説明

遠心分離機及び遠心分離方法

【課題】簡単な構造で、種々の原料液を遠心分離の対象とすることができ、高い分級精度・効率を得ることができる遠心分離機及び遠心分離方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る遠心分離機は、回転駆動機構(50)に連結されて鉛直方向に配置された回転筒(30)と、該回転筒(30)の内部に同軸に収納され該回転筒(30)と一体に回転する分離筒(40)と、前記回転筒(30)を支持するとともに該回転筒(30)に原料スラリーを供給する供給管(21)及び該回転筒(30)から排出される微細粒子を含む軽液を回収する軽液排出管(22)と粗大粒子を含む重液を回収する重液排出管(23)を備える本体(10)と、を有する遠心分離機であって、前記回転筒(30)の内周面と前記分離筒(40)の外周面とにより形成される分級流路(35)の幅を調整可能に構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子の分級を液相中で行う遠心分離機及び遠心分離方法に関するものであり、回転筒と、該回転筒の内部に収納された分離筒とにより形成される流路に原料スラリーを供給して遠心分離を行う遠心分離機及び遠心分離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液相中で微粒子の分級を行う遠心分離は、液相中を移動する粒子の移動抵抗力が粒子径に敏感に影響することから気相中で微粒子の分級を行う方法に比較して高い精度で分級を行うことができる。このような液相中で微粒子の分級を行う遠心分離機が、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー等の微粒子関連技術分野において注目されており、一層の分級精度・効率を高める試みがなされている。
【0003】
この分級精度・効率を高める方式として、例えば、特許文献1によると、遠心分離機の吊下型回転筒の内部に同軸に収納されて該吊下型回転筒と一体に回転する羽根に、分離・分級される原料スラリーを導くための誘導キャップを設けることが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、比重の異なる2以上の成分を混合したスラリーから所定の成分を分離し、採取する遠心分離器であって、円環状のスラリー貯留空間と、該スラリー貯留空間の上部から回転中心方向に向かって形成された幅狭の流路とが内部に形成された回転可能なローターと、前記スラリー貯留空間の下部に連通する流入口と、前記流路に連通する流出口とを有するステーターとを備え、前記ローターの回転中心から前記流路の最外周までの距離をM[mm]、前記流路の最内周から最外周までの水平方向の距離をN[mm]、前記流路の平均幅をH[mm]としたとき、0.006<H/M<0.041および0.023<H/N<0.153なる関係を満足するようにした遠心分離器が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−281034号公報
【特許文献2】特開平09−108594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の遠心分離機は特定の原料スラリーの遠心分離に対しては高い分級精度・効率を有しているとしても、遠心分離を行う原料スラリーの組成や試験条件が異なると、分級精度や分離効率が低下するという問題があった。また、特許文献2に提案された遠心分離器は、複雑な構造を有し、維持管理が困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、簡単な構造で、種々の原料スラリーを遠心分離の対象とすることができ、その原料スラリーに応じて高い分級精度・効率を得ることのできる汎用性の高い遠心分離機及び遠心分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遠心分離機は、回転駆動機構(50)に連結されて鉛直方向に配置された回転筒(30)と、該回転筒(30)の内部に同軸に収納され該回転筒(30)と一体に回転する分離筒(40)と、前記回転筒(30)を支持するとともに該回転筒(30)に原料スラリーを供給する供給管(21)及び該回転筒(30)から排出される微細粒子を含む軽液を回収する軽液排出管(22)と粗大粒子を含む重液を回収する重液排出管(23)を備える本体(10)と、を有する遠心分離機であって、前記回転筒(30)の内周面と前記分離筒(40)の外周面とにより形成される分級流路(35)の幅を調整可能に構成している。
【0009】
上記発明において、前記分級流路(35)の幅の調整は、外径が異なる分離筒(40)を交換することにより行うことができる。
【0010】
前記分離筒(40)は、羽根(40b)を有するものとするのが好ましい。
【0011】
