説明

運動案内装置及びねじ装置

【課題】クーラント等の水分や塵等の異物が浸入するのを防止するジャケットを移動体に容易に装着できる運動案内装置を提供する。
【解決手段】移動体2は、負荷転動体転走部2a及び転動体戻し路2bを有する移動体本体3と、移動体本体3の移動方向の両端面に取り付けられ、移動体本体3の負荷転動体転走部2aと転動体戻し路2bを接続する方向転換路を有する一対の蓋部材4と、を備える。ジャケット8は、一対の蓋部材4を覆う一対の端部被覆部21、及び一対の端部被覆部21を連結する連結部22を一体に成形してなる成型品である。ジャケット8は伸縮可能であり、引き伸ばされたジャケット8の弾性変形を利用することによって、ジャケット8を移動体2に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道部材と移動体との間に転がり運動可能に複数の転動体を介在させた運動案内装置、及びねじ軸とナットとの間に転がり運動可能に複数の転動体を介在させたねじ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運動案内装置は、テーブル等の案内対象の直線運動又は曲線運動を案内する機械要素である。運動案内装置として、直線的に伸びる軌道レールと、軌道レールに沿って直線運動可能に組み付けられる移動ブロックと、を備えるリニアガイドが知られている。移動ブロックの円滑な直線運動を得るために、軌道レールと移動ブロックとの間に転がり運動可能に多数のボールやローラ等の転動体が介在される。
【0003】
移動ブロックは、移動ブロック本体と、移動ブロック本体の移動方向の両端面に取り付けられる一対のエンドキャップと、を有する。移動ブロック本体には、軌道レールの転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝、及び負荷転動体転走溝と平行な転動体戻し路が形成される。エンドキャップには、負荷転動体転走溝の端部と転動体戻し路の端部とを接続するU字状の方向転換路が形成される。移動ブロックの負荷転動体転走溝、転動体戻し路、及び一対の方向転換路によってサーキット状の転動体循環路が形成され、この転動体循環路には多数の転動体が配列・収容される。
【0004】
リニアガイドは、さまざまな産業機械や工作機械で用いられ、その使用環境もさまざまである。例えば切粉や塵埃等の異物の多い環境下で使用されることもあるし、異物のみならず、クーラント等の水分にさらされることもある。異物がクーラント等の水分と共にリニアガイド内に浸入すると、リニアガイドの転動体や転動体転走部に悪影響を及ぼすので、リニアガイドの故障を招く。したがって、リニアガイドを異物やクーラント等の水分から保護する必要がある。
【0005】
移動ブロックの内部に異物が浸入するのを防止するために、移動ブロックの移動方向の端部に軌道レールとの間のすきまを塞ぐエンドシールを取り付けたり、移動ブロックの側壁の底面に軌道レールとの間のすきまを塞ぐサイドシールを取り付けたりすることが行われている。
【0006】
しかし、移動ブロック本体の移動方向の端面やこれに接触するエンドキャップ、あるいはエンドキャップに接触する他の付属部品を完全な平面に形成することは不可能であり、これらの部品間には僅かなすきまが空く。クーラント等の水分はこれらの部品間の僅かなすきまからも浸入する。
【0007】
特許文献1には、移動ブロックの内部に異物が入るのを防止するために、軌道レールに沿って配列された二つの移動ブロックのエンドキャップ間を防塵カバーで覆う技術(特許文献1の第1の実施例、図3参照)や、エンドキャップを高温の異物から保護するために、エンドキャップを防塵カバーで覆う技術(特許文献1の第2の実施例、図5参照)が提案されている。この防塵カバーは自身の弾性力によってエンドキャップに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−317006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載の防塵カバーにあっては、一つの移動ブロックに二つのエンドキャップが存在するので、一つの移動ブロックに対して二つの防塵カバーが必要となり、部品点数が増大するという問題がある。また、防塵カバーが自身の弾性力によってエンドキャップに固定されるので、防塵カバーが位置ずれを起こし易く、逆に位置ずれを起こさないような弾性力に設定すると、防塵カバーの装着作業に手間がかかるという問題がある。さらに、特許文献1に記載の防塵カバーを使用しても、移動ブロック本体の移動方向の端面とエンドキャップとの間のすきまを塞ぐことができないので、このすきまからクーラントが移動ブロックの内部に浸入するのを防止することができないという問題もある。
【0010】
