遠心分離によって食品液体を生成するための使い捨てカプセル
カプセル内に収容される食品物質から食品液体を生成するための使い捨てカプセル(1)であって、前記食品液体を生成するに、遠心力を利用して水を前記カプセル内に導入するとともに水を前記物質に通し、前期食品液体が、カプセルの中心軸線(A)に対してカプセル内で周方向に遠心力を受ける食品液体を生成するための、使い捨てカプセル(1)において、所定量の食品物質(22)を収容する囲繞部(14)と、カプセル内に及ぼされる遠心力によって食品液体が前記囲繞部から流出できるようにするための複数の出口開口(18)であって、カプセルの壁の略外周部(17)に配置される複数の出口開口(18)とを備える、使い捨てカプセル。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、食品物質を収容するカプセルであって、上記カプセルに対して及ぼされる遠心力を利用して飲料などの食品液体を生成するためのカプセルに関する。また、本発明は、カプセルと、カプセルを受けて食品液体を生成するように構成された装置とを備えるシステムに関する。
【0002】
浸出コーヒーおよびコーヒー粉末から成る混合物が遠心力によって分離される飲料生成は公知である。そのような混合物は、熱湯とコーヒー粉末とを所定時間にわたって一緒にすることによって得られる。その後、熱湯がスクリーンを通過させられるが、そのスクリーン上にはスクリーン粉末材料が存在する。
【0003】
既存のシステムは、例えば欧州特許出願EP0367600B1の場合のように、通常は機械の取り外し不能な部分である容器内にコーヒー粉末を配置することから成る。そのような装置は多くの欠点を有する。第1に、コーヒー粉末を容器内に手作業で適切に投入しなければならない。第2に、遠心力を受けるコーヒー廃物が乾燥してしまい、容器の表面をこすることによってコーヒー廃物を除去しなければならない。その結果、コーヒーの生成には、多くの手作業を要し、非常に時間がかかる。通常、コーヒーの鮮度は大きく異なる可能性もあり、これがカップ品質に影響を及ぼす可能性がある。これは、コーヒーが一般にバルクパッケージによってもたらされるからであり、あるいは、コーヒーが容器自体内で豆から挽かれるからである。
【0004】
また、コーヒーの手作業での投入および浸出条件(例えば、遠心速度、容器サイズ)に応じて、カップ品質が大きく異なる可能性がある。
【0005】
したがって、これらのシステムは、決して大きな商業的成功に到達するには至らなかった。
【0006】
独国特許出願DE102005007852では、機械が取り外し可能なホルダを備え、上記ホルダ内には容器の開放したカップ形状部が配置される。他の部分すなわち蓋は、機械の駆動軸線に取り付けられる。しかしながら、欠点は集中的な手作業である。他の欠点は、粉末の投入における制御の欠如およびコーヒー粉末の鮮度の制御の欠如に起因してコーヒーの品質を制御するのが困難なことである。
【0007】
遠心力によってコーヒーを浸出するための他の装置は、国際公開WO2006/112691、仏国特許出願FR2624364、欧州特許出願EP0367600、英国特許出願GB2253336、仏国特許出願FR2686007、欧州特許出願EP0749713、独国特許出願DE4240429、欧州特許出願EP0651963、仏国特許出願FR2726988、独国特許出願DE4439252、欧州特許出願EP0367600、仏国特許出願FR2132310、仏国特許出願FR2513106、仏国特許出願FR2487661、独国特許出願DE3529053、仏国特許出願FR2535597、国際公開WO2007/041954、独国特許出願DE3529204、独国特許出願DE3719962、仏国特許出願FR2685186、独国特許出願DE3241606、および、米国特許出願US−A−4545296に記載されている。
【0008】
しかしながら、コーヒーを浸出しあるいは他の食品物質を生成するための遠心力の作用は、圧力ポンプを使用する通常の浸出方法と比べて多くの利点を与える。例えば、「エスプレッソ」コーヒータイプの浸出方法では、供給されるコーヒー抽出物の抽出の質に影響を与える全てのパラメータをマスターすることが非常に難しい。これらのパラメータは、一般に、圧力、圧力と共に減少する流量、流れ特性に影響を与え且つ挽いたコーヒーの粒径に依存するコーヒー粉末の圧密度、温度、水流分配などである。
【0009】
したがって、供給される食品液体の品質を制御するために、抽出パラメータをより良好に更に独立に制御でき、そのため、抽出パラメータをより良くマスターできるように適合された新規な抽出プロセスおよびカプセルを提案する必要がある。
【0010】
同時に、従来技術の遠心コーヒー生成装置と比べて便利な食品液体の生成方法であって、鮮度および容器内の物質の正確な用量などの重要な品質パラメータのより高度な制御によってより良好なカップ内品質を与える食品液体の生成方法が必要である。
【0011】
このため、本発明は、カプセル内に収容された食品物質から食品液体を用意するための使い捨てカプセルであって、上記食品液体を生成するために、遠心力を利用して水を上記カプセル内に導入するとともに水を上記物質に通し、上記食品液体が、遠心分離動作中に、回転軸線に対応する上記カプセルの中心軸線に対して周方向に上記カプセル内で遠心分離される、使い捨てカプセルにおいて、
所定量の食品物質を収容する囲繞部と、
遠心分離中に上記カプセル内に及ぼされる遠心力によって、上記食品液体が上記囲繞部から流出できるようにするための上記囲繞部の複数の出口開口であって、上記囲繞部の壁の外周部に配置された複数の出口開口と
を備える使い捨てカプセルに関する。
【0012】
出口開口は、中心軸線周りで壁の上記外周部に位置されて略径方向に分布されることが好ましい。保管中にカプセル内の物質の鮮度を長引かせるために、カプセルが気密材料で構成されるのが好ましい。また、カプセルは、上記カプセルを気密態様で封じるために出口開口と外部環境との間に配置されるシール箔を備える。
【0013】
特定の形態において、複数の出口開口は、カプセルの壁の内側部分を貫通して設けられる。例えば、出口開口を備える壁の内側部分は、カプセルが飲料生成装置内で用いるために開放される前に外部環境から気密態様で閉じられる。
【0014】
均一な流れ状態で囲繞部から出る液体を収集するために、囲繞部の出口開口の下流側に収集凹部が設けられることが好ましい。また、収集凹部は、カプセルの外周に配置される環状部であることが好ましい。収集凹部は、一方側が壁の内側部分によって封じられ、他方側がシール箔によって封じられることが好ましい。
【0015】
したがって、本発明のカプセルは、カプセルに適した回転軸線を中心にカプセルを回転させることにより得られる遠心分離の作用によって、カプセルの囲繞部内に収容される物質から液体を生成できるように設計される。
【0016】
そのため、カプセルに設けられる複数の開口は、カプセルの回転軸線周りの囲繞部のほぼ外周の場所で、遠心力を受ける液体を囲繞部から流出させるように適切に配置される。開口のサイズに応じて、複数の開口には、コーヒー粒子などの囲繞部内に収容されてもよい固体粒子からの液体を濾過する機能が与えられてもよい。更に、開口が特に小さい場合、すなわち、200ミクロン未満の場合でも、壁の外周部で特定の圧力降下、すなわち、約0.5〜4barの圧力降下を引き起こすことができる。
【0017】
本発明の一態様によれば、複数の出口開口は、壁の上記外周部に設けられる一連のスロットおよび/または穴を備える。スロットは、それらが固体粒子の通過を抑制しつつ適切な流量の液体の解放を許容し得るため、適する場合がある。
【0018】
スロットが設けられる場合、スロットは、囲繞部の壁の外周部に沿う少なくとも1つの配列を成し、例えば互いに平行に位置合わせされてもよい。スロットは、例えば0.5〜5mmの比較的短い長さと、例えば0.08〜0.6mmの小さい幅とを有してもよい。
【0019】
各出口開口は、食品物質を形成する粒子の平均サイズよりも小さい直径または幅を有することが好ましい。
【0020】
したがって、開口はフィルタリング機能「それ自体」を有することができる
【0021】
また、壁の外周分での圧力降下は、開口のサイズ、開口の数、および、全通路表面積にも依存する。したがって、開口のサイズは、カプセル自体の中に特定の圧力降下を引き起こすように壁の外周部に設定することができる。これにより、特定の圧力を囲繞部内で維持することができ、そのため、食品物質と水との間の相互作用が向上する。開口のサイズおよび回転速度などの遠心パラメータに応じて、飲料の特性を特にコーヒー飲料に合わせることもできる。開口の直径または幅は、1〜800ミクロン、好ましくは10〜600ミクロンであってもよい。壁の外周部の開口の全表面積は、壁の上記外周部の表面積全体の好ましくは50%未満、最も好ましくは40%未満である。一形態において、開口の全表面積は、5〜200mm2、好ましくは10〜50mm2である。
【0022】
穴の幅または直径が200ミクロン未満、例えば1〜200ミクロンである場合に、壁の外周部で大きな圧力降下を得ることができる。約1〜4bar、より好ましくは大気圧を超える2〜3barの圧力降下を壁の外周部でうまく得ることができる。コーヒーの場合には、リステロット、エスプレッソ、または、ランゴタイプのコーヒーに匹敵する固形物濃度が高い液体抽出物をこの圧力範囲でうまく浸出することができる。
【0023】
開口が200ミクロン以上の幅または直径を有するとき、および、装置内の液体流路中に配置されて高い圧力降下を生み出す更なるバルブなどの流れ制限部が流路に配置されていない場合には、例えば1bar未満の低い圧力降下が得られる。液体流路での圧力降下が低い場合、大きな出口開口を有する壁の部分は、囲繞部内に固体粒子を保持する役目を果たすことができる。しかしながら、液体は、より急速に囲繞部から流出する傾向があり(すなわち、高流量がもたらされる)、また、囲繞部内で水と物質との相互作用があまり起こらない。コーヒーの場合、これは、フィルタタイプのコーヒーに匹敵するコーヒー抽出物の低い固形物濃度およびアロマ濃度をもたらし得る。想定し得る形態において、出口開口を有する壁の部分は、濾紙、あるいは、織繊維または不織繊維、メッシュ素材、多孔質高分子薄膜、あるいは、これらの組み合わせから形成することができる。この場合、壁の上記部分の一部をフィルタ、繊維、または、メッシュ素材の帯または異なる部分によって形成することができる。メッシュ素材は、例えば金属ワイヤおよび/または高分子ワイヤから形成されることができる。繊維は、高分子および/または天然繊維の織物であってもよい。これらの異なるケースにおいて、開口は、材料の繊維間に形成される孔から成ることができる。特に、高分子織材またはメッシュ素材あるいは多孔質高分子薄膜は、引き裂き抵抗を有することができるとともに、大きな圧力降下、すなわち、約1−4bar内の圧力降下を与えるために、低い多孔率、すなわち、200ミクロン未満、より好ましくは1〜100ミクロンの多孔率をもって設計することができる。適切な材料はPET織膜である。
【0024】
好ましい形態において、カプセルは周方向飲料収集凹部も備える。凹部は、特に、遠心分離によって囲繞部の壁へ向けて放出されて出口開口を通過する液体を収集するために、上記複数の出口開口の下流側に配置することができる。凹部をシール蓋によって閉じることができる。したがって、囲繞部から流出する遠心力を受ける液体は、カプセルから出る前に収集凹部内に集められる。これにより、より均一な流れの液体をカプセルから流出させることができる。また、凹部は、飲料生成装置の穿孔部材をカプセル内に導入して飲料出口を形成できるように十分な空間をカプセル内に割り当てるべく設けられる。
【0025】
カプセルの好ましい形態によれば、皿状本体が設けられる。上記本体は、より大きな開放断面によって終端する側壁と、より小さな断面の閉じられた底壁とを有することが好ましい。したがって、側壁は開放端部の方向に広がる。本体の開放端部を閉じ、それにより、食品物質を収容する囲繞部を本体と共に画定するために、蓋が皿状本体に組み付けられることが好ましい。特に、出口開口を備える壁の部分は蓋の一部となり得る。そのような構成は、工業的に製造して組み立てることが比較的簡単である。特定の形態において、蓋は、出口開口を通過する飲料を収集するための手段を形成する外周凹部の少なくとも一部を備える。例えば、カプセルは、外側に開放し、すなわち、囲繞部の内側と反対の方向に開放して収集凹部手段を形成する、U形状断面の環状溝をその外周に備える。溝には壁の内側部分が設けられ、上記内側部分には一連の外周スロットなどの開口が設けられる。溝は、皿状本体の内側支持部に当接する係合縁を形成する外側部分を更に備えることができる。係合縁は、液体が開口を迂回するのを防止するために、皿状本体の支持部との十分にシールされた接合面を形成することができる。
【0026】
遠心力を受ける液体がカプセルから流出する前に外側へより良好に分布できるように、収集凹部は蓋の外周で連続的に延びることができる。
【0027】
