説明

遠心脱水装置およびこれを用いた遠心脱水方法

【課題】 脱水汚泥の低含水率化を達成することができるだけでなく、所望の含水率の脱水汚泥を容易に得ることができる遠心脱水装置及び方法を得ることを目的とする。
【解決手段】 高分子凝集剤が供給された汚泥を、外胴ボウル3および内胴スクリュウ4を備えた遠心分離機1で脱水汚泥と脱水分離液に固液分離する遠心脱水装置において、無機凝集剤吐出孔23aを有すると共に内胴スクリュウ4内を延伸し、遠心分離機1に設けられた脱水汚泥排出口2bに移送される凝集汚泥に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管23と、無機凝集剤注入管23に設けられた無機凝集剤注入ポンプ24と、脱水汚泥排出口2bから排出された脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機30と、無機凝集剤の注入量を制御する制御器40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機により汚泥を脱水する遠心脱水装置および方法に関するものであり、詳しくは脱水汚泥の状態や脱水汚泥移送機の運転状態に基づいて、無機凝集剤の注入量を制御する遠心脱水装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、下水汚泥や食品工場汚泥等の産業廃棄物を減量化して処理や処分を行う際には、主として汚泥脱水機(遠心脱水装置)が用いられる。
【0003】
汚泥の脱水方法は、種々ある汚泥脱水機により様々であるが、その際に、より減量化させるために汚泥へ凝集剤を添加する点では共通している。
凝集剤の添加方法として、高分子凝集剤だけを使用する1液調質法と、汚泥と無機凝集剤を混合して汚泥を高密度化させた後に、高分子凝集剤を添加する2液調質法(特許文献1,2を参照)とがある。
2液調質法は、1液調質法と比較して、脱水汚泥の含水率が1〜3%低下する薬品調質法であり、現在多くの汚泥脱水機に採用されている。
【0004】
しかしながら、2液調質法においても、低含水率化に限界があり、汚泥の減量化はもちろんのこと、ランニングコストや温室効果ガス排出量を低減するため、更なる脱水汚泥の低含水率化が望まれている。
【0005】
また、2液調質法では、凝集反応の原理から専用の高分子凝集剤(両性高分子凝集剤)を選定することが望ましく、1液調質法に使用される高分子凝集剤(例えば、カチオン系高分子凝集剤)では脱水ができない場合がある。
【0006】
さらに、2液調質法では、無機凝集剤を添加した後に高分子凝集剤を添加するため、汚泥と無機凝集剤が完全に混合した状態でないと、高分子凝集剤の効果を最大限に発揮できない。このため、良好な汚泥脱水処理を行うには、凝集剤の選定のみならず、設計面、設備面、運転操作面、凝集剤注入面などでの配慮や工夫が必要である。
【0007】
さらにまた、これまでの2液調質法では、被脱水汚泥(供給汚泥)のpHに左右されることがあり、供給汚泥のpHの変動が大きいと、両性高分子凝集剤とのマッチング(相性、適合性)が変わり、脱水性能が悪化してしまうことがある。また、両性高分子凝集剤と無機凝集剤とのマッチングが崩れることにより、脱水分離液の性状(SS回収率)が悪化するため、脱水分離液を受け入れる排水処理設備の汚濁負荷が上昇し、排水処理に悪影響を及ぼすことにもなる。
【0008】
また、脱水汚泥の含水率をより低減させるため各種凝集剤の添加量を増大させることも考えられるが、せいぜい数%程度しか低減できないばかりか運転コストの上昇を招きかねず、運転操作が煩雑になったり、凝集剤を大量にストックしなければならなくなったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−256300号公報(段落〔0005〕)
【特許文献2】特開平8−71600号公報(段落〔0011〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の遠心脱水装置では、脱水性能が優れているため、凝集剤の添加方法として、2液調質法が採用されることがあるが、この2液調質法が採用される場合には、以下の(1)〜(4)の問題点があった。
(1)脱水汚泥の含水率の低減化に限界がある。
(2)専用の高分子凝集剤を用いる必要がある。
(3)設計面や設備面を工夫する必要がある。
(4)脱水汚泥の含水率を適正に、且つ10%以上の広い範囲にわたり調整できる手段を備えていない。
【0011】
前記(1)〜(4)の問題点の詳細は、以下の通りである。
(1)脱水汚泥の含水率の低減に限界がある点
2液調質法は、1液調質法と比較して、脱水汚泥の含水率を1〜3%低下させることが可能であるが、含水率が80%をやや下回るのが限界であった。しかし、コスト削減、温室効果ガス排出量の抑制等のためにも、更なる低含水率化が求められている。
(2)専用の高分子凝集剤を用いる必要がある点
排水から発生する汚泥の1液調質法による脱水では、汚泥の基質に合わせ、主として汎用性の高いカチオン系高分子凝集剤が使用されるのに対して、2液調質法では、2液(高分子凝集剤と無機凝集剤)の反応効果を高めるため、両性系高分子凝集剤が使用されることが多い。なお、両性系高分子凝集剤は、1液調質法で使用すると十分な脱水性能が得られないため、2液調質法での使用に限定され、他の調質法への流用が困難である。
【0012】
つまり、2液調質法では、1液調質法での高分子凝集剤は適しておらず、専用の高分子凝集剤を使用しなければならないため、凝集剤の選定幅が少ない。また、両性高分子凝集剤は、無機凝集剤の注入量により効果が左右され、無機凝集剤の注入量が変化すると、脱水性能に支障を来たすという問題点がある。
【0013】
(3)設計面や設備面を工夫する必要がある点
二つの凝集剤の効果を最大限に発揮させる(汚泥、両性高分子凝集剤、無機凝集剤のマッチングの悪化を防止する)ためには、供給汚泥と無機凝集剤を十分に混合した後に両性高分子凝集剤を添加する必要がある。一般に、供給汚泥と無機凝集剤の混合は配管内で行われるが、これらを十分に混合させるためには、反応時間を確保することを目的に管路(汚泥供給管)の長さを長くしたり、乱流を形成して混合を促進する目的で曲がりを多くしたりする等、設計面での配慮や工夫が必要となる。また、限られた設置スペースの中で、管路長さ等を確保しなければならないため、新たに2液調質法を採用する場合には、管路以外に機械設備面での配慮や運転操作面での工夫が必要となる。
【0014】
(4)脱水汚泥の含水率を適正に、且つ10%以上の広い範囲にわたり調整できる手段を備えていない点
昨今、各種の凝集剤の開発、遠心分離機の改善改良、設計面や設備面での配慮や工夫により、2液調質法では、1液調質法と比較して脱水汚泥の含水率を1〜3%低下させることが可能になってきているが、やはり、脱水汚泥の含水率を5%以上低下させることは至難であり、さらに運転コストの上昇を招いたり、運転操作面での熟練さを要求されたりしてしまう。
【0015】
一方、技術革新や機械的な改善改良が進み、仮に脱水汚泥の含水率を安定して5%以上低下させる(例えば、消化汚泥や生混合汚泥なら70%以下、余剰汚泥なら75%以下にする)ことができる遠心分離機や遠心脱水装置が開発された場合、上記課題のいくつかは解決されるが、以下のとおり新たな課題が発生してしまう。
【0016】
(機械設備への負担の増大)
汚泥処理施設にある既設の脱水汚泥の汚泥搬送(コンベア)設備、汚泥貯留設備、汚泥処分(焼却処理、農地還元など再利用処理)設備などは、従来の脱水レベル(脱水汚泥含水率80%前後)に合わせた仕様になっており、仮に極めて低い含水率(70%程度)の脱水汚泥を扱うとなると、各設備の個々の運転や他の設備との連動に影響を及ぼし、設備によって仕様より軽い負荷になったり、逆に過負荷になったりして、効率よい安定した汚泥処理・処分に支障をきたすおそれがある。例えば、通常の脱水汚泥を移送する機器において、脱水汚泥の含水率が75%程度であっても駆動装置に負担がかかることから、負担軽減のため、あえて脱水汚泥に水をかけて対応している汚泥処理施設も存在する。
【0017】
各機械設備の仕様と異なった運転を行うことにより、機械設備の寿命が短くなるばかりでなく、機能不全や故障が発生し、ひいては汚泥処理用の設備として機能しなくなる(汚泥処理ができなくなる)恐れがある。一方、極めて低い含水率(70%程度)の脱水汚泥を扱えるように、汚泥処理施設の多くの機械設備を更新することも考えられるが、多大な費用を要し、建設コストを増大させるだけでなく、機械設備の更新中は汚泥処理が滞ってしまう。
【0018】
(含水率と処分方法との関係)
脱水汚泥の処分方法は、汚泥処理場毎に異なり、また同一の処理場においても、処理日によって処分方法が異なる場合もある。すなわち、汚泥処理施設での計画や汚泥性状などに応じて、コンポスト化、セメント原料化、埋立処分、焼却、その他の処理・処分を適宜選択することがある。さらに、汚泥脱水処理ではその処理・処分方法毎に好適な脱水汚泥の含水率があるので、脱水汚泥を一律の含水率としたのでは効率的な処理・処分が困難になってしまう。
【0019】
また、例えば脱水汚泥を焼却する場合、脱水汚泥を圧送ポンプで搬送する処理場では、脱水汚泥の含水率が低く過ぎると圧送配管が閉塞する恐れがある。もし圧送配管が閉塞すれば脱水工程に支障を来たし、脱水工程を停止しての配管等の設備点検・復旧のための作業を要し、そのための多大な費用も発生してしまう。このようなことを防止するため、脱水汚泥の含水率を十分に低減させないことも考えられるが、脱水汚泥の焼却効率が悪化し、焼却用燃料が余分にかかり、また焼却コストや温室効果ガスの排出を増大させるおそれがあり、脱水汚泥の低含水率化という目的に反する。
上記のような理由から、脱水汚泥の含水率を適正に、且つ10%以上(例えば、混合生汚泥や消化汚泥なら60%台後半〜80%台前半、余剰汚泥なら70%台中盤〜80%台中盤)の広い範囲にわたり容易に調整できることが大変重要である。
