説明

遠心分離機および気体を浄化する方法

本発明は、遠心分離機と、固体粒子および液体粒子の形態の不純物を含む気体を浄化する方法とに関する。固定ケーシング(1)は、気体が内部を流れる分離空間(2)を囲む。入口流路(9)は、分離空間まで延び、かつ浄化すべき気体用の入口を形成する。回転部材(4)は、分離空間(2)内の、入口の下流側に設けられ、かつ回転軸(x)の周りを回転する。回転部材は、いくつかの分離円板を有し、かつ気体を回転させ、遠心力によって不純物の大部分を気体から分離する。気体出口流路(10)は、回転部材の下流側に設けられ、浄化した気体を排出する。不純物を排出するための第1の出口(11)が設けられる。供給部材(50)は、粒子を加湿する、エアロゾルの形態の分離補助剤を、浄化すべき気体に供給するのを可能にするように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、液体粒子の固形物の形態の不純物を気体から除去する遠心分離機に関する。具体的には、本発明は、請求項1の前提部に記載の遠心分離機および請求項14の前提部に記載の気体を浄化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遠心分離機は、空気、特に汚染されるかまたはひどく汚染された空気などの気体を浄化することを目的としている。したがって、遠心分離機は特に、産業環境内の空気、たとえば様々な種類の機器のすぐ近くの空気に関係している。さらに、この種の遠心分離機は、他の気体を浄化するために使用することができる。たとえば、固定または可動燃焼機関からの排気ガスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような浄化に関する1つの問題は、浄化すべき気体に含まれる不純物の大部分が、非常に小さくおよび/またはかなり密度が低い固体または液体の粒子であることである。このような小さい粒子は、遠心分離機でも分離するのが困難である。このような浄化に関連する他の問題は、浄化すべき気体に含まれる粒子状不純物が回転部材、特に分離を効率的にするために回転部材上に頻繁に設けられる、いわゆる分離円板に捕捉されることである。不純物は、液体不純物と粒子状不純物の両方から成ることがあり、回転部材上に概ね固体のコーティングを形成する。このコーティングは、分離を劣化させ、不純物を分離空間から排出するのを困難にする。特に、乾燥した、すなわち固体の粒子は、このような表面上に捕捉される傾向があり、したがって、回転部材の表面上および分離空間内にほぼ固体のコーティングを形成する。
【0004】
スウェーデン特許第526815号は、冒頭に定義された種類の遠心分離機を開示している。スウェーデン特許第526815号は、上述の問題の解決手段を提案している。この解決手段は、回転部材の上流側または下流側の分離空間内に洗浄ノズルを設けることを含む。洗浄ノズルは、遠心分離機の動作時に固体粒子が蓄積した回転部材を洗浄する洗浄液を供給し、したがって、このような粒子を送るのが容易になる。
【0005】
本発明の目的は、遠心分離機内の気体から、固体粒子または液体粒子の形態の不純物の分離、特に非常に小さくおよび/または密度の低い粒子が大部分を占める不純物の分離を容易にする遠心分離機を提供することである。具体的には、本発明は、浄化すべき気体中の固体粒子または液体粒子の形態の不純物が、分離空間の内側表面、特に回転部材の表面に捕捉されるのを防止する遠心分離機を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、冒頭に定義された遠心分離機であって、粒子を加湿するエアロゾルの形態の分離補助剤を、浄化すべき気体に供給するのを可能にするように構成された供給部材を有する遠心分離機によって実現される。
【0007】