別の形態では、収集凹部が本体の一部であってもよい。例えば、本体は、凹部を含む熱成形プラスチック部材であってもよい。凹部は、本体の広げられた開放領域に配置されるのが好ましい。
【0028】
好ましい形態では、気密シール箔が蓋の少なくとも一部を覆う。特に、シール箔は少なくとも収集凹部を覆う。したがって、カプセルが飲料生成装置内で使用される前に、収集凹部を気密に閉じることができる。結果として、カプセルの使用前に、囲繞部に設けられる出口開口を通じて、例えば蓋の内側部分を通じて、外気からの空気が実際にカプセル内に侵入することがない。そのため、コーヒーまたはミルクなどの物質が想定し得る酸化に晒されることは殆どない。
【0029】
一形態において、シール箔は、皿状本体および/または蓋に対して取り外し不能にシールされ、そのため、水注入手段を穿孔することによって穿刺できるように形成される。同時に、例えばカプセルとは異なる1つ以上の穿孔/穿刺部材、例えば飲料生成装置の幾つかのニードルを用いて穿孔することにより、液体がカプセルから流出できるようにするための1つ以上の出口を箔に形成することができる。例えば、3つあるいは4つの出口を収集凹部の領域で箔に穿孔することにより、遠心力を受ける液体が等しい数の流れでカプセルから流出できるようにしてもよい。他の形態において、シール箔は、皿状本体および/または蓋に対して取り外し可能にシールされ、したがって、剥離できるように形成される。そのような場合、箔は、飲料生成装置内に挿入される前に除去される。
【0030】
シール箔を皿状本体に対して貼り付けることができるように、皿状本体は、箔のシールのための外周縁を備える。シールは、例えば超音波溶着または熱溶着によって貼り付けることができる。
【0031】
したがって、カプセルの蓋は、例えば簡単な挿入によってあるいは溶着などの更なる接続手段によって皿状本体に組み付けられる内側部材を形成することができる。シール箔が蓋に組み付けられて皿状本体の周縁にシールされると、更なる接続を伴うことなく、本体のシート上に、例えば皿状本体の内周縁に、蓋を簡単に挿入することができる。これは、周縁で十分な張力を伴ってシールされた箔が、本体のシートから蓋が外れるのを防止できるからである。
【0032】
本発明の更なる特徴において、蓋は、カプセル内に導入されるべき水注入器のための通路を画定する少なくとも1つの入口ポートを備えることができる。蓋の入口ポートは、通常、プラスチック壁の穿刺可能な小部分によって閉じられてもよく、あるいは、開放されたままであってもよい。コーヒー粒子などの物質が囲繞部から自由に流出して蓋とシール箔との間の隙間を占めるのを防止するため、例えば破壊可能なプラスチック部品によって入口ポートを閉じた状態に維持することが有益な場合がある。入口ポートはカプセルの回転中心軸線に位置合わせされる。実際には、ポートが位置合わせされる場合、飲料生成装置の水注入部は、装置の固定部であって回転部でなくてもよい。これにより、装置の構造がかなり簡略化される。他の想定し得る特徴において、入口ポートは、囲繞部の方向に広がる管状部を形成する。この部分を広げると、遠心分離中に囲繞部内の水の排出が促進される。
【0033】
本発明に関して、カプセルは、食品原料または食品原料の混合物という大きな選択肢の中の食品物質を収容できる。
【0034】
特に、上記物質は、挽いたコーヒー、可溶性コーヒー、乳製品系粉末、乳製品または非乳製品クリーマ、ココア、甘味料、リーフティー、ハーブティー、可溶性の茶、料理用粉末、可溶性または分散性栄養組成体、液体食品濃縮物、および、これらの組み合わせから成る原料の中から選択することができる。
【0035】
カプセルは、カプセル内の物質の鮮度を可能な限り長く維持するために気密包装材料から形成することができる。特に、皿状本体は、食品用プラスチックおよび少なくとも1つのガスバリア層から形成することができる。
【0036】
例えば、皿状本体は、ポリプロピレン(PP)の少なくとも1つの層と少なくとも1つのEVOHガスバリア層とを備える熱成形プラスチック積層体である。皿状本体および/または蓋はプラスチックで熱成形されあるいは射出成形され得る。また、蓋は、PETなどの高分子から形成される多孔質薄膜であってもよい。他の手段として、本体および/または蓋は、アルミニウム合金またはプラスチックとアルミニウム合金との複合体などの薄い金属から深絞りすることができる。
【0037】
また、本発明は、カプセル内に収容される食品物質から、水を上記カプセル内に導入するとともに遠心力を利用して水を上記物質に通すことにより食品液体を生成するためのカプセルであって、遠心分離動作中に回転軸線に対応する上記カプセルの中心軸線に対してカプセル内で周方向に遠心力を受ける食品液体を生成するための、カプセルにおいて、
所定量の食品物質を受けるためのカップ形状本体と、
食品物質を収容する囲繞部を上記本体と共に画定するための壁部分であって、遠心分離の作用により食品液体が囲繞部から流出できるようにするための複数の開口をその外周に備える壁部分と、
カプセルを気密態様で閉じるために本体に接続される閉塞膜と、
上記壁部分と上記閉塞膜との間の収集凹部と、
を備えるカプセルに関する。
【0038】
また、本発明は、容器内に収容される食品物質から、遠心力を利用して水を上記物質に通すことにより液体食品を生成するためのシステムであって、
上記容器を受けるための装置を備え、上記装置は、上記容器を回転軸線を中心に遠心分離駆動させるための手段を備え、
上記容器は、取り外し可能であるとともに、囲繞部を備える使い捨てカプセルを形成し、上記囲繞部は壁の一部が複数の径方向または外周出口開口を備える、システムに関する。
【0039】
本発明の更なる特徴は、以下の図面の詳細な説明に示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のカプセルの上から見た斜視図である。
【図2】本発明のカプセルの下から見た斜視図である。
【図3】本発明のカプセルの断面図である。
【図4】シール箔が除去されたカプセルの斜視図である。
【図5】本発明のカプセルの上から見た蓋の斜視図である。
【図6】図4のカプセルの下から見た蓋の斜視図である。
【図7】本発明の飲料生成装置の斜視図である。
【図8】飲料生成モジュールの開放形態の斜視図である。
【図9】カプセルの周囲を閉じる閉塞形態における飲料生成モジュールのA−A線に沿う断面図である。
【図10】図9の図の拡大図である。
【図11】図9および図10のモジュールの水注入アセンブリの図である。
【図12】図9に類似するが本発明の他の実施形態における飲料生成モジュールの断面図である。
【図13】図12のモジュールの詳細図である。
【図14】本発明のカプセルの変形例の断面図である。
【図15】図14のカプセルの蓋の裏面から見た図である。
【図16】本発明の他の形態に係るカプセルの斜視断面図である。
【図17】図16のカプセルの断面図である。
【図18】更に他の形態に係るカプセルの断面図である。
【0041】
図1および図2に示されるように、本発明の好ましいカプセル1は一般に皿状本体2を備えており、上記本体上に対してシール箔3がシールされる。シール箔3は、本体の外周縁4上にシール環状部5でシールされる。外周縁4は、外側へ延びて、例えば約2−5mmの小さい環状部を形成することができる。皿状本体は底壁6と側壁7とを備え、側壁7は、底壁と対向する本体の大きな開放端の方向に広がることが好ましい。皿状本体は硬質または半硬質であることが好ましい。本体は、食品用プラスチック、例えばポリプロピレンから形成することができ、EVOH等またはアルミニウム合金またはプラスチックとアルミニウム合金との複合体などのガスバリア層を伴う。シール箔3は、バリア層またはアルミニウム合金またはプラスチックとアルミニウム合金との組み合わせも含むプラスチック積層体などの薄い材料から形成することができる。シール箔は、通常、例えば50〜250ミクロンの厚さを有する。シール箔部材は、本説明において後述するように、水注入口および飲料出口を形成するために穿孔することができる。
【0042】
図3から図6の実施形態に関して、本発明のカプセルは、皿状本体内に挿入される蓋8を形成する内側部材を備える。蓋8および本体2は、食品物質22を受けるための内部囲繞部14を協働して画定する。カプセルは、中心軸線A周りに回転対称を成すことが好ましい。しかしながら、カプセルは、必ずしも軸線A周りの円形断面を有さなくてもよく、正方形状または多角形状などの他の形状を成してもよいことに留意されたい。蓋8が図5および図6に示されている。蓋は、中央部9と外周部10とを備えるプラスチックのディスクの形状を成すことができる。中央部は、略平坦を成すことができ、飲料生成装置の水注入部材の導入を可能にするための入口ポート11を備えていてもよい。蓋の内面12において、入口ポートは、囲繞部内の物質の完全な湿潤を確保し、それにより、例えば「乾燥粉末スポット」を残す危険を減らすために、本体の底部の方向へ向けて水が案内されるようにするのに役立つ管状入口部13によって延びることができる。入口ポートは、破壊可能なあるいは穿刺可能な閉塞部品15によって閉じられることが好ましい。この部品は、囲繞部の物質が蓋の上面とシール箔との間の隙間を満たすことを防止する役目を果たす。蓋は、収集凹部16を含む外周部10を更に備える。収集凹部は、シール箔の方向で開放するU形状の横断面(図3)を成す。凹部は、蓋の外周で連続的に延びていることが好ましいが、例えば補強要素または壁によって分離されてもよい幾つかの不連続な凹状部に置き換えることができる。収集凹部は壁の内周部17を備えており、上記内周部には、囲繞部14と収集凹部16との間の流体連通を形成する一連の出口開口18が設けられる。
【0043】
この例に示されるように、開口は、壁の内周部17に間隔を隔てて分布されるスロットまたは穴であってもよい。例えば、スロットの数は、5〜200個、好ましくは10から100個の範囲であってもよい。これらのスロットは、物質の統計的な平均粒径よりも小さい幅を有することが好ましい。例えば、スロットは、挽いたコーヒーである物質に関しては、600ミクロン未満、より好ましくは500ミクロン未満、最も好ましくは250ミクロン未満の幅を有する。スロットは、必要に応じて、中央部9であるいは凹部16の底部で延びていてもよい。スロットは、物質の統計的な平均粒径よりも小さい直径を有する円形断面の穴に置き換えることができる。
【0044】
本説明において後述するように、シール箔を貫通して穿孔部材を導入することにより、カプセル内で生成される浸出液体のための出口を形成できるように、収集凹部16は例えば2〜10mmの深さの浅い外周溝を形成する。収集凹部16は、皿状本体のシート部20上に当接する縁部を形成する外周部19を更に備える。外周部19は、ほぼぴったりと嵌め合う係合によってシート部20に係入することができる。本体の側壁の内面に沿って皿状本体の底部の方向に延びる更なるシール部21は、蓋とカプセルの本体の内面との間への液体の想定し得る侵入に抗する更なるシールを形成するために凹部から延びることができる。無論、収集凹部手段の形状は、本発明の範囲から逸脱することなく異なる構成をとることができる。例えば、(図13に示されるように)凹部16を皿状本体の側壁7および蓋8によって形成することができる。この場合には、外周部19を省くことができる。
【0045】
図示のように、一連の出口開口、例えばスロット18は、中心軸線Aに対して囲繞部の広がり部分にあるいはその近傍に配置されるのが好ましい。したがって、遠心力を受けた液体は、本体の側壁の内面に沿って案内されて、蓋の内面12へと至り、その後、スロットを通り抜ける傾向にある。蓋8は、それが皿状本体の周縁にシールされるときに、シール箔3によって完全に閉じられる。想定し得る別の手段において、シール箔は、スロットの領域を含む収集凹部だけを覆うことができる。
【0046】
蓋8は、例えば熱成形プラスチックまたは射出プラスチックから形成される硬質または半硬質部材であってもよいことに留意されたい。しかしながら、この部品は、本発明の範囲から逸脱することなく皿状本体の内面に対してシールされる柔軟な膜から形成することもできる。
【0047】
また、フィルタ壁を蓋の内面12に当接させて囲繞部の内側に配置することもできることに留意されたい。フィルタ壁は、例えば、粒子サイズが非常に薄い物質のために、または、より高い圧力降下を生み出すことによって遠心力を受ける液体の囲繞部からの解放を遅らせるために、改善された濾過を行なうことができる。フィルタ壁は、蓋の表面12上に接着される濾紙または薄いプラスチックフィルムであってもよい。
【0048】
蓋は、皿状本体内に簡単に挿入することができ、あるいは、任意の適した接続手段によって、例えば超音波溶着によって固定することができる。
【0049】
本発明のカプセルおよび飲料生成装置を含むシステムが図7および図8に示されてここで説明される。
【0050】