【0020】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、脱水汚泥の低含水率化を達成することができるだけでなく、所望の含水率の脱水汚泥を得ることができる遠心脱水装置および方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明に係る遠心脱水装置は、高分子凝集剤が供給された汚泥を、外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で脱水汚泥と脱水分離液に固液分離する装置であり、無機凝集剤吐出孔を有すると共に前記内胴スクリュウ内を延伸し、前記遠心分離機に設けられた脱水汚泥排出口に移送される凝集汚泥に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管と、該無機凝集剤注入管に設けられた無機凝集剤注入ポンプと、前記脱水汚泥排出口から排出された前記脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機と、前記無機凝集剤の注入量を制御する制御器とを備えている。
【0022】
この発明に係る遠心脱水装置は、脱水汚泥の含水率を測定する含水率計を備え、制御器が、前記含水率計の計測値に基づき、無機凝集剤注入ポンプの運転を制御するようにしたものである。
【0023】
この発明に係る遠心脱水装置は、脱水汚泥移送機の移送圧力を測定する圧力計を備え、制御器が、前記圧力計の計測値に基づき、前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御するようにしたものである。
【0024】
この発明に係る遠心脱水装置は、脱水汚泥移送機の駆動機の電流を測定する電流計を備え、制御器が、前記電流計の計測値に基づき、無機凝集剤注入ポンプの運転を制御するようにしたものである。
【0025】
この発明に係る遠心脱水方法は、遠心脱水装置を用いた遠心脱水に関する方法であり、脱水汚泥の含水率に基づき、制御器で無機凝集剤注入ポンプの運転を制御するようにしたものである。
【0026】
この発明に係る遠心脱水方法は、遠心脱水装置を用いた遠心脱水に関する方法であり、脱水汚泥の移送圧力に基づき、制御器で無機凝集剤注入ポンプの運転を制御するようにしたものである。
【0027】
この発明に係る遠心脱水方法は、遠心脱水装置を用いた遠心脱水に関する方法であり、脱水汚泥移送機の駆動機の電流に基づき、制御器で無機凝集剤注入ポンプの運転を制御するようにしたものである。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、無機凝集剤吐出孔を有すると共に内胴スクリュウ内を延伸し、遠心分離機に設けられた脱水汚泥排出口に移送される凝集汚泥に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管と、その無機凝集剤注入管に設けられた無機凝集剤注入ポンプと、その脱水汚泥排出口から排出された脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機と、その無機凝集剤の注入量を制御する制御器とを備えるように構成したので、脱水汚泥の低含水率化を安定して確実に達成することができるだけでなく、所望の(脱水汚泥の処理・処分を効率よく好適に行える)含水率の脱水汚泥を容易に得ることができるという優れた効果を奏する。
【0029】
また、制御器を用いることにより、汚泥への無機凝集剤の注入量を容易に制御することができ、これにより脱水汚泥の含水率を広い範囲にわたり調整することができるため、汚泥処理施設での作業性や経済性を大幅に改善することができる。
【0030】
季節や排水処理施設の運転状況により、脱水する汚泥の性状や処理量が変動しても、無機凝集剤の注入量(率)を自在に変化(0%〜100%)させることで、遠心脱水装置の使用者の所望する含水率の脱水汚泥を効率よく確実に得ることができ、幅広く対応(汚泥脱水処理)することができる。例えば、使用する凝集剤にもよるが、混合生汚泥を脱水した場合には68%〜81%、消化汚泥を脱水した場合には69%〜82%、余剰汚泥を脱水した場合には74%〜86%という広い範囲(10数%)にわたって、容易に脱水汚泥の含水率を調整できることができる。また、汚泥への無機凝集剤の注入量が適切且つ速やかに制御されるので、無機凝集剤の使用量が節約され、ランニングコストの低減に寄与することもできる。
【0031】
さらに、脱水汚泥の移送管等に取り付けられた含水率計や圧力計の計測値、また脱水汚泥移送ポンプに取り付けられた電流計の計測値などに基づき制御器で、汚泥への無機凝集剤の注入量を制御することにより、より一層適切且つ速やかに無機凝集剤を注入することができ、無機凝集剤の使用量もさらに節約(使用量管理)することができる。
【0032】
上記のように、脱水汚泥の含水率を容易に調整することができるため、汚泥処理施設における計画やその使用者の意向に沿って、脱水処理を安定して効率よく行うことができる。
【0033】
本発明に係る汚泥への無機凝集剤の注入量の制御を遠心分離機の既存の運転制御と組み合わせることで、さらに正確で安定した脱水処理を行うことができ、運転管理や維持管理に有効である。
【0034】
さらにまた、複数の脱水汚泥の処分・処分方法を実施している汚泥処理施設においても、容易かつ迅速に、各処理・処分方法に適合した含水率の脱水汚泥を得ることができる。これにより作業性や効率性が格段に向上すると共に、省エネルギーや温室効果ガス削減に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1による遠心分離装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2による遠心分離装置を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態2による遠心分離装置の制御器42における処理内容を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態3による遠心分離装置を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3による遠心分離装置の制御器44における処理内容を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態4による遠心分離装置を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態4による遠心分離装置の制御器46における処理内容を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態5による遠心分離装置を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態6による遠心分離装置を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態7による遠心分離装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による遠心分離装置を示す断面図である。
図1の遠心分離装置は、高分子凝集剤が供給された汚泥を脱水汚泥と脱水分離液に固液分離する装置であり、外胴ボウル3と内胴スクリュウ4を備えた遠心分離機1と、前記内胴スクリュウ4に配設された汚泥供給室7内へ、無機凝集剤タンク13に貯留された無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管23を備えている。
【0037】
前記遠心分離機1は、一端側に分離液排出口2aを有し、かつ、他端側に脱水汚泥排出口2bを有するケーシング2と、このケーシング2内に回転可能に配設された外胴ボウル3と、この外胴ボウル3内に回転可能に配設された内胴スクリュウ4と、外胴ボウル3を回転駆動する回転駆動機5と、内胴スクリュウ4を回転駆動する回転駆動機6と、外胴ボウル3と内胴スクリュウ4とに回転差を与える差速調整機(図示せず)とを備えている。そして外胴ボウル3と内胴スクリュウ4との間には、プール(濃縮・脱水ゾーン)10が形成されている。
【0038】
前記外胴ボウル3は、分離液排出側が円筒形状の直胴部3aとなり、かつ、脱水汚泥排出側に形成されたテーパ部(狭径部)を2段テーパ3b,3cとして形成している。この2段テーパ3b,3cは、段テーパ3bが急傾斜となり、2段テーパ3cが緩傾斜となっている。このような2段テーパ3bを形成させることによって、水面WL下でのスクリュウ羽根4cによる凝集汚泥への圧搾効果が生じると共に、プール10内での滞留時間を増加させ、特に遠心効果を強く受ける2段テーパ3b付近における滞留時間(遠心効果を受ける時間)を長くとることができる。
【0039】
なお、このような遠心分離機は、外胴ボウル3の脱水汚泥排出側に形成されたテーパ部が、後述する1段テーパ3d(図2を参照)である場合や、テーパが形成されていない場合(円筒形)であっても、高い遠心分離(濃縮・脱水)性能を得ることができる。
【0040】
前記内胴スクリュウ4は、分離液排出側に形成された円筒形状の直胴部4aと、脱水汚泥排出側に形成された内胴テーパ4bと、その直胴部4aと内胴テーパ4bの外周に一体形成されたスクリュウ羽根4cとから構成されている。
【0041】
この内胴スクリュウ4の内部には、直胴部4aおよび内胴テーパ4bに跨る汚泥供給室7が形成され、その汚泥供給室7には、汚泥供給口7aと凝集剤流出口7bと仕切板8が設けられている。詳述すれば、内胴スクリュウ4に汚泥供給室7が設けられていて、汚泥供給口7aを介して外胴ボウル3と連通しており、内胴スクリュウ4の壁面には凝集剤流出口7bが開口しており、内胴スクリュウ4の内周面には、凝集剤流出口7bの近傍で、凝集剤流出口7bと汚泥供給口7aとを仕切る仕切板8が設けられている。
