説明

遊技用装置及び記録媒体処理装置

【課題】遊技用記録媒体の管理の煩わしさから遊技者を解放することが可能な遊技用装置及び記録媒体処理装置を提供する。
【解決手段】遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を受け付ける受付手段と、遊技用記録媒体の記録情報を読み取る読取手段(カードR/W30)と、記録情報から特定された遊技用価値の大きさを記憶する記憶手段(RAM34)と、記録情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内で遊技に使用する遊技媒体を貸し出す処理を行う貸出手段(CPU22)とを備えた遊技用装置(カードユニット2)であり、受付手段は、複数の遊技用記録媒体を受付可能で、受付手段に複数の遊技用記録媒体が受け付けられた際、その記録情報に基づいて算出された遊技用価値の大きさの合計を記憶手段に更新記憶する更新手段(CPU22)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用記録媒体(例えば、プリペイドカード)の管理の煩わしさから遊技者を解放することが可能な遊技用装置及び記録媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体処理装置(例えば、カード発行機)により発行された遊技用記録媒体(例えば、プリペイドカード)を用いて、遊技機(例えば、パチンコ機)に併設された遊技用装置(例えば、カードユニット)から遊技媒体(例えば、遊技球)の球貸しを受けて遊技を行う遊技用システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような遊技用システムにおいて遊技を行う場合、遊技者は、カード発行機から所定の遊技用価値(例えば、3,000円)を有するプリペイドカードの発行を受けた後、当該プリペイドカードをカードユニットに挿入し、必要な数の遊技球の貸し出しを受けて遊技を行うことになる。
【0004】
ところで、遊技者が遊技を終了する際にパチンコ機の返却ボタンを操作すると、残度数の有るプリペイドカードが遊技者に返却され、その後のカード管理は遊技者自身に委ねられる。この場合、残度数の値によっては新たなプリペイドカードの発行を受ける場合が想定される。例えば遊技者が所持しているプリペイドカードの残度数が「1」とすると、かかる残度数「1」で貸出可能な遊技球の数は一般的に25個である。
【0005】
このとき、当該遊技者が100個の遊技球の球貸しを受けようとすると、度数「4」が必要となるが、現在のプリペイドカードの残度数は「1」であるから、あと度数「3」必要となる。そこで、遊技者はカード発行機から新たなプリペイドカードの発行を受けて遊技球100個の球貸しを受ける。この場合、遊技者自身には、複数(例えば、2枚)のプリペイドカードの管理が委ねられる。
【0006】
また、以前発行を受けたプリペイドカード(以下、旧カードという)を持参し忘れてパチンコホールに来店した場合、遊技者はカード発行機から所望の遊技用価値(例えば、3,000円)を有するプリペイドカード(以下、新カードという)の発行を受けて遊技を行う。そして、遊技終了後にプリペイドカード(新カード)に残度数があれば、次回の来店時には、旧カードと共に新カードの双方のプリペイドカードを持参することになり、この場合、遊技者自身には、複数(例えば、2枚)のプリペイドカードの管理が委ねられる。
【特許文献1】特開2003−190613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、複数のプリペイドカードの管理は、残度数が無くなるまで各々のプリペイドカードを個別に管理しなければならないため手間がかかるだけで無く、複数のプリペイドカードを携行する際にかさばってしまう。この場合、遊技者のプリペイドカードに対する管理に煩わしさが増大し、遊技に対する興趣も低下してしまう虞がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、遊技用記録媒体の管理の煩わしさから遊技者を解放することが可能な遊技用装置及び記録媒体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、第1の発明は、遊技に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を受け付ける受付手段(例えば、遊技カード投入口18)と、受け付けた前記遊技用記録媒体の記録情報を読み取る読取手段(例えば、カード(R/W)リーダ/ライタ30)と、読み取った前記遊技用記録媒体の前記記録情報から特定された前記遊技用価値の大きさを記憶する記憶手段(例えば、RAM34)と、読み取った前記遊技用記録媒体の前記記録情報から特定される前記遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用する遊技媒体を貸し出すための処理を行う貸出手段(例えば、CPU22)とを備えた遊技用装置(例えば、カードユニット2)であって、前記受付手段は、複数の遊技用記録媒体を受付可能であると共に、前記受付手段に複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられた際、当該遊技用記録媒体の前記記録情報に基づいて算出された遊技用価値の大きさの合計を前記記憶手段に更新記憶する更新手段(例えば、CPU22)が設けられている。
第1の発明によれば、複数の遊技用記録媒体の遊技用価値の大きさを合計して一元管理することができるため、遊技用記録媒体の管理の煩わしさから遊技者を解放することができる。この結果、遊技者の遊技に対する興趣を維持向上させることが可能となる。
【0009】
第2の発明に係る遊技用装置おいて、前記更新手段は、算出された前記遊技用価値の大きさの合計を、受け付けられた複数の前記遊技用記録媒体のいずれかの遊技用記録媒体の前記遊技用価値として前記記憶手段に更新記憶する。
第2の発明によれば、複数の遊技用記録媒体の遊技用価値の大きさをいずれかの遊技用記録媒体の前記遊技用価値として一元管理することができるため、遊技用装置における処理が簡略化され、処理効率が向上する。
【0010】