このように、システムは、前述したカプセル1と、飲料生成装置23とを備える。装置はモジュール24を有しており、上記モジュール内にカプセルを挿入することができる。カプセルは浸出されるための食品物質を収容しており、また、カプセルは使用後にモジュールから除去されて処分される(例えば、有機および無機の原材料の廃棄のためあるいはリサイクルのため)。モジュール24は、水リザーバ25などの給水源と流体連通する。ポンプ26などの流体輸送手段がモジュールと給水源との間の流体回路27に設けられる。水がモジュール内に入る前に流体回路内で水を加熱するために温水器28が更に設けられる。リザーバからくる新鮮な水を加熱するために流体回路内に温水器を挿入することができ、あるいは、温水器が水リザーバ内にあってもよく、そのような場合には水リザーバが湯沸し器になる。無論、水をウォータープラグ接続部を介して家庭用給水源から直接に取り込むこともできる。
【0051】
水を低圧または更には重力圧力でモジュール24に供給することができる。例えば、モジュールの水注入口では、大気圧を上回る0〜1barの圧力を想定することができる。ピストンポンプのような圧力ポンプが利用される場合には、2barよりも高い圧力の水を供給することができる。
【0052】
浸出モジュール24は、水注入サブアセンブリと液体受けサブアセンブリとを主に備える、2つの主要なカプセル包囲サブアセンブリ29、30を備えることができる。2つのアセンブリは、互いに閉じて、例えばバヨネット型接続システム31によってカプセルを内部に取り込む。液体受けサブアセンブリ30は、例えば、カプセルからくる遠心力を受ける液体をカップまたはグラスなどの給仕容器へと案内するためにサブアセンブリの側で突出する、液体ダクト32を備える。図8に示されるように、液体ダクトは、回転ドラム34の周囲に短い距離で配置される円筒壁を形成する液体受け部33と連通し、回転ドラム34内にはカプセルが挿入される。本説明において後述するように、液体受け部は、ドラムと共に、液体を収集するための中間キャビティ63を画定する。液体受けサブアセンブリ30の下側には、カプセル受けドラム34をサブアセンブリの内側で回転駆動させるための手段が配置される。
【0053】
駆動手段は、電力またはガス出力が供給され得る回転モータ40を備えることが好ましい。
【0054】
水注入サブアセンブリは、上流側が水流体回路27と連通する水注入口35を備える水注入面を備える。
【0055】
図9および図10に関して、回転ドラム34は、カプセルを受けるように相補的形状を成す内部キャビティ36を有する中空カプセルホルダとして形成される。回転ドラム34は、それ自体、ボールベアリングまたはニードルベアリングのような回転案内手段39によって液体受け部33の外側ベース38に対して回転関係に維持される回転シャフト37によって軸線方向に延びる。したがって、回転ドラムは中央軸線I周りに回転するように設計されており、一方、受け部の外側ベース38は装置に対して固定される。液体受け部33は、例えばボルト44によってモータのハウジング43に固定することができる。ドラムの回転シャフト37とモータ40のシャフト42との間の接合部分には機械的カップリング41が配置される。
【0056】
図10および図11に示される水注入サブアセンブリ29を考慮すると、水注入サブアセンブリ29は、軸線Iに対して固定される中心に配置される水注入器45を備える。水注入器は、水を注入口35から、カプセルの囲繞部14の内側に突出するようになっている水排出口47へと輸送するための、中心管状部材46を備える。水排出口は、カプセルの閉塞箔と蓋の管状入口13の最終的に破壊可能な部分とを貫通する穿刺穴を形成できる鋭利な管状チップなどの穿刺手段48から形成される。
【0057】
水注入器の周囲にはカプセル回転係合部49が装着される。係合部49は、水注入器と、係合部49と注入器45との間に挿入されるボールベアリングまたはニードルベアリング50などの回転案内手段とを受けるための中心孔を有する。係合部は、係合部49のディスク形状係合壁55から突出する出口穿孔部材51、52、53、54を更に備える。穿孔部材は、カプセルのシール箔3に小さい穴をカットできあるいは穿孔できる傾斜切断面を有する小さい円筒部であってもよい。穿孔部材は、壁55の外周に配置され、好ましくは、遠心力を受ける液体がカプセルから出て幾つかの液体の流れを形成するように、幾つかの開口をカプセルに設けるべく均一に分布される。
【0058】
本発明の1つの態様によれば、水注入サブアセンブリ29は、装置から排出される液体の流れを制御するためのバルブシステム56を更に備える。バルブシステム56は、スプリングなどの弾性荷重手段58の力によって付勢される環状係合部57の形態を成してカプセル回転係合部49上に配置することができる。環状係合部57は、弾性荷重手段の力によって液体の流れを制限できるようにカプセルの外周縁4に対して閉塞力を加える押圧外周面59を含む。押圧外周面59は、局部領域でシール圧を増大するために円錐またはVを形成することができる。係合部57は内部ベース部60を更に備える。そのため、弾性荷重手段58は、ベース部60と係合部49の抗力部61との間に位置される空間内に挿入される。したがって、休止位置では、バルブシステムの係合部57は、弾性手段58の圧縮作用によりカプセルの周縁で閉塞を保つ。
【0059】
カプセル係合サブアセンブリ29は、2つのサブアセンブリがカプセルの周囲で互いに相対的に閉じられるときに液体受けサブアセンブリ30の内部環状チャンバ63内に突出する、スカート管状部62を更に備えてもよい。このスカート管状部62は、バルブシステムを通過する遠心力を受ける加圧下の液体のための衝突壁を形成する。この管状部62はサブアセンブリ29に固定されるのが好ましい。上記サブアセンブリは、液体受けサブアセンブリ30に対する接続を容易にするための操作部64を更に備える。この操作部64は、把持のためのギザギザのある外周面を有することができる。操作部は、ネジ67によってサブアセンブリ29の固定ベースに固定することができる。無論、この操作部は、レバー機構または同様の操作手段に置き換えることができる。
【0060】
既に説明したように、2つのサブアセンブリ29、30の相対的な接続のために接続手段が設けられる。例えば、水注入サブアセンブリ29の管状面の側部には、液体受けサブアセンブリ30の管状面のサイドロック開口66と係合できる小さいピン65が設けられる。したがって、2つのサブアセンブリ間の接続は、ピンが長方形の開口66と係合できるようにするための回転角動作または螺旋閉塞動作によって行なうことができる。無論、このバヨネット型接続手段を置き換えるために他の接続手段を想起できる。例えば、ネジ切り手段または並進閉塞手段が当業者によって想起され得る。
【0061】
本発明のカプセルシステムは、基本的に以下の原理にしたがって動作する。カプセル装置は、2つのサブアセンブリ29、30を互いに相対的に移動させることによって、例えばバヨネット型接続を外して2つのサブアセンブリ29、30を分離することによって開放される。その結果、食品物質を収容する使い捨てのシールされたカプセル1を装置内に挿入することができ、すなわち、カプセル1を回転ドラムのキャビティ36内に配置することができる。カプセルは、上記カプセルがシール箔3によって気密に閉じられた状態で装置内に配置することができる。その後、装置は、サブアセンブリ29が元のサブアセンブリ30に接続し直されて接続手段によってロックされることにより閉じられる。ロック位置において、カプセルは、カプセルのシール箔を貫通して穿孔し且つそれ自体をカプセルの水注入口35を通じて導入する水注入器によって開放される。同時に、出口穿孔部材51−54によってシール箔の外周に幾つかの液体出口が穿孔される。そのため、中心の水注入器45を介して水をカプセル内に導入することができる。水がカプセル内に導入される間にガスがカプセルから逃げることができるようにするため、注入サブアセンブリに通気穴を形成することができる。カプセルは、回転モータ40を作動させることにより回転駆動させることができる。遠心分離動作は、カプセル内への水注入が開始されると同時にあるいはこの水注入動作が始まる少し後または前に開始することができる。
【0062】
例えば、挽いたコーヒーを浸出する場合には、カプセルを回転させることによって遠心動作を開始する前に数秒間にわたって水がカプセル内を満たすことができれば有利な場合がある。この場合、液体が遠心力を受ける前に水がコーヒー中に適切に浸み込むことができ、それにより、コーヒー部分が乾燥したままとなるコーヒー領域を避けることができる。遠心分離は、カプセルの中心軸線Aに位置合わせされるのが好ましい装置の回転中心軸線I周りでカプセルを回転させることによって行なわれる。回転速度は、好ましくは1000〜16000回転/分(rpm)、より好ましくは5000〜10000rpmである。浸出されるべき液体および/またはカプセル内の物質の性質にしたがって回転速度を設定するために、装置に制御ユニットを設けることができる。回転速度が高くなればなるほど、液体によってカプセルの外周壁により高い圧力が及ぼされるとともに、より多くの物質がカプセルの側壁に締め固められる。高速回転が固形物含有量の低いコーヒー抽出物の浸出を促進させることに留意することは重要である。これは、コーヒー層中の液体の滞留時間が短いからである。回転速度が低いと、高力価のコーヒーが得られる。これは、カプセル中の液体の滞留時間が長いからである。浸出は、水が物質を横切り、それにより、物質の抽出または部分分散あるいは全分散または溶出がなされることによってカプセル内で行なわれる。その結果、遠心力を受ける液体は、例えば蓋8を貫通してカプセルに設けられた複数の出口開口18を通過することができる。
【0063】
遠心力の作用下で、コーヒー粉末などの物質はそれ自体が径方向に締め固められる傾向にあり、一方、水は、物質を貫通して流れるように押し進められる。これにより、物質が圧縮されて水によって念入りに湿潤される。カプセルの高速回転動作に起因して、遠心力はそれ自体が物質塊に対して均一に作用する。その結果、水分配も、カプセル内に圧力を及ぼすために圧力ポンプを使用する通常の方法と比べて更に均一になる。結果として、適切に湿潤されない、したがって、適切に浸出されない、分散されない、あるいは、溶出されない領域をもたらし得る物質を通じた選択的な流路のリスクが殆どない。挽いたコーヒー粉末を用いる場合、カプセルの内部側壁に達する液体は液体抽出物である。この液体抽出物は、その後、カプセルの側壁の内面に沿って上方へ流される。
【0064】
囲繞部のこれらの出口開口18は、カプセル内に蓄えられる物質に応じて寸法付けられる。小さい幅のスロットまたは小さい直径の穴などの小さい開口は、液体抽出物だけが開口を通過できるようにしつつ固体粒子をカプセルの囲繞部内に保持するためのフィルタリング機能を与える傾向がある。これらの穴は、剪断力を生み出して、結果として泡またはコーヒークレマを生成するための十分に小さい制限部を形成してもよい。カプセル内に収容される一部のガスは、液体に捕捉される可能性があるとともに、制限後の圧力解放に起因して多数の小さい泡を液中に形成する。遠心力を受ける液体の何らかの大きな剪断力が、ニードルにより穿孔された出口で生み出されてもよい。
【0065】
装置のバルブシステム56は、液体がカプセルから出るときに液体の圧力がバルブで増大するにつれて開放し始めることができる。したがって、水とカプセル内に収容された物質との間の十分な相互作用を可能にするために、バルブシステムによって開放の特定の時間遅延を制御することができる。この制御される遅延は、遠心速度、弾性荷重手段によって及ぼされる力(すなわち、スプリング剛性)、物質、出口などによって生み出される圧力降下などの様々なパラメータに依存する。バルブシステムの開放は、バルブシステムの押圧面59がその内面で液圧が増大するときに上昇することによって起こる。なお、周縁のカプセルは、液体の圧力の作用下で屈曲するようにかなり柔軟にすることもできることに留意されたい。したがって、押圧面とカプセルとの間の相対的な動きは、バルブシステムの上流側の小さい隙間から液体が逃げるための小さい通路を形成する。比較的高い回転速度では、スカート部62の内面に衝突する液体のジェットを形成することができる。液体は、液体受けサブアセンブリのキャビティ68を満たし始め、また、液体は、液体ダクト32を通じて流出して、下側に配置されるカップまたはグラス内に収集され得る。
【0066】
図12および図13に示される本発明の他の形態では、同じあるいは同等の技術的手段を特定するために同じ参照符号が用いられている。この形態において、バルブシステム56は、水注入サブアセンブリ29の固定部61と締め付け面59との間に挿入するゴム弾性Oリング69によって、弾性荷重手段が得られるという点で異なる。Oリングは、バルブシステムの2つの凹部70、71間に保持される。先と同様に、浸出中、カプセル内の液体の圧力は、締め付け面59を押し上げて、カプセルの周縁4と締め付け面との間に通路を形成する傾向にある。締め付け面は、周縁に対して力の集中をもたらすことができる鋭利な先端を伴って形成することができる。無論、弾性荷重手段および締め付け部が同じ要素であることを想起できる。例えば、締め付け部をゴム弾性材料から形成することができる。
【0067】