【0042】
この仕切板8は、通常、汚泥供給室7の内周面にドーナッツ状の形状で設置され、後述する汚泥供給管14とのクリアランス(間隔)が、通常10mm以下に設定される。このような仕切板8を設置することで、後述する無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aから汚泥供給室7内に供給された無機凝集剤が、汚泥供給室7内で拡散することを抑制・防止し、凝集剤流出口7bから速やかに流出させることができる。
【0043】
汚泥貯留槽11は、遠心分離機1で脱水処理する汚泥(被処理汚泥)を貯留しており、汚泥は汚泥供給管14を介して遠心分離機1に供給される。汚泥供給管14は、遠心分離機1の内胴スクリュウ4の汚泥供給室7内へ延伸しており、通常汚泥を供給する汚泥供給ポンプ15が配設されている。
【0044】
また、汚泥供給管14には、高分子凝集剤を貯留する高分子凝集剤タンク12から高分子凝集剤供給管16を介して、高分子凝集剤が注入(ライン注入)されるようになっており、高分子凝集剤供給管16には、通常高分子凝集剤供給ポンプ17、流量計18、開閉弁19などが配設されている。
【0045】
そして、汚泥供給管14と同様に、遠心分離機1の内胴スクリュウ4の汚泥供給室7内へ延伸する無機凝集剤注入管23を介して、無機凝集剤を貯留する無機凝集剤タンク13から無機凝集剤が注入(機内注入)されるようになっており、無機凝集剤注入管23には、通常無機凝集剤注入ポンプ24、流量計25、開閉弁26などが配設されている。また、無機凝集剤注入管23の先端付近には、凝集剤流出口7bの近傍で開口する無機凝集剤吐出孔23aが設けられており、このような構造とすることにより、スクリュウ羽根4cによって脱水汚泥排出口2bへ移送される固液分離が進んだ凝集汚泥(分離汚泥)に無機凝集剤を確実に注入できるようになっている。
【0046】
また、脱水汚泥排出口2bから排出された脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機30(例えば、圧送ポンプ、スクリューコンベア、ベルトコンベアなど)が配設されており、排出された脱水汚泥を滞留させることなく確実に移送する。
【0047】
さらに、汚泥への無機凝集剤の注入量を制御する制御器40が設けられており、例えば無機凝集剤注入管23に配設されている無機凝集剤注入ポンプ24の運転や開閉弁26の作動をコントロールして、汚泥への無機凝集剤の注入量が調整される。
【0048】
次に動作について説明する。
遠心分離機1の運転状態においては、汚泥貯留槽11に貯留されている汚泥が、汚泥供給ポンプ15によって、汚泥供給管14を介して、遠心分離機1の汚泥供給室7に供給される。
【0049】
汚泥が供給されると共に、高分子凝集剤タンク12に貯留されている高分子凝集剤が、高分子凝集剤供給ポンプ17によって、高分子凝集剤供給管16を介して、汚泥供給管14に供給される。これにより、汚泥供給管14内や汚泥供給室7内で、汚泥と高分子凝集剤とが十分に混合されて汚泥の凝集(フロック化)が促進される。
【0050】
高分子凝集剤によりフロック化された汚泥(凝集汚泥)は、内胴スクリュウ4の汚泥供給口7aを介して、内胴スクリュウ4と外胴ボウル3の間に形成される空間(プール)10へ供給され、高速回転による遠心効果によって、凝集汚泥が脱水汚泥と脱水分離液に分離される。
【0051】
また、汚泥の供給時には、無機凝集剤タンク13に貯留されている無機凝集剤が、無機凝集剤注入ポンプ24によって、無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aから汚泥供給室7の狭径部(内胴スクリュウ4の内胴テーパ4b)に注入(機内注入)される。なお、無機凝集剤は、遠心分離機1が稼働して脱水汚泥が排出され始めてから(通常「無機凝集剤注入待タイマ」がアップしてから)、機内注入が開始される。
【0052】
汚泥供給室7の狭径部に機内注入された無機凝集剤は、内胴スクリュウ4の凝集剤流出口7bからプール10へ流出し、外胴ボウル3の2段テーパ3b、3c付近で、スクリュウ羽根4cによって脱水汚泥排出口2bへ移送される固液分離が進んだ凝集汚泥(分離汚泥)に注入される。
【0053】
このように、無機凝集剤注入管23から注入された無機凝集剤と分離汚泥とが速やかに混合し、高速回転による遠心効果を受けることで、分離汚泥からより一層の水分(脱水分離液)が分離し、極めて低い含水率の脱水汚泥が得られる。
【0054】
脱水汚泥は、脱水汚泥排出口2bから遠心分離機1の外部に排出され、一方、脱水分離液は、分離液排出口2aから遠心分離機1の外部に排出される。
【0055】
遠心分離機1の外部に排出された脱水汚泥は、脱水汚泥移送機30によって、汚泥処分設備(例えば、搬出用貯留槽、焼却設備、農地還元などの再利用設備等)へ移送される。
【0056】
図1に示される遠心分離装置では、無機凝集剤タンク13に貯留されている無機凝集剤を、無機凝集剤注入ポンプ24で、無機凝集剤注入管を介して汚泥供給室7の狭径部に機内注入するが、無機凝集剤の注入量は、制御器40によって制御されている。
【0057】
以下、制御器40による無機凝集剤の注入量の制御内容を説明する。
表1は無機凝集剤の注入率(%/TS)と脱水汚泥の含水率との関係を示すグラフである。表1では、脱水処理する汚泥として、消化汚泥(汚泥濃度が1.70〜1.81%)および混合生汚泥(汚泥濃度が3.13〜3.29%)を用いた場合を示している。
【0058】
【表1】

【0059】
表1に示すように、機内注入する無機凝集剤の注入率(%/TS)と脱水汚泥の含水率とは相関関係があり、無機凝集剤の注入量が増加すれば、脱水汚泥の含水率が低下して、無機凝集剤の注入量が減少すれば、脱水汚泥の含水率が上昇する。この相関関係は、高分子凝集剤の種類や注入量には、ほとんど影響を受けずに成立する。
【0060】
例えば、無機凝集剤の注入率が40%/TSであれば、含水率が70%を下回る脱水汚泥が得られ、無機凝集剤の注入率が0%/TS(無機凝集剤は機内注入されず、高分子凝集剤のみを注入)であれば、脱水汚泥の含水率が80%を若干下回る程度に留まる。
【0061】
表2は、処理する汚泥として消化汚泥および混合生汚泥を用いて脱水処理した場合の遠心分離機の運転条件、無機凝集剤注入率、脱水性能などを示した表である。
【0062】
【表2】

【0063】
制御器40は、例えば、表2に示す実験結果を反映しているテーブル(無機凝集剤の注入率と脱水汚泥の含水率との対応関係を示すテーブル)を備えており、例えば、汚泥処理施設の操作員等が、所望する脱水汚泥の含水率を入力すると(例えば、制御器40には、含水率を入力するボタン等の入力インタフェースを備えている)、そのテーブルを参照することで、入力された脱水汚泥の含水率に対応する無機凝集剤の注入率を特定し、その注入率を目標注入率に設定する。
【0064】
例えば、消化汚泥を脱水処理する場合、所望する脱水汚泥の含水率が75〜76%であれば、無機凝集剤の目標注入率を概ね16(%/TS)に設定し、所望する脱水汚泥の含水率が72%前後であれば、無機凝集剤の目標注入率を概ね29(%/TS)に設定する(表2を参照)。
【0065】
例えば、1次補間で、無機凝集剤の目標注入率を算出する場合には、下記の式(1)を用いて算出することもできる。
b=[(a−ai)×bi+1−(a−ai+1)×bi]/(ai+1−ai) (1)
ただし、aは入力された脱水汚泥の含水率であり、bは入力された脱水汚泥の含水率に対応する無機凝集剤の目標注入率である。
【0066】
また、aiはテーブルに記録されている脱水汚泥の含水率の中で、入力された脱水汚泥の含水率より小さい含水率、ai+1はテーブルに記録されている脱水汚泥の含水率の中で、入力された脱水汚泥の含水率より大きい含水率である。
【0067】
また、biは含水率aiに対応する無機凝集剤の注入率であり、bi+1は含水率ai+1に対応する無機凝集剤の注入率である。
【0068】
例えば、脱水汚泥の含水率として、73.4%(このときの注入率は24.0(%/TS))と、75.5%(このときの注入率は16.0(%/TS))がテーブルに記録されているとき、入力された脱水汚泥の含水率が74.0%であれば、無機凝集剤の目標注入率bは、下記のようになる。
b=[(74.0−73.4)×16.0−(74.0−75.5)×24.0]
/(75.5−73.4)
=18.3%
【0069】
制御器40は、無機凝集剤の目標注入率が設定されると、内胴スクリュウ4の汚泥供給室7内に注入される無機凝集剤の注入率(%/TS)が無機凝集剤の目標注入率と一致するように、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を制御するか、または開閉弁26の開度を制御する。
【0070】
このとき、流量計25や汚泥供給管14に配設されている流量計や汚泥濃度計(図示せず)などを参照すれば、機内注入されている無機凝集剤の注入率(%/TS)を精密に把握することができる。
【0071】
ここでは、制御器40が、機内注入される無機凝集剤の注入率(%/TS)が、無機凝集剤の目標注入率と一致するように、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するものを示したが、例えば、無機凝集剤の目標注入率と無機凝集剤注入ポンプ24の回転数との対応関係がテーブルに記録されているような場合には、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数が、無機凝集剤の目標注入率に対応する回転数と一致するように制御すればよい。
【0072】
例えばより簡便に、汚泥処理施設の操作員等が、脱水汚泥搬出機周りで脱水汚泥の含水率を測定し、その測定結果に応じて、制御器40または無機凝集剤ポンプ24の調節器(例えば、ダイヤルやツマミなど)を手動で調整することで、無機凝集剤の注入率(%/TS)を制御するようにしてもよい。