このような分離補助剤によって、浄化すべき気体を分離空間、特に回転部材を通過させるのが容易になる。分離補助剤は、不純物が回転部材の表面に捕捉され、かつ分離空間内の他の表面に捕捉されるのを効率的に防止する。分離補助剤は、分離すべき気体に接触すると、不純物の粒子を加湿し、したがって、吸着および/または吸収によってこれらの粒子に付着する。すなわち、粒子の重量が増し、かつ粒径が大きくなり、したがって、特に粒子が非常に小さくおよび/または密度が低い場合、粒子を気体から分離し分離空間から排出するのをより容易にすることができる。浄化すべき気体に分離補助剤を供給することのさらなる効果は、粒子が加湿されるため、粒子の表面上に形成される液体によって粒子が潤滑され、したがって、粒子が回転部材および分離空間の表面上をより容易に滑ることである。さらに、粒子の表面構造がこの加湿および付着の影響を受け、したがって、不純物が燃焼するかまたは他の何らかの状態で回転部材の表面上および分離空間内の表面上に捕捉される可能性が低くなると考えられる。
【0008】
エアロゾルは、気体中に浮遊する粒子と定義される。したがって、エアロゾルは、気相と粒子相の両方を有する。粒径の上限は、粒子が降下する前に気体中を数秒間浮遊する、約100μmに定められる。下限は、粒子が、数ナノメートル程度の個々の分子から成るほど小さく定められる。本発明の場合、エアロゾルに含まれる粒子は、上述のように、浄化すべき気体の粒子を加湿し、吸着または吸収によってこれらの粒子に付着する必要があるので液体である。
【0009】
本発明の実施態様によれば、供給部材は、分離補助剤を入口流路に供給するのを可能にするように構成される。分離空間および回転部材に達する前に分離補助剤を供給すると有利である。このようにして、分離補助剤は、不純物の粒子が回転部材の表面に達し、かつ分離空間内の表面に達する前に不純物の粒子を加湿し、かつそれらに付着する。
【0010】
本発明の他の実施態様によれば、供給部材は、入口流路に供給される分離補助剤をエアロゾルに転換するように構成される。供給部材はたとえば、水などの液体を加熱によって転換するように構成することができ、または液体、たとえば水が、非常に小さい液体粒子を含む霧であるエアロゾルに転換されるように分離補助剤が供給されるエアロゾルノズルを有することができる。
【0011】
本発明の他の実施態様によれば、供給部材は、分離補助剤を連続的に供給するのを可能にするように構成され、すなわち分離補助剤は、遠心分離機の動作時に連続的に供給することができる。しかし、供給を間欠的に行わせることは本発明の範囲内で十分に可能である。
【0012】
本発明の他の実施態様によれば、供給部材は、入口流路まで延び、かつ入口流路に開口する第1の端部を有する管部材を有する。有利なことに、エアロゾルノズルは、管部材内に設けることができる。さらに、管部材は、第2の端部および端壁を有することができ、エアロゾルノズルは、端壁と第1の端部との間に配置され、端壁は、エアロゾルノズルの周りの少なくとも一部を延び、かつ周囲への開口部を形成する隙間を有する。
【0013】
本発明の他の実施態様によれば、入口流路に供給される分離補助剤は、水粒子を含むエアロゾルを有する。
【0014】
回転部材は、いくつかの分離円板を有する。このような円板は、分離をより効率的にし、粒子が捕捉される可能性のある、回転部材の全体の比較的大きい表面を形成する。
【0015】
本発明の他の実施態様によれば、遠心分離は、第1の出口の下流側で、かつ回転部材の下流側に設けられ、分離された不純物を排出する第2の出口を有する。
【0016】
本発明の他の実施態様によれば、第1の出口は主出口を形成し、第2の出口は残渣出口を形成する。
【0017】
本発明の他の実施態様によれば、遠心分離機は、回転軸がほぼ垂直に延びるように設けられるように構成され、固定ケーシングは、上端および下端を有し、気体出口は上端に設けられる。
【0018】
本発明の他の実施態様によれば、第1の出口は下端に設けられる。
【0019】
本発明の目的は、粒子を加湿する、エアロゾルの形態の分離補助剤が、浄化すべき気体に供給されることを特徴とする、冒頭に定義された方法によっても実現される。この方法の有利な他の態様は、従属請求項15〜18に定義されている。
【0020】
次に、本発明について、一例として示されている実施形態を説明することによって、添付の図面を参照しながらより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による遠心分離機の垂直断面図である。
