説明

運動回復を最適化するための組成物及び方法

本発明は、1以上のポリメトキシル化フラボン(PMF)を含む組成物を使用して、対象の運動後の回復時間を減少させる方法を提供する。好適な実施態様において、本明細書中に記載されるように、組成物はオレンジピール抽出物である。特定の実施態様において、運動後の回復時間は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルが運動前VO2レベルに戻る時間である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2005年5月24日に出願された米国仮出願番号60/684,336の利益を主張し、その内容はその全体において本明細書中に引用より取り込まれている。
本発明は、米国陸軍兵士システムセンター(U.S. Army Natick Soldier System Center)によって与えられた契約番号DAAD 16-02-C-005の下で政府の援助によって作成された。米国政府は、本発明の特定の権利を有する。
【0002】
(1.技術分野)
本発明は、有益な運動回復結果を生じる際のオレンジピール抽出物、及び、オレンジピールにおいて見つけられたポリメトキシル化フラボン化合物の使用に関する組成物及び方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
(2.背景)
運動は、一般に心血管健康、体重制御、及び、健康の主観的な感覚を得る手段として受け入れられる。様々な生理的徴候として感じられる運動と関連する不快感により、多くの場合、個人が運動プログラムに関与するのを思いとどまらせる。さらに、ある個人は、活動を行うために必要とされる物理的な努力のため、歩く又は階段を登るような日常的な活動を回避しさえする可能性がある。
運動と関連した厳しさ又は不快の期間を減少するための製剤はたいへん望ましく、このような製剤は安全で、好ましくは、健康促進するものでなければならない。特に、このような製剤は容易に、安価に、及び好ましくは天然の供給源から得られることが望ましい。
【発明の開示】
【0004】
(3.要旨)
1つの態様において、本発明は、対象の運動後の回復時間を減少させる方法を提供する。特定の実施態様において、対象は哺乳類、より好ましくは、ヒトである。特に、提供される方法は、対象が運動から回復するために必要とする時間を減少させるため、対象へ、1以上のポリメトキシル化フラボン(PMF)を含む組成物の有効量を投与することを含む。
【0005】
提供される方法の特定の実施態様において、運動後の回復時間の減少は、約10秒から約10分の間であり、より一般的には、約25秒から約120秒の間である。
特定の実施態様において、提供される方法は、対象が運動を開始する直前に、対象へ、1以上のPMFを含む組成物の量を投与することを含み、ここで、組成物の量は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルが、運動前の基礎的なVO2レベルに戻るためにかかる時間を減少するのに有効である。
【0006】
特定の実施態様において、この文脈において「すぐに」という用語は、対象が運動し始める前の約120、約90、約60、約50、約40、約30、約20、約10、約5分、又はそれ以下を意味する。
幾つかの実施態様において、提供される方法は、運動の間、対象へ、1以上のPMFを含む組成物の量を投与すること含み、ここで、組成物は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルが、運動前の基礎的なVO2レベルに戻るためにかかる時間を減少するのに有効である。
【0007】
幾つかの実施態様において、提供される方法は、対象へ、1以上のPMFを含む組成物の量を投与すること含み、ここで、組成物の量は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルの、運動前の基礎的なVO2レベルの方への戻りの高速成分(fast component)を完了するのに有効である。
【0008】
特定の実施態様において、運動後酸素消費(VO2)を運動前の基礎的なVO2値に戻させるために運動を中断している対象のための時間を減少させる方法が提供され、対象へ、組成物を投与することを含み、ここで、組成物は、PMF部分及び非PMF部分を含む。一般的に、PMF部分は、1以上のPMFを含む。
幾つかの実施態様において、組成物を経口的に対象に投与する。
【0009】
特定の実施態様において、前記方法は、対象の運動後回復を最適化するために提供され、対象によって実行される運動の前に、あるいは、その間に、対象へ組成物を投与することを含み、ここで、組成物は、非PMF部分、及び、1以上のPMFを含むPMF部分を含み、かつ、組成物は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルを運動前の基礎的なVO2レベルに戻す時間を減少させるのに有効な量において投与され、それによって、対象の運動後回復を最適化する。
【0010】
別の態様において、本発明は、運動している間の対象において、継続し運動するために、又は疲労を遅らせるために、対象の持久力を増加させる方法であって、非PMF部分と、増加させるための1以上のPMFを含むPMF部分とを含む組成物の量を、対象へ投与することを含み、ここで、投与される組成物の量は、運動している間に対象において、継続し運動するため、又は疲労を遅らせるため、対象の持久力を増加させるのに有効である、前記方法を提供する。
【0011】
さらに別の実施態様において、本発明は、対象による運動前、運動中、又は運動後に、1以上のPMFを含む有効量の組成物を、該対象への投与することを含む、対象の運動に関連した筋肉の痛みを減少するための方法を提供する。
1つの態様において、本発明は、対象の運動パフォーマンスを増加させる方法を提供する。特に、幾つかの実施態様において、提供される方法は、対象へ、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の量を投与することを含み、ここで、PMF部分は1以上のPMFを含み、かつ、投与される組成物の量は、対象の運動パフォーマンスを増加させるために有効である。
【0012】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、対象による走行速度又は走行される距離の増加である。
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、対象が運動している間に疲労する時間の遅延である。
【0013】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、本発明の組成物を投与することがない場合に発生する乳酸濃度の減少である。
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、ウェイトリフティングにおいて対象が実行することができる反復数の増加である。
【0014】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、対象が運動する間、脂肪異化又は心拍数の最適化である。
本発明による組成物は、1つのPMF又は複数のPMFを含むことができる。一般に、組成物は、例えばオレンジピールのように天然の供給源でない。
【0015】
特定の実施態様において、組成物は、PMF部分の約25%(w/w)(乾燥重量)から約75%(w/w)(乾燥重量)を含む。幾つかの実施態様において、PMF部分は、約0.5%(w/w)から約5%(w/w)まで、約1%(w/w)から約10%(w/w)まで、約10%(w/w)から約20%(w/w)まで、約20%(w/w)から約30%(w/w)まで、約30%(w/w)から約40%(w/w)まで、約40%(w/w)から約50%(w/w)まで、約50%(w/w)から約60%(w/w)まで、約60%(w/w)から約70%(w/w)まで、約70%(w/w)から約80%(w/w)まで、又は、約80%(w/w)から約98%(w/w)までの範囲にある。
【0016】
提供される方法の幾つかの実施態様において、組成物は、5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4'-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンからなる群から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、又は、すべてのPMFを含むPMF部分を包合する。
【0017】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で使用される組成物のPMF部分は、5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンからなる群から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、又は、すべてのPMFを含むPMF部分を包合する。
【0018】
幾つかの実施態様において、提供される方法で使用される組成物は、本質的に生理的に許容し得る溶媒、賦形剤又はキャリア、及び5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンの1つ以上から構成される。
【0019】
幾つかの実施態様において、組成物のPMF部分は、3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン、及び、5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボンからなる群から選択される1以上のPMFを含む。
