遊星歯車装置
【課題】上側および下側のギヤ群の間で反転部と切替え部とを備えた遊星歯車装置を提供する。
【解決手段】遊星歯車装置1が、ロック装置9.1、9.2と、ロック装置6.1、6.2とを備えており、上側ギヤ群の駆動部2の回転方向で被駆動部7を回転させるために、キャリア5が被駆動部7とロック装置6.1を介して接続可能であり、リングギヤ8が被駆動部7とロック装置9.1を介して接続可能である。下側ギヤ群の駆動部2の回転方向で被駆動部7を回転させるために、キャリア5が被駆動部7とロック装置6.2を介して接続可能であり、リングギヤ8がケーシング10とロック装置9.2を介して接続可能である。
【解決手段】遊星歯車装置1が、ロック装置9.1、9.2と、ロック装置6.1、6.2とを備えており、上側ギヤ群の駆動部2の回転方向で被駆動部7を回転させるために、キャリア5が被駆動部7とロック装置6.1を介して接続可能であり、リングギヤ8が被駆動部7とロック装置9.1を介して接続可能である。下側ギヤ群の駆動部2の回転方向で被駆動部7を回転させるために、キャリア5が被駆動部7とロック装置6.2を介して接続可能であり、リングギヤ8がケーシング10とロック装置9.2を介して接続可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動装置の前かるいは後ろに接続されている、請求項1の上位概念による遊星歯車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、ギヤ比の大きい機械式の付加的な遊星歯車装置が知られている。この遊星歯車装置は、細かいギヤ段を備えた機械式に切替え可能な変速装置を有する組立体用である。遊星歯車装置は、単純な遊星歯車機構から成り、その入力部はサンギヤであり、その出力部は遊星キャリアである。
切替えスリーブは、外歯でもって外側歯車の歯においてスライド可能に支持されており、かつ内歯でもってセンターピースでスライド可能に支持されている。切替えスリーブは、外側位置において、外歯を遊星歯車と不動に接続している第一歯に接続し、かつ第二外側位置において、補助伝動装置のケーシングと不動に接続している第二歯に接続している。
【0003】
特許文献2からは、ケーシング内で保持され、かつ軸駆動トランスミッションおよびリバーシングトランスミッションとして形成された遊星歯車機構を備えた、車両、とくに原動機付車両のための遊星歯車装置が知られている。遊星歯車機構は駆動部と接続しているサンギヤ、リングギヤおよび遊星歯車を支持している遊星キャリアを備えている。駆動接続部を製造するために、第一回転方向では、遊星キャリアは遊星歯車機構に後続して接続しているドライブギヤと、そしてリングギヤは固定されたケーシングと接続可能であり、第二方向では、リングギヤはドライブギヤと、そして遊星キャリアはケーシングと接続可能である。
ドライブギヤ上で回転不能に、しかし軸方向では移動可能に支持されたガイドスリーブが設けられており、このガイドスリーブは二重に作用する第一同期装置を介して、選択的に、軸方向で並んで配置された二つの構成部品の一つと接続可能であり、これらの構成部品のうち、一方は遊星キャリアと接続し、他方はリングギヤと接続している。
ガイドスリーブは、回転可能であるが、軸方向で移動不能に支持されたチェンジギヤを担持しており、このチェンジギヤは常に歯部と噛合った状態で、リングギヤと接続された構成部品の一つに沿って静止しており、かつ軸方向の移動の際、第二同期装置を介して、ケーシングに支持された構成部品の一つと接続可能である。
【0004】
特許文献3から、一平面内で移動不能に設けられた平歯歯車を備え、この平歯歯車により、内側サンギヤが駆動軸と常に接続しており、その一方で、減速される前進ギヤと減速されるリバースギヤと直接の前進ギヤを得るために、遊星キャリアと外側サンギヤが、駆動軸と個別にあるいは共通に接続されるか、あるいは摩擦ブレーキを用いて固定される、
流体伝動装置に後続して接続されるべき遊星歯車装置が知られている。
遊星キャリアと外側サンギヤは、シフトスリーブあるいはそのようなものを介して、被駆動軸と形状一体的に、しかしながら任意に切替え可能な摩擦クラッチを介して、被駆動軸と互いに動力が伝達できるように接続している。
【0005】
特許文献4からは、入り口と出口の間で回転を反転するためのトランスミッションユニットを使用するための反転切替え機構が知られている。
遊星歯車組の第一要素は、駆動部と回転不能に接続している。遊星歯車組の第二、第三要素は、各々ワンウェイクラッチを介して駆動部と接続可能である。ワンウェイクラッチは両方とも、被駆動部の回転方向を逆にするためにロックするように構成されている。反転切替え機構は、例えば第二要素と第三要素と被駆動部の間の相対回転数を発生させるためのブレーキユニットとしての構造の、第二要素と第三要素の間に設けられた相対回転数発生装置を備えている。
【特許文献1】独国特許出願公開第2059351号明細書
【特許文献2】独国特許第3330303号明細書
【特許文献3】独国特許第920532号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10146836号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底をなす課題は、上側および下側のギヤ群の間で反転部と切替え部とを備えた遊星歯車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1による遊星歯車装置を備えることにより解決される。
【0008】
本発明による遊星歯車装置により、一方においては方向の反転、すなわち前進および後退走行が可能になり、他方においては上側ギヤ群、すなわち上側ギヤ比と、下側ギヤ群、すなわち下側ギヤ比の間の選択が可能になる。
【0009】
さらに、遊星歯車装置により、駆動部も被駆動部も遊星歯車装置のケーシングと回転不能であることが可能になり、したがって車両の停止状態が生じる。
【0010】
本発明による遊星歯車装置により、駆動部の回転方向に一致する方向での走行、例えば上側ギヤ群での伝動機構のギヤ段における、および下側ギヤ群での伝動機構のギヤ段における前進走行が可能になる。さらに本発明による遊星歯車装置により、反対の方向への走行、例えば下側ギヤ群での伝動機構のギヤ段における後退走行が可能になる。
伝動機構が例えば六つのギヤ段を有していると、本発明による遊星歯車装置を用いて、上側ギヤ群での六つの前進ギヤ、下側ギヤ群での六つの前進ギヤ、および下側ギヤ群での六つの後退ギヤが実現可能である。
【0011】
それに加えて、伝動機構と遊星歯車装置の間で駆動機構の回転方向の方向転換が行われる限り、本発明による遊星歯車装置により、下側ギヤ群での前進走行、そして上側および下側ギヤ群での後退走行も可能になる。
【0012】
本発明の有利な実施形態において、ロック装置は切替えスリーブである。両ギヤ群間での、あるいは方向転換の際の切替えは、車両が停止状態の場合にだけ行われるにすぎない。車両が走行している際に駆動部がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルクならびにシールトルクに応じて、被駆動部の制動が行われる、すなわち回転数が減少する。
【0013】
本発明の有利な実施形態において、ロック装置は爪状クラッチである。両ギヤ群間での、あるいは方向転換の際の切替えは、走行時に行われるが、動力の伝達は無しで行われる。車両が走行する際、駆動部がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルク、ならびにシールトルクに応じて、制動力が生じる、すなわち被駆動部の回転数が減少する。
【0014】
本発明の有利な実施形態において、本発明による遊星歯車装置では、二つのワンウェイクラッチが遊星歯車装置と被駆動部の間で接続して一体化されている。一方のワンウェイクラッチはキャリアと被駆動部の間に、他方のワンウェイクラッチはリングギヤと被駆動部の間に設けられている。