【図2】図1の遠心分離機の供給部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、固体粒子または液体粒子の形態の不純物を含む気体を浄化する遠心分離機を示している。この遠心分離機は、ほぼ密閉された分離空間2を囲む固定ケーシング1を有している。ケーシング1は、分離空間2に面する内側壁面3を有している。分離空間2は、気体が分離空間2を通って流れるのを可能にするように構成されている。
【0023】
遠心分離機は、分離空間2内に設けられ、かつケーシング1を通る中心軸を形成する回転軸xの周りを回転方向rに回転するように構成された回転部材4をさらに有している。遠心分離機は、回転軸xがほぼ垂直に延び、したがって、固定ケーシング1が上端1’および下端1”を有するように設けられている。
【0024】
回転部材4は、軸受6によってケーシング1内の上端1’の近くに支持されたスピンドル部材5を有している。回転部材4は、開示される実施形態では、円錐状であり、かつスピンドル部材5から斜め下向きに外側に延びるいくつかの分離円板7を有している。本発明は、スピンドル部材5から軸平面内を延びる分離円板を有する回転部材に適用することもできる。分離円板7は、浄化すべき気体から分離すべき粒子を捕捉して外側に内側壁面3の方へ送ることができる比較的大きい表面を形成する。
【0025】
回転部材4は、駆動部材8、たとえば電気モータによって駆動され、気体を回転方向rに回転させ、遠心力によって不純物を気体から分離するようになっている。開示される実施形態では、駆動部材8は、たとえば、駆動部材8から半径方向に内側壁面3まで延び、そこで適切に取り付けられる3つ以上のロッドを有してよい支持装置14によって分離空間2内に取り付けられている。
【0026】
開示される実施形態では、遠心分離機は、浄化すべき気体用の入口9と、浄化後の気体用の気体出口流路10と、分離された不純物用の第1の出口11と、分離された不純物用の第2の出口12も有している。
【0027】
入口9は、中央に設けられ、ケーシング1の下端1”を通って延びている。入口9は、気体を回転部材4の中央空間15内で移動させる。気体は、この中央空間15から半径方向外側に、分離円板7同士の間に形成される隙間に送られる。気体出口流路10は、ケーシング1の上端1’の回転部材4の下流側に設けられている。したがって、分離円板7同士の間の隙間から出た気体は、回転方向rに高回転速度で回転し、この回転運動を上向きに気体出口流路10まで継続させ、気体出口流路10において、浄化された気体が分離空間2から出る。
【0028】
第1の出口11は、ケーシング1の下端1”に設けられ、気体流に対して、上端1’に設けられた第2の出口12の上流側に設けられ、気体流に対して気体出口流路10の下流側に設けられている。開示される実施形態では、第1の出口11は、不純物の大部分を排出するようになっている主出口を形成し、第2の出口12は、ほぼすべての残りの不純物を排出するようになっている残渣出口を形成している。分離された不純物が、出口11および12を介して排出される固体粒子と液体粒子の両方を含むことがあることに留意されたい。
【0029】
遠心分離機は、内側壁面3から内側に延びる環状の表面20も有している。開示される実施形態では、環状の表面20は、分離空間2の上端壁によって形成されている。環状の表面20は、開示される実施形態ではほぼ平面状で回転軸xに垂直であり、すなわち環状の表面20は、遠心分離機の断面に平行である。環状の表面20は、やや円錐状であるかまたはややドーム形であってもよい。
【0030】
第2の出口12は、内側壁面3を通って延びる1つ、またはいくつかの出口穴21を有している。第2の出口12は、内側壁面3および出口穴21からある距離の所で環状の表面20から延びる環状のシールド部材22も有している。図1を見ると分かるように、環状のシールド部材22は、出口穴21の半径方向内側に配置され、すなわち、シールド部材22は、回転軸から半径方向に見て出口穴を完全にまたはほぼ完全に覆う。シールド部材22は、開示される実施形態では、回転軸xに平行に延びるが、回転軸xに対して少なくともわずかに傾斜してもよい。
【0031】
したがって、環状のシールド部材22および環状の表面20は、内側壁面3と一緒に、出口穴21の半径方向内側に配置された環状の流路23を形成している。流路23は、開放された環状の上流側端部と閉鎖された環状の下流側端部とを有している。環状の表面20は、環状のシールド部材22から内側に延び、すなわち、シールド部材22を越えて延びている。
