説明

運用管理エージェント、統合運用管理サーバ、運用管理サーバ、運用管理対象装置および運用管理対象認識方法

【課題】コンピュータ・ネットワークを介した管理対象装置の運用管理において、管理対象装置を運用管理サーバに手動で登録する煩わしさを解消し、管理対象装置に対する最も適切な運用管理サーバを効率よく選択することを可能とする。
【解決手段】本発明は、従来の管理対象エリアの分割を廃し、管理対象装置としての新規追加導入装置Xが管理対象ネットワークに追加された場合、新規追加導入装置Xから各OSSエリアサーバまでの中継ノードの数であるホップ数に基づき、最もホップ数が小さいOSSエリアサーバを、この新規追加導入装置Xを運用管理するOSSエリアサーバとすることとした。また、これらにかかる処理を、新規追加導入装置Xに埋め込まれるエージェント・プログラムによって、自律的におこなうことを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ・ネットワークにおいて、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェント、該統合運用管理サーバ、該運用管理サーバ、該運用管理対象装置および該運用管理対象装置を該運用管理サーバに認識させる運用管理対象認識方法に関し、特に、管理対象装置を運用管理サーバに手動で登録する煩わしさを解消し、管理対象装置に対する最も適切な運用管理サーバを効率よく選択することを可能とする運用管理エージェント、統合運用管理サーバ、運用管理サーバ、運用管理対象装置および運用管理対象認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータ・ネットワークに接続可能な管理対象装置を、該コンピュータ・ネットワークを介して運用管理サーバにて遠隔で運用管理する運用管理システムが知られている。例えば、特許文献1に開示されるように、運用管理サーバは、コンピュータ・ネットワークを介して接続される管理対象装置の稼働状況に関する稼働情報を収集し、この稼働情報に関する数値が所定範囲を超えた場合に、該管理対象システムにおいて性能低下や障害が発生したとし、該稼働情報に基づいて原因を特定して報知する運用管理支援システムが提案されている。
【0003】
ところで、IPv6の登場に象徴されるように、近年、コンピュータ・ネットワークが拡大し、該コンピュータ・ネットワークに接続される管理対象装置の数も急速に増えつつある。例えば、ネットワーク家電がその例である。そのため、運用管理システムにおいて、1台の運用管理サーバでは、すべての管理対象装置を管理しきれなくなってきている。そこで、複数台の運用管理サーバを分散させて配置し、管理対象装置をいずれかの運用管理サーバの管理対象として割り当てて運用管理をおこなわせる運用管理の分散化がおこなわれるようになってきている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−342182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来技術では、管理対象装置を運用管理する運用管理サーバを予め人為的に決め、手動により設定しなければならなかった。具体的には、複数台の運用管理サーバが存在する場合であって、新たに管理対象装置がコンピュータ・ネットワークに接続されたとき、該管理対象装置を運用管理対象とする運用管理サーバを人為的に決定し、該管理対象装置を該運用管理サーバに手動で登録しなければならなかった。さらに、近年では、コンピュータ・ネットワーク網が発達して複雑になってきているため、最も適切な運用管理サーバを人為的に決定することが困難になってきている。
【0006】
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、コンピュータ・ネットワークを介した管理対象装置の運用管理において、管理対象装置を運用管理サーバに手動で登録する煩わしさを解消し、管理対象装置に対する最も適切な運用管理サーバを効率よく選択することを可能とする運用管理エージェント、統合運用管理サーバ、運用管理サーバ、運用管理対象装置および運用管理対象認識方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェントであって、前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップと、前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択ステップと、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知ステップとをコンピュータ装置に実行させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスを管理する運用管理対象装置IPアドレス格納領域と、前記運用管理サーバのIPアドレスを格納する運用管理サーバIPアドレス格納領域とをさらに有し、前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理対象装置IPアドレス格納領域に前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスが設定され、かつ、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に前記統合運用管理サーバのIPアドレスが設定されたことを契機としてホップ数の照会を開始することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスにて前記運用管理サーバIPアドレス格納領域のIPアドレスを更新する運用管理サーバIPアドレス更新ステップを前記コンピュータ装置にさらに実行させ、前記運用管理対象通知ステップは、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に格納される、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスに基づいて、該運用管理サーバに通知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記運用管理サーバリストは、前記統合運用管理サーバに格納されており、前記ホップ数照会ステップに先だって、前記統合運用管理サーバから前記運用管理サーバリストを取得する運用管理サーバリスト取得ステップを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納領域をさらに有し、前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理サーバリスト格納領域に格納される前記運用管理サーバリストに基づいてホップ数を照会することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェントであって、前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する所定の格納領域を有し、前記運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップをコンピュータ装置に実行させ、前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから前記統合運用管理サーバにそれぞれのホップ数が通知され、該統合運用管理サーバによって、最小のホップ数である運用管理サーバに対して前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことが通知されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する運用管理サーバを統合管理する統合運用管理サーバであって、前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納手段と、前記運用管理エージェントからの前記運用管