【0020】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で使用される組成物は、PMFの混合物を含み、ここで、該組成物のPMFの濃度は、PMFの天然の供給源のそれと異なる、又は該組成物の他のPMFの割合に対する該組成物の1つのPMFの割合は、PMFの天然の供給源のそれと異なる。このような組成物は、少なくとも1つの特定のPMFが選択的に除去され、保持され又は濃縮されるように、例えば、オレンジピールのようなPMFの天然の供給源を処理することによって調整される。代替的に、1つ以上の単離された又は合成されたPMFを、このような組成物を作成するために使用することできる、すなわちPMFの天然の供給源の処理形態に加えることができる。
【0021】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で使用される組成物は、オレンジピール抽出物を含む。
幾つかの実施態様において、本発明の方法で使用される組成物は、1以上のPMF、及び食品、食品添加物、栄養補助食品、又は医療用食品を含む機能性食品組成物とすることができる。
【0022】
一般的に、本発明の方法において対象に投与される組成物のPMF部分の量は、1日当たり、約0.05mg、約0.1mg、約0.5mg、約1.0mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、又は、約50mgから、約75mg、約100mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約750mg、約800mg、約900mg、約1g、約2g、約3g又は約5gまでである。
【0023】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で投与される組成物は、頬、鼻、経口、非経口、直腸、舌下、局所又は経皮的な経路で投与される。特定の実施態様において、組成物は水性の液体状態において経口的に投与される。組成物が水性の液体状態において経口的に投与される幾つかの実施態様において、組成物は、調合剤、混合剤又は乳化剤、好ましくはレシチンをさらに含む。
【0024】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で投与される組成物は、エアロゾル、チュアブルバー(chewable bar)、大きい又はゆるい乾燥した形状、カプセル、クリーム、飲み物、エリキシル、エマルション、流体、ゲル、顆粒、チュアブルガム(chewable gum)、ローション剤、トローチ、軟膏、ペースト、パッチ、ペレット、粉末、溶液、スプレー、坐薬、懸濁液、シロップ、錠剤、茶、チンキ、蒸気、又はウェーハにおいて投与される。
提供される方法の特定の実施態様において、1以上のPMFを含む組成物、及び生物活性成分(この生物活性成分はPMFでない)が対象に投与される。
【0025】
特定の実施態様において、この文脈における「生物活性成分」は、運動パフォーマンスを最適化するのに有用な、限定されるものではないが、例えば、水、代謝物質又はその前駆体、電解質、エネルギーを得るのを援助するためのエネルギー供給剤又は触媒、興奮薬(例えばエフェドリン、カフェインなど)、抗炎症性薬剤などのあらゆる薬剤(PMFを含まない)を示す。例えば、幾つかの実施態様において、「生物活性成分」は炭水化物、単糖類、スターチ、ペントース、タンパク質、アミノ酸、ポリペプチド、トリグリセリド、脂肪酸、ビタミン又はミネラルとすることができる。
幾つかの実施態様において、生物活性成分は、ショウガ抽出物である。
さらに別の実施態様において、本発明は、本明細書中に記載される方法に使用されるショウガ抽出物を含む組成物を提供する。
【0026】
(5.専門用語)
本明細書中において使われる用語「約」は、その用語によって限定される値の上下の10%以下の値を指す。例えば「約5分」という用語は、4.5分から5.5分までの範囲を意味する。
本明細書中において使用されるように、用語「組成物」は、医薬組成物、生理的に許容し得る組成物、及び機能性食品組成物を包含する意図を有する。「組成物」における例えばポリメトキシル化フラボン(PMF)のような構成要素が、天然の供給源(例えばオレンジピール)において存在する場合、用語「組成物」は、構成要素の天然の供給源(例えばオレンジピール)を含まない、しかしながら、特定の実施態様において、例えば天然の供給源の抽出物のような、天然の供給源の物理的又は化学的に修飾された、又は処理された形態を包含すると理解される。
【0027】
本明細書中において使われる用語「有効量」は、対象に投与される場合、望ましい又は有益な効果を生じるために十分である化合物又は組成物の量を指す。特定の実施態様において、対象に投与される場合、化合物又は組成物の「有効量」は、運動後の回復時間を減少させる。幾つかの実施態様において、対象に投与される場合、化合物又は組成物の「有効量」は、継続し運動するため、対象の持久力を増加させる。幾つかの実施態様において、化合物又は組成物の「有効量」は、対象の運動と関連している筋肉の痛みを減少する。
【0028】
本明細書中において使われる用語「運動」及び「運動する」は、対象の活動開始の前のVO2(「基礎的なVO2」)と比して、対象のピーク酸素消費(「ピークVO2」)すなわち、非プラトー相、又は最大の酸素消費(「VO2max」)すなわち、プラトー相を生じる、対象によるあらゆる物理的な活動を指す。対象による物理的な活動を停止すると、対象のピークVO2又はVO2maxは、基礎的なVO2の方へ移動する又は戻る。
【0029】
本明細書中において使われる用語「疲労」は、物理的な活動又は運動の一貫したレベルの維持における対象の不能性を指す。特定の実施態様において、本明細書中において使われる「疲労」は、睡眠の不足、代謝疾患又は病気に起因しない、運動の一貫したレベルを維持するのに必要なエネルギー余裕量の減少、及び/又は対象における有毒な代謝物質の蓄積などを指す。
【0030】
用語「単離」は、天然の供給源から得ることができる化合物又は組成物の文脈において使われる場合、その天然の供給源由来の1以上の構成要素から分離される化合物又は組成物を指す。天然の供給源は、菌類、植物又は動物、或いは、菌類、植物又は動物によって生じる天然かつ不変の産物であってもよく、樹皮、血液、サイトゾル、葉、乳、粘液、皮、血漿、樹脂、外皮、樹液、痰、茎、汗、尿などを含む。例えば、天然の供給源は、オレンジピールであってもよい。したがって、「単離」化合物又は組成物は、その濃度又は純度がその天然の供給源のそれより大きい形態である。例えば、特定の実施態様において、「単離」化合物又は組成物を、天然の供給源由来の化合物又は組成物の精製又は部分的精製によって得ることができる。幾つかの実施態様において、「単離」化合物又は組成物は、合成、生合成又は半合成の有機化学反応混合物においてインビトロで得られる。
【0031】
本明細書中で使用されるように用語「最適化する」は、本明細書中において提供される方法が対象に実施される場合、対象が導く有益な効果を指す。特定の実施態様において、対象は、運動後回復を「最適化する」ために本明細書中において記載された組成物を投与され、対象は、本明細書中に記載された組成物を投与されない場合よりも早く、物理的な活動に従事することが可能である。幾つかの実施態様において、対象は、本明細書中に記載された組成物を投与することがない場合に発生する、対象によって感じられる筋肉の痛みの時間を止める又は減少するため、運動後回復を「最適化する」ように本明細書中に記載された組成物を投与される。一般的に、筋肉の痛みは、運動後1日〜3日、対象によって感じられ、対象が行う運動の種類又は強度に不向き又は不慣れな場合に、特に感じられる可能性がある。
【0032】
用語「パフォーマンス」及び「運動パフォーマンス」は、強度、速度、スタミナ、パワー、精度又は代謝出力の所望の結果を達成するため、運動の間に維持することができる対象により制御された動作を指す。特定の実施態様において、パフォーマンスの増加を、例えば、より速い速度として、増加したスタミナとして、より高いパワー出力として、及びその他として測定することができる。したがって、幾つかの実施態様において、パフォーマンスの増加は、疲労に達する前のウェイトリフティングにおける繰返し数又は対象に持ち上げられる質量の増加である。幾つかの実施態様において、パフォーマンスの増加は、疲労に達する前の走行、水泳又はサイクリングにおける対象が彼女自身又は彼自身を前進させる速度又は距離の増加である。幾つかの実施態様において、パフォーマンスの増加は、疲労に達する前の運動における投げる又は捕えることのような運動動作の精度の保持の増加である。幾つかの実施態様において、パフォーマンスの増加を、例えば、脂肪代謝、最適乳酸代謝、最適心拍数などの増加として、生理的パラメータに関して測定することができる。
【0033】
特に明記しない限り、用語「ポリメトキシル化フラボン」又は「PMF」は、下記式を有する化合物を意味する。
【化1】

式中、該式の少なくとも1つの炭素原子、好ましくは2つ以上の炭素原子は、原子価が許容するように、-OCH3基と(該式中に記載されていない1つ以上の水素原子代わりに)結合する。任意に、例えばヒドロキシル、ハロゲン化物、単糖類又は他の基のような置換基は、メトキシ基で置換されていない1以上の炭素原子上に置換することができる。例えば、「ヒドロキシル化PMF」は、メトキシ基で置換されていない炭素原子に結合したヒドロキシル基を1以上含むPMFである。「非ヒドロキシル化PMF」は、ヒドロキシル基を含まないPMFである。
【0034】
本明細書中において使われる「運動からの回復時間」及び「運動後の回復時間」は、対象による運動の停止の後、対象のピークVO2又はVO2maxが対象の基礎的なVO2に戻るための時間を指す。あらゆる理論又はメカニズムに束縛される意図を有さずに、対象のピークVO2又はVO2maxの基礎的なVO2への戻りは一般的に、高速相、低速相、特定の実例における超低速相によって特徴付けられる。本明細書中にて組み込まれているGaesser及びBrooksの論文(1984)Med. Sci. Sports Exerc. 16:29-43を参照のこと。特定の実施態様において、「運動後の回復時間」は、高速相成分の継続時間である。特定の実施態様において、「運動後の回復時間」は、あらゆる低速相成分に加えて高速相成分の継続時間であり、存在するなら、対象のピークVO2又はVO2maxが基礎的なVO2に戻る以上のものである。
【0035】