第3の発明に係る遊技用装置は、所定の返却条件が成立したときに、受付中の前記遊技用記録媒体を返却する返却手段(例えば、遊技カード投入口18)を備えており、前記返却手段は、複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられているときは、更新記憶された前記遊技用価値の大きさの合計に対応した遊技用記録媒体のみを返却する。
第3の発明によれば、遊技用価値が残っている遊技用記録媒体のみが返却されるため、遊技者はいずれの遊技用記録媒体が使用可能であるか混乱することが無く、遊技用記録媒体を容易に管理することが可能となる。
【0011】
第4の発明は、遊技に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を受け付ける受付手段(例えば、カード挿入口106)と、受け付けた前記遊技用記録媒体の記録情報を読み取る読取手段(例えば、合算用カードカード(R/W)リーダ/ライタ110)と、読み取った前記遊技用記録媒体の前記記録情報から特定された前記遊技用価値の大きさを記憶する記憶手段(例えば、RAM102)とを備えた記録媒体処理装置(例えば、カード発行機1)であって、前記受付手段は、複数の遊技用記録媒体を受付可能であると共に、前記受付手段に複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられた際、当該遊技用記録媒体の前記記録情報に基づいて算出された遊技用価値の大きさの合計を前記記憶手段に更新記憶する更新手段(例えば、CPU104)が設けられている。
第4の発明によれば、複数の遊技用記録媒体の遊技用価値の大きさを合計して一元管理することができるため、遊技用記録媒体の管理の煩わしさから遊技者を解放することができる。この結果、遊技者の遊技に対する興趣を維持向上させることが可能となる。
【0012】
第5の発明に係る記録媒体処理装置において、前記更新手段は、算出された前記遊技用価値の大きさの合計を、受け付けられた複数の前記遊技用記録媒体のいずれかの遊技用記録媒体の前記遊技用価値として前記記憶手段に更新記憶する。
第5の発明によれば、複数の遊技用記録媒体の遊技用価値の大きさをいずれかの遊技用記録媒体の前記遊技用価値として一元管理することができるため、記録媒体処理装置における処理が簡略化され、処理効率が向上する。
【0013】
第6の発明に係る記録媒体処理装置は、所定の返却条件が成立したときに、受付中の前記遊技用記録媒体を返却する返却手段(例えば、カード排出口96)を備えており、前記返却手段は、複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられているときは、更新記憶された前記遊技用価値の大きさの合計に対応した遊技用記録媒体のみを返却する。
第6の発明によれば、遊技用価値が残っている遊技用記録媒体のみが返却されるため、遊技者はいずれの遊技用記録媒体が使用可能であるか混乱することが無く、遊技用記録媒体を容易に管理することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の遊技用記録媒体の遊技用価値の大きさを合計して一元管理することができるため、遊技用記録媒体の管理の煩わしさから遊技者を解放することができる。この結果、遊技者の遊技に対する興趣を維持向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態に係る遊技用装置及び記録媒体処理装置について、添付図面を参照して説明する。
図1には、本実施の形態に係る遊技用装置2(以下、カードユニット2という)及び記録媒体処理装置(以下、カード発行機1という)の使用態様の一例が示されている。かかる使用態様例において、カードユニット2は、各遊技島(例えば、4,6)を構成する複数台の遊技機8相互間に併設されており、各遊技島4,6を管理するユニットコントローラ10と通信可能に接続されている。なお、各遊技島4,6において、複数台の遊技機8は、その背面が互いに対向して配列され、これら遊技機8相互間にカードユニット2が併設されている。また、カード発行機1は、各遊技島4,6の島端に配設されており、ユニットコントローラ10と通信可能に接続されている。
【0016】
本実施の形態において、遊技機8としては、例えばパチンコ機やパチスロ、スロットマシンなどを想定することがきるが、以下では、パチンコ機8を例示して説明する。なお、ユニットコントローラ10は、各パチンコホール毎に設置されており、カードユニット2を管理する管理会社のサーバ12に対して所定のネットワークN(例えば、LAN(Local Area Network)、インターネットなど)を介して通信可能に接続されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、カードユニット2は、紙幣投入口14や硬貨投入口16、遊技カード投入口(受付手段)18を備えており、遊技者は、所定金額の貨幣(紙幣や硬貨)や遊技用記録媒体20(以下、プリペイドカード20という)を投入することにより、遊技に必要な遊技媒体(遊技球(図示しない))の貸し出しを受けることができる。なお、プリペイドカード20としては、例えばICカードや磁気カードなどを想定することができ、本実施の形態のカードユニット2は、例えばICカードや磁気カード形式のプリペイドカード20を受け付け可能である。
【0018】
また、カードユニット2には、中央演算装置22(以下、CPU22という)で制御されるカード挿入中ランプ(例えば、緑色発光ダイオード24a)や状態表示ランプ(例えば、黄色発光ダイオード24b、赤色発光ダイオード24c)が設けられている。この場合、緑色発光ダイオード24aは、プリペイドカード20が挿入された状態で発光し、黄色発光ダイオード24bは、硬貨の投入可能な状態で発光し、赤色発光ダイオード24cは、紙幣の投入可能な状態で発光する。なお、例えば貨幣(紙幣や硬貨)の投入詰まりやプリペイドカード20の読取エラーなどが発生した場合、CPU22により状態表示ランプ(例えば、警告ランプ24d)が起動制御されて発光する。
【0019】
このような構成において、図3及び図5に示すように、受付手段即ち遊技カード投入口18を介してプリペイドカード20がカードユニット2に受け付けられると(P1)、図示しないカード挿入検知センサの検知信号に基づいて、CPU22で制御された読取手段即ちカード(R/W)リーダ/ライタ30(以下、カードR/W30という)によりプリペイドカード20の記録情報(例えば、カードID)が読み取られる。そして、このとき読み取られたカードIDは、カードユニット2に固有のユニットIDと共に、カードユニット2の入出力(I/O)ポート38(以下、I/Oポート38という)からユニットコントローラ10に送信される(P2)。