理サーバリスト取得要求に応じて、該運用管理サーバリストを該運用管理エージェントが組み込まれた前記運用管理対象装置へと送信する運用管理サーバリスト送信手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバであって、前記運用管理対象装置から前記運用管理サーバまでのホップ数の照会に応じて、該運用管理対象装置に対して該ホップ数を通知するホップ数通知手段と、前記運用管理対象装置から、該運用管理対象装置が前記運用管理サーバの運用管理対象となったことを通知されると、該運用管理対象装置を運用管理対象として認識する運用管理対象認識手段と、前記運用管理対象認識手段によって前記運用管理対象装置が運用管理対象として認識されたことを前記統合運用管理サーバに通知する統合運用管理サーバ通知手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置であって、前記運用管理エージェントは、前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップと、前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択ステップと、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知ステップとをコンピュータ装置に実行させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置を該運用管理サーバに運用管理対象として認識させる運用管理対象認識方法であって、前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会工程と、前記ホップ数照会工程によるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択工程と、前記運用管理サーバ選択工程によって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、運用管理対象装置から各運用管理サーバまでのホップ数が最小である運用管理サーバを選択し、運用管理対象装置をこの運用管理サーバの運用管理対象とて通知するので、運用管理対象装置の運用管理サーバを自動的に決定することとなり、作業負荷が軽減されるという効果を奏する。また、運用管理サーバまでのホップ数が最小である運用管理サーバを選択して運用管理対象装置をこの運用管理サーバの管理対象とするので、コンピュータ・ネットワーク上の通信効率性が高く、応答性能の高い運用管理サーバを選択することとなり、運用管理対象装置が運用管理サーバによる保守サービスを迅速かつタイムリーに受けることが可能になるという効果を奏する。また、運用管理サーバが管理対象とするエリアを意識することなく、運用管理対象装置の運用管理サーバを決定することが可能になるという効果を奏する。また、運用管理サーバが運用管理対象とする運用管理対象装置のグループごとに、適切なサービスを提供することが可能になるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、運用管理対象装置IPアドレス格納領域に運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスが設定され、かつ、運用管理サーバIPアドレス格納領域に統合運用管理サーバのIPアドレスが設定されたことを契機として自動的にホップ数の照会を開始することが可能になるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、運用管理対象装置は、運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスを記憶し、以降、この記憶されたIPアドレスに基づいて運用管理サーバと通信することが可能になるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、各運用管理サーバと通信するためのIPアドレスを格納する運用管理サーバリストを統合運用管理サーバから取得するので、運用管理エージェントの記憶領域の節減を図ることが可能になるという効果を奏する。また、運用管理サーバリストを統合運用管理サーバで一元管理することから、運用管理サーバリストの情報の更新が、一貫性を保持しつつ容易となるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、各運用管理サーバと通信するためのIPアドレスを格納する運用管理サーバリストを自ら保持しているので、他の装置との通信によって運用管理サーバリストを取得する必要がなく、通信トラフィックの軽減を図ることが可能になるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、各運用管理サーバと通信するためのIPアドレスを格納する運用管理サーバリストを自ら保持しているので、他の装置との通信によって運用管理サーバリストを取得する必要がなく、通信トラフィックの軽減を図ることが可能になるとともに、該運用管理サーバリストにIPアドレスが管理されている運用管理サーバに対してホップ数を照会するのみで、後は外部の処理により自動で運用管理対象装置を管理対象とする運用管理サーバが決定されるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、運用管理対象装置が各運用管理サーバと通信するためのIPアドレスを格納する運用管理サーバリストを統合運用管理サーバで保持し、要求に応じて運用管理対象装置へと送信するので、運用管理エージェントの記憶領域、運用管理対象装置の記憶資源の圧迫を防止するという効果を奏する。また、運用管理サーバリストを統合運用管理サーバで一元管理することから、運用管理サーバリストの情報の更新が、一貫性を保持しつつ容易となるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、統合運用管理サーバが、運用管理エージェントから各運用管理サーバへのホップ数照会に応じて各運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択し、この選択された運用管理サーバに対して、運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知するので、運用管理エージェントが運用管理サーバの選択、選択された運用管理サーバへの通知の処理をおこなわなくてもよいので、運用管理エージェントがおこなうべき処理負担を軽減するという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、運用管理対象装置に対してホップ数を通知し、該運用管理対象装置から、該運用管理対象装置が前記運用管理サーバの運用管理対象となったことを通知されると、該運用管理対象装置を運用管理対象として認識し、この旨を統合運用管理サーバに通知するので、運用管理対象装置からの通知に基づいて自動的に該運用管理対象装置を運用管理対象として認識して、以降、該運用管理対象装置を運用管理することが可能になるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、統合運用管理サーバに対してホップ数を通知し、該統合運用管理サーバから、ある運用管理対象装置が運用管理サーバの運用管理対象となったことを通知されると、該運用管理対象装置を運用管理対象として認識し、この旨を運用管理対象装置に通知するので、統合運用管理サーバからの通知に基づいて自動的に該運用管理対象装置を運用管理対象として認識して、以降、該運用管理対象装置を運用管理することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照し、本発明の運用管理エージェント、統合運用管理サーバ、運用管理サーバ、運用管理対象装置および運用管理対象認識方法にかかる実施例1および実施例2を詳細に説明する。
【0028】
