説明

運転不適格者による運転を防止する装置

【課題】 飲酒検査等に対する煩わしさを軽減することが可能な運転不適格者による運転を防止する装置を提供する。
【解決手段】 運転不適判定装置18が、運転者は運転不適状態にあると判定したときに自車両の走行を禁止する不適格者運転防止装置10aにおいて、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する。これにより、必ずしも運転の開始ごとに検査が行なわれることがなく、飲酒検査等に対する煩わしさを軽減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転不適格者による運転を防止する装置に関し、特には、自車両の運転者が飲酒状態等の運転に不適当な運転不適状態にあるときは、自車両の運転を禁止することによって、運転不適格者による運転を防止する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では飲酒運転が社会的に非常に問題となっている。また、飲酒状態の運転者だけではなく、心臓病等の重症持病者が病院等で服薬後に運転者となる場合や、認知力の低下した高齢者が運転者となる場合も、運転者は運転に不適当な運転不適状態にあると考えられる。このような運転不適者への予防安全対応では、運転中に突発的に、運転者は上記運転不適状態にあることが判明したとしても、ブレーキ、警報等が間に合わず効果が薄い。また、上記運転不適状態の判定を、運転者の運転に支障を与えず精度良く判定することは困難である。そこで、エンジン始動前(運転者が運転操作をしていないとき)に、接触型センサ等を使って、運転者が運転不適状態であるか否かを精度良く判定し、運転者が運転不適状態にあるときは自車両の運転を禁止する手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、運転開始時に、電子式及び化学反応式色センサにより、運転者の飲酒状態にあるか、または体内アルコール残量が有りと判定されると、自車両を走行不能とするシステムが開示されている。特許文献1のシステムでは、走行中であっても、センサにより運転者の飲酒または体内アルコール残量が有りと判定されると、警告を発しながら自車両を段階的に退避及び停止させる。
【特許文献1】特開2005−206128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、一般家庭で保有する自家用車は家庭内で共同利用していることが一般的に知られている。上記運転不適状態を検出するために、呼気中のアルコール濃度を測定するセンサやシステム、心拍又は血圧の日常的変化を測定するセンサやシステム、あるいはテストパターンによる眼球の反応速度を測定するセンサやシステムが、主に一般家庭内における飲酒者、持病者、高齢者等の対象者のために購入され、家庭内で共同利用している自家用車に装着されている場合が多い。しかしながら、このようなシステムでは、上記運転不適事由がない使用者に対しても、乗車毎に飲酒検査等が行なわれることになる。この場合、エンジン始動までに余計な動作や時間が必要となり、一般的に理解が得られにくく、飲酒状態等の運転不適状態にはない運転者に煩わしさを感じさせる可能性がある。
【0005】
一方、居眠りや脇見等の運転者の状態や、ナビゲーションシステムより得られる自車両の位置に応じて、運転者に与える音声等による警報のレベルを変動させるシステムが提案されている。このようなシステムを、飲酒検査等の運転不適状態を検出するシステムに適用し、状況に応じて運転者に飲酒検査が必要である旨の警報のレベルを変動させることも考えられる。しかし、このようなシステムにおいては、いずれの場合も運転者の乗車毎に警報が発せられ、飲酒検査が行なわれることには変わりがなく、運転者に与える煩わしさを低減することはできない。
【0006】
ここで、飲酒の習慣がない非飲酒者である運転者をカメラあるいは生体信号を用いた個人認証技術により認識し、非飲酒者の飲酒検査を省略する手法も考えられる。しかし、個人認証技術では装飾品、髪型等の認証精度を劣化させる要因が未だ多い。また、個人認証用のセンサ等を車両に搭載することはコスト増につながる可能性もある。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、その目的は、飲酒検査等に対する煩わしさを軽減することが可能な運転不適格者による運転を防止する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、自車両の運転者が運転に不適当な運転不適状態にあるか否かを判定する運転不適判定手段と、自車両の地図上の位置を特定する位置特定手段と、運転不適判定手段が運転者は運転不適状態にあると判定したときに自車両の走行を禁止する走行禁止手段と、を備え、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する運転不適格者による運転を防止する装置である。
【0009】
この構成によれば、運転不適判定手段が運転者は運転不適状態にあると判定したときに自車両の走行を禁止する走行禁止手段を備えた不適者運転防止装置において、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転の開始ごとに検査が行なわれることがなく、飲酒検査等に対する煩わしさを軽減することが可能となる。
【0010】
この場合、運転不適判定手段が運転者は運転不適状態にあると判定した時における位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置を記憶する運転不適位置記憶手段をさらに備え、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、運転不適位置記憶手段に記憶された自車両の地図上の位置との相違が第1閾値未満であるときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0011】
この構成によれば、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、運転不適位置記憶手段に記憶された過去に運転者が運転不適状態にあった自車両の地図上の位置とが近いときに、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、過去に運転者が運転不適状態にあったことがあり、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0012】