本明細書中において使われる「筋肉の痛みの減少」は、運動によって誘発される、対象に感じられる筋肉の痛みの重症度の低下又は減少を指す。特定の実施態様において、「筋肉の痛みの減少」は、対象が運動によって誘発される筋肉の痛みを感じる時間の減少を指す。
「溶媒和物」は、非共有結合分子間力によって結合される溶媒の化学量論的又は非化学量論的量をさらに含む化合物(例えばPMF)を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0036】
本明細書中で使用しているように用語「対象」及び「患者」は、交換可能に使用される。用語「対象」及び「対象(複数)」は、動物を指し、好ましくは、非霊長類、及び、霊長類(例えば、チンパンジのようなサル及びヒト)を含む哺乳類、より好ましくはヒトを指す。用語「動物」はまた、例えばネコ及びイヌのようなコンパニオンアニマル、動物園の動物;野生の動物;レースにおいて使われる(例えばグレイハウンド)あらゆる動物及び動物の種類を含む、反芻動物、非反芻動物、家畜及び家禽(例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、七面鳥、カモ及びニワトリ)などの農場又は競技用の動物;及び例えば齧歯動物(例えばマウス、ネズミ)、ウサギ及びモルモットなどの実験動物、並びに遺伝的にクローン化された又は改良された動物(例えばトランスジェニック動物)を含むがこれらに制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(6.詳細な説明)
下記の実施例の部分にて記載されるように、PMF部分を含む組成物は、ウマの消耗的な運動における運動後の回復時間を減少する特性を有する経験的方法によって発見された。PMF部分を含む組成物を使用するための方法を、第6.1節に記載する。PMFを含有する組成物及び、それらの調整方法を、第6.2節に記載する。
【0038】
(6.1 PMF組成物を使用するための方法)
本発明は、パフォーマンスを最適化するための方法及び/又は例えば運動のような物理的な活動からの回復を最適化するための方法を提供する。例えば、このような方法は、疲労状態まで運動している対象にとって有益である。幾つかの実施態様において、対象は、例えばアスリートのように訓練された対象である。幾つかの実施態様において、対象は、例えば定住性の生活様式を有するような訓練されていない又はアスリートでない対象である。
【0039】
一態様において、本発明は、運動後の回復時間の減少を必要とする対象において、運動後の回復時間を減少させる方法を提供し、その方法は、対象へ、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の量を投与することを含む。ここで、PMF部分は、1以上のポリメトキシル化フラボン(PMF)を含み、投与される組成物の量は、対象が運動するから回復するために必要とする時間を減少させるために有効である。
【0040】
あらゆる特定の理論又はメカニズムに束縛される意図を有さずに、運動後の回復時間は数秒、一般的に十秒、十分又は十時間続く、ある例では、12、又は24時間以上さえ続く。特定の実施態様において、回復後時間の減少は、約10秒から約10分の間であり、より一般的に約25秒から約120秒の間である。提供される方法の幾つかの実施態様において、回復後時間の減少は、約5秒から約1分、約1分から約5分、約5分から約20分、約20分から約1時間、約1時間から約5時間、又は約5時間から約12時間である。
【0041】
特定の実施態様において、提供される方法は、対象へ、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の量を投与することを含み、ここで、組成物の量は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルを運動前の基礎的なVO2レベルに戻すのにかかる時間を減少するのに有効である。
幾つかの実施態様において、提供される方法は、対象へ、本発明の組成物の量を投与することを含み、ここで、組成物の量は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルの運動前の、基礎的なVO2レベルへの戻りの高速成分を完了するのに有効である。
【0042】
特定の実施態様において、運動後酸素消費(VO2)が運動前の基礎的なVO2値に戻させるために運動を中断した対象のための時間を減少させる方法が提供され、対象へ、本発明の組成物を投与することを含む。
幾つかの実施態様において、組成物は対象に経口的に投与される。
【0043】
提供される方法の特定の実施態様において、本発明の組成物は、対象が運動を開始する直前に投与される。
特定の実施態様において、この文脈において「すぐに」という用語は、対象が運動を始める約120、約90、約60、約50、約40、約30、約20、約10、約5分前又はそれ以下を指す。
提供される方法の幾つかの実施態様において、本発明の組成物は、運動の間、対象に投与される。
【0044】
特定の実施態様において、前記方法は、対象の運動後回復を最適化するために提供され、対象によって実行される運動の前、あるいは、その間に、対象への本発明の組成物を投与することを含み、ここで、組成物は、対象の運動後酸素消費(VO2)レベルから運動前の基礎的なVO2レベルに戻る時間を減少させるのに有効な量において投与され、それによって、対象の運動後回復を最適化する。
【0045】
別の態様において、本発明は、運動している間の対象において、継続し運動するために、又は疲労を遅らせるために、対象の持久力を増加させる方法であって、本発明の組成物の量を、対象へ投与することを含み、ここで、投与される組成物の量は、運動している間の対象において、継続し運動するため、又は疲労を遅らせるため、対象の持久力を増加させるのに有効である、前記方法を提供する。
【0046】
特定の実施態様において、継続し運動するために対象の持久力を増加させるように、対象へPMF部分及び非PMF部分を含む組成物の有効量を投与することを含む、継続して運動するために対象の持久力を増加させる方法を提供し、ここで、PMF部分は1以上のPMFを含み、かつ組成物は、対象による運動前、運動中、又は運動後約20分以内に投与される。
【0047】
さらに別の実施態様において、本発明は、対象による運動前、運動中、又は運動後に対象へ、1以上のPMFを含む組成物の有効量を投与することを含む、対象の運動と関連した筋肉の痛みを減少する方法を提供する。
特定の実施態様において、対象による運動前、運動中、又は運動後約20分以内に、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の有効量を対象へ投与することを含む、対象の運動と関連した筋肉の痛みを減少する方法を提供し、ここで、PMF部分は、1以上のPMFを含む。
【0048】
特定の実施態様において、本発明の組成物を、対象が運動を中断した後、約1分、約10分、約20分、約40分又は約1時間以上の範囲内で投与することができる。
1つの態様において、本発明は、対象の運動パフォーマンスを増加させる方法を提供する。特に、幾つかの実施態様において、提供される方法は、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の量を対象へ投与することを含み、ここで、PMF部分は1以上のPMFを含み、かつ投与される組成物の量は、対象の運動パフォーマンスを増加させるのに有効である。
【0049】
幾つかの実施態様において、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の量を対象へ投与することを含む、対象の運動パフォーマンスを増加させる方法を提供し、ここで、PMF部分は1以上のPMFを含み、投与される組成物の量は、対象の運動パフォーマンスを増加させるのに有効であり、かつ、組成物は、対象による運動前、運動中、運動後の約20分以内に投与される。特定の実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、運動している間の疲労への時間の増加である。特定の実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、走行時間の増加である。
【0050】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、対象によって走行される走行速度又は距離の増加である。例えば、幾つかの実施態様において、対象の走行速度又は距離の増加は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%であってもよい。
【0051】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、対象が運動する間での疲労への時間の遅延である。例えば幾つかの実施態様において、疲労への遅延は、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物を投与されない場合に発生するよりも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%長い。
【0052】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、本発明の組成物を投与することがない場合に発生する乳酸濃度の減少である。例えば、幾つかの実施態様において、対象の乳酸濃度は約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%減少し得る。
【0053】
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、ウェイトリフティングにおいて対象が実行することができる反復数の増加である。例えば幾つかの実施態様において、対象は、本発明の組成物によって投与されない場合で可能であるよりも1回、2回又はそれ以上の追加的な繰り返しを完了することができる。
幾つかの実施態様において、運動パフォーマンスの増加は、対象が運動する間、脂肪異化又は心拍数の最適化である。
【0054】
(6.2 PMFを含有する組成物及びそれらの調整方法)