【0020】
ユニットコントローラ10は、その入出力(I/O)ポート40(以下、I/Oポート40という)を介してカードID及びユニットIDを受信すると(P3)、カードユニット2からの照合要求に基づいて、カードID毎に残高情報が記録されているテーブル(例えば、データベース(DB)42)から該当する残高情報を読み出し、受信したカードIDと残高情報との照合を行う(P4)。
【0021】
データベース42(以下、DB42という)には、パチンコホールに設置されたカード発行機1からプリペイドカード20が発行する際に、その発行金額が当該プリペイドカード20のカードIDと共に記録される。例えば3000円のプリペイドカード20が発行された場合、DB42には、残高情報として発行金額3000円がカードIDと対応付けて記録される(図4(a))。この場合、DB42には、発行金額3000円を直接記録しても良いし、或いは、3000円を度数単位(発行度数「30」)に換算して記録しても良い。図4(a)に示されたDB42には、発行度数がカードIDやユニットID或いは残度数と対応付けて記録されるようになっているが、ユニットIDは、プリペイドカード20がカードユニット2に受け付けられたときに当該カードユニット2固有のユニットIDに対応して記録されるため、受け付け前の状態(例えば、カード発行時に発行度数「30」と残度数「30」のみが記録された状態)では未記録表示「−」となる。
なお、カード発行機1の構成については後述する。
【0022】
また、カードIDは、プリペイドカード20毎に異なる識別情報としてDB42に記録されており、同一のカードIDが重複して記録されることは無い。従って、カードユニット2から照合要求がされた場合、ユニットコントローラ10は、DB42に記録されている複数のカードIDの中から照合要求に一致する1つのカードIDを読み出し、当該カードIDの残高情報の照合を行うことになる(P4)。
【0023】
ここでは、照合が一致した場合を想定し、その後の処理を進めると、ユニットコントローラ10のI/Oポート40からカードユニット2に、照合が一致した残高情報が送信される(P5)。なお、上述したようなDB42に対するカードIDや残高情報の記録処理や読出処理は、ユニットコントローラ10に設けられた中央演算装置44(以下、CPU44という)で制御されている。
【0024】
カードユニット2は、そのI/Oポート38を介して残高情報を受信すると(P6)、当該残高情報を記憶手段(例えば、RAM34)に記憶する(P7)。ここで、ユニットコントローラ10から送信された残高情報が残金(例えば、3000円)で表されていれば、残度数に換算してRAM34に記憶される。この場合、残高情報は、所定金額(例えば、100円)を1度数とする残度数単位で記憶され、例えば3000円の残金である場合、RAM34には、残度数「30」に換算された残高情報が記憶される。なお、残高情報として残金3000円をそのまま記憶しても良い。
【0025】
このような換算は、ROM36に記憶されている処理プログラム(例えば、換算プログラム)がRAM34を作業領域としてCPU22で実行される。この場合、換算プログラムの一例としては、(残金)÷(1度数分の金額(100円))=(残度数)といったようなアプリケーションを適用すれば良い。このような換算プログラムによれば、例えば3000円の残金であれば、残度数は「30」と換算される。
これに対して、ユニットコントローラ10から送信された残高情報が残度数(例えば、「30」)で表されたものであれば、そのまま記憶手段であるRAM34に記憶される。
【0026】
また、プリペイドカード20が受け付けられている場合に、紙幣投入口14や硬貨投入口16に所定金額の貨幣(紙幣や硬貨)が投入された際、CPU22で制御された貨幣投入検知センサ26の検知信号に基づいて、貨幣識別機28により貨幣(紙幣や硬貨)の真贋が識別される。
このとき、貨幣識別機28により貨幣(紙幣や硬貨)が贋物であると識別された場合、贋物硬貨は硬貨返却口32から返却され、贋物紙幣は紙幣投入口14から返却される。
【0027】
これに対して、貨幣(紙幣や硬貨)が真正なものと識別された場合、識別した貨幣の有価価値情報が残高情報として、現在受け付け中のプリペイドカード20の残高情報に加算され、その加算結果(上記2つの残高情報の加算して得られた新たな残高情報)が記憶手段(RAM34)に更新記憶される。この場合、有価価値情報は、所定の金額(例えば、100円)を1度数とする度数単位でRAM34に記憶される。例えば貨幣識別機28により5000円分の有価価値を有する貨幣(紙幣や硬貨)であると識別された場合、RAM34には、度数「50」として残高情報が加算更新記憶される。
【0028】
このような換算は、例えばROM36に記憶されている処理プログラム(例えば、換算プログラム)がRAM34を作業領域としてCPU22で実行される。この場合、換算プログラムの一例としては、(貨幣の有価価値)÷(1度数分の金額(100円))=(貨幣の度数)といったようなアプリケーションを適用すれば良い。この場合、貨幣の有価価値(例えば、5000円)をそのままRAM34に記憶しても良い。また、記憶手段としては、ROM36を適用しても良い。なお、記憶手段(RAM34、ROM36)に加算更新記憶された新たな残高情報は、CPU22によりユニットコントローラ10に送信され、当該ユニットコントローラ10のDB42に記録される。このようにして追加入金による残高の補充が行われる。
【0029】
上述したように、記憶手段(RAM34)に残高情報が記憶されると、当該残高情報に基づいて、カードユニット2のI/Oポート38から後述するパチンコ機8の球貸し操作パネル46に残高表示信号が出力される(P8)。そして、当該残高表示信号により残り度数表示器50の7セグメントLED(Light Emitting Diode)が発光して残高が度数単位で表示される(P9)。例えば残度数が「30」であれば、残り度数表示器50に「30」と表示される。
【0030】