そこで本発明は、クーラント等の水分や塵等の異物が浸入するのを防止するジャケットを移動体に容易に装着できる運動案内装置及びねじ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、長手方向に伸びる転動体転走部を有する軌道部材と、前記軌道部材の前記転動体転走部に対向する負荷転動体転走部及び転動体戻し路を有する移動体本体、並びに前記移動体本体の移動方向の両端面に取り付けられ、前記移動体本体の前記負荷転動体転走部と前記転動体戻し路を接続する方向転換路を有する一対の蓋部材を含む移動体と、前記軌道部材の前記転動体転走部と前記移動体本体の前記負荷転動体転走部との間の負荷転動体転走路、前記転動体戻し路及び前記方向転換路を含む転動体循環路に配列される複数の転動体と、前記一対の蓋部材を覆う一対の端部被覆部、及び前記一対の端部被覆部を連結する連結部を一体に成形してなる伸縮可能なジャケットと、を備え、引き伸ばされた前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットを前記移動体に装着する運動案内装置である。
【0012】
本発明の他の態様は、外周面に螺旋状の転動体転走溝を有するねじ軸と、内周面に前記転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝及び転動体戻し路を有するナット本体、並びに前記ナット本体の軸線方向の両端面に取り付けられ、前記ナット本体の前記負荷転動体転走溝と前記転動体戻し路を接続する方向転換路を有する一対の蓋部材を含むナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナット本体の前記負荷転動体転走溝との間の負荷転動体転走路、前記転動体戻し路及び前記方向転換路を含む転動体循環路に配列される複数の転動体と、前記一対の蓋部材を覆う一対の端部被覆部、及び前記一対の端部被覆部を連結する連結部を一体に成形してなる伸縮可能なジャケットと、を備え、引き伸ばされた前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットを前記ナットに装着するねじ装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、引き伸ばされたジャケットの弾性変形を利用してワンタッチでジャケットを移動体に装着することができる。ジャケットは二つの端部被覆部及び連結部を一体にした成形品であるので、二つの蓋部材を別々のカバーで覆う必要がなく、装着作業が容易になると共に、部品点数を削減することができる。また、弾性変形したジャケットが移動体に密着するので、クーラントや異物の浸入を低減し、シール能力を向上させることができる。すなわち、本発明によれば、装着性、製造コスト、シール能力で効果を発揮するジャケットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の運動案内装置であるジャケット付きリニアガイドの斜視図(図1には、運動案内装置にジャケットを装着する前の状態を示す)
【図2】ジャケットを取り外したリニアガイドの斜視図(一部断面図を含む)
【図3】リニアガイドの移動方向と直交する断面図
【図4】ジャケット及び移動ブロックの詳細図(図4(a)はジャケットを取り外した状態を示し、図4(b)はジャケットを装着した状態を示す)
【図5】ジャケットの第一の変形例を示す斜視図(図5(a)はジャケットの端面被覆部が他の部分と同一の材料の例を示し、図5(b)はジャケットの端面被覆部が他の部分と異なる材料の例を示す)
【図6】ジャケットの第二の変形例を示す斜視図(図6(a)はジャケットの端面被覆部をスクレーパのみから構成した例を示し、図6(b)はジャケットの端面被覆部にスクレーパを埋め込んだ例を示す)
【図7】ジャケットの第三の変形例を示す斜視図(図7(a)はジャケットの端部被覆部をI字状の補強連結部で連結した例を示し、図7(b)はジャケットの端部被覆部及び連結部を十文字状の補強連結部で連結した例を示す)
【図8】ジャケットの第四の変形例(移動ブロックの全体をジャケットで覆った例)を示す斜視図(図8(a)は移動ブロックの上面側の斜視図を示し、図8(b)は移動ブロックの下面側の斜視図を示す)
【図9】移動ブロックに多数の付属部品を取り付けた例を示す斜視図
【図10】本発明の一実施形態のねじ装置であるジャケット付きボールねじの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の運動案内装置の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態の運動案内装置であるリニアガイドの斜視図を示す。細長く直線的に伸びる軌道部材としての軌道レール1には、移動体としての移動ブロック2が直線運動可能に組み付けられる。移動ブロック2は、中央の移動ブロック本体3と、移動ブロック本体3の移動方向の両端面に設けられる蓋部材としてのエンドキャップ4と、エンドキャップ4の移動方向の両端面に設けられるエンドシール5と、を備える。エンドキャップ4及びエンドシール5は、ジャケット8によって覆われる。ジャケット8はゴム又はエラストマの成型品であり、弾性変形が可能である。ジャケット8と移動ブロック2との間にしめしろをもたせるように、ジャケット8の寸法は移動ブロック2の寸法よりも小さく設定される。移動ブロック2にジャケット8を装着するとき、弾性変形したジャケット8が移動ブロック2に面圧を持って密着する。