先ず、実施例1および実施例2の説明に先立ち、従来の運用管理サーバ決定方式の問題点と、本発明の運用管理サーバ決定方式の特徴について説明する。図1は、従来の運用管理サーバ決定方式の概要を示す図であり、図2は、本発明にかかる運用管理サーバ決定方式の概要を示す図である。
【0029】
なお、以下の図1および図2の説明、および、実施例1および実施例2の説明では、簡略化のために、OSSエリアサーバを3台としている。従来、例えば日本国内においては、全国を5つの地域(北海道、東日本、西日本、四国、九州)に分割し、5台のOSSエリアサーバが各地域に配置され、それぞれの地域に配置される管理対象装置の運用管理をおこなっている。
【0030】
図1に示すように、OSS(Operation Support System)統合サーバの配下に、例えば、OSSエリアサーバA、OSSエリアサーバB、OSSエリアサーバCの3台のOSSエリアサーバが、コンピュータ・ネットワークを介して接続されている。OSSエリアサーバAは、OSSエリアサーバAの管理対象エリアに存在する管理対象装置としてのネットワーク機器の運用管理をおこなう。同様に、OSSエリアサーバBは、OSSエリアサーバBの管理対象エリアに存在する管理対象装置としてのネットワーク機器の運用管理をおこない、OSSエリアサーバCは、OSSエリアサーバCの管理対象エリアに存在する管理対象装置としてのネットワーク機器の運用管理をおこなう。このように、管理対象ネットワークは、各OSSエリアサーバによって、管理対象エリアが分割されている。
【0031】
OSS統合サーバは、OSSエリアサーバA、OSSエリアサーバB、OSSエリアサーバCを統合管理するサーバ装置である。このように、管理対象ネットワークを、OSSエリアサーバA、OSSエリアサーバB、OSSエリアサーバCのそれぞれのエリアに分割する理由は、近年のコンピュータ・ネットワーク網の拡大およびそれに伴う管理対象装置としてのネットワーク機器の増大があり、運用管理の処理負担を分散させることにある。そして、分散された運用管理の処理負担を担う各OSSエリアサーバを一元管理するために、OSS統合サーバが配される。このような階層構造を取ることによって、運用管理システムのスケーラビリティを確保している。
【0032】
従来は、例えば、図示するように、管理対象装置としての新規追加導入装置Xが管理対象ネットワークに追加された場合、この新規追加導入装置Xは、OSSエリアサーバCの管理対象エリアに存在するため、OSSエリアサーバCの管理対象機器とされる。この設定は、管理者などによる人為的な手作業でおこなわれる。管理対象エリアの設定自体が人為的な取り決めによるものであり、また、OSSエリアサーバCの管理対象機器として登録、収容する作業も人為的な手作業によるものであった。このため、手作業の煩雑さを伴うのみならず、人為的にOSSエリアサーバを決定することから、効率的かつ適切にOSSエリアサーバが決定されているとはいい難かった。
【0033】
これは、次の理由による。すなわち、近年、コンピュータ・ネットワーク網は急速に拡大し、ルータなどの中継装置を中継ノードとして網の目のようにネットワークが張り巡らされてきている。このように、ネットワークトポロジが急速に複雑化している現状でもなお、管理対象装置としてのネットワーク機器を運用管理させるOSSエリアサーバを人為的に決めていたのでは、ネットワークの通信効率性を無視することとなる。そのため、ネットワーク機器とその運用管理をおこなうOSSエリアサーバとの通信効率性が必ずしも確保されるとは限らない。のみならず、通信効率性がより低くなるようにOSSエリアサーバが決定されるということもありうる。
【0034】
そこで、図2に示すように、本発明では、従来の管理対象エリアの分割を廃し、管理対象装置としての新規追加導入装置Xが管理対象ネットワークに追加された場合、新規追加導入装置Xから各OSSエリアサーバまでの中継ノードの数であるホップ数に基づき、最もホップ数が小さいOSSエリアサーバを、この新規追加導入装置Xを運用管理するOSSエリアサーバとすることとした。また、これらにかかる処理を、新規追加導入装置Xに埋め込まれるエージェント・プログラムによって、自律的におこなうことを可能とした。これらのことによって、新規追加導入装置Xを管理対象機器として適切なOSSエリアサーバに登録、収容する作業の煩雑さが解消し、また、OSSエリアサーバ決定に際して人為的な判断を排除することから、効率的かつ適切にOSSエリアサーバを決定することが可能になった。
【実施例1】
【0035】
以下に、図3〜図5を参照して、本発明にかかる実施例1を説明する。実施例1では、OSSエリアサーバとそのIP(Internet Protocol)アドレスを対応付けて管理しているOSSエリアサーバリストを、OSS統合サーバが保持している。ネットワーク機器である管理対象装置からの要求に応じてOSSエリアサーバリストが該管理対象装置へと送信される。管理対象装置では、エージェント・プログラムが、OSSエリアサーバリストに管理されているすべてのOSSエリアサーバに対してホップ数の照会をおこない、このホップ数が最小であるOSSエリアサーバを、該管理対象装置を運用管理するOSSエリアサーバとする。
【0036】
先ず、実施例1の運用管理システムの構成について説明する。図3は、実施例1の運用管理システムの構成を示すブロック図である。運用管理システムSは、コンピュータ・ネットワークNTを介して接続された管理対象装置100と、OSS統合サーバ200と、OSSエリアサーバA300aと、OSSエリアサーバB300bと、OSSエリアサーバC300cとから構成される。
【0037】
管理対象装置100は、制御部101と、記憶部102とを有する。制御部101は、マイクロ・コンピュータなどの制御装置である。制御部101は、実施例1に関連する構成として、OSSエリアサーバリスト取得処理部101aと、ホップ数照会処理部101bと、OSSエリアサーバ選択処理部101cとをさらに有する。
【0038】
一方、記憶部102は、エージェント・プログラム102aを記憶している。なお、エージェント・プログラム102aは、自装置IPアドレス102a−1と、OSSサーバIPアドレス102a−2とを記憶するエリアを有している。また、記憶部102は、OSSエリアサーバリストを記憶するための領域であるOSSエリアサーバリスト102bを有している。自装置IPアドレス102a−1は、自装置IPアドレスが設定されない限り、また、OSSサーバIPアドレス102a−2は、OSSサーバIPアドレスが設定されない限り、また、OSSエリアサーバリスト102bは、OSSエリアサーバリストが格納されない限り、いずれも初期化状態である。
【0039】
また、OSS統合サーバ200は、制御部201と、記憶部202とを有する。制御部201は、OSS統合サーバ200の全体制御をつかさどるマイクロ・コンピュータなどの制御装置である。制御部201は、実施例1に関連する構成として、OSSエリアサーバリスト送信処理部201aをさらに有する。
【0040】
また、記憶部202は、OSSエリアサーバリスト202aを記憶している。OSSエリアサーバリスト202aは、例えば、図4にその例を示すように、OSSエリアサーバ名にそれぞれのIPアドレスが対応付けられて格納されている。このように、OSS統合サーバ200にOSSエリアサーバリスト202aを保持させることによって、OSSエリアサーバリスト202aの更新に対して情報の一貫性を保つことができる。
【0041】
OSSエリアサーバA300aは、制御部301を有する。制御部301は、OSSエリアサーバA300aの全体制御をつかさどるマイクロ・コンピュータなどの制御装置である。制御部301は、実施例2に関連する構成として、ホップ数通知処理部301aをさらに有する。なお、OSSエリアサーバB300b、OSSエリアサーバC300cも、OSSエリアサーバA300aと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0042】