【0032】
さらに、第2の出口12は、分離空間2の周りを周方向に半径方向外側に、流路23の高さで延びる第2の環状の回収流路25を有している。第2の環状の回収流路25は、固定ケーシング1の壁に設けられている。流路23は、流路23と第2の環状の回収流路25との間を延びる出口穴21を介して第2の環状の回収流路25と連通している。
【0033】
環状の表面20は、環状のシールド部材22の内側に配置された少なくとも1つの開口部26を有している。開口部26は、中央を通る流れの開口部として構成され、気体出口流路10の一部を形成している。
【0034】
第1の出口12は、分離空間2の周りで内側壁面3の半径方向外側を延びる第1の環状の回収流路30を有している。さらに、少なくとも1つの出口穴31が、分離空間3と第1の環状の回収流路30との間を延びるように設けられている。第1の出口11は、下端1”に設けられた1つまたは複数のそのような出口穴31を有してよい。
【0035】
図1を見ると分かるように、第2の出口12の第2の環状の回収流路25は、開示される実施形態では回転軸xにほぼ平行に延びる少なくとも1つの連結流路32を介して第1の出口11の第1の環状回収流路30に連結されている。もちろん、複数のそのような連結流路32を設けることが可能である。分離された不純物を遠心分離機から排出するための少なくとも1つの排出導管33も、第1の環状の回収流路30から延びている。
【0036】
遠心分離機は、回転部材4と内側壁面3との間を延びる下部環状端面35も有している。下端面35は、液体不純物を半径方向外側に第2の出口12まで送るように構成されている。下端面35は、開示される実施形態では、やや円錐形であり、外側に下向きに傾斜している。図1を参照されたい。しかし、下端面35がほぼ平面状であるか、または場合によってはわずかに外側に上向きに傾斜していてもよいことに留意されたい。さらに、遠心分離機は、下端面35上に設けられ、かつ不純物を外側に内側壁面3および出口穴31の方へ送るのを推進するように構成された、いくつかの案内部材(不図示)を有してよい。
【0037】
開示される遠心分離機は、たとえば、油粒子および/またはオイルミストのような固体粒子、または液体粒子の形態の不純物を含む気体を浄化するのに使用することができる。浄化すべき気体は、次に、入口9を介して空間15内に送られる。回転部材4の回転のために、気体は分離円板7同士の間の隙間にも吸引され、油がこれらの円板7上に捕捉され、かつ遠心力のために、円板7上の外側に運ばれる。その後、油は円板から離れ、内側壁面3の方へ飛ばされる。油は次に、内側壁面3上を下向きに下端面50および第1の出口11まで流れ、そこで出口穴31を通って第1の環状回収流路30に流入する。油の、内側壁面に衝突した部分は、回転部材から上向きに気体出口流路10まで流れる気体流のために、内側壁面3に沿って上向きに送られる。この油は、流路23に流入し、出口穴21を介して第2の環状回収流路25に送られる。分離された油は、第2の環状回収流路25から下向きに第1の環状回収流路30まで送られる。したがって、すべての分離された油は、この回収流路30に送られ、そこから排出導管33を介して遠心分離機から排出される。
【0038】
遠心分離機は、エアロゾルの形態の分離補助剤を、浄化すべき気体に供給するのを可能にするように構成された供給部材50を有している。有利なことに、分離補助剤は水粒子を含むエアロゾルであってよいが、油や粘度が低下する物質のような他の液体をベースとするエアロゾルを使用してもよい。
【0039】
供給部材50は、エアロゾルの形態の分離補助剤を入口流路9に、すなわち入口の上流側で分離空間自体の外側の位置に供給するのを可能にするように構成されている。したがって、分離補助剤は、この気体が分離空間および回転部材に達する前に、浄化すべき気体に添加される。
【0040】
供給部材50は、開示される実施形態では、入口流路に供給された分離補助剤を、分離補助剤が供給されるときに通過するエアロゾルノズル51によってエアロゾルに転換するように構成されている。このようなエアロゾルノズル51は、水などの分離補助剤が高圧で押されて通過する多数の小さい穴を有しており、すなわち、水が転換されるかまたは蒸発するように水圧が低下する。