本発明の方法に用いられる組成物は、一般的にPMF部分及び非PMF部分を含む。特定の実施態様において、PMF部分は1以上のPMFを含む。
特定の実施態様において、PMFは、本発明の方法に用いられる組成物の包含のため、天然の供給源から単離される、例えば、抽出され得る。幾つかの実施態様において、組成物はPMF部分を含む天然の供給源の抽出物である。幾つかの実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物は、常温圧縮されたオレンジピール油固体からの抽出物を含む。好ましくは、即時の方法に使用される組成物は、オレンジのバレンシア及びハムリン種からの抽出物を含む。本発明の方法において組成物として使用されるオレンジピールの抽出物の調整に有用な溶媒が含まれる。
【0055】
幾つかの実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物は、組成物中のPMFの濃度がPMFの天然の供給源のそれと異なるPMFの混合物を含む。
幾つかの実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物は、部分におけるPMFの部分の他のPMFのそれの比率がPMFの天然の供給源のそれと異なるPMF部分を含む。
【0056】
特定の実施態様において、PMFは、本発明の方法の使用されるため組成物への包含のために合成的に得ることができる。PMFを、限定されずに、あらゆる合成又は半合成の技術を使用して合成することができる。フラボンのための一般の合成スキームは、例えばCushman及びNagarathnamの論文(1990)Tetrahedron Letters 31: 6497-6500において見つけられ得る。
【0057】
特定の実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物は、PMF部分の約25%(w/w)(乾燥重量)から約75%(w/w)(乾燥重量)を含む。幾つかの実施態様において、PMF部分は、約0.5%(w/w)から約5%(w/w)まで、約1%(w/w)から約10%(w/w)まで、約10%(w/w)から約20%(w/w)まで、約20%(w/w)から約30%(w/w)まで、約30%(w/w)から約40%(w/w)まで、約40%(w/w)から約50%(w/w)まで、約50%(w/w)から約60%(w/w)まで、約60%(w/w)から約70%(w/w)まで、約70%(w/w)から約80%(w/w)まで、又は、約80%(w/w)から約98%(w/w)までの範囲にある。
【0058】
特定の実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物のPMF部分は、5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンからなる群から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、又は、すべてのPMFを含む。
【0059】
幾つかの実施態様において、組成物のPMF部分は、3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン、及び、5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボンからなる群から選択される1以上のPMFを含む。
【0060】
幾つかの実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物のPMF部分は、5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンからなる群から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、又は、すべてのPMFで構成される。
【0061】
幾つかの実施態様において、提供される方法に用いられる組成物は、生理的に許容し得る溶媒、賦形剤又はキャリア、及び下記からなる群から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、又は、すべてのPMFから本質的に構成される:5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4'-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンである。
【0062】
特定の実施態様において、提供される方法に用いられる組成物は、PMF部分及び1以上の非PMF部分から構成され、そこで、非PMF部分は、例えば、生理的に許容し得る溶媒、賦形剤、キャリア、着色剤、香味料、食品添加物、栄養分、ビタミン、ミネラル、代謝物質、乳化剤、安定剤、電解質など(すなわちPMF以外の構成要素)を含み、PMF部分は、ヒドロキシル化PMFに対して濃縮される。「ヒドロキシル化PMFの濃縮」部分に関連して本明細書中に使われる用語「濃縮」は、PMF部分のヒドロキシル化PMFが、PMF部分の全体の重量の少なくとも15%から約95%までを含む、及び/又は、PHF部分の非ヒドロキシル化PMFに対するヒドロキシル化PMFの比率が、PMFを含む天然の供給源で見つけられる非ヒドロキシル化PMFに対するヒドロキシル化PMFの比率よりも大きいPMF部分を含む。
【0063】
特定の実施態様において、組成物の「ヒドロキシル化PMFの濃縮」部分は、PMF部分の全体の重量の少なくとも15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のヒドロキシル化PMFを含む。
【0064】
幾つかの実施態様において、提供される方法に用いられる組成物は、ヒドロキシル化PMF濃縮部分及び1以上の非PMF部分を含み、ここで、ヒドロキシル化PMFが濃縮されたPMF部分は、3-ヒドロキシ-5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン、3-ヒドロキシ-5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン、3-ヒドロキシ-5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-3, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-3, 7, 3', 4'-テトラメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4', 5'-ヘキサメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-6, 7, 4'-トリメトキシフラボン、5, 3'-ジヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4'-テトラメトキシフラボン、5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4'-テトラメトキシフラボン、7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン、7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン、3'-ヒドロキシ-5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン、3'-ヒドロキシ-5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン、3', 4'-ジヒドロキシ-5, 6, 7, 8-テトラメトキシフラボン、及び4'-ヒドロキシ-5, 6, 7, 8, 3'-ペンタメトキシフラボンからなるヒドロキシル化PMFの群から選択される少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5又はそれ以上のヒドロキシル化PMFから構成される。
【0065】
提供される方法の特定の実施態様において、1以上のPMF及び生物活性成分(ここで、その生物活性成分はPMFでない)を含む組成物を、対象に投与する。
特定の実施態様において、この文脈における「生物活性成分」は、限定されるものではないが、例えば、水、代謝物質又はその前駆体、電解質、エネルギーを得る援助するエネルギー供給剤又は触媒、興奮薬(例えばエフェドリン、カフェインなど)、抗炎症性薬剤などを含む運動パフォーマンスを最適化するのに有用であるあらゆる薬剤(PMFを含まない)を指す。例えば幾つかの実施態様において、「生物活性成分」は、炭水化物、単糖類、スターチ、ペントース、タンパク質、アミノ酸、ポリペプチド、トリグリセリド、脂肪酸、ビタミン又はミネラルであってもよい。
【0066】
幾つかの実施態様において、生物活性成分は、ショウガ抽出物である。
さらに別の態様において、本発明は、本明細書中において記載される方法に使用されるショウガ抽出物を含む組成物を提供する。
特定の実施態様において、オレンジピール抽出物及びショウガ抽出物の混合物を含む組成物を、本明細書中に提供される方法に使用ことができる。
【0067】
(6.2.1.機能性食品の調合)
特定の実施態様において、本発明の方法に用いられる組成物は、機能性食品組成物であってもよい。本明細書中で使用されるように、用語「機能性食品組成物」は、食品、食品添加物、栄養補助食品、医療用食品又は特別食用途のための食品及びPMF部分のための食物を含む組成物を指す。
【0068】
幾つかの実施態様において、本発明の機能性食品組成物は、一般的に1以上の消費できるビヒクル、キャリア、賦形剤又は充填剤を含む。用語「消費できる」は、一般に適切である、又は、動物による及び特にヒトによる消費のため連邦政府又は州政府の監査機関によって承認されるということを意味する。
本明細書中で使用されるように、「食品」は、ヒトを含む動物による消費を意図した処理された、半処理された、又は、未処理のあらゆる物質を意味するが、化粧品、タバコ製品又は薬剤のみとして使用される物質を含まない。
【0069】