【0073】
また、制御器40が、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御することで、機内注入される無機凝集剤の注入率(%/TS)を制御するものを示したが、無機凝集剤の注入率(%/TS)を制御することは、無機凝集剤の注入量を制御することと等価である。
【0074】
以上の説明から明らかなように、この実施の形態1によれば、無機凝集剤吐出孔23aを有すると共に内胴スクリュウ4内を延伸し、スクリュウ羽根4cによって脱水汚泥排出口2bへ移送される固液分離が進んだ凝集汚泥(分離汚泥)に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管23と、無機凝集剤注入管23に設けられた無機凝集剤注入ポンプ24と、脱水汚泥排出口2bから排出された脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機30と、無機凝集剤の注入量を制御する制御器40とを備えるように構成したので、脱水汚泥の低含水率化を安定して確実に達成することができるだけでなく、所望の(脱水汚泥の処理・処分を効率よく好適に行える)含水率の脱水汚泥を容易に得ることができるという優れた効果を奏する。
【0075】
即ち、制御器40が無機凝集剤の注入量を制御することで、70%以下の低含水率の脱水汚泥を得ることができると共に、脱水汚泥の含水率を適正に、且つ10%以上(例えば、60%台後半から80%台前半まで)の広い範囲にわたり調整できる効果を奏する。
【0076】
ちなみに従来の遠心脱水装置では、遠心分離機の運転条件、高分子凝集剤の種類、注入量などを適宜変更するなどの様々な操作や工夫を施すことで、脱水汚泥の含水率を所望の値に近付けているが、そのような操作や工夫をしようとも、70%以下の低含水率の脱水汚泥を得ることはできず、もちろん60%台後半から80%台前半までの広い範囲で脱水汚泥の含水率を調整することも不可能であった。
【0077】
この実施の形態1によれば、前記制御器40が無機凝集剤の注入量を制御することにより、脱水汚泥の含水率を広範囲で調整することができるため、汚泥処理施設での作業性や経済性を大幅に改善することができる効果を奏する。
【0078】
また、本発明にかかる遠心分離装置は、新規製造に限らず、既存の遠心分離機の改造および制御器の配設により、上記した優れた効果が得られ、安価で簡便な改造等で効率的な汚泥の脱水処理が実現できる。
【0079】
汚泥処理施設の都合等(例えば、処理・処分先の状況、ランニングコスト、既存の機械設備)により、70%以下というとても低い含水率の脱水汚泥を希望しない場合には、季節や排水処理施設の運転状況により、脱水する汚泥の性状や処理量が変動しても、無機凝集剤の注入量(率)を自在に変化(0%〜100%)させることで、遠心脱水装置の使用者の所望する含水率の脱水汚泥を効率よく確実に得ることができ、幅広く対応(汚泥脱水処理)することができる。加えて、汚泥への無機凝集剤の注入量が適切且つ速やかに制御されるので、無機凝集剤の使用量が節約され、ランニングコストの低減に寄与することもできる。
【0080】
さらに、無機凝集剤の注入を行わなければ(0%)、1液調質法として従来の遠心脱水装置と同様に運転する(80%前後の含水率の脱水汚泥を得る)ことも可能である。
【0081】
また、無機凝集剤の注入量を制御する制御器40を備えることで、無機凝集剤の注入量を容易に且つ確実に調整することができ、所望の含水率の脱水汚泥を得る際に、無機凝集剤の無駄な注入が避けられるため、無機凝集剤の使用量を確実に節約することができ、ランニングコストの削減に有効である。
【0082】
この実施の形態1では、無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aによる無機凝集剤の機内注入が1箇所である構成としたが、機内注入の箇所は1箇所に限るものではなく、2箇所以上であってもよい。同様に、仕切板8や凝集剤流出口7bも2つ以上設けてもよい。
【0083】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2による遠心分離装置を示す断面図である。
上記実施の形態1では、外胴ボウル3の脱水汚泥排出側に形成されているテーパ部が2段テーパ3b,3cとして形成されているものを示したが、実施の形態2では図2に示すように、外胴ボウル3の脱水汚泥排出側に形成されているテーパ部が1段テーパ3dとして形成されていてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0084】
また、上記実施の形態1では、制御器40が、機内注入される無機凝集剤の注入率(%/TS)が無機凝集剤の目標注入率と一致するように、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するものを示したが、図2に示すように、例えば、脱水汚泥移送機30に接続されている脱水汚泥移送管47に含水率計41(常時または間欠的に移送される脱水汚泥の含水率を計測する計測器)が設置されている場合、制御器42は、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率が無機凝集剤の目標注入率と一致するように、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0085】
なお、含水率計41は、マイクロ波方式、赤外線吸収方式、高周波方式などを用いることができるが、これに限るものではなく、確実に脱水汚泥の含水率を計測できる機器であればよい。また、脱水汚泥の含水率の計測は、上記したように、脱水汚泥移送機30として圧送ポンプを用いた場合には、脱水汚泥移送管47に含水率計41を設け、脱水汚泥移送管47内を圧送される脱水汚泥の含水率を計測すればよく、また脱水汚泥移送機30としてスクリューコンベアやベルトコンベアを用いた場合には、スクリューコンベアやベルトコンベアに含水率計41を設け、移送される脱水汚泥の含水率を計測すればよいが、これに限るものではなく、確実に脱水汚泥の含水率を含水率計で計測できる構造であればよい。
【0086】
ここで、図3は、この発明の実施の形態2による遠心分離装置の制御器42における処理内容を示すフローチャートである。
【0087】
実負荷運転が開始されると(ステップST1)、上記実施の形態1と同様に、汚泥貯留槽11に貯留されている汚泥が(例えば、濃度3.13〜3.29%の混合生汚泥)、汚泥供給ポンプ15によって、遠心分離機1の汚泥供給室7に供給される。
【0088】
また、高分子凝集剤タンク12に貯留されている高分子凝集剤が、高分子凝集剤供給ポンプ17によって、汚泥供給管14に供給され、無機凝集剤タンク13に貯留されている無機凝集剤が、無機凝集剤注入ポンプ24によって、無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aから機内注入される。
【0089】
実負荷運転が開始された当初は、無機凝集剤注入ポンプ24によって機内注入される無機凝集剤の注入率(注入量)が制御器42によって制御されず、例えば、予め設定されている注入量(予め設定されている注入量が0の場合もある)が機内注入される。
【0090】
実負荷運転が開始されてから所定の時間が経過すると、即ち、実負荷運転の開始時に無機凝集剤流量制御開始待タイマ(図示せず)のカウントが開始されて、そのカウント値が設定値に至ると(ステップST2)、制御器42が、例えば、汚泥処理施設の操作員等により入力された脱水汚泥の含水率(目標の含水率)の設定を受け付け(ステップST3)、その後無機凝集剤注入率(量)の初期値を入力する(ステップST4)。この場合、事前に無機凝集剤注入率(量)と含水率の相関関係を確認しておくことが望ましい。
【0091】
制御器42は、無機凝集剤の注入率の初期値を設定すると、その値にしたがって無機凝集剤溶液を注入し、無機凝集剤溶液の注入率(注入量)の制御を開始する(ステップST5)。
制御器42は、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率を収集して(ステップST6)、その含水率と目標含水率を比較し、両者が一致しているか否かを判定する(ステップST7)。
このとき、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率と目標含水率が完全に一致していない場合でも、両者の差分が許容範囲内(例えば、目標含水率の±1%以内)であれば、両者が一致していると判断するようにしてもよい。
【0092】
制御器42は、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率が目標含水率と一致していると判断すると、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数や開閉弁26の開度を変更せずに、現在の運転状態を維持する。
制御器42は、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率が目標含水率と一致していないと判断すると、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率が、目標含水率より高ければ(ステップST8)、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を上げる制御(または、開閉弁26の開度を上げる制御)を実施する(ステップST9)。
一方、含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率が、目標含水率より低ければ、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を下げる制御(または、開閉弁26の開度を下げる制御)を実施する(ステップST10)。