この場合、運転不適位置記憶手段は、運転不適判定手段が運転者は運転不適状態にあると判定した当日における時刻を、運転不適判定手段が運転者は運転不適状態にあると判定した時における位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置に関連付けて記憶し、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、運転不適位置記憶手段に記憶された自車両の地図上の位置との相違が第1閾値未満であり、且つ現在時刻と運転不適位置記憶手段に自車両の地図上の位置に関連付けて記憶された運転者が運転不適状態にあると判定された当日における時刻との相違が第2閾値未満であるときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0013】
この構成によれば、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、運転不適位置記憶手段に記憶された過去に運転者が運転不適状態にあった自車両の地図上の位置とが近く、且つ現在時刻と運転者が運転不適状態にあった当日における時刻とが近いときに、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、過去に運転者が運転不適状態にあったことがあり、運転不適状態である可能性が高い場所及び時間帯で飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解をさらに得られ易い。
【0014】
また、自車両の運転者が運転不適状態となる可能性のある施設の地図上の位置を抽出する施設位置抽出手段をさらに備え、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、施設位置抽出手段が抽出した施設の地図上の位置との相違が第3閾値未満であるときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0015】
この構成によれば、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、酒類提供施設あるいは病院といった自車両の運転者が運転不適状態となる可能性のある施設とが近いときに、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0016】
一方、自車両の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段をさらに備え、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、走行履歴記憶手段に記憶された自車両の走行履歴に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0017】
この構成によれば、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、走行履歴記憶手段に記憶された自車両の走行履歴に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転者が運転不適状態となった履歴が集まらなくとも、自車両の位置に応じて運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが可能となる。
【0018】
この場合、走行履歴記憶手段は、自車両の地図上の位置ごとの停留時間を記憶し、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、走行履歴記憶手段に記憶された停留時間が第4閾値を超えている自車両の地図上の位置との相違が第5閾値未満であるときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0019】
この構成によれば、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、酒類提供施設あるいは病院といった停留時間が長く運転者が運転不適状態となる可能性が高い場所とが近いときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、停留時間が短い場所に比べて運転者の理解を得られ易い。
【0020】
あるいは、走行履歴記憶手段は、自車両の地図上の位置ごとの停留回数を記憶し、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、走行履歴記憶手段に記憶された停留回数が第6閾値を超えている自車両の地図上の位置との相違が第7閾値未満であるときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0021】
この構成によれば、運転不適判定手段は、位置特定手段が特定した自車両の地図上の位置と、酒類提供施設あるいは病院といった停留回数が多く運転者が運転不適状態となる可能性が高い場所とが近いときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、停留回数が短い場所に比べて運転者の理解を得られ易い。
【0022】
一方、自車両の単位時間当りの操舵量の変動を検知する操舵量検知手段をさらに備え、運転不適判定手段は、操舵量検知手段が検知した単位時間当りの操舵量の変動が第8閾値を超えているときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0023】
この構成によれば、運転不適判定手段は、操舵量検知手段が検知した単位時間当りの操舵量の変動が大きく、運転者の操舵に急操舵あるいはふらつきが有り、車両挙動が危険であるときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転者が運転不適状態となった履歴や走行履歴が集まらなくとも、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが可能となる。また、車両挙動が危険であるときに、飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0024】
