説明

遊技用機器

【課題】
利用者を認証するために個人認証用カメラにより撮像して取得した利用者の顔画像を利用者認証の他にも利用したサービスを提供する遊技用機器を提供する。
【解決手段】
遊技客の顔画像により遊技客を認証する認証手段を備えた遊技用機器において、遊技客の顔画像を撮像する撮像手段と、遊技客が遊技により獲得した価値を特定する特定手段と、特定手段で特定した価値が所定の条件を満たす場合に、撮像手段で撮像した遊技客の顔画像を含む情報を出力する出力手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用機器に関し、特に、利用者を認証するために個人認証用カメラにより撮像して取得した利用者の顔画像を利用者認証の他にも利用したサービスを提供する遊技用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンターには、各種ゲーム機器が備えられており、これらのゲーム機器で遊技する場合は、ゲームセンターに設置されたメダル貸機に現金を投入し、投入した金額に応じた枚数のゲームセンター独自のメダルを借り受け、遊技したいゲーム機器に当該メダルを所定枚数投入することで遊技を行うことができる。
【0003】
また、ゲーム機器によっては、遊技客が投入したメダルの一部が遊技客に戻されたり、あるいは投入メダル枚数よりも多い枚数のメダルが獲得されて遊技客に戻される場合もあり、遊技客がメダルを全て使いきれないまま遊技を終える場合もある。
【0004】
ゲームセンター独自のメダルは、ゲームセンターが設定した一定の貨幣価値を有しており、遊技客が獲得したメダルをゲームセンター外へ持ち出すことは禁止されている。
【0005】
そこで、ゲームセンターでは、遊技客が獲得したメダルが全て使われずに遊技客の手元に残ったまま遊技を終える場合には、遊技客が所有するメダルをゲームセンターで預かり、当該遊技客が次回入場の際に、当該遊技客から預かったメダルを払出すようにしている。
【0006】
このメダルの預入払出は、必ず預け入れた本人よって行われる必要があり、本人確認は、ゲームセンターの係員により行われている。
【0007】
そこで、ゲームセンターにおけるメダルの預入払出業務においても機械化が望まれており、例えば特許文献1には、必ず預け入れた本人にしか払出しを行わないゲームセンター用コインの預かり装置が提案されている。
【特許文献1】特開平07−171240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に示されるゲームセンター用コインの預かり装置は、本人確認に掌紋又は指紋の光学的データを利用するように構成されたものであり、預入者本人以外への払出しができないようにして、賭博行為の発生を防止し、コイン預入払出業務の自動化を達成したものである。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1には、本人確認のための掌紋又は指紋を本人確認以外の他にも利用して遊技客の趣向を向上させるような提案はなされていない。
【0010】
そこで、本発明は、利用者を認証するために個人認証用カメラにより撮像して取得した利用者の顔画像を利用者認証の他にも利用したサービスを提供する遊技用機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、遊技客の顔画像により前記遊技客を認証する認証手段を備えた遊技用機器において、前記遊技客の顔画像を撮像する撮像手段と、前記遊技客が遊技により獲得した価値を特定する特定手段と、前記特定手段で特定した価値が所定の条件を満たす場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記出力手段により出力される前記遊技客の顔画像を含む情報の出力内容を設定する内容設定手段を更に具備し、前記出力手段は、前記内容設定手段で設定された設定内容にしたがって前記遊技客の顔画像を含む情報を出力することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記内容設定手段は、前記特定手段で特定された価値に対応して前記遊技客の顔画像に付加する付加情報を設定し、前記出力手段は、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像に前記内容設定手段で設定した前記付加情報を付加して出力することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記特定手段は、前記遊技客が遊技により獲得した遊技媒体の数を特定し、前記出力手段は、前記特定手段で特定された遊技媒体の数が予め設定された数を越えている場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記特定手段で特定される価値を上限とする価値に対応する対価を払い出す対価払出手段を更に具備し、前記出力手段は、前記対価払出手段で払い出す対価が予め設定された値を越えている場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力することを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記遊技客の顔画像を含む情報の出力要求を受け付ける出力要求受付手段を更に具備し、前記出力手段は、前記出力要求受付手段により前記出力要求を受け付けた場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力することを特徴とする。