【0016】
ジャケット8が装着されるリニアガイドは、ベッド等の固定部に対してテーブル等の案内対象が直線運動するのを案内する。まず、リニアガイドの軌道レール1、移動ブロック2の構成について説明する。
【0017】
図2は軌道レール1及び移動ブロック2の斜視図を示す。図2において、移動ブロック2の内部の構造を明らかにするために移動ブロック2の部分的な断面が示される。
【0018】
軌道レール1は略断面四角形状の長尺体である。水平面に配置した状態において、軌道レール1は、上面1d、左右一対の側面1f、及び底面1hを有する。軌道レール1の左右一対の側面1fの上端部には、長手方向に延びる突条1bが形成される。突条1bの上下には転動体転走部としてのボール転走溝1aが1条ずつ形成される。軌道レール1には全体として4条のボール転走溝1aが形成される。ボール転走溝1aの断面形状は、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状、又は二つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝形状である。軌道レール1の上面1dには長手方向に所定の間隔をおいて、軌道レール1を上下方向に貫通する挿通孔9が複数開けられる。これらの挿通孔9に挿入したボルトを用いて、軌道レール1をベッド、コラム等の固定部に固定する。軌道レール1は炭素鋼、ステンレス鋼等の金属からなる。
【0019】
移動ブロック2は、移動体本体としての移動ブロック本体3と、該移動ブロック本体3の移動方向の両端面に取り付けられる蓋部材としてのエンドキャップ4と、エンドキャップ4の移動方向の端面に取り付けられるエンドシール5と、を備える。
【0020】
移動ブロック本体3は、軌道レール1の上面1dに対向する中央部3−1と、軌道レール1の左右の側面1fに対向する左右一対の袖部3−2を有して略鞍形状に形成される。移動ブロック本体3の内側には、中央部3−1と袖部3−2の境を挟んで両側に一つずつ、負荷転動体転走部としての負荷ボール転走溝2aが形成される(図3の断面図参照)。負荷ボール転走溝2aは、軌道レール1のボール転走溝1aに対向しており、移動ブロック本体3の全体で計4条形成される。負荷ボール転走溝2aも、ボール転走溝1aと同様に、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状、又は二つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝形状に形成される。軌道レール1のボール転走溝1aと移動ブロック本体3の負荷ボール転走溝2aとの間に、負荷転動体転走路としての負荷ボール転走路が形成される。負荷ボール転走路では、圧縮されたボール11が負荷を受けながら転がり運動する。移動ブロック本体3には、負荷ボール転走溝2aから所定間隔を開けて、負荷ボール転走溝2aと平行な転動体戻し路としてのトンネル状のボール戻し路2bが形成される。ボール戻し路2bは移動ブロック本体3を相対移動方向に貫通する貫通孔3a内に形成される。貫通孔3aの内部には、樹脂製の戻し路構成部14が一体に成形される。移動ブロック本体3の袖部3−2の底面には、袖部3−2と軌道レール1との間のすきまを塞ぐサイドシール15が取り付けられる。ボール11は荷重から解放された状態でこのボール戻し路2b内を戻る。移動ブロック本体3は炭素鋼、ステンレス鋼等の金属からなる。
【0021】
図2に示すように、移動ブロック本体3の上面には、移動ブロック本体3をテーブル等の案内対象(相手部品)に取り付けるための一対の取付け面3bが移動ブロック本体3の移動方向と直交する方向に離間して形成される。一対の取付け面3bは研削加工されていて、これらの間には研削逃げである溝部3cが形成される。取付け面3bは溝部3cに比べて一段高さが高くなっている。案内対象に接触するのは、取付け面3bのみである。取付け面3bは平面視で四角形状に形成され、取付け面3bにはボルト等の締結部材が螺合するねじ穴3eが加工される。図示しない案内対象に締結部材を通し、締結部材をねじ穴3eにねじ込むことによって、案内対象が移動ブロック本体3に取り付けられる。
【0022】