このようなカードユニット2は、各遊技島4,6(図1)を構成する複数台のパチンコ機8相互間に併設されており、例えば図1及び図2中向って右側に隣接したパチンコ機8と通信可能に接続することができる。具体的には、カードユニット2は、その背面に設けられたコネクタ(図示しない)がパチンコ機8の背面に設けられたコネクタ(図示しない)に対してケーブル(図示しない)で接続されており、当該ケーブルを介して各種信号の交信が行われる。
【0031】
この場合、例えばカードユニット2のI/Oポート38から出力した残高表示信号は、ケーブルを介してパチンコ機8に送信され、パチンコ機8に設けられた球貸し操作パネル46上に貸出可能数又は残高を表示させる。
図2及び図3に示すように、球貸し操作パネル46は、パチンコ機8の例えば上皿48表面に設けられており、残り度数表示器50と、球貸しボタン52(貸出ボタンともいう)と、返却ボタン54とを備えて構成されている。なお、球貸し操作パネル46の各構成(残り度数表示器50、球貸しボタン52、返却ボタン54)は、カードユニット2により直接制御が行われる。
【0032】
また、カードユニット2のCPU22は、上記ケーブルを介してパチンコ機8の払出・発射制御基板56に対して通信可能に接続されており、払出・発射制御基板56には、遊技媒体(遊技球)の払出を行う払出装置58が接続されている。
【0033】
このような構成において、球貸し操作パネル46の球貸しボタン52を操作すると、カードユニット2のCPU22と払出・発射制御基板56の入出力(I/O)ポート60(以下、I/Oポート60という)との間で球貸し処理に関する信号が交信され、このとき交信された信号に基づいて、払出・発射制御基板56の例えば中央演算装置62(以下、CPU62という)が払出装置58を駆動制御することにより、払出装置58から所定数の遊技媒体(遊技球)が払出され、パチンコ機8の上皿48に供給される。この場合、CPU22及びCPU62は、互いに貸出手段として機能する。
【0034】
なお、払出・発射制御基板56には、メイン基板64が接続されており、例えば遊技球の入賞により所定数の遊技球が払出される一般入賞口(図示しない)などに遊技媒体(遊技球)が入賞すると、メイン基板64から払出・発射制御基板56に所定コマンドが送信され、そのコマンドに基づいて払出・発射制御基板56の例えばCPU62が払出装置58を駆動制御することにより、払出装置58から所定数の遊技媒体(遊技球)が払出され、パチンコ機8の上皿48に供給される。
【0035】
また、図2に示すように、パチンコ機8は、各遊技島4,6に取り付けるための外枠66と、外枠66の前面に回動自在に軸支された内枠68と、内枠68の背後に嵌装された図示しない演出表示装置(LCD(Liquid Crystal Display)などの可変表示装置)とを備えており、内枠68の前面には、例えば入賞口などの遊技部材(図示しない)を備えて構成された遊技盤(図示しない)が着脱自在に装着されている。
【0036】
更に、内枠68の前面には、ガラス板70が嵌められたフロント扉72が回動自在に軸支されており、フロント扉72の上側には光による演出を行うランプ74が取り付けられている。また、内枠68の前面下部側には、貸出球や賞球を受け止める上皿48と、上皿48が満杯時に溢れた遊技媒体(遊技球)を受け止める下皿76と、ハンドル78と、音による演出を行うスピーカ80とが設けられている。
【0037】
このようなパチンコ機8では、遊技に際しハンドル78のレバー78aを時計回り方向に回転させると、発射ソレノイド(図示しない)が作動し、遊技媒体(遊技球)がガイドレール(図示しない)に沿って遊技領域に打ち出される。なお、本実施の形態において、遊技領域とは、ガイドレールで区画された遊技盤(図示しない)上の領域をいう。
この場合、図2及び図3、図5に示すように、遊技者は、遊技に際し残り度数表示器50の表示を参照し、球貸し操作パネル46の球貸しボタン52を操作(入力)することにより(P10)、所望数の遊技媒体(遊技球)の貸出しを受けることができる(P11)。
【0038】
ここで、例えば残り度数表示器50に残度数「30」が表示されている場合、遊技者が球貸しボタン52を入力すると(P10)、カードユニット2のCPU22とパチンコ機8(払出・発射制御基板56)のI/Oポート60との間で球貸し処理(貸出処理ともいう)に関する信号が交信される(P11)。
この場合、度数「5」分の遊技媒体(遊技球)を貸し出すための処理が行われ、度数「5」は、1度数100円とすると500円に相当し、これを遊技媒体(遊技球)の交換価値(1個4円)で換算すると、貸し出される球数は125個となる。この場合、貸出可能な残度数が「25」に更新されるため(P12)、残り度数表示器50には、残度数「25」が新たに表示される(P13、P14)。
【0039】
まず、パチンコ機8に電源が投入され、カードユニット2と通信可能状態となると、払出・発射制御基板56は貸出待機状態となり、図3に示すように、払出・発射制御基板56からPRDY信号(LOWのREADY信号)が出力され、カードユニット2のI/Oポート38を介してCPU22に出力される。この状態において、球貸しボタン52が操作されると(P10)、CPU22によりI/Oポート38からBRDY信号(LOWのREADY信号)が払出・発射制御基板56に出力される。
【0040】
このとき、CPU22によりI/Oポート38からBRQ信号(LOWの貸出要求信号)が払出・発射制御基板56に出力される。ここで、払出・発射制御基板56がBRDY信号のLOWを検出した状態においてBRQ信号のLOWを検出すると、払出・発射制御基板56は、払出装置58から遊技媒体(遊技球)の払出しが可能か否かを確認して、払出可能であればEXS信号(LOWの払出準備信号)をカードユニット2(CPU22)に出力する。
【0041】
EXS信号のLOWを検出したカードユニット2のCPU22は、BRQ信号をLOWからHIGHにすることにより、球貸しコマンドを払出・発射制御基板56に出力する。そして、BRQ信号のHIGHを検出した払出・発射制御基板56からは、払出装置58に払出信号が出力され、これに基づいて、払出装置58により遊技球25個(1度数分)の払出しが行われる(P11)。
【0042】