【0017】
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明において、前記出力手段は、前記遊技客の顔画像を含む情報を画面表示する表示手段を具備することを特徴とする。
【0018】
また、請求項8の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明において、前記出力手段は、前記遊技客の顔画像を含む情報を印刷出力する印刷手段を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の遊技用機器によれば、本人認証用に取得した利用者の顔画像を本人認証の他に操作画面に表示したり、シール等で印刷出力するようにしたので本人認証用に搭載した撮像手段を有効利用して利用者の興趣を向上させたサービスが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係わる遊技用機器の一実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わる遊技用機器をゲームセンターに設置されるメダル預入/払出機100に適用し、このメダル預入/払出機100を用いて本発明を実施するための最良のシステム形態の一例を示した図である。
【0022】
なお、メダル預入/払出機100は、ゲームセンターにおいて遊技客が獲得したメダルを遊技客本人がメダル預入/払出機100に投入することで預かり管理し、当該遊技客本人が再来店時に預入れしてあったメダルをメダル預入/払出機100から引き出して使用するための遊技用機器であり、図1に示すメダル預入/払出システム10は、説明の便宜上、本発明の要部の構成のみを示してある。
【0023】
図1に示すように、メダル預入/払出システム10は、ゲームセンター内に設置された図示せぬ各種ゲーム機器と、メダル預入/払出機100と、ゲームセンターの事務所に設置された管理装置3とがLAN(=Local Area Network)2等のネットワークを介して通信可能に接続され、情報のやりとりが行われるように構成されている。
なお、メダル預入/払出システム10には、メダル預入/払出機100が複数接続されていてもよい。
【0024】
管理装置3は、キーボード(=KB)やマウス等の入力装置と、ディスプレイ等の表示装置の出力装置と、記憶装置と、中央演算処理装置等を備えたコンピュータであり、管理装置3には図示せぬプリンタが接続されている。
【0025】
この管理装置3は、ゲームセンター内に設置された各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100を集中管理するとともに、予め係員により一括設定された各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100のサービス内容や出力条件等の設定情報を各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100に配信するように構成されている。
【0026】
また、予め入会手続きを行った遊技客(会員)の個人情報をデータベース化(会員情報データベース)して管理しており、本発明における会員の個人情報の特徴として会員登録時に入会希望者の顔画像をデジタルカメラ等の撮像手段により撮像した顔画像データを認証用顔画像データとして個人情報に登録している。
【0027】
各会員の個人情報として登録された認証用顔画像データは、ゲームセンター内に設置された各種機器で会員本人の認証が必要とされた際に各種機器が備えるカメラで撮像された遊技客の顔画像データと認証用顔画像データとが照合されて会員本人であるか否かの認証が行われるとともに、会員の遊技客がゲームセンターで獲得したメダルをメダル預入/払出機100に預入れる、もしくは再来店時にメダル預入/払出機100からメダルを引き出す際にメダルを預入れした会員本人であるか否かの認証用データとして用いられる。
【0028】
また、各会員の個人情報は、メダル預入/払出機100から通知されるメダルの預入数や払出し数及び当該会員を識別する識別情報に基づき当該会員の個人情報が更新される。
【0029】
メダル預入/払出機100は、前述のように会員の遊技客が獲得したメダルを預かるとともに当該会員の遊技客からのメダルの払出し要求に対してメダルの払出しを行い、預入れや払出しされたメダルの数と預入れや払出しを行った当該会員の識別情報を管理装置3へ通知する。