移動ブロック本体3の左右の側面の上部には、移動ブロック本体3を案内対象の基準面に突き当てるための四角形の突き当て面3fが形成される。突き当て面3fは移動ブロック本体3の左右の側面から幅方向の外側に突出している。突き当て面3fは取付け面3bに連続していて取付け面3bに直交する。突き当て面3fには、精度を出すための研削加工が施される。
【0023】
図3に示すように、移動ブロック本体3の内側には、樹脂成形体13が一体に成形されている。金型のキャビティに移動ブロック本体3を挿入し、キャビティに溶融した樹脂を流すインサート成形によって、樹脂成形体13が移動ブロック本体3に一体に成形される。樹脂成形体13は樹脂製の戻し路構成部14と一体化している。樹脂成形体13には、ボールを保持するリテーナを案内するための溝が形成される。
【0024】
図2に示すように、蓋部材としてのエンドキャップ4は、移動ブロック本体3の正面形状と略同一の形状に形成され、軌道レール1に跨った状態で移動ブロック本体3の移動方向の両端面に取り付けられる。エンドキャップ4は、軌道レール1の上面1dに対向する中央部4−1と、軌道レール1の左右の側面1fに対向する一対の袖部4−2を有して略門形形状に形成される。エンドキャップ4には、U字状の方向転換路の外周側が形成される。方向転換路の内周側は移動ブロック本体3に一体に樹脂成形されるRピースに形成される。
【0025】
エンドキャップ4の中央部4−1には、移動方向に貫通する通し孔4aが形成される。通し孔4aにボルト等の締結部材を通し、締結部材を移動ブロック本体に螺合させることによって、エンドキャップ4が移動ブロック本体3に取り付けられる。エンドシール5にも通し孔5aが形成され、エンドシール5はエンドキャップ4と同一の締結部材によって移動ブロック本体3に取り付けられる。
【0026】
移動ブロック2の平行な負荷ボール転走路及びボール戻し路2b、並びにエンドキャップ4に設けられるU字状の一対の方向転換路によって、サーキット状のボール循環路が構成される。ボール循環路には、多数のボール11が配列される。ボール11同士の接触を防止するために、ボール11間にはスペーサ16が介在されると共に、スペーサ16は帯状のバンド17で一連に連結される。多数のスペーサ16及びバンド17がボール11を保持するリテーナを構成する。
【0027】
エンドキャップ4の移動方向の端面には、エンドシール5が取り付けられる。エンドシール5は、軌道レール1の表面に接触して軌道レール1の表面に付着した異物等が移動ブロック本体3内に浸入するのを防ぐ異物浸入防止装置である。エンドシール5の正面形状はエンドキャップ4と略同一の門形状に形成される。
【0028】
次に本発明の特徴であるジャケット8の構成について説明する。図4(a)は移動ブロック2からジャケット8を取り外した状態を示し、図4(b)は移動ブロック2にジャケット8を装着した状態を示す。ジャケット8は、一対のエンドキャップ4及びエンドシール5を覆う一対の端部被覆部21、及び一対の端部被覆部21を連結する連結部22を備える。ジャケット8は、伸縮可能なようにゴム又はエラストマを射出成形することによって製造される。すなわち、軟化する温度に加熱したゴム又はエラストマを、射出圧を加えて金型に押込み、金型に充填して成形する。ゴム又はエラストマには、耐薬品性に優れたものが適している。
【0029】
ジャケット8の端部被覆部21は、エンドキャップ4及びエンドシール5の上面31a、左右の側面31b、移動方向の端面31c、及び底面31dを覆う。ジャケット8の連結部22は、移動ブロック本体3の左右の側面32bを覆い、また移動ブロック2の底面32dを覆う。リニアガイドの使用状況によっては、移動ブロック2の底面を覆う端部被覆部21の底壁21d及び連結部22の底壁22dは省略することが可能である。例えば、リニアガイドを水平面に取り付ける場合には、移動ブロック2の底面からクーラント等の水分が浸入することは殆どないので、端部被覆部21の底壁21d及び連結部22の底壁22dをなくすことができる。ただし、リニアガイドを垂直面に取り付ける場合には、移動ブロック2の底面からのクーラント等の浸入があるので、移動ブロック2の底面もジャケット8で覆う必要がある。
【0030】
ジャケット8の縦横高さ寸法は移動ブロック2の縦横高さ寸法よりも小さく設定される。ジャケット8と移動ブロック2との密着性を高めるためである。具体的には、ジャケット8の、移動ブロック2の移動方向の両端面31cを被覆する一対の端面被覆部21c間の寸法J1は、一対の端面被覆部21cが移動ブロック2の移動方向の両端面31cに密着するように、移動ブロック2の移動方向の両端面31c間の寸法B1よりも小さく設定される。また、ジャケット8の、移動ブロック2の幅方向の側面32bを被覆する一対の連結部22間の寸法J2は、一対の連結部22が移動ブロック2の側面32bに密着するように、移動ブロック2の幅方向の寸法B2よりも小さく設定される。さらに、ジャケット8の端部被覆部21の上壁21aと底壁21dとの間の寸法J3は、端部被覆部21の上壁21a及び底壁21dがエンドキャップ4及びエンドシール5の上面31a及び底面31dに密着するように、エンドキャップ4及びエンドシール5の高さ寸法B3よりも小さく設定される。このため、ジャケット8を移動ブロック2に装着するとき、ジャケット8は引き伸ばされた状態で移動ブロック2に装着される。ジャケット8は自身の弾性力によってのみ移動ブロック2に装着されていて、ねじ等で移動ブロック2に装着されてはいない。なお、ジャケット8の縦横高さ寸法のいずれか一つが移動ブロック2よりも小さければ、ジャケット8の残りの寸法が移動ブロックよりも大きくてもよい。