駆動は駆動部と不動に接続しているサンギヤを介して行われる。二つのワンウェイクラッチは反対のロック方向を有しており、従って一方のワンウェイクラッチのロック方向は、他方のワンウェイクラッチの自由回転方向に一致する。キャリアと被駆動部の間に設けられているワンウェイクラッチのロック方向は、サンギヤ、従って駆動部の回転方向に一致する。
【0015】
回転方向を反転するために、キャリアは、遊星キャリアとも呼ばれているが、ロック装置を介して、例えばケーシングと不動に接続しているブレーキ、あるいは切替え可能なワンウェイクラッチを介してケーシングと回転不能に接続される。下側ギヤ群に切替えるために、リングギヤは例えばケーシングと不動に接続しているブレーキ、あるいは切替え可能なワンウェイクラッチによりケーシングと接続している。
【0016】
通常走行範囲において、すなわち上側ギヤ群において、遊星歯車装置は、ワンウェイクラッチの逆方向の配設に基づいて、すなわち一方のワンウェイクラッチの自由回転方向は他方のワンウェイクラッチのロック方向に一致しているが、自由度もなく駆動されるサンギヤの回転数で回転する。この場合、キャリアと被駆動部の間、ならびにリングギヤと被駆動部の間で速度の相違は生じず、従って走行において駆動出力の損失はきわめてわずかしか生じない。
【0017】
下側ギヤ群へ切替えるために、すなわち動力伝達を切替えるために、例えばケーシングと不動に接続しているブレーキあるいは切替え可能なワンウェイクラッチにより、ロック装置による駆動部から被駆動部への動力伝達の遮断もなくケーシングと回転不能にロックされる。
切替え可能なワンウェイクラッチは、ロック作用が切替えによって相殺されること、すなわち例えば両切替え位置の一方では、ワンウェイクラッチの回転方向がどちらも自由回転方向であり、他方の切替え位置では、ワンウェイクラッチの一方の回転方向はロック方向であり、他方の回転方向は自由回転方向であることを特徴としている。
【0018】
他方の回転方向へ切替えるために、例えば後退走行へ切替えるために、通常走行、例えば前進走行から、キャリアはロック装置により、例えばケーシングと不動に接続しているブレーキあるいは切替え可能なワンウェイクラッチにより、ケーシングと回転不能にロックされ、被駆動トルクは回転方向での損失なく変化する。
【0019】
エネルギー節約手段をエンジンブレーキを取り去ることにより具現化できるように、遊星歯車装置は全ての走行範囲において、すなわち前進および後退走行において上側および下側ギヤ群は自由回転機能により別の機能性を示す。個々の走行範囲間の切替えは走行時に行われる。
【0020】
本発明による遊星歯車装置は、きわめて少ない構成部品から成り、従って重量をわずかにし、製造費用を格安にすることができる。
【0021】
ケーシングに対するキャリアとリングギヤのロックが、ブレーキ、例えばマルチディスクブレーキあるいはディスクブレーキにより行われると有利である。
【0022】
形状一体的なロック装置の場合、惰行運転において、エンジンブレーキトルクにより生じる車両のブレーキは、空気抵抗、勾配の抵抗および転がり抵抗によるブレーキ作用を介して行われる。
ワンウェイクラッチで構成されたロック装置の場合、このブレーキ作用は生じない。なぜなら、オーバーホール作用(Uberhohlwirkung)は自由回転方向においてトルク伝達をまったく伴わないからである。従って、駆動部の回転数低下は、切替え過程あるいは接続過程が無くとも被駆動部の回転数を維持する際に可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[実施例]
図1は本発明による遊星歯車装置1の第一実施形態の概略図を示す。遊星歯車装置1は、図示していない歯車装置、例えばマニュアル変速装置かあるいは自動変速装置に、歯車装置の被駆動部が遊星歯車装置1の駆動部2であるように後ろに接続されている。サンギヤ3は駆動部2と固く接続している。サンギヤ3が駆動部2により回転方向に駆動されると、遊星歯車4はサンギヤ3の回転方向とは逆の方向にサンギヤ3上で回転する。遊星歯車4は、遊星歯車が互いに接続しているキャリア5をサンギヤ3の方向へ駆動しようとする。
【0024】
遊星歯車装置1は例えば切替えスリーブかあるいは爪状クラッチの形成部においてロック装置6を備えており、このロック装置はキャリア5を被駆動部7と、トルクがキャリア5から被駆動部7へ伝達されるように接続しており、従って被駆動部7はサンギヤ3の回転方向に回転する。キャリア5は被駆動部7の端部にある車両歯車従って車両の駆動トルクに抗して機能する。この負荷トルクに打ち勝つために、遊星歯車4はキャリア5によるフィードバックを介してサンギヤ3の回転方向とは逆に向いた動力伝達をリングギヤ8に行うので、リングギヤ8はサンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向で遊星歯車4により駆動される。
【0025】
サンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向は、例えばリングギヤ8を被駆動部7と接続させる、切替えスリーブかあるいは爪状クラッチで構成されたロック装置9により妨げられ、かつ相対回転数を生じることも妨げられる。被駆動部の7内部のこのような拘束力により、キャリア5とリングギヤ8の間の相対運動は阻止され、従ってキャリア5の回転方向と、リングギヤ8の回転方向と被駆動部7の回転方向は、サンギヤ3の回転方向に一致する。キャリア5の回転数と、リングギヤ8の回転数は、サンギヤ3の回転数に一致する。従って被駆動部7の回転数は駆動部2の回転数に一致する。このような配設により、被駆動部7の回転は、サンギヤ3と駆動部2の回転方向で、例えば前方へ、上側ギヤ群において可能である。
【0026】
図1bには遊星歯車装置1の状態が示してあり、この状態の場合、急速な前進走行から、すなわち上側ギヤ群が遅い前進ギヤに、言い換えれば、下側ギヤ群に切替えられ、その際、切替えスリーブにおける切替えは、車両が停止している場合にだけか、あるいはクラッチを操作することにより行われる。リングギヤ8はロック装置9を介して、遊星歯車装置1のケーシング10により、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続しているようにロックされる。キャリア5はロック装置6を介して被駆動部7と接続されている。
【0027】
車両の慣性により、被駆動部7は、駆動部2の回転数が被駆動部7の低い回転数同じである場合に、例えば+1の固定ギヤ比でもって回転するキャリア5により駆動される。固定ギヤ比は、サンギヤ3の歯の総数に対する、負の符号を備えたリングギヤ8の歯の総数の比である。
【0028】
図1cには、遊星歯車装置1の状態が示してあり、この状態の場合、バックに切替えた際に、キャリア5はロック装置6により回転不能にケーシング10と接続している。リングギヤ8はロック装置9を介して被駆動部7と接続している。被駆動部7の回転数は駆動部2の回転数に比べて低く、従ってこの配設により回転方向は例えば後方に、下側ギヤ群において可能になる。この回転数の比は固定ギヤ比に相当する。
【0029】
図1dには、遊星歯車装置1の状態が示してあり、この状態の場合、“駐車”のモードに切替えた際、キャリア5は、キャリア5がケーシング10及び被駆動部7と回転不能に接続しているようにロック装置6によりロックされる。リングギヤ8はリングギヤ8がケーシング10及び被駆動部7と回転不能に接続しているようにロック装置9によりロックされる。この状態においては、駆動部2も、被駆動部7も回転できない。
【0030】
駐車モードを作動させるために、被駆動部7とすでに係合状態にある爪状部が、切替えスリーブ内側歯部とケーシング10の外側歯部により支持され、被駆動部7が遮断される。
【0031】
車両が走行している際に駆動部2がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルクならびにシールトルクに応じて、被駆動部7の制動が行われる、すなわち回転数が減少する。
【0032】
図2aは本発明による遊星歯車装置1の第二の実施形態の概略図を示す。遊星歯車装置1は、図示していない歯車装置、例えばマニュアル変速装置かあるいは自動変速装置に、歯車装置の被駆動部が遊星歯車装置1の駆動部2であるように後ろに接続されている。