前記回転筒(30)は、その上端部内側に前記軽液を排出させる軽液排出孔(36)を、上端部外側に前記重液を排出させる重液排出孔(37)をそれぞれ有しており、該回転筒(30)の下端部から導入された原料スラリーが前記分級流路(35)を通って前記軽液排出孔(36)及び重液排出孔(37)を経てそれぞれの軽液排出管(22)、重液排出管(23)に排出されるようになっているものとすることができる。
【0012】
また、前記回転筒(30)は、その下端部内側に前記軽液を排出させる軽液排出孔(36)を、下端部外側に前記重液を排出させる重液排出孔(37)をそれぞれ有しており、該回転筒(30)の下端部から導入された原料スラリーが前記分離筒(40)の内部を通って上昇し、該回転筒(30)の上端部を折り返して前記分級流路(35)を通って下降し、前記軽液排出孔(36)及び重液排出孔(37)を経てそれぞれ軽液排出管(22)、重液排出管(23)に導出されるようになっているものとすることができる。
【0013】
そして、前記回転筒(30)は、前記軽液と重液をそれぞれ軽液排出孔(36)及び重液排出孔(37)に導く区画リング(38)が設けられているのがよい。
【0014】
また、前記回転筒(30)は、該回転筒(30)の中心部から該回転筒(30)内に導入された原料スラリーを、回転筒(30)の周縁部から前記分級流路(35)内に導入されるように導く溝付きリングが設けられているのがよい。
【0015】
本発明に係る遠心分離方法は、回転筒(30)と、該回転筒(30)の内部に同軸に収納され、該回転筒(30)と一体に回転する分離筒(40)とにより形成される分級流路(35)に原料スラリーを供給して遠心分離を行う遠心分離方法であって、原料スラリー又は目的とする分離効率に応じて前記分級流路(35)の幅を調整することにより行う。
【0016】
上記発明において、原料スラリーを湿式粒子分散装置によって前処理調整し、これを遠心分離処理するのがよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る遠心分離機は、簡単な構造で、種々の原料スラリーを遠心分離の対象とすることができる汎用性に優れ、その原料スラリーに応じて高い分級精度・効率を得ることができる。また、本遠心分離機により遠心分離を行う前に、先ず湿式粒子分散処理を行い、次に遠心分離処理を行うことによりさらに高い分級精度・効率の遠心分離を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る遠心分離機の構造を示す一部断面図である。図1に示すように、本遠心分離機は、本体10と、その本体10内で鉛直方向に配置され、本体10に支持された回転筒30と、回転筒30を高速回転させる回転駆動機構50とを有している。
【0019】
本体10は、外筒11とこれを保持するスタンド25を有しており、該外筒11には前記回転筒30内に原料スラリーを供給する供給管21及び該回転筒30から排出される微細粒子を含む軽液と粗大粒子を含む重液とを回収する軽液排出管22と重液排出管23がそれぞれ設けられている。
【0020】
前記回転筒30内には該回転筒30と同軸で回転する分離筒40が配置されており、これらは、回転駆動機構50により回転させられるスピンドル55を介して高速回転可能な構造となっている。前記回転筒30は、図2に示すように、その上端がカップリング56によりスピンドル55と連結され、下端が外筒11に結合された軸受部18に支持されている。そして、該回転筒30に設けられた軽液排出孔36は軽液排出管22と連通しており、重液排出孔37は重液排出管23と連通している。
【0021】
前記供給管21から供給された原料スラリーは、軸受部18を通って前記回転筒30の内部に導入され、該回転筒30の内周面と前記分離筒40の外周面により形成される分級流路35を流通する間に、該回転筒30と分離筒40の同軸高速回転によって、強い遠心力を受ける粗大粒子を含む重液は該分級流路35の外径側の重液排出孔37から排出され、弱い遠心力を受ける微細粒子を含む軽液は該分級流路35の内径側の軽液排出孔36から排出されるようになっている。
【0022】
前記回転筒30の内部に該回転筒30と同軸に収納された前記分離筒40は、適宜の係止手段45により回転筒30に係合されて該回転筒30と一体に回転するようになっている。
【0023】
該分離筒40は、図3に示すように、中心軸40aに羽根40bが設けられた形状をしており、図示の例では羽根40bの枚数は4枚であるが、必要に応じて1〜6枚の羽根40bを設けることができる。なお、本例の中心軸40a部分は中空になっている。
【0024】
前記係止手段45は、羽根40bに設けられたリベット46と、リベット46に掛け渡されたスプリング47により構成される。分離筒40は、スプリング47が張り出して回転筒30の内周面に与える押圧力により回転筒30に係合され、回転筒30と一体に回転するようになっている。また、分離筒40は、このような係止手段45により、回転筒30の内部に係合されているので、分離筒40の交換作業を容易かつ迅速に行うことができる。なお、係止手段45はキーとキー溝により構成することもできる。
【0025】
