説明

運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援システム

【課題】後続車両の運転者が脇見運転している場合において、車両同士の衝突を抑制する技術を提供する。
【解決手段】車両内に設けられ、該車両の運転支援を行う運転支援装置であって、前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御部と、前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断部と、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両同士の衝突を防止する技術が知られている。例えば、特許文献1には、交差点における自車側車両と他車側車両との位置予測を行い、交差点において自車側車両と他車側車両とが最も接近したときの最小距離を算出し、算出された最小距離に基づいて、交差点における他車側車両との衝突の危険度を算出し、他車側車両のドライバが自車を認知しているか否かを判定し、視線の方向に自車がなく、自車を認知していないと推定される場合には、予め定められた交差車衝突危険度しきい値を所定値だけ下げるように変更し、予め定められた交差車衝突危険度しきい値又は変更された交差車衝突危険度しきい値を衝突の危険を判定する際のしきい値として設定して、交差車との衝突の危険があるか否かを判定することが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、コンピュータにより継続的に監視される自車両後方側に位置する他車両の走行状態に基づいて、当該他車両を運転している運転者の注意力を推定し、運転者の注意力が低下していると判断すると、ナビゲーション装置を介して自車両の運転者に警告を行なうことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−129772号公報
【特許文献2】特開2007−241729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両同士の衝突事故を防止する技術として、ミリ波レーダを用いた技術がある。図1は、車両同士の衝突事故を防止する従来技術の概要を示す。自車両には、前方の障害物を検出する前方ミリ波レーダ、前方の障害物を撮影する前方カメラ、後方の障害物を検出する後方ミリ波レーダが搭載されている。前方ミリ波レーダ及び前方カメラで前方が監視され、前方車両への衝突の危険がある場合、運転者への警告、自車両の速度制御が行われる。また、後方ミリ波レーダで後方が監視され、後続車両の追突の危険がある場合、後続車両の運転者に対してハザード点滅などの注意喚起が行われる。また、後続車両の追突が避けられない場合、追突時の衝撃を緩和するため、自車両のヘッドレストの位置が調整される。
【0006】
ここで、車両同士の衝突のうち、追突事故は後続車両の脇見運転による場合が少なくない。また、自車両(後続車両に対する先行車両)の運転者は、後続車両の運転者が脇見をしていても、これを察知することはできない。また、上記従来技術によれば、衝突の回避や衝突時の衝撃の軽減を図ることができるが、後続車両の運転者が脇見をしている場合には、ハザード点滅が実行されても効果がない。また、上記従来技術では、自車両の速度制御が、前方ミリ波レーダ及び前方カメラからの情報に基づいて行われることから、後続車両の運転者が脇見をしている場合には、自車両の速度が減速されることで衝突の危険性が高まる虞もある。
【0007】
本発明では、後続車両の運転者が脇見運転している場合において、車両同士の衝突を抑制する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上述した課題を解決するため、後続車両の運転者の向きを検知し、前記後続車両からの追突を抑制するよう、車両の速度の自動制御の制御内容を変更することとした。
【0009】
より詳細には、本発明は、車両内に設けられ、該車両の運転支援を行う運転支援装置であって、前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御部と、前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断部と、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更部と、を備える。
【0010】
本発明では、後続車両の運転者が脇見(よそ見)運転している場合、後続車両からの追突を抑制するよう自動制御の制御内容が変更されることから、後続車両からの追突を抑制することができる。
【0011】
ここで、本発明に係る運転支援装置において、前記速度自動制御部は、前記前方車両との衝突が予測される場合、前記前方車両との衝突を抑制するように前記車両の速度を減速させ、前記制御内容変更部は、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記速度自動制御部による前記車両の速度の減速を制限するようにしてもよい。速度の減速を制限するとは、減速を緩やかにすることを意味する。本発明によれば、減速を緩やかにすることで、後続車両からの追突を抑制することができる。