サンギヤ3は駆動部2と固く接続している。サンギヤ3が駆動部2により回転方向に駆動されると、遊星歯車4はサンギヤ3の回転方向とは逆の方向にサンギヤ3上で回転する。遊星歯車4は、遊星歯車が互いに接続しているキャリア5をサンギヤ3の方向へ駆動しようとする。キャリア5と被駆動部7の間に設けられているワンウェイクラッチで構成されたロック装置6.1のサンギヤ3の回転方向におけるロック方向により、キャリア5は被駆動部7の端部にある歯車、従って車両の駆動トルクの慣性に抗して機能する。
【0033】
この負荷トルクに打ち勝つために、遊星歯車4はキャリア5によるフィードバックを介してサンギヤ3の回転方向とは逆に向いた動力伝達をリングギヤ8に行うので、リングギヤ8はサンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向で遊星歯車4により駆動される。
【0034】
ここではワンウェイクラッチがロック装置内でサンギヤ3の回転方向とは逆方向にロックされ、相対回転数が制御されることにより、サンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向は、リングギヤ8と被駆動部7の間に設けられているワンウェイクラッチで構成されたロック装置9.1によってのみ妨げられる。被駆動部7の内部のワンウェイクラッチのロック方向から生じるこれらの拘束力により、キャリア5とリングギヤ8の間の相対運動は妨げられ、従ってキャリア5の回転方向と、リングギヤ8の回転方向と、被駆動部7の回転方向は、サンギヤ3の回転方向に一致する。トルクはキャリア5からワンウェイクラッチを介して被駆動部7に伝達される。キャリア5の回転数とリングギヤ8の回転数は、サンギヤ3の回転数に一致する。従って、被駆動部7の回転数は、駆動部2の回転数に一致する。この配設により、サンギヤ3と駆動部2の回転方向における、例えば前方への被駆動部7の回転は、上側ギヤ群において可能である。
【0035】
車両が走行する際、駆動部2がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルク、ならびにシールトルクに応じて、被駆動部7は自由回転する。というのも被駆動部7の回転数がキャリア5とリングギヤ8の回転数に比べて高く、かつワンウェイクラッチがいわゆる自由回転するからである。したがって、図示していないエンジンを絞り、ギヤシフトを行う必要もなく、あるいはギヤの連結解除をすることもなく車両を勝手に進ませることができる。
【0036】
図2bには、急速な前進走行から、すなわち上側ギヤ群が、遅い前進ギヤに、すなわち下側ギヤ群に接続される、遊星歯車装置1の状態を示してある。リングギヤ8はロック装置9.2を介して、例えば遊星歯車装置1のケーシング10と固く接続しているマルチディスクブレーキあるいはディスクブレーキの構造において、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続しているようにロックされる。
【0037】
車両の慣性により、被駆動部7はリングギヤ8と被駆動部7の間のワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向でワンウェイクラッチ方向に、かつ駆動部2の回転数が被駆動部7のわずかな回転数と同じ場合に、例えば+1の固定ギヤ比でもって回転するキャリア5により駆動される。
【0038】
ロック装置9.2を介してリングギヤ8を急速に減速することにより、走行状態に依存して、キャリア5と被駆動部7の間のワンウェイクラッチの自由回転の時間は短くなる。というのも被駆動部7は車両の慣性に基づいて尚、何回転かキャリア5により急速に回転するからである。被駆動部7とキャリア5の間で同じ回転数に達すると、ワンウェイクラッチは再度ロック方向に作動し、かつ被駆動部7とその後方に設けられた車両を下側歯車群において駆動する。
【0039】
図2cには遊星歯車装置1の状態を示してあり、この状態において、ギヤシフトの際、バック走行でキャリア5は、遊星歯車装置1のケーシング10と不動に接続しているロック装置6.2により回転不能にケーシング10と接続される。被駆動部7はワンウェイクラッチの自由回転方向でキャリア5により回転し始める。なぜなら、被駆動部7は、サンギヤ3の回転方向と反対のワンウェイクラッチのロック方向で回転するリングギヤ8により駆動されるからである。被駆動部7の回転数は、駆動部2の回転数に比べてわずかに低く、従ってこの配設により回転方向、例えば逆方向への回転方向は下側ギヤ群において可能となる。
【0040】
図2dには遊星歯車装置1の状態を示してあり、この状態において、ギヤシフトの際、“駐車”のモードで、キャリア5はキャリア5がケーシング10と回転不能に接続しているようにロック装置6.2によりロックされる。リングギヤ8はロック装置9.2により、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続しているようにロックされる。被駆動部7の回転は、ワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向と反対の自由回転方向によって、かつワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向の自由回転方向によって妨げられる。ロック装置6.2,9.2は例えば摩擦ブレーキとして構成されており、かつロック方向で作動する。被駆動部7でワンウェイクラッチと協働して、ロック装置により、各方向で被駆動部7の回転運動が妨げられる。
【0041】
図3は本発明による遊星歯車装置1の第三実施形態の概略図を示す。遊星歯車装置1は図示していない伝動装置、例えばマニュアルトランスミッションンあるいはアートマチックトランスミッションであり、伝動装置の被駆動部が遊星歯車装置1の駆動部2であるように後方に接続されている。サンギヤ3は駆動部2と不動に接続している。サンギヤ3が駆動部2により回転方向に駆動されると、遊星歯車4はサンギヤ3とは反対の方向でサンギヤ3上を回転する。遊星歯車4は、遊星歯車が上下に接続しているキャリア5をサンギヤ3の回転方向に駆動しようとする。従ってキャリア5と被駆動部7の間に設けられたワンウェイクラッチ構造におけるロック装置6.1のサンギヤ3の回転方向のロック方向により、キャリア5は駆動部7の端部にある歯車従って車両の駆動トルクの慣性に抗して機能する。
この負荷トルクに打ち勝つために、遊星歯車4はキャリア5のフィードバックを介してサンギヤ3の回転方向とは逆に向けられた動力伝達をリングギヤ8に行うので、リングギヤ8はサンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向に遊星歯車4により駆動される。
【0042】
サンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向は、ここではロック装置内のワンウェイクラッチがサンギヤ3の回転方向とは逆方向にロックされることにより、リングギヤ8と被駆動部7の間に設けられたワンウェイクラッチで構成されたロック装置9により妨げられ、かつ相対回転数を生じることも妨げられる。被駆動部7の内部のワンウェイクラッチのロック方向から生じる拘束力により、キャリア5とリングギヤ8の間の相対運動は妨げられ、従ってキャリア5の回転方向と、リングギヤ8の回転方向と、被駆動部7の回転方向は、サンギヤ3の回転方向に一致する。トルクはキャリア5によりワンウェイクラッチを介して被駆動部7に伝達される。キャリア5の回転数とリングギヤ8の回転数は、サンギヤ3の回転数に一致する。従って被駆動部7の回転数は駆動部2の回転数に一致する。この配設により、被駆動部7の回転は、サンギヤ3と駆動部2の回転方向に。例えば前方に向かって上側ギヤ群において可能になる。
【0043】
車両の走行の際、駆動部2がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルク、ならびにシールトルクに応じて、被駆動部7は自由回転する。というのも被駆動部7の回転数がキャリア5とリングギヤ8の回転数に比べて高く、ワンウェイクラッチがいわゆる自由回転するからである。従って図示していないエンジンを絞り、ギヤシフトを行う必要もなく、あるいはギヤの連結解除をすることもなく車両は勝手に進ませることができる。