【0041】
他の実施形態によれば、供給部材50は、加熱によって、水などの分離補助剤を、水粒子を含むエアロゾルに転換するように構成することができる。
【0042】
供給部材50は、分離補助剤、たとえば水を含むことのできる供給源Sを有するかまたは供給源Sに連結されている。したがって、水は、供給源Sとエアロゾルノズル51との間を延びる導管52を介してエアロゾルノズル51に供給することができる。
【0043】
供給部材50は、入口流路9を形成する導管9’に取り付けられた管部材51をさらに有している。管部材54は、入口流路9まで延びており、入口流路9に開口する第1の端部55と、第1の端部55および、入口流路9と導管9’の反対側に位置する第2の端部56とを有している。エアロゾルノズル51は、管部材54内の、第1の端部55と第2の端部56との間に設けられている。エアロゾルノズル51は、入口流路9の方へ延びる1つまたは複数のノズル開口部を有している。
【0044】
さらに、管部材54は、エアロゾルノズル51または少なくともノズル開口部が端壁57と第1の端部55との間に配置されるように設けられた端壁57を有している。端壁57は、ノズル51の周りの少なくとも一部を延び、周囲への開口部を形成する隙間58を有している。このようにして、周囲からの空気を管部材54内に吸引し、分離補助剤と混合し、そして浄化すべき気体と混合することができる。
【0045】
供給部材50は、エアロゾルの供給量を調整することのできる電磁弁の形をした弁部材60をさらに有している。弁部材60は、連結導管62を介して制御ユニット61に連結されている。遠心分離機の動作時に連続的に分離補助剤、例えば水分子を含むエアロゾルが供給されるように、弁部材60および分離補助剤の供給を制御するように、制御ユニット61は構成されている。制御ユニット61は、弁部材60および分離補助剤の供給を、これが遠心分離機の動作時に間欠的に供給されるように制御するように構成することもできる。
【0046】
本発明は、開示される実施形態に限定されず、特許請求の範囲の範囲内で変更し修正することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体粒子および/または液体粒子の形態の不純物を含む気体を浄化する遠心分離機であって、
分離空間(2)を囲み、かつ前記気体を通過させる固定ケーシング(1)と、
前記分離空間まで延び、かつ浄化すべき前記気体の入口を形成する入口流路(9)と、
前記分離空間(2)内の、前記気体の流れに対して前記入口の下流側に設けられ、回転軸(x)の周りを回転方向(r)に回転するように構成され、いくつかの分離円板(7)を有し、前記気体を前記回転方向(r)に回転させ、遠心力によって前記不純物の少なくとも大部分を前記気体から分離するようになっている回転部材(4)と、
前記気体の流れに対して前記回転部材(4)の下流側に設けられ、浄化された前記気体を排出する気体出口流路(10)と、
前記不純物を前記分離空間(2)から排出するように設けられた少なくとも第1の出口(11)と、
を有する遠心分離機において、
前記粒子を加湿する、エアロゾルの形態の分離補助剤を前記浄化すべき気体に供給するのを可能にするように構成された供給部材(50)を有することを特徴とする、遠心分離機。
【請求項2】
前記供給部材(50)は、前記分離補助剤を前記入口流路(9)に供給するのを可能にするように構成されている、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記供給部材(50)は、前記入口流路に供給される前記分離補助剤をエアロゾルに転換するように構成されている、請求項1または2に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記供給部材(50)はエアロゾルノズル(51)を有し、前記分離補助剤は前記エアロゾルノズル(51)を通って供給される、請求項3に記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記供給部材(50)は、前記分離補助剤を連続的に供給するのを可能にするように構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記供給部材(50)は、前記入口流路(9)まで延び、かつ前記入口流路(9)に開口する第1の端部(55)を有する管部材(54)を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記エアロゾルノズル(51)は、前記管部材(54)内に設けられている、請求項4および6に記載の遠心分離機。