遊技球25個の払出しが終了すると、払出・発射制御基板56は、EXS信号をLOWからHIGHにすることにより、球貸し完了信号をカードユニット2(CPU22)に出力する。このとき、EXS信号のHIGHを検出したカードユニット2(CPU22)は、記憶手段(RAM34)に記憶された例えば遊技媒体(遊技球)の残度数「30」から1度数を減算更新する(P12)。これと同時に、更新後の残度数「29」を球貸し操作パネル46の残り度数表示器50に表示する(P13、P14)。
【0043】
具体的には、記憶手段(RAM34)に残高情報が更新記憶されると(P12)、更新後の残高情報に基づいて、カードユニット2のI/Oポート38から後述するパチンコ機8の球貸し操作パネル46に残高表示信号が出力される(P13)。そして、当該残高表示信号により残り度数表示器50の7セグメントLED(Light Emitting Diode)が発光して残高が度数単位で表示される(P14)。例えば更新後の残度数が「29」であれば、残り度数表示器50に「29」と表示される。
【0044】
カードユニット2(CPU22)は、上述したような球貸し処理を遊技媒体(遊技球)の貸出し希望分(本実施の形態では、度数「5」分に相当する5回)だけ繰り返す。そして、球貸し処理が終了したとき、BRDY信号をLOWからHIGHにすることにより、球貸終了信号を払出・発射制御基板56に出力する。これにより球貸し処理(貸出処理)が完了する。
【0045】
この後、図2及び図3、図6に示すように、球貸し操作パネル46の返却ボタン54が操作(入力)されると(T1)、上述した球貸し処理により減算更新された結果(更新後残高情報)は、カードユニット2(CPU22)からユニットコントローラ10に送信される(T2)。そして、更新後残高情報を受信したユニットコントローラ10は、それに基づいてDB(テーブル)42に記録されている残高情報の更新を行う(T3、T4)。
【0046】
このとき、更新後の残高情報において残高がある場合、ユニットコントローラ10のI/Oポート40からカードユニット2に返却指令情報が送信される(T5)。カードユニット2は、そのI/Oポート38を介して返却指令情報を受信すると(T6)、受け付けたプリペイドカード20を遊技カード投入口18から返却する(T7)。
【0047】
この場合、遊技者は返却されたプリペイドカード20を用いて、例えば他所のパチンコ機8に併設されたカードユニット2にて球貸しボタン52を操作(入力)することにより(T8)、所望数の遊技媒体(遊技球)の貸出しを受けることができる(T9)。ここで、更新後の残高情報において残高がなくなった場合(T10)、ユニットコントローラ10は、カードユニット2から送信された更新後残高情報に基づいて、当該プリペイドカード20のカード情報(DB42の記録情報:図4(a))をクリアする(T11〜T13)。このとき、ユニットコントローラ10からカードユニット2に機外排出指令情報が送信され(T14)、カードユニット2は、当該機外排出指令情報に基づいて、プリペイドカード20を機外に排出する(T15、T16)。
【0048】
機外排出において、プリペイドカード20はカードユニット2の背面から搬送路(図示しない)に排出される。搬送路は、各遊技島4,6のパチンコ機8間に配設された例えばベルトコンベアを備えて構成されており、カードユニット2から排出されたプリペイドカード20は、ベルトコンベア(搬送路)により島端のカード発行機1に搬送されてストックされる。なお、カード発行機1にストックする代わりに、例えば残高が無くなったプリペイドカード20をカードユニット2内にストックしても良い。
【0049】
ここでは、機外排出されたプリペイドカード20をカード発行機1にストックする場合を想定して話しを進める。
図1及び図3に示すように、カード発行機1は、機外排出されたプリペイドカード20をストックするためのストッカ82を備えており、ベルトコンベア(搬送路)により搬送されたプリペイドカード20は、ストッカ82上部の開口(図示しない)からストッカ82内に導入される。ストッカ82は、複数枚のプリペイドカード20を積層して収容するように構成されており、カード発行機1からプリペイドカード20を発行する際、ストッカ82内の最下層のプリペイドカード(仮に符号20eとする)から1枚ずつ取り出されて発行される。
【0050】
このようなカード発行機1には、異なる遊技用価値(有価価値)を有する複数のプリペイドカード20のサンプル(図示しない)を陳列表示するための表示部84と、サンプルの中から希望するプリペイドカード20を選択するための複数の金額ボタン86とが設けられている。ここでは一例として、表示部84に4種類のサンプル(例えば、1,000円、3,000円、5,000円、10,000円の有価価値を有する4種類のサンプル)が陳列表示されていると共に、各サンプルに対応した4種類の金額ボタン86が設けられたカード発行機1を想定する。
【0051】
図1及び図3、図7に示すように、いま、遊技者が3000円の遊技用価値(有価価値)を有するプリペイドカード20を購入する場合、カード発行機1の紙幣投入口88から3000円分の紙幣が投入されると、紙幣識別機90により紙幣の真贋が識別される。ここで、贋物であると識別された紙幣は、紙幣投入口88から返却され、真正であると識別された紙幣は、カード発行機1に回収される(S1)。真正紙幣が投入されると、紙幣識別機90からの出力信号に基づいて、金額ボタン86が入力待機状態となる。この状態において、3000円分のサンプルに対応した金額ボタン86が入力されることにより、所定のカード発行処理が行われる(S2)。
【0052】
カード発行処理では、カード発行機1のストッカ82の最下層のプリペイドカード20eが取り出され、所定の発行用カード(R/W)リーダ/ライタ92(以下、発行用カードR/W92という)により当該プリペイドカードのカードID(即ち、記録情報)が読み取られる。続いて、当該カード発行機1の発行機ID、カードID、発行金額情報などが、カード発行機1の入出力(I/O)ポート94(以下、I/Oポート94という)からユニットコントローラ10に送信される(S3)。ユニットコントローラ10は、そのI/Oポート40を介して受信した発行機ID、カードID、発行金額情報に基づいて、DB42に該当項目を記録してカードデータを作成する(S4、S5)。
【0053】