【0093】
実負荷運転が終了するまで、ステップST6〜ST10の処理が繰り返し実施される(ステップST11)。ただし、実負荷運転中に、所望の含水率の変更要求が入力された場合には、再度、ステップST4で、初期注入率(量)が設定される。
【0094】
以上の説明で明らかなように、この実施の形態2によれば、脱水汚泥の含水率を計測する含水率計41を備え、制御器42が含水率計41により計測された含水率に基づいて、無機凝集剤注入ポンプ24の運転等を制御するように構成したので、迅速かつ正確に所望の含水率の脱水汚泥を得ることができると共に、無駄な無機凝集剤の使用を防止して、コストの削減を図ることができる効果を奏するなど実施の形態1と同様に優れた効果が得られる。
【0095】
この実施の形態2では、制御器42が含水率計41により計測された脱水汚泥の含水率に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するものを示したが、無機凝集剤の注入量の精度を高めるために、流量計25の計測値を考慮して、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0096】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による遠心分離装置を示す断面図であり、図において、図1および図2と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0097】
圧力計43は、例えば脱水汚泥移送機30に接続されている脱水汚泥移送管47に設置されており、常時または間欠的に移送される脱水汚泥の移送圧力を計測する。
【0098】
制御器44は、予め脱水汚泥の移送圧力と脱水汚泥の含水率との対応関係を示すテーブルを記録しており、そのテーブルを参照して、圧力計43により計測された移送圧力に対応する含水率を特定し、その含水率が、無機凝集剤の目標注入率と一致するように、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御する。
【0099】
なお、図4の遠心分離装置では、テーパ部が2段テーパ3b,3cであり、圧力計43と制御器44を適用することにより、幅広い範囲において遠心脱水装置の使用者の所望する含水率の脱水汚泥を効率よく確実に得ることができる。
【0100】
図5は、この発明の実施の形態3による遠心分離装置の制御器44における処理内容を示すフローチャートである。
【0101】
表3は、無機凝集剤の注入率(%/TS)と脱水汚泥の移送圧力との関係を示すグラフである。表3の例では、脱水処理する汚泥として、消化汚泥である場合と混合生汚泥である場合を示している。
【0102】
【表3】

【0103】
表3に示すように、機内注入する無機凝集剤の注入率(%/TS)と脱水汚泥の移送圧力とは相関関係があり、無機凝集剤の注入量が増加すれば、脱水汚泥の移送圧力も上昇して、無機凝集剤の注入量が減少すれば、脱水汚泥の移送圧力も低下する。この相関関係は、高分子凝集剤の種類や注入量には、ほとんど影響を受けずに成立する。
【0104】
表4は、処理する汚泥として消化汚泥および混合生汚泥を用いて脱水処理した場合の遠心分離機の運転条件、無機凝集剤注入率、脱水性能、移送圧力などを示した表であり、また表5(a)は、その際の脱水汚泥の含水率と脱水汚泥の移送圧力との関係を示した表であり、表5(b)は、その関係を示したグラフである。
【0105】
【表4】

【0106】
【表5】

【0107】
次に動作について説明する。
実負荷運転が開始されると(ステップST11)、上記実施の形態1と同様に、汚泥貯留槽11に貯留されている汚泥が、汚泥供給ポンプ15によって、遠心分離機1の汚泥供給室7に供給される。
【0108】
また、高分子凝集剤タンク12に貯留されている高分子凝集剤が、高分子凝集剤供給ポンプ17によって、汚泥供給管14に供給され、無機凝集剤タンク13に貯留されている無機凝集剤が、無機凝集剤注入ポンプ24によって、無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aから機内注入される。
【0109】
実負荷運転が開始された当初は、無機凝集剤注入ポンプ24によって機内注入される無機凝集剤の注入率(注入量)が制御器44によって制御されず、例えば、予め設定されている注入量(予め設定されている注入量が0の場合もある)だけ機内注入される。
【0110】
実負荷運転が開始されてから所定の時間が経過すると、即ち、実負荷運転の開始時に無機凝集剤流量制御開始待タイマ(図示せず)のカウントが開始されて、そのカウント値が設定値に至ると(ステップST12)、制御器44が、例えば、汚泥処理施設の操作員等により入力された脱水汚泥の含水率(目標の含水率)の設定を受け付け(ステップST13)、その後無機凝集剤注入率(量)の初期値を入力する(ステップST14)。この場合、事前に無機凝集剤注入率(量)と含水率の相関関係を確認しておくことが望ましい。
【0111】
制御器42は、無機凝集剤注入率の初期値を設定すると、その値にしたがって無機凝集剤溶液を注入し、無機凝集剤溶液の注入率(注入量)の制御を開始する(ステップST15)。
【0112】
また、制御器44は、圧力計43により計測された脱水汚泥の移送圧力を収集し(ステップST16)、テーブル(脱水汚泥の移送圧力と脱水汚泥の含水率との対応関係を示すテーブル)を参照して、その移送圧力に対応する脱水汚泥の含水率を特定する(ステップST17)。
【0113】
例えば、制御器44が、表4に示す実験結果を反映しているテーブル(表5(a)および(b)を参照)を備えている場合、圧力計43により計測された脱水汚泥の移送圧力が4.0MPaであれば、脱水汚泥の含水率が概ね70%であると特定し、脱水汚泥の移送圧力が3.2MPaであれば、脱水汚泥の含水率が71〜72%であると特定する。
【0114】
ただし、圧力計43により計測された脱水汚泥の移送圧力がテーブルに記録されていない場合、例えば、1次補間等の演算を行うことで、脱水汚泥の含水率を特定する。
【0115】
制御器44は、圧力計43により計測された移送圧力に対応する脱水汚泥の含水率を特定すると、その含水率と目標含水率を比較し、両者が一致しているか否かを判定する(ステップST18)。
【0116】
このとき、移送圧力に対応する含水率と目標含水率が完全に一致していない場合でも、両者の差分が許容範囲内(例えば、目標含水率の±1%以内)であれば、両者が一致していると判断するようにしてもよい。
【0117】
制御器44は、移送圧力に対応する脱水汚泥の含水率が目標含水率と一致していると判断すると、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数や開閉弁26の開度を変更せずに、現在の運転状態を維持する。
【0118】
制御器44は、移送圧力に対応する含水率が目標含水率と一致していないと判断すると、移送圧力に対応する脱水汚泥の含水率が、目標含水率より高ければ(ステップST19)、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を上げる制御(または、開閉弁26の開度を上げる制御)を実施する(ステップST20)。
【0119】
一方、移送圧力に対応する含水率が、目標含水率より低ければ、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を下げる制御(または、開閉弁26の開度を下げる制御)を実施する(ステップST21)。
【0120】
実負荷運転が終了するまで、ステップST15〜ST20の処理が繰り返し実施される(ステップST22)。ただし、実負荷運転中に、所望の含水率の変更要求が入力された場合には、再度、ステップST14で、初期注入率(量)が設定される。
【0121】
以上の説明で明らかなように、この実施の形態3によれば、脱水汚泥の移送圧力を計測する圧力計43を備え、制御器44が圧力計43により計測された移送圧力に対応する含水率を特定し、その含水率に基づいて、無機凝集剤注入ポンプ24の運転等を制御するように構成したので、迅速かつ正確に所望の含水率の脱水汚泥を得ることができると共に、無駄な無機凝集剤の使用を防止して、コストの削減を図ることができる効果を奏するなど実施の形態1と同様に優れた効果が得られる。
【0122】
この実施の形態3では、制御器44がテーブルを参照して、圧力計43により計測された移送圧力に対応する含水率を特定し、その含水率が目標注入率と一致しているか否かを判定するものを示したが、制御器44がテーブルを参照して、目標注入率に対応する移送圧力(目標圧力)を特定し、その目標圧力と圧力計43により計測された移送圧力との一致の如何に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0123】
また、この実施の形態3では、汚泥処理施設の操作員等により入力された所望の脱水汚泥の含水率から無機凝集剤の目標注入率を設定するものを示したが、汚泥処理施設の操作員等により所望の移送圧力が入力された場合には、その移送圧力を目標圧力に設定し、その目標圧力と圧力計43により計測された移送圧力との一致の如何に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0124】
また、この実施の形態3では、制御器44が圧力計43により計測された移送圧力に対応する含水率に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するものを示したが、無機凝集剤の注入量の精度を高めるために、流量計25の計測値を考慮して、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0125】
