説明

遊技機

【課題】 データ量の少ない駆動データにより1個のLEDの階調制御を実行するとともに、遊技者にとって面白味のある演出を行うことを考慮してLEDの階調制御を実行する。
【解決手段】 遊技者に所定の特典を付与する特定遊技状態が内部当選したことを報知する報知手段Aを備えた遊技機1であって、報知手段Aの駆動回路90は、一の発光素子61に接続された複数の出力ポートと、各出力ポート毎に設けられ、発光素子61を通して出力ポートに流れる電流をオンオフ制御する複数の電流制御部93とを有し、複数の電流制御部93は、所定時間間隔で、電流を流す出力ポートの数を増加又は減少させることで、発光素子61に流れる電流の量を増加又は減少させて、発光素子61の明るさを段階的に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)を内部に有したランプ装置を備える遊技機に関し、特に、LEDが一つのみ設けられたランプ装置に対して、そのLEDの点灯や消灯を階調制御して、多様な演出を可能とする遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ機などに代表される遊技機には、遊技の状態に応じた演出を行うためのランプ装置が設けられている。
例えば、スロットマシンには、スタートレバーの押下によるゲームの開始にともないスロットマシンの内部で行われる抽選(内部抽選)で、遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(いわゆるボーナスゲーム)が当選したことを遊技者に告知するための告知ランプを備えたものがある。
【0003】
また、パチンコ機には、電飾物と呼ばれるランプ装置が、パチンコ機の所定の箇所に配置されている。この電飾物には、例えば、パチンコ機の盤面の中央に設けられた中央電飾物や、風車の形をした一対の電飾風車、盤面の両側に設けられた一対の肩電飾物、盤面の下方に設けられた下部電飾物などがある。さらに、盤面の上方の枠部に枠電飾物と呼ばれるランプ装置を設けたものもある。
【0004】
これらパチンコ機に設けられた電飾物は、パチンコ機の内部に備えられた演出制御部と呼ばれる制御基板や、この制御基板と電飾物との間に設けられたランプ駆動基板により、その点灯や消灯の制御がなされている。
ここで、演出制御部は、ROMやRAMなどの記憶手段と、ランプ装置の点灯や消灯を制御するCPUとを搭載している。一方、ランプ駆動基板は、演出制御部のCPUから送られてきた所定の信号にもとづいて電飾物のLEDに電流を流して点灯させるLEDドライバを搭載している。
そして、演出制御部のCPUは、パチンコ機の遊技に関して制御する主制御基板から遊技に関する情報を入力するとともに、ROM等に記憶された演出用のプログラムを実行することで、LEDドライバに所定の信号を送信し、各種電飾物の点灯や消灯を制御している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−044222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術は、各種電飾物に備えられた複数のLEDを階調制御する場合に適した技術であって、1個のLEDを階調制御する場合には、必ずしも適しているとは言えなかった。
具体的には、例えば、特許文献1に記載のLEDドライバは、LEDに接続可能な出力ポートの数が16個であった。また、演出制御部からLEDドライバに送られる駆動データ(シリアルデータ)のデータ量は、128ビットであった。この128ビットとは、16個(出力ポートの数)×7ビット(出力ポート一つあたりの階調データ)=112ビットに、16ビット(出力ポートごとのON/OFFデータ)を加えたものである。つまり、LEDドライバは、出力ポート毎に7段階の階調制御が可能となっている。
【0007】
このような構成を有するLEDドライバを用いて1個のLEDを階調制御する場合には、そのLEDを出力ポートの1つに接続し、他の15個の出力ポートには、何も接続せず、開放状態とする。そして、演出制御部からLEDドライバに前述した駆動データを送ることにより、その1個のLEDに対して7段階の階調制御を行うことができる。
ところが、駆動データのデータ量は、前述したように、128ビットである。また、この128ビットのうちの8ビットは、前述した1個のLEDが接続された出力ポート用のデータとして使用されるが、残りの120ビットは、他の15個の出力ポート用のデータであり、これら15個の出力ポートにはLEDが接続されていないことから、その120ビットのデータは、階調制御に使用されることなく、いずれ破棄されてしまうことになる。つまり、128ビットの駆動データのうち、数ビットのみがLEDの階調制御に使用され、残りの多数ビットは、階調制御に使用されないという非効率な状況となっていた。このため、その効率を高めるべく、少ないデータ量の駆動データにより1個のLEDの階調制御を実行可能とする技術の提案が求められていた。
【0008】
また、特許文献1に開示されているLEDの階調制御は、遊技者にとって面白味のある演出を行うことを考慮したものではなかった。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、データ量の少ない駆動データにより1個のLEDの階調制御を実行可能とするとともに、遊技者にとって面白味のある演出を行うことを考慮してLEDの階調制御を実行可能とする遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の遊技機は、遊技者に所定の特典を付与する特定遊技状態についてその当否を抽選する抽選手段と、この抽選手段が行った抽選の結果、特定遊技状態が内部当選したことを報知する報知手段とを備えた遊技機であって、報知手段は、電流の量に応じて明るさが変わる一の発光素子と、この発光素子の点灯及び消灯を制御する駆動回路と、この駆動回路に所定の信号を送って発光素子の点灯及び消灯を制御させる演出制御部とを有し、駆動回路は、一の発光素子に接続された複数の出力ポートと、各出力ポート毎に設けられ、発光素子を通して出力ポートに流れる電流をオンオフ制御する複数の電流制御部とを有し、複数の電流制御部は、所定時間間隔で、電流を流す出力ポートの数を増加又は減少させることで、発光素子に流れる電流の量を増加又は減少させて、発光素子の明るさを段階的に変化させる構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、駆動回路に設けられた複数の出力ポートのすべてが一つの発光素子に接続されており、それら複数の出力ポートのうち電流を流す出力ポートの数を所定時間間隔で増加させることにより、その発光素子に流す電流の量を段階的に増加させて、その発光素子の階調制御を行うこととしたので、演出制御部から駆動回路に送られる駆動データを、出力ポート毎に電流を流すか否かを指定するオンオフデータとして構成することができる。このため、駆動データのデータ量は、出力ポートの数と同数(16ビット)とすることができ、特許文献1に記載の駆動データのデータ量(128ビット)よりも大幅に削減できる。そして、このデータ量の少ない駆動データにより、1個のLEDの階調制御を確実に実行することができる。
さらに、遊技状態に応じて発光素子を階調制御することとしたので、遊技者にとって面白味のある演出を行うことを考慮してLEDの階調制御を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における遊技機の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態における遊技機の内部の構成を示す斜視図である。
【図3】遊技機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】遊技機の報知手段の構成を示すブロック図である。
【図5】LEDドライバの構成を示すブロック図である。
【図6】LEDドライバの電流制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】LEDドライバの入力ポートに入力される各種信号について、LEDを点灯させる場合の経時変化を示すタイムチャートである。
【図8】LEDドライバの入力ポートに入力される各種信号について、LEDを消灯させる場合の経時変化を示すタイムチャートである。
【図9】LEDドライバの16個の出力ポートのうち電流を流す出力ポートの数(チャンネルON数)と、LEDに流れる電流の量との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の実施形態における告知ランプ点灯処理Aの動作手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における告知ランプ消灯処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態における告知ランプ点灯処理Bの動作手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態における演出制御メイン処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態における停止ボタン演出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態における通常演出態様処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態における特別演出態様1処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態における特別演出態様2処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態における告知ランプ点灯処理Cの動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