【0030】
図1に示すように、メダル預入/払出機100の外観正面の上面右側にはタッチパネル式のLCD(=Liquid Crystal Monitor)画面101、上面左側にはデジタルカメラ107(以下、単に「カメラ107」と言う。)、中央右側には紙幣挿入口102、中央左側には印刷物出力口106、下面右側にはメダル投入部103、下面左側にはメダル投出部104がそれぞれ配置されている。
【0031】
LCD画面101は、遊技客が所望する各種処理、例えばメダルの預入れ、もしくは払出しの選択や各種選択操作のガイダンスメッセージ及びメダル預入/払出機100のカメラ107で撮像した遊技客の顔画像等を遊技客の操作指示に応じて表示する。
【0032】
カメラ107は、メダルの預入もしくは払出しを行う遊技客を認証するための遊技客の顔画像を撮像するデジタルカメラである。
【0033】
カメラ107で撮像された遊技客の顔画像データは、管理装置3の会員情報データベースに記憶保持された会員の顔画像データと照合されて認証される。
【0034】
紙幣挿入口102は、紙幣を挿入する挿入口であり、挿入された紙幣の金額に応じた数のメダルをメダル預入/払出機100から借り受けることができる。
【0035】
メダル投入口103は、遊技客がメダルをメダル預入/払出機100に預け入れる際にメダルを投入する投入口であり、メダル投出部104は、遊技客が預け入れしたメダルを引き出す、もしくは紙幣を挿入してメダルを借り受ける際にメダルがメダル預入/払出機100から投出される投出口である。
【0036】
印刷物出力口106は、メダルの預入れ、払出し、借り受け等に伴うメダル数や会員情報等を印刷したシートやカメラ107で撮像した遊技客の顔画像を含む所定の情報をシール105に印刷出力する。
【0037】
メダル預入/払出機100の機能的な構成について図2を参照し説明する。
【0038】
図2は、メダル預入/払出機100の機能的な内部構成を示すブロック図であり、図2に示すように、メダル預入/払出機100は、表示/操作部108と、制御部109と、UPS110と、紙幣処理部111と、洗浄部112と、リフト機構113と、電源部114と、横搬送機構115と、下タンク116と、預入ホッパー117と、プリンタ118と、払出ホッパー119と、上タンク120と、カメラ制御部121とを備えている。
【0039】
表示/操作部108は、制御部109からの指令信号に基づき前述のLCD画面101(図1参照)で遊技客が所望する、例えばメダル預入れ処理、メダル引出し処理、メダル貸出し処理等の各種処理に応じた画面制御や操作指示された情報を制御部109へ通知する。
制御部109は、メダル預入/払出機100の各部、各機構及び各ホッパーを管理制御するとともにメダル預入/払出機100を統括制御する。
【0040】
UPS110は、無停電電源装置であり、電源部114からの給電が遮断された場合は、電源部114に替わり一定時間メダル預入/払出機100に給電する。
【0041】
紙幣処理部111は、前述の紙幣挿入口102(図1参照)から挿入された紙幣の真偽、金額等を識別し、識別した金額情報を制御部109へ通知するとともに真券紙幣を所定の格納場所へ搬送格納する紙幣処理を行う。
【0042】
預入ホッパー117は、メダル投入口103(図1参照)から投入したメダルを受け入れるホッパーであり、遊技客がメダルをメダル預入/払出機100に預け入れるためにメダル投入口103から投入したメダルを受け入れ、預入ホッパー117に受け入れられたメダルは、遊技客の認証後、図示せぬ計数部により計数され、下タンク116に貯蔵される。
【0043】
横搬送機構115は、下タンク116に貯蔵されたメダルを洗浄部112へ搬送する搬送機構であり、上タンク120に貯蔵されたメダル数や払出ホッパー119から払い出されたメダル数に応じた所定のタイミングで下タンク116に貯蔵されたメダルを洗浄部112へ搬送する。
【0044】
リフト機構113は、洗浄部112で洗浄されたメダルを上タンク120へ搬送する搬送機構であり、下タンク116から横搬送機構115により洗浄部112へ搬送され、洗浄部112で洗浄されたメダルがリフト機構113により上タンク120へ揚送されて上タンク120に貯蔵される。
【0045】
上タンク120に貯蔵されたメダルは、所定量ずつ払出ホッパー119へ送り込まれ、メダルの引出し処理時もしくば貸出し処理時に払出ホッパー119から投出されて遊技客に貸し出される、もしくは払い出される。
【0046】
カメラ制御部121は、遊技客がメダルの預入もしくは払出を行う際に遊技客を認証するために前述のカメラ107で当該遊技客の顔画像を撮像する制御や撮像した顔画像データを制御部109へ転送する制御を行う。
【0047】
電源部114は、メダル預入/払出機100へ給電する電源である。
【0048】