【0012】
また、本発明に係る運転支援装置において、前記速度自動制御部は、既定された前記車両と前方車両との車間距離が確保されるよう前記車両の速度を制御し、前記制御内容変更部は、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記既定された車間距離をより広くするようにしてもよい。既定された車間距離は、車両の運転者が任意に設定することができる。車間距離を広くすることで、車両と前方車両との衝突をより確実に回避することができる。また、車両を減速させる場合の設定の幅を大きくすることができる。
【0013】
また、本発明に係る運転支援装置は、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両の運転者がよそ見をしていることを前記車両の運転者に報知する危険報知部を更に備える構成としてもよい。危険報知部は、スピーカや表示装置を通じて後続車両の運転者がよそ見をしている旨を報知することができる。後続車両の運転者がよそ見をしている旨を車両の運転者に報知することで、前方車両との車間距離をより広くとる、走行車線を変更する、繰り返しハザードを点滅させるなど、後続車両からの追突を回避するための処置を実行させることができる。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置において、情報取得部は、前記車両の前方に存在する車両以外の障害物、標識、停止線のうち少なくとも何れか一つの情報を更に取得し、前記制御内容変更部は、前記車両の前方に前記障害物、標識、停止線の何れも存在しない場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更するようにしてもよい。車両以外の障害物には、信号機、踏切などが含まれる。信号機、踏切、標識、停止線等が存在する場合には、車両は停止することが要求される。従って、これらの存在が確認された場合には、自動制御の制御内容に変更を加えず、これらの存在が確認されな
い場合のみ、自動制御の制御内容に変更を加える。
【0015】
なお、本発明は、上述した運転支援装置と、前方レーダ、後方レーダ、後方カメラを備える運転支援システムとして構成してもよい。具体的には、本発明は、車両内に設けられ、該車両の運転支援を行う運転支援システムであって、前記車両と前記車両の前方車両との相対速度及び車間距離を検知する前方レーダと、前記車両と前記車両の後続車両との相対速度及び車間距離を検知する後方レーダと、前記後続車両の運転者の画像を撮影する後方カメラと、前記前方レーダ、前記後方レーダ、及び前記後方カメラからの情報に基づいて前記車両の運転支援を行う運転支援装置と、を含み、前記運転支援装置は、前記前方レーダ及び前記後方レーダによる検知情報により、前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御部と、前記後方カメラによる撮影画像から前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断部と、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更部と、を備える運転支援システムとして特定することができる。
【0016】
また、本発明は、上述した運転新装置又は運転支援システムで実行される処理を実現させる運転支援方法として特定することもできる。例えば、本発明は、車両内から該車両の運転支援を行う運転支援方法であって、前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御ステップと、前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断ステップと、前記よそ見判断ステップで前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断された場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更ステップと、を備える運転支援方法である。
【0017】
なお、本発明は、上述した運転支援装置又は運転支援システムで実行される処理を実現させるプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行することにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、後続車両の運転者が脇見運転している場合において、車両同士の衝突を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】車両同士の衝突事故を防止する従来技術の概要を示す。
【図2】実施形態に係る運転支援システムを説明する図を示す。