遊技機には、スロットマシン、パチンコ機、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明を適用した場合について説明する。
【0014】
[スロットマシン]
図1は、スロットマシンの外観を示す斜視図、図2は、スロットマシンの内部構成を示す斜視図、図3は、スロットマシンの制御系の構成を示すブロック図である。
図1、図2に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0015】
スロットマシン1は、前面側が開放された筐体1bと、この筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、筐体1bの内部にはスロットマシン1を構成する各種の機械、装置等や、マイクロコンピュータ等で構成された主制御部3(後述)が設置・収納されている。
【0016】
前扉1aは、図2に示すように、筐体1bにヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る操作部4が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
操作部4には、メダルが投入されるメダル投入口41と、各リール21a,21b,21cの回転を始動させるスタートレバー42と、回転している各リール21a,21b,21cを停止させる3つの停止ボタン43a,43b,43cと、クレジットとして貯留されたメダルをゲームに掛けるためのベットボタン44が設けられている。
また、ベットボタン44には、一回の操作につき一枚のメダルを掛ける1BETボタン44aと、一回のゲームに掛けられるメダルの最大枚数を、一回の操作で掛けるMAXBETボタン44bがある。
【0017】
さらに、前扉1aには、各リール21a,21b,21cに表示された図柄を視認可能とする表示窓51が、操作部4の上側に設けられる。
また、表示窓51の左下側には、告知ランプ6が備えられている。告知ランプ6は、スロットマシン1の主制御部3における内部抽選の結果、所定のボーナス役に当選した場合に、所定の態様で点灯する発光手段であり、内部に一つのみ設けられたLED(発光素子)61と、このLED61が発する光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部材62とで構成されている。この告知ランプ6の点灯制御の態様については、後記の「告知ランプ制御方法」にて、詳述する。
【0018】
また、前扉1aには、機種の名称等を表す文字や機種に関連するキャラクタの絵柄等が表示される下パネル52が、例えば操作部4の下側に設けられる。さらに、前扉1aには、効果音等が出力されるスピーカ53が、例えば、表示窓51の上側に設けられる。
【0019】
筐体1bの中央には、リール21a,21b,21cと、各リール21a,21b,21cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット2が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルを貯留・払出するメダル払出装置7が設けられる。メダル払出装置7には、メダルを貯留するホッパー71が設けられ、メダル投入口41より投入されたメダルは、メダルセレクタ72により検出されるとともに、ホッパー71に誘導されるようになっている。
【0020】
スロットマシン1では、遊技者によりメダル投入口41からメダルが投入され、スタートレバー42が操作されると、スタート信号が主制御部3へ送られる(図3参照)。主制御部3は、スタート信号を入力すると、所定の遊技プログラムに従いドラムユニット2を駆動して、各リール21a,21b,21cを回転させる制御を行う。
【0021】
また、主制御部3では、スタート信号を入力すると、例えばボーナス役や小役等の当否を抽選する内部抽選が行われ、各停止ボタン43a,43b,43cが押下操作されたことを示す停止信号を入力すると、その入力のタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール21a,21b,21cの停止制御を行う。
さらに、主制御部3は、各リール21a,21b,21cを所定の図柄の組合せで停止させると、メダル払出装置7で所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口73から払い出す。
なお、主制御部3は、遊技者に所定の特典を付与する特定遊技状態(ボーナス役)の当否を抽選することから、「抽選手段」としての機能を有している。
【0022】
また、主制御部3は、内部抽選でボーナス役に当選すると、この当選結果を示す信号(抽選結果信号)を演出制御部8に送る。演出制御部8は、その抽選結果信号を受け取ると、告知ランプ6のLED61の点灯態様を指定した駆動データ(後述するシリアルデータ)をランプ駆動基板9に送る。ランプ駆動基板9では、その駆動データにより指定された点灯態様にもとづいて、LED61の点灯制御を行う。
本発明は、これら演出制御部8、ランプ駆動基板9、告知ランプ6を含む報知手段Aの構成及び動作に特徴がある。そこで、この報知手段Aの構成及び動作について、次の「報知手段」にて説明する。
【0023】
[報知手段]
(1)報知手段の構成
報知手段Aは、前述したように、演出制御部8と、ランプ駆動基板9と、告知ランプ6とを有している(図3参照)。
演出制御部8は、演出に関するプログラムが記憶されたROM82と、その演出用のプログラムを実行するための作業領域として機能するRAM83と、告知ランプ6の階調制御(LED61を点灯又は消灯させる際に、そのLED61の明るさを段階的に変化させる制御)を行うCPU81とを備えている。
なお、このCPU81が行う告知ランプ6の階調制御の詳細については、後記の「(2)報知手段の動作」及び「告知ランプ制御方法」にて説明する。
【0024】
ランプ駆動基板9は、図4に示すように、演出制御部8に接続されたLEDドライバ90と、このLEDドライバ90とLED61との間に接続された抵抗回路部100とが搭載された基板である。
LEDドライバ90は、演出制御部8から送られてきた所定の信号にもとづいて、LED61に流れる電流の量を制御する駆動回路である。このLEDドライバ90は、図5に示すように、複数の入力ポート(入力端子)と、複数の出力ポート(出力端子)とを有している。
【0025】
入力ポートには、シリアルデータを入力するシリアルデータ入力ポートと、クロックを入力するクロック入力ポートと、ラッチ信号(以下、単に「ラッチ」という)を入力するラッチ入力ポートと、イネーブル信号(以下、単に「イネーブル」という)を入力するイネーブル入力ポートがある。なお、これら入力ポートに入力される各種信号の詳細については、「(2)報知手段の動作」にて詳述する。
出力ポートは、LEDドライバ90に複数(本実施形態においては、16個)設けられており、これら複数の出力ポートのすべてが抵抗回路部100を介して一つのLED61に接続されている。これら出力ポートは、LED点灯用の電源VccからLED61及び抵抗回路部100を通って流れてきた電流を引き込んでいる。このため、複数の出力ポートのそれぞれは、電流が流れる経路という意味で、チャンネルと呼ばれる。
なお、LEDドライバ90には、入力ポートや出力ポートの他にも、例えば、シフトレジスタ91などが備えられているが、この構成については、後述する。
【0026】
抵抗回路部100は、LEDドライバ90の出力ポートの数と同数(本実施形態においては、16個)の抵抗110を備えた回路である。これら複数の抵抗110のそれぞれの一端は、いずれも一つのLED61のカソードに接続されており、それら複数の抵抗110のそれぞれの他端は、対応する出力ポートに接続されている。そして、複数の抵抗110の各抵抗値は、いずれも同じ値となっている。これにより、複数の出力ポートに流れる電流の量は、いずれも同じ(例えば、5mA)となる。
【0027】
LED61は、前述したように、告知ランプ6の内部に設けられており、アノードには、LED点灯用の電源電圧(Vcc)が印加されている。
このLED61は、流れる電流の量に応じて明るさ(輝度)が変化するようになっている。すなわち、電流の量が増加すると、LED61の明るさが明るくなっていく。一方、電流の量が減少すると、LED61の明るさが暗くなっていく。
このLED61には、例えば、単色のLEDを用いることができる。
【0028】
LEDドライバ90は、図5に示すように、クロックを入力したタイミングでシリアルデータを入力するシフトレジスタ91と、このシフトレジスタ91からオンオフデータ(後述)を入力するレジスタ92(92−1〜92−n)と、このレジスタ92から駆動指示信号(後述)を受けるとLED61に電流を流す電流制御部93(93−1〜93−n)とを有している。
【0029】
シフトレジスタ91は、クロック入力ポートから入力したクロックの立ち上がりのタイミングで、シリアルデータを入力する。例えば、クロックの立ち上がりのタイミングでシリアルデータが「0」のときは、この「0」を入力し、クロックの立ち上がりのタイミングでシリアルデータが「1」のときは、この「1」を入力する。
【0030】