この実施の形態3では、無機凝集剤注入管23に2つの無機凝集剤吐出孔23a,23bを設け無機凝集剤の機内注入が2箇所である構成としたが、機内注入の箇所は2箇所に限るものではなく、1箇所であっても、3箇所以上であってもよい。また、仕切板(8a,8b)や凝集剤流出口(7b,7c)も1つまたは2つ以上設けてもよい。
【0126】
なお、圧力計43は、通常用いられている圧力計で、脱水汚泥の移送圧力を計測できるものであればよい。また、脱水汚泥の移送圧力の計測は、脱水汚泥移送機30として圧送ポンプを用いた場合には、上記したように、脱水汚泥移送管47に圧力計43を設け、脱水汚泥移送管47内を圧送される脱水汚泥の移送圧力を計測すればよく、また圧送ポンプに取り付けられている圧力計で吐出圧力を計測してもよく、要は確実に脱水汚泥の移送に関する圧力を圧力計で計測できる構造であればよい。
【0127】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4による遠心分離装置を示す断面図であり、図において、図1、図2および図4と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0128】
電流計45は、例えば脱水汚泥移送機30(例えば、圧送ポンプ、スクリューコンベア、ベルトコンベアなど)を駆動する駆動機31に接続されており、常時または間欠的に脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機30の駆動機31の電流を計測する。
【0129】
制御器46は、予め脱水汚泥移送機30を駆動する駆動機31の電流と脱水汚泥の含水率との対応関係を示すテーブルを記録しており、そのテーブルを参照して、電流計45により計測された電流に対応する含水率を特定し、その含水率が、無機凝集剤の目標注入率と一致するように、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御する。
【0130】
図7は、この発明の実施の形態4による遠心分離装置の制御器46における処理内容を示すフローチャートである。
【0131】
表6は、無機凝集剤の注入率(%/TS)と脱水汚泥移送機30(例えば、スクリューコンベア)を駆動する駆動機31の電流との関係を示すグラフである。表6の例では、脱水処理する汚泥として、消化汚泥である場合と混合生汚泥である場合を示している。
【0132】
【表6】

【0133】
表6に示すように、機内注入する無機凝集剤の注入率(%/TS)と脱水汚泥移送機30を駆動する駆動機31の電流は相関関係があり、無機凝集剤の注入量が増加すれば、駆動機31の電流も上昇して、無機凝集剤の注入量が減少すれば、駆動機31の電流も低下する。この相関関係は、高分子凝集剤の種類や注入量には、ほとんど影響を受けずに成立する。
【0134】
表7は、処理する汚泥として消化汚泥および混合生汚泥を用いて脱水処理した場合の遠心分離機の運転条件、無機凝集剤注入率、脱水性能、駆動機の電流値などを示した表であり、また表8は、その際の脱水汚泥の含水率と駆動機の電流値との関係を示した表である。
【0135】
【表7】

【0136】
【表8】

【0137】
表6乃至8より、脱水汚泥の含水率が下がるほど駆動機31の電流は上昇(移送負荷が増大)し、脱水汚泥の含水率が上がるほど駆動機31の電流は下降(移送負荷が低減)していること(相関)が示されている。
【0138】
次に動作について説明する。
実負荷運転が開始されると(ステップST31)、上記実施の形態1と同様に、汚泥貯留槽11に貯留されている汚泥が、汚泥供給ポンプ15によって、遠心分離機1の汚泥供給室7に供給される。
【0139】
また、高分子凝集剤タンク12に貯留されている高分子凝集剤が、高分子凝集剤供給ポンプ17によって、汚泥供給管14に供給され、無機凝集剤タンク13に貯留されている無機凝集剤が、無機凝集剤注入ポンプ24によって、無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aから機内注入される。
【0140】
実負荷運転が開始された当初は、無機凝集剤注入ポンプ24によって機内注入される無機凝集剤の注入率(注入量)が制御器46によって制御されず、例えば、予め設定されている注入量(予め設定されている注入量が0の場合もある)だけ機内注入される。
【0141】
実負荷運転が開始されてから所定の時間が経過すると、即ち、実負荷運転の開始時に無機凝集剤流量制御開始待タイマ(図示せず)のカウントが開始されて、そのカウント値が設定値に至ると(ステップST32)、制御器46が、例えば、汚泥処理施設の操作員等により入力された脱水汚泥の含水率(目標の含水率)の設定を受け付け(ステップST33)、その後無機凝集剤注入率(量)の初期値を入力する(ステップST34)。この場合、事前に無機凝集剤注入率(量)と含水率の相関関係を確認しておくことが望ましい。
【0142】
制御器46は、無機凝集剤注入率の初期値を設定すると、その値にしたがって無機凝集剤溶液を注入し、無機凝集剤溶液の注入率(注入量)の制御を開始する(ステップST35)。
【0143】
また、制御器46は、電流計45により計測された電流値を収集し(ステップST36)、テーブル(駆動機31の電流と脱水汚泥の含水率との対応関係を示すテーブル)を参照して、その電流値に対応する脱水汚泥の含水率を特定する(ステップST37)。
【0144】
例えば、制御器46が、表7に示す実験結果を反映しているテーブル(表8を参照)を備えている場合、電流計45により計測された電流値が11.9Aであれば、脱水汚泥の含水率が概ね70%であると特定し、その電流値が10.5Aであれば、脱水汚泥の含水率が71〜72%であると特定する。
【0145】
ただし、電流計45により計測された電流値がテーブルに記録されていない場合、例えば、1次補間等の演算を行うことで、脱水汚泥の含水率を特定する。
【0146】
制御器46は、電流計45により計測された電流値に対応する脱水汚泥の含水率を特定すると、その含水率と目標含水率を比較し、両者が一致しているか否かを判定する(ステップST38)。
【0147】
このとき、電流計45により計測された電流値に対応する含水率と目標含水率が完全に一致していない場合でも、両者の差分が許容範囲内(例えば、目標注入率の±1%以内)であれば、両者が一致していると判断するようにしてもよい。
【0148】
制御器46は、電流計45により計測された電流値に対応する脱水汚泥の含水率が目標含水率と一致していると判断すると、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数や開閉弁26の開度を変更せずに、現在の運転状態を維持する。
【0149】
制御器46は、電流計45により計測された電流値に対応する含水率が目標含水率と一致していないと判断すると、電流計45により計測された電流に対応する脱水汚泥の含水率が、無機凝集剤の目標注入率より高ければ(ステップST39)、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を上げる制御(または、開閉弁26の開度を上げる制御)を実施する(ステップST40)。
【0150】
一方、電流計45により計測された電流値に対応する含水率が、無機凝集剤の目標含水率より低ければ、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数を下げる制御(または、開閉弁26の開度を下げる制御)を実施する(ステップST41)。
【0151】
実負荷運転が終了するまで、ステップST35〜ST40の処理が繰り返し実施される(ステップST42)。ただし、実負荷運転中に、所望の含水率の変更要求が入力された場合には、再度、ステップST34で、初期注入率(量)が設定される。
【0152】
以上の説明で明らかなように、この実施の形態4によれば、脱水汚泥移送機30を駆動する駆動機31の電流を計測する電流計45を備え、制御器46が電流計45により計測された電流値に対応する含水率を特定し、その含水率に基づいて、無機凝集剤注入ポンプ24の運転等を制御するように構成したので、迅速かつ正確に所望の含水率の脱水汚泥を得ることができると共に、無駄な無機凝集剤の使用を防止して、コストの削減を図ることができる効果を奏するなど実施の形態1と同様に優れた効果が得られる。
【0153】
この実施の形態4では、制御器46がテーブルを参照して、電流計45により計測された電流値に対応する含水率を特定し、その含水率が目標注入率と一致しているか否かを判定するものを示したが、制御器46がテーブルを参照して、目標注入率に対応する電流(目標電流)を特定し、その目標電流と電流計45により計測された電流値との一致の如何に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0154】
また、この実施の形態4では、汚泥処理施設の操作員等により入力された所望の脱水汚泥の含水率から無機凝集剤の目標注入率を設定するものを示したが、汚泥処理施設の操作員等により所望の電流値が入力された場合には、その電流値を目標電流に設定し、その目標電流と電流計45により計測された電流値との一致の如何に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0155】
また、この実施の形態4では、制御器46が電流計45により計測された電流値に対応する含水率に応じて無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するものを示したが、無機凝集剤の注入量の精度を高めるために、流量計25の計測値を考慮して、無機凝集剤注入ポンプ24の回転数等を制御するようにしてもよい。
【0156】