このように構成されたメダル預入/払出機100が接続されたメダル預入/払出システム100において、本発明の特徴である遊技客を認証するためにカメラ107で撮像した顔画像を遊技客の認証の他にも利用して遊技客にサービスを提供する制御動作について図3乃至図6を参照し詳細に説明する。
【0049】
メダル預入/払出機100でメダル預入/払出機100を利用する遊技客の顔画像に基づき当該遊技客が登録された会員であるか否かの認証を可能とするには、メダル預入/払出機100のカメラ107で撮像して取得される当該遊技客の顔画像データを照合して認証するための認証用顔画像データが必要である。
【0050】
そこで、メダル預入/払出システム100においては、前述のように予め入会手続を行った遊技客の個人情報を管理装置3の会員情報データベース300に登録して管理している。
【0051】
図3は、管理装置3の会員情報データベース300に登録された各会員の個人情報の一例を示す図である。
【0052】
図3に示すように、会員情報データベース300には、NO.、会員NO.、氏名、住所、電話番号、顔画像、暗証番号、メダル枚数等から構成された各会員の個人情報がそれぞれ記憶保持されている。
【0053】
NO.は会員情報データベースに登録された個人情報のレコードを示すレコード番号であり、会員NO.は会員を識別する識別番号、氏名は会員の氏名、住所は会員の住所、電話番号は会員の電話番号、顔画像は会員本人を認証するための会員の認証用顔画像データが格納されたファイルを示すファイル名、暗証番号は該当者か否かを照合するための暗証用の数字、メダル数は当該会員が預入れしてあるメダル数をそれぞれ示している。
【0054】
なお、会員の認証用顔画像データは、入会申込み時にゲームセンターの係員により入会希望者の顔画像がデジタルカメラ等のカメラで撮像されて取得されたものである。
【0055】
ゲームセンターの係員は、必要事項が記入された入会申込書を入会希望者から受取り、入会希望者の顔画像をカメラで撮像して取得し、管理装置3により入会申込書に記入された入会希望者の個人情報を入力し、当該入会希望者の顔画像データが格納されたファイルを対応付けて当該会員の個人情報を作成して管理装置3の会員情報データベース300へ登録する。
【0056】
管理装置3による会員情報データベース300の構築及び会員の個人情報の登録、更新等の処理は、画像処理ソフトやデータベース作成ソフト等の公知のソフトウェアを用いて実現することができる。
【0057】
また、管理装置3にはゲームセンター内に設置された各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100を集中管理するとともに、予め係員により一括設定された各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100のサービス内容や出力条件等の設定情報を各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100に配信するシステムが構築されており、係員は、ゲームセンターを開店させる前に予め各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100のサービス内容や出力条件等の設定を一括して行い、設定情報を各種ゲーム機器やメダル預入/払出機100に配信する。
【0058】
次に、メダル預入/払出機100によるメダルの預入れ処理の制御動作について説明する。
【0059】
図4は、メダル預入/払出機100によるメダルの預入れ処理の制御動作の一例を示す流れ図である。
【0060】
図4に示すように、メダル預入/払出機100のLCD画面108で遊技客によりメダルの預入れ処理が選択されると(ステップS401でYES)、遊技客を識別するための暗証番号の入力及びメダルを投入する旨を遊技客に促す図示せぬ操作指示画面を表示する(ステップS402)。
【0061】
LCD画面108には、メダル預入/払出機100で選択可能なメダル預入れ処理、メダル引出し処理、メダル貸出し処理等の各種処理を選択させる選択メニュー画面が表示されており、遊技客が所望する処理を指でタッチする等の操作指示を行うことで選択された処理が実行される。
【0062】
なお、メニュー画面や各種処理に対応して表示される各種操作画面等の画面データは、予め制御部109の図示せぬ記憶装置に記憶保持されており、制御部109がLCD画面108での遊技客の選択操作に応じて適時画面データを読み出しLCD画面108へ転送し、LCD画面108に表示させる。
【0063】
遊技客により暗証番号が入力され、メダルがメダル投入部103から投入されると(ステップS403でYES)、入力された暗証番号を認証後(ステップS403でYES)、当該遊技客が登録された会員本人であるか否かを認証するために遊技客の顔画像を備え付けのカメラ107により撮像し取得する(ステップS404)。
【0064】
また、遊技客により入力された暗証番号が認証されなかった場合は(ステップS403でNO)、暗証番号が正しくない旨及び正しい暗証番号を入力する旨のメッセージ画面を表示し、遊技客に暗証番号の再入力を促す。