あるいは、自車両の単位時間当りの加減速量の変動を検知する加減速量検知手段をさらに備え、運転不適判定手段は、加減速量検知手段が検知した単位時間当りの加減速量の変動が第9閾値を超えているときに自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが好適である。
【0025】
この構成によれば、運転不適判定手段は、加減速量検知手段が検知した単位時間当りの加減速量の変動が大きく、運転者の加減速に急加速、急減速が有り、車両挙動が危険であるときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転者が運転不適状態となった履歴や走行履歴が集まらなくとも、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが可能となる。また、車両挙動が危険であるときに、飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0026】
さらに、運転不適判定手段は、自車両の運転者が飲酒状態にあるときに運転不適状態にあると判定することが好適である。
【0027】
この構成によれば、一般的に行われる飲酒検査を自車両の位置に応じて開始するため、非飲酒者に対しても、飲酒検査への煩わしさを軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の運転不適格者による運転を防止する装置によれば、飲酒検査等に対する煩わしさを軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、第1実施形態に係る不適格者運転防止装置を示すブロック図である。本実施形態の不適格者運転防止装置10aは、自家用車等の自動車に搭載され、飲酒状態の運転者、心臓病等の重症持病者であって服薬後である運転者、及び認知力の低下した高齢者である運転者等の運転不適格者による運転を防止するように構成されている。図1に示すように、本実施形態の不適格者運転防止装置10aは、ナビゲーションシステム11、検査履歴データベース12、検査判定装置13、情報提供装置14、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16、眼球測定センサ17、及び運転不適判定装置18を備えている。
【0031】
ナビゲーションシステム11は、GPS(Global Positioning System)により自車両の地表面における絶対位置を測位する。GPSにより測位された自車両の地表面における絶対位置は、別途記憶されている地図情報と照合される。これにより、ナビゲーションシステム11は、自車両の地図上の位置を特定する。ナビゲーションシステム11は、特許請求の範囲に記載の位置特定手段として機能する。また、ナビゲーションシステム11は、記憶されている地図情報から、運転者が飲酒状態となる可能性がある酒類提供施設や、運転者が服薬等により運転不適状態になる可能性がある病院等の施設の地図上の位置を抽出する。ナビゲーションシステム11は、施設位置抽出手段としても機能する。
【0032】
検査履歴データベース12は、運転不適判定装置18が、自車両の運転者は運転に不適当な運転不適状態にあると判定した時にナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置と、運転不適判定装置18により運転者が運転不適状態にあると判定された当日における時刻とを関連付けて検査履歴として記憶するためのものである。検査履歴データベース12は、特許請求の範囲に記載の運転不適位置記憶手段として機能する。
【0033】
検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11及び検査履歴データベース12からの情報に応じて、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17により、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を開始するか否かを決定する。
【0034】
情報提供装置14は、具体的には、液晶ディスプレイ、音声スピーカ等であり、自車両の運転者に対して、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0035】
血圧/心拍センサ15は、運転者が心臓病等の重症持病者等であるか否か、あるいは服薬等により運転不適状態にあるか否かについて判定するために、運転者の血圧及び心拍数を検出するためのものである。
【0036】
アルコール検知センサ16は、運転者の飲酒状態を検知するためのものである。アルコール検知センサ16としては、半導体を用いたもの、燃料電池を用いたもの、赤外線を用いたものを適用することができる。
【0037】
半導体を用いたアルコール検知センサ16は、半導体の中にもともと流れている電子の量が、運転者の呼気や車室内の空気中のアルコールにより吸収され、変化する特性を利用する。この原理のアルコール検知センサ16では、半導体内の電子の量が変化することにより、センサ内の電気抵抗も変化するため、その電気抵抗の強さからアルコールの有無や運転者の呼気中アルコール濃度を推定することができる。
【0038】
燃料電池を用いたアルコール検知センサ16は、運転者の呼気や車室内の空気中のアルコールから電子を作り出すことのできる燃料電池の特性を利用する。この原理のアルコール検知センサ16では、アルコールにより作り出された電子の多さが、電気の流れの強さになるため、その電流の強さから、アルコールの有無や運転者の呼気中アルコール濃度を推定することができる。
【0039】
赤外線を用いたアルコール検知センサ16は、赤外線が、運転者の呼気や車室内の空気中のアルコールにより吸収されることによる特性を利用する。この原理のアルコール検知センサ16では、アルコールにより吸収された赤外線を、光検出器で電気信号に変換し、電気信号をマイクロプロセッサーで解析することにより、アルコールの有無や運転者の呼気中アルコール濃度を推定することができる。
【0040】
なお、本実施形態におけるアルコール検知センサ16は、自車両を停止させている際に検査を行なうことが可能であるため、運転者の呼気中のアルコール濃度を接触式で検知することにより、検出精度を向上させることができる。また、アルコール検知センサ16は、運転者の血液中のアルコール濃度を直接測定するものとしても良い。