ユーザによって入力された自装置IPアドレスおよびOSS統合サーバIPアドレスは、自装置IPアドレス102a−1およびOSSサーバIPアドレス102a−2へと書き込まれる。この書き込みを契機として、エージェント・プログラム102aは起動し、制御部101を、OSSエリアサーバリスト取得処理部101a、ホップ数照会処理部101b、OSSエリアサーバ選択処理部101cとして機能させる。
【0043】
先ず、OSSエリアサーバリスト取得処理部101aは、OSSサーバIPアドレス102a−2に記憶されているOSS統合サーバ200のIPアドレスに基づいてコンピュータ・ネットワークNTを介してOSS統合サーバ200と通信し、OSS統合サーバ200が保持するOSSエリアサーバリストの取得要求を、OSS統合サーバ200に対して送信する。
【0044】
OSS統合サーバ200は、この取得要求を受け、記憶部202に記憶されるOSSエリアサーバリスト202aを、管理対象装置100に対して送信する。管理対象装置100によって受信されたOSSエリアサーバリスト202aは、記憶部102のOSSエリアサーバリスト102bに記憶される。
【0045】
続いて、ホップ数照会処理部101bは、OSSエリアサーバリスト102bにIPアドレスが記憶されているすべてのOSSエリアサーバ(実施例1では、OSSエリアサーバA300a、OSSエリアサーバB300b、OSSエリアサーバC300cとする)に対して、コンピュータ・ネットワークNTを介して、ホップ数の照会をおこなう。
【0046】
例えば、OSSエリアサーバA300aは、ホップ数の照会を受け、ホップ数通知処理部301aは、管理対象装置100に対して、管理対象装置100からOSSエリアサーバA300aまでのホップ数を送信する。OSSエリアサーバB300bおよびOSSエリアサーバC300cも同様である。
【0047】
続いて、OSSエリアサーバ選択処理部101cは、ホップ数照会処理部101bによるホップ数の照会によって取得されたすべてのOSSエリアサーバのホップ数を比較し、最小のホップ数であるOSSエリアサーバを選択する。そして、OSSエリアサーバ選択処理部101cは、選択したOSSエリアサーバのIPアドレスで、OSSサーバIPアドレス102a−2を更新する。
【0048】
さらに、OSSエリアサーバ選択処理部101cは、選択されたOSSエリアサーバに対して、当該管理対象装置100を運用管理対象とするように通知する。この通知を受けたOSSエリアサーバは、OSS統合サーバ200に対して、当該管理対象装置100を運用管理対象としたことを通知する。また、同様の通知は、コンピュータ・ネットワークNTに接続される端末装置の表示部(図示せず)にも表示され、管理者などが確認可能となる。
【0049】
次に、図3に示した運用管理システムSで実行されるOSSエリアサーバ決定処理について説明する。図5は、図3に示した運用管理システムSで実行されるOSSエリアサーバ決定処理を示すシーケンス図である。なお、以下のシーケンス図では、管理対象装置100の制御部101のOSSエリアサーバリスト取得処理部101a、ホップ数照会処理部101b、OSSエリアサーバ選択処理部101cの各構成を一括してエージェント・プログラム102aと表現している。
【0050】
先ず、管理対象装置100に接続される端末装置からの入力により、管理対象装置100のIPアドレスおよびOSS統合サーバのIPアドレスを設定する(ステップS101)。これを契機にエージェント・プログラム102aが起動し、管理対象装置100のIPアドレスが、自装置IPアドレス102a−1に記憶され、OSS統合サーバのIPアドレスが、OSSサーバIPアドレス102a−2に記憶される(ステップS102)。
【0051】
続いて、エージェント・プログラム102aはOSS、統合サーバ200に対して、OSSエリアサーバリスト202aの送信を要求する(ステップS103)。この要求を受け、OSS統合サーバ200は、OSSエリアサーバリスト202aをエージェント・プログラム102aへと通知する(ステップS104)。OSSエリアサーバリスト202aを受信したエージェント・プログラム102aは、OSSエリアサーバリスト202aをOSSエリアサーバリスト102bに格納する。
【0052】
続いて、エージェント・プログラム102aは、OSSエリアサーバリスト102bに登録されているすべてのOSSエリアサーバに対して、ホップ数の照会を要求する(ステップS105)。この要求に応じて、各OSSエリアサーバは、それぞれのホップ数を通知する(ステップS106)。
【0053】
続いて、エージェント・プログラム102aは、各OSSエリアサーバから通知されたホップ数から最小のホップ数であるOSSエリアサーバを選択する(ステップS107)。ここでは、ステップS107の処理で選択されたOSSエリアサーバは、OSSエリアサーバC300cであるとする。
【0054】
続いて、エージェント・プログラム102aは、OSSサーバIPアドレスを、ステップS107の処理で選択されたOSSエリアサーバC300cのIPアドレスで更新する(ステップS108)。続いて、ステップS108で更新されたOSSサーバIPアドレスを、OSSサーバIPアドレス102a−2に記憶する(ステップS109)。
【0055】
続いて、エージェント・プログラム102aは、OSSエリアサーバC300cに対して、最小ホップ数のOSSエリアサーバであること、すなわち当該管理対象装置100は、OSSエリアサーバC300cの管理対象とされるべきことを通知する(ステップS110)。この通知を受けたOSSエリアサーバC300cは、管理対象に当該管理対象装置100を追加し、収容する(ステップS111)。
【0056】
続いて、OSSエリアサーバC300cは、OSS統合サーバ200に対して、管理対象装置100を管理対象とし、収容したことを通知する(ステップS112)。さらに、同様の通知が、OSS統合サーバ200から端末装置に対しても通知される。該端末装置の表示部(図示せず)に、OSSエリアサーバC300cが管理対象装置100を管理対象とし、収容したことが表示され、管理者などが確認可能となる(ステップS113)。続いて、OSSエリアサーバC300cは、管理対象装置100の運用管理を開始する(ステップS114)。
【0057】
以上の実施例によれば、エージェント・プログラム102aの自律的な動作によって、ホップ数が最小のOSSエリアサーバが選択され、管理対象装置100がそのOSSエリアサーバの運用管理対象とされるので、煩雑な作業を伴うことなく、人為的な判断を排除してネットワーク通信上効率的なOSSエリアサーバを自動的に選択することが可能になる。
【実施例2】
【0058】
以下に、図6および図7を参照して、本発明にかかる実施例2を説明する。実施例2では、OSSエリアサーバとそのIPアドレスを対応付けて管理しているOSSエリアサーバリストを、エージェント・プログラムが保持している。管理対象装置は、エージェント・プログラムが、OSSエリアサーバリストに管理されているすべてのOSSエリアサーバに対してホップ数の照会をおこない、ホップ数は、OSS統合サーバへと通知される。そして、OSS統合サーバにて、このホップ数が最小であるOSSエリアサーバを、該管理対象装置を運用管理するOSSエリアサーバとする。
【0059】
先ず、実施例2の運用管理システムの構成について説明する。図6は、実施例2の運用管理システムの構成を示すブロック図である。実施例2の運用管理システムSは、実施例1の運用管理システムSと同様に、コンピュータ・ネットワークNTを介して接続された管理対象装置100と、OSS統合サーバ200と、OSSエリアサーバA300aと、OSSエリアサーバB300bと、OSSエリアサーバC300cとから構成される。
【0060】
管理対象装置100は、制御部101と、記憶部102とを有する。制御部101は、マイクロ・コンピュータなどの制御装置である。制御部101は、実施例2に関連する構成として、ホップ数照会処理部101bを有する。
【0061】
記憶部102は、エージェント・プログラム102aを記憶している。なお、エージェント・プログラム102aは、自装置IPアドレス102a−1と、OSSサーバIPアドレス102a−2と、OSSエリアサーバリスト102a−3とを記憶するエリアを有している。このOSSエリアサーバリスト102a−3には、実施例1の図4で示したようなOSSエリアサーバリストが予め格納されている。