また、シフトレジスタ91は、入力した「0」又は「1」のシリアルデータを、所定桁数(本実施形態においては、16桁)の保持データとして保持する。例えば、シフトレジスタ91は、初期状態では、「0000000000000000」の保持データを保持している。そして、「1」のシリアルデータを入力すると、保持データを1桁ずつ移動(シフト)させるとともに、その入力した「1」を保持データの1桁目に挿入する。これにより、シフトレジスタ91は、「0000000000000001」という保持データを保持することになる。さらに、シフトレジスタ91が、例えば、5パルス分のクロックを入力して、「1」、「1」、「1」、「1」、「1」のシリアルデータを入力したとすると、「0000000000111111」という保持データを保持することになる。
なお、入力したシリアルデータが「0」の場合も、同様の処理が行われる。
【0031】
レジスタ92は、出力ポートの数と同数備えられており、「L(Low)」から「H(High)」に変移したラッチをラッチ入力ポートから入力すると、このラッチの立ち上がりのタイミングで、シフトレジスタ91からオンオフデータ(後述)を取得する。
ここで、シフトレジスタ91が保持する保持データは、各桁が複数のレジスタ92のそれぞれに一対一で対応している。例えば、保持データの1桁目は、レジスタ92−1に対応しており、2桁目は、レジスタ92−2に対応している。保持データの3桁目以降のそれぞれもレジスタ92−3〜92−16のそれぞれに対応している。そして、レジスタ92は、ラッチの立ち上がりのタイミングで、シフトレジスタ91が保持する保持データのうち、対応する桁の値をオンオフデータとして取得する。
【0032】
また、レジスタ92は、シフトレジスタ91から取得したオンオフデータにもとづいて、電流制御部93を制御する。例えば、シフトレジスタ91から取得したオンオフデータが「1」のときは、電流制御部93に駆動指示信号を送って、LED61に電流を流すように指示する。一方、シフトレジスタ91から取得したオンオフデータが「0」のときは、電流制御部93に駆動指示信号を送らない。これにより、電流制御部93は、対応する出力ポートに電流が流れないようにする。この電流制御部93の動作については、後述する。
【0033】
さらに、レジスタ92は、「H」を示すラッチが「L」に変移した後、次に「H」を示すラッチを入力するまでは、シフトレジスタ91から取得したオンオフデータを保持し続ける。つまり、レジスタ92は、「H」を示すラッチを入力すると、それまで保持していたオンオフデータを消去して、シフトレジスタ91から新たにオンオフデータを取得してこれを保持し、このオンオフデータにもとづいて電流制御部93を制御し、次に「H」を示すラッチを入力するまで、その制御を継続する。
【0034】
なお、本実施形態において、レジスタ92は、「L」から「H」に変移したラッチを入力したときに、このラッチの立ち上がりのタイミングで、シフトレジスタ91から新たにオンオフデータを取得するようにしている。ただし、これに限るものではなく、例えば、「H」から「L」に変移したラッチを入力したときに、このラッチの立ち下がりのタイミングで、シフトレジスタ91から新たにオンオフデータを取得するようにすることもできる。
【0035】
電流制御部93は、出力ポートの数と同数(本実施形態においては、16)備えられており、それら出力ポートに一対一で接続されるとともに、レジスタ92(92−1〜92−n)に一対一で接続される。
また、電流制御部93は、図6に示すように、LED61から流れてきた電流を引き込むための電流源121と、この電流源121と出力ポートとの間に接続されたスイッチ122と、レジスタ92からの駆動指示信号にもとづいてスイッチ122のON(接続)とOFF(切断)とを切り換える切換制御部123とを有している。
例えば、レジスタ92から駆動指示信号が送られてきたときは、切換制御部123は、スイッチ122を接続側に切り換えて、出力ポートと電流源121とを接続する。これにより、LED61からの電流が出力ポートを通して電流源121に引き込まれて、その出力ポートに電流が流れる。一方、レジスタ92から駆動指示信号が送られてきていないときは、切換制御部123は、スイッチ122を切断側に切り換えて、出力ポートと電流源121との間を切断する。これにより、LED61から当該電流制御部93には電流が流れないため、出力ポートにも電流が流れない。
【0036】
さらに、電流制御部93は、イネーブル入力ポートからイネーブルを入力すると、レジスタ92から駆動指示信号を入力しているか否かに関係なく、LED61からの電流の引き込みを停止する。
例えば、イネーブルが「L」のときは、その駆動指示信号を無効とする。すなわち、そのイネーブルを入力した電流制御部93の切換制御部123は、レジスタ92から駆動指示信号が送られてきたか否かに関係なく、スイッチ122を切断側に切り換える。これにより、LED61から電流制御部93への電流の引き込みは行われず、出力ポートに電流は流れない。
一方、イネーブルが「H」のときは、その駆動指示信号を有効とする。すなわち、そのイネーブルを入力した切換制御部123は、レジスタ92から駆動指示信号が送られてきたときには、スイッチ122を接続側に切り換える。これにより、LED61から電流制御部93への電流の引き込みが行われ、出力ポートに電流が流れる。
このように、イネーブルは、レジスタ92から電流制御部93に送られてきた駆動指示信号の有効又は無効を示す信号として機能する。
【0037】
なお、本実施形態においては、イネーブルが「L」のときに駆動指示信号を無効とし、イネーブルが「H」のときに駆動指示信号を有効とするが、これに限るものではなく、イネーブルが「L」のときに駆動指示信号を有効とし、イネーブルが「H」のときに駆動指示信号を無効とすることもできる。
【0038】
ここまで、報知手段Aの構成について図3〜図6を参照して説明したが、LED61の階調制御は、LED61の明るさを所定時間間隔で段階的に変化させる制御であり、演出制御部8及び報知手段Aが一連の動作として制御するものである。
そこで、演出制御部8が出力する各種信号の経時変化を示した図7及び図8を参照し、これら各図に示した各種信号にもとづいて動作する報知手段Aの動作の具体例について、次の「(2)報知手段の動作」にて説明する。
【0039】
(2)報知手段の動作
まず、LED61を点灯させる場合について、図7を参照して説明する。図7は、LED61を点灯させるときの各種信号の経時変化を示すタイムチャートである。
演出制御部8は、クロック、イネーブル、シリアルデータ、ラッチの各信号を出力する。
クロックは、一定時間内に所定時間間隔で出力されるパルス信号である。例えば、図7においては、1ms(ミリ秒)の間に、16個のパルス信号が等間隔で出力されている。なお、一定時間内に出力されるクロックの数は、出力ポートの数と同数(本実施形態においては、16)となっている。
イネーブルは、前述したように、レジスタ92から電流制御部93に送られてきた駆動指示信号の有効又は無効を示す信号である。以下に説明するLED61の点灯制御を行う場合には、イネーブルは、「H」の状態とされる。これにより、駆動指示信号が有効となる。
【0040】
シリアルデータは、出力ポートと同数のビット数(例えば、16ビット)を有したデータ信号であり、このシリアルデータの各ビットは、複数(例えば、16個)の出力ポートのそれぞれと一対一で対応している。
また、シリアルデータの各ビットは、対応する出力ポートに電流を流すことを表すオン状態(「1」)と、対応する出力ポートに電流を流さないことを表すオフ状態(「0」)のいずれかを示している。このため、シリアルデータは、オン状態を示すビットの数により、電流を流す出力ポートの数(チャンネルON数)を指定する。例えば、このシリアルデータが「0000000000000001」である場合、「1」の数が1つであるため、チャンネルON数は、1となる。また、シリアルデータが「0000000000111111」である場合、「1」の数が6つであるため、チャンネルON数は、6となる。
【0041】
なお、ラッチについては、後述する。
また、演出制御部8のCPU81は、電流を流す出力ポートの数を指定するシリアルデータ(データ信号)をLEDドライバ90(駆動回路)へ送ることから、「データ信号制御手段」としての機能を有している。
【0042】
LEDドライバ90のシフトレジスタ91は、クロックを入力するとともに、このクロックの立ち上がりのタイミングで、シリアルデータの「0」又は「1」を入力する。
ここで、図7に示す第一段階においては、クロックの「1」〜「15」の立ち上がりのタイミングで、シリアルデータがいずれも「0」であり、クロックの「16」の立ち上がりのタイミングで、シリアルデータが「1」である。このため、シフトレジスタ91は、「0」のシリアルデータを15個入力し、「1」のシリアルデータを1個入力する。これにより、シフトレジスタ91には、「0000000000000001」の保持データが保持される。
この保持データは、次にクロックが入力されるまで保持される。図7においては、第二段階の最初のクロックが入力されるまでの約9msの間保持される。
【0043】
次いで、ラッチが「L」から「H」に変移すると(図7の(L12))、レジスタ92は、そのラッチの立ち上がりのタイミングで、シフトレジスタ91からオンオフデータを取得する。ここで、シフトレジスタ91が保持する保持データは、「0000000000000001」であるため、レジスタ92−1は、「1」をオンオフデータとして取得し、レジスタ92−2〜92−16は、「0」をオンオフデータとして取得する。
【0044】
続いて、「1」のオンオフデータを取得したレジスタ92−1は、電流制御部93−1に駆動指示信号を送る。この駆動指示信号を受けた電流制御部93−1は、LED61からの電流を引き込む。これにより、この電流制御部93−1に接続された出力ポート01に電流が流れ、LED61にも電流が流れて、当該LED61が点灯する。
一方、「0」のオンオフデータを取得したレジスタ92−2〜92−16は、電流制御部93−2〜93−16に駆動指示信号を送らない。このため、これら電流制御部93−2〜93−16は、LED61からの電流の引き込みを行わない。
