊技機で実行されるタイマ演出と相互に関連性を有し、かつ、同時に実行される共通演出として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−46848(P2013−46848A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−265203(P2012−265203)
【出願日】平成24年12月4日(2012.12.4)
【分割の表示】特願2010−214966(P2010−214966)の分割
【原出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】