【0041】
眼球測定センサ17は、自車両の運転者が、飲酒、服薬あるいは加齢等により、反応速度が低下した運転不適状態にあるか否かを判定するため、自車両の運転者の眼球に対してテストパターンを用い、眼球の反応速度を測定する。
【0042】
運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17からの検知結果に基づいて、自車両の運転者が、飲酒状態の運転者、心臓病等の重症持病者であって服薬後である運転者、及び認知力の低下した高齢者等の運転不適状態にあるか否かを判定する。検査判定装置13、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17は、特許請求の範囲に記載の運転不適判定手段として機能する。また、運転不適判定装置18は、自車両の運転者が運転不適状態と判定されたときは、自車両の走行を禁止し、自車両のエンジンの始動を禁止する制御を行う。運転不適判定装置18は、特許請求の範囲に記載の走行禁止手段として機能する。
【0043】
以下、本実施形態の不適格者運転防止装置10aの動作について説明する。図2は、第1実施形態に係る不適格者運転防止装置10aの動作を示すフロー図である。図2に示すように、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11により特定される現在の自車両の停車位置と、記憶されている地図情報から抽出された酒類提供施設や病院等の運転者が運転不適状態となる可能性がある施設の地図上の位置とを比較することにより、一般的に運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要かを判定する(S101)。
【0044】
この場合、現在の自車両の停車位置と、運転者が運転不適状態となる可能性がある施設の地図上の位置との相違が、例えば、10〜50m(第3閾値)未満であるときは、検査判定装置13は、検査が必要であると判定する(S102)。この場合、運転者が運転不適状態となる可能性がある施設が酒類提供施設であれば、例えば当該酒類提供施設の営業時間帯や午後6〜午前4時を該当時間帯とし、運転者が運転不適状態となる可能性がある施設が病院であれば、当該病院の診療時間帯を該当時間帯とし、これらの該当時間帯と現在の時刻との相違が閾値未満か否かで、検査判定装置13は検査が必要であるかを判定しても良い。
【0045】
検査判定装置13が検査は必要であると判定したときは(S102)、運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17を用いて、運転者が運転不適状態にあるかの検査を開始する(S103)。情報提供装置14は、運転者に対して、映像又は音声により、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0046】
検査判定装置13が検査は必要ではないと判定したときは(S102)、検査判定装置13は、検査履歴データベース12を参照し、過去の検査履歴から現在の停車位置での検査が必要かを判定する(S104)。
【0047】
具体的には、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した現在の自車両の地図上の位置と、検査履歴データベース12に記憶されている過去に運転者が運転不適状態であると判定された時の自車両の地図上の位置との相違が、例えば、10〜50m(第1閾値)未満であり、且つ、現在時刻と、検査履歴データベース12に自車両の地図上の位置と関連付けて記憶されている運転者が運転不適状態にあると判定された当日における時刻との相違が、例えば、1〜4時間(第2閾値)未満であるときに、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であると判定する(S105)。
【0048】
検査判定装置13が検査は必要であると判定したときは(S105)、運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17を用いて、運転者が運転不適状態にあるかの検査を開始する(S103)。情報提供装置14は、運転者に対して、映像又は音声により、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0049】
運転不適判定装置18が、検査の結果、自車両の運転者は運転不適状態にあると判定したときは(S106)、運転不適判定装置18は、自車両の走行を禁止し、自車両のエンジンの始動を禁止する制御を行う(S107)。
【0050】
運転不適判定装置18が、検査の結果、自車両の運転者は運転不適状態にあると判定したとき(S106)、及び検査判定装置13が自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要ないと判定したときは(S105)、運転不適判定装置18は、自車両の走行を許可し、自車両のエンジンの始動を可能とする制御を行う(S108)。
【0051】
本実施形態によれば、運転不適判定装置18が、運転者は運転不適状態にあると判定したときに自車両の走行を禁止する不適格者運転防止装置10aにおいて、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転の開始ごとに検査が行なわれることがなく、飲酒検査等に対する煩わしさを軽減することが可能となる。特に、本実施形態によれば、一般的に行われる飲酒検査を自車両の位置に応じて開始するため、非飲酒者に対しても、飲酒検査への煩わしさを軽減することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態によれば、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置と、検査履歴データベース12に記憶された過去に運転者が運転不適状態にあった自車両の地図上の位置とが近く、且つ現在時刻と運転者が運転不適状態にあった当日における時刻とが近いときに、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、過去に運転者が運転不適状態にあったことがあり、運転不適状態である可能性が高い場所及び時間帯で飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解をさらに得られ易い。