【0044】
急速な前進走行から、すなわち上側ギヤ群が遅い前進ギヤに、すなわち下側ギヤ群にシフトされると、リングギヤ8はそのロック方向がサンギヤ3の回転方向である切替え可能なワンウェイクラッチの構造のロック装置9.2を介して、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続されているようにロックされる。前記ロック装置は遊星歯車装置1のケーシング10と不動に接続されている。
【0045】
車両の慣性により、被駆動部7はリングギヤ8と被駆動部7の間のワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向でワンウェイクラッチ方向に、かつ駆動部2の回転数が被駆動部7のわずかな回転数と同じ場合に、例えば+1の固定ギヤ比でもって回転するキャリア5により駆動される。
【0046】
ロック装置9.2を介してリングギヤ8を急速に減速することにより、走行状態に依存して、キャリア5と被駆動部7の間のワンウェイクラッチの自由回転の時間は短くなる。というのも被駆動部7は車両の慣性に基づいて尚何回転かキャリア5の下方で急速に回転するからである。被駆動部7とキャリア5の間で同じ回転数に達すると、ワンウェイクラッチは再度ロック方向に作動し、かつ被駆動部7とその後方に設けられた車両を下側歯車群において駆動する。
【0047】
逆の走行(バック)へ切替える際、キャリア5が、遊星歯車装置1のケーシング10と不動に接続しており、ロック方向がサンギヤ3の回転方向である切替え可能なワンウェイクラッチの構造のロック装置6.2により、キャリア5がケーシング10と接続すると、被駆動部7はワンウェイクラッチの自由回転方向でキャリア5により回転し始める。なぜなら、被駆動部7は、サンギヤ3の回転方向と反対のワンウェイクラッチのロック方向で回転するリングギヤ8により駆動されるからである。被駆動部7の回転数は、駆動部2の回転数に比べてわずかに低く、従ってこの配設により回転方向、例えば逆方向への回転方向は下側ギヤ群において可能となる。回転数比は固定ギヤ比に相当する。
【0048】
“駐車”のモードへ切替える際、キャリア5がそのように切替え可能なワンウェイクラッチによりロックされると、キャリア5はケーシング10と回転不能に接続されている。リングギヤ8は、切替え可能なワンウェイクラッチにより、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続されているようにロックされる。被駆動部7の回転は、ワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向と反対の自由回転方向によって、かつワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向の自由回転方向によって妨げられる。ロック装置6.2,9.2は例えば切替え可能なワンウェイクラッチとして構成されており、かつロック方向で作動する。
【0049】
図4は一部が断面となっている、本発明による遊星歯車装置を示す。ロック装置6,9はこの実施形態では切替えスリーブである。
【0050】
図5は一部が断面となっている、本発明による遊星歯車装置を示す。ロック装置6.1,9.1はこの実施形態ではワンウェイクラッチであり、ロック装置6.2,9.2はマルチディスクブレーキである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1a】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図1b】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図1c】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図1d】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図2a】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図2b】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図2c】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図2d】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図3】本発明による遊星歯車装置の第三実施形態の概略図である。
【図4】一部が断面となっている本発明による遊星歯車装置の図である。
【図5】一部が断面となっている本発明による遊星歯車装置の図である。
【符号の説明】
【0052】
1 遊星歯車装置
2 駆動部
3 サンギヤ
4 遊星歯車
5 キャリア
6 ロック装置
・ ロック装置
・ ロック装置
7 被駆動部
8 リングギヤ
9 ロック装置
9.1 ロック装置
9.2 ロック装置
10 ケーシング
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動装置の前かるいは後ろに接続されている、請求項1の上位概念による遊星歯車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、ギヤ比の大きい機械式の付加的な遊星歯車装置が知られている。この遊星歯車装置は、細かいギヤ段を備えた機械式に切替え可能な変速装置を有する組立体用である。遊星歯車装置は、単純な遊星歯車機構から成り、その入力部はサンギヤであり、その出力部は遊星キャリアである。
切替えスリーブは、外歯でもって外側歯車の歯においてスライド可能に支持されており、かつ内歯でもってセンターピースでスライド可能に支持されている。切替えスリーブは、外側位置において、外歯を遊星歯車と不動に接続している第一歯に接続し、かつ第二外側位置において、補助伝動装置のケーシングと不動に接続している第二歯に接続している。
【0003】
特許文献2からは、ケーシング内で保持され、かつ軸駆動トランスミッションおよびリバーシングトランスミッションとして形成された遊星歯車機構を備えた、車両、とくに原動機付車両のための遊星歯車装置が知られている。遊星歯車機構は駆動部と接続しているサンギヤ、リングギヤおよび遊星歯車を支持している遊星キャリアを備えている。駆動接続部を製造するために、第一回転方向では、遊星キャリアは遊星歯車機構に後続して接続しているドライブギヤと、そしてリングギヤは固定されたケーシングと接続可能であり、第二方向では、リングギヤはドライブギヤと、そして遊星キャリアはケーシングと接続可能である。
ドライブギヤ上で回転不能に、しかし軸方向では移動可能に支持されたガイドスリーブが設けられており、このガイドスリーブは二重に作用する第一同期装置を介して、選択的に、軸方向で並んで配置された二つの構成部品の一つと接続可能であり、これらの構成部品のうち、一方は遊星キャリアと接続し、他方はリングギヤと接続している。
ガイドスリーブは、回転可能であるが、軸方向で移動不能に支持されたチェンジギヤを担持しており、このチェンジギヤは常に歯部と噛合った状態で、リングギヤと接続された構成部品の一つに沿って静止しており、かつ軸方向の移動の際、第二同期装置を介して、ケーシングに支持された構成部品の一つと接続可能である。
【0004】
特許文献3から、一平面内で移動不能に設けられた平歯歯車を備え、この平歯歯車により、内側サンギヤが駆動軸と常に接続しており、その一方で、減速される前進ギヤと減速されるリバースギヤと直接の前進ギヤを得るために、遊星キャリアと外側サンギヤが、駆動軸と個別にあるいは共通に接続されるか、あるいは摩擦ブレーキを用いて固定される、
流体伝動装置に後続して接続されるべき遊星歯車装置が知られている。
遊星キャリアと外側サンギヤは、シフトスリーブあるいはそのようなものを介して、被駆動軸と形状一体的に、しかしながら任意に切替え可能な摩擦クラッチを介して、被駆動軸と互いに動力が伝達できるように接続している。