図12および図13の形態において、水注入器は、穿刺手段を有さないカプセルにおける簡単な水注入口であってもよい。この場合、カプセルは、装置内に挿入される前に予め開放される。すなわち、シール箔は、箔を剥離できるようにするために剥離可能なシールによって本体の周縁に対してシールされる。あるいは、カプセルが装置内に挿入される前に、中心穴が箔に穿孔される。更に、カプセルの上面に対して特定の水密シール圧を加える水密シール手段72によって、水注入器の水密シール係合を行なうことができる。したがって、水がカプセルの上面に沿って漏れて、カプセルを迂回して液体出口を通じて直接に流出することが防止される。
【0068】
本発明のカプセルは、図14および図15に示される実施形態などの様々な実施形態をとることができる。カプセルの一般的な構造は、濾紙、織部または不織部、あるいは、他のメッシュ膜または多孔質膜72によって出口開口が形成される点を除き、先の実施形態の場合と同じである。したがって、皿状本体2内に挿入される蓋8は、多孔質素材から成る周方向帯を備える。多孔質素材は、流れを制限して、例えば相対圧力が0.5〜4barの特定の圧力降下を生み出すとともに、固体粒子のフィルタリングをもたらす。特に、材料の孔のサイズは、コーヒー微粉、すなわち、90ミクロン程度の小さい粒径の粒子も保持するように選択することができる。紙素材、織物素材、メッシュ素材、または、多孔質素材は、蓋に溶着されあるいは結合され得る1または複数の帯から形成することができる。
【0069】
他の想定し得る形態では、凹部16を多孔質圧縮性材料によって満たして、フィルタリング機能を同様に果たすことができる。例えば、材料がスポンジまたは織物であってもよい。
【0070】
本発明のシステム、カプセルは、通常のシステムを用いるよりも高い固形物含有量を伴う注目すべき浸出結果を与える。結果は、カプセル間で非常に再現性がある。驚くべきことに、クレマもかなり向上され、よりクリーミーで、より安定した厚い質感を伴う。
【0071】
図16および図17によれば、本発明のカプセルは、皿状本体2と多孔質壁80とから形成される囲繞部を備えていてもよい。皿状本体は、食品物質を格納するための主キャビティ82と、遠心分離プロセス中に多孔質壁80を横切る液体抽出物を受けるための外周凹部81とを備える。凹部81は、内縁83と外周縁84とによって画定される。多孔質壁80は、凹部81の内縁83に取り付けることができる。本体の外周縁84に気密箔膜86が取り付けられるのが好ましい。多孔質壁80と箔膜86との間に自由空間85を形成するために内縁が外周縁よりも下側に配置されるのが好ましい。多孔質壁を熱溶着または超音波溶着によって内縁83にシールすることができる。
【0072】
多孔質壁80は、その全面にわたってあるいは壁の外周部のみに沿って開口(すなわち、孔)を有することができる。図16は、通常は開口を有する壁の部分87を示しており、これに対し、中央部分88は開口が無い。
【0073】
異なる形態では、2つの部分87、88が開口を有する。
【0074】
圧力は、様々な要因、特に、装置内でのカプセルの回転速度、壁の外周部分87の半径(特に、部分87での相対遠心力「g」を決定する)、および、開口のサイズに依存する。開口のサイズは1〜600ミクロンであることが好ましい。より好ましくは、開口のサイズは、カプセルのその中心軸線に沿う遠心分離中に特定の圧力降下を引き起こす流れ制限手段を形成するように10〜200ミクロンである。多孔質壁の孔の全表面積は、上記壁の表面積全体の50%未満、最も好ましくは40%未満にすべきである。
【0075】
図16および図17のカプセルは、物質を収容する囲繞部82内に水を注入するためにその中心89を穿孔することができる。結果として、外側箔86および内壁80の両方が穿孔される。カプセルは前述したように装置内に挿入される。カプセルは、例えば1000〜16000rpm、最も好ましくは5000〜12000rpmの所定の速度で遠心回転駆動される。浸出または溶出プロセスは、水が物質を横切ることによって囲繞部内で行なわれる。遠心作用の結果として、食品液体は、壁の多孔質部分87(最終的には、部分88が多孔質の場合には、部分88の一部も)を横切り、隙間85を介して、その後、環状凹部81を介して、囲繞部から流出する。液体は、凹部81よりも上側の箔に形成される穿孔穴を介してカプセルから流出できる。
【0076】
図18は類似のカプセルを示しているが、内側多孔質壁80は、外側気密箔86に対してシールされる中央部880と、箔86から離間する外周部870とを備える。この例では、外周部870が囲繞部の外側開口を備える。中央部880は、開口を有していてもよく、あるいは、開口が無くてもよい。この実施形態では、外側箔86および壁の内側部分880の両方が互いにシールされているため、液体が外側箔86と壁の内側部分880との間を通ることができない。変形例では、これらの部分880−86間に接続部材を挿入することができる。
【0077】
なお、制限手段、例えば開口を備えるカプセルの外周部は、図16から図18の例の場合のように回転軸線に対して略垂直に方向付けることができ、あるいは、図1から図6の例の場合のように上記軸線に対して傾けることができる。
【0078】
十分な圧力降下がカプセルの壁の部分870で引き起こされる場合には、必ずしも前述したバルブなどの更なる流れ制限手段を装置に設ける必要がない場合がある。この場合には、カプセルにおける流れ制限手段により、囲繞部内で十分な圧力を維持することができ、したがって、物質、例えば挽いたコーヒーと水との間の良好な相互作用を得ることができる。例えば、10〜200ミクロンの範囲内の孔を備える織高分子薄膜を備えるカプセルを用いると、クレマを伴う良好なエスプレッソタイプのコーヒーを生成することができる。他の想定し得る形態において、流れ制限は、カプセル内の障害物によって、あるいは、液体のための曲がりくねった流路を形成する同様の構造によって得ることができあるいは補完できる。
【0079】
なお、制限手段の圧力降下は、カプセル内に加圧水を満たして、液体が制限手段すなわちバルブシステムを通過できる注入点で水の圧力を測定することから成る、圧力測定試験によって測定することができる。
【0080】
用語「食品液体」は、ここでは、広い意味を有しており、スープまたはソースなどの料理液体、コーヒー(挽いたコーヒーおよび/またはインスタントコーヒー)、チョコレート、ミルク(粉末および/または液体)、茶(インスタントティーおよび/またはリーフティー)などの飲料液体など、あるいは、特殊調製粉乳などの栄養液体、および、これらの組み合わせを包含する。
【0081】
無論、本発明は、以下の特許請求の範囲に含まれる多くの変形を包含し得る。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、食品物質を収容するカプセルであって、上記カプセルに対して及ぼされる遠心力を利用して飲料などの食品液体を生成するためのカプセルに関する。また、本発明は、カプセルと、カプセルを受けて食品液体を生成するように構成された装置とを備えるシステムに関する。
【0002】
浸出コーヒーおよびコーヒー粉末から成る混合物が遠心力によって分離される飲料生成は公知である。そのような混合物は、熱湯とコーヒー粉末とを所定時間にわたって一緒にすることによって得られる。その後、熱湯がスクリーンを通過させられるが、そのスクリーン上にはスクリーン粉末材料が存在する。
【0003】
既存のシステムは、例えば欧州特許出願EP0367600B1の場合のように、通常は機械の取り外し不能な部分である容器内にコーヒー粉末を配置することから成る。そのような装置は多くの欠点を有する。第1に、コーヒー粉末を容器内に手作業で適切に投入しなければならない。第2に、遠心力を受けるコーヒー廃物が乾燥してしまい、容器の表面をこすることによってコーヒー廃物を除去しなければならない。その結果、コーヒーの生成には、多くの手作業を要し、非常に時間がかかる。通常、コーヒーの鮮度は大きく異なる可能性もあり、これがカップ品質に影響を及ぼす可能性がある。これは、コーヒーが一般にバルクパッケージによってもたらされるからであり、あるいは、コーヒーが容器自体内で豆から挽かれるからである。
【0004】
また、コーヒーの手作業での投入および浸出条件(例えば、遠心速度、容器サイズ)に応じて、カップ品質が大きく異なる可能性がある。
【0005】
したがって、これらのシステムは、決して大きな商業的成功に到達するには至らなかった。
【0006】
独国特許出願DE102005007852では、機械が取り外し可能なホルダを備え、上記ホルダ内には容器の開放したカップ形状部が配置される。他の部分すなわち蓋は、機械の駆動軸線に取り付けられる。しかしながら、欠点は集中的な手作業である。他の欠点は、粉末の投入における制御の欠如およびコーヒー粉末の鮮度の制御の欠如に起因してコーヒーの品質を制御するのが困難なことである。
【0007】
遠心力によってコーヒーを浸出するための他の装置は、国際公開WO2006/112691、仏国特許出願FR2624364、欧州特許出願EP0367600、英国特許出願GB2253336、仏国特許出願FR2686007、欧州特許出願EP0749713、独国特許出願DE4240429、欧州特許出願EP0651963、仏国特許出願FR2726988、独国特許出願DE4439252、欧州特許出願EP0367600、仏国特許出願FR2132310、仏国特許出願FR2513106、仏国特許出願FR2487661、独国特許出願DE3529053、仏国特許出願FR2535597、国際公開WO2007/041954、独国特許出願DE3529204、独国特許出願DE3719962、仏国特許出願FR2685186、独国特許出願DE3241606、および、米国特許出願US−A−4545296に記載されている。
【0008】
しかしながら、コーヒーを浸出しあるいは他の食品物質を生成するための遠心力の作用は、圧力ポンプを使用する通常の浸出方法と比べて多くの利点を与える。例えば、「エスプレッソ」コーヒータイプの浸出方法では、供給されるコーヒー抽出物の抽出の質に影響を与える全てのパラメータをマスターすることが非常に難しい。これらのパラメータは、一般に、圧力、圧力と共に減少する流量、流れ特性に影響を与え且つ挽いたコーヒーの粒径に依存するコーヒー粉末の圧密度、温度、水流分配などである。
【0009】
したがって、供給される食品液体の品質を制御するために、抽出パラメータをより良好に更に独立に制御でき、そのため、抽出パラメータをより良くマスターできるように適合された新規な抽出プロセスおよびカプセルを提案する必要がある。
【0010】
同時に、従来技術の遠心コーヒー生成装置と比べて便利な食品液体の生成方法であって、鮮度および容器内の物質の正確な用量などの重要な品質パラメータのより高度な制御によってより良好なカップ内品質を与える食品液体の生成方法が必要である。
【0011】
このため、本発明は、カプセル内に収容された食品物質から食品液体を用意するための使い捨てカプセルであって、上記食品液体を生成するために、遠心力を利用して水を上記カプセル内に導入するとともに水を上記物質に通し、上記食品液体が、遠心分離動作中に、回転軸線に対応する上記カプセルの中心軸線に対して周方向に上記カプセル内で遠心分離される、使い捨てカプセルにおいて、
所定量の食品物質を収容する囲繞部と、
遠心分離中に上記カプセル内に及ぼされる遠心力によって、上記食品液体が上記囲繞部から流出できるようにするための上記囲繞部の複数の出口開口であって、上記囲繞部の壁の外周部に配置された複数の出口開口と
を備える使い捨てカプセルに関する。
【0012】
出口開口は、中心軸線周りで壁の上記外周部に位置されて略径方向に分布されることが好ましい。保管中にカプセル内の物質の鮮度を長引かせるために、カプセルが気密材料で構成されるのが好ましい。また、カプセルは、上記カプセルを気密態様で封じるために出口開口と外部環境との間に配置されるシール箔を備える。
【0013】
特定の形態において、複数の出口開口は、カプセルの壁の内側部分を貫通して設けられる。例えば、出口開口を備える壁の内側部分は、カプセルが飲料生成装置内で用いるために開放される前に外部環境から気密態様で閉じられる。
【0014】
均一な流れ状態で囲繞部から出る液体を収集するために、囲繞部の出口開口の下流側に収集凹部が設けられることが好ましい。また、収集凹部は、カプセルの外周に配置される環状部であることが好ましい。収集凹部は、一方側が壁の内側部分によって封じられ、他方側がシール箔によって封じられることが好ましい。
【0015】
したがって、本発明のカプセルは、カプセルに適した回転軸線を中心にカプセルを回転させることにより得られる遠心分離の作用によって、カプセルの囲繞部内に収容される物質から液体を生成できるように設計される。
【0016】
そのため、カプセルに設けられる複数の開口は、カプセルの回転軸線周りの囲繞部のほぼ外周の場所で、遠心力を受ける液体を囲繞部から流出させるように適切に配置される。開口のサイズに応じて、複数の開口には、コーヒー粒子などの囲繞部内に収容されてもよい固体粒子からの液体を濾過する機能が与えられてもよい。更に、開口が特に小さい場合、すなわち、200ミクロン未満の場合でも、壁の外周部で特定の圧力降下、すなわち、約0.5〜4barの圧力降下を引き起こすことができる。