【図3】第一実施形態に係る運転支援システムの概略構成を示す。
【図4】運転支援装置の機能ブロック図を示す。
【図5】よそ見判断処理のフロー図を示す。
【図6】メイン処理のフロー図を示す。
【図7】所定時間(Y)の設定例を示す。
【図8】上述した一連の処理におけるタイミングチャートを示す。
【図9】第二実施形態に係る運転支援システムの概略構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援システムの実施形態について図面に基づいて説明する。以下では、後方カメラ1、運転支援装置7を含む運転支援システム100として説明する。図2に示すように、実施形態に係る運転支援システム100は、車両Aに搭載され、後方カメラ1で撮影された画像を解析して、後続車両Bの運転者(ドライバ)0の向き(視線、顔の向き)を検出する。そして、後続車両Bのドライバの視線が前方を向いていない場合を「ドライバよそ見回数」としてカウントし、ドライバよそ見回数が一定回数を上回ると後続車両Bのドライバがよそ見をしていると判断し、車両Aのドライバに報知すると共に、後続車両Bの追突を回避又は追突の際の衝撃を低減するよう、車両Aの速度の自動制御の制御内容を変更する。以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。例えば、後続車両Bの運転者がよそ見をしている場合と判断された場合、判断結果をPCS(Pre-crash Safety System)などの他の車両制御に用いるようにしてもよい。
【0021】
<第一実施形態>
[構成]
図3は、第一実施形態に係る運転支援システムの概略構成を示す。第一実施形態に係る運転支援システム100は、車両Aに搭載され、後方カメラ1、前方カメラ2、画像処理装置3、後方レーダ装置4、前方レーダ装置5、ECU(Electrical Control Unit)6
に搭載された運転支援装置7を備える。また、運転支援システム100が搭載される車両Aは、ナビゲーション装置8、スピーカ9、ブレーキ装置10、車速センサ11、加速度センサ12を備える。
【0022】
後方カメラ1は、後続車両B、特に後続車両のドライバMを撮影する。後方カメラ1は、例えば、リアガラスの上部内側や天井の後方に接続部材を用いて固定される。後方カメラ1は、後続車両のドライバMを撮影するため、車両Aの後方に設置される。後方カメラ1には、単眼カメラを用いることができる。単眼カメラは、モノクロ、カラー何れでもよい。また、単眼カメラに代えてステレオカメラを用いてもよい。なお、赤外線カメラを用いることで夜間撮影が可能となる。
【0023】
前方カメラ2は、車両Aの前方を撮影する。前方カメラ2は、例えば、バックミラーの非鏡面側に設けられ、後方カメラ1と同じく単眼カメラによって構成することができる。なお、前方カメラ2も、モノクロ、カラー何れでもよく、また、ステレオカメラ、赤外線カメラでもよい。
【0024】
画像処理装置3は、後方カメラ1、前方カメラ2で撮影された画像を解析して、後続車両Bのナンバー、後続車両のドライバMの視線、顔の向き、車両Aの前方の障害物を検出する。障害物には、車両Aの前方車両の他、電信柱、信号機、踏切、歩行者等が含まれる。画像処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等を含むコンピュー
タとコンピュータ上で実行されるプログラムを有する既存の画送処理装置によって構成される。
【0025】
後方レーダ装置4は、後続車両Bの方位、後続車両Bとの相対速度と車間距離を検出する。後方レーダ装置4は、アンテナ、制御部(CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムを含む)によって構成され、車両Aの後部に設けられる。後方レーダ装置4には、後続車両Bの方位を検出する測角方式として位相モノパルス方式を用いることができ、後続車両Bとの相対速度と距離を検出する測距方式としてFM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式を用いることができる。位相モ
ノパルス方式では、例えば二つのアンテナを配置し、各アンテナで受信した信号の位相差(Δφ)に基づいて到来電波の方向を求める。FM−CW方式は、三角波で変調した送信波を送信し、ターゲットで反射した反射波の周波数は距離による時間遅れと速度差によるドプラシフトの成分を含むことから、反射波と送信波の差分をとることで距離と速度を算出する。
【0026】
前方レーダ装置5は、車両Aの前方の障害物(ターゲットともいう)の方位、ターゲットとの相対速度と距離を検出する。前方レーダ装置5に、アンテナ、制御部(CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムを含む)によって構成され、車両Aの前部に設けられる。前方レーダ装置5には、ターゲットの方位を検出する測角方式として位相モノパルス方式を用いることができ、ターゲットとの相対速度と距離を検出する測距方式としてFM−CW方式を用いることができる。