よって、LED61は、出力ポート01に流れる電流の量(例えば、5mA)に応じた明るさで点灯する。
なお、イネーブルが「L」から「H」に変移した後、ラッチ(L12)が「L」から「H」に変移するまでの間は、いずれのレジスタ92においても、「1」のオンオフデータが取得されていないため、LED61に電流が流れず、消灯状態となる(図7の電流(0mA))。
【0045】
第二段階において、シフトレジスタ91は、クロックの立ち上がりのタイミングで、シリアルデータの「0」又は「1」を入力する。
ここで、図7に示す場合、シフトレジスタ91は、クロックの「1」〜「14」の立ち上がりのタイミングで、「0」のシリアルデータを入力し、クロックの「15」及び「16」の立ち上がりのタイミングで、「1」のシリアルデータを入力する。よって、シフトレジスタ91には、「0000000000000011」の保持データが保持される。
【0046】
次いで、レジスタ92は、ラッチが「L」から「H」に変移したタイミングで(図示しない(L13))、シフトレジスタ91からオンオフデータを取得する。
ここで、シフトレジスタ91が保持する保持データは、「0000000000000011」であるため、レジスタ92−1、92−2は、「1」をオンオフデータとして取得し、レジスタ92−3〜92−16は、「0」をオンオフデータとして取得する。
【0047】
続いて、「1」のオンオフデータを取得したレジスタ92−1、92−2は、電流制御部93−1、93−2に駆動指示信号を送る。この駆動指示信号を受けた電流制御部93−1、93−2は、LED61からの電流を引き込む。これにより、これら電流制御部93−1、93−2に接続された出力ポート01、02に電流が流れ、LED61にも電流が流れて、当該LED61が点灯する。
一方、「0」のオンオフデータを取得したレジスタ92−3〜92−16は、電流制御部93−3〜93−16に駆動指示信号を送らない。このため、これら電流制御部93−3〜93−16は、LED61からの電流の引き込みを行わない。
よって、LED61は、出力ポート01、02に流れる電流量の和(例えば、10mA)に応じた明るさで点灯する。
【0048】
第三段階(図示せず)においては、シフトレジスタ91に、「0000000000000111」の保持データが保持され、レジスタ92−1〜92−3が、「1」をオンオフデータとして取得し、レジスタ92−4〜92−16が、「0」をオンオフデータとして取得する。
そして、前者のレジスタ92−1〜92−3が、電流制御部93−1〜93−3に駆動指示信号を送ることにより、LED61に電流が流れて、LED61が点灯する。一方、後者のレジスタ92−4〜92−16は、電流制御部93−4〜93−16に駆動指示信号を送らない。このため、これら電流制御部93−4〜93−16は、LED61からの電流の引き込みを行わない。
よって、LED61は、出力ポート01〜03に流れる電流量の和(例えば、15mA)に応じた明るさで点灯する。
【0049】
このように、LED61の点灯制御においては、所定時間間隔で(例えば、10ms毎に)、シリアルデータの「1」(オン状態)のビット数を増加させていき、電流を流す出力ポートの数を一つずつ増やしていくことにより、LED61に流れる電流の量を所定量ずつ(例えば、5mAずつ)増加させることができる。これにより、LED61の明るさを段階的に明るくしていくことができる。
なお、ラッチは、レジスタ92がシフトレジスタ91からオンオフデータを取得するタイミングを指定する信号であるが、レジスタ92が新たにオンオフデータを取得することでLED61の明るさも変化することから、ラッチは、LED61の明るさを変化させる間隔(例えば、10msの間隔)を指定する信号であるとも言える。
【0050】
次に、LED61を消灯させる場合について、図8を参照して説明する。図8は、LED61を消灯させるときの各種信号の経時変化を示すタイムチャートである。
なお、この消灯制御を行う直前においては、六つの出力ポート01〜06に電流が流れており、これら電流量の和(30mA)に応じた明るさでLED61が点灯しているものとする。
【0051】
図8に示す消灯制御の第一段階において、シフトレジスタ91は、クロックの立ち上がりのタイミングで、シリアルデータの「0」又は「1」を入力する。
具体的に、図8に示す場合、シフトレジスタ91は、クロックの「1」〜「11」の立ち上がりのタイミングで、「0」のシリアルデータを入力し、クロックの「12」〜「16」の立ち上がりのタイミングで、「1」のシリアルデータを入力する。よって、シフトレジスタ91には、「0000000000011111」の保持データが保持される。
【0052】
次いで、レジスタ92は、ラッチが「L」から「H」に変移したタイミングで(図示しない(L22))、シフトレジスタ91からオンオフデータを取得する。
ここで、シフトレジスタ91が保持する保持データは、「0000000000011111」であるため、レジスタ92−1〜92−5は、「1」をオンオフデータとして取得し、レジスタ92−6〜92−16は、「0」をオンオフデータとして取得する。
【0053】
続いて、「1」のオンオフデータを取得したレジスタ92−1〜92−5は、電流制御部93−1〜93−5に駆動指示信号を送る。この駆動指示信号を受けた電流制御部93−1〜93−5は、LED61からの電流を引き込む。これにより、これら電流制御部93−1〜93−5に接続された出力ポート01〜05に電流が流れ、LED61にも電流が流れて、当該LED61が点灯する。
一方、「0」のオンオフデータを取得したレジスタ92−6〜92−16は、電流制御部93−6〜93−16に駆動指示信号を送らない。このため、これら電流制御部93−6〜93−16は、LED61からの電流の引き込みを行わない。
よって、LED61は、出力ポート01〜05に流れる電流量の和(例えば、25mA)に応じた明るさで点灯する。
【0054】
第二段階(図示せず)においては、シフトレジスタ91に、「0000000000001111」の保持データが保持され、レジスタ92−1〜92−4が、「1」をオンオフデータとして取得し、レジスタ92−5〜92−16が、「0」をオンオフデータとして取得する。
そして、前者のレジスタ92−1〜92−4が、電流制御部93−1〜93−4に駆動指示信号を送ることにより、LED61に電流が流れて、LED61が点灯する。一方、後者のレジスタ92−5〜92−16は、電流制御部93−5〜93−16に駆動指示信号を送らない。このため、これら電流制御部93−5〜93−16は、LED61からの電流の引き込みを行わない。
よって、LED61は、出力ポート01〜04に流れる電流量の和(例えば、20mA)に応じた明るさで点灯する。
【0055】
このように、LED61の消灯制御においては、所定時間間隔で(例えば、10ms毎に)、シリアルデータの「1」(オン状態)のビット数を減少させていき、電流を流す出力ポートの数を一つずつ減らしていくことにより、LED61に流れる電流の量を所定量ずつ(例えば、5mAずつ)減少させることができる。これにより、LED61の明るさを段階的に暗くしていくことができ、最終的に消灯させることができる。
【0056】
なお、LED61に流れる電流の量は、電流を流す出力ポートの数によって決まる。
例えば、図9に示すように、一つの出力ポートに流れる電流の量を5mA、電流を流す出力ポートの数(チャンネルON数)を2とすると、LED61に流れる電流の量は、10mAとなる。
また、電流を流す出力ポートの数(チャンネルON数)を16とすると、LED61に流れる電流の量は、80mAとなる。
【0057】
このように、LED61に流れる電流の量は、電流を流す出力ポートの数(チャンネルON数)に比例する。そして、LED61は、流れる電流の量に応じて、その明るさ(輝度)が変化する特性を有している。よって、電流を流す出力ポートの数を変えることで、LED61に流す電流の量を変えることができ、そのLED61の明るさを変えることができる。
また、複数の出力ポートのそれぞれに接続された抵抗110の抵抗値がいずれも同じであることから、それら複数の出力ポートのそれぞれに流れる電流の量も同じとなる。よって、LED61に流す電流の量を、等間隔で、段階的に変化させることができ、LED61の明るさを段階的に変化させることができる。
さらに、演出制御部8からLEDドライバ90に送られるシリアルデータ(駆動データ)のデータ量は、出力ポートの数と同数(例えば、16個(出力ポートの数)×1ビット(出力ポート毎のオンオフデータ)=16ビット)でよいことから、少ないデータ量のシリアルデータにより、LED61の明るさを階調制御することができる。
【0058】
ここまで、報知手段Aの構成及び動作について、説明してきた。
この報知手段Aが実行するLED61の階調制御は、遊技の状態に応じた様々な態様で制御される。
この遊技の状態に応じたLED61の階調制御について、次の「告知ランプ制御方法」にて説明する。
【0059】
[告知ランプ制御方法]
ここでは、以下の項目について、順に説明する。
(1)告知ランプ点灯処理A
(2)告知ランプ消灯処理
(3)告知ランプ点灯処理B
(4)演出制御メイン処理
(4−1)停止ボタン演出処理
(4−2)通常演出態様処理
(4−3)特別演出態様1処理
(4−4)特別演出態様2処理
(5)告知ランプ点灯処理C
【0060】
(1)告知ランプ点灯処理A
告知ランプ点灯処理Aとは、遊技者に所定の特典を付与するボーナス役(特定遊技状態)が内部抽選で当選したときに、告知ランプ6の点灯を階調制御する処理をいう。
なお、ボーナス役の入賞により遊技者に付与される特典には、例えば、所定数のメダルの払出しなどがある。
【0061】