【0031】
ジャケット8は、その下面に移動ブロック2を挿入するための挿入用開口24を、その上面に移動ブロック本体3の取付け面3b及び突き当て面3fを露出させるための露出部用開口25を備える。ジャケット8を移動ブロック2に装着するとき、ジャケット8の挿入用開口24を広げ、移動ブロック2の上からジャケット8を被せる。図4(b)に示すように、ジャケット8を移動ブロック2に被せたとき、露出部用開口25から移動ブロック本体3の取付け面3b及び突き当て面3fが露出する。
【0032】
また、図4(a)に示すように、ジャケット8の一対の端部被覆部21間の寸法J4は、移動ブロック本体3の移動方向の両端面3h間の寸法B4よりも小さく設定される。ジャケット8のシール性を高めるためである。引き伸ばされたジャケット8の弾性力によって、一対の端部被覆部21が移動ブロック本体3の移動方向の両端面3hに密着する。また、ジャケット8の露出部用開口25の寸法(一対の端部被覆部21間の寸法J4、及び端部被覆部21の、エンドキャップ4及びエンドシール5の上面31aを覆う上壁21aから、連結部22の、移動ブロック本体3の左右の側面32bを覆う部分の上端22a(連結部22の、移動ブロック本体3の側面32bから突出して突き当て面3fを形成する突出部の下面3gに対応する部分)までの間の寸法J5)は、露出部用開口25の周囲が移動ブロック本体3の取付け面3b及び突き当て面3fの周囲に密着するように設定される。
【0033】
本実施形態によれば、引き伸ばされたジャケット8の弾性変形を利用してワンタッチでジャケット8を移動ブロック2に装着することができる。ジャケット8は二つの端部被覆部21及び連結部22を一体にした成形品であるので、二つのエンドキャップ4及びエンドシール5を別々のカバーで覆う必要がなく、装着作業が容易になるし、ジャケット8自体の製造も容易になる。
【0034】
ジャケット8の一対の端面被覆部21cが移動ブロック2の移動方向の両端面31cに密着するので、移動ブロック2へのジャケット8の装着力を高めることができる。移動ブロック2に取り付けられる付属部品の種類が変わって移動ブロック2の移動方向の長さが変化したとしても、ジャケット8に伸縮能力があるので、同一のジャケット8で対応することができる。
【0035】
ジャケット8の露出部用開口25から移動ブロック本体3の取付け面3b及び突き当て面3fが露出するので、ジャケット8で覆っても移動ブロック2を高い精度でテーブル等の相手部品に取り付けることができる。
【0036】
ジャケット8の一対の端部被覆部21が移動ブロック本体3の移動方向の両端面3hに密着するので、ジャケット8の一対の端部被覆部21と移動ブロック本体3の両端面3hとの間のシール性を高めることができ、ジャケット8の内部にクーラントが浸入するのを防止できる。同様にジャケット8の露出部用開口25の周囲が移動ブロック本体3の取付け面3b及び突き当て面3fの周囲に密着するので、ジャケット8の露出部用開口25の周囲のシール性を高めることができる。なお、クーラントはジャケット8に降りかかってくる程度であり、ジャケット8の内部に圧力をもって浸入する訳ではない。伸縮可能なジャケット8を移動ブロック本体3に密着することでクーラントの浸入を十分に防止できる。ジャケット8に耐薬品性の素材を使用すれば、ジャケット8の内部のエンドキャップ4等の素材に耐薬品性の低い廉価な素材を使用することもできる。
【0037】
図5は、ジャケット8の第一の変形例を示す。この第一の変形例では、ジャケット8の端面被覆部21cにエンドシールの機能を持たせている。ジャケット8の端面被覆部21cには、軌道レール1の断面形状に対応し、軌道レール1に接触するシール部21c−1が形成されている。図5(a)は、ジャケット8の端面被覆部21cが他の部分と同一のゴム又はエラストマから製造される例を示し、図5(b)は、ジャケット8の端面被覆部21cが他の部分と異なるゴム又はエラストマから製造される例を示す。図5(b)の場合、ジャケット8は二色成形によって製造される。どちらの場合でも、シール部21c−1は軌道レール1に接触していて、軌道レール1の表面に付着した異物が移動ブロック2の内部に浸入するのを防止する。シール部21c−1のリップ形状の設計によって、摩擦力を調整することができる。シール部21c−1の強度を上げるために補強材としての金属板をインサート成形してもよい。
