運搬台車
【課題】紐を引っ掛けるフックや荷物逸脱防止用の壁等の部品を容易に取り付けることができる運搬台車を提供する。
【解決手段】運搬台車を、板体2と、この板体2の対向する側端部に沿って取り付けられた型材金物3,3と、前記板体2の下面に取り付けられた車輪4とを備えた構成とし、型材金物3を板体2の側端部に着脱可能に取り付け、型材金物の上面に、部品取付け用の第1溝5を型材金物3の長手方向に沿って形成するので、この第1溝5を利用してフック8や壁等の部品を容易にしかも第1溝5の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。
【解決手段】運搬台車を、板体2と、この板体2の対向する側端部に沿って取り付けられた型材金物3,3と、前記板体2の下面に取り付けられた車輪4とを備えた構成とし、型材金物3を板体2の側端部に着脱可能に取り付け、型材金物の上面に、部品取付け用の第1溝5を型材金物3の長手方向に沿って形成するので、この第1溝5を利用してフック8や壁等の部品を容易にしかも第1溝5の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物内で使用する運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬台車の一例として特許文献1に記載のものが知られている。この運搬台車は以下のように構成されている。
すなわち、運搬台車は台車本体と、この台車本体の四隅部に装着されたキャスターによって構成されている。台車本体は、水平フレーム部と垂直板部とにより横断面が横L字状に形成された第1の型材と、同じく水平フレーム部と垂直板部とにより横断面が横L字状に形成された第2の型材とを備えている。前記第1及び第2の型材の両端部は、第1及び第2の連結枠の両端部に対し締付ボルトとナットにより連結されている。第1及び第2の連結枠は、水平板部と、垂直板部とにより横断面がLアングル状に形成されている。
【特許文献1】特開2000−118403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような従来の運搬台車では、それに荷物を載せて運ぶ際に台車本体を紐で引っ張るようにしたい場合がある。このような場合、台車本体の外周部には、前記垂直板部によって比較的背が低く、かつ薄い壁が形成されているだけであるので、この壁に紐を引っ掛けるフック等の部品を容易に取り付けることができない。
また、運搬台車本体の外周部には前記垂直板部によって比較的背の低い壁が形成され、この壁によって荷物の台車本体からの逸脱や滑り落ち等を防止できるが、荷物が壁よりもはるかに高い場合、荷物がこの壁を乗り越えて逸脱するおそれもある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、紐を引っ掛けるフックや荷物逸脱防止用の壁等の部品を容易に取り付けることができる運搬台車を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、四角形板状に形成された板体2と、この板体2の少なくとも対向する側端部に、該側端部に沿って取り付けられた型材金物3と、前記板体2の下面または前記型材金物3の下面に取り付けられた車輪4とを備え、
前記型材金物3は前記板体2の側端部に着脱可能に取り付けられており、前記型材金物の上面には部品取付け用の第1溝5が前記型材金物の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、板体2の側端部に、第1溝5を有する型材金物3が取り付けられているので、この第1溝5を利用してフック8や壁等の部品を容易にしかも第1溝5の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運搬台車において、
前記型材金物3の第1溝5には、摺動駒6が前記第1溝5の長手方向に摺動自在で所定の位置で固定可能にかつ前記第1溝5から上方に抜け出しが防止された状態で設けられており、前記摺動駒6に前記部品(フック)8が取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、摺動駒6に部品8を取り付けることによって、該部品8を第1溝5の所望の位置に容易に取り付け固定することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、例えば図11および図12に示すように、請求項1または2に記載の運搬台車において、
前記板体2を複数備え、隣り合う板体2,2のうちの一方の板体2の側端部に前記型材金物3の一部が取り付けられており、他方の板体2の側端部に前記型材金物3の他部が取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
ここで、隣り合う板体2,2は、互いに当接していてもよいし、所定の間隔をあけて配置されていてもよい。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、型材金物3によって、複数の板体2を連結することができるので、運搬台車の大きさを容易に調整できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図3、図8、図9等に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物3の、前記板体2の側端面2aに当接する側面3bに第2溝10が前記型材金物3の長手方向に沿って形成されており、
前記第2溝10に連結金具11の一端部11bが係合しており、前記板体2の側端面2aに前記連結金具11の他端部11dが挿通される挿通孔12が形成されており、前記板体2の上面または下面に前記挿通孔12に向けて形成された孔13から前記挿通孔12に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に前記連結金具11の他端部11dが係合されることによって、前記板体2に前記型材金物3が取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、板体2の側端面2aに形成された挿通孔12に板体2の上面または下面に形成された孔13から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔12に挿通された連結金具11の他端部11dが係合されるので、連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3を板体2の側端部2aに容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図8および図9に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物3の第1溝5に連結金具11の一端部bが係合しており、前記部品としての側板20の下面に前記連結金具11の他端部11dが挿通される挿通孔22が形成されており、前記側板20の側面20cに前記挿通孔22に向けて形成された孔23から前記挿通孔22に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に前記連結金具11の他端部11dが係合されることによって、前記型材金物3に前記側板20が前記板体2とほぼ直角に取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、側板20の下面に形成された挿通孔22に側板20の側面20cに形成された孔13から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔22に挿通された連結金具11の他端部11dが係合されるので連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3に側板20を容易に着脱可能に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、板体の少なくとも対向する側端部に、該側端部に沿って型材金物が着脱可能に取り付けられており、型材金物の上面に部品取付け用の第1溝が型材金物の長手方向に沿って形成されているので、この溝を利用してフックや壁(側板)等の部品を容易にしかも溝の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る運搬台車の一例を示す斜視図、図2は運搬台車の底面図である。この図に示す運搬台車1は、四角形板状に形成された板体2と、この板体2の対向する短辺に沿う側端部に取り付けられた棒状の型材金物3,3と、板体2の下面の四隅部に取り付けられた4個のキャスター(車輪)4・・・とを備えている。このキャスター4は水平軸周りに回転することによって、運搬台車1を床上を移動可能とし、鉛直軸回りに回転することによって、移動の向きを自由に変えることができるものである。なお、本例では、キャスター4を板体2の下面に取り付けているが、これに代えて、キャスター4を型材金物3の下面に取り付けてもよい。