遊技者によりメダル投入口41にメダルが投入されると、そのメダルがメダルセレクタ72により検知される。メダルセレクタ72は、そのメダルを検知したことを示すメダル検知信号を、主制御部3へ送る。
なお、クレジットとして貯留されたメダルをゲームに掛けるために、遊技者によりベットボタン44が押下されたときは、この押下されたことを示すベット信号が、ベットボタン44から主制御部3に送られる。
【0062】
また、遊技者によりスタートレバー42が押下されると、そのスタートレバー42が押下されたことを示すスタート信号が、スタートレバー42から主制御部3に送られる。そして、主制御部3は、リール21の回転を開始させるとともに、内部抽選を行う。
【0063】
その後、遊技者により停止ボタン43が操作されると、主制御部3は、停止ボタン操作信号を演出制御部8に送る。
演出制御部8のCPU81(以下、単に「演出制御部8」という。)は、主制御部3から送られてきた停止ボタン操作信号にもとづいて、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたか否かを判断する(図10のS10(第3停止操作済み?))。
判断の結果、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたものと判断したときは、次いで、演出制御部8は、主制御部3から送られてきた抽選結果信号にもとづいて、ボーナス役が内部当選したか否かを判断する(S11)。
なお、ボーナス役には、遊技者に所定の特典を付与するビッグボーナスゲーム(第一の特定遊技状態)と、このビッグボーナスゲームよりも少ない特典を遊技者に付与するレギュラーボーナスゲーム(第二の特定遊技状態)がある。S11において判断されるボーナス役には、ビッグボーナスゲームとレギュラーボーナスゲームの両方が含まれる。
【0064】
判断の結果、ボーナス役が内部当選したときは、演出制御部8は、LEDドライバ90に対してイネーブル、クロック、シリアルデータ、ラッチの各信号を送って、下記の動作を行わせる。
まず、演出制御部8は、「H」を示すイネーブルをLEDドライバ90に送る。
次いで、演出制御部8は、LEDドライバ90に設けられた出力ポートの数と同数のクロック(クロック11とする)をLEDドライバ90に送るとともに、一つの出力ポートのみに電流を流すことを示すシリアルデータ(チャンネルON1個分のシリアルデータ)をLEDドライバ90に送る。
これらの信号を受けたLEDドライバ90は、LED61からの電流を出力ポート01に流し、他の出力ポート02〜nには電流を流さないようにする(S12、チャンネル1個ON)。これにより、LED61は、出力ポート01に流れる電流の量(例えば、5mA)に相当する明るさで点灯する。
【0065】
クロック11の送信開始から所定時間(例えば、10ms)経過後、演出制御部8は、出力ポートの数と同数のクロック(クロック12とする)をLEDドライバ90に送るとともに、二つの出力ポートから電流を流すことを示すシリアルデータ(チャンネルON2個分のシリアルデータ)をLEDドライバ90に送る。
これらの信号を受けたLEDドライバ90は、LED61からの電流を出力ポート01、02に流し、他の出力ポート03〜nには電流を流さないようにする(S13、チャンネル2個ON)。これにより、LED61は、出力ポート01、02に流れる電流量の和(例えば、10mA)に相当する明るさで点灯する。
【0066】
さらに、クロック12の送信開始から所定時間(例えば、10ms)経過後、演出制御部8は、出力ポートの数と同数のクロック(クロック13とする)をLEDドライバ90に送るとともに、三つの出力ポートに電流を流すことを示すシリアルデータ(チャンネルON3個分のシリアルデータ)をLEDドライバ90に送る。
これらの信号を受けたLEDドライバ90は、LED61からの電流を出力ポート01〜03に流し、他の出力ポート04〜nには電流を流さないようにする(S14、チャンネル3個ON)。これにより、LED61は、出力ポート01〜03に流れる電流量の和(例えば、15mA)に相当する明るさで点灯する。
【0067】
以降、演出制御部8は、所定時間間隔で、クロック、シリアルデータ、ラッチをLEDドライバ90へ送るとともに、それらをLEDドライバ90へ送るたびにシリアルデータが指定する出力ポートの数を段階的に増やしていく。これにより、電流が流れる出力ポートの数を増加させ、LED61に流れる電流の量を増加させて、そのLED61の明るさを段階的に明るくしていくことができる。
そして、LED61からの電流が六つの出力ポート01〜06に流れるようになると、ここで、告知ランプ点灯処理Aを終了する。その後は、それら出力ポート01〜06に流れる電流量の和(例えば、30mA)に応じた明るさでLED61が発光しつづける。そして、この発光状態は、次に説明する「(2)告知ランプ消灯処理」が実行されるまで維持される。
【0068】
この告知ランプ点灯処理Aを実行することにより、ボーナス役が確定した場合にLED61を点灯させるとともに、所定時間間隔(例えば、10ms間隔)で、そのLED61の明るさが段階的に明るくなるように階調制御することができる。つまり、豆電球を点灯させる場合と同様に、LED61を電流によってリニアに調光できる。
【0069】
なお、S11の判断において、ボーナス役が内部当選していなかったときは、S12〜S17の処理は、実行されない。
また、S10の判断の結果、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべての操作が行われたときに、S11〜S17の処理を実行しているが、これに限るものではなく、例えば、スタートレバー42が操作されたとき、複数の停止ボタン43a、43b、43cのうちの一つが操作されたとき、複数の停止ボタン43a、43b、43cのうちの二つが操作されたとき、のいずれかタイミングで、S11〜S17の処理を実行するようにしてもよい。
【0070】
(2)告知ランプ消灯処理
告知ランプ消灯処理とは、内部抽選でボーナス役が当選して告知ランプ6が点灯した後、回転停止した三つのリール21の図柄の並びがボーナス図柄を表示したときに、告知ランプ6の消灯を階調制御する処理をいう。
【0071】
遊技者により停止ボタン43が操作されると、主制御部3は、その操作された停止ボタン43に対応するリール21の回転を停止させる。そして、三つのリール21a、21b、21cのすべての回転が停止すると、主制御部3は、ボーナス図柄が表示されたか否かを判断する(図11のS20)。
判断の結果、ボーナス図柄が表示されたときは、主制御部3は、そのボーナス図柄が表示されたことを示す信号(ボーナス図柄表示信号)を演出制御部8に送る。
【0072】
演出制御部8は、主制御部3からボーナス図柄表示信号を受けると、LEDドライバ90に対してクロック、シリアルデータ、ラッチを送って、下記の動作を行わせる。
なお、この時点では、出力ポート01〜06に流れる電流量の和に応じた明るさでLED61が点灯しているものとする。また、演出制御部8は、「H」を示すイネーブルをLEDドライバ90へ送っているものとする。
【0073】
まず、演出制御部8は、出力ポートの数と同数のクロック(クロック21とする)を送るとともに、五つの出力ポートに電流を流すことを示すシリアルデータ(チャンネルON5個分のシリアルデータ)をLEDドライバ90に送る。
これにより、LEDドライバ90は、LED61からの電流を出力ポート01〜05に流し、他の出力ポート06〜nには電流を流さないようにする(S21)。これにより、LED61は、出力ポート01〜05に流れる電流量の和(例えば、25mA)に相当する明るさで点灯する。
【0074】
クロック21の送信開始から所定時間(例えば、10ms)経過後、演出制御部8は、出力ポートの数と同数のクロック(クロック22とする)をLEDドライバ90へ送るとともに、四つの出力ポートに電流を流すことを示すシリアルデータ(チャンネルON4個分のシリアルデータ)をLEDドライバ90に送る。
これにより、LEDドライバ90は、LED61からの電流を出力ポート01〜04に流し、他の出力ポート05〜nには電流を流さないようにする(S22)。これにより、LED61は、出力ポート01〜04に流れる電流量の和(例えば、20mA)に相当する明るさで点灯する。
【0075】
以降、演出制御部8は、所定時間間隔で、クロック、シリアルデータ、ラッチをLEDドライバ90へ送るとともに、それらをLEDドライバ90へ送るたびにシリアルデータが指定する出力ポートの数を段階的に減らしていく。これにより、電流が流れる出力ポートの数を減少させ、LED61に流れる電流の量を減少させて、このLED61の明るさを次第に暗くしていくことができる(S23〜S25)。
そして、すべての出力ポートに電流が流れなくなると(S26、チャンネル全てOFF)、LED61が消灯し、ここで、告知ランプ消灯処理を終了する。
その後、演出制御部8がLEDドライバ90に「L」を示すイネーブルを送ることで、LED61は、消灯しつづける。
【0076】
この告知ランプ消灯処理を実行することにより、ボーナス役の内部当選にともなって点灯させたLED61を、ボーナス図柄の表示にともなって、所定時間間隔で段階的に暗くしていき、最終的に消灯させることができる。
なお、上述した説明においては、告知ランプ消灯処理を実行するタイミングとしてボーナス図柄が表示されたときとしているが、このタイミングに限るものではなく、例えば、ボーナス図柄の表示後から所定時間経過後、あるいは、次回ゲームに係る所定の操作後(例えば、ベット操作のとき)などを、そのタイミングとすることもできる。
【0077】
(3)告知ランプ点灯処理B
告知ランプ点灯処理Bとは、ボーナス役に内部当選した場合には、LED61の明るさが所定の明るさになるまで階調制御し、特に、ビッグボーナスゲームに内部当選した場合には、所定の確率で、LED61の明るさが所定の明るさと異なる明るさになるまで階調制御する処理をいう。