【0053】
さらに、本実施形態によれば、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置と、酒類提供施設あるいは病院といった自車両の運転者が運転不適状態となる可能性のある施設とが近いときに、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0054】
特に本実施形態によれば、ドライバ認証等の追加のセンサ類が不要となるため、検査のために必要な装置を削減でき、コストを低減することが可能となる。
【0055】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る不適格者運転防止装置を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の不適格者運転防止装置10bは、自車両の走行履歴を記憶する走行履歴データベース19を備えている。走行履歴データベース19は、具体的には、自車両の地図上の位置ごとの停留時間及び停留回数、すなわち当該目的地への走行頻度を記憶する。走行履歴データベース19は、特許請求の範囲に記載の走行履歴記憶手段として機能する。
【0056】
以下、本実施形態の不適格者運転防止装置10bの動作について説明する。図4は、第2実施形態に係る不適格者運転防止装置10bの動作を示すフロー図である。図4に示すように、上記第1実施形態と同様に、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11により特定される現在の自車両の停車位置と、記憶されている地図情報から抽出された酒類提供施設や病院等の運転者が運転不適状態となる可能性がある施設の地図上の位置とを比較することにより、一般的に運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要かを判定する(S201)。
【0057】
検査判定装置13が検査は必要であると判定したときは(S202)、運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17を用いて、運転者が運転不適状態にあるかの検査を開始する(S203)。情報提供装置14は、運転者に対して、映像又は音声により、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0058】
検査判定装置13が検査は必要ではないと判定したときは(S202)、検査判定装置13は、走行履歴データベース19に記憶された自車両の走行履歴を参照して、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であるかを判定する(S204)。具体的には、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した現在の自車両の地図上の位置と、走行履歴データベース19に記憶された過去における停留時間が、例えば、1〜3時間(第4閾値)を超えている自車両の地図上の位置との相違が、例えば、10〜50m(第5閾値)未満であるときは、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であると判定する(S205)。
【0059】
あるいは、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した現在の自車両の地図上の位置と、走行履歴データベース19に記憶された過去における停留回数が、例えば、3〜10回(第6閾値)を超えている自車両の地図上の位置との相違が、例えば、10〜50m(第7閾値)未満であるときは、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であると判定する(S205)。
【0060】
検査判定装置13が検査は必要であると判定したときは(S205)、運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17を用いて、運転者が運転不適状態にあるかの検査を開始する(S203)。情報提供装置14は、運転者に対して、映像又は音声により、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0061】
運転不適判定装置18が、検査の結果、自車両の運転者は運転不適状態にあると判定したときは(S206)、運転不適判定装置18は、自車両の走行を禁止し、自車両のエンジンの始動を禁止する制御を行う(S207)。
【0062】
運転不適判定装置18が、検査の結果、自車両の運転者は運転不適状態にあると判定したとき(S206)、及び検査判定装置13が自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要ないと判定したときは(S205)、運転不適判定装置18は、自車両の走行を許可し、自車両のエンジンの始動を可能とする制御を行う(S208)。
【0063】
本実施形態によれば、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置と、走行履歴データベース19に記憶された自車両の走行履歴に応じて自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転者が運転不適状態となった履歴が集まらなくとも、自車両の位置に応じて運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが可能となる。
【0064】
特に、本実施形態によれば、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置と、酒類提供施設あるいは病院といった停留時間が長く運転者が運転不適状態となる可能性が高い場所とが近いときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、停留時間が短い場所に比べて運転者の理解を得られ易い。
【0065】
あるいは、本実施形態によれば、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11が特定した自車両の地図上の位置と、酒類提供施設あるいは病院といった停留回数が多く運転者が運転不適状態となる可能性が高い場所とが近いときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、運転不適状態である可能性が高い場所で飲酒検査等が行なわれることになり、停留回数が短い場所に比べて運転者の理解を得られ易い。