【0005】
特許文献4からは、入り口と出口の間で回転を反転するためのトランスミッションユニットを使用するための反転切替え機構が知られている。
遊星歯車組の第一要素は、駆動部と回転不能に接続している。遊星歯車組の第二、第三要素は、各々ワンウェイクラッチを介して駆動部と接続可能である。ワンウェイクラッチは両方とも、被駆動部の回転方向を逆にするためにロックするように構成されている。反転切替え機構は、例えば第二要素と第三要素と被駆動部の間の相対回転数を発生させるためのブレーキユニットとしての構造の、第二要素と第三要素の間に設けられた相対回転数発生装置を備えている。
【特許文献1】独国特許出願公開第2059351号明細書
【特許文献2】独国特許第3330303号明細書
【特許文献3】独国特許第920532号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10146836号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底をなす課題は、上側および下側のギヤ群の間で反転部と切替え部とを備えた遊星歯車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1による遊星歯車装置を備えることにより解決される。
【0008】
本発明による遊星歯車装置により、一方においては方向の反転、すなわち前進および後退走行が可能になり、他方においては上側ギヤ群、すなわち上側ギヤ比と、下側ギヤ群、すなわち下側ギヤ比の間の選択が可能になる。
【0009】
さらに、遊星歯車装置により、駆動部も被駆動部も遊星歯車装置のケーシングと回転不能であることが可能になり、したがって車両の停止状態が生じる。
【0010】
本発明による遊星歯車装置により、駆動部の回転方向に一致する方向での走行、例えば上側ギヤ群での伝動機構のギヤ段における、および下側ギヤ群での伝動機構のギヤ段における前進走行が可能になる。さらに本発明による遊星歯車装置により、反対の方向への走行、例えば下側ギヤ群での伝動機構のギヤ段における後退走行が可能になる。
伝動機構が例えば六つのギヤ段を有していると、本発明による遊星歯車装置を用いて、上側ギヤ群での六つの前進ギヤ、下側ギヤ群での六つの前進ギヤ、および下側ギヤ群での六つの後退ギヤが実現可能である。
【0011】
それに加えて、伝動機構と遊星歯車装置の間で駆動機構の回転方向の方向転換が行われる限り、本発明による遊星歯車装置により、下側ギヤ群での前進走行、そして上側および下側ギヤ群での後退走行も可能になる。
【0012】
本発明の有利な実施形態において、ロック装置は切替えスリーブである。両ギヤ群間での、あるいは方向転換の際の切替えは、車両が停止状態の場合にだけ行われるにすぎない。車両が走行している際に駆動部がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルクならびにシールトルクに応じて、被駆動部の制動が行われる、すなわち回転数が減少する。
【0013】
本発明の有利な実施形態において、ロック装置は爪状クラッチである。両ギヤ群間での、あるいは方向転換の際の切替えは、走行時に行われるが、動力の伝達は無しで行われる。車両が走行する際、駆動部がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルク、ならびにシールトルクに応じて、制動力が生じる、すなわち被駆動部の回転数が減少する。
【0014】
本発明の有利な実施形態において、本発明による遊星歯車装置では、二つのワンウェイクラッチが遊星歯車装置と被駆動部の間で接続して一体化されている。一方のワンウェイクラッチはキャリアと被駆動部の間に、他方のワンウェイクラッチはリングギヤと被駆動部の間に設けられている。
駆動は駆動部と不動に接続しているサンギヤを介して行われる。二つのワンウェイクラッチは反対のロック方向を有しており、従って一方のワンウェイクラッチのロック方向は、他方のワンウェイクラッチの自由回転方向に一致する。キャリアと被駆動部の間に設けられているワンウェイクラッチのロック方向は、サンギヤ、従って駆動部の回転方向に一致する。
【0015】
回転方向を反転するために、キャリアは、遊星キャリアとも呼ばれているが、ロック装置を介して、例えばケーシングと不動に接続しているブレーキ、あるいは切替え可能なワンウェイクラッチを介してケーシングと回転不能に接続される。下側ギヤ群に切替えるために、リングギヤは例えばケーシングと不動に接続しているブレーキ、あるいは切替え可能なワンウェイクラッチによりケーシングと接続している。
【0016】
通常走行範囲において、すなわち上側ギヤ群において、遊星歯車装置は、ワンウェイクラッチの逆方向の配設に基づいて、すなわち一方のワンウェイクラッチの自由回転方向は他方のワンウェイクラッチのロック方向に一致しているが、自由度もなく駆動されるサンギヤの回転数で回転する。この場合、キャリアと被駆動部の間、ならびにリングギヤと被駆動部の間で速度の相違は生じず、従って走行において駆動出力の損失はきわめてわずかしか生じない。
【0017】
下側ギヤ群へ切替えるために、すなわち動力伝達を切替えるために、例えばケーシングと不動に接続しているブレーキあるいは切替え可能なワンウェイクラッチにより、ロック装置による駆動部から被駆動部への動力伝達の遮断もなくケーシングと回転不能にロックされる。
切替え可能なワンウェイクラッチは、ロック作用が切替えによって相殺されること、すなわち例えば両切替え位置の一方では、ワンウェイクラッチの回転方向がどちらも自由回転方向であり、他方の切替え位置では、ワンウェイクラッチの一方の回転方向はロック方向であり、他方の回転方向は自由回転方向であることを特徴としている。
【0018】
他方の回転方向へ切替えるために、例えば後退走行へ切替えるために、通常走行、例えば前進走行から、キャリアはロック装置により、例えばケーシングと不動に接続しているブレーキあるいは切替え可能なワンウェイクラッチにより、ケーシングと回転不能にロックされ、被駆動トルクは回転方向での損失なく変化する。
【0019】
エネルギー節約手段をエンジンブレーキを取り去ることにより具現化できるように、遊星歯車装置は全ての走行範囲において、すなわち前進および後退走行において上側および下側ギヤ群は自由回転機能により別の機能性を示す。個々の走行範囲間の切替えは走行時に行われる。
【0020】
本発明による遊星歯車装置は、きわめて少ない構成部品から成り、従って重量をわずかにし、製造費用を格安にすることができる。
【0021】
ケーシングに対するキャリアとリングギヤのロックが、ブレーキ、例えばマルチディスクブレーキあるいはディスクブレーキにより行われると有利である。
【0022】
形状一体的なロック装置の場合、惰行運転において、エンジンブレーキトルクにより生じる車両のブレーキは、空気抵抗、勾配の抵抗および転がり抵抗によるブレーキ作用を介して行われる。
ワンウェイクラッチで構成されたロック装置の場合、このブレーキ作用は生じない。なぜなら、オーバーホール作用(Uberhohlwirkung)は自由回転方向においてトルク伝達をまったく伴わないからである。従って、駆動部の回転数低下は、切替え過程あるいは接続過程が無くとも被駆動部の回転数を維持する際に可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[実施例]
図1は本発明による遊星歯車装置1の第一実施形態の概略図を示す。遊星歯車装置1は、図示していない歯車装置、例えばマニュアル変速装置かあるいは自動変速装置に、歯車装置の被駆動部が遊星歯車装置1の駆動部2であるように後ろに接続されている。サンギヤ3は駆動部2と固く接続している。サンギヤ3が駆動部2により回転方向に駆動されると、遊星歯車4はサンギヤ3の回転方向とは逆の方向にサンギヤ3上で回転する。遊星歯車4は、遊星歯車が互いに接続しているキャリア5をサンギヤ3の方向へ駆動しようとする。
【0024】