【0038】
図6は、ジャケット8の第二の変形例を示す。この第二の変形例では、ジャケット8の端面被覆部21cにスクレーパとしての機能を持たせている。スクレーパ27は金属製又は硬質樹脂製である。図6(a)に示すように、スクレーパ27のみでジャケット8の端面被覆部21cを構成し、スクレーパ27をジャケット8の残りの部分に一体に成形してもよいし、図6(b)に示すように、スクレーパ27をジャケット8の端面被覆部21cに埋め込んでもよい。スクレーパ27は、軌道レール1の表面に接触せずに、軌道レール1に貼り付いたスパッタ等の異物を除去する。
【0039】
図7は、ジャケット8の第三の変形例を示す。この第三の変形例では、ジャケット8のシール性を高めるために、ジャケット8の一対の端部被覆部21の上壁21aを補強連結部28で繋いでいる。図7(a)に示す補強連結部28は、移動ブロック本体3の移動方向に伸びて移動ブロック本体3の上面の溝部3cに嵌まる。図7(b)に示す補強連結部28は、十文字状に形成され、移動ブロック本体3の上面の十文字状の溝部3cに嵌まる。この十文字状の補強連結部28は、ジャケット8の一対の端部被覆部21の上壁21a、及び左右一対の連結部22の上面を連結する。この第三の変形例によれば、ジャケット8の強度を高めることができるので、シール性がより一層向上する。
【0040】
図8は、ジャケット8の第四の変形例を示す。この第四の変形例では、移動ブロック本体3の上面のねじ穴3eのみが露出していて、移動ブロック2の他の部分が全てジャケット8で覆われている。図8(a)はジャケット8が装着された移動ブロック2の上面側の斜視図を示し、図8(b)はジャケット8が装着された移動ブロック2の下面側の斜視図を示す。ジャケット8には移動ブロック2を挿入するための挿入用開口24が形成される。
【0041】
図9は、移動ブロック2に多数の付属部品を設けた例を示す。付属部品としては、エンドシール5の他に、潤滑装置36、積層形接触スクレーパ33、金属スクレーパ34等を挙げることができる。エンドシール5は、軌道レール1の表面に接触して軌道レール1の表面に付着した異物等が移動ブロック本体3内に浸入するのを防ぐ異物浸入防止装置である。潤滑装置36は、軌道レール1のボール転走溝1aに潤滑油やグリース等の潤滑剤を供給する装置である。積層形接触スクレーパ33は、軌道レール1に接触して微細な異物の移動ブロック本体3内への浸入を防止する異物浸入防止装置である。積層形接触スクレーパ33は、ケーシング内部にフェルト状の板材を複数枚相対移動方向に積層して構成される。金属スクレーパ34は、軌道レール1の表面に接触せずに、軌道レール1に貼り付いたスパッタ等の異物を除去する異物浸入防止装置である。これらの付属装置は必要に応じて選択される。移動ブロック2に多数の付属部品を設けた場合でも、ジャケット8は付属部品ごと移動ブロック2を覆う。
【0042】
次に、本発明の一実施形態のねじ装置について、図10の斜視図を参照して説明する。本実施形態におけるねじ装置は、外周面に螺旋状のボール転走溝41aが形成されるねじ軸41と、内周面にボール転走溝41aに対向する螺旋状の負荷ボール転走溝42aが形成されるナット42を備える。
【0043】
ねじ軸41は、炭素鋼、クロム鋼、又はステンレス鋼などの棒鋼の外周面に、所定のリードを有する螺旋状のボール転走溝41aを切削及び研削加工又は転造加工によって形成したものである。ボール転走溝41aの条数は一条、二条、三条等様々に設定される。ボール転走溝41aの断面は単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状、又は二つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝形状である。
【0044】
ナット42は、炭素鋼、クロム鋼、又はステンレス鋼などの円筒の内周面に、所定のリードを有する螺旋状の負荷ボール転走溝42aを切削及び研削加工又は転造加工によって形成したものである。ナット42は、内周面に負荷ボール転走溝42aが加工されるナット本体45と、ナット本体45の軸線方向の両端面に取り付けられる蓋部材としての一対のエンドキャップ43と、から構成される。ナット本体45の負荷ボール転走溝42aは、ねじ軸41のボール転走溝41aに対向する。ナット本体45には、ボール48を循環させるためにナット本体45の軸線方向に貫通するボール戻し路42bが開けられる。ナット本体45の外周の軸線方向の端部には、ナット42を相手部品に取り付けるためのフランジ44が形成される。このフランジ44はところどころ切り欠かれている。
【0045】