【0018】
板体2は合板等で長方形板状に形成されたものであり、その上面に荷物が載置されるようになっている。
型材金物3は、アルミニウム等の金属を押出成形することによって形成されたものであり、図3に示すように断面視において半円のさらに半分の形状となっており、上面3aとこの上面3aに直交する側面3bと、上面3aと側面3bとを繋ぐ円弧面3cとを有している。
上面3aには、部品取付け用の第1溝5が形成されている。この第1溝5は、断面台形状の台形溝5aと、この台形溝5aに繋がる断面矩形状の矩形溝5bとから構成されており、矩形溝5bの幅は台形溝5aの幅より小さくなっている。台形溝5aには、摺動駒6が台形溝5aの長手方向(図3において紙面と直交する方向)に摺動自在に設けられている。この摺動駒6の幅は前記矩形溝5bの幅より大きくなっており、その上面は台形溝5aの上面に当接している。これによって、摺動駒6は第1溝5から上方に抜け出しが防止された状態となっている。なお、この摺動駒6は型材金物3の端部開口から台形溝5aに挿入されており、そのうえで型材金物3の端部開口は蓋材7によって閉塞されている(図1参照)。
【0019】
摺動駒6の上面には、ねじ孔6aが形成されており、このねじ孔6aに部品としてのフック8が取り付けられている。すなわち、フック8は運搬台車を引っ張る際に使用される紐を掛けるためのリング8aと、このリング8aに設けられた軸部8bと、この軸部8bの下端部に設けられた雄ねじ部8cとから構成されており、雄ねじ部8cの直径は軸部8bの直径より小さくなっている。また、リング8aは軸部8bに軸回りに回転自在に取り付けられている。
そして、このような構成のフック8は、その雄ねじ部8cにリング9を外挿したうえで、該雄ねじ部8cを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むと、摺動駒6が上方に引き上げられてその上面が台形溝5aの上面に当接するとともに、リング9が軸部8の下端面によって押圧されて型材金物3の上面に当接し、さらに、雄ねじ部8cをねじ込むと、矩形溝5bを形成する壁5cを摺動駒6とリング9とによって挟み付ける。これによって、フック8は第1溝5に取付け固定される。
雄ねじ部8cを緩めると、前記摺動駒6とリング9とによる挟み付けが解除されるので、この状態でフック8は第1溝5の長手方向に移動可能となる。そして、フック8を所望の位置で上述したようにして固定することによって、該フック8を第1溝5の所望の位置(長手方向の所望の位置)に固定することができる。なお、フック8の軸部8bは例えば断面六角形状に形成されており、この軸部8bをスパナ等の工具で回転させることによって、雄ねじ部8cをねじ孔6aにねじ込んで締付けたり、緩めたりすることができる。
【0020】
また、前記型材金物3は、以下のようにして、板体2の側端部に着脱可能に取り付けられている。
すなわちまず、型材金物3の、板体2の側端面2aに当接する側面3bに第2溝10が型材金物3の長手方向に沿って形成されている。この第2溝10は、前記第1溝5と同形状に形成されており、断面台形状の台形溝10aと、この台形溝10aに繋がる断面矩形状の矩形溝10bとから構成されており、矩形溝10bの幅は台形溝10aの幅より小さくなっている。なお、台形溝10aは前記台形溝5aと同形状であり、矩形溝10bは前記矩形溝5bと同形状である。
台形溝10aには、摺動駒6が台形溝10aの長手方向(図3において紙面と直交する方向)に摺動自在に設けられている。この摺動駒6の幅は前記矩形溝10bの幅より大きくなっており、その左面は台形溝10aの内面に当接している。これによって、摺動駒6は第2溝10から左方に抜け出しが防止された状態となっている。なお、この摺動駒6は型材金物3の端部開口から台形溝10aに挿入されており、そのうえで型材金物3の端部開口は蓋材7によって閉塞されている(図1参照)。
摺動駒6に形成されたねじ孔6aには、連結金具11の一端部11bがねじ込まれており、これによって、第2溝10に連結金具11の一端部11bが係合している。
【0021】
連結金具11は円柱状に形成された金具本体11aと、この金具本体11aの一端面(図3において右端面)に金具本体11aと同軸に形成された雄ねじ部11bと、金具本体11aの左端面に金具本体11aと同軸に形成された首部11cと、この首部11cの先端部に形成された頭部11dとから構成されており、前記雄ねじ部11bが連結金具11の一端部を構成し、前記頭部11dが連結金具11の他端部を構成している。頭部11dの表面には十字状の溝が形成され、この溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって連結金具11を軸回りに回転できるようになっている。
【0022】
そして、このような構成の連結金具11は、その雄ねじ部11bにリング11eを外挿したうえで、該雄ねじ部11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むと、摺動駒6が左方に引き寄せられてその左面が台形溝10aの内面に当接するとともに、リング11eが金具本体11aの下端面によって押圧されて型材金物3の側端面3bに当接し、さらに、雄ねじ部11bをねじ込むと、矩形溝10bを形成する壁10cを摺動駒6とリング11eとによって挟み付ける。これによって、連結金具11は第2溝10に取付け固定される。
雄ねじ部11bを緩めると、前記摺動駒6とリング11eとによる挟み付けが解除されるので、この状態で連結金具11は第2溝10の長手方向に移動可能となる。そして、連結金具11を所望の位置で上述したようにして固定することによって、該連結金具11を第2溝10の所望の位置(長手方向の所望の位置)に固定することができる。
なお、雄ねじ部11bを回すには、頭部11dに形成された十字状の溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって行う。また、連結金具11は型材金物3の第2溝10の所定の位置に取り付け固定するが、本実施の形態では、第2溝10の両端部と中央部にそれぞれ連結金具11をそれぞれ取り付け固定する。つまり、第2溝10に3個の連結金具11を所定間隔で取り付ける。
【0023】
一方、前記板体2の側端面2aには、挿通孔12が形成されており、この挿通孔12に連結金具11の金具本体11a、首部11c、頭部11dが挿通されている。なお、挿通孔12は前記連結金具11が取り付けられた位置に対向して形成されている。したがって、本実施の形態では、第2溝10に取り付けられた3本の連結金具11に対向して3つの挿通孔12が形成されている。
また、板体2の前記側端面2aの近傍の下面2cには、孔13が前記挿通孔12に向けて、該挿通孔12に対して略直角に形成されており、この孔13の底部と挿通孔12の底部とが一致している。そして、孔13から挿通孔12に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に連結金具11の頭部(他端部)11dが係合されている。なお、孔13は図2に示すように、板体2の下面2cの両端部と中央部にそれぞれ3個ずつ形成されている。
【0024】
係合部材14は略円柱状に形成されたものであり、その先端部には前記頭部11dに係合する係合部15が形成されている。この係合部15は係合溝15aを有しており、この係合溝15に前記頭部11dが係脱可能に係合している。係合溝15aは係合部15の周方向に沿って形成されており、係合部材14を軸回りに一方向に回転させることによって、係合溝15aに頭部11dが係合し、また、係合した状態から他方向に回転させることによって、係合溝15aから頭部11dが外れるのが可能となっている。係合部材14の基端部にはフランジ15bが形成されており、このフランジ15bの表面に十字状の溝が形成され、この溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって、係合部材14を回すことができるようになっている。
【0025】
そして、板体1に型材金物3を取り付ける場合、型材金物3の側面3bに形成された第2溝10に、連結金具11の他端部(雄ねじ部)11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むことによって取り付け、雄ねじ部11bが緩んだ状態で、第2溝10に沿って適宜スライドさせて所望の位置、すなわち、前記板体1に形成されている挿通孔12に対向した位置で、雄ねじ部11bを締付けて固定する。
そして、この固定した連結金具11の他端部(頭部11d)を本体部11aや首部11cとともに板体1の側端面に形成されている挿通孔12に挿通し、次いで、孔13から挿入された係合部材14の係合部15aに頭部11dを係合したうえで、係合部材14を一方向に回して頭部を係合部15aに係合固定することによって、板体2に型材金物3を取り付ける。
なお、板体1にはその対向する二つ側端部にそれぞれ上記のようにして型材金物3が取り付けられている。
【0026】