【0017】
本発明の一態様によれば、複数の出口開口は、壁の上記外周部に設けられる一連のスロットおよび/または穴を備える。スロットは、それらが固体粒子の通過を抑制しつつ適切な流量の液体の解放を許容し得るため、適する場合がある。
【0018】
スロットが設けられる場合、スロットは、囲繞部の壁の外周部に沿う少なくとも1つの配列を成し、例えば互いに平行に位置合わせされてもよい。スロットは、例えば0.5〜5mmの比較的短い長さと、例えば0.08〜0.6mmの小さい幅とを有してもよい。
【0019】
各出口開口は、食品物質を形成する粒子の平均サイズよりも小さい直径または幅を有することが好ましい。
【0020】
したがって、開口はフィルタリング機能「それ自体」を有することができる
【0021】
また、壁の外周分での圧力降下は、開口のサイズ、開口の数、および、全通路表面積にも依存する。したがって、開口のサイズは、カプセル自体の中に特定の圧力降下を引き起こすように壁の外周部に設定することができる。これにより、特定の圧力を囲繞部内で維持することができ、そのため、食品物質と水との間の相互作用が向上する。開口のサイズおよび回転速度などの遠心パラメータに応じて、飲料の特性を特にコーヒー飲料に合わせることもできる。開口の直径または幅は、1〜800ミクロン、好ましくは10〜600ミクロンであってもよい。壁の外周部の開口の全表面積は、壁の上記外周部の表面積全体の好ましくは50%未満、最も好ましくは40%未満である。一形態において、開口の全表面積は、5〜200mm2、好ましくは10〜50mm2である。
【0022】
穴の幅または直径が200ミクロン未満、例えば1〜200ミクロンである場合に、壁の外周部で大きな圧力降下を得ることができる。約1〜4bar、より好ましくは大気圧を超える2〜3barの圧力降下を壁の外周部でうまく得ることができる。コーヒーの場合には、リステロット、エスプレッソ、または、ランゴタイプのコーヒーに匹敵する固形物濃度が高い液体抽出物をこの圧力範囲でうまく浸出することができる。
【0023】
開口が200ミクロン以上の幅または直径を有するとき、および、装置内の液体流路中に配置されて高い圧力降下を生み出す更なるバルブなどの流れ制限部が流路に配置されていない場合には、例えば1bar未満の低い圧力降下が得られる。液体流路での圧力降下が低い場合、大きな出口開口を有する壁の部分は、囲繞部内に固体粒子を保持する役目を果たすことができる。しかしながら、液体は、より急速に囲繞部から流出する傾向があり(すなわち、高流量がもたらされる)、また、囲繞部内で水と物質との相互作用があまり起こらない。コーヒーの場合、これは、フィルタタイプのコーヒーに匹敵するコーヒー抽出物の低い固形物濃度およびアロマ濃度をもたらし得る。想定し得る形態において、出口開口を有する壁の部分は、濾紙、あるいは、織繊維または不織繊維、メッシュ素材、多孔質高分子薄膜、あるいは、これらの組み合わせから形成することができる。この場合、壁の上記部分の一部をフィルタ、繊維、または、メッシュ素材の帯または異なる部分によって形成することができる。メッシュ素材は、例えば金属ワイヤおよび/または高分子ワイヤから形成されることができる。繊維は、高分子および/または天然繊維の織物であってもよい。これらの異なるケースにおいて、開口は、材料の繊維間に形成される孔から成ることができる。特に、高分子織材またはメッシュ素材あるいは多孔質高分子薄膜は、引き裂き抵抗を有することができるとともに、大きな圧力降下、すなわち、約1−4bar内の圧力降下を与えるために、低い多孔率、すなわち、200ミクロン未満、より好ましくは1〜100ミクロンの多孔率をもって設計することができる。適切な材料はPET織膜である。
【0024】
好ましい形態において、カプセルは周方向飲料収集凹部も備える。凹部は、特に、遠心分離によって囲繞部の壁へ向けて放出されて出口開口を通過する液体を収集するために、上記複数の出口開口の下流側に配置することができる。凹部をシール蓋によって閉じることができる。したがって、囲繞部から流出する遠心力を受ける液体は、カプセルから出る前に収集凹部内に集められる。これにより、より均一な流れの液体をカプセルから流出させることができる。また、凹部は、飲料生成装置の穿孔部材をカプセル内に導入して飲料出口を形成できるように十分な空間をカプセル内に割り当てるべく設けられる。
【0025】
カプセルの好ましい形態によれば、皿状本体が設けられる。上記本体は、より大きな開放断面によって終端する側壁と、より小さな断面の閉じられた底壁とを有することが好ましい。したがって、側壁は開放端部の方向に広がる。本体の開放端部を閉じ、それにより、食品物質を収容する囲繞部を本体と共に画定するために、蓋が皿状本体に組み付けられることが好ましい。特に、出口開口を備える壁の部分は蓋の一部となり得る。そのような構成は、工業的に製造して組み立てることが比較的簡単である。特定の形態において、蓋は、出口開口を通過する飲料を収集するための手段を形成する外周凹部の少なくとも一部を備える。例えば、カプセルは、外側に開放し、すなわち、囲繞部の内側と反対の方向に開放して収集凹部手段を形成する、U形状断面の環状溝をその外周に備える。溝には壁の内側部分が設けられ、上記内側部分には一連の外周スロットなどの開口が設けられる。溝は、皿状本体の内側支持部に当接する係合縁を形成する外側部分を更に備えることができる。係合縁は、液体が開口を迂回するのを防止するために、皿状本体の支持部との十分にシールされた接合面を形成することができる。
【0026】
遠心力を受ける液体がカプセルから流出する前に外側へより良好に分布できるように、収集凹部は蓋の外周で連続的に延びることができる。
【0027】
別の形態では、収集凹部が本体の一部であってもよい。例えば、本体は、凹部を含む熱成形プラスチック部材であってもよい。凹部は、本体の広げられた開放領域に配置されるのが好ましい。
【0028】
好ましい形態では、気密シール箔が蓋の少なくとも一部を覆う。特に、シール箔は少なくとも収集凹部を覆う。したがって、カプセルが飲料生成装置内で使用される前に、収集凹部を気密に閉じることができる。結果として、カプセルの使用前に、囲繞部に設けられる出口開口を通じて、例えば蓋の内側部分を通じて、外気からの空気が実際にカプセル内に侵入することがない。そのため、コーヒーまたはミルクなどの物質が想定し得る酸化に晒されることは殆どない。
【0029】
一形態において、シール箔は、皿状本体および/または蓋に対して取り外し不能にシールされ、そのため、水注入手段を穿孔することによって穿刺できるように形成される。同時に、例えばカプセルとは異なる1つ以上の穿孔/穿刺部材、例えば飲料生成装置の幾つかのニードルを用いて穿孔することにより、液体がカプセルから流出できるようにするための1つ以上の出口を箔に形成することができる。例えば、3つあるいは4つの出口を収集凹部の領域で箔に穿孔することにより、遠心力を受ける液体が等しい数の流れでカプセルから流出できるようにしてもよい。他の形態において、シール箔は、皿状本体および/または蓋に対して取り外し可能にシールされ、したがって、剥離できるように形成される。そのような場合、箔は、飲料生成装置内に挿入される前に除去される。
【0030】
シール箔を皿状本体に対して貼り付けることができるように、皿状本体は、箔のシールのための外周縁を備える。シールは、例えば超音波溶着または熱溶着によって貼り付けることができる。
【0031】
したがって、カプセルの蓋は、例えば簡単な挿入によってあるいは溶着などの更なる接続手段によって皿状本体に組み付けられる内側部材を形成することができる。シール箔が蓋に組み付けられて皿状本体の周縁にシールされると、更なる接続を伴うことなく、本体のシート上に、例えば皿状本体の内周縁に、蓋を簡単に挿入することができる。これは、周縁で十分な張力を伴ってシールされた箔が、本体のシートから蓋が外れるのを防止できるからである。
【0032】
本発明の更なる特徴において、蓋は、カプセル内に導入されるべき水注入器のための通路を画定する少なくとも1つの入口ポートを備えることができる。蓋の入口ポートは、通常、プラスチック壁の穿刺可能な小部分によって閉じられてもよく、あるいは、開放されたままであってもよい。コーヒー粒子などの物質が囲繞部から自由に流出して蓋とシール箔との間の隙間を占めるのを防止するため、例えば破壊可能なプラスチック部品によって入口ポートを閉じた状態に維持することが有益な場合がある。入口ポートはカプセルの回転中心軸線に位置合わせされる。実際には、ポートが位置合わせされる場合、飲料生成装置の水注入部は、装置の固定部であって回転部でなくてもよい。これにより、装置の構造がかなり簡略化される。他の想定し得る特徴において、入口ポートは、囲繞部の方向に広がる管状部を形成する。この部分を広げると、遠心分離中に囲繞部内の水の排出が促進される。
【0033】
本発明に関して、カプセルは、食品原料または食品原料の混合物という大きな選択肢の中の食品物質を収容できる。
【0034】
特に、上記物質は、挽いたコーヒー、可溶性コーヒー、乳製品系粉末、乳製品または非乳製品クリーマ、ココア、甘味料、リーフティー、ハーブティー、可溶性の茶、料理用粉末、可溶性または分散性栄養組成体、液体食品濃縮物、および、これらの組み合わせから成る原料の中から選択することができる。
【0035】
カプセルは、カプセル内の物質の鮮度を可能な限り長く維持するために気密包装材料から形成することができる。特に、皿状本体は、食品用プラスチックおよび少なくとも1つのガスバリア層から形成することができる。
【0036】
例えば、皿状本体は、ポリプロピレン(PP)の少なくとも1つの層と少なくとも1つのEVOHガスバリア層とを備える熱成形プラスチック積層体である。皿状本体および/または蓋はプラスチックで熱成形されあるいは射出成形され得る。また、蓋は、PETなどの高分子から形成される多孔質薄膜であってもよい。他の手段として、本体および/または蓋は、アルミニウム合金またはプラスチックとアルミニウム合金との複合体などの薄い金属から深絞りすることができる。
【0037】
また、本発明は、カプセル内に収容される食品物質から、水を上記カプセル内に導入するとともに遠心力を利用して水を上記物質に通すことにより食品液体を生成するためのカプセルであって、遠心分離動作中に回転軸線に対応する上記カプセルの中心軸線に対してカプセル内で周方向に遠心力を受ける食品液体を生成するための、カプセルにおいて、
所定量の食品物質を受けるためのカップ形状本体と、
食品物質を収容する囲繞部を上記本体と共に画定するための壁部分であって、遠心分離の作用により食品液体が囲繞部から流出できるようにするための複数の開口をその外周に備える壁部分と、
カプセルを気密態様で閉じるために本体に接続される閉塞膜と、
上記壁部分と上記閉塞膜との間の収集凹部と、
を備えるカプセルに関する。
【0038】
また、本発明は、容器内に収容される食品物質から、遠心力を利用して水を上記物質に通すことにより液体食品を生成するためのシステムであって、
上記容器を受けるための装置を備え、上記装置は、上記容器を回転軸線を中心に遠心分離駆動させるための手段を備え、
上記容器は、取り外し可能であるとともに、囲繞部を備える使い捨てカプセルを形成し、上記囲繞部は壁の一部が複数の径方向または外周出口開口を備える、システムに関する。
【0039】
本発明の更なる特徴は、以下の図面の詳細な説明に示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のカプセルの上から見た斜視図である。
【図2】本発明のカプセルの下から見た斜視図である。
【図3】本発明のカプセルの断面図である。
【図4】シール箔が除去されたカプセルの斜視図である。
【図5】本発明のカプセルの上から見た蓋の斜視図である。
【図6】図4のカプセルの下から見た蓋の斜視図である。
【図7】本発明の飲料生成装置の斜視図である。
【図8】飲料生成モジュールの開放形態の斜視図である。
【図9】カプセルの周囲を閉じる閉塞形態における飲料生成モジュールのA−A線に沿う断面図である。
【図10】図9の図の拡大図である。
【図11】図9および図10のモジュールの水注入アセンブリの図である。
【図12】図9に類似するが本発明の他の実施形態における飲料生成モジュールの断面図である。
【図13】図12のモジュールの詳細図である。
【図14】本発明のカプセルの変形例の断面図である。
【図15】図14のカプセルの蓋の裏面から見た図である。
【図16】本発明の他の形態に係るカプセルの斜視断面図である。
【図17】図16のカプセルの断面図である。
【図18】更に他の形態に係るカプセルの断面図である。
【0041】