遊星歯車装置1は例えば切替えスリーブかあるいは爪状クラッチの形成部においてロック装置6を備えており、このロック装置はキャリア5を被駆動部7と、トルクがキャリア5から被駆動部7へ伝達されるように接続しており、従って被駆動部7はサンギヤ3の回転方向に回転する。キャリア5は被駆動部7の端部にある車両歯車従って車両の駆動トルクに抗して機能する。この負荷トルクに打ち勝つために、遊星歯車4はキャリア5によるフィードバックを介してサンギヤ3の回転方向とは逆に向いた動力伝達をリングギヤ8に行うので、リングギヤ8はサンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向で遊星歯車4により駆動される。
【0025】
サンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向は、例えばリングギヤ8を被駆動部7と接続させる、切替えスリーブかあるいは爪状クラッチで構成されたロック装置9により妨げられ、かつ相対回転数を生じることも妨げられる。被駆動部の7内部のこのような拘束力により、キャリア5とリングギヤ8の間の相対運動は阻止され、従ってキャリア5の回転方向と、リングギヤ8の回転方向と被駆動部7の回転方向は、サンギヤ3の回転方向に一致する。キャリア5の回転数と、リングギヤ8の回転数は、サンギヤ3の回転数に一致する。従って被駆動部7の回転数は駆動部2の回転数に一致する。このような配設により、被駆動部7の回転は、サンギヤ3と駆動部2の回転方向で、例えば前方へ、上側ギヤ群において可能である。
【0026】
図1bには遊星歯車装置1の状態が示してあり、この状態の場合、急速な前進走行から、すなわち上側ギヤ群が遅い前進ギヤに、言い換えれば、下側ギヤ群に切替えられ、その際、切替えスリーブにおける切替えは、車両が停止している場合にだけか、あるいはクラッチを操作することにより行われる。リングギヤ8はロック装置9を介して、遊星歯車装置1のケーシング10により、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続しているようにロックされる。キャリア5はロック装置6を介して被駆動部7と接続されている。
【0027】
車両の慣性により、被駆動部7は、駆動部2の回転数が被駆動部7の低い回転数同じである場合に、例えば+1の固定ギヤ比でもって回転するキャリア5により駆動される。固定ギヤ比は、サンギヤ3の歯の総数に対する、負の符号を備えたリングギヤ8の歯の総数の比である。
【0028】
図1cには、遊星歯車装置1の状態が示してあり、この状態の場合、バックに切替えた際に、キャリア5はロック装置6により回転不能にケーシング10と接続している。リングギヤ8はロック装置9を介して被駆動部7と接続している。被駆動部7の回転数は駆動部2の回転数に比べて低く、従ってこの配設により回転方向は例えば後方に、下側ギヤ群において可能になる。この回転数の比は固定ギヤ比に相当する。
【0029】
図1dには、遊星歯車装置1の状態が示してあり、この状態の場合、“駐車”のモードに切替えた際、キャリア5は、キャリア5がケーシング10及び被駆動部7と回転不能に接続しているようにロック装置6によりロックされる。リングギヤ8はリングギヤ8がケーシング10及び被駆動部7と回転不能に接続しているようにロック装置9によりロックされる。この状態においては、駆動部2も、被駆動部7も回転できない。
【0030】
駐車モードを作動させるために、被駆動部7とすでに係合状態にある爪状部が、切替えスリーブ内側歯部とケーシング10の外側歯部により支持され、被駆動部7が遮断される。
【0031】
車両が走行している際に駆動部2がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルクならびにシールトルクに応じて、被駆動部7の制動が行われる、すなわち回転数が減少する。
【0032】
図2aは本発明による遊星歯車装置1の第二の実施形態の概略図を示す。遊星歯車装置1は、図示していない歯車装置、例えばマニュアル変速装置かあるいは自動変速装置に、歯車装置の被駆動部が遊星歯車装置1の駆動部2であるように後ろに接続されている。
サンギヤ3は駆動部2と固く接続している。サンギヤ3が駆動部2により回転方向に駆動されると、遊星歯車4はサンギヤ3の回転方向とは逆の方向にサンギヤ3上で回転する。遊星歯車4は、遊星歯車が互いに接続しているキャリア5をサンギヤ3の方向へ駆動しようとする。キャリア5と被駆動部7の間に設けられているワンウェイクラッチで構成されたロック装置6.1のサンギヤ3の回転方向におけるロック方向により、キャリア5は被駆動部7の端部にある歯車、従って車両の駆動トルクの慣性に抗して機能する。
【0033】
この負荷トルクに打ち勝つために、遊星歯車4はキャリア5によるフィードバックを介してサンギヤ3の回転方向とは逆に向いた動力伝達をリングギヤ8に行うので、リングギヤ8はサンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向で遊星歯車4により駆動される。
【0034】
ここではワンウェイクラッチがロック装置内でサンギヤ3の回転方向とは逆方向にロックされ、相対回転数が制御されることにより、サンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向は、リングギヤ8と被駆動部7の間に設けられているワンウェイクラッチで構成されたロック装置9.1によってのみ妨げられる。被駆動部7の内部のワンウェイクラッチのロック方向から生じるこれらの拘束力により、キャリア5とリングギヤ8の間の相対運動は妨げられ、従ってキャリア5の回転方向と、リングギヤ8の回転方向と、被駆動部7の回転方向は、サンギヤ3の回転方向に一致する。トルクはキャリア5からワンウェイクラッチを介して被駆動部7に伝達される。キャリア5の回転数とリングギヤ8の回転数は、サンギヤ3の回転数に一致する。従って、被駆動部7の回転数は、駆動部2の回転数に一致する。この配設により、サンギヤ3と駆動部2の回転方向における、例えば前方への被駆動部7の回転は、上側ギヤ群において可能である。
【0035】
車両が走行する際、駆動部2がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルク、ならびにシールトルクに応じて、被駆動部7は自由回転する。というのも被駆動部7の回転数がキャリア5とリングギヤ8の回転数に比べて高く、かつワンウェイクラッチがいわゆる自由回転するからである。したがって、図示していないエンジンを絞り、ギヤシフトを行う必要もなく、あるいはギヤの連結解除をすることもなく車両を勝手に進ませることができる。
【0036】
図2bには、急速な前進走行から、すなわち上側ギヤ群が、遅い前進ギヤに、すなわち下側ギヤ群に接続される、遊星歯車装置1の状態を示してある。リングギヤ8はロック装置9.2を介して、例えば遊星歯車装置1のケーシング10と固く接続しているマルチディスクブレーキあるいはディスクブレーキの構造において、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続しているようにロックされる。
【0037】
車両の慣性により、被駆動部7はリングギヤ8と被駆動部7の間のワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向でワンウェイクラッチ方向に、かつ駆動部2の回転数が被駆動部7のわずかな回転数と同じ場合に、例えば+1の固定ギヤ比でもって回転するキャリア5により駆動される。
【0038】
ロック装置9.2を介してリングギヤ8を急速に減速することにより、走行状態に依存して、キャリア5と被駆動部7の間のワンウェイクラッチの自由回転の時間は短くなる。というのも被駆動部7は車両の慣性に基づいて尚、何回転かキャリア5により急速に回転するからである。被駆動部7とキャリア5の間で同じ回転数に達すると、ワンウェイクラッチは再度ロック方向に作動し、かつ被駆動部7とその後方に設けられた車両を下側歯車群において駆動する。
【0039】