【0027】
ナビゲーション装置8は、車両Aを目的地まで経路誘導する。ナビゲーション装置8は、表示装置としてのディスプレイを備える。ナビゲーション装置8は、地図情報及び車両Aの現在地情報を有することから、ナビゲーション装置8を介して障害物の方位や距離に関する情報を得ることができる。ブレーキ装置10は、車両のドライバの操作に基づいて車両Aを減速させる。スピーカ9は、車両A内にナビゲーション装置からの音声、音楽再生デッキからの音声を出力する他、後続車両Bとの衝突の危険や、ターゲットとの衝突の危険、後続車両BのドライバMがよそ見をしている旨を音声により出力する。車両車速センサ11は、車両Aの速度を検出する。加速度センサ12は、車両Aの加速度を検出する。
【0028】
運転支援装置7は、後続車両Bからの追突の危険や障害物との衝突の危険をスピーカ9などを通じて報知し、また、車両Aの速度の自動制御を実行する。図4は、運転支援装置7の機能ブロック図を示す。第一実施形態に係る運転支援装置7は、CPU(Central Processing Unit)70、メモリ71等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行される
プログラムによって実現される。メモリ71は、揮発性のRAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)を含む。ROMには、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な半導体メモリを含
む。CPU70は、ROMに格納されている、衝突の危険を報知する処理や減速処理を実行するためのプログラムをRAMのワークエリアに展開し、運転支援装置7に入力される各種データに応じて、各種プログラムに従った処理を実行する。運転支援装置7が有する各構成(機能部)は、CPU70上で実行されるコンピュータプログラムとして構成することができる。また、各構成は、専用のプロセッサとして構成してもよい。運転支援装置7が有する各構成には、情報取得部72、よそ見判断部73、後続車両追突危険判断部74、前方障害物衝突危険判断部75、危険報知部76、速度自動制御部77、制御内容変更部78を備える。
【0029】
情報取得部72は、後続車両Bの追突の危険や前方障害物との衝突の危険を判断するために必要な情報を取得する。具体的には、情報取得部72は、画像処理装置3から、後続車両のドライバMの視線、顔の向きに関する情報、前方障害物、標識、及び停止線に関する情報、後方レーダ装置4から後続車両Bとの相対速度及び車間距離に関する情報、前方レーダ装置5から前方車両との相対速度及び車間距離に関する情報、車速センサ11から車両Aの速度に関する情報、加速度センサ12から車両Aの加速度に関する情報を取得する。
【0030】
よそ見判断部73は、後続車両のドライバMが前方(正面)を向いているか否か判断する。具体的には、よそ見判断部73は、画像処理装置3から後続車両のドライバMの視線
、顔の向きに関する情報を取得し、後続車両のドライバMが前方(正面)を向いているか否か判断する。後続車両のドライバMが前方を向いていない場合には、よそ見回数としてカウントし、よそ見回数が所定回数を上回った場合には、よそ見フラグを設定する。
【0031】
後続車両追突危険判断部74は、後続車両Bの追突の危険を判断する。具体的には、後続車両追突危険判断部74は、後方レーダ装置4からの後続車両Bとの相対速度及び車両Aと後続車両Bの距離差(車間距離)に基づいて、後続車両Bの追突時間(TTC)の算出を行う。
【0032】
前方障害物衝突危険判断部75は、画像処理装置3からの前方障害物、標識、及び停止線に関する情報、前方レーダ装置5からの前方の障害物の方位、前方の障害物との相対速度と距離等に基づいて、前方の障害物との衝突の危険を判断する。
【0033】
危険報知部76は、後続車両Bの追突の危険や前方障害物の衝突の危険をスピーカ9及びナビゲーション装置8が有するディスプレイを通じて報知する。
【0034】
速度自動制御部77は、後続車両Bの追突の危険や前方障害物の衝突の危険に応じて、車両Aの速度を減速させる。例えば、危険報知部76によって後続車両Bの追突の危険や前方障害物の衝突の危険を報知したにも係らず、車両Aの減速が行われない場合、ブレーキ装置10を制御して車両Aの速度を減速させる。速度自動制御部77は、後述する制御内容変更部78によって制御内容が変更された場合、変更内容に応じて制御を行う。
【0035】
制御内容変更部78は、後続車両追突危険判断部74で設定されたよそ見フラグに関する情報、速度自動制御部77が減速処理を実行するか否かに関する情報、追突時間(TTC)に関する情報、前方の障害物との衝突の危険に関する情報等に基づいて、速度自動制御部77による速度の自動制御の制御内容を変更する必要があるか否かを判断し、変更する必要がある場合には、制御内容を変更する。
【0036】
[処理フロー]