【0065】
なお、暗証番号の認証は、制御部109がLCD画面108で入力された暗証番号と、管理装置3の会員情報データベース300に登録された会員の個人情報に登録された暗証番号とを照合し、一致した場合に認証する。
【0066】
また、暗証番号が認証されることで暗証番号に対応した会員NO.や当該会員の認証用顔画像データが格納されたファイル名を特定することができる。
【0067】
カメラ107により撮像して取得した顔画像データと管理装置3の会員情報データベース300に記憶保持された各会員の顔画像データとが制御部109により照合され、当該遊技客が会員本人であることが認証されると(ステップS405でYES)、制御部109は、投入されたメダルを図示せぬ計数機により計数させ(ステップS406)、計数機による計数結果をLCD画面108に表示させて、遊技客に対して投入メダルの計数結果の確認を求める図示せぬ確認画面を表示させる(ステップS407)。
【0068】
当該遊技客が会員本人であることの認証は、制御部109が遊技客によりLCD画面108から入力された暗証番号を認証し、当該暗証番号に対応した会員の認証用顔画像データとカメラ107により撮像して取得した顔画像データとを照合して一致した場合に当該遊技客が登録された会員本人である認証する。
【0069】
また、ステップS407における確認画面では、計数されたメダル数が表示され、確認画面上に表示された確認ボタンが遊技客により選択操作されることで計数されたメダル数を当該会員の個人情報に登録されたメダル枚数に加算する更新処理を行う(ステップS408)。
【0070】
なお、ステップS407における確認画面でメダルを追加投入したい場合は、遊技客により確認画面上に表示されたメダル追加ボタンが選択されることでメダルの追加投入及びメダルの追加投入による計数結果が表示された確認画面が表示するようにしてもよく、また、ステップS407における確認画面でメダルの預け入れをキャンセルしたい場合は、遊技客により確認画面上に表示されたキャンセルボタンが選択されることでメダルの預入れ処理を中止し、メダル投入部103から投入されたメダル数のメダルをメダル投出部104から投出して遊技客に返却後、処理を終了するようにしてもよい。
【0071】
ステップS408の更新処理により当該会員のメダル枚数が予め設定された設定値を超えた枚数となった場合は、図5(a)に示すような遊技客の顔画像を含む祝福を表すメッセージが表示されたサービス画面500をLCD画面108に表示して遊技客へ知らせる(ステップS410)。
【0072】
図5(a)に示すように、サービス画面500には、カメラ107で撮像して取得した遊技客の顔画像501と、祝福を表すメッセージ(Congratulation!)及び会員名(山内様)502と、獲得メダル枚数(獲得枚数3000枚)503と、遊技場名称(ゲームホール Glory)504と、日付(’05.10.01)505等が表示される。
【0073】
なお、サービス画面500を表示する条件やサービス画面500の顔画像に付加するメッセージ等の情報は、管理装置3により任意に設定することができ、例えばメッセージとして「おめでとうございます!」や「ありがとうございます」等の祝福や感謝を表すメッセージでもよく、またサービス画面500を表示する条件として前述のように所定の設定値を超えた場合や全ての取引毎にサービス画面500を表示するようにしてもよく、これらの条件設定やメッセージ内容がゲームセンターの係員により管理装置3で設定され、メダル預入/払出機100に配信される。
【0074】
一方、メダル預入/払出機100は、管理装置3から配信された条件設定やメッセージ内容を制御部109の記憶装置に記憶保持し、制御部109が適時、これらの条件設定を参照もしくはメッセージ内容を読み出して遊技客の顔画像を含むメッセージ等が表示されたサービス画面500をLCD画面108に表示する。
【0075】
ステップS410におけるサービス画面500を表示後、遊技客の希望によりLCD画面108の図示せぬ印刷ボタンが選択されると図5(b)に示すようなシール105がプリンタ118により印刷され(ステップS412)、印刷物出力口106から出力後、処理を終了する。
【0076】
図5(b)に示すように、1枚のシール510には、前述に示したサービス画面500の顔画像にメッセージが付加された画像が複数枚印刷されて出力される。
【0077】
また、ステップS410におけるサービス画面500を表示後、遊技客によりLCD画面108の図示せぬ印刷ボタンが選択されない場合は、サービス画面500を一定時間表示後、処理を終了する。
【0078】
次に、メダル預入/払出機100によるメダルの引出し処理の制御動作について説明する。
【0079】
図6は、メダル預入/払出機100によるメダルの引出し処理の制御動作の一例を示す流れ図である。
【0080】