本実施の形態によれば、板体2の側端部に、第1溝5を有する型材金物3が取り付けられているので、この第1溝5を利用してフック(部品)8を容易にしかも第1溝5の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。このフック2には、紐等を掛けることによって、運搬台車1を引っ張って移動させることができる。例えば、天井高が1.2m程度の収納室等においては、紐を引っ張ることによって、運搬台車1を通所の部屋から収納室に引き込んだり、収納室から引き出したりするときに便利である。
また、フック8はその雄ねじ部8cを緩めることによって、摺動駒6とともに第1溝5を自由に移動でき、所望の位置で雄ねじ部8cを締付けることによって、フック8を第1溝5の所望の位置に固定できる。
さらに、フック8が不要になった場合、雄ねじ部8cを緩めて、摺動駒6のねじ孔6aから外すことによって、容易に取り外すことができ、また、再び取り付ける場合も、雄ねじ部8cを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むことによって、容易に取り付けることができる。
加えて、板体2の側端面2aに形成された挿通孔12に板体2の下面2cに形成された孔13から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔12に挿通された連結金具11の他端部である頭部11dが係合されるので、連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3を板体2の側端部に容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0027】
また、図4および図5に示すように、型材金物3の第1溝5に、前記連結金具11と同じ構成の金具(部品)16を取り付けることもできる。この金具16の構成は連結金具11と同様であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。このような金具16は例えば、板体2の上面に載せられた荷物が板体2からずれて逸脱するのを防止できる。このような金具16も必要に応じて、型材金物3の第1溝5に容易に所望の個数だけ取り付けることができ、また、取り外しも容易である。つまり、金具16を取り付ける場合は、その個数に応じた摺動駒6を第1溝5の台形溝5aに挿入しておき、この摺動駒6のねじ孔6aに金具16の雄ねじ部11bをねじ込めばよいし、取り外すときは雄ねじ部11bをねじ孔6aから取り外せばよい。
なお、本実施の形態では、板体1の短辺方向に沿う側端部に型材金物3を取り付けたが、これに代えてあるいはこれに加えて、板体1の長辺方向に沿う側端部に型材金物3を取り付けてもよい。
【0028】
また、図6〜図9に示すように、型材金物3の第1溝5に連結金具11を介して垂直な側板20を取り付けることもできる。
すなわち、台形溝5aには、摺動駒6が台形溝5aの長手方向(図8において紙面と直交する方向)に摺動自在に設けられている。この摺動駒6の幅は矩形溝5bの幅より大きくなっており、その左面は台形溝5aの上面に当接している。これによって、摺動駒6は第1溝5から上方に抜け出しが防止された状態となっている。
摺動駒6に形成されたねじ孔6aには、連結金具11の一端部11bがねじ込まれており、これによって、第2溝10に連結金具11の一端部11bが係合している。
【0029】
そして、前記連結金具11は、その雄ねじ部11bにリング11eを外挿したうえで、該雄ねじ部11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むと、摺動駒6が上方に引き寄せられてその上面が台形溝5aの上面に当接するとともに、リング11eが型材金物3の上面3aに当接し、さらに、雄ねじ部11bをねじ込むと、矩形溝5を形成する壁5cを摺動駒6とリング11eとによって挟み付ける。これによって、連結金具11は第1溝5に取付け固定される。
雄ねじ部11bを緩めると、前記摺動駒6とリング11eとによる挟み付けが解除されるので、この状態で連結金具11は第1溝5の長手方向に移動可能となる。そして、連結金具11を所望の位置で上述したようにして固定することによって、該連結金具11を第1溝5の所望の位置(長手方向の所望の位置)に固定することができる。なお、連結金具11は型材金物3の第1溝10の所定の位置に取り付け固定するが、本実施の形態では、第1溝5の両端部と中央部にそれぞれ連結金具11をそれぞれ取り付け固定する。つまり、第1溝5に3個の連結金具11を所定間隔で取り付ける。
【0030】
一方、前記側板20の下面20aには、挿通孔22が形成されており、この挿通孔22に連結金具11の金具本体11a、首部11c、頭部11dが挿通されている。なお、挿通孔22は前記連結金具11が取り付けられた位置に対向して形成されている。したがって、本実施の形態では、第1溝5に取り付けられた3本の連結金具11に対向して3つの挿通孔22が形成されている。
また、側板20の前記下面20aの近傍の側面20cには、孔23が前記挿通孔22に向けて、該挿通孔22に対して略直角に形成されており、この孔23の底部と挿通孔22の底部とが一致している。そして、孔23から挿通孔22に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に連結金具11の頭部(他端部)11dが係合されている。なお、孔23は図6および図7に示すように、側板20の側面20cの両端部と中央部にそれぞれ3個ずつ形成されている。
【0031】
そして、係合部材14を軸回りに一方向に回転させることによって、係合溝15aに頭部11dが係合し、また、係合した状態から他方向に回転させることによって、係合溝15aから頭部11dが外れるのが可能となっている。係合部材14の基端部にはフランジ15bが形成されており、このフランジ15bの表面に十字状の溝が形成され、この溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって、係合部材14を回すことができるようになっている。
【0032】
型材金物3に側板20を取り付ける場合、型材金物3の上面3aに形成された第1溝5に、連結金具11の他端部(雄ねじ部)11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むことによって取り付け、雄ねじ部11bが緩んだ状態で、第1溝5に沿って適宜スライドさせて所望の位置、すなわち、前記側板20に形成されている挿通孔22に対向した位置で、雄ねじ部11bを締付けて固定する。そしてこの固定した連結金具11の他端部(頭部11d)を本体部11aや首部11cとともに側板20の下面に形成されている挿通孔22に挿通し、次いで、孔23から挿入された係合部材14の係合部15aに頭部11dを係合したうえで、係合部材14を一方向に回して頭部を係合部15aに係合固定することによって、型材金物3の側板20を直角に取り付ける。
このように、側板20の下面に形成された挿通孔22に側板20の側面20cに形成された孔23から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔22に挿通された連結金具11の他端部(頭部11d)が係合されるので連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3に側板20を容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0033】
また、図10に示すように、前記側板20より高さの高い側板25を使用して、この側板25を側板20と同様にして、型材金物3、連結金具11、係合部材14を介して板体2に取り付け、さらに、互いに対向する側板25,25の上端部に、天板26を前記型材金物3、連結金具11等を介して取り付けることによって、ワゴンのような運搬台車27とすることもできる。
この場合、側板25の上端面に型材金物3の下面を接合するとともに、この型材金物3の側面に天板26の側端面を接合する。この場合、側板25の上端面に、挿通孔22を形成し、さらに内側の側面に孔13形成する。また、天板24の側端面に、挿通孔22を形成し、さらに下面に孔13形成する。そして、上記と同様にして、側板25に天板26を型材金物3、連結金具11、係合部材14等を介して連結する。
【0034】
図11は本発明に係る運搬台車の第2例、図12は第3例を示す平面図である。
図11に示す運搬台車30は、図1に示す運搬台車1の板体2を2枚備えており、これら2枚の板体2,2がその長辺部を互いに隙間なく当接した状態で、短辺部を前記型材金物3,3、連結金具11、係合部材14等を介して連結してなるものである。
隣接する板体2,2のうちの一方の板体2の短辺部に沿う側端部に型材金物3の一部(半分)が取り付けられており、他方の板体2の側端部に前記型材金物3の他部(残り半分)が取り付けられている。この場合、型材金物3の一部と他部をそれぞれ2つの連結金具11、2つの係合部材14等によってそれぞれの板体2の側端部に強固に取り付ける。