これにより、発行金額3000円とカードIDとが対応付けられてDB42に記録される(図4(a))。この場合、DB42には、発行金額3000円を直接記録しても良いし、3000円を度数単位(発行度数「30」)に換算して記録しても良い。このようにカードデータが作成されたとき、ユニットコントローラ10から送信されたカード発行指令情報に基づいて、カード発行機1から3000円の遊技用価値(有価価値)を有するプリペイドカード20が発行され(S6〜S8)、カード排出口96から排出される。
【0054】
なお、表示部84には、表示制御回路98で制御されたLCD(液晶ディスプレイ)が設けられており、表示部84に陳列表示された4種類のサンプルが演出表示されるようになっている。また、上述したようなカード発行機1の処理動作は、ROM100に記憶されている所定のプログラムがRAM102を作業領域としてCPU104で実行される。なお、RAM102には、発行したプリペイドカード20の残高情報(例えば、発行度数、残金など)が記憶される。
【0055】
また、本実施の形態の遊技用装置(カードユニット)2及び記録媒体処理装置(カード発行機)1は、複数の遊技用記録媒体(プリペイドカード)20の遊技用価値の大きさを合計して一元管理することができるように構成されている。
具体的に説明すると、カードユニット2及びカード発行機1には、受付手段を介して複数のプリペイドカード20を受付可能であり、受付手段に複数のプリペイドカード20が受け付けられた際、当該プリペイドカード20に対応した残高情報(遊技用価値の大きさ)の合計(合算結果)を記憶手段に更新記憶する更新手段が設けられている。
【0056】
また、複数のプリペイドカード20の残高情報の合算処理は、ユニットコントローラ10(CPU44)で実行され、その合算結果がカードユニット2及びカード発行機1に送信される。そして、送信された合算結果が更新手段により記憶手段に更新記憶される。
この場合、更新手段は、合算結果を複数のプリペイドカード20のいずれかの残高情報として記憶手段に更新記憶する。そして、更新記憶された残高情報に対応したプリペイドカード20のみが返却手段から返却されることになる。
【0057】
以下、このような構成が構築されたカードユニット2及びカード発行機1について説明する。
カードユニット2において、受付手段及び返却手段は遊技カード投入口18が該当すると共に、記憶手段はRAM34が該当し、また更新手段はCPU22が該当する(図2、図3)。
ここでは、2枚のプリペイドカード20を所持している遊技者が、その1枚(以下、1枚目カード20という)をカードユニット2の遊技カード投入口18に投入して所望度数の球貸し(貸出)を受けて遊技を行っている場合を想定し、残りの1枚(以下、2枚目カード20という)を遊技カード投入口18に投入する。
【0058】
図2及び図3、図5に示すように、2枚目カード20を遊技カード投入口18に投入すると(P15)、先に受け付けられた1枚目カード20が移動することにより(P16)、2枚目カード20がカードR/W30に位置付けられ、当該2枚目カード20のカードID(記録情報)が読み取られる。なお、1枚目カード20の移動方向は、奥方向、左右方向、上下方向のいずれでも良く、投入された2枚目カード20に干渉しない位置に移動させれば良い。また、1枚目カード20のカードIDは、既にユニットコントローラ10において、DB42の残高情報に対する照合が行われている。
【0059】
2枚目カード20のカードIDは、当該カードユニット2固有のユニットIDと共に、ユニットコントローラ10に送信される(P17)。このとき、ユニットコントローラ10は、カードID及びユニットIDを受信すると(P18)、カードユニット2からの照合要求に基づいてDB42(図4(a))から該当する残高情報を読み出し、受信したカードIDと残高情報との照合を行う(P19)。
【0060】
ここで、遊技カード投入口18に受け付けられた2枚のプリペイドカード20のうち、1枚目カード20のカードIDを「xxx1」とし、2枚目カード20のカードIDを「xxx2」とすると、ユニットコントローラ10においてカードID「xxx1」の残度数が「10」、カードID「xxx2」の残度数が「5」であることが照合される。この場合、これら2枚のプリペイドカード20が同一のカードユニット2に受け付けられたことは、当該カードユニット2固有のユニットID「2」に対して、1枚目カード20を示す識別子「a」が付与され、2枚目カード20を示す識別子「b」が付与されていることで照合される。
【0061】
照合処理がなされた後、1枚目カード20の残度数(以下、1枚目残度数という)「10」と2枚目カード20の残度数(以下、2枚目残度数という)「5」とを合算する処理が行われる(P20)。かかる合算処理では、1枚目残度数「10」を2枚目残度数「5」に合算する処理、2枚目残度数「5」を1枚目残度数「10」に合算する処理が可能である。ここでは一例として、1枚目残度数「10」を2枚目残度数「5」に合算する処理を想定する。
【0062】
このように1枚目残度数「10」を2枚目残度数「5」に合算することにより、例えば図4(b)に示すように、2枚目残度数は「5」から「15」に更新されると共に、1枚目カード20のカード情報(残度数、発行度数、使用台No.など)がクリアされる(P21)。この場合、2枚目カード20のカード情報が合算処理後のものであることを明らかにするために、例えば発行度数「10」に識別子「z」を付して「10z」に更新することが好ましい。なお、合算処理後のカード情報であることが分れば、これ以外の識別子を適用することができることは言うまでも無い。
【0063】
このような合算は、ROM(図示しない)に記憶されている処理プログラム(例えば、合算プログラム)がRAM(図示しない)を作業領域としてCPU44で実行される。
合算処理がなされた後、ユニットコントローラ10からカードユニット2に2枚目カード20の残高情報が送信され(P22)、カードユニット2は、受信した残高情報を記憶手段(RAM34)に更新記憶する(P23、P24)。ここでは、合算処理後の2枚目カード20の残高情報が度数単位「15」で記憶される。
【0064】
この後、カード情報がクリアされた1枚目カード20が機外に排出される(P25)。このとき、カードユニット2からパチンコ機8の球貸し操作パネル46に残高表示信号が出力され(P26)、当該残高表示信号により残り度数表示器50の7セグメントLEDが発光して残高(2枚目カード20の残高)が度数単位で表示される(P27)。この場合、残り度数表示器50に「15」と表示される。なお、機外排出された1枚目カード20は、ベルトコンベア(搬送路)により島端のカード発行機1に搬送されてストックされる。なお、カード発行機1にストックする代わりに、カードユニット2内にストックしても良い。