【0062】
一方、自装置IPアドレス102a−1は、自装置IPアドレスが設定されない限り、また、OSSサーバIPアドレス102a−2は、OSSサーバIPアドレスが設定されない限り、いずれも初期化状態である。
【0063】
また、OSS統合サーバ200は、制御部201を有する。制御部201は、OSS統合サーバ200の全体制御をつかさどるマイクロ・コンピュータなどの制御装置である。制御部201は、実施例2に関連する構成として、OSSエリアサーバ選択処理部201bをさらに有する。
【0064】
OSSエリアサーバA300aは、制御部301を有する。制御部301は、OSSエリアサーバA300aの全体制御をつかさどるマイクロ・コンピュータなどの制御装置である。制御部301は、実施例2に関連する構成として、ホップ数通知処理部301aをさらに有する。なお、OSSエリアサーバB300b、OSSエリアサーバC300cも、OSSエリアサーバA300aと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0065】
実施例1と同様に、ユーザによって入力された自装置IPアドレスおよびOSS統合サーバIPアドレスは、自装置IPアドレス102a−1およびOSSサーバIPアドレス102a−2へと書き込まれる。この書き込みを契機として、エージェント・プログラム102aは起動し、制御部101を、ホップ数照会処理部101bとして機能させる。
【0066】
ホップ数照会処理部101bは、OSSエリアサーバリスト102a−3にIPアドレスが記憶されているすべてのOSSエリアサーバ(実施例2では、OSSエリアサーバA300a、OSSエリアサーバB300b、OSSエリアサーバC300cとする)に対して、コンピュータ・ネットワークNTを介して、ホップ数の照会をおこなう。
【0067】
例えば、OSSエリアサーバA300aは、ホップ数の照会を受け、ホップ数通知処理部301aは、OSS統合サーバ200に対して、管理対象装置100からOSSエリアサーバA300aまでのホップ数を送信する。OSSエリアサーバB300bおよびOSSエリアサーバC300cも同様である。
【0068】
OSSエリアサーバA300a、OSSエリアサーバB300b、OSSエリアサーバC300cからそれぞれホップ数の通知を受けたOSS統合サーバ200のOSSエリアサーバ選択処理部201bは、すべてのOSSエリアサーバのホップ数を比較し、最小のホップ数であるOSSエリアサーバを選択する。
【0069】
そして、OSSエリアサーバ選択処理部201bは、選択したOSSエリアサーバ(実施例2では、OSSエリアサーバC300cとする)に対して、最小ホップ数のOSSエリアサーバであること、すなわち当該管理対象装置100の運用管理をおこなうべきOSSエリアサーバであることを通知する。この通知を受けたOSSエリアサーバC300cは、管理対象装置100に対して、該管理対象装置100の運用管理をおこなうことを通知する。また、同様の通知は、コンピュータ・ネットワークNTに接続される端末装置の表示部(図示せず)にも表示され、管理者などが確認可能となる。
【0070】
次に、図6に示した運用管理システムSで実行されるOSSエリアサーバ決定処理について説明する。図7は、図6に示した運用管理システムSで実行されるOSSエリアサーバ決定処理を示すシーケンス図である。なお、以下のシーケンス図では、管理対象装置100の制御部101のホップ数照会処理部101bをエージェント・プログラム102aと表現している。
【0071】
先ず、管理対象装置100に接続される端末装置からの入力により、管理対象装置100のIPアドレスを設定する(ステップS201)。これを契機にエージェント・プログラム102aが起動し、管理対象装置100のIPアドレスが、自装置IPアドレス102a−1に記憶される(ステップS202)。
【0072】
続いて、エージェント・プログラム102aは、OSSエリアサーバリスト102a−3に登録されているすべてのOSSエリアサーバに対して、ホップ数の照会を要求する(ステップS203)。この要求に応じて、各OSSエリアサーバは、それぞれのホップ数を、OSS統合サーバ200に通知する(ステップS204)。
【0073】
続いて、OSS統合サーバ200のOSSエリアサーバ選択処理部201bは、各OSSエリアサーバから通知されたホップ数から最小のホップ数であるOSSエリアサーバを選択する(ステップS205)。ここでは、ステップS205の処理で選択されたOSSエリアサーバは、OSSエリアサーバC300cであるとする。
【0074】
続いて、OSS統合サーバ200のOSSエリアサーバ選択処理部201bは、OSSエリアサーバC300cに対して、最小ホップ数のOSSエリアサーバであること、すなわち当該管理対象装置100は、OSSエリアサーバC300cの管理対象とされるべきことを通知する(ステップS206)。この通知を受けたOSSエリアサーバC300cは、管理対象に当該管理対象装置100を追加し、収容する(ステップS207)。
【0075】
続いて、OSSエリアサーバC300cは、管理対象装置100に対して、該管理対象装置100を管理対象とし、収容したことを通知する(ステップS208)。さらに、同様の通知が、管理対象装置100から端末装置に対しても通知される。該端末装置の表示部(図示せず)に、OSSエリアサーバC300cが管理対象装置100を管理対象とし、収容したことが表示され、管理者などが確認可能となる(ステップS209)。
【0076】
続いて、エージェント・プログラム102aは、OSSエリアサーバC300cのIPアドレスを、OSSサーバIPアドレスに設定する(ステップS210)。続いて、ステップS210で設定されたOSSサーバIPアドレスを、OSSサーバIPアドレス102a−2に記憶する(ステップS211)。続いて、OSSエリアサーバC300cは、管理対象装置100の運用管理を開始する(ステップS212)。
【0077】
以上の実施例2によれば、エージェント・プログラム102aの自律的な動作によるホップ数照会を契機として、OSS統合サーバ200においてホップ数が最小のOSSエリアサーバが選択され、管理対象装置100がその選択されたOSSエリアサーバの運用管理対象とされるので、煩雑な作業を伴うことなく、人為的な判断を排除してネットワーク通信上効率的なOSSエリアサーバを自動的に選択することが可能になる。また、ホップ数に基づくOSSエリアサーバの選択処理をOSS統合サーバ200でおこなうので、エージェント・プログラム102aの処理負担を軽減し、コンパクトにプログラム・コードを設計することが可能になる。
【0078】
IPv6では、宅内に立ち入ってプラグインする場合に、事前の登録申請が必要であり、さらにこの事前申請には、ユーザがOSSエリアサーバのエリアを意識する必要があるが、以上の実施例1および実施例2によれば、エージェント・プログラムが自律的にOSSエリアサーバを決定し、管理対象装置をこのOSSエリアサーバに収容させるため、これらの煩雑さを解消することができる。
【0079】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
【0080】
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0081】
具体的には、OSSエリアサーバの数は、3台に限定されるものではない。また、OSS統合サーバの数も、1台に限定されるものではない。また、ホップ数は、ホップカウントによって取得してもよいし、TTL(Time To Live)の減算値に基づいて取得することとしてもよい。
【0082】
上記実施例1および実施例2では、管理対象装置内のエージェント・プログラムを前提としているが、これに限定されず、該管理対象装置へ外付けするプローブとしても実現可能である。
【0083】
上記実施例1および実施例2では、新規追加導入装置は、運用管理者(もしくはオペレータ)の承諾なしにOSSエリアサーバに収容されるとしているが、これに限定されず、端末装置において該新規追加導入装置を確認可能とし、運用管理者の承諾を経てからOSSエリアサーバに収容されることとしてもよい。