このように、第2例では、型材金物3によって、2つの板体2,2を連結することができるので、運搬台車30の大きさを容易に大きくできる。
【0035】
図12に示す運搬台車31は、板体2を2枚備えており、これら2枚の板体2,2がその長辺部を平行にして所定の間隔をあけて配置した状態で、短辺部を前記型材金物3,3、連結金具11、係合部材14等を介して連結してなるものである。
間隔をあけて隣り合う板体2,2のうちの一方の板体2の短辺部に沿う側端部に型材金物3の一部(半分)が取り付けられており、他方の板体2の側端部に前記型材金物3の他部(残り半分)が取り付けられている。この場合、型材金物3の一部と他部をそれぞれ2つの連結金具11、2つの係合部材14等によってそれぞれの板体2の側端部に強固に取り付ける。
このように、第3例でも、型材金物3によって、2つの板体2,2を連結することができるので、運搬台車30の大きさを容易に大きくできる。
【0036】
なお、第2および第3例では、型材金物3の長さを第1例の型材金物3と等しい長さにしたが、連結した2枚の板体2,2の側端部の一端から他端まで延在する長い型材金物を使用してもよい。
また、第12および第3例では、2枚の板体2,2を型材金物3を介して連結したが、例えば、図13に示すように、4枚の板体2・・・を型材金物3を介して連結してもよいし、その以上の枚数の板体2を連結してもよい。
【0037】
図14に示す運搬台車32は、図10に示すようなワゴン型の運搬台車27を2台連結した構造ものである。運搬台車27,27を連結する場合、これらを所定間隔だけ離間して配置したうえで、前記型材金物3より長い型材金物33・・・によって連結する。型材金物33と側板25、天板26、板体2の連結構造は、前記図8〜図10で示した場合と同様にして行う。
なお、本例では運搬台車27,27を離間して連結したが、これらを隙間なく当接したうえで連結してもよい。
また、運搬台車27の連結個数は任意に設定してもよい。この場合、連結個数に応じた長さの型材金物を使用すればよい。
【0038】
上記のような、板体2と側板20、側板25と天板24とを型材金物3、連結金具11、係合部材14等を介して連結する連結構造や、板体2,2どうしを型材金物3、連結金具11、係合部材14等を介して連結する連結構造、運搬台車27,27どうしを連結金具11、係合部材14等を介して連結する連結構造は、例えば組立家具を形成する場合やその他、板どうしを連結する構造にも適用できる。
すなわち、例えば実開平2−52624号公報に記載の組立家具は、板体どうしを棒材によって連結している。この棒材にはねじ穴が形成され、板体の側端面には穴が形成され、棒材のねじ穴に連結ピンの一端部をねじ込み、他端部を側板の穴に挿入し、この他端部を穴に挿入されている係合部材に係合することによって、板体どうしを連結している。したがって、板体どうしを連結するには、棒材のねじ穴の位置と側板の穴の位置とを対向させて、これらに連結ピンをねじ込み、挿入しなければならない。したがって、板体に対して棒材が決まってしまい、棒材を自由にスライドさせることができないので、板体による組立家具の組立バリエーションがさほど多いとはいえない。
【0039】
これに対して、上記のような連結構造は、例えば図8等に示すように、板どうしのれん決に利用できる。型材金物3の第1溝5および第2溝10にそれぞれ連結金具11の一端部11bが係合しており、前記板(板体、側板)2,20の下面または側面に前記連結金具11の他端部11dが挿通される挿通孔12,22が形成されており、前記板2,20の下面2cまたは側面20cに前記挿通孔12,22に向けて形成された孔13,23から前記挿通孔12,22に係合部材14,14が挿入されており、この係合部材14,14に前記連結金具11,11の他端部11d,11dが係合されることによって、前記型材金物3に前記板体2と側板20とがほぼ直角に取り付けられている。つまり、板2,20が型材金物3によって連結されている。
【0040】
前記型材金物(棒材)3には、第1溝5および第2溝10が形成されており、これら第1溝5および第2溝10に摺動駒6が摺動自在に設けられており、この摺動駒6に設けられたねじ孔6aの連結金具11の雄ねじ部11bがねじ込まれているので、摺動駒6を第1溝5および第2溝10の所望の位置に配置して固定でき、したがって、連結金具11も第1溝5および第2溝10の長手方向の所望の位置に固定できる。逆にいえば、連結金具11を板体2や側板25、天板24等の板に形成された孔13に挿入固定した場合に、型材金物3をその長手方向に自由にスライドさせても、この型材金物3や連結金具11によって板どうしを連結できる。
したがって、例えば図11〜図13に示すように、板体2,2どうしを容易に連結できる。また、図14に示すように、板体2や側板25、天板26によって箱型に形成した場合も、この箱を型材金物33によって容易に連結できる。また、板(板体2、側板25、天板26等)に対して、型材金物3,33をその長手方向にスライドさせても所望の位置で、板どうしを連結できるので、たとえば板どうしを連結して構成する組立家具の組立バリエーションが多彩なものとなる。
【0041】
なお、本実施の形態では、型材金物3,33には、その直交する2つの側面にそれぞれ第1溝5と、これと同形状の第2溝10とを形成したが、つまり、型材金物2,33に二つの溝5,10を形成したが、例えば型材金物を断面四角形状に形成し、その3つの側面あるいは4つの側面にそれぞれ前記溝5,10と同様の溝を形成してもよい。このようにすれば、板を断面T字状に連結したり、十字状に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る運搬台車の一例を示すもので、その斜視図である。
【図2】同、底面図である。
【図3】同、板体と型材金物の接合構造を示す断面図である。
【図4】同、板体に部品を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】同、B−B部分拡大図である。
【図6】同、板体に側板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】同、板体に側板を取り付ける方法を示す分解斜視図である。
【図8】同、板体と側板の接合構造を示す断面図である。
【図9】同、板体に側板を取り付ける方法を示す要部分解斜視図である。
【図10】同、ワゴン型の運搬台車の分解斜視図である。
【図11】本発明に係る運搬台車の第2例を示す平面図である。
【図12】本発明に係る運搬台車の第3例を示す平面図である。
【図13】本発明に係る運搬台車の第4例を示す平面図である。
【図14】図10に示す運搬台車を連結したものを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1,27,30,31,32 運搬台車
2 板体
3,33 型材金物
4 キャスタ(車輪)
5 第1溝
6 摺動駒
8 フック(部品)
10 第2溝
11 連結金具
12 挿通孔
13 孔
14 係合部材
16 部品
20 側板
22 挿通孔
23 孔
25 側板
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物内で使用する運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬台車の一例として特許文献1に記載のものが知られている。この運搬台車は以下のように構成されている。
すなわち、運搬台車は台車本体と、この台車本体の四隅部に装着されたキャスターによって構成されている。台車本体は、水平フレーム部と垂直板部とにより横断面が横L字状に形成された第1の型材と、同じく水平フレーム部と垂直板部とにより横断面が横L字状に形成された第2の型材とを備えている。前記第1及び第2の型材の両端部は、第1及び第2の連結枠の両端部に対し締付ボルトとナットにより連結されている。第1及び第2の連結枠は、水平板部と、垂直板部とにより横断面がLアングル状に形成されている。
【特許文献1】特開2000−118403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような従来の運搬台車では、それに荷物を載せて運ぶ際に台車本体を紐で引っ張るようにしたい場合がある。このような場合、台車本体の外周部には、前記垂直板部によって比較的背が低く、かつ薄い壁が形成されているだけであるので、この壁に紐を引っ掛けるフック等の部品を容易に取り付けることができない。
また、運搬台車本体の外周部には前記垂直板部によって比較的背の低い壁が形成され、この壁によって荷物の台車本体からの逸脱や滑り落ち等を防止できるが、荷物が壁よりもはるかに高い場合、荷物がこの壁を乗り越えて逸脱するおそれもある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、紐を引っ掛けるフックや荷物逸脱防止用の壁等の部品を容易に取り付けることができる運搬台車を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、四角形板状に形成された板体2と、この板体2の少なくとも対向する側端部に、該側端部に沿って取り付けられた型材金物3と、前記板体2の下面または前記型材金物3の下面に取り付けられた車輪4とを備え、