エンドキャップ43には、ねじ軸41のボール転走溝41aを転がるボール48を掬い上げ、ボール戻し路42bに導く方向転換路43aが開けられる。ねじ軸41のボール転走溝41aと、ナット本体45の負荷ボール転走溝42aとの間の負荷ボール転走路、方向転換路43a、及びボール戻し路42bから構成されるボール循環路には、複数のボール48が配列・収容される。なお、ボール48間には、ボール48同士の接触を防止するリテーナが必要に応じて介在する。
【0046】
ねじ軸41を回転させると、ボール48を介してねじ軸41に嵌まるナット42が軸線方向に移動する。それと同時に、ボール48はボール循環路を循環する。負荷ボール転走路を転がるボール48は、負荷ボール転走路の一端まで転がった後、エンドキャップ43の方向転換路43a内に掬い上げられ、ボール戻し路42bを経由した後、反対側のエンドキャップ43から元の負荷ボール転走路の他端に戻される。
【0047】
50は、本発明の特徴であるジャケットを示す。ジャケット50は、一対のエンドキャップ43を覆う一対の端部被覆部51と、一対の端部被覆部51を連結する一対の連結部52と、を備える。ジャケット50は成型品であり、一対の端部被覆部51と一対の連結部52は一体に成形されている。ジャケット50がゴム又はエラストマ製であり、伸縮可能である点は上記ジャケット8と同様である。
【0048】
円環状に形成される端部被覆部51は、一対のエンドキャップ43の移動方向の両端面43bを被覆する一対の端面被覆部51aを有する。一対の端面被覆部51a間の寸法は、一対のエンドキャップ43の移動方向の両端面43b間の寸法よりも小さい。ジャケット50をナット42に装着するとき、一対の端面被覆部51aが一対のエンドキャップ43の移動方向の両端面43bに密着する。また、一対の端部被覆部51間の寸法は、ナット本体45の軸線方向の寸法よりも小さい。ジャケット50をナット42に装着するとき、一対の端部被覆部51がナット本体45の軸線方向の両端面45aに密着する。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々に変更可能である。
【0050】
上記実施形態では、本発明のジャケットを運動案内装置としてのリニアガイドに適用した例を説明したが、本発明のジャケットは、スプライン溝が形成されるスプライン軸と、スプライン軸に沿って直線運動するスプライン外筒と、を備えるボールスプラインにも適用することができる。
【0051】
本発明のジャケットは、クーラント等の水分が存在する環境に好適であるが、水分が存在せずに塵等の異物のみが存在する環境にも使用することができる。
【0052】
本発明のジャケットを移動ブロックに装着するとき、ジャケットの端部被覆部と移動ブロック本体の移動方向との端面との間にわずかなすきまが生じてもよい。この状態でも、ジャケットを移動ブロックにワンタッチで装着することができる。シール性は劣ることになるが、部品間のすきまのシールは可能である。
【0053】
ジャケットの強度を高めてシール性を高めるために、ジャケットの内部には金属プレート等の補強材が挿入されてもよい。
【0054】
上記実施形態では、転動体にボールを用いる例を説明したが、転動体はボールに限定されるものではなく、ローラであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…軌道レール(軌道部材),1a…ボール転走溝(転動体転走部),2…移動ブロック(移動体),2a…負荷ボール転走溝(負荷転動体転走部),2b…ボール戻し路(転動体戻し路),3…移動ブロック本体(移動体本体),3b…取付け面,3f…突き当て面,3h…移動ブロック本体の両端面,4…エンドキャップ(蓋部材),5…エンドシール,8…ジャケット,11…ボール(転動体),21…ジャケットの端部被覆部,21c…ジャケットの端面被覆部,22…ジャケットの連結部,24…ジャケットの挿入用開口,25…ジャケットの露出部用開口,41…ねじ軸,41a…ボール転走溝(転動体転走溝),42…ナット,42a…負荷ボール転走溝(負荷転動体転走溝),42b…ボール戻し路(転動体戻し路),43…エンドキャップ(蓋部材),43a…方向転換路,45…ナット本体,48…ボール(転動体),50…ジャケット,51…ジャケットの端部被覆部,51a…ジャケットの端面被覆部,52…ジャケットの連結部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に伸びる転動体転走部を有する軌道部材と、
前記軌道部材の前記転動体転走部に対向する負荷転動体転走部及び転動体戻し路を有する移動体本体、並びに前記移動体本体の移動方向の両端面に取り付けられ、前記移動体本体の前記負荷転動体転走部と前記転動体戻し路を接続する方向転換路を有する一対の蓋部材を含む移動体と、
前記軌道部材の前記転動体転走部と前記移動体本体の前記負荷転動体転走部との間の負荷転動体転走路、前記転動体戻し路及び前記方向転換路を含む転動体循環路に配列される複数の転動体と、