【0084】
上記実施例1および実施例2での通信プロトコルは、TCP/IPに限らず、SNMPなど、あらゆる通信プロトコルに適用可能である。
【0085】
上記実施例1および実施例2では、ネットワーク上の距離的要素(ホップ数)に基づいて管理対象装置をいずれのOSSエリアサーバへ収容するかを決定しているが、これに限定されず、サービス種別、管理項目などの要素によって、収容されるOSSエリアサーバを決定することとしてもよい。
【0086】
なお、上記実施例1および実施例2で、エージェント・プログラムによって自律的に決定されたOSSエリアサーバを、各種要因に応じて、手動で変更することも、もちろん可能である。
【0087】
上記実施例1および実施例2では、管理対象装置100の記憶部102にエージェント・プログラム102aが記憶されており、エージェント・プログラム102aは、自装置IPアドレス102a−1と、OSSサーバIPアドレス102a−2と、OSSエリアサーバリスト102a−3と、OSSエリアサーバリスト102bとを記憶するエリアをさらに有するとし、エージェント・プログラム102aが起動されると、所定の実行コードが管理対象装置100の制御部101で実行されることとした。しかし、これに限定されず、エージェント・プログラム102a、自装置IPアドレス102a−1、OSSサーバIPアドレス102a−2、OSSエリアサーバリスト102a−3、OSSエリアサーバリスト102bは、制御機能、記憶機能および外部との通信機能をワンチップに搭載した集積回路に搭載されることとしてもよい。この場合、エージェント・プログラム102a、自装置IPアドレス102a−1、OSSサーバIPアドレス102a−2、OSSエリアサーバリスト102a−3、OSSエリアサーバリスト102bは、集積回路の記憶機能に記憶され、エージェント・プログラム102aが起動されると、所定の実行コードが集積回路の制御機能で実行され、外部との所定の通信を、集積回路の通信機能を使用しておこなうこととなる。
【0088】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0089】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
【0090】
(付記1)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェントであって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップと、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択ステップと、
前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知ステップと
をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする運用管理エージェント。
【0091】
(付記2)前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスを管理する運用管理対象装置IPアドレス格納領域と、
前記運用管理サーバのIPアドレスを格納する運用管理サーバIPアドレス格納領域と
をさらに有し、
前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理対象装置IPアドレス格納領域に前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスが設定され、かつ、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に前記統合運用管理サーバのIPアドレスが設定されたことを契機としてホップ数の照会を開始することを特徴とする付記1に記載の運用管理エージェント。
【0092】
(付記3)前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスにて前記運用管理サーバIPアドレス格納領域のIPアドレスを更新する運用管理サーバIPアドレス更新ステップを前記コンピュータ装置にさらに実行させ、
前記運用管理対象通知ステップは、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に格納される、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスに基づいて、該運用管理サーバに通知することを特徴とする付記2に記載の運用管理エージェント。
【0093】
(付記4)前記運用管理サーバリストは、前記統合運用管理サーバに格納されており、
前記ホップ数照会ステップに先だって、前記統合運用管理サーバから前記運用管理サーバリストを取得する運用管理サーバリスト取得ステップを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の運用管理エージェント。
【0094】
(付記5)前記運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納領域をさらに有し、
前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理サーバリスト格納領域に格納される前記運用管理サーバリストに基づいてホップ数を照会することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の運用管理エージェント。
【0095】
(付記6)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェントであって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する所定の格納領域を有し、
前記運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップをコンピュータ装置に実行させ、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから前記統合運用管理サーバにそれぞれのホップ数が通知され、該統合運用管理サーバによって、最小のホップ数である運用管理サーバに対して前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことが通知される
ことを特徴とする運用管理エージェント。
【0096】
(付記7)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する運用管理サーバを統合管理する統合運用管理サーバであって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納手段と、
前記運用管理エージェントからの前記運用管理サーバリスト取得要求に応じて、該運用管理サーバリストを該運用管理エージェントが組み込まれた前記運用管理対象装置へと送信する運用管理サーバリスト送信手段と
を有することを特徴とする統合運用管理サーバ。
【0097】
(付記8)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する運用管理サーバを統合管理する統合運用管理サーバであって、
前記運用管理エージェントから各前記運用管理サーバへのホップ数照会に応じて各該運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択手段と、
前記運用管理サーバ選択手段によって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知手段と
を有することを特徴とする統合運用管理サーバ。
【0098】
(付記9)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバであって、