前記型材金物3は前記板体2の側端部に着脱可能に取り付けられており、前記型材金物の上面には部品取付け用の第1溝5が前記型材金物の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、板体2の側端部に、第1溝5を有する型材金物3が取り付けられているので、この第1溝5を利用してフック8や壁等の部品を容易にしかも第1溝5の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運搬台車において、
前記型材金物3の第1溝5には、摺動駒6が前記第1溝5の長手方向に摺動自在で所定の位置で固定可能にかつ前記第1溝5から上方に抜け出しが防止された状態で設けられており、前記摺動駒6に前記部品(フック)8が取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、摺動駒6に部品8を取り付けることによって、該部品8を第1溝5の所望の位置に容易に取り付け固定することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、例えば図11および図12に示すように、請求項1または2に記載の運搬台車において、
前記板体2を複数備え、隣り合う板体2,2のうちの一方の板体2の側端部に前記型材金物3の一部が取り付けられており、他方の板体2の側端部に前記型材金物3の他部が取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
ここで、隣り合う板体2,2は、互いに当接していてもよいし、所定の間隔をあけて配置されていてもよい。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、型材金物3によって、複数の板体2を連結することができるので、運搬台車の大きさを容易に調整できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図3、図8、図9等に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物3の、前記板体2の側端面2aに当接する側面3bに第2溝10が前記型材金物3の長手方向に沿って形成されており、
前記第2溝10に連結金具11の一端部11bが係合しており、前記板体2の側端面2aに前記連結金具11の他端部11dが挿通される挿通孔12が形成されており、前記板体2の上面または下面に前記挿通孔12に向けて形成された孔13から前記挿通孔12に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に前記連結金具11の他端部11dが係合されることによって、前記板体2に前記型材金物3が取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、板体2の側端面2aに形成された挿通孔12に板体2の上面または下面に形成された孔13から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔12に挿通された連結金具11の他端部11dが係合されるので、連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3を板体2の側端部2aに容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図8および図9に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物3の第1溝5に連結金具11の一端部bが係合しており、前記部品としての側板20の下面に前記連結金具11の他端部11dが挿通される挿通孔22が形成されており、前記側板20の側面20cに前記挿通孔22に向けて形成された孔23から前記挿通孔22に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に前記連結金具11の他端部11dが係合されることによって、前記型材金物3に前記側板20が前記板体2とほぼ直角に取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、側板20の下面に形成された挿通孔22に側板20の側面20cに形成された孔13から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔22に挿通された連結金具11の他端部11dが係合されるので連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3に側板20を容易に着脱可能に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、板体の少なくとも対向する側端部に、該側端部に沿って型材金物が着脱可能に取り付けられており、型材金物の上面に部品取付け用の第1溝が型材金物の長手方向に沿って形成されているので、この溝を利用してフックや壁(側板)等の部品を容易にしかも溝の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る運搬台車の一例を示す斜視図、図2は運搬台車の底面図である。この図に示す運搬台車1は、四角形板状に形成された板体2と、この板体2の対向する短辺に沿う側端部に取り付けられた棒状の型材金物3,3と、板体2の下面の四隅部に取り付けられた4個のキャスター(車輪)4・・・とを備えている。このキャスター4は水平軸周りに回転することによって、運搬台車1を床上を移動可能とし、鉛直軸回りに回転することによって、移動の向きを自由に変えることができるものである。なお、本例では、キャスター4を板体2の下面に取り付けているが、これに代えて、キャスター4を型材金物3の下面に取り付けてもよい。
【0018】
板体2は合板等で長方形板状に形成されたものであり、その上面に荷物が載置されるようになっている。
型材金物3は、アルミニウム等の金属を押出成形することによって形成されたものであり、図3に示すように断面視において半円のさらに半分の形状となっており、上面3aとこの上面3aに直交する側面3bと、上面3aと側面3bとを繋ぐ円弧面3cとを有している。
上面3aには、部品取付け用の第1溝5が形成されている。この第1溝5は、断面台形状の台形溝5aと、この台形溝5aに繋がる断面矩形状の矩形溝5bとから構成されており、矩形溝5bの幅は台形溝5aの幅より小さくなっている。台形溝5aには、摺動駒6が台形溝5aの長手方向(図3において紙面と直交する方向)に摺動自在に設けられている。この摺動駒6の幅は前記矩形溝5bの幅より大きくなっており、その上面は台形溝5aの上面に当接している。これによって、摺動駒6は第1溝5から上方に抜け出しが防止された状態となっている。なお、この摺動駒6は型材金物3の端部開口から台形溝5aに挿入されており、そのうえで型材金物3の端部開口は蓋材7によって閉塞されている(図1参照)。
【0019】
摺動駒6の上面には、ねじ孔6aが形成されており、このねじ孔6aに部品としてのフック8が取り付けられている。すなわち、フック8は運搬台車を引っ張る際に使用される紐を掛けるためのリング8aと、このリング8aに設けられた軸部8bと、この軸部8bの下端部に設けられた雄ねじ部8cとから構成されており、雄ねじ部8cの直径は軸部8bの直径より小さくなっている。また、リング8aは軸部8bに軸回りに回転自在に取り付けられている。
そして、このような構成のフック8は、その雄ねじ部8cにリング9を外挿したうえで、該雄ねじ部8cを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むと、摺動駒6が上方に引き上げられてその上面が台形溝5aの上面に当接するとともに、リング9が軸部8の下端面によって押圧されて型材金物3の上面に当接し、さらに、雄ねじ部8cをねじ込むと、矩形溝5bを形成する壁5cを摺動駒6とリング9とによって挟み付ける。これによって、フック8は第1溝5に取付け固定される。
雄ねじ部8cを緩めると、前記摺動駒6とリング9とによる挟み付けが解除されるので、この状態でフック8は第1溝5の長手方向に移動可能となる。そして、フック8を所望の位置で上述したようにして固定することによって、該フック8を第1溝5の所望の位置(長手方向の所望の位置)に固定することができる。なお、フック8の軸部8bは例えば断面六角形状に形成されており、この軸部8bをスパナ等の工具で回転させることによって、雄ねじ部8cをねじ孔6aにねじ込んで締付けたり、緩めたりすることができる。
【0020】
また、前記型材金物3は、以下のようにして、板体2の側端部に着脱可能に取り付けられている。