【0066】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。図5は、第3実施形態に係る不適格者運転防止装置を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の不適格者運転防止装置10cは、自車両の単位時間当りの操舵量の変動を検知するための操舵センサ20と、自車両の単位時間当りの加減速量の変動を検知するための加減速検知センサ21とを備えている。操舵センサ20は、特許請求の範囲に記載の操舵量検知手段として機能し、加減速検知センサ21は、特許請求の範囲に記載の加減速量検知手段として機能する。
【0067】
以下、本実施形態の不適格者運転防止装置10cの動作について説明する。図6は、第3実施形態に係る不適格者運転防止装置10cの動作を示すフロー図である。図6に示すように、上記第1実施形態と同様に、検査判定装置13は、ナビゲーションシステム11により特定される現在の自車両の停車位置と、記憶されている地図情報から抽出された酒類提供施設や病院等の運転者が運転不適状態となる可能性がある施設の地図上の位置とを比較することにより、一般的に運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要かを判定する(S301)。
【0068】
検査判定装置13が検査は必要であると判定したときは(S302)、運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17を用いて、運転者が運転不適状態にあるかの検査を開始する(S303)。情報提供装置14は、運転者に対して、映像又は音声により、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0069】
検査判定装置13が検査は必要ではないと判定したときは(S302)、検査判定装置13は、停車前に急操舵、急加速等の危険運転操作があったか否かに基づいて、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であるかを判定する(S304)。具体的には、検査判定装置13は、操舵センサ20が検知した単位時間当りの操舵量の変動が、例えば、10〜30°/s(第8閾値)を超えていたとき、あるいは、加減速検知センサ21が検知した単位時間当りの加減速量の変動が、例えば、3〜5m/s(第9閾値)を超えていたときは、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であると判定する(S305)。なお、検査判定装置13は、自車両の車速に対するヨーレイト(旋回率)が所定の閾値を超えているか否かにより、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要であると判定することとしても良い。
【0070】
検査判定装置13が検査は必要であると判定したときは(S305)、運転不適判定装置18は、血圧/心拍センサ15、アルコール検知センサ16及び眼球測定センサ17を用いて、運転者が運転不適状態にあるかの検査を開始する(S303)。情報提供装置14は、運転者に対して、映像又は音声により、運転者が運転不適状態にあるか否かの検査を受ける必要があることと、当該検査を受ける必要がある理由に関する情報を提供する。
【0071】
運転不適判定装置18が、検査の結果、自車両の運転者は運転不適状態にあると判定したときは(S306)、運転不適判定装置18は、自車両の走行を禁止し、自車両のエンジンの始動を禁止する制御を行う(S307)。
【0072】
運転不適判定装置18が、検査の結果、自車両の運転者は運転不適状態にあると判定したとき(S306)、及び検査判定装置13が自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの検査が必要ないと判定したときは(S305)、運転不適判定装置18は、自車両の走行を許可し、自車両のエンジンの始動を可能とする制御を行う(S308)。
【0073】
本実施形態によれば、検査判定装置13は、操舵センサ20が検知した単位時間当りの操舵量の変動が大きく、運転者の操舵に急操舵あるいはふらつきが有り、車両挙動が危険であるときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転者が運転不適状態となった履歴や走行履歴が集まらなくとも、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが可能となる。また、車両挙動が危険であるときに、飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0074】
また、本実施形態によれば、検査判定装置13は、加減速検知センサ21が検知した単位時間当りの加減速量の変動が大きく、運転者の加減速に急加速、急減速が有り、車両挙動が危険であるときに、自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始するため、必ずしも運転者が運転不適状態となった履歴や走行履歴が集まらなくとも、運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始することが可能となる。また、車両挙動が危険であるときに、飲酒検査等が行なわれることになり、運転者の理解を得られ易い。
【0075】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1実施形態に係る不適格者運転防止装置を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る不適格者運転防止装置の動作を示すフロー図である。
【図3】第2実施形態に係る不適格者運転防止装置を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態に係る不適格者運転防止装置の動作を示すフロー図である。
【図5】第3実施形態に係る不適格者運転防止装置を示すブロック図である。