図1および図2に示されるように、本発明の好ましいカプセル1は一般に皿状本体2を備えており、上記本体上に対してシール箔3がシールされる。シール箔3は、本体の外周縁4上にシール環状部5でシールされる。外周縁4は、外側へ延びて、例えば約2−5mmの小さい環状部を形成することができる。皿状本体は底壁6と側壁7とを備え、側壁7は、底壁と対向する本体の大きな開放端の方向に広がることが好ましい。皿状本体は硬質または半硬質であることが好ましい。本体は、食品用プラスチック、例えばポリプロピレンから形成することができ、EVOH等またはアルミニウム合金またはプラスチックとアルミニウム合金との複合体などのガスバリア層を伴う。シール箔3は、バリア層またはアルミニウム合金またはプラスチックとアルミニウム合金との組み合わせも含むプラスチック積層体などの薄い材料から形成することができる。シール箔は、通常、例えば50〜250ミクロンの厚さを有する。シール箔部材は、本説明において後述するように、水注入口および飲料出口を形成するために穿孔することができる。
【0042】
図3から図6の実施形態に関して、本発明のカプセルは、皿状本体内に挿入される蓋8を形成する内側部材を備える。蓋8および本体2は、食品物質22を受けるための内部囲繞部14を協働して画定する。カプセルは、中心軸線A周りに回転対称を成すことが好ましい。しかしながら、カプセルは、必ずしも軸線A周りの円形断面を有さなくてもよく、正方形状または多角形状などの他の形状を成してもよいことに留意されたい。蓋8が図5および図6に示されている。蓋は、中央部9と外周部10とを備えるプラスチックのディスクの形状を成すことができる。中央部は、略平坦を成すことができ、飲料生成装置の水注入部材の導入を可能にするための入口ポート11を備えていてもよい。蓋の内面12において、入口ポートは、囲繞部内の物質の完全な湿潤を確保し、それにより、例えば「乾燥粉末スポット」を残す危険を減らすために、本体の底部の方向へ向けて水が案内されるようにするのに役立つ管状入口部13によって延びることができる。入口ポートは、破壊可能なあるいは穿刺可能な閉塞部品15によって閉じられることが好ましい。この部品は、囲繞部の物質が蓋の上面とシール箔との間の隙間を満たすことを防止する役目を果たす。蓋は、収集凹部16を含む外周部10を更に備える。収集凹部は、シール箔の方向で開放するU形状の横断面(図3)を成す。凹部は、蓋の外周で連続的に延びていることが好ましいが、例えば補強要素または壁によって分離されてもよい幾つかの不連続な凹状部に置き換えることができる。収集凹部は壁の内周部17を備えており、上記内周部には、囲繞部14と収集凹部16との間の流体連通を形成する一連の出口開口18が設けられる。
【0043】
この例に示されるように、開口は、壁の内周部17に間隔を隔てて分布されるスロットまたは穴であってもよい。例えば、スロットの数は、5〜200個、好ましくは10から100個の範囲であってもよい。これらのスロットは、物質の統計的な平均粒径よりも小さい幅を有することが好ましい。例えば、スロットは、挽いたコーヒーである物質に関しては、600ミクロン未満、より好ましくは500ミクロン未満、最も好ましくは250ミクロン未満の幅を有する。スロットは、必要に応じて、中央部9であるいは凹部16の底部で延びていてもよい。スロットは、物質の統計的な平均粒径よりも小さい直径を有する円形断面の穴に置き換えることができる。
【0044】
本説明において後述するように、シール箔を貫通して穿孔部材を導入することにより、カプセル内で生成される浸出液体のための出口を形成できるように、収集凹部16は例えば2〜10mmの深さの浅い外周溝を形成する。収集凹部16は、皿状本体のシート部20上に当接する縁部を形成する外周部19を更に備える。外周部19は、ほぼぴったりと嵌め合う係合によってシート部20に係入することができる。本体の側壁の内面に沿って皿状本体の底部の方向に延びる更なるシール部21は、蓋とカプセルの本体の内面との間への液体の想定し得る侵入に抗する更なるシールを形成するために凹部から延びることができる。無論、収集凹部手段の形状は、本発明の範囲から逸脱することなく異なる構成をとることができる。例えば、(図13に示されるように)凹部16を皿状本体の側壁7および蓋8によって形成することができる。この場合には、外周部19を省くことができる。
【0045】
図示のように、一連の出口開口、例えばスロット18は、中心軸線Aに対して囲繞部の広がり部分にあるいはその近傍に配置されるのが好ましい。したがって、遠心力を受けた液体は、本体の側壁の内面に沿って案内されて、蓋の内面12へと至り、その後、スロットを通り抜ける傾向にある。蓋8は、それが皿状本体の周縁にシールされるときに、シール箔3によって完全に閉じられる。想定し得る別の手段において、シール箔は、スロットの領域を含む収集凹部だけを覆うことができる。
【0046】
蓋8は、例えば熱成形プラスチックまたは射出プラスチックから形成される硬質または半硬質部材であってもよいことに留意されたい。しかしながら、この部品は、本発明の範囲から逸脱することなく皿状本体の内面に対してシールされる柔軟な膜から形成することもできる。
【0047】
また、フィルタ壁を蓋の内面12に当接させて囲繞部の内側に配置することもできることに留意されたい。フィルタ壁は、例えば、粒子サイズが非常に薄い物質のために、または、より高い圧力降下を生み出すことによって遠心力を受ける液体の囲繞部からの解放を遅らせるために、改善された濾過を行なうことができる。フィルタ壁は、蓋の表面12上に接着される濾紙または薄いプラスチックフィルムであってもよい。
【0048】
蓋は、皿状本体内に簡単に挿入することができ、あるいは、任意の適した接続手段によって、例えば超音波溶着によって固定することができる。
【0049】
本発明のカプセルおよび飲料生成装置を含むシステムが図7および図8に示されてここで説明される。
【0050】
このように、システムは、前述したカプセル1と、飲料生成装置23とを備える。装置はモジュール24を有しており、上記モジュール内にカプセルを挿入することができる。カプセルは浸出されるための食品物質を収容しており、また、カプセルは使用後にモジュールから除去されて処分される(例えば、有機および無機の原材料の廃棄のためあるいはリサイクルのため)。モジュール24は、水リザーバ25などの給水源と流体連通する。ポンプ26などの流体輸送手段がモジュールと給水源との間の流体回路27に設けられる。水がモジュール内に入る前に流体回路内で水を加熱するために温水器28が更に設けられる。リザーバからくる新鮮な水を加熱するために流体回路内に温水器を挿入することができ、あるいは、温水器が水リザーバ内にあってもよく、そのような場合には水リザーバが湯沸し器になる。無論、水をウォータープラグ接続部を介して家庭用給水源から直接に取り込むこともできる。
【0051】
水を低圧または更には重力圧力でモジュール24に供給することができる。例えば、モジュールの水注入口では、大気圧を上回る0〜1barの圧力を想定することができる。ピストンポンプのような圧力ポンプが利用される場合には、2barよりも高い圧力の水を供給することができる。
【0052】
浸出モジュール24は、水注入サブアセンブリと液体受けサブアセンブリとを主に備える、2つの主要なカプセル包囲サブアセンブリ29、30を備えることができる。2つのアセンブリは、互いに閉じて、例えばバヨネット型接続システム31によってカプセルを内部に取り込む。液体受けサブアセンブリ30は、例えば、カプセルからくる遠心力を受ける液体をカップまたはグラスなどの給仕容器へと案内するためにサブアセンブリの側で突出する、液体ダクト32を備える。図8に示されるように、液体ダクトは、回転ドラム34の周囲に短い距離で配置される円筒壁を形成する液体受け部33と連通し、回転ドラム34内にはカプセルが挿入される。本説明において後述するように、液体受け部は、ドラムと共に、液体を収集するための中間キャビティ63を画定する。液体受けサブアセンブリ30の下側には、カプセル受けドラム34をサブアセンブリの内側で回転駆動させるための手段が配置される。
【0053】
駆動手段は、電力またはガス出力が供給され得る回転モータ40を備えることが好ましい。
【0054】
水注入サブアセンブリは、上流側が水流体回路27と連通する水注入口35を備える水注入面を備える。
【0055】
図9および図10に関して、回転ドラム34は、カプセルを受けるように相補的形状を成す内部キャビティ36を有する中空カプセルホルダとして形成される。回転ドラム34は、それ自体、ボールベアリングまたはニードルベアリングのような回転案内手段39によって液体受け部33の外側ベース38に対して回転関係に維持される回転シャフト37によって軸線方向に延びる。したがって、回転ドラムは中央軸線I周りに回転するように設計されており、一方、受け部の外側ベース38は装置に対して固定される。液体受け部33は、例えばボルト44によってモータのハウジング43に固定することができる。ドラムの回転シャフト37とモータ40のシャフト42との間の接合部分には機械的カップリング41が配置される。
【0056】
図10および図11に示される水注入サブアセンブリ29を考慮すると、水注入サブアセンブリ29は、軸線Iに対して固定される中心に配置される水注入器45を備える。水注入器は、水を注入口35から、カプセルの囲繞部14の内側に突出するようになっている水排出口47へと輸送するための、中心管状部材46を備える。水排出口は、カプセルの閉塞箔と蓋の管状入口13の最終的に破壊可能な部分とを貫通する穿刺穴を形成できる鋭利な管状チップなどの穿刺手段48から形成される。
【0057】
水注入器の周囲にはカプセル回転係合部49が装着される。係合部49は、水注入器と、係合部49と注入器45との間に挿入されるボールベアリングまたはニードルベアリング50などの回転案内手段とを受けるための中心孔を有する。係合部は、係合部49のディスク形状係合壁55から突出する出口穿孔部材51、52、53、54を更に備える。穿孔部材は、カプセルのシール箔3に小さい穴をカットできあるいは穿孔できる傾斜切断面を有する小さい円筒部であってもよい。穿孔部材は、壁55の外周に配置され、好ましくは、遠心力を受ける液体がカプセルから出て幾つかの液体の流れを形成するように、幾つかの開口をカプセルに設けるべく均一に分布される。
【0058】
本発明の1つの態様によれば、水注入サブアセンブリ29は、装置から排出される液体の流れを制御するためのバルブシステム56を更に備える。バルブシステム56は、スプリングなどの弾性荷重手段58の力によって付勢される環状係合部57の形態を成してカプセル回転係合部49上に配置することができる。環状係合部57は、弾性荷重手段の力によって液体の流れを制限できるようにカプセルの外周縁4に対して閉塞力を加える押圧外周面59を含む。押圧外周面59は、局部領域でシール圧を増大するために円錐またはVを形成することができる。係合部57は内部ベース部60を更に備える。そのため、弾性荷重手段58は、ベース部60と係合部49の抗力部61との間に位置される空間内に挿入される。したがって、休止位置では、バルブシステムの係合部57は、弾性手段58の圧縮作用によりカプセルの周縁で閉塞を保つ。
【0059】
カプセル係合サブアセンブリ29は、2つのサブアセンブリがカプセルの周囲で互いに相対的に閉じられるときに液体受けサブアセンブリ30の内部環状チャンバ63内に突出する、スカート管状部62を更に備えてもよい。このスカート管状部62は、バルブシステムを通過する遠心力を受ける加圧下の液体のための衝突壁を形成する。この管状部62はサブアセンブリ29に固定されるのが好ましい。上記サブアセンブリは、液体受けサブアセンブリ30に対する接続を容易にするための操作部64を更に備える。この操作部64は、把持のためのギザギザのある外周面を有することができる。操作部は、ネジ67によってサブアセンブリ29の固定ベースに固定することができる。無論、この操作部は、レバー機構または同様の操作手段に置き換えることができる。
【0060】
既に説明したように、2つのサブアセンブリ29、30の相対的な接続のために接続手段が設けられる。例えば、水注入サブアセンブリ29の管状面の側部には、液体受けサブアセンブリ30の管状面のサイドロック開口66と係合できる小さいピン65が設けられる。したがって、2つのサブアセンブリ間の接続は、ピンが長方形の開口66と係合できるようにするための回転角動作または螺旋閉塞動作によって行なうことができる。無論、このバヨネット型接続手段を置き換えるために他の接続手段を想起できる。例えば、ネジ切り手段または並進閉塞手段が当業者によって想起され得る。
【0061】
本発明のカプセルシステムは、基本的に以下の原理にしたがって動作する。カプセル装置は、2つのサブアセンブリ29、30を互いに相対的に移動させることによって、例えばバヨネット型接続を外して2つのサブアセンブリ29、30を分離することによって開放される。その結果、食品物質を収容する使い捨てのシールされたカプセル1を装置内に挿入することができ、すなわち、カプセル1を回転ドラムのキャビティ36内に配置することができる。カプセルは、上記カプセルがシール箔3によって気密に閉じられた状態で装置内に配置することができる。その後、装置は、サブアセンブリ29が元のサブアセンブリ30に接続し直されて接続手段によってロックされることにより閉じられる。ロック位置において、カプセルは、カプセルのシール箔を貫通して穿孔し且つそれ自体をカプセルの水注入口35を通じて導入する水注入器によって開放される。同時に、出口穿孔部材51−54によってシール箔の外周に幾つかの液体出口が穿孔される。そのため、中心の水注入器45を介して水をカプセル内に導入することができる。水がカプセル内に導入される間にガスがカプセルから逃げることができるようにするため、注入サブアセンブリに通気穴を形成することができる。カプセルは、回転モータ40を作動させることにより回転駆動させることができる。遠心分離動作は、カプセル内への水注入が開始されると同時にあるいはこの水注入動作が始まる少し後または前に開始することができる。