すなわちまず、型材金物3の、板体2の側端面2aに当接する側面3bに第2溝10が型材金物3の長手方向に沿って形成されている。この第2溝10は、前記第1溝5と同形状に形成されており、断面台形状の台形溝10aと、この台形溝10aに繋がる断面矩形状の矩形溝10bとから構成されており、矩形溝10bの幅は台形溝10aの幅より小さくなっている。なお、台形溝10aは前記台形溝5aと同形状であり、矩形溝10bは前記矩形溝5bと同形状である。
台形溝10aには、摺動駒6が台形溝10aの長手方向(図3において紙面と直交する方向)に摺動自在に設けられている。この摺動駒6の幅は前記矩形溝10bの幅より大きくなっており、その左面は台形溝10aの内面に当接している。これによって、摺動駒6は第2溝10から左方に抜け出しが防止された状態となっている。なお、この摺動駒6は型材金物3の端部開口から台形溝10aに挿入されており、そのうえで型材金物3の端部開口は蓋材7によって閉塞されている(図1参照)。
摺動駒6に形成されたねじ孔6aには、連結金具11の一端部11bがねじ込まれており、これによって、第2溝10に連結金具11の一端部11bが係合している。
【0021】
連結金具11は円柱状に形成された金具本体11aと、この金具本体11aの一端面(図3において右端面)に金具本体11aと同軸に形成された雄ねじ部11bと、金具本体11aの左端面に金具本体11aと同軸に形成された首部11cと、この首部11cの先端部に形成された頭部11dとから構成されており、前記雄ねじ部11bが連結金具11の一端部を構成し、前記頭部11dが連結金具11の他端部を構成している。頭部11dの表面には十字状の溝が形成され、この溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって連結金具11を軸回りに回転できるようになっている。
【0022】
そして、このような構成の連結金具11は、その雄ねじ部11bにリング11eを外挿したうえで、該雄ねじ部11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むと、摺動駒6が左方に引き寄せられてその左面が台形溝10aの内面に当接するとともに、リング11eが金具本体11aの下端面によって押圧されて型材金物3の側端面3bに当接し、さらに、雄ねじ部11bをねじ込むと、矩形溝10bを形成する壁10cを摺動駒6とリング11eとによって挟み付ける。これによって、連結金具11は第2溝10に取付け固定される。
雄ねじ部11bを緩めると、前記摺動駒6とリング11eとによる挟み付けが解除されるので、この状態で連結金具11は第2溝10の長手方向に移動可能となる。そして、連結金具11を所望の位置で上述したようにして固定することによって、該連結金具11を第2溝10の所望の位置(長手方向の所望の位置)に固定することができる。
なお、雄ねじ部11bを回すには、頭部11dに形成された十字状の溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって行う。また、連結金具11は型材金物3の第2溝10の所定の位置に取り付け固定するが、本実施の形態では、第2溝10の両端部と中央部にそれぞれ連結金具11をそれぞれ取り付け固定する。つまり、第2溝10に3個の連結金具11を所定間隔で取り付ける。
【0023】
一方、前記板体2の側端面2aには、挿通孔12が形成されており、この挿通孔12に連結金具11の金具本体11a、首部11c、頭部11dが挿通されている。なお、挿通孔12は前記連結金具11が取り付けられた位置に対向して形成されている。したがって、本実施の形態では、第2溝10に取り付けられた3本の連結金具11に対向して3つの挿通孔12が形成されている。
また、板体2の前記側端面2aの近傍の下面2cには、孔13が前記挿通孔12に向けて、該挿通孔12に対して略直角に形成されており、この孔13の底部と挿通孔12の底部とが一致している。そして、孔13から挿通孔12に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に連結金具11の頭部(他端部)11dが係合されている。なお、孔13は図2に示すように、板体2の下面2cの両端部と中央部にそれぞれ3個ずつ形成されている。
【0024】
係合部材14は略円柱状に形成されたものであり、その先端部には前記頭部11dに係合する係合部15が形成されている。この係合部15は係合溝15aを有しており、この係合溝15に前記頭部11dが係脱可能に係合している。係合溝15aは係合部15の周方向に沿って形成されており、係合部材14を軸回りに一方向に回転させることによって、係合溝15aに頭部11dが係合し、また、係合した状態から他方向に回転させることによって、係合溝15aから頭部11dが外れるのが可能となっている。係合部材14の基端部にはフランジ15bが形成されており、このフランジ15bの表面に十字状の溝が形成され、この溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって、係合部材14を回すことができるようになっている。
【0025】
そして、板体1に型材金物3を取り付ける場合、型材金物3の側面3bに形成された第2溝10に、連結金具11の他端部(雄ねじ部)11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むことによって取り付け、雄ねじ部11bが緩んだ状態で、第2溝10に沿って適宜スライドさせて所望の位置、すなわち、前記板体1に形成されている挿通孔12に対向した位置で、雄ねじ部11bを締付けて固定する。
そして、この固定した連結金具11の他端部(頭部11d)を本体部11aや首部11cとともに板体1の側端面に形成されている挿通孔12に挿通し、次いで、孔13から挿入された係合部材14の係合部15aに頭部11dを係合したうえで、係合部材14を一方向に回して頭部を係合部15aに係合固定することによって、板体2に型材金物3を取り付ける。
なお、板体1にはその対向する二つ側端部にそれぞれ上記のようにして型材金物3が取り付けられている。
【0026】
本実施の形態によれば、板体2の側端部に、第1溝5を有する型材金物3が取り付けられているので、この第1溝5を利用してフック(部品)8を容易にしかも第1溝5の長手方向の所望の位置に取り付けることができる。このフック2には、紐等を掛けることによって、運搬台車1を引っ張って移動させることができる。例えば、天井高が1.2m程度の収納室等においては、紐を引っ張ることによって、運搬台車1を通所の部屋から収納室に引き込んだり、収納室から引き出したりするときに便利である。
また、フック8はその雄ねじ部8cを緩めることによって、摺動駒6とともに第1溝5を自由に移動でき、所望の位置で雄ねじ部8cを締付けることによって、フック8を第1溝5の所望の位置に固定できる。
さらに、フック8が不要になった場合、雄ねじ部8cを緩めて、摺動駒6のねじ孔6aから外すことによって、容易に取り外すことができ、また、再び取り付ける場合も、雄ねじ部8cを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むことによって、容易に取り付けることができる。
加えて、板体2の側端面2aに形成された挿通孔12に板体2の下面2cに形成された孔13から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔12に挿通された連結金具11の他端部である頭部11dが係合されるので、連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3を板体2の側端部に容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0027】
また、図4および図5に示すように、型材金物3の第1溝5に、前記連結金具11と同じ構成の金具(部品)16を取り付けることもできる。この金具16の構成は連結金具11と同様であるので、同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。このような金具16は例えば、板体2の上面に載せられた荷物が板体2からずれて逸脱するのを防止できる。このような金具16も必要に応じて、型材金物3の第1溝5に容易に所望の個数だけ取り付けることができ、また、取り外しも容易である。つまり、金具16を取り付ける場合は、その個数に応じた摺動駒6を第1溝5の台形溝5aに挿入しておき、この摺動駒6のねじ孔6aに金具16の雄ねじ部11bをねじ込めばよいし、取り外すときは雄ねじ部11bをねじ孔6aから取り外せばよい。
なお、本実施の形態では、板体1の短辺方向に沿う側端部に型材金物3を取り付けたが、これに代えてあるいはこれに加えて、板体1の長辺方向に沿う側端部に型材金物3を取り付けてもよい。
【0028】
また、図6〜図9に示すように、型材金物3の第1溝5に連結金具11を介して垂直な側板20を取り付けることもできる。
すなわち、台形溝5aには、摺動駒6が台形溝5aの長手方向(図8において紙面と直交する方向)に摺動自在に設けられている。この摺動駒6の幅は矩形溝5bの幅より大きくなっており、その左面は台形溝5aの上面に当接している。これによって、摺動駒6は第1溝5から上方に抜け出しが防止された状態となっている。