【図6】第3実施形態に係る不適格者運転防止装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0077】
10a,10b,10c…不適格者運転防止装置、11…ナビゲーションシステム、12…検査履歴データベース、13…検査判定装置、14…情報提供装置、15…血圧/心拍センサ、16…アルコール検知センサ、17…眼球測定センサ、18…運転不適判定装置、19…走行履歴データベース、20…操舵センサ、21…加減速検知センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の運転者が運転に不適当な運転不適状態にあるか否かを判定する運転不適判定手段と、
前記自車両の地図上の位置を特定する位置特定手段と、
前記運転不適判定手段が前記運転者は運転不適状態にあると判定したときに前記自車両の走行を禁止する走行禁止手段と、
を備え、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置に応じて前記自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項2】
前記運転不適判定手段が前記運転者は運転不適状態にあると判定した時における前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置を記憶する運転不適位置記憶手段をさらに備え、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置と、前記運転不適位置記憶手段に記憶された前記自車両の地図上の位置との相違が第1閾値未満であるときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項1に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項3】
前記運転不適位置記憶手段は、前記運転不適判定手段が前記運転者は運転不適状態にあると判定した当日における時刻を、前記運転不適判定手段が前記運転者は運転不適状態にあると判定した時における前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置に関連付けて記憶し、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置と、前記運転不適位置記憶手段に記憶された前記自車両の地図上の位置との相違が第1閾値未満であり、且つ現在時刻と前記運転不適位置記憶手段に前記自車両の地図上の位置に関連付けて記憶された前記運転者が運転不適状態にあると判定された当日における時刻との相違が第2閾値未満であるときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項2に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項4】
前記自車両の前記運転者が運転不適状態となる可能性のある施設の地図上の位置を抽出する施設位置抽出手段をさらに備え、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置と、前記施設位置抽出手段が抽出した施設の地図上の位置との相違が第3閾値未満であるときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項5】
前記自車両の走行履歴を記憶する走行履歴記憶手段をさらに備え、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置と、前記走行履歴記憶手段に記憶された前記自車両の走行履歴に応じて前記自車両の運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項6】
前記走行履歴記憶手段は、前記自車両の地図上の位置ごとの停留時間を記憶し、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置と、前記走行履歴記憶手段に記憶された停留時間が第4閾値を超えている前記自車両の地図上の位置との相違が第5閾値未満であるときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項5に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項7】
前記走行履歴記憶手段は、前記自車両の地図上の位置ごとの停留回数を記憶し、
前記運転不適判定手段は、前記位置特定手段が特定した前記自車両の地図上の位置と、前記走行履歴記憶手段に記憶された停留回数が第6閾値を超えている前記自車両の地図上の位置との相違が第7閾値未満であるときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項5又は6に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項8】
前記自車両の単位時間当りの操舵量の変動を検知する操舵量検知手段をさらに備え、
前記運転不適判定手段は、前記操舵量検知手段が検知した単位時間当りの操舵量の変動が第8閾値を超えているときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項9】
前記自車両の単位時間当りの加減速量の変動を検知する加減速量検知手段をさらに備え、
前記運転不適判定手段は、前記加減速量検知手段が検知した単位時間当りの加減速量の変動が第9閾値を超えているときに前記自車両の前記運転者が運転不適状態にあるか否かの判定を開始する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。
【請求項10】
前記運転不適判定手段は、前記自車両の前記運転者が飲酒状態にあるときに運転不適状態にあると判定する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の運転不適格者による運転を防止する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−6230(P2010−6230A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167538(P2008−167538)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】