前記運用管理対象装置から前記運用管理サーバまでのホップ数の照会に応じて、該運用管理対象装置に対して該ホップ数を通知するホップ数通知手段と、
前記運用管理対象装置から、該運用管理対象装置が前記運用管理サーバの運用管理対象となったことを通知されると、該運用管理対象装置を運用管理対象として認識する運用管理対象認識手段と、
前記運用管理対象認識手段によって前記運用管理対象装置が運用管理対象として認識されたことを前記統合運用管理サーバに通知する統合運用管理サーバ通知手段と
を有することを特徴とする運用管理サーバ。
【0099】
(付記10)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバであって、
前記運用管理対象装置から前記運用管理サーバまでのホップ数の照会に応じて、前記統合運用管理サーバに対して該ホップ数を通知するホップ数通知手段と、
前記統合運用管理サーバから、前記運用管理対象装置が前記運用管理サーバの運用管理対象となったことを通知されると、該運用管理対象装置を運用管理対象として認識する運用管理対象認識手段と、
前記運用管理対象認識手段によって前記運用管理対象装置が運用管理対象として認識されたことを該運用管理対象装置に通知する運用管理対象装置通知手段と
を有することを特徴とする運用管理サーバ。
【0100】
(付記11)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置であって、
前記運用管理エージェントは、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップと、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択ステップと、
前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知ステップと
をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする運用管理対象装置。
【0101】
(付記12)前記運用管理エージェントは、
前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスを格納する運用管理対象装置IPアドレス格納領域と、
前記運用管理サーバのIPアドレスを格納する運用管理サーバIPアドレス格納領域と
をさらに有し、
前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理対象装置IPアドレス格納領域に前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスが設定され、かつ、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に前記統合運用管理サーバのIPアドレスが設定されたことを契機としてホップ数の照会を開始することを特徴とする付記11に記載の運用管理対象装置。
【0102】
(付記13)前記運用管理エージェントは、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスにて前記運用管理サーバIPアドレス格納領域のIPアドレスを更新する運用管理サーバIPアドレス更新ステップを前記コンピュータ装置にさらに実行させ、
前記運用管理対象通知ステップは、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に格納される、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスに基づいて、該運用管理サーバに通知することを特徴とする付記12に記載の運用管理対象装置。
【0103】
(付記14)前記運用管理サーバリストは、前記統合運用管理サーバに格納されており、
前記運用管理エージェントは、前記ホップ数照会ステップに先だって、前記統合運用管理サーバから前記運用管理サーバリストを取得する運用管理サーバリスト取得ステップを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする付記11〜13のいずれか一つに記載の運用管理対象装置。
【0104】
(付記15)前記運用管理エージェントは、前記運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納領域をさらに有し、
前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理サーバリスト格納領域に格納される前記運用管理サーバリストに基づいてホップ数を照会することを特徴とする付記11〜13のいずれか一つに記載の運用管理対象装置。
【0105】
(付記16)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置であって、
前記運用管理エージェントは、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する所定の格納領域を有し、
前記運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップをコンピュータ装置に実行させ、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから前記統合運用管理サーバにそれぞれのホップ数が通知され、該統合運用管理サーバによって、最小のホップ数である運用管理サーバに対して前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことが通知される
ことを特徴とする運用管理対象装置。
【0106】
(付記17)コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置を該運用管理サーバに運用管理対象として認識させる運用管理対象認識方法であって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会工程と、
前記ホップ数照会工程によるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択工程と、
前記運用管理サーバ選択工程によって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知工程と
を含んだことを特徴とする運用管理対象認識方法。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、コンピュータ・ネットワークを介した管理対象装置の運用管理において、管理対象装置を運用管理サーバに手動で登録する煩わしさを解消し、管理対象装置に対する最も適切な運用管理サーバを効率よく選択することを可能としたい場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】従来の運用管理サーバ決定方式の概要を示す図である。
【図2】本発明にかかる運用管理サーバ決定方式の概要を示す図である。
【図3】実施例1の運用管理システムの構成を示すブロック図である。
【図4】OSSエリアサーバリストの例を示す図である。
【図5】実施例1のOSSエリアサーバ決定処理を示すシーケンス図である。
【図6】実施例2の運用管理システムの構成を示すブロック図である。
【図7】実施例2のOSSエリアサーバ決定処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0109】
NT コンピュータ・ネットワーク
S 運用管理システム
100 管理対象装置
101 制御部
101a OSSエリアサーバリスト取得処理部
101b ホップ数照会処理部
101c OSSエリアサーバ選択処理部
102 記憶部
102a エージェント・プログラム
102a−1 自装置IPアドレス
102a−2 OSSサーバIPアドレス
102a−3 OSSエリアサーバリスト
102b OSSエリアサーバリスト
200 OSS統合サーバ
201 制御部
201a OSSエリアサーバリスト送信処理部