本明細書中で使用されるように、用語「栄養補助食品」は、食事補充を意図した製品(タバコ以外)を意味する。一般的に、栄養補助食品は栄養補助食品とラベルされ、従来の食品として、又は、食事(meal)又は食事(diet)単独品目としての使用の代理とはならない製品である。栄養補助食品は一般的に、以下の食事成分の1以上を含むことができる:ビタミン;ミネラル;ハーブ又は他の植物;アミノ酸;全体の食事摂取量を増加させることにより食餌を補充するヒトによって使用される栄養補助食品;又は該成分の濃縮物、代謝物質、構成要素、抽出物、又は組合せである。栄養補助食品は、処理、製造、調整又は食品の出荷の間、又は、その消費の直前に食品に組み込まれる食品添加物と異なり、あらゆる食品から独立して対象によって消費され得る。
【0070】
本明細書中で使用されるように、用語「医療用食品」は、医師又は獣医の完全な管理において消費又は投与されるために調製され、かつ承認された科学法則に基づいた特徴的な栄養的要求が、医療的評価によって確立される疾患又は状態の具体的な食事の管理を意図した食品を指す。医療用食品の例を挙げると、すべての他の食品摂取と置き換えるために使用される完全な栄養的製品である単独の供給源の栄養製品;下痢又は嘔吐後に失われた流体及び電解質の置き換えに用いられる経口再水和溶液;完全な栄養的な供給源である意図を有しないが、特異的疾患の処置のために設計され、直接又はそれを含む効果に関連している要求を有する特別に選択された成分を含む補給栄養製品、及び、代謝の先天的な誤りにおける食事の管理の使用を意図した製品を含むが、これに限定されるものではない。
【0071】
本明細書中で使用されるように、用語「特別食用途のための食品」は、少なくとも以下のうちの1つのために使われるものを表す食品を指す:疾患の状態、回復期、妊娠、授乳、未成年、食品に対するアレルギー性過敏症、体重不足、太りすぎ、又は、ナトリウム摂取制御の必要性を含むがこれに限らない物理的、生理的、病理学的又は他の状態の理由で存在する特別食の必要性の供給;ビタミン、ミネラル、又は、全体の食事摂取量を増加させることにより食事を補充するために使用される他の成分の供給;及び食事の単独品目としての使用される食物であることの理由による特別食の必要性の供給。
【0072】
本発明の方法に用いられる栄養補助食品組成物はまた、追加的な健康的又は医薬の利点を与える1以上の他の成分を含むことができる。
幾つかの実施態様において、本発明の方法に用いられる栄養補助食品組成物は、PMF部分及び1以上の「一般に安全と考えられる(Generally Regarded As Safe)」(「GRAS」)物質を含む。多くのGRAS物質は、公知であり、全体において本明細書中に引用により取り込まれている米国公衆衛生当局 21CFR 73、74、75、172、173、182、184及び186の規制の様々な節において記載される。
【0073】
特定の実施態様において、用語「医療用食品」、「特別食用途のための食品」、「栄養補助食品」又は「食品添加物」の意味は、州政府の監査機関、又は、米国食品医薬品局を含む米国の連邦政府により規定される用語の意味である。
特定の実施態様において、本発明の方法に用いられる栄養補助食品組成物は、PMF部分の重量の約0.001%から約90%までを含む。また考えられる組合せの他の量は、PMF部分の重量の約0.0075%から約75%、約0.005%から約50%、約0.01%から約35%、0.1%から約20%、0.1%から約15%、1%から約10%、及び2%から約7%である。
【0074】
提供される方法の特定の実施態様において、1以上のPMFを含む組成物は、水性ベースの飲料として対象に投与される。このような飲料は、例えば懸濁剤のような生理的に許容し得る添加剤(例えばソルビトールシロップ、セルロース誘導体、又は水素化された食用に適する脂肪);乳化剤(例えばレシチン又はアカシア);及び防腐剤(例えばメチル又はプロピル-p-ヒドロキシベンゾアート又はソルビン酸)をさらに含むことができる。調整物は、また、バッファー塩、電解質、香味料、着色剤及び甘味料を適切に含むことができる。
【0075】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で投与される組成物は、エアロゾル、チュアルバー、大きい又はゆるい乾燥した形状、カプセル、クリーム、飲み物、エリキシル、エマルション、流体、ゲル、顆粒、チュアブルガム、粉末、溶液、スプレー、懸濁液、シロップ、錠剤又は茶において投与される。
【0076】
特定の実施態様において、組成物は、運動パフォーマンスを最適化する意図を有する、又は、運動の結果として必要であるように、液体、栄養分、カロリーなどの滋養分を与える、置き換える、補給する、又は、回復させる意図を有するドリンク又はゲルにおいて投与される。スポーツ飲物及びゲルは一般に公知であり、例えば、GATORADEスポーツドリンク、GUエネルギーゲル、GU2Oスポーツドリンク、CRANK eGELエネルギーゲル、CYTOMAXスポーツドリンク、POWERBAR PERFORMドリンク、ULTIMA REPLENISHERドリンク、SOBE SPORTS SYSTEMドリンク、ULTRAFUELドリンク、SHAKELEE PHYSIQUEドリンク、ENDUROXR4ドリンク、HAMMERゲル、CLIF SHOTゲル、CARB-BOOMゲル、ACCELERADEドリンク、ACCELゲルなどを含む。
【0077】
(6.2.2.医薬製剤)
特定の実施態様において、本発明の使用される1以上のPMF及び1以上の生理的に許容し得るキャリア又は賦形剤を含む医薬組成物を、従来の方法で配合することができる。したがって、1以上の生理的に許容し得るキャリア又は賦形剤、及び1以上のPMF、及びそれらの生理的に許容し得る塩及び溶媒和物の組合せを、吸入又は吹送(口又は鼻のいずれかを通じて)による投与、経口、頬、非経口、直腸又は経皮的な投与のために配合することができる。
【0078】
経口投与のため、医薬組成物は、例えば、(前もってゼラチン化されたトウモロコシスターチ、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースのような)結合剤;(ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウムのような)充填剤;(イテアリン酸マグネシウム、タルク又は二酸化ケイ素のような)潤滑剤;(ジャガイモスターチ又はスターチグリコール酸ナトリウムのような)崩壊剤;又は(例えばラウリル硫酸ナトリウムのような)湿潤剤のような医薬として許容し得る賦形剤を用いて、従来の手段によって調整される錠剤又はカプセルの形態とすることができる。錠剤を、公知技術の方法によって被覆することができる。経口投与のための液体製剤を、例えば溶液、シロップ又は懸濁液の形状とすることができ、又はそれらを、使用の前に水又は他の適切なビヒクルで構成するための乾燥製品として提供することができる。このような液体製剤は、例えば(ソルビトールシロップ、セルロース誘導体又は水素化された食用に適する脂肪のような)懸濁剤;(レシチン又はアカシアのような)乳化剤;(アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール又は分画された植物油のような)非水性ビヒクル;及び、メチル又はプロピル-p-ヒドロキシベンゾアート又はソルビン酸のような)防腐剤などの医薬として許容し得る添加剤を用いて、従来の手段によって調整することができる。製剤はまた、バッファー塩、香味料、着色剤、甘味剤を適切に含むことができる。
【0079】
経口投与のための製剤を、1以上PMFの徐放を提供するために最適に配合することができる。
頬側投与のために、組成物は、従来の方法で配合される錠剤又はトローチ剤の形状をとることができる。
【0080】
吸入による投与のため、本発明に使用される医薬組成物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又はその他適切なガスなどの適切な噴霧剤を用いて、加圧されたパックから又は噴霧器からのエアロゾルスプレー提示の形で都合よく供給される。加圧されたエアロゾルの場合、投与量単位は、計測された量を供給するためのバルブを提供することによって決定することができる。吸入又は通気器に用いられるゼラチンなどのカプセル及びカートリッジを、1以上PMF、及び、ラクトース又はスターチなどの適切な粉末基剤の混合粉末を含んで配合することができる。
【0081】
例えば、医薬組成物を、例えばボーラス注入又は連続的注入による注入によっての非経口投与のために配合することができる。注入のための製剤は、添加された防腐剤と共に、例えば、アンプル又は複数投与用容器における単位剤形で提供することができる。組成物は、油性又は水性のビヒクルの懸濁液、溶液又はエマルションとしてのような形態をとることができ、例えば懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤などの調剤された薬剤を含むことができる。代替的に、活性成分は、使用前に、殺菌したパイロジェンフリー水などの適切なビヒクルで構成するための粉末形態中に存在してもよい。
【0082】
医薬組成物はまた、例えばカカオバター又は他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を含む坐薬又は停留浣腸剤のような直腸用組成物中に配合され得る。
先に記載した製剤に加えて、医薬組成物は、また、デポー製剤として配合され得る。このような長く作用する製剤は、(例えば皮下に又は筋内への)移植、又は、筋内注射によって投与され得る。したがって、例えば、複合体は、(例えば許容し得る油のエマルションとして)適切な重合体又は疎水性物質、又はイオン交換樹脂によって、又は、例えば、難溶性塩のような難溶性誘導体として配合され得る。
【0083】
医薬組成物は、必要に応じて、活性成分を含む1以上の単位剤形を含むことができるパック又はディスペンサ装置内に提供され得る。パックは、例えばブリスターパックのような金属又はプラスチックホイルを含むことができる。パック又はディスペンサ装置は、投与の指示書が添付されていてもよい。
【0084】
(6.3 PMF含有組成物の投与)
本発明の方法において対象に投与される組成物の量、並びに投与の頻度は、例えば、年齢、体重、反応及び対象の過去の病歴で変化する可能性がある。有効な投与量は、インビトロ又は動物モデル試験システムから導かれる用量反応曲線から推論されてもよい。