【0065】
一方、カード発行機1には、複数のプリペイドカード20の受付手段としてカード挿入口106が設けられており、当該カード挿入口106から挿入されたプリペイドカード20は、搬送路108に沿って搬送され、合算用カードR/W110により記録情報(カードID)が読み取られるようになっている。また、カード発行機1において、返却手段はカード排出口96が該当すると共に、記憶手段はRAM102が該当し、また更新手段はCPU104が該当する(図1、図3)。
【0066】
ここでは、2枚のプリペイドカード20を所持している遊技者が、その1枚(以下、1枚目カード20という)をカード発行機1のカード挿入口106に挿入した後、続いて残りの1枚(以下、2枚目カード20という)をカード挿入口106に挿入する場合を想定する。
【0067】
図1及び図3、図7に示すように、カード発行機1のカード挿入口106に2枚のプリペイドカード20を挿入すると(S9)、まず1枚目カード20のカードIDが合算用カードR/W110で読み取られ、当該カード発行機1の発行機IDと共にユニットコントローラ10に送信される(S10)。発行機ID及びカードIDを受信したユニットコントローラ10は、DB42(図4(a))から該当する残高情報を読み出し、受信したカードIDと残高情報との照合を行う(S11、S12)。
【0068】
かかる照合処理がなされた後、1枚目カード20を移動させることにより、2枚目カード20が合算用カードR/W110に位置付けられ、当該2枚目カード20のカードID(記録情報)が読み取られる。このとき読み取られたカードIDは、当該カード発行機1の発行機IDと共にユニットコントローラ10に送信される(S10)。発行機ID及びカードIDを受信したユニットコントローラ10は、DB42(図4(a))から該当する残高情報を読み出し、受信したカードIDと残高情報との照合を行う(S11、S12)。
【0069】
なお、1枚目カード20の移動方向は、2枚目カード20に干渉しない位置(搬送路108から外れた位置)に移動させれば良いが、図1のように合算用カードR/W110が搬送路108の下側に配置された構成では、1枚目カード20を奥方向、左右方向、上方向のいずれかの方向に移動させれば良い。
【0070】
上述したような照合処理により、1枚目及び2枚目カード20のカードIDと残度数とが照合される。例えば1枚目カード20のカードIDを「xxx1」とし、2枚目カード20のカードIDを「xxx2」とすると、図4(a)に示すように、カードID「xxx1」の残度数が「10」、カードID「xxx2」の残度数が「5」であることが照合される。この場合、これら2枚のプリペイドカード20が同一のカードユニット2に受け付けられたことは、当該カードユニット2固有のユニットID「2」に対して、1枚目カード20を示す識別子「a」が付与され、2枚目カード20を示す識別子「b」が付与されていることで照合される。
【0071】
照合処理がなされた後、1枚目カード20の残度数(以下、1枚目残度数という)「10」と2枚目カード20の残度数(以下、2枚目残度数という)「5」とを合算する処理が行われる(S13)。かかる合算処理では、1枚目残度数「10」を2枚目残度数「5」に合算する処理、2枚目残度数「5」を1枚目残度数「10」に合算する処理が可能である。ここでは一例として、1枚目残度数「10」を2枚目残度数「5」に合算する処理を想定する。
【0072】
このように1枚目残度数「10」を2枚目残度数「5」に合算することにより、例えば図4(b)に示すように、2枚目残度数は「5」から「15」に更新されると共に、1枚目カード20のカード情報(残度数、発行度数、使用台No.など)がクリアされる(S14)。この場合、2枚目カード20のカード情報が合算処理後のものであることを明らかにするために、例えば発行度数「10」に識別子「z」を付して「10z」に更新することが好ましい。なお、合算処理後のカード情報であることが分れば、これ以外の識別子を適用することができることは言うまでも無い。
【0073】
このような合算は、ROM(図示しない)に記憶されている処理プログラム(例えば、合算プログラム)がRAM(図示しない)を作業領域としてCPU44で実行される。
合算処理がなされた後、ユニットコントローラ10からカード発行機1に2枚目カード返却指令情報が送信され(S15)、カード発行機1は、受信した2枚目カード返却指令情報に基づいて、1枚目カード20をストッカ82に収容すると共に、2枚目カード20をカード排出口96から返却する(S16、S17)。なお、特に図示しないが、合算処理後の2枚目カード20の残高情報もユニットコントローラ10からカード発行機1に送信され、当該カード発行機1の記憶手段(RAM102)に度数単位「15」で記憶される。
【0074】
以上、本実施の形態の遊技用装置(カードユニット)2及び記録媒体処理装置(カード発行機)1によれば、複数の遊技用記録媒体(プリペイドカード)20の遊技用価値の大きさ(残度数)を合計して一元管理することができる。別の言い方をすると、従来では複数のプリペイドカード20の管理を個別に行わなければならず手間がかかるだけで無く、複数のプリペイドカードを携行する際にかさばっていたが、本実施の形態によれば、複数のプリペイドカード20の残度数を合算して1つのプリペイドカード20に統合して管理することができる。このため、遊技用記録媒体の管理の煩わしさから遊技者を解放することができ、その結果、遊技者の遊技に対する興趣を維持向上させることが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、複数のプリペイドカード20の遊技用価値の大きさをいずれかのプリペイドカード20の遊技用価値として一元管理することができるため、カードユニット2における処理が簡略化され、処理効率を向上させることができる。
更に、遊技用価値が残っているプリペイドカード20のみが返却されるため、遊技者はいずれのプリペイドカード20が使用可能であるか混乱することが無く、プリペイドカード20の管理を容易に行うことができる。
【0076】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のように変更することが可能である。