以上、本発明に係る遠心分離機の構成を説明した。本遠心分離機による遠心分離の方法について、図4を基に説明する。図4は、供給管21を通じて前記回転筒30内に導入された原料スラリーの流れを示す模式図である。図4の矢印aで示すように、供給管21を通じて前記回転筒30の下端部に導入された原料スラリーは、同軸に設けられた回転筒30と分離筒40の間に形成される間隔、すなわち、回転筒30の内周面と分離筒40の外周面により形成される分級流路35を流れる間に、該分級流路35内に存在し且つ回転筒30及び分離筒40とともに高速回転して該分級流路35内のスラリーを強制的に高速回転させる羽根40bによってスラリー液に遠心力を与え、これによって、強い遠心力を受ける粗大粒子は前記分級流路35の外径側に集まって矢印bに示したように重液流となり、弱い遠心力を受ける微細粒子は前記分級流路35の内径側に集まって矢印cに示したように軽液流となって、それぞれ重液排出孔37及び軽液排出孔36から排出される。そして、軽液排出孔36から排出される軽液は軽液排出管22を経て回収され、重液排出孔37から排出される重液は重液排出管23を経て回収される。
【0026】
分級流路35の幅は、図4(b)に示すtで表される。すなわち、分級流路35の幅は回転筒30の内周径dと分離筒40の外周径dの差により表される。なお、分離筒40の外周径dは、羽根40bの有無を問わず中心軸40aの外径をいう。
【0027】
<実施例1>
以下に本発明による遠心分離機を用いた実施例について説明する。先ず原料スラリーは次の要領で調整した。すなわち、密度2300kg/mの真球状シリカ(SiO)粒子(アドマテック(株)製、SO−C2)を温度30℃に保たれた水で満たされているスラリータンク内に投入し、粒子濃度が0.5wt%になるよう調製し、超音波分散機によって分散させて原料スラリーを作製した。このときの原料スラリーの粒度分布を図5に示す。粒子径分布の測定は、レーザ回折式測定装置(日機装(株)製、MT3300EXii)を用いて行った。
【0028】
次に、本遠心分離機の前記分級流路35の幅tを表1に示すように種々に変化させて上記原料スラリーを用いて遠心分離試験を行なった。すなわち、試験装置の回転筒30の内径dは44.4mmであり、その内部に、分離筒40の外径d2が26.0mmのもの(試験番号1)と33.5mmのもの(試験番号2)と分離筒40を有せず単に2枚の羽根を組み合わせた構造のもの(試験番号3)とを順次交換することにより、前記分級流路35の幅bを変化させて遠心分離試験を行なった。試験条件は、原料スラリー供給量が200mL/min、遠心分離機の回転数は2000rpmである。なお、分離筒40は4枚羽根であり、いずれも図3に示す羽根40bの外接円の径dは43.7mmである。この試験結果を図6に示す。図6において、横軸は粒子径、縦軸は部分分級効率を示し、図中の番号は表1の試験番号を示す。
【0029】
なお、部分分級効率Δηは、Δη={m(D)ΔD−m(D)ΔD}/{m(D)ΔD}により表され、上記式において、m、mは、それぞれ単位時間あたりに遠心分離機へ供給される原料スラリー及び遠心分離機から排出される軽液に含まれるシリカ粒子の質量を表し、f(D)、f(D)は原料スラリー、シリカ粒子の体積基準頻度分布関数を表している。
【0030】
【表1】

【0031】
図6によると、試験番号1(分級流路35の幅が9.2mm)の分級精度が最も高く、試験番号2(分級流路35の幅が5.5mm)は分級精度がやや低下している。試験番号3(分級流路35の幅が21.2mm)では、0.1μm以下の分級は不可能であった。
すなわち、分級精度は、分級流路幅bを狭くして回転筒30内に導入された原料スラリーの流れを回転筒30の内周面近くに寄せるほうがよいが、遠心分離を行うには最適の流路幅tが存在することが分かる。
【0032】
本遠心分離機は、分級流路35の幅を種々に変えることができる分離筒40が予め準備されており、これを対象とするスラリー系により適宜交換することになる。また、分離筒40の交換を容易に行うことができる構造になっている。このため、遠心分離される原料スラリーと目的とする分級条件によって、それぞれに最適な分級流路幅の分離筒40を使用して遠心分離を行うことができる。
【0033】
以上、本発明に係る遠心分離機及びこれを用いた遠心分離方法について説明した。本発明に係る遠心分離機又は遠心分離方法によれば、上述のように分級流路内にスラリーを強制回転させる羽根を設け、さらに分級流路幅を適宜変更することにより分級精度を向上させることができる。このことは、低い回転数でも従来の遠心分離機と同等の分級精度を達成できることを意味するから、同一分級精度であれば、省エネ型遠心分離を可能にすることになる。
【0034】
また、上記の本発明に係る遠心分離機又は遠心分離方法において、先ずビーズミル、超音波等の湿式粒子分散処理を行って粉砕して均一分散させたうえで、遠心分離処理を行うことが好ましい。この前処理により、分級精度・効率を一層向上させることができる。次にこの場合の実施例を示す。
【0035】
<実施例2>