なお、電流計45は、通常用いられている電流計で、脱水汚泥移送機30の駆動機31の電流を計測できるものであればよい。また、脱水汚泥移送機30の駆動機31の電流の計測は、上記したように脱水汚泥移送機30として圧送ポンプを用いた場合には、ポンプを駆動する駆動機に電流計を設け(駆動機に電流計が付属している場合にはこの電流計を流用)、駆動機の電流を計測すればよく、また脱水汚泥移送機30としてスクリューコンベアやベルトコンベアを用いた場合には、スクリューコンベアやベルトコンベアを駆動する回転駆動機に電流計を設け(回転駆動機に電流計が付属している場合にはこの電流計を流用)、駆動機の電流を計測してもよく、要は確実に脱水汚泥移送機30の駆動機31の電流を電流計43で計測できる構造であればよい。
【0157】
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5による遠心分離装置を示す断面図であり、図において、図1、図2、図4および図6と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
上記実施の形態1〜4では、内胴スクリュウ4に配設された汚泥供給室7内へ無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管23が設けられているものを示したが、実施の形態5では、図8に示すように、無機凝集剤供給管20を汚泥供給管14に接続することで、予め、無機凝集剤を脱水処理する汚泥に注入(前段注入)する構成とした。
【0158】
この実施の形態5では、良好で排水処理も視野に入れたトータル的な汚泥脱水処理を行うため、制御器40が、無機凝集剤注入ポンプ24と共に、無機凝集剤供給ポンプ21の回転数を制御するようにしてもよい(制御方法は、無機凝集剤注入ポンプ24の制御方法を適用してもかまわない)。
【0159】
図8では、上記実施の形態1における制御器40を適用している例を示しているが、上記実施の形態2〜4における制御器42,44,46および含水率計41、圧力計43、電流計45を適用してもよい。
【0160】
予め、汚泥に無機凝集剤が供給されていない場合や、汚泥と注入された無機凝集剤が十分に反応できない場合、脱水分離液の清澄性(SS回収率)が悪くなったり、汚泥に含まれるリンが除去されずに脱水分離液へ移行してリン濃度が高くなったりするなど、脱水分離液の水質が悪化することがある。これにより、脱水分離液が移送される排水処理施設での汚濁負荷が増大し、排水処理に支障を来たすことになる。
このため、この実施の形態5では、予め汚泥に無機凝集剤を前段注入する構造の遠心分離装置を示している。
【0161】
具体的には、以下の通りである。
図8の遠心分離装置では、無機凝集剤の前段注入手段として、無機凝集剤タンク13から伸びている無機凝集剤供給管20を汚泥供給管14(例えば、高分子凝集剤供給管16の接続部より汚泥貯留槽11側)に接続している。なお、無機凝集剤供給管20には、無機凝集剤供給ポンプ21、流量計22および開閉弁27を配設している。
【0162】
また、無機凝集剤供給管20は、無機凝集剤を機内注入する無機凝集剤注入管23(無機凝集剤タンク13と無機凝集剤注入ポンプ24との間)から分岐させてもよく、直接無機凝集剤タンク13から延伸させてもよい。要は、無機凝集剤を汚泥に前段注入し、分離汚泥に機内注入することができる構造であればよく、それぞれ専用の無機凝集剤タンクを配してもかまわない。
【0163】
この実施の形態5では、無機凝集剤の機内注入手段としての無機凝集剤注入管23とは別に、無機凝集剤の前段注入手段として無機凝集剤供給管20を配設し、それぞれに無機凝集剤注入ポンプ24および無機凝集剤供給ポンプ21を個々に設けて、無機凝集剤を機内注入と共に前段注入できるように構成されている。そのため、その後に供給される高分子凝集剤との相乗効果により、大きく強固な凝集フロックを生成することができ、遠心分離機1での固液分離性能を一層高めることができる。また、脱水分離液の清澄性が良化(SS回収率の向上)したり、脱水分離液からリン(富栄養化物質)が除去できたりするなど、脱水分離液の水質が向上し、さらに、無機凝集剤注入管23から無機凝集剤が注入(機内注入)されることで、飛躍的に脱水汚泥の含水率を低下させるという優れた効果を奏する。
【0164】
上記実施の形態1〜4では、高分子凝集剤タンク12に接続されている高分子凝集剤供給管16によって、高分子凝集剤タンク12に貯留されている高分子凝集剤が、汚泥供給管14に供給されるものを示したが、実施の形態5では、以下のような構造とした。
【0165】
高分子凝集剤タンク12に接続されている高分子凝集剤供給管16は、汚泥供給管14と並行して、内胴スクリュウ4に配設された汚泥供給室7内に延伸している。そして、汚泥と共に高分子凝集剤は、高分子凝集剤供給管16に設けられた開口から汚泥供給室7内へ供給され、汚泥と混合する構造となっている。
なお、高分子凝集剤供給管16には、実施の形態1〜4と同様に、高分子凝集剤供給ポンプ17、流量計18および開閉弁19が配設されている。
【0166】
このような構造とすることにより、汚泥と高分子凝集剤とが混合して生成する大きな凝集フロック(凝集汚泥)が、汚泥供給室7から汚泥供給口7aを介して即座に遠心効果を強く受けるプール10に流出して、効率よく固液分離することができる。
【0167】
実施の形態6.
図9は、この発明の実施の形態6による遠心分離装置を示す断面図であり、図において、図1、図2、図4、図6および図8と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図9に示すように、無機凝集剤注入管23に給水管50を接続する構造とした。
以下、給水管50を接続したものについて説明する。
【0168】
無機凝集剤を機内注入する無機凝集剤注入管23の開閉弁26より下流側(遠心分離機2側)に給水管50が接続しており、この給水管50には開閉弁51および給水ポンプ52が配設されている。
【0169】
給水管50によって、連続してまたは間欠的に無機凝集剤注入管23に給水されるが、給水する目的は、主に遠心分離機1を運転している際の機内注入される無機凝集剤の希釈および遠心分離機1を停止させる際の洗浄である。
【0170】
まず遠心分離機1の洗浄については、通常遠心分離機1が稼動(濃縮処理・脱水処理)を停止する際に、洗浄水を汚泥供給管14に供給して、汚泥供給管14と共に遠心分離機1内の汚泥供給室7やプール10等を洗浄する。
【0171】
しかしながら、このような洗浄は、遠心分離機内に残存する汚泥の排除(汚泥の清掃)が主目的であり、無機凝集剤注入系統の洗浄(特に付着固化し易い無機凝集剤の洗い流し)を十分に行うことができない。特に、本発明に係る遠心分離装置の場合、無機凝集剤注入管23の無機凝集剤吐出孔23aや凝集剤流出口7bは、汚泥供給室7内に設けられた仕切板8により仕切られていることもあって、通常の洗浄では、汚泥の清掃や無機凝集剤の洗い流しを十分に行うことができない。
【0172】
そこで、安定した遠心分離処理や機器の保守管理のために、無機凝集剤注入管23に給水管50を接続して給水し、凝集剤注入系統(主に無機凝集剤注入管23、無機凝集剤吐出孔23a、凝集剤流出口7b)等を確実に且つ十分に洗浄することができるようにしている。
【0173】
そして機内注入される無機凝集剤の希釈については、無機凝集剤の機内注入、つまり無機凝集剤を分離汚泥へ注入する場合、無機凝集剤注入管23による無機凝集剤注入率を例えば500ppmとすると、供給する汚泥1mに対して500mL程度の僅かな注入量にしかならない。
【0174】
また、機械設備の小型化や取扱いの面から無機凝集剤を高濃度の原液のまま直接注入する場合、さらに注入量は僅かになってしまう。
このような場合、機内注入された無機凝集剤が速やかに分離汚泥に行き渡り、効率よく混合することが困難になり、局所的な無機凝集剤の注入となり、十分に分離汚泥を固液分離することができなくなり、脱水汚泥の低含水率化に支障を来たしかねない。
【0175】
そこで、無機凝集剤注入管23に給水管50を接続して給水し、機内注入される無機凝集剤を希釈(通常の2〜10倍に希釈)して増量させるように構成した。
これにより、プール10内でスクリュウ羽根4cによって脱水汚泥排出口2bへ移送される固液分離が進んだ凝集汚泥(分離汚泥)に対して、無機凝集剤を確実に、且つ広範囲に注入でき、無機凝集剤が速やかに満遍なく行き渡って分離汚泥と混合されるため、良好な脱水性能が得られ、より一層分離汚泥を脱水できて、脱水汚泥を十分に低含水率化することができる。なお、給水は遠心分離機が稼動しているときは連続して行ってもよく、また脱水処理状況に応じて適宜(間欠的に)行ってもよい。
【0176】
なお、無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管23は、通常、パイプ形状で汚泥供給管14の内部を汚泥供給管14と共に延伸する二重管構造とし、汚泥供給室7内で開口する無機凝集剤吐出孔23aから凝集剤流出口7bを介してプール10(主にテーパ部)の分離汚泥へ希釈された無機凝集剤を流出させる構造となっている。また、汚泥供給管14の先端は、汚泥供給室7内で開口する汚泥供給管開口が形成されている。なお、二重管構造にかぎるものではなく、汚泥供給管14と無機凝集剤注入管23とを別々に配設したりしてもよく、二重管構造に限るものではない。
【0177】
無機凝集剤注入管23内を流れる無機凝集剤は、給水管50からの給水により希釈されて増量し、凝集剤流出口7bから迅速かつ広範囲に分離汚泥に注入され、分離汚泥と無機凝集剤とが効率よく接触して反応するため、無機凝集剤の無駄(浪費)を防止でき、効率的な脱水処理が可能になる。
【0178】
なお、無機凝集剤注入管23への給水は、遠心分離機1の運転中は連続して行ってもよく、また脱水処理状況に応じて適宜(間欠的に)行ってもよい。また、遠心分離機1の運転中に給水を常時行うと、無機凝集剤の付着固化を抑制でき、目詰りによる閉塞の防止や装置の長寿命化に貢献することもできる。
【0179】
実施の形態7.