【0062】
例えば、挽いたコーヒーを浸出する場合には、カプセルを回転させることによって遠心動作を開始する前に数秒間にわたって水がカプセル内を満たすことができれば有利な場合がある。この場合、液体が遠心力を受ける前に水がコーヒー中に適切に浸み込むことができ、それにより、コーヒー部分が乾燥したままとなるコーヒー領域を避けることができる。遠心分離は、カプセルの中心軸線Aに位置合わせされるのが好ましい装置の回転中心軸線I周りでカプセルを回転させることによって行なわれる。回転速度は、好ましくは1000〜16000回転/分(rpm)、より好ましくは5000〜10000rpmである。浸出されるべき液体および/またはカプセル内の物質の性質にしたがって回転速度を設定するために、装置に制御ユニットを設けることができる。回転速度が高くなればなるほど、液体によってカプセルの外周壁により高い圧力が及ぼされるとともに、より多くの物質がカプセルの側壁に締め固められる。高速回転が固形物含有量の低いコーヒー抽出物の浸出を促進させることに留意することは重要である。これは、コーヒー層中の液体の滞留時間が短いからである。回転速度が低いと、高力価のコーヒーが得られる。これは、カプセル中の液体の滞留時間が長いからである。浸出は、水が物質を横切り、それにより、物質の抽出または部分分散あるいは全分散または溶出がなされることによってカプセル内で行なわれる。その結果、遠心力を受ける液体は、例えば蓋8を貫通してカプセルに設けられた複数の出口開口18を通過することができる。
【0063】
遠心力の作用下で、コーヒー粉末などの物質はそれ自体が径方向に締め固められる傾向にあり、一方、水は、物質を貫通して流れるように押し進められる。これにより、物質が圧縮されて水によって念入りに湿潤される。カプセルの高速回転動作に起因して、遠心力はそれ自体が物質塊に対して均一に作用する。その結果、水分配も、カプセル内に圧力を及ぼすために圧力ポンプを使用する通常の方法と比べて更に均一になる。結果として、適切に湿潤されない、したがって、適切に浸出されない、分散されない、あるいは、溶出されない領域をもたらし得る物質を通じた選択的な流路のリスクが殆どない。挽いたコーヒー粉末を用いる場合、カプセルの内部側壁に達する液体は液体抽出物である。この液体抽出物は、その後、カプセルの側壁の内面に沿って上方へ流される。
【0064】
囲繞部のこれらの出口開口18は、カプセル内に蓄えられる物質に応じて寸法付けられる。小さい幅のスロットまたは小さい直径の穴などの小さい開口は、液体抽出物だけが開口を通過できるようにしつつ固体粒子をカプセルの囲繞部内に保持するためのフィルタリング機能を与える傾向がある。これらの穴は、剪断力を生み出して、結果として泡またはコーヒークレマを生成するための十分に小さい制限部を形成してもよい。カプセル内に収容される一部のガスは、液体に捕捉される可能性があるとともに、制限後の圧力解放に起因して多数の小さい泡を液中に形成する。遠心力を受ける液体の何らかの大きな剪断力が、ニードルにより穿孔された出口で生み出されてもよい。
【0065】
装置のバルブシステム56は、液体がカプセルから出るときに液体の圧力がバルブで増大するにつれて開放し始めることができる。したがって、水とカプセル内に収容された物質との間の十分な相互作用を可能にするために、バルブシステムによって開放の特定の時間遅延を制御することができる。この制御される遅延は、遠心速度、弾性荷重手段によって及ぼされる力(すなわち、スプリング剛性)、物質、出口などによって生み出される圧力降下などの様々なパラメータに依存する。バルブシステムの開放は、バルブシステムの押圧面59がその内面で液圧が増大するときに上昇することによって起こる。なお、周縁のカプセルは、液体の圧力の作用下で屈曲するようにかなり柔軟にすることもできることに留意されたい。したがって、押圧面とカプセルとの間の相対的な動きは、バルブシステムの上流側の小さい隙間から液体が逃げるための小さい通路を形成する。比較的高い回転速度では、スカート部62の内面に衝突する液体のジェットを形成することができる。液体は、液体受けサブアセンブリのキャビティ68を満たし始め、また、液体は、液体ダクト32を通じて流出して、下側に配置されるカップまたはグラス内に収集され得る。
【0066】
図12および図13に示される本発明の他の形態では、同じあるいは同等の技術的手段を特定するために同じ参照符号が用いられている。この形態において、バルブシステム56は、水注入サブアセンブリ29の固定部61と締め付け面59との間に挿入するゴム弾性Oリング69によって、弾性荷重手段が得られるという点で異なる。Oリングは、バルブシステムの2つの凹部70、71間に保持される。先と同様に、浸出中、カプセル内の液体の圧力は、締め付け面59を押し上げて、カプセルの周縁4と締め付け面との間に通路を形成する傾向にある。締め付け面は、周縁に対して力の集中をもたらすことができる鋭利な先端を伴って形成することができる。無論、弾性荷重手段および締め付け部が同じ要素であることを想起できる。例えば、締め付け部をゴム弾性材料から形成することができる。
【0067】
図12および図13の形態において、水注入器は、穿刺手段を有さないカプセルにおける簡単な水注入口であってもよい。この場合、カプセルは、装置内に挿入される前に予め開放される。すなわち、シール箔は、箔を剥離できるようにするために剥離可能なシールによって本体の周縁に対してシールされる。あるいは、カプセルが装置内に挿入される前に、中心穴が箔に穿孔される。更に、カプセルの上面に対して特定の水密シール圧を加える水密シール手段72によって、水注入器の水密シール係合を行なうことができる。したがって、水がカプセルの上面に沿って漏れて、カプセルを迂回して液体出口を通じて直接に流出することが防止される。
【0068】
本発明のカプセルは、図14および図15に示される実施形態などの様々な実施形態をとることができる。カプセルの一般的な構造は、濾紙、織部または不織部、あるいは、他のメッシュ膜または多孔質膜72によって出口開口が形成される点を除き、先の実施形態の場合と同じである。したがって、皿状本体2内に挿入される蓋8は、多孔質素材から成る周方向帯を備える。多孔質素材は、流れを制限して、例えば相対圧力が0.5〜4barの特定の圧力降下を生み出すとともに、固体粒子のフィルタリングをもたらす。特に、材料の孔のサイズは、コーヒー微粉、すなわち、90ミクロン程度の小さい粒径の粒子も保持するように選択することができる。紙素材、織物素材、メッシュ素材、または、多孔質素材は、蓋に溶着されあるいは結合され得る1または複数の帯から形成することができる。
【0069】
他の想定し得る形態では、凹部16を多孔質圧縮性材料によって満たして、フィルタリング機能を同様に果たすことができる。例えば、材料がスポンジまたは織物であってもよい。
【0070】
本発明のシステム、カプセルは、通常のシステムを用いるよりも高い固形物含有量を伴う注目すべき浸出結果を与える。結果は、カプセル間で非常に再現性がある。驚くべきことに、クレマもかなり向上され、よりクリーミーで、より安定した厚い質感を伴う。
【0071】
図16および図17によれば、本発明のカプセルは、皿状本体2と多孔質壁80とから形成される囲繞部を備えていてもよい。皿状本体は、食品物質を格納するための主キャビティ82と、遠心分離プロセス中に多孔質壁80を横切る液体抽出物を受けるための外周凹部81とを備える。凹部81は、内縁83と外周縁84とによって画定される。多孔質壁80は、凹部81の内縁83に取り付けることができる。本体の外周縁84に気密箔膜86が取り付けられるのが好ましい。多孔質壁80と箔膜86との間に自由空間85を形成するために内縁が外周縁よりも下側に配置されるのが好ましい。多孔質壁を熱溶着または超音波溶着によって内縁83にシールすることができる。
【0072】
多孔質壁80は、その全面にわたってあるいは壁の外周部のみに沿って開口(すなわち、孔)を有することができる。図16は、通常は開口を有する壁の部分87を示しており、これに対し、中央部分88は開口が無い。
【0073】
異なる形態では、2つの部分87、88が開口を有する。
【0074】
圧力は、様々な要因、特に、装置内でのカプセルの回転速度、壁の外周部分87の半径(特に、部分87での相対遠心力「g」を決定する)、および、開口のサイズに依存する。開口のサイズは1〜600ミクロンであることが好ましい。より好ましくは、開口のサイズは、カプセルのその中心軸線に沿う遠心分離中に特定の圧力降下を引き起こす流れ制限手段を形成するように10〜200ミクロンである。多孔質壁の孔の全表面積は、上記壁の表面積全体の50%未満、最も好ましくは40%未満にすべきである。
【0075】
図16および図17のカプセルは、物質を収容する囲繞部82内に水を注入するためにその中心89を穿孔することができる。結果として、外側箔86および内壁80の両方が穿孔される。カプセルは前述したように装置内に挿入される。カプセルは、例えば1000〜16000rpm、最も好ましくは5000〜12000rpmの所定の速度で遠心回転駆動される。浸出または溶出プロセスは、水が物質を横切ることによって囲繞部内で行なわれる。遠心作用の結果として、食品液体は、壁の多孔質部分87(最終的には、部分88が多孔質の場合には、部分88の一部も)を横切り、隙間85を介して、その後、環状凹部81を介して、囲繞部から流出する。液体は、凹部81よりも上側の箔に形成される穿孔穴を介してカプセルから流出できる。
【0076】
図18は類似のカプセルを示しているが、内側多孔質壁80は、外側気密箔86に対してシールされる中央部880と、箔86から離間する外周部870とを備える。この例では、外周部870が囲繞部の外側開口を備える。中央部880は、開口を有していてもよく、あるいは、開口が無くてもよい。この実施形態では、外側箔86および壁の内側部分880の両方が互いにシールされているため、液体が外側箔86と壁の内側部分880との間を通ることができない。変形例では、これらの部分880−86間に接続部材を挿入することができる。
【0077】
なお、制限手段、例えば開口を備えるカプセルの外周部は、図16から図18の例の場合のように回転軸線に対して略垂直に方向付けることができ、あるいは、図1から図6の例の場合のように上記軸線に対して傾けることができる。
【0078】
十分な圧力降下がカプセルの壁の部分870で引き起こされる場合には、必ずしも前述したバルブなどの更なる流れ制限手段を装置に設ける必要がない場合がある。この場合には、カプセルにおける流れ制限手段により、囲繞部内で十分な圧力を維持することができ、したがって、物質、例えば挽いたコーヒーと水との間の良好な相互作用を得ることができる。例えば、10〜200ミクロンの範囲内の孔を備える織高分子薄膜を備えるカプセルを用いると、クレマを伴う良好なエスプレッソタイプのコーヒーを生成することができる。他の想定し得る形態において、流れ制限は、カプセル内の障害物によって、あるいは、液体のための曲がりくねった流路を形成する同様の構造によって得ることができあるいは補完できる。
【0079】
なお、制限手段の圧力降下は、カプセル内に加圧水を満たして、液体が制限手段すなわちバルブシステムを通過できる注入点で水の圧力を測定することから成る、圧力測定試験によって測定することができる。
【0080】
用語「食品液体」は、ここでは、広い意味を有しており、スープまたはソースなどの料理液体、コーヒー(挽いたコーヒーおよび/またはインスタントコーヒー)、チョコレート、ミルク(粉末および/または液体)、茶(インスタントティーおよび/またはリーフティー)などの飲料液体など、あるいは、特殊調製粉乳などの栄養液体、および、これらの組み合わせを包含する。
【0081】
無論、本発明は、以下の特許請求の範囲に含まれる多くの変形を包含し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内に収容された食品物質から食品液体を用意するための使い捨てカプセルであって、前記食品液体を生成するために、遠心力を利用して水を前記カプセル内に導入するとともに水を前記物質に通し、前記食品液体が、遠心分離動作中に、回転軸線に対応する前記カプセルの中心軸線に対して周方向に前記カプセル内で遠心分離される、使い捨てカプセルにおいて、
所定量の食品物質を収容する囲繞部と、
遠心分離中に前記カプセル内に及ぼされる遠心力によって、前記食品液体が前記囲繞部から流出できるようにするための前記囲繞部の複数の出口開口であって、前記囲繞部の壁の外周部に配置された複数の出口開口と
を備える、使い捨てカプセル。