実施例1の試験番号1で用いた遠心分離機とビーズミルを使用して遠心分離を行った。試験装置の構成を図7に示し、試験結果を図8に示す。分級試験は、以下の条件で行った。すなわち、原料スラリーはスターラで撹拌処理したシリカ粒子(2.0wt%)の水スラリーを用いた。ビーズミルによる分散処理は、この原料スラリーを径150μmのビーズを使用し、回転数2840rpm、運転時間30minで行った。遠心分離機による処理は、流量200m/min、回転数20000rpm、運転時間10minで行った。
【0036】
図8において、横軸は粒子径、縦軸は頻度を示す。また、番号1は原料スラリーをそのまま遠心分離を行った場合の分級曲線であり、番号2は上述の通りビーズミルにより分散処理をした後さらに遠心分離を行った場合の分級曲線であり、番号3は先ずビーズミルにより分散処理をした後に遠心分離を行い、その遠心分離により得られた軽液をさらにビーズミルにより分散処理をした後に遠心分離を行った場合の分級曲線である。
【0037】
図8に示すように、原料スラリーをビーズミルにより分散処理をした後に遠心分離をすると、より小径かつ単分散性に優れた粒子を得ることができることが分かる。特に、分級曲線の番号1と2を比較するとビーズミルによる分散処理の効果が大きいことが分かる。
なお、微粉砕装置はビーズミルに限らず適宜のミルを使用することが可能であることは言うまでもない。
【0038】
なお、本発明に係る遠心分離機又は遠心分離方法は上述の実施例に限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように、回転筒30内に導入された原料スラリーを、先ず分離筒40の中心軸40a内を通って矢印dに示すように上昇させ、次に回転筒30の上端部で矢印eに示したように折り返して該回転筒30の内周面と分離筒40の外周面により形成される分級流路35を矢印fに示すように下降させる構成の遠心分離機又は遠心分離方法とすることができる。この場合も、分級流路35内の下降流fが回転筒30と共に回転する分離筒40と羽根40bの回転により、スラリーが強制回転されて遠心力によって大径粒子は分級流路35の外周面側に移動してくるので、前述したのと同様の作用で大径粒子を含む重液は分級流路35の外周面側に、微細粒子を含む軽液は該分級流路35の内周面側にそれぞれ分離して分級効率を向上させることができる。
【0039】
また、図9(a)、(b)に示すように、前記回転筒30の分級流路35の下部の内周面側には軽液排出孔36が、外周面側には重液排出孔37がそれぞれ形成されており、両排出孔は、区画リング38によって画成されている。
【0040】
また、図10(a)に示すように分離筒40の下端部に溝付きリング60を設けることができる。この溝付きリング60を設けることにより、回転筒30内に導入された原料スラリーは、図10(b)に示す矢印のように、溝付きリング60の溝65に沿って回転筒30の周縁部に導かれ、そして、分級流路35内に導入されるようになる。これにより、原料スラリーの分散が促進され分級効率を向上させることができる。なお、本例の溝付きリング60は、図11に示すように、リング本体61の上面部に中心部から周縁に放射状に延びる4本の溝65を有しており、その切欠き63が分離筒40の羽根40bの端部にはめ合わされて分離筒40に装着されるようになっている。溝65の本数、形状等は、原料スラリーの性状、目標分級効率等によって最適なものが選ばれる。
【0041】
また、溝付きリング60は、図12に示す形状のものとすることができる。この溝付きリング60は、図12に示すように、溝65がリング本体61の内面頂部に形成されており、図13に示すように分離筒40の上端部に装着されて使用される。この場合、分離筒40の中心軸40b内を通って上昇してきた原料スラリーは、図13(b)に示す矢印のように、溝付きリング60の溝65に沿って回転筒30の周縁部に導かれ、そして、分級流路35内に導入されるようになる。なお、図13(b)は、溝付きリング60の図12に示すAA断面部分を示す。
【0042】
また、本発明に係る遠心分離機又は遠心分離方法においては、原料スラリーは、水又は有機溶媒に金属粒子、セラミックス粒子、樹脂粒子等の固体粒子を懸濁させたものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る遠心分離機の構造を示す一部断面図である。
【図2】図1の回転筒部分を示す一部断面図である。
【図3】図1の分離筒部分を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る遠心分離方法の説明図である。
【図5】実施例1における原料スラリー中のシリカの粒度分布を示すグラフである。
【図6】実施例1における遠心分離試験結果を示すグラフである。
【図7】実施例2における試験装置の構成を示す図面である。
【図8】実施例2における分級試験結果を示すグラフである。
【図9】他の実施形態の遠心分離機又は遠心分離方法の説明図である。