図2cには遊星歯車装置1の状態を示してあり、この状態において、ギヤシフトの際、バック走行でキャリア5は、遊星歯車装置1のケーシング10と不動に接続しているロック装置6.2により回転不能にケーシング10と接続される。被駆動部7はワンウェイクラッチの自由回転方向でキャリア5により回転し始める。なぜなら、被駆動部7は、サンギヤ3の回転方向と反対のワンウェイクラッチのロック方向で回転するリングギヤ8により駆動されるからである。被駆動部7の回転数は、駆動部2の回転数に比べてわずかに低く、従ってこの配設により回転方向、例えば逆方向への回転方向は下側ギヤ群において可能となる。
【0040】
図2dには遊星歯車装置1の状態を示してあり、この状態において、ギヤシフトの際、“駐車”のモードで、キャリア5はキャリア5がケーシング10と回転不能に接続しているようにロック装置6.2によりロックされる。リングギヤ8はロック装置9.2により、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続しているようにロックされる。被駆動部7の回転は、ワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向と反対の自由回転方向によって、かつワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向の自由回転方向によって妨げられる。ロック装置6.2,9.2は例えば摩擦ブレーキとして構成されており、かつロック方向で作動する。被駆動部7でワンウェイクラッチと協働して、ロック装置により、各方向で被駆動部7の回転運動が妨げられる。
【0041】
図3は本発明による遊星歯車装置1の第三実施形態の概略図を示す。遊星歯車装置1は図示していない伝動装置、例えばマニュアルトランスミッションンあるいはアートマチックトランスミッションであり、伝動装置の被駆動部が遊星歯車装置1の駆動部2であるように後方に接続されている。サンギヤ3は駆動部2と不動に接続している。サンギヤ3が駆動部2により回転方向に駆動されると、遊星歯車4はサンギヤ3とは反対の方向でサンギヤ3上を回転する。遊星歯車4は、遊星歯車が上下に接続しているキャリア5をサンギヤ3の回転方向に駆動しようとする。従ってキャリア5と被駆動部7の間に設けられたワンウェイクラッチ構造におけるロック装置6.1のサンギヤ3の回転方向のロック方向により、キャリア5は駆動部7の端部にある歯車従って車両の駆動トルクの慣性に抗して機能する。
この負荷トルクに打ち勝つために、遊星歯車4はキャリア5のフィードバックを介してサンギヤ3の回転方向とは逆に向けられた動力伝達をリングギヤ8に行うので、リングギヤ8はサンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向に遊星歯車4により駆動される。
【0042】
サンギヤ3の回転方向とは逆の回転方向は、ここではロック装置内のワンウェイクラッチがサンギヤ3の回転方向とは逆方向にロックされることにより、リングギヤ8と被駆動部7の間に設けられたワンウェイクラッチで構成されたロック装置9により妨げられ、かつ相対回転数を生じることも妨げられる。被駆動部7の内部のワンウェイクラッチのロック方向から生じる拘束力により、キャリア5とリングギヤ8の間の相対運動は妨げられ、従ってキャリア5の回転方向と、リングギヤ8の回転方向と、被駆動部7の回転方向は、サンギヤ3の回転方向に一致する。トルクはキャリア5によりワンウェイクラッチを介して被駆動部7に伝達される。キャリア5の回転数とリングギヤ8の回転数は、サンギヤ3の回転数に一致する。従って被駆動部7の回転数は駆動部2の回転数に一致する。この配設により、被駆動部7の回転は、サンギヤ3と駆動部2の回転方向に。例えば前方に向かって上側ギヤ群において可能になる。
【0043】
車両の走行の際、駆動部2がいわゆるエンジンブレーキにより制動をかけられると、慣性と軸受トルク、ならびにシールトルクに応じて、被駆動部7は自由回転する。というのも被駆動部7の回転数がキャリア5とリングギヤ8の回転数に比べて高く、ワンウェイクラッチがいわゆる自由回転するからである。従って図示していないエンジンを絞り、ギヤシフトを行う必要もなく、あるいはギヤの連結解除をすることもなく車両は勝手に進ませることができる。
【0044】
急速な前進走行から、すなわち上側ギヤ群が遅い前進ギヤに、すなわち下側ギヤ群にシフトされると、リングギヤ8はそのロック方向がサンギヤ3の回転方向である切替え可能なワンウェイクラッチの構造のロック装置9.2を介して、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続されているようにロックされる。前記ロック装置は遊星歯車装置1のケーシング10と不動に接続されている。
【0045】
車両の慣性により、被駆動部7はリングギヤ8と被駆動部7の間のワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向でワンウェイクラッチ方向に、かつ駆動部2の回転数が被駆動部7のわずかな回転数と同じ場合に、例えば+1の固定ギヤ比でもって回転するキャリア5により駆動される。
【0046】
ロック装置9.2を介してリングギヤ8を急速に減速することにより、走行状態に依存して、キャリア5と被駆動部7の間のワンウェイクラッチの自由回転の時間は短くなる。というのも被駆動部7は車両の慣性に基づいて尚何回転かキャリア5の下方で急速に回転するからである。被駆動部7とキャリア5の間で同じ回転数に達すると、ワンウェイクラッチは再度ロック方向に作動し、かつ被駆動部7とその後方に設けられた車両を下側歯車群において駆動する。
【0047】
逆の走行(バック)へ切替える際、キャリア5が、遊星歯車装置1のケーシング10と不動に接続しており、ロック方向がサンギヤ3の回転方向である切替え可能なワンウェイクラッチの構造のロック装置6.2により、キャリア5がケーシング10と接続すると、被駆動部7はワンウェイクラッチの自由回転方向でキャリア5により回転し始める。なぜなら、被駆動部7は、サンギヤ3の回転方向と反対のワンウェイクラッチのロック方向で回転するリングギヤ8により駆動されるからである。被駆動部7の回転数は、駆動部2の回転数に比べてわずかに低く、従ってこの配設により回転方向、例えば逆方向への回転方向は下側ギヤ群において可能となる。回転数比は固定ギヤ比に相当する。
【0048】
“駐車”のモードへ切替える際、キャリア5がそのように切替え可能なワンウェイクラッチによりロックされると、キャリア5はケーシング10と回転不能に接続されている。リングギヤ8は、切替え可能なワンウェイクラッチにより、リングギヤ8がケーシング10と回転不能に接続されているようにロックされる。被駆動部7の回転は、ワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向と反対の自由回転方向によって、かつワンウェイクラッチのサンギヤ3の回転方向の自由回転方向によって妨げられる。ロック装置6.2,9.2は例えば切替え可能なワンウェイクラッチとして構成されており、かつロック方向で作動する。
【0049】
図4は一部が断面となっている、本発明による遊星歯車装置を示す。ロック装置6,9はこの実施形態では切替えスリーブである。
【0050】
図5は一部が断面となっている、本発明による遊星歯車装置を示す。ロック装置6.1,9.1はこの実施形態ではワンウェイクラッチであり、ロック装置6.2,9.2はマルチディスクブレーキである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1a】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図1b】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図1c】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図1d】本発明による遊星歯車装置の第一実施形態の概略図である。
【図2a】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図2b】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図2c】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図2d】本発明による遊星歯車装置の第二実施形態の概略図である。