【請求項8】
前記管部材(54)は、第2の端部(56)および端壁(57)を有し、前記エアロゾルノズル(51)は、前記端壁(57)と前記第1の端部(55)との間に配置され、前記端壁(57)は、前記エアロゾルノズル(51)の周りの少なくとも一部を延び、かつ周囲への開口部を形成する隙間(58)を有する、請求項7に記載の遠心分離機。
【請求項9】
前記入口流路(9)に供給される前記分離補助剤は、水粒子を含むエアロゾルを有している、請求項1から8のいずれか1項に遠心分離機。
【請求項10】
前記第1の出口(11)の下流側で、かつ前記回転部材(4)の下流側に設けられ、分離された前記不純物を排出する第2の出口(12)を有する、請求項1から9のいずれか1項に遠心分離機。
【請求項11】
前記第1の出口(11)は主出口を形成し、前記第2の出口(12)は残渣出口を形成する、請求項10に記載の遠心分離機。
【請求項12】
前記遠心分離機は、前記回転軸(x)がほぼ垂直に延びるように設けられるように構成され、前記固定ケーシング(1)は、上端(1’)および下端(1”)を有し、前記気体出口流路は前記上端(1)に設けられている、請求項1から11のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項13】
前記第1の出口(11)は前記下端(1”)に設けられている、請求項13に記載の遠心分離機。
【請求項14】
分離空間(2)を囲み、かつ固体粒子および/または液体粒子の形態の不純物を含む気体を通過させる固定ケーシング(1)を有する遠心分離機における遠心分離によって前記気体を浄化する方法であって、
浄化すべき前記気体を、入口流路(9)を通して前記分離空間に送るステップと、
いくつかの分離円板(7)を有し、前記気体の流れに対して前記入口流路の下流側に設けられ、回転軸(x)の周りを回転方向(r)に回転する回転部材(2)によって、前記気体を前記分離空間内で回転させ、それにより、遠心力によって前記不純物の少なくとも大部分を前記気体から分離するステップと、
浄化した前記気体を、気体出口流路(10)を通して前記分離空間から排出するステップと、
前記不純物を第1の出口(11)を通して前記分離空間から排出するステップと、を含み、
前記粒子を加湿する、エアロゾルの形態の分離補助剤が、浄化すべき前記気体に供給されることを特徴とする、気体を浄化する方法。
【請求項15】
前記分離補助剤は、前記分離空間(2)の上流側に供給される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記分離補助剤は、前記入口流路(9)に供給される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記入口流路に供給される前記分離補助剤は、供給部材(50)によってエアロゾルに転換される、請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記分離補助剤は連続的に供給される、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−537803(P2010−537803A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522861(P2010−522861)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050921
【国際公開番号】WO2009/029022
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(391030310)アルファ ラヴァル ツムバ アクチボラゲット (1)
【氏名又は名称原語表記】Alfa Laval Tumba AB
【Fターム(参考)】