次に上述した第一実施形態に係る運転支援システム100で実行される処理(以下、運転支援処理ともいう)について説明する。運転支援システム100で実行される処理には、後続車両のドライバMのよそ見を判断するよそ見判断処理と、よそ見判断処理の判断結果に基づいて行われるメイン処理が含まれる。まず、よそ見判断処理について説明する。
【0037】
(よそ見判断処理)
図5は、よそ見判断処理のフロー図を示す。ステップS01では、後続車両に関する情報が取得される。具体的には、後方カメラ1は、後方カメラ1が後続車両Bを撮影する。後方カメラ1で撮影される画像には、後続車両B、後続車両Bのナンバープレート、後続車両のドライバMの顔が含まれる。後続車両Bに関する情報が取得されるとステップS02へ進む。
【0038】
ステップS02では、情報取得部72は、後続車両のドライバMの視線、顔の向きに関する情報を取得する。すなわち、後方カメラ1の画像から画像処理装置3によって、ドライバの視線、顔の向きが抽出され、情報取得部72がこれを取得する。後続車両のドライバMの視線、顔の向きに関する情報が取得されるとステップS03へ進む。
【0039】
ステップS03では、よそ見判断部73は、後続車両のドライバMが正面を向いているか判断する。すなわち、情報取得部72が取得したドライバの視線、顔の向きに関する情報に基づいて、後続車両のドライバMが正面、すなわち車両Aを向いているか否かを判断する。正面を向いていると判断されるとステップS04へ進む。一方、正面を向いていな
いと判断されると、ステップS06へ進む。
【0040】
ステップS04では、よそ見判断部73は、よそ見カウンタをリセットする。よそ見カウントとは、後続車両のドライバMが正面を向いていない場合をよそ見回数としてカウントする。続いて、ステップS05では、よそ見判断部73は、よそ見フラグをOFFにする。よそ見フラグとは、後続車両のドライバMのよそ見を表すフラグである。よそ見カウンタがリセットされた場合には、よそ見フラグはOFFとなる。よそ見フラグOFFが設定されるとステップS09へ進む。
【0041】
後続車両のドライバMが正面を向いていないと判断されると、ステップS06へ進み、ステップS06では、よそ見判断部73は、よそ見カウンタを1回カウントする。例えば、既によそ見カウンタが3回カウントされている場合には、更に1回カウントされることで、よそ見回数は合計4回となる。よそ見カウンタがカウントされるとステップS07へ進む。
【0042】
ステップS07では、よそ見判断部73は、よそ見カウンタのカウントが所定回数(X)を上回っていないか判断する。所定回数(X)は、後続車両のドライバMがよそ見をしているか否かの基準として適宜設定することができる。所定回数(X)は、よそ見判断処理の単位時間当たりの実行回数を考慮して設定することができる。例えば、よそ見判断処理を0.1秒ごとに繰り返し実行する場合、所定回数(X)を4回と設定すると、後続車両のドライバMが0.5秒間正面を向いていないとよそ見をしていると判断されることになる。所定回数(X)は、車両Aの速度に応じて変更するようにしてもよい。例えば、高速走行中(例えば80km/h)の所定回数(X)を低速走行中(20km/h)よりも少なく設定する。これにより、高速走行中における追突をより確実に防止することができる。よそ見カウンタが所定回数(X)を上回っている場合には、ステップS08へ進む。一方、よそ見カウンタが所定回数(X)を上回っていない場合には、ステップS09へ進む。
【0043】
ステップS08では、よそ見判断部73は、よそ見フラグをONにする。次に、ステップS09では、よそ見判断部73は、ステップS05又はステップS08で設定されたよそ見フラグをメモリ71に記憶させる。よそ見フラグが記憶されると、再度ステップS01へ進み、後続車両Bに関する情報が再度取得される。
【0044】
(メイン処理)
メイン処理では、よそ見判断処理による判断結果を踏まえて減速処理が実行される。図6は、メイン処理のフロー図を示す。ステップS11では、情報取得部72は、車両Aに関する情報を取得する。具体的には、車両Aに関する情報として、車両Aの速度や加速度が取得される。車両Aに関する情報が取得されると、ステップS12へ進む。
【0045】
ステップS12では、後方レーダ装置4は、車両Aと後続車両Bの相対速度を算出する。続いて、ステップS13では、後方レーダ装置4は、車両Aと後続車両Bの距離差(車間距離)を算出する。本実施形態では、後続車両Bとの相対速度と距離を検出する測距方式として既存のFM−CW方式が用いられる。なお、後続車両Bの方位を検出する場合には、測角方式として既存の位相モノパルス方式を用いればよい。車両Aと後続車両Bの距離差が算出されると、ステップS14へ進む。
【0046】
ステップS14では、後続車両追突危険判断部74は、後続車両Bの追突時間(TTC:Time To Collision)を算出する。すなわち、ステップS12で算出された車両Aと後
続車両Bの相対速度と、ステップS13で算出された車両Aと後続車両Bの距離差に基づいて、後続車両Bが車両Aに追突するまでの時間が算出される。追突時間が算出されると
、ステップS15へ進む。