摺動駒6に形成されたねじ孔6aには、連結金具11の一端部11bがねじ込まれており、これによって、第2溝10に連結金具11の一端部11bが係合している。
【0029】
そして、前記連結金具11は、その雄ねじ部11bにリング11eを外挿したうえで、該雄ねじ部11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むと、摺動駒6が上方に引き寄せられてその上面が台形溝5aの上面に当接するとともに、リング11eが型材金物3の上面3aに当接し、さらに、雄ねじ部11bをねじ込むと、矩形溝5を形成する壁5cを摺動駒6とリング11eとによって挟み付ける。これによって、連結金具11は第1溝5に取付け固定される。
雄ねじ部11bを緩めると、前記摺動駒6とリング11eとによる挟み付けが解除されるので、この状態で連結金具11は第1溝5の長手方向に移動可能となる。そして、連結金具11を所望の位置で上述したようにして固定することによって、該連結金具11を第1溝5の所望の位置(長手方向の所望の位置)に固定することができる。なお、連結金具11は型材金物3の第1溝10の所定の位置に取り付け固定するが、本実施の形態では、第1溝5の両端部と中央部にそれぞれ連結金具11をそれぞれ取り付け固定する。つまり、第1溝5に3個の連結金具11を所定間隔で取り付ける。
【0030】
一方、前記側板20の下面20aには、挿通孔22が形成されており、この挿通孔22に連結金具11の金具本体11a、首部11c、頭部11dが挿通されている。なお、挿通孔22は前記連結金具11が取り付けられた位置に対向して形成されている。したがって、本実施の形態では、第1溝5に取り付けられた3本の連結金具11に対向して3つの挿通孔22が形成されている。
また、側板20の前記下面20aの近傍の側面20cには、孔23が前記挿通孔22に向けて、該挿通孔22に対して略直角に形成されており、この孔23の底部と挿通孔22の底部とが一致している。そして、孔23から挿通孔22に係合部材14が挿入されており、この係合部材14に連結金具11の頭部(他端部)11dが係合されている。なお、孔23は図6および図7に示すように、側板20の側面20cの両端部と中央部にそれぞれ3個ずつ形成されている。
【0031】
そして、係合部材14を軸回りに一方向に回転させることによって、係合溝15aに頭部11dが係合し、また、係合した状態から他方向に回転させることによって、係合溝15aから頭部11dが外れるのが可能となっている。係合部材14の基端部にはフランジ15bが形成されており、このフランジ15bの表面に十字状の溝が形成され、この溝にドライバー等の工具を嵌めて回すことによって、係合部材14を回すことができるようになっている。
【0032】
型材金物3に側板20を取り付ける場合、型材金物3の上面3aに形成された第1溝5に、連結金具11の他端部(雄ねじ部)11bを摺動駒6のねじ孔6aにねじ込むことによって取り付け、雄ねじ部11bが緩んだ状態で、第1溝5に沿って適宜スライドさせて所望の位置、すなわち、前記側板20に形成されている挿通孔22に対向した位置で、雄ねじ部11bを締付けて固定する。そしてこの固定した連結金具11の他端部(頭部11d)を本体部11aや首部11cとともに側板20の下面に形成されている挿通孔22に挿通し、次いで、孔23から挿入された係合部材14の係合部15aに頭部11dを係合したうえで、係合部材14を一方向に回して頭部を係合部15aに係合固定することによって、型材金物3の側板20を直角に取り付ける。
このように、側板20の下面に形成された挿通孔22に側板20の側面20cに形成された孔23から係合部材14が挿入され、この係合部材14に、前記挿通孔22に挿通された連結金具11の他端部(頭部11d)が係合されるので連結金具11と係合部材14とを介して、型材金物3に側板20を容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0033】
また、図10に示すように、前記側板20より高さの高い側板25を使用して、この側板25を側板20と同様にして、型材金物3、連結金具11、係合部材14を介して板体2に取り付け、さらに、互いに対向する側板25,25の上端部に、天板26を前記型材金物3、連結金具11等を介して取り付けることによって、ワゴンのような運搬台車27とすることもできる。
この場合、側板25の上端面に型材金物3の下面を接合するとともに、この型材金物3の側面に天板26の側端面を接合する。この場合、側板25の上端面に、挿通孔22を形成し、さらに内側の側面に孔13形成する。また、天板24の側端面に、挿通孔22を形成し、さらに下面に孔13形成する。そして、上記と同様にして、側板25に天板26を型材金物3、連結金具11、係合部材14等を介して連結する。
【0034】
図11は本発明に係る運搬台車の第2例、図12は第3例を示す平面図である。
図11に示す運搬台車30は、図1に示す運搬台車1の板体2を2枚備えており、これら2枚の板体2,2がその長辺部を互いに隙間なく当接した状態で、短辺部を前記型材金物3,3、連結金具11、係合部材14等を介して連結してなるものである。
隣接する板体2,2のうちの一方の板体2の短辺部に沿う側端部に型材金物3の一部(半分)が取り付けられており、他方の板体2の側端部に前記型材金物3の他部(残り半分)が取り付けられている。この場合、型材金物3の一部と他部をそれぞれ2つの連結金具11、2つの係合部材14等によってそれぞれの板体2の側端部に強固に取り付ける。
このように、第2例では、型材金物3によって、2つの板体2,2を連結することができるので、運搬台車30の大きさを容易に大きくできる。
【0035】
図12に示す運搬台車31は、板体2を2枚備えており、これら2枚の板体2,2がその長辺部を平行にして所定の間隔をあけて配置した状態で、短辺部を前記型材金物3,3、連結金具11、係合部材14等を介して連結してなるものである。
間隔をあけて隣り合う板体2,2のうちの一方の板体2の短辺部に沿う側端部に型材金物3の一部(半分)が取り付けられており、他方の板体2の側端部に前記型材金物3の他部(残り半分)が取り付けられている。この場合、型材金物3の一部と他部をそれぞれ2つの連結金具11、2つの係合部材14等によってそれぞれの板体2の側端部に強固に取り付ける。
このように、第3例でも、型材金物3によって、2つの板体2,2を連結することができるので、運搬台車30の大きさを容易に大きくできる。
【0036】
なお、第2および第3例では、型材金物3の長さを第1例の型材金物3と等しい長さにしたが、連結した2枚の板体2,2の側端部の一端から他端まで延在する長い型材金物を使用してもよい。
また、第12および第3例では、2枚の板体2,2を型材金物3を介して連結したが、例えば、図13に示すように、4枚の板体2・・・を型材金物3を介して連結してもよいし、その以上の枚数の板体2を連結してもよい。
【0037】
図14に示す運搬台車32は、図10に示すようなワゴン型の運搬台車27を2台連結した構造ものである。運搬台車27,27を連結する場合、これらを所定間隔だけ離間して配置したうえで、前記型材金物3より長い型材金物33・・・によって連結する。型材金物33と側板25、天板26、板体2の連結構造は、前記図8〜図10で示した場合と同様にして行う。
なお、本例では運搬台車27,27を離間して連結したが、これらを隙間なく当接したうえで連結してもよい。
また、運搬台車27の連結個数は任意に設定してもよい。この場合、連結個数に応じた長さの型材金物を使用すればよい。
【0038】
上記のような、板体2と側板20、側板25と天板24とを型材金物3、連結金具11、係合部材14等を介して連結する連結構造や、板体2,2どうしを型材金物3、連結金具11、係合部材14等を介して連結する連結構造、運搬台車27,27どうしを連結金具11、係合部材14等を介して連結する連結構造は、例えば組立家具を形成する場合やその他、板どうしを連結する構造にも適用できる。
すなわち、例えば実開平2−52624号公報に記載の組立家具は、板体どうしを棒材によって連結している。この棒材にはねじ穴が形成され、板体の側端面には穴が形成され、棒材のねじ穴に連結ピンの一端部をねじ込み、他端部を側板の穴に挿入し、この他端部を穴に挿入されている係合部材に係合することによって、板体どうしを連結している。したがって、板体どうしを連結するには、棒材のねじ穴の位置と側板の穴の位置とを対向させて、これらに連結ピンをねじ込み、挿入しなければならない。したがって、板体に対して棒材が決まってしまい、棒材を自由にスライドさせることができないので、板体による組立家具の組立バリエーションがさほど多いとはいえない。
【0039】