図10は、この発明の実施の形態7による遠心分離装置を示す概略図であり、図において、図1、図2、図4、図6、図8および図9と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図10の遠心脱水装置では、3台の遠心分離機1A,1B,1Cが配置され、各遠心分離機から排出される脱水汚泥は搬送機60(例えば、ベルトコンベアや有軸か無軸のスクリューコンベアなど)で一括搬送され、脱水汚泥を貯留する汚泥ホッパ61に送られる構造となっている。また、各遠心分離機へは、汚泥貯留槽11から汚泥供給管14を介して汚泥が供給されると共に高分子凝集剤が供給され(図示せず)、それぞれ無機凝集剤注入管23A,23B,23Cおよび無機凝集剤注入ポンプ24A,24B,24Cにより、無機凝集剤が機内注入されるようになっている。
【0180】
そして、この実施の形態7では、搬送機60で一括搬送される脱水汚泥の一部を、連続的にまたは間欠的に分取(例えば、搬送機60の搬送路に分取口や分取岐路などを設けて分取)して、分取した脱水汚泥を汚泥移送機30に供給する。そして、実施の形態2で詳述したように、汚泥移送機30に供給された脱水汚泥の含水率を計測し、この含水率計測値に基づき制御器48で無機凝集剤注入ポンプ24A,24B,24Cを制御して、脱水汚泥の含水率を調整する。なお、分取した脱水汚泥は、脱水汚泥移送機30や脱水汚泥移送管47を介して搬送機60に返送したり、直接汚泥ホッパに移送したりしてもよく、また別途処理・処分してもかまわない。
【0181】
このような構造とすることにより、多数の遠心分離機が配置されている大型の汚泥処理施設においても、簡便に脱水汚泥の低含水率化を安定して確実に達成することができるだけでなく、所望の(脱水汚泥の処理・処分を効率よく好適に行える)含水率の脱水汚泥を容易に得ることができ、とくに脱水汚泥の含水率を用途(処分方法)に応じて、容易に広い範囲にわたり調整することができるため、施設規模にかかわらず汚泥処理施設での作業性や経済性を大幅に改善することができる。
【0182】
また、脱水汚泥の含水率の計測に代え、実施の形態3で詳述した脱水汚泥の移送圧力や実施の形態4で詳述した脱水汚泥移送機30の駆動機31の電流値に基づき、制御器48で無機凝集剤注入ポンプ24A,24B,24Cを制御してよい。
さらに、図10では、3台の遠心分離機1A,1B,1Cと1台の搬送機60について例示したが、これに限るものではなく、遠心分離機は2台でも4台以上でもかまわず、また搬送機も2台以上設けてよい。
【0183】
上記実施の形態1−7では、無機凝集剤と高分子凝集剤を注入するものを示した。この場合、無機凝集剤として、例えば、ポリ硫酸第二鉄,PACなどを用いることができ、高分子凝集剤として、例えば、カチオン系,両性系などを用いることができる。
【0184】
また、処理する汚泥として消化汚泥や混合生汚泥を示したが、これに限るものではなく、例えば、余剰汚泥(OD,回分)、し尿汚泥、浄化槽汚泥などでもよい。
【0185】
さらに、計測する対象(制御因子)も一つ(例えば含水率)に限らず、2つ以上(例えば移送圧力と電流値)とすることにより、また供給される汚泥の性状や遠心分離機の運転状況などを適宜組み合わせることにより、よりきめ細かい制御(脱水汚泥の含水率の調整)を行うことができる。
【0186】
(比較参考例)
ここで、消化汚泥に高分子凝集剤のみを注入する1液調質(無機凝集剤無注入)における実験結果を表9に示す。この1液調質(無機凝集剤無注入)による脱水汚泥の含水率は、装置や運転に工夫を凝らしても概ね80〜82%にとどまった。
しかし、本発明によれば、無機凝集剤を注入することにより、安定して10%以上含水率を低下させること(70%以下も可能)ができる。
【0187】
【表9】

【0188】
本発明の実施の形態に基づけば、さらに、以下に示すような優れた効果が得られる。
(1)制御器が計測値を監視して、無機凝集剤の注入量を制御することで、容易に脱水汚泥の含水率を広い範囲にわたり調整することができるため、脱水汚泥処理設備における所望の脱水処理を安定して行うことができる。
(2)無機凝集剤の注入量の制御と、既存の運転制御とを組み合わせることで、正確な脱水処理を行うことができるため、維持管理性や運転管理性が向上すると共に、汚泥処理施設における計画やその使用者の意向に沿って、汚泥処分計画を予定通りに遂行することができる。
(3)複数の脱水汚泥の処分・処分方法を実施している汚泥処理施設においても、容易かつ迅速に、各処理・処分方法に適合した含水率の脱水汚泥を得ることができる。これにより作業性や効率性が格段に向上すると共に、省エネルギーや温室効果ガス削減に有効である。
(4)複雑な構造ではなく、また既存の遠心脱水装置の簡易な改造でも構築でき、さらに既存の汚泥処理や汚泥処分の機械装置をそのまま流用できるので、経済性にとても優れている(性能向上と汚泥処理施設における経済的負担の軽減の両立)。
【符号の説明】
【0189】
1,1A,1B,1C 遠心分離機、
2 ケーシング、2a 分離液排出口、2b 脱水汚泥排出口、
3 外胴ボウル、3a 直胴部、3b,3c 2段テーパ、3d 1段テーパ、
4 内胴スクリュウ、4a 直胴部、4b 内胴テーパ、4c スクリュウ羽根、
5,6 回転駆動機、
7 汚泥供給室、7a 汚泥供給口、7b,7c 凝集剤流出口、
8,8a,8b 仕切板、10 プール、11 汚泥貯留槽、
12 高分子凝集剤貯留タンク、13 無機凝集剤貯留タンク、
14 汚泥供給管、15 汚泥供給ポンプ、
16 高分子凝集剤供給管、17 高分子凝集剤供給ポンプ、18 流量計、
19 開閉弁、20 無機凝集剤供給管、21 無機凝集剤供給ポンプ、
22 流量計、23,23A,23B,23C 無機凝集剤注入管、
23a,23b 無機凝集剤吐出孔、
24,24A,24B,24C 無機凝集剤注入ポンプ、
25 流量計、26,27 開閉弁、
30 脱水汚泥移送機、31 駆動機
40,42,44,46,48 制御器、
41 含水率計、43 圧力計、45 電流計、47 脱水汚泥移送管、
50 給水管、51 開閉弁、52 給水ポンプ
60 搬送機、61 汚泥ホッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子凝集剤が供給された汚泥を、外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で脱水汚泥と脱水分離液に固液分離する遠心脱水装置において、
無機凝集剤吐出孔を有すると共に前記内胴スクリュウ内を延伸し、
前記遠心分離機に設けられた脱水汚泥排出口に移送される凝集汚泥に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入管、
該無機凝集剤注入管に設けられた無機凝集剤注入ポンプ、
前記脱水汚泥排出口から排出された前記脱水汚泥を移送する脱水汚泥移送機
および前記無機凝集剤の注入量を制御する制御器
を備えていることを特徴とする遠心脱水装置。
【請求項2】
前記脱水汚泥の含水率を測定する含水率計を備え、
前記制御器は、前記含水率計の計測値に基づき、
前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水装置。
【請求項3】
前記脱水汚泥移送機の移送圧力を測定する圧力計を備え、
前記制御器は、前記圧力計の計測値に基づき、
前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水装置。
【請求項4】
前記脱水汚泥移送機の駆動機の電流を測定する電流計を備え、
前記制御器は、前記電流計の計測値に基づき、
前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水装置。
【請求項5】
請求項1に記載の遠心脱水装置を用いた遠心脱水方法において、
前記脱水汚泥の含水率に基づき、
前記制御器で前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する
ことを特徴とする遠心脱水方法。
【請求項6】
請求項1に記載の遠心脱水装置を用いた遠心脱水方法において、
前記脱水汚泥の移送圧力に基づき、
前記制御器で前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する
ことを特徴とする遠心脱水方法。
【請求項7】
請求項1に記載の遠心脱水装置を用いた遠心脱水方法において、
前記脱水汚泥移送機の駆動機の電流値に基づき、
前記制御器で前記無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する
ことを特徴とする遠心脱水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−13848(P2013−13848A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147674(P2011−147674)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(391022418)株式会社西原環境 (21)
【Fターム(参考)】