【0047】
ステップS15では、情報取得部72は、よそ見判断処理の判断結果を取得する。続いて、ステップS16では、情報取得部72は、前方障害物、標識、停止線に関する情報を取得する。これらの情報は、前方レーダ装置5、前方カメラ2、カーナビゲーション装置8から取得することができる。前方障害物、標識、停止線に関する情報が取得されると、ステップS17へ進む。
【0048】
ステップS17では、後続車両追突危険判断部74は、よそ見フラグがONか否か判断する。すなわち、ステップS15において、よそ見フラグONとの情報が取得された場合、ステップS18へ進む。一方、ステップS15において、よそ見フラグOFFとの情報が取得された場合、ステップS19へ進む。
【0049】
ステップS18では、後続車両追突危険判断部74は、減速制限フラグOFFを設定する。減速制限フラグとは、標準設定されている減速処理に対して制限を加える制限処理を実行することを表すフラグである。減速制限フラグOFFが設定されると、ステップS19へ進む。
【0050】
ステップS19では、後続車両追突危険判断部74は、速度の自動制御処理として減速処理が実行中又は準備中であるか否か判断する。減速処理とは、後続車両Bの追突の危険や前方障害物の衝突の危険に応じて、車両Aの速度を自動的に減速させる処理である。具体的には、危険報知部76によって後続車両Bの追突の危険や前方障害物の衝突の危険を報知したにも係らず、車両Aの減速が行われない場合、ブレーキ装置10を制御して車両Aの速度が減速される。減速処理が実行中又は準備中の場合、ステップS20へ進む。一方、減速処理が実行中又は準備中でない場合、ステップS18へ進み、減速制限フラグOFFが設定される。
【0051】
ステップS20では、後続車両追突危険判断部74は、追突時間(TTC)が所定時間(Y)を上回るか否か判断する。すなわち、ステップS14で算出された後続車両Bが車両Aに追突するまでの追突時間が、所定時間(Y)を上回るか否か判断される。所定時間(Y)は、0.2秒、0.3秒といったように適宜設定することができる。なお、所定時間(Y)は、車間距離に応じて複数段階設定してもよい。図7は、所定時間(Y)の設定例を示す。図7では、車間距離が「長い」、「短い」、「普通」の3段階に分けられ、車間距離に応じて所定時間(Y)が夫々、「0.4秒」、「0.2秒」、「0.3秒」に設定されている。追突時間(TTC)が所定時間(Y)を上回ると判断された場合、ステップS21へ進む。一方、追突時間(TTC)が所定時間(Y)を上回らないと判断された場合、ステップS18へ進み、減速制限フラグOFFが設定される。
【0052】
ステップS21では、前方障害物衝突危険判断部75は、前方障害物の存在の有無によって減速する必要があるか否かを判断する。すなわち、ステップS16で取得された前方障害物、標識、停止線に関する情報に基づいて、前方障害物の存在の有無によって減速する必要があるか否かが判断される。例えば、前方障害物衝突危険判断部75は、車両Aと前方車両との衝突時間(TTC)を算出し、前方車両との衝突時間(TTC)が所定時間(Y´)を上回る場合には、前方車両が衝突の危険性がある障害物であると判断し、前方車両の存在によって減速する必要があると判断する。また、停止線や信号が存在する場合には、停止線や信号の存在によって減速する必要があると判断される。前方障害物の存在によって減速する必要があると判断された場合、ステップS18へ進み、減速制限フラグOFFが設定される。すなわち、前方障害物の存在を優先して、減速制限処理を行わずに、減速処理が実行される。一方、前方障害物の存在によって減速する必要がないと判断された場合、ステップS22へ進む。
【0053】
ステップS22では、後続車両追突危険判断部74は、減速制限フラグONを設定し、後続車両Bからの追突の危険性があることを報知する。なお、車両のドライバへの報知は、例えば、よそ見判断処理において後続車両のドライバMがよそ見をしていると判断された時点で、その旨を報知するようにしてもよい。減速制限フラグが設定されると、ステップS23へ進む。
【0054】
ステップS23では、速度自動制御部77は、減速処理を実行する。具体的には、速度自動制御部77は、減速制限フラグOFFが設定されている場合、減速制限を行わずに減速処理を実行する。一方で、速度自動制御部77は、減速制限フラグONが設定されている場合、例えば、式1に従って、減速処理を実行する。すなわち、速度自動制御部77は、後続車両Bが追突しないよう、減速を緩やかにする。ここで、自車減速度は、進行方向と逆向きの車両A加速度である。自車速は、車両Aの速度である。後続車減速度は、進行方向と逆向きの後続車両Bの加速度である。後続車速は、後続車両Bの速度である。車間距離は、車両Aと後続車両Bとの車間距離である。
自車減速度<[(自車速)2×後続車減速度]/[(後続車速)2+(2×後続車減速度×車
間距離)]・・・式1
【0055】