【0085】
一般に、本発明の方法において使用する組成物の活性成分、すなわち1以上のPMFは、約0.001μg/kg、約0.005μg/kg、約0.01μg/kg、約0.05μg/kg、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約5μg/kg、約10μg/kg、約50μg/kg、約100μg/kg、約500μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約25mg/kg、約50mg/kg、約67mg/kg、約75mg/kg又は約80mg/kgの量で対象に投与され、ここで、単位は、対象体重(kg)あたりの活性成分の質量を指す。
【0086】
特定の実施態様において、本発明の方法で、組成物が、対象、好ましくはヒトに投与される場合、投与される組成物中のPMF部分の量は、約0.05mg、約0.1mg、約0.5mg、約1.0mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、又は約50mgから、約75mg、約100mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約750mg、約800mg、約900mg、約1g、約2g、約3g、約5g、又は、約10gまでである。
【0087】
幾つかの実施態様において、組成物で投与されるPMF部分の量は、約50mgから約1gまでである。
幾つかの実施態様において、組成物で投与されるPMF部分の量は、約100mgから約400mgまでである。
【0088】
提供される方法の特定の実施態様において、1以上のPMFを含む組成物は、運動前に対象に投与される。幾つかの実施態様において、組成物は、運動前の約12時間、約6時間、約3時間、約2時間、約1時間、約30分、約15分以内、又は、約1分以内に投与される。
提供される方法の特定の実施態様において、1以上のPMFを含む組成物は、対象が運動している間に対象に投与される。
【0089】
提供される方法の特定の実施態様において、好ましくは対象の運動と関連した筋肉の痛みを減少するための方法の実施態様において、組成物は、運動後に対象に投与される。幾つかの実施態様において、組成物は、運動後の約1分、約10分、約20分、約1時間、約3時間、約6時間、約12時間、約24時間、約36時間又は約48時間以内に対象に投与される。
【0090】
組成物を含むPMFは、対象の循環におけるPMF部分の生物学的利用能を保証するあらゆる適切な経路で投与されることができる。PMF含有組成物の有効な量を提供する投与のあらゆる経路を使用することができる。特に、投与経路は、例えば、上記の通りに、栄養補助食品又は医薬組成物のような製剤の種類によって示され得る。
【0091】
幾つかの実施態様において、本発明の方法で投与される組成物は、頬側、鼻、経口、非経口、直腸、舌下、局所又は経皮的な投与経路を経て投与される。
好ましい実施態様において、1以上のPMFを含む組成物は、経口的に投与される。幾つかの実施態様において、1以上のPMFを含む組成物は、液体形態、好ましくは水性液体形態において、経口的に投与される。
【実施例】
【0092】
(7.実施例)
以下は、対象の運動後の回復時間を減少させるためのポリメトキシル化フラボン成分を含む組成物の使用を例証する。
【0093】
(7.1.抽出物の製剤)
(7.1.1.オレンジピール抽出物)
ピール、オレンジジュース産業からの副産物を含むオレンジの固体を、バレンシア及びハムリン種のオレンジから得た。オレンジピールオイルは、ピールの常温圧縮により得た。オレンジピールオイルは、約0.4%のPMF部分、98%の軽揮発性の部分、及び2%の残留物を含む。溶媒での抽出を利用する分離工程、続いて、抽出物の乾燥を、粉末形状のオレンジピール抽出物を得るために実行した。オレンジピール抽出物は、抽出物の約30%(w/w) のPMF部分及び非PMF部分を有していた。非PMF部分は、検出可能なリモネンをほとんど含まず、ワックス、不飽和脂肪酸及びβ-シトステロールを含むことが発見された。PMFを、逆相高速液体クロマトグラフィ(HPLC)及び順相のHPLCによって分析した。
【0094】
一般的に、順相HPLCのため、内径4.6mm x 25cm長の大きさを有するシリカゲルHPLCカラム(MacMod Analytical 社、 Chadds Ford, PA) を、90%のヘキサン/10%のクロロホルム開始溶媒で利用した。送流は、20分以上、10%から90%のクロロホルム濃度勾配を20分以上、続いて、90%クロロホルムでさらに20分行った。質量分析法(MS)を、個々のPMFを識別するため、HPLCと連動して使用した。大気圧化学イオン化MSを、分子量決定のために使用した。標準は、フロリダ州政府柑橘局(Florida Department of Citrus)(Lakeland, FL)から得た。オレンジピール抽出物粉末は、下記のものを含むメトキシル化フラボノイドの様々な類似体の混合物を含んでいた:5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンである。
【0095】
(7.2 オレンジピール抽出物のウマへの投与)
健康な訓練されていないスタンダードブレッド種の雌馬を、以下に記載する研究に使用した。ウマの生理は、(1)心血管機能、(2)運動に対する代謝および筋肉の応答、(3)運動に対する内分泌応答、及び(3)汗をかくことによる温度調節の点でヒトのそれに類似している。
【0096】
ウマの薬物動態研究のため、3リットルの水に溶解した、第7.1節に記載されたように調整したオレンジピール抽出物粉末35グラムを、対象に投与した。等級別運動検査(GXT)においてウマへの投与のため、2リットルの水に溶解したオレンジピール抽出物粉末30グラムを、下記のように対象に投与した。オレンジピール抽出物粉末を溶解する手順は、100mLのエタノール中にオレンジピール抽出物粉末を溶解し、かつ、10gのレシチンを添加することを含む。その混合物を、煮沸し、プレエマルジョンを形成するため、高剪断状況下で温水(摂氏48.9度(華氏120度))をゆっくり加えた。プレエマルジョンを、所望の最終的な容積にするため、高剪断状況下で温水中に分散した。
水に溶解したオレンジピール抽出物を、鼻腔胃管によってウマに投与した。
【0097】
(7.3.ウマにおけるオレンジピール抽出物の薬物動態)
上記の通りのウマへのオレンジピール抽出物の投与の後、ウマから血液サンプルを、0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、24、及び36時間で収集し、血漿中のオレンジピール抽出物成分を観察するため、HPLC/MSにかけた。結果を、図1に示す。
例えば、温度、呼吸、心拍数、粘膜色、表皮層、及び全体の外観と動作などの生理的な観察を記録した。
【0098】
(7.4.等級別運動試験)
(7.4.1.方法)
検査手順:トレッドミル上での等級別運動試験(GXT)を、オレンジピール抽出物で処理されたウマの運動への応答を研究するために利用した。無作為クロスオーバー盲検試験を、水又はオレンジピール抽出物での処理にランダムに割り当てられた6匹の不健康な雌馬を使用して設計した。雌馬の年齢は、10±4歳であり、約450kgの平均重量を有していた。雌馬を、水と共に牧草地に収容し、任意に提供された牧草地で放牧し、アルファルファおよび干し草を約6kg/日、穀物を約3kg/日供給した。ウマは、研究室に慣れていて、実験開始の前にトレッドミル上で走っていた。
【0099】
トレッドミル上での各々の試験走行の前に、ウマを計量し、カテーテル(2-アンギオキャス, 14 ゲージ, Becton Dickson 社, Parsippany, NH; 及び7つのフランスのカテーテル輸入業者, Argon Medical社, Athens, TX) を、殺菌技術及び局所的リドカイン麻酔を使用して、経皮的に左右の頸静脈にそれぞれ導入した。各々のウマに、鼻腔胃管によって2Lの水中の抽出物30gを投与し、その区画内に一時間静かに立たせた。それから、ウマにサーミスタプローブ(Model # Bat- 10, Physitemp Instruments社, Clifton, NJ)を挿入し、中核体温の測定のために配置されるトレッドミル上を歩かせた。微差圧力計カテーテル変換器(Millar Instruments社, Houston, TX) を使用し、肺動脈圧、右室圧および心拍数を測定した。圧力検知カテーテルの位置の検証は、生理的な記録システム(Biopac社, Santa Barbara, CA)に記録される典型的な血圧波形を用いて運動の前後で行った。ウマは、約10-15分静かに立っていた。基準の血液サンプル(10ml)および直腸温(YSI PRECISION 4000A Thermometer, YSI 社, Yellow Springs, OH)を取った後に、15分の血行力学的データ、立っている熱量測定データを得た。
【0100】
等級別運動試験手順は、固定6%傾斜のウマ、SATO I トレッドミル(Equine Dynamics社, Lexington, KY)上で、1分間4m/sの初期速度で始め、続いて、1分に6m/sまで増加させ、その後ウマが疲労するまで、毎分、速度を1m/s徐々に増加させて行った。人道的な促進にもかかわらず、ウマがトレッドミルについていくことができなかった時点で、疲労を識別した。疲労した時点で、トレッドミルを止め、5分の運動熱量測定および血行力学的データを収集した。トレッドミルセッションの間に、一週間放置した。
【0101】
熱量測定:間接的なオープンフローのOXYMAX-XL熱量計装置(Columbus Instruments社, Columbus, OH)を使用し、酸素消費(VO2)および二酸化炭素(VCO2)を試験の間に連続的に測定し、10秒の間隔で記録した。VO2のプラトーとして観察される最大の酸素取り込み(VO2max)を、各々のウマに対して測定し、かつ、ウマの速度を記録した(Vvo2max)。回復時間は、VO2が運動前のレベルに戻るのにかかる時間として決定した。
【0102】