【図10】溝付きリングを装着させた回転筒の実施例の説明図である。図10(b)は、図10(a)に示す溝付きリング部分の拡大図である。
【図11】上記溝付きリングの拡大図である。
【図12】他の実施例の溝付きリングの拡大図である。
【図13】図12の溝付きリングを装着させた回転筒の実施例の説明図である。図13(b)は、図13(a)に示す溝付きリング部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 本体
11 外筒
18 軸受部
21 供給管
22 軽液排出管
23 重液排出管
25 スタンド
30 回転筒
35 分級流路
36 軽液排出孔
37 重液排出孔
38 区画リング
40 分離筒
40a 中心軸
40b 羽根
45 係止手段
46 リベット
47 スプリング
50 回転駆動機構
55 スピンドル
56 カップリング
60、60A、60B 溝付きリング
61 リング本体
63 切欠き
65 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動機構(50)に連結されて鉛直方向に配置された回転筒(30)と、該回転筒(30)の内部に同軸に収納され該回転筒(30)と一体に回転する分離筒(40)と、前記回転筒(30)を支持するとともに該回転筒(30)に原料スラリーを供給する供給管(21)及び該回転筒(30)から排出される微細粒子を含む軽液を回収する軽液排出管(22)と粗大粒子を含む重液を回収する重液排出管(23)を備える本体(10)と、を有する遠心分離機であって、
前記回転筒(30)の内周面と前記分離筒(40)の外周面とにより形成される分級流路(35)の幅を調整可能に構成していることを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記分級流路(35)の幅の調整は、外径が異なる分離筒(40)を交換することにより行うものである請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記分離筒(40)は、羽根(40b)を有するものである請求項1又は2に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記回転筒(30)は、その上端部内側に前記軽液を排出させる軽液排出孔(36)を、上端部外側に前記重液を排出させる重液排出孔(37)をそれぞれ有しており、該回転筒(30)の下端部から導入された原料スラリーが前記分級流路(35)を通って前記軽液排出孔(36)及び重液排出孔(37)を経てそれぞれの軽液排出管(22)、重液排出管(23)に排出されるようになっている請求項1〜3のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記回転筒(30)は、その下端部内側に前記軽液を排出させる軽液排出孔(36)を、下端部外側に前記重液を排出させる重液排出孔(37)をそれぞれ有しており、該回転筒(30)の下端部から導入された原料スラリーが前記分離筒(40)の内部を通って上昇し、該回転筒(30)の上端部を折り返して前記分級流路(35)を通って下降し、前記軽液排出孔(36)及び重液排出孔(37)を経てそれぞれ軽液排出管(22)、重液排出管(23)に導出されるようになっている請求項1〜3のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記回転筒(30)は、前記軽液と重液をそれぞれ軽液排出孔(36)及び重液排出孔(37)に導く区画リング(38)が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記回転筒(30)は、該回転筒(30)の中心部から該回転筒(30)内に導入された原料スラリーを、回転筒(30)の周縁部から前記分級流路(35)内に導入されるように導く溝付きリングが設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項8】
回転筒(30)と、該回転筒(30)の内部に同軸に収納され、該回転筒(30)と一体に回転する分離筒(40)とにより形成される分級流路(35)に原料スラリーを供給して遠心分離を行う遠心分離方法であって、
原料スラリー又は目的とする分離効率に応じて前記分級流路(35)の幅を調整することを特徴とする遠心分離方法。
【請求項9】
前記原料スラリーを湿式粒子分散装置によって前処理調整し、これを遠心分離処理するものである請求項6〜8のいずれかに記載の遠心分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−110712(P2010−110712A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286790(P2008−286790)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(508063864)社団法人日本粉体工業技術協会 (1)
【Fターム(参考)】