201b OSSエリアサーバ選択処理部
202 記憶部
202a OSSエリアサーバリスト
300a OSSエリアサーバA
300b OSSエリアサーバB
300c OSSエリアサーバC
301 制御部
301a ホップ数通知処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェントであって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップと、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択ステップと、
前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知ステップと
をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする運用管理エージェント。
【請求項2】
前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスを管理する運用管理対象装置IPアドレス格納領域と、
前記運用管理サーバのIPアドレスを格納する運用管理サーバIPアドレス格納領域と
をさらに有し、
前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理対象装置IPアドレス格納領域に前記運用管理対象装置に割り当てられるIPアドレスが設定され、かつ、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に前記統合運用管理サーバのIPアドレスが設定されたことを契機としてホップ数の照会を開始することを特徴とする請求項1に記載の運用管理エージェント。
【請求項3】
前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスにて前記運用管理サーバIPアドレス格納領域のIPアドレスを更新する運用管理サーバIPアドレス更新ステップを前記コンピュータ装置にさらに実行させ、
前記運用管理対象通知ステップは、前記運用管理サーバIPアドレス格納領域に格納される、前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバのIPアドレスに基づいて、該運用管理サーバに通知することを特徴とする請求項2に記載の運用管理エージェント。
【請求項4】
前記運用管理サーバリストは、前記統合運用管理サーバに格納されており、
前記ホップ数照会ステップに先だって、前記統合運用管理サーバから前記運用管理サーバリストを取得する運用管理サーバリスト取得ステップを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の運用管理エージェント。
【請求項5】
前記運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納領域をさらに有し、
前記ホップ数照会ステップは、前記運用管理サーバリスト格納領域に格納される前記運用管理サーバリストに基づいてホップ数を照会することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の運用管理エージェント。
【請求項6】
コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置にそれぞれ組み込まれる運用管理エージェントであって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する所定の格納領域を有し、
前記運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップをコンピュータ装置に実行させ、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから前記統合運用管理サーバにそれぞれのホップ数が通知され、該統合運用管理サーバによって、最小のホップ数である運用管理サーバに対して前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことが通知される
ことを特徴とする運用管理エージェント。
【請求項7】
コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する運用管理サーバを統合管理する統合運用管理サーバであって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストを格納する運用管理サーバリスト格納手段と、
前記運用管理エージェントからの前記運用管理サーバリスト取得要求に応じて、該運用管理サーバリストを該運用管理エージェントが組み込まれた前記運用管理対象装置へと送信する運用管理サーバリスト送信手段と
を有することを特徴とする統合運用管理サーバ。
【請求項8】
コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置を運用管理する、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバであって、
前記運用管理対象装置から前記運用管理サーバまでのホップ数の照会に応じて、該運用管理対象装置に対して該ホップ数を通知するホップ数通知手段と、
前記運用管理対象装置から、該運用管理対象装置が前記運用管理サーバの運用管理対象となったことを通知されると、該運用管理対象装置を運用管理対象として認識する運用管理対象認識手段と、
前記運用管理対象認識手段によって前記運用管理対象装置が運用管理対象として認識されたことを前記統合運用管理サーバに通知する統合運用管理サーバ通知手段と
を有することを特徴とする運用管理サーバ。
【請求項9】
コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される、運用管理エージェントが組み込まれた該運用管理対象装置であって、
前記運用管理エージェントは、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会ステップと、
前記ホップ数照会ステップによるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択ステップと、
前記運用管理サーバ選択ステップによって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知ステップと
をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする運用管理対象装置。
【請求項10】
コンピュータ・ネットワークを介した運用管理対象装置の運用管理において、統合運用管理サーバ配下の運用管理サーバによって運用管理される該運用管理対象装置を該運用管理サーバに運用管理対象として認識させる運用管理対象認識方法であって、
前記運用管理サーバごとにそれぞれのIPアドレスを管理する運用管理サーバリストに登録されるすべての運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置から各該運用管理サーバまでのホップ数を照会するホップ数照会工程と、
前記ホップ数照会工程によるホップ数の照会に応じて各前記運用管理サーバから通知されたホップ数のうち、最小のホップ数である運用管理サーバを選択する運用管理サーバ選択工程と、
前記運用管理サーバ選択工程によって選択された運用管理サーバに対して、前記運用管理対象装置が運用管理対象となったことを通知する運用管理対象通知工程と
を含んだことを特徴とする運用管理対象認識方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−88676(P2009−88676A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252278(P2007−252278)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】