血液化学:血液サンプルを、GXTの前、GXTの各々の1分の段階終了時、及び疲労後24時間に渡って(すなわち、GXT後、2分、5分、30分、1時間、2時間、4時間、及び24時間)採取した。観察した血液パラメータは、ヘマトクリット値、タンパク質全体、乳酸塩の血漿中濃度、クレアチンキナーゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼを含む。血液サンプルを、EDTA又はナトリウムヘパリン(Becton Dickson社, Franklin Lakes, NJ)を含む、予め冷却されたVACUTAINER管内に配置し、すぐに氷上に配置した。乳酸塩濃度を、乳酸塩SPORT 1500分析器(YSI社, Yellow Springs, OH)を用いて三回反復測定した。ヘマトクリット値及び血漿タンパク質を、ミクロヘマトクリット技術及び屈折率測定を用いて二回反復測定した。(McKeeverらの論文(1998) Vet. J. 155:19-25) クレアチンキナーゼおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼを、酵素反応アッセイを用いて測定した (BMD Roche/Hitachi 747-100, High Technology社, Walpole, MA) 。
【0103】
サイトカイン発現の測定:GXTの前、運動後すぐ、及び運動後0.5、1、2、4及び24時間後に、インターロイキン6(IL-6)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)及びガンマインターフェロン(IFN-γ)RNAの発現レベルを、ウマから静脈穿刺によって採血された血液サンプルにおいて測定し、PAXGENE(登録商標)管(Qiagen社, Valencia, CA)内に収集した。全RNAを、製造業者の指示書に従って回転カラムを用いて管から分離した。RNAを、BIOPHOTOMETER分光光度計(Eppendorf社, Hamburg, Germany)を使用して定量化した。全ての場合において、OD260/280比率は1.9より大きく、RNA収量は50μg/mlより大きかった。1マイクログラムのRNAを、20単位のAMV逆転写酵素、0.5μgのオリゴdTプライマー、40単位のRNAsin、及び5mMのMgCl2を含む80μlの反応中cDNAに逆転写した(Promega社, Madison, WI)。次に、サイトカイン特異的cDNAを、Taq熱安定性DNAポリメラーゼ、馬のサイトカインの公知の配列に基づくプライマー及びβ-アクチンを使用して、「リアルタイム」ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅及び定量化した(ABI Sysytems 7500 Sequence Detection System Foster City, CA)。(Swiderskiらの論文(1999) J Immunol. Methods 222:155-69を参照のこと。)ASSAY-BY DESIGNキット(ABI)として提供されている、各々のサイトカイン及びβ-アクチンに特異的プライマー及びFAMラベル化プローブを、Taqポリメラーゼ(12.5μlのUNIVERSAL MASTER MIX反応バッファ,ABI)及び5μlのcDNAを含む96ウェルのマイクロプレート中の25μlの反応に加えた。以下のPCR条件を使用した;製造業者によって推奨されるように、95℃で10分間、続いて、95℃で15秒間及び60℃で60秒間の40サイクル。
【0104】
サンプル間のRNA隔離及びcDNA合成の差異は、各々のサンプルの内部コントロールとして、β-アクチンを使用して修正した。運動から生じるサイトカインmRNA発現の相対的な差異は、相対的な定量化によって決定した。相対的な定量化は、正確な複製数が決定される必要なしに、サンプル中のターゲットcDNAの初期レベルの間の正確な比較を提供する(Livak及びSchmittgenらの論文(2001)Methods 25:402-408を参照のこと)。運動前サンプルを、標準物質として選択し、次に、その標準物質に対するサイトカイン遺伝子発現の後の発現の変化を、各々のサンプルに対して測定した。
【0105】
統計分析:結果を、平均(SEM)の+/-標準誤差の平均として表す。群及び時間による比較のため、反復測定の二元配置ANOVAを、演繹的なレベルの統計的有意性P<0.05で使用した。その後、差異をチューキー検定を用いて決定し、相関係数はピアソン相関(Sigma Stat 2.0; SPSS社, Chicago, IL)を用いて導いた。
【0106】
(7.4.2.結果)
図2は、運動後の回復時間が、水で処理された群と比較して、オレンジピール抽出物で処理された群において有意に減少したことを示す、VO2回復時間の比較を表す。
水又はオレンジピール抽出物で処理された群の酸素の容量の結果、すなわち、最大の酸素消費(VO2max)を、図3に示す。処理された群及びコントロール群の間の最大の酸素の容量の差異(p >0.05)は、顕著でなかった。
【0107】
処理された群及びコントロール群の間で中核体温、直腸温、心拍数、又はヘマトクリット値における差異(p >0.05)は、観察されなかった。
各々の群の呼吸交換比率の比較を、図4に示す。処理された及びコントロール群の間の呼吸交換比率の差異(p >0.05)は、顕著でなかった。
【0108】
処理された群あたりの疲労への平均走行時間の結果を、図5に示す。
運動の前(約240IU/L)、及び後(運動後の2及び4時間で約350IU/L)のクレアチンキナーゼ濃度の変化は、オレンジピール抽出物が投与されたウマ、及び水が投与されたウマにおいて観察された。クレアチンキナーゼレベルは、運動後24時間で両方の群においてほとんど運動前のレベルに戻った。オレンジピール抽出物で処理されたウマ及び水で処理されたウマの間での有意な差異は、血漿乳酸塩に関して観察されず、クレアチンキナーゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ濃度が観察された。
【0109】
血漿量は、運動の間減少し、これは、例えば血漿タンパク質濃度の変化の反映として流体区画化の変化と考えられる。運動前は最初7.7g/dLに近い全体の血漿タンパク質濃度は、水で処理されたウマの疲労点の近くで最大濃度約10g/dLに増加する。これと比較して、オレンジピール抽出物で処理されたウマの全体の血漿タンパク質濃度は、運動前約7.5g/dLから運動の進行上で最大8.2g/dLまでの上昇が観察された。したがって、オレンジピール抽出物は、運動の間の血漿量の減少を減らすようである。
【0110】
炎症のためのマーカーとしてサイトカインレベルを反映するデータは、運動がIFN-γmRNA発現(図6)及びTNF-αmRNA(図7)を増加させるが、IL-6mRNA発現は増加しないことを示している。オレンジピール抽出物で処理されたウマ及び水によって処理されたウマの間で、運動から誘発されたIFN-γmRNA上方調節の幾つかの差異は、早期の時点の一部(図6)において生じた。オレンジピール抽出物処理されたウマ及び水処理されたウマの間で、TNF-α及びIL-6 mRNA発現レベルのわずかな差異が観察された。
【0111】
(7.5.運動パフォーマンス及び回復におけるショウガ抽出物の効果)
この研究の目的は、ウマの運動の消耗的な期間の後のパフォーマンス(VO2、ヘマトクリット値、血漿全体のタンパク質)のマーカー、温度調節(中核及び直腸温)、及び筋肉損傷(クレアチンキナーゼ、すなわちCK及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、すなわちAST)におけるショウガ(学名:Zingiber officinale)及びクランベリー(学名:Vaccinium macrocarpon)抽出物の効果を調査することである。生理的データを得るための試験手順及び方法論は、ウマをショウガ抽出物、クランベリー抽出物、又は水で処理したことを除いて第7.4節に記載したものと同一である。特に、9頭の不健康なスタンダードブレッド種雌馬は、無作為クロスオーバー設計の3回の等級別運動試験(GXT)を完了した。雌馬は、試験の約1時間前に、水(2L)、クランベリー(2Lの水に〜30g)又はショウガ(2Lの水に〜30g)抽出物のいずれかを投与した。血液サンプルを、投与前(予備)、トレッドミル上の各々の増加終了時、運動後、GXT後2分、5分、30分、1時間、2時間、4時間及び24時間に採取した。血漿全体のタンパク質及びヘマトクリット値を、運動試験後すぐに分析した。
【0112】
図8(C)に示すように、ショウガは、心血管回復時間を有意に下げた。処理(p>0.05)の効果は、VO2max(図8(A))、ヘマトクリット値、又は血漿全体のタンパク質に示されなかった。結果は、ショウガ抽出物が運動の消耗的な期間を完了したウマの心血管回復時間を減少することを示唆する。
【0113】
本明細書中に引用した全て引用文献は、各々の個別の公表、又は特許、又は特許出願が全ての目的のためにその全体において引用により取り込まれるように、詳細かつ個別に示され、その全体及び同じ範囲の全ての目的において引用により取り込まれている。
本発明の多くの改質および変更は、その趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者に公知であるように作成されることができる。本明細書中に記載される特有の実施態様は、例示する目的にのみ提供され、本発明は、請求項が称するもの同等物の全面的な範囲とともに添付の請求の範囲の用語によってのみに限定される。
【図面の簡単な説明】
【0114】
(4.図面の簡単な説明)
【図1】図1は、組成物が投与されたウマからのポリメトキシル化フラボン部分を含む組成物の除去の薬物動態を提供する。
【図2】図2は、水又はオレンジピール抽出物で処理され、かつ等級別運動試験を受けたウマにおいて観察される回復時間を提供し、群の間において有意な(p<0.05)差異を示す。
【図3】図3は、水又はオレンジピール抽出物で処理され、かつ等級別運動試験を受けたウマにおいて観察される、有酸素容量の観察されたレベル、すなわち最大酸素消費(VO2max)を提供する。