なお、上記式1に基づいて制限処理を行うことで減速が緩やかになり、後続車両Bからの追突を回避することができる。後続車両Bからの追突を完全には回避できないが、後続車両Bからの追突による衝撃を緩和する場合、速度自動制御部77は、式2に従って、減速処理を実行することができる。ここで、追突速度は、車両2に追突するときの後続車両Bの速度である。
自車減速度<[(自車速)2×後続車減速度]/[(追突速度)2−(後続車速)2+(2×後続車減速度×車間距離)]・・・式2
【0056】
図8は、上述した一連の処理におけるタイミングチャートを示す。図8では、よそ見判断処理が0.1秒ごとに実行され、よそ見カウンタが5回カウントされることでよそ見フラグONが設定されている。また、後続車両の追突時間が所定時間を下回ると、減速制限フラグOFFが設定されている。
【0057】
[効果]
以上説明した第一実施形態に係る運転支援システム100によれば、後続車両のドライバMが脇見運転している場合において、車両Aのドライバへの報知及び制限処理が実行されることで、後続車両Bの車両Aへの追突を抑制することができる。また、仮に後続車両Bの車両Aへの追突が回避できない場合でも、制限処理が実行されることで、後続車両Bの車両Aへの追突の衝撃を緩和することができる。
【0058】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る運転支援システム100では、後続車両のドライバMの視線、顔の向きを、後続車両Bの室内に設置された後続車両内カメラ0によって撮影された画像から取得する。図9は、第二実施形態に係る運転支援システムの概略構成を示す。図9に示すように、第二実施形態に係る運転支援システム100は、車両Aが車車間通信装置13を更に備える。また、後続車両Bが、車車間通信装置、後続車両内カメラを更に備える。なお、第一実施形態に係る運転支援システム100と同様の構成については、同一符号を付し、説明は割愛する。
【0059】
車両の車車間通信装置13及び後続車両の車車間通信装置は、車両同士の通信を可能とする。これにより、第二実施形態では、車両Aと後続車両Bが互いに通信可能である。後続車両内カメラは、後続車両B内にドライバMに向けて設置され、後続車両のドライバM
の視線、顔の向きを撮影する。後続車両内カメラで撮影された画像は、後続車両Bの車車間通信装置から車両Aの車車間通信装置13へ送られ、情報取得部72がこれを取得する。
【0060】
第二実施形態に係る運転支援システム100で実行される処理は、基本的には第一実施形態に係る運転支援システム100で実行される処理と同じである。ステップS02において、第一実施形態では、後続車両のドライバMの視線、顔の向きに関する情報が、車両Aに設けられた後方カメラ1によって撮影された画像から取得されたが、第二実施形態では、後続車両Bの室内に設けられた後続車両内カメラによって撮影された画像から取得される。後続車両内カメラで撮影された画像は、車車間通信装置によって転送され、車両Aに設けられた画像処理装置3で後続車両のドライバMの視線、顔の向きが抽出される。
【0061】
[効果]
以上説明した第二実施形態に係る運転支援システム100によれば、第一実施形態に係る運転支援システム100と同じく、後続車両のドライバMが脇見運転している場合において、車両Aのドライバへの報知及び制限処理が実行されることで、後続車両Bの車両Aへの追突を抑制することができる。また、仮に後続車両Bの車両Aへの追突が回避できない場合でも、制限処理が実行されることで、後続車両Bの車両Aへの追突の衝撃を緩和することができる。なお、第二実施形態では、車両と後方車両が何れも車車間通信装置13を備え、互いに通信可能であることが必要とされる。但し、後続車両のドライバMの視線、顔の向きは、後続車両内カメラの画像から抽出可能であり、更に精度よく後続車両のドライバMの視線、顔の向きを抽出することができる。また、暗い場合にも、第二実施形態に係る運転支援システム100の方が精度よく後続車両のドライバMの視線、顔の向きを抽出することができる。
【0062】
<変形例>
後続車両のドライバMの画像が、後続車両Bと車両Aの何れからも取得できる場合には、後続車両Bで取得される画像を優先的に使用するようにしてもよい。また、よそ見判断部73が、両画像を比較し、解像度が高い画像を用いるようにしてもよい。
【0063】
車両Aが減速処理が実行又は準備されている場合において、車両Aと前方車両との車間距離を更に長くするようにしてもよい。例えば、減速処理における車間距離が「長い」、「短い」、「普通」の3段階からなり、「普通」に設定されていた場合において、「長い」に設定変更するようにしてもよい。これにより、制限処理を行った場合における、前方車両との衝突をより低減することができる。
【0064】
よそ見フラグONが設定された場合において、後続車両のドライバMがよそ見をしていないことが検出された場合には、よそ見フラグONを解除するようにしてもよい。
【0065】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る運転支援装置はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。また、上述した運転支援システム100で実行される処理の順序は適宜入れ替えることができる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・後方カメラ