前記一対の蓋部材を覆う一対の端部被覆部、及び前記一対の端部被覆部を連結する連結部を一体に成形してなる伸縮可能なジャケットと、を備え、
引き伸ばされた前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットを前記移動体に装着する運動案内装置。
【請求項2】
前記ジャケットを前記移動体から取り外したとき、前記一対の端部被覆部間の寸法が移動体本体の移動方向の両端面間の寸法よりも小さく、
前記ジャケットを前記移動体に装着するとき、引き伸ばされた前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットの前記一対の端部被覆部が前記移動体本体の移動方向の両端面に密着することを特徴とする請求項1に記載の運動案内装置。
【請求項3】
前記移動体本体は、前記移動体本体を相手部品に取り付けるための取付け面、及び前記取付け面に直交し、相手部品の基準面に突き当てるための突き当て面を有し、
前記移動体本体の前記取付け面及び前記突き当て面が前記ジャケットから露出することを特徴とする請求項2に記載の運動案内装置。
【請求項4】
前記ジャケットの前記一対の端部被覆部は、前記移動体の移動方向の両端面を被覆する一対の端面被覆部を有し、
前記ジャケットを前記移動体から取り外したとき、前記一対の端面被覆部間の寸法が移動体の移動方向の両端面間の寸法よりも小さく、
前記ジャケットを前記移動体に装着するとき、引き伸ばされた前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットの前記一対の端面被覆部が前記移動体の移動方向の両端面に密着することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の運動案内装置。
【請求項5】
前記移動体本体は、前記移動体本体を相手部品に取り付けるための取付け面、及び前記取付け面に直交し、相手部品の基準面に突き当てるための突き当て面を有し、
前記ジャケットは、前記移動体本体の前記取付け面及び前記突き当て面を露出させる露出部用開口を有し、
前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットの前記露出部用開口の周囲が前記移動体本体の前記取付け面及び前記突き当て面の周囲に密着することを特徴とする請求項4に記載の運動案内装置。
【請求項6】
前記ジャケットの前記一対の端部被覆部は、前記移動体の移動方向の両端面を被覆する一対の端面被覆部を有し、
前記一対の端面被覆部には、前記軌道部材に接触するように前記軌道部材の断面形状に対応したシール部が形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の運動案内装置。
【請求項7】
前記移動体は、移動方向の端部に潤滑装置又は異物浸入防止装置の付属部品の少なくとも一つを含み、
前記ジャケットの端部被覆部は蓋部材及び少なくとも一つの付属部品を覆うと共に、前記蓋部材と前記少なくとも一つの付属部品との間のすきま、及び付属部品同士のすきまを覆うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の運動案内装置。
【請求項8】
前記ジャケットの材質は、ゴム又はエラストマであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の運動案内装置。
【請求項9】
外周面に螺旋状の転動体転走溝を有するねじ軸と、
内周面に前記転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝及び転動体戻し路を有するナット本体、並びに前記ナット本体の軸線方向の両端面に取り付けられ、前記ナット本体の前記負荷転動体転走溝と前記転動体戻し路を接続する方向転換路を有する一対の蓋部材を含むナットと、
前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナット本体の前記負荷転動体転走溝との間の負荷転動体転走路、前記転動体戻し路及び前記方向転換路を含む転動体循環路に配列される複数の転動体と、
前記一対の蓋部材を覆う一対の端部被覆部、及び前記一対の端部被覆部を連結する連結部を一体に成形してなる伸縮可能なジャケットと、を備え、
引き伸ばされた前記ジャケットの弾性変形を利用することによって、前記ジャケットを前記ナットに装着するねじ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−7409(P2013−7409A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139163(P2011−139163)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】