これに対して、上記のような連結構造は、例えば図8等に示すように、板どうしのれん決に利用できる。型材金物3の第1溝5および第2溝10にそれぞれ連結金具11の一端部11bが係合しており、前記板(板体、側板)2,20の下面または側面に前記連結金具11の他端部11dが挿通される挿通孔12,22が形成されており、前記板2,20の下面2cまたは側面20cに前記挿通孔12,22に向けて形成された孔13,23から前記挿通孔12,22に係合部材14,14が挿入されており、この係合部材14,14に前記連結金具11,11の他端部11d,11dが係合されることによって、前記型材金物3に前記板体2と側板20とがほぼ直角に取り付けられている。つまり、板2,20が型材金物3によって連結されている。
【0040】
前記型材金物(棒材)3には、第1溝5および第2溝10が形成されており、これら第1溝5および第2溝10に摺動駒6が摺動自在に設けられており、この摺動駒6に設けられたねじ孔6aの連結金具11の雄ねじ部11bがねじ込まれているので、摺動駒6を第1溝5および第2溝10の所望の位置に配置して固定でき、したがって、連結金具11も第1溝5および第2溝10の長手方向の所望の位置に固定できる。逆にいえば、連結金具11を板体2や側板25、天板24等の板に形成された孔13に挿入固定した場合に、型材金物3をその長手方向に自由にスライドさせても、この型材金物3や連結金具11によって板どうしを連結できる。
したがって、例えば図11〜図13に示すように、板体2,2どうしを容易に連結できる。また、図14に示すように、板体2や側板25、天板26によって箱型に形成した場合も、この箱を型材金物33によって容易に連結できる。また、板(板体2、側板25、天板26等)に対して、型材金物3,33をその長手方向にスライドさせても所望の位置で、板どうしを連結できるので、たとえば板どうしを連結して構成する組立家具の組立バリエーションが多彩なものとなる。
【0041】
なお、本実施の形態では、型材金物3,33には、その直交する2つの側面にそれぞれ第1溝5と、これと同形状の第2溝10とを形成したが、つまり、型材金物2,33に二つの溝5,10を形成したが、例えば型材金物を断面四角形状に形成し、その3つの側面あるいは4つの側面にそれぞれ前記溝5,10と同様の溝を形成してもよい。このようにすれば、板を断面T字状に連結したり、十字状に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る運搬台車の一例を示すもので、その斜視図である。
【図2】同、底面図である。
【図3】同、板体と型材金物の接合構造を示す断面図である。
【図4】同、板体に部品を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】同、B−B部分拡大図である。
【図6】同、板体に側板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】同、板体に側板を取り付ける方法を示す分解斜視図である。
【図8】同、板体と側板の接合構造を示す断面図である。
【図9】同、板体に側板を取り付ける方法を示す要部分解斜視図である。
【図10】同、ワゴン型の運搬台車の分解斜視図である。
【図11】本発明に係る運搬台車の第2例を示す平面図である。
【図12】本発明に係る運搬台車の第3例を示す平面図である。
【図13】本発明に係る運搬台車の第4例を示す平面図である。
【図14】図10に示す運搬台車を連結したものを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1,27,30,31,32 運搬台車
2 板体
3,33 型材金物
4 キャスタ(車輪)
5 第1溝
6 摺動駒
8 フック(部品)
10 第2溝
11 連結金具
12 挿通孔
13 孔
14 係合部材
16 部品
20 側板
22 挿通孔
23 孔
25 側板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形板状に形成された板体と、この板体の少なくとも対向する側端部に、該側端部に沿って取り付けられた棒状の型材金物と、前記板体の下面または前記型材金物の下面に取り付けられた車輪とを備え、
前記型材金物は前記板体の側端部に着脱可能に取り付けられており、前記型材金物の上面には部品取付け用の第1溝が前記型材金物の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする運搬台車。
【請求項2】
請求項1に記載の運搬台車において、
前記型材金物の第1溝には、摺動駒が前記第1溝の長手方向に摺動自在で所定の位置で固定可能にかつ前記第1溝から上方に抜け出しが防止された状態で設けられており、前記摺動駒に前記部品が取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項3】
請求項1または2に記載の運搬台車において、
前記板体を複数備え、隣り合う板体のうちの一方の板体の側端部に前記型材金物の一部が取り付けられており、他方の板体の側端部に前記型材金物の他部が取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物の、前記板体の側端面に当接する側面に第2溝が前記型材金物の長手方向に沿って形成されており、
前記第2溝に連結金具の一端部が係合しており、前記板体の側端面に前記連結金具の他端部が挿通される挿通孔が形成されており、前記板体の上面または下面に前記挿通孔に向けて形成された孔から前記挿通孔に係合部材が挿入されており、この係合部材に前記連結金具の他端部が係合されることによって、前記板体に前記型材金物が取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物の第1溝に連結金具の一端部が係合しており、前記部品としての側板の下面に前記連結金具の他端部が挿通される挿通孔が形成されており、前記側板の側面に前記挿通孔に向けて形成された孔から前記挿通孔に係合部材が挿入されており、この係合部材に前記連結金具の他端部が係合されることによって、前記型材金物に前記側板が前記板体とほぼ直角に取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項1】
四角形板状に形成された板体と、この板体の少なくとも対向する側端部に、該側端部に沿って取り付けられた棒状の型材金物と、前記板体の下面または前記型材金物の下面に取り付けられた車輪とを備え、
前記型材金物は前記板体の側端部に着脱可能に取り付けられており、前記型材金物の上面には部品取付け用の第1溝が前記型材金物の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする運搬台車。
【請求項2】
請求項1に記載の運搬台車において、
前記型材金物の第1溝には、摺動駒が前記第1溝の長手方向に摺動自在で所定の位置で固定可能にかつ前記第1溝から上方に抜け出しが防止された状態で設けられており、前記摺動駒に前記部品が取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項3】
請求項1または2に記載の運搬台車において、
前記板体を複数備え、隣り合う板体のうちの一方の板体の側端部に前記型材金物の一部が取り付けられており、他方の板体の側端部に前記型材金物の他部が取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物の、前記板体の側端面に当接する側面に第2溝が前記型材金物の長手方向に沿って形成されており、
前記第2溝に連結金具の一端部が係合しており、前記板体の側端面に前記連結金具の他端部が挿通される挿通孔が形成されており、前記板体の上面または下面に前記挿通孔に向けて形成された孔から前記挿通孔に係合部材が挿入されており、この係合部材に前記連結金具の他端部が係合されることによって、前記板体に前記型材金物が取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の運搬台車において、
前記型材金物の第1溝に連結金具の一端部が係合しており、前記部品としての側板の下面に前記連結金具の他端部が挿通される挿通孔が形成されており、前記側板の側面に前記挿通孔に向けて形成された孔から前記挿通孔に係合部材が挿入されており、この係合部材に前記連結金具の他端部が係合されることによって、前記型材金物に前記側板が前記板体とほぼ直角に取り付けられていることを特徴とする運搬台車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−49740(P2008−49740A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225472(P2006−225472)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000114086)ミサワホーム株式会社 (288)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000114086)ミサワホーム株式会社 (288)
【Fターム(参考)】
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