2・・・前方カメラ
3・・・画像処理装置
4・・・後方レーダ装置
5・・・前方レーダ装置
6・・・ECU
7・・・運転支援装置
8・・・ナビゲーション装置
9・・・スピーカ
10・・・ブレーキ装置
11・・・車速センサ
12・・・加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に設けられ、該車両の運転支援を行う運転支援装置であって、
前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御部と、
前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断部と、
前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更部と、
を備える運転支援装置。
【請求項2】
前記速度自動制御部は、前記前方車両との衝突が予測される場合、前記前方車両との衝突を抑制するように前記車両の速度を減速させ、
前記制御内容変更部は、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記速度自動制御部による前記車両の速度の減速を制限する、請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記速度自動制御部は、既定された前記車両と前方車両との車間距離が確保されるよう前記車両の速度を制御し、
前記制御内容変更部は、前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記既定された車間距離をより広くする、請求項1又は2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両の運転者がよそ見をしていることを前記車両の運転者に報知する危険報知部を更に備える、請求項1から3の何れか1項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
情報取得部は、前記車両の前方に存在する車両以外の障害物、標識、停止線のうち少なくとも何れか一つの情報を更に取得し、
前記制御内容変更部は、前記車両の前方に前記障害物、標識、停止線の何れも存在しない場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する、請求項1から4の何れか1項に記載の運転支援装置。
【請求項6】
車両内から該車両の運転支援を行う運転支援方法であって、
前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御ステップと、
前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断ステップと、
前記よそ見判断ステップで前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断された場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更ステップと、
を備える運転支援方法。
【請求項7】
車両内に設けられ、該車両の運転支援を行う運転支援システムであって、
前記車両と前記車両の前方車両との相対速度及び車間距離を検知する前方レーダと、
前記車両と前記車両の後続車両との相対速度及び車間距離を検知する後方レーダと、
前記後続車両の運転者の画像を撮影する後方カメラと、
前記前方レーダ、前記後方レーダ、及び前記後方カメラからの情報に基づいて前記車両の運転支援を行う運転支援装置と、を含み、
前記運転支援装置は、
前記前方レーダ及び前記後方レーダによる検知情報により、前記車両の前方車両又は前記車両の後続車両との衝突が予測される場合に前記車両の速度を自動制御する速度自動制御部と、
前記後方カメラによる撮影画像から前記後続車両の運転者の向きに関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得された前記後続車両の運転者の向きに関する情報から、前記後続車両の運転者がよそ見をしているか否かを判断するよそ見判断部と、
前記よそ見判断部が前記後続車両の運転者がよそ見をしていると判断した場合、前記後続車両からの追突を抑制するよう、前記自動制御の制御内容を変更する制御内容変更部と、
を備える運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−79125(P2012−79125A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224228(P2010−224228)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】