【0078】
遊技者によるメダルの投入(又は、ベットボタン44の押下)から、主制御部3による内部抽選の実行までについては、「(1)告知ランプ点灯処理A」にて既に説明した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0079】
遊技者の操作により、停止ボタン43が操作されると、主制御部3は、停止ボタン操作信号を演出制御部8に送る。
演出制御部8は、主制御部3から送られてきた停止ボタン操作信号にもとづいて、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたか否かを判断する(図12のS30(第3停止操作済み?))。
判断の結果、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたものと判断したときは、次いで、演出制御部8は、主制御部3から送られてきた抽選結果信号にもとづいて、ボーナス役が内部当選したか否かを判断する(S31)。
判断の結果、ボーナス役が内部当選していないときは、告知ランプ点灯処理Bを終了する。
一方、ボーナス役が内部当選したときは、演出制御部8は、その内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲーム(BB)であるか否かを判断する(S32)。
【0080】
判断の結果、内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームであるときは、演出制御部8は、特別演出の抽選を行う。
ここで、特別演出とは、「(1)告知ランプ点灯処理」で実行されたLED61の階調処理(図10のS12〜S17)を通常の階調処理としたときに、この通常の階調処理とは異なる内容で、LED61の階調制御を行うことをいう。具体的に、通常の階調処理では、最終的に六つの出力ポート01〜06に電流を流すところまで行うが、特別演出では、例えば、三つの出力ポート01〜03に電流を流すところまで行う。
また、特別演出の抽選とは、演出制御部8が行う抽選の一つであって、ビッグボーナスゲームに内部当選したときの告知ランプ6の点灯態様を、通常の階調処理又は特別演出のいずれで行うかを決定するための抽選をいう。なお、特別演出の抽選において、特別演出が当選する確率は、任意に決めることができる。
【0081】
演出制御部8は、特別演出の抽選の結果、特別演出に当選したか否かを判断する(S33)。
判断の結果、特別演出に当選していないとき、又は、S32の判断の結果、内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームでないとき(その内部当選したボーナス役がレギュラーボーナスゲームであるとき)は、演出制御部8は、図10のS12〜S17と同様の処理(通常の階調処理)を実行する(図12のS34〜S39)。
【0082】
一方、S33の判断の結果、特別演出に当選したときは、演出制御部8は、LEDドライバ90に対してクロック等の各種信号を送って、チャンネル1個ON(S40)、チャンネル2個ON(S41)、チャンネル3個ON(S42)の点灯制御を行わせる。
これにより、LED61が点灯するとともに、そのLED61の明るさが、所定時間間隔(例えば、10ms間隔)で段階的に明るくなっていく。ただし、特別演出では、チャンネル3個ON(S42)までしか行わないため、チャンネル6個ON(S39)に比べて、LED61の明るさは、暗くなる。
【0083】
この告知ランプ点灯処理Bを実行することにより、内部当選したボーナス役の種類に応じて、異なる演出が可能となる。例えば、レギュラーボーナスゲームに内部当選したときは、通常の階調処理を実行し、ビッグボーナスゲームに内部当選したときは、所定の確率で特別演出を実行し、それ以外では、通常の階調処理を実行するようにすることができる。
【0084】
そして、このような告知ランプ点灯処理Bを実行することにより、遊技者にとって面白味のある演出が可能となる。
例えば、S40〜S42の階調処理は、ビッグボーナスゲームゲームが内部当選したときに所定の確率で実行される処理であるのに対し、S34〜S39の階調処理は、レギュラーボーナスゲームが内部当選した場合、又は、ビッグボーナスゲームに内部当選したが特別演出に当選しなかった場合に実行される処理である。このため、例えば、LED61が点灯を開始し、段階的に明るくなっていき、「チャンネル3個ON」の明るさまできて、それ以上明るくならないときは、遊技者は、ビッグボーナスゲームが確定したものと判断できる。一方、LED61が段階的に明るくなっていき、最終的に「チャンネル6個ON」の明るさまで明るくなったときは、遊技者は、ビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームのいずれかが確定したものと判断できる。
ここで、遊技者としては、レギュラーボーナスゲームよりもビッグボーナスゲームに当選することを期待するため、LED61が点灯を開始したときは、そのLED61の明るさが「チャンネル3個ON」の明るさで止まり、「チャンネル4個ON」以上に明るくならないことを願いながら、その点灯態様を見守る。そして、LED61の明るさが「チャンネル3個ON」の明るさで止まれば、遊技者は、ビッグボーナスゲームが確定したものと判断でき、遊技を継続できる。一方、LED61が最終的に「チャンネル6個ON」の明るさまで明るくなった場合でも、ボーナス役が確定しており、かつ、それがビッグボーナスゲームの確定である可能性もあるため、遊技者は、ビッグボーナスゲームに確定しているとの期待感を持ちながら遊技を続行できる。
【0085】
なお、図12においては、特別演出を実行した場合のLED61の最終的な明るさ(「チャンネル3個ON」)を、通常の階調制御を実行した場合のLED61の最終的な明るさ(「チャンネル6個ON」)よりも暗くしているが、これに限るものではなく、前者を後者よりも明るくすることもできる。
【0086】
また、通常の階調制御は、ボーナス役(ビッグボーナスゲームとレギュラーボーナスゲームの両方を含む)が内部当選したときに、報知手段AがLED61を所定の明るさで点灯させる処理であることから、「第一点灯処理」に相当する。
さらに、特別演出は、ビッグボーナスゲームに内部当選したときに、報知手段Aが所定の明るさと異なる明るさでLED61を点灯させる処理であることから、「第二点灯処理」に相当する。
【0087】
(4)演出制御メイン処理
演出制御メイン処理とは、停止ボタン43が押下されたときの演出の態様を、内部抽選の結果に応じて異なるように制御する処理をいう。
【0088】
演出制御部8は、主制御部3から信号が送られてきたか否かを判断する(図13のS50)。判断の結果、主制御部3から信号が送られてきたときは、演出制御部8は、その信号が抽選結果信号であるか否かを判断する(S51)。
判断の結果、その信号が抽選結果信号であるときは、演出制御部8は、その抽選結果信号がボーナス役の内部当選を示しているか否かを判断する(S52)。
判断の結果、その抽選結果信号がボーナス役の内部当選を示しているときは、演出制御部8は、その内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームであるか否かを判断する(S53)。
【0089】
判断の結果、その内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームであるときは、演出制御部8は、特別演出の抽選を行う。そして、特別抽選の結果、特別演出1に当選しているか否かを判断する(S54)。
特別演出1とは、後述する「特別演出態様1処理」の内容で実行される特別演出をいう。
【0090】
判断の結果、特別演出1に当選しているときは、演出制御部8のCPU81は、「特別演出態様1処理」の実行プログラムに係るデータアドレスをRAM83に格納する(S55)。
一方、特別演出1に当選していないとき、又は、S53での判断の結果、内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームではない(そのボーナス役がレギュラーボーナスゲームである)と判断されたときは、演出制御部8は、特別演出2に当選しているか否かを判断する(S56)。
特別演出2とは、後述する「特別演出態様2処理」の内容で実行される特別演出をいう。
【0091】
判断の結果、特別演出2に当選しているときは、演出制御部8のCPU81は、「特別演出態様2処理」の実行プログラムに係るデータアドレスをRAM83に格納する(S57)。
一方、特別演出2に当選していないときは、演出制御部8のCPU81は、「通常演出態様(通常の階調処理)」の実行プログラムに係るデータアドレスをRAM83に格納する(S58)。
なお、S52の判断の結果、ボーナス役に内部当選していないと判断したときは、演出制御部8のCPU81は、「特別演出態様1処理」、「特別演出態様2処理」、「通常演出態様(通常の階調処理)」以外の演出態様の実行プログラムに係るデータアドレスをRAM83に格納する(S59)。
【0092】
ところで、S51の判断において、主制御部3から送られてきた信号が抽選結果信号ではないと判断したときは、演出制御部8は、その信号が停止ボタン操作信号であるか否かを判断する(S60)。
判断の結果、その信号が停止ボタン操作信号であるときは、報知手段Aは、停止ボタン演出処理を実行する(S61)。この停止ボタン演出処理の内容については、後記の「(4−1)停止ボタン演出処理」にて詳述する。
一方、停止ボタン操作信号が送られてきていないときは、停止ボタン演出処理以外の演出処理を実行する(S62)。
【0093】
(4−1)停止ボタン演出処理