図6に示すように、メダル預入/払出機100のLCD画面108で遊技客によりメダルの引出し処理が選択されると(ステップS601でYES)、遊技客を識別するための暗証番号の入力及びメダルの引出し希望枚数の入力を促す図示せぬ操作指示画面を表示する(ステップS602)。
【0081】
操作指示画面の操作指示メッセージに従い遊技客により暗証番号が入力された後、メダル引出し枚数が入力されると(ステップS603でYES)、入力された暗証番号を認証後(ステップS603でYES)、当該遊技客が登録された会員本人であるか否かを認証するために遊技客の顔画像を備え付けのカメラ107により撮像し取得する(ステップS604)。
【0082】
また、遊技客により入力された暗証番号が認証されなかった場合は(ステップS603でNO)、暗証番号が正しくない旨及び正しい暗証番号を入力する旨のメッセージ画面を表示し、遊技客に暗証番号の再入力を促す。
【0083】
なお、暗証番号の認証及び当該遊技客が登録された会員本人であるか否かの認証は、前述のメダル預入れ処理と同様に制御部109がLCD画面108で入力された暗証番号と、管理装置3の会員情報データベース300に登録された会員の個人情報に登録された暗証番号とを照合し、一致した場合に正しい暗証番号であると認証し、また、当該遊技客が登録された会員本人であるか否かの認証は、制御部109が遊技客によりLCD画面108から入力された暗証番号を認証し、当該暗証番号に対応した会員の認証用顔画像データとカメラ107により撮像して取得した顔画像データとを照合して一致した場合に当該遊技客が登録された会員本人であると認証する。
【0084】
当該遊技客が会員本人であることが認証されると(ステップS605でYES)、遊技客により入力されたメダルの引出し希望枚数を当該会員の個人情報に登録されたメダル枚数から減算する更新処理を行う(ステップS606)。
【0085】
更新処理後、遊技客により入力されたメダル引出し枚数のメダルを払出しホッパー119から投出し、遊技客にメダルを払い出す(ステップS607)。
【0086】
また、ステップS605において、当該遊技客が会員本人であることが認証されなかった場合(ステップS605でNO)、すなわち認証用顔画像データとカメラ107により撮像して取得した顔画像データとが一致しなかった場合は、認証できなかった旨のメッセージを表示し、メダル引出し処理を中止し、処理を終了する(ステップS608)。
【0087】
なお、ステップS607において、メダルを払出しホッパー119から投出して遊技客にメダルを払い出すとともに更新処理後の当該遊技客の個人情報に登録されているメダル枚数を当該遊技客の顔画像に付加したサービス画面をLCD画面108に表示して残メダル数を通知するようにしてもよい。
【0088】
また、上述したメダル預入れ処理時やメダル引出し処理時以外に、メダル貸出し処理時に顔認証によって会員であるか否かを確認して、会員であれば利用ポイントを付与するサービスを付加し、その場合に、撮像された顔画像と「GOOD LUCK」等のメッセージを表示するようにしてもよい。
【0089】
以上説明したように、本発明のメダル預入/払出機100は、遊技客を認証するためにカメラ107で撮像して取得した遊技客の顔画像を認証で使用する他に、遊技客が獲得したメダル枚数に応じて、もしくは遊技客がメダル預入/払出機100で預入れや引出しの取引を行う毎に遊技客の顔画像を含む取引メダル数や感謝及び祝福メッセージを表示して遊技客の興趣が向上するようなサービスを提供することができる。
【0090】
また、遊技客の希望に応じて遊技客の顔画像を含む取引メダル数や感謝及び祝福メッセージをシール印刷して記念シールとして提供することができる。
なお、本実施例においては、本発明に係わる遊技用機器をゲームセンターに設置されたメダル預入/払出機100に適用した例を示したが、パチンコホールに設置された玉やメダル計数機やカジノゲーム場に設置されたチケット精算機に適用してもよい。
【0091】
本発明の遊技用機器をパチンコホールに設置された玉やメダル計数機に適用する場合は、各計数機が遊技客の顔画像による認証手段と、遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を備えた構成とし、遊技客が獲得した玉やメダルの遊技媒体を計数する際に、遊技客が獲得した遊技媒体の計数値が予め設定された数を超えている場合は、撮像手段で撮像した当該遊技客の顔画像を含む計数値や感謝及び祝福メッセージの情報を各計数機の画面に表示するとともに希望に応じて表示した遊技客の顔画像を含む情報をシールに印刷出力することで遊技客の興趣が向上するようなサービスを提供することができる。
【0092】