【図3】本発明による遊星歯車装置の第三実施形態の概略図である。
【図4】一部が断面となっている本発明による遊星歯車装置の図である。
【図5】一部が断面となっている本発明による遊星歯車装置の図である。
【符号の説明】
【0052】
1 遊星歯車装置
2 駆動部
3 サンギヤ
4 遊星歯車
5 キャリア
6 ロック装置
・ ロック装置
・ ロック装置
7 被駆動部
8 リングギヤ
9 ロック装置
9.1 ロック装置
9.2 ロック装置
10 ケーシング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動装置(1)の前かあるいは後ろに接続されている遊星歯車装置(1)であって、この場合、遊星歯車装置(1)が、ケーシング(10)、サンギヤ(3)、少なくとも二つの遊星歯車(4)、キャリア(5)およびリングギヤ(8)を備えている遊星歯車装置(1)において、
遊星歯車装置(1)が、ケーシング(10)、リングギヤ(8)および被駆動部(7)のためのロック装置(9)と、ケーシング(10)、キャリア(5)および被駆動部(7)のためのロック装置(6)とを備えており、
この場合、上側ギヤ群の駆動部(2)の回転方向で被駆動部(7)を回転させるために、キャリア(5)が被駆動部(7)とロック装置(6)を介して接続可能であり、リングギヤ(8)が被駆動部(7)とロック装置(9)を介して接続可能であること、
下側ギヤ群の駆動部(2)の回転方向で被駆動部(7)を回転させるために、キャリア(5)が被駆動部(7)とロック装置(6)を介して接続可能であり、リングギヤ(8)がケーシング(10)とロック装置(9)を介して接続可能であること、ならびに
駆動部(2)を回転させないために、および被駆動部(7)を回転させないために、キャリア(5)がケーシング(10)および被駆動部(7)とロック装置(6)を介して接続可能であり、リングギヤ(8)がケーシング(10)および被駆動部(7)とロック装置(9)を介して接続可能であることを特徴とする遊星歯車装置(1)。
【請求項2】
ロック装置(6)が切替えスリーブであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項3】
ロック装置(6)が爪状クラッチであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項4】
ロック装置(9)が切替えスリーブであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項5】
ロック装置(9)が爪状クラッチであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項6】
ロック装置(9)が、リングギヤ(8)および被駆動部(7)のための第一ロック装置(9.2)と、リングギヤ(8)および被駆動部(7)のための第二ロック装置(9.1)とを備えており、この場合、第一ロック装置(9.2)が切替え可能なワンウェイクラッチであり、切替え可能なワンウェイクラッチのロック方向が駆動部(2)の回転方向であることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項7】
ロック装置(6)が、キャリア(5)およびケーシング(10)のための第一ロック装置(6.2)と、キャリア(5)および被駆動部(7)のための第二ロック装置(6.1)とを備えており、この場合、第一ロック装置(6.2)が切替え可能なワンウェイクラッチであり、切替え可能なワンウェイクラッチのロック方向が駆動部(2)の回転方向であることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項1】
伝動装置(1)の前かあるいは後ろに接続されている遊星歯車装置(1)であって、この場合、遊星歯車装置(1)が、ケーシング(10)、サンギヤ(3)、少なくとも二つの遊星歯車(4)、キャリア(5)およびリングギヤ(8)を備えている遊星歯車装置(1)において、
遊星歯車装置(1)が、ケーシング(10)、リングギヤ(8)および被駆動部(7)のためのロック装置(9)と、ケーシング(10)、キャリア(5)および被駆動部(7)のためのロック装置(6)とを備えており、
この場合、上側ギヤ群の駆動部(2)の回転方向で被駆動部(7)を回転させるために、キャリア(5)が被駆動部(7)とロック装置(6)を介して接続可能であり、リングギヤ(8)が被駆動部(7)とロック装置(9)を介して接続可能であること、
下側ギヤ群の駆動部(2)の回転方向で被駆動部(7)を回転させるために、キャリア(5)が被駆動部(7)とロック装置(6)を介して接続可能であり、リングギヤ(8)がケーシング(10)とロック装置(9)を介して接続可能であること、ならびに
駆動部(2)を回転させないために、および被駆動部(7)を回転させないために、キャリア(5)がケーシング(10)および被駆動部(7)とロック装置(6)を介して接続可能であり、リングギヤ(8)がケーシング(10)および被駆動部(7)とロック装置(9)を介して接続可能であることを特徴とする遊星歯車装置(1)。
【請求項2】
ロック装置(6)が切替えスリーブであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項3】
ロック装置(6)が爪状クラッチであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項4】
ロック装置(9)が切替えスリーブであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項5】
ロック装置(9)が爪状クラッチであることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項6】
ロック装置(9)が、リングギヤ(8)および被駆動部(7)のための第一ロック装置(9.2)と、リングギヤ(8)および被駆動部(7)のための第二ロック装置(9.1)とを備えており、この場合、第一ロック装置(9.2)が切替え可能なワンウェイクラッチであり、切替え可能なワンウェイクラッチのロック方向が駆動部(2)の回転方向であることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【請求項7】
ロック装置(6)が、キャリア(5)およびケーシング(10)のための第一ロック装置(6.2)と、キャリア(5)および被駆動部(7)のための第二ロック装置(6.1)とを備えており、この場合、第一ロック装置(6.2)が切替え可能なワンウェイクラッチであり、切替え可能なワンウェイクラッチのロック方向が駆動部(2)の回転方向であることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置(1)。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2008−196697(P2008−196697A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27182(P2008−27182)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(503435561)イーアーファウ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・インジエニエールゲゼルシヤフト・アウト・ウント・フエルケール (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(503435561)イーアーファウ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・インジエニエールゲゼルシヤフト・アウト・ウント・フエルケール (2)
【Fターム(参考)】
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