上述の実施の形態では、遊技用装置(カードユニット)2及び記録媒体処理装置(カード発行機)1の双方に合算機能を持たせたが、いずれか一方にのみ合算機能を持たせて構成しても良い。
【0077】
また、遊技用装置(カードユニット)2及び記録媒体処理装置(カード発行機)1の代わりに、カード合算専用装置を設けても良い。この場合、遊技者は複数のプリペイドカード20をホールスタッフに渡し、当該ホールスタッフがカード合算専用装置により残度数を1つのプリペイドカード20に合算する。この後、合算した残度数に更新した1枚のプリペイドカード20が遊技者に返却される。
【0078】
また、上述した実施の形態では、使用済のプリペイドカード20(合算後に不要となったカード)を島端にストックしたが、遊技者に返却しても良い。
また、カードユニット2及びカード発行機1において、合算後のプリペイドカード20に対して追加入金できるようにしても良いし、追加入金できないようにしても良い。
【0079】
また、カード発行機1を設ける代わりに、複数のプリペイドカードがストックされた自発行タイプのカードユニット2を構成することにより、入金に応じて所望の遊技用価値(有価価値)のプリペイドカード20を発行するように構成しても良い。
また、上述した実施の形態では、2枚のプリペイドカード20のいずれか一方に残度数を合算したが、これ以外の新たなプリペイドカード20に対して合算後の残度数を対応付けて記録するようにしても良い。
【0080】
また、上述した実施の形態では、プリペイドカード20には記録情報としてカードIDのみが記録されている場合を想定しているが、残高情報(例えば、残度数、合算後の残度数など)を記録しても良い。
また、上述した実施の形態では、合算処理は、ユニットコントローラ10で行っているが、カードユニット2及びカード発行機1において行うように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊技用装置及び記録媒体処理装置が遊技島に併設されている状態を示す斜視図。
【図2】遊技機とこれに併設された遊技用装置の外観を拡大して示す斜視図。
【図3】遊技用装置及び遊技機並びに記録媒体処理装置の主要な構成を示すブロック図。
【図4】(a)は、更新前のDBの構成例を示す図、(b)は、更新後のDBの構成例を示す図。
【図5】合算処理に至るまでの遊技用装置の動作フローを示すブロック図。
【図6】返却処理及び貸出処理の動作フローを示すブロック図。
【図7】合算処理に至るまでの記録媒体処理装置の動作フローを示すブロック図。
【符号の説明】
【0082】
2 カードユニット(遊技用装置)
20 プリペイドカード(遊技用記録媒体)
22 CPU(貸出手段、更新手段)
18 遊技カード投入口(受付手段)
30 カードR/W(読取手段)
34 RAM(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記遊技用記録媒体の記録情報を読み取る読取手段と、
読み取った前記遊技用記録媒体の前記記録情報から特定された前記遊技用価値の大きさを記憶する記憶手段と、
読み取った前記遊技用記録媒体の前記記録情報から特定される前記遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用する遊技媒体を貸し出すための処理を行う貸出手段とを備えた遊技用装置であって、
前記受付手段は、複数の遊技用記録媒体を受付可能であると共に、
前記受付手段に複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられた際、当該遊技用記録媒体の前記記録情報に基づいて算出された遊技用価値の大きさの合計を前記記憶手段に更新記憶する更新手段が設けられていることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記更新手段は、算出された前記遊技用価値の大きさの合計を、受け付けられた複数の前記遊技用記録媒体のいずれかの遊技用記録媒体の前記遊技用価値として前記記憶手段に更新記憶することを特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
所定の返却条件が成立したときに、受付中の前記遊技用記録媒体を返却する返却手段を備えており、
前記返却手段は、複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられているときは、更新記憶された前記遊技用価値の大きさの合計に対応した遊技用記録媒体のみを返却することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
遊技に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記遊技用記録媒体の記録情報を読み取る読取手段と、
読み取った前記遊技用記録媒体の前記記録情報から特定された前記遊技用価値の大きさを記憶する記憶手段とを備えた記録媒体処理装置であって、
前記受付手段は、複数の遊技用記録媒体を受付可能であると共に、
前記受付手段に複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられた際、当該遊技用記録媒体の前記記録情報に基づいて算出された遊技用価値の大きさの合計を前記記憶手段に更新記憶する更新手段が設けられていることを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項5】
前記更新手段は、算出された前記遊技用価値の大きさの合計を、受け付けられた複数の前記遊技用記録媒体のいずれかの遊技用記録媒体の前記遊技用価値として前記記憶手段に更新記憶することを特徴とする請求項4に記載の記録媒体処理装置。
【請求項6】
所定の返却条件が成立したときに、受付中の前記遊技用記録媒体を返却する返却手段を備えており、
前記返却手段は、複数の前記遊技用記録媒体が受け付けられているときは、更新記憶された前記遊技用価値の大きさの合計に対応した遊技用記録媒体のみを返却することを特徴とする請求項4又は5に記載の記録媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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