【請求項2】
前記カプセルが気密材料で構成され、前記カプセルが、該カプセルを気密態様で封じるために前記出口開口と外部環境との間に配置されるシール箔を更に備える、請求項1に記載の使い捨てカプセル。
【請求項3】
前記複数の出口開口が、前記カプセルの壁の内側部分を貫通して設けられる、請求項1または2に記載の使い捨てカプセル。
【請求項4】
前記複数の出口開口が、前記壁の外周部に設けられた一連のスロットおよび/または穴を備える、請求項1、2または3に記載の使い捨てカプセル。
【請求項5】
前記一連のスロットおよび/または穴が、前記壁の外周部上に、前記囲繞部の全周にわたって略均一に配されている、請求項4に記載の使い捨てカプセル。
【請求項6】
前記出口開口が、前記食品物質を形成する粒子の平均サイズよりも小さい平均直径または平均幅を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項7】
前記出口開口が1〜600ミクロンの平均直径または平均幅を有する、請求項6に記載の使い捨てカプセル。
【請求項8】
前記出口開口が200ミクロン未満の平均直径または平均幅を有する、請求項6に記載の使い捨てカプセル。
【請求項9】
前記出口開口を有する前記壁の外周部が、濾紙、あるいは、織繊維または不織繊維、メッシュ素材、多孔質高分子薄膜、あるいは、これらの組み合わせで形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項10】
遠心分離によって前記囲繞部の壁へ向けて放出されて前記出口開口を通過する液体を収集するために、前記複数の出口開口の下流側に周方向飲料収集凹部を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項11】
前記囲繞部が、中心軸線Aの回転の対称性を規定する前記カプセルの壁によって画定される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項12】
前記出口開口が、前記囲繞部の壁の直径が大きい張り出し部に、またはその近傍に、配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項13】
蓋と皿状本体とを備え、
前記蓋が、前記皿状本体に組み付けられて前記囲繞部を画定し、前記出口開口を備える壁の部分が前記蓋の一部である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項14】
前記蓋が、前記出口開口を通過する飲料を収集するための手段を形成する外周凹部の少なくとも一部分を備える、請求項13に記載の使い捨てカプセル。
【請求項15】
前記収集凹部は前記蓋の外周部において連続的に延在している、請求項14に記載の使い捨てカプセル。
【請求項16】
気密シール箔が前記蓋の少なくとも一部を覆う、請求項13〜15のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項17】
前記シール箔が、前記皿状本体および/または前記蓋に対して取り外し不能にシールされるとともに、前記カプセル内に水を注入するために穿孔部材の穿孔作用の下で穿刺されるように形成される、請求項16に記載の使い捨てカプセル。
【請求項18】
前記シール箔が、前記皿状本体および/または前記蓋に対して取り外し可能にシールされるとともに、剥離可能なシールによって前記本体および/または前記蓋に対して取り付けられる、請求項16に記載の使い捨てカプセル。
【請求項19】
前記皿状本体が外周縁を備え、該外周縁上に前記気密シール箔がシールされる、請求項16〜18のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項20】
前記箔が、前記飲料収集凹部を外部環境から閉じる、請求項19に記載の使い捨てカプセル。
【請求項21】
前記箔が、前記蓋の外面全体を覆うとともに、前記皿状本体の外周縁上にシールされる、請求項16または17に記載の使い捨てカプセル。
【請求項22】
前記蓋が、前記カプセル内に導入されるべき水注入器のための通路を画定する少なくとも1つの入口ポートを備える、請求項13〜21のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項23】
前記入口ポートが前記カプセルの中心軸線に位置合わせされる、請求項22に記載の使い捨てカプセル。
【請求項24】
前記物質が、挽いたコーヒー、可溶性コーヒー、乳製品系粉末、乳製品または非乳製品クリーマ、ココア、甘味料、リーフティー、ハーブティー、料理用粉末、可溶性または分散性栄養組成体、液体食品濃縮物、および、これらの組み合わせからなる原料の中から選択される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項25】
前記皿状本体が、食品用プラスチックおよび少なくとも1つのガスバリア層から形成される、請求項13〜23のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項26】
前記皿状本体が、ポリプロピレンの少なくとも1つの層と少なくとも1つのEVOHガスバリア層とを備える熱成形プラスチック積層体である、請求項25に記載の使い捨てカプセル。
【請求項27】
容器内に収容された食品物質から液体食品を生成するためのシステムであって、遠心力を利用して水を前記物質に通す、システムにおいて、
前記容器を受けるための装置を備え、該装置が、前記容器を回転軸線を中心に遠心分離駆動させるための手段を備え、
前記容器が、取り外し可能であるとともに使い捨てカプセルを形成し、該カプセルが、径方向に延びる複数の出口開口を備える壁の部分がある囲繞部を備える、システム。
【請求項1】
カプセル内に収容された食品物質から食品液体を用意するための使い捨てカプセルであって、前記食品液体を生成するために、遠心力を利用して水を前記カプセル内に導入するとともに水を前記物質に通し、前記食品液体が、遠心分離動作中に、回転軸線に対応する前記カプセルの中心軸線に対して周方向に前記カプセル内で遠心分離される、使い捨てカプセルにおいて、
所定量の食品物質を収容する囲繞部と、
遠心分離中に前記カプセル内に及ぼされる遠心力によって、前記食品液体が前記囲繞部から流出できるようにするための前記囲繞部の複数の出口開口であって、前記囲繞部の壁の外周部に配置された複数の出口開口と
を備える、使い捨てカプセル。
【請求項2】
前記カプセルが気密材料で構成され、前記カプセルが、該カプセルを気密態様で封じるために前記出口開口と外部環境との間に配置されるシール箔を更に備える、請求項1に記載の使い捨てカプセル。
【請求項3】
前記複数の出口開口が、前記カプセルの壁の内側部分を貫通して設けられる、請求項1または2に記載の使い捨てカプセル。
【請求項4】
前記複数の出口開口が、前記壁の外周部に設けられた一連のスロットおよび/または穴を備える、請求項1、2または3に記載の使い捨てカプセル。
【請求項5】
前記一連のスロットおよび/または穴が、前記壁の外周部上に、前記囲繞部の全周にわたって略均一に配されている、請求項4に記載の使い捨てカプセル。
【請求項6】
前記出口開口が、前記食品物質を形成する粒子の平均サイズよりも小さい平均直径または平均幅を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項7】
前記出口開口が1〜600ミクロンの平均直径または平均幅を有する、請求項6に記載の使い捨てカプセル。
【請求項8】
前記出口開口が200ミクロン未満の平均直径または平均幅を有する、請求項6に記載の使い捨てカプセル。
【請求項9】
前記出口開口を有する前記壁の外周部が、濾紙、あるいは、織繊維または不織繊維、メッシュ素材、多孔質高分子薄膜、あるいは、これらの組み合わせで形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項10】
遠心分離によって前記囲繞部の壁へ向けて放出されて前記出口開口を通過する液体を収集するために、前記複数の出口開口の下流側に周方向飲料収集凹部を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項11】
前記囲繞部が、中心軸線Aの回転の対称性を規定する前記カプセルの壁によって画定される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項12】
前記出口開口が、前記囲繞部の壁の直径が大きい張り出し部に、またはその近傍に、配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項13】
蓋と皿状本体とを備え、
前記蓋が、前記皿状本体に組み付けられて前記囲繞部を画定し、前記出口開口を備える壁の部分が前記蓋の一部である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項14】
前記蓋が、前記出口開口を通過する飲料を収集するための手段を形成する外周凹部の少なくとも一部分を備える、請求項13に記載の使い捨てカプセル。
【請求項15】
前記収集凹部は前記蓋の外周部において連続的に延在している、請求項14に記載の使い捨てカプセル。
【請求項16】
気密シール箔が前記蓋の少なくとも一部を覆う、請求項13〜15のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項17】
前記シール箔が、前記皿状本体および/または前記蓋に対して取り外し不能にシールされるとともに、前記カプセル内に水を注入するために穿孔部材の穿孔作用の下で穿刺されるように形成される、請求項16に記載の使い捨てカプセル。
【請求項18】
前記シール箔が、前記皿状本体および/または前記蓋に対して取り外し可能にシールされるとともに、剥離可能なシールによって前記本体および/または前記蓋に対して取り付けられる、請求項16に記載の使い捨てカプセル。
【請求項19】
前記皿状本体が外周縁を備え、該外周縁上に前記気密シール箔がシールされる、請求項16〜18のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項20】
前記箔が、前記飲料収集凹部を外部環境から閉じる、請求項19に記載の使い捨てカプセル。
【請求項21】
前記箔が、前記蓋の外面全体を覆うとともに、前記皿状本体の外周縁上にシールされる、請求項16または17に記載の使い捨てカプセル。
【請求項22】
前記蓋が、前記カプセル内に導入されるべき水注入器のための通路を画定する少なくとも1つの入口ポートを備える、請求項13〜21のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項23】
前記入口ポートが前記カプセルの中心軸線に位置合わせされる、請求項22に記載の使い捨てカプセル。
【請求項24】
前記物質が、挽いたコーヒー、可溶性コーヒー、乳製品系粉末、乳製品または非乳製品クリーマ、ココア、甘味料、リーフティー、ハーブティー、料理用粉末、可溶性または分散性栄養組成体、液体食品濃縮物、および、これらの組み合わせからなる原料の中から選択される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項25】
前記皿状本体が、食品用プラスチックおよび少なくとも1つのガスバリア層から形成される、請求項13〜23のいずれか一項に記載の使い捨てカプセル。
【請求項26】
前記皿状本体が、ポリプロピレンの少なくとも1つの層と少なくとも1つのEVOHガスバリア層とを備える熱成形プラスチック積層体である、請求項25に記載の使い捨てカプセル。
【請求項27】
容器内に収容された食品物質から液体食品を生成するためのシステムであって、遠心力を利用して水を前記物質に通す、システムにおいて、
前記容器を受けるための装置を備え、該装置が、前記容器を回転軸線を中心に遠心分離駆動させるための手段を備え、
前記容器が、取り外し可能であるとともに使い捨てカプセルを形成し、該カプセルが、径方向に延びる複数の出口開口を備える壁の部分がある囲繞部を備える、システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2010−530257(P2010−530257A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510730(P2010−510730)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056345
【国際公開番号】WO2008/148650
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056345
【国際公開番号】WO2008/148650
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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