演出制御部8のCPU81は、RAM83に格納されているデータアドレスが通常演出態様(通常の階調処理)の実行プログラムに係るデータアドレスであるか否かを判断する(図14のS70)。
判断の結果,RAM83に格納されているデータアドレスが通常演出態様(通常の階調処理)の実行プログラムに係るデータアドレスであるときは、CPU81は、そのデータアドレスを用いて、ROM82から通常演出態様(通常の階調処理)の実行プログラム又はこれに関するデータを読み出して、その実行プログラムを実行する(S71、通常演出態様処理)。この通常演出態様処理の内容については、後記の「(4−2)通常演出態様処理」にて詳述する。
【0094】
一方、RAM83に格納されているデータアドレスが通常演出態様(通常の階調処理)の実行プログラムに係るデータアドレスでないときは、CPU81は、RAM83に格納されているデータアドレスが特別演出態様1の実行プログラムに係るデータアドレスであるか否かを判断する(S72)。
判断の結果,RAM83に格納されているデータアドレスが特別演出態様1の実行プログラムに係るデータアドレスであるときは、CPU81は、そのデータアドレスを用いて、ROM82から特別演出態様1処理の実行プログラム又はこれに関するデータを読み出して、その実行プログラムを実行する(S73)。この特別演出態様1の内容については、後記の「(4−3)特別演出態様1処理」にて詳述する。
一方、RAM83に格納されているデータアドレスが特別演出態様1の実行プログラムに係るデータアドレスでないとき、つまり、RAM83に格納されているデータアドレスが特別演出態様2の実行プログラムに係るデータアドレスであるときは、CPU81は、そのデータアドレスを用いて、ROM82から特別演出態様2処理の実行プログラム又はこれに関するデータを読み出して、その実行プログラムを実行する(S74)。この特別演出態様2の内容については、後記の「(4−4)特別演出態様2処理」にて詳述する。
【0095】
(4−2)通常演出態様処理
演出制御部8(CPU81)は、主制御部3から送られてきた停止ボタン操作信号にもとづいて、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたか否かを判断する(図15のS80(第3停止操作済み?))。
判断の結果、三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたものと判断したときは、演出制御部8は、チャンネル1個ON処理(S81)〜チャンネル6個ON処理(S86)を実行する。これらS81〜S86の各処理は、図10に示すS12〜S17の各処理と同様の内容であるため、ここでの説明は、省略する。
【0096】
この通常演出態様処理は、内部当選したボーナス役がレギュラーボーナスゲームである場合、又は、そのボーナス役がビッグボーナスゲームであって特別演出1及び2に当選しなかった場合に実行される処理である(図13のS52〜S58参照)。つまり、この通常演出態様処理を実行して、LED61が「チャンネル6個ON」の明るさまで点灯した場合、遊技者は、ビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームのいずれかに確定したことは判断できるものの、ビッグボーナスゲームに確定したかどうかまではわからない。このため、遊技者は、期待感をもって遊技を継続できる。よって、遊技者にとって面白味のある演出が可能となる。
【0097】
(4−3)特別演出態様1処理
演出制御部8は、主制御部3から送られてきた停止ボタン操作信号が第一停止ボタン操作信号であるか否かを判断する(図16のS90)。第一停止ボタン操作信号とは、三つの停止ボタン43a、43b、43cのうちの一つの停止ボタン43が操作されたことを示す信号をいう。
判断の結果、主制御部3から送られてきた停止ボタン操作信号が第一停止ボタン操作信号であるときは、演出制御部8は、LED61からの電流が二つの出力ポート01、02に流れるようにLEDドライバ90を制御する(S91、チャンネル2個ON)。これにより、それら二つの出力ポート01、02に電流が流れ、これら電流量の和に応じた明るさでLED61が点灯する。
【0098】
一方、主制御部3から送られてきた停止ボタン操作信号が第一停止ボタン操作信号でないとき、すなわち、演出制御部8が第一停止ボタン操作信号を受け取った後に、新たに停止ボタン操作信号を受け取ったとき、演出制御部8は、その新たに受け取った停止ボタン操作信号が第二停止ボタン操作信号であるか否かを判断する(S92)。第二停止ボタン操作信号とは、三つの停止ボタン43a、43b、43cのうちの二つの停止ボタン43が操作されたことを示す信号をいう。
判断の結果、その新たに受け取った停止ボタン操作信号が第二停止ボタン操作信号であるときは、演出制御部8は、LED61からの電流が四つの出力ポート01〜04に流れるようにLEDドライバ90を制御する(S93、チャンネル4個ON)。これにより、それら四つの出力ポート01〜04に電流が流れ、これら電流量の和に応じた明るさでLED61が点灯する。
【0099】
一方、その新たに受け取った停止ボタン操作信号が第二停止ボタン操作信号でないとき、すなわち、演出制御部8が第一停止ボタン操作信号及び第二停止ボタン操作信号を既に受け取った後に新たに停止ボタン操作信号を受け取ったとき、演出制御部8は、その新たな停止ボタン操作信号が三つの停止ボタン43a、43b、43cのすべてが操作されたことを示す信号であるものと判断し、LED61からの電流が九つの出力ポート01〜09に流れるようにLEDドライバ90を制御する(S94、チャンネル9個ON)。これにより、それら九つの出力ポート01〜09からの電流が流れ、これら電流量の和に応じた明るさでLED61が点灯する。
【0100】
この特別演出態様1処理は、内部当選にしたボーナス役がビッグボーナスゲームであって特別演出1に当選した場合に実行される処理である(図13のS52〜S55参照)。このため、停止ボタン43a、43b、43cが操作される毎にLED61が段階的に明るくなり、最終的に「チャンネル9個ON」の明るさまで点灯した場合、遊技者は、ビッグボーナスゲームが確定したものと判断できる。
【0101】
(4−4)特別演出態様2処理
この特別演出態様2処理は、特別演出態様1処理とほぼ同様の内容であるが、特別演出態様1処理におけるS94の処理において相違する。
すなわち、特別演出態様1処理では、LED61からの電流が九つの出力ポート01〜09に流れるように演出制御部8がLEDドライバ90を制御する(図16のS94、チャンネル9個ON)が、特別演出態様2処理では、LED61からの電流が六つの出力ポート01〜06に流れるように演出制御部8がLEDドライバ90を制御する(図17のS104、チャンネル6個ON)。これにより、それら六つの出力ポート01〜06に電流が流れ、これら電流量の和に応じた明るさでLED61が点灯する。
【0102】
この特別演出態様2処理を実行することにより、停止ボタン43a、43b、43cが操作される毎にLED61が段階的に明るくなっていくので、遊技者は、そのLED61の点灯状態を視認することで、ボーナス役に確定したものと判断できる。
ただし、この特別演出態様2処理は、内部当選したボーナス役がレギュラーボーナスゲームである場合、又は、その内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームであって特別演出2に当選した場合に実行される処理である(図13のS52〜S57参照)。また、この特別演出態様2処理を実行してLED61が点灯したときの明るさと、通常演出態様(図15参照)を実行してLED61が点灯したときと明るさは同じである(「チャンネル6個ON」)。このため、遊技者は、LED61の点灯により、ボーナス役に確定したことは知得できるものの、ビッグボーナスゲームに確定したどうかまではわからない。よって、遊技者は、LED61が点灯したことによりビッグボーナスゲームに確定しているかもしれないとの期待感を持つことができ、さらに、リール21の図柄を揃えるまで、その期待感を持続させることができる。よって、遊技者にとって面白味のある演出が可能となる。
【0103】
(5)告知ランプ点灯処理C
告知ランプ点灯処理Cとは、内部抽選で当選したボーナス役の種類によって、LED61の点灯態様が異なるように演出する処理をいう。
なお、遊技者によるメダルの投入(又は、ベットボタン44の押下)から、ボーナス役が内部当選したか否かの判断(図18のS111)までについては、「(3)告知ランプ点灯処理B」にて既に説明した内容(図12のS31まで)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0104】
図18におけるS111の判断の結果、ボーナス役に内部当選しているときは、演出制御部8は、その内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲーム(BB)であるか否かを判断する(S112)。
判断の結果、内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームであるときは、演出制御部8は、図10のS12〜S17と同様の処理(通常の階調処理)を実行する(図18のS113〜S118)。これにより、ビッグボーナスゲームに内部当選したときは、最終的に、六つの出力ポート01〜06に流れる電流量に応じた明るさでLED61が点灯する。
一方、内部当選したボーナス役がビッグボーナスゲームでないとき、すなわち、内部当選したボーナス役がレギュラーボーナスゲームであるときは、演出制御部8は、図12のS40〜S42と同様の処理を実行する(図18のS119〜S121)。これにより、レギュラーボーナスゲームに内部当選したときは、最終的に、三つの出力ポート01〜03に流れる電流量に応じた明るさでLED61が点灯する。