また、本発明の遊技用機器をカジノゲーム場に設置されたチケット精算機に適用する場合は、チケット精算機が遊技客の顔画像による認証手段と、遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を備えた構成とし、遊技客が獲得したチケットの価値に対応する対価を払い出す際に、チケット精算機が当該チケットから特定した価値が予め設定された対価を超えている場合は、撮像手段で撮像した当該遊技客の顔画像にチケット精算機が当該チケットから特定した価値もしくは祝福メッセージの情報をチケット精算機の画面に表示するとともに希望に応じて表示した遊技客の顔画像を含む情報をシールに印刷出力することで遊技客の興趣が向上するようなサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係わるメダル預入/払出機100が接続されたメダル預入/払出システム10の一例を示す図
【図2】メダル預入/払出機100の機能的な内部構成を示すブロック図
【図3】管理装置3に記憶保持された会員情報データベース300の一例を示す図
【図4】メダル預入/払出機100によるメダル預入れ処理の制御動作の一例を示す流れ図
【図5】サービス画面500及びシール105の一例を示す図
【図6】メダル預入/払出機100によるメダル引出し処理の制御動作の一例を示す流れ図
【符号の説明】
【0094】
2 LAN
3 管理装置
10 メダル預入/払出システム
100 メダル預入/払出機
101 LCD画面
102 紙幣挿入口
103 メダル投入部
104 メダル投出部
105 シール
106 印刷物出力口
107 カメラ
108 表示/操作部
109 制御部
110 UPS(=無停電電源装置)
111 紙幣処理部
112 洗浄部
113 リフト機構
114 電源部
115 横搬送機構
116 下タンク
117 預入ホッパー
118 プリンタ
119 払出ホッパー
120 上タンク
121 カメラ制御部
300 会員情報データベース
500 サービス画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客の顔画像により前記遊技客を認証する認証手段を備えた遊技用機器において、
前記遊技客の顔画像を撮像する撮像手段と、
前記遊技客が遊技により獲得した価値を特定する特定手段と、
前記特定手段で特定した価値が所定の条件を満たす場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力する出力手段と
を具備することを特徴とする遊技用機器。
【請求項2】
前記出力手段により出力される前記遊技客の顔画像を含む情報の出力内容を設定する内容設定手段
を更に具備し、
前記出力手段は、
前記内容設定手段で設定された設定内容にしたがって前記遊技客の顔画像を含む情報を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技用機器。
【請求項3】
前記内容設定手段は、
前記特定手段で特定された価値に対応して前記遊技客の顔画像に付加する付加情報を設定し、
前記出力手段は、
前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像に前記内容設定手段で設定した前記付加情報を付加して出力する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技用機器。
【請求項4】
前記特定手段は、
前記遊技客が遊技により獲得した遊技媒体の数を特定し、
前記出力手段は、
前記特定手段で特定された遊技媒体の数が予め設定された数を越えている場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技用機器。
【請求項5】
前記特定手段で特定される価値を上限とする価値に対応する対価を払い出す対価払出手段
を更に具備し、
前記出力手段は、
前記対価払出手段で払い出す対価が予め設定された値を越えている場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技用機器。
【請求項6】
前記遊技客の顔画像を含む情報の出力要求を受け付ける出力要求受付手段
を更に具備し、
前記出力手段は、
前記出力要求受付手段により前記出力要求を受け付けた場合に、前記撮像手段で撮像した前記遊技客の顔画像を含む情報を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技用機器。
【請求項7】
前記出力手段は、
前記遊技客の顔画像を含む情報を画面表示する表示手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技用機器。
【請求項8】
前記出力手段は、
前記遊技客の顔画像を含む情報を印刷出力する印刷手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技用機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−111173(P2007−111173A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−304432(P2005−304432)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】