【図4】図4は、水又はオレンジピール抽出物で処理され、かつ等級別運動試験を受けたウマにおいて観察される、呼吸交換率の観察されたレベルを提供する。
【図5】図5は、水又はオレンジピール抽出物で処理され、かつ等級別運動試験を受けたウマにおいて観察される、平均走行時間を提供する。
【図6】図6は、水又はオレンジピール抽出物で処理され、かつ等級別運動試験を受けたウマにおいて観察される、血漿IFN-γ濃度を提供する。
【図7】図7は、水又はオレンジピール抽出物で処理され、かつ等級別運動試験を受けたウマにおいて観察される、血漿TNF-α濃度を提供する。
【図8】図8は、クランベリー(黒色バー)、ショウガ(薄いバー)、及び水(グレーのバー)の群によって処理されたウマにおける、(A) VO2max、(B)疲労に対する走行時間、及び(C)心血管回復時間を提供する。アスタリスク(*)は、群間の有意な(p<0.05)差異を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の運動後の回復時間を減少させるための方法であって、該対象が運動から回復するのに必要である時間を減少させるため、該対象へ、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の有効量を投与することを含み、ここで、該PMF部分は1以上のPMFを含み、かつ該組成物は、該対象による運動前、運動の間、又は運動後の約20分以内に投与される、前記方法。
【請求項2】
前記運動後の回復時間の減少が、約25秒から約120秒の間である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記運動後の回復時間は、前記対象の運動後酸素消費(VO2)レベルが運動前の基礎的なVO2レベルに戻るためにかかる時間である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記運動後の回復時間は、前記対象の運動後酸素消費(VO2)レベルの、運動前の基礎的なVO2レベルの方への戻りの高速成分を完了するのにかかる時間である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
運動後酸素消費(VO2)を運動前の基礎的なVO2値に戻させるために、運動を中断した前記対象のための時間を減少させる請求項1記載の方法であって、該対象へ、PMF部分及び非PMF部分を含む組成物の有効量を投与することを含み、ここで、該PMF部分は1以上のPMFを含み、かつ該組成物が、該対象が運動を中断する前に該対象に経口的に投与され、それによって、該対象の運動後VO2が運動前の基礎的なVO2値まで戻るのにかかる時間は、該組成物が投与されない場合に該対象の運動後VO2が運動前の基礎的なVO2値まで戻るのにかかる時間よりも短い、前記方法。
【請求項6】
1以上の前記PMFが、5, 6, 7, 3', 4'-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記組成物のPMF部分は、5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;又は7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンから本質的に構成される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
1以上のPMFから構成される前記PMF部分は、5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記1以上のPMFが、前記組成物の約25%から約75%w/wの部分を構成する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、食品、食品添加物、栄養補助食品、又は医療用食品である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、生理的に許容し得るキャリア又は賦形剤を含む非PMF部分と、下記からなる群から選択される1以上のPMFを含むPMF部分とを包合する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法:5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン。
【請求項12】
前記組成物が、生理的に許容し得るキャリア又は賦形剤を含む非PMF部分と、下記からなる群から選択される1以上のPMFから本質的に構成されるPMF部分とを包合する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法:5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン。
【請求項13】
前記組成物が、生理的に許容し得るキャリア又は賦形剤を含む非PMF部分と、下記からなる群から選択される1以上のPMFから構成されるPMF部分とを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法:5, 6, 7, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(シネンセチン);5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン(ノベレチン);5, 6, 7, 8, 4’-ペンタメトキシフラボン(タンジェレチン);5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン(オラネチン);5-ヒドロキシ-7, 8, 3', 4’-メトキシフラボン;5, 7-ジヒドロキシ-6, 8, 3', 4’-テトラメトキシフラボン;5, 7, 8, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン;5, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;3, 5, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘプタメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-3, 6, 7, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;5-ヒドロキシ-6, 7, 8, 4’-テトラメトキシフラボン;5, 6, 7, 4’-テトラメトキシフラボン;7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 8, 3', 4’-ヘキサメトキシフラボン;及び7-ヒドロキシ-3, 5, 6, 3', 4’-ペンタメトキシフラボン。
【請求項14】
前記組成物が前記対象に経口的に投与される、請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が乾燥した形状において投与される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が液体形状において投与される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記対象がヒトである、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記対象がウマである、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記対象がイヌである、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記組成物におけるPMF部分の約50mgから約1000mgが前記対象に投与される、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記非PMF部分が生物活性成分を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記生物活性成分がショウガ抽出物である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、前記対象の運動前の約2時間、約1時間又は約30分以内に投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記対象が運動する間、前記組成物が投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
対象の運動後の回復時間を減少させる方法であって、該対象が運動から回復するのに必要とする時間を減少させるため、該対象へ、ショウガ抽出物を含む組成物の有効量を投与することを含み、ここで、該組成物が、該対象による運動前、運動の間、又は運動後の約20分以内に投与される、前記方法。
【請求項26】
対象の運動パフォーマンスを増加させる方法であって、該対象へ、ショウガ抽出物を含む組成物の量を投与することを含み、ここで、投与される組成物の量は、該対象の運動パフォーマンスを増加させるのに有効であり、かつ該組成物が、該対象による運動前、運動の間、又は運動後の約20分以内で投与される、前記方法。
【請求項27】
前記ショウガ抽出物がオレンジピール抽出物を更に含む、請求項25記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−542297(P2008−542297A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513760(P2008−513760)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/020441
【国際公開番号】WO2006/127996
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(306037735)ルトガース,ザ ステート ユニヴァーシティ オブ ニュージャーシィ (3)
【Fターム(参考)】