【0105】
この告知ランプ点灯処理Cを実行することにより、内部当選したボーナス役の種類によって演出の内容が異なるため、遊技者にとって面白味のある演出が可能となる。
例えば、ビッグボーナスゲームに内部当選した場合には、LED61が最終的に「チャンネル6個ON」の明るさで点灯するが、レギュラーボーナスゲームに内部当選した場合には、LED61が最終的に「チャンネル3個ON」の明るさで点灯する。つまり、LED61が点灯を開始し、段階的に明るくなっていき、最終的に「チャンネル6個ON」の明るさまで明るくなったときには、遊技者は、ビッグボーナスゲームに確定したものと判断でき、一方、LED61が段階的に明るくなっていき、「チャンネル3個ON」の明るさまできて、それ以上明るくならないときには、遊技者は、レギュラーボーナスゲームに確定したものと判断できる。
ここで、遊技者としては、レギュラーボーナスゲームよりもビッグボーナスゲームに当選することを期待するため、LED61が点灯を開始したときは、そのLED61の明るさが「チャンネル6個ON」の明るさまで明るくなることを願いながら、その点灯態様を見守る。つまり、遊技者は、LED61が点灯したことで、ビッグボーナスゲームに確定しているとの期待感を持つことができる。よって、遊技者にとって面白味のある演出が可能となる。
【0106】
なお、図18においては、レギュラーボーナスゲームに確定した場合のLED61の最終的な明るさ(「チャンネル3個ON」)を、ビッグボーナスゲームに確定した場合のLED61の最終的な明るさ(「チャンネル6個ON」)よりも暗くしているが、これに限るものではなく、前者を後者よりも明るくすることもできる。
【0107】
以上説明したように、本実施形態の遊技機によれば、報知手段のLEDドライバに設けられた複数の出力ポートのすべてが一つのLEDに接続されており、それら複数の出力ポートのうち電流を流す出力ポートの数を所定時間間隔で増加させることにより、LEDに流れる電流を段階的に増加させ、そのLEDの明るさを段階的に明るくすることができる。
また、そのLEDの階調制御は、演出制御部がLEDドライバにシリアルデータを送ることによって行われるが、そのシリアルデータは、出力ポート毎に電流を流すか否かを指定するオンオフの二進数データにより構成すればよいことになる。このため、シリアルデータのデータ量は、出力ポートの数と同数であればよいことから、従来のシリアルデータのデータ量よりも大幅に削減でき、このデータ量の少ないシリアルデータにより、1個のLEDの階調制御を実現することができる。
【0108】
さらに、内部当選したボーナス役の種類に応じてLEDを階調制御することとしたので、遊技者にとって面白味のある演出を行うことを考慮してLEDの階調制御を実行できる。
しかも、上述した実施形態においては、LEDの明るさを16段階で階調できるため、従来の7段階に比べてより細かく滑らかな点灯態様が可能となり、多様な演出を実現できる。
【0109】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、通常の階調処理で最終的に電流が流れる出力ポートの数を六つとしたが、六つに限るものではなく、任意の数とすることができる。
また、ボーナス役の種類を、ビッグボーナスゲームとレギュラーボーナスゲームの二種類としたが、これら二種類に限るものではなく、三種類以上とすることができる。そして、この場合においても、LEDの点灯態様をボーナス役の種類毎に異ならせるようにすることができる。
さらに、図15に示した通常演出態様処理、図16に示した特別演出態様1処理、図17に示した特別演出態様2処理は、いずれも図13及び図14における停止ボタン演出処理において実行することとしたが、これに限るものではなく、例えば、内部当選したゲームの次のゲームにおけるベットボタンの操作のタイミング、あるいは、内部当選したゲームの次のゲームにおけるスタートレバーの操作のタイミングで実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、遊技の進行にともなって行われる演出に関する発明であるため、演出を行う遊技機に利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 スロットマシン(遊技機)
3 主制御部(抽選手段)
43(43a、43b、43c) 停止ボタン
6 告知ランプ
61 LED(発光素子)
8 演出制御部
81 CPU(データ信号制御手段)
90 LEDドライバ(駆動回路)
91 シフトレジスタ
92(92−1〜92−n) レジスタ
93(93−1〜93−n) 電流制御部
100 抵抗回路部
A 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に所定の特典を付与する特定遊技状態についてその当否を抽選する抽選手段と、この抽選手段が行った前記抽選の結果、前記特定遊技状態が内部当選したことを報知する報知手段とを備えた遊技機であって、
前記報知手段は、電流の量に応じて明るさが変わる一の発光素子と、この発光素子の点灯及び消灯を制御する駆動回路と、この駆動回路に所定の信号を送って前記発光素子の点灯及び消灯を制御させる演出制御部とを有し、
前記駆動回路は、前記一の発光素子に接続された複数の出力ポートと、各出力ポート毎に設けられ、前記発光素子を通して前記出力ポートに流れる電流をオンオフ制御する複数の電流制御部とを有し、
前記複数の電流制御部は、所定時間間隔で、前記電流を流す前記出力ポートの数を増加又は減少させることで、前記発光素子に流れる電流の量を増加又は減少させて、前記発光素子の明るさを段階的に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御部は、前記特定遊技状態が内部当選したときに、前記電流を流す前記出力ポートの数を指定するデータ信号を前記駆動回路へ送るデータ信号制御手段を有し、
このデータ信号制御手段は、前記データ信号が指定する前記出力ポートの数を所定時間間隔で段階的に増加させるとともに、この出力ポートの数を増加させたデータ信号を前記所定時間間隔で前記駆動回路へ送り、
前記駆動回路の前記電流制御部は、前記データ信号が指定する前記出力ポートの数の増加にともなって、前記電流を流す前記出力ポートの数を増加させ、前記発光素子に流れる電流の量を増加させて、前記発光素子の明るさを段階的に明るくする
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記駆動回路における前記出力ポートの数は、16個であり、
前記データ信号のデータ量は、16ビットであり、
このデータ信号の各ビットは、前記16個の出力ポートのそれぞれと一対一で対応しており、
前記データ信号の各ビットの値は、対応する出力ポートに電流を流すことを表すオン状態と、対応する出力ポートに電流を流さないことを表すオフ状態のいずれかを示す
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定遊技状態は、少なくとも、遊技者に特典を付与する第一の特定遊技状態と、この第一の特定遊技状態よりも少ない特典を付与する第二の特定遊技状態とを含み、
前記演出制御部は、前記第一の特定遊技状態に内部当選した場合に点灯させる前記発光素子の明るさが、前記第二の特定遊技状態に内部当選した場合に点灯させる前記発光素子の明るさよりも明るくなるように、前記駆動回路を駆動する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記特定遊技状態は、少なくとも、遊技者に特典を付与する第一の特定遊技状態と、この第一の特定遊技状態よりも少ない特典を付与する第二の特定遊技状態とを含み、
前記第一の特定遊技状態又は前記第二の特定遊技状態が内部当選した場合に、前記報知手段が前記発光素子を所定の明るさで点灯させる処理を第一点灯処理とし、
前記第一の特定遊技状態に内部当選した場合に、前記報知手段が前記所定の明るさと異なる明るさで前記発光素子を点灯させる処理を第二点灯処理としたときに、
前記報知手段は、前記抽選手段が行った前記抽選により前記第二の特定遊技状態に内部当選した場合には、前記第一点灯処理を実行し、一方、前記第一の特定遊技状態に内部当選した場合には、所定の確率で前記第二点灯処理を実行する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記特定遊技状態は、少なくとも、遊技者に特典を付与する第一の特定遊技状態と、この第一の特定遊技状態よりも少ない特典を付与する第二の特定遊技状態とを含み、
前記遊技機は、遊技の進行にともなって遊技者が操作する操作部を備え、
前記第一の特定遊技状態又は前記第二の特定遊技状態が内部当選した場合に、前記報知手段が前記発光素子を所定の明るさで点灯させる処理を第一点灯処理とし、
前記第一の特定遊技状態に内部当選した場合に、前記報知手段が前記所定の明るさと異なる明るさで前記発光素子を点灯させる処理を第二点灯処理としたときに、
前記報知手段は、前記抽選手段が行った前記抽選により前記第二の特定遊技状態に内部当選した場合には、前記第一点灯処理を実行し、一方、前記第一の特定遊技状態に内部当選した場合には、所定の確率で前記第二点灯処理を実行し、
かつ、前記第一点灯処理又は前記第二点灯処理を実行するときには、前記操作部が操作される毎に、前記発光素子の明るさを増加させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−81584(P2013−81